出版マーケティングの効果的なプロモーションとは? 広告手段も解説

マーケティング手法の一つである「出版マーケティング」は書籍を利用して、長期的に集客や認知度向上を図る仕組みです。

本記事では、「出版マーケティング」に取り組むためはどういうやり方があるのか、その費用感はどの程度か、および成功事例にはどのようなものがあるのかなどについてくわしく解説します。

目次【本記事の内容】

執筆者:江崎雄二(株式会社フォーウェイ取締役マーケティング統括)


福岡県出身。東福岡高校、山口大学経済学部経済法学科卒業。大学卒業後、月刊誌の編集者兼ライターに携わる。その後時事通信社での勤務を経て、幻冬舎グループに入社。書店営業部門の立ち上げメンバーとして活躍後、書籍の販売促進提案のプロモーション部を経て、法人営業部へ。東京と大阪にて書籍出版の提案営業を担当し、2020年11月、株式会社フォーウェイに参画。2023年9月取締役就任。グループの出版社、株式会社パノラボの流通管理も担う。

◉そもそも出版マーケティングとは?

「出版マーケティング」とは、書籍を出版してマーケティングに活用する手法のことです。

企業が自社の事業や商品、サービスなどに関する書籍を出版し、集客や認知度向上に役立てることを目的としています。

現代では、インターネット上で必要な情報を容易に見つけることができる一方で、根拠や情報ソース、発信者が不明確なものも多く、本当に信頼できる情報を探し出すことが難しいのが実情です。

一方、書籍には出版社と著者が明記されていますので「インターネット上の情報よりも信頼できる」と考えられやすい傾向があります。

そのため、企業の強みや独自技術・実績、取り組みなどをストーリーとしてまとめて一冊の書籍として出版すれば、書籍の信頼性や出版社の全国的な販路を活かした効果的なマーケティングが可能となります。

また、SNSやWebサイト、ブログ、クラウドファンディングなど、他のWebマーケティング手法と組み合わせることもできるので、より高い効果を狙うことができます。

◉-1、企業出版、自費出版、商業出版との違い

一般的に、書籍を出版する方法として企業出版、自費出版、商業出版という3つの出版方法があります。

企業出版は、企業が出版費用をすべて負担して、企業の認知度や信頼性を向上するために書籍を出版し書店へ流通させてプロモーションを行うものです。

「いかにターゲット顧客に書籍を届けるか」が目的になってきますので、そもそも書籍がたくさん売れなくても問題ありません。

もちろん、売れるにこしたことはありませんが、読者の中に1人でも、内容に共感し、企業や商品・サービスへの親近感を持ち商品やサービスの購入に至ってくれれば企業出版は成功と言えます。

次に、自費出版は、個人が出版費用をすべて負担して書籍を出版するもので、書店へ流通させることもありますが、基本的には積極的なプロモーションは行いません。

個人の趣味の集大成としたり、企業経営者が名刺代わりに配るために、書籍化することが目的の出版方法です。

商業出版は、出版社が出版費用をすべて負担して書籍を出版するもので、ヒット作を作って販売数を伸ばし、出版社が利益を上げるための出版方法です。

出版社が力を入れて宣伝やマーケティングを行うため、世の中にあるベストセラーの本のほとんどはこの方法によって出版されています。

これらの3つの出版方法の中で「出版マーケティング」に最も近いと考えることができるのは企業出版です。

企業出版の場合の商品やサービスの利用は副次的な結果ですが、結果的にはマーケティング効果があったと考えられるからです。

◉-2、他のマーケティング手法との違い

代表的なマーケティング手法としては、下表のようなものがあります。

マスマーケティングテレビ広告、ラジオ広告、新聞広告、雑誌広告、屋外広告
ダイレクトマーケティングテレアポ、ダイレクトメール、メール、SNS、インターネット広告、レコメンドエンジン
インバウンドマーケティングSEO、動画

これらのマーケティング手法に共通しているのは、施策を実施している間は高い効果が期待できますが、施策をやめた途端に効果が激減することです。

これに対して、「出版マーケティング」では書籍を利用しますので、マーケティング効果が長期的に継続します。

◉出版マーケティングはこんな人におすすめ

書籍は、他のマーケティング手法と違い長い文章を読んでもらえるという点が大きなメリットです。

そのため、他のマーケティング手法とは違った訴求が可能になります。

WebやSNSの場合は「読まない」を前提にパッと見ていかに見込み顧客に伝わるかが重要になります。

一方で、書籍の場合には、そういった心配なくあらゆる情報を見込み顧客に読んでもらうことが可能です。つまり、一冊で信頼関係の構築や顧客教育がすべてできてしまうということです。

こういったメリットを考慮すると、出版マーケティングは特に、次のような企業や経営者におすすめです。

  • ・成約までに信頼関係構築が必要で、成約までの期間が長い
  • ・ビジネスモデルが複雑で、成約するためにある程度の顧客教育が必要である
  • ・事業も安定してきたので、企業の次なる成長への打ち手に困っている
  • ・WebやSNSではなかなか自社のサービスが伝わらないと感じている
  • ・競合他社との差別化が難しい
  • ・企業としての認知度向上、ブランディングを効果的に行いたい
  • ・富裕層や経営者などへのアプローチが可能

◉出版マーケティングの成功事例

「出版マーケティング」の成功事例は数多くありますが、ここではその中から3件を紹介します。

◉-1、成功事例1:医師向けの不動産投資

この不動産会社の経営者は、高収入な医師をターゲットとして、従来からSNSやウェブ広告などを使って不動産投資サービスに関する情報発信を行っていましたが、見込み顧客が獲得できずに悩んでいました。

そこで「高収入な医師に最も効果的な節税対策は不動産投資である」という内容の書籍を出版して、自身の考えや想いを伝える出版マーケティングを行うことを決心。

書籍の企画段階から医師をターゲットとしたマーケティング戦略を練っていたため、狙い通り多くの医師に書籍を購入してもらうことに成功しました。

具体的には、出版のタイミングに合わせたSNS投稿やセミナー開催、クラウドファンディングなどをうまく組み合わせてプロモーションを行ったのです。

この「出版マーケティング」によって、書籍を購入した医師に「不動産投資に大きな節税効果があること」を認知してもらうことができ、売上を倍増させることができました。

さらに、既存顧客から知り合いの医師への口コミや書籍を配布することなどによって評判が広がり、新規顧客を獲得することにもつながっています。

◉-2、成功事例2:保険代理店経営

この保険代理店の経営者は、保険業界の給与体系を変えることによって業績拡大ができるはずだという持論を持っていました。

そして、その持論を世に問うために「出版マーケティング」を利用して書籍を出版。

その書籍の中で、保険業界では当たり前となっていた「成果報酬型」を「一律報酬型」に変えることを提唱しました。

これは、一部のスーパー営業マンに頼り切った経営から、アベレージヒッターを育てて全員で支えていく経営に変えていって業績拡大ができるという内容でした。

書籍という情報量の多い媒体を使ったため、多くの業界関係者から理解と共感が得られて、自社のブランディングにも成功。

書籍の出版をきっかけに保険代理店の契約数も飛躍的に伸びたのはもちろんですが、他の保険代理店からコンサルティングの新規契約を獲得することにも成功しています。

◉-3、成功事例3:工場コンサルティング

このコンサルティング会社は、従来から製造業を対象に工場向けのコンサルティングサービスを提供していました。

コンサルティング費用が高単価で、営業をしても説明に時間がかかることなどから受注率が低いことが悩みのタネでした。

そこで、「出版マーケティング」により書籍を出版。

「ファクトリーオートメーションによって製造業の人材不足を解決し、経営効率化と利益の最大化ができる」というメッセージを伝えました。

書籍出版後の1ヶ月で10件以上の引き合いがあり、今までリーチできていなかった分野の企業からの問い合わせも増えて売上向上につながっています。

このような顕著な成果が得られた要因として、書籍のターゲットを生産部門の決裁者とし、「ターゲットに向けた明確なキャッチコピーを採用したこと」「書籍を購入して読んでもらうことによって説明に要する時間を大幅に省略できたこと」などが挙げられます。

ブックマーケティング

◉【ココが違う】出版マーケティングならではの活用メリット

成功事例からもわかるように「出版マーケティング」では書籍を利用しているため、他のマーケティング施策にはないさまざまなメリットが享受できます。

代表的なものは、次の7つです。

◉-1、他のマーケティング施策に比べて多くの情報量を伝えることができる

書籍の情報量が、他のマーケティング施策(テレビCM・新聞広告・雑誌広告・Web広告・チラシなど)に比べて圧倒的に多いという特徴があります。

たとえば、A4サイズのチラシに記載できる文字数は1,000文字~2,000文字程度に過ぎませんが、書籍は一般的に200ページ程度で、その文字数は約7万文字~10万文字です。

この膨大な情報量を利用して、企業の商品やサービスの特徴はもちろんのこと、企業理念や経営者の考え方までを一冊に集約して伝えることができます。

このように、多くの情報をまとめて伝えることができるマーケティング施策は他にはありません。

◉-2、顧客との信頼関係構築や顧客教育が1冊でできる

「書籍を出版している」という事実だけで、その企業の信頼性は格段に高くなるので、顧客との信頼関係の構築に大きく寄与します。

また、取り扱っている事業のビジネスモデルが分かりづらい場合などでも、書籍を読んでもらうことによって顧客教育ができます。

このように、顧客との信頼関係構築や顧客教育が1冊でできるため、商談効率や成約までの期間が短縮できます。

◉-3、長期的な運用・活用ができる

「出版マーケティング」によって出版された書籍は長期間にわたって流通し、購入された場合もそう簡単に捨てられることはありません。

また、Webサイトやブログ、SNSなどに掲載されたコンテンツも長いことインターネット上に残り続けてマーケティング効果を発揮します。

そのコンテンツの専門性や信頼性が高ければ、価値の高い資産としてマーケティング効果を最大化できるでしょう。

書籍は、テレビCMやWeb広告などのような短期的なマーケティング施策ではありませんので、長期的な企業活動に運用・活用することが可能です。

◉-4、潜在顧客へのアプローチができる

「出版マーケティング」によって出版された書籍は配本されて書店の書棚に並べられます。

書店を利用する顧客は「なにか面白そうな本はないかな」と興味のあるジャンルの書棚を眺めて、そこで書籍のタイトルにひかれると手にとって気に入れば購入します。

つまり、書店に並べられることによって潜在顧客へのアプローチができるということです。

本を読んで自社の商品やサービスに信頼感を持つ顧客が出てくる可能性もあります。

◉-5、他施策への二次利用でマーケティング効果を最大化できる

出版した書籍を他のマーケティング施策に二次利用することができます。

たとえば、既存顧客に無料でDM発送したり、営業ツールとして活用したり、展示会やセミナーで配布するなどです。

また、書籍の著作権は著者企業に帰属しますので、そのコンテンツをWebサイトやブログ、SNSなどに二次利用することができます。

これらの他のマーケティング施策への二次利用によって、マーケティング効果を最大化することができます。

・書籍をDM発送
・営業ツールとして活用
・出版セミナーを開催
・SEO対策(権威性、信頼性、オリジナル性)
・各種SNSの情報発信での二次活用

◉-6、WebやSNSでは狙えない顧客にアプローチできる

現代の広告宣伝は、インターネットを介したWebサイトやSNSによる情報発信が主流となっていますが、特に高齢者などはWebサイトやSNSとは縁遠いためなかなかアプローチすることができません。

しかし、書籍であればこのような顧客にもアプローチすることが可能となります。

実際に、インターネット中心に会員登録数を増加させていた投資助言業の企業が、なかなかアプローチできていない高齢者層への訴求に書籍を活用して集客に成功した事例もあります。

◉-7、企業のブランディングや認知度向上ができる

書籍を出版することによって、その書籍を自社のブランディングや認知度向上、顧客の購買意欲向上などに役立て、売上の向上や利益改善などの経営課題の解決につなげることができます。

そのためには「出版マーケティング」のゴールは書籍の販売ではなく、書籍をきっかけにした企業の成長にあることをきちんと認識しておくことが大切です。

◉出版マーケティングの費用感

「出版マーケティング」にかかる費用は、書籍の仕様や発行部数、制作費用、プロモーション費用などの要素によって変わってきますが、一般的には450万円~1,000万円程度です。

書籍の仕様としては四六判(横130mm×縦188mmの単行本サイズ)で200ページ程度の書籍が多く、印刷費用には書店に流通する流通部数だけでなく、著者に納品する部数も通常は含まれます。

制作費用はライターや編集者、デザイナーの依頼費や人件費、プロモーション費用はメディアへのリリースや書店営業、Web広告・新聞広告への出稿、出版記念イベントの開催などの費用です。

◉出版マーケティング施策に取り組むには?流れや必要な期間

ここでは、「出版マーケティング」施策に取り組むために必要なプロセスの流れや必要な期間などについて解説します。

書籍の企画企画段階では、出版の目的とターゲット、アプローチ方法をきちんと決めておく必要があります。つまり、何のために書籍を出版して、誰に読んでもらって、何を伝えるのかということを決め、さらにそのターゲットに確実に届けるためのプロモーションまでを想定しておく必要があるということです。書籍の企画に必要な期間は、約2週間~1ヶ月です。
原稿執筆書籍の企画が決まると、それに従って原稿を執筆し写真・図表・イラストなどを準備します。その後出版社の編集者からアドバイスをもらい必要に応じて修正をします。

原稿執筆や写真・図表・イラストなどの準備に必要な期間は、約2週間~4ヶ月です。デザイン原稿が完成すると、表紙や誌面のデザインやレイアウトを行います。


デザインに必要な期間は、約2週間~1ヶ月です。校正・校閲デザインが終わると紙やPDFに出力して校正を行います。誤字脱字・表記ゆれはないか、デザインはイメージ通りか、写真・図表・イラストは適切かなどについて校正と修正を行います。

同時に校閲によって事実関係に誤りがないことを確認します。
校正・校閲に必要な期間は、約2週間~1ヶ月です。印刷・製本校正が終わると、出版社から印刷会社に書籍のデータが送られて、印刷会社から色校正が提示されます。インクのノリ具合や写真の色味を確認して問題がなければ書籍が印刷・製本されます。


印刷・製本に必要な期間は、約1ヶ月です。プロモーション書籍が完成すると企画段階で決定したプロモーションを実施して書籍を販促し、「出版マーケティング」の目的達成を目指します。

◉出版マーケティングを成功させる3つのポイント

「出版マーケティング」を成功させるためには次の3つのポイントがあります。

◉-1、戦略的に流通・配本を行える出版社を選ぶ

「出版マーケティング」において、出版社選びは非常に重要です。

出版する書籍のジャンルに強い出版社であることはもちろんですが、戦略的な流通や配本が行える出版社でなければなりません。

一般的には、全国規模の流通網がある出版社が良いと考えられますが、書籍のテーマや企業の事業展開によっては、ある特定のエリアだけに配本したいケースやある特定のターゲットに届くように配本したいというケースなどがあるからです。

なお、全国の書店に流通網がある大手出版社の場合は、部数を多めに刷って大量に流通させることによりコストが上がってしまう可能性があります。結果的に大多数が返品されてしまうため、効果的にターゲットに届けたいなど目的がある場合は注意が必要です。

◉-2、出版後のプロモーションを見据えた書籍の企画戦略を立てる

「出版マーケティング」で書籍を出版する際は、企画段階で出版の目的とゴールを設定し、さらに出版後のプロモーションも含めた戦略を立てることが必要です。

出版の目的とゴールが明確になっていないと、ターゲット読者が曖昧なままに書籍の制作とプロモーションを行うことになり、最悪の場合成果が得られないことになりかねないからです。

「書籍を使って解決したい課題は何なのか」「最終的なゴールは何なのか」「そのためにどのようなプロモーションを行うべきなのか」について最初にしっかりと考えておく必要があります。

◉-3、出版後にあらゆるプロモーション施策を実施する

書籍を出版した後には、あらゆるプロモーション施策を実施する必要があります。

主なプロモーション施策は次のとおりです。

    • ・SNS施策
    • ・クラウドファンディング
    • ・セミナー、講演活動
    • ・Web広告
    • ・SEO施策
    • ・書店プロモーション

以下、順にこれらの施策について紹介します。

SNS施策

現代ではインターネット環境が整っており、すでに多くの企業がマーケティングツールとしてSNS(X、Instagram、TikTok、YouTubeなど)を利用しています。

出版マーケティングとSNSを組み合わせることによってマーケティング効果を最大化することが可能です。

SNSには大きな拡散力がありますので、テレビCMやWeb広告よりも大きな効果を得ることができます。

書籍の制作には6ヶ月~8ヶ月程度かかりますので、制作期間中に一貫したSNSアカウントを立ち上げて事前告知を行ってフォロワーの興味を喚起し、フォロワーがファン化した頃に出版するという状態が作れれば理想的です。

vまたは、ストーリーテリングの手法を取り入れて、SNS上でストーリーを紡ぎ、その続きを書籍につなげるような方法も考えられます。

▶ストーリーテリングについては、関連記事【ストーリーブランディングとは?企業の物語を伝えてファンを作る方法】もあわせて参考にしてください。

クラウドファンディング

書籍の企画を決定した後に、クラウドファンディングを実施して書籍の事前告知をして企業の認知度向上を図ることができます。

クラウドファンディングを実施することによって、出版費用や広告宣伝費用を調達することができるだけではなく、書籍に関する情報発信の機会が増えることになります。

クラウドファンディングの支援ページは書籍の出版後も残りますので、自社の取り組みを長い期間残すことが可能です。

セミナー、講演活動

書籍の制作期間中に書籍の内容に関するセミナーや講演会などを開催することができます。

さらに、出版後には出版記念セミナーを開催して、セミナーの最後に直接書籍を販売したり配布したりするのも一つの方法です。

出版記念セミナーを開催して集客することによって、より広い潜在顧客に書籍を届けることができます。

Web広告

書籍の発売に合わせてWeb広告を使ったプロモーションを行ったり、書籍専用のLPを作ったり、書籍のコンテンツを抜き出してコンテンツマーケティングを行うことなどが考えられます。

LPを利用する場合は、訪問者リストを作成して分析し今後のマーケティングに利用することが可能です。

SEO施策

書籍の著作権は契約主体である企業に帰属しますので、コンテンツを自社のWebサイトやブログなどに自由に掲載することができます。

近年のSEO対策で重要なことは、コンテンツのオリジナリティーですので、書籍のようなオリジナルコンテンツは自社サイトに高いSEO効果をもたらします。

また、オリジナルで専門性の高いコンテンツは、他社サイトやブログからの引用も多く見込めるため、被リンク獲得にもつながり、自社サイトのドメインパワーを高めることができます。

結果として、高いSEO効果を得ることにつながるのです。

書店プロモーション

書店プロモーションには次のような施策があります。以下の順に説明していきます。

      • ・出版社の流通力がカギ! 戦略的な配本
      • ・実績として打ち出せる! ランキング買取
      • ・露出力を高めるには買取プロモーションを活用!</strong
      • ・書棚以外でも認知促進が図れる! 有力なポスター展開
      • ・書籍や自社告知のための新聞広告
      • ・ブックカバーやしおりの配布
      • ・店頭看板やデジタルサイネージ
      • ・イベントスペースを活用した講演会の実施

出版社の流通力がカギ! 戦略的な配本

全国への流通網が整った実績のある大手出版社から出版することによって戦略的に配本することが可能です。

たとえば、ダイヤモンド社、日経BP、幻冬舎メディアコンサルティング、クロスメディア・パブリッシングがあり、いずれも出版費用は高額ですが流通力が高く大きなメリットが得られます。

フォーウェイでは、雑誌やWebメディアへの発信を積極的に行っている主婦の友社や小学館などの出版社と提携しているほか、戦略的な配本を得意とするグループ出版社パノラボでの一気通貫での出版も行っています。

これらの出版社の流通力を活用すれば、2,000部程度あれば、全国の大型書店~中堅書店には十分に配本することができ露出力を高めることができます。

また、パノラボでは、自社の商圏に近い書店に重点配本するなどの自社のビジネスメリットを想定した戦略的なエリアマーケティングを行うことも可能です。

実績として打ち出せる! ランキング買取

一度に100冊~500冊などを買取するという約束をして、書店での週間ランキングで1位を獲得するようにする方法があります。

週間ランキングで1位を獲得すれば、自社のホームページなどに掲載することによりブランディング効果を高めることができます。

また、書籍の販売促進のための新聞広告を実施する際にも、このランキング情報を掲載すると「この本は売れている」という説得力を持たせることも可能です。

露出力を高めるには買取プロモーションを活用!

