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2024.09.09

Branding, Marketing

SNS運用のやり方をとことん解説|フォロワーを集めてビジネスに繋げる成功法則とは?

企業SNSを運用したいが、やり方がわからないーーこのように考えるマーケティングや広報の担当者は多いことでしょう。

以前は「個人の遊び」という印象が強かったSNSですが、時代はすっかり変わりました。SNSはビジネスにおけるコミュニケーションの重要な一部分である、という認識が多くの企業に浸透してきたのです。

しかし、企業SNSのアカウントが乱立するなかで、ビジネスにおけるメリットをきちんと獲得できているケースはごく一部と言わざるを得ません。

そこで本記事では、企業SNSの運用を考える方向けに、SNSによってビジネスメリットを実現する「運用のやり方」を解説します。

目次【本記事の内容】

執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)

慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。

■企業のSNS運用とは?

企業にとってSNS運用は、ビジネスの成長に欠かせないものとなっています。

企業のSNS運用は、一言でいえば「ビジネス目的」である点が最大のポイント。個人のアカウントに比べてよりプロフェッショナルで戦略的な運用のやり方が求められます。

個人のSNS運用との違い

個人のSNS運用は、主に自己表現や交流が目的です。もちろんSNSを通じたマネタイズに成功しているインフルエンサーなどの個人はいますが、そうした人たちはビジネス目的の運用という意味で、個人の趣味的なアカウントとは違う種類の運用だと言えるでしょう。

企業のSNS運用は、商品やサービスのプロモーションやブランドイメージの向上など、ビジネス上の目的があります。そのため、やり方としても投稿内容や投稿頻度、ターゲット層など戦略的な視点が求められます。

また、ユーザーに悪印象を与えないようにする気配りも、個人アカウントに比べてより重要になるのです。

SNSマーケティングとの違い

SNSマーケティングは、SNSを活用してマーケティング活動を行うことです。

具体的には、下記のようなやり方があります。

・インフルエンサーマーケティング

・SNS広告運用

・ソーシャルリスニング

・SNSキャンペーン施策の実施

総じて言えることとして、費用を投じたタイミングにだけ効果を発揮し、商品購入や問い合わせなど直接的なリターンを目指すのがSNS運用以外のSNSマーケティングです。広告施策としての色が強い取り組み、とも言い換えられます。

一方でSNS運用はSNSマーケティングのくくりにはありますが、下記のような特徴があります。

・オーガニック投稿として自由度の高い発信が可能

・ユーザーとのコミュニケーションによりファン化を促進できる

・運用をやめたり頻度を鈍らせたりしてもアカウントや過去の投稿は残る

・一度フォローしてもらったユーザーをアカウントの資産として持ち続けられる

・長期にわたる施策の継続がやりやすい

これらの特徴により、長期的なブランディングを目指したりマーケティングの基盤を作ったりといった目的を達成するために適しているのが、SNS運用です。

■SNS運用が重要になっている理由

SNS運用がビジネスにおいて重要になっているトレンドは、データからもわかります。

「ソーシャルメディアマーケティング市場、2023年ついに1兆円を突破の予測【サイバー・バズ/デジタルインファクト調べ】」(https://webtan.impress.co.jp/n/2022/11/11/43642)によると、ソーシャルメディアマーケティングの市場規模は2020年の5,971億円から2022年には9,317億円へと大幅増加。

2027年には1兆8,868億円にまで市場が拡大すると推計されています。

SNS運用はやり方を工夫すれば大きなリターンを得られる一方で、フォロワーを伸ばすためにはどうしても一定の時間が必要です。SNSの市場が伸びていくなかで、早く始めた企業ほど成功に近づくのは間違いありません。

