SNS以外で企業が情報発信する方法にはどんなものがある?

マーケティング会社などに「情報発信をしたい」と相談すると、必ずと言っていいほど提案されるのが「SNS活用」です。

どこに相談しても同じような回答をされるため「もう聞き飽きたよ」「SNS以外に何かないのか?」と言う方もいるかと思います。

また「SNSを一度活用してみたが全然効果がなかった」という方もいらっしゃるでしょう。

企業の情報発信方法はSNS以外にもデジタル・アナログ含めたくさんあります。

むしろSNSだけではなく、そういった様々な情報発信方法の中から自社の商品やサービスに合った手法を選び、組み合わせて初めて成果を出すことができるのです。

本記事では、そんなSNS以外の情報発信方法について、くわしく解説いたします。

目次【本記事の内容】

執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)

慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。

◉企業のSNS以外の情報発信方法

企業が情報発信に利用できる方法は、SNS以外にも世の中にたくさんあります。

大きくプル型とプッシュ型に分かれており、それぞれに多くの手法があります。

プル型は顧客からの要望を受けた企業が受動的に行う情報発信で、プッシュ型は企業が顧客に能動的に行う情報発信です。

以下では、プル型の情報発信方法とプッシュ型の情報発信方法に分けてくわしくみていきましょう。

◉-1、プル型の情報発信方法

プル型の情報発信方法は、顧客からの要望を受けてから情報提供を行うもの、あるいは情報を必要とする顧客が検索などによってたどり着けるようにしておくものです。

プル型の情報発信方法には次のようなものがあります。

◉-1-1、Webサイトの更新

自社のWebサイトのページを更新することによっていろいろな情報を発信することができます。

たとえば、企業などの公式HPでは「ニュース」や「お知らせ」という形で顧客やステークホルダーに伝えたい情報を発信します。

Webサイトで伝える内容は比較的公式なメッセージが多くなるのが特徴。

これらの更新された情報は、ブックマークしている顧客が自ら見に行ったり、検索エンジンの検索結果から見に行ったりします。

◉-1-2、記事の更新

自社が運営しているブログやSNSアカウントなどの記事を更新することによっても情報を発信することができます。

ブログやSNSアカウントの運用目的にもよりますが、比較的フランクな内容の記事が多い傾向で、双方向のコミュニケーションも可能なことが多いようです。

これらの更新した記事の内容も、ブログの読者やフォロワーが自ら見に行ったり、検索エンジンの検索結果から見に行ったりするものです。

▶SEO対策については、関連記事【検索順位が上がらない原因に!ダメなSEO対策を徹底解説】もあわせて参考にしてください。

◉-1-3、GoogleMap

GoogleMapを利用して地図検索をしたときに、自社店舗の情報を検索結果の上位に表示させるようにすることができます。

GoogleMapが有効なのは地域密着型で実店舗がある業種などで、飲食店、小売店、美容院、病院、薬局などです。

GoogleMapの地図検索結果で上位に表示されると顧客の来店数は増加しますが、実際に売上に結び付くかどうかは、その店舗の商品やサービスが受け入れられるかどうかによります。

また、この情報発信方法は、実店舗を持たない業種やBtoBがメインの業種には向いていません。

◉-1-4、大手メディアへの寄稿

大手メディアに商品やサービスに関する記事を寄稿して、そのメディアが記事にしてくれると社会的知名度や認知度が上がります。

寄稿しても必ず記事になるとは限りませんが、トレンドになっていることに関連する内容や社会的影響の大きい新商品や新サービスなどは記事になる可能性が高いと言えるでしょう。

世の中には数多くの大手メディアと呼ばれる媒体があるので、自社の事業分野の業界専門メディアなど何らかのかかわりのある寄稿先を選ぶことも重要です。

◉-1-5、Web広告

Web広告とはインターネット上に表示される広告のことで、ポータルサイトに表示される広告や検索時に表示される広告などです。

広告枠を購入する必要があるため費用が発生しますが、性別や年代などの属性によってターゲティングをすることができるので、訴求したいターゲットに向けて効率的良く情報発信することができるのがメリットです。

