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2024.02.28

Branding, Marketing

ストーリーブランディングとは?企業の物語を伝えてファンを作る方法

企業ブランディングの方法としてストーリーブランディングが注目を集めています。

売れ続ける企業には理由があり、共通点は発信しているストーリーに消費者が心を動かされていることです。

本記事では、ストーリーブランディングの価値やメリット、具体的な方法を解説します。

目次【本記事の内容】

ストーリーブランディングとは

ストーリーブランディングとは、企業や製品・サービスのブランドイメージを確立するために、ストーリーを活用するブランディング手法の一つです。

心理学では「人は感情が揺さぶられたときのことを深く記憶する」と言われています。

そのため、単に企業の成り立ちや、製品の開発エピソード、発売・リリースまでの道のりを解説するよりも、ストーリーにのせて伝えた方が、自社や製品・サービスの印象が強く残りやすくなるのです。

たとえば、経営者が自伝や伝記を出版しファンを増やしたり、ブランドムービーを作ったり、CMを物語調にしたりするのはストーリーブランディングの手法の一つです。

また、ストーリーブランディングは、結果として競合他社との差別化にもつながります。

たとえば、競合他社よりも製品・サービスの質や価格が劣っていたとしても、ストーリーで顧客の感情に強く訴えかけることができれば、「この製品・サービスを買いたい」と思ってもらえます。

このように、ストーリーブランディングは、単なるブランディング手法としてだけではなく、競合他社との性能・価格競争を脱却し、強固な差別化を図るための手法としても注目されているのです。

ブランディングのもたらす価値を知る

ブランディングがもたらす価値の種類は、主に次の4つです。

  • ・機能的便益
  • ・情緒的便益
  • ・自己表現便益
  • ・社会的便益

それぞれどのような価値なのかを詳しく見ていきましょう。

その1:機能的便益

機能的便益とは、商品やサービスの基本的な便益のことです。簡単に言えば、「商品やサービスそのものの良さ」という意味です。

機能的便益が低いと、商品やサービスを利用したユーザーから低い評価しか得られなくなります。そのため、企業がブランディングにより真っ先に取り組むべきものは機能的便益の向上と言えるでしょう。

たとえば、スポーツシューズの場合であれば「履き心地が良い」や「走ったときの衝撃が小さい」という機能的便益があります。

「このメーカーのスポーツシューズは履き心地が良い」「このメーカーのスポーツシューズは走ったときの衝撃が小さい」のように、ブランディングにより、自社製品・サービスの機能的便益が向上すれば、売上に繋がります。

しかし、現代ではさまざまな特徴を持った製品サービスが市場に溢れているので、機能的便益だけで他社との差別化を図るのは難しいのが実情です。

その2:情緒的便益

情緒的便益とは、特定のブランドの商品を購入する時に覚える感情のことです。

顧客が商品やサービスを選択する際には、機能的便益だけでなく、情緒的便益も重要な要素です。

たとえば、パソコンを購入する際に、機能面や価格の安さで劣っていたとしても「スタイリッシュでかっこいい」「これを持っていると気持ちが高揚する」というように、情緒面でApple社のMacBookシリーズを選ぶ人は多いのではないでしょうか。

このような情緒的便益は、企業やブランドの歴史、独自の世界観などのブランドストーリーによって作り上げられます。

競合他社の商品やサービスとの価格・性能競争にならず、差別化を図るために有効なのが、この情緒的便益です。

その3:自己表現便益

自己表現便益とは、特定のブランドの製品やサービスを身に着けたり、利用したりすることによって顧客が自己表現をできる便益のことです。

たとえば、高級ブランド品を持っていることによって「お金持ちになった気分になれる」「自信が持てるようになる」というような気持ちになれるのが、自己表現便益になります。

自社の製品・サービスが顧客に自己表現便益を提供できるようになると、ブランドと顧客との関係が強固になり、結果としてリピートやLTV(ライフタイムバリュー)の向上につながります。

その4:社会的便益

社会的便益とは、特定ブランドの製品やサービスが顧客をある社会的集団やコミュニティに所属させる便益のことです。

さらに、その商品やサービスを所有していることにより感じる「集団の一員である」という所属感や、それに伴う喜びや満足感も社会的便益にあたります。

たとえば、あるブランドのファッションを着ていることによって「おしゃれな人」に属していると感じる場合は、そのブランドは社会的便益を持っていることになります。

ストーリーブランディングのメリット

ストーリーブランディングを実施するメリットは、主に次の3つがあります。

  • ・シーンが伝わりやすい
  • ・共感を得られやすい
  • ・ファン獲得に繋がりやすい

それぞれどのようなメリットなのかを具体的に見ていきましょう。

シーンが伝わりやすい

創業時の苦労、製品・サービスの開発プロセスが、映画のワンシーンのように顧客に伝わりやすくできることは、ストーリーブランディングならではのメリットです。

たとえば、製品・サービスを利用している最中に、開発プロセスや開発者の想いなどが映画のワンシーンのように脳裏に浮かび、感慨深い気持ちになったり、「頑張るぞ」と気持ちが高揚してきたりした経験がある方も多いのではないでしょうか。

