BtoBビジネスで書籍出版が有効な理由は?おすすめの出版方法や書籍を自社サービスへつなげるポイントなどを解説

BtoB分野では現在も紙の書籍が堅調に読まれ続けており、電子書籍より信頼感を醸成しやすい傾向にあります。

とくにBtoBビジネスは、商材の単価が高い傾向にあるため、購入前に時間をかけて検討する見込み顧客も多いです。そうした検討中の見込み顧客の手元に、自社の知見や情報が掲載されている「紙の書籍」があれば、成約の可能性も高まるでしょう。

また、単なる出版ではなく「ブランディング出版」を行うことで、自社が目指す目的(商材の購入や問い合わせの増加など)を達成しやすくなります。

今回は、BtoBビジネスで書籍出版が有効な具体的な理由やおすすめの出版方法、書籍を自社サービスへつなげるポイントなどを解説します。

目次【本記事の内容】

執筆者:江崎雄二(株式会社フォーウェイ取締役マーケティング統括)


福岡県出身。東福岡高校、山口大学経済学部経済法学科卒業。大学卒業後、月刊誌の編集者兼ライターに携わる。その後時事通信社での勤務を経て、幻冬舎グループに入社。書店営業部門の立ち上げメンバーとして活躍後、書籍の販売促進提案のプロモーション部を経て、法人営業部へ。東京と大阪にて書籍出版の提案営業を担当し、2020年11月、株式会社フォーウェイに参画。2023年9月取締役就任。グループの出版社、株式会社パノラボの流通管理も担う。

◉BtoBビジネスで売上を伸ばすには「紙の書籍出版」が有効!その理由は?

BtoBビジネスで売上を伸ばすには、「紙の書籍を出版する」という手法が有効です。具体的な理由は以下の5つです。

  • BtoB分野では紙の書籍が堅実に読まれ続けている
  • 電子書籍より信頼感を醸成しやすい
  • 見込み顧客が比較・検討を行う際の判断材料となる
  • 課題解決の意識が強い読者が購入するため自社サービスへCVしやすい
  • 二次活用しやすい

◉-1、BtoB分野では紙の書籍が堅調に読まれ続けている

現在は出版不況ということもあり、以下のように紙の書籍の販売金額は低下しています。

出典 | 出版指標 年報 2023年版

そのため、紙の書籍出版によるPR効果を、イマイチ期待できない方も多いでしょう。

しかし販売金額の内訳を見ると、売上が減少している主な要因は雑誌の販売減少です。ビジネス書や実用書は大きな変動もなく、堅調に読まれ続けています。

このように、ビジネス書は安定して読まれているうえ、紙の書籍の販売シェアが約40%を占めているという背景もあり、BtoB向け製品やサービスを展開する企業では、PR手段のひとつとして「紙の書籍出版」が効果的といえるのです。

◉-2、電子書籍より信頼感を醸成しやすい

紙の書籍は電子書籍と異なり、一度販売すると簡単にコンテンツを変更できません。そのため、より細かく「情報は正しいか?」「メッセージをわかりやすくまとめているか?」などをチェックする必要があり、出版までのハードルは上がります。

また、紙の書籍は出版費用が高くなります。(出版方法や出版社のサービス内容などによっても変わりますが)「丁寧にプロモーション戦略を設計できる」「書籍の認知度を高めて販促を実行してくれる」といった出版社で出版する場合は、500万〜1,000万円が必要です。そのため、資金的にもすべての企業が手を出せるわけではありません。

その分、一度出版することで「書籍を出版できるほど信頼性が高い企業である」と対外的にアピールしやすくなり、自社への信頼を醸成しやすいでしょう。

また、紙の書籍であれば、Web広告やSEO記事などより圧倒的に多くの情報を込められます。具体的には、1冊につき平均して「約200ページ・7万〜10万文字程度」で情報を入れることが可能です。平均値でもかなり豊富な情報を伝えられるとわかるでしょう。

このように「企業の情報を惜しみなく世間に発信している」という点でも、信頼を獲得できるでしょう。

◉-3、見込み顧客が比較・検討を行う際の判断材料となる

BtoB製品やサービスは、単価が高くなりやすい傾向にあります。そのため見込み顧客も、「本当に信頼できる企業なのか?」という点を慎重に検討してから、購入を決めることが一般的です。

もし見込み顧客の手元に紙の書籍があれば、充実したコンテンツをもとに自社の知見を十二分に実感してもらえます。書籍を通じ自社への信頼を勝ち取れれば、購買につながる可能性は高くなるでしょう。実際に、書籍を見込み顧客へ配布し「比較検討のコンペで自社を選んでもらう最終決定の後押しになった」という事例もあります。

◉-4、課題解決の意識が強い読者が購入するため自社サービスへCVしやすい

紙の書籍は値段が1,000円以上になることがあります。ボリュームによっては3,000円以上かかるため、決して安い買い物ではありません。

こうした数千円かかる紙の書籍を購入する顧客は、「課題解決への本気度が高い」と考えられます。そのため、書籍のコンテンツに納得してもらい「この本を書いた企業なら課題を解決してくれそう」という信頼を獲得できれば、自社サービスの購入へつなげやすいでしょう。

また、書籍経由で問い合わせた顧客は、すでに自社の考え方やサービス内容をある程度理解しているはずです。そのため、BtoBビジネスにありがちな「契約の検討に時間がかかる」といった問題を解決し、短期間で売上につなげられるでしょう。

◉-5、二次活用しやすい

一度書籍を販売すれば、以下のように幅広い場面で二次活用できます。

  • 過去に名刺交換した相手にDMで発送する
  • セミナーの参加者にプレゼントする
  • 商談時に手渡しして契約を検討する際の判断材料にしてもらう
  • 採用候補者に配布して自社の考え方を知ってもらう
  • 書籍のコンテンツをWebサイトやSNSで二次活用できる

とくにWebサイトやSNSで書籍のコンテンツを二次活用できるというのは、企業にとって大きなメリットです。書籍のコンテンツを「自社サイトの情報を充実させる」「SNSでの発信ネタを考案しやすくする」といった形で活かせます。

このように、手元に残る書籍だからこそ、多くの場面で何度も活用できる点が「紙」の魅力です。

◉BtoBビジネスでは「ブランディング出版」が効果的

このように、BtoBビジネスでは紙の書籍を出版することで、「信頼を獲得しスムーズに契約へつなげられる」「幅広い場面で二次活用できる」といった多くのメリットを実感できます。

具体的な書籍の出版方法としては、以下が挙げられます。

出版方法概要
商業出版書籍の売上自体で大きな利益を出すことを目的に出版する
自費出版著者の経験や考えをまとめ、自分史のような形で「趣味の集大成」として出版する
ブランディング出版書籍販売の先に定めた「自社の目的」を達成するために出版する

このようにいくつか種類はありますが、BtoBビジネスでは「ブランディング出版」の活用がおすすめです。

まず商業出版は、書籍自体で売上を出すことが目的です。そのため、コンテンツを作る際に、自社の主張や知見より「売れるための話題性はあるか?」などが優先されやすくなります。自社をアピールできるコンテンツを作れなければ、見込み顧客からの信頼を得ることは難しいでしょう。

自費出版の場合は、企画の設計やデザイン決め、原稿作成などのほとんどを著者自身で行います。さらに出版社によっては、出版後の流通自体を行ってくれないケースもあります。そのため、出版に関する専門的な知見がないと、成果を出すことは難しいでしょう。

▶︎自費出版については、関連記事【自費出版とは?メリットやデメリット、費用相場、成功事例などを解説】もあわせて参考にしてください。

ブランディング出版であれば、書籍販売の先にある「自社が達成したい目的」を踏まえてコンテンツを作成できます。例えば「購買意欲が高い見込み顧客からの問い合わせ数を増やしたい」といったイメージです。ターゲットを絞り特定の人物に刺さる書籍を制作することで、長期的に自社へ大きな売上をもたらしてくれるでしょう。

出版社によっては「どのターゲットに・どんな内容の書籍を・どのような戦略で届けるか?」まで入念に設計してくれます。書籍をターゲットの手元に届けるまで丁寧にサポートしてくれる出版社であれば、より自社の売上につなげやすくなるでしょう。

ブランディング出版(企業出版)の具体的なメリットや他の媒体との比較などについては、以下の記事で詳しく解説しています。

▶︎ブランディング出版(企業出版)については、関連記事【企業出版(ブックマーケティング)のメリットとは? 企業が考えるべき出版による効果】もあわせて参考にしてください。

ブックマーケティング

◉BtoBビジネスでブランディング出版を行う際の注意点

BtoBビジネスでブランディング出版を行う際は、以下の点に注意しましょう。

  • 出版しただけで自社サービスのCVにつながるわけではない
  • 成果を出すには「時間・費用」両方へのリソース投下が必要となる
  • 印税収入は副次的なものと考える

◉-1、出版しただけで自社サービスのCVにつながるわけではない

前提として、書籍を出版するだけで自社サービスの認知や購買といったCVにつながるわけではありません。ターゲットに満足してもらい、自社への信頼を生み出すコンテンツが充実していなければ、製品やサービスへの購買にはつながりにくいでしょう。

また、書籍を出版しても、書店側が「話題性が低い」「売れるジャンルではない」と判断すれば、店頭に並ばないこともあり得ます。

こうした背景もあるため、出版するだけで満足せず「書くべき情報は何か?」「どうすれば書店に並べてもらえるのか?」などを含め、ターゲットの手元に届くまでの戦略を設計することが必須です。

◉-2、成果を出すには「時間・費用」両方へのリソース投下が必要となる

ターゲットに満足してもらえる書籍を販売することで、自社の目的達成につながり、売上という大きなリターンを獲得できます。とくにBtoBビジネスは商材の単価が高いため、1件成約することの意義は大きいでしょう。

しかし、CVにつながる書籍を作るには、以下のように入念な準備が必要です。

  • ターゲット設定
  • ターゲットに刺さるデザインの作成
  • 「読者の悩みや課題を解消すること」を踏まえた原稿作成
  • プロモーション戦略の設計
  • 内容の正確性のチェック

こうした多くの作業が必要なため、自社で「時間・費用」両方のリソースを確保することが必須です。

◉-3、印税収入は副次的なものと考える

ブランディング出版の目的は、あくまでも「自社のゴール(サービス購入や問い合わせなど)につなげること」です。「ベストセラーを作り書籍自体で売上を立てること」は目的ではないため、印税は副次的なものとして扱いましょう。

もし書籍自体で売上を伸ばし、印税収入をメインにしたいのであれば、商業出版が適切です。ただし商業出版は、出版社から声をかけてもらうハードルが高いため、誰でも簡単に取り組めるわけではありません。企画の持ち込みも可能ですが、自分の影響力や話題性などを出版社にアピールできなければ、書籍販売まで漕ぎ着けるのは難しいでしょう。

◉書籍を自社サービスへつなげるために!BtoB企業がブランディング出版を成功させるポイント

BtoB企業がブランディング出版を成功させて、書籍を自社サービスへつなげるには、以下のポイントを押さえましょう。

  • 出版の目的を明確に設定する
  • 出版以外のマーケティング戦略と絡める
  • 「出版するだけ」に留まらないサポートを提供している出版社を選ぶ

◉-1、出版の目的を明確に設定する

ブランディング出版では、自社の目的を達成するために書籍を販売します。具体的には以下のイメージです。

  • 受注確度が高い顧客からの問い合わせ数を増加させたい
  • 問い合わせからの成約率を高めたい
  • 採用活動で利用して自社の理念を社員に浸透させたい

上記のような出版の目的を定めて、「どんなターゲットを設定すべきか?」「具体的に何を書けば自社を信頼してもらえるか?」といった方向性を入念に設計しましょう。

◉-2、出版以外のマーケティング戦略と絡める

ターゲットへ書籍を届けるには、漠然と出版するのではなく、以下のように他のマーケティング戦略と連携させることが重要です。

  • SNS広告を配信しターゲットとの接点を作ってから販売する
  • クラウドファンディングを活用して話題性を高める
  • 新聞広告で多くの人にリーチさせる

こうした他の戦略と組み合わせることで、より自社のターゲットに書籍を届けやすくなります。

◉-3、「出版するだけ」に留まらないサポートを提供している出版社を選ぶ

ブランディング出版を行う際は、基本的に出版社からサポートしてもらうことになります。出版社を選ぶ際は、「出版だけに留まらず幅広いサポートを提供しているか?」という点を重視しましょう。

紙の書籍出版では「ターゲットに合わせたコンテンツを作る必要がある」「そもそも書店に置いてもらえるかわからない」といった事情があります。そのため、漠然と出版しただけでは書籍をターゲットに届けられず、将来的な自社の売上につながりにくいでしょう。

こうした課題を解消するには、以下のような手厚いサポート体制を設けている出版社を選ぶことが重要です。

  • ターゲット設定に必要な情報を入念にヒアリングしてくれる
  • 出版後の販売戦略まで一貫して設計してくれる
  • 書籍を置いてもらえるよう書店と交渉してくれる

◉まとめ

この記事では、BtoBビジネスにおいて書籍出版が有効な理由やおすすめの「ブランディン出版」という手法、成功のポイントなどを解説しました。

ビジネス書が堅調に読まれ続けている現代、自社ビジネスの売上を伸ばすうえで「紙の書籍販売」は有効な手段です。Webよりも圧倒的に多くの情報を届けられるため、ターゲットからの信頼を醸成し、サービスの認知や購買といった自社の目的を達成できる可能性が高まります。

ブランディング出版を行う際は、サポートが手厚い出版社を選びましょう。ターゲット設定や販売方法など、読者の手元に届くまでの戦略を丁寧に設計してくれる出版社であれば、より目的を達成しやすくなります。

弊社フォーウェイでも、売上を伸ばしたいBtoB企業に向けてブランディング出版のサポートを行っています。ターゲット設定からはじまり、Web広告を絡めた販売戦略の設計や書店へ並べるための営業など、読者へ書籍を届けるために必要なサポートが揃っています。

「具体的にどこまでサポートしてくれるの?」「自社のサービスでも書籍を作れる?」などが気になった方は、まずはお気軽にお問い合わせください。

ブックマーケティング

マーケティング手法の一つである「出版マーケティング」は書籍を利用して、長期的に集客や認知度向上を図る仕組みです。

本記事では、「出版マーケティング」に取り組むためはどういうやり方があるのか、その費用感はどの程度か、および成功事例にはどのようなものがあるのかなどについてくわしく解説します。

目次【本記事の内容】

執筆者:江崎雄二(株式会社フォーウェイ取締役マーケティング統括)


福岡県出身。東福岡高校、山口大学経済学部経済法学科卒業。大学卒業後、月刊誌の編集者兼ライターに携わる。その後時事通信社での勤務を経て、幻冬舎グループに入社。書店営業部門の立ち上げメンバーとして活躍後、書籍の販売促進提案のプロモーション部を経て、法人営業部へ。東京と大阪にて書籍出版の提案営業を担当し、2020年11月、株式会社フォーウェイに参画。2023年9月取締役就任。グループの出版社、株式会社パノラボの流通管理も担う。

◉そもそも出版マーケティングとは?

「出版マーケティング」とは、書籍を出版してマーケティングに活用する手法のことです。

企業が自社の事業や商品、サービスなどに関する書籍を出版し、集客や認知度向上に役立てることを目的としています。

現代では、インターネット上で必要な情報を容易に見つけることができる一方で、根拠や情報ソース、発信者が不明確なものも多く、本当に信頼できる情報を探し出すことが難しいのが実情です。

一方、書籍には出版社と著者が明記されていますので「インターネット上の情報よりも信頼できる」と考えられやすい傾向があります。

そのため、企業の強みや独自技術・実績、取り組みなどをストーリーとしてまとめて一冊の書籍として出版すれば、書籍の信頼性や出版社の全国的な販路を活かした効果的なマーケティングが可能となります。

また、SNSやWebサイト、ブログ、クラウドファンディングなど、他のWebマーケティング手法と組み合わせることもできるので、より高い効果を狙うことができます。

◉-1、企業出版、自費出版、商業出版との違い

一般的に、書籍を出版する方法として企業出版、自費出版、商業出版という3つの出版方法があります。

企業出版は、企業が出版費用をすべて負担して、企業の認知度や信頼性を向上するために書籍を出版し書店へ流通させてプロモーションを行うものです。

「いかにターゲット顧客に書籍を届けるか」が目的になってきますので、そもそも書籍がたくさん売れなくても問題ありません。

もちろん、売れるにこしたことはありませんが、読者の中に1人でも、内容に共感し、企業や商品・サービスへの親近感を持ち商品やサービスの購入に至ってくれれば企業出版は成功と言えます。

次に、自費出版は、個人が出版費用をすべて負担して書籍を出版するもので、書店へ流通させることもありますが、基本的には積極的なプロモーションは行いません。

個人の趣味の集大成としたり、企業経営者が名刺代わりに配るために、書籍化することが目的の出版方法です。

商業出版は、出版社が出版費用をすべて負担して書籍を出版するもので、ヒット作を作って販売数を伸ばし、出版社が利益を上げるための出版方法です。

出版社が力を入れて宣伝やマーケティングを行うため、世の中にあるベストセラーの本のほとんどはこの方法によって出版されています。

これらの3つの出版方法の中で「出版マーケティング」に最も近いと考えることができるのは企業出版です。

企業出版の場合の商品やサービスの利用は副次的な結果ですが、結果的にはマーケティング効果があったと考えられるからです。

◉-2、他のマーケティング手法との違い

代表的なマーケティング手法としては、下表のようなものがあります。

マスマーケティングテレビ広告、ラジオ広告、新聞広告、雑誌広告、屋外広告
ダイレクトマーケティングテレアポ、ダイレクトメール、メール、SNS、インターネット広告、レコメンドエンジン
インバウンドマーケティングSEO、動画

これらのマーケティング手法に共通しているのは、施策を実施している間は高い効果が期待できますが、施策をやめた途端に効果が激減することです。

これに対して、「出版マーケティング」では書籍を利用しますので、マーケティング効果が長期的に継続します。

◉出版マーケティングはこんな人におすすめ

書籍は、他のマーケティング手法と違い長い文章を読んでもらえるという点が大きなメリットです。

そのため、他のマーケティング手法とは違った訴求が可能になります。

WebやSNSの場合は「読まない」を前提にパッと見ていかに見込み顧客に伝わるかが重要になります。

一方で、書籍の場合には、そういった心配なくあらゆる情報を見込み顧客に読んでもらうことが可能です。つまり、一冊で信頼関係の構築や顧客教育がすべてできてしまうということです。

こういったメリットを考慮すると、出版マーケティングは特に、次のような企業や経営者におすすめです。

  • ・成約までに信頼関係構築が必要で、成約までの期間が長い
  • ・ビジネスモデルが複雑で、成約するためにある程度の顧客教育が必要である
  • ・事業も安定してきたので、企業の次なる成長への打ち手に困っている
  • ・WebやSNSではなかなか自社のサービスが伝わらないと感じている
  • ・競合他社との差別化が難しい
  • ・企業としての認知度向上、ブランディングを効果的に行いたい
  • ・富裕層や経営者などへのアプローチが可能

◉出版マーケティングの成功事例

「出版マーケティング」の成功事例は数多くありますが、ここではその中から3件を紹介します。

◉-1、成功事例1:医師向けの不動産投資

この不動産会社の経営者は、高収入な医師をターゲットとして、従来からSNSやウェブ広告などを使って不動産投資サービスに関する情報発信を行っていましたが、見込み顧客が獲得できずに悩んでいました。

そこで「高収入な医師に最も効果的な節税対策は不動産投資である」という内容の書籍を出版して、自身の考えや想いを伝える出版マーケティングを行うことを決心。

書籍の企画段階から医師をターゲットとしたマーケティング戦略を練っていたため、狙い通り多くの医師に書籍を購入してもらうことに成功しました。

具体的には、出版のタイミングに合わせたSNS投稿やセミナー開催、クラウドファンディングなどをうまく組み合わせてプロモーションを行ったのです。

この「出版マーケティング」によって、書籍を購入した医師に「不動産投資に大きな節税効果があること」を認知してもらうことができ、売上を倍増させることができました。

さらに、既存顧客から知り合いの医師への口コミや書籍を配布することなどによって評判が広がり、新規顧客を獲得することにもつながっています。

◉-2、成功事例2:保険代理店経営

この保険代理店の経営者は、保険業界の給与体系を変えることによって業績拡大ができるはずだという持論を持っていました。

そして、その持論を世に問うために「出版マーケティング」を利用して書籍を出版。

その書籍の中で、保険業界では当たり前となっていた「成果報酬型」を「一律報酬型」に変えることを提唱しました。

これは、一部のスーパー営業マンに頼り切った経営から、アベレージヒッターを育てて全員で支えていく経営に変えていって業績拡大ができるという内容でした。

書籍という情報量の多い媒体を使ったため、多くの業界関係者から理解と共感が得られて、自社のブランディングにも成功。

書籍の出版をきっかけに保険代理店の契約数も飛躍的に伸びたのはもちろんですが、他の保険代理店からコンサルティングの新規契約を獲得することにも成功しています。

◉-3、成功事例3:工場コンサルティング

このコンサルティング会社は、従来から製造業を対象に工場向けのコンサルティングサービスを提供していました。

コンサルティング費用が高単価で、営業をしても説明に時間がかかることなどから受注率が低いことが悩みのタネでした。

そこで、「出版マーケティング」により書籍を出版。

「ファクトリーオートメーションによって製造業の人材不足を解決し、経営効率化と利益の最大化ができる」というメッセージを伝えました。

書籍出版後の1ヶ月で10件以上の引き合いがあり、今までリーチできていなかった分野の企業からの問い合わせも増えて売上向上につながっています。

このような顕著な成果が得られた要因として、書籍のターゲットを生産部門の決裁者とし、「ターゲットに向けた明確なキャッチコピーを採用したこと」「書籍を購入して読んでもらうことによって説明に要する時間を大幅に省略できたこと」などが挙げられます。

