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2023.09.29

Branding, Marketing

【周年担当者必読】周年記念の意味と手段、具体的な事例とは

10周年、50周年、100周年……企業が存続するうえで一つの節目となる周年記念

このような周年記念にはどのようなイベントや施策を実行すべきでしょうか。

本記事では、周年の意味や方法、さらに出版を活用した周年記念の手法、成功事例などを解説します。

目次【本記事の内容】

周年とは

周年とは、企業が創業や設立のタイミングを記念して、10周年や50周年といった節目でお祝いやイベントを実施することです。

企業の創業50周年記念といった事業立ち上げからの節目を祝うこともあれば、ブランドの立ち上げ10周年などを祝うケースもあります。

会社のほか、店舗や病院施設、福祉施設、学校など、業種・業態に関わらず、節目を祝うイベントとして催されます。

このような節目のタイミングで、周年を祝う社内外の関係者を招くイベントや記念品の制作などを行うのが通例です。

周年の意味とは

周年記念を祝う意味は、お世話になっている従業員や取引先などに感謝の気持ちを表すことや、自社のプロモーションの役割もあります。

社員の家族をイベントに招いて労うこともあれば、会社を定年退職した元役員や社員を招待することもあるでしょう。

ただ、周年記念は単なる社内向けの祝い事ではなく、取引先との関係性を保つうえで重要な事業戦略の一つでもあります。

周年という節目をきっかけとして、社内外に向けて自社への愛着を高めてもらったり、プロモーションを行ったりするのが目的として考えられます。

企業における周年の意義

企業における周年の意義は、前述したように従業員や取引先との関係性を深めることがあります。

自社の企業理念やこれまで歩んできた歴史を振り返ることで、今後の目標や会社としての方向性を、周りと認識合わせしていくことが重要です。

周年記念のイベントを実施することで、社員同士の交流が深まり、一体感やモチベーション向上につながることが期待できるでしょう。

取引先に対しては、自社をより深く知ってもらい、今後も良好な付き合いを継続していくために、限定商品やキャンペーンの実施など周年ならではの催しを実施するのが効果的です。

周年記念の方法

次に、周年記念の方法をご紹介しましょう。ひと言「周年」といっても様々なやり方があるのです。

周年記念のイベント開催

周年記念の方法として代表的なものはイベントの開催でしょう。

従業員やその家族、取引先など、感謝の意を表明した自社に関係する多くの人たちを招くパーティーが節目で開催されます。

このような周年記念の式典やパーティーは、普段過ごしている会社とは異なる空間で実施することが多いです。

たとえば、ホテルなどの豪華な空間を貸し切って開催するなどが考えられます。

自社の周年記念式典およびパーティーの模様を動画に撮影して、後日DVDとして配布したり、広報の一環でプレスリリースを配信したりする方法も良いでしょう。

周年割引や特典の提供

周年をきっかけにした、ユーザーに向けた割引や特典の提供も一つの手段です。

周年記念限定の割引クーポンを発行して、ユーザーにはSNSなどで拡散してもらえる効果が期待できます。「周年」というキーワードを皮切りに話題性を醸成することで、多くのユーザーと新規でつながるきっかけとなり得ます。

周年記念で、来店記念特典としてノベルティを配布する方法も考えられます。ノベルティは、Tシャツやマグカップ、ボールペンなど実用的なアイテムにするのがおすすめです。

周年限定商品の販売

周年記念で限定商品を制作して販売するのもよくある方法の一つです。

商品販売を主たる事業とする会社であれば、限定商品をWEBサイトや広告などで打ち出し、消費者にインパクトを与えることができるでしょう。抱き合わせて購入者プレゼントなどを用意するのもおすすめです。

また、レストランといった飲食事業であれば、周年記念の限定メニューを提供するのも一案です。普段は提供されない特別メニューだからこそ、特にリピーターには希少性から来店のきっかけとしてもらえるでしょう。

