「成約率をいかに高めていくか」は企業として利益をあげていく上で重要な課題の1つです。
「成約率を高める」というのは、「いかに少ないリソースで、多くの営業成果を獲得するか、を追求する」ということなので、単に商談での成約率が向上した、というだけでは課題を解決することはできません。
顧客情報の管理や、見込み顧客へのアプローチや顧客教育など、「営業に必要なあらゆる作業をいかに効率的に行うか」という観点と、「1回の商談での成約率をいかに高められるか」という2つの観点で改良をしていく必要があります。
そんな時に活用したいのが営業ツールです。
この記事では、成約率を高めるために必要不可欠な4種類のツールと、その選び方、活用方法などを詳しく解説します。
目次【本記事の内容】
執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)
 慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。 |
営業効率や成約率を高めるために活用すべきツールは主に4種類
営業ツールには「どの営業プロセスを効率化したいのか」によって次の4種類のツールが存在します。
それぞれどのようなツールなのかを詳しく見ていきましょう。
顧客関係管理ツール(CRM)
「CRM」は、Customer Relationship Managementの略称で、「顧客関係管理」「顧客情報管理」「顧客関係構築」「顧客管理」などと訳される概念です。
「CRM」で顧客情報を分析することにより、顧客のニーズに応じた適切なアプローチを行い「顧客をリピーターやファンに育成」することができます。
「CRM」で、年齢・性別・住所・職業・年収・取引き商談履歴・クレーム状況などの情報を一元的に管理して分析し、ある条件に適合する顧客を抽出したり、市場の購買動向などを把握したりして営業活動に活かすことができるのが特徴です。
「CRM」を導入することによって、これまで営業担当者の経験や勘に頼っていた営業活動を可視化して共有することができます。
一般的に「顧客関係管理ツール(CRM)」には次のような機能がついています。
・顧客情報管理機能・分析機能
・メール配信機能
・問い合わせ対応機能
・プロモーション支援機能
■CRMの選び方
「CRM」を選ぶ際に考慮すべきポイントは次の4つです。
| CRMを選ぶポイント | ポイントの概要 |
| 目的に合った機能を有しているか | 自社の業務内容や導入目的に合った機能を有しているかどうかを確認する必要があります。ツールによっては無料トライアルなどが利用できる場合がありますので、事前に機能や使い勝手を確認することができます。 |
| 初期コストやランニングコストが適切か | 「CRM」を選定する際は、初期コストだけではなくランニングコストが適切かを確認する必要があります。 |
| サポート体制がしっかりしているか | 何らかのトラブルが発生したときに素早く対応してもらえるかどうかも大きなポイントです。サポート体制がしっかりとしたベンダーを選ぶようにしましょう。一般的に、国内企業の方が素早い対応が期待できるでしょう。 |
| 機能の拡張性や連携性があるか | 営業ツールは「CRM」だけではなく、次項で説明する「SFA」や「MA」などもあります。機能の拡張性や他のツールとの連携性が考慮されたツールを選ぶと、将来の機能拡張や他のシステムとの連携が楽に行えます。 |
また、代表的な「CRM」の特徴は次表の通りです。
| 名称 | 特徴 |
| Knowledge Suite(ナレッジスイート) | 名刺を使った顧客情報管理ができることが特徴。営業支援、顧客管理、グループウェア、働き方改革、テレワーク支援、コミュニケーションなどの機能を提供しています。 |
| Microsoft Dynamics 365(マイクロソフト) | 業務量が膨大で多種多様な業務内容がある大企業向け。多機能で高い拡張性を持っており、マイクロソフトが提供しているという信頼性が特徴です。提供機能は、カスタマーサービス、フィールドサービス、リモートアシスト、マーケティングサポートなど。 |
| e セールスマネージャー(ソフトブレーン) | 簡単入力が特徴で中小企業におすすめ。一度データや情報を入力すれば、多くの業務を自動化できます。提供機能は、ダッシュボード、タイムライン、スケジュール、顧客情報、人脈情報、商談リスト、予算情報、実績情報、グループウェアなど。 |
営業支援ツール(SFA)
「SFA(Sales Force Automation)」は、営業活動を効率化して支援するシステムやツールのことを言います。
「SFA」は、各営業担当者の営業日報や商談スケジュールを集中管理することができ、営業活動を可視化して共有化することができるのが特徴です。
営業担当者は外出先から携帯端末やスマートフォンなどを使って営業日報を作成したり、顧客情報を確認したりすることができ、上司は各営業担当者の営業活動の進捗状況を把握することができます。
「SFA」は営業活動における属人化を解消して、営業活動や営業報告業務を効率的に行うために有効なツールと言えるでしょう。
一般的に「営業支援ツール(SFA)」には次のような機能がついています。
・TODO管理機能
・スケジュール管理機能
・日報作成・管理機能
・案件管理機能
・商談管理機能
■SFAの選び方
「SFA」を選ぶ際に考慮すべき重要なポイントは、「CRM」と同様に次の4つです。
・目的に合った機能を有しているか
・初期コストやランニングコストが適切か
・サポート体制がしっかりしているか
・機能の拡張性や連携性があるか
代表的な「SFA」の特徴は次表の通りです。
| 名称 | 特徴 |
| Sales Force Assistant(NIコンサルティング) | 低コストながら営業戦略や営業行動などを可視化する機能が揃っていることが特徴。無料トライアルが可能です。 |
| Oracle Sales Cloud(米Oracle) | 一般的な機能のほか顧客のスコアリング機能や人員配置などの機能が充実。顧客の属性や購買動機などのさまざまなデータを取得できるBtoCなどの業態の企業向け。 |
| JUST.SFA(ジャストシステム) | ノーコードで自社向けのSFAにカスタマイズできることが特徴。パッケージ型で対応できない特異な営業スタイルの企業向けで、自社でカスタマイズができれば自由自在に運用することが可能となります。 |
マーケティング・オートメーション(MA)
「MA(Marketing Automation)」は、マーケティング活動を自動化・効率化するための方法論やその技術のことです。
具体的にはリードナーチャリングという営業プロセスに使われます。
顧客の育成状況に合わせたOne to Oneコミュニケーション活動を自動化するツールです。
「MA」を導入すると、見込み顧客一人ひとりの興味や関心に合わせたコミュニケーションが可能となり、見込み顧客との良好な関係を築くことが可能になります。
一般的に「マーケティング・オートメーション(MA)」には、次のような機能がついています。
・見込み顧客の管理機能
・スコアリング機能
・キャンペーン管理機能
・メール配信機能
・申し込みフォームの作成機能
■MAの選び方
「MA」を選ぶ際に考慮すべき重要なポイントは、「CRM」と同様に次の4つです。
・目的に合った機能を有しているか
・初期コストやランニングコストが適切か
・サポート体制がしっかりしているか
・機能の拡張性や連携性があるか
代表的な「MA」の特徴は次表の通りです。
| 名称 | 特徴 |
| Marketo Engage(アドビ) | 世界39か国の5000社以上に導入されているマーケティングプラットフォーム。Webサイトトラッキング、スマートキャンペーン、イベントプログラム、ナーチャリングプログラムなどの機能が利用できます。 |
| SATORI(SATORI) | Webサイトの集客に注力したツールで、匿名顧客に対応できることが特徴。主に中小企業や小規模事業などの1500社以上に導入されています。提供機能は、実名・匿名顧客の一元管理、問い合わせフォーム作成、リターゲティング広告配信、定期的なメルマガ配信、ステップメール自動配信などです。 |
| HubSpot(HubSpot Japan) | インバウンドマーケティングに強いことが特徴。複数のツールを組み合わせて効果を高めることができるマーケティングプラットフォームです。ホームページ作成、ブログ作成、メール配信、各種フォーム作成などの機能が提供されます。 |
営業促進ツール
営業促進ツールとは、顧客とのコミュニケーション、特に対面での面談や商談などの際に効果を発揮し、商談時の成約率を高める効果があります。
具体的には、名刺やチラシ、営業資料、会社案内・パンフレット、書籍などです。
■営業促進ツールの選び方
営業促進ツールは、顧客ごとに相手に合わせてセレクトすることが大切です。
たとえば、初回の商談の際には「いかに印象付けることができるか」や「信頼感を持ってもらえるか」が重要となります。
自社で作成した会社案内パンフレットや、出版した書籍などを持参すると、相手が会社に戻った後にじっくりと目を通して、自社に対する理解を深めてくれる効果が期待できます。
▶営業成約率を上げる方法については、関連記事【高単価商品やサービスの営業成約率を上げる方法】もあわせて参考にしてください。
商談で使う営業促進ツールは成約率を高める上で特に重要!
「CRM」や「SFA」「MA」などの営業ツールを導入して、顧客管理や顧客へのアプローチがうまくいったとしても、肝心の商談で成約できなければ意味がありません。
「CRM」や「SFA」「MA」は、営業活動における属人化を解消したり効率化したりする営業支援ツールに過ぎませんので、実際に商談になったときには成約率を高めるための営業促進ツールが重要となるのです。
代表的な営業促進ツールとしては、名刺、チラシ、営業資料、会社案内・パンフレット、書籍があります。
それぞれどのようなツールで、どのように活用できるのか、をくわしく見ていきましょう。
名刺
名刺はビジネスシーンにおいて重要な役割を持つ営業ツールです。
初対面のビジネス上の相手と、それぞれの所属や氏名などの基本情報を紹介し合うという意味合いがあり、あいさつや自己紹介の際に一般的に交換されています。
一方で、名刺には相手との会話のきっかけとして活用できる重要な役割もあります。
たとえば、名刺の裏面に出身地や趣味、特技などを記載しておいて、それをきっかけとして話がはずみ商談前のアイスブレークとすることもできます。
その他にも、自分の顔写真や似顔絵を入れたり、取扱商品を記載したり、会社のWebサイトのQRコードを入れたりなど、工夫次第でいろいろな活用が可能です。
チラシ
チラシは顧客に商品のおすすめポイントなどを簡単に説明して理解してもらうために最適な営業ツールです。
チラシはポスティングしたり、商談時に直接手渡しをするなどして配布します。
チラシを配布する主な目的は、「顧客に来店を促して商品やサービスを購入してもらうこと」「会社や商品の認知度を上げること」「キャンペーンなどのお得情報を告知すること」です。
また、チラシを作成する際に注意すべきポイントとしては、「5W1Hを明記する」「ターゲットに合わせて作成する」「会社や営業担当者の自己紹介を入れる」「画像などを入れてビジュアルにする」などが挙げられます。
営業資料
営業資料も営業活動に欠かせないツールの一つで、商談や面談の際に自社製品やサービスを効果的にアピールすることができます。
営業資料を作成する際は、顧客担当者に説明するためだけではなく、顧客担当者が決裁者に説明する際にも使用されることを考慮して、誰が見ても分かりやすい内容にすることが大切です。
また、プロジェクターでの説明資料は大きな文字で見やすく作成した方が良いですが、配布資料の場合は後日じっくりと読み返してもらうことも想定して、十分な情報量を盛り込んだ資料とした方が良いでしょう。
会社案内・パンフレット
会社案内やパンフレットも強力な営業ツールです。
会社案内やパンフレットには、自社の基本情報や事業内容・業績などのほか、取り扱っている商品やサービスが記載されています。
営業成約率を高めるポイントは、単に情報を羅列するだけではなく、商品やサービスの特徴、メリット、ベネフィットを分かりやすく説明し、自社の優位性が顧客に伝わるものにすることです。
これによって、顧客の興味を喚起し購買意欲を高めて成約につなげることができます。
会社案内やパンフレットがあれば、経験豊富な営業担当者はもちろんのこと経験が浅い営業担当者でも一定レベル以上のプレゼンテーションを行うことが可能となります。
書籍
書籍を営業販促活動に活用するという方法もあります。
具体的には、顧客との面談や商談の際に、自社の事業や商品・サービスなどについてまとめた自社出版の書籍を手渡して購買意欲の向上を図る、というものです。
チラシや営業資料などに比べて、書籍には圧倒的に多くの情報量を盛り込めるので、商品やサービスの紹介だけではなく、企業の成り立ちや企業理念、保有技術などを顧客に伝えることができます。
また、書籍は社会的信頼性が高いことも特徴です。
自社で出版した書籍を販売促進ツールとして利用することによって、顧客からの信頼を得て成約につながる可能性が高まります。
実際に書籍を販売促進ツールとして活用して成約率の向上に成功した事例について見ていきましょう。
▶書籍を販売促進ツールとして活用する方法については、関連記事【ブックマーケティングとは?メリットや効果的な戦略の作り方】もあわせて参考にしてください。
■保険代理店での書籍活用事例
ある保険代理店の経営者は従来から、一部のスーパー営業マンに頼った経営ではなく、アベレージヒッターを育てて全員で支えていく経営によって業績が拡大できるという考えを持っていました。
この考えを世に問うために書籍を出版したところ、これをきっかけとして保険契約数が飛躍的に伸び、書籍を読んだという決裁者から問い合わせがあり、新規契約を獲得することにも成功しました。
書籍を手にとって読んでもらったおかげで、すでに相手側が自分自身のことや自社のことをあらかた理解した状態で商談を始めることができ、成約率も向上。
書籍という信頼性のある媒体を使ったために、多くの業界関係者からの理解と共感が得られて、業績拡大につながった事例です。
■不動産会社での書籍活用事例
ある不動産会社の経営者は、高収入で高額納税者である医師に不動産投資サービスを勧誘するために、従来からSNSやウェブ広告などを使った情報発信を行っていました。
しかし、思うように見込み顧客が獲得できないため、「高収入な医師に最適な節税対策は不動産投資である」という内容の書籍を出版。
その結果、その書籍を読んだ決裁者からの問い合わせが増えて、見込み顧客との信頼関係の構築や節税対策としての不動産投資の有効性を理解してもらうことができました。
元々、商品が高単価だったために、顧客にその必要性や重要性を理解してもらうために多くの時間を費やす必要があったそうです。
しかし、書籍があることで、顧客教育や信頼関係構築がある程度できた段階で商談を始めることができ、成約率が向上したのはもちろん、口コミによって評判が広がって新規の顧客を獲得することができました。
■建設業専門コンサルティング会社での書籍活用事例
建設業専門のコンサルティング会社の経営者は、自社の事業が世間に認知されていないことから、これを改善するために書籍を出版しました。
書籍のタイトルに「建設業のための」という文言を入れて、ターゲットに届くような工夫をしたところ、書籍を読んだ建設業の決裁者から問い合わせがあり、10件近くの新規顧問契約を獲得。
書籍の出版によって、建設業専門のコンサルティング会社としての地位が確立し、業界内での認知度も向上しました。
このように、事業の認知度がそこまで高くない業種でも、書籍を事前に読んでもらうことができれば、ある程度理解した上で問い合わせや商談が行えるようになり、成約率向上につながります。
【まとめ】4つのツールをフル活用して成約率の向上を実現しよう!
本記事では、成約率を高めるために必要な4種類の営業ツールについて解説しました。
どのツールも、営業成約率を高めるためには有効なツールです。
CRMとSFAで営業プロセスの効率化や営業精度の向上を、MAツールで最適なタイミングでオファーを、そして営業促進ツールで成約しやすい商談の実現を、といった具合に組み合わせて有効活用していきましょう。
4つ一気に活用することが難しければ、営業促進ツールからの活用がおすすめです。
特に、近年改めて注目を集めている「書籍」「会社案内・パンフレット」を営業促進ツールとして活用する方法は、顧客との信頼関係構築や顧客教育が必要になる高単価商品やBtoB商品などの成約率向上に特に有効です。
これらの商品を取り扱っているのであれば、ぜひ営業促進ツールとして書籍や会社案内・パンフレットを取り入れることを検討してみてはいかがでしょうか。
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「営業の成約率を上げる」という課題や目標は、どの企業も共通して持っているものです。
なぜなら、営業成約率が高ければ高いほど、少ない人件費で多くの成約を獲得できるためです。
しかし、なかなか営業の成約率が上がらずに、どうすれば良いか悩んでいる営業担当者や経営者も少なくないのではないでしょうか。
特に、商品やサービスが高単価になればなるほど、成約率を上げることが難しくなります。
そこで、この記事では、営業成約率を上げる方法について、基礎的な考え方から詳しく解説していきます。
目次【本記事の内容】
執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)
 慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。 |
営業成約率とは?計算方法は?
営業成約率とは、営業活動において実際に成約した割合を示す指標です。
具体的には、「商談を行った案件数」に対する「実際に成約できた案件数」の割合のことで、次の式で算出されます。
| 営業成約率(%)=「実際に成約できた案件数」/「商談を行った案件数」×100 |
たとえば、今月10件の商談を行い、そのうち3件成約できた場合は、営業成約率は30%です。
営業成約率の数字から、自社の営業部門の効率を知ることができます。
もし、営業成約率が低下傾向にあることが分かれば、営業部門に何らかの問題があることが想定され、何らかの改善アクションを起こす必要があるということです。
販売単価が高い商品・サービスほど、営業成約率が低い理由
一般的に、営業成約率の平均値は30%~50%程度と言われています。
ただし、業界、商品やサービスの種類、営業方法などによって営業の難易度が変わるので、当然ながら営業成約率も変わってきます。
営業成約率が30%〜50%に満たない業種もたくさんあるので、この数値を下回っているから改善が必要ということではありません。
たとえば、HubSpotを提供するGetAcceptが2023年11月28日に発表した「20 sales closing statistics you need to know in 2024」によると、業界別の営業成約率の平均値は次のような結果となっています。
- ・工業:27%
- ・電子機器:23%
- ・ソフトウェア:22%
- ・金融:19%
また、商品の販売単価が高い住宅業界の営業成約率の平均値は10%前後であり一般的な平均値を下回っています。
つまり、販売単価が高い商品やサービスほど営業成約率が下がっていく傾向があるのです。
高単価商品・サービスの営業成約率が低いのは、主に次のような理由からです。
高単価である理由や付加価値に納得してもらう必要があるため
商品やサービスが高単価であればあるほど、顧客にとっては失敗した時のリスクが大きくなります。
たとえば、1,000円程度の商品やサービスであれば、失敗しても損害額は小さいので「試しに買ってみよう」という気になりますが、100万円を超えるような商品やサービスの場合は損害額が大きくなりますので「もし失敗したらどうしよう」と考えて慎重に判断するようになります。
つまり、商品やサービスが高単価であればあるほど、高単価である理由や、その商品やサービスの付加価値について十分理解して納得してもらえないと購入に踏み切ってもらえないので、必然的に営業成約率も低くなります。
顧客との深い信頼関係構築が必要なため
たとえば、突然訪ねてきた営業マンから100万円の商品をすすめられたら買おうと思うでしょうか。
たとえ今の自分に必要な商品・サービスであったとしても、その営業マンとの関係性がないため、断ってしまう人が大多数でしょう。
一方で、数年以上の付き合いがあり、大きな信頼を寄せている営業マンから100万円の商品をすすめられた場合はどうでしょうか。
「話を聞いてみて考える」という対応に変わる人も出てくるでしょう。
このように、その商品やサービスがどんなに良いものであったとしても、人は高単価でリスクの高い商品やサービスを購入する際には、営業マンとの信頼関係を大切にする傾向があるのです。
つまり、高単価商品やサービスを販売するためには、顧客との信頼関係を構築する必要があるということになります。
見込み顧客との信頼関係は1日や2日でできるようなものではありません。
何度も通って挨拶をしたり、ちょっとしたお困りごとを手助けしたり、小さな信頼を積み重ねてようやく醸成するものです。
そのため、高単価の商品は成約までのリードタイムが長くなりやすく、その分営業成約率も低くなりやすいのです。
必要性に気づいてもらうために顧客教育が必要なため
高単価商品やサービスの場合、「なぜそれが自分にとって必要なのか」を顧客に理解してもらう必要があります。
なぜなら、高単価商品やサービスの多くは、その顧客にとって生きていくために最低限必要なものではないことが多いからです。
たとえば、高単価商品やサービスであるマイホームや車、不動産投資、積立保険、各種講座などは、別に今購入しなくても十分生きていけるものです。
よく「人は予防のためにはお金を使わない」と言われますが、高単価商品やサービスの多くは「今の生活をより豊かなものにするもの」や「将来起きうることを予防するもの」であることが多いため、必要性をしっかりと説いていく顧客教育が必要となるのです。
顧客教育についても、信頼関係の構築と同様にある程度時間がかかります。
結果として、営業成約率も低くなってしまうのです。
成約までのリードタイムが長い傾向があるため
高単価商品やサービスは、前述した通り、顧客との間に信頼関係を構築することが重要だったり、顧客教育によって必要性や価値に納得してもらう必要があったりするため、成約までの期間が長くなる傾向があります。
成約までの期間が長くなると、その間に他の業者に注文を取られてしまったり、急に顧客の気が変わってしまって失注してしまったりすることがあります。
このように、高単価商品やサービスはリードタイムが長い傾向があるため、成約率が低くなりやすいのです。
高単価商品やサービスを成約させるには仕組み構築が必要不可欠
高単価商品やサービスを成約してもらうためには、顧客との間に信頼関係を構築したり、価値に納得してもらったり、成約までの期間に気が変わらないようにするような工夫が必要になります。
そのためにも、初めてのアポイントから成約に至るまでの営業の仕組みを綿密に構築しておきましょう。
たとえば、「『無料登録で有料級のノウハウゲット!』『無料登録でポイントがもらえる!』などが書かれたサイトに登録したら、毎日のようにメルマガが送られてくるようになった」という経験をされたことはありませんか。
おそらく、何度か送られてくるメルマガにはノウハウやお役立ち情報と一緒に無料セミナーなどの告知が入っていたりするはずです。
無料セミナーに参加すると、終盤で無料の個別相談をすすめられる、という具合に、徐々に対応レベルが引き上げられていくような仕組みになっているはずです。
そして、無料の個別相談に参加すると大抵は商品やサービスの営業を受けることになります。
この流れも高単価商品やサービスの成約率を上げるために綿密に組み上げられた、営業の仕組みの一種なのです。
ただ顧客と商談をして商品やサービスをすすめるだけではなく、こういった営業の仕組みを作り上げて、丁寧に顧客を教育し、引き上げていかないと、なかなか高単価商品やサービスの営業成約率は上がっていきません。
高単価商品やサービスの成約率を上げる方法
前述した営業の仕組み構築はあくまで一例です。
高単価商品やサービスの営業成約率を上げるためには、販売する商品やサービスの種類によってさまざまな工夫が必要になってきます。
ここからは、高単価商品やサービスの営業成約率を上げる方法を、いくつかご紹介します。
フロントエンド商品を作り、高単価商品やサービス購入までの導線を作り込む
「フロントエンド商品」とは集客のために単価を安く設定した商品のことです。
一方で、顧客に最終的にすすめたい高単価の本命商品のことを「バックエンド商品」と言います。
3,000円程度のセミナーに参加したら、終盤で高額の講座のオファーがあった、なんて経験をされた方は多いのではないでしょうか。
この場合、3,000円程度のセミナーがフロントエンド商品で、高額の講座がバックエンド商品になります。
高単価商品やサービスのフロントエンド商品としては、サンプル提供、無料お試し、無料セミナー、無料相談などが一般的です。
フロントエンド商品を考える上で重要なのが、「バックエンド商品」の必要性や重要性をいかに伝えられるものであるか、という観点です。
たとえば、バックエンド商品が「投資用不動産の購入」であれば、不動産投資の必要性や重要性を伝えられるようなセミナーなどが適切です。
「今からでも遅くない!資産構築セミナー」や「初心者でも大丈夫!不動産投資セミナー」といった具合です。
費用は必ずしも無料にする必要はありません。
商品やサービスのターゲットが手を出しやすい価格帯にすることが大切であり、それが無料なのであれば無料に、無料セミナーなどが怪しまれそうな場合は3,000円などに設定していきます。
このように、顧客に「フロントエンド商品」を提供してから高単価商品やサービスを購入してもらうまでのシナリオやロードマップを丁寧に作り込むことによって、営業成約率の向上が期待できます。
顧客の相場感をコントロールする
高単価商品やサービスの営業成約率を上げる方法として、顧客の相場感をコントロールする方法があります。
たとえば、前述した「フロントエンド商品」として無料セミナーを開催した場合であれば、セミナーの中で「このサービスだと一般的には60万円~70万円程度で提供されています」と説明します。
顧客側に「このサービスは一般的には60万円〜70万円程度なんだ」と相場感をインプットしてしまうテクニックです。
その後、無料相談に引き上げた際に、「60万円~70万円」よりも少し安い価格を提示すると、顧客は「相場よりも安い」と感じて、スムーズに購入してもらえるようになります。
このように、顧客の相場感をコントロールする、という方法もちょっとしたテクニックではありますが、高単価商品・サービスの営業成約率の向上に有効な方法です。
ただ、相場を事前に伝えるだけではなく、以下のような2つの方法を意識するとより効果的にコントロールすることが可能です。
①比較対象を工夫する
相場感のコントロール手法の一つに「比較対象を工夫する」方法があります。
たとえば、税理士がクライアントに「税理士の顧問契約」というサービスを営業した場合、クライアントの頭の中に「税理士の顧問契約の相場感」がセットされてしまいます。
顧問税理士の相場感は月額1万円〜5万円程度ですから、その後はその相場感で契約金額を判断されてしまう訳です。
しかし、サービス名を「顧問契約」から「社外財務責任者(社外CFO)として雇う権利」という表現に変えると、顧客は後者の相場感で考えるようになります。
すると、「社外財務責任者(社外CFO)を1人雇うとしたら数十万円程度かな?」と、顧問契約とは別の相場感で顧客は金額を判断するようになるのです。
結果として税理士の相場感よりも高い金額で契約を取ることが可能です。
このように、商品やサービスの価格は、何と比較するかによって顧客の相場感が変わってしまうので、「比較対象を工夫する」ことが重要になります。
②アンカリングする
相場観をコントロールするもう1つの手法として「アンカリング」も覚えておきましょう。
「アンカリング」とは、ユーザーとの接点において、自分の商品やサービスがどの程度の価格なのかを、それとなくお客様の脳内にインプットしておく方法です。
たとえば、無料セミナーや面談などの際に、「このサービスは一般的に100万円以上しますよ」などと説明しておくことによって、顧客に無意識に価格をイメージさせます。
その上で、自身の商品やサービスの価格を提示するわけですが、この時点で顧客は100万円程度の価格に対する抵抗感が比較的少ない状態になっているため、結果的に営業成約率が高くなります。
小さな信頼を積み上げ、まずは人を信頼してもらう
最初に高単価ではなく低単価な商品を購入してもらうことにより、顧客と段階を踏んで信頼関係を作っていく方法です。
前述の「フロントエンド商品」のように、無料や低単価なもので信頼してもらい、後にアップセルで高単価商品を販売した方が営業成約率が高くなりやすい傾向があります。
たとえば、ある自動車メーカー正規ディーラーのトップセールスマンが飛び込み営業でまずやることは、「話を聞く」ことだそうです。
色々と話を聞いているうちに、出てくる地域のお困りごとを解決していくことで顧客との信頼関係を構築していきます。
その結果として、「あなたがそんなにすすめるなら」と高額な車を買ってくれる人が増えていったのだそうです。
このように、高単価商品・サービスの場合はコツコツと顧客との信頼関係を構築していくことが営業成約率の向上に直結していきます。
セミナーや講座を実施し、顧客教育を行う
高単価商品やサービスの多くは、生活するのに必要不可欠ではないものが多いため、その必要性や価値、将来性などについてしっかり顧客教育する必要があります。
たとえば、高単価商品やサービスを購入する可能性の高い見込み顧客が興味を持ちそうなテーマでセミナーを開催する、などです。
セミナーなどで顧客教育を行い、その後無料の個別相談などに勧誘することによって営業成約率を高くすることができます。
書籍を活用し、事前に信頼関係構築や顧客教育を行ってから商談を実施する
書店には、さまざまな悩みを持った人が本に解決策を求めて集まってきます。
そして、自分の悩みの解決につながると思われるジャンルの書棚を見て、めぼしい本を手に取って購入します。
このときに、販売したい高単価商品やサービスに関する本を手に取ってもらい、興味や関心を抱かせることができれば購入してしっかりと読んでもらえるはずです。
その結果、著者やその企業、商品・サービスに対する信頼感が醸成されて顧客教育を一気に行うことが可能となります。
つまり、書籍を出版し、本を見込み顧客にしっかりと届けることができれば、高単価商品やサービスの成約率向上につながりやすくなるということです。
後述しますが、実際に書籍を出版して活用することにより、顧客との間の信頼関係の構築に成功し、高単価商品やサービスの販売につなげている企業も多くあります。
「デジタルの時代に書籍なんて」と思うかもしれませんが、デジタルではなかなか販売ができないハードルの高い高単価商品・サービスだからこそ、こういったアナログな施策が有効だったりするのです。
▶書籍を企業の営業活動に活用する具体的な方法については、関連記事【ブックマーケティングとは?メリットや効果的な戦略の作り方】もあわせて参考にしてください。
企業が書籍を出版する方法
企業が書籍を出版できる方法は次の3つです。
| 出版方法 | 特徴 |
| 商業出版 | ・出版社が自社の利益をあげるために企画し出版する方法・著者選定や内容の企画は出版社が行うため、企業側が出したい書籍内容にはできない・出版プロモーション費用は出版社が負担・著者には印税収入がある |
| 自費出版 | ・出版費用は著者持ちだが、出したい内容の書籍を誰でも出版することができる・出版後の流通やプロモーション費用はすべて著者負担 |
| 企業出版(ブックマーケティング) | ・企業がブランディングやマーケティングなど、自社の課題解決のために出版する・出版費用やプロモーション費用がかかるがブランディングやマーケティングへの活用を見据えた書籍内容の企画を行う・書店流通やプロモーションのサポートもしっかりと行なってもらえるため、ターゲットに書籍が届きやすい |
商業出版は企業の一存で出版できる訳ではないため、自費出版か企業出版のどちらかで出版を検討することになります。
▶商業出版については、関連記事【商業出版とは?企業がブランディングを考えたときの出版の選択肢】もあわせて参考にしてください。
自費出版は自社の書きたい内容がかけるのがメリットですが、どうしても出版して終わりになりやすく、流通やプロモーションなどが課題です。
「出版したはいいが、全く出版効果を感じられなかった」という事例の多くはこの自費出版によるものです。
▶自費出版については、関連記事【自費出版とは?メリットやデメリット、費用相場、成功事例などを解説】もあわせて参考にしてください。
一方で、企業出版(ブックマーケティング)の場合は、出版後のマーケティングやブランディングへの活用方法も見据えた戦略・企画を立てていくため、出版して終わりではありません。
出版後にターゲットに書籍を届けることを目的としているので、費用はかかりますが、書店流通やプロモーションなどが実施でき、問い合わせの獲得や売上向上など、企業の抱える課題解決につながります。
高単価商品やサービスの成約率向上には書籍の活用がおすすめ!
高単価商品やサービスの成約率を上げる方法として、今注目されているのが書籍の活用です。
「なぜ書籍なのか?」と疑問に思う方もいるかもしれませんが、書籍には他のメディアとは比較にならないほどの情報量をまとめて読者に伝えることができるという優れた特徴があります。
Web広告やSNSなどのように「読まれない」ことが当たり前のメディアでは、商品やサービスの必要性を伝えにくいため、なかなか成約がでにくいのが実情です。
その点、書籍であれば、ネットのように不特定多数の方にアプローチできなくとも、ターゲットとなる人の手に渡りさえすれば、深く読んで理解してもらうことができます。
書籍を読むことによって、高単価商品やサービスを購入することによってどのようなメリットが得られるのか、どのようなベネフィットが享受できるのかなどについてくわしく知ることができるのです。
デジタルでは成約しにくい商品・サービスだからこそ、書籍のような「読まれる媒体」が有効だと言えるのです。
しかし、実際に書籍を出した人の中には「本を出したけど、営業成約率の向上につながらなかった」という方もいらっしゃるでしょう。
これは、ただ本を出すだけで終わってしまっているからです。
たとえば、創業経営者などが名刺代わりに配るために自費出版した本などがこれに当たります。
書籍の出版を営業成約率の向上につなげるためには、出版後の流通経路やマーケティングへの活用方法などについて企画段階から綿密に計画し、商品やサービスを購入してもらいたい見込み顧客に、実際に本を手にとって読んでもらうことが重要となります。
営業成約率の向上をしたいのであれば、マーケティングの一環として書籍を活用すべきです。
実際に書籍を活用したブックマーケティングにより、高単価商品やサービスの成約率向上につなげたという事例がいくつもあります。
【1】保険代理店の事例
法人保険を取り扱っている保険代理店の経営者は、「一部のスーパー営業マンに頼った経営から、平均的な成約を取れる営業マンを増やすことによって業績向上が目指せる。そのためには保険業界に定着している『成果報酬型』の給与体系を『一律報酬型』に変える必要があるという持論を持っていました。
そして、保険業界の実態と、この考えをまとめた書籍を出版したところ、顧客や同業者からの見られ方が大きく変わったことを実感し、大型契約などの高単価商品の成約率の向上につながったのだそうです。
書籍を出版したことによって自社の信頼性が高まり、商談の際も顧客企業の経営にまで踏み込んだ相談を受けることが増えて、それに応えることによって大口契約につながったのです。
また、社内でも、社員に対する経営者の接し方が、外的な圧力で働きかけるマネジメントから、従業員の内的な動きを促すマネジメントに変化し、人材の定着率も向上したと言います。
【2】不動産会社の事例
高収入な医師をターゲットとして、不動産投資サービスを行っている不動産会社の経営者は、顧客獲得のためにSNSやWebを活用した情報発信を行っていましたが、大きな手ごたえが得られていませんでした。
そこで、「医師の節税対策には不動産投資が一番効果的だ」という内容の書籍を出版。
ターゲットである医師に確実に届けるために、企画段階から出版社の販路やプロモーションなどについても入念に計画を立てていたため、出版後に書籍を読んだ医師からの問い合わせや商談が急増しました。
取り扱っている商材は高単価の不動産なのですが、「節税対策に効果がある」ということ認知されて成約率も飛躍的に向上したと言います。
【まとめ】書籍を活用し、高単価商品やサービスの成約率を上げよう!
本記事では、高単価商品やサービスの営業成約率を上げるための方法について紹介しました。
紹介した方法を活用し、高単価商品やサービスの営業成約率を地道にあげていきましょう。
また、書籍を活用する方法も、デジタルではなかなか成約しにくい高単価商品・サービスの成約率向上に効果的です。
「Web広告やSNSをやっているのに、なかなか成約率があがらない」という方などは、ぜひ書籍を活用したブックマーケティングを検討してみてはいかがでしょうか。
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企業経営者が書籍を出版する際には、出版社や編集者などのプロの手を借りることが必要です。
もしくは、出版社には属していない「出版プロデューサー」という職業の方にサポートしてもらうことも考えられます。
本記事では、「出版プロデューサー」の役割や選ぶ際の注意点などについて詳しく解説します。
目次【本記事の内容】

慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。
出版プロデューサーとは何者か

「出版プロデューサー」という職業はあまり知られていませんが、映画業界やTV業界、音楽業界などで「プロデューサー」といえば、「作品を制作する人」や「作品の制作責任者」を指します。
「出版プロデューサー」も同じように、「出版物を制作する人」や「出版物の制作責任者」のことをいいます。
ただしここで気をつけなければならないのは、「出版プロデューサー」と紛らわしい名前の「出版コンサルタント」や「出版エージェント」などがいるということです。
名前が似ているというだけでその役割は違っているので、書籍を出版したいと考えている方は、それぞれの違いをよく分かったうえで、のちのちトラブルにならないように「出版プロデューサー」を選ばなければなりません。
以下では、「出版プロデューサー」について説明した後に「出版コンサルタント」や「出版エージェント」についても説明し、役割の違いを明確にします。
出版プロデューサーとは
「出版プロデューサー」とは、一言でいえば「本の出版に責任を持つ人」です。
具体的には、著者の発掘から出版企画書の作成、出版社への企画の提案、出版後の販促などまで、書籍の作成や出版に関わるすべてのプロセスにおいて著者をサポートします。
「出版プロデューサー」は出版社には所属しておらず、個人または法人に所属して活動しています。
多くのジャンルの出版に関わった幅広い経験や、多くの出版社や編集者とのネットワークをもっているため、適切な出版企画書の作成をして、最もふさわしい出版社にコンタクトして、著者と出版社との橋渡しをします。
以下では、より具体的に「出版プロデューサー」の役割について見ていきましょう。
「出版プロデューサー」の1つ目の役割は、著者を発掘することです。
「出版プロデューサー」は、世の中に価値を提供できる、かつ売れる見込みのある本をプロデュースする仕事ですので、企業経営者や普通のサラリーマン、主婦の中から「他人に届ける価値」を持った著者を探し出します。
その人たちの中に潜んでいる「他人に届ける価値」を適切に引き出せる出版プロデューサーが、腕の良い「出版プロデューサー」ということになります。
「出版プロデューサー」の2つ目の役割は、出版企画書の作成、またはアドバイスを行うことです。
多くの著者は出版に関しては素人なので、ほとんどの場合「出版プロデューサー」が出版企画書を作成した方が短期間で質の良いものが出来上がります。
出版企画書を作成するにあたっては、著者からヒアリングして著者が持っている「他人に届ける価値」や「他の人にはない著者だけの強み」を引き出していきます。
高いヒアリング能力を持つ「出版プロデューサー」が、多くのベストセラーを出すことができるのです。
「出版プロデューサー」の3つ目の役割は、出版社へ企画を売り込んで採用してもらうことです。
日本には、大手・中堅・小規模の出版社や専門出版社、その他の組織の出版局などを合わせると約4,500社の出版社があります。
ここでは「出版プロデューサー」の出版社や編集者とのネットワークが問われます。
著者の専門分野に近い出版社とネットワークを持っていなければ、企画書の売り込みはできませんし採用してもらうこともできません。
「出版プロデューサー」の4つ目の役割は、書籍のプロモーションです。
出版企画書が出版社に採用されると、必要な制作プロセスを経て書籍が完成しますが、出版不況とも言われる現代では、販促やプロモーションを行わなければ簡単に本は売れません。
実際の販促活動は出版社が主導して行うので、「出版プロデューサー」は出版社に最適な販促活動をするように働きかけることになります。
出版コンサルタントとは
「出版コンサルタント」とは、出版企画書へのアドバイスを主な業務とする人のことです。
コンサルタント(Consultant)は、もともと「一緒に座って議論する」という意味を持ったラテン語を語源とする言葉です。
基本的に「コンサルタント」の仕事はアドバイスだけですので、出版に関わる実務は行いません。
そのため、「出版コンサルタント」は、どうすれば採用される出版企画書を書けるのかというアドバイスをして相談料をもらうだけで、「出版プロデューサー」のように出版企画書を作成したり、企画を出版社に持ち込んだりという仕事までは行いません。
「出版コンサルタント」に依頼する場合は、出版に関しては素人である著者が、自分自身で出版企画書を作らなければなりません。
さらに、でき上がった出版企画書を出版社に持ち込むのも著者がやらなければなりませんので、出版社や編集者とのネットワークがない素人には、出版社を探すことさえ難しいことになります。
ただし、良心的な「出版コンサルタント」の場合は、著者が作成した出版企画書を添削してくれたり、企画が採用される可能性の高い出版社を紹介してくれたりします。
出版エージェントとは
「出版エージェント」とは、著者の代理人として出版社や編集者と様々な交渉をする人のことです。
エージェント(Agent)とは「代理人」のことを指す英語で、本人から委任された代理権限の範囲内で、本人に代わって取引や契約などを行います。
特に海外では「出版エージェント」は出版に欠かせない存在です。
たとえばアメリカでは、著者が出版社に出版企画書を持ち込むケースはほとんどなく、すべて「出版エージェント」を介して行われます。
「出版エージェント」は著者の代理人として、著者が有利になるように交渉や契約をすることが役割ですので、出版コンサルティングなどを行うことはありません。
出版プロデューサーに依頼するメリットとは