ブックマーケティング

◉【ココが違う】出版マーケティングならではの活用メリット

成功事例からもわかるように「出版マーケティング」では書籍を利用しているため、他のマーケティング施策にはないさまざまなメリットが享受できます。

代表的なものは、次の7つです。

◉-1、他のマーケティング施策に比べて多くの情報量を伝えることができる

書籍の情報量が、他のマーケティング施策(テレビCM・新聞広告・雑誌広告・Web広告・チラシなど)に比べて圧倒的に多いという特徴があります。

たとえば、A4サイズのチラシに記載できる文字数は1,000文字~2,000文字程度に過ぎませんが、書籍は一般的に200ページ程度で、その文字数は約7万文字~10万文字です。

この膨大な情報量を利用して、企業の商品やサービスの特徴はもちろんのこと、企業理念や経営者の考え方までを一冊に集約して伝えることができます。

このように、多くの情報をまとめて伝えることができるマーケティング施策は他にはありません。

◉-2、顧客との信頼関係構築や顧客教育が1冊でできる

「書籍を出版している」という事実だけで、その企業の信頼性は格段に高くなるので、顧客との信頼関係の構築に大きく寄与します。

また、取り扱っている事業のビジネスモデルが分かりづらい場合などでも、書籍を読んでもらうことによって顧客教育ができます。

このように、顧客との信頼関係構築や顧客教育が1冊でできるため、商談効率や成約までの期間が短縮できます。

◉-3、長期的な運用・活用ができる

「出版マーケティング」によって出版された書籍は長期間にわたって流通し、購入された場合もそう簡単に捨てられることはありません。

また、Webサイトやブログ、SNSなどに掲載されたコンテンツも長いことインターネット上に残り続けてマーケティング効果を発揮します。

そのコンテンツの専門性や信頼性が高ければ、価値の高い資産としてマーケティング効果を最大化できるでしょう。

書籍は、テレビCMやWeb広告などのような短期的なマーケティング施策ではありませんので、長期的な企業活動に運用・活用することが可能です。

◉-4、潜在顧客へのアプローチができる

「出版マーケティング」によって出版された書籍は配本されて書店の書棚に並べられます。

書店を利用する顧客は「なにか面白そうな本はないかな」と興味のあるジャンルの書棚を眺めて、そこで書籍のタイトルにひかれると手にとって気に入れば購入します。

つまり、書店に並べられることによって潜在顧客へのアプローチができるということです。

本を読んで自社の商品やサービスに信頼感を持つ顧客が出てくる可能性もあります。

◉-5、他施策への二次利用でマーケティング効果を最大化できる

出版した書籍を他のマーケティング施策に二次利用することができます。

たとえば、既存顧客に無料でDM発送したり、営業ツールとして活用したり、展示会やセミナーで配布するなどです。

また、書籍の著作権は著者企業に帰属しますので、そのコンテンツをWebサイトやブログ、SNSなどに二次利用することができます。

これらの他のマーケティング施策への二次利用によって、マーケティング効果を最大化することができます。

・書籍をDM発送
・営業ツールとして活用
・出版セミナーを開催
・SEO対策(権威性、信頼性、オリジナル性)
・各種SNSの情報発信での二次活用

◉-6、WebやSNSでは狙えない顧客にアプローチできる

現代の広告宣伝は、インターネットを介したWebサイトやSNSによる情報発信が主流となっていますが、特に高齢者などはWebサイトやSNSとは縁遠いためなかなかアプローチすることができません。

しかし、書籍であればこのような顧客にもアプローチすることが可能となります。

実際に、インターネット中心に会員登録数を増加させていた投資助言業の企業が、なかなかアプローチできていない高齢者層への訴求に書籍を活用して集客に成功した事例もあります。

◉-7、企業のブランディングや認知度向上ができる

書籍を出版することによって、その書籍を自社のブランディングや認知度向上、顧客の購買意欲向上などに役立て、売上の向上や利益改善などの経営課題の解決につなげることができます。

そのためには「出版マーケティング」のゴールは書籍の販売ではなく、書籍をきっかけにした企業の成長にあることをきちんと認識しておくことが大切です。

◉出版マーケティングの費用感

「出版マーケティング」にかかる費用は、書籍の仕様や発行部数、制作費用、プロモーション費用などの要素によって変わってきますが、一般的には450万円~1,000万円程度です。

書籍の仕様としては四六判(横130mm×縦188mmの単行本サイズ)で200ページ程度の書籍が多く、印刷費用には書店に流通する流通部数だけでなく、著者に納品する部数も通常は含まれます。

制作費用はライターや編集者、デザイナーの依頼費や人件費、プロモーション費用はメディアへのリリースや書店営業、Web広告・新聞広告への出稿、出版記念イベントの開催などの費用です。

◉出版マーケティング施策に取り組むには?流れや必要な期間

ここでは、「出版マーケティング」施策に取り組むために必要なプロセスの流れや必要な期間などについて解説します。

書籍の企画企画段階では、出版の目的とターゲット、アプローチ方法をきちんと決めておく必要があります。つまり、何のために書籍を出版して、誰に読んでもらって、何を伝えるのかということを決め、さらにそのターゲットに確実に届けるためのプロモーションまでを想定しておく必要があるということです。書籍の企画に必要な期間は、約2週間~1ヶ月です。
原稿執筆書籍の企画が決まると、それに従って原稿を執筆し写真・図表・イラストなどを準備します。その後出版社の編集者からアドバイスをもらい必要に応じて修正をします。

原稿執筆や写真・図表・イラストなどの準備に必要な期間は、約2週間~4ヶ月です。デザイン原稿が完成すると、表紙や誌面のデザインやレイアウトを行います。


デザインに必要な期間は、約2週間~1ヶ月です。校正・校閲デザインが終わると紙やPDFに出力して校正を行います。誤字脱字・表記ゆれはないか、デザインはイメージ通りか、写真・図表・イラストは適切かなどについて校正と修正を行います。

同時に校閲によって事実関係に誤りがないことを確認します。
校正・校閲に必要な期間は、約2週間~1ヶ月です。印刷・製本校正が終わると、出版社から印刷会社に書籍のデータが送られて、印刷会社から色校正が提示されます。インクのノリ具合や写真の色味を確認して問題がなければ書籍が印刷・製本されます。


印刷・製本に必要な期間は、約1ヶ月です。プロモーション書籍が完成すると企画段階で決定したプロモーションを実施して書籍を販促し、「出版マーケティング」の目的達成を目指します。

◉出版マーケティングを成功させる3つのポイント

「出版マーケティング」を成功させるためには次の3つのポイントがあります。

◉-1、戦略的に流通・配本を行える出版社を選ぶ

「出版マーケティング」において、出版社選びは非常に重要です。

出版する書籍のジャンルに強い出版社であることはもちろんですが、戦略的な流通や配本が行える出版社でなければなりません。

一般的には、全国規模の流通網がある出版社が良いと考えられますが、書籍のテーマや企業の事業展開によっては、ある特定のエリアだけに配本したいケースやある特定のターゲットに届くように配本したいというケースなどがあるからです。

なお、全国の書店に流通網がある大手出版社の場合は、部数を多めに刷って大量に流通させることによりコストが上がってしまう可能性があります。結果的に大多数が返品されてしまうため、効果的にターゲットに届けたいなど目的がある場合は注意が必要です。

◉-2、出版後のプロモーションを見据えた書籍の企画戦略を立てる

「出版マーケティング」で書籍を出版する際は、企画段階で出版の目的とゴールを設定し、さらに出版後のプロモーションも含めた戦略を立てることが必要です。

出版の目的とゴールが明確になっていないと、ターゲット読者が曖昧なままに書籍の制作とプロモーションを行うことになり、最悪の場合成果が得られないことになりかねないからです。

「書籍を使って解決したい課題は何なのか」「最終的なゴールは何なのか」「そのためにどのようなプロモーションを行うべきなのか」について最初にしっかりと考えておく必要があります。

◉-3、出版後にあらゆるプロモーション施策を実施する

書籍を出版した後には、あらゆるプロモーション施策を実施する必要があります。

主なプロモーション施策は次のとおりです。

    • ・SNS施策
    • ・クラウドファンディング
    • ・セミナー、講演活動
    • ・Web広告
    • ・SEO施策
    • ・書店プロモーション

以下、順にこれらの施策について紹介します。

SNS施策

現代ではインターネット環境が整っており、すでに多くの企業がマーケティングツールとしてSNS(X、Instagram、TikTok、YouTubeなど)を利用しています。

出版マーケティングとSNSを組み合わせることによってマーケティング効果を最大化することが可能です。

SNSには大きな拡散力がありますので、テレビCMやWeb広告よりも大きな効果を得ることができます。

書籍の制作には6ヶ月~8ヶ月程度かかりますので、制作期間中に一貫したSNSアカウントを立ち上げて事前告知を行ってフォロワーの興味を喚起し、フォロワーがファン化した頃に出版するという状態が作れれば理想的です。

vまたは、ストーリーテリングの手法を取り入れて、SNS上でストーリーを紡ぎ、その続きを書籍につなげるような方法も考えられます。

▶ストーリーテリングについては、関連記事【ストーリーブランディングとは?企業の物語を伝えてファンを作る方法】もあわせて参考にしてください。

クラウドファンディング

書籍の企画を決定した後に、クラウドファンディングを実施して書籍の事前告知をして企業の認知度向上を図ることができます。

クラウドファンディングを実施することによって、出版費用や広告宣伝費用を調達することができるだけではなく、書籍に関する情報発信の機会が増えることになります。

クラウドファンディングの支援ページは書籍の出版後も残りますので、自社の取り組みを長い期間残すことが可能です。

セミナー、講演活動

書籍の制作期間中に書籍の内容に関するセミナーや講演会などを開催することができます。

さらに、出版後には出版記念セミナーを開催して、セミナーの最後に直接書籍を販売したり配布したりするのも一つの方法です。

出版記念セミナーを開催して集客することによって、より広い潜在顧客に書籍を届けることができます。

Web広告

書籍の発売に合わせてWeb広告を使ったプロモーションを行ったり、書籍専用のLPを作ったり、書籍のコンテンツを抜き出してコンテンツマーケティングを行うことなどが考えられます。

LPを利用する場合は、訪問者リストを作成して分析し今後のマーケティングに利用することが可能です。

SEO施策

書籍の著作権は契約主体である企業に帰属しますので、コンテンツを自社のWebサイトやブログなどに自由に掲載することができます。

近年のSEO対策で重要なことは、コンテンツのオリジナリティーですので、書籍のようなオリジナルコンテンツは自社サイトに高いSEO効果をもたらします。

また、オリジナルで専門性の高いコンテンツは、他社サイトやブログからの引用も多く見込めるため、被リンク獲得にもつながり、自社サイトのドメインパワーを高めることができます。

結果として、高いSEO効果を得ることにつながるのです。

書店プロモーション

書店プロモーションには次のような施策があります。以下の順に説明していきます。

      • ・出版社の流通力がカギ! 戦略的な配本
      • ・実績として打ち出せる! ランキング買取
      • ・露出力を高めるには買取プロモーションを活用!</strong
      • ・書棚以外でも認知促進が図れる! 有力なポスター展開
      • ・書籍や自社告知のための新聞広告
      • ・ブックカバーやしおりの配布
      • ・店頭看板やデジタルサイネージ
      • ・イベントスペースを活用した講演会の実施

出版社の流通力がカギ! 戦略的な配本

全国への流通網が整った実績のある大手出版社から出版することによって戦略的に配本することが可能です。

たとえば、ダイヤモンド社、日経BP、幻冬舎メディアコンサルティング、クロスメディア・パブリッシングがあり、いずれも出版費用は高額ですが流通力が高く大きなメリットが得られます。

フォーウェイでは、雑誌やWebメディアへの発信を積極的に行っている主婦の友社や小学館などの出版社と提携しているほか、戦略的な配本を得意とするグループ出版社パノラボでの一気通貫での出版も行っています。

これらの出版社の流通力を活用すれば、2,000部程度あれば、全国の大型書店~中堅書店には十分に配本することができ露出力を高めることができます。

また、パノラボでは、自社の商圏に近い書店に重点配本するなどの自社のビジネスメリットを想定した戦略的なエリアマーケティングを行うことも可能です。

実績として打ち出せる! ランキング買取

一度に100冊~500冊などを買取するという約束をして、書店での週間ランキングで1位を獲得するようにする方法があります。

週間ランキングで1位を獲得すれば、自社のホームページなどに掲載することによりブランディング効果を高めることができます。

また、書籍の販売促進のための新聞広告を実施する際にも、このランキング情報を掲載すると「この本は売れている」という説得力を持たせることも可能です。

露出力を高めるには買取プロモーションを活用!

書籍を一定数買取するという約束をして、一定期間大型展開を実施してもらう方法もあります。

ランキング買取との違いは、一括で数100冊も買取するのではなく、たとえば50冊の展開を依頼して、1ヶ月後に売れ残った書籍を買取るというものです。

近年、出版業界では返品率の高さが問題視されているので、書店にとっては売れ残った書籍を全て買取るという条件は、返品の必要がなく売上も担保されるためうれしい提案なのです。

通常の配本ではなかなか読者に手に取ってもらえない可能性もあるため、売れ残った書籍の買取を条件に1ヶ月間で展開をしてもらうと販売促進にもつながり、企業の認知度も向上します。

なお、買取りした書籍はセミナーでのプレゼントや、営業活動で顧客に配布したりできるので、長期的に書籍を活用する点で有効なプロモーションとなります。

書棚以外でも認知促進が図れる! 有力なポスター展開

書店に一定のプロモーション費を支払って、書籍の近くや店頭・店内の目立つ場所にポスターの展開をしてもらうこともできます。

ポスター制作については出版社と調整する必要がありますが、書籍の認知度を上げるのに効果的です。

買取プロモーションと異なるのは、書籍を買取りする必要がないことです。

自社で書籍を必要としない場合は、ポスター展開ができるプロモーションは有力な手段と言えるでしょう。

書籍や自社告知のための新聞広告

書籍の出版に合わせて、書籍や自社の告知をするために新聞広告を出稿する方法があります。

たとえば、全国の書店への配本と同時に新聞広告を使ってプロモーションを行うこともできます。

特にビジネス書は日経新聞の広告掲載と相性がよく、現代でも書籍の販売促進には最も有効な手段の一つです。

ブックカバーやしおりの配布

書店でプロモーションをする際に、書籍の内容と連動したブックカバーやしおりを準備しておき、店内に設置したり書店員に配布してもらうことができます。

書店に来店する顧客の多くは、好奇心が旺盛で知識欲などのリテラシーが高い人たちなので、出版した書籍に興味を持って手に取ったり購入したりしてくれる可能性があります。

店頭看板やデジタルサイネージ

大型書店などであれば、店頭看板や懸垂幕などで広告してもらい、来店客ばかりでなく通行人にアピールする方法もあります。

また、近年ではデジタルサイネージに注目が集まっており、店内に設置された液晶モニターに映像や音声を配信して書籍の広告をすることも可能です。

イベントスペースを活用した講演会の実施

都市圏の大型書店の場合、イベントスペースを有していることが多いので、企業の告知スペースとしても活用できます。

書籍出版する場合は、書籍のテーマに合わせてセミナーを開催することも考えられます。

書店でのセミナーは、自社開催のセミナーとは異なった客層を集客することができますので、潜在顧客へのアプローチとしても有効です。

◉Amazonの販売促進広告

Amazonなどのネット書店の場合は、タイトルや著者名が分かっていないと書籍にたどり着かないことがあります。

リアル書店であれば、興味や関心のあるジャンルの書棚を眺めているうちに、意外な1冊に巡り合う可能性がありますが、ネット書店ではそのようなことはありません。

この対策としてAmazonのスポンサー広告や書籍販促を目的としたGoogleディスプレイ広告、SNS広告などの利用があります。

ターゲットが明確であれば、そのターゲットが検索しそうなキーワードをスポンサー広告等に設定することによって、書籍の販売促進につなげることができます。

◉【まとめ】出版マーケティングは長期的な集客、認知度向上の仕組み作り

「出版マーケティング」を利用すれば、書籍を出版するだけではなく、その書籍をブランディングに活用して自社の信頼性の向上などに役立ていくことができます。

つまり、「出版マーケティング」とは長期的な集客、認知度向上のための仕組み作りだということができるでしょう。

「出版マーケティング」にトライしてみようとお考えなら、ぜひフォーウェイまでご相談ください。

ブックマーケティング
 

経営者として将来的に出版したい思いがある人は少なくないでしょう。

中でも出版社から声がかかる商業出版に夢を見ている人もいるかもしれません。

今回の記事では、そんな商業出版の基本情報のほか、複数ある出版の方法や企業が取り組む上で重要視したいポイントを解説します。

目次【本記事の内容】

執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)

慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。

◉商業出版とは

商業出版とは、出版社が費用を負担して書籍を出版する方法を指します。

◉-1、商業出版の定義と特徴

商業出版は、出版社が利益を出すことを目的とするため、より多くの書籍が売れるような内容の企画やプロモーションを行うのが特徴です。

実際に、ベストセラーとして有名な書籍のほとんどは商業出版です。

具体的には、今でも売れ続けている岸見一郎・古賀史健著の『嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え』や、岩崎夏海著の『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーのマネジメントを読んだら』などが、商業出版の代表的な事例として挙げられます。

しかし、商業出版の場合、著者の伝えたいことよりも出版社側の意向が優先されます。そのため、いくら著者に言いたいことがあったとしても、書けなかったり、出版社によって修正されてしまうことが多々あります。

著者が書きたいことが100%書ける方法ではないのも商業出版ならではの特徴と言えるでしょう。

◉-2、出版することのメリット

書籍を出版すること自体のメリットとしては、「信頼性向上」「著者のブランディング」「メディアへの露出」などが挙げられます。

現代ではインターネット上のWebやブログなどで情報を発信することもできますが、書籍として発信した情報の方が格段に信頼性が高くなります。

たとえば、ダイエット時に推奨される食事に関する情報を得たいと思った時に、個人が運営しているブログの情報よりも、専門家が出版している本の方が信頼できると感じる方は多いのではないでしょうか。

信頼度が高い情報は様々なメディアへの露出にもつながります。

実際に、商業出版をしたことで雑誌への掲載やゴールデンタイムのテレビ番組への出演につながった例があります。

出版やメディア露出により「その道の専門家である」と認識されることで、著者自身をブランディングすることが可能です。

さらに、副次的なメリットとして、出版社から発刊するとISBNコードが付与されることが挙げられます。

国会図書館にも収蔵されるため、ほぼ永久的に保存されて後世に残すことが可能です。

このように、出版することは著者自身のイメージ向上やブランディングで高い効果を期待できる手段と言えます。

◉商業出版のメリット

「出版すること」のメリットとして、信頼性向上、著者のブランディング、メディアへの露出などが挙げられますが、もう少し的を絞って「商業出版」のメリットに焦点を当てると、次の2つが挙げられます。

◉-1、著者の費用負担がない(出版社負担)

出版社の費用負担がない場合、著者が出版費用を負担することになります。

自費で出版する場合の費用は100万〜500万円ほどかかるため、著者の費用負担がないことは、著者にとって大きなメリットです。

◉-2、印税の支払いがある

商業出版の場合、書籍の販売数や印刷数に応じて、著者に印税が支払われます。つまり、収入が得られるということです。

自費出版や企業出版などは、そもそも印税を目的とした出版方法ではありませんが、「重版して総流通部数が10,001部を超えたら定価の5%をお支払い」のように、契約によっては印税が支払われることもあります。

このように、印税が支払われるのは商業出版する最大のメリットと言っても過言ではありません。

印税は印刷した部数に応じて支払われる「刷り部数印税」が主流で、相場は書籍価格の5〜10%です。たとえば、1,300円の書籍が初版で3,000部印刷されたとすれば、印税は10%の場合で39万円となります。

100万部を超えるミリオンセラーともなれば、1億円以上の印税が発生することもあります。

◉-3、出版社主導での販売活動

出版した書籍が売れなければ出版社が損をすることになるため、出版社は売るためのプロモーションを積極的に行います。

商業出版は出版社が利益を出す目的で行うため、ベストセラーやヒット作になるようにプロモーションにも力を入れるのです。

実際に、書店での販促では、出版社の主導でPOPの設置やブックDM、広告やウェビナーなどのネット施策などが行われます。

著者自身で販促をせず、プロである出版社に任せることができるため、効率よく本を売ることが可能です。

◉商業出版のデメリット

一方、商業出版のデメリットとしては、次の2つが挙げられます。

◉-1、企画の自由度が低い

自費出版や企業出版の場合は、著者が書きたい企画を自由に立てることができますが、商業出版は企画を出版社側が立てるのが一般的です。出版社側が立てた企画に合った著者に「出版などどうですか?」と持っていくという流れで出版に至るのが商業出版です。

そのため、基本的には著者が書きたいことではなく、出版社の企画に沿って書きます。

つまり、商業出版はたとえ著者が書きたいと思っていた企画であっても、出版社の企画内容に沿わなければ修正されてしまうということです。著者が書きたい内容を書けない出版方法とも言えます。これが商業出版の最大のデメリットと言えるでしょう。

◉-2、商業出版自体のハードルが高い

商業出版自体のハードルが高いということもデメリットとして挙げることができます。

なぜなら、よほど有名で話題性のある企業の経営者でない限り著者に選定されることは難しく、著者自身が持ち込んだ企画が商業出版に採用されるケースはまれだからです。

また、そもそも企画書の持ち込みを受け付けている出版社が少ないという現実があり、インターネットで公表している出版社は、専門分野の出版社を除くと数社程度しかありません。

運よく企画書の打ち合わせまで持ち込めた場合でも、最終的に自費出版に誘導されてしまったり、さらに運よく商業出版できたとしてもほとんど売れないという状態に陥ったりすることも考えられます。

◉商業出版の現実と出版業界の実情

著者の費用負担がなく販売活動も出版社が行ってくれる魅力的な商業出版ですが、その現実と出版業界の実情についても知っておく必要があります。

商業出版の現実と出版業界の実情について詳しく解説していきます。

◉-1、出版業界は斜陽産業?