書籍を一定数買取するという約束をして、一定期間大型展開を実施してもらう方法もあります。

ランキング買取との違いは、一括で数100冊も買取するのではなく、たとえば50冊の展開を依頼して、1ヶ月後に売れ残った書籍を買取るというものです。

近年、出版業界では返品率の高さが問題視されているので、書店にとっては売れ残った書籍を全て買取るという条件は、返品の必要がなく売上も担保されるためうれしい提案なのです。

通常の配本ではなかなか読者に手に取ってもらえない可能性もあるため、売れ残った書籍の買取を条件に1ヶ月間で展開をしてもらうと販売促進にもつながり、企業の認知度も向上します。

なお、買取りした書籍はセミナーでのプレゼントや、営業活動で顧客に配布したりできるので、長期的に書籍を活用する点で有効なプロモーションとなります。

書棚以外でも認知促進が図れる! 有力なポスター展開

書店に一定のプロモーション費を支払って、書籍の近くや店頭・店内の目立つ場所にポスターの展開をしてもらうこともできます。

ポスター制作については出版社と調整する必要がありますが、書籍の認知度を上げるのに効果的です。

買取プロモーションと異なるのは、書籍を買取りする必要がないことです。

自社で書籍を必要としない場合は、ポスター展開ができるプロモーションは有力な手段と言えるでしょう。

書籍や自社告知のための新聞広告

書籍の出版に合わせて、書籍や自社の告知をするために新聞広告を出稿する方法があります。

たとえば、全国の書店への配本と同時に新聞広告を使ってプロモーションを行うこともできます。

特にビジネス書は日経新聞の広告掲載と相性がよく、現代でも書籍の販売促進には最も有効な手段の一つです。

ブックカバーやしおりの配布

書店でプロモーションをする際に、書籍の内容と連動したブックカバーやしおりを準備しておき、店内に設置したり書店員に配布してもらうことができます。

書店に来店する顧客の多くは、好奇心が旺盛で知識欲などのリテラシーが高い人たちなので、出版した書籍に興味を持って手に取ったり購入したりしてくれる可能性があります。

店頭看板やデジタルサイネージ

大型書店などであれば、店頭看板や懸垂幕などで広告してもらい、来店客ばかりでなく通行人にアピールする方法もあります。

また、近年ではデジタルサイネージに注目が集まっており、店内に設置された液晶モニターに映像や音声を配信して書籍の広告をすることも可能です。

イベントスペースを活用した講演会の実施

都市圏の大型書店の場合、イベントスペースを有していることが多いので、企業の告知スペースとしても活用できます。

書籍出版する場合は、書籍のテーマに合わせてセミナーを開催することも考えられます。

書店でのセミナーは、自社開催のセミナーとは異なった客層を集客することができますので、潜在顧客へのアプローチとしても有効です。

◉Amazonの販売促進広告

Amazonなどのネット書店の場合は、タイトルや著者名が分かっていないと書籍にたどり着かないことがあります。

リアル書店であれば、興味や関心のあるジャンルの書棚を眺めているうちに、意外な1冊に巡り合う可能性がありますが、ネット書店ではそのようなことはありません。

この対策としてAmazonのスポンサー広告や書籍販促を目的としたGoogleディスプレイ広告、SNS広告などの利用があります。

ターゲットが明確であれば、そのターゲットが検索しそうなキーワードをスポンサー広告等に設定することによって、書籍の販売促進につなげることができます。

◉【まとめ】出版マーケティングは長期的な集客、認知度向上の仕組み作り

「出版マーケティング」を利用すれば、書籍を出版するだけではなく、その書籍をブランディングに活用して自社の信頼性の向上などに役立ていくことができます。

つまり、「出版マーケティング」とは長期的な集客、認知度向上のための仕組み作りだということができるでしょう。

「出版マーケティング」にトライしてみようとお考えなら、ぜひフォーウェイまでご相談ください。

ブックマーケティング
 

経営者として将来的に出版したい思いがある人は少なくないでしょう。

中でも出版社から声がかかる商業出版に夢を見ている人もいるかもしれません。

今回の記事では、そんな商業出版の基本情報のほか、複数ある出版の方法や企業が取り組む上で重要視したいポイントを解説します。

目次【本記事の内容】

執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)

慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。

◉商業出版とは

商業出版とは、出版社が費用を負担して書籍を出版する方法を指します。

◉-1、商業出版の定義と特徴

商業出版は、出版社が利益を出すことを目的とするため、より多くの書籍が売れるような内容の企画やプロモーションを行うのが特徴です。

実際に、ベストセラーとして有名な書籍のほとんどは商業出版です。

具体的には、今でも売れ続けている岸見一郎・古賀史健著の『嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え』や、岩崎夏海著の『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーのマネジメントを読んだら』などが、商業出版の代表的な事例として挙げられます。

しかし、商業出版の場合、著者の伝えたいことよりも出版社側の意向が優先されます。そのため、いくら著者に言いたいことがあったとしても、書けなかったり、出版社によって修正されてしまうことが多々あります。

著者が書きたいことが100%書ける方法ではないのも商業出版ならではの特徴と言えるでしょう。

◉-2、出版することのメリット

書籍を出版すること自体のメリットとしては、「信頼性向上」「著者のブランディング」「メディアへの露出」などが挙げられます。

現代ではインターネット上のWebやブログなどで情報を発信することもできますが、書籍として発信した情報の方が格段に信頼性が高くなります。

たとえば、ダイエット時に推奨される食事に関する情報を得たいと思った時に、個人が運営しているブログの情報よりも、専門家が出版している本の方が信頼できると感じる方は多いのではないでしょうか。

信頼度が高い情報は様々なメディアへの露出にもつながります。

実際に、商業出版をしたことで雑誌への掲載やゴールデンタイムのテレビ番組への出演につながった例があります。

出版やメディア露出により「その道の専門家である」と認識されることで、著者自身をブランディングすることが可能です。

さらに、副次的なメリットとして、出版社から発刊するとISBNコードが付与されることが挙げられます。

国会図書館にも収蔵されるため、ほぼ永久的に保存されて後世に残すことが可能です。

このように、出版することは著者自身のイメージ向上やブランディングで高い効果を期待できる手段と言えます。

◉商業出版のメリット

「出版すること」のメリットとして、信頼性向上、著者のブランディング、メディアへの露出などが挙げられますが、もう少し的を絞って「商業出版」のメリットに焦点を当てると、次の2つが挙げられます。

◉-1、著者の費用負担がない(出版社負担)

出版社の費用負担がない場合、著者が出版費用を負担することになります。

自費で出版する場合の費用は100万〜500万円ほどかかるため、著者の費用負担がないことは、著者にとって大きなメリットです。

◉-2、印税の支払いがある

商業出版の場合、書籍の販売数や印刷数に応じて、著者に印税が支払われます。つまり、収入が得られるということです。

自費出版や企業出版などは、そもそも印税を目的とした出版方法ではありませんが、「重版して総流通部数が10,001部を超えたら定価の5%をお支払い」のように、契約によっては印税が支払われることもあります。

このように、印税が支払われるのは商業出版する最大のメリットと言っても過言ではありません。

印税は印刷した部数に応じて支払われる「刷り部数印税」が主流で、相場は書籍価格の5〜10%です。たとえば、1,300円の書籍が初版で3,000部印刷されたとすれば、印税は10%の場合で39万円となります。

100万部を超えるミリオンセラーともなれば、1億円以上の印税が発生することもあります。

◉-3、出版社主導での販売活動

出版した書籍が売れなければ出版社が損をすることになるため、出版社は売るためのプロモーションを積極的に行います。

商業出版は出版社が利益を出す目的で行うため、ベストセラーやヒット作になるようにプロモーションにも力を入れるのです。

実際に、書店での販促では、出版社の主導でPOPの設置やブックDM、広告やウェビナーなどのネット施策などが行われます。

著者自身で販促をせず、プロである出版社に任せることができるため、効率よく本を売ることが可能です。

◉商業出版のデメリット

一方、商業出版のデメリットとしては、次の2つが挙げられます。

◉-1、企画の自由度が低い

自費出版や企業出版の場合は、著者が書きたい企画を自由に立てることができますが、商業出版は企画を出版社側が立てるのが一般的です。出版社側が立てた企画に合った著者に「出版などどうですか?」と持っていくという流れで出版に至るのが商業出版です。

そのため、基本的には著者が書きたいことではなく、出版社の企画に沿って書きます。

つまり、商業出版はたとえ著者が書きたいと思っていた企画であっても、出版社の企画内容に沿わなければ修正されてしまうということです。著者が書きたい内容を書けない出版方法とも言えます。これが商業出版の最大のデメリットと言えるでしょう。

◉-2、商業出版自体のハードルが高い

商業出版自体のハードルが高いということもデメリットとして挙げることができます。

なぜなら、よほど有名で話題性のある企業の経営者でない限り著者に選定されることは難しく、著者自身が持ち込んだ企画が商業出版に採用されるケースはまれだからです。

また、そもそも企画書の持ち込みを受け付けている出版社が少ないという現実があり、インターネットで公表している出版社は、専門分野の出版社を除くと数社程度しかありません。

運よく企画書の打ち合わせまで持ち込めた場合でも、最終的に自費出版に誘導されてしまったり、さらに運よく商業出版できたとしてもほとんど売れないという状態に陥ったりすることも考えられます。

◉商業出版の現実と出版業界の実情

著者の費用負担がなく販売活動も出版社が行ってくれる魅力的な商業出版ですが、その現実と出版業界の実情についても知っておく必要があります。

商業出版の現実と出版業界の実情について詳しく解説していきます。

◉-1、出版業界は斜陽産業?

現代は、ひと昔前に比べると本が売れにくい時代です。

インターネットを使えば無料で簡単に情報が手に入ってしまう現代社会。ひと昔前に比べると紙の書籍が売れにくい時代と言われています。

実際に出版業界の市場規模は年々縮小していますが、その主な原因は雑誌の販売数の減少であり、ビジネス書や実用書などは昔とそれほど変わらずに売れ続けています。

公益社団法人 全国出版協会・出版科学研究所の『2023年版 出版指標 年報』に掲載されている「出版物の推定販売金額」によれば、1996年時点での雑誌の推定販売金額が15,633億円なのに対して、2022年時点では4,795億円にまで減少しています。

一方で、書籍に関しては、1996 年時点での推定販売金額が10,931億円なのに対して、2022年時点では6,497億円となっています。

雑誌ほど減少していないというのが現実です。また、書籍についても趣味の多様化により小説などのエンタメ系書籍が販売部数を落としてしまったのが大きな要因です。

実際に、雑誌や小説などの売上が落ち込み、書店の数が減少していたり、市場規模は大きく下がっていたりしますが、ビジネス書や実用書などは今現在も堅調に売れ続けています。

◉-2、著者の知名度頼りの販売

商業出版では出版社が著者を選定しますが、その選定基準としてはSNSのフォロワー数やメディア露出が多いなどの著者の知名度が頼りになっているという現実もあります。

実際に、芸能人やSNSでフォロワー数の多い専門家やインフルエンサーなどが著者として選ばれることが多いです。

出版社が販促を行うとはいえ、無名の経営者が書いた本を売るのは難しいものがあります。

そのため、どうしても著者の知名度に頼ってしまう面があるのです。

◉-3、商業出版だから「売れる」は盲信

もし運よく出版社から商業出版で出版できたとしても必ず売れるとは限らないということも覚えておく必要があります。

実際に、著者が著名人やタレントであっても、販売数が数千部や数百部程度になってしまうこともあります。

ましてや、無名の人物が書いた本が売れる確率は低いです。

「商業出版だから売れる」という考えは捨てましょう。

◉商業出版プロデューサーの罠(出版コンサル)

商業出版プロデューサーとは、著者を発掘し、企画を立案し、出版社に企画を持ち込み、その企画を出版に導く人のことで、出版コンサルタントと呼ばれることもあります。

無名の経営者が商業出版を目指す場合には、商業出版プロデューサーにコンサルティングを依頼することがあります。

なぜなら、経営者は企業経営のプロではあるものの、出版のプロではないからです。

出版プロデューサーの費用は、実績やサービス内容によって異なりますが、200万~300万円もの高額の費用がかかる場合があります。

これだけの高額費用がかかっても商業出版が実現できれば良いのですが、出版社への企画の売り込みだけで終わってしまうという詐欺まがいのケースもあるようです。

もちろん、これは悪い出版プロデューサーに引っかかってしまった場合であって、全ての出版プロデューサーが悪いというわけではありません。

「商業出版プロデューサーがついているから必ず売れる」ことはないと理解したうえで依頼しましょう。

◉商業出版以外の出版の選択肢

商業出版以外の選択肢には自費出版(個人出版)、共同出版、電子書籍での出版、企業出版の4つがあります。

それぞれの特徴を表にまとめました。

商業出版自費出版
(個人出版)
共同出版電子書籍での出版企業出版
出版目的ヒットする本をつくる個人的な表現欲求を満たす・出版社の販路を活用し、より多くの人々に書籍を届ける
・費用を抑えて書籍を出版する
・費用をかけずに書籍を出版する
・国内外の人々に書籍を届ける
・認知度を向上させる
・企業ブランディングを行う
・信頼性を向上させる
費用負担出版社著者出版社・著者著者企業
書籍企画出版社著者出版社著者出版社
自由度
プロモーション出版社著者出版社著者出版社
初版発行部数3,000部〜10,000部100部〜500部100部〜1,000部1,000部〜1万部

それぞれの特徴を詳しく解説します。

◉-1、自費出版(個人出版)

自費出版(個人出版)とは、書籍の出版にかかる費用を著者自身が負担する出版方法です。

自費出版は、出版社の販路を利用して書店で販売するものと書店での販売はしない私家版に分けることができます。

自費出版のメリットは、本の内容の自由度が高いことです。

出版社は書籍の企画に介入せず、著者自身が企画をするため、内容を自由に決めることができます。

たとえば、著名人ではなくても「自分のこれまでの人生を一冊の本にまとめたい」「築いてきたノウハウを読者に共有したい」など、個人的な活動を周囲に知ってもらう本を出版することが可能です。

実際に、島田洋七『佐賀のがばいばあちゃん』は著者の自伝を著した自費出版の書籍ですが、全世界で累計800万部を売り上げたベストセラーとなりました。

自費出版は本の内容の自由度が高いことがメリットとなる一方で、出版に関わる費用をすべて負担する必要があること、発行部数が少ないことがデメリットとして挙げられます。

費用がかかったとしても大きな利益を出すことができればいいのですが、そもそも書籍の発行部数が100部程度〜と少ないため、大きな利益を出すことは簡単ではありません。

このように、自費出版は書籍の内容にこだわりがある人には適した出版方法ですが、費用の面でデメリットが大きい出版方法です。

◉-2、共同出版

共同出版とは、書籍の出版にかかる費用を著者と出版社が事前に決めた割合で負担する出版方法です。

共同出版では、費用負担に加え初版発行部数の一部を買い取るやり方もあります。

自費出版では費用さえ負担できれば誰でも出版できる方法ですが、共同出版は出版社が企画内容によって採用の可否を決めるため、誰でも出版できるわけではありません。

たとえば、出版社が「この内容では売れない」と判断した場合は、出版費用を出してもらうことはできないということです。

ほとんどの場合、出版社が損失を被ることはないため、企画は通りやすいものの、自費出版よりも自由度は低くなります。

たとえば、自伝や個人的なノウハウは採用されないことが多いでしょう。

また、自費出版との違いとして、出版社の販路を使って全国の書店やインターネット書店で販売できることが挙げられます。

このように、共同出版は費用負担、自由度、販売される場所の3点において商業出版と自費出版(個人出版)の中間に位置している出版方法と言えます。

◉-3、電子書籍での出版

出版方法には、紙媒体で出版する方法の他にも、電子書籍で出版する方法があります。

電子書籍として出版する方法のメリットは主に以下の3つです。

  • ・出版までのハードルが低い
  • ・在庫を抱える可能性がない
  • ・国内外に発信できる

また、印税率も紙の書籍より高いため、同じ冊数だけ売ることができれば、紙の書籍よりも儲かることになります。

しかし、電子書籍は紙媒体よりも売るのが難しいとされているだけでなく、紙の書籍よりも通常では定価が安いため、利益も少なくなってしまうのが現状です。

よほど影響力のある著名人でない限り、大きな利益を出すのは難しくなっています。

実際に、電子書籍を出版してもほとんど読まれずに終わってしまったという書籍は数多くあります。

電子書籍の市場は年々拡大しているとはいえ、現状ではまだまだ認知度が低く、利用率が限られているため、うまくプロモーションできなければ利益を出せずに終わってしまうのです。

そこで重要となるのが企業出版をはじめとする紙媒体の書籍です。

紙媒体の書籍は、電子書籍よりも社会的信頼性が高いため、出版における効果を高めることができます。

このように、電子書籍はメリットの大きい出版方法である反面、デメリットも大きい出版方法です。

社会的信頼度の面で紙媒体の出版方法に大きく劣ることから、企業が事業の発展を目指して行う場合には適していません。

◉-4、企業出版

企業出版とは、企業が「商品・サービスの認知度を向上したい」「他社と差別化したい」「企業のファンを作りたい」などの企業が抱える課題を解消することを目的として行うものです。

書籍の出版にかかる費用は企業が負担して出版します。

内容は自由に企画できるため、企業が伝えたいメッセージをしっかりと書籍に込めることができます。

自費出版(個人出版)との大きな違いは、「誰が出版するのか」「誰がプロモーションを行うか」という点です。

自費出版は著者が出版し、著者自身でプロモーションを行う必要がありますが、企業出版の場合は出版社に依頼することができます。

企業主導でセミナーやWebでのプロモーションを組み合わせれば、よりピンポイントでターゲットに訴求することが可能です。

このように、企業が抱える課題を解決したい場合には、企業出版が最も適した出版方法と言えます。

◉ブックマーケティングという選択肢

これまでに、出版の選択肢として「商業出版」「自費出版(個人出版)」「共同出版」「電子書籍出版」「企業出版」という5つの出版方法を紹介しましたが、実は「ブックマーケティング」という選択肢もあります。

新しい選択肢となるブックマーケティングについて詳しく解説します。

◉-1、ブックマーケティングとは

ブックマーケティングとは、書籍を活用してマーケティングに活用する手法です。

自社の創業ストーリーや商品開発ストーリーなどをまとめ、企業や商品・サービスの認知度向上や購買意欲向上などに役立てることが主な目的です。

ブックマーケティングの特徴は、あくまでもマーケティングの一環として書籍を活用する点です。

明確なターゲットを定め、どのように顧客ターゲットに届けるかをマーケティング戦略の知見で組み立てるため、書籍販売プロモーションに限らず、様々なマーケティング戦略をとることができるのです。

引用元:ブックマーケティングとは?メリットや効果的な戦略の作り方(https://forway.co.jp/post_column/bookmarketing/

商業出版や共同出版、企業出版の場合は、書店プロモーションや新聞広告などのプロモーション方法によってマーケティング効果を得る方法です。

一方で、ブックマーケティングは、マーケティングの一環として書籍を活用します。

書店プロモーションや新聞広告などに加え、SNSマーケティングやSEOコンテンツマーケティング、クラウドファンディングなどを組み合わせて戦略を練るため、通常の出版社ではマネできないやり方で効果を最大化させることが可能です。

ブックマーケティング

◉ビジネス目標達成のための出版戦略

企業戦略として書籍を出版する場合は、最初に「出版の目的とターゲットを設定する」ことが重要です。

なぜなら、出版の目的とターゲットが明確になっていないと、対象となる読者がはっきりせず、書籍の内容も販売戦略も不明確になってしまうからです。

出版の目的やゴールを設定するためには、現在企業が抱えている課題を把握することから始めましょう。

「書籍を使って解決したい課題は何なのか」について最初にしっかりと考えておくことで、その後の道筋を明確にすることが可能です。

出版で叶えられる企業の課題には、「商品やサービスの認知度向上」「集客や売上の向上」「企業理念や経営方針の浸透」「優秀な人材の育成・採用」などが挙げられます。

最初に目的やターゲットを明確に設定できるとプロモーションの方法も明確になり、できあがった書籍の活用方法も具体的にイメージすることができるようになります。

課題を洗い出しても、目的やターゲットを設定しなければどのように戦略を立てればよいかわからず、道に迷ってしまいます。

最短距離かつ効果の高い方法で目的を達成しターゲットに訴求できるよう、出版戦略を練ることが重要です。

◉-1、出版を戦略的に活用するためのポイント

出版を戦略的に活用するためのポイントは、「書籍に合ったプロモーション施策を行うこと」です。

書籍販売プロモーションには、以下のように様々な施策がありますが、とにかくすべてやればいいというわけではありません。

  • ・書店の広告プロモーション
  • ・書店ポスター
  • ・新聞広告
  • ・ランキング買取
  • ・Amazon施策(ランキング1位、広告)

その理由は、書籍によって効果のあるプロモーション方法が異なるからです。

たとえば、ビジネス書であれば、ウェビナーやAmazon施策、書店ポップやポスター、広告の設置など、王道のプロモーション方法が効果的です。

一方で、ビジネス書とは対極にある絵本では、ワークショップの開催やオンライン読み聞かせ会などで、どのような話なのかある程度知ってもらうことが大切になります。

このように、出版を戦略的に活用するには、より効果のある方法でターゲットに訴求することが重要なのです。

◉-2、出版による競合優位性の構築

インターネットやSNSが発達した現代では、いかに差別化を図り競合優位性を確保するかが重要です。

なぜなら、顧客はインターネットを介して多くの製品やサービスを容易に知ることができるため、良い製品やサービスを作ったからといって必ず売れるという時代ではなくなったからです。

自社にしかない魅力をアピールしたり、多くの顧客に認知してもらったりする手段として出版を利用する一つの方法が「ブックマーケティング」ということになります。

◉-3、出版を通じた顧客との関係性構築

出版を通じて、顧客の信頼を獲得して顕在層をファン化させるなどの関係性構築を図ることができます。

なぜなら、「書籍を出版している企業」だということによって信頼性が高まり、書籍を通じて自社の取り組みや商品・サービスなどを顧客に伝えることができるからです。

これによって、ファン化した顧客に商品やサービスの購入を働きかけることができるなど良好な関係性の構築につながります。

◉まとめ

この記事では、出版方法の一つとして商業出版について解説しました。

商業出版は出版社が出版に関するすべての費用を負担し、企画からプロモーションまでを行う出版方法です。

書籍を出版することで「信頼性向上」「著者のブランディング」「メディアへの露出」など様々なメリットを享受できるため、企業にとってはプラスになることが多いのが魅力です。

商業出版は著者にとって夢のある出版方法である反面、書籍内容が制限されたり持ち込み企画が通りにくかったりと、内容にこだわりのある人にとってはデメリットの大きい出版方法と言えます。

著名人でない場合、「この内容であれば売れる」と思われない限り、採用されることはありません。

また、運良く商業出版で書籍を出せたとしても、確実に売れる保証はありません。

その点、ブックマーケティングであれば、様々なマーケティング施策を組み合わせて戦略を練るため、より多くのターゲットの元へ届けることが可能です。

書籍の出版によって企業や事業を成長させたいと考えている方は、ブックマーケティングも視野に入れて検討してみてはいかがでしょうか。

ブックマーケティング

認知度拡大や採用強化のためのブランディング実現を目的に、自費出版を選択する企業が増えています。ただ、実は企業向けの出版施策として、自費出版のほかに企業出版という手段があります。