■SNS運用によって得られるメリット

ここで、企業のSNS運用によって得られるメリットを改めて整理しましょう。

大きくいうと、以下のとおりです。

・商品やサービスのプロモーションができる

・自社ターゲット層に直接訴求できる

・顧客とのコミュニケーションを深めることができる

・企業のブランドイメージを向上させることができる

・リアルタイムな情報の発信が可能になる

いずれにも共通するのが、SNS運用によるメリットの発揮とは運用のやり方にかかっている、ということです。

SNSアカウントがあるだけで売上につながるような理想的状況を作るには、狙ったターゲット層のフォロワーをたくさん抱えた「強い」アカウントを作る労力を惜しまないのが、成功事例に共通した特徴です。

■各SNSの特徴と運用のコツ

一言にSNSといっても、種類は様々です。母体となる会社もそれぞれ違います。

SNSの種類によって、やり方や発信すべき内容は異なります。

主要なSNSの特徴について、運用のコツも含めて紹介しましょう。

Instagram

Instagramは、写真や動画を投稿するSNSです。ビジネスにおいては、商品の宣伝やイメージアップに活用されることが多く、特に若い世代に人気があります。

ただ、40代以上の層も利用率は低いものの、実数でいうと若年層に匹敵しており、実は全年齢に向けたアプローチにも使えるSNSがInstagramです。

Instagramの運用のポイントは簡単に以下の通りです。

・ハッシュタグや発見タブによって投稿を検索されやすくする。

・投稿のビジュアルについて方向性を定め、ユーザーに価値を感じてもらえる投稿を一定頻度で続ける。

・ストーリーズ機能を使い、日常的な情報を発信することでフォロワーとのコミュニケーションを深める。

・インスタライブを使い、フォロワーとの関係性をより強化する。

勘違いされがちですが、「発信者のビジュアルが優れていて顔出しできる」「商品の綺麗な宣伝写真がたくさんある」などの要素はInstagram運用で必須ではありません。

「商品のターゲット層が興味を持つノウハウを発信する」「日常風景の投稿でユーザーと距離感を縮める」など企画の方向性によって、あらゆるビジネスでInstagramの強みを発揮できます。

X(旧Twitter)

X(旧Twitter)は、140文字以内(X Premium加入者はそれ以上も可能)の短い文章を投稿することができるSNSです。

主にリアルタイム情報の収集や発信に使われ、特にニュースやトレンドに関する情報が多く取り扱われています。

Xの運用のポイントは以下の通りです。

・アカウントのテーマに沿った自分なりの「情報提供」と「持論」を発信してフォロワーを増やす。

・他のアカウントとコミュニケーションを増やし、タイムライン上の表示優先度を高める。

・他のアカウントをフォローし、フォロー返しを獲得することでフォロワーを増やす。

Xは実名顔出しで運用するアカウントが多く、アカウント同士のコミュニケーションが非常に重視されるカルチャーのSNSです。

企業アカウントとして活用する場合でも、事務的な発信だけでなく「中の人」の人柄が感じられるアカウントが好まれます。

リツイート機能でツイートが大きく拡散される仕様により、投稿が大きくバズる可能性のあるSNSでもあります。

Facebook

Facebookは、世界で最も利用者数の多いSNSの一つです。友達や家族とのコミュニケーションが中心ですが、ビジネスにも活用されることが多く、商品の販売やブランドの発信などに使われます。

Facebookの運用のポイントは以下の通りです。

・定期的にコンテンツを投稿することで、フォロワーの獲得やエンゲージメントの向上を目指す。

・Facebookページを作成し、“いいね”を獲得することで拡散力を高める。

・Facebookグループを作成し、ファンコミュニティを形成することで、ファンとの交流を深める。

Facebookは一定年齢以上の人のビジネス活用においては根強い人気のあるSNSです。

ただ、友達に追加する人数に5000人という制限があるため、つながりをたくさん増やして大きく拡散しようとする運用方針には向きません。

関係性のある相手から自社への認知を維持したり、仕事の相談をもらいやすくしたりする運用がFacebook活用のコツです。

LinkedIn

LinkedInは、ビジネス関係者が集まるSNSです。求人情報やビジネスマッチングなどに使われることが多く、ビジネスユースに特化したSNSであると言えます。

LinkedInの運用のコツは以下のとおりです。

・原則実名登録なので、反感を招くような投稿は避ける。

・他のアカウントと交流し、コミュニティなどにも積極的に参加する。

・ターゲットに対して積極的にDMを送る。

いわゆる営業のためのDMや採用DMは他のSNSだと嫌がられる場合がありますが、LinkedInはビジネスSNSである側面から、他アカウントへの直接アプローチは比較的、受け入れられているのが特徴です。