Web広告の閲覧数やクリック数などを集計して広告効果をリアルタイムに確認することができ、その結果に応じて訴求内容やターゲットを変更することができます。

Eコマース商材全般に向いている情報発信方法ですが、高額なBtoB商材や広告に法的制限のある医薬品などは向いていません。

◉-1-6、メルマガ

メルマガ(メールマガジン)は、自社のWebサイトなどから会員登録や資料請求をしてくれた顧客のメールアドレスに、自社の製品やサービスの情報、イベント情報などを定期的に発信するものです。

比較的低コストで運用できるので、中小企業でも取り組みやすいという特徴があります。

特にBtoBでは見込み客獲得と顧客育成になくてはならないツールとなっており、顧客とのつながりを維持したり購入意欲を高めたりすることができます。

しかし、双方向のコミュニケーションができないというデメリットがあります。

◉-1-7、LINE公式

LINEの公式アカウントを取得して、企業からの情報発信をしたり顧客との双方向のコミュニケーションをしたりすることができます。

気を付けなければならないのは、顧客からの問い合わせなどを放置したり、長く待たせたりしないことです。

◉-1-8、プレスリリース

プレスリリースは企業などからの公式な情報発信で、目的はメディアに取り上げられて記事にしてもらうことです。

プレスリリースの内容としては、自社の新商品や新サービスの情報、業績報告、業務提携のお知らせ、キャンペーンの案内などが挙げられます。

積極的にプレスリリースを出すことによってメディアの目に留まって、記事に取り上げられる可能性が高くなります。

◉-1-9、企業出版(ブックマーケティング)

企業出版(ブックマーケティング)は書籍を出版して、自社や自社の商品やサービスをアピールする情報発信方法です。

そもそも書籍を出版することが社会的信頼性を高めることになるので、認知向上やブランディングにも大きな効果があります。

書籍の出版をきっかけとして、各種のメディアに記事として取り上げられたり、書籍の著者がセミナーの講師として招かれたりすることもあります。

書籍の情報量は7万~10万字にものぼるため、商品やサービスの説明だけに限らず、その必要性や効果・開発秘話、企業の歴史や理念、保有技術、取り組みなどをストーリーとしてまとめて顧客に伝えることができるのも特徴。