企業が出版を検討する際に、効果的な戦略となるのはどちらの出版方法でしょうか。具体的な出版社の選び方まで解説していきます。

目次【本記事の内容】

執筆者:江崎雄二(株式会社フォーウェイ取締役マーケティング統括)


福岡県出身。東福岡高校、山口大学経済学部経済法学科卒業。大学卒業後、月刊誌の編集者兼ライターに携わる。その後時事通信社での勤務を経て、幻冬舎グループに入社。書店営業部門の立ち上げメンバーとして活躍後、書籍の販売促進提案のプロモーション部を経て、法人営業部へ。東京と大阪にて書籍出版の提案営業を担当し、2020年11月、株式会社フォーウェイに参画。2023年9月取締役就任。グループの出版社、株式会社パノラボの流通管理も担う。

◉自費出版と企業出版の違いとは

自費出版と企業出版はどちらも費用負担の必要がある点では同じものといえます。

ただし、それぞれ出版の目的や出版後の展開に大きく違いがあるため、異なる名称で差別化しているのです。

自費出版は、著者が自身で費用を負担して、出版社の編集者に書籍化してもらう出版形式です。出版後は書店に必ず並ぶわけではなく、自己満足に終わる可能性も十分にあります。

企業出版は、企業が広告宣伝費などの名目で費用負担をし、企業の課題解決のためのマーケティング手段として書籍出版を活用することです。出版社の編集者やプロのライターの取材により原稿を執筆してもらうことができ、会社としての理念や考え方の棚卸しもできる方法です。

企業の課題とは、会社によって異なります。たとえば、出版をきっかけに企業としてのブランド価値を高め、競合他社よりも顧客に選んでもらえるようにする認知度拡大、ブランディングが出版目的の一つです。

企業出版は、出版社によって呼び方が異なることがあり、カスタム出版やブランディング出版と呼ぶこともあります。

▶企業出版については、関連記事【「出版の広告効果とは? 企業出版と自費出版の違い」】もあわせてご参考にしてください。

◉自費出版と企業出版のコストの違い

自費出版と企業出版では、目的のほか、かかるコストの違いが大きいです。

◉-1、自費出版のコストは安価だが料金体系は幅広い

自費出版は、基本的には自分の執筆した原稿を、プロの編集者に編集や校正してもらう流れをとります。

自費出版は地方の小さな出版社から大手出版社まで幅広く展開されています。

そのため、出版社によってコストに差が生じます。部数によっても変わりますが、100万円以下で対応する印刷会社の延長のような業務請負もあれば、300万〜400万円で請け負う自費出版もあります。

会社の広告宣伝や書店流通を希望する場合は、自費出版を選択するのは得策とはいえません。「書店に並びます」というセールストークで売り込む自費出版会社もありますが、そういった出版社は大型書店の一角に、誰が立ち寄るかわからない自費出版専用の棚を購入しており、そこへの展開となるのが大半です。

書店に配本はしても、棚に陳列されることなく返品されるのもよくある話です。

◉-2、企業出版はかなりの高額だが書店に流通する

企業出版は、出版後のプロモーションまで担うため、書店には流通していくのがポイントです。

コストは有名な大手企業出版会社の場合、1000万円ほどかかるのが当たり前の世界です。1000万円という高額な費用を負担しても、出版後の宣伝効果で費用回収ができる企業であれば活用してもよい手段でしょう。

業界最大手の企業出版会社では、不動産投資会社は1〜2件の契約が決まれば出版費用が簡単に回収できることもあり、不動産関連の書籍が多数出版されていました。

ただ注意が必要なのが、出版された書籍は大型書店には基本的に陳列されますが、どれほどの期間展開されるのかは未知数な点です。というのも、出版業界は書籍の販売が落ち込んでいることもあり、売れなければ即返品される厳しい世界だからです。

たとえ大手出版社の名を冠した書籍であっても、売れなければすぐに返品されると考えてください。

くわえて、確実に書店に展開させるためのプロモーションを実施する手もありますが、前述の1000万円近いコストから、さらに数百万円の広告費を投じる必要があることは覚えておきましょう。

◉自社に適した出版社の選び方

では企業が自費出版もしくは企業出版を検討した際に、出版社はどのような点に着目して選ぶのがよいでしょうか。

◉-1、対外PRよりも説明ツールが必要であれば安価な自費出版を

まず、自社で配布するための営業ツールや採用の際に応募者に配布する採用ツールなど、書店展開の必要性以上にツール自体が必要ということであれば、自費出版でもよいでしょう。

ライターを用意してくれる出版社であれば、自社で執筆する必要もなく、自由度高く自分たちの思い通りに制作することができます。

なによりも自費出版は安価です。広告費を抑えながら、営業活動や採用活動のプラスアルファが欲しいときに選択肢となりえます。

ただし、少しでも対外的なPRやブランディングの目的があるならば、自費出版は選択すべきではないでしょう。

自費出版で満足に書店流通してくれる出版社はないと言っても過言ではありません。自費出版はあくまで自社で完結する場合の選択肢として考えましょう。

◉-2、企業出版の見極めの仕方

対外的なPRやブランディング目的で出版を検討した際、企業出版を選択するのがよいでしょう。前述のように1000万円近くのコストがかかる出版社がありますが、なかにはもっと安価に企業出版を提供している出版社もあります。

大手出版社であればコストは高くなりがちですが、会社のブランド力があります。会社としても箔がつき、競合他社が出版施策をすでに実施している場合にはコンペなどで対抗する手立てとなるでしょう。

一方、一般的に知名度は高くなくとも、大手出版社に引けをとらない制作力と流通力を誇る出版社も存在します。会社のブランド力よりもコスト面を抑えたいのであれば、このような企業出版会社を選択するのも一つの手段です。

最後に、企業出版ならびにカスタム出版のサービスを提供している出版社を簡単に紹介しましょう。

・幻冬舎メディアコンサルティング
企業出版最大手の出版社。ベストセラー書籍を多数輩出する幻冬舎の子会社であり、企業出版では業界随一の1800社以上の実績を誇ります。企業の成功事例も多数。

・ダイヤモンド社
ビジネス書では随一の実績とブランド力を誇る出版社です。企業出版のほか、広報誌や会社の歩き方などの企画も取り扱っています。自社雑誌およびWEB媒体とのコラボも可。

・日経BP社
ビジネス書の実績が豊富な経済系出版社。「日経ビジネス」といったビジネス系雑誌媒体を発行しているのも強みの一つ。社史・周年史も豊富な実績を誇ります。

・東洋経済新報社
雑誌・東洋経済やWEB・東洋経済オンラインを発行、運営するビジネス系出版社。カスタム出版の実績も多く、紙やデジタル、リアルイベントといったプロモーション提案も可。

・クロスメディア・マーケティング
企業出版に力を注ぐ成長著しい出版社。年々刊行点数も伸ばしており、費用も安価なメニューから幅広く揃えています。大手出版社に遜色ない流通力を保持しているのもポイント。

・フォーウェイ(出版社パノラボ)
大手の企業出版会社よりも安価な適正価格でブランド力ある出版社から出版ができます。また、自社グループに企業出版専門の出版社パノラボがあり、マーケティング視点を持った成果にこだわるブックマーケティングを提供できるのも特徴。出版後のプロモーションまで企業の出版目的に合わせて設計できる点も強みの一つです。

上記の特徴を踏まえて、自社の課題や広告予算との兼ね合いで選択するのがよいでしょう。逆に上記以外の企業出版は制作面もしくは流通面のクオリティや対応の悪さが大きな不満点につながり、自費出版したのと結果が変わらない可能性が高まるためおすすめはしません。

▶企業のブックマーケティングについては、関連記事【ブックマーケティングとは?メリットや効果的な戦略の作り方】もあわせて参考にしてください。

◉【まとめ】ブランド力かコストパフォーマンスのどちらを優先するかが重要

以上のように、企業が出版を選択する場合、目的をいかに達成させるかが重要になります。

企業出版を実施するとしても、出版社のブランド力を信じて高額な広告予算で施策を打つか、コストパフォーマンスを重要視するかを決めなければなりません。

ただ、市場に自社の書籍を流通させることは直接的な売上アップ以外のリターンもたくさんもたらしてくれます。出版をきっかけにメディアから取り上げられるようになり、副次的な出版効果で売上が向上したという事例も珍しくありません。

企業としてステップアップを図るならば、企業出版という手段はさらなる成長のための起爆剤になりえるでしょう。

ブックマーケティング

企業ブランディングの方法としてストーリーブランディングが注目を集めています。

売れ続ける企業には理由があり、共通点は発信しているストーリーに消費者が心を動かされていることです。

本記事では、ストーリーブランディングの価値やメリット、具体的な方法を解説します。

目次【本記事の内容】

執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)

慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。

◉ストーリーブランディングとは

ストーリーブランディングとは、企業や製品・サービスのブランドイメージを確立するために、ストーリーを活用するブランディング手法の一つです。

心理学では「人は感情が揺さぶられたときのことを深く記憶する」と言われています。

そのため、単に企業の成り立ちや、製品の開発エピソード、発売・リリースまでの道のりを解説するよりも、ストーリーにのせて伝えた方が、自社や製品・サービスの印象が強く残りやすくなるのです。

たとえば、経営者が自伝や伝記を出版しファンを増やしたり、ブランドムービーを作ったり、CMを物語調にしたりするのはストーリーブランディングの手法の一つです。

また、ストーリーブランディングは、結果として競合他社との差別化にもつながります。

たとえば、競合他社よりも製品・サービスの質や価格が劣っていたとしても、ストーリーで顧客の感情に強く訴えかけることができれば、「この製品・サービスを買いたい」と思ってもらえます。

このように、ストーリーブランディングは、単なるブランディング手法としてだけではなく、競合他社との性能・価格競争を脱却し、強固な差別化を図るための手法としても注目されているのです。

◉ブランディングのもたらす価値を知る

ブランディングがもたらす価値の種類は、主に次の4つです。

  • ・機能的便益
  • ・情緒的便益
  • ・自己表現便益
  • ・社会的便益

それぞれどのような価値なのかを詳しく見ていきましょう。

◉-1、その1:機能的便益

機能的便益とは、商品やサービスの基本的な便益のことです。簡単に言えば、「商品やサービスそのものの良さ」という意味です。

機能的便益が低いと、商品やサービスを利用したユーザーから低い評価しか得られなくなります。そのため、企業がブランディングにより真っ先に取り組むべきものは機能的便益の向上と言えるでしょう。

たとえば、スポーツシューズの場合であれば「履き心地が良い」や「走ったときの衝撃が小さい」という機能的便益があります。

「このメーカーのスポーツシューズは履き心地が良い」「このメーカーのスポーツシューズは走ったときの衝撃が小さい」のように、ブランディングにより、自社製品・サービスの機能的便益が向上すれば、売上に繋がります。

しかし、現代ではさまざまな特徴を持った製品サービスが市場に溢れているので、機能的便益だけで他社との差別化を図るのは難しいのが実情です。

◉-2、その2:情緒的便益

情緒的便益とは、特定のブランドの商品を購入する時に覚える感情のことです。

顧客が商品やサービスを選択する際には、機能的便益だけでなく、情緒的便益も重要な要素です。

たとえば、パソコンを購入する際に、機能面や価格の安さで劣っていたとしても「スタイリッシュでかっこいい」「これを持っていると気持ちが高揚する」というように、情緒面でApple社のMacBookシリーズを選ぶ人は多いのではないでしょうか。

このような情緒的便益は、企業やブランドの歴史、独自の世界観などのブランドストーリーによって作り上げられます。

競合他社の商品やサービスとの価格・性能競争にならず、差別化を図るために有効なのが、この情緒的便益です。

◉-3、その3:自己表現便益

自己表現便益とは、特定のブランドの製品やサービスを身に着けたり、利用したりすることによって顧客が自己表現をできる便益のことです。

たとえば、高級ブランド品を持っていることによって「お金持ちになった気分になれる」「自信が持てるようになる」というような気持ちになれるのが、自己表現便益になります。

自社の製品・サービスが顧客に自己表現便益を提供できるようになると、ブランドと顧客との関係が強固になり、結果としてリピートやLTV(ライフタイムバリュー)の向上につながります。

◉-4、その4:社会的便益

社会的便益とは、特定ブランドの製品やサービスが顧客をある社会的集団やコミュニティに所属させる便益のことです。

さらに、その商品やサービスを所有していることにより感じる「集団の一員である」という所属感や、それに伴う喜びや満足感も社会的便益にあたります。

たとえば、あるブランドのファッションを着ていることによって「おしゃれな人」に属していると感じる場合は、そのブランドは社会的便益を持っていることになります。

◉ストーリーブランディングのメリット

ストーリーブランディングを実施するメリットは、主に次の3つがあります。

  • ・シーンが伝わりやすい
  • ・共感を得られやすい
  • ・ファン獲得に繋がりやすい

それぞれどのようなメリットなのかを具体的に見ていきましょう。

◉-1、シーンが伝わりやすい

創業時の苦労、製品・サービスの開発プロセスが、映画のワンシーンのように顧客に伝わりやすくできることは、ストーリーブランディングならではのメリットです。

たとえば、製品・サービスを利用している最中に、開発プロセスや開発者の想いなどが映画のワンシーンのように脳裏に浮かび、感慨深い気持ちになったり、「頑張るぞ」と気持ちが高揚してきたりした経験がある方も多いのではないでしょうか。

ただ利用することとは違った感情が顧客に芽生えるため、製品・サービスに特別な感情を抱くようになります。結果として顧客に「この製品・サービスでないとダメだ」と思ってもらいやすくなり、リピート購入などにつながりやすくなります。

◉-2、共感を得られやすい

ストーリーブランディングは顧客の共感が得られやすいというメリットもあります。

たとえば、次の2つの製品の紹介文を比べてみてください。

・その1:子育てと仕事の両立に悩むシングルマザーのためのサプリメントです。
・その2:このサプリメントは、「子育てと仕事の両立に悩むシングルマザーの悩みを解決したい」という開発担当の女性社員の想いから生まれました。またその想いに共感した3人のシングルマザーの社員が立ち上がり、プロジェクトチームが発足。300以上の試作品を作り、成分1gまで細かく調整。5年かかってようやく完成したサプリメントです。

簡単ではありますが、その2の紹介文の方が開発プロセスや開発者のバックグラウンドも見え、ただのサプリメントとは違う感情が湧き出てきませんか?

このように、ストーリーは顧客の感情に訴えかけるため、機能性をアピールするブランディング手法よりも顧客の共感を得やすく、拡散性が高いという特徴があります。

◉-3、ファン獲得に繋がりやすい

ファンの獲得につながりやすいということもストーリーブランディングのメリットと言えるでしょう。

顧客がストーリーに共感するとブランドそのものに魅力を感じるようになり、ファン化してブランドから離れづらくなります。

ファンが獲得できると、LTV(ライフタイムバリュー)が上がったり、リピート購入につながったり、製品・サービスの性能や価格によらず、売れ続ける状況が生まれやすくなります。

◉企業がストーリーブランディングを始めるべき理由

商品やサービスの機能などでは競合他社との差別化が難しくなってきている時代。

そのため、今後は、機能的便益以外の要因によって差別化を図る必要があります。

機能的便益以外で競合他社との差別化を図るために有効な方法として注目されているのが、ストーリーブランディングです。

具体的に、なぜ今企業がストーリーブランディングを始めるべきなのか、その理由は次の3つです。

  • ・容易に商品・サービスが購入できる環境
  • ・ものや情報が溢れている環境
  • ・SNSの普及による情報キャッチの速さ及び拡散性

それぞれ3つの観点について解説していきます。

◉-1、容易に商品・サービスが購入できる環境

今は、いつでも好きなときにネットショッピングを利用して、製品・サービスが購入できる時代です。

もっと極端に言えば、どのメーカーの製品・サービスを買っても基本的に必要な機能はあらかた備わっています。また、ネットで購入した商品は翌日か翌々日には届きます。

今や機能や品質、納期などで差別化することに限界が来ている時代なのです。その突破口の一つとして、ストーリーブランディングが重要になってきます。

◉-2、ものや情報が溢れている環境

インターネットでも店舗でも、今現在、市場にはモノが溢れています。

むしろ、「製品・サービスを購入したくても選択肢が多すぎて選べない」という悩みを抱える人の方が多いのではないでしょうか。

このように、物質的に満たされた環境だからこそ、顧客はモノの豊かさよりも心の豊かさを重視する傾向にあります。

また、それに伴い、顧客は自分のライフスタイルや価値観に合った製品・サービスを選択する傾向が増えてきています。

だからこそ、顧客の感情に訴えかけるストーリーブランディングが有効な時代とも言えるのです。

◉-3、SNSの普及による情報キャッチの速さ及び拡散性

今は、FacebookやX(旧Twitter)、Instagramなど、SNSの普及によって情報の伝達や更新、拡散のスピードが早い時代です。

また、各SNSの「いいね」や「リツイート」「リポスト」などの機能より、共感の意思表示や、情報の拡散も容易です。

そのため、SNSのユーザーが共感しやすいストーリーブランディングの方が、従来のマーケティング手法よりも、より多くの見込み顧客にアプローチでき、認知してもらえる可能性が高くなります。

実際に、SNSを利用したストーリーブランディングを展開する企業も増えており、インフルエンサーが消費者目線で企業のストーリーを投稿したり拡散したりする活用法も増えてきています。

このように、今の時代に、競合他社との差別化を図るためには、SNSの活用も必要不可欠です。

▶️ストーリーブランディングを含む、他社との差別化戦略成功の秘訣については、関連記事【差別化戦略の成功の秘訣ーメリットとデメリット、成功事例の解説】をあわせて参考にしてください。

◉ストーリーブランディングの3パターン

実際にストーリーブランディングを行おうと思ったら、次の3つのパターンを押さえておくと良いでしょう。

3つのパターンを一つひとつ紹介します。

◉-1、パターン①:エピソードストーリー

エピソードストーリーとは、一つひとつの細かいエピソードのことです。

簡単に言えば、創業や製品・サービス開発のこぼれ話、と呼ばれるような小さなエピソードのことです。

たとえば、『沈黙のWebマーケティング』という書籍で有名なSEO会社である株式会社ウェブライダーは、自社運営の文章作成アドバイスツール『文賢』のバージョンアップに伴うHP改善MTGをYouTubeでライブ配信しています。

一見、「自社MTGを配信するなんて、誰のため、何のためのYouTubeライブなのか」と思われるかと思いますが、これはれっきとしたストーリーブランディングの施策です。

なぜなら、このYouTube配信を通して、製品開発にどのような人がどういう温度感で関わっているのかが伝わるからです。「誠実に真剣に仕事をしている会社」「ちゃんと色々とやってくれる会社」というイメージを顧客に理解してもらう上で有効なエピソードと言えるでしょう。

また、その他にも次のようなちょっとした社内でのエピソードが、そのままストーリーブランディングとして使える可能性があります。

  • ・ぶっちゃけた話
  • ・失敗した話
  • ・他社と比べて劣る点の話
  • ・コミットした話
  • ・社内で感情と感情がぶつかり合った話
  • ・苦労した話
  • ・開発の裏側

一つひとつのエピソードは小さくても、順にストーリーとして伝えていくことによって、全体としてまとまったイメージを顧客に持ってもらうことができます。

たとえば、「開発責任者がミーティングに遅刻して社長に怒られた話」など、一見すると「使えないだろう」と思われるようなエピソードも、使いようによってストーリーブランディングに有効な可能性があるのです。

◉-2、パターン②:ブランド化ストーリー

ブランド化ストーリーとは、自社や商品・サービスが認知されてブランド化されるまでのストーリーのことです。

創業ストーリー、製品・開発ストーリーなどがこれにあたります。

ブランド化ストーリーを作る上で重要なのが、ナンバーワンではなくオンリーワンになることです。

自社が勝てる強みを見つけ、その軸で創業ストーリーや製品・開発ストーリーを語っていくことが何より重要になります。また、ここでいう強みとは、製品・サービスの品質や性能の高さ、安さなどではなく、「自社らしさ」のことです。

たとえば、チームプレーを大切にしている企業であれば、社員同士で衝突したり、助け合ったりしたエピソードなどをメインに語ることで、「チームプレーを大切にしている会社」というイメージが伝わりやすくなります。

製品・サービスをメインに紹介しがちですが、ブランド化ストーリーの場合は、むしろ製品・サービスよりも、「自社らしさ」にフォーカスした方が、良い結果につながりやすいと言えるのです。

◉-3、パターン③:ビジョンストーリー

ビジョンとは「まだ実現はしていないが将来こうありたい」という想いのことです。

将来の見通しや長期的な目標という言い方もできるでしょう。

ビジョンストーリーは、顧客に対してだけではなく自社の社員に対しても働きかける効果があり、モチベーションを高めたり組織の活性化を図ったりする効果が期待できます。

あくまで1つの参考例ではありますが、「人を成長させる会社」というビジョンを顧客や自社の社員に印象づけたければ、「一人の失敗が多い社員が仕事を通して成長していく様を追ったドキュメンタリー風のストーリーにする」などがストーリーとして有効でしょう。

「会社のビジョンを安直に表現しなければ伝わらないのでは?」と思ってしまう人もいらっしゃるかと思いますが、違います。それがストーリーブランディングの難しいところです。