ただ利用することとは違った感情が顧客に芽生えるため、製品・サービスに特別な感情を抱くようになります。結果として顧客に「この製品・サービスでないとダメだ」と思ってもらいやすくなり、リピート購入などにつながりやすくなります。

共感を得られやすい

ストーリーブランディングは顧客の共感が得られやすいというメリットもあります。

たとえば、次の2つの製品の紹介文を比べてみてください。

・その1:子育てと仕事の両立に悩むシングルマザーのためのサプリメントです。
・その2:このサプリメントは、「子育てと仕事の両立に悩むシングルマザーの悩みを解決したい」という開発担当の女性社員の想いから生まれました。またその想いに共感した3人のシングルマザーの社員が立ち上がり、プロジェクトチームが発足。300以上の試作品を作り、成分1gまで細かく調整。5年かかってようやく完成したサプリメントです。

簡単ではありますが、その2の紹介文の方が開発プロセスや開発者のバックグラウンドも見え、ただのサプリメントとは違う感情が湧き出てきませんか?

このように、ストーリーは顧客の感情に訴えかけるため、機能性をアピールするブランディング手法よりも顧客の共感を得やすく、拡散性が高いという特徴があります。

ファン獲得に繋がりやすい

ファンの獲得につながりやすいということもストーリーブランディングのメリットと言えるでしょう。

顧客がストーリーに共感するとブランドそのものに魅力を感じるようになり、ファン化してブランドから離れづらくなります。

ファンが獲得できると、LTV(ライフタイムバリュー)が上がったり、リピート購入につながったり、製品・サービスの性能や価格によらず、売れ続ける状況が生まれやすくなります。

企業がストーリーブランディングを始めるべき理由

商品やサービスの機能などでは競合他社との差別化が難しくなってきている時代。

そのため、今後は、機能的便益以外の要因によって差別化を図る必要があります。

機能的便益以外で競合他社との差別化を図るために有効な方法として注目されているのが、ストーリーブランディングです。

具体的に、なぜ今企業がストーリーブランディングを始めるべきなのか、その理由は次の3つです。

  • ・容易に商品・サービスが購入できる環境
  • ・ものや情報が溢れている環境
  • ・SNSの普及による情報キャッチの速さ及び拡散性

それぞれ3つの観点について解説していきます。

容易に商品・サービスが購入できる環境

今は、いつでも好きなときにネットショッピングを利用して、製品・サービスが購入できる時代です。

もっと極端に言えば、どのメーカーの製品・サービスを買っても基本的に必要な機能はあらかた備わっています。また、ネットで購入した商品は翌日か翌々日には届きます。

今や機能や品質、納期などで差別化することに限界が来ている時代なのです。その突破口の一つとして、ストーリーブランディングが重要になってきます。

ものや情報が溢れている環境

インターネットでも店舗でも、今現在、市場にはモノが溢れています。

むしろ、「製品・サービスを購入したくても選択肢が多すぎて選べない」という悩みを抱える人の方が多いのではないでしょうか。

このように、物質的に満たされた環境だからこそ、顧客はモノの豊かさよりも心の豊かさを重視する傾向にあります。

また、それに伴い、顧客は自分のライフスタイルや価値観に合った製品・サービスを選択する傾向が増えてきています。

だからこそ、顧客の感情に訴えかけるストーリーブランディングが有効な時代とも言えるのです。

SNSの普及による情報キャッチの速さ及び拡散性

今は、FacebookやX(旧Twitter)、Instagramなど、SNSの普及によって情報の伝達や更新、拡散のスピードが早い時代です。

また、各SNSの「いいね」や「リツイート」「リポスト」などの機能より、共感の意思表示や、情報の拡散も容易です。

そのため、SNSのユーザーが共感しやすいストーリーブランディングの方が、従来のマーケティング手法よりも、より多くの見込み顧客にアプローチでき、認知してもらえる可能性が高くなります。

実際に、SNSを利用したストーリーブランディングを展開する企業も増えており、インフルエンサーが消費者目線で企業のストーリーを投稿したり拡散したりする活用法も増えてきています。