企業経営者が書籍を出版する際に「出版プロデューサー」に依頼することによって得られるメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
代表的なメリットは、次の4つです。
専門知識やノウハウをもとにアドバイスをしてくれる
企業経営者としては、どうせ書籍を出版するのなら「売れる本」を作って、「自社のPRやブランディング」に寄与できるものにしたいと思うはずです。
しかしながら、年間約7万タイトルもの書籍が出版されているわけなので、無名の企業経営者がヒット作を作るのは容易なことではありません。
その点、「出版プロデューサー」に依頼すれば、近年のヒット作のトレンドを把握した出版のプロからアドバイスを受けることができます。
書籍のテーマに応じた専門知識やノウハウを駆使して、構成やタイトル、デザインなどあらゆるプロセスにおいて「売れる本」を目指してブラッシュアップしてくれます。
企業経営者が持っている、独自の経験やノウハウ、伝えたい思いを引き出して言語化して「売れる本」に仕上げるサポートをしてくれるのが「出版プロデューサー」です。
プロジェクト進行のサポートにより時間と労力を短縮できる
企業経営者が出版をするためには、出版企画書を作成して出版社に持ち込み採用されなければなりません。
運良く企画が通ったとしても、原稿の執筆はもちろんですが、編集や校正、デザインなどの多くのプロセスで多くの作業をしなければなりません。
そして最大の問題点は、一般の企業経営者は出版そのものに精通していないということで、慣れない作業に大変な時間と労力がかかってしまいます。
しかし、「出版プロデューサー」に依頼すれば、ほとんどの作業をサポートしてくれるので、時間と労力を短縮できることになります。
販売戦略やマーケティング支援も受けられる
「出版プロデューサー」は、出版企画書の作成から出版社への提案、そして実際の出版までをサポートしてくれますが、さらに出版後の販促まで関わってくれます。
個人の「出版プロデューサー」の場合は、販促活動のアドバイスにとどまる可能性がありますが、たとえば株式会社フォーウェイのような自社グループに出版社を持つ「出版プロデューサー」であれば販売戦略やマーケティング支援までトータルでサポートすることが可能です。
商業出版により費用対効果の高い出版が可能となる
「出版プロデューサー」は、企業経営者の商業出版をサポートするのが仕事です。
商業出版は出版社がベストセラー目的で利益を上げるために行うものなので、出版費用は出版社が負担します。
そのため商業出版で本を出すことができれば、費用をかけることなく「自社のPRやブランディング」ができるので、費用対効果の高い出版が可能になります。
商業出版と自費出版の違い

出版方法を費用負担や書店に並ぶかどうかという観点から商業出版と自費出版に分けることができます。
以下では、それぞれの違いについて解説します。
商業出版とは
商業出版とは、出版社が利益を出すことを目的とする出版方法で、出版社が全額費用負担をします。
より多くの書籍が売れて出版社が利益を上げることができるように、積極的にプロモーションを行うのが特徴です。
実際に、ベストセラーとなっている書籍のほとんどは商業出版によるものです。
しかしながら、商業出版の場合は、著者が伝えたいことよりも出版社の意向が優先されるので、著者が言いたいことが書けなかったり、出版社によって修正されたりすることがあります。
企業経営者が書きたいことがすべて書けるわけではないということが、商業出版における唯一のデメリットということができるでしょう。
自費出版とは
自費出版とは個人出版ともいうように、筆者が個人的に書籍を出版することを目的とした出版方法で、出版費用は全額著者の負担です。
自費出版のメリットは、出版社が企画に介入しないため本の内容の自由度が高いことで、著者は自由に書籍の内容を決めることができます。
基本的に自費出版は書店で販売されることはありませんが、出版社の販路を利用して書店で販売することも可能です。
つまり、企業経営者が本を出す場合、自費出版で制作して書店に流通させるような方法も考えられるということです。
出版プロデューサーを選ぶ際に注意すべきポイント

ここでは「出版プロデューサー」を選ぶ際に注意すべき4つのポイントについて説明します。
なお、著者から費用ばかりを巻き上げる悪質な詐欺まがいの「出版プロデューサー」や「出版コンサルタント」も存在するので、くれぐれもそのような人を選ばないように十分注意しましょう。
経験とスキルを持つプロデューサーを選ぶ
「出版プロデューサー」に限ったことではありませんが、多くの経験を積んで確かなスキルを持った人を選ぶ必要があります。
具体的には、出版点数や代表作、著者、得意ジャンルなどの実績を確認します。
書籍には多くの分野があるので、出版したい本のテーマの分野に関する知識や知見が豊富で、その分野の出版社からの出版実績があることもきちんと確認するようにしましょう。
出版経路を明確に持つプロデューサーを選ぶ
「出版プロデューサー」には個人または法人所属の人がいますが、いずれの場合も確実に書籍の流通まで行える人を選ぶようにしましょう。
個人の「出版プロデューサー」の場合は、どこの出版社とコネクションがあるのか、複数の出版社の中から選ぶことができるのかなども重要です。
法人所属の「出版プロデューサー」の場合は、そのグループ内に出版社がある場合があるので、その点についても確認することをおすすめします。
編集者の所属やコネクションを確認する
法人所属の「出版プロデューサー」の場合、その法人の中に編集者がいるのかどうか、そしてその編集者の実績も確認しましょう。
個人の「出版プロデューサー」の場合は、どのような実績を持つ編集者とコネクションがあるのかを確認する必要があります。
契約内容や、職務範囲、報酬体系を明確にする
「出版プロデューサー」に依頼する場合は、きちんとした契約を結ぶことになります。
契約前に確認しなければならないのは、職務範囲、報酬体系、支払条件、印税の条件(印税率や、印刷部数と販売部数のどちらで印税が支払われるのか、など)などです。
ほとんどの出版社は持ち込みの企画や原稿を求めていない

ここまで、「出版プロデューサー」に依頼して商業出版する前提での説明をしてきましたが、一つ重要なことをお伝えしておく必要があります。
それは、出版社は「持ち込み企画の商業出版を歓迎していない」ということです。
現実に大半の出版社は原則として持ち込み企画や原稿を求めていません。
商業出版とは、出版社自身が本の企画、著者の選択・指名をして、本という商品を売って利益を稼ぐものだからです。
このように、そもそも商業出版の門戸は狭くハードルが高いということは認識しておく必要があります。
企業がPRやブランディングで検討する他の出版方法

では、企業が「自社のPRやブランディング」を目的として書籍を出版したい場合には、他にどのような選択肢があるのでしょうか。
企業出版(ブックマーケティング)という手段
企業が「自社のPRやブランディング」を目的として書籍を出版する場合におすすめしたいのは、企業出版(ブックマーケティング)という方法です。
企業が書籍を出す目的は「自社のPRやブランディング」です。
言い換えれば、いかに自社の存在を正しく認知してもらい、自社のファンになってもらえる人を増やすか、が企業が書籍を出す本来の目的です。
企業出版の場合は、出版社のプロモーションによって「いかに企業の顧客ターゲット層に書籍を届けるか」ということが目的になるので、企業の目的と合致します。
企業出版(ブックマーケティング)では、具体的に目的達成のための手段として書籍を活用し、SNSマーケティングやSEOコンテンツマーケティング、クラウドファンディングなどと組み合わせて、最終目的である「自社のPRやブランディング」を達成するためのマーケティング戦略を立てていくのです。
まとめ
本記事では、企業経営者が書籍を出版する際に依頼する「出版プロデューサー」の役割や選ぶ際に注意すべきポイントなどについて詳しく解説しました。
しかし、商業出版の門戸は狭くハードルが高いという現実があるので、「出版プロデューサー」に依頼したとしても、実際に書籍を出版するのは難しいことです。
書籍を利用して「自社のPRやブランディング」を実現したいという企業経営者の方には、企業出版(ブックマーケティング)をおすすめします。
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企業経営者であれば、自社のブランディング戦略の一環としてビジネス書の出版を選択肢に入れている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ビジネス書の出版は、その企業にさまざまな効果をもたらしてくれます。
本記事では、ビジネス書の出版方法やメリット・デメリット、具体的な成功事例などについてくわしく解説します。
目次【本記事の内容】

慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。
ビジネス書の出版についての基本知識

最初に、ビジネス書を出版するに際して知っておくべき基本知識について説明します。
ビジネス書とは
ビジネス書とは、ビジネスに役立つ知識やノウハウ、経営・経済・自己啓発などをテーマにして書かれた書籍のことをいいます。
たとえば、経営に関するビジネス書には、経営の考え方やノウハウ、事例などが、マーケティングに関するビジネス書であれば、マーケティング理論や手法、事例などが紹介されています。
ビジネス書を購入する読者の多くは企業経営者や会社員などです。
自分自身のビジネスや仕事に活かせる知識やノウハウ、気付きなどを得ることを目的として購入されます。
また、ビジネスで成功した人の考え方や価値観、生き方、人生などを知ることによって、自分自身のスキルや教養の向上に役立てたいという目的で購入されることもあります。
ビジネス書のジャンルやテーマ
ビジネス書はいろいろなジャンルに分けることができ、大別すると「経営」「経済」「ビジネススキル」「自己啓発」などに分けられます。
さらに次のように業種やテーマによってより細かいジャンルに分かれています。
- ・会社経営
- ・経営学
- ・マーケティング
- ・組織
- ・リーダーシップ
- ・ビジネススキル
- ・自己啓発
- ・投資全般
- ・不動産投資
- ・株式投資
- ・資産形成、資産運用
- ・金融・保険
- ・経済
- ・相続対策
- ・節税対策
- ・人事・労務管理
- ・起業・開業
- ・営業
ビジネス書の出版方法について

ビジネス書の出版を視野に入れている方にとって、どのような出版方法があるのかは気になるところでしょう。
一般的な出版方法には「商業出版」「自費出版」「企業出版」の3つがありますが、ビジネス書の出版方法としては、向き不向きがあります。
以下では、それぞれについて詳しく説明します。
商業出版/出版社主導で認知度を上げる出版方法
「商業出版」は、出版社が主導して認知度が上がる出版方法で、出版社が利益を出すために行う出版方法です。
出版費用はすべて出版社が負担するので、書籍の企画なども出版社が行います。
また、その企画の書籍の著者を誰にするかを決めるのも出版社です。
つまり、著者が「商業出版したい」と思ってできるような出版方法ではないので、ハードルが高いと言えます。
著者に知名度があったり、SNSのフォロワー数が多かったり、ネット上でバズったコンテンツなどを持っていない限り現実的ではないと言えるでしょう。
自費出版/名刺代わりの書籍を制作する出版方法
「自費出版」は、企業経営者などが名刺代わりに顧客や取引先などに配るための書籍を制作する出版方法で、出版費用はすべて著者(企業経営者など)が負担します。
もともと書籍の形にすることが目的の出版方法なのですが、せっかくコストをかけるので、ただの名刺代わりにするだけではなく、長期的に見て投資対効果のある経営施策として検討すべきでしょう。
たとえば、書店に流通させて自社のブランディングや信頼性の向上、新たなビジネスチャンスの獲得のために活用できるようにした方が良いと考えられます。
企業出版/企業課題を解決する企業主導の出版方法
「企業出版」は、企業が抱えている経営課題を解決するための出版方法で、出版費用は全額企業負担です。
解決できる経営課題としては、「自社の商品やサービスの認知度を高めたい」「従業員に企業理念を浸透させたい」「採用活動のミスマッチを減らしたい」などです。
書籍には「信頼性が高い」「ストーリー性がある」「長期的に活用できる」という特徴があるので、企業が顧客や従業員に伝えたいメッセージをしっかりと形にすることができます。
費用負担については「自費出版」と同じく著者が負担しますが、「企業出版」では出版社の販路を利用して全国の書店などで販売することが可能です。
このように、「企業出版」は、企業が書きたいテーマのビジネス書を出版することができ、かつ読者からの反響なども期待できるプロモーションを前提とした出版方法です。
ビジネス書出版のメリット

ここでは、ビジネス書を出版することによってどのようなメリットが得られるのかについて説明します。
代表的なメリットは次の3つです。
メリット①:ブランディングの確立による信頼性の向上
書籍などの紙メディアに対する信頼性は非常に高いものがあるので、本を出版することによってブランディングが確立して信頼性や知名度が向上するという効果が期待できます。
本を出版するとその道の専門家と見られるようになるので、競合他社との差別化にも有効な施策となります。
営業マンが顧客を訪問したときに「本を出版した会社の方ですね」と言われて営業活動がやりやすくなったという実例もあるように、必ずしも大ヒット作にはならなくても興味を持って読んでくれている方がいるのもビジネス書出版のメリットです。
近年ではホームページやブログで、自社の商品やサービスの魅力や優位性をアピールする手法が注目されていますが、デジタルメディアよりはアナログな紙メディアの方が高い信頼性が得られます。
同じ消費をするのなら、信頼性の高い会社の商品やサービスを利用したいという消費者心理に応えることができるのもビジネス書出版のメリットということができます。
メリット②:受注確度の高い顧客を集客できる
ビジネス書は自分のお金を出して購入するものなので、購入した読者は自社の商品やサービスに興味や関心を持っている質の高い潜在顧客だと判断することができます。
また、ホームページやブログの記事、テレビCM、ネット広告と違って、顧客に伝えることができる情報量が圧倒的に多いため、書籍をじっくりと読んでもらうことによってさらに受注確度の高い顧客に変わっていくことが期待できます。
実際に多くの経営者がビジネス書を出版しているのは、受注確度の高い顧客を集客できるから、と言っても過言ではないでしょう。
メリット③:ビジネスの知見や経験を体系化できる
個人事業でない限り一つの企業には複数名が在籍していて、それぞれの人が事業経営のための役割を担っているはずです。
つまり、多くの知見や経験、ノウハウが各個人にバラバラに蓄積されていることになります。
ビジネス書を出版することをきっかけとして、社内の人材が分散して保有している知見や経験、ノウハウを集約して体系化して共有することが可能となります。
ビジネス書出版のデメリット

一方、ビジネス書を出版することによるデメリットもあり、代表的なものは次の2つです。
デメリット①:一定のコストがかかる
ビジネス書の出版方法でも説明したように、多くのビジネス書は「企業出版」によって出版されています。
つまり、経営課題を解決するための手段と考えられるので、ある程度のコストがかかるのは仕方がないのですが、ビジネス書の出版には少なくとも数百万円程度の費用がかかります。
実際に出版する際には投資対効果の検討も行うことになりますが、一定のコストがかかるという点はデメリットと言えるでしょう。
デメリット②:数値分析がしづらい
前項のメリットの中で紙メディアである書籍の信頼性が高いことを挙げましたが、逆に書籍という特性から数値分析がしづらいというデメリットがあります。
この点、ウェブ広告の場合は表示回数やクリック数などが容易に収集できるので、数値分析によって広告効果を把握することができます。
ビジネス書出版に関する市場動向とトレンド

ビジネス書の出版を検討中の方にとって、その市場動向やトレンドについては気になるところでしょう。
以下では、これらについて説明します。
書籍の刊行点数とビジネス書の市場動向
総務省による2022年の日本統計年鑑によれば、1年間に刊行される書籍は約7万点です。
この統計にはビジネス書という分類がないため正確な数値は分かりませんが、ビジネス書は「社会科学」「工学工業」「産業」「語学」のいずれかに分類されているので、この4つの分類の合計2万点に含まれると考えられます。
このことから、年間約1万点のビジネス書が刊行されているものと推測されます。
1年間に刊行される約7万点の書籍のうち約1万点がビジネス書であるということを考えると、ビジネス書の市場は非常に堅調であるということができるでしょう。
2024年度版:トレンドのビジネス書を紹介
ここでは、2024年にトレンドとなっているビジネス書11冊を一挙に紹介します。
◆営業の科学 セールスにはびこるムダな努力・根拠なき指導を一掃する
営業1万人・お客様1万人、合計1万人の調査による膨大な検証分析をもとに12年間・営業4万人を指導してきた著者が、「お客様の本音がわからない」という悩みで直面する各プロセスの「壁」を乗り越えるノウハウを一冊に凝縮しました。
「成果を出す営業のメカニズム」をデータとロジックで裏づけした渾身の一冊です。
◆The Intelligent Sales AIを活用した最速・最良でクリエイティブな営業プロセス
どんな業種、どんな相手先、どんなプロダクトにも適用できる「究極の営業手法」の全てを本書で大公開しています。
「企業分析」「リストアップ」「ターゲティング」「提案資料作成」「商談の相談役」など営業活動の全てを生成AIがサポートしてくれることによって劇的な業務効率化が可能になります。
◆経営中毒 社長はつらい、だから楽しい
大企業からベンチャーまで1000社以上の企業変革を支援してきたエッグフォワード代表徳谷智史氏が、組織マネジメントで起こるトラブル・苦難を赤裸々に告白した一冊です。
「裏切り」「資金枯渇」「孤独」これらが組織を強くする、全企業人必読の「経営指南書」です。
◆ビジネス会食 完全攻略マニュアル すべての食事会を成功に導く最強の実務メソッド
発売わずか1ヶ月で2.1万部を突破しました。
大手広告代理店出身、非体育会系、アルコールに弱い著者が最大28回/月の会食経験から編み出した会食・食事会を成功に導ける必勝メソッド、体系的ノウハウを全網羅しました。
◆ユニクロ
圧倒的な筆力で描き出す、迫真のノンフィクションの決定版です。
閑古鳥の鳴く商店街でくすぶっていた青年柳井正氏が「ユニクロ」を創業して一流経営者にのし上がるまでの知られざる暗黒時代、製造小売業への挑戦、東京進出、フリースブームの到来、集まる仲間たち、古参社員との別れ、苦戦する海外展開、ブラック企業批判、情報製造小売業への進化、柳井正とその夢に惹かれた同志たちの長き戦いをリアルに描き出した一冊です。
◆「やりたいこと」も「やるべきこと」も全部できる! 続ける思考
「これならできる」「続けることへの苦手意識がなくなる」「もはや継続が趣味になる」と反響続々。
三日坊主のための等身大の習慣本がついに完成しました。
継続の方法だけではなく「苦手意識のなくし方」「楽しみ方」「自分を変える力」も知ることができます。
「習慣の本」なのに、なぜかクスッと笑えて泣ける画期的な一冊、その読書体験をぜひお楽しみください。
◆「起業参謀」の戦略書 スタートアップを成功に導く「5つの眼」と23のフレームワーク
ベストセラー「起業の科学」「起業大全」の著者田所雅之氏の最新刊です。
発売5日で大重版3刷決定、Amazon3部門ベストセラー第1位を達成した話題の書です。
「起業参謀こそが日本のブレークスルーのカギを握る」と早稲田大学ビジネススクール教授入山章栄氏も推薦しています。
今の日本に不足しているのは起業家の右腕となり支える人材「起業参謀」だ。
「起業参謀」を養成する「スタートアップアドバイザーアカデミー」の講座内容を1冊に凝縮しました。
◆戦略ごっこ―マーケティング以前の問題
300以上の海外論文や実証研究に基づく「エビデンスベーストマーケティング」の決定版です。
「根拠のある事業成長」を目指すビジネスパーソン必読のファクト&エビデンスが凝縮された一冊です。
◆勘違いが人を動かす 教養としての行動経済学入門
わずか1ヶ月強で5万部を突破した話題の新刊です。
Amazon経済学分野で売れ筋ランキング1位、総合6位を獲得しました。
「人間の非合理性が実社会でどう利用されているかよくわかる」と東京大学大学院経済学研究科教阿部誠氏も絶賛しています。
あなたの日常に潜む「選択と行動」の科学について、興味深い事例と豊富な研究から学ぶ行動経済学の入門書です。
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発売即12万部突破し爆発的に売れている話題の書籍書です。
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◆わが投資術 市場は誰に微笑むか
話題沸騰により連続重版を達成し、たちまち15万部を突破したベストセラーです。
個人資産800億円超。長者番付1位となった伝説のサラリーマン投資家清原達郎氏が、咽頭がんで声帯を失って引退を決めた今、自身の人生で得た株式投資のノウハウを明かす一冊です。
ビジネス書を出版するための具体的な流れ

