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2022.04.27

Branding, Marketing

本を出版したい! 経営者が取り組むべき書籍出版とは

経営者としての考え方や理念をまとめ、社員や取引先に浸透させる効果的な方法はあるのだろうか……そんな悩みを持つ経営者には「書籍出版」がおすすめです。

出版には、自費出版や商業出版、さらには企業出版という方法があります。

今回は書籍出版の種類やその方法、近年隆盛を極めているネット書店の特徴も合わせて解説します。

書籍出版の種類は何がある?

あらゆる広告手段の中でとくに情報量が豊富で、長期的な広告効果を期待できるのが、書籍出版の大きな特徴です。

書籍出版には、大きく分けて出版社が費用を負担する「商業出版」と出版する著者自身が費用を負担する「自費出版」があります。

さらに細かく分類すると、自費出版の中には「企業出版」と呼ばれる企業のマーケティング戦略のために特化した出版手法があります。

まずは、それぞれの特徴を解説します。

商業出版の特徴:出版社が費用を負担するが発信したい企画で出せるとは限らない

商業出版は、基本的には出版社が費用を全て負担して出版する方法です。

ただし、さらに細かく分けると、出版にかかる全ての費用を出版社が負担するパターンもあれば、制作や印刷などの費用は全て出版社が負担するものの、売れなくて在庫を抱えてしまった時には著者が在庫や宣伝費を負担するパターンがあります。

商業出版の目的は、あくまで出版社が書籍を販売促進して利益を得ること。そのため、企画の自由度は低く、出版社が考えた企画書でないと出版ができないケースがほとんどです。

出版社が利益を得ることを目的としているため、近年では特にSNSでのフォロワー数やオンラインサロンの会員数など、著者の知名度や影響力を重視する傾向にあります。

ファンが多い著者の本はよく売れるという理由です。

ちなみに近年では返品率抑制のために、出版実績の豊富な著者であっても初版部数をできるだけ少なく刷ろうとする出版社も多いようです。

このような出版業界の傾向や方針を鑑みると、初めて出版する知名度の決して高くない経営者が商業出版を狙うのは至難の業でしょう。

自費出版の特徴:出版コストは抑えられるが書店には並ばない

自費出版はその名の通り、著者自身が費用を負担して出版する方法です。

自費出版の主な目的は、著者自身が発信したい内容や後世に残したい自分史などを書籍にまとめて世に残すことにあります。個人出版の意味合いが強いと言えるでしょう。

企業経営者がブランディングや広告目的で出版する際に注意してほしいのは、自費出版はほとんど書店に並ばない点です。

書籍制作についても、編集者がタイトルの提案などはしてくれますが、構成や執筆は著者任せ、編集業務は編集プロダクションに丸投げしているケースも少なくありません。

企画の自由度は高いものの、新しい見込み顧客や求職者に発見してもらえる可能性は限りなくゼロに近いです。

企業出版の特徴:流通力が高く自社ブランディングやPRのためには最適

企業出版は、自費出版同様に費用は著者が負担して出版する方法です。

つまり、企業出版は広義には自費出版ですが、出版の目的がそもそも異なるため、根本的には自費出版ではなく広告手法の一種と考えた方が理解しやすいでしょう。

企業出版は、集客面や採用面、知名度などに課題があり、その課題を解決するために企業が取り組むマーケティング戦略の一環です。

前述した自費出版と大きく違うメリットは、書店にきちんと流通される点です。

企画については、企業が発信したい内容を目的やターゲットに合わせて、的確に読者目線で出版社が提案してくれるのも特徴。企業のひとりよがりな宣伝色を排除することも、出版後の反響を得るためには重要な要素と言えるでしょう。

企業出版は大手出版社の流通網を活用するため、全国の書店へ配本され、自社の宣伝効果が期待できます。ただし、費用はかなり高額であることが多いです。

ポイントとしては企業出版の実績豊富な編集者が企画提案することと、大手出版社の流通網で全国書店あるいはビジネスの商圏にある書店へ的確に配本できる仕組みが整っていることでしょう。

▶自費出版と企業出版の違いについては、関連記事【企業の自費出版を考えるーー効果的な戦略の組み立て方と出版社の選び方】もあわせて参考にしてください。

隆盛を極めるネット書店

近年、書店の店舗数が減少しており、リアル書店の書籍の売上も全体的には減少傾向にあります。

一方で販売を伸ばしているのがネット書店です。Amazonやhonto、セブンネット、楽天ブックスなどが代表的なネット書店です。

とくにAmazonは、月間利用者数が5,253万人いると言われており、日本の人口の約40%が利用している計算になります(2020年7月/ニールセンデジタル株式会社の調査結果)。

店舗型のリアル書店の店頭に書籍が置かれることは、PRとしての期待値が高まります。しかし、全国書店にしっかりと流通させるためには大手出版社の流通網を活用する必要があり、どうしても費用が高額になる懸念があります。

そこでAmazon中心に流通していく方法も有効です。

リアル書店では店頭に訪れた人が偶然書籍に出合うことが予想されますが、ネット書店の場合は基本的に著者の名前か書籍のタイトルを知らない限りはその書籍にたどり着くことは困難です。

ただ、Amazonの場合はスポンサープロダクト広告などで、狙ったターゲットが検索しそうなキーワードを設定して、リアル書店同様に出合いの場を創出することが可能です。

このように戦略次第では、ネット書店中心のプロモーションが実行できる出版施策も視野に入れてもよいかもしれません。商圏が限られている企業の場合は、無理に全国書店に流通して高額な出版費用をかける必要はないとも考えられます。

プリントオンデマンドには気をつけよう

あくまで企業がビジネス目的で出版するという点を考えると、前述した通り企業出版や自社に合った流通戦略をとっていくのが望ましいです。

さらに安価に出版できる受注生産型のプリントオンデマンド(ペーパーバック)という方式もありますが、注意が必要です。

購入者がその著者や書籍タイトルを知らないことには、手に取ってもらえないからです。

記念出版であれば検討の余地ありですが、広告戦略としての出版には不向きと言えるでしょう。

Kindleなど電子書籍のみの出版が可能か、というのも当社に寄せられるご質問で多くありますが、こちらも書店に並ばない自費出版やプリントオンデマンドと同様で、企業PRの観点ではおすすめしません。やはり、指名検索でしか購入者との出合いが創出できないからです。紙の本での出版の価値は揺るがないということです。

企業出版は全国流通か狙ったエリアの重点配本かー事業戦略に合った方法を

以上のように、出版というだけでもかなりの種類があります。

企業戦略としての出版についても、まずは目的とターゲットが定まらないと不発に終わってしまいます。

何のために出版するのか、どこに流通すると効果を最大化できるのか、という視点で検討することをおすすめします。

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参考:フォーウェイのブランディングサービスについてはこちらから参考:フォーウェイのブランディングサービスについてはこちらから

執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、編集者)

慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。

 

 

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