このように、今の時代に、競合他社との差別化を図るためには、SNSの活用も必要不可欠です。

▶️ストーリーブランディングを含む、他社との差別化戦略成功の秘訣については、関連記事【差別化戦略の成功の秘訣ーメリットとデメリット、成功事例の解説】をあわせて参考にしてください。

ストーリーブランディングの3パターン

実際にストーリーブランディングを行おうと思ったら、次の3つのパターンを押さえておくと良いでしょう。

3つのパターンを一つひとつ紹介します。

パターン①:エピソードストーリー

エピソードストーリーとは、一つひとつの細かいエピソードのことです。

簡単に言えば、創業や製品・サービス開発のこぼれ話、と呼ばれるような小さなエピソードのことです。

たとえば、『沈黙のWebマーケティング』という書籍で有名なSEO会社である株式会社ウェブライダーは、自社運営の文章作成アドバイスツール『文賢』のバージョンアップに伴うHP改善MTGをYouTubeでライブ配信しています。

一見、「自社MTGを配信するなんて、誰のため、何のためのYouTubeライブなのか」と思われるかと思いますが、これはれっきとしたストーリーブランディングの施策です。

なぜなら、このYouTube配信を通して、製品開発にどのような人がどういう温度感で関わっているのかが伝わるからです。「誠実に真剣に仕事をしている会社」「ちゃんと色々とやってくれる会社」というイメージを顧客に理解してもらう上で有効なエピソードと言えるでしょう。

また、その他にも次のようなちょっとした社内でのエピソードが、そのままストーリーブランディングとして使える可能性があります。

  • ・ぶっちゃけた話
  • ・失敗した話
  • ・他社と比べて劣る点の話
  • ・コミットした話
  • ・社内で感情と感情がぶつかり合った話
  • ・苦労した話
  • ・開発の裏側

一つひとつのエピソードは小さくても、順にストーリーとして伝えていくことによって、全体としてまとまったイメージを顧客に持ってもらうことができます。

たとえば、「開発責任者がミーティングに遅刻して社長に怒られた話」など、一見すると「使えないだろう」と思われるようなエピソードも、使いようによってストーリーブランディングに有効な可能性があるのです。

パターン②:ブランド化ストーリー

ブランド化ストーリーとは、自社や商品・サービスが認知されてブランド化されるまでのストーリーのことです。

創業ストーリー、製品・開発ストーリーなどがこれにあたります。

ブランド化ストーリーを作る上で重要なのが、ナンバーワンではなくオンリーワンになることです。

自社が勝てる強みを見つけ、その軸で創業ストーリーや製品・開発ストーリーを語っていくことが何より重要になります。また、ここでいう強みとは、製品・サービスの品質や性能の高さ、安さなどではなく、「自社らしさ」のことです。

たとえば、チームプレーを大切にしている企業であれば、社員同士で衝突したり、助け合ったりしたエピソードなどをメインに語ることで、「チームプレーを大切にしている会社」というイメージが伝わりやすくなります。

製品・サービスをメインに紹介しがちですが、ブランド化ストーリーの場合は、むしろ製品・サービスよりも、「自社らしさ」にフォーカスした方が、良い結果につながりやすいと言えるのです。

パターン③:ビジョンストーリー

ビジョンとは「まだ実現はしていないが将来こうありたい」という想いのことです。

将来の見通しや長期的な目標という言い方もできるでしょう。

ビジョンストーリーは、顧客に対してだけではなく自社の社員に対しても働きかける効果があり、モチベーションを高めたり組織の活性化を図ったりする効果が期待できます。

あくまで1つの参考例ではありますが、「人を成長させる会社」というビジョンを顧客や自社の社員に印象づけたければ、「一人の失敗が多い社員が仕事を通して成長していく様を追ったドキュメンタリー風のストーリーにする」などがストーリーとして有効でしょう。

「会社のビジョンを安直に表現しなければ伝わらないのでは?」と思ってしまう人もいらっしゃるかと思いますが、違います。それがストーリーブランディングの難しいところです。