以下では、ビジネス書を出版するための具体的な流れ(プロセス)について解説します。
プロセス①:書籍のテーマやターゲット読者を明確化
ビジネス書を書くに際して重要なのは、書籍のテーマとターゲット読者を決めることです。
まず、書籍のテーマについては、ビジネス書を出版する目的がブランディングや知名度・信頼性の向上にあるわけですから、自社の強みが読者に訴求できるものである必要があります。
SWOT分析などの手法を用いて自社が保有する技術やノウハウの掘り起こしを行い、自社の強みを把握した上で、テーマを決めるようにしましょう。
ここで、すでに多くの人が出版したことのあるテーマを選択すると、読者にとっては新鮮味がないために埋もれてしまう可能性もあるため、斬新さや独自性のあるテーマを発掘することが大切です。
ターゲットについては、テーマが決まれば自ずと決まってくるという考え方もできるのですが、このときに「多くの人に読んでほしい」と考えてターゲット設定を曖昧にすることだけは避けるべきです。
ターゲットが曖昧なままだと、執筆内容にブレが生じたり、適切なプロモーションが打てなくなるなどの問題を生じる可能性があります。
プロセス②:企画の作成と目次づくり
ビジネス書を出版するためには、ビジネス書を手掛けている出版社に企画書を持ち込んで受けてもらわなければなりません。
企画書の作り方には決まりはありませんが、書籍のタイトル案、ターゲット層、自分や自社のプロフィールなどは必須となります。
ここでもターゲット層は重要項目で、この本をたとえば1500円程度払ってでも購入してくれる読者はどんな人なのかを明確に示せなければなりません。
目次については、企画書を作成する段階で目次案が出来上がっていれば望ましいですが、出版社が決まったあとに、編集者と相談して決めていくことも可能です。
プロセス③:原稿執筆(自分で執筆orライターが執筆)
出版社が決まって、テーマやターゲット、目次が決まると、原稿を執筆することになります。
原稿は、著者自身が執筆する場合とライターが執筆する場合に分かれます。ただ、ビジネス書の出版目的は、経営課題の解決であって経営者の自己満足ではないことを考えると、ライターに依頼して読者にとって読みやすいビジネス書を目指した方が良いでしょう。
ライターに依頼する場合は、ライターの選定やライターによる著者や関係者へのインタビューを行います。
また、ライターが執筆した原稿を著者がチェックして加筆修正することもあります。
プロセス④:原稿のチェックや編集
原稿の執筆が終わると、使用する写真や図表、イラストなどの素材と一緒に編集者に提出するのが通常の流れです。
編集者は、読者に文章の意図がきちんと伝わるように、適切な言葉遣いを選んだり、情報を取捨選択したりします。
また、表現の重複や表記のゆれがないかなどのチェックも行い、必要な場合は修正します。
プロセス⑤:組版とカバーデザイン
原稿が完成すると、文字組みやデザインなどの組版をして誌面レイアウトを決めます。
組版と並行して表紙やカバーデザインなどを決めていくのが一般的です。
デザイナーからの提案によって、原稿の加筆や減筆、写真やイラストの見直しなどが発生することもあります。
プロセス⑥:再校や最終校正
組版とカバーデザインが終わった初校を紙に印刷したりPDFに出力して校正を行います。
校正は編集作業の中でも重要度の高いプロセスで、その目的は訂正すべき箇所がないかを探し出すことです。
誤字脱字がないか、表記ゆれがないか、イメージ通りのデザインになっているか、写真や図表、イラストは適切かなどについてチェックして修正します。
必要に応じて、校正(再校)と修正を繰り返し、問題がなければ校了です。
なお、記載内容の事実関係に誤りがないかをチェックする校閲も必要に応じて行っていきます。
プロセス⑦:印刷・製本
校了すると、出版社から印刷会社に書籍の印刷データが送られます(入稿)。
印刷会社から実際の書籍に近い紙やインクで印刷した色校正が提示されるので、インクのノリ具合や図表や写真の色味を確認して、必要な場合は調整を依頼。
色校正が終わると、契約部数の書籍が印刷・製本されて納品されます。
ビジネス書では並製本が多いので、最後にソフトカバーと帯をつければ、書籍の完成です。
プロセス⑧:書店営業や各種プロモーションの準備
書籍が完成すると、出版社から書店に対して新刊の案内をします。
やり方としては、書店に出向いてビジネス書の担当者に売り込んだり、FAXで新刊案内と注文書を送付したりが一般的です。
プロモーションとして出版記念イベントなどを開催する場合は、相手先の書店と準備を行います。
SNSでの出版案内やウェブ広告の出稿などもこの時期に行います。
プロセス⑨:取次と配本調整、部決
書店からの注文部数がまとまったら、出版社としての希望部数を決めて各取次店に書籍を見本として持参して仕入れを依頼します。
各取次店ではその書籍を総合的に見て、仕入れ部数や書店へ配本する部数を決定します。
プロセス⑩:新刊配本、書籍発売
発売日の数日前に各取次店が決定した仕入れ部数に合わせて、各社の倉庫に書籍を搬入。
その後、書籍は各取次店から書店に配本され、発売日に書店の書棚に並べられます。
書店では、売れ行きの良い書籍はフェア台に配置したり平台に平積みしたりして、目立つ場所に陳列されます。
売上が好調な場合は、初版に加えて重版されることもありますし、追加でプロモーションが行われることもあります。
成功したビジネス書の事例紹介

ビジネス書の出版によってブランディングや集客に成功して飛躍的な業績アップを果たした事例は数多くありますが、ここでは3件の成功事例を紹介します。
事例①:新規事業の集客と本業集客の両立に成功したビジネス書出版の経営者
保険代理店の経営者が、保険業界に対する持論と実例を公開するためにビジネス書を出版しました。
書籍の中では、保険業界で当たり前に行われている「成果報酬型」の給与体系を「一律報酬型」に変えることを提唱しました。
つまり、限られた一部のスーパー営業マンに頼った経営から、アベレージヒッターを育てて全員で支えていく経営に変えることによって業績拡大ができることを紹介したのです。
伝達できる情報量が膨大な書籍というメディアを使って持論を展開したことにより、多くの業界関係者からの共感が得られ、自社のブランディングにも成功しました。
同時に、新規事業であるコンサルティングの新規契約の獲得と本業の保険代理店の保険契約数が伸長するという大きな効果が得られたそうです。
出版後のインタビューでも、次のように語っていらっしゃいます。
保険の商談に従業員と同行するときも、お客様に事前に本を読んでおいてもらうと、ご面談するときにちゃんと「あったまっている」んですよね(笑)
書籍に盛り込んだ当社の経営方針や理念に、強く興味を持ってもらえている。
引用元:【事例コラム】大口案件の集客、人材採用、大手企業からの講演依頼!出版ですごいことになった保険代理店
法人保険の営業は、人材戦略や財務状況など、相手の経営に踏み込んだ提案をしなければ大型の保険契約を決めることができないそうですが、書籍のおかげで商談の時から踏み込んだ話ができる理想的な商談の機会が増えたと言います。
このように、書籍を上手く活用すれば、お客様との良い商談を増やすきっかけにもつながるのです。
お客様との信頼関係などが重要な職種には良いツールと言えるでしょう。
事例②:メインターゲットの集客に成功し売上を倍増させたビジネス書出版の経営者
不動産投資サービス事業を行っている不動産会社の経営者は、従来から高収入でありながらも支払う税金が多い医師をメインターゲットとして、SNSやウェブ広告などを利用した情報発信を行っていました。
しかし期待する効果が得られていなかったことから、「医師に最も効果的な節税対策は不動産投資である」という内容のビジネス書を出版しました。
ビジネス書の企画段階からメインターゲットである医師を対象としたマーケティング戦略やプロモーション戦略を立てていたことで、多くの医師に書籍を購入してもらうことができました。
出版後は、書籍を購入した医師に「不動産投資に大きな節税効果があること」を認知してもらうことができ、売上を倍増させることができました。
また、既存の顧客が知り合いの医師にビジネス書を配ってくれたり口コミで広げてくれたりして、新たな顧客の獲得にもつながっています。
事例③:SNSとの相乗効果で圧倒的なブランディングに成功したビジネス書出版の経営者
資金調達支援のコンサルタント業を営む経営者は「創業者が夢を実現するためには適切な融資が必要」との思いからビジネス書の出版を決意しました。
日本では起業した会社の約6割が1年以内に廃業しているという現実があるので、これをなんとか改善したいと考えたのです。
自身の会社も創業後の3年間で8200万円の融資を受けて事業を軌道に乗せることができたという経験があるため、中小企業であっても高額の融資を受けることができるという秘訣を公開しました。
ビジネス書の出版に合わせてSNSやウェブでのコンテンツ発信も行い、これらの相乗効果によって顧客からの信頼を獲得してブランディングに成功しました。
具体的には、問い合わせ件数が3~4倍に増えて受注件数も増加し、結果的に融資支援実績が日本一になりました。
ビジネス書を出版する出版社一例

ビジネス書を出版している出版社は数多く存在しますが、実際にどこに依頼すべきかはそれぞれの出版社の特徴を知ったうえで検討した方が良いでしょう。
以下では、代表的な出版社の特徴などについて解説します。
幻冬舎メディアコンサルティング
「幻冬舎メディアコンサルティング」は、2005年に設立された企業出版に特化した出版社です。
名前の通り幻冬舎のグループ会社であるため、幻冬舎の流通網を活用した全国約4,200書店への流通、プロモーション、出版記念セミナーの開催などが行えるという強みがあります。
プロモーションに力を入れているので、メニューが豊富で、実書店では書棚の効果的な展開により狙いのターゲット層に訴求したり、新聞やSNS、Amazonバナーなどを利用した広告も行っています。
企業の事業戦略に合わせた配本も行っているので、頼りになる出版社といえるでしょう。
日経BP社
「日経BP社」は、日本経済新聞社の子会社で雑誌と書籍の出版を行っている会社です。
「日経ビジネス」をはじめとしたビジネス関連の雑誌が多いという特徴があるため、ビジネス書についても強みがあり、多くのベストセラーを出しています。
ビジネス分野に精通した編集者が書籍の企画からデザインなどの出版全般に関わる提案をしてくれるのが特徴です。
ダイヤモンド社
「ダイヤモンド社」は、ビジネスや経済に関する書籍や雑誌を出版している、1913年に創業した老舗の出版社です。
100年以上にわたってビジネス書を発刊してきたという大きな実績があるので、信頼性が高くプロモーション力も高いという特徴があります。
また、「週刊ダイヤモンド」などの著名な雑誌を刊行しているため、ビジネス書についても一定の固定客が獲得できることが強みです。
東洋経済新報社
「東洋経済新報社」は、ビジネスや経済に関する書籍の発行を専門とする出版社で、1895年に創立された歴史のある出版社です。
「週刊東洋経済」や「会社四季報」などが有名で、業界知識が豊富な編集者から効果的なサポートを受けることができます。
また、社内史や広報誌などの社内向けの書籍も手掛けているため、社内ブランディングにも活用することができます。
「東洋経済オンライン」などの自社メディアを利用したプロモーション力も魅力です。
プレジデント社
「プレジデント社」は、経営層や富裕層に向けたビジネス書や雑誌を主力とする出版社で、1963年に創立されました。
日本で初めての海外提携紙「プレジデント」を創刊したことでも有名です。
これまでに約100社以上の企業をサポートしてきたという実績があります。
インターネットと実際のイベントを組み合わせたメディア展開によって、企業やビジネスを広く周知させることができます。
クロスメディア・パブリッシング
「クロスメディア・パブリッシング」は、クロスメディアグループでビジネス書を専門とする出版社として2005年に設立されました。
現在では、ビジネス書だけではなく自己啓発書、実用書まで幅広い書籍を刊行しています。
パノラボ
「パノラボ」は、株式会社フォーウェイ(弊社)のグループ出版社で、2021年11月に設立されました。
他の競合他社と異なり企業出版を専門としているため、ブランディングやマーケティングなどの目的を達成するためのビジネス書の出版の全プロセスを一気通貫でサポートしています。
また、グループ会社の株式会社フォーウェイ(弊社)が手掛けているSNS運用やウェブサイト制作などを活用して、ゴールから逆算した動画制作やSNS運用、クラウドファンディングなどを組み合わせたプロモーションの提案ができる点も大きな強みです。
ほか、前述した大手出版社とは異なり、コストメリットの高いブックマーケティングを提案していることもメリットとして打ち出しています。
まとめ
本記事では、ビジネス書の出版を検討中の企業経営者に向けて、ビジネス書の出版方法やメリット・デメリット、具体的な成功事例などについてくわしく解説しました。
ビジネス書の出版は、ブランディングや知名度・信頼性の向上のための経営戦略の一つとしてとらえることができ、企業経営に非常に大きな効果を及ぼします。
本文中でも紹介したように、ビジネス書の出版は多くの出版社が行っていますが、ビジネス書の出版に強く、ビジネス書の出版目的である自社のブランディングや知名度・信頼性の向上を達成するためのノウハウやプロモーション力を持った出版社を選ぶことが重要です。
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「書籍をマーケティング戦略で活用」と聞くとどのようなメリットを思い浮かべるでしょうか。
出版の方法はさまざまですが、企業が取り組む場合はその具体的な活用法を知っておきたいところ。
この記事では、書籍マーケティングの手法やメリットについて詳しく解説します。
目次【本記事の内容】
書籍マーケティングとは

書籍マーケティングとは、書籍を自社の信頼性・認知度向上や企業ブランディングに役立てるマーケティング手法です。
出版社が持つ販路を利用できるため、効率的にターゲットの元に届けることができます。
独自の技術や実績などの企業の強み、開発秘話などをストーリーとしてまとめて一冊の書籍という形で出版すれば、書籍そのものの信頼性と出版社の全国的な販路を活かして効果的なマーケティングを行うことが可能です。
書籍マーケティングの具体的な手法
書籍マーケティングにはいくつかの手法が存在します。
それぞれに特徴やメリット・デメリットがあるため、自社にとってどの手法が合っているか比較することが大切です。
書籍マーケティングの具体的な手法は以下の3つです。
商業出版/すでに影響力のあるインフルエンサー向け
商業出版はすでに影響力を有しているインフルエンサーや著名人が著者となる場合に向いた手法です。
出版にかかる費用をすべて出版社が負担して、出版社が利益を出すことを目的としています。
つまり、出版社は「売れる」という確信が持てるものしか採用できません。
実際に、ヒット作やベストセラーになる書籍の多くがこの方法で出版されています。
商業出版では、無名の人物が企画を持ち込んだ場合、よほど内容が良いものでなければ採用されることはありません。
また、万が一採用されたとしても書籍の内容を制限されることがほとんどです。
一方で、すでに影響力のあるインフルエンサーであれば、「インフルエンサーのファンに買ってもらえるだろう」「このファンの数ならこれぐらいの利益が期待できる」と目処を立てることができます。
そのため、出版に踏み切りやすくなるのです。
商業出版は出版社の負担で書籍を出せる魅力的な出版方法ですが、書籍の内容の自由度が低いことがデメリットにもなり得ますし、そもそも採用されるのは至難の技であると言えるでしょう。
自費出版/出版した事実を残したい経営者向け
自費出版は出版にかかる費用を著者自身が負担する出版方法です。
出版社からの制限を受けず、経営者が読者(顧客)に伝えたいことを自由に書くことができます。
著名人ではなくても自伝や個人的なノウハウ、物語を書籍という形で出版することができるため、出版した事実を残したい経営者向けの出版方法です。
自費出版の書籍の一つに、山田悠介『リアル鬼ごっこ』があります。
『リアル鬼ごっこ』は著者のデビュー作ですが、この作品がヒットし、今やメディアから注目されるホラー小説作家となりました。
上記のようにヒットする書籍もありますが、簡単なことではありません。
ヒットさせるのが難しい理由として、「発行部数が少ないこと」「プロモーションを自分で行う必要があること」が挙げられます。
自由な内容で書籍を出版できるという点では魅力的ですが、費用負担が重く、利益も出しにくいという点がネックとなる出版方法です。
企業出版/マーケティングとして書籍活用したい経営者向け
企業出版は、「商品・サービスの認知度向上」「他社との差別化」「企業ブランディング」など、企業が抱える課題の解消を目的とする出版方法です。
出版に関わるすべての費用を企業が負担します。
企業出版の最大の魅力は、企業が伝えたいメッセージを書籍という形で発信することができる点です。
たとえば、企業理念や、これまでの歩み、商品開発ストーリーなどを書籍という形で発信すれば、それを読んだ読者の心を動かし、ファン化させることができます。
書籍は信頼性の高い媒体という共通認識があるため、「書籍を出版している」という事実があるだけでも顧客にとって安心できる要素になります。
また、WebやSNSなどの媒体よりもメディアへの露出を増やしたり、宣伝広告費の削減に繋げたりすることも可能です。
このように企業の課題を解決し、事業成長に繋げたい企業にとって最適な方法と言えます。
書籍マーケティングのメリットとは

書籍マーケティングは費用や時間のかかる手法です。
しかし、それでも取り組む企業は数多くあります。
なぜなら、以下の6つのメリットを享受できるからです。
メリット①:信頼感の醸成ができる
書籍マーケティングによって、顕在層をファン化して商品やサービスの購入を働きかけることができるようになります。
なぜなら、「書籍を出版している」ということによって信頼感を醸成することができるからです。
もし、ファン化した顧客の商品やサービスの購入頻度が低かったとしても、中長期的には売上に貢献してくれると考えられます。
メリット②:情報量が多い/情報が集約できる
書籍マーケティングを行うことによって、自社の商品やサービスのPRだけではなく、企業理念や経営者の考えを顧客に伝えることができます。
なぜなら、書籍は他の媒体(テレビCM・新聞広告・雑誌広告・Web広告・チラシなど)と比べて織り込める情報量が圧倒的に多いからです。
たとえば、A4のチラシの文字数は1,000文字〜2,000文字程度ですが、200ページ程度の書籍の場合の文字数は約7万〜10万文字になります。
また、商品やサービスの情報だけではなく企業理念や経営者の考えなども含めた顧客に伝えたい種々の情報を1冊に集約することができることもメリットとなります。
情報を集約化する過程で、経営者の思考を整理したり、編集者の外部の視点から新たな気づきが得られたりすることも期待できます。
メリット③:メディア露出が増えPR効果が高まる
書籍の内容の専門性や話題性が高い場合は、多くのメディアに注目されて、露出の機会が増えることになります。
なぜなら、書籍は信頼性の高い媒体と認識されているため、メディアはその信頼性の高い情報を採用したり引用したりしようとするからです。
たとえば、良質な睡眠を得る方法が書かれたWebやブログの内容よりは、書籍に書かれている方法の方が信頼性が高いと判断されて、メディアが書籍の内容を紹介しようとします。
その結果、メディア露出が増え、PR効果を高めることができるのです。
メリット④:コンテンツが資産となり長期活用が可能に
書籍マーケティングによるコンテンツは資産として残りつづけます。その理由は、書籍は長期にわたって流通し、書籍に書かれたコンテンツも様々な用途に二次利用することができるからです。
たとえば、自社の商品の開発ストーリーを書籍にまとめて出版した場合は、営業ツールやセミナー資料として配布することが可能です。
さらに、書籍からWebサイトやブログなどのオウンドメディアに転用された場合も長い間ネット上に残り続ける資産となります。
その内容の専門性が高く信頼性のある内容であればあるほど、書籍としても二次利用されたコンテンツとしても価値の高い資産として残り続けます。
メリット⑤:ターゲティングやエリアマーケティングに最適
書籍を購入してまで情報を集めようとする人は、その商品・サービスに対する関心が高いと言えます。
そういったユーザーをターゲティングすれば、ピンポイントでユーザーの心に刺さる書籍をつくることが可能です。
また、書籍マーケティングでは、特定のエリアの書店だけに重点的に配本して、そのエリア内の顧客の認知度を高めるといったこともできます。
このように、書籍マーケティングはターゲティングやエリアマーケティングがしやすいため、テレビCMなどのマス広告よりも効果的にマーケティングを行うことができるのです。
メリット⑥:インナーブランディングも強化できる
書籍の中に企業理念や経営者の考えなども含めておけば、その書籍を社内研修などで配布したり、Webで公開したり、従業員に対するインナーブランディングに活用することもできます。
たとえば、株式会社アカツキでは、「アカツキハート」という会社で掲げる哲学を社内に浸透させるために、ブランドブックを作成。
ブランドブックの作成により、本社から離れた福岡や台湾にある拠点にも哲学が浸透し、本社との熱量に差がない状況を作り出すことに成功しています。
このように、書籍マーケティングによって企業理念などを著すことで社員のロイヤリティを向上させ、インナーブランディングを強化することが可能です。
書籍マーケティング成功のポイント

書籍マーケティングを成功させるためには、ゴールまでの道筋を立てることが最も重要です。
企画から書籍がターゲットに届くまでの道筋が定まっていないと、目的を達成することはできません。
書籍マーケティングを成功に導くためには、失敗事例を知ることも必要です。
▶️失敗事例については、関連記事【企業出版の教科書|メリットから費用、成功のポイントまでまとめて解説】もあわせて参考にしてください。
失敗事例から学ぶ成功のポイントについて、詳しく見ていきましょう。
目的とターゲットの設定
書籍マーケティングの最初の段階で決めなければならないことは、目的とターゲットの設定です。
「何のために書籍を作るのか」「情報の受け手であるターゲットは誰なのか」が決まらなければマーケティングの成功はあり得ません。
目的地が定まっていないのに出発したら、道に迷ってどの目的地にも辿り着けないのと同じです。
逆に言えば、目的とターゲットがきちんと設定できれば効果的な書籍マーケティングを実現できるということです。
そのため、書籍マーケティングを利用して目的を達成するためには、最初に目的とターゲットを設定する必要があるのです。
プロモーション戦略の立案と実行
書籍マーケティングは、顧客が達成したいゴールから逆算して流通戦略や広告販売戦略を考えます。
書籍を出版したとしても黙っているだけでは書店に置いてもらうことはできません。
書棚に置かれるためには、新刊を必ず書店に並べることを約束する特約店契約や書店との関係性が大切です。
書店販売のための流通戦略以外にも、様々な施策を組み合わせて流通させていく方法もあります。
書店販売以外の流通戦略とは、出版記念イベントや、書籍の内容に関係する著名人やインフルエンサーとのコラボレーションなどです。
書籍に合ったプロモーション方法を立案し、確実に実行することは書籍マーケティングの成功のポイントと言えます。
書籍を出すことで満足しない長期的視野での活用戦略
書籍マーケティングは、書籍を出版することを目的とするものではありません。
なぜなら、書籍の出版は手段であり、商品・サービスの認知度向上や顧客の購買意欲向上などを図り、売上や利益の向上を図ることがゴールだからです。
書籍を出版することが目的になってしまっては、「名刺代わり」で終わってしまいます。そうならないためにも、出版した後に書籍をどのように活用するのかというイメージを立てておくことが大切です。
たとえば、書籍の企画決定後にクラウドファンディングを立ち上げて資金集めを図りつつ、書籍の事前告知をして認知拡大を図ったり、書籍の発売に合わせてSNS上でストーリーを紡いで続きを書籍に引き継いだりすることも活用方法として考えられます。
近年メジャーになっているLINEマーケティングを書籍に活用するのも効果的です。
書籍にLINEの友だち登録のQRコードを設置しておけば、ユーザーとの接点を作ることができます。
LINEで定期的に商品・サービス情報やクーポンなどを配信することで、コストをかけずに販促活動を行うことができます。
書籍マーケティングの出版社の選び方