言いたいビジョンをそのまま安直に伝えるのではなく、人の成長や、気持ちの変化などを通して暗にビジョンを伝えるから、伝わるのがストーリーブランディングです。

たとえば、今はもう公開終了していますが、アニメーション映画監督の新海誠さんが手がけた大成建設のCMを見たことはあるでしょうか。

色々な社員が抱える悩みや葛藤を乗り越えて、「それでも自分の仕事はきっと人々の役に立つから」と仕事に邁進していく姿を30秒ほどのアニメーションで描いています。

このCM内では、大成建設のビジョンなどはほとんど語られていませんが、同社が伝えたい「地図に残る仕事」というビジョンを強烈に印象づけられます。

「直接ではなく、暗につたえる」ということがビジョンストーリーを作る上でのポイントと言えるでしょう。

◉ストーリーブランディングの具体的な方法

ストーリーブランディングによってブランドイメージを確立するにはいくつかの方法がありますが、特に有効なものが、「SNS活用」と「ブックマーケティング」です。

実際に、これら2つがどのような方法なのかを解説します。

◉-1、ストーリーブランディングでのSNS活用方法

顧客の多くがSNSを情報収集やコミュニケーションツールとして利用している時代。ストーリーブランディングにおいても、SNSを積極的に活用していきましょう。

ストーリーブランディングでのSNS活用で最も重要なのは、「企業側が一方的に発信したい情報だけを発信しても意味がない」と言う点です。

たとえば、毎回投稿が「新サービスをリリース」「新しいサービスを開始」「セミナーを開催」などの告知ばかりでも、顧客には全く響きません。

SNS上で顧客が見るのは、興味関心のあることだけです。企業が発信したいこと、宣伝目的の発信などには反応されません。

ストーリーブランディングをSNS上でうまく行うためには、顧客が共感するようなことを投稿していく必要があります。

たとえば、「商品開発の裏側」など前述のエピソードストーリーでお伝えしたような、細かくキャッチーなエピソードは、SNS上の顧客の心に響く可能性があります。

たとえば、2020年ごろにX(旧Twitter)上でされた「冷凍餃子を夕食に出したら夫に手抜きだと言われた」という投稿に対して、味の素は「それは手抜きではなく、手”間”抜き」ですよ。大変な手間をお母さんの代わりに丁寧に準備しております〜(以下省略)」といった想いの丈を投稿。

このハートフルな味の素の投稿は話題となり、多くの共感が集まりました。また、このタイミングで味の素は冷凍餃子の製造工程を公開。

ただ「弊社の冷凍餃子の特徴は〜」と安直に語るのではなく、1人の女性に救いの手を差し伸べる自然な形で自社のブランディングを高めることに成功しています。

このように、一方的な情報発信の場ではなく、顧客とのコミュニケーションの場として、投稿を作成していくことが、後々結果につながっていく、というのがストーリーブランディングのSNS活用の鉄則と言えるでしょう。

▶SNSマーケティングについては、関連記事SNS運用のやり方をとことん解説|フォロワーを集めてビジネスに繋げる成功法則とは?もあわせてご参考にしてください。

◉-2、ストーリーブランディングとしてのブックマーケティング

ブックマーケティングは、書籍をマーケティングに活用する手法のことです。

企業が自社や商品・サービスなどについてまとめた書籍を出版して認知度向上や購買意欲向上などに役立てていきます。

ブックマーケティングは、一般的に企業の強みや独自技術、企業としての取り組みなどをストーリーとしてまとめますが、ストーリーブランディングに活用する場合は、顧客の感情に訴えるような内容にする必要があります。

そして、ブランディングのためのストーリーの見つけ方として、「絞り込む」「見せ方を変える」「宣伝してしまう」という3つのアプローチ方法があるので、これらをうまく組み合わせて行っていきましょう。

「絞り込む」とは、商品やサービスの分野や、ターゲットを絞り込むことです。自社の強みとなる専門性や魅力などが見つかればブランド化につながります。

たとえば、「不動産投資による節税対策」という本を書いたとしても、ターゲットとなる対象が広すぎて手にとってもらえない可能性があります。

しかし、「医師のための不動産投資による節税対策」のように、高額所得者であり高額納税者でもある医師にターゲットを絞ることで、医師に手にとってもらいやすくなります。

実際に、この書籍を出版した不動産会社には医師からの問い合わせがあり、約2ヶ月で約6億円の売上がありました。

出版から約2ヶ月で、医師からの問い合わせがあり、約6億円の売上があがった書籍はこちらです。

このように、「絞り込む」ことで特定の対象に刺さりやすくなります。

「見せ方を変える」は、自社の商品やサービスに新しい何らかの付加価値を付けて、顧客に新しい何かを見せることです。今までにない新しい共感を顧客から得るきっかけにつながります。

たとえば、とある保険代理店は、一般的な少人数のスーパー営業マンに頼る経営から、アベレージヒッターを育てていく再現性のある経営への切り替えを提唱し、書籍で紹介。結果的に、保険業界の関係者からの共感を呼び、多くのセミナーや講演会に招かれたり、紹介者が増えて保険契約数の向上につながっています。

このように、「保険代理店だから保険を提案する」という見せ方から、「保険代理店の常識を変える」という見せ方に変えたことによって、ブランディングに成功し、結果として成果につなげることができたのです。

実際に、出版した書籍がこちらです。

「宣伝してしまう」は、とりあえず宣伝してしまうことによって、それが一人歩きしてブランド化につながるというものです。

たとえば、次の書籍の方は、「年商一億円のフリーランス」という名目で宣伝してしまうことで、フリーランス業界の成功者のようなブランディングを作り上げています(書籍はこちら)。

嘘はいけませんが、実際にこのように自身の成果や結果を肩書きとして語ることで、ブランディングにつながる可能性は十分にあります。

この「絞り込む」「見せ方を変える」「宣伝してしまう」という3つのアプローチ方法を、お互いにリンクさせることで、ブックマーケティングをストーリーブランディングに最大限活用することが可能になります。もし、自分でこれらのアプローチ方法が難しいと言う場合には、弊社のような外部業者に入ってもらうなどを検討してみてください。

自社の事業や商品・サービス、ターゲットに対する固定概念を持たない人が加わることによって、新しいブランド化のストーリーが生まれる可能性があります。

▶ブックマーケティングについては、関連記事ブックマーケティングとは?メリットや効果的な戦略の作り方もあわせてご参考にしてください。

ブックマーケティング

◉ストーリーブランディングとブックマーケティングの相乗効果

ストーリーブランディングを行う上で、ブックマーケティングは前述した通り相性がよい手法と言えます。また、Webでは得られない、書籍ならではの信頼性やPR効果、一貫性などの相乗効果も十分に見込める方法です。

◉-1、ブランディングと書籍販促の一貫性とPR効果

そもそも、コンセプト設計やジャンルの絞り込み、ターゲットの設定、など、企業がブランディングするために必要な工程をひと通り行ってからでなければ、書籍を作ることはできません。

また、書籍の販売促進のための企画も、企業の専門性や特徴などをまとめ、市場でのポジショニングを明確にした上で行います。

なぜなら、ブックマーケティングは、企画コンセプトの制作段階から発売後の販促プロモーションまでの全体に一貫性を持たせなければ成功しないからです。

これはストーリーブランディングの戦略立案にも通じるところがあります。

このように、ブックマーケティングはストーリーブランディングを行わないとできないマーケティング手法であるため、全てのマーケティング施策の中で最も相性が良い方法と言えるのです。

また、書籍は人に文章を読んでもらいやすい媒体です。Web広告や記事のように「読まれない前提」の媒体ではありません。ターゲットに長い文章を読んでもらいやすいため、Web以上に書籍を通しての関係値構築や顧客教育が一冊でできてしまいます。

つまり、ストーリーなどを通じてファン化していくストーリーブランディングの長期的なプロセスを、書籍の場合は一冊でできてしまう可能性を秘めている媒体、と言うことができます。

◉-2、ストーリーブランディング×出版の成功事例

実際に、ストーリーブランディングを書籍を活用して行い成功した事例はたくさんあります。

たとえば、ウエディング事業を営む老舗企業では、働くウエディングプランナーに取材を行い、思い出に残っている結婚式のエピソードを「感動的な21のストーリー」としてまとめ書籍を出版。

書籍の中には、父親の病床で結婚式を挙げた話や再婚者同士の子連れの結婚式の話、サプライズ結婚式の話など、小説以上にドラマティックなエピソードが紹介されています。

これらのエピソードが、多くの人の共感や感動を呼び、結果的にブランディングに成功しました。

書籍でなくWebなどであれば、きっとこの21のエピソードは読まれずに終わったかもしれません。書籍だからこそエピソードをしっかりと読んでもらえ、結果的にストーリーブランディングに成功した典型的な事例と言えるでしょう。

◉まとめ

この記事では、企業ブランディングの一つの方法としてストーリーブランディングについて解説しました。

ストーリーブランディングは、自社や製品・サービス、社員などに関わるストーリーを対象者に読ませ、共感や感動させなければ成功しません。

そのため、ターゲットに長文を読んでもらえる可能性が高い書籍や、それを活用するブックマーケティングこそ、最も相性の良い手法だといえます。

しかも、ブックマーケティングは、ただ書籍を出版するだけではなく、コンセプトを決めたり、ターゲットやジャンルを絞り込んだり、SNSやSEO、クラウドファンディング、セミナーを活用したり、ストーリーブランディングに必要なありとあらゆる手法を網羅しています。

つまり、ブックマーケティングを行えば、同時にストーリーブランディングもできてしまうということです。

これからストーリーブランディングへの取り組みを考えている方は、ぜひブックマーケティングを手法の1つとして検討してみてはいかがでしょうか。

ブックマーケティング

地域密着型の事業を展開している企業や医療クリニック、税理士事務所……これらのビジネスでは、全国規模の広告施策を実行する予算はかけられないという事業主が多く、そもそも所在するエリア外への広告はあまり意味がありません。

そんなエリア特化型ビジネスだからこそ取り組むことができる、最適な費用対効果のマーケティング手法3つのコツを、エリアマーケティングの基礎知識や具体的な施策とあわせて解説します。

目次【本記事の内容】

執筆者:江崎雄二(株式会社フォーウェイ取締役マーケティング統括)


福岡県出身。東福岡高校、山口大学経済学部経済法学科卒業。大学卒業後、月刊誌の編集者兼ライターに携わる。その後時事通信社での勤務を経て、幻冬舎グループに入社。書店営業部門の立ち上げメンバーとして活躍後、書籍の販売促進提案のプロモーション部を経て、法人営業部へ。東京と大阪にて書籍出版の提案営業を担当し、2020年11月、株式会社フォーウェイに参画。2023年9月取締役就任。グループの出版社、株式会社パノラボの流通管理も担う。

◉エリアマーケティングとは?

エリアマーケティングとは、言葉の通り、自社の商圏となるエリアに特化したマーケティング戦略です。

「地域密着の〜」とはよく聞く言葉ではありますが、一般的には実店舗型の小売業などBtoC事業でよく用いられる手法です。

ただ、実はBtoBビジネスでもこのエリアマーケティングの考え方はとても重要なのです。たとえば、税理士事務所の場合、全国で4389もの事務所(税理士登録者・税理士法人届出数(令和3年6月末日現在)の主たる事務所数の総数)がありますが、そのなかでも全国対応している大型の事務所は一部に限られるでしょう。

ほとんどが地域密着型の商圏の限られた事務所のはずです。

対象地域から新規顧客を獲得するためには、エリアマーケティングが必要不可欠といえるのです。

◉エリアマーケティングを成功させる3つのコツ

エリアマーケティングは、地域に特化した販売戦略を行なううえで重要な方法ですが、適切に実行することでさまざまな恩恵を受けることができます。効率的かつ売上や集客につながる施策とするために、次のような3つのコツを押さえて準備を進めましょう。

◉-①エリア内の市場の特性を理解し需要予測を立てる

自社の活動エリアで結果を出すために、市場の特性を知ることはとても重要です。

市場規模や人口推移、ターゲットとなりうる潜在顧客の数など、自社商品やサービスを提供するにあたり需要予測をしておきましょう。

仮にエリア内にターゲットとなる顧客層がいない場合、予算をかけて広告戦略や販売戦略をとっても効果が出ることはありません。

◉-②ターゲット特性を知り商圏を見極める

ターゲット顧客の特性を知ることも重要です。一般的に小売店のターゲット分析においては、商圏内の人々のライフスタイルを知ることからエリアマーケティング戦略が始まります。

前述した税理士事務所の場合は、ターゲットが企業経営者であれば行動時間帯は平日の日中であることがほとんどでしょう。そのなかでもターゲット業種ごとに、多忙な時間帯や電話に出づらい時間帯などを把握しておくとアプローチがしやすくなることもあります。

ターゲット特性を知ることができれば、商圏内での営業活動は円滑に進めることが可能になります。

◉-③競合他社の特性を知りエリアに特化した広告戦略を組み立てる

競合他社が得意とすること、強みを分析することも重要です。

競合が自社と近しい商品やサービスを提供しているとしても、狙っているターゲットが違う場合があります。競合他社が踏み込めていないターゲットに自社がアプローチできればバッティングすることもなく、自社の顧客に迎え入れられます。

具体的な手段は後述しますが、エリアに特化した広告戦略を組み立てるうえで競合を分析して、明確な商圏で営業活動を行なうことはとても重要です。

◉地域ナンバー1を目指したマーケティング戦略を立てる

エリアマーケティングを実行するにあたり、地域一番を目指すことは成功への近道となります。ここまでに解説してきたポイントを踏まえて、とにかく地域でナンバー1を目指してマーケティング戦略を組み立てる手法があります。

前述の税理士の例でいえば、「税理士+中野区」といった地域別のキーワードを組み立てて、検索上位を狙うウェブでのマーケティング手段がおすすめです。

明確なエリアが決まっていれば、ポスティングやDM(ダイレクトメール)のようなオフラインの手段も考えられますが、不特定多数へのアプローチということもあり結果はまちまちです。

一方、SEO対策を実施したうえで検索してホームページに来てくれた潜在顧客は、すでに悩みを抱えた状態で来てくれるので、高確率で成約することが期待できます。

オンライン上の施策は、インターネットが全世界とつながっていることもあり、商圏が広い全国区の企業に適していると思われがちですが、エリアに特化した企業や事業主こそ取り組むべきなのです。

◉-1、コンテンツマーケティングで戦略的に地域ナンバー1になろう

地域に特化したエリアマーケティングの手段として、自社ホームページのSEO対策を踏まえた、コラム更新を中心としたコンテンツマーケティングは有効な手段です。

自社のオウンドメディアを立ち上げて大規模で戦略的なコンテンツマーケティングを実行するには多額の費用がかかりますが、コーポレートサイトのコンテンツとして運用するのであればコストを抑えて実行することが可能です。

正しい戦略で取り組むことで、地域の競合が大してウェブに力を入れてなければ半年程度で、競合が強力でも1年程度仕込めば、大きな広告予算をかけなくても検索上位に食い込むことができるでしょう。

▶コンテンツマーケティングについては、関連記事「コンテンツマーケティングとは? 広告費を削減して売上を増やす方法」もあわせてご参考にしてください。

◉-2、ブックマーケティングによる地域ナンバー1戦略

地域に特化したマーケティング戦略としては、ブックマーケティング(企業出版)もおすすめです。

ブックマーケティングとは、企業ブランディングの手段の一つで、書籍を出版し、その書籍を利用して企業や商品・サービスの知名度向上や信頼性向上などを行うことです。

企業の伝えたい理念や商品・サービスの開発秘話、その企業ならではの特徴・強みなど、他の広告手段とは圧倒的な7万字〜10万字ほどのコンテンツ量で発信をすることができるのが魅力。そこに加えて、書籍出版することで全国の書店に流通させることができるのです。

もし企業が地域ナンバー1を目指すならば、該当エリア内の書店に重点的に配本する方法が考えられます。または、今後集客を強化したいエリアに戦略的に配本することで、その地域の読者に認知してもらい、そのまま問い合わせを獲得するという成果にもつながります。

近年はデジタルマーケティングの競争が激化しており、Web広告やSNS運用、SEO対策など、やれば成果が出る時代ではなくなっています。そのため、いかにデジタルマーケティングとアナログマーケティングの手法を掛け合わせて効果を最大化させるか、が重要視されているのです。

▶ブックマーケティングについては、関連記事「ブックマーケティングとは?メリットや効果的な戦略の作り方」もあわせてご参考にしてください。

▶デジタルマーケティングとアナログマーケティングについては、関連記事「デジタル全盛期だからこそ重要なアナログマーケティング戦略」もあわせてご参考にしてください。

◉【まとめ】エリア内の顧客が欲している情報や悩みを言葉にする

今回はエリアマーケティングの基礎知識だけでなく、地域ナンバー1になるためのコンテンツマーケティング、ブックマーケティングという手段を紹介しました。

とにかく自社の魅力を伝えるためには、ターゲットの顧客層が何を欲しているかをキャッチすることが重要です。それを具体的な言葉にして発信し続ければ、自ずと顧客に選ばれるようになるでしょう。

ブックマーケティング
 

特定のニーズに対して販売戦略を組み立てるニッチビジネス。

市場が小さいからこそ市場の開拓が難しいと感じる企業は多いでしょう。

今回の記事では、ニッチビジネスの基本的な情報や成功例をもとに、どのような方法でマーケティング戦略を組み立てると良いかを解説します。

目次【本記事の内容】

執筆者:江崎雄二(株式会社フォーウェイ取締役マーケティング統括)


福岡県出身。東福岡高校、山口大学経済学部経済法学科卒業。大学卒業後、月刊誌の編集者兼ライターに携わる。その後時事通信社での勤務を経て、幻冬舎グループに入社。書店営業部門の立ち上げメンバーとして活躍後、書籍の販売促進提案のプロモーション部を経て、法人営業部へ。東京と大阪にて書籍出版の提案営業を担当し、2020年11月、株式会社フォーウェイに参画。2023年9月取締役就任。グループの出版社、株式会社パノラボの流通管理も担う。

◉ニッチビジネスとは

ニッチビジネスとは、市場の隙間にある一部の限られた特定のニーズに対して、商品やサービスを展開するビジネスのことです。

ニッチやニッチビジネスの意味について、以下で詳しく見ていきましょう。

◉-1、ニッチとは

「ニッチ(英:niche)」とは、英語で「隙間」を意味する単語です。

経済やマーケティングなどの分野では、「市場のニーズが小規模ながらも専門性の高い事業領域」のことを指します。

◉-2、ニッチビジネスの意味

ニッチビジネスは、大手企業があまり手を出さない特定の小規模市場や、独特な顧客ニーズに特化したビジネスモデルのことを指します。

たとえば、『セイコーマート』というコンビニは「北海道に特化している」という点で、全国展開するセブンイレブンやファミリーマートに比べて、ニッチビジネスに該当します。

また、トースターで有名な『バルミューダ』なども、「家電業界の中でもひときわ高級価格の商品を販売している」という点でニッチビジネスです。

◉ニッチビジネスのメリットとデメリット

ニッチビジネスの主なメリットは、「競合他社が少ないこと」です。

一方、主なデメリットは、「市場が小規模なため、マーケティングが難しいこと」です。

それぞれ、具体的に見ていきましょう。

◉-1、メリット:競合が少ない!

「競合他社が少ないこと」は、ニッチビジネスの最大のメリットと言っても過言ではありません。

なぜニッチビジネスに競合他社が少ないのかというと、資本力や技術力のある大手企業がカバーしきれない、またビジネス対象としづらい特定の領域をターゲットにしているためです。

実は、大手企業はある一定の規模がなければ、ビジネスにしにくいという弱点があります。そういった大手企業で満たされない強いニーズの穴をうまく狙ったのが、ニッチビジネスになります。

大手ではビジネスにならなくても、中小企業では十分ビジネスとして成り立つ場合が多いです。

また、ニッチビジネスは市場規模は小さいですが、競合が少ないため、顧客の囲い込みやシェアを独占することなども可能です。

たとえば、半導体関連装置などの開発・製造・販売サービスを行う「レーザーテック株式会社」は、従業員数が数百名程度の中小企業でありながら、マスク欠陥検査装置でシェア100%を実現しています。

このように、ニッチビジネスは競合他社がそもそも少ないか、いないので、価格競争に巻き込まれるリスクも低く、商品やサービス自体の質を高めて、ニーズを拡大したり、それをきっかけに大きなビジネスに発展させたりすることもできるのです。

◉-2、デメリット:市場が小さくマーケティングが難しい!