現代は、ひと昔前に比べると本が売れにくい時代です。

インターネットを使えば無料で簡単に情報が手に入ってしまう現代社会。ひと昔前に比べると紙の書籍が売れにくい時代と言われています。

実際に出版業界の市場規模は年々縮小していますが、その主な原因は雑誌の販売数の減少であり、ビジネス書や実用書などは昔とそれほど変わらずに売れ続けています。

公益社団法人 全国出版協会・出版科学研究所の『2023年版 出版指標 年報』に掲載されている「出版物の推定販売金額」によれば、1996年時点での雑誌の推定販売金額が15,633億円なのに対して、2022年時点では4,795億円にまで減少しています。

一方で、書籍に関しては、1996 年時点での推定販売金額が10,931億円なのに対して、2022年時点では6,497億円となっています。

雑誌ほど減少していないというのが現実です。また、書籍についても趣味の多様化により小説などのエンタメ系書籍が販売部数を落としてしまったのが大きな要因です。

実際に、雑誌や小説などの売上が落ち込み、書店の数が減少していたり、市場規模は大きく下がっていたりしますが、ビジネス書や実用書などは今現在も堅調に売れ続けています。

◉-2、著者の知名度頼りの販売

商業出版では出版社が著者を選定しますが、その選定基準としてはSNSのフォロワー数やメディア露出が多いなどの著者の知名度が頼りになっているという現実もあります。

実際に、芸能人やSNSでフォロワー数の多い専門家やインフルエンサーなどが著者として選ばれることが多いです。

出版社が販促を行うとはいえ、無名の経営者が書いた本を売るのは難しいものがあります。

そのため、どうしても著者の知名度に頼ってしまう面があるのです。

◉-3、商業出版だから「売れる」は盲信

もし運よく出版社から商業出版で出版できたとしても必ず売れるとは限らないということも覚えておく必要があります。

実際に、著者が著名人やタレントであっても、販売数が数千部や数百部程度になってしまうこともあります。

ましてや、無名の人物が書いた本が売れる確率は低いです。

「商業出版だから売れる」という考えは捨てましょう。

◉商業出版プロデューサーの罠(出版コンサル)

商業出版プロデューサーとは、著者を発掘し、企画を立案し、出版社に企画を持ち込み、その企画を出版に導く人のことで、出版コンサルタントと呼ばれることもあります。

無名の経営者が商業出版を目指す場合には、商業出版プロデューサーにコンサルティングを依頼することがあります。

なぜなら、経営者は企業経営のプロではあるものの、出版のプロではないからです。

出版プロデューサーの費用は、実績やサービス内容によって異なりますが、200万~300万円もの高額の費用がかかる場合があります。

これだけの高額費用がかかっても商業出版が実現できれば良いのですが、出版社への企画の売り込みだけで終わってしまうという詐欺まがいのケースもあるようです。

もちろん、これは悪い出版プロデューサーに引っかかってしまった場合であって、全ての出版プロデューサーが悪いというわけではありません。

「商業出版プロデューサーがついているから必ず売れる」ことはないと理解したうえで依頼しましょう。

◉商業出版以外の出版の選択肢

商業出版以外の選択肢には自費出版(個人出版)、共同出版、電子書籍での出版、企業出版の4つがあります。

それぞれの特徴を表にまとめました。

商業出版自費出版
(個人出版)
共同出版電子書籍での出版企業出版
出版目的ヒットする本をつくる個人的な表現欲求を満たす・出版社の販路を活用し、より多くの人々に書籍を届ける
・費用を抑えて書籍を出版する
・費用をかけずに書籍を出版する
・国内外の人々に書籍を届ける
・認知度を向上させる
・企業ブランディングを行う
・信頼性を向上させる
費用負担出版社著者出版社・著者著者企業
書籍企画出版社著者出版社著者出版社
自由度
プロモーション出版社著者出版社著者出版社
初版発行部数3,000部〜10,000部100部〜500部100部〜1,000部1,000部〜1万部

それぞれの特徴を詳しく解説します。

◉-1、自費出版(個人出版)

自費出版(個人出版)とは、書籍の出版にかかる費用を著者自身が負担する出版方法です。

自費出版は、出版社の販路を利用して書店で販売するものと書店での販売はしない私家版に分けることができます。

自費出版のメリットは、本の内容の自由度が高いことです。

出版社は書籍の企画に介入せず、著者自身が企画をするため、内容を自由に決めることができます。

たとえば、著名人ではなくても「自分のこれまでの人生を一冊の本にまとめたい」「築いてきたノウハウを読者に共有したい」など、個人的な活動を周囲に知ってもらう本を出版することが可能です。

実際に、島田洋七『佐賀のがばいばあちゃん』は著者の自伝を著した自費出版の書籍ですが、全世界で累計800万部を売り上げたベストセラーとなりました。

自費出版は本の内容の自由度が高いことがメリットとなる一方で、出版に関わる費用をすべて負担する必要があること、発行部数が少ないことがデメリットとして挙げられます。

費用がかかったとしても大きな利益を出すことができればいいのですが、そもそも書籍の発行部数が100部程度〜と少ないため、大きな利益を出すことは簡単ではありません。

このように、自費出版は書籍の内容にこだわりがある人には適した出版方法ですが、費用の面でデメリットが大きい出版方法です。

◉-2、共同出版

共同出版とは、書籍の出版にかかる費用を著者と出版社が事前に決めた割合で負担する出版方法です。

共同出版では、費用負担に加え初版発行部数の一部を買い取るやり方もあります。

自費出版では費用さえ負担できれば誰でも出版できる方法ですが、共同出版は出版社が企画内容によって採用の可否を決めるため、誰でも出版できるわけではありません。

たとえば、出版社が「この内容では売れない」と判断した場合は、出版費用を出してもらうことはできないということです。

ほとんどの場合、出版社が損失を被ることはないため、企画は通りやすいものの、自費出版よりも自由度は低くなります。

たとえば、自伝や個人的なノウハウは採用されないことが多いでしょう。

また、自費出版との違いとして、出版社の販路を使って全国の書店やインターネット書店で販売できることが挙げられます。

このように、共同出版は費用負担、自由度、販売される場所の3点において商業出版と自費出版(個人出版)の中間に位置している出版方法と言えます。

◉-3、電子書籍での出版

出版方法には、紙媒体で出版する方法の他にも、電子書籍で出版する方法があります。

電子書籍として出版する方法のメリットは主に以下の3つです。

  • ・出版までのハードルが低い
  • ・在庫を抱える可能性がない
  • ・国内外に発信できる

また、印税率も紙の書籍より高いため、同じ冊数だけ売ることができれば、紙の書籍よりも儲かることになります。

しかし、電子書籍は紙媒体よりも売るのが難しいとされているだけでなく、紙の書籍よりも通常では定価が安いため、利益も少なくなってしまうのが現状です。

よほど影響力のある著名人でない限り、大きな利益を出すのは難しくなっています。

実際に、電子書籍を出版してもほとんど読まれずに終わってしまったという書籍は数多くあります。

電子書籍の市場は年々拡大しているとはいえ、現状ではまだまだ認知度が低く、利用率が限られているため、うまくプロモーションできなければ利益を出せずに終わってしまうのです。

そこで重要となるのが企業出版をはじめとする紙媒体の書籍です。

紙媒体の書籍は、電子書籍よりも社会的信頼性が高いため、出版における効果を高めることができます。

このように、電子書籍はメリットの大きい出版方法である反面、デメリットも大きい出版方法です。

社会的信頼度の面で紙媒体の出版方法に大きく劣ることから、企業が事業の発展を目指して行う場合には適していません。

◉-4、企業出版

企業出版とは、企業が「商品・サービスの認知度を向上したい」「他社と差別化したい」「企業のファンを作りたい」などの企業が抱える課題を解消することを目的として行うものです。

書籍の出版にかかる費用は企業が負担して出版します。

内容は自由に企画できるため、企業が伝えたいメッセージをしっかりと書籍に込めることができます。

自費出版(個人出版)との大きな違いは、「誰が出版するのか」「誰がプロモーションを行うか」という点です。

自費出版は著者が出版し、著者自身でプロモーションを行う必要がありますが、企業出版の場合は出版社に依頼することができます。

企業主導でセミナーやWebでのプロモーションを組み合わせれば、よりピンポイントでターゲットに訴求することが可能です。

このように、企業が抱える課題を解決したい場合には、企業出版が最も適した出版方法と言えます。

◉ブックマーケティングという選択肢

これまでに、出版の選択肢として「商業出版」「自費出版(個人出版)」「共同出版」「電子書籍出版」「企業出版」という5つの出版方法を紹介しましたが、実は「ブックマーケティング」という選択肢もあります。

新しい選択肢となるブックマーケティングについて詳しく解説します。

◉-1、ブックマーケティングとは

ブックマーケティングとは、書籍を活用してマーケティングに活用する手法です。

自社の創業ストーリーや商品開発ストーリーなどをまとめ、企業や商品・サービスの認知度向上や購買意欲向上などに役立てることが主な目的です。

ブックマーケティングの特徴は、あくまでもマーケティングの一環として書籍を活用する点です。

明確なターゲットを定め、どのように顧客ターゲットに届けるかをマーケティング戦略の知見で組み立てるため、書籍販売プロモーションに限らず、様々なマーケティング戦略をとることができるのです。

引用元:ブックマーケティングとは?メリットや効果的な戦略の作り方(https://forway.co.jp/post_column/bookmarketing/

商業出版や共同出版、企業出版の場合は、書店プロモーションや新聞広告などのプロモーション方法によってマーケティング効果を得る方法です。

一方で、ブックマーケティングは、マーケティングの一環として書籍を活用します。

書店プロモーションや新聞広告などに加え、SNSマーケティングやSEOコンテンツマーケティング、クラウドファンディングなどを組み合わせて戦略を練るため、通常の出版社ではマネできないやり方で効果を最大化させることが可能です。

ブックマーケティング

◉ビジネス目標達成のための出版戦略

企業戦略として書籍を出版する場合は、最初に「出版の目的とターゲットを設定する」ことが重要です。

なぜなら、出版の目的とターゲットが明確になっていないと、対象となる読者がはっきりせず、書籍の内容も販売戦略も不明確になってしまうからです。

出版の目的やゴールを設定するためには、現在企業が抱えている課題を把握することから始めましょう。

「書籍を使って解決したい課題は何なのか」について最初にしっかりと考えておくことで、その後の道筋を明確にすることが可能です。

出版で叶えられる企業の課題には、「商品やサービスの認知度向上」「集客や売上の向上」「企業理念や経営方針の浸透」「優秀な人材の育成・採用」などが挙げられます。

最初に目的やターゲットを明確に設定できるとプロモーションの方法も明確になり、できあがった書籍の活用方法も具体的にイメージすることができるようになります。

課題を洗い出しても、目的やターゲットを設定しなければどのように戦略を立てればよいかわからず、道に迷ってしまいます。

最短距離かつ効果の高い方法で目的を達成しターゲットに訴求できるよう、出版戦略を練ることが重要です。

◉-1、出版を戦略的に活用するためのポイント

出版を戦略的に活用するためのポイントは、「書籍に合ったプロモーション施策を行うこと」です。

書籍販売プロモーションには、以下のように様々な施策がありますが、とにかくすべてやればいいというわけではありません。

  • ・書店の広告プロモーション
  • ・書店ポスター
  • ・新聞広告
  • ・ランキング買取
  • ・Amazon施策(ランキング1位、広告)

その理由は、書籍によって効果のあるプロモーション方法が異なるからです。

たとえば、ビジネス書であれば、ウェビナーやAmazon施策、書店ポップやポスター、広告の設置など、王道のプロモーション方法が効果的です。

一方で、ビジネス書とは対極にある絵本では、ワークショップの開催やオンライン読み聞かせ会などで、どのような話なのかある程度知ってもらうことが大切になります。

このように、出版を戦略的に活用するには、より効果のある方法でターゲットに訴求することが重要なのです。

◉-2、出版による競合優位性の構築

インターネットやSNSが発達した現代では、いかに差別化を図り競合優位性を確保するかが重要です。

なぜなら、顧客はインターネットを介して多くの製品やサービスを容易に知ることができるため、良い製品やサービスを作ったからといって必ず売れるという時代ではなくなったからです。

自社にしかない魅力をアピールしたり、多くの顧客に認知してもらったりする手段として出版を利用する一つの方法が「ブックマーケティング」ということになります。

◉-3、出版を通じた顧客との関係性構築

出版を通じて、顧客の信頼を獲得して顕在層をファン化させるなどの関係性構築を図ることができます。

なぜなら、「書籍を出版している企業」だということによって信頼性が高まり、書籍を通じて自社の取り組みや商品・サービスなどを顧客に伝えることができるからです。

これによって、ファン化した顧客に商品やサービスの購入を働きかけることができるなど良好な関係性の構築につながります。

◉まとめ

この記事では、出版方法の一つとして商業出版について解説しました。

商業出版は出版社が出版に関するすべての費用を負担し、企画からプロモーションまでを行う出版方法です。

書籍を出版することで「信頼性向上」「著者のブランディング」「メディアへの露出」など様々なメリットを享受できるため、企業にとってはプラスになることが多いのが魅力です。

商業出版は著者にとって夢のある出版方法である反面、書籍内容が制限されたり持ち込み企画が通りにくかったりと、内容にこだわりのある人にとってはデメリットの大きい出版方法と言えます。

著名人でない場合、「この内容であれば売れる」と思われない限り、採用されることはありません。

また、運良く商業出版で書籍を出せたとしても、確実に売れる保証はありません。

その点、ブックマーケティングであれば、様々なマーケティング施策を組み合わせて戦略を練るため、より多くのターゲットの元へ届けることが可能です。

書籍の出版によって企業や事業を成長させたいと考えている方は、ブックマーケティングも視野に入れて検討してみてはいかがでしょうか。

ブックマーケティング

認知度拡大や採用強化のためのブランディング実現を目的に、自費出版を選択する企業が増えています。ただ、実は企業向けの出版施策として、自費出版のほかに企業出版という手段があります。

企業が出版を検討する際に、効果的な戦略となるのはどちらの出版方法でしょうか。具体的な出版社の選び方まで解説していきます。

目次【本記事の内容】

執筆者:江崎雄二(株式会社フォーウェイ取締役マーケティング統括)


福岡県出身。東福岡高校、山口大学経済学部経済法学科卒業。大学卒業後、月刊誌の編集者兼ライターに携わる。その後時事通信社での勤務を経て、幻冬舎グループに入社。書店営業部門の立ち上げメンバーとして活躍後、書籍の販売促進提案のプロモーション部を経て、法人営業部へ。東京と大阪にて書籍出版の提案営業を担当し、2020年11月、株式会社フォーウェイに参画。2023年9月取締役就任。グループの出版社、株式会社パノラボの流通管理も担う。

◉自費出版と企業出版の違いとは

自費出版と企業出版はどちらも費用負担の必要がある点では同じものといえます。

ただし、それぞれ出版の目的や出版後の展開に大きく違いがあるため、異なる名称で差別化しているのです。

自費出版は、著者が自身で費用を負担して、出版社の編集者に書籍化してもらう出版形式です。出版後は書店に必ず並ぶわけではなく、自己満足に終わる可能性も十分にあります。

企業出版は、企業が広告宣伝費などの名目で費用負担をし、企業の課題解決のためのマーケティング手段として書籍出版を活用することです。出版社の編集者やプロのライターの取材により原稿を執筆してもらうことができ、会社としての理念や考え方の棚卸しもできる方法です。

企業の課題とは、会社によって異なります。たとえば、出版をきっかけに企業としてのブランド価値を高め、競合他社よりも顧客に選んでもらえるようにする認知度拡大、ブランディングが出版目的の一つです。

企業出版は、出版社によって呼び方が異なることがあり、カスタム出版やブランディング出版と呼ぶこともあります。

▶企業出版については、関連記事【「出版の広告効果とは? 企業出版と自費出版の違い」】もあわせてご参考にしてください。

◉自費出版と企業出版のコストの違い

自費出版と企業出版では、目的のほか、かかるコストの違いが大きいです。

◉-1、自費出版のコストは安価だが料金体系は幅広い

自費出版は、基本的には自分の執筆した原稿を、プロの編集者に編集や校正してもらう流れをとります。

自費出版は地方の小さな出版社から大手出版社まで幅広く展開されています。

そのため、出版社によってコストに差が生じます。部数によっても変わりますが、100万円以下で対応する印刷会社の延長のような業務請負もあれば、300万〜400万円で請け負う自費出版もあります。

会社の広告宣伝や書店流通を希望する場合は、自費出版を選択するのは得策とはいえません。「書店に並びます」というセールストークで売り込む自費出版会社もありますが、そういった出版社は大型書店の一角に、誰が立ち寄るかわからない自費出版専用の棚を購入しており、そこへの展開となるのが大半です。

書店に配本はしても、棚に陳列されることなく返品されるのもよくある話です。

◉-2、企業出版はかなりの高額だが書店に流通する

企業出版は、出版後のプロモーションまで担うため、書店には流通していくのがポイントです。

コストは有名な大手企業出版会社の場合、1000万円ほどかかるのが当たり前の世界です。1000万円という高額な費用を負担しても、出版後の宣伝効果で費用回収ができる企業であれば活用してもよい手段でしょう。

業界最大手の企業出版会社では、不動産投資会社は1〜2件の契約が決まれば出版費用が簡単に回収できることもあり、不動産関連の書籍が多数出版されていました。

ただ注意が必要なのが、出版された書籍は大型書店には基本的に陳列されますが、どれほどの期間展開されるのかは未知数な点です。というのも、出版業界は書籍の販売が落ち込んでいることもあり、売れなければ即返品される厳しい世界だからです。

たとえ大手出版社の名を冠した書籍であっても、売れなければすぐに返品されると考えてください。

くわえて、確実に書店に展開させるためのプロモーションを実施する手もありますが、前述の1000万円近いコストから、さらに数百万円の広告費を投じる必要があることは覚えておきましょう。

◉自社に適した出版社の選び方

では企業が自費出版もしくは企業出版を検討した際に、出版社はどのような点に着目して選ぶのがよいでしょうか。

◉-1、対外PRよりも説明ツールが必要であれば安価な自費出版を

まず、自社で配布するための営業ツールや採用の際に応募者に配布する採用ツールなど、書店展開の必要性以上にツール自体が必要ということであれば、自費出版でもよいでしょう。

ライターを用意してくれる出版社であれば、自社で執筆する必要もなく、自由度高く自分たちの思い通りに制作することができます。

なによりも自費出版は安価です。広告費を抑えながら、営業活動や採用活動のプラスアルファが欲しいときに選択肢となりえます。

ただし、少しでも対外的なPRやブランディングの目的があるならば、自費出版は選択すべきではないでしょう。

自費出版で満足に書店流通してくれる出版社はないと言っても過言ではありません。自費出版はあくまで自社で完結する場合の選択肢として考えましょう。

◉-2、企業出版の見極めの仕方

対外的なPRやブランディング目的で出版を検討した際、企業出版を選択するのがよいでしょう。前述のように1000万円近くのコストがかかる出版社がありますが、なかにはもっと安価に企業出版を提供している出版社もあります。

大手出版社であればコストは高くなりがちですが、会社のブランド力があります。会社としても箔がつき、競合他社が出版施策をすでに実施している場合にはコンペなどで対抗する手立てとなるでしょう。