ただし、大量のスパム送信はLinkedIn側から制限をかけられる危険があります。

丁寧に絞り込んだターゲットアカウントに対し、一通一通、心を込めてDMを送ることが成果の秘訣です。

SNS運用を始める前に決めること5

続いてはSNS運用の実践編です。

SNS運用は、やり方を決めずにとりあえず始めてみても成功率は低いです。

ビジネスにつなげるためには、事前準備がカギを握ります。

事前準備として考えるべき項目は、以下のとおりです。

決めること①運用の目的

SNSを始める前に、まずは運用の目的を明確にすることが必要です。

例えば、ブランド認知度の向上、製品やサービスの販売促進、情報発信や顧客対応など、目的は様々です。

目的に応じて、運用するSNSの種類やコンテンツ、投稿頻度、投稿内容、ターゲット層などが異なるため、運用の目的をはっきりと決めてから取り組むことが重要です。

気をつけたいのが、「運用目的は売上に決まっているでしょ」と単純に決めてしまうこと。SNS運用は短期的な売上効果だけでなく、ブランディング効果やファンユーザーの獲得など様々な尺度での効果を視野に入れる必要があります。

長期的にアカウントを育てる施策だけに、短期の集客では広告施策より数値が劣る場合が多く、運用目的を売上だけと定めてしまうとスムーズな運用が進まない危険性が高いのです。

短期で何を目的にするのか、中期〜長期で何を目指すのか……など、細かく設計するのが成功するコツです。

▼SNS運用の目的設定については、過去コラム『SNS運用で大切な「目的設定」とは?運用効果を最大化する秘訣を徹底解説』で解説しているので、こちらもご参照ください。

決めること②運用体制

SNS運用では、運用担当者やチームの体制を整えることも大切です。

運用にあたっては、誰が投稿するのか、どのようなスケジュールで投稿するのか、コメントやメッセージの返信は誰が担当するのか、といったことを明確にしておく必要があります。

また、社内で運用する場合は、社員の研修やマニュアル作成なども必要かもしれません。

会社としてSNS運用に取り組むときの体制で重要なのは、組織として担当者をフォローアップして運用を管理する仕組みをつくることです。

社内の担当者はほとんどの場合、SNSのプロではありません。「いい感じにやっておいてくれ」と丸投げして放置していると、運用の目的が達成できないどころか投稿やアクション自体が止まってしまうケースも珍しくありません。

自社の貴重なリソースを使って、徒労に終わらないように気をつけましょう。

決めること③アカウントの方向性

SNSアカウントの方向性についても、事前に決めておくことが重要です。

たとえば、ファッションブランドのアカウントであれば、コーディネートの紹介や新作アイテムの情報を発信することが求められます。

一方で、医療機関のアカウントであれば、健康情報や病気の予防・治療についての情報提供がいいかもしれません。アカウントの方向性を明確にしておくことで、フォロワーの期待に応えることができ、効果的な運用が可能になります。

例えばSNS運用の代行を請け負うプロであれば、クライアントへのヒアリングをもとにペルソナシートやアカウント構成シートといった資料を作成します。

ターゲット層や運用目的に合わせてデザインのトンマナから投稿文体まで細かく設定し、ブレない運用を実現するのです。

決めること④ターゲット層

SNSを利用するユーザーは、それぞれ年齢層や性別、興味関心、ライフスタイルなどが異なります。運用するアカウントのターゲット層を明確にし、その層に合った投稿やコンテンツを提供することが必要です。