ニッチビジネスのデメリットは「市場が小さく、マーケティングが難しいこと」です。

ニッチビジネスでは、市場規模の大きなビジネスとは違い、大々的に広告を打っても、その商品・サービスが売れないことがあります。なぜなら、市場規模が小さいが故に、市場規模の大きなビジネスよりも細かいターゲティングをしていく必要があるからです。

たとえば、メンズアパレルブランド『RetroPics.(レトロピクス)』は、メンズの小さいサイズの服に特化しているため、ターゲットは一般的なメンズアパレルブランドと違い「身長160cm前後の男性」です。

既存のWeb広告プラットフォームでは、そういった細かいターゲティングをすることが難しいため、広告を出すキーワードなどを考えたり、それ以外の方法でターゲットへのリーチ方法を模索していく必要があります。

このように、ターゲットが細かすぎてターゲットへの効率的なリーチが難しい、という課題が出てきます。これが、ニッチビジネスのデメリットだと言えるでしょう。

◉ニッチビジネスの成功例

ここからは、実際にニッチビジネスで成功した具体的な事例を5件紹介します。

◉-1、成功例1:楽天ブックスネットワーク

楽天ブックスネットワークは、楽天グループ傘下の出版取次会社であり、「ホワイエ」という本の少部数卸売サービスを展開しています。

今までは、取次会社が出版社から新刊書籍を受け取り、各書店に必要な冊数を配送するというやり方が一般的でした。そして、「書店は配本冊数の指定はできないが、一定期間が過ぎても売れなかった本は返品できる」という委託販売(返品条件付き売買)制度が日本の出版市場を支えています。

しかし、この制度下では、「小さくてもいいから書店を開いて、自分の好きな本を売りたい」「カフェでお店の雰囲気に合った本を並べたい」「雑貨などと一緒に本も売りたい」などといったニーズを満たすことが難しく、そういったニーズが無視されてきていたのです。

そこで楽天は、保証金不要で、最低1冊からでも本を卸売できる「ホワイエ」を事業化し、こうしたニッチなニーズに応えています。

それにより、以前は本を扱うノウハウを持たなかったカフェや雑貨店、衣料品店、美容室やホテルなどが小規模で書籍の販売ができるようになりました。また、楽天ブックスネットワークは、じわじわと取引先を開拓していき、売上を拡大。楽天グループの新たな売上の柱の1つとして成長しています。

ニッチビジネスだったものが、徐々に拡大し、企業を支える柱となった典型的な成功事例と言えるでしょう。

◉-2、成功例2:星野リゾート

星野リゾートは、競合他社の多い業界でありながら、根強いファンを獲得しており、旅館業界の中で独自の地位を確立しています。なぜなら、ニッチな層に向けて他にはないサービスを展開しているからです。

たとえば、『星野リゾート トマム』は、かつて1980年代のバブル経済期にスキー客で賑わっていたリゾート施設『アルファリゾート・トマム』を星野リゾートが再建したものです。

施設内のファームで乳牛やヤギ、ヒツジを飼育し、獲れたての新鮮な牛乳やチーズを販売していたり、トマム特有の雲海の鑑賞施設「雲海テラス」を営業したり、さまざまな工夫が凝らされています。

また、『星のや富士』では、日本初のグランピングリゾートとして、狩猟体験ツアーを実施するなど、「大人の楽しみ」にも対応するなど、他ではできないような体験や、独自のサービスを展開しています。

さらに、それぞれの宿泊客に対して、特定のスタッフがチェックインからチェックアウトまでのあいだ一貫してすべての業務を担う「マルチタスクオペレーション」を導入し、より顧客に寄り添ったサービスを展開しています。

顧客満足度を高めることにより、リピーター獲得に成功しているのです。

このように、企業の独自性や強みを明確にし、ターゲットを絞ることや、他にはないサービスや質の高いサービスを提供することにより、ニッチビジネスを成功させています。

◉-3、成功例3:解決本舗

株式会社解決本舗は、名古屋市に本社を置く化粧品受託製造販売会社です。

解決本舗は、OEM(自社ではないブランド製品の製造)を、10本から受注するニッチビジネスを展開しています。通常は3,000本程度から受注している会社がほとんどなため、このような小ロットでの受注に対応している会社は、解決本舗以外にほぼありません。

また、解決本舗は、他店との差別化を図るため、オリジナルの化粧品を求めるエステサロンや美容室を顧客とし、継続的に取引することで、事業を発展させています。

1点ものから対応する試作品専門の製造業者などもそうですが、大手ではやらない小さいロット数でのニッチビジネスに成功した典型的な成功事例と言えるでしょう。

◉-4、成功例4:バルミューダ

日本で家電と言えば、パナソニックや東芝、日立、など大手企業の名前が数多く挙がると思います。

日本の家電市場は大手が競争し合うほどの飽和状態だった中、そこに切り込んだのが、バルミューダです。

バルミューダは、2015年に「BALMUDA The Toaster」という2万円以上もするトースターを生み出したことで話題となり、世の中に知られるようになりました。

「え?トースターに2万円?」という声もあがるほど、大多数のニーズからは外れたニッチな値段設定でしたが、他にはないシンプルで洗練された「デザイン性」と、プロもうならせる上質なトーストが出来上がるという「機能性」で、ユーザーの心をつかみ、20万台を超えるヒット商品となりました。

それまでの「家電は実用的でなるべく安く」という常識を覆したと言えます。

その後トースターだけではなく、扇風機、電子ケトル、炊飯器、などさまざまな高級家電をリリースし成功しています。

大手がやらないような高価格帯を狙ったニッチビジネスの典型的な成功例と言えるでしょう。

◉-5、成功例5:小泉成器

小泉成器は、家電メーカーと家電卸売の二刀流で事業を展開している会社です。

小泉成器の家電は「一芸家電」と呼ばれ、ニッチなニーズにとことん応える製品が多いのが特徴。

たとえば、大風量のドライヤー、小型のコードレスボトルミキサー、充電式でコンパクトなコードレスヘアアイロン、6個のゆで卵が手軽に作れるエッグスチーマープラスなどです。

「あったらいいな」というニッチなニーズを常に掘り起こして、「ちょっと便利な生活スタイル」を提案しています。

一方、タニタやティファールなど国内外160社以上の卸もやっていて、消費者のニーズに合わせたチョイスで的確な販促につなげています。

このように、「消費者が本当に欲しがる商品をいかに発掘するか」を強みにして、ニッチなニーズに応えることで、成功を収めているのです。

◉ニッチビジネスのマーケティングのポイント

ニッチビジネスの成功事例などを分析してみると、ある共通するポイントが見えてきます。

ニッチビジネスのマーケティングを行う場合には、具体的に以下のようなポイントを最低限押さえた上で、戦略立て、施策実施を行っていくことが大切です。

◉-1、ポイント1: 確実なニーズの有無を見極める

ニッチビジネスを成功させる最も重要なポイントは、確実なニーズの見極めです。

消費者の間でまだ顕在化していない普遍的なニーズをいかに掘り起こすか、ニーズをどれだけ深く理解し、そのニーズを的確に満たせるか、が重要になります。

たとえば、バルミューダの例でいえば、「とにかく美味しいパンが食べたい」「キッチンをおしゃれにしたい」という普遍的なニーズが成功のポイントでした。

消費者に確実なニーズがあることがわかれば、それは事業を展開していく足掛かりになります。

◉-2、ポイント2: リピーターが獲得できるかを吟味する

その商品やサービスが、一度の購入だけで終わらず、リピーターを獲得できるかどうかも重要です。

少人数でもコアなユーザーから高評価を得られれば、購入を継続してもらえる可能性が高くなります。

人生でそう何度も買わないものであっても、「この商品ならこの会社」のようなイメージがあれば、ニーズが出た時に選ばれやすくなります。

たとえば、「高級トースターと言えば?」と街中で聞いた時に「バルミューダ」と答える方は多いと思います。

このように、ニッチビジネスの場合はいかに少人数のコアなファンを作りリピートしてもらえるか、また、コアなファンが口コミなどで思わず人に紹介したくなるような付加価値や成功体験をいかに獲得してもらえるかどうか、が成功のポイントになります。

◉-3、ポイント3: 付加価値のある商品・サービスを提供する

ユーザーは、ニッチな商品やサービスだからこそ、他にはない付加価値を求めています。

特に、品質の高さやデザイン性、独自性、アフターサービスの質の高さなどは、既存の商品やサービスと差別化するうえで大きなポイントとなるでしょう。

つまり、既存の商品やサービスと差別化する付加価値をつけることは、ニッチビジネスを成功させるうえで重要なポイントと言えます。

たとえば、星野リゾートは、ただ宿泊して美味しいご飯を食べるという、一般的な宿泊サービスにはない、他のリゾート施設ではできないような、さまざまな体験を付加価値として提供しています。

ニッチビジネスを展開していく際には、「自社の独自性や強みを活かして、魅力的な付加価値をつけられないか?」を検討しましょう。

◉-4、ポイント4: 流行に流されない

時代の流れに乗って、今流行っているものを看板商品・サービスとしたニッチビジネスを立ち上げようとしても、失敗の可能性が高くなります。

なぜなら、流行に乗った商品・サービスというのは、一時的には爆発的な売上を見せたとしても、流行が終焉した後もそれが売れ続けるかどうかが分からないためです。

また、流行りの商品やサービスを取り扱う競合他社も多いため、ニッチビジネスにも関わらず差別化を考えていく必要がでてきます。実際に、ニッチビジネスの成功事例を見てみると、どこも流行に流されず、独自路線でサービスを展開しています。

このように、ニッチビジネスを行う上で流行は避けるべきポイントと言えるでしょう。逆に、成功させるポイントは、ロングセラーの定番商品や既存のサービスの中にあるニーズの「隙間」を見つけることです。

誰もが必要とするものの中から、これまでとは違う「こんな商品・サービスが欲しかった」と思われる種を小さくても良いので見つけることが大切です。

◉-5、ポイント5: 競合会社をリサーチ

ニッチビジネスといっても、多かれ少なかれ競合他社は存在します。

今参入している企業はもちろんのこと、これから参入予定の企業についても事前にリサーチしておくことが重要です。

また、大企業の参入可能性などもリサーチすべきです。

具体的には、競合他社と比べて、自社がどれくらい優位に立てるのか、自社の強みをどう活かせるのか、それぞれの企業の強み、自社との類似性の有無なども確認しておきましょう。

◉-6、ポイント6: その道の専門家を目指す

ニッチビジネスを行うには、自社そのものが「ニッチな存在である」方がうまくいきます。

なぜなら、ニッチな商品やサービスを求める人は、その人自身も専門的な知識を持っていたり、質の高い商品を求めていたりするためです。

たとえば、本記事で紹介した解決本舗は、「小ロットのOEMの専門家」です。

3,000本以上のロットからしか受けていないOEM会社に、「毎月30本から40本に発注数をあげたらどれぐらい原価が下がりますか?」という質問をするよりも、解決本舗に相談した方が、小ロットOEMに関する対応実績などをベースに、精度の高い回答が期待できます。

このように、ニッチな顧客のニーズに応えるには、その会社自体も専門的な知識や高い技術を持つ必要があります。

特定の分野についてより深い知識や技術を身につけ、その情報を顧客に提供することで、顧客のニーズをつかむことができるのです。

◉ニッチビジネスに適したブックマーケティングの活用

ニッチビジネスを成功させる上ではマーケティングが重要ですが、市場が小さいが故に既存のマーケティング施策ではターゲットに精度よくリーチできない可能性があります。

数あるマーケティング施策の中で、ニッチビジネスに適したマーケティング施策としておすすめなのが書籍を活用したブックマーケティングです。

◉-1、ブックマーケティングとは

ブックマーケティングとは、企業が、自社の事業や商品・サービスなどについて書いた書籍を出版し、それを自社のマーケティングに活用していく手法のことです。

今はネットで検索すればすぐに欲しい情報が取れる時代ですが、ネット上にあふれる情報は、根拠が明確でなかったり、情報ソースが不明瞭だったり、発信者の信頼性がわかりにくかったりするため、「この情報は本当に信頼していいのか?」と思ってしまった経験があるという方は多いと思います。

一方で、書籍の場合は、出版社と著者が明記されていることや、紙媒体として現物があるという点から、「ネット上の情報よりも信頼できる」と考える人が多い傾向があります。

こういった書籍そのものの信頼性を活かし、自社の事業や商品・サービスについての情報をターゲットに書籍として届けていくことで、商品・サービスの販促につなげていくのがブックマーケティングです。

一般的な書籍は企画を立ててから書籍を作り始めますが、ブックマーケティングの場合は、書籍の企画前から「ターゲットにどの様な情報を届けるか?」というマーケティング戦略から組み立て、それに合わせて書籍の内容を作り始めます。

ただ書籍出版をして、書籍販売プロモーションをするだけではなく、SNSマーケティングやSEOコンテンツマーケティング、クラウドファンディングなど、あらゆるマーケティング施策を組み合わせて、戦略を作っていくのが特徴です。

そのため、一般的な自費出版、商業出版とは、目的や書籍の作り方が全く異なります。

また、ブックマーケティングはあくまでマーケティング施策の1つであるため、数万部のように大量に書籍を販売する必要もないのです。

少ない部数であっても、確実なニーズを持つ顧客をつかむことができれば、その後の大きな事業リターンにつながります。

たとえば、不動産投資サービスを提供する会社の経営者のブックマーケティングの場合、1件の成約でブックマーケティングの費用を大きく上回るリターンを得られています。

このように、部数を大量に流通させることよりも、「いかに確度の高い見込み顧客に精度よく届けられるか?」がブックマーケティングで重要なポイントです。

▶️ブックマーケティングの詳細については、関連記事【ブックマーケティングとは?メリットや効果的な戦略の作り方】もあわせて参考にしてください。

ブックマーケティング

◉-2、ニッチビジネスとブックマーケティングの成功例①

不動産投資は競合の多い市場です。大手企業も多く参入している業界です。

そんな中、ある不動産会社の経営者は、高収入で購買意欲が高い医師というニッチな層に向けた不動産投資サービスを開始。SNSやWeb広告で発信していましたが、見込み顧客獲得に繋がらず、悩んでいたそうです。

そこで、ターゲットである医師に対して、「最も効果的な節税対策が不動産投資である」という自身の考えや想いを伝えるべくブックマーケティング施策として書籍を出版しました。

あらかじめその後のマーケティング戦略や展開なども見据えて書籍の内容を企画したことや、SNSやセミナー、クラウドファンディングなどを上手く組み合わせてプロモーションをしたことから、ターゲットである多くの医師の手元に届けることができたのです。

そして、書籍を読んだ医師から問い合わせがあり、多くの成約を獲得しています。

不動産投資という競合の多い市場で、医師というニッチな層に的を絞って、信頼性の高いブックマーケティングをしたからこその成功と言えるでしょう。

◉-3、ニッチビジネスとブックマーケティングの成功例②

あるコンサルティング会社は、製造業の工場向けのコンサルティングサービスを提供していましたが、営業をしても高単価であることや、説明に時間がかかることから受注率の低さに悩んでいました。

そこで、ブックマーケティングを実施。社会問題となっている製造業の人材不足を解決する方法の1つとして、「ファクトリーオートメーションによる経営効率化、利益の最大化ができる」というメッセージを伝える書籍を、生産部門の決裁者をターゲットとして企画、出版しました。

書籍を出版したところ、販売から1ヶ月で10件以上の引き合いがありました。今までリーチできていなかった分野の企業からの問い合わせも増え、売上にもつながった成功事例です。

「製造業の生産部門の決裁者」という非常にニッチなターゲットに、「あなた向けの本ですよ」とわかるような明確なキャッチコピーを出したことや、説明にかかる時間を、書籍を読んでもらうことで一気に省略できたことが、発売1ヶ月で成約につながった成功した大きな要因と言えるでしょう。

◉まとめ

本記事では、ニッチビジネスのマーケティングについて、基本的な部分から解説してきました。

ニッチビジネスのマーケティングは市場規模が少ないが故に難しいことが課題となっていますが、それを解決する1つの手法としてブックマーケティングが、今注目されています。

ニッチビジネスは、ターゲットが限定されているため、いかにコアなファンを多く作れるかが重要です。

そのためには、会社の理念や特徴、独自の技術などを書籍としてまとめて伝えることができるブックマーケティングという手法が適しています。

特に高単価商品・サービス、購入までに長い説明が必要な商材、顧客との信頼関係構築が必要な商材などは、それらが信頼性のある書籍という媒体で一括してできてしまうので、特に相性が良いと言えます。

ニッチビジネスを始めようと思っているが、なかなか良いマーケティング施策がない、という方や、マーケティングをやっているが実際に上手くいっていないという方は、これを機にブックマーケティングの活用も検討してみてはいかがでしょうか。

ブックマーケティング
 
 

書籍を出版する方法は、大きく自費出版、商業出版、企業出版の3つに分けることができます。

本記事では、3つの出版方法の中で、自費出版とはどういうものなのか、そしてメリットやデメリット、費用相場、成功事例などについて詳しく解説します。

目次【本記事の内容】

執筆者:江崎雄二(株式会社フォーウェイ取締役マーケティング統括)


福岡県出身。東福岡高校、山口大学経済学部経済法学科卒業。大学卒業後、月刊誌の編集者兼ライターに携わる。その後時事通信社での勤務を経て、幻冬舎グループに入社。書店営業部門の立ち上げメンバーとして活躍後、書籍の販売促進提案のプロモーション部を経て、法人営業部へ。東京と大阪にて書籍出版の提案営業を担当し、2020年11月、株式会社フォーウェイに参画。2023年9月取締役就任。グループの出版社、株式会社パノラボの流通管理も担う。

■自費出版とは?

自費出版とは、主に個人が自分の経験や考えを伝えたり、自分史をまとめたり、趣味の集大成としたりするために原稿を書き、それを出版社に依頼して書籍化する出版方法です。

出版費用は全て著者負担となりますが、売上や発行部数などにとらわれずに一冊の本としてまとめることができるのが特徴であり、魅力と言えます。

収益を得るためではなく書籍化すること自体が目的の出版方法です。

また、個人ではなく企業経営者などが原稿を書いて自費出版するというケースもありますが、この場合も名刺代わりに配るためなどであり、書籍化することに重点が置かれます。

自費出版、商業出版、企業出版それぞれの特徴について、以下の表に分かりやすくまとめました。

出版方法特徴
自費出版主に個人が、自分の経験や考えを伝えたり自分史をまとめたり趣味の集大成とするために、自分で書籍の内容やデザイン、発行部数などを決めて出版する方法。書籍の出版費用は著者が全額負担し、初版発行部数は100部~500部程度。
商業出版出版社がヒット作をつくって利益を上げるために、書籍の企画や内容などを決めて出版する方法で、積極的にプロモーションを行う。書籍の出版費用は出版社が全額負担するのが一般的で、初版発行部数3,000部~10,000部程度。
企業出版企業や企業経営者がブランディングや信頼性向上、集客などの経営上の課題を解決するために書籍を出版する方法。書籍の出版費用は企業が全額負担し、初版発行部数は1,000部~10,000部程度。

商業出版との違い

商業出版とは、出版社と著者が協力して書籍を出版する方法です。

出版社が書籍の企画をして著者を選定し、書籍がたくさん売れるような内容にして積極的にプロモーションを行うのが特徴です。

実際に世の中で実際にベストセラーとなった書籍のほとんどは商業出版によって出版されたものです。

ヒット作を作って出版社が利益を上げることが商業出版の目的なので、出版費用は出版社の全額負担になります。

また、出版社の企画に協力した著者には、販売・印刷部数に応じて決められた割合で印税が入ります。このように、著者に報酬が支払われることも商業出版の大きな特徴の1つであり、自費出版や企業出版との違いです。

一方で、商業出版の場合は、著者の伝えたいことよりも出版社側の意向が優先されるので、著者の言いたいことが書けなかったり、修正されたりすることがあります。

自費出版のように、著者が伝えたいことを自由に書けるわけではないという点も商業出版の大きな特徴であり、違いの1つと言えるでしょう。

▶商業出版については、関連記事【商業出版とは?企業がブランディングを考えたときの出版の選択肢】もあわせて参考にしてください。

企業出版との違い

企業出版とは、企業や企業経営者が自社のブランディングや信頼性向上、集客などの経営上の課題を解決するための手段として使われる、出版方法です。

出版費用は企業や企業経営者である著者が全額負担するので、この点では自費出版と同じです。そのため、自費出版とよく混同されがちですが、次のように出版する目的が大きく異なります。

  • ・企業出版の目的:【課題解決】企業のブランディングやマーケティングの課題解決
  • ・自費出版の目的:【出版】自分の書きたい内容を本として出す
  • ・商業出版の目的:【利益】売れる本を作り、売上をあげる

企業出版は課題解決が目的であるため、その費用の中には、出版社が行う企画、編集、デザイン、校正、書店への流通、プロモーションなどの費用が含まれています。

そのため、自費出版よりも費用は高額です。

■自費出版の費用相場はどれぐらい?

自費出版の費用は、出版する書籍の形式(単行本、文庫、写真集など)や判型、出版部数、紙質、含まれるサービスなどによって変わってきます。費用相場には幅があり、約100万円〜1,000万円程度です。

他の出版方法の費用相場と比べると次のようになります。

出版方法費用相場
自費出版100万円~1,000万円程度(一般的なのは251万円〜600万円程度)
商業出版0円(出版費用は出版社が負担するため)
企業出版400万円~1000万円程度

自費出版する際にかかる費用の項目としては次のようなものがあります。

  • ・企画費
  • ・執筆費
  • ・編集費
  • ・写真・イラスト費
  • ・デザイン費
  • ・校正・校閲費
  • ・印刷・製本費
  • ・プロモーション費

執筆費は、クオリティの高い書籍にするためにライターに執筆を依頼する場合に発生する費用です。

また、写真・イラスト費は、写真集などを自費出版する際の写真撮影や書籍の中にイラストを入れたりする場合に必要となります。

プロモーション費は、出版社の営業力を使って広告宣伝を行う場合に発生する費用です。

たとえば、写真やイラストを自分で用意したり、自分で執筆したり、プロモーションなどを自分で行うなどをすれば、費用はその分安くなる可能性があります。

自費出版の費用対効果

自費出版する際の費用対効果に関して、ポイントとなるのは出版目的と書籍のクオリティです。

とにかく書籍にして出版することが目的なのであれば、そもそも効果を期待する必要がありません。

しかし、セルフブランディングという目的がある場合は、その目的を達成するためにどの程度の書籍のクオリティにするのが最適なのかを考えなければなりません。

また、販売数をある程度伸ばして印税収入を得たいという目的があるのであれば、クオリティを上げるのに加えて、出版社の販路などを利用してプロモーションを行うことも必要となり、相応の費用がかかります。

このように、自費出版の場合の費用対効果は、その出版目的に応じて変わってきます。

【参考】企業出版の費用対効果

企業出版は、自費出版と同様に著者が出版費用を全額負担する出版方法ですが、自費出版との違いは明確な出版目的があることです。

企業の宣伝・PRや問い合わせによる成約率の向上などの目的があるのであれば、ターゲットの設定とそのターゲットに書籍を購入してもらうためのプロモーションが必要となります。

そういった目的を見据えて書籍の企画や出版を行うため、企業出版に成功すると出版費用などを上回る大きな利益が期待できます。

実際に企業出版によって経営課題を解決した2つの事例を紹介します。

企業出版事例①:読者からの反響により出版から2ヶ月で6億円の売上達成

これは、ある不動産投資会社の企業出版事例です。

出版前は、Web広告による新規顧客の集客はほとんどなく、紹介のみに頼っていたそうです。

また、見込み顧客との信頼関係の構築などにかなりの時間が必要で、成約までのリードタイムが長いことが課題となっていました。

そこで、年収は多いものの税金も多いという悩みを抱える医師をターゲットとして「節税対策に不動産投資が効果的」という内容の書籍を発売。

出版社の販路を利用して、主に一都三県や大阪府、福岡県を中心に書店への流通・配本を実施しました。

出版後、多くの読者である医師から問い合わせがあり、出版から2ヶ月で6億円の売上を実現しています。

問い合わせのほとんどは不動産投資に関心のある読者からの反響が中心で、成約までのリードタイムが短縮でき、営業効率の向上にもつながっています。

企業出版事例②:出版記念のイベントを開催し企業の認知度が向上

これは、わさびの製造・販売会社の企業出版事例です。

出版前は、自社で製造・販売しているわさびの魅力に関する顧客へのアピール不足が課題で、同業他社との差別化も不十分だという認識がありました。

そこで、料理に関心のある30代~40代の女性をターゲットとして、わさびの効能や歴史、レシピを収録した書籍を出版。

また、出版後に本社がある名古屋の書店で、書籍へのレシピを提供してくれた料理研究家とのコラボレーションで出版記念のトークイベントを実施したところ、当日はイベント会場が満員御礼となり書籍を50冊以上売り上げるなど大盛況となりました。

その後、出版をきっかけに平均聴取者数20万人の全国放送のラジオ番組から2週連続の出演依頼があるなど、書籍を出版したことにより、企業の認知度向上や売上向上につながりました。

■自費出版のメリット

メリット

自費出版のメリットとしては次のようなものがあります。

自分の企画や内容、デザインで本が出版できる

自費出版の最大のメリットは、自分の思い通りの本を作ることができることです。

自分自身で企画をして、本の内容もデザインも自由に決めることができます。

一方、商業出版の場合は、企画を出版社が行うため、著者が書きたいことを書くことはできません。企業出版も、マーケティングやブランディングが目的であるが故の制約があり、自分の自由に本を作ることは難しいと言えるでしょう。

しかし、自費出版であれば、著名人ではない一般人であっても、自分の人生をまとめた自分史を出版したり、趣味の句集や詩集を出版したりして、個人的な活動を知ってもらうために書籍を出版することができてしまいます。商業出版や企業出版などに比べて制約が少なく、自由に自分の本を出版できるのが自費出版の魅力なのです。

なんでもアリではない。薬機法や景品表示法などには注意!