一方、一般的に知名度は高くなくとも、大手出版社に引けをとらない制作力と流通力を誇る出版社も存在します。会社のブランド力よりもコスト面を抑えたいのであれば、このような企業出版会社を選択するのも一つの手段です。

最後に、企業出版ならびにカスタム出版のサービスを提供している出版社を簡単に紹介しましょう。

・幻冬舎メディアコンサルティング
企業出版最大手の出版社。ベストセラー書籍を多数輩出する幻冬舎の子会社であり、企業出版では業界随一の1800社以上の実績を誇ります。企業の成功事例も多数。

・ダイヤモンド社
ビジネス書では随一の実績とブランド力を誇る出版社です。企業出版のほか、広報誌や会社の歩き方などの企画も取り扱っています。自社雑誌およびWEB媒体とのコラボも可。

・日経BP社
ビジネス書の実績が豊富な経済系出版社。「日経ビジネス」といったビジネス系雑誌媒体を発行しているのも強みの一つ。社史・周年史も豊富な実績を誇ります。

・東洋経済新報社
雑誌・東洋経済やWEB・東洋経済オンラインを発行、運営するビジネス系出版社。カスタム出版の実績も多く、紙やデジタル、リアルイベントといったプロモーション提案も可。

・クロスメディア・マーケティング
企業出版に力を注ぐ成長著しい出版社。年々刊行点数も伸ばしており、費用も安価なメニューから幅広く揃えています。大手出版社に遜色ない流通力を保持しているのもポイント。

・フォーウェイ(出版社パノラボ)
大手の企業出版会社よりも安価な適正価格でブランド力ある出版社から出版ができます。また、自社グループに企業出版専門の出版社パノラボがあり、マーケティング視点を持った成果にこだわるブックマーケティングを提供できるのも特徴。出版後のプロモーションまで企業の出版目的に合わせて設計できる点も強みの一つです。

上記の特徴を踏まえて、自社の課題や広告予算との兼ね合いで選択するのがよいでしょう。逆に上記以外の企業出版は制作面もしくは流通面のクオリティや対応の悪さが大きな不満点につながり、自費出版したのと結果が変わらない可能性が高まるためおすすめはしません。

▶企業のブックマーケティングについては、関連記事【ブックマーケティングとは?メリットや効果的な戦略の作り方】もあわせて参考にしてください。

◉【まとめ】ブランド力かコストパフォーマンスのどちらを優先するかが重要

以上のように、企業が出版を選択する場合、目的をいかに達成させるかが重要になります。

企業出版を実施するとしても、出版社のブランド力を信じて高額な広告予算で施策を打つか、コストパフォーマンスを重要視するかを決めなければなりません。

ただ、市場に自社の書籍を流通させることは直接的な売上アップ以外のリターンもたくさんもたらしてくれます。出版をきっかけにメディアから取り上げられるようになり、副次的な出版効果で売上が向上したという事例も珍しくありません。

企業としてステップアップを図るならば、企業出版という手段はさらなる成長のための起爆剤になりえるでしょう。

ブックマーケティング

自伝を書きたいという理由や動機は人それぞれでしょう。

たとえば、「自分が生きた証を残したい」「自分の知識や経験を後世に伝えたい」「自分が創業した会社の技術を多くの人に知ってほしい」などいろいろな理由や動機が考えられます。

しかし、自伝を書きたい人すべてが文章を書くのが得意というわけではありません。

本記事では、自伝を書きたいと思っている人のために、構成や執筆の仕方、出版方法までをわかりやすく解説します。

目次【本記事の内容】

執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)
画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 29d5ead1ee41a6d25524876e7bd315d5-scaled.jpg
慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。

自伝を書く意義とは

自伝とは、自分の人生や半生における経験や考え方などを自分で記述した本のことです。

自伝のことを、自叙伝や自分史ということもあります。

有名な自伝としては、フランスのジャン=ジャック・ルソーの「告白」、アメリカのベンジャミン・フランクリンの「自伝」、ドイツのヨハン・ヴォルフガンク・ゲーテの「詩と真実」、福沢諭吉の「福翁自伝」などがあります。

最も古い自伝はローマのアウグスティヌスの「告白録」といわれていますが、これは「神への告白」という性格を持っているものでした。

しかし、近年では、親族や子孫・後生の人に「自分の生きた証」や「自分の知識や経験」を残したり、「自分の存在や生き方」「自分の考えの正当さ」を書き残したりするものに変わってきています。

自伝を書く意義は人によって異なっていますが、代表的なものは次のようなものでしょう。

  • ・自分が生きた証を親族や子孫に残す
  • ・自分の知識や経験を後世の人に残す
  • ・これまでの人生を振り返って今後の人生の糧とする
  • ・自分が興した会社の技術を役立ててもらう
  • ・ある物事や事故・事件の真実を伝える
  • ・特定の人に感謝の気持ちを伝える

自伝の書き方や目的別タイプ

自伝は、その「書き方」と「目的別」によっていくつかのタイプに分けることが可能です。

「書き方」は「ストーリー型」と「年表型」の2つに分けることができ、「目的別」は「ビジネスタイプ」「啓蒙タイプ」「伝世タイプ」の3つに分けられます。

以下では、それぞれについて詳しく解説していきます。

書き方①:ストーリー型

「ストーリー型」は、名前の通りストーリー(物語)を重視した自伝の書き方です。

読者を引き付けるストーリー(物語)にするためには「起承転結」を考慮した構成を考えることが不可欠となります。

時系列にこだわらずに現在と過去を行き来するような内容になっても構いませんが、ストーリー(物語)性を持たせるためには、ストーリーテリングの執筆技法が必要になります。

たとえば、企業経営者の方が自伝を書くのであれば、ストーリーテリングを含めた、ストーリーブランディングという手法で、自身の考えを伝えていくのが有効です。

▶︎ストーリーブランディングについては、関連記事「ストーリーブランディングとは?企業の物語を伝えてファンを作る方法」をあわせて参考にしてください。

書き方②:年表型

「年表型」は、自分の人生を振り返りながら、出生から現在までの出来事を順に書いていく書き方です。

自分の身に起こったことなどを時系列に沿って書いていくので、「ストーリー型」のように「起承転結」を考慮した構成にする必要はありません。

著者にとってはこの点が大きなメリットですが、読者にはやや退屈で単調なものとなりがちです。

「年表型」の目次の例としては、次のようなものが考えられます。

  • 1.生い立ち
  • 2.幼少期
  • 3.小学校
  • 4.・・・

しかし、これではあまりに当たり前で平凡なので、特徴のあるサブタイトルを付けることによって変化を持たせることができます。

たとえば、次のようなサブタイトルを入れれば、「年表型」であっても読者に興味を抱かせることができます。

  • 1.生い立ち:波乱万丈の人生の幕開け
  • 2.幼少期:今と違って寡黙な子供時代
  • 3.小学校:親の仕事の都合で10回以上も転校
  • 4.・・・:○○○○○○○○

こういった年表型の書き方が推奨されるのは、企業の周年記念のタイミングでの記念出版などです。

もし、記念出版をお考えであれば、年表型の構成を検討してみましょう。

▶︎周年については、関連記事「【周年担当者必読】周年記念の意味と手段、具体的な事例とは」をあわせて参考にしてください。

目的別①:ビジネスタイプ

「ビジネスタイプ」は、自分が経営している会社のことをより多くの人に知ってもらいたいというブランディングや知名度向上などを主な目的とした自伝です。

会社のことは前面には出さずに、自分や自分が経営している会社が保有している技術やノウハウについて記述して、それに興味を持った人が問い合わせをしてくることによってブランディングや知名度向上に寄与させることも可能です。

「書籍を出版している」という事実だけでも信頼性や知名度の向上に結びつきますし、テレビや新聞などのメディアで話題になれば、新規顧客の獲得や売上高の向上につながることも期待できます。

基本的に、自分のビジネスについて執筆するのですが、自伝なので、自分の生い立ちやなぜそのビジネスを始めようと思ったのかなどについても触れることになります。

一般的には、「ビジネスタイプ」の自伝を書くのはかなり難易度が高いといわれているので、プロの編集者の力を借りて「読者にとって魅力的な本」となるように注意する必要があるでしょう。

また、ブランディングや知名度向上を狙うためには、プロモーションや出版社の流通を上手に使うことも大切です。

目的別②:啓蒙タイプ

「啓蒙タイプ」は、自分の身に起きた病気や事故、事件などの経験を読者に知らせるために書く自伝です。

何らかの啓蒙のために出版するので、読者から共感を得られるような構成や内容にすることが大切です。

より多くの読者に自分の経験を知ってもらって、共感や勇気を与えることができるようにしたいものです。

たとえば、闘病経験を自伝にする場合であれば、読者に何を伝えたいのかで構成や内容が変わってきます。

伝えたいことが「誰でもかかる可能性がある病気なので毎年健康診断を受けましょう」なのか、「病気になってもこうやれば症状が改善します」なのかでは、書き方が変わってくるからです。

なお、病気や事故、事件などが特殊な場合は、あまり関心を持たれない可能性があることに注意が必要です。

目的別③:伝世タイプ

「伝世タイプ」は家族や親族などに向けて作る自伝で、自分が生きた証を子孫に残すことを目的とした自伝です。

「伝世タイプ」の書き方は自由なので、一般的な自伝の書き方にこだわる必要はありません。

むしろ、自分の個性を前面に押し出したような構成や内容にすることによって、親近感を抱いてもらえるようになると思われます。

自伝はターゲット設定が重要

自伝に限ったことではありませんが、「誰に読んで欲しいのか」「誰に伝えたいのか」というターゲット設定が重要です。

ターゲットが定まれば、その後の自伝の構成や執筆、出版後のプロモーションまで一貫性を持って取り組むことができるようになります。

特に「ビジネスタイプ」の自伝の場合は、ブランディングやビジネスチャンスの獲得を目的として出版するので、ターゲットの心に刺さるタイトルや構成、目次にすることも重要になります。

また、内容によっては市場調査を行う必要性も出てくるので、何となくターゲットを選定しただけでは、自伝がブランディングや知名度向上につながることにはなりません。

▶知名度向上については、関連記事【経営者必読!認知度向上の方法と効果的なマーケティングの選択肢】をあわせて参考にしてください。

自伝の書き方の基本プロセス

自伝を書く際には、基本的なプロセスがあります。以下で説明します。

まずは自分の人生を振り返ろう

自伝の書き方に「ストーリー型」と「年表型」があることを紹介しましたが、どちらで書くにしても、年表を作って自分の人生を振り返って言語化することが必須であり、最も重要な作業です。

まずは、すぐに思い出せるものから書き出していきますが、すぐに思い出せるということは自分にとって印象に残る出来事だったということなので、自伝の中でも重要なエピソードとなる可能性があります。

自分の身の回りで起こったことはもちろん、世の中でどんなことがあったのかなども記載しておき、「いつ」「何が」「どのようにして」起こったのかを明確にしておきましょう。

ただし、この作業はかなり労力が必要なので、出版社の編集者やライターに依頼すれば、自分の年表の整理をしてもらうことができます。

執筆だけでも大変な作業になるので、出版社の力も有効活用した方が良いでしょう。

構成の作成(目次とタイトル、サブタイトルの決定)

一般の人が本を購入する際には、タイトルだけではなく目次を見る人も多いはずです。

目次を見ることによって「何がどのように書かれているのか」を知ることができます。

特に「ビジネスタイプ」の自伝の場合は、誰かに購入してもらうことを意識しなければなりませんので、本の構成や目次を決定する作業も重要です。

書店で本を手に取った人に興味を持ってもらえるような各章のタイトルやサブタイトルを考えましょう。

また、実際に執筆する際にも構成や目次がきちんと出来上がっていれば、それに沿って文章を書くことができます。

この段階でも、出版社の編集者やライターに依頼すれば、読者を惹きつけるタイトルの付け方や構成・目次などについての有益な提案をしてもらうことができます。

執筆方法の検討

ここでいう執筆方法とは、自分で書くのか、取材をしてもらってライターに書いてもらうのかということです。

自伝なので、自分で書くのが当然という考え方もありますが、文章を書き慣れていない人にとっては、一冊の本を執筆するのは思いの外大変な作業です。

もちろん、普段から文章を書き慣れている人や自分で書くことにこだわる人は、自分のペースで少しずつ執筆していけばいいと思います。

しかし、文章を書き慣れていない人や「ビジネスタイプ」の自伝で自分の経営する会社のブランディングを目的とする方などは、プロのライターに取材して書いてもらうという執筆方法も検討してみましょう。

実際に出版されているビジネス書のほとんどはライターが執筆したものですし、読者が読みやすい本を目指すのであればプロのライターに任せるのも一案だと思われます。

ブックマーケティング

自伝を自身で執筆する場合の注意点

ここでは自伝を自分で書くことにこだわる人の場合の注意点について説明します。

目標設定を明確にする

まず挙げておきたいのは、目標設定を明確にするということです。

たとえば、「いつまでに年表を完成させるのか」「いつまでに構成や目次を決定するのか」「いつまでに何文字の原稿を書いて、いつまでに完成させるのか」などです。

「時間が取れたときに少しずつ書いていこう」などという考えで取り掛かると、いつまでたっても完成できないということになってしまいます。

計画倒れにならないためにも、きちんと具体的な目標設定をするようにしましょう。

書くことを習慣づける

次に、文章を書くことを習慣づけることも大切です。

自分で会社を経営している方であれば、何ごとも習慣化することの大切さが分かっていることでしょう。

自伝の原稿を書くことが日常生活の中に組み込まれると、毎日「原稿を書き進めることができた」という達成感が得られるようになるので、自ずと原稿を完成させることに近づいていきます。

自伝を出版する方法

原稿が出来上がると、次は自伝を出版する方法を考えなければなりません。

以下では、自伝を出版するメリットやデメリット、3つの出版方法について具体的に説明します。

自伝を出版するメリットとデメリット

自伝を出版するメリットとしては、主に次のことが挙げられます。

  • ・自分が生きていた証を残せること
  • ・自分の人生を振り返って見つめ直すきっかけとなること
  • ・読者に何らかの影響を与えることができること
  • ・自分の会社や保有する技術などを世の中に知ってもらえること
  • ・ベストセラーになる可能性があること

また、デメリットとして次のようなことがあります。

  • ・出版費用が自己負担になってしまうこと
  • ・自分の人生が公になってしまい誹謗中傷などを受けるリスクがあること

出版方法(自費出版、企業出版、商業出版)

出版方法としては「自費出版」「商業出版」「企業出版」の3つがあるので、自伝の場合もこの3つの中から選ぶことになります。

「自費出版」は、自伝を本という形にして残したい人が最も利用する一般的な方法です。

出版費用が全額著者負担となる点がデメリットと言えますが、その分著作権を自分で持ったり、自分の書きたいことを書籍にかけるのがメリットです。

発行部数などによって費用は変わってきますが、原稿を直接印刷会社に持ち込んで印刷してもらってコストを削減することも可能です。

「企業出版」も著者(会社や会社の経営者)が出版費用を全額負担する出版方法ですが、出版社による企画や編集・書店への流通・プロモーションなどの費用が含まれます。

そのため、「企業出版」を利用すれば書店に流通させたり出版社によるプロモーションを行ったりすることができるので、「ビジネスタイプ」の自伝の場合、会社や著者である経営者のブランディングや知名度向上につなげることが期待できます。

「商業出版」は出版社がベストセラーを狙って著者と協力して出版する方法で、出版費用は全額出版社の負担です。

著名人やタレントなどの自伝の場合は「商業出版」もありえますが、ほぼ無名の一般人の自伝が「商業出版」されることはありません。

自伝を読者に届けるための工夫

「ビジネスタイプ」や「啓蒙タイプ」の自伝の場合は、本を出版しただけでは目的を達成することができません。

ブランディングや知名度向上、啓蒙活動を達成するためには、その自伝を読者に届けるための工夫が必要になります。

つまり出版社の流通チャネルを利用して書店に配本して、読者に手にとってもらって購入してもらう必要があるということです。

ここでは、そのための工夫をいくつか紹介します。

読者に興味を持たせる表現方法

出版社の流通チャネルを利用して書店に配本され書棚に並んだとしても、読者が購入してくれるとは限りません。

まず、読者の目を引き興味を持って手に取ってもらうためには、タイトルを工夫する必要があります。

たとえば、「借金1億円を背負いながらも会社をV字回復させた」というようなタイトルがついていれば、読者は「そんな状態からどうやってV字回復させたのか?」と、もっと知りたくなって、本を手に取ることでしょう。

そして実際に購入してもらうためには、さらに企画段階における本の構成や目次の組み立て方にも工夫をする必要があります。

読者に届ける戦略的なプロモーションの方法

自伝を書いて出版したというだけでは、読者に手に取ってもらうことは難しいと言えます。

なぜなら、毎年多くの書籍が出版されているためです。

総務省が2022年に発行した「日本統計年鑑」によれば、年鑑約7万冊(月間約6千冊)もの本が出版されています。

そのため、会社や経営者のことを全く知らない読者に書店などで手に取ってもらうためには、プロモーションなどを工夫する必要があります。

自伝を読者に届けるための工夫として、次のようなことが考えられます。

  • ・書店営業をして書店員さんにその自伝のことを認知してもらう
  • ・書店でのプロモーションを行う
  • ・Amazonなどのウェブ広告を活用して多くの人に知ってもらう
  • ・新聞広告などによって認知してもらう

ただ自伝を出版しただけでは本を売ることは難しいので、売る手段を持っている出版社に依頼することが賢明だと思われます。

まとめ

本記事では、自伝の構成の作り方や執筆の仕方、出版方法などについて解説しました。

自伝は、その目的によって「ビジネスタイプ」「啓蒙タイプ」「伝世タイプ」に分けることができます。

この中で「ビジネスタイプ」は、経営者が自分の経営する会社のブランディングや知名度向上などを目的として出版する自伝で、出版社の流通チャネルを利用した書店への配本やプロモーションなどを行います。

実際に書店に配本されて書棚に並びますが、実際に読者に手に取ってもらい購入してもらうためには工夫が必要です。

ただ単に本を出せば売れて知名度が上がるというようなことはほぼありませんので、「ビジネスタイプ」自伝の場合は、売れるためのサポートをしてくれて、売るための手段を持っている出版社を選ぶ必要があります。

ブックマーケティング
 
 

企業ブランディングの方法としてストーリーブランディングが注目を集めています。

売れ続ける企業には理由があり、共通点は発信しているストーリーに消費者が心を動かされていることです。

本記事では、ストーリーブランディングの価値やメリット、具体的な方法を解説します。

目次【本記事の内容】

執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)

慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。

◉ストーリーブランディングとは

ストーリーブランディングとは、企業や製品・サービスのブランドイメージを確立するために、ストーリーを活用するブランディング手法の一つです。

心理学では「人は感情が揺さぶられたときのことを深く記憶する」と言われています。

そのため、単に企業の成り立ちや、製品の開発エピソード、発売・リリースまでの道のりを解説するよりも、ストーリーにのせて伝えた方が、自社や製品・サービスの印象が強く残りやすくなるのです。

たとえば、経営者が自伝や伝記を出版しファンを増やしたり、ブランドムービーを作ったり、CMを物語調にしたりするのはストーリーブランディングの手法の一つです。

また、ストーリーブランディングは、結果として競合他社との差別化にもつながります。

たとえば、競合他社よりも製品・サービスの質や価格が劣っていたとしても、ストーリーで顧客の感情に強く訴えかけることができれば、「この製品・サービスを買いたい」と思ってもらえます。

このように、ストーリーブランディングは、単なるブランディング手法としてだけではなく、競合他社との性能・価格競争を脱却し、強固な差別化を図るための手法としても注目されているのです。

◉ブランディングのもたらす価値を知る

ブランディングがもたらす価値の種類は、主に次の4つです。

  • ・機能的便益
  • ・情緒的便益
  • ・自己表現便益
  • ・社会的便益

それぞれどのような価値なのかを詳しく見ていきましょう。

◉-1、その1:機能的便益

機能的便益とは、商品やサービスの基本的な便益のことです。簡単に言えば、「商品やサービスそのものの良さ」という意味です。

機能的便益が低いと、商品やサービスを利用したユーザーから低い評価しか得られなくなります。そのため、企業がブランディングにより真っ先に取り組むべきものは機能的便益の向上と言えるでしょう。

たとえば、スポーツシューズの場合であれば「履き心地が良い」や「走ったときの衝撃が小さい」という機能的便益があります。

「このメーカーのスポーツシューズは履き心地が良い」「このメーカーのスポーツシューズは走ったときの衝撃が小さい」のように、ブランディングにより、自社製品・サービスの機能的便益が向上すれば、売上に繋がります。

しかし、現代ではさまざまな特徴を持った製品サービスが市場に溢れているので、機能的便益だけで他社との差別化を図るのは難しいのが実情です。

◉-2、その2:情緒的便益

情緒的便益とは、特定のブランドの商品を購入する時に覚える感情のことです。

顧客が商品やサービスを選択する際には、機能的便益だけでなく、情緒的便益も重要な要素です。

たとえば、パソコンを購入する際に、機能面や価格の安さで劣っていたとしても「スタイリッシュでかっこいい」「これを持っていると気持ちが高揚する」というように、情緒面でApple社のMacBookシリーズを選ぶ人は多いのではないでしょうか。