また、ターゲット層に応じて、運用するSNSや投稿する時間帯、投稿内容、コンテンツの種類なども変わってきます。

このターゲット設定は、「30代以上の女性」など大まかすぎるくくりではあまり意味がありません。

よくマーケティングで使われる「ペルソナ(代表的なターゲット像の架空のプロフィール)」を設定するのも効果的でしょう。

誰か一人に深く刺さるコンテンツは他の人にも刺さる、というのがSNS運用の原則です。

決めること⑤具体的なタスクとスケジュール

SNSの運用においては、具体的なタスクとスケジュールを決めておくことが大切です。どのようなコンテンツを、どのようなタイミングで発信するのかを明確にすることで、運用がスムーズに行われます。

また、週次や月次での運用の報告や評価を行い、必要に応じて改善を行うことも大切です。

コツとしては、とにかく曖昧さを残さないこと。「ネタがあるときに投稿する」「なるべく他のアカウントに“いいね”する」といったルール設定でなく明確に行動目標を決めましょう。

実際ちゃんとやってみると担当者にかなりの負担がかかりますが、強いアカウントを育てるにはそれなりの努力が必要です。

SNS運用の効果測定と運用改善

続いて、運用開始後のやり方についてです。

「SNS運用の効果はどのように測定して改善したらいいの?」と思われる方も多いかもしれません。

たとえば、計測指標には下記が考えられます。

・フォロワー数

・リーチ数

・エンゲージメント数(「いいね!」やコメント数など)

・コンバージョン数(集客数、商品の売上数など)

計測すべき指標は、運用目的やどのSNSを用いるかによって変わってきます。

たとえば対面アポイントの獲得を目標にする運用なら、DMのうちのアポイント率が指標になるでしょう。改善項目としては普段の投稿の質よりも、アカウントの信頼性を高めるためのフォロワー増やDM文面の改善などの優先順位が高くなります。

おすすめとして、ある程度フォロワーが増えるまではフォロワー数だけをKPIにするのが良いでしょう。

SNS運用による効果の多くは、ある程度フォロワーがいないと発揮されにくいためです。管理をシンプルにすることで運用もスムーズになります。

■SNS運用のよくある失敗例3パターン

続いてSNS運用において、よくある失敗例を3パターン、紹介します。

どれも本当に多いので、失敗の典型例に当てはまらないよう注意して運用しましょう。

失敗例①フォロワー数が増えない

思うようにフォロワーが伸びないのは、SNS運用で最もよくある失敗ケースです。

理由として、たとえば下記が考えられます。

・投稿頻度が低い

多くのSNSは、自アカウントの投稿が他のユーザーのタイムラインに表示されることでフォローが発生します。

したがって、投稿が少なければどんなにアカウントを作り込んでいてもフォロワーが増えるチャンスはほとんどありません。

最低でもInstagramなら週3回、Xなら1日1回は投稿が必要です。

・他アカウントとのコミュニケーション不足

「いいね」や「コメント」など他のアカウントに対して自分からアクションするのも、フォロワーを増やすためには重要です。ここを怠るとフォロワーはほとんど増えません。

ただし、アクションする先のアカウントの選定にもコツがあります。リアクションを返してくれそうなアカウントや信頼度の高いアカウントの共通点を見出し、適切な相手に対してコミュニケーションを取る必要があります。

失敗例②運用が止まってしまう

前述したように、SNS運用がストップしてしまう失敗事例はとても多いです。

その理由のほとんどは、はっきり方針を決めずに担当者に丸投げしたきり管理しない運用体制にあります。

投稿スケジュールの明確な設定と投稿物の確認、定例の確認ミーティングなどは組織内で必ず行いましょう。

また、「売上につながっていないからものすごくクオリティの高い投稿をしなきゃ」など、成果を焦って答えのない課題を設定してしまうのも投稿ストップの原因になります。

SNSは定期的にコンテンツを発信して自アカウントにあった運用のやり方を探っていくプロセスがとても重要です。むやみにクオリティにこだわるよりも継続的な運用を重視しましょう。