ただし、自費出版であってもなんでもアリというわけではありません。

たとえば、本の内容によっては薬機法(旧:薬事法)や景品表示法に抵触する可能性もあります。該当する場合は、出版社や専門家に相談したり、専用のチェックツールなどを利用して法に抵触しないように注意しましょう。

▶薬機法(旧:薬事法)については、関連記事【薬機法(旧:薬事法)とは?違反せずに広告・PRする7つのポイントを分かりやすく解説】もあわせて参考にしてください。

出版実績が自分で作れる

自費出版の場合は、著者の都合によって好きなときに好きな内容の本を出版することができます。

つまり、自分の出版実績は自分で作ることができるのです。

たとえば、あるセミナーを開催したとしましょう。

出版実績のある講師の方が、セミナーの参加者から「信頼できる」と感じてもらいやすくなります。このように、自費出版はセルフブランディングにつながります。

また、名刺代わりに配ることで、相手に「出版したことのある人なんだ」と強く印象づける効果も期待できます。

このように、簡単に自分のビジネス上のブランディングができてしまうのも自費出版ならではのメリットの1つです。

出版後は書籍が著者の著作物になる

書籍の著作権は出版費用の負担者に帰属します。そのため、自費出版の場合は著者の著作物になります。

商業出版の場合には、出版費用を出版社が持つため、いくら著者と言えども無許可で内容を使うことはできませんが、自費出版の場合には、著作権が著者にあるため、書籍の一部を抜粋した冊子を作ったり、Webやブログなどに転載したりすることも自由に行うことができます。

■自費出版のデメリット・リスク

自費出版のデメリットやリスクとしては次のようなものが挙げられます。

出版費用が全額著者負担なため、高額になりやすい

自費出版の場合、出版費用は全額著者負担となります。

出版費用は、自費出版の依頼先によっても異なりますが、大手出版社の自費出版部門はサポートが手厚い一方で費用は高額になりがちです。

出版後のプロモーションなどが行われないことが多い

自費出版の場合、出版後のプロモーションが行われないケースが多いと考えておきましょう。

大手出版社の自費出版部門などに依頼する場合は、プロモーション費用を支払えばオプションとして行ってもらえますが、期待通りのプロモーションを行ってもらえるのかは出版社次第です。

プロモーションを依頼する場合は、事前にどのようなプロモーションを行ってもらえるのかを確認しておくことをおすすめします。

出版後の流通を行ってくれないことが多い

自費出版の場合、出版後の流通も行ってくれないことが多いと考えておきましょう。

プロモーションと同様に、大手出版社の自費出版部門などに依頼する場合は、書店流通費用を支払えばオプションとして行ってもらえますが、商業出版や企業出版のように積極的には行ってもらえないと思っておきましょう。

流通を依頼する場合も、事前に出版社に「流通をどれぐらい行ってもらえるのか?」「流通の方法は何か?」などを確認しておくことをおすすめします。

なぜなら、書店を訪れた方が全く足を運ばないような自費出版専門棚に1冊置いてあるだけで「流通している」と謳う出版社も実際に存在するためです。

自費出版を行う場合には、その点に十分警戒しましょう。

■自費出版を行う際の注意点

自費出版は費用さえ捻出できれば、誰でも出版することが可能です。

そういったハードルの低さ故に注意しなければならないことがいくつかあります。

自費出版が最適な方法なのかを慎重に検討する

個人や企業・企業経営者が出版を行う場合に、自費出版が最適な方法なのかを慎重に検討する必要があります。

たとえば、企業経営者が個人的に名刺代わりに書籍を配ったり、個人のセルフブランディングをしたりするのが目的であれば、自費出版がおすすめです。

自費出版の目的は、著者のこれまでの経験や考えを書籍の形にまとめることにあり、自分史や回顧録などのように自身を振り返る手法に向いています。

その他に、個人的に創作してきた小説や俳句、詩などを自分の成果として1冊の書籍にすることもできます。

一方、企業や企業経営者が、自身の事業やビジネスのブランディングや宣伝・PRを目的として出版するのであれば、企業出版がおすすめです。

なぜなら、企業出版のサービスは書店への流通力や営業力を持った出版社が提供していますので、これらを利用して全国の書店で販売されるからです。

企画段階で書籍を購入してくれるターゲットを設定して、ターゲットの目に留まるような書店の書棚に並べることができます。

このように、著者の目的によって自費出版、企業出版どちらが良いかが変わってくるので、今一度慎重に考えてみましょう。

参考までに、自費出版と企業出版の目的別のおすすめの人は次表の通りです。

出版方法こんな目的を持つ人におすすめ
自費出版名刺代わりに自分の書籍を配りたい企業経営者や個人のセルフブランディングをしたい人など
企業出版自身の事業やビジネスのブランディングや宣伝・PRをしたい企業や企業経営者など

信頼できる出版社を選ぶポイント

自費出版ができる出版社はたくさんあります。

そのため、中には思ったようなサポートをしてもらえない出版社や、価格だけ高いような出版社があるのも事実です。

自費出版は費用が高額なので、失敗しないためにも、信頼できる自分に合った出版社を選ぶ必要があります。出版社選びで押さえておくべきポイントとして、まず、ホームページなどで自費出版を行っている出版社かどうかを確認します。

自費出版を取り扱っているのであれば、出版社としての歴史や実績がしっかりしているのか、代表や社員がどのような経歴や実績を持っている人なのかについても確認しましょう。

そのうえで、実際に営業担当者と打ち合わせをして自費出版に必要な費用や期間などについてヒアリングをして見積もりを依頼します。

また、自費出版の場合は、発行部数や紙質の選び方などによって見積金額が変わってきますし、提示された見積金額以外に追加費用が発生する可能性もありますので、この点についてもきちんと確認しておく必要があります。

営業担当者が信頼できるかどうか?

営業担当者と打ち合わせしたり見積もりを依頼したりする際に注意したいのは、その営業担当者が信頼できる人物かどうかということです。

たとえば、見積書の内容を詳細に説明しなかったり契約を急がせたりするような場合は要注意と考えた方が良いでしょう。

「社員は会社の顔」とよく言われますが、自費出版の場合も、営業担当者の対応がよく信頼できる場合は、良い出版社である可能性が高いです。

「営業担当者が信頼できる人なのかどうか?」はしっかりとチェックしておきましょう。

原稿のチェックやアドバイスをしっかりと行ってくれるかどうか?

見積もりを依頼する際に、営業担当者や編集者と打ち合わせをすることになりますが、その際に企画内容や原稿などのチェックやアドバイスをしっかりと行ってくれるかどうかもチェックポイントの1つです。

営業担当者には売上ノルマが課せられている場合があり、自分のノルマを稼ぐために契約させるようなケースもあります。

また、営業担当者や編集者が適切な原稿チェックやアドバイスをするだけの経験がないというケースも考えられます。

印税や儲けを目的にしない

世の中には、自費出版からスタートしてベストセラーになった書籍が実際にあります。

たとえば、夏目漱石の「こころ」、島田洋七の「佐賀のがばいばあちゃん」、山田悠介の「リアル鬼ごっこ」などが有名ですが、これは非常に稀な事例です。

よく、自費出版の営業などの際に語られるこういった事例を真に受けないようにしましょう。

基本的に、自費出版の場合は印税で儲けるというようなことを目的とするべきではありません。

内容は自分でよくチェックする

自費出版の場合も出版社で編集や校正をやってくれますが、その分だけ費用が発生するので注意しましょう。

基本的な誤字脱字や表記ゆれのチェック・修正などの校正作業は出版社に依頼する必要がありますが、最小限の費用で収まるように自分でよくチェックする必要があります。

適切な発行部数を選択する

自費出版の費用は全額著者が負担しますので、発行部数も著者が自由に決めることができます。

発行部数が増えると1冊あたりの単価は安くなりますが、出版費用は高くなります。

自費出版の書籍が余ってしまっても困りますので、適切な発行部数を選択するようにしましょう。

ブックマーケティング

■自費出版の流れ・出版までにかかる期間

以上、自費出版の費用や特徴、さらには出版社の選び方まで詳しく解説しました。

自費出版でも企業出版でも、自分のニーズを満たしてくれる出版社なのかどうかはとても重要です。

費用が安いに越したことはありませんが、「安かろう悪かろう」に当たらないためには契約前に出版社の営業担当者と綿密にやり取りをし、懸念を払拭しておくことです。

見積もり

書籍の企画が決定すると、出版社が見積もりを行います。

見積もりに際しては、金額を大きく左右する条件などについて双方でよく確認しておく必要があります。

また、この段階で見積もり以外にどのような費用が発生する可能性があるのか、についても事前に聞いて把握しておくことが重要です。

出版業界には専門用語も多く、業界ならではの常識も多いので、結果的に自分で想定していた金額よりも大幅に高くなってしまった、などのトラブルもよくあります。十分に注意しましょう。

申込・契約

出版社から提示された見積金額や条件に納得できた場合は、出版の申し込み・契約となります。

費用の支払いについては、「全額前払い」「着手金+校了時に残金」など出版社によって異なるので、契約前によく確認しておきましょう。

また、自費出版の場合の著作権は著者に帰属しますが、この点も事前に確認が必要です。

原稿・デザイン作成

契約が終わると、著者は原稿作成と写真やイラストなどの準備をします。

原稿や写真・イラストなどの素材が揃ったら、出版社の編集者からアドバイスをもらい必要に応じて修正をします。

原稿や写真・イラストなどの素材の準備に必要な期間は約2週間~6か月です。

原稿が完成後、デザイナーが表紙や紙面のデザインやレイアウトを行います。

デザイナーからの提案によって、原稿の加筆や減筆、写真やイラストの見直しなどが発生することがあるので、デザインやレイアウトに必要な期間は、2週間~1か月です。

校正・校閲

デザインが終わった初校を紙やPDFに出力して、校正を行います。

イメージ通りのデザインになっているか、誤字脱字や表記ゆれはないか、写真やイラストの見え方は適切か、などについて校正と修正を繰り返します。

また、校閲を行い事実関係に誤りがないことなどを確認(ファクトチェック)していくので、校正・校閲に必要な期間は、2週間~1ヶ月程度です。

印刷・製本・納品

校正が終わると、出版社から印刷会社に書籍のデータが送られますが、これを入稿といいます。

印刷会社から実際の本に近い紙やインクを使って印刷した色校正が提示されるので、インクのノリ具合や写真の色味を確認して、必要に応じて調整を依頼します。

色校正が終わったら、契約部数の書籍が印刷・製本されて納品、と言う流れです。

印刷・製本に必要な期間は、約1ヶ月です。

■自費出版の成功事例

ここでは自費出版の成功事例について紹介します。

しかし、前述の通り、そもそも自費出版が書籍を出版することが目的だったり、名刺代わりに知人に配りたいという目的、セルフブランディングに活用したいという目的、ベストセラーで印税収入を得たいという目的まで千差万別ですので、何をもって「成功」というかは人それぞれです。

1つ目の成功事例は、自費出版をきっかけに新聞や週刊誌などに取り上げられて話題となり、テレビ番組などへの出演オファーが殺到したというケースです。

その書籍はビジネス書だったので、書籍の売上部数の大幅アップにはなりませんでしたが、その後も講演依頼や執筆物の依頼が増えて、専門家としての認知度も向上しました。

2つ目の成功事例は、自費出版をきっかけとしてラジオ番組を担当することになったものです。

たまたまその書籍を読んだラジオ番組の関係者が、番組制作の担当者に話をして、トントン拍子に1つのラジオ番組を担当することになりました。

大きなビジネスチャンスにつながったというような成功事例ではありませんが、著者としては自身の専門性を認めてもらえて、より多くの人に自分の意見や考えを伝える場をえることができ、セルフブランディングにつながりました。

■自費出版は出版目的を持つが大切

自費出版はただ出すだけではなく、「何のために出すのか?」という出版目的をしっかりと持って行うことが重要な出版方法です。

出版目的が明確であれば、100万円程度の安い自費出版サービスでも最高の満足度を得られる場合もあります。

しかし、一方で高額な自費出版サービスを使ったからと言って自分にとって最高の満足度が得られるとは限りません。

「あれだけ、高額な費用を使って、できたのがこれか・・・」と後悔してしまうケースもあります。

そのため、もし今みなさんが自費出版を考えているのであれば、自分自身に「何を目的に出版するのか?」を問いかけて、明文化してみてください。

とにかく書籍化するのが目的であれば、安価なサービスでも問題はないでしょう。

しかし、他の目的であれば、今一度出版社の人と本当に自分に適した出版方法は何なのかを相談してみましょう。

■まとめ

本記事では、自費出版とはなにか、メリット・デメリット、費用相場、成功事例などについて解説しました。

自費出版は、著者が自由に本の内容を決めることができるので、名刺代わりに配ったりセルフブランディングをしたりするのには最適な方法です。

しかし、著者自身の事業やビジネスの宣伝・PRやブランディング目的の場合にはあまり効果が期待できません。

なぜならば、出版社によるプロモーションなどがないため、多くの顧客に購入してもらうことができないからです。

自分自身が行っている事業やビジネスをより拡大していくための宣伝・PRやブランディング、マーケティングが目的ならば、企業出版や企業出版を活用して問い合わせにつなげるブックマーケティングという手法を検討してみてください。

▶ブックマーケティングについては、関連記事【ブックマーケティングとは?メリットや効果的な戦略の作り方】もあわせて参考にしてください。

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ブックマーケティング
 

Web広告やSNS運用、SEO対策などのデジタルマーケティングを駆使して見込み顧客の獲得を行っている企業は多いと思います。

しかし、「デジタルマーケティングの限界が見えてきた…」「デジタルマーケティングで成果が徐々に下がってきた…」という様な悩みを抱えている企業も少なくありません。

なぜデジタルマーケティングをやるだけでは成果が出づらくなってきているのか。

その理由は2つあります。

一つは、顧客が「広告かそうではないか」の情報の精査や判別ができるようになってきていること、もう一つはデジタルマーケティングの競争の激化によりひと昔前のように「やれば成果が出る」という状況ではなくなってきていることです。

また、デジタルマーケティングを駆使した詐欺まがいのビジネスなどの横行により、国や媒体(GoogleやYahoo!、各SNSなど)による規制や、顧客側の警戒心も強くなってきています。

そんな厳しい状況の突破口となるのが、アナログマーケティングです。

実際に、今現在成果を出している企業の多くはデジタルマーケティングとアナログマーケティングをうまく組み合わせて活用しています。

本記事では、そんなデジタル全盛期の時代だからこそ見直し、再検討すべきアナログマーケティング戦略について解説いたします。

目次【本記事の内容】

執筆者:江崎雄二(株式会社フォーウェイ取締役マーケティング統括)


福岡県出身。東福岡高校、山口大学経済学部経済法学科卒業。大学卒業後、月刊誌の編集者兼ライターに携わる。その後時事通信社での勤務を経て、幻冬舎グループに入社。書店営業部門の立ち上げメンバーとして活躍後、書籍の販売促進提案のプロモーション部を経て、法人営業部へ。東京と大阪にて書籍出版の提案営業を担当し、2020年11月、株式会社フォーウェイに参画。2023年9月取締役就任。グループの出版社、株式会社パノラボの流通管理も担う。

◉アナログマーケティングとは?

アナログマーケティングとは、従来の伝統的な方法で顧客の感覚に訴えかけるマーケティング手法のことです。

具体的には、新聞広告や雑誌広告、テレビ・ラジオのコマーシャル、ポスター、パンフレット、チラシ、ダイレクトメールなどがあり、セミナーやイベント、展示会なども含まれます。

メリットとして、高級な紙で作られたパンフレットで高級感を与えることができたり、ポスティングによって地域密着をアピールできたり、展示会などで現物に触れることができることなどが挙げられます。

デメリットとして、コストが高めであることや効果の測定が難しいこと、情報伝達が一方通行であることなどがあります。

◉-1、デジタルマーケティングとの違い

アナログマーケティングに対して、インターネットやデジタル技術を利用したデジタルマーケティングがあります。

具体的には、WebサイトやSNS、SEO、電子メール、メールマガジン、オンライン広告などがあり、オンラインのデジタルプラットフォームを使用します。

アナログマーケティングに対するメリットとしては、比較的低コストでターゲットを絞り込んで顧客にリーチできることです。

また、即時性が高いためすぐに効果が得られ、情報伝達に双方向性があるため顧客の反応をメッセージなどで受け取ることができます。

さらに、広告効果の測定がほぼリアルタイムでできるため、その結果をすぐに広告内容に反映することも可能です。

◉-2、アナログマーケティングの種類

アナログマーケティングには多くの種類があるので、それぞれの特徴などについて表にまとめました。

アナログマーケティングの種類特徴
DM(ダイレクトメール)個人や法人に郵送や電子メールで送付する広告物。特に郵送DMは形のあるものが届くため比較的レスポンス率が高く、顧客の認知や関心を高めることができる。幅広いターゲットにターゲティングをして送付できるメリットがある一方で、コストや手間がかかるというデメリットがある。
書籍自社や商品・サービスのことをより詳しく知ってもらいたい場合に利用される。最大の特徴は社会的信頼性が高いことで、各種メディアに取り上げられたり、著者がセミナー講師として招かれたりすることがある。盛り込める情報量が多い(文字数で7万~10万字)ため、商品やサービスの情報以外に企業の歴史・創業者の想い・理念・開発秘話などを読み物としてまとめて伝えることができる。
パンフレット複数枚の紙を折り曲げて重ねて冊子にした印刷物で、会社案内や製品・サービスの詳しい紹介など情報量の多い用途に利用される。デジタル情報が苦手な高齢者世代にも届けることができる。同業他社のパンフレットと並べて比較検討するような使い方もされる。
小冊子ページ数の少ない書物や冊子のことで、複数枚の紙を綴じた印刷物。パンフレットやブックレットは小冊子に含まれる。パンフレットは、商品や施設・学校の案内や説明などの広告要素がある小冊子。ブックレットは、CDやDVDの付属冊子やゲームの解説書などの広告要素のない読み物の性質が強い小冊子。
リーフレット1枚の紙を折り曲げた綴じられていない印刷物。コンパクトで情報量が少ないため商品や施設、イベントなどの案内・告知目的に利用される。
チラシ1枚の紙の両面または片面に情報を印刷したもの。商品やイベントなどの案内・告知を新聞折込チラシ・ポスティング・街頭ビラ配りによって大量配布することができる。
新聞折り込み広告新聞に折り込んで配布されるマス広告。エリアを細かく指定して配布することができるため、そのエリアを商圏とする店舗などの広告に利用される。新聞は毎日配達されるため、即時性や速報性がある。
新聞広告新聞の広告枠に印刷されたマス広告。新聞購読者に確実に届き、信頼性と即時性が高いという特徴がある。ターゲットに応じて全国紙と地方紙を使い分けることができる。新聞の非購読者には届かず、若年層にはリーチしづらいというというデメリットもある。
雑誌広告雑誌の広告枠に印刷されたマス広告。適切な雑誌を選択すれば、その雑誌を購読している特定のターゲットに効率よく届けることができる。新聞広告と比較すると時間がかかるため、即時性を求める広告には向かない。
TV広告TV番組の途中や番組間に放送されるマス広告。視聴者に対して、年代や性別を問わず情報を伝えることができる。即効性や権威性・信頼性があり、商品やサービスの認知や購買意欲を促進するというメリットがある。一方で、広告費用が高い、細かなターゲティングができない、広告効果の測定が難しいというデメリットがある。
ラジオ広告TV広告に比べてリスナーは少ないものの、広い年代のターゲットに広告を届けることができる。スマホアプリなどを利用してラジオの視聴が習慣化しているユーザーも多いため、継続的な情報提供ができる。
イベント・展示会最大の特徴は特定のテーマや課題解決に興味や関心のある見込み顧客と短期間に直接会うことができること。形のある商品の場合は現物を見せて商品説明することができる。名刺やアンケートによって顧客リストが取得でき、後日アプローチすることができる。一方、出展費用や労力がかかるというデメリットがある。
セミナー新商品・サービスの紹介、新規顧客の獲得、ナーチャリングなどの目的をもって開催される企業セミナーなどがあり、テーマに関心のある見込み顧客と直接会うことができる。テーマによっては、セミナー後に個別相談会などを行って引き続き商談に持ち込むことも可能。

◉デジタル全盛期にアナログマーケティングが重要な理由

デジタルマーケティングは、多くの見込み顧客に効率的にアプローチできるので、一見万能な見込み顧客の獲得方法に見えますが、必ずしもそうではありません。

次に挙げる理由から、アナログマーケティングの重要性を再認識する必要があります。

・顧客はデジタルとアナログの両方で行動しているため
・アナログマーケティングの方が顧客への訴求力が強いため
・それぞれアプローチできる客層が異なるため
・アナログマーケティングの方が保存性があるため

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

◉-1、顧客はデジタルとアナログの両方で行動しているため

常に膨大なデジタル情報が流れている現代ですが、顧客はデジタルだけで行動しているわけではありません。

Web広告やSNS広告を目にする一方で、テレビCMや新聞広告・チラシを見たり、店舗やイベントなどで現物を見ることもあります。

年代や性別などの属性によって、デジタルとアナログに接する時間の比率に違いはあるものの、デジタルだけに接しているわけではありません。

このようなことから、マーケティングにおいてもデジタルとアナログの組合せが高い効果を発揮すると考えられており、アナログマーケティングの重要性が再認識されています。

◉-2、アナログマーケティングの方が顧客への訴求力が強いため

デジタルマーケティングでは視覚と聴覚を使って情報を伝達しますが、アナログマーケティングを使うと、触覚、嗅覚、味覚も伝えることもできます。

上質な紙を使ったパンフレットで高級感を与えることができますし、現物を見たり試食したりすることもできます。

つまり、アナログマーケティングの方が五感を使って消費者に訴求することができるということなのです。

◉-3、それぞれアプローチできる客層が異なるため

デジタルが効果的かアナログが効果的かは、顧客の年齢や年代によって異なります。

若年層はデジタルネイティブ世代で日常的にネットやSNSに触れているので、若年層にアプローチしたい場合はデジタルの方が有利です。

一方で、ネットやSNSなどよりは、テレビや新聞などに接する機会の多い世代にアプローチしたい場合は、アナログの方が良いでしょう。

また、新規店舗オープン、キャンペーン告知などの地域限定情報は、チラシの街頭配布やポスティングが効果的です。

このように、アプローチしたい客層によっては、アナログの方が効果が出ることがあります。

◉-4、アナログマーケティングの方が保存性があるため

アナログマーケティングの中でも、パンフレットやカタログ、書籍などの印刷物は一度受け取ると捨てない限り、現物がターゲットの手元に残ります。

自分にとって必要な情報であれば長い間保存されて繰り返し参照されて長期的に宣伝効果が持続する訳です。

これに対してデジタル情報は、圧倒的な情報量が常時流れているので、埋没しやすく保存性は低くなります。

◉デジタル全盛期のアナログマーケティング戦略で成果を出すには?