感謝を込めたメッセージの発信

周年記念は、様々な人たちに感謝の気持ちを表明する貴重な機会です。

そこで、日頃の感謝をメッセージカードなどに込めて、社員や取引先の人たちに贈ってみましょう。

周年ならではの貴重なギフトや記念品を用意するのもおすすめです。

オリジナルコンテンツの企画と制作

周年にちなんだオリジナルコンテンツの企画と制作はアイデア力が試されます。

たとえば、会社の商品と人気キャラクターのコラボレーションとして、周年記念の企画でオリジナル商品を制作して限定販売する手も考えられます。

会社の100周年といった大きな節目を記念したWEBサイトを制作したり、周年記念出版をしたり、周年記念のオリジナルソングを制作したりと、アイデアは無限大です。

5年や10年単位でしか訪れない貴重な機会ですので、対外的なプロモーションにつながるようなコンテンツを作ってみると良いでしょう。

周年記念の出版とは

周年記念の一環としてよく取り組まれるのが周年記念の出版ならびに社史制作です。

10周年、50周年、100周年など、節目の年を機に周年史の制作を決断する企業は少なくありません。

出版を活用した周年記念のメリット

周年記念出版のメリットとしては主に次の4つが考えられます。

  • ・社員に対するモチベーションアップ、ロイヤリティ向上
  • ・取引先、パートナー企業への自社理解の促進
  • ・求職者に対して自社の理念やメッセージの訴求
  • ・潜在顧客に対して競合他社との違いを訴求し差別化を実現

このように社内外に向けたプロモーションやブランディングのために周年出版をすることは、あらゆるメリットをもたらしてくれるのです。

出版物を通じたPR効果

周年記念の出版を通じたPR効果について解説しましょう。

周年史は、社内向けに配布するインナーツールと、社内外どちらにも訴求が可能になる流通書籍のタイプがあります。

この流通書籍として周年史を制作すると、一般の書店へ流通・配本されるため、一般読者への認知促進の効果が期待できます。

なかでもリクルーティングの効果は絶大です。一般市場に流通した書籍を出版している企業という箔がつくことで、求職者にとっては親御さんへの説得材料になります。

たとえば、競合他社に大手がひしめく業界で、書籍を手に取ったことをきっかけに親御さんから子どもに対して、「この企業を受けなさい」と中堅の企業を推薦した事例もあるほどです。

もちろん商品PRとしても効果的です。詳細は後ほどの事例紹介で解説しますが、会社の歴史を紐解く周年史を作ろうとして、結果的に自社製品にスポットを当てた出版をしたことで、全国各地の企業から「商品を仕入れたい」という声が殺到しました。

それだけでなく、出版をきっかけにテレビのディレクターの目にとまり、全国放送のバラエティ番組に著者の出演が決定。全国の視聴者に向けて自社製品のPRをすることができました。

このように周年をきっかけに、市場に流通する書籍を制作することで、商品販促やリクルーティングと様々なPR効果が期待できるのが周年記念出版です。

周年記念出版の具体的な手法

周年記念出版の具体的な手法としては、「企業出版」が挙げられます。

企業出版とは、企業が自社の情報や専門知識を書籍の形式で出版することです。出版社によってカスタム出版とも呼ばれます。

この企業出版の方法としては、いくつかの大手出版社がサービスとして提供しています。主な出版社としては次のとおりです。

  • ・幻冬舎メディアコンサルティング
  • ・ダイヤモンド社
  • ・日経BP社
  • ・東洋経済新報社
  • ・クロスメディア・マーケティング

いずれも企業のブランディングのための出版を支援する会社として実績は十分です。ただし、大手出版社となればかかるコストは安くはありません。

ちなみに、当社のグループ出版社であるパノラボも企業出版サービスを提供しているので、企業出版や周年史出版に関心のある人は一度お問い合わせください(パノラボサービスサイトはこちら)。

▼企業出版については、「企業出版の教科書|メリットから費用、成功のポイントまでまとめて解説」でも解説しているので、こちらも合わせてお読みください。

出版を通じたブランドイメージの向上

出版を行うと、企業のブランドイメージが向上する効果も期待できます。

では、なぜ出版がブランドイメージの向上に寄与するのでしょうか。

まず、ブランディングとは、顧客に一貫したイメージを持ってもらうことにあります。書籍を出版すると、ある分野での第一人者として認識され、信頼性を獲得することが可能になるのです。

昨今は、SNSやホームページなどで、誰でも簡単に情報発信ができるようになりました。このように情報が氾濫しているからこそ、ユーザーはどの情報を信じて良いのか迷ってしまうのです。

「ブランド力が高まる」「企業ブランディングの実現」とはこのように特定分野や業界での第一人者としてのポジショニングを行い、圧倒的な信頼感を勝ち得ることと言えるでしょう。