このような情緒的便益は、企業やブランドの歴史、独自の世界観などのブランドストーリーによって作り上げられます。

競合他社の商品やサービスとの価格・性能競争にならず、差別化を図るために有効なのが、この情緒的便益です。

◉-3、その3:自己表現便益

自己表現便益とは、特定のブランドの製品やサービスを身に着けたり、利用したりすることによって顧客が自己表現をできる便益のことです。

たとえば、高級ブランド品を持っていることによって「お金持ちになった気分になれる」「自信が持てるようになる」というような気持ちになれるのが、自己表現便益になります。

自社の製品・サービスが顧客に自己表現便益を提供できるようになると、ブランドと顧客との関係が強固になり、結果としてリピートやLTV(ライフタイムバリュー)の向上につながります。

◉-4、その4:社会的便益

社会的便益とは、特定ブランドの製品やサービスが顧客をある社会的集団やコミュニティに所属させる便益のことです。

さらに、その商品やサービスを所有していることにより感じる「集団の一員である」という所属感や、それに伴う喜びや満足感も社会的便益にあたります。

たとえば、あるブランドのファッションを着ていることによって「おしゃれな人」に属していると感じる場合は、そのブランドは社会的便益を持っていることになります。

◉ストーリーブランディングのメリット

ストーリーブランディングを実施するメリットは、主に次の3つがあります。

  • ・シーンが伝わりやすい
  • ・共感を得られやすい
  • ・ファン獲得に繋がりやすい

それぞれどのようなメリットなのかを具体的に見ていきましょう。

◉-1、シーンが伝わりやすい

創業時の苦労、製品・サービスの開発プロセスが、映画のワンシーンのように顧客に伝わりやすくできることは、ストーリーブランディングならではのメリットです。

たとえば、製品・サービスを利用している最中に、開発プロセスや開発者の想いなどが映画のワンシーンのように脳裏に浮かび、感慨深い気持ちになったり、「頑張るぞ」と気持ちが高揚してきたりした経験がある方も多いのではないでしょうか。

ただ利用することとは違った感情が顧客に芽生えるため、製品・サービスに特別な感情を抱くようになります。結果として顧客に「この製品・サービスでないとダメだ」と思ってもらいやすくなり、リピート購入などにつながりやすくなります。

◉-2、共感を得られやすい

ストーリーブランディングは顧客の共感が得られやすいというメリットもあります。

たとえば、次の2つの製品の紹介文を比べてみてください。

・その1:子育てと仕事の両立に悩むシングルマザーのためのサプリメントです。
・その2:このサプリメントは、「子育てと仕事の両立に悩むシングルマザーの悩みを解決したい」という開発担当の女性社員の想いから生まれました。またその想いに共感した3人のシングルマザーの社員が立ち上がり、プロジェクトチームが発足。300以上の試作品を作り、成分1gまで細かく調整。5年かかってようやく完成したサプリメントです。

簡単ではありますが、その2の紹介文の方が開発プロセスや開発者のバックグラウンドも見え、ただのサプリメントとは違う感情が湧き出てきませんか?

このように、ストーリーは顧客の感情に訴えかけるため、機能性をアピールするブランディング手法よりも顧客の共感を得やすく、拡散性が高いという特徴があります。

◉-3、ファン獲得に繋がりやすい

ファンの獲得につながりやすいということもストーリーブランディングのメリットと言えるでしょう。

顧客がストーリーに共感するとブランドそのものに魅力を感じるようになり、ファン化してブランドから離れづらくなります。

ファンが獲得できると、LTV(ライフタイムバリュー)が上がったり、リピート購入につながったり、製品・サービスの性能や価格によらず、売れ続ける状況が生まれやすくなります。

◉企業がストーリーブランディングを始めるべき理由

商品やサービスの機能などでは競合他社との差別化が難しくなってきている時代。

そのため、今後は、機能的便益以外の要因によって差別化を図る必要があります。

機能的便益以外で競合他社との差別化を図るために有効な方法として注目されているのが、ストーリーブランディングです。

具体的に、なぜ今企業がストーリーブランディングを始めるべきなのか、その理由は次の3つです。

  • ・容易に商品・サービスが購入できる環境
  • ・ものや情報が溢れている環境
  • ・SNSの普及による情報キャッチの速さ及び拡散性

それぞれ3つの観点について解説していきます。

◉-1、容易に商品・サービスが購入できる環境

今は、いつでも好きなときにネットショッピングを利用して、製品・サービスが購入できる時代です。

もっと極端に言えば、どのメーカーの製品・サービスを買っても基本的に必要な機能はあらかた備わっています。また、ネットで購入した商品は翌日か翌々日には届きます。

今や機能や品質、納期などで差別化することに限界が来ている時代なのです。その突破口の一つとして、ストーリーブランディングが重要になってきます。

◉-2、ものや情報が溢れている環境

インターネットでも店舗でも、今現在、市場にはモノが溢れています。

むしろ、「製品・サービスを購入したくても選択肢が多すぎて選べない」という悩みを抱える人の方が多いのではないでしょうか。

このように、物質的に満たされた環境だからこそ、顧客はモノの豊かさよりも心の豊かさを重視する傾向にあります。

また、それに伴い、顧客は自分のライフスタイルや価値観に合った製品・サービスを選択する傾向が増えてきています。

だからこそ、顧客の感情に訴えかけるストーリーブランディングが有効な時代とも言えるのです。

◉-3、SNSの普及による情報キャッチの速さ及び拡散性

今は、FacebookやX(旧Twitter)、Instagramなど、SNSの普及によって情報の伝達や更新、拡散のスピードが早い時代です。

また、各SNSの「いいね」や「リツイート」「リポスト」などの機能より、共感の意思表示や、情報の拡散も容易です。

そのため、SNSのユーザーが共感しやすいストーリーブランディングの方が、従来のマーケティング手法よりも、より多くの見込み顧客にアプローチでき、認知してもらえる可能性が高くなります。

実際に、SNSを利用したストーリーブランディングを展開する企業も増えており、インフルエンサーが消費者目線で企業のストーリーを投稿したり拡散したりする活用法も増えてきています。

このように、今の時代に、競合他社との差別化を図るためには、SNSの活用も必要不可欠です。

▶️ストーリーブランディングを含む、他社との差別化戦略成功の秘訣については、関連記事【差別化戦略の成功の秘訣ーメリットとデメリット、成功事例の解説】をあわせて参考にしてください。

◉ストーリーブランディングの3パターン

実際にストーリーブランディングを行おうと思ったら、次の3つのパターンを押さえておくと良いでしょう。

3つのパターンを一つひとつ紹介します。

◉-1、パターン①:エピソードストーリー

エピソードストーリーとは、一つひとつの細かいエピソードのことです。

簡単に言えば、創業や製品・サービス開発のこぼれ話、と呼ばれるような小さなエピソードのことです。

たとえば、『沈黙のWebマーケティング』という書籍で有名なSEO会社である株式会社ウェブライダーは、自社運営の文章作成アドバイスツール『文賢』のバージョンアップに伴うHP改善MTGをYouTubeでライブ配信しています。

一見、「自社MTGを配信するなんて、誰のため、何のためのYouTubeライブなのか」と思われるかと思いますが、これはれっきとしたストーリーブランディングの施策です。

なぜなら、このYouTube配信を通して、製品開発にどのような人がどういう温度感で関わっているのかが伝わるからです。「誠実に真剣に仕事をしている会社」「ちゃんと色々とやってくれる会社」というイメージを顧客に理解してもらう上で有効なエピソードと言えるでしょう。

また、その他にも次のようなちょっとした社内でのエピソードが、そのままストーリーブランディングとして使える可能性があります。

  • ・ぶっちゃけた話
  • ・失敗した話
  • ・他社と比べて劣る点の話
  • ・コミットした話
  • ・社内で感情と感情がぶつかり合った話
  • ・苦労した話
  • ・開発の裏側

一つひとつのエピソードは小さくても、順にストーリーとして伝えていくことによって、全体としてまとまったイメージを顧客に持ってもらうことができます。

たとえば、「開発責任者がミーティングに遅刻して社長に怒られた話」など、一見すると「使えないだろう」と思われるようなエピソードも、使いようによってストーリーブランディングに有効な可能性があるのです。

◉-2、パターン②:ブランド化ストーリー

ブランド化ストーリーとは、自社や商品・サービスが認知されてブランド化されるまでのストーリーのことです。

創業ストーリー、製品・開発ストーリーなどがこれにあたります。

ブランド化ストーリーを作る上で重要なのが、ナンバーワンではなくオンリーワンになることです。

自社が勝てる強みを見つけ、その軸で創業ストーリーや製品・開発ストーリーを語っていくことが何より重要になります。また、ここでいう強みとは、製品・サービスの品質や性能の高さ、安さなどではなく、「自社らしさ」のことです。

たとえば、チームプレーを大切にしている企業であれば、社員同士で衝突したり、助け合ったりしたエピソードなどをメインに語ることで、「チームプレーを大切にしている会社」というイメージが伝わりやすくなります。

製品・サービスをメインに紹介しがちですが、ブランド化ストーリーの場合は、むしろ製品・サービスよりも、「自社らしさ」にフォーカスした方が、良い結果につながりやすいと言えるのです。

◉-3、パターン③:ビジョンストーリー

ビジョンとは「まだ実現はしていないが将来こうありたい」という想いのことです。

将来の見通しや長期的な目標という言い方もできるでしょう。

ビジョンストーリーは、顧客に対してだけではなく自社の社員に対しても働きかける効果があり、モチベーションを高めたり組織の活性化を図ったりする効果が期待できます。

あくまで1つの参考例ではありますが、「人を成長させる会社」というビジョンを顧客や自社の社員に印象づけたければ、「一人の失敗が多い社員が仕事を通して成長していく様を追ったドキュメンタリー風のストーリーにする」などがストーリーとして有効でしょう。

「会社のビジョンを安直に表現しなければ伝わらないのでは?」と思ってしまう人もいらっしゃるかと思いますが、違います。それがストーリーブランディングの難しいところです。

言いたいビジョンをそのまま安直に伝えるのではなく、人の成長や、気持ちの変化などを通して暗にビジョンを伝えるから、伝わるのがストーリーブランディングです。

たとえば、今はもう公開終了していますが、アニメーション映画監督の新海誠さんが手がけた大成建設のCMを見たことはあるでしょうか。

色々な社員が抱える悩みや葛藤を乗り越えて、「それでも自分の仕事はきっと人々の役に立つから」と仕事に邁進していく姿を30秒ほどのアニメーションで描いています。

このCM内では、大成建設のビジョンなどはほとんど語られていませんが、同社が伝えたい「地図に残る仕事」というビジョンを強烈に印象づけられます。

「直接ではなく、暗につたえる」ということがビジョンストーリーを作る上でのポイントと言えるでしょう。

◉ストーリーブランディングの具体的な方法

ストーリーブランディングによってブランドイメージを確立するにはいくつかの方法がありますが、特に有効なものが、「SNS活用」と「ブックマーケティング」です。

実際に、これら2つがどのような方法なのかを解説します。

◉-1、ストーリーブランディングでのSNS活用方法

顧客の多くがSNSを情報収集やコミュニケーションツールとして利用している時代。ストーリーブランディングにおいても、SNSを積極的に活用していきましょう。

ストーリーブランディングでのSNS活用で最も重要なのは、「企業側が一方的に発信したい情報だけを発信しても意味がない」と言う点です。

たとえば、毎回投稿が「新サービスをリリース」「新しいサービスを開始」「セミナーを開催」などの告知ばかりでも、顧客には全く響きません。

SNS上で顧客が見るのは、興味関心のあることだけです。企業が発信したいこと、宣伝目的の発信などには反応されません。

ストーリーブランディングをSNS上でうまく行うためには、顧客が共感するようなことを投稿していく必要があります。

たとえば、「商品開発の裏側」など前述のエピソードストーリーでお伝えしたような、細かくキャッチーなエピソードは、SNS上の顧客の心に響く可能性があります。

たとえば、2020年ごろにX(旧Twitter)上でされた「冷凍餃子を夕食に出したら夫に手抜きだと言われた」という投稿に対して、味の素は「それは手抜きではなく、手”間”抜き」ですよ。大変な手間をお母さんの代わりに丁寧に準備しております〜(以下省略)」といった想いの丈を投稿。

このハートフルな味の素の投稿は話題となり、多くの共感が集まりました。また、このタイミングで味の素は冷凍餃子の製造工程を公開。

ただ「弊社の冷凍餃子の特徴は〜」と安直に語るのではなく、1人の女性に救いの手を差し伸べる自然な形で自社のブランディングを高めることに成功しています。

このように、一方的な情報発信の場ではなく、顧客とのコミュニケーションの場として、投稿を作成していくことが、後々結果につながっていく、というのがストーリーブランディングのSNS活用の鉄則と言えるでしょう。

▶SNSマーケティングについては、関連記事SNS運用のやり方をとことん解説|フォロワーを集めてビジネスに繋げる成功法則とは?もあわせてご参考にしてください。

◉-2、ストーリーブランディングとしてのブックマーケティング

ブックマーケティングは、書籍をマーケティングに活用する手法のことです。

企業が自社や商品・サービスなどについてまとめた書籍を出版して認知度向上や購買意欲向上などに役立てていきます。

ブックマーケティングは、一般的に企業の強みや独自技術、企業としての取り組みなどをストーリーとしてまとめますが、ストーリーブランディングに活用する場合は、顧客の感情に訴えるような内容にする必要があります。

そして、ブランディングのためのストーリーの見つけ方として、「絞り込む」「見せ方を変える」「宣伝してしまう」という3つのアプローチ方法があるので、これらをうまく組み合わせて行っていきましょう。

「絞り込む」とは、商品やサービスの分野や、ターゲットを絞り込むことです。自社の強みとなる専門性や魅力などが見つかればブランド化につながります。

たとえば、「不動産投資による節税対策」という本を書いたとしても、ターゲットとなる対象が広すぎて手にとってもらえない可能性があります。

しかし、「医師のための不動産投資による節税対策」のように、高額所得者であり高額納税者でもある医師にターゲットを絞ることで、医師に手にとってもらいやすくなります。

実際に、この書籍を出版した不動産会社には医師からの問い合わせがあり、約2ヶ月で約6億円の売上がありました。

出版から約2ヶ月で、医師からの問い合わせがあり、約6億円の売上があがった書籍はこちらです。

このように、「絞り込む」ことで特定の対象に刺さりやすくなります。

「見せ方を変える」は、自社の商品やサービスに新しい何らかの付加価値を付けて、顧客に新しい何かを見せることです。今までにない新しい共感を顧客から得るきっかけにつながります。

たとえば、とある保険代理店は、一般的な少人数のスーパー営業マンに頼る経営から、アベレージヒッターを育てていく再現性のある経営への切り替えを提唱し、書籍で紹介。結果的に、保険業界の関係者からの共感を呼び、多くのセミナーや講演会に招かれたり、紹介者が増えて保険契約数の向上につながっています。

このように、「保険代理店だから保険を提案する」という見せ方から、「保険代理店の常識を変える」という見せ方に変えたことによって、ブランディングに成功し、結果として成果につなげることができたのです。

実際に、出版した書籍がこちらです。

「宣伝してしまう」は、とりあえず宣伝してしまうことによって、それが一人歩きしてブランド化につながるというものです。

たとえば、次の書籍の方は、「年商一億円のフリーランス」という名目で宣伝してしまうことで、フリーランス業界の成功者のようなブランディングを作り上げています(書籍はこちら)。

嘘はいけませんが、実際にこのように自身の成果や結果を肩書きとして語ることで、ブランディングにつながる可能性は十分にあります。

この「絞り込む」「見せ方を変える」「宣伝してしまう」という3つのアプローチ方法を、お互いにリンクさせることで、ブックマーケティングをストーリーブランディングに最大限活用することが可能になります。もし、自分でこれらのアプローチ方法が難しいと言う場合には、弊社のような外部業者に入ってもらうなどを検討してみてください。

自社の事業や商品・サービス、ターゲットに対する固定概念を持たない人が加わることによって、新しいブランド化のストーリーが生まれる可能性があります。

▶ブックマーケティングについては、関連記事ブックマーケティングとは?メリットや効果的な戦略の作り方もあわせてご参考にしてください。

ブックマーケティング

◉ストーリーブランディングとブックマーケティングの相乗効果

ストーリーブランディングを行う上で、ブックマーケティングは前述した通り相性がよい手法と言えます。また、Webでは得られない、書籍ならではの信頼性やPR効果、一貫性などの相乗効果も十分に見込める方法です。

◉-1、ブランディングと書籍販促の一貫性とPR効果

そもそも、コンセプト設計やジャンルの絞り込み、ターゲットの設定、など、企業がブランディングするために必要な工程をひと通り行ってからでなければ、書籍を作ることはできません。

また、書籍の販売促進のための企画も、企業の専門性や特徴などをまとめ、市場でのポジショニングを明確にした上で行います。

なぜなら、ブックマーケティングは、企画コンセプトの制作段階から発売後の販促プロモーションまでの全体に一貫性を持たせなければ成功しないからです。

これはストーリーブランディングの戦略立案にも通じるところがあります。

このように、ブックマーケティングはストーリーブランディングを行わないとできないマーケティング手法であるため、全てのマーケティング施策の中で最も相性が良い方法と言えるのです。

また、書籍は人に文章を読んでもらいやすい媒体です。Web広告や記事のように「読まれない前提」の媒体ではありません。ターゲットに長い文章を読んでもらいやすいため、Web以上に書籍を通しての関係値構築や顧客教育が一冊でできてしまいます。

つまり、ストーリーなどを通じてファン化していくストーリーブランディングの長期的なプロセスを、書籍の場合は一冊でできてしまう可能性を秘めている媒体、と言うことができます。

◉-2、ストーリーブランディング×出版の成功事例

実際に、ストーリーブランディングを書籍を活用して行い成功した事例はたくさんあります。

たとえば、ウエディング事業を営む老舗企業では、働くウエディングプランナーに取材を行い、思い出に残っている結婚式のエピソードを「感動的な21のストーリー」としてまとめ書籍を出版。

書籍の中には、父親の病床で結婚式を挙げた話や再婚者同士の子連れの結婚式の話、サプライズ結婚式の話など、小説以上にドラマティックなエピソードが紹介されています。

これらのエピソードが、多くの人の共感や感動を呼び、結果的にブランディングに成功しました。

書籍でなくWebなどであれば、きっとこの21のエピソードは読まれずに終わったかもしれません。書籍だからこそエピソードをしっかりと読んでもらえ、結果的にストーリーブランディングに成功した典型的な事例と言えるでしょう。

◉まとめ

この記事では、企業ブランディングの一つの方法としてストーリーブランディングについて解説しました。

ストーリーブランディングは、自社や製品・サービス、社員などに関わるストーリーを対象者に読ませ、共感や感動させなければ成功しません。

そのため、ターゲットに長文を読んでもらえる可能性が高い書籍や、それを活用するブックマーケティングこそ、最も相性の良い手法だといえます。

しかも、ブックマーケティングは、ただ書籍を出版するだけではなく、コンセプトを決めたり、ターゲットやジャンルを絞り込んだり、SNSやSEO、クラウドファンディング、セミナーを活用したり、ストーリーブランディングに必要なありとあらゆる手法を網羅しています。

つまり、ブックマーケティングを行えば、同時にストーリーブランディングもできてしまうということです。

これからストーリーブランディングへの取り組みを考えている方は、ぜひブックマーケティングを手法の1つとして検討してみてはいかがでしょうか。

ブックマーケティング

書籍を出版する方法は、大きく自費出版、商業出版、企業出版の3つに分けることができます。

本記事では、3つの出版方法の中で、自費出版とはどういうものなのか、そしてメリットやデメリット、費用相場、成功事例などについて詳しく解説します。

目次【本記事の内容】

執筆者:江崎雄二(株式会社フォーウェイ取締役マーケティング統括)


福岡県出身。東福岡高校、山口大学経済学部経済法学科卒業。大学卒業後、月刊誌の編集者兼ライターに携わる。その後時事通信社での勤務を経て、幻冬舎グループに入社。書店営業部門の立ち上げメンバーとして活躍後、書籍の販売促進提案のプロモーション部を経て、法人営業部へ。東京と大阪にて書籍出版の提案営業を担当し、2020年11月、株式会社フォーウェイに参画。2023年9月取締役就任。グループの出版社、株式会社パノラボの流通管理も担う。

■自費出版とは?