書籍マーケティングにおいては、いかに自分が著したい内容に寄り添って提案・プロモーションをしてくれる出版社を選ぶかが大切です。
出版社を選ぶ上で見極めるポイントは次の3点です。
出版プランナーの提案と質疑応答
書籍の企画を考える段階では、「読者に何を伝えたいのか」「自社の強みはどういうところにあるのか」を整理して、どのような書籍を書くことができるかを出版社のプランナーと検討します。
このときには、プランナーの提案内容と質疑応答の態度などに注意しましょう。
たとえば、経営者の視点に立って提案をしてくれるような場合は問題ありませんが、質問に対して真摯に答えてくれず、はぐらかされてしまうような場合は要注意と考えるべきでしょう。
プランナーは出版社における営業の役割を担うため、プランナーの対応は出版社を見極める際の大きなポイントとなります。
出版社および編集者の実績
出版社の実績ということになると大手の出版社が優位になってしまいますが、実は編集者の実績も重要なポイントです。
なぜなら、「編集者がどのようなジャンルの書籍を得意としているのか」「これまでにどのような成功事例があるのか」によって、書籍マーケティングの成否が変わってくるからです。
たとえば、「編集実績が業界内でトップクラス」「編集した書籍が軒並み成功している」などの実績を持つ編集者がいれば、安心して任せることができるでしょう。
出版社のネームバリューだけにとらわれず、必ず編集者の実績も確認することが大切です。
書籍のプロモーション方法の確認
出版社がどのようなプロモーションを行ってくれるのかを具体的に確認することも、自分の書籍にとって良い出版社を選ぶ上で重要です。
書籍のプロモーション方法の確認を行うべき理由は、打ち合わせの時に決めたプロモーション方法が行われないことがあるからです。
実際に、提案時は「書店に並びますよ」などと調子がいいことばかり言っていたのに、実際に出版してみるとほとんど並んでない、一般の書棚ではなく自費出版専門の書棚に並んでいたというのはよくある事例です。
このようなことにならないためにも、依頼したプランやオプションの範囲内で、具体的にどのようなプロモーションを行ってくれるのか確認しましょう。
▶️書籍マーケティングの具体的なプロモーション方法については、関連記事【出版マーケティングの効果的なプロモーションとは? 広告手段も解説】もあわせて参考にしてください。
まとめ
この記事では、書籍マーケティングの具体的な手法やメリット、書籍マーケティングを成功させるためのポイント、出版社の選び方などについて詳しく解説しました。
書籍マーケティングを活用することによって、その書籍を企業のブランディングや認知度向上、顧客の購買意欲向上などに役立て、売上向上・利益改善などの経営課題の解決につなげることができます。
広告やSNS、SEO、オンライン施策など、様々なマーケティング手法を試しているにも関わらず、なかなか効果が出ない、目的を達成できない場合は、書籍マーケティングを取り入れてみてはいかがでしょうか。
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執筆者:江崎雄二(株式会社フォーウェイ取締役マーケティング統括)

福岡県出身。東福岡高校、山口大学経済学部経営法学科卒業。大学卒業後、月刊誌の編集者兼ライターに携わる。その後時事通信社での勤務を経て、幻冬舎グループに入社。書店営業部門の立ち上げメンバーとして活躍後、書籍の販売促進提案のプロモーション部を経て、法人営業部へ。東京と大阪にて書籍出版の提案営業を歴任し、2020年11月、株式会社フォーウェイに参画。2023年9月取締役就任。グループの出版社、株式会社パノラボの流通管理も担う。
競合他社との差別化は、企業の成長戦略を考える上で欠かせないポイントです。
ただし、差別化戦略は各種広告施策とは異なり、売上や利益向上など、分かりやすい成果として表れにくく、差別化に成功しているかどうかの判断が難しいでしょう。
本記事では、差別化の重要性や、他社と差別化するため具体的な戦略の考え方を解説し、成功のポイントや成功事例を紹介します。
目次【本記事の内容】
差別化戦略とは

そもそも「差別化戦略」とは、アメリカの経営学者マイケル・ポーターが提唱した3つの競争戦略(コストリーダーシップ戦略、差別化戦略、集中戦略)の中の1つです。
▶️参考記事【競争戦略とは? ポーターの基本戦略と国内企業の実践事例を振り返る】https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00081/021700329/
差別化戦略の定義と目的
差別化戦略とは、競合他社がマネすることができない自社の製品・サービスの価格以外の特徴や付加価値をアピールすることにより、自社の競争優位性を築き上げる戦略のことです。
業界内でのポジションの確立と、市場におけるブランド力の向上、自社製品やサービスの価格が高くても売れるようにすることを主な目的としています。
差別化戦略の重要性
競争が激化する市場において、企業が成功するためには差別化戦略が必要不可欠です。
インターネットやSNSが浸透した現在の社会では、顧客には多くの製品やサービスの選択肢があります。ひと昔前と違い、良い製品・サービスを作ったから売れる、という時代ではありません。顧客のニーズに合致した自社にしか出せない魅力をアピールし、認知してもらわないと製品やサービスを利用してもらえない時代です。
一方で、競合他社との違いを明確にして、自社製品やサービスが優位であることを顧客に認知させることができれば、価格競争にならず、ニーズのある顧客に選ばれる存在になります。そのための戦略が差別化戦略です。
今後、SNSなどと同様にメタバースが浸透していけば、今以上に多くの製品やサービスの選択肢が増えてくることが予想されます。そのため、企業の生き残りや成長にとって、差別化戦略はますます重要になってくるでしょう。
差別化戦略のメリット

企業が差別化戦略を行うメリットとして、次の4つが挙げられます。
①価格競争から離脱できる
これは、企業が差別化を行う最大のメリットと言えるでしょう。
製品やサービスの基本機能は同じであっても、自社にしかできない何らかの特徴や付加価値をアピールでき、それが顧客から認められれば価格競争に巻き込まれることはありません。
たとえば、ファミリーレストランチェーンのロイヤルホストは、ホテルで出されるような高級メニューに特化しています。結果として、「いつもよりもちょっと優雅に、でも気軽に食事を楽しみたい」という消費者のニーズと合致し、価格競争に巻き込まれることなく、「高級ファミレス」という業界内で確かなポジションを確立しています。
このように、差別化を行うことで、競合他社との価格競争から脱却し、高価格でも選ばれる確かなポジションを確立することができます。
②利益率が向上する
自社の製品・サービスが他社にない特徴や付加価値を持っていることが消費者に認知されると、価格が高めであっても購入されます。
たとえば、今治タオルは、タオル生産の歴史や製造工程のこだわりなど、製品の背景にあるストーリーを訴求し差別化戦略に成功しました。
▶️参考記事【衰退一途の今治タオルが息を吹き返した“大事件”】
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/1705/15/news040.html
結果として、100円均一や、ニトリ、IKEAなど、格安で高機能なタオルが出回る中、高級タオルとしての地位を確立。1枚数千円のタオルが売れ続けています。
このように、差別化戦略に成功すると、高価格であっても製品やサービスが売れます。それに伴い利益率の向上にもつながるのです。
③新規参入企業を抑制できる
差別化戦略によって業界内や市場で確かなポジションを獲得することができれば、新規で参入する競合他社の動きを抑制することができます。
なぜなら、消費者が認める優位性があり、ブランド力を持った製品やサービスに対抗することは簡単ではなく、膨大なコストや労力が必要となるからです。
たとえば、前述した今治タオルに対抗して、新しい高級タオルブランドを立ち上げることはできても、高級タオルと言えば今治タオル、と言う消費者の認識を覆すのは簡単ではありません。
これから新規で参入しようと検討している企業にとっては大きな障壁となるため、新規参入しようという決断がしにくくなります。
④自社の特徴や強みを明確化できる
自社の製品やサービスの特徴 、強みをはっきりさせられるのも差別化戦略のメリットの1つです。
差別化戦略に成功している企業の多くは「〜と言えば⚫︎⚫️」というように、自社の地位をひと言で言い表すことができます。
たとえば、「高級タオルと言えば今治タオル」、「高級ファミレスと言えばロイヤルホスト」などです。
他社にマネのできない特徴や強みは、営業活動や広告宣伝活動にも活用することができ、それによって強固なブランドイメージを構築することにつながります。
差別化戦略のデメリット

差別化戦略を行うことのデメリットとしては、次の3つが挙げられます。
①顧客離れのリスクがある
市場調査や顧客のニーズ調査が不十分なまま差別化を行うと、「ただ値上がりしただけなのでは」と顧客が離れてしまうリスクがあります。
たとえば、今治タオルを製造・販売するメーカーであるハートウェルが販売し話題となったのが『あえてカタいタオル』です。
タオルはやわらかい質感や肌触りの良さが重視される傾向がありますが、消費者調査の結果、硬い質感のタオルの需要があることが分かり、商品を開発したとのこと。
ここで重要なのが、硬い質感のタオルの需要がユーザーにあることを調査した上で商品開発を行った、という点です。ニーズがあると分かって商品を販売したからこそ、高い価格でもユーザーに選ばれているのです。
このように、差別化戦略には、「会社都合の値上がり」だと認識されないための説得力が必要になります。
差別化によって上昇した価格に納得できなければ顧客は自社より安い競合他社に流れるため、市場シェアの縮小に繋がりかねません。
そのため、まずは市場調査を行い、ユーザーのニーズを調査した上で、自社にしか出せない差別化を考えていくことが重要です。
②多大な費用や労力がかかる
差別化戦略を行うためには、市場調査や差別化のための技術開発などに多くの労力や費用が必要となります。市場調査や差別化にかかる労力や費用に見合う利益が得られなければ、差別化戦略が成功したとはいえません。
特に自社の特徴や強み、市場、競合他社、顧客ニーズ分析などが必要になるため、リサーチに膨大な時間と労力がかかります。また、確立したオリジナルの価値を顧客に伝える必要もあるため、広告宣伝やブランディングが必須となり、さらに多くの時間と労力を要します。
消費者がブランド価値を理解して認知するまでには時間がかかるのが前提です。差別化戦略には継続的な取り組みや、それに伴う労力と費用が必要になると考えておきましょう。
③競合他社に模倣される可能性がある
差別化戦略がうまくいき、自社製品やサービスの認知度が向上したとしても、競合他社に模倣されて類似の製品やサービスを安い価格で販売され、顧客を奪われる可能性があります。
模倣され顧客が奪われると、差別化戦略のために投資したコストを回収できなくなったり、競合他社にシェアを奪われてしまったりする可能性も十分に考えられます。
このようなケースも起こりうることだ、と認識した上で、事前に対策などを考えておく、商標権を申請しておく、などの対応も重要です。
差別化手法の一例
差別化戦略においては、何を対象に差別化を行うかが重要です。具体的には、以下のような手法を組み合わせることで、競合他社と差をつけることが可能になります。
- ・製品やサービス
- ・価格
- ・ブランドイメージ
- ・顧客体験
これら4つを対象にした差別化手法について詳しく見ていきましょう。
製品・サービスの品質向上
製品やサービスの品質向上による差別化は、最も一般的な差別化手法です。
具体的には、消費者が他社との違いを明確に感じることができる特徴や付加価値を製品やサービスに持たせる、ことで差別化を行っていきます。
たとえば、「1リットル30kmの燃費性能の車が一般的な中で、1リットル50kmの燃費性能を持つ車を開発する」などです。
一般的な差別化手法ではありますが、品質や新技術などで差別化する場合は、大きなコストがかかるので、商品やサービスを生み出すまでのストーリーや自社のこだわり、ユーザーのニーズ調査結果などをヒントにどの部分を差別化していくのかを検討してみると良いでしょう。
価格戦略の工夫
他社と比較して優位となる価格設定を行い、顧客から選ばれるようにする差別化手法です。必ずしも低価格にすることとは限りません。
代表的な価格による差別化戦略としては、「低価格戦略」「高価格戦略」「中間価格戦略」などがあります。
- ・低価格戦略:最も一般的。他社よりも低い価格を設定する戦略
- ・高価格戦略:製品やサービスに高い品質や付加価値を付加して高い価格を設定するもの
- ・中間価格戦略:コストと価値とのバランスを考慮して価格を設定する戦略
いずれの価格戦略においても、価格に対する消費者の受け止め方や競合他社の価格設定などを正確に分析することが必要です。
価格戦略の工夫をする際には、競合他社などを価格帯ごとに分類したり、ユーザー調査結果などの分析から初めてみると良いでしょう。
ブランドイメージの構築
ブランドイメージの構築による差別化は、ブランドのイメージや価値を高めて競合他社との差別化を図る戦略で「ブランディング」と呼ばれることもあります。
ブランドによる差別化には、ロゴのデザインやカラー、ブランドストーリー、パッケージデザイン、宣伝広告などがあります。
重要なのは、これらすべてに一貫性を持たせることです。
商品自体を高級路線で差別化し、ブランドストーリーも立派なものを作ったのにも関わらず、パッケージがチープだったり、ロゴやデザインが古臭かったりしては、その商品が高級であるという説得力がなくなってしまいます。
結果として差別化戦略の効果が十分に発揮できません。
「商品だけ」「ロゴだけ」ではなく、商品を中心として、顧客が触れるすべてのものを1つの方向性に沿って作り上げていくことがブランドイメージの構築にとって何より重要です。
顧客体験の充実
顧客体験とは、顧客が製品やサービスに興味を持った段階から購入・使用・アフターサポートに至るまでの一連の経験のことです。
一連の購買プロセスの中のすべての接点で、いかに顧客に優れた体験を提供できるのかを考えていくことで、他社との差別化が図れます。
たとえば、高級デパート伊勢丹で買い物をした際に、スーパーの袋や100円均一で買えるような紙袋に商品を入れられたらどうでしょうか。
おそらく、「せっかく高級なものを買ったのに…」と少しがっかりした気持ちになると思います。
このように、製品やサービスの特徴や付加価値だけではなく、あらゆる顧客との接点で優れた顧客体験を提供することが差別化戦略において重要になります。
差別化戦略成功のポイント

差別化戦略を行う前の段階で、手間や時間をかけて、確かな戦略を確立させることが重要となります。
差別化戦略を成功させるための主なポイントは、次の4つです。
①ターゲットを明確にする
全ての顧客を対象にするのではなくターゲット層を明確にすることによって、ターゲット層のニーズに合わせた差別化戦略を行うことができます。
たとえば、ある不動産会社は、競合他社や大手企業との差別化に悩んでいました。しかし、高額所得者であり、高額納税者でもある医師をターゲットに設定し、不動産投資サービスを展開することで、他社との差別化に成功しています。
「不動産投資サービス」よりも「医師向けの不動産投資サービス」の方が、医師への訴求力が強く働き、結果として売上につなげることができた差別化戦略の好事例と言えるでしょう。
このようにターゲットを明確にしているからこそ、商品やサービスの方向性が決めやすくなります。
②消費者のニーズを分析して把握する
差別化戦略を成功させるためには、消費者のニーズを徹底的に分析して正確に把握することが何より重要です。
なぜなら、消費者がどのような製品やサービスを求めているのかを正確に把握できなければ、いくら差別化をしたとしても受け入れてもらえないからです。
たとえば、スポーツカーメーカーが差別化戦略として、ファミリー向けのスポーツカーを開発したとしましょう。さらには、ファミリー向けということもありスポーツカーの中では燃費性能がNO1、車室も家族4人がゆったり乗れるNO1の広さ、というものだったとします。
性能だけ見れば差別化ができているように見えますが、そもそも大半のファミリー層は、選択肢としてスポーツカーを選びません。この場合、いくら差別化ができているとは言え、消費者から受け入れてもらえないことが容易に想定できます。
このように、いくら差別化を図ったとしても、それがユーザーのニーズに合致していないものだったとしたら、いくら性能が良かったとしても受け入れてもらえません。
そうならないためにも、まずは差別化戦略を図る前に、消費者がその製品やサービスに関して重視しているポイントや欲している付加価値が何かを知る必要があります。
③競合他社を徹底的に分析する
競合他社を徹底的に分析することによって、自社の製品やサービスの取るべきポジションが見えてくる可能性もあります。
代表的な競合分析手法として「3C分析」や「4P分析」があります。
3C分析はCompany(自社)・Competitor(競合他社)・Customer(顧客)の3つの要素に注目して分析する手法、4P分析はProduct(製品)・Price(価格)・Place(流通チャネル)・Promotion(販促)の4つの要素に注目する手法です。
このような競合分析手法の分析によって自社よりも競合他社が優れている点や競合他社の戦略などが見えてくるため、分析結果をもとに自社の戦略を検討することができます。
たとえば、競合他社が低価格戦略を取っていることが分かった場合は、自社では高品質や高付加価値をアピールすれば差別化を図りやすくなるでしょう。
④自社の強みを見つける
自社にしか出せない強みは何なのか、を考えることも差別化の方向性を見出すのに有効です。
簡単なのが、競合他社と自社を比較することです。
競合他社分析だけではなく、自社と比べてどうか、も調べてみましょう。
代表的な手法としてStrength(強み)・Weakness(弱み)・Opportunity(機会)・Threat(脅威)の4つの要素に注目して分析を行う「SWOT分析」があります。
これによって強みと機会を生かして弱みと脅威に対処する戦略立案ができます。
また、顧客へのヒアリングや自社の中で顧客と直接接している社員へのヒアリングも重要です。顧客や消費者の生の声や隠れた要望の中から、自社の強みが見つかる可能性もあります。
差別化戦略のためのブックマーケティング手法