では、デジタル全盛期の現代において、アナログマーケティングで成果を出すにはどうすれば良いのでしょうか。

次の3つを意識することが重要です。

・デジタルマーケティングと連携する
・効果測定・分析を行いPDCAを回す
・アナログマーケティングもデジタル施策を見据えて実施する

それぞれ、くわしく見ていきましょう。

◉-1、デジタルマーケティングと連携する

アナログをデジタルとうまく連携させることによって、よりマーケティング効果を高めることができます。

マーケティングで成果を上げるためには、「接触時間×接触頻度」を最大化することが必要です。

「接触時間」が長いのは書籍やパンフレットなどのアナログですが、「接触頻度」を上げるのはデジタルが得意です。

つまり、デジタルとアナログの組み合わせを考えることが非常に重要になってきているのです。

以下では、デジタルとアナログの連携例を5件紹介します。

◉-1-1、連携例:SEO対策×アナログマーケティング

記事の中に導線として資料請求を埋め込んだSEO記事をアップしておき、資料請求が来たら、パンフレットや説明資料、商品カタログなどを送付する連携手法です。

主に、老人ホームや結婚式場、大学など複数の施設を比較検討したいというニーズのある商品やサービスに使われます。

SEO記事だけではなく、Web広告でも同様の連携ができます。

▶︎SEO対策については、関連記事【SEO対策とは? 効果的な戦略の組み立て方と対策方法】もあわせて参考にしてください。

◉-1-2、連携例:メール×アナログマーケティング

Web広告などを利用してメールアドレスリストを獲得し、メルマガやステップメールを送信するという連携手法です。

何通目かでセミナーの告知をして集客し、セミナー後に個別相談や商品・サービスの提案を行うなど、デジタルからより成約率の高い対面の場に集客していくことができます。

◉-1-3、連携例:書籍×デジタルマーケティング

書籍の出版前にクラウドファンディングを実施したり、出版後に出版記念セミナーを開催したり、Web広告を出稿したり、SEO記事やSNS投稿に二次活用したりする連携手法です。

書籍とデジタルマーケティングを連携して、確実にターゲットに届けることができます。

また、書籍を読んでもらうことによって顧客教育ができるため、不動産などの高単価商品やデジタルマーケティングでは集客が難しいBtoB商材、契約までのリードタイムが長くなってしまいがちな場合に有効です。

▶︎ブックマーケティングについては、関連記事【ブックマーケティングとは?メリットや効果的な戦略の作り方】もあわせて参考にしてください。

◉-1-4、連携例:パンフレット×デジタルマーケティング

デジタルマーケティングやGoogleMap、名刺などで集めたターゲットリストに対してパンフレットを直接送付する連携手法です。

相見積もりを取る習慣のある建設系やアセンブラー(部品メーカーから部品を買って組み立てるメーカーなど)と相性が良い手法です。

問い合わせフォームと連携して、会社案内や商品・サービスのPDFを送付することもできます。

▶︎パンフレットのマーケティング活用については、関連記事【商品やサービスが売れるパンフレットを作るポイントと有効活用方法】もあわせて参考にしてください。

◉-2、効果測定・分析を行いPDCAを回す

現代は顧客のニーズが多様化しているので「この施策を実施すれば必ず成果が出る」というものではありません。

そのため、仮説を立ててマーケティング施策を実施し、その施策の効果測定や分析を行って次に活かすというPDCAサイクルを回すことが重要です。

具体的には、施策の実施前にペルソナを設定してカスタマージャーニーを作り、仮説を立て、効果を検証する、という一連のPDCAサイクルを高速で回し続けることが唯一の成功の秘訣です。

◉-3、アナログマーケティングもデジタル施策を見据えて実施する

パンフレットは紙の印刷物なのでリアルに配布するだけで良いという「アナログに固執した発想」ではなく、パンフレットをPDF化して「デジタル媒体として活用」することも考えましょう。

PDF化すれば、HPやSNSに掲載してアナログ情報の二次活用ができます。

アナログとデジタルの連携を見据えてデザインや構成、導線などを検討しましょう。

◉アナログマーケティング×デジタルマーケティングの成功事例

アナログマーケティングとデジタルマーケティングの組み合わせによる成功事例をいくつかご紹介します。

◉-1、成功事例1:不動産投資会社

不動産投資サービスを行っている会社の経営者は、高収入ながらも多額の税金を払っている医師をターゲットとして「高収入な医師に最も効果的な節税対策は不動産投資である」という書籍を出版。

書籍の企画段階から、SNSなどを利用したデジタルプロモーションの検討を行い、書籍の出版に合わせて実施しました。

出版直後からその成果が表れて、書籍を購入して読んだ医師からの問い合わせにつながったそうです。

書籍の中で、高収入な医師の悩みとして高額な税金があること、最も効果的な節税対策が不動産投資であることなどを詳しく説明していたので、問い合わせの段階で顧客教育が十分行われており、ほぼ100%が成約につながるという圧倒的な成果をあげることができました。

さらに、既存顧客から知り合いの医師への口コミや書籍の配布などによって評判が広がり、新規顧客を獲得することもできました。

◉【まとめ】デジタル全盛期だからこそ、アナログマーケティング戦略を見直そう!

この記事では、アナログマーケティングとデジタルマーケティングの違い、アナログマーケティングが重要な理由、アナログマーケティングで成果を出すにはどうすれば良いのかなどについて、事例をあげて詳しく解説しました。

デジタル全盛の今だからこそ、アナログマーケティングを見直すべきであり、デジタルとアナログを組み合わせたマーケティング戦略を採用すべきです。

フォーウェイは、書籍やパンフレットなどのアナログマーケティングとデジタルマーケティングの融合が得意なコンテンツマーケティング会社です。

デジタルと連携したアナログマーケティング施策なら、フォーウェイにお任せください。

新規見込み顧客の獲得は企業の生命線と言っても良いほど、重要な課題です。

「顧客獲得がうまくいきすぎて悩む」というよりも「新規見込み顧客の獲得がうまくいかない」という課題を持っている方のほうが多いのではないでしょうか。

立ち上げたばかりで顧客獲得基盤が全くできていない企業はもちろんのこと、事業の拡大や刷新、改善、新規事業の立ち上げのタイミングでも、新規見込み顧客の獲得は課題となってきます。

そこで本記事では、新規見込み顧客の獲得に悩んだら検討すべき19の方法について詳しく解説していきます。

自社の新規見込み顧客の獲得に合いそうなものを実施できないか検討してみてください。

目次【本記事の内容】

執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)

慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。

◉新規見込み顧客を獲得する方法は大きく2つ

新規見込み顧客を獲得するアプローチ方法は、大きく「プル型」と「プッシュ型」に分けることができます。

それぞれどのような施策なのかを、くわしく見ていきましょう。

◉-1、プル型

プル型はWebサイトやSNSなどに商品やサービスの情報を発信して、ターゲットからの問い合わせを待つタイプのアプローチ方法です。

効率的な見込み顧客獲得の仕組みをつくることによって、人が動かなくても多くの顧客にアプローチできるというメリットがある一方で、プッシュ型に比べて売上が上がるまでに時間がかかるというデメリットがあります。

◉-2、プッシュ型

プッシュ型はターゲットに商品やサービスを積極的に提案して新規見込み顧客の獲得につなげるアプローチ方法です。

すぐに売上があがりやすいという即効性が大きなメリットですが、人件費や手間がかかるというデメリットがあります。

人が動かないと継続的な見込み顧客の獲得にはつながりません。

◉プル型の新規見込み顧客獲得手法

プル型の新規見込み顧客獲得の手法には以下のようなものがありますが、かけられる予算にも限りがあります。

・Web広告
・SEO対策(コンテンツマーケティング)
・SNS運用
・メルマガ運用
・インフルエンサーマーケティング
・MEO対策(GoogleMap)
・企業出版(ブックマーケティング)
・プレスリリース
・セミナー開催
・展示会への出展
・新聞折り込み広告
・新聞・雑誌広告
・パンフレット
・異業種交流会への参加

「いずれかの手法をやれば必ず効果が出る」というものではないので、それぞれの手法の特徴や得意・不得意を押さえた上で、優先順位やタイミング、予算配分などを検討して実施する必要があります。

◉-1、Web広告

Web広告は検索時に表示される広告やSNS広告などのインターネット上のメディアに表示される広告です。

年齢や性別など、特定のターゲットに向けて効率良く広告を配信できることや、Web広告の閲覧数やクリック数、成約数などのデータを分析して改善が素早くできるのが特徴。

Web広告と言っても、どこにどのように広告を表示するのかによって次のような種類があり、ターゲットや商材によって使い分けることが成果をあげるポイントです。

・リスティング広告
・ディスプレイ広告
・SNS広告(X、Meta、TikTok、Instagram、LINEなど)
・アフィリエイト広告
・記事広告
・動画広告
・メール広告

Web上での問い合わせや販売が可能な商品全般で活用されている新規見込み顧客獲得手法ですが、Web広告ではほとんど成約しないような商材もあるので、「自社の商品・サービスでWeb広告をして問い合わせや購入につながるか?」をしっかりと確認しましょう。

◉-2、SEO対策(コンテンツマーケティング)

SEO対策(コンテンツマーケティング)は検索をした際に、自社のWebサイトを検索結果の上位に表示させる手法です。

多くの顧客は商品やサービスを購入する前に、色々と検索して情報収集をしたり、比較検討をします。

そのため、ターゲットが検索するようなキーワードで上位に表示されると、自然と自社サイトを訪れるような仕組みが出来上がるのです。

中長期的に安定した問い合わせや顧客リストが獲得できることがメリットですが、即効性のある集客は不得意です。

SEO対策を始めてから成果が出るまでには最低でも6ヶ月~1年以上かかります。

初期投資が必要なため、広告やSNSなどである程度集客ができている企業が、将来的な広告費削減を見込んで、次の新規見込み顧客獲得手段として選ぶのがおすすめです。

▶︎SEO対策については、関連記事【SEO対策とは? 効果的な戦略の組み立て方と対策方法】もあわせて参考にしてください。

◉-2-1、オウンドメディア運用

オウンドメディア運用は、企業が自社で情報発信メディアを所有して運用することで新規見込み顧客を獲得していく手法です。

主に公式Webサイト上のブログやコラム、企業が運営する別メディアなどがオウンドメディアに該当します。

自社の意思によって自由に情報発信やコンテンツの蓄積ができ、SNSやブログサービスのように他の会社のサービスを利用している訳ではないので、第三者に勝手に削除されないという特徴があります。

◉-3、SNS運用

SNS運用は、SNSで情報を発信し、顧客(フォロワー)との間で双方向のコミュニケーションを取りながらマーケティングを行うことです。

よく利用されるSNSには、X(旧Twitter)、Facebook、Instagram、LINE、YouTubeなどがあり、利用するユーザー層や発信方法などが異なります。

そのため、ターゲットの年代や性別などによって適切なSNSを選ぶ必要があります。

SNSは拡散性が高い上、GoogleやYahoo!などの検索エンジンではなくSNSで検索する方も増えているので、うまく運用すれば多くの新規見込み顧客の獲得が期待できます。

得意なことはトレンド性や即時性のある情報発信で、不得意なことは情報の寿命が短く情報の保存性が低いことです。

▶︎SEO対策については、関連記事【SNS運用のやり方をとことん解説|フォロワーを集めてビジネスに繋げる成功法則とは?】もあわせて参考にしてください。

◉-4、メルマガ運用(メールマーケティング)

メルマガ運用(メールマーケティング)は、自社のWebサイトを訪れて会員登録や資料請求をしてくれた顧客に対して、メールで定期的に情報発信を行う手法です。

比較的低コストで運用できるので、中小企業でも取り組みやすいのが特徴です。

定期的なメルマガ配信によって顧客とのつながりを維持したり、役立つ情報などを配信して購入意欲を高めたりすることができます。

BtoB向けの場合は、新規見込み顧客獲得だけではなく顧客教育のために利用するなども有効です。

ただし、こちら側からの一方的な発信になってしまうため、SNSのように双方向のコミュニケーションができないのがデメリットと言えるでしょう。

◉-5、インフルエンサーマーケティング

インフルエンサーマーケティングは、SNS上で大きな影響力をもつインフルエンサーに商品やサービスの良い口コミをしてもらって顧客の認知獲得や購買につなげる手法です。

インフルエンサーとは主にSNS上で世間に対して影響を与えるような情報発信をする人のことです。

たとえば、YouTuberなどのことをインフルエンサーと呼びます。

企業からの直接的な情報発信ではなく、消費者目線のインフルエンサーによる情報発信なので、広告臭がなく顧客からの共感や信頼が得られやすくなります。

ただし、近年のステルスマーケティング規制の強化により、「これは広告である」ということを伝えないと違法になってしまい取締の対象になってしまうので注意しましょう。

得意なのはSNSネイティブ世代の女性向けのコスメ、ファッション、グルメなどで、不得意なのはSNSを利用する機会が少ない世代向けの商材です。

◉-6、MEO対策(GoogleMap)

MEO対策はGoogleマップで地図検索をしたときに、自社店舗の情報を検索結果の上位に表示させるとともに、魅力などをアピールして店舗の集客に結びつける手法です。

地図検索の結果で上位に表示されると認知度が向上して来店数は増加しますが、売上に結び付けるためにはその店舗やサービスの魅力を向上させる必要があります。

得意なのは実店舗がある業種や地域密着型のサービス業などで、具体的には飲食店、小売店、美容院、病院や薬局などの医療機関、など地域のサービス業者などです。

また、緊急対応の必要がある水道修理や害虫駆除、鍵の修理などの見込み顧客獲得にも有効です。

不得意なのは実店舗を持たない業種やBtoBがメインの業種です。

◉-7、企業出版(ブックマーケティング)

企業出版(ブックマーケティング)は書籍をマーケティングに活用する手法です。

書籍を出版して全国の各書店に配本するだけ(企業出版)でも一定の社会的信頼性を高め、認知向上やブランディングに効果があります。

書店に配本するだけではなく、SNS運用やクラウドファンディング、出版記念イベント企画、SEO対策などさまざまなマーケティング施策を駆使して、ターゲットの手元に書籍をより届けていくことで新規見込み顧客獲得につなげる手法がブックマーケティングです。

商品やサービスの紹介だけではなく、その必要性や効果、企業の保有技術や実績、取り組みなどをストーリーとしてまとめて一冊の書籍にして顧客に届けることができるので、顧客教育ができたり、成約までのリードタイムの短縮なども期待できます。

BtoBの高単価商材・サービスや、不動産、住宅、保険など成約までに顧客教育が必要であり、リードタイムが長くなりがちな業種の企業に向く手法です。

実際にコンビニよりも数が多いことから差別化が難しいとされている保険代理店でブックマーケティングを実施したところ、同業種からのコンサル依頼や、講演依頼、大型の法人保険契約が決まったり、新たな新規見込み顧客の獲得につながっています。

すごいことになっています。出版直後から反響があり、時間が経つほどに色んな出来事が起こっていますね。
本来の出版目的であった、同業の保険代理店からのコンサル依頼がまず数件。そして驚いたのは、保険会社から講演の依頼が来たり同業支援の話が回ってきたりと、「保険会社にとって頼れる代理店」というありがたいイメージを持ってもらえるようになったことです。
保険代理店はコンビニより数が多いうえ、扱う商品で差別化ができません。保険会社側から一目置いてもらえる代理店になることの価値はとても大きいんです。
引用元:【事例コラム】大口案件の集客、人材採用、大手企業からの講演依頼!出版ですごいことになった保険代理店

▶︎ブックマーケティングついては、関連記事【ブックマーケティングとは?メリットや効果的な戦略の作り方】もあわせて参考にしてください。

◉-8、プレスリリース

プレスリリースは企業が、TV、ラジオ、新聞、雑誌、Webメディアなど報道機関に向けて行う公式な情報発信です。

プレスリリースの目的はメディアに取り上げられて記事にされたり、番組などで特集してもらうことで、内容は新商品や新サービスの発表や業績報告・業務提携・キャンペーンの案内などが主です。

従来はメディアに対してFAXや郵送で送っていましたが、近年ではWebメディアなどを中心にメール送信を希望するメディアが増えています。

時代性や流行に合った商品・サービスなどはメディアに取り上げられやすい傾向があるため、どのような切り口でプレスリリースを打つのかがポイントとなります。

◉-9、セミナー開催

自社の商品やサービスに関連するテーマで受講者を集めて、新規見込み顧客を獲得する手法です。

商品やサービスの紹介というテーマでは受講者は集まらないので、自社の商品やサービスに関連する悩みの解決方法のセミナーを開催することがポイントです。

テーマに興味を持つ新規見込み顧客と直接会うことができ、セミナー後に無料の個別相談会などを開いて商談にもつなげることができます。

得意なことはテーマに興味のある新規見込み顧客を集客できることですが、リアルな場で行うセミナーの場合はアクセスできる比較的狭い範囲の顧客に限られますので、大きな集客効果を得ることは不得意です。

一方でZoomをはじめとしたオンライン会議システムなどを活用して行うWebセミナーの場合は、場所を選ばずに参加できるため大きな集客効果を得ることが得意ですが、リアル開催のセミナーのように臨場感がないため、成約率が低くなる傾向があります。

◉-10、展示会への出展

展示会は、特定のテーマや業種に関する企業が出展して、新規見込み顧客と名刺交換をしたり直接情報交換をしたりする場で、最近ではオンライン展示会も開催されています。

展示会中に商談ができたり、展示会終了後に名刺をリスト化して優先順位をつけてアプローチすることができます。

特定のテーマや課題解決に関心のある新規見込み顧客を短期間に獲得できるのがメリットです。

◉-11、新聞折り込み広告

新聞折り込み広告は、その名の通り、新聞に折り込んで新聞の定期購読者に配布されるマス広告です。

主に一枚の紙の片面や両面に印刷されたチラシで、記載できる情報量は限られていますが、配布日やエリアを細かく指定して配布することができます。

得意なのは配布エリア内にある店舗や、地域性のある商品・サービスの広告やキャンペーン・イベント情報の告知などです。

◉-12、新聞・雑誌広告

新聞・雑誌広告は新聞や雑誌の広告枠に印刷されたマス広告です。

新聞広告は新聞の購読者に見てもらいやすく、雑誌広告はターゲットが良く購読する雑誌を選べば、特定のターゲットに効率よく情報を届けることができます。

新聞広告が得意とするのは新聞の読者層に響くような商品・サービスの広告で、不得意なのは若年層などをターゲットとした商品・サービスの広告や、ニッチなターゲット向けの広告です。

一方、雑誌広告が得意とするのはその雑誌を購読している特定のターゲットにアプローチすることです。

雑誌は新聞と違い、制作から発行までにある程度時間がかかるため、即時性を必要とする広告には不向きと言えるでしょう。

◉-13、パンフレット

パンフレットは複数枚の紙を折り曲げて重ねて冊子にした印刷物です。

会社案内や製品・サービスの詳細な紹介など伝えたい情報量が多い用途に利用されます。

実体のある紙の冊子なので信頼性が高く、紙質などによって高級感を与えることができたり、デジタルが苦手な高齢世代にも情報を届けることができるなどの特徴があります。

最近ではパンフレットをPDF化してWebサイトやSNSなどで顧客に配布するケースもあります。

主に老人ホームや介護施設、大学や学習塾など比較検討が必要な高額商品・サービス、相見積もりなどが当たり前の建設業や製造業などの新規見込み顧客獲得に向いている媒体です。