自費出版とは、主に個人が自分の経験や考えを伝えたり、自分史をまとめたり、趣味の集大成としたりするために原稿を書き、それを出版社に依頼して書籍化する出版方法です。

出版費用は全て著者負担となりますが、売上や発行部数などにとらわれずに一冊の本としてまとめることができるのが特徴であり、魅力と言えます。

収益を得るためではなく書籍化すること自体が目的の出版方法です。

また、個人ではなく企業経営者などが原稿を書いて自費出版するというケースもありますが、この場合も名刺代わりに配るためなどであり、書籍化することに重点が置かれます。

自費出版、商業出版、企業出版それぞれの特徴について、以下の表に分かりやすくまとめました。

出版方法特徴
自費出版主に個人が、自分の経験や考えを伝えたり自分史をまとめたり趣味の集大成とするために、自分で書籍の内容やデザイン、発行部数などを決めて出版する方法。書籍の出版費用は著者が全額負担し、初版発行部数は100部~500部程度。
商業出版出版社がヒット作をつくって利益を上げるために、書籍の企画や内容などを決めて出版する方法で、積極的にプロモーションを行う。書籍の出版費用は出版社が全額負担するのが一般的で、初版発行部数3,000部~10,000部程度。
企業出版企業や企業経営者がブランディングや信頼性向上、集客などの経営上の課題を解決するために書籍を出版する方法。書籍の出版費用は企業が全額負担し、初版発行部数は1,000部~10,000部程度。

商業出版との違い

商業出版とは、出版社と著者が協力して書籍を出版する方法です。

出版社が書籍の企画をして著者を選定し、書籍がたくさん売れるような内容にして積極的にプロモーションを行うのが特徴です。

実際に世の中で実際にベストセラーとなった書籍のほとんどは商業出版によって出版されたものです。

ヒット作を作って出版社が利益を上げることが商業出版の目的なので、出版費用は出版社の全額負担になります。

また、出版社の企画に協力した著者には、販売・印刷部数に応じて決められた割合で印税が入ります。このように、著者に報酬が支払われることも商業出版の大きな特徴の1つであり、自費出版や企業出版との違いです。

一方で、商業出版の場合は、著者の伝えたいことよりも出版社側の意向が優先されるので、著者の言いたいことが書けなかったり、修正されたりすることがあります。

自費出版のように、著者が伝えたいことを自由に書けるわけではないという点も商業出版の大きな特徴であり、違いの1つと言えるでしょう。

▶商業出版については、関連記事【商業出版とは?企業がブランディングを考えたときの出版の選択肢】もあわせて参考にしてください。

企業出版との違い

企業出版とは、企業や企業経営者が自社のブランディングや信頼性向上、集客などの経営上の課題を解決するための手段として使われる、出版方法です。

出版費用は企業や企業経営者である著者が全額負担するので、この点では自費出版と同じです。そのため、自費出版とよく混同されがちですが、次のように出版する目的が大きく異なります。

  • ・企業出版の目的:【課題解決】企業のブランディングやマーケティングの課題解決
  • ・自費出版の目的:【出版】自分の書きたい内容を本として出す
  • ・商業出版の目的:【利益】売れる本を作り、売上をあげる

企業出版は課題解決が目的であるため、その費用の中には、出版社が行う企画、編集、デザイン、校正、書店への流通、プロモーションなどの費用が含まれています。

そのため、自費出版よりも費用は高額です。

■自費出版の費用相場はどれぐらい?

自費出版の費用は、出版する書籍の形式(単行本、文庫、写真集など)や判型、出版部数、紙質、含まれるサービスなどによって変わってきます。費用相場には幅があり、約100万円〜1,000万円程度です。

他の出版方法の費用相場と比べると次のようになります。

出版方法費用相場
自費出版100万円~1,000万円程度(一般的なのは251万円〜600万円程度)
商業出版0円(出版費用は出版社が負担するため)
企業出版400万円~1000万円程度

自費出版する際にかかる費用の項目としては次のようなものがあります。

  • ・企画費
  • ・執筆費
  • ・編集費
  • ・写真・イラスト費
  • ・デザイン費
  • ・校正・校閲費
  • ・印刷・製本費
  • ・プロモーション費

執筆費は、クオリティの高い書籍にするためにライターに執筆を依頼する場合に発生する費用です。

また、写真・イラスト費は、写真集などを自費出版する際の写真撮影や書籍の中にイラストを入れたりする場合に必要となります。

プロモーション費は、出版社の営業力を使って広告宣伝を行う場合に発生する費用です。

たとえば、写真やイラストを自分で用意したり、自分で執筆したり、プロモーションなどを自分で行うなどをすれば、費用はその分安くなる可能性があります。

自費出版の費用対効果

自費出版する際の費用対効果に関して、ポイントとなるのは出版目的と書籍のクオリティです。

とにかく書籍にして出版することが目的なのであれば、そもそも効果を期待する必要がありません。

しかし、セルフブランディングという目的がある場合は、その目的を達成するためにどの程度の書籍のクオリティにするのが最適なのかを考えなければなりません。

また、販売数をある程度伸ばして印税収入を得たいという目的があるのであれば、クオリティを上げるのに加えて、出版社の販路などを利用してプロモーションを行うことも必要となり、相応の費用がかかります。

このように、自費出版の場合の費用対効果は、その出版目的に応じて変わってきます。

【参考】企業出版の費用対効果

企業出版は、自費出版と同様に著者が出版費用を全額負担する出版方法ですが、自費出版との違いは明確な出版目的があることです。

企業の宣伝・PRや問い合わせによる成約率の向上などの目的があるのであれば、ターゲットの設定とそのターゲットに書籍を購入してもらうためのプロモーションが必要となります。

そういった目的を見据えて書籍の企画や出版を行うため、企業出版に成功すると出版費用などを上回る大きな利益が期待できます。

実際に企業出版によって経営課題を解決した2つの事例を紹介します。

企業出版事例①:読者からの反響により出版から2ヶ月で6億円の売上達成

これは、ある不動産投資会社の企業出版事例です。

出版前は、Web広告による新規顧客の集客はほとんどなく、紹介のみに頼っていたそうです。

また、見込み顧客との信頼関係の構築などにかなりの時間が必要で、成約までのリードタイムが長いことが課題となっていました。

そこで、年収は多いものの税金も多いという悩みを抱える医師をターゲットとして「節税対策に不動産投資が効果的」という内容の書籍を発売。

出版社の販路を利用して、主に一都三県や大阪府、福岡県を中心に書店への流通・配本を実施しました。

出版後、多くの読者である医師から問い合わせがあり、出版から2ヶ月で6億円の売上を実現しています。

問い合わせのほとんどは不動産投資に関心のある読者からの反響が中心で、成約までのリードタイムが短縮でき、営業効率の向上にもつながっています。

企業出版事例②:出版記念のイベントを開催し企業の認知度が向上

これは、わさびの製造・販売会社の企業出版事例です。

出版前は、自社で製造・販売しているわさびの魅力に関する顧客へのアピール不足が課題で、同業他社との差別化も不十分だという認識がありました。

そこで、料理に関心のある30代~40代の女性をターゲットとして、わさびの効能や歴史、レシピを収録した書籍を出版。

また、出版後に本社がある名古屋の書店で、書籍へのレシピを提供してくれた料理研究家とのコラボレーションで出版記念のトークイベントを実施したところ、当日はイベント会場が満員御礼となり書籍を50冊以上売り上げるなど大盛況となりました。

その後、出版をきっかけに平均聴取者数20万人の全国放送のラジオ番組から2週連続の出演依頼があるなど、書籍を出版したことにより、企業の認知度向上や売上向上につながりました。

■自費出版のメリット

メリット

自費出版のメリットとしては次のようなものがあります。

自分の企画や内容、デザインで本が出版できる

自費出版の最大のメリットは、自分の思い通りの本を作ることができることです。

自分自身で企画をして、本の内容もデザインも自由に決めることができます。

一方、商業出版の場合は、企画を出版社が行うため、著者が書きたいことを書くことはできません。企業出版も、マーケティングやブランディングが目的であるが故の制約があり、自分の自由に本を作ることは難しいと言えるでしょう。

しかし、自費出版であれば、著名人ではない一般人であっても、自分の人生をまとめた自分史を出版したり、趣味の句集や詩集を出版したりして、個人的な活動を知ってもらうために書籍を出版することができてしまいます。商業出版や企業出版などに比べて制約が少なく、自由に自分の本を出版できるのが自費出版の魅力なのです。

なんでもアリではない。薬機法や景品表示法などには注意!

ただし、自費出版であってもなんでもアリというわけではありません。

たとえば、本の内容によっては薬機法(旧:薬事法)や景品表示法に抵触する可能性もあります。該当する場合は、出版社や専門家に相談したり、専用のチェックツールなどを利用して法に抵触しないように注意しましょう。

▶薬機法(旧:薬事法)については、関連記事【薬機法(旧:薬事法)とは?違反せずに広告・PRする7つのポイントを分かりやすく解説】もあわせて参考にしてください。

出版実績が自分で作れる

自費出版の場合は、著者の都合によって好きなときに好きな内容の本を出版することができます。

つまり、自分の出版実績は自分で作ることができるのです。

たとえば、あるセミナーを開催したとしましょう。

出版実績のある講師の方が、セミナーの参加者から「信頼できる」と感じてもらいやすくなります。このように、自費出版はセルフブランディングにつながります。

また、名刺代わりに配ることで、相手に「出版したことのある人なんだ」と強く印象づける効果も期待できます。

このように、簡単に自分のビジネス上のブランディングができてしまうのも自費出版ならではのメリットの1つです。

出版後は書籍が著者の著作物になる

書籍の著作権は出版費用の負担者に帰属します。そのため、自費出版の場合は著者の著作物になります。

商業出版の場合には、出版費用を出版社が持つため、いくら著者と言えども無許可で内容を使うことはできませんが、自費出版の場合には、著作権が著者にあるため、書籍の一部を抜粋した冊子を作ったり、Webやブログなどに転載したりすることも自由に行うことができます。

■自費出版のデメリット・リスク

自費出版のデメリットやリスクとしては次のようなものが挙げられます。

出版費用が全額著者負担なため、高額になりやすい

自費出版の場合、出版費用は全額著者負担となります。

出版費用は、自費出版の依頼先によっても異なりますが、大手出版社の自費出版部門はサポートが手厚い一方で費用は高額になりがちです。

出版後のプロモーションなどが行われないことが多い

自費出版の場合、出版後のプロモーションが行われないケースが多いと考えておきましょう。

大手出版社の自費出版部門などに依頼する場合は、プロモーション費用を支払えばオプションとして行ってもらえますが、期待通りのプロモーションを行ってもらえるのかは出版社次第です。

プロモーションを依頼する場合は、事前にどのようなプロモーションを行ってもらえるのかを確認しておくことをおすすめします。

出版後の流通を行ってくれないことが多い

自費出版の場合、出版後の流通も行ってくれないことが多いと考えておきましょう。

プロモーションと同様に、大手出版社の自費出版部門などに依頼する場合は、書店流通費用を支払えばオプションとして行ってもらえますが、商業出版や企業出版のように積極的には行ってもらえないと思っておきましょう。

流通を依頼する場合も、事前に出版社に「流通をどれぐらい行ってもらえるのか?」「流通の方法は何か?」などを確認しておくことをおすすめします。

なぜなら、書店を訪れた方が全く足を運ばないような自費出版専門棚に1冊置いてあるだけで「流通している」と謳う出版社も実際に存在するためです。

自費出版を行う場合には、その点に十分警戒しましょう。

■自費出版を行う際の注意点

自費出版は費用さえ捻出できれば、誰でも出版することが可能です。

そういったハードルの低さ故に注意しなければならないことがいくつかあります。

自費出版が最適な方法なのかを慎重に検討する

個人や企業・企業経営者が出版を行う場合に、自費出版が最適な方法なのかを慎重に検討する必要があります。

たとえば、企業経営者が個人的に名刺代わりに書籍を配ったり、個人のセルフブランディングをしたりするのが目的であれば、自費出版がおすすめです。

自費出版の目的は、著者のこれまでの経験や考えを書籍の形にまとめることにあり、自分史や回顧録などのように自身を振り返る手法に向いています。

その他に、個人的に創作してきた小説や俳句、詩などを自分の成果として1冊の書籍にすることもできます。

一方、企業や企業経営者が、自身の事業やビジネスのブランディングや宣伝・PRを目的として出版するのであれば、企業出版がおすすめです。

なぜなら、企業出版のサービスは書店への流通力や営業力を持った出版社が提供していますので、これらを利用して全国の書店で販売されるからです。

企画段階で書籍を購入してくれるターゲットを設定して、ターゲットの目に留まるような書店の書棚に並べることができます。

このように、著者の目的によって自費出版、企業出版どちらが良いかが変わってくるので、今一度慎重に考えてみましょう。

参考までに、自費出版と企業出版の目的別のおすすめの人は次表の通りです。

出版方法こんな目的を持つ人におすすめ
自費出版名刺代わりに自分の書籍を配りたい企業経営者や個人のセルフブランディングをしたい人など
企業出版自身の事業やビジネスのブランディングや宣伝・PRをしたい企業や企業経営者など

信頼できる出版社を選ぶポイント

自費出版ができる出版社はたくさんあります。

そのため、中には思ったようなサポートをしてもらえない出版社や、価格だけ高いような出版社があるのも事実です。

自費出版は費用が高額なので、失敗しないためにも、信頼できる自分に合った出版社を選ぶ必要があります。出版社選びで押さえておくべきポイントとして、まず、ホームページなどで自費出版を行っている出版社かどうかを確認します。

自費出版を取り扱っているのであれば、出版社としての歴史や実績がしっかりしているのか、代表や社員がどのような経歴や実績を持っている人なのかについても確認しましょう。

そのうえで、実際に営業担当者と打ち合わせをして自費出版に必要な費用や期間などについてヒアリングをして見積もりを依頼します。

また、自費出版の場合は、発行部数や紙質の選び方などによって見積金額が変わってきますし、提示された見積金額以外に追加費用が発生する可能性もありますので、この点についてもきちんと確認しておく必要があります。

営業担当者が信頼できるかどうか?

営業担当者と打ち合わせしたり見積もりを依頼したりする際に注意したいのは、その営業担当者が信頼できる人物かどうかということです。

たとえば、見積書の内容を詳細に説明しなかったり契約を急がせたりするような場合は要注意と考えた方が良いでしょう。

「社員は会社の顔」とよく言われますが、自費出版の場合も、営業担当者の対応がよく信頼できる場合は、良い出版社である可能性が高いです。

「営業担当者が信頼できる人なのかどうか?」はしっかりとチェックしておきましょう。

原稿のチェックやアドバイスをしっかりと行ってくれるかどうか?

見積もりを依頼する際に、営業担当者や編集者と打ち合わせをすることになりますが、その際に企画内容や原稿などのチェックやアドバイスをしっかりと行ってくれるかどうかもチェックポイントの1つです。

営業担当者には売上ノルマが課せられている場合があり、自分のノルマを稼ぐために契約させるようなケースもあります。

また、営業担当者や編集者が適切な原稿チェックやアドバイスをするだけの経験がないというケースも考えられます。

印税や儲けを目的にしない

世の中には、自費出版からスタートしてベストセラーになった書籍が実際にあります。

たとえば、夏目漱石の「こころ」、島田洋七の「佐賀のがばいばあちゃん」、山田悠介の「リアル鬼ごっこ」などが有名ですが、これは非常に稀な事例です。

よく、自費出版の営業などの際に語られるこういった事例を真に受けないようにしましょう。

基本的に、自費出版の場合は印税で儲けるというようなことを目的とするべきではありません。

内容は自分でよくチェックする

自費出版の場合も出版社で編集や校正をやってくれますが、その分だけ費用が発生するので注意しましょう。

基本的な誤字脱字や表記ゆれのチェック・修正などの校正作業は出版社に依頼する必要がありますが、最小限の費用で収まるように自分でよくチェックする必要があります。

適切な発行部数を選択する

自費出版の費用は全額著者が負担しますので、発行部数も著者が自由に決めることができます。

発行部数が増えると1冊あたりの単価は安くなりますが、出版費用は高くなります。

自費出版の書籍が余ってしまっても困りますので、適切な発行部数を選択するようにしましょう。

ブックマーケティング

■自費出版の流れ・出版までにかかる期間

以上、自費出版の費用や特徴、さらには出版社の選び方まで詳しく解説しました。

自費出版でも企業出版でも、自分のニーズを満たしてくれる出版社なのかどうかはとても重要です。

費用が安いに越したことはありませんが、「安かろう悪かろう」に当たらないためには契約前に出版社の営業担当者と綿密にやり取りをし、懸念を払拭しておくことです。

見積もり

書籍の企画が決定すると、出版社が見積もりを行います。

見積もりに際しては、金額を大きく左右する条件などについて双方でよく確認しておく必要があります。

また、この段階で見積もり以外にどのような費用が発生する可能性があるのか、についても事前に聞いて把握しておくことが重要です。

出版業界には専門用語も多く、業界ならではの常識も多いので、結果的に自分で想定していた金額よりも大幅に高くなってしまった、などのトラブルもよくあります。十分に注意しましょう。

申込・契約

出版社から提示された見積金額や条件に納得できた場合は、出版の申し込み・契約となります。

費用の支払いについては、「全額前払い」「着手金+校了時に残金」など出版社によって異なるので、契約前によく確認しておきましょう。

また、自費出版の場合の著作権は著者に帰属しますが、この点も事前に確認が必要です。

原稿・デザイン作成

契約が終わると、著者は原稿作成と写真やイラストなどの準備をします。

原稿や写真・イラストなどの素材が揃ったら、出版社の編集者からアドバイスをもらい必要に応じて修正をします。

原稿や写真・イラストなどの素材の準備に必要な期間は約2週間~6か月です。

原稿が完成後、デザイナーが表紙や紙面のデザインやレイアウトを行います。

デザイナーからの提案によって、原稿の加筆や減筆、写真やイラストの見直しなどが発生することがあるので、デザインやレイアウトに必要な期間は、2週間~1か月です。

校正・校閲

デザインが終わった初校を紙やPDFに出力して、校正を行います。

イメージ通りのデザインになっているか、誤字脱字や表記ゆれはないか、写真やイラストの見え方は適切か、などについて校正と修正を繰り返します。

また、校閲を行い事実関係に誤りがないことなどを確認(ファクトチェック)していくので、校正・校閲に必要な期間は、2週間~1ヶ月程度です。

印刷・製本・納品

校正が終わると、出版社から印刷会社に書籍のデータが送られますが、これを入稿といいます。

印刷会社から実際の本に近い紙やインクを使って印刷した色校正が提示されるので、インクのノリ具合や写真の色味を確認して、必要に応じて調整を依頼します。

色校正が終わったら、契約部数の書籍が印刷・製本されて納品、と言う流れです。

印刷・製本に必要な期間は、約1ヶ月です。

■自費出版の成功事例

ここでは自費出版の成功事例について紹介します。

しかし、前述の通り、そもそも自費出版が書籍を出版することが目的だったり、名刺代わりに知人に配りたいという目的、セルフブランディングに活用したいという目的、ベストセラーで印税収入を得たいという目的まで千差万別ですので、何をもって「成功」というかは人それぞれです。

1つ目の成功事例は、自費出版をきっかけに新聞や週刊誌などに取り上げられて話題となり、テレビ番組などへの出演オファーが殺到したというケースです。

その書籍はビジネス書だったので、書籍の売上部数の大幅アップにはなりませんでしたが、その後も講演依頼や執筆物の依頼が増えて、専門家としての認知度も向上しました。

2つ目の成功事例は、自費出版をきっかけとしてラジオ番組を担当することになったものです。

たまたまその書籍を読んだラジオ番組の関係者が、番組制作の担当者に話をして、トントン拍子に1つのラジオ番組を担当することになりました。

大きなビジネスチャンスにつながったというような成功事例ではありませんが、著者としては自身の専門性を認めてもらえて、より多くの人に自分の意見や考えを伝える場をえることができ、セルフブランディングにつながりました。

■自費出版は出版目的を持つが大切

自費出版はただ出すだけではなく、「何のために出すのか?」という出版目的をしっかりと持って行うことが重要な出版方法です。

出版目的が明確であれば、100万円程度の安い自費出版サービスでも最高の満足度を得られる場合もあります。

しかし、一方で高額な自費出版サービスを使ったからと言って自分にとって最高の満足度が得られるとは限りません。

「あれだけ、高額な費用を使って、できたのがこれか・・・」と後悔してしまうケースもあります。

そのため、もし今みなさんが自費出版を考えているのであれば、自分自身に「何を目的に出版するのか?」を問いかけて、明文化してみてください。

とにかく書籍化するのが目的であれば、安価なサービスでも問題はないでしょう。

しかし、他の目的であれば、今一度出版社の人と本当に自分に適した出版方法は何なのかを相談してみましょう。

■まとめ

本記事では、自費出版とはなにか、メリット・デメリット、費用相場、成功事例などについて解説しました。

自費出版は、著者が自由に本の内容を決めることができるので、名刺代わりに配ったりセルフブランディングをしたりするのには最適な方法です。

しかし、著者自身の事業やビジネスの宣伝・PRやブランディング目的の場合にはあまり効果が期待できません。

なぜならば、出版社によるプロモーションなどがないため、多くの顧客に購入してもらうことができないからです。

自分自身が行っている事業やビジネスをより拡大していくための宣伝・PRやブランディング、マーケティングが目的ならば、企業出版や企業出版を活用して問い合わせにつなげるブックマーケティングという手法を検討してみてください。