失敗例③運用の方向性が迷走する

SNSの運用は、アカウントの方向性を守ることがとても重要です。

失敗例②に近いですが、成果を焦って方向性の切り替えを連発し、コンセプトのよくわからないアカウントになってしまうのもよくある失敗パターンです。

どんな方向性を試してみても、運用初期に一つの投稿でわかりやすい効果が発揮されることはなかなかありません。

まずは運用開始前のコンセプト設計を細かく行い、決めた方向性に則って腰を据えて取り組みましょう。そうすれば長期的な成果に高い確率でつながります。

■SNSの炎上を防ぐ対応策4選

SNS運用において、炎上を気にする方は多いかもしれません。

企業のSNS活用が普及するにあたって、炎上してしまった事例も多く聞かれるようになりました。

そこで以下に、SNSの炎上を防ぐための対応策を紹介します。

炎上防止策①投稿ガイドラインの策定

SNS運用を始める前に、社内でSNSマニュアルを策定しましょう。

このマニュアルには、発信内容のチェックや、危険な発言を行わないようにするためのガイドラインなどが含まれています。

ガイドラインを設定する際には、ぜひSNS慣れした若いスタッフの力を借りてください。普段からSNSに慣れ親しんだ人間であれば、それぞれのSNSにおけるマナーを感覚で理解しています。

若いスタッフにたたき台をつくってもらったうえで、広報やリスク管理担当などプロの目で見てブラッシュアップする進め方がおすすめです。

炎上防止策②対応ガイドラインの共有

もしも炎上騒ぎが起こってしまった場合には、迅速かつ的確な対応が必要です。SNS上でのトラブルの拡散を防ぐために、炎上した場合には速やかに謝罪し、原因究明を行いましょう。

ただし、SNS運用に慣れていない企業が担当者任せにする体制は危険です。機転をきかせたつもりが火に油を注いでしまう可能性もあります。

投稿物だけでなく、炎上懸念がある場合の対応についても社内でガイドラインを設定し、フローを明確にするのがおすすめです。

弁護士やPR会社などの外部専門家にリアルタイムで相談できる体制を構築しておくのも効果的でしょう。

炎上防止策③投稿監視体制の整備

SNS上でのトラブルを未然に防ぐためには、定期的にSNSのコンテンツを監視し、問題のあるコメントや投稿に対して迅速に対応することが必要です。

また、不適切なコメントや投稿があった場合には、速やかに削除し、投稿者に対して注意喚起を行う必要があります。

投稿の監視には、「上司が毎日11時にチェック」「広報が朝礼でチェック」など、担当者ではなく第三者的な目線でチェックを入れる決まりごとを作っておきましょう。

社内リソース的に難しければアルバイト数人でチェックする体制でも、一般的な目線による第三者チェックは入れられます。

炎上防止策④炎上事例の社内共有

SNSの炎上を防ぐのにもっとも大事なのは、抽象的ながら社内のリテラシーです。

関係者の知識を増やし教育をしていくのが、時間はかかりますが炎上を防ぐために最も有効な施策です。

そこで、日々SNS上の炎上情報をウォッチし、社内で定期的に共有、ポイントを話し合う機会を設けましょう。

特に自社と業種や運用目的の近いアカウントが炎上してしまった事例は、貴重な学習材料になります。

■SNS運用で一番大切なポイントとは?

ここまで、SNS運用のノウハウについて述べてきました。

では、SNS運用において最も大事なポイントとは、なんなのでしょうか?