言いたいビジョンをそのまま安直に伝えるのではなく、人の成長や、気持ちの変化などを通して暗にビジョンを伝えるから、伝わるのがストーリーブランディングです。

たとえば、今はもう公開終了していますが、アニメーション映画監督の新海誠さんが手がけた大成建設のCMを見たことはあるでしょうか。

色々な社員が抱える悩みや葛藤を乗り越えて、「それでも自分の仕事はきっと人々の役に立つから」と仕事に邁進していく姿を30秒ほどのアニメーションで描いています。

このCM内では、大成建設のビジョンなどはほとんど語られていませんが、同社が伝えたい「地図に残る仕事」というビジョンを強烈に印象づけられます。

「直接ではなく、暗につたえる」ということがビジョンストーリーを作る上でのポイントと言えるでしょう。

ストーリーブランディングの具体的な方法

ストーリーブランディングによってブランドイメージを確立するにはいくつかの方法がありますが、特に有効なものが、「SNS活用」と「ブックマーケティング」です。

実際に、これら2つがどのような方法なのかを解説します。

ストーリーブランディングでのSNS活用方法

顧客の多くがSNSを情報収集やコミュニケーションツールとして利用している時代。ストーリーブランディングにおいても、SNSを積極的に活用していきましょう。

ストーリーブランディングでのSNS活用で最も重要なのは、「企業側が一方的に発信したい情報だけを発信しても意味がない」と言う点です。

たとえば、毎回投稿が「新サービスをリリース」「新しいサービスを開始」「セミナーを開催」などの告知ばかりでも、顧客には全く響きません。

SNS上で顧客が見るのは、興味関心のあることだけです。企業が発信したいこと、宣伝目的の発信などには反応されません。

ストーリーブランディングをSNS上でうまく行うためには、顧客が共感するようなことを投稿していく必要があります。

たとえば、「商品開発の裏側」など前述のエピソードストーリーでお伝えしたような、細かくキャッチーなエピソードは、SNS上の顧客の心に響く可能性があります。

たとえば、2020年ごろにX(旧Twitter)上でされた「冷凍餃子を夕食に出したら夫に手抜きだと言われた」という投稿に対して、味の素は「それは手抜きではなく、手”間”抜き」ですよ。大変な手間をお母さんの代わりに丁寧に準備しております〜(以下省略)」といった想いの丈を投稿。

このハートフルな味の素の投稿は話題となり、多くの共感が集まりました。また、このタイミングで味の素は冷凍餃子の製造工程を公開。

ただ「弊社の冷凍餃子の特徴は〜」と安直に語るのではなく、1人の女性に救いの手を差し伸べる自然な形で自社のブランディングを高めることに成功しています。

このように、一方的な情報発信の場ではなく、顧客とのコミュニケーションの場として、投稿を作成していくことが、後々結果につながっていく、というのがストーリーブランディングのSNS活用の鉄則と言えるでしょう。

ストーリーブランディングとしてのブックマーケティング

ブックマーケティングは、書籍をマーケティングに活用する手法のことです。

企業が自社や商品・サービスなどについてまとめた書籍を出版して認知度向上や購買意欲向上などに役立てていきます。

ブックマーケティングは、一般的に企業の強みや独自技術、企業としての取り組みなどをストーリーとしてまとめますが、ストーリーブランディングに活用する場合は、顧客の感情に訴えるような内容にする必要があります。

そして、ブランディングのためのストーリーの見つけ方として、「絞り込む」「見せ方を変える」「宣伝してしまう」という3つのアプローチ方法があるので、これらをうまく組み合わせて行っていきましょう。

「絞り込む」とは、商品やサービスの分野や、ターゲットを絞り込むことです。自社の強みとなる専門性や魅力などが見つかればブランド化につながります。

たとえば、「不動産投資による節税対策」という本を書いたとしても、ターゲットとなる対象が広すぎて手にとってもらえない可能性があります。

しかし、「医師のための不動産投資による節税対策」のように、高額所得者であり高額納税者でもある医師にターゲットを絞ることで、医師に手にとってもらいやすくなります。

実際に、この書籍を出版した不動産会社には医師からの問い合わせがあり、約2ヶ月で約6億円の売上がありました。

出版から約2ヶ月で、医師からの問い合わせがあり、約6億円の売上があがった書籍はこちらです。

このように、「絞り込む」ことで特定の対象に刺さりやすくなります。

「見せ方を変える」は、自社の商品やサービスに新しい何らかの付加価値を付けて、顧客に新しい何かを見せることです。今までにない新しい共感を顧客から得るきっかけにつながります。

たとえば、とある保険代理店は、一般的な少人数のスーパー営業マンに頼る経営から、アベレージヒッターを育てていく再現性のある経営への切り替えを提唱し、書籍で紹介。結果的に、保険業界の関係者からの共感を呼び、多くのセミナーや講演会に招かれたり、紹介者が増えて保険契約数の向上につながっています。

このように、「保険代理店だから保険を提案する」という見せ方から、「保険代理店の常識を変える」という見せ方に変えたことによって、ブランディングに成功し、結果として成果につなげることができたのです。