▶︎パンフレットついては、関連記事【出版社クオリティのパンフレット制作】もあわせて参考にしてください。

◉-14、異業種交流会への参加

異業種交流会は名前の通り異なる業種の人が集まって親睦を深めたり情報交換をしたりする会議・勉強会・パーティーなどの会合です。

主な目的は人脈形成と情報交換で、他業種の人から違う考え方や気づきを得ることができたり、新商品の共同開発につながったりするケースもあります。

得意なことは異なる業種の人との情報交換や人脈作りです。

まずは参加者との信頼関係を築く必要があるため、すぐに自身のビジネスや新規見込み顧客獲得にはつながりにくい傾向があります。

◉プッシュ型の新規見込み顧客獲得手法

プッシュ型の新規見込み顧客獲得の手法には以下のようなものがあります。

・テレアポ
・フォーム営業(フォームアプローチ)
・SNS営業
・DM(ダイレクトメール)
・メール送付

プル型と同様に、その手法をやれば必ず効果が出るというわけではなく、それぞれの手法の特徴や得意・不得意を押さえた上で、対象となる商品・サービス、タイミングなどを検討して実施する必要があります。

◉-1、テレアポ

テレアポは電話をリストに対してかけ、ターゲットの企業や個人などとアポイントメント(会う約束)を取る手法で、多くの企業で行われています。

うまくアポが取れればその後営業マンが商談を行い短期間で成約につながる可能性があるため、新規見込み顧客獲得や売上につながりやすいのがメリットです。

▶︎テレアポついては、関連記事【テレアポは時代遅れ! マーケティング活況時代の非対面営業戦略】もあわせて参考にしてください。

◉-2、フォーム営業(フォームアプローチ)

フォーム営業とは顧客企業のHPの問い合わせフォームからアプローチをする手法です。

一般的に総合窓口からメッセージを送り、顧客企業内で担当部署に振り分けられてレスポンスが返ってくることによってアプローチが成立します。

送信した内容はほぼ確実に確認されるはずですが、その後レスポンスが返ってくるかどうかは不確実です。

基本的に無視されると思っていた方が良いでしょう。

得意なのは認知拡大やアプローチ増加によって販売数が増えるような商材で、不得意なのは顧客からの信用が第一であるような商材、長年の付き合いが重視される商材などです。

これは、フォーム営業は顧客から悪い印象を持たれるケースがあるためです。

◉-3、SNS営業

SNS営業はソーシャルセリングとも言われる手法で、SNSを介して1対1でアプローチして信頼関係を深めていくのが特徴です。

BtoCだけでなくBtoBにも対応でき導入コストもランニングコストも特にかかりません。

得意なことはターゲットにダイレクトにアプローチできること、リモートワークにも対応できることなどです。

効果が得られるまでに時間がかかりますので即効性を狙う営業は不得意です。

◉-4、DM(ダイレクトメール)

DM(ダイレクトメール)は企業が広告を目的として、ターゲットに郵送や電子メールで情報発信する手法です。

郵送の場合は形のあるパンフレットなどが顧客に届くので、認知されやすくレスポンスも良いという特徴がありますが、コストや手間がかかるというデメリットもあります。

不動産や車などの高単価商品、冠婚葬祭業、高級ホテル・旅館など、DMが送付されてくることに対して顧客が特別感を感じるような業種、商品・サービスに有効な手法です。

一方でDMを送付するコストに見合わないような薄利多売のビジネスモデルや、低単価の商品などには不向きなので注意しましょう。

◉-5、メール送付

メール送付はメルマガとは異なり、既存顧客や顧客一人ひとりにメールを送信してコミュニケーションを行う手法です。

メールの内容は商品やサービスの購入に対するお礼や関連する商品の紹介、キャンペーン情報などで、既存顧客へのアプローチを最も得意としますが、ターゲティングされた見込み顧客のメールアドレスリストや属性情報があれば新規見込み顧客獲得にも利用できます。

不得意なのはメールを見る暇がないような業態の顧客へのアプローチです。

注意点としては、開封されなかったり迷惑メールと判断されてサーバー側でブロックされたりすることがありますので開封率が高いとは言えないことです。

◉ただやるだけではダメ!新規見込み顧客を1人でも多く獲得するために重要なポイント

ひと昔前までは前述のプル型の施策やプッシュ型の施策をやるだけで成果を出すことができました。

しかし現在では顧客の目が肥えてきたため、さまざまな工夫をしていかないと成果が出せないのが実情です。

成果を出していくためには主に次のようなポイントを押さえた上で今回ご紹介した新規見込み顧客獲得方法を実施していきましょう。

◉-1、プル型とプッシュ型の連携・情報共有

プル型は人が動かなくても集客できる仕組みが強みで、プッシュ型は即効性が強みです。

最大の成果を出すためには、どちらかをやれば良いという訳ではなく、プル型とプッシュ型をうまく連携させて情報を共有していくことが重要です。

◉-2、デジタル施策とアナログ施策の連携

情報発信する際にデジタルとアナログをうまく組み合わせることによって効果を上げることができます。

企業におけるデジタル・アナログ組み合わせ施策の実施状況について、日経BPコンサルティングが2018年2月に実施した「デジタル・アナログ領域のマーケティング施策実態調査(第4回)」結果によれば、次表のように年々増加傾向にあることが分かります。

調査年月デジタル・アナログ組み合わせ施策を実施している企業の割合
2016年3月29.1%
2017年3月31.5%
2018年3月35.5%

また、デジタル・アナログ組み合わせ施策の効果については、リコーが行った「実証実験」の結果によって、次表のような結果が得られています。

検証ケースeメール開封率Webサイト遷移率
eメールのみを送付した場合13.8%1.5%
eメール送付後に紙のDMを送付した場合75.8%(5.5倍)4.4%(3.4倍)

eメールのみを送付した場合の開封率が13.8%、Webサイト遷移率が1.5%だったのに対して、eメール送付後に紙のDMを送付した場合は、開封率が5.5倍の75.8%に、Webサイト遷移率が3.4倍の4.4%に、と大幅に向上しています。

つまりデジタルとアナログをうまく組み合わせる方が、より大きな成果につながりやすいということです。

実際にデジタルとアナログの施策をうまく連携させ成果をあげている事例をいくつかご紹介します。

◉-2-1、成功事例1:デジタルマーケティング施策と書籍により売上倍増

不動産投資サービス業の会社経営者は医師をターゲットとして「高収入な医師に最も効果的な節税対策は不動産投資である」という書籍を出版。

書籍の企画段階からSNSなどのデジタルマーケティング施策の検討を行い、出版タイミングに合わせて実施しました。

デジタルとアナログの良さを活かしたマーケティング施策を行ったことで、狙い通りに多くの医師に書籍を購入してもらい不動産投資の節税効果を理解してもらうことに成功。

結果として、書籍を購入した医師から成約を獲得して売上を倍増させることや、既存顧客からの口コミで評判が広がり、新規見込み顧客の獲得にもつながっています。

◉-2-2、成功事例2:デジタル施策とアナログ施策の連携で大口契約獲得

保険代理店の会社経営者は保険業界の実態と保険業界に定着している「成果報酬型」の給与体系を「一律報酬型」に変えることによって業績向上ができるという内容の書籍を出版。

従来からSNSでの情報発信などを行っていましたが、1つ上のステージに上がることを目指して書籍を出版したところ、デジタルとアナログをうまく活用したマーケティング施策により、大口の企業案件の契約獲得につながりました。

また、社内人材の定着や講演活動への招へいの増加、商談もある程度ホットな状態から進められるなどさまざまな良い影響が出ています。

◉【まとめ】新規見込み顧客の獲得は戦略的に!

本記事では新規見込み顧客を獲得するアプローチ方法が「プル型」と「プッシュ型」に分けられることを説明し、具体的に「プル型」の14の手法と「プッシュ型」の5つの手法を紹介しました。

顧客の目が肥えてしまい、ひと昔前よりも新規見込み顧客獲得の難易度は上がっています。

そんな中、新規見込み顧客を1人でも多く獲得していくためには、「プル型とプッシュ型の連携」や「デジタル施策とアナログ施策の連携」が特に重要です。

フォーウェイは、アナログ施策の「企業出版(ブックマーケティング)」や「パンフレット」などとデジタル施策の「SNS」「SEO対策」「Web広告」などを連携した新規見込み顧客獲得のサポートを得意としています。

「今現在行っている方法ではなかなかうまく顧客獲得につながらない…」「色々と試行錯誤してやっているが、どのような方法を活用すれば良いのかが分からない…」など、新規見込み顧客の獲得に戦略的に取り組みたいと思っている方は、フォーウェイまでご相談ください。

ブックマーケティング

建設・建築業の会社で「なかなか契約や発注につながらない」と悩んでいる方もいらっしゃると思います。

デジタルマーケティング施策や営業手法などももちろん見直すべきことではありますが、その前にまず再検討しておきたいのが会社案内パンフレットです。

なぜなら、会社案内のパンフレットは、発注元企業における会社選びの際に「この会社に安心して任せられるかどうか」を判断する重要なツールの1つとなっているからです。

会社案内のパンフレットは、単なる会社案内資料ではありません。

今回は、契約や発注につながる建設・建築業の会社案内パンフレットを作るためには、どのような工夫をすべきなのか、活用方法などとともに解説いたします。

目次【本記事の内容】

執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)
画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 29d5ead1ee41a6d25524876e7bd315d5-scaled.jpg
慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。

◉建設・建築業で会社案内のパンフレットが必要な理由

建設・建築業の会社は、主に施主などの発注元企業から工事を受注する必要があり、その前段階として見積依頼に対して見積書を提出しなければなりません。

建設・建築業界には相見積もりを取る慣習があるので、相見積もりの依頼先に選定されて見積書を提出し、比較検討のうえ発注先に選定されなければ受注することはできません。

発注元企業では、相見積もりが揃ったら価格だけではなく工期やその会社の施工実績、信頼性などを総合的に比較検討して発注先を決めます。

このときに、会社案内パンフレットを並べて比較検討することもあるので、建設・建築業界では会社案内パンフレットは非常に重要なものとなっているのです。

建設・建築業で会社案内パンフレットが必要な理由をまとめると、以下のようになります。

・主な顧客が企業であるため
・顧客との信頼関係の構築が重要なため
・安心・信用して工事を発注してもらうため
・事業内容を明確に伝える必要があるため
・常に採用活動が必要な業種であるため

それぞれについて、くわしく見ていきましょう。

◉-1、主な顧客が企業であるため

発注元企業は、新しい発注先を探す際、多くの建設・建築業を営む会社の中から見積依頼先や発注先を選定します。

発注元企業が見積依頼先や発注先を選ぶ際には、紙媒体の会社案内パンフレットを並べて内容確認したり比較検討したりすることが多く、建設・建築業にとって会社案内パンフレットは仕事を取る上で重要なのです。

◉-2、顧客との信頼関係の構築が重要なため

一般的に、紙媒体のパンフレットの方がネット上の情報よりも信頼性が高いとされます。

これは紙媒体の情報の方が制作の手間や費用がかかっているからであり、発注元企業から「会社案内パンフレットを作っているしっかりとした会社だ」という印象を持ってもらえて、信頼関係構築のきっかけになります。

また、営業活動の際などに発注元企業のキーマンに会社案内パンフレットを手渡しして内容を説明し、信頼関係構築のきっかけとすることも可能です。

◉-3、安心・信用して工事を発注してもらうため

現代ではインターネットやスマホが広く普及していますが、紙媒体の会社案内パンフレットの方が、ネット上の情報よりも一覧性が良いことも理由の一つです。

建設・建築業の発注元企業は「工事を安心して任せられる会社」に発注したいと考えているので、パッと見てその会社の事業内容や工事実績などが分かることは重要です。

紙媒体の会社案内パンフレットがあれば、安心・信用して工事を発注してもらいやすくなります。

◉-4、事業内容を明確に伝える必要があるため

一口に建設・建築業といっても、実際には次表のように2種類の一式工事と27種類の専門工事に分かれており、建設業法で許可を受けた工事のみを施工することができます。

種類事業内容(施工できる工事内容)
土木一式工事道路・トンネル・橋梁・ダム・護岸などの工事
建築一式工事戸建住宅・マンション・店舗・ビル・公共施設などの建築
27種類の専門工事大工、左官、とび・土工、石、屋根、電気、管、タイル・れんが・ブロック、鋼構造物、鉄筋、ほ装、しゅんせつ、板金、ガラス、塗装、防水、内装仕上、機械器具設置、熱絶縁、電気通信、造園、さく井、建具、水道施設、消防施設、清掃施設、解体の各工事

そのため、会社案内パンフレットでは、自社は建設業法のどの許可を受けていて、どの工事を施工できるのかを明確にしておく必要があります。

また、実際の営業活動では、工事現場の事務所で工事監督の方と接することがありますが、相手も多忙なのでiPadの動画で説明するなどというようなことはできず、会社案内パンフレットで説明するのが精いっぱいという実情もあります。

◉-5、常に採用活動が必要な業種であるため

建設・建築業では、急に人手が必要になって採用活動をしなければならなくなることがよくあります。

このような急な採用時にもすぐに配布できる資料として、会社案内パンフレットは非常に便利です。

採用活動で会社案内パンフレットを使うことを考えて、「社員が元気に働いている様子が分かる写真」や「社員インタビューの内容」などを入れておくことも大切です。

▶建設業のブランディングについてより詳しく知りたい方は、関連記事【建設業にブランディングは必要なのか? その効果と適した手法を解説】もあわせて参考にしてください。

◉発注や採用につながる!建設・建築業の会社案内のパンフレットを作るコツ

建設・建築業では、会社案内パンフレットが発注の決め手になることが多いということを意識して作る必要があります。

単なる会社説明資料という観点ではなく、「どうしたら発注元企業に発注したいと思ってもらえるか」「どういう項目を入れたら工事を安心して任せられる会社と思ってもらえるか」を意識して会社案内パンフレットを制作することが大切です。

発注や採用につながる会社案内パンフレットを作るためのコツは次の通りです。

・顧客が建設・建築業者の比較検討
・発注のために必要な項目を分かりやすく入れる
・問い合わせにつながる導線を分かりやすく入れる
・お客様の声など第三者目線を入れる
・自社の施工実績を入れる
・デジタルマーケティング施策への活用も見据えて制作する
・コンテンツマーケティングができるパンフレット制作会社に依頼する
・採用活動に使う会社案内パンフレットは別で作る

それぞれについて、くわしく見ていきましょう。

◉-1、顧客が建設・建築業者の比較検討・発注のために必要な項目を分かりやすく入れる

顧客(発注元企業)が発注先を決めるときに「どのような項目をみて発注先を決めているのか」から逆算して、その項目を分かりやすく入れておく必要があります。

自社で実施できる具体的な工事内容や工事実績、主な取引先など、判断基準になりそうな項目を入れておくようにしましょう。

特に規模の大きな工事実績や、いわゆるスーパーゼネコンなどから安定して工事を受注できているということが記載されていると、「安心して工事を任せられる会社」だと判断してもらえる可能性が高くなります。

◉-2、問い合わせにつながる導線を分かりやすく入れる

会社案内パンフレットには、電話番号やメールアドレスを分かりやすく明記しておくことはもちろんですが、自社のHPに飛べるようなQRコードを入れておくことも大切です。

会社案内パンフレットを見て発注元企業が電話したりメールしたりすることも考えられますし、Webサイトを確認するようなこともあるので、問い合わせにつながるような導線を分かりやすく入れておくようにしましょう。

◉-3、お客様の声など第三者目線を入れる

自社目線の一方的な会社案内パンフレットになっていると、信頼性が低くなってしまうので、自社以外の第三者目線を入れることが重要です。

たとえば、発注元へのインタビュー内容などの第三者の情報を入れることによって、施工実績などの説得力や信頼感を向上させることができます。

◉-4、自社の施工実績を入れる

自社の施工実績を明記しておくことは非常に重要です。

過去にどのような規模のどのような工事を施工した実績があるのかが分かると、発注元企業が発注先を選定する際の大きな根拠となります。

発注元企業にも「この会社は以前同じような工事を施工したことがあるようだから安心してお願いできそう」と思ってもらいやすくなるでしょう。

施工実績を記載する際に注意すべきことは、できる限り具体的に書くことです。

自社でどのような範囲で何の工事を担当したのかなどが分かるように書くことが重要です。

◉-5、デジタルマーケティング施策への活用も見据えて制作する

会社案内パンフレットは紙媒体のアナログマーケティング施策で、発注元企業が発注先を決める際の重要な参考資料となります。

しかし、せっかく制作するのですから、デジタルマーケティング施策への活用も見据えて制作しましょう。

たとえば、会社案内パンフレットはWebマーケティングやインサイドセールスなどに積極的に活用することが可能です。

会社案内パンフレットを、工事の発注元となる可能性のある企業に送るだけではなく、デジタルマーケティングに活用することを考えた構成や内容にすることが重要です

◉-6、コンテンツマーケティングができるパンフレット制作会社に依頼する

どうせパンフレットを制作するのであれば、パンフレット制作だけをやっている会社よりも、パンフレット・書籍・記事などのコンテンツをマーケティングに有効活用するサポートをしてくれる会社に依頼することをおすすめします。

契約や発注の増加などを狙うのであれば、コンテンツマーケティングができるプロに依頼した方が良いでしょう。

◉-7、採用活動に使う会社案内パンフレットは別で作る

採用活動に使う会社案内パンフレットは、営業活動に使う会社案内パンフレットと別に作ることが理想的です。

しかし、予算的なこともあるので、両方を兼ねたパンフレットにすることもできます。

または、採用活動に使う「社員が元気に働いている様子が分かる写真」や「社員インタビューの内容」などだけを別のリーフレットとして制作し、採用活動の際は会社案内パンフレットと採用リーフレットを渡すようにする方法も考えられます。

これについては、会社によって考え方も違うと思われるので、ケースバイケースでの検討が必要です。

◉ただ作るだけではダメ!積極的にターゲットに配布してこそ成果につながる!

会社案内パンフレットをただ作るだけでは効果を発揮することはできません。

せっかく手間や費用をかけて作るのですから、1件でも多くの受注や契約につながるような活用をしなければ、かかった制作費用をペイすることはできません。

会社案内パンフレットの活用方法としては、次のようなものが考えられます。

・PDF化してWeb上でも配布する
・ターゲットリスト先に配布する
・フォーム営業などに活用する
・会社案内のパンフレットの一部をHPやSNSなどで活用する
・デジタルマーケティングに活用する

それぞれについてくわしく見ていきましょう。

◉-1、PDF化してWeb上でも配布する

会社案内パンフレットは紙媒体のアナログマーケティングのツールですが、PDF化することによってデジタルマーケティングのツールとして活用することができます。

たとえば、PDF化した会社案内パンフレットを自社の公式Web上でも配布するようなことが考えられます。

◉-2、ターゲットリスト先に配布する

先述したように、建設・建築業界では発注元企業が発注先を決める際に、会社案内パンフレットを並べて比較検討することが多いという実情があるため、発注元となる可能性のある企業に予め会社案内パンフレットを配布しておくなどが有効です。

既存の取引先やパートナー企業はもちろんのこと、今後工事の発注元となる可能性があるターゲットの企業には、各種のリストなどをもとに配布しておきましょう。

会社案内パンフレットを送付しておくことによって認知を獲得して、今後見積依頼を受けたり発注してもらえたりする可能性が出てきます。

◉-3、フォーム営業などに活用する

フォーム営業とは企業HPの問い合わせフォームからメッセージを送ってアプローチする営業手法で、相手企業の担当部署や担当者と面識がない場合に利用されます。

建設・建築業界では、電話やFAXが主要な連絡手段となっていると言われているので、必ずしも成果に直結するかどうかはわかりませんが、送信したメッセージが相手企業内で担当部署に振り分けられてレスポンスが返ってくる可能性もあります。

レスポンスが返ってきたらすぐに返信をするとともに、アポを取って会社案内パンフレットを持参して訪問するようにしましょう。

◉-4、会社案内パンフレットの一部をHPやSNSなどで活用する

会社案内パンフレットに掲載された内容の著作権は自社にあるので、その一部をキャプチャしてHPやSNSなどで活用することができます。

これによって、会社案内パンフレットを直接受け取っていないターゲットに自社の情報を届けることができ、認知の獲得などにつながります。

◉-5、デジタルマーケティングに活用する

マーケティング効果を高めるためには、「接触時間×接触頻度」を最大化することが必要で、「接触時間」が長いのはパンフレットなどのアナログですが、「接触頻度」を上げるのはデジタルが効果的です。

建設・建築業界でも、アナログとデジタルをうまく連携させることによってマーケティング効果を高めることができるはずです。

アナログとデジタルを組み合わせることによって、より多くのターゲットに配布することが可能になります。

◉【まとめ】成果につながる会社案内パンフレットを制作しよう!

本記事では、建設・建築業で会社案内パンフレットが必要な理由、発注や採用につながる会社案内パンフレットを作るコツ、成果につながる活用方法などについて解説しました。

デジタルによるWeb広告やSNSなどが主流となっている現代ですが、アナログなツールの一つであるパンフレットには、ターゲットに手渡しができて、見てもらえて、読んでもらえるという大きな特徴があります。

これまでに取引の実績はないものの、発注元となる可能性のある企業に会社案内パンフレットを配布しておくことによって、見積もり依頼を受けたり発注してもらえる可能性が高くなります。

それなりの費用をかけて制作するパンフレットなのですから、成果につながる会社案内パンフレットを作りましょう。

会社案内パンフレットの制作や活用をお考えの方は、フォーウェイまでご相談ください。

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