また、書籍を読んでもらうことによって顧客教育もできてしまうので、リードタイムの長い傾向のある高単価商品やBtoB商品を販売する企業の情報発信にはおすすめです。

また、すでに各種の広告宣伝を行っている企業が新規顧客を獲得したりブランドを確立したりする場合にも向く情報発信方法と言えるでしょう。

▶ブックマーケティングについては、関連記事【ブックマーケティングとは?メリットや効果的な戦略の作り方】もあわせて参考にしてください。

テキスト

自動的に生成された説明

◉-2、プッシュ型の情報発信方法

プッシュ型はターゲットに自社の商品やサービスを積極的にアピールする情報発信方法です。

プッシュ型の情報発信方法には次のようなものがあります。

◉-2-1、TVCM

TVCMはTVの視聴者に動画で広告を届けることができます。

言語情報や文字情報だけでなく音声や音楽も流すことができるので、伝えることができる情報量は膨大で感性的な情報も発信することができます。

一方で、TVの視聴している不特定多数への発信ですから、ターゲットの絞り込みができない、効果測定が難しいというのがデメリットです。

また広告料が高価なのもTVCMのデメリットの1つと言えます。

TVCMは広告料金が高額である一方で、最近は安価にTVCMを配信できる手段としてTVer広告が注目されています。

◉-2-2、新聞広告

新聞広告は新聞の広告枠に印刷されたマス広告です。

不特定多数の新聞の購読者に届けることができますが、ターゲットの絞り込みができず、効果測定が難しく、広告料が高価というデメリットもあります。

◉-2-3、雑誌広告

雑誌広告は雑誌の広告枠に印刷されたマス広告です。

雑誌広告はターゲットが良く購読する雑誌を選ぶことによって、狙いのターゲットに効率よく情報を届けることができます。

雑誌広告を出すと、その雑誌の購読者であるターゲットにアプローチできますが、即時性が必要な情報発信には向いていません。

◉-2-4、パンフレット送付

企業が顧客に郵送などでパンフレットを送付して情報発信することもできます。

郵送のパンフレットは実体のあるものが届くので、比較的レスポンス率が高く、顧客の認知や関心を高めることができ、インターネットやデジタルが苦手な高齢者層にも情報を届けることができるというメリットがあります。

高単価商品(不動産・自動車など)や冠婚葬祭業、高級ホテル・旅館などのようにパンフレットが送付されてくることに対して顧客が特別感を感じるような商材には有効ですが、コストや手間がかかるため低単価商品には不向きです。

▶パンフレットについては、関連記事【売れる効果的な商品・サービスパンフレットの共通点とは?】もあわせて参考にしてください。

テキスト

低い精度で自動的に生成された説明

◉-2-5、DM送付

DMは企業が顧客に郵送やメールなどで情報発信する方法ですが、送付方法によって効果に違いがあります。

郵送のDMは実体のあるものが自宅に届くので、インターネットなどを通常使用していない高齢者層などにも情報を届けることができます。

比較的レスポンス率が高いため顧客の認知や関心を高めることができますが、印刷・発送などにコストや手間がかかったり、送付先の住所等のリード情報を購入したり、収集したりする必要があるということがデメリットと言えるでしょう。

一方、メールでのDMは低コストでPCやスマホに直接情報を届けることができますが、開封率がそれほど高くないため大きな効果が得られないことがあります。

◉【逆引き】こんな時にはこの情報発信方法がおすすめ

これだけ多くの情報発信方法があると「どの情報発信方法が自社にとって最適なのか、が分からなくなる」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

参考までに、逆引きで「こんな目的の場合にはこの情報発信方法がおすすめ」なのかを紹介します。

◉-1、将来的に安定的に認知度を高めるような情報発信の仕組みを作りたい

この場合は、Webサイトや記事の更新、メルマガ、LINE公式などが情報発信方法としておすすめです。

これらの情報発信方法には即効性はありませんが、一度流れができてしまうと安定して集客できたり認知度を高めることができるというメリットがあります。

たとえば、Webサイトや記事の更新によって地道な情報発信を行い、検索エンジンなどから自然に入ってくるような仕組みづくりが考えられます。

また、メルマガやLINE公式などの活用では、購読者や友だち登録を地道に集めていく必要がありますが、一度獲得した購読者や友だちは一気に減ったりしないため、安定した情報発信を行うことが可能です。

◉-2、従業員も増え、中小企業としてもう一段上のステージに上がりたい>

この場合は企業出版(ブックマーケティング)がおすすめです。

これまでに基本的な集客施策や情報発信を行なってきている場合は、顧客や同業他社から一目置かれるような、社会的信頼性を向上させる情報発信方法を行う必要があります。

これを実現できるのが企業出版(ブックマーケティング)です。

書籍を出版すること自体が社会的信頼性を高めることになりますので、中小企業として次のステージにもう一段上がりたい企業にとっては最適な情報発信方法の1つと言えるでしょう。

▶ブックマーケティングについては、関連記事【ブックマーケティングとは?メリットや効果的な戦略の作り方】もあわせて参考にしてください。

◉-3、とにかくすぐに成果を出したい

このケースでは、Web広告、パンフレット送付、DM送付(郵送)がおすすめです。

Web広告やパンフレット送付、DM送付(郵送)はコストや手間がかかりますが、すぐに効果が出やすいというメリットがあります。

情報発信ですぐに成果を出したい場合には、即効性のあるプッシュ型の情報発信方法を選択するのがおすすめです。

◉-4、さまざまなメディア向けに情報を発信したい

このケースでは、プレスリリースがおすすめです。

プレスリリースはさまざまなメディア向けに情報を発信できる方法なので、プレスリリースがきっかけとなって新聞からの取材やTVからの取材につながることも多いのです。

◉情報発信はデジタルとアナログの両媒体で行う方が成果が出る!