周年記念の効果とは

ここまでに紹介した通り、周年記念の出版では期待を超える効果がもたらされます。次に周年記念の効果に着目して、それぞれ見ていきましょう。

顧客ロイヤルティ向上への影響

周年記念の施策で重要な要素として考えられるのは、これまでの愛顧の気持ちをイベントやキャンペーンで表すことでしょう。

日頃の感謝を示すイベントやキャンペーンを実施することで、顧客のロイヤリティ向上が期待できます。

たとえば、宝酒造の人気いも焼酎ブランド「一刻者」の20周年キャンペーンとして実施されたのが、「マストバイキャンペーン」です。

「頑固にこだわって20年」というキャッチフレーズを打ち出し、商品の購入者のうち抽選で500名に「一刻者」オリジナル陶器をプレゼントしました。

信頼の強固なロングセラー商品のファンに対して、オリジナル陶器をプレゼントすることでブランドのより一層のファン化が進んだ事例といえます。

競合他社との差別化手法

周年事業は、その貴重な機会をきっかけに競合他社との差別化を図る手段としても効果的です。

周年を記念した特別な企業ロゴを作れば、他社とは異なる印象をユーザーに印象付けることができます。

前述したキャンペーンやイベントなども差別化にはもってこいの方法ですが、ほか自社ならではの趣向を凝らしたノベルティを作成して配布するなどもおすすめの方法です。

このように競合他社では真似できない特別な手段を用いることで、現代ではSNSでユーザーが拡散してくれるPR効果も期待できるのです。

社内のモチベーション向上に与える影響

周年をきっかけとしたイベントでは、社内の従業員らのモチベーション向上にも寄与します。

考えられる方法としては、普段はなかなか行くことのできないパーティー会場やレストランで周年記念のイベントを実施したり、社員旅行をしたりすることです。

なかには珍しい方法として、会社の特別なプロジェクトとして書籍企画のプロジェクトチームを立ち上げて、毎年恒例のイベントになったような例もあります。

これは某大手IT企業が、ITをテーマにした小説を社員参加型で企画したところ、「あのプロジェクトに自分も参加したい」という声が社内から上がり、モチベーションアップやロイヤリティの向上に寄与しました。

自分が企画に携わった書籍が書店に並んでいるともなれば、モチベーションが上がるに違いありません。このプロジェクトチームがテレビからの取材を受けるなどして、対外的なPRにも繋がったといいます。

周年記念の計画立案の方法

では、次に周年記念をどのような計画で進めていけば良いのでしょうか。具体的に進め方を解説していきましょう。

周年のゴール設定と目標の明確化

周年記念のイベントをするにせよ、出版をするにせよ、ゴールの設定は最重要と言えます。

周年事業を実施することで、「何を目指すのか」「どう見せたいのか」「どんなことを伝えたいのか」「何を作り出したいのか」といった目的をまず設定しましょう。

さらに、ターゲットの設定も重要です。社員やその家族がメインのターゲットなのか、もしくは社外の取引先や潜在顧客、採用応募者がターゲットとなりうるのかーー会社の予算を使って施策を実施する以上は、一つの経営戦略として施策実施後にどのようになっているのかの理想を思い描くと良いでしょう。

予算とリソースの確保

周年事業は予算や多くの人の手が必要です。

ここまでに紹介したように周年事業の手法には様々あります。どの施策にいくらの予算が必要なのか、そもそも周年事業全体でどのくらいの予算が確保できるのかを整理しなければなりません。

さらに、周年事業は大掛かりになることがあり、なかなか片手間で社員にやらせるのは至難の業です。

そのため、周年事業に取り組むと決めたら、周年事業のプロジェクトチームを立ち上げ、プロジェクトの成功に向けてのリソース確保することが重要です。

たとえば、周年出版のプロジェクトの場合は、企業出版の実績豊富な会社に依頼すれば、窓口に立つ担当者を1人でも配置すれば十分に回すことができるでしょう。

タイムラインの設定とスケジュール管理

周年事業は、創立記念日や設立記念日といった周年の節目となる日に設定してプロジェクトをスタートするケースがほとんどです。

そのため、まずは周年事業のゴールから逆算してスケジュール設定することが必要です。同時並行で様々なプロジェクトを進行する場合は、2〜3年といった余裕あるスケジューリングをすることがおすすめです。

周年出版の場合は1年半〜2年ほどかけて、企画から執筆、出版、プロモーション施策の実行までの工程を組むことが多いです。

広報・宣伝戦略の策定

周年イベントを実施するには、広報や宣伝活動の戦略立案をしなければなりません。

周年事業をやる以上は知ってもらって、メディアにも取り上げられるまたとない機会だからです。

周年記念式典といったイベント実施の時期を確定させ、その期日に向けてプレスリリースや広告宣伝の準備を行いましょう。

イベントの規模にもよりますが、具体的な企画やアイデアを具現化するまでに半年程度は要すると考えられます。そのため、広報や宣伝のスケジュールは全体で共有しながら丁寧に進めることをおすすめします。