▶ブックマーケティングについては、関連記事【ブックマーケティングとは?メリットや効果的な戦略の作り方】もあわせて参考にしてください。

▼ブックマーケティングのご案内はこちら

ブックマーケティング
 

買い手市場と言われていますが、企業の担当者さまの中には「良い人材がなかなか採用ができずに困っている」と頭を抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、良い人材が採用できない時に見直すべきポイントや施策について詳しく解説いたします。

もし、採用に悩みがあるのであれば、ぜひ活用してみてください。

目次【本記事の内容】

執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)
画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 29d5ead1ee41a6d25524876e7bd315d5-scaled.jpg
慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。

◉採用を難しくしている主な原因

今現在は買い手市場なため、企業が採用できる人材は豊富にいるというのが実情です。

では、どうして人材採用が難しいということになっているのでしょうか。

実は、次に示すように人材採用を難しくしている原因は自社にあるのです。

・自社の発信したい情報だけを発信している
・選考が遅い
・選考中のフォローを行っていない
・競合他社との差別化ができておらず埋もれてしまっている
・求職者のニーズの変化に合わせていない
・求職者に求める要件が多すぎる
・適切な採用手法を実施していない

それぞれどのような点がよくないのか、についてくわしく見ていきましょう。

◉-1、自社の発信したい情報だけを発信している

多くの人材に応募してもらってその中から良い人材を選びたい、競合他社に良い人材を取られたくないという思いはどの会社にもあるものです。

そのため、自社にとって不利な情報や不利と思われる情報の公表を控えて、自社の良いところや都合の良いことだけを発信してはいないでしょうか。

たとえば、実際には残業が多い部署や時期があるにもかかわらず、全社平均や年間平均の残業実績だけしか公表していなかったとすると、せっかく入社した優秀な人材がその事実を知って退社してしまうというようなことになりかねません。

このように、求職者にとって不都合な情報であっても公表しておかないと、入社後にミスマッチが発覚してしまう可能性があるのです。

残業については「今は残業が多い部署や時期があるが、今後人員を増やして残業を減らしていく方針である」などのように、現状のデメリットと改善策を伝えておくとネガティブな印象を和らげることができます。

人材採用の際は、自社の不利なことも不都合なことも発信して、同時に今後の改善策を伝えるようにした方が良いでしょう。

◉-2、選考が遅い

選考が遅いということは、応募受付から採用決定までのステップが多いか、少なかったとしても各ステップでの審査や次に進むまでに時間がかかっていると思われます。

これはいずれも自社内での採用業務が標準化されていなかったり、人事部門と配属部門の間の連携がうまく行っていなかったり、ということなどが原因です。

一方、求職者は「連絡が来ないのは落ちたのかもしれない」という不安を抱き、他社に流れてしまう可能性があります。

また、内定を出していたとしても最終決定の連絡が遅い場合は同様の不安を感じて、他の内定先に決めてしまって内定辞退されることもあります。

優秀な人材であればあるほど、複数の会社から内定をもらっている可能性が高いため注意が必要です。

ほとんどの求職者は早く就職先を決めたいと思っているので、求職者の気持ちを考えて最終選考までにかかる時間を削減すべきです。

◉-3、選考中のフォローを行っていない

内定を出した求職者に適切なフォローを行っていない場合は、内定辞退される可能性が高くなります。

求職者は「内定はもらったものの最終決定ではない」ことへの不安や「早く就職先を決めたい」という考えを持っているので、選考中のフォローが適切に行われない場合は、内定辞退や就職したものの早期に離職してしまうことになりかねません。

◉-4、競合他社との差別化ができておらず埋もれてしまっている

競合他社との差別化ができていないと求職者から魅力的な会社と見られないために応募者が少なくなります。

結果として、採用者は少なくなり人材不足も解消されません。

優秀な人材が競合他社に流れてしまい、自社がさらに埋もれてしまうという悪循環に陥ってしまいます。

◉-5、求職者のニーズの変化に合わせていない

新卒でない求職者は何らかの勤務経験があり、転職したかこれから転職しようと考えているかのどちらかですが、転職を考えるきっかけとして最も多いのは「やりがい・達成感のなさ」だと言われています。

つまり、自分が求めるキャリア像が会社と合っていないと感じる場合に転職を考えるということです。

採用する企業側もこれに対応して、どのようなキャリアパスがあるのかをきちんと示して、入社後にミスマッチが発覚して離職ということにならないようにしなければなりません。

◉-6、求職者に求める要件が多すぎる

採用する企業側は、ある特定の職種しかできない人材よりはなるべく多くの職種に対応できる人材を採用したいと考えます。

また、経理担当などの特定の職種の人材を採用する場合は、関連資格を持っていることやある年数以上の業務経験があることなどの要件を設定して優秀な人材が応募してくれることを期待します。

しかし現実問題として、これらの厳しい要件が設定されていると、よほど自信のある求職者でない限り応募を躊躇してしまうと考えられます。

◉-7、適切な採用手法を実施していない

採用がうまくいかない原因として、適切な採用手法が実施されていないことがあります。

代表的な採用手法には次のようなものがあります。

・求人広告の出稿
・人材紹介会社への依頼
・就職イベントへの参加
・求人誌本や求人ナビへの掲載
・ダイレクトリクルーティング
・自社サイトの採用ページ

それぞれの採用手法の特徴を知り、自社が採用したい人材が応募してくる可能性の高い手法を採用しなければなりません。

採用手法の選択を間違えてしまうと、自社が求める人材に全くアプローチできないということになる可能性もあります。

◉採用が難しい時に検討すべきポイント

採用が難しい時に検討すべきポイントは次の通りです。

・自社の強みや競合他社との違いを明文化する
・求職者の働き方のトレンドやニーズを調べる
・選考時のフォローを手厚くする
・会社自体の社会的知名度・認知度を上げる
・デジタル施策だけではなく、アナログ施策も組み合わせる

採用活動について求職者目線で再検討すべきなのはもちろんですが、自社の強みの棚卸しや見直しを行うことが、採用活動への良い影響になることも考えられます。

それぞれ、くわしく見ていきましょう。

◉-1、自社の強みや競合他社との違いを明文化する

自社の強みが不明確で競合他社と差別化できていないと、会社説明会でのプレゼンが漠然としていたりパンフレットを見ても何が良いのかが求職者に伝わらなかったりします。

また、自社の強みが把握できていたとしても、それを求職者に分かるように説明できなければ意味がありません。

これらを解決するためには、自社の強みや競合他社との違いをきちんと把握して、求職者に伝わるような言葉で明文化しておく必要があります。

プレゼンもパンフレットでの説明も言葉や文章で伝えるわけですから明文化して、関係者全員で共有しておくことが重要です。

たとえば、自社の強みや競争力を端的に表すキャッチコピーを作って、採用関係の資料に共通して使用することなども考えられます。

▶︎他社との差別化ついては、関連記事【差別化戦略の成功の秘訣ーメリットやデメリット、成功事例とは!?】もあわせて参考にしてください。

◉-2、求職者の働き方のトレンドやニーズを調べる

求職者の働き方へのニーズは常に変わっているので、そのトレンドを把握しておく必要があります。

特に、2020年からのコロナ禍をきっかけに、テレワークやリモートワークなどの在宅勤務ができる働き方を希望する求職者が増えています。

さらに、採用活動自体がリモートで行われることを重視する求職者も増えており、たとえば北海道や九州の求職者がわざわざ東京の採用説明会に行くことなく、オンラインで面接を受けて合格したという事例もあるほどです。

このように、求職者の働き方に対する価値観が大きく変わっているので、企業もしっかりとこれに寄り添っていかないと採用はどんどん難しくなっていきます。

◉-3、選考時のフォローを手厚くする

今のZ世代などは手厚いフォローを求めています。

そのため、採用選考時であってもしっかりと応募者とコミュニケーションをとってフォローをすることが採用数の増加につながります。

特に内定者へのフォローとしては次のようなことが考えられます。

・内定者同士の面談や懇親の場を作る
・職場見学の機会を設ける
・社内行事へ招待する

内定者フォローの目的は内定者の意欲を高めて内定辞退を防ぐことですので、次のようなポイントに注意する必要があります。

・定期的に連絡をする
・社員とコミュニケーションできる場を設ける
・入社後の具体的なイメージが湧くようにする

内定者は選考ステップをクリアして自社に必要と判断された人材ですから、内定を辞退されると、それまでにかかった時間や費用が全く無駄になってしまいます。

応募者や内定者のフォローは最重要項目と考えて取り組むべきです。

◉-4、会社自体の社会的知名度・認知度を上げる

会社自体の知名度が低いことも採用を難しくしている原因の一つになっていますから、以下のような方法を活用して、会社の知名度を上げることも有効です。

▶︎認知度向上ついては、関連記事【経営者必読!認知度向上の方法と効果的なマーケティングの選択肢】もあわせて参考にしてください。

◉-4-1、企業出版(ブックマーケティング)

企業出版(ブックマーケティング)は、書籍を出版することによって自社の社会的知名度や認知度を上げる方法です。

書籍を出版することや書籍そのものに信頼性があるので、知名度や認知度が上がり自社のブランディングにもなります。

商品やサービスの紹介のほかに、自社の独自技術や実績、企業理念や取り組みなどをストーリーとしてまとめて読者に届けるので、求職者に対しても非常に有効です。

特に採用活動に活用する場合は、両親や家族の説得材料になります。

実際に、中堅の知名度の低い監査法人が書籍を出版したところ、たまたまその本を読んだ求職者の父親(会計士)が、自分の子供に「この監査法人を受けてみなさい」と勧めたというエピソードがあります。

企業出版(ブックマーケティング)を採用活動に活用する際は、自社が採用したい求職者像をターゲットとして設定して、そのターゲットに自社をどんな会社だと認識してもらいたいのかを、企画段階からしっかりと検討することが重要です。

▶︎ブックマーケティングついては、関連記事【ブックマーケティングとは?メリットや効果的な戦略の作り方】もあわせて参考にしてください。

◉-4-2、大手メディアへの寄稿

大手メディアに自社に関する記事を寄稿することによって、記事になって社会的知名度や認知度が上がります。

寄稿しても必ず記事になるかどうかはわからないのですが、社会的に影響の大きい新商品や新サービス、トレンドになっている話題に関連する独自技術の紹介などは取り上げられる可能性があります。

多くのメディアがあるので、自社の事業分野の業界専門メディア、過去にプレスリリースなどを取り上げてもらって縁のあるメディアなど、寄稿先も良く検討する必要があります。

◉-4-3、プレスリリースの活用

プレスリリースは企業などの公式発表であり、メディアに取り上げられて記事にしてもらうことを目的として行うものです。

そのため、積極的にプレスリリースを出すことによってメディアの目に留まって、記事に取り上げられる可能性が高くなります。

メディアに取り上げられるためには、新商品や新サービスのメリットが分かりやすくまとめられているなど、メディアで記事を作成する際の手間が減るような配慮があると取り上げられる機会が増えます。

多くのメディアで記事になると自社の知名度が上がって、求職者から認知されて求人への応募者の増加につながります。

◉-5、デジタル施策だけではなく、アナログ施策も組み合わせる

インターネットの発達やスマホの普及によって、企業からの求人情報の発信はデジタル主体になっていると感じますが、実際にはデジタル施策とアナログ施策の組み合わせで行われていることが多いものです。

また、求職者側の行動もスマホやPCで求人サイトを見る一方で、会社案内などのアナログの資料を取り寄せて比較検討したり、会社説明会に参加したりしています。

つまり、デジタルとアナログを横断しながら、情報を集めたり比較したりして決断をしているのです。

そのため、採用活動についても、デジタル施策一辺倒ではなくアナログ施策も組み合わせて、うまく連携していくことが重要です。

採用活動に関する具体的なアナログ施策には以下のようなものがあります。

◉-5-1、採用DM

採用DMは、人材を採用したい企業が求職者に郵送などで送付するアナログ施策です。

一般的には、企業は求職者からの応募を待って応募者の中から選考して採用しますが、採用DMは企業から求職者へ積極的にアプローチするものです。

しかも本人宛に形のある郵送物などが届くので、開封率は高く企業名を強く印象付けることが可能です。

さらに、DMの内容に関心や興味を抱いて「この会社で働いてみたい」という気にさせることができれば応募する可能性も高まります。

◉-5-2、採用パンフレット

採用パンフレットや入社案内は、企業説明会などで配布する紙媒体の資料です。

スマホやPCなどのデジタルだけでは伝えきれない内容をしっかりと記載して伝えることができます。

紙媒体ですので、上質な紙を使うことによって企業イメージを上げることができたり、本人だけではなく両親などの家族と一緒に見て情報共有することもできます。

さらに、複数の企業の採用パンフレットを並べて比較検討することもできます。

最も一般的な配布方法は企業説明会などの対面の場での手渡しですが、オンライン形式で企業説明会が行われる場合は郵送などで事前に求職者宛に送付します。

また、就活や採用のポータルサイトに資料請求があったときにも郵送などで送付します。

対面以外で送付する場合は、PDF化したパンフレットを求職者にダウンロードしてもらって配布することも可能です。

◉-5-3、採用チラシ

採用チラシは、人材募集のための求人情報を記載した広告で求人チラシとも言います。

アルバイトやパートの募集に多く利用される手法です。

1枚の紙の両面または片面に印刷されているので、パンフレットよりも安いコストで制作することができ、アルバイトやパートの採用ニーズが出たときにその時の状況に合わせた内容で制作できます。

メリットとして、ポスティングや新聞折り込みなどで配布するので、エリアを指定して配布できることやデザインや文字の自由度が高いことが挙げられます。

◉採用状況の改善につながった施策事例

デジタル施策とアナログ施策の組み合わせによって、人材採用の改善につながった事例があるので、以下で紹介しましょう。

◉-1、【保険代理店】人材の定着と人員増加につながった事例

保険代理店を営む経営者は、保険業界の現状と問題点を解説し、これからの保険代理店経営に必要な考え方やシステムについての持論をまとめた『人材が続々集まる、メキメキ育つ! スゴい保険代理店経営』という書籍を出版しました。

保険業界では成果に応じて給与が決まる「成果報酬型」が当たりまえですが、その結果として少数のスーパー営業マンに頼る経営になっていました。

この保険代理店の経営者はこれに疑問を持ち「一律報酬型」に変えることによって、アベレージヒッターを育てて業績拡大ができることを紹介しました。

出版の結果、書籍のタイトル通りに「社員の採用・定着・育成」に非常に大きな効果があったのはもちろん、成約率の向上、新規コンサル契約の獲得などに大きな効果がありました。

従業員数10〜30人くらいの企業で、採用と人材に困っていないところはないと思います。当社もご多分に漏れず人材の定着などに課題がありましたが、出版後に私のマネジメントが変わったことでみるみる従業員が進化していきました。それぞれが自分で考え、メキメキ成長していった。もはや当社では、「人が育つのは当たり前」という感覚です。
人材が定着するので採用に力を入れられる。人が育つから当然、採用すれば人が増えていく。という、良いサイクルに入りましたね。
引用元:【事例コラム】大口案件の集客、人材採用、大手企業からの講演依頼!出版ですごいことになった保険代理店

◉【まとめ】採用できない、難しい時はアナログ施策を見直してみるのがおすすめ!

本記事では、良い人材が採用できない時や難しいときに検討すべきポイントや施策について解説しました。

結論としては、採用ができない原因はすべて自社にあるということです。

根本的に原因を解決するためには、採用手法やデジタル施策だけではなく、採用パンフレットなどのアナログ施策から見直してみることをおすすめします。

なぜなら、アナログ施策の見直しは、デジタル施策のように気軽にできるものではなく、自社の強みの棚卸しからマーケティング活用までを見据えて制作しなければならないからです。

つまり、アナログ施策の見直しをすれば、一石二鳥で自社の強みの見直しなどもできてしまうのです。

まず採用パンフレットの見直しから始めてみようという方は、ぜひフォーウェイまでご相談ください。

パンフレット

建設・建築業の会社で「なかなか契約や発注につながらない」と悩んでいる方もいらっしゃると思います。

デジタルマーケティング施策や営業手法などももちろん見直すべきことではありますが、その前にまず再検討しておきたいのが会社案内パンフレットです。

なぜなら、会社案内のパンフレットは、発注元企業における会社選びの際に「この会社に安心して任せられるかどうか」を判断する重要なツールの1つとなっているからです。

会社案内のパンフレットは、単なる会社案内資料ではありません。

今回は、契約や発注につながる建設・建築業の会社案内パンフレットを作るためには、どのような工夫をすべきなのか、活用方法などとともに解説いたします。

目次【本記事の内容】

執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)
画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 29d5ead1ee41a6d25524876e7bd315d5-scaled.jpg
慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。

◉建設・建築業で会社案内のパンフレットが必要な理由

建設・建築業の会社は、主に施主などの発注元企業から工事を受注する必要があり、その前段階として見積依頼に対して見積書を提出しなければなりません。

建設・建築業界には相見積もりを取る慣習があるので、相見積もりの依頼先に選定されて見積書を提出し、比較検討のうえ発注先に選定されなければ受注することはできません。

発注元企業では、相見積もりが揃ったら価格だけではなく工期やその会社の施工実績、信頼性などを総合的に比較検討して発注先を決めます。

このときに、会社案内パンフレットを並べて比較検討することもあるので、建設・建築業界では会社案内パンフレットは非常に重要なものとなっているのです。

建設・建築業で会社案内パンフレットが必要な理由をまとめると、以下のようになります。

・主な顧客が企業であるため
・顧客との信頼関係の構築が重要なため
・安心・信用して工事を発注してもらうため
・事業内容を明確に伝える必要があるため
・常に採用活動が必要な業種であるため

それぞれについて、くわしく見ていきましょう。

◉-1、主な顧客が企業であるため

発注元企業は、新しい発注先を探す際、多くの建設・建築業を営む会社の中から見積依頼先や発注先を選定します。

発注元企業が見積依頼先や発注先を選ぶ際には、紙媒体の会社案内パンフレットを並べて内容確認したり比較検討したりすることが多く、建設・建築業にとって会社案内パンフレットは仕事を取る上で重要なのです。

◉-2、顧客との信頼関係の構築が重要なため

一般的に、紙媒体のパンフレットの方がネット上の情報よりも信頼性が高いとされます。

これは紙媒体の情報の方が制作の手間や費用がかかっているからであり、発注元企業から「会社案内パンフレットを作っているしっかりとした会社だ」という印象を持ってもらえて、信頼関係構築のきっかけになります。

また、営業活動の際などに発注元企業のキーマンに会社案内パンフレットを手渡しして内容を説明し、信頼関係構築のきっかけとすることも可能です。

◉-3、安心・信用して工事を発注してもらうため

現代ではインターネットやスマホが広く普及していますが、紙媒体の会社案内パンフレットの方が、ネット上の情報よりも一覧性が良いことも理由の一つです。

建設・建築業の発注元企業は「工事を安心して任せられる会社」に発注したいと考えているので、パッと見てその会社の事業内容や工事実績などが分かることは重要です。

紙媒体の会社案内パンフレットがあれば、安心・信用して工事を発注してもらいやすくなります。

◉-4、事業内容を明確に伝える必要があるため

一口に建設・建築業といっても、実際には次表のように2種類の一式工事と27種類の専門工事に分かれており、建設業法で許可を受けた工事のみを施工することができます。

種類事業内容(施工できる工事内容)
土木一式工事道路・トンネル・橋梁・ダム・護岸などの工事
建築一式工事戸建住宅・マンション・店舗・ビル・公共施設などの建築
27種類の専門工事大工、左官、とび・土工、石、屋根、電気、管、タイル・れんが・ブロック、鋼構造物、鉄筋、ほ装、しゅんせつ、板金、ガラス、塗装、防水、内装仕上、機械器具設置、熱絶縁、電気通信、造園、さく井、建具、水道施設、消防施設、清掃施設、解体の各工事

そのため、会社案内パンフレットでは、自社は建設業法のどの許可を受けていて、どの工事を施工できるのかを明確にしておく必要があります。

また、実際の営業活動では、工事現場の事務所で工事監督の方と接することがありますが、相手も多忙なのでiPadの動画で説明するなどというようなことはできず、会社案内パンフレットで説明するのが精いっぱいという実情もあります。

◉-5、常に採用活動が必要な業種であるため

建設・建築業では、急に人手が必要になって採用活動をしなければならなくなることがよくあります。

このような急な採用時にもすぐに配布できる資料として、会社案内パンフレットは非常に便利です。

採用活動で会社案内パンフレットを使うことを考えて、「社員が元気に働いている様子が分かる写真」や「社員インタビューの内容」などを入れておくことも大切です。

▶建設業のブランディングについてより詳しく知りたい方は、関連記事【建設業にブランディングは必要なのか? その効果と適した手法を解説】もあわせて参考にしてください。

◉発注や採用につながる!建設・建築業の会社案内のパンフレットを作るコツ

建設・建築業では、会社案内パンフレットが発注の決め手になることが多いということを意識して作る必要があります。

単なる会社説明資料という観点ではなく、「どうしたら発注元企業に発注したいと思ってもらえるか」「どういう項目を入れたら工事を安心して任せられる会社と思ってもらえるか」を意識して会社案内パンフレットを制作することが大切です。