実際に、出版した書籍がこちらです。

「宣伝してしまう」は、とりあえず宣伝してしまうことによって、それが一人歩きしてブランド化につながるというものです。

たとえば、次の書籍の方は、「年商一億円のフリーランス」という名目で宣伝してしまうことで、フリーランス業界の成功者のようなブランディングを作り上げています(書籍はこちら)。

嘘はいけませんが、実際にこのように自身の成果や結果を肩書きとして語ることで、ブランディングにつながる可能性は十分にあります。

この「絞り込む」「見せ方を変える」「宣伝してしまう」という3つのアプローチ方法を、お互いにリンクさせることで、ブックマーケティングをストーリーブランディングに最大限活用することが可能になります。もし、自分でこれらのアプローチ方法が難しいと言う場合には、弊社のような外部業者に入ってもらうなどを検討してみてください。

自社の事業や商品・サービス、ターゲットに対する固定概念を持たない人が加わることによって、新しいブランド化のストーリーが生まれる可能性があります。

ストーリーブランディングとブックマーケティングの相乗効果

ストーリーブランディングを行う上で、ブックマーケティングは前述した通り相性がよい手法と言えます。また、Webでは得られない、書籍ならではの信頼性やPR効果、一貫性などの相乗効果も十分に見込める方法です。

ブランディングと書籍販促の一貫性とPR効果

そもそも、コンセプト設計やジャンルの絞り込み、ターゲットの設定、など、企業がブランディングするために必要な工程をひと通り行ってからでなければ、書籍を作ることはできません。

また、書籍の販売促進のための企画も、企業の専門性や特徴などをまとめ、市場でのポジショニングを明確にした上で行います。

なぜなら、ブックマーケティングは、企画コンセプトの制作段階から発売後の販促プロモーションまでの全体に一貫性を持たせなければ成功しないからです。

これはストーリーブランディングの戦略立案にも通じるところがあります。

このように、ブックマーケティングはストーリーブランディングを行わないとできないマーケティング手法であるため、全てのマーケティング施策の中で最も相性が良い方法と言えるのです。

また、書籍は人に文章を読んでもらいやすい媒体です。Web広告や記事のように「読まれない前提」の媒体ではありません。ターゲットに長い文章を読んでもらいやすいため、Web以上に書籍を通しての関係値構築や顧客教育が一冊でできてしまいます。

つまり、ストーリーなどを通じてファン化していくストーリーブランディングの長期的なプロセスを、書籍の場合は一冊でできてしまう可能性を秘めている媒体、と言うことができます。

ストーリーブランディング×出版の成功事例

実際に、ストーリーブランディングを書籍を活用して行い成功した事例はたくさんあります。

たとえば、ウエディング事業を営む老舗企業では、働くウエディングプランナーに取材を行い、思い出に残っている結婚式のエピソードを「感動的な21のストーリー」としてまとめ書籍を出版。

書籍の中には、父親の病床で結婚式を挙げた話や再婚者同士の子連れの結婚式の話、サプライズ結婚式の話など、小説以上にドラマティックなエピソードが紹介されています。

これらのエピソードが、多くの人の共感や感動を呼び、結果的にブランディングに成功しました。

書籍でなくWebなどであれば、きっとこの21のエピソードは読まれずに終わったかもしれません。書籍だからこそエピソードをしっかりと読んでもらえ、結果的にストーリーブランディングに成功した典型的な事例と言えるでしょう。

まとめ

この記事では、企業ブランディングの一つの方法としてストーリーブランディングについて解説しました。

ストーリーブランディングは、自社や製品・サービス、社員などに関わるストーリーを対象者に読ませ、共感や感動させなければ成功しません。

そのため、ターゲットに長文を読んでもらえる可能性が高い書籍や、それを活用するブックマーケティングこそ、最も相性の良い手法だといえます。

しかも、ブックマーケティングは、ただ書籍を出版するだけではなく、コンセプトを決めたり、ターゲットやジャンルを絞り込んだり、SNSやSEO、クラウドファンディング、セミナーを活用したり、ストーリーブランディングに必要なありとあらゆる手法を網羅しています。

つまり、ブックマーケティングを行えば、同時にストーリーブランディングもできてしまうということです。

これからストーリーブランディングへの取り組みを考えている方は、ぜひブックマーケティングを手法の1つとして検討してみてはいかがでしょうか。

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参考:フォーウェイのブランディングサービスについてはこちらから参考:フォーウェイのブランディングサービスについてはこちらから

執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)

慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。

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