周年記念の成功事例

次に、周年記念の出版で成功した事例をいくつか紹介しましょう。

企業の周年記念の出版事例①/100周年記念出版をきっかけに商品が爆売れ

企業の100周年をきっかけに書籍出版した事例としては『よみがえる飛騨の匠』があります。会社は岐阜県高山市に所在する老舗家具メーカーの飛騨産業株式会社

著者は2000年に代表取締役社長に就任した岡田贊三氏でしたが、出版によって廃業寸前の赤字企業をV字回復させた改革の手法について解説をしました。

この書籍がテレビ東京『カンブリア宮殿』のスタッフの目にとまり、岡田氏は同番組への出演オファーが舞い込みます。

番組の出演をきっかけに、会社のホームページへのアクセスが殺到してサーバーがダウンするほどに。結果的に、番組出演後の1ヶ月だけで前年の売上を超えたといいます。

この書籍については、100周年の前年に出版したこともあり、同社の周年事業は大きな盛り上がりを見せました。

企業の周年記念の出版事例②/70周年記念の出版が販路拡大に大きく貢献

企業の70周年をきっかけに書籍出版した事例としては『その「サラダ油」をやめれば健康寿命はのびる』があります。会社は愛知県一宮市に本社を構える食品製造会社のオリザ油化株式会社

当初は企業の70周年を振り返る、いわゆる社史の制作を検討していましたが、自社製品の「こめ油(米油)」の有用性を訴求するテーマに方針転換しました。

市場に一般的に流通しているサラダ油の過剰摂取に警鐘を鳴らし、書籍の中でその解決策として「こめ油」をとることの有用性を説きました。

このテーマが反響を呼び、サラダ油などの食品販売を行う全国各地の企業から「商品を仕入れたい」と新規取引の開始のきっかけに。一般書店に流通した甲斐もあり、北海道から鹿児島県まで幅広いエリアからの問い合わせを獲得するに至りました。

テレビ東京『主治医が見つかる診療所』へも出演が決定するなど、メディアでのPRにも一役買ったのがこの周年史施策だったのです。

企業の周年記念の出版事例③/30周年記念出版が中途採用に大きな効果を発揮

企業の30周年の総括として書籍出版した事例として『35歳の教科書 今から始める戦略的人生計画』があります。会社はソニー生命株式会社

ソニー株式会社とザ・プルデンシャル・インシュアランス・ カンパニー・オブ・アメリカとの合弁出資による「ソニー・プルーデンシャル生命保険株式会社」として日本進出した同社でしたが、ライフプランニングの重要性をもっと知ってもらう必要がありました。

そこで、東京都における義務教育初の民間人校長として杉並区立和田中学校の校長を務め、当時大阪府教育委員会特別顧問を担っていた藤原和博氏に白羽の矢を立て、書籍を執筆する企画がスタート。

東京都、大阪府、愛知県といった大都市圏の大型書店を中心に書店プロモーションを実施し、書籍は7万部超えのベストセラーになりました。

同社の若手社員やマネージャーに、自社の理念やビジョンを浸透させたことのほか、中途採用の新入社員のほとんどが書籍を読んでおり、ライフプランナーを憧れの職業の一つへと昇華させることに成功しました。

ただの会社案内では伝えることが難しかった自社のメッセージを、書籍という媒体を通して伝えることができ、とても効果的な周年プロジェクトとなったといいます。

まとめ

このように周年事業といっても、様々な手段があり、時間も予算も人員もたくさん確保しなければなりません。

しかし、企業としては社内外に向けて自社をアピールするまたとない機会。目的とターゲットを決定したうえで、綿密な準備をして告知を実践することが重要です。

本記事で紹介した成功事例などを参考に、自社であればどのような施策が合致しているかを考えてみましょう。

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参考:フォーウェイのブランディングサービスについてはこちらから参考:フォーウェイのブランディングサービスについてはこちらから

執筆者:江崎雄二(株式会社フォーウェイ取締役マーケティング統括)

福岡県出身。東福岡高校、山口大学経済学部経営法学科卒業。大学卒業後、月刊誌の編集者兼ライターに携わる。その後時事通信社での勤務を経て、幻冬舎グループに入社。書店営業部門の立ち上げメンバーとして活躍後、書籍の販売促進提案のプロモーション部を経て、法人営業部へ。東京と大阪にて書籍出版の提案営業を歴任し、2020年11月、株式会社フォーウェイに参画。2023年9月取締役就任。グループの出版社、株式会社パノラボの流通管理も担う。

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