発注や採用につながる会社案内パンフレットを作るためのコツは次の通りです。

・顧客が建設・建築業者の比較検討
・発注のために必要な項目を分かりやすく入れる
・問い合わせにつながる導線を分かりやすく入れる
・お客様の声など第三者目線を入れる
・自社の施工実績を入れる
・デジタルマーケティング施策への活用も見据えて制作する
・コンテンツマーケティングができるパンフレット制作会社に依頼する
・採用活動に使う会社案内パンフレットは別で作る

それぞれについて、くわしく見ていきましょう。

◉-1、顧客が建設・建築業者の比較検討・発注のために必要な項目を分かりやすく入れる

顧客(発注元企業)が発注先を決めるときに「どのような項目をみて発注先を決めているのか」から逆算して、その項目を分かりやすく入れておく必要があります。

自社で実施できる具体的な工事内容や工事実績、主な取引先など、判断基準になりそうな項目を入れておくようにしましょう。

特に規模の大きな工事実績や、いわゆるスーパーゼネコンなどから安定して工事を受注できているということが記載されていると、「安心して工事を任せられる会社」だと判断してもらえる可能性が高くなります。

◉-2、問い合わせにつながる導線を分かりやすく入れる

会社案内パンフレットには、電話番号やメールアドレスを分かりやすく明記しておくことはもちろんですが、自社のHPに飛べるようなQRコードを入れておくことも大切です。

会社案内パンフレットを見て発注元企業が電話したりメールしたりすることも考えられますし、Webサイトを確認するようなこともあるので、問い合わせにつながるような導線を分かりやすく入れておくようにしましょう。

◉-3、お客様の声など第三者目線を入れる

自社目線の一方的な会社案内パンフレットになっていると、信頼性が低くなってしまうので、自社以外の第三者目線を入れることが重要です。

たとえば、発注元へのインタビュー内容などの第三者の情報を入れることによって、施工実績などの説得力や信頼感を向上させることができます。

◉-4、自社の施工実績を入れる

自社の施工実績を明記しておくことは非常に重要です。

過去にどのような規模のどのような工事を施工した実績があるのかが分かると、発注元企業が発注先を選定する際の大きな根拠となります。

発注元企業にも「この会社は以前同じような工事を施工したことがあるようだから安心してお願いできそう」と思ってもらいやすくなるでしょう。

施工実績を記載する際に注意すべきことは、できる限り具体的に書くことです。

自社でどのような範囲で何の工事を担当したのかなどが分かるように書くことが重要です。

◉-5、デジタルマーケティング施策への活用も見据えて制作する

会社案内パンフレットは紙媒体のアナログマーケティング施策で、発注元企業が発注先を決める際の重要な参考資料となります。

しかし、せっかく制作するのですから、デジタルマーケティング施策への活用も見据えて制作しましょう。

たとえば、会社案内パンフレットはWebマーケティングやインサイドセールスなどに積極的に活用することが可能です。

会社案内パンフレットを、工事の発注元となる可能性のある企業に送るだけではなく、デジタルマーケティングに活用することを考えた構成や内容にすることが重要です

◉-6、コンテンツマーケティングができるパンフレット制作会社に依頼する

どうせパンフレットを制作するのであれば、パンフレット制作だけをやっている会社よりも、パンフレット・書籍・記事などのコンテンツをマーケティングに有効活用するサポートをしてくれる会社に依頼することをおすすめします。

契約や発注の増加などを狙うのであれば、コンテンツマーケティングができるプロに依頼した方が良いでしょう。

◉-7、採用活動に使う会社案内パンフレットは別で作る

採用活動に使う会社案内パンフレットは、営業活動に使う会社案内パンフレットと別に作ることが理想的です。

しかし、予算的なこともあるので、両方を兼ねたパンフレットにすることもできます。

または、採用活動に使う「社員が元気に働いている様子が分かる写真」や「社員インタビューの内容」などだけを別のリーフレットとして制作し、採用活動の際は会社案内パンフレットと採用リーフレットを渡すようにする方法も考えられます。

これについては、会社によって考え方も違うと思われるので、ケースバイケースでの検討が必要です。

◉ただ作るだけではダメ!積極的にターゲットに配布してこそ成果につながる!

会社案内パンフレットをただ作るだけでは効果を発揮することはできません。

せっかく手間や費用をかけて作るのですから、1件でも多くの受注や契約につながるような活用をしなければ、かかった制作費用をペイすることはできません。

会社案内パンフレットの活用方法としては、次のようなものが考えられます。

・PDF化してWeb上でも配布する
・ターゲットリスト先に配布する
・フォーム営業などに活用する
・会社案内のパンフレットの一部をHPやSNSなどで活用する
・デジタルマーケティングに活用する

それぞれについてくわしく見ていきましょう。

◉-1、PDF化してWeb上でも配布する

会社案内パンフレットは紙媒体のアナログマーケティングのツールですが、PDF化することによってデジタルマーケティングのツールとして活用することができます。

たとえば、PDF化した会社案内パンフレットを自社の公式Web上でも配布するようなことが考えられます。

◉-2、ターゲットリスト先に配布する

先述したように、建設・建築業界では発注元企業が発注先を決める際に、会社案内パンフレットを並べて比較検討することが多いという実情があるため、発注元となる可能性のある企業に予め会社案内パンフレットを配布しておくなどが有効です。

既存の取引先やパートナー企業はもちろんのこと、今後工事の発注元となる可能性があるターゲットの企業には、各種のリストなどをもとに配布しておきましょう。

会社案内パンフレットを送付しておくことによって認知を獲得して、今後見積依頼を受けたり発注してもらえたりする可能性が出てきます。

◉-3、フォーム営業などに活用する

フォーム営業とは企業HPの問い合わせフォームからメッセージを送ってアプローチする営業手法で、相手企業の担当部署や担当者と面識がない場合に利用されます。

建設・建築業界では、電話やFAXが主要な連絡手段となっていると言われているので、必ずしも成果に直結するかどうかはわかりませんが、送信したメッセージが相手企業内で担当部署に振り分けられてレスポンスが返ってくる可能性もあります。

レスポンスが返ってきたらすぐに返信をするとともに、アポを取って会社案内パンフレットを持参して訪問するようにしましょう。

◉-4、会社案内パンフレットの一部をHPやSNSなどで活用する

会社案内パンフレットに掲載された内容の著作権は自社にあるので、その一部をキャプチャしてHPやSNSなどで活用することができます。

これによって、会社案内パンフレットを直接受け取っていないターゲットに自社の情報を届けることができ、認知の獲得などにつながります。

◉-5、デジタルマーケティングに活用する

マーケティング効果を高めるためには、「接触時間×接触頻度」を最大化することが必要で、「接触時間」が長いのはパンフレットなどのアナログですが、「接触頻度」を上げるのはデジタルが効果的です。

建設・建築業界でも、アナログとデジタルをうまく連携させることによってマーケティング効果を高めることができるはずです。

アナログとデジタルを組み合わせることによって、より多くのターゲットに配布することが可能になります。

◉【まとめ】成果につながる会社案内パンフレットを制作しよう!

本記事では、建設・建築業で会社案内パンフレットが必要な理由、発注や採用につながる会社案内パンフレットを作るコツ、成果につながる活用方法などについて解説しました。

デジタルによるWeb広告やSNSなどが主流となっている現代ですが、アナログなツールの一つであるパンフレットには、ターゲットに手渡しができて、見てもらえて、読んでもらえるという大きな特徴があります。

これまでに取引の実績はないものの、発注元となる可能性のある企業に会社案内パンフレットを配布しておくことによって、見積もり依頼を受けたり発注してもらえる可能性が高くなります。

それなりの費用をかけて制作するパンフレットなのですから、成果につながる会社案内パンフレットを作りましょう。

会社案内パンフレットの制作や活用をお考えの方は、フォーウェイまでご相談ください。

パンフレット

老人ホームや介護施設の入居者の集客に、紙媒体のパンフレットを使っている運営会社は多いと思います。

そんな中で、「パンフレットを作っているけれど、なかなか集客や入居に結びつかない」という悩みを持つ広告・広報・営業担当者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、集客や入居につながりやすい老人ホームや介護施設のパンフレットを制作するためにはどうすれば良いか、そのコツを活用方法と合わせて解説いたします。

目次【本記事の内容】

執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)
画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 29d5ead1ee41a6d25524876e7bd315d5-scaled.jpg
慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。

◉老人ホーム・介護施設の集客にパンフレットが有効な理由

老人ホームや介護施設の入居者の集客に紙媒体のパンフレットが有効な理由は、主に次の3点です。

・紙媒体の方が親族などと一緒に比較検討しやすいため
・入居するための費用が高額なため
・資料請求や見学をしてから決める人が多いため

それぞれの理由について、くわしく見ていきましょう。

◉-1、紙媒体の方が親族などと一緒に比較検討しやすいため

老人ホームや介護施設を選ぶ際には、入居候補者が家族や親族と一緒に比較検討しながら選ぶことが多いと考えられます。

その際に、スマホやPCにデジタル表示された情報を見比べるよりは、紙媒体のパンフレットを並べて見比べた方が断然見やすいはずです。

これは、老眼などで目が見えにくくなった高齢者だからというわけではなく、複数のページに渡る情報を見比べるには、パンフレットの方が便利だからです。

このような理由から、デジタル技術全盛とはいっても、紙媒体のパンフレットが必要とされます。

◉-2、入居するための費用が高額なため

老人ホームや介護施設の入居費用が高額であることや、自分の親が入居して生活を任せることになるという責任感から、子どもが一緒にパンフレットを見て検討するケースが多いのが実情です。

その際に、紙媒体のパンフレットがあると、しっかりとした施設だという安心感や堅実さが伝わります。

必要な情報を伝えるだけであれば、Webサイトなどに掲載された情報だけで十分ですが、老人ホームや介護施設という特性上、パンフレットから安心感や清潔感、堅実さが伝われば選ばれる可能性が高くなります。

◉-3、資料請求や見学をしてから決める人が多いため

老人ホームや介護施設を選ぶ際には、次のようなチャネルから資料請求や見学依頼が行われるのが一般的です。

・紹介会社(仲介会社など)
・病院、居宅介護支援事業所、包括支援センター(行政の相談窓口)
・自社広告(ポータルサイト掲載、広告出稿、自社HP、チラシなど)
・その他(入居者の口コミ)

紹介会社や病院、居宅介護支援事業所、包括支援センターなどの場合、候補となる複数の老人ホームや介護施設のパンフレットを渡して選んでもらいます。

選んだいくつかの施設に連絡して見学日程を調整して決めるというのが一般的です。

また、自社広告やその他の場合でも、直接資料請求や見学依頼を行ってから入居する施設を決めます。

このように、老人ホームや介護施設の場合、パンフレットを見たり、見学をしたりすることが決め手の1つとなります。

そのため、老人ホームや介護施設の集客にはパンフレットが有効と言えるのです。

◉老人ホーム・介護施設の集客につながるパンフレット制作のポイント

老人ホームや介護施設のパンフレットを制作する際は、施設側が発信したい情報をまとめるのではなく、入居候補者が比較検討する項目や知りたい情報などから逆算して考えて、パンフレットの構成や盛り込む情報を整理していくことが必要です。

具体的には、以下のポイントに注意しながら制作していくと良いでしょう。

・老人ホーム・介護施設選びで重視するポイントを掲載
・お客様の声など利用者側の意見を掲載する
・情報を詰め込みすぎないように注意する
・施設見学申し込みや電話などの導線を分かりやすく入れる
・デジタルマーケティングでの活用を見据えて作る
・コンテンツマーケティングのできる制作会社に依頼する

それぞれ、順にくわしく見ていきましょう。

◉-1、老人ホーム・介護施設選びで重視するポイントを掲載

2023年に「LIFULL介護」が実施した「介護施設入居に関する実態調査 2023年度」によれば、「施設を検討する際に金額と立地以外で重視したもの」として、上位にあがっていたのは次の項目でした。

順位重視したポイント
1入居者、スタッフの雰囲気
2医療サービス体制
3空室状況
4提供しているサービス内容
5スタッフの質
6室内の清潔さ
7面会方法や、家族へのサポート
8安全対策と緊急時の対応
9食事の内容・質
10終身入居が可能か
11口コミ・評判
12施設種別
13居室の景観・日当たり
14提供レクリエーションの種類

老人ホームや介護施設のパンフレットの中で、これらの項目が説明されていれば、施設選びの際の重要な情報になるはずです。

特に「月額の利用料」「立地・周辺の環境」は必須情報だと言えますが、むしろそれ以外で重視したものとしてトップにあがっていた「入居者、スタッフの雰囲気」については必ず入れておくべき情報と言えます。

「月額の利用料」は、老人ホームや介護施設のグレードだけではなく、付帯サービスの種類などによっても変わってきますので、ケース分けするなどして分かりやすく記載するようにしましょう。

「立地・周辺の環境」については、老人ホームや介護施設へのアクセス方法、公共交通機関の最寄り駅、近隣の主要な施設などの説明を入れるなどが適切です。

人によって、街中の利便性の良いところを好む人もいれば、交通は多少不便でも自然に恵まれたところを好む人もいますので、周辺環境も重要な情報です。

「入居者、スタッフの雰囲気」については、和やかで和気あいあいとした雰囲気が伝わるような写真を所々に入れたり、入居者の声のように第三者の視点を入れるなどで「安心して預けられて、本人が楽しく過ごせそうな雰囲気」を伝えられるように工夫しましょう。

また、このアンケート結果での順位は低かったのですが、「スタッフの質」「食事の質・内容」も重視すべきポイントです。

「スタッフの質」については、見学時などに直接会って話をしたり、介護の様子などを実際に見たりしないと判断はできませんが、パンフレットの中には「スタッフの声」や「スタッフインタビュー」などの形で入れるのがおすすめです。

「食事の質・内容」についても、見学時などに試食したりしないと実際のところは分かりませんが、パンフレットには厨房や食堂・実際のメニューの写真などを入れて紹介するなど工夫しましょう。

◉-1-1、頻繁に更新する項目は別紙で紹介する(コスト削減)

パンフレットは紙でできた印刷物なので、一度出来てしまうとWebのように簡単に修正することができません。

頻繁に更新する可能性のある項目は、パンフレットからは省いてWebで公開したり、別紙に印刷したものをパンフレットに挟んだりする方法がおすすめです。

一部の項目の情報更新のためにパンフレット全体を印刷し直すようなことになると、無駄なコストが発生してしまいます。

そうならないように構成を考えるなど、先を見据えて情報を整理していくことが大切です。

◉-2、お客様の声など利用者側の意見を掲載する

老人ホームや介護施設側の目線だけではなく、第三者目線の意見や情報を掲載した方が、選ぶ側から見て分かりやすいパンフレットになります。

手間がかかりますが、たとえば、お客様の声や入居者の親族アンケート、利用者アンケートなどを載せることを検討してみましょう。

◉-3、情報を詰め込みすぎないように注意する

せっかくパンフレットを作るのだからと考えると、どうしても情報を詰め込みたくなってしまいがちです。

しかし、詰め込みすぎたパンフレットは読みにくいため敬遠されやすくなります。

老人ホームや介護施設の入居候補者や家族が比較検討する上で重要な項目だけに絞り込んで、それらをいかにパッと見て分かりやすく伝えられるかを考えることが重要です。

また、文章だけが並んだパンフレットは読む気が起きなくなってしまいますので、写真や図表を配置して読む気にさせる工夫も必要です。

◉-4、施設見学申し込みや電話などの導線を分かりやすく入れる

老人ホームや介護施設への入居をパンフレットだけ見て決めることはほとんどなく、パンフレットを見て問い合わせをしたり、実際に施設を見学してから入居となるケースが多いです。

そのため、問い合わせの電話番号やメールアドレスを記載して、パンフレットを見た人がすぐに分かるようにしておく必要があります。

また、施設の見学申し込みができることも明記しておきましょう。

可能であればQRコードなどを記載して、専用のカレンダーやフォームで申し込みができるような仕掛けを入れ込んで、次のアクションを起こしやすいようにしておくことが重要です。

◉-5、デジタルマーケティングでの活用を見据えて作る

老人ホームや介護施設の紙媒体のパンフレットを制作する際には、WebサイトでPDF化して配布することも考えて構成や配色、デザインなどを検討する必要があります。

WebサイトだけではなくSNSなどへも投稿してデジタルマーケティングへの活用も考えられます。

入居候補者本人は高齢者なのでデジタルにはあまり縁のない世代と言えますが、その子ども世代や親族はデジタルに慣れ親しんでいることが考えられるので、それらと連携した情報発信も必要です。

アナログとデジタルの組み合わせによって、より多くのターゲットに配布することが可能になります。

▶︎パンフレットのようなアナログマーケティングとデジタルマーケティングをどのように連携させていくのかについては、関連記事【デジタル全盛期だからこそ重要なアナログマーケティング戦略】もあわせて参考にしてください。

◉-6、コンテンツマーケティングのできる制作会社に依頼する

パンフレットを制作して資料請求が来たら送付する、紹介会社や病院などに送って配布してもらうというような従来の活用方法だけではなく、老人ホームや介護施設側から積極的にマーケティング活用することによって、さらなる集客につながります。

パンフレットを制作するのであれば、制作だけではなく、そういったマーケティング施策にも精通しているコンテンツマーケティングの会社に依頼するのがおすすめです。

◉ただ配るだけではダメ!デジタルと連携して有効活用しよう

自社広告など集客は行っていたとしても、老人ホームや介護施設を運営している会社の多くは、集客を紹介会社や、病院・居宅介護施設事業所・包括支援センターなどに頼っていることが多いという実情があります。

自社でもより集客できるように、アナログな紙媒体のパンフレットをデジタルマーケティング手法などと連携してターゲットにしっかりと届けられる工夫をすることが重要です。

アナログとデジタルを組み合わせた有効活用方法としては、次のようなものがあります。

・PDF化してWeb上でもターゲットに配布する
・パンフレットの一部をHPやSNSでコンテンツとして活用する
・紹介が生まれやすい場所をセグメントして配布する
・エリアでセグメンテーションして気軽に配りやすいDMやチラシも併用する

それぞれについて、くわしく見ていきましょう。

◉-1、PDF化してWeb上でもターゲットに配布する

パンフレットは紙媒体だけではなく、PDF化してWeb上でターゲットに配布することも考えましょう。

たとえば、公式HPから資料請求すると、PDF資料としてダウンロードできるようにしておくなどです。

メールアドレスなどを入れると資料が自動でメールで送られてくる、という仕組みにしていると資料配布と同時にリストが手に入るのでおすすめです。

◉-2、パンフレットの一部をHPやSNSでコンテンツとして活用する

パンフレットの一部を公式HPやSNSでコンテンツとして活用することも考えられます。

パンフレットの写真や文章をキャプチャ画像としてWeb記事に使ってSEO対策をしたりSNSに投稿したりして、二次利用によって情報を拡散していくことも重要です。

◉-3、紹介が生まれやすい場所をセグメントして配布する

パンフレットの配布場所や配布方法についてもきちんと検討しておく必要があります。

一口で老人ホームや介護施設と言っても、高級な施設から一般の方が利用できるリーズナブルな施設までいろいろなところがあります。

また、付帯サービスの種類も様々です。

そのため自社の老人ホームや介護施設を紹介してくれる可能性のある紹介会社や病院などの医療施設、場所をきちんとリサーチしてセグメンテーションし、パンフレットを配布してもらうようにする必要があります。

また、ネット上の老人ホーム・介護施設探しのサイトに資料請求が来ることもあるので、入居先を探している人の手に確実に渡るように手配しておきましょう。

◉-4、エリアでセグメンテーションして気軽に配りやすいDMやチラシも併用する

パンフレットは1冊当たりの費用が高めなので、配布の前段階としてDMやチラシを配布するなども検討しましょう。

入居候補者がいるかどうかも分からないところにパンフレットを配ると、かなりの出費になります。

そこで、まずは安価なDMやチラシをポスティングして、資料請求が多い地域や、マンションなどをセグメンテーションしてパンフレットを送付するようにすれば、コストを抑えながら集客効果を効率的に上げることができます。

同じ紙媒体であっても、コストの安いものから活用していくことも検討してみましょう。

◉【まとめ】集客につながるパンフレットを制作しよう!

本記事では、集客や入居につながる老人ホームや介護施設のパンフレットを制作するためのコツや活用方法について、くわしく解説しました。

パンフレットは入居施設を決める上で、入居希望者が必ず見る重要な媒体です。

入居者が安心して両親や祖父母、親族などを預けられるような安心感や、比較検討に必要な情報を分かりやすく掲載し、選ぶ決め手となるようなパンフレット制作を心がけましょう。

また、せっかくパンフレットを制作するのですから、デジタルマーケティング施策などとも連携し、自社でも集客がしっかりできるような活用方法を検討することが重要です。

もし、集客につながるパンフレット制作をご希望であれば、デジタルマーケティング施策とアナログマーケティング施策、どちらにも精通するフォーウェイまでご相談ください。

パンフレット