それは、「投稿コンテンツ」です。

他アカウントとのコミュニケーションや、広告・キャンペーンとの併用もビジネスで成果を出すためには有効ですが、これらは要領がわかれば競合他社でも実行可能です。

しかし、自アカウントならではの良質な投稿は、決して差別化のできないコンテンツになります。良質なコンテンツでフォロワーを獲得すれば、ファン顧客という得がたい財産になるでしょう。

濃いファンを直接自社の側から取りにいけるのは、企業のSNS運用がもつ最大の魅力だといえます。

いわば雑誌などのメディア編集者になったつもりで、ユーザーにとって価値のあるコンテンツを定期的に発信するのが、SNS運用の極意です。

■外注の運用パートナーは入れるべきか

SNS運用を外注化するかどうかは、企業の状況や目的によって異なります。

外注するメリットとしては、運用に必要な人材をスピーディに確保できることや、専門的なノウハウを持った運用パートナーを活用できることが挙げられます。

一つの考え方として、「人手が足りない」「アカウントを育てるのにそこまで長い期間をかけられない」という課題がある場合、外注を検討することがおすすめです。

ここまで述べたように、SNS運用をきちんとやると担当者にも組織にも意外に手間がかかります。

社員一人がほとんど張り付きになっている会社も多いです。

そうなると、人件費的にSNS運用会社に頼んだほうが安くつく場合も考えられます。

また、外注先は当然ノウハウを持っているため、プロの運用によって最短経路でアカウントを育ててくれるのは大きなポイントでしょう。特に投稿コンテンツの企画は、一般企業のリソースではなかなか難しい場合も多いです。

ゼロの状態から探り探りでSNS運用をスタートすると、継続できても成果が出るのは数年後といったケースが少なくありません。その時間を短縮して成果を確実にする選択肢として、外注を活用するのはおすすめです。

■SNS運用に関するおすすめ書籍4選

最後に、企業のSNS運用者にとって役に立つおすすめ書籍を4冊、紹介しましょう。

『平均4.2カ月で1万フォロワーを実現する プロ目線のインスタ運用法』石川侑輝 (著)

Version 1.0.0

アカウントの設定方法からフォロワーが増えやすいプロフィールの書き方、投稿内容の考え方などわかりやすくまとまった一冊。2022年7月出版と比較的、新しいのもポイントです。

SNS界隈は非常に変化の激しい業界なので、なるべく新しくて売れている本から情報収集するのがコツです。

『世界一やさしい Twitter集客・運用の教科書 1年生』岳野めぐみ (著)

Twitter(現X)のビジネス活用についての書籍です。

Twitterは日本で浸透した歴史が古く、多くのユーザーを獲得しています。基本的に短文を投稿するのみのシンプルな仕様ですが、ビジネスに繋げるのにはちょっとしたノウハウが必要です。

本書なら、Twitterで集客したい方の入門書としておすすめです。

『LinkedIn(リンクトイン)活用大全 情報発信、起業、転職、人脈…ビジネスで一番使えるSNS』松本 淳 (著)

まだ日本にはほとんどない、LinkedInのビジネス活用についての書籍です。

実際にLinkedInを数多くのビジネスに繋げたLinkedInインフルエンサーによる執筆で、LinkedInの基本知識からアカウント設定の方法まで具体的に述べられています。

これからLinkedInを始める方にはぜひ読んでほしい一冊です。

『【超完全版】YouTube大全 6ヶ月でチャンネル登録者数を10万人にする方法』小山 竜央 (著)

今回のコラムで個別には扱いませんでしたが、YouTubeもコンテンツによって視聴回数やチャンネル登録を増やすという意味では、運用の性質がSNSにとても近いツールです。

こちらの書籍では、実際に10万登録を超えるチャンネルを多数作り出してきたマーケターがYouTube運用を徹底的に解説しています。

特にユーザー受けするコンテンツの考え方は本質的で、YouTubeだけでなく他のSNSやコラム記事などあらゆる媒体にノウハウを転用できます。

■まとめ

以上、ビジネスに繋がるSNS運用について述べました。

ビジネスコミュニケーションにおけるSNSの重要性が高まっている昨今、とにかくやらなきゃ!と考える企業は多いです。

ただし、SNS活用はやり方次第な部分がとても多いです。

それぞれのSNSの特徴を理解し、運用の方針をしっかりと定め、戦略的なSNS運用をスタートさせましょう。