差別化戦略の手法の1つとしてブックマーケティングも有効です。
なぜなら、書籍を使えば、自社の強みやこだわりなどをターゲット層に的確に伝えることができるからです。
人が文章を読まないと言われる時代ですが、それは無料で読める媒体に限ってのことです。お金を出して書籍を買って、読むまで積読しておくことはあっても、全く読まない、という人は少ないと思います。
書籍という信頼性が高く、読まれやすい媒体で、自社製品やサービスへのこだわりや、特徴、付加価値、企業理念や代表の考え方などを紹介することで、自社のことを知ってほしいターゲット層に効果的に認知してもらうことができます。
書籍は手に取ってもらえさえすれば、企業側にとっては長文を読んでもらえ、読者を拘束できるのがメリットです。そのため、見込み顧客の教育や、関係性の構築に多大なコストや長い時間をかけることなく、書籍1冊だけで製品やサービスが売れるきっかけを作ることができます。「Web広告やSNSを試してみたけれど、顧客の教育や関係性の構築が難しい」と感じる企業などに適した方法と言えるでしょう。
また、書籍を出版していることによる信頼性の向上や、書籍を買ってくれた質の高い顧客からの問い合わせの獲得が期待できます。
「書籍を出しても手に取ってくれなかったら意味がないのでは?」と不安に思う方もいらっしゃると思いますが、もちろんただ書籍を出すだけでは名刺程度の効果しかありません。
ただ書籍を出すだけではなく、次のように、あらゆる手を尽くして、ターゲット顧客に書籍のコンテンツを読んでもらえるようにするのがブックマーケティングです。
- ・書店営業
- ・クラウドファンディング
- ・Youtube運用(配信)
- ・SNS運用
- ・PR
- ・メディア露出
- ・フォローセミナーの開催
- ・クロスセル、アップセル
▶️ブックマーケティングのメリットや効果については、関連記事【ブックマーケティング(企業出版)のメリットとは? 企業が考えるべき出版による効果】もあわせて参考にしてください。
ブックマーケティングを取り入れた成功企業事例
ブックマーケティングは、特に消費者側に差別化をしていることが分かりづらい業種やビジネスモデルを持っている企業や、ひと言では言い表せないような特徴や優位性を持っている企業などに効果的です。
実際にブックマーケティングを取り入れて、競合ひしめく中で差別化戦略に成功した企業の事例を2つ紹介します。
出版によりエリアでのブランド確立を実現した保険代理店の事例
1つ目は埼玉県の保険代理店の事例です。
出版した書籍の中で保険業界の現状と問題点を解説。これからの保険代理店経営に必要な考え方やシステムについて述べています。
保険業界では成果に応じて給与が決まる「成果報酬型」が当たりまえですが、結果として少数のスーパー営業マンに頼る経営になってしまいがちです。
この保険代理店の経営者は、少数のスーパー営業マンに頼る経営に疑問を持ち「一律報酬型」に変えることによって、アベレージヒッターを育てて業績拡大ができることを紹介。
出版の結果、各種セミナーに講師として招かれたり、新たなコンサル契約を獲得したり、紹介者が増えて保険契約数が伸びるという効果が得られ、エリア内でのブランドを確立することができました。
このように、「なぜ一律報酬型が重要なのか?」「少数のスーパー営業マンよりもなぜ、アベレージヒッターが重要なのか?」は、とてもひと言では言い表せません。
そこを書籍にまとめ、保険代理店を経営するターゲット層にブックマーケティングで的確に届けられたことが、この結果を作り出したと言えます。
差別化成功で圧巻の受注率を実現した不動産会社の事例
2つ目は東京都の不動産会社の事例です。
この経営者は、高収入でありながらも多忙で投資リテラシーを持っていない人が多い医師をメインターゲットとして不動産投資や節税についてまとめた書籍を出版しました。
高所得者である医師の悩みとして高額な税金があげられますが、最も効果的な節税対策として不動産投資があることを紹介しています。
出版した結果、大きな節税効果のある投資方法として不動産投資を認知してもらうことができ、多くの医師からの受注を獲得しました。
また、書籍からの問い合わせがほぼ100%不動産投資案件の成約につながる、という圧倒的な受注率を叩き出しています。
この経営者は、医師に特化するという差別化戦略を実施していますが、そもそも忙しい医師に不動産投資の節税メリットなどを商談や広告だけで伝えるのは、限界があります。
一方で書籍は医師に限らず多くの知識欲求層が読みます。ひと言では語れない、理解してもらえないようなものだからこそ、ブックマーケティングで的確にターゲットとなる医師に書籍を届けることができ、しっかりと読んでもらえたことが、この結果を作り出したと言えます。
まとめ
以上のように、差別化戦略を行うことで、競合他社にはマネできない独自の魅力を作り出し、業界での競争優位性を高めることができます。
簡単に見える差別化戦略ですが、安易に行うとかえって顧客が離れたりしてしまいます。そのため、事前に顧客のニーズを調査し、ニーズと合致した差別化を見出していくことが何より重要です。
また、ターゲットとなる層に的確に届けていくことも差別化戦略の成功にとって重要です。そんな中、差別化戦略の手法の1つとして、ブックマーケティングが注目されています。
書籍をただ出版するだけの自費出版とは違い、書籍をターゲット層に手に取ってもらえるようにあらゆる施策や手法を総合的に用いていくのがブックマーケティングです。
ブックマーケティングにより、自社の特徴や強みなどを特定のターゲット層に効果的にアピールすることができるので、差別化戦略の1つの手法として注目されています。
今現在、差別化戦略や自社のブランディングなどを検討されている方は、1つの方法としてブックマーケティングを検討してみてはいかがでしょうか。
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参考:フォーウェイのブランディングサービスについてはこちらから
執筆者:江崎雄二(株式会社フォーウェイ取締役マーケティング統括)

福岡県出身。東福岡高校、山口大学経済学部経営法学科卒業。大学卒業後、月刊誌の編集者兼ライターに携わる。その後時事通信社での勤務を経て、幻冬舎グループに入社。書店営業部門の立ち上げメンバーとして活躍後、書籍の販売促進提案のプロモーション部を経て、法人営業部へ。東京と大阪にて書籍出版の提案営業を歴任し、2020年11月、株式会社フォーウェイに参画。2023年9月取締役就任。グループの出版社、株式会社パノラボの流通管理も担う。
出版したいと考えた時に選択肢になるのが自費出版。
ただし、自費出版にはトラブルがつきものです。
本記事では、自費出版を実施する際に注意すべきポイントや企業や個人が心配するトラブル、リスクについて解説しています。
PRやブランディング、自己表現などを目的とした出版社選びの参考になる記事コンテンツです。
目次【本記事の内容】
自費出版におけるトラブルとは

自費出版は、個人でいえば自己を表現するための手段であり、企業にとってはブランディングやPRの手段の意味合いがあります。
しかし、そんな自費出版にはトラブルがつきものです。具体的なトラブルの事例を解説しましょう。
制作中のトラブル
自費出版で注意したいのは制作中に発生するトラブルです。
編集者との相性が合う合わないといった部分はもちろんありますが、校正や校閲でのトラブルも考えられます。
たとえば、事実無根な内容を記載したまま出版してしまったり、人名やプロフィールなどの重大なミスがあったりなどです。
書籍は200ページ前後で、文字数に直すと7万字前後の量があります。全て著者や編集者、校正士ら人の目でしか確認できないため、ミスは出る時には出てしまいます。取り返しのつかないミスに繋がらないように、重要なポイントは何度も確認するようにしましょう。
また、執筆をライターに代行してもらうケースも珍しくありません。企業出版という手段であれば、ライターがインタビューして執筆することは一般的ですが、自費出版の場合は初回の取材からいきなり初対面のライターがやってくるというケースもあるようです。
結果的に自分の意思や意向に反する原稿が上がってくることがあるので、執筆を代行してもらう場合は企画段階からきちんと編集者がサポートしてくれるのかは事前に確認をした方が良いでしょう。
印刷や製本の品質トラブル
自費出版は、執筆した本を印刷して製本するまでがゴールです。
ただし、この印刷工程でトラブルが発生しやすいので気をつけましょう。
たとえば、印刷時のかすれや色むら、落丁などです。インターネットが普及している昨今なので、ウェブコラムなどは修正があればすぐに対応できますが、紙媒体は一度印刷してしまえば取り返しがつきません。
もちろん、失敗した場合に刷り直しをしようとすると、追加の費用が発生します。そのため、ゲラ(誤字脱字チェック用の校正刷り)を試し刷りする段階で、しっかりとチェックすることをおすすめします。
流通や販売のトラブル
自費出版では、流通や販売で著者と出版社の「言った言わない」のトラブルが発生しがちです。
その主な要因が、出版業界ならではの仕組みや慣習の存在。一般的には書籍が完成したら、当然のように書店に並ぶものだと考えている人もいます。
しかし、本を書店に流通して陳列させるのはそう簡単なことではありません。
書籍の流通の仕組みはかなり特殊で、出版社と書店の間には取次という問屋が存在します。その取次が出版社の実績などを踏まえて、配本を組み立てているのが通例です。
一般的に自費出版と呼ばれる手段の場合は、部数が限られていることや版元の営業力がそれほど強くないことが要因で、結果的に書店に全然並んでいないことは珍しくありません。
そのため、書籍を出版することになった出版社には流通システムについて、きちんと確認を行いましょう。具体的には次の項目を確認すると良いでしょう。
配本可能な書店数(目安)
配本可能な書店の規模感
書店でどのように配本されるか
どのように書店営業を実行するのか
書店プロモーションの実施可否
ちなみに、SNSやメディア露出などで影響力のある著者でない限りは、初めての出版できちんと書店に並ぶのは至難の業です。書店で販売していきたい意欲をお持ちであれば、どの程度のプロモーションを実施するのかは、出版社に事前確認すると良いでしょう。
販促活動の不備や効果不足
自費出版でよく聞かれる不満として、「思ったほど販促活動をしてもらえなかった」という声があります。
出版社にもよりますが、書店に並ぶというメリットをバリューにして提案するところが大半です。しかし、注意してほしいのは最終的に書籍を並べるかどうかの判断をするのは書店員である点です。これはネームバリューのある大手出版社であっても同様です。
出版の流通におけるトラブルの多くは認識の相違から生まれます。
書店への販促活動や広告施策、プロモーション活動などを、契約内でどれほど実施してもらえるのかは必ず確認しましょう。
著作権や権利のトラブル
自費出版において重要なのは権利関係の確認です。
大きく3つの権利があり、それぞれ著作権、出版権、所有権です。
書籍を執筆したのが著者である以上、著作権が著者に帰属するのは当然でしょう。一方で、一般的に聞き馴染みがないのが出版権です。
出版権とは、著者側が出版社に対して著作物を販売して良いという許可を与えること。著作権が著者にある以上、著作物の二次利用については著者である程度自由に活用できるのですが、書籍の「文庫化」や「映画化」の話が来たら著者だけで判断することができません。
なぜならば、文庫化や映画化することは書籍の売り上げに直結することだからです。出版社は出版権を保有している以上、そのような話が舞い込んできた時にどのように対処するかを話し合って決める必要があります。
細かい取り決めは出版社との契約内容で変わってくるので、事前に確認をしておきましょう。
所有権については、著作物の実物がどちらの手元にあるかで変わってきますが、著者に納品された書籍は著者に、流通・販売する書籍は出版社に所有権があります。
自費出版を検討する際に注意すべきポイント
次に、具体的に自費出版を検討する際に、どのような点に注意したらよいかを解説します。
出版社の信頼性と実績
書籍を出版する場合、いかに出版社が信頼できるか、実績があるかを確認することは重要です。
現在、出版社は全部で2907社ある(日販による「出版物販売額の実態」最新版(2021年版)より)と言われており、正確な数字は不明ですが自費出版のサービスを提供している出版社も少なくありません。
その中で、営業力および流通力がある出版社はごく一部です。そのため、一般的に誰もが知るような出版社で本を出すことが一番安心できるでしょう。
ただし、大手の出版社は多くの人員を抱えており、制作体制や流通力を担保できる一方で、多額の出版費用がかかってしまいがちです。
そのほか、自費出版サービスの提供会社には、過去の出版物や編集者の制作実績を確認することをおすすめします。自費出版を検討するうえで、費用は重要なポイントになるでしょうから、いかに信頼と実績でバランスの良い会社を選択するかが大切です。
契約内容や条件の確認
自費出版をいざ実行しようとすると、出版契約書を締結することになります。
出版契約書で確認する事項として重要なのは下記のポイントです。
書籍の仕様(判型、本文カラーもしくはモノクロ、ページ数、写真やイラストの有無)
書籍の納期(出版時期)
書籍の制作部数(流通部数と著者への納品部数の内訳)
自費出版の著者負担費用および支払い回数と時期
どこまで予算内で制作してくれるか(どこから追加予算がかかるか)
権利の帰属(著作権、出版権、所有権の記載があるか)
印税の有無
増刷する場合の費用負担はどちらか
追加で著者が買取をしたい場合の割引や費用負担について
確認すべき項目は多いですが、最低限でも上記は確認しましょう。
なかでも書籍を出版する著者として、印税は気になるところだと考えられます。自費出版の印税はさまざまな形態があります。初版から印税が発生するケースは稀ですが、重版をしたら印税が支払われるケースがあります。
自費出版と似て非なる手法として企業出版がありますが、企業出版は広告の手段として実施するケースがほとんどですので、印税を目的に出版を検討するものではありません。
費用や予算の明確化
自費出版は著者が費用を負担します。
そのため、書籍を制作するのにいくらかかるのか、著者自身の予算はいくらまでなのかをある程度明確にする必要があるでしょう。
出版のトラブルの一つでもよくありますが、後になって想定していた予算以上に追加費用がかかってくるケースは悩みの種となります。書店に流通するプロモーションや広告宣伝のための予算も含めていくらでやってくれるのかは、事前に出版社に確認をしておきましょう。
販売・宣伝活動の充実度
書籍を出版した以上は「本を売りたい」と思うのは自然なことです。
そのためには、出版社がいかに書店営業活動や販売活動に懸命になってくれるかが重要でしょう。
書籍は発売したら簡単に売れるというものではありません。読者がその本を知るきっかけを作る必要があるからです。
事前の書店営業活動にどれだけ熱心に動いてくれるか、広報および広告宣伝をどれだけやってくれるか、書籍を売るためのプラン計画は必要不可欠です。
本を売るためのプロモーションの方法など、さまざまなアイデアを提案してくれる出版社と組むことがポイントです。
自費出版成功のための具体的な対策

自費出版をどこから成功と呼べるのかの基準は、著者自身の中にしかありません。
書籍を出版することがゴールなのか、それとも届けたいターゲットに届けることがゴールなのか、より多くの人々に届けてベストセラーを目指すのかなどです。
著者の期待値と理想を、出版社ができる役務内容といかに近づけられるかを確認しましょう。
プロの編集者への依頼
自費出版の成功には、腕のある編集者に担当してもらうのが一番の近道です。
書籍の制作には編集者やライター、校正者、デザイナーなど多くの人員が関わります。この人員をまとめ上げ、ディレクションするのが編集者の仕事です。
著者の最大の理解者になる必要があるため、お互いに知り合う場を作ることが大切でしょう。
また、編集者にはジャンルによって得意や不得意があります。これまでの編集・制作実績でどのようなものがあるかを事前に確認するのをおすすめします。
実績のある編集者であれば、ライターやデザイナーといったクリエイターも多くの繋がりがあります。著者の出版したい内容に応じて、最適な制作布陣を作り上げられるかも成功の鍵となるでしょう。
マーケティングプランの検討
執筆した書籍を届けたいターゲットが明確であるほど、具体的なマーケティングプランが必要です。
どのように販売するかという流通・販売戦略も重要ですが、一番大切なのは企画段階からのペルソナの設計。作り上げた企画が世の中にどれだけ求められているのか、どのようなターゲットにニーズがあるのか、そもそもどのようなターゲットに届けたいのかなどです。
だからこそ、前述したとおり、腕と実績のある編集者に担当して提案をもらうことがとても重要といえます。
費用対効果の高い販促活動
書籍の販売促進のためのプロモーションはさまざまです。
自費出版をする目的に立ち返って、その目的を達成するにはどのようなプロモーションが効果的かを検討しましょう。
書籍の販促活動で効果的なのは、新聞広告です。新聞の購読者数や広告費は年々減少をしていますが、ビジネス書やシニア向けの書籍の場合はいまだに新聞広告で売り伸ばしが図りやすいです(新聞広告データアーカイブ「新聞広告月間動向」より)。
ほか、店頭で目立たせて手に取ってもらうためには、書店でのプロモーションも検討の余地はあるでしょう。
▼書籍出版の効果的なプロモーションについては「出版マーケティングの効果的なプロモーションとは? 広告手段も解説」でも紹介していますので、合わせてお読みください。
自費出版と他の出版方法の比較

書籍出版の方法は、自費出版のほかにもさまざまです。企業出版や商業出版、近年では電子書籍のみやオンデマンド出版という方法もあります。
自費出版のメリットとデメリット
自費出版は、著者自身が費用負担することで書きたいテーマで本を作ることができます。
では、自費出版のメリットとデメリットを紹介しましょう。
<メリット>
企画には著者の意思が自由に反映できる
著者の希望や予算に応じて、発行部数が調整しやすい
名刺や営業ツールとして活用できる
「本を出版した」というステータスになる
<デメリット>
制作費から印刷費、倉庫保管費など出版にかかるコストは全て著者負担
市場にほとんど流通しないため、名刺代わりのツール以外のブランディング効果は薄い
印税をはじめとした金銭的なメリットは期待しづらい
このように、自費出版は自由度が高い一方で、自己満足で終わる可能性が高く、あくまで「本を作った」という実績が欲しい人のための手法といえます。
企業出版のメリットとデメリット
企業出版は、企業や法人、または個人が自身のブランディングやPRのために本を作ります。では、企業出版のメリットとデメリットを紹介しましょう。
<メリット>
自社ブランディング効果にくわえ、集客や採用など、さまざまな経営課題の解決につながる
出版社の流通網を活用し、全国の書店やAmazonなどのインターネット書店で販売される
自社のアピールしたいサービスや商品を意識した企画を作ることができる
<デメリット>
自費出版と比較すると、負担する費用が高額
出版社によっては編集経験の乏しい新人が担当になることがある
大部数で流通した場合に多くが返品になり無駄なコストがかかることがある
このように、企業出版は一定の広告コストを負担する必要がありますが、ブランディング効果が期待できます。明確な目的やテーマがある法人は、企業出版は一つの選択肢となりえるでしょう。
▼企業出版については、「企業出版のメリットとは? 企業が考えるべき出版による効果」でも詳しく解説しているので、合わせてお読みください。
商業出版のメリットとデメリット
商業出版は、出版社が企画を作り、制作費も出版社が負担します。
では、商業出版のメリットとデメリットを紹介しましょう。
<メリット>
著者の費用負担がない
販売部数を伸ばすことが目的のため、プロモーションも全て出版社負担
「商業出版をした」実績はブランディング効果絶大
売れれば印税が支払われるため、副収入が期待できる
<デメリット>
企画は出版社主導のため、著者がやりたいテーマで出版できるとは限らない
売れなかった場合に再び商業出版の声がかかることはほぼない
このように、商業出版はブランディング効果やメリットが大きい出版方法です。ただし、声がかかるかは著者の認知度や専門性といった要因が必要なので、声がかかるハードルはかなり高いでしょう。
電子書籍のメリットとデメリット
電子書籍は紙で印刷せずに、電子データとしてオンラインストアのみで販売する出版方法です。電子書籍のメリットとデメリットを紹介しましょう。
<メリット>
印刷不要のため、その分安く出版できる
在庫リスクがないため、その後のコストの心配もない
取り寄せの必要がないので、読者は購入後すぐに読むことができる
<デメリット>
書店には並ばないため、新規の読者に見つけてもらいづらい
人に配布するなど二次的な活用ができない
実物が手元に残らないため、「本を出した」というブランディング効果も薄い
このように電子書籍は、圧倒的にコストを抑えて出版することができます。ただし、実物がない分、人に渡しづらいのは難点です。紙の書籍出版にくわえて、電子書籍の購読者にも広く読んでもらうためのオプションのような立ち位置と考えた方が良いでしょう。
オンデマンド出版のメリットとデメリット
オンデマンド出版は、オンデマンド印刷という技法を活用して、読者から注文が入ってから印刷して販売する出版方法です。オンデマンド出版のメリットとデメリットを紹介しましょう。
<メリット>
1部単位から少部数で印刷ができるため、費用負担も少ない
在庫リスクがないため、その後のコストの心配もない
版を作らずに印刷するため、都度の修正にも対応しやすい
品切絶版になりづらい
<デメリット>
大量印刷には向かない
オフセット印刷と比較して品質は低い
このように、オンデマンド出版は安価に少部数から作れるのが魅力です。ただし、たくさん売りたい、大量に配布したいといったニーズがある場合は余分にコストがかかるうえ、印刷の品質が低いため、出版社で流通する書籍と比べると箔もつきづらいでしょう。
企業出版という選択肢
ここまで企業出版という出版手法が何度か登場しました。この企業出版という選択肢について見ていきましょう。
自費出版と企業出版は何が違う?
自費出版と企業出版は、著者が費用を負担する出版という意味では同義です。
最も大きな違いは、出版する「目的」です。
自費出版は、自己表現のための出版で、書籍を流通して販売することは二の次です。
一方、企業出版は、経営者もしくは法人がブランディングやPRなどの目的を持っていることが多いです。広告を打つときに「商品の販売促進のため」などの目的を持つことと同じです。
とくに企業出版は、高額商材を販売している業種・業態の会社や一言で説明が難しいようなサービス・商材を販売しているような会社には向いています。
書籍はほかの広告宣伝手段と比較して、圧倒的にボリュームが多いからです。書籍が営業マンの代わりとなって、自社の説明ツールの役割を果たし、商談が進めやすくなると喜びの声も少なくありません。
▼経営者や企業が検討する出版については、「本を出版したい! 経営者が取り組むべき書籍出版とは」でも解説しているので、合わせてお読みください。
企業出版に向く業種・業態
企業出版に向く業種や業態は、次のような方々です。
税理士
弁護士
司法書士
開業医(医療クリニックの院長、医師)
整体師
経営コンサルティング
不動産投資会社
注文住宅の建築会社
健康食品の製造・販売会社
予備校(医学部受験予備校など)
また、上記にくわえて、一般の広告で効果が感じられなかったり、情報発信の手段に悩んでいたりする人にはおすすめの手段です。
企業出版は目的以外にも、ターゲットが明確であればあるほど効果が期待しやすいため、前述の業種・業態のほか、地域に特化したエリアマーケティングに取り組む事業者とも相性は良いでしょう。
▼エリアマーケティングについては、「出版によるエリアマーケティングのススメーー地域で勝つための営業戦略」でも解説しているので、合わせてお読みください。
まとめ
以上、自費出版のトラブル事例や各種出版の方法ごとの特徴を解説しました。
トラブルについては「自費出版商法」や「自費出版詐欺」のように、著者に夢を与えて騙すような出版社や出版コンサルタントも存在します。
今回の記事で解説したようなポイントを踏まえて、まずは自分のニーズを満たしてくれる出版方法なのか、きちんと納得した上で出版に踏み切ることをおすすめします。
少しでも疑念があるようであれば、出版社の担当者と細かく確認を取り合って、お互いに信頼できる関係性を築いたうえで契約をしましょう。
▼パノラボ出版のご案内はこちら
https://forway.co.jp/panolabo/lp/
参考:フォーウェイのブランディングサービスについてはこちらから
執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)

慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。
動画制作は現代のマーケティングにおいてとても重要な役割を果たしています。
目に映る情報を通じて商品やサービスの魅力を伝え、視聴者との強い結びつきを生み出すことができるからです。
しかし、効果的な動画制作には適切なスケジュールと計画が必要です。
本記事では、動画制作のスケジュールを組み立てる上で必要なタスクと管理の方法について解説します。
目次【本記事の内容】
執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)
 慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。 |
◉ステップ1:動画制作の準備
動画制作を始めるにあたり、最初に取り組むべき準備を解説します。
◉-1、準備①:制作目的と想定ターゲットの設定
動画制作を始める前に、明確な目的とターゲットオーディエンスを設定することが重要です。
動画を公開する目的を達成するためには、ターゲットオーディエンスのニーズや興味を理解し、それに合ったコンテンツを制作する必要があります。
◉-2、準備②:アイデアのブレストとコンセプトの決定
次に、プロジェクトメンバーでアイデアのブレストを行い、コンセプトを決定します。
面白くて記憶に残る動画を制作するためには、独創的で魅力的なコンセプトが欠かせません。
たとえば、映画のようにシネマスコープサイズで制作してみたり、数本の動画を同じシリーズだとわかるように雰囲気を似せてみたりと様々な工夫を凝らしてみると良いでしょう。
◉-3、準備③:予算の確定とスケジュールの立案
動画制作には予算とスケジュールの確定が欠かせません。
最初に決めた予算に応じて、必要なリソースを適切に割り当てることが第一です。とくに外部に依頼する場合は撮影内容によっては追加予算がかかることもあります。事前に大まかな予算を決めておくか、作りたい動画のイメージに応じた見積書を作ってもらいましょう。
また、スケジュールについては納期を決めておくことが重要です。撮影のやり直しや再編集の可能性も珍しくないので、「いつまでに終わらせる」という時期を確定させて、余裕を持ったスケジュールで進行することをおすすめします。
◉ステップ2:動画制作のプロセス
続いて、実際に動画制作をスタートするうえで必要なプロセスを解説します。
◉-1、動画制作プロセス①:プロキャストの選定もしくは社内人材の活用
動画制作にはプロのキャストをアサインすることがあります。くわえて、撮影クルーの選定も重要となります。
キャストについては演技力の優れた人材を選ぶことで、クオリティの高い動画を制作することができます。当然ながらセリフまわしや立ち振る舞いに慣れているため、撮影時間を短縮することができるでしょう。キャストによっては契約条件次第で、動画の公開範囲や時期が限られているパターンもあるので、事前にきちんと確認することをおすすめします。
一方、企業ブランディングのための動画制作においては、企画によっては社内の従業員が出演することもあります。その場合は、事前に会社としてのルールを設定し、出演候補となる従業員に了承を得ましょう。ただし、社内人材だけで撮影すると、慣れていない分、余計な時間がかかってしまう可能性は否めないので注意が必要です。
◉-2、動画制作プロセス②:ロケーションの確保と撮影
動画撮影に適したロケーションの確保と撮影計画の立案も重要です。
ロケ地の選定や撮影日程の調整を行い、効率的な撮影を行いましょう。
撮影地としては、商業施設や広場なども考えられますが、事前に許可が必要な場合が多いです。外での撮影にこだわらない場合は、レンタルスペースを借りるのも一案です。
このように外部スタジオを活用する利点は、会社の狭いスペースや自宅よりも広いことや照明が明るかったり、内装がきれいだったりする点です。
また、初めての撮影ともなれば、想定外の出来事が起こるのは当然と考えましょう。そこで撮影スケジュールは前倒しを意識し、予期せぬトラブルを避けられるように注意してください。
◉-3、動画制作プロセス③:必要な機材や技術の準備
動画制作には適切な機材と技術が必要です。
撮影や編集に使用するカメラ、照明機材、音響機器などを準備し、スムーズな制作環境を整えてください。
また、必要な技術の習得や扱うソフトウェアやアプリの使い方を熟知しておくことも大切です。
ただし、これだけの機材知識や技術を一朝一夕で身につけることは困難なので、頼れるところはプロに任せるのも一つです。
◉ステップ3:ポストプロダクション(編集)
動画制作で重要ともいえる作業が編集です。具体的に編集で押さえておくポイントを解説します。
◉-1、編集ポイント①:収録素材の編集と編集スケジュール
収録した素材を編集する際には、編集スケジュールを立てて効率的に作業を進めてください。
編集は思った以上に時間がかかる作業なので、慣れていない場合はとくに、スケジュールは長めに取っておきましょう。もし上司のチェックなどを受ける場合は、作り込む前にいったん雰囲気を見てもらうなどして後からひっくり返るのを防ぐことも大切です。
また、編集段階でストーリーテリングや映像効果の工夫を行い、より魅力的な動画を完成させましょう。
◉-2、編集ポイント②:グラフィックスやエフェクトの追加
より視聴者に動画の魅力を伝えるために、グラフィックスやエフェクトの追加も検討してください。
タイトルデザインや遷移エフェクトなどを工夫することで、動画の印象を高めることができます。
◉-2、編集ポイント③:音楽やナレーションの挿入
音楽やナレーションは動画の雰囲気を大きく左右します。
適切な音楽や声の演技を選び、映像と調和するように編集してください。
視聴者の心を動かす動画を制作するために、音響面にもこだわりましょう。
ナレーションは社内の従業員で対応するのも一つの手段ですが、プロのナレーターやフリーアナウンサーなどに依頼することも一考の余地があります。
動画の作り方や機材、編集ソフトについては、YouTubeを一例に下記のコラムで詳しく解説しています。合わせてご覧ください。
参考:YouTube動画の作り方をカンタン解説!初心者でも再生回数を稼ぐテクニック
◉ステップ4:公開と告知戦略
動画が完成したら、次にどのように公開するかを確定し、認知を高めるための施策を検討していかなければなりません。
◉-1、その1:動画の公開プラットフォームの選定
動画が完成したら、次は適切な公開プラットフォームを選定することが重要です。
YouTubeやVimeoなどの動画共有サイトや、企業のウェブサイト、SNSなどで公開することが一般的です。
ターゲットオーディエンスの嗜好や利用状況に合わせてプラットフォームを選びましょう。
◉-2、その2:タイミングと告知戦略
動画の公開タイミングと告知の配信戦略も成否に大きく影響します。
公開時期や時間帯、重要なイベントやキャンペーンとの連動などを考慮して、動画の最大限のリーチを狙いましょう。
また、SNSやメールマーケティングなどを活用して動画の告知を行い、多くの視聴者にアクセスしてもらうことが重要です。
◉-3、その3:成果を測定するための分析と改善
公開後は、動画の成果を測定するための分析を行いましょう。
視聴回数や再生時間、反応数などのデータを収集し、動画の効果を把握します。
また、視聴者のフィードバックやコメントも重要な情報源です。
収集したデータを元に、次回の動画制作やプロモーション戦略の改善に活かしましょう。
◉ステップ5:動画制作のスケジュール管理とツール
ここまでに紹介してきた動画制作のプロセスをうまく実行するには管理ツールを活用することをおすすめします。たとえば次のような方法があります。
◉-1、①スケジュール管理ツールの紹介
動画制作プロジェクトでは、スケジュール管理ツールの活用が重要です。
タスクの進捗状況や担当者の割り当て、期限の管理などを一元的に管理できるツールを導入しましょう。代表的なツールとしては、TrelloやAsana、Microsoft Projectなどがあります。
◉-2、②チームコラボレーションツールの重要性
動画制作は多くの人たちが関わるクリエイティブなプロジェクトです。
そのため、チームコラボレーションツールを導入すると管理がやりやすくなります。
リアルタイムでのコミュニケーションやファイル共有、タスク管理などが円滑に行われるようなツールを選定し、チームのコラボレーションを強化しましょう。
◉【まとめ】動画制作の流れを把握しプロに任せるのも一案
以上のステップに従って、効果的な動画制作の計画設計からスケジュール管理をしっかり行うことです。
とはいえ、動画制作はクリエイティブな施策でもあるので、不慣れだとかなり苦戦するでしょう。
ブランドの認知拡大や顧客の獲得に向けた成功を収めるためには、まずはプロに依頼するのも一つの手段です。将来的な内製化なども想定し、動画制作の実績がある会社に相談してみてもよいかもしれません。
パンフレットは、企業にとって顧客に行動を起こしてもらう上で重要なツールです。
用途としては、企業のサービスや商品のメリットを訴求した営業ツール、新卒や中途採用のための会社案内などさまざまです。
本コラムでは、ビジネスやイベントのプロモーションにおいて効果的なパンフレットの作り方を紹介します。
そもそものパンフレット作成の重要性だけでなく、構成の準備、コンテンツの制作、デザインのポイント、印刷と配布の手順、業者選定の仕方まで、包括的なガイドになることを目指しました。
目次【本記事の内容】
執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)
 慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。 |
◉パンフレット作成の目的とは?
パンフレットは、ビジネスやイベントのプロモーションにおいて重要な役割を果たします。
たとえば、営業ツールとして活用したパンフレットを見込み顧客に配布することで、自社サービスを導入するきっかけになるなどです。
企業および法人がパンフレットを制作する目的は、配布したツールを通じて、自社のサービスや商品についてより多くの人に知ってもらうこと。
さらに、パンフレットを配布することで、自社の理念を訴求できるため、ブランディングイメージを構築することにもつながります。
一般的な営業資料と異なるのは、一度配布すれば捨てられづらい点です。A4用紙で出力してホッチキスで綴じた営業資料の場合は、必要ないと認識されればすぐに捨てられてしまいます。
その点、パンフレットはすぐに必要ない場合でも、長期的に手元に保管をしておいて、いざ必要になった時に見込み顧客から自社のことを思い出してもらって問い合わせにつながるようなケースもあるのです。
◉パンフレット作成の準備の仕方
パンフレット作成に取りかかる前には、いくつかの準備が必要です。
準備が必要なのは、「目的の設定」「ターゲットの設定」「構成・掲載コンテンツの確定」「デザイン・サイズの決定」です。
一つひとつ詳細を解説します。
◉-1、準備その1:目的の設定
パンフレットの作り方において、まず決めなければならないのは「目的の設定」です。
目的といってもさまざまあります。「自社商品やサービスの紹介をしたい」「新規出店の店舗の告知をしたい」「開催イベントの告知をしたい」「会社の理念や概要を理解してもらいたい」などです。
パンフレットを配布した見込み顧客に、その後どのような行動変容を促すかが重要なのです。
目的さえ明確になれば、軸がぶれずに伝えたいターゲットに、伝えるべき要素を発信することができるでしょう。
◉-2、準備その2:ターゲットの設定
パンフレットの目的が決まったら、次は伝えたい「ターゲットの設定」を考えましょう。
たとえば、大学受験の予備校が集客目的で配布用のパンフレットを制作する場合、誰に受け取ってもらうべきかを想定することが大切です。
大学受験予備校の場合は、入塾するのはもちろん高校2〜3年生の学生本人ですが、入塾の意思決定をするのはその保護者です。実際に入塾してもらった後のイメージを学生に向けて伝えることはとても大事ですが、保護者にとって魅力的な予備校だと思ってもらえなければ入塾にはつなげることができません。
その他の事例でも、ターゲットの深掘りは重要な要素となります。
女性向けの化粧品を扱っているような会社であれば、女性受けのするデザインにするなどの工夫が必要ですが、さらに狙うべき年齢層によってもデザインのテイストは大きく変わります。
あくまで自社が集客したいターゲット、もしくは今後集客していきたい新規顧客層をイメージすることが重要でしょう。
◉-3、準備その3:構成・掲載コンテンツの確定
パンフレットの目的とターゲットが明確になったら、次に決めるのは掲載コンテンツです。
目的が集客であれば、ターゲット顧客が商品を購入したい、サービスを導入したいという魅力が伝わる構成になっているかを想定しながらコンテンツを作りましょう。
企業の会社案内を制作する場合は、たとえば次のような構成が考えられます。
・代表のあいさつやメッセージ
・企業理念
・業務やサービスのご紹介
・役員や社員の紹介
・自社の代表事例の紹介
・社員インタビュー
・沿革
・会社概要
会社案内の場合は、配布先が多岐に渡ります。取引先や新規の営業先、新卒や中途の応募者、投資家などのステークホルダーなどです。
このようなコンテンツは、通常業務で扱う文章のボリュームとは大きく異なります。会社案内のコンテンツを考えるリソースが割ける場合は別ですが、そうでなければ制作会社などに外注することも視野に入れることをおすすめします。
◉-4、準備その4:デザイン・サイズの決定
パンフレットの掲載コンテンツが固まったら、実際に印刷工程の仕上がりを想定します。
会社案内をはじめとしたパンフレットを制作するにあたり、デザインにはこだわりたいところ。一方で、多くの企業が陥りやすい落とし穴は、最初にデザインの方向性を考えることです。
デザインにばかりこだわっていると、大事な中身が伴わないパンフレットができてしまいます。
そのため、先に構成やコンテンツを考えてから、その後にデザインに着手をすることが大切だといえます。
デザインは、会社案内の場合は企業カラーやコンセプトに合わせて、取引先や顧客に渡すことを想定して信頼感や安心感が演出できるようにすると良いでしょう。
サイズについては、パンフレットの場合はA4サイズが一般的です。携帯しやすいハンドブックサイズのものなど、目的に合わせたサイズを設定することもあります。
ちなみに、ページ数は4の倍数で設定することをおすすめします。パンフレットの場合は、ボリュームにもよりますが、手渡し用では12ページや16ページで構成されることが多いです。
4の倍数でない場合は、印刷代が高くなってしまう可能性があるので注意しましょう。
書籍のように厚みのあるタイプと異なり、パンフレットの場合は中綴じと呼ばれるホッチキス綴じ製本がおすすめです。一方、書籍で主に使われる綴じ方は無線綴じといいます。
◉パンフレットの依頼先の選び方
ここまでに紹介したように、パンフレット制作には様々な工程とコンテンツを作るリソースが必要になります。
そこで、自社で制作がリソース的に厳しいようであれば、プロの制作会社に依頼を検討しましょう。
依頼先の選定基準は次のとおりです。参考にしてみてください。
◉-1、選定ポイント①:制作実績が豊富
パンフレット制作の依頼先として、とくにポイントとなるのは制作実績でしょう。
同業界の制作事例があるか、同じような目的で制作したパンフレットがあるか、などが選定基準となります。
ただし、ただパンフレットの制作実績が豊富であるかだけでなく、企業のパンフレット制作において重要なのは企業のコンテンツ制作にどれだけ多く携わってきたかです。
パンフレット制作を請け負う業者としては、デザイン制作会社、印刷会社、編集プロダクション、広告代理店などが考えられます。
デザイン制作会社の場合は、デザイン性を重視する場合に選択肢となりますが、費用が高額になるケースが考えられます。
印刷会社は、入稿されたデータを印刷することが本分です。なかにはデザイン制作から印刷・納品までを一括で対応してくれるところもあります。自社で印刷が対応できる分、ほかの業者よりは安いですが、デザイン性やコンテンツの制作力に長けているわけではありません。
編集プロダクションは、出版社からの依頼で編集や企画を請け負っているケースが多いです。パンフレットを専門に扱っていたり、実績が豊富だったりする会社はあるでしょう。出版社とのつながりがある分、腕のあるデザイナーやカメラマンがアサインできる可能性も高いです。
広告代理店は、企業の広告企画を行っているため、マーケティング的な視点も持ち合わせながらパンフレット制作の対応ができるでしょう。一方で、デザインから文章コンテンツの執筆、印刷など、すべて外注することになるので費用は高額になります。
◉-2、選定ポイント②:自社のニーズと得意領域がマッチしている
パンフレット制作は印刷して出来上がってしまったら、もうやり直しがききません。
紙媒体の制作物を外部に発注する際によくある失敗が、「思っていたものと違った」という嘆きの声です。
一般的な紙媒体の制作会社は、一定のクオリティでパンフレットを仕上げることはできるでしょう。
しかし、パンフレットの作り方において重要な要素は、依頼先のビジネスモデルを理解しているかどうかです。
そのため、「税理士との仕事が多い」「不動産業との仕事が多い」「医療関係の仕事が多い」など、専門領域に応じた業務依頼実績が豊富にあるかどうかは選定のポイントとなります。
きちんと自社のビジネスモデルの理解があり、伝えたいことを読み手に伝わるコンテンツに昇華させられるかが、パンフレット制作成功のカギとなるでしょう。
◉-3、選定ポイント③:営業担当者と見積もりの内容
どんなにパンフレットの作り方において、質にこだわったとしても定性的なもので、正直なところ完成するまで満足できるものができるかわかりません。
そこで、選定するうえで重要視してほしいのは、依頼候補先の営業担当者の対応と見積もり内容。費用は安いに越したことはありませんが、費用と品質のバランスはとらなければなりません。
まずは、営業担当者と面談をしてみて、自社が作りたいパンフレットの要件をしっかりと伝えましょう。
顧客優先で動く担当者であれば、きちんと要望を汲み取ってそれを見積書に反映してくれるはずです。とくに要求しなくても、数パターンの見積もりを提示してくれる業者は優秀と言えるでしょう。
パンフレットに限らず、紙の制作物は何度か作り直すこともあり得ます。依頼先の担当者が信頼できるかどうかは今後も長期的に付き合っていくうえで重要な要素となるでしょう。
◉パンフレットの配布方法
パンフレットの作り方の次は、完成した現物をどのように配布するかが重要です。具体的には下記の方法が考えられます。
◉-1、選定ポイント③:営業先への手渡し
自社の営業マンが営業訪問をする際に、取引先や見込み顧客に直接手渡しする方法があります。
サービスや商品の訴求のほか、自社理解を促進させられる効果が見込め、パンフレットの配布をきっかけに話を膨らませるなど、お互いの信頼関係構築にも大きく寄与します。
◉-2、配布方法②:ダイレクトメール(DM)
既存の取引先や自社の保有するリストにある見込み顧客に向けて、パンフレットをダイレクトメールで送付する方法があります。
ダイレクトメールの送付数から反応率を計算することで、効果測定もしやすいのはメリットの一つ。
郵送するにはコストがかかるため、送付先に追客施策としてテレアポをしたり、営業マンが訪問したりすることで効果も高められるでしょう。
◉-3、配布方法③:ポスティング
ポスティングは、一定のエリア内の家庭や企業などのポストに直接投函する方法です。
地域密着で運営している店舗型ビジネスであれば、ポスティングは大きな効果を発揮するでしょう。パンフレットに限らず、チラシもポスティングで配布することがありますが、すぐに捨てられる可能性があります。
視認率が高い施策ではあるので、捨てられづらいパンフレットを配布するのは一定の効果が期待できます。
◉-4、配布方法④:街頭や施設内配布
街頭配布や施設内配布は、チラシの配布方法としてはよく使われます。
特定のエリアでの集客を目的とするのであれば、パンフレット配布も一定の効果は発揮されるでしょう。
施設内配布は、学校やショッピングモールなどで、ターゲットに合わせて配布することができるので、集客には寄与しやすい方法といえます。
ただし、パンフレットとチラシどちらでも、手荷物になってしまう分、受け取ってもらいづらいデメリットも考えられます。
◉-5、配布方法⑤:イベント開催先での配布
自社でイベントを開催したり、展示会などの出展イベントにブースを出したりする企業の場合は、開催先でのパンフレット配布が効果的です。
イベント開催自体にコストがかかるのがデメリットではありますが、イベントや展示会は目的やテーマに則ったお客さんが足を運ぶため、相性の良い見込み客を集客できる可能性が高いです。
そのような人たちに、自社のサービスや商品の強みを訴求するにはパンフレットの配布がおすすめです。
自社の周年イベントや学生向けの採用説明会などで、パンフレット配布する手段も考えられるでしょう。
そのほか、オフラインのマーケティングについて、下記のコラムで解説しています。合わせてご覧ください。
参考:広告手法を徹底比較! デジタルからDMまでマーケティングのメリデメを解説
◉【まとめ】パンフレット制作は顧客目線を持つことが重要
自社が満足いくパンフレットを制作するにあたり、パンフレットを渡す相手である顧客目線は欠かせません。
それは制作を外注する場合も同様です。依頼先が自社の要望をきちんと汲み取ってくれているのか、自社のビジネスモデルを理解しているのかは、担当者との面談でしっかりと見極めましょう。
本コラムがパンフレット制作の参考になれば、これ以上に嬉しいことはありません。
YouTubeを始めてみたい、でも動画の作り方がわからない!
このような悩みを抱える人は近年、とても増えているようです。
「動画制作」というと、かなり専門的な印象を受けがちです。
「高い機材を買わないといけないの?」
「専門のソフトの使い方を覚えるの?」
そんな疑問の声は、YouTubeを始めようとする人から多く聞かれます。
そこで今回は、YouTubeチャンネルの開設方法から動画の作り方、再生回数を伸ばすコツまで、わかりやすく解説します。
個人でYouTuberを目指す人も、会社の取り組みとしてYouTubeチャンネルの担当になった人も、ぜひ参考にしてみてください。
目次【本記事の内容】
執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)
 慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。 |
◉YouTubeを運用する意味は?
さて、そもそも、YouTubeチャンネルを運用する意味とはなんなのでしょうか。
YouTubeの意味には、下記のようなものがあります。
・個人やビジネスをブランディングできる
YouTubeは、世界的な規模で視聴者を集めるプラットフォームです。
日本だけで見ても月間のアクティブユーザーは7000万人を超えます。
このように大変多くの視聴者をもつメディアであるYouTubeで独自の動画コンテンツを発信することで、個人やビジネスにおいてとても強いブランディング効果を発揮できる可能性があります。
チャンネル登録者はいわばチャンネル運営者の「ファン」であり、多くのファンを抱えるメリットは個人にも企業にも大きいです。
※数値は「【2023年3月更新】YouTube利用状況データ | Videoクラウド」参照
・アイデアやノウハウを発信できる
動画は、個人や法人がもつ専門知識やスキル、アイデアを紹介する媒体として非常に優れています。
例えば個人であれば、料理のレシピやメイクのテクニック、プログラミングのノウハウなど。会社ならばビジネスのコツや就職活動の情報、マネーテクニックなど、自分の得意な分野で価値のあるコンテンツを提供することができます。
それにより、ブランディングを実現したりビジネスに繋げたりといった効果の期待ができるのです。
・視聴者とのコミュニケーションツールにできる
YouTubeチャンネルにおいては、動画に対するコメントやいいね、シェアなどの機能を通じて視聴者との対話が可能です。
視聴者からの意見やフィードバックを受け取って動画を改善したり、オンラインサロンやLINE登録などのマネタイズに向けた導線を作ったりが非常にやりやすいのが、YouTube運用の強みです。
ただ動画を観てもらうだけでなく、運営者のほうからコミュニケーションによって視聴者のファン化を促進する努力がしやすいのは、YouTubeを運用する大きなインセンティブだといえるでしょう。
・ビジネスとしてマネタイズできる
YouTubeの運営者はYouTubeパートナープログラムに参加することで、広告収入を得ることができます。自身のチャンネルを収益化することで、副業や本業としての収入を得ることも可能です。
数多くの登録者を抱えるYouTuberになれば、YouTubeだけで億万長者になるのも夢ではありません。
一方で、広告による収益化だけでなく、商品販売や自身のビジネスへの誘導など、YouTubeチャンネルをマーケティングツールとして活かすのも有効な戦略です。
特に法人でYouTubeを運用する場合、広告収入よりは本業でメリットを得ることを目指す動画の作り方が重要になってきます。
◉YouTubeチャンネル開設から動画投稿まで
続いて、YouTubeのチャンネルを開設し、動画を投稿する手順を解説します。
チャンネル開設は、下記の流れです。
①Googleアカウントの作成
YouTubeのチャンネルを作成するためには、まずGoogleアカウントを作成する必要があります。
既にGoogleアカウントをお持ちの場合は、次のステップに進んでください。
②YouTubeにログイン
YouTube(https://www.youtube.com/)にアクセスし、作成したGoogleアカウントでログインしてください。
③チャンネルの作成
YouTubeを開き、ブラウザ上に表示されている右上のアイコンをクリックしてドロップダウンメニューを表示し、「YouTube Studio」を選択します。
YouTube Studio画面の左側にあるメニューで「チャンネル」セクションを選択し、[+チャンネルを作成]ボタンをクリックします。
④チャンネル名とアイコンの設定
[+チャンネルを作成]ボタンをクリックすると、チャンネル作成ウィザードが表示されます。そこでチャンネル名を入力し、アイコンを設定してください。
アイコンは、プロフィール写真として表示されます。
⑤チャンネルアートのアップロード
続いて、チャンネルアートを設定します。チャンネルアートとは、チャンネルのヘッダーに表示される大きな画像です。
⑥チャンネル設定の編集
左側のメニューから「設定」を選択し、チャンネルの詳細設定を編集します。ここで、チャンネルの説明、タグ、プライバシー設定などをカスタマイズできます。
好みに合わせて設定してみてください。
⑦動画のアップロード
チャンネルが準備できたら、動画をアップロードする準備が整います。YouTube Studioの左上にある[動画]ボタンをクリックし、[+動画をアップロード]を選択します。アップロードしたい動画ファイルを選択し、必要な情報(タイトル、説明、サムネイルなど)を入力します。
⑧公開と設定
動画情報を入力した後、公開設定を選択します。公開、非公開、限定公開などのオプションがあります。必要な設定を行ったら、[公開]ボタンをクリックして動画を公開します。
以上が、YouTubeチャンネルの作成と動画投稿のステップです。
YouTubeチャンネルの立ち上げ方は、下記のコラムで詳しく解説しています。
合わせてご覧ください。
参考:YouTubeチャンネル開設のやり方を解説!ビジネスに繋げやすくするコツも紹介
◉YouTube動画撮影の機材選び
動画を投稿できる状態になったところで、いよいよ撮影です。
YouTube動画の撮影には、適切な機材の選択が重要です。
撮影用のカメラには、次のような選択肢があります。
◉-1、スマートフォンのカメラ
現代のスマートフォンのカメラは、非常に高性能です。
画質が求められるような動画の作り方を追求するのでない限り、スマホのカメラで動画を撮影すれば十分でしょう。
ちょうど良い感じに素人感のある画が、逆に親近感を演出して好感を持たれる場合もあります。
スマホのカメラを使うのであれば、自分のスマホを使えばいいので投資額はゼロです。
注意点として、「通常動画は横向き、ショート動画は縦向き」で撮影することです。
向きが違う素材はうまく画面に当てはまりません。
◉-2、一眼レフカメラ
主に写真を撮る用途に用いる一眼レフカメラですが、動画も撮影できる機能がついた機種もあります。
一眼レフカメラは性能がとても高いので、プロ並みにきれいな画質で撮影することができます。
デメリットとしては、価格の高さと容量の小ささです。
まともな一眼レフだと10万円は下らないので、はじめてのYouTubeでいきなり投資するのはハードルが高いかもしれません。
また動画用のメモリは1時間以内くらい分しかない機種が多く、長時間の素材をおさえるのにはメモリの増設などが必要になります。
◉-3、Vlog用カメラ
Vlog用カメラと呼ばれる、SNS等にアップする動画を撮影するのに適したカメラを使うのも選択肢です。
Vlog用カメラは10万円を切るくらいで探せるので、一眼レフを使うのに比べると投資額は少なくて済みます。画質も十分に良く、多くのYouTuberがVlog用カメラを愛用しています。
YouTube動画の撮影に適したさまざまなサポート機能もついているので、長期的な相棒としておすすめです。
◉-4、付属設備
撮影の際には、スタビライザーや三脚、マイクなどのアクセサリーも活用することで、より安定した映像やクリアな音声を実現できます。
また、YouTube撮影用の照明はできれば買っておいたほうが良いでしょう。
照明をきちんと当てるだけで、画面が一気にプロっぽい仕上がりになるからです。映像の仕上がりへの影響は、カメラの性能よりも照明のほうが大きいといっても過言ではありません。
どのように照明を当てればきれいな画面ができるのかは、書籍やWEBコラムなどで解説されています。基礎だけでも勉強してみてください。
◉YouTube動画をツールで編集する
撮影が完了したら、アップする前に動画を編集しましょう。
編集は、魅力的なYouTubeコンテンツを作り上げるための重要なステップです。
動画編集というと専門技術が必要なように思えますが、無料のツールでできる範囲でも十分に価値のある動画を編集することができます。
テロップをつけたりシーンをカットして切り貼りしたり、音楽をつけたりといった程度の編集であれば意外に簡単です。
下記にいくつか、おすすめの動画編集ソフトウェアやアプリの選択肢を紹介しましょう。
◉-1、iMovie
iPhoneユーザーであれば、iMovieという動画編集ソフトをデフォルトで使用可能。もちろん無料です。
Appleユーザーであれば慣れっこのインターフェースが持ち味で、スマホだけで感覚的に動画を編集できます。
機能としては、「4K とマルチトラックの編集」「動画の配列」「無料の音楽を挿入」などが可能で、初心者でもある程度の動画は作れてしまいます。
◉-2、VN
VN(https://apps.apple.com/jp/app/id1343581380)も、スマホで使える動画編集アプリです。
強みとしてはとにかく直感的にタップなどで操作ができることで、色味の調整や速度の調節などが簡単にできます。おしゃれな動画を作りたい!という場合にも適しているでしょう。
また、うれしいのがウォーターマーク(アプリロゴの透かし)が動画に入らない点で、YouTuberからも支持者が多い動画編集アプリです。
◉-3、DaVinci Resolve
スマホでなくパソコンでしっかり腰を据えて編集したい場合、DaVinci Resolve(https://www.blackmagicdesign.com/jp/products/davinciresolve)が使用可能です。
無料版と有料版がありますが、無料版でも基本的な機能は一通り使えます。カットやテロップ入れ、エフェクトの反映などが使えるので、一般的な動画を作成する分には十分でしょう。
ただ、無料の場合は書き出しサイズに制限が生じてしまうのが注意点です。長尺の動画をYouTubeで投稿したい場合には向きません。
◉-4、Premire Pro
本格的な動画編集を行いたいのであれば、プロも使っているAdobe社のPremire Pro(https://www.adobe.com/jp/products/premiere.html)が定番。簡易版のPremire Rushもおすすめです。
Premire Proは、他のAdobe製品で作ったクリエイティブを動画に活用したり、Adobeのストック素材を活用したりと、ほぼ制限のない動画編集が可能です。本気で勉強してプロ並みのスキルを身につけたいのであれば、使用を検討しても良いでしょう。
一方で、Premire Proは初心者のうちはインターフェースがややわかりづらいのが難点です。解説書籍を買って調べながら編集したり、専門の講座に通ったりといった追加の努力が必要になるかもしれません。
◉YouTubeを収益化するには?
ここまでで、YouTube動画を撮影・編集し、アップロードするためのヒントを紹介しました。
実際にチャンネルを運用して登録者数が増え始めたら、いよいよ収益化です。
◉-1、広告収入
前述したYouTubeパートナープログラムへ参加することで、広告収入を得ることができます。広告が自動的に動画に表示され、視聴者が広告をクリックすると収益が発生します。
ただ、チャンネルを収益化するには、下記の2つの条件を満たさなければいけません。
・チャンネル登録者数:1,000人以上
・動画の総再生時間:4,000時間以上(直近12カ月間)
上記を満たしたチャンネルであれば、YouTube Studioから収益化を申請することができます。
◉-2、企業案件
YouTube上の広告収益のほかに、いわゆる「案件」でもチャンネルを収益化できます。
商品のプロモーションニーズがある会社から、お金を払って商品を動画で紹介するオファーを受けることで案件が成立します。
当然ながらチャンネル登録者が多いほど案件が舞い込む可能性は高くなりますが、自分のチャンネルに関連する企業やブランドからであれば、100万人以上などの登録者数がなくても案件が来る可能性はあります。
とはいえ案件獲得はYouTuber事務所に入ったり紹介サービスを使用したりしないと難しく、特に企業の運用などではあまり現実的なマネタイズ方法ではないかもしれません。
個人のYouTuberと小さな会社が直接案件のやり取りをするとお金のトラブルになるケースも多いため、注意してください。
◉-3、自分の商品を売る
YouTubeは、自分の商品の販売にも活用できます。自分が作成した商品や関連商品を紹介することで、収益を得られるのです。
ただし、動画の内容と関係のない商品を販売するリンクを大量に貼り付けたり、有料のセミナーに直接誘導したりすると、「商用利用」の規約に違反してYouTubeからペナルティを受ける危険があります。
一度ペナルティを受けるとアカウント自体の評価がずっと低いままになってしまうとも言われており、くれぐれも気をつけてください。
YouTubeの視聴者をビジネスの顧客にする一番のコツは、やはり魅力的なコンテンツを提供し続けること。視聴者の関心を引きつけるテーマや独自のスタイルを持つことが成功のカギで、宣伝ばかりのチャンネルにはファンがつきません。
◉コストをかけずに再生回数を上げるポイント
では、YouTube運用で視聴者を惹きつけ、動画を再生してもらうにはどうすれば良いのでしょうか。
以下にいくつかのコツを紹介します。
◉-1、トレンド性のあるテーマをタイトルに入れる
YouTube動画を観てもらうために、タイトルはとても大事です。
そして、タイミングに合わせてトレンドになっているワードを盛り込んだタイトルを設定することで、ユーザーに動画を観てもらえる可能性が高まります。
トレンドワードを調査するためには、拡張ツールであるvidIQ(https://vidiq.com/)を使いましょう。
vudIQを使うと、指定のワードが含まれた動画が平均でどれくらい再生されているのかのデータを見ることができるので、動画企画とタイトル選定にとても役立ちます。
トレンドのワードを使うことで、バズっている動画を観たあとのおすすめ動画としてあなたの動画が紹介されたり、YouTubeのトップページで動画をリコメンドしてもらえたりする可能性を高められます。
ただし、タイトルにだけトレンドのワードを使って動画の中身が全然違う、というのはNGです。そういった不一致はYouTubeのアルゴリズムで厳しく評価されます。
◉-2、サムネイルを魅力的に
動画のサムネイルを作り込むのも、タイトル設定と同じくらい重要です。
慣れていないと動画の一部をキャプチャするだけのサムネを設定してしまったりしますが、極力そうしたサムネは避けたほうが良いでしょう。必ず画像を作ってください。
サムネイル作成のコツは、「少ない文字数でキャッチーに」です。
画像に「◯◯する方法3選」など文字を挿入し、シンプルにユーザーの心を掴みます。
文字数が少ないほうが良い理由は、人はYouTube動画を見るかどうか、サムネを0.3秒見ただけで決めると言われているからです。文言が長いとそれだけで脱落を招きます。
サムネイル作成にあたっては、Canva(https://www.canva.com/)がおすすめです。
きれいなフォントやアイコンなどが無料で使用できるだけでなく、多数のテンプレートからアレンジして初心者でも簡単にサムネイルを作れます。
◉-3、撮影環境に気を配る
動画をコンテンツとして成立させてユーザーを惹きつけるには、撮影環境はとても大事です。
散らかった自室がバックで照明も薄暗く、演者の声は環境音でよく聞こえない……こういった動画では、もしユーザーがクリックしてくれてもあっという間に離脱してしまいます。
背景はきれいに、照明は自然光を利用するか、手持ちの照明器具を使って明るく均一な照明を実現しましょう。
また、動画の背景はあなたのチャンネルの世界観そのものです。たとえば書籍紹介のチャンネルであれば背景に本棚を映り込ませる、法律系のチャンネルであれば六法全書を机の上に置いておくなど、ちょっとした演出でブランディング効果は大きく高まります。
◉-4、無料素材をフル活用する
動画を編集する際、無料の素材やリソースを徹底活用するのも再生回数を上げるポイントです。
BGMや効果音、ビデオクリップなどの素材は、オンラインで無料で入手することができます。
こうした素材をうまく組み合わせると、動画の仕上がりが格段にプロっぽくなります。
慣れないうちは、有名YouTuberが使っている素材で真似して無料で使えるものがないか、研究してみると良いでしょう。
◉YouTube動画をより高度に編集するテクニック
YouTube運営に慣れてきたから、もっと高度な編集ができるようになりたい……そんな方のために、下記にいくつか応用編の編集テクニックを紹介します。
・トランジション効果の活用
トランジション効果は、シーンの切り替えや移行を滑らかにするためのエフェクトです。クロスフェードやズーム、スライドなどのトランジションを適切に使うことで、より魅力的な編集が可能です。
・オーディオ編集のテクニック
音声のクリアさとバランスを調整するために、イコライザーやコンプレッサーなどのオーディオエフェクトを使用します。重要な内容をよりクリアに聞き取りやすく引き立てたり、音の加工で演出を入れたりすることで動画の魅力がアップします。
・色調補正やフィルターの使用
明るさ、コントラスト、彩度などの色調を調整し、映像に一貫性や特別な雰囲気を与えることができます。あなたのチャンネルならではの世界観を演出することで、ユーザーの心を掴める可能性が高まります。
また、フィルターやエフェクトを使って独自のスタイルを作り出すこともできます。チャンネルの定番演出がユーザーの心に残るようになれば、YouTubeチャンネルとしてワンランクアップです。
◉YouTube動画の作成でよくある失敗例
最後に、YouTubeの運用でよくある失敗例を紹介します。
下記の例に当てはまらないようにチャンネルを運用しましょう。
◉-1、動画が長すぎるor短すぎる
動画の尺が長すぎたり短すぎたりするのは、よくある失敗パターンです。
まず長すぎる場合で、立ち上げ当初のチャンネルで長尺の動画を見てもらうのはかなり難しいです。せっかくサムネイルをクリックしてもらえても、途中で離脱するユーザーがあまりに多いとチャンネル評価がマイナスになってしまいます。
一方で、短すぎる動画もいけません。
なぜなら、YouTubeがチャンネルを評価するアルゴリズムでは総再生時間が重要な指標になると言われており、短い動画ばかりだとそれだけで不利になってしまうからです。
また、短すぎる動画には広告もつけられません。
ベストな動画の長さはチャンネルのジャンルにもよりますが、15〜20分くらいで試してみながら、自分のチャンネルで一番再生される尺を探っていくと良いでしょう。
◉-2、投稿が止まってしまう
良い動画を作ろうと考えすぎた結果、投稿が止まってしまう……これもよくあるパターンです。
特に企業チャンネルなどでは、社内の確認プロセスに時間がかかったりして投稿が止まってしまうケースが多いです。
当然のことですが、投稿が止まってしまえばチャンネルの評価はどんどん下がっていきます。
最低でも週に1回くらいは動画を投稿したいところです。
YouTube運用はやってみないとわからない部分が大きい施策なので、作り込みすぎずに実験のつもりでたくさん動画を投稿するのがおすすめです。
◉-3、自分が表現したいことにこだわりすぎる
ユーザーの評価を無視して運営者が「表現したい」ことばかり動画にしてしまうのも、良くないケースです。
YouTubeは継続によって初めて効果が出る面も大きいですが、まったく当たっていない方向性にずっとこだわり続けても、何かを変えなければ成功する確率は低いでしょう。
現在では有名YouTuberとなった人でも、開設当初の方向性を途中からまったく変えたことでヒットしたケースは少なくありません。
運用目的にもよりますが、譲れない部分は大切にしながら、ユーザーに評価してもらえるように柔軟にいろんな表現を試してみましょう。
◉まとめ
以上、YouTube動画の作り方について解説しました。
現在では初心者でも簡単に扱える動画編集ソフトなども増えており、個人でYouTubeチェンネルを運営することは可能です。
ただ、「本業が忙しくて動画制作する暇がない」など、YouTubeをやりたくても一歩前に進めない人もいるかもしれません。
そんな場合は、立ち上げの時期だけでもプロのサポートを受けても良いかもしれません。
フォーウェイでは、チャンネル方向性の設定から動画の企画、実際の制作などさまざまなフェーズでYouTube運営をサポートしています。
相談は無料ですので、ぜひお気軽にお問い合わせください。