近年、インターネットの発達やスマホの普及などからデジタルでの情報発信が主流となっていますが、情報を受け取る側には、デジタルネイティブの若者からデジタルが苦手な高齢者までがいます。

つまり、WebやSNSなどのデジタル媒体と書籍・パンフレット・DMなどの紙媒体・アナログ媒体を組み合わせて行うことが、情報発信で成果を出すために重要なポイントです。

たとえば、株式会社フォーウェイのメインサービスである企業出版(書籍)というアナログ媒体とWebやSNSなどのデジタル媒体を組み合わせると次のような効果が期待できます。

◉-1、書籍×Web広告

書籍は顧客に読んでもらえる媒体ですから、読んでもらうだけで信頼関係が構築できたり、顧客教育ができたりして、顧客からの問い合わせの質を上げることにつながります。

そんな書籍をWeb広告で販売することで、より多くの人に書籍を届けることができ、さらに問い合わせの増加や成約率の向上につながります。

ある不動産投資会社では、書籍をブックマーケティングによって様々な顧客に届けたことで問い合わせの増加につながったという実例があります。

▶ブックマーケティングについては、関連記事【ブックマーケティングとは?メリットや効果的な戦略の作り方】もあわせて参考にしてください。

◉【まとめ】SNS以外にも情報発信方法はたくさんある!

本記事では、企業が利用できるSNS以外の情報発信方法についてくわしく解説しました。

企業からの情報発信は大きくプル型とプッシュ型に分けることができ、それぞれに多くの方法があります。

情報発信の目的は企業によってさまざまあると思われますが、これまでに何らかの広告宣伝手法で情報発信してきた企業が、もう一段階ステージを上って新しいブランドを確立したり、新規顧客を獲得したりしたいときにおすすめしたいのが、ブックマーケティングです。

ブックマーケティングは、紙媒体でアナログ施策の書籍をマーケティングに活用するものですが、近年の成功したマーケティングはデジタル施策とアナログ施策の組み合わせですから、企業のステップアップに大きな効果をもたらします。

株式会社フォーウェイは、デジタルとアナログ、プル型とプッシュ型などの組み合わせを得意とするコンテンツマーケティング専門の会社です。

書籍を活用したブックマーケティングなど企業からの情報発信のご相談は、ぜひフォーウェイまで。

近年、CSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)という言葉をきく機会が増えてきました。

これは、企業は利益を追求するだけでなく、社会や環境と共存して持続的な成長を図り、その活動の影響について責任を取る行動を実践して、企業を取り巻くステークホルダーからの信頼性を高めていくことが必要だという考え方です。

ここで、ステークホルダーとは、顧客・従業員・取引先・株主などの企業活動に関わるすべての人のことを指しています。

本記事では、企業がステークホルダーからの信頼性を高めるために重要な視点、そのために必要な情報発信についてくわしく解説いたします。

目次【本記事の内容】

執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)

慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。

◉企業として成長していくためには信頼性を高めることが必要不可欠

企業としての規模拡大や事業成長を行っていくためには、社会的信頼性を高めていくことが極めて重要です。

企業の規模が大きくなればなるほど、信頼性が高くないと企業成長の停滞などにつながってきてしまうおそれが出てきます。

◉企業の信頼性を高める上で重要な4つの視点

企業の信頼性を高めるためには、次の4つの視点の信頼性をそれぞれ高めていくことが重要です。

・経営者自身の信頼性
・企業(組織)としての信頼性
・従業員の信頼性
・商品・サービスの信頼性

それぞれくわしく見ていきましょう。

◉-1、経営者自身の信頼性

企業の信頼性を語るときに真っ先に考えなければならないのは、経営者自身の信頼性です。

経歴やこれまでの実績なども重要ですが、それよりはむしろ経営者になった現在、どのような想いで事業を行っているのか、経営を行っているのかが最も重要です。

企業の舵とりを担う経営者自身の信頼性を高めることが、企業の信頼性を高めることにつながると言っても過言ではないでしょう。

◉-2、企業(組織)としての信頼性

企業の信頼性を高めるためには、企業(組織)の信頼性も高める必要があります。

経営者自身の信頼性が高くても、経営者の想いを形にして実行する企業(組織)の信頼性が伴わなければ企業としての成長は得られません。

ある程度の規模まで達した企業が、更に成長するためには組織力の強化が必要です。

企業の規模が大きくなって組織が複雑化して経営者の目が届かなくなったとしても、それぞれの部署がその役割をきちんと自覚して役割を果たすようになっていなければならないのです。

組織力が高くて信頼性のある企業の特徴としては「従業員の人間関係が良い」「コミュニケーションが活発」「経営者・企業(組織)・従業員が目標を共有している」などが挙げられます。

◉-3、従業員の信頼性

前項の企業(組織)を構成しているのは従業員ですから、従業員の信頼性も重要です。

従業員の信頼性の高さは、モチベーションの高さによって大きく左右されます。

なぜなら、モチベーションの高い従業員ほど、「成果を出そう」という意識が強く、顧客対応などがよくなるためです。

結果として従業員に対してのさらなる信頼性の向上につながります。

従業員のモチベーションを維持して向上させていくためには、個々の人材が優れているということも必要ですが、それ以上に「企業組織の風通しの良さ」「コミュニケーションの活発さ」「従業員通しがお互いを尊敬しあう風土」「失敗をしてもそれをカバーし合うような行動意識」などが重要です。

これらは、一朝一夕にできるものではなく、創業時から培われてきた社風など代々の経営者の努力によるところが大きいと言えるでしょう。

◉-4、商品・サービスの信頼性

企業は、商品やサービスを開発したり製造したり販売したりして利益を挙げることで成り立っています。

その商品やサービスが、顧客から信頼されていなければ購入してもらえないので、企業として成り立ちません。

企業のビジネス形態として、企業相手のBtoBビジネスと個人相手のBtoCビジネスに分けることができます。

BtoBビジネスでは、商品やサービスの品質やコストとともに信頼性が重視される傾向があります。

また、BtoCビジネスでは、テレビCMなどによる商品やサービス・企業のイメージが強く影響する傾向がありますが、やはり信頼性が伴わなければ購入されることはありません。

BtoBビジネスにおいても、BtoCビジネスにおいても、商品・サービスの信頼性が高いことは基本中の基本だということです。

◉企業としての信頼性を高めるための5つの方法

企業としての信頼性を高めるための方法としては、次の5つが考えられます。

・商品・サービスの質の向上
・一貫性のあるブランディングの確立
・企業の認知度向上
・顧客満足度(CS)向上
・社会貢献活動

一つひとつの方法について、くわしく見ていきましょう。

◉-1、商品・サービスの質の向上

企業が提供している商品やサービスの質が向上すると、企業の信頼性は向上します。

つまり、顧客のニーズを満足する品質の商品やサービスを提供することができれば、その企業に対する信頼性は向上し、リピート購入や固定客化につながります。

しかし、顧客が必要とする以上に質を向上させてしまうと、価格が高くなってしまい、かえって商品・サービスの質の低下につながってしまうことに注意が必要です。

たとえば、普段1,000円以下のシャンプーを使っている人をターゲットに、1本5,000円のシャンプーを販売しても、逆効果になってしまいます。

顧客の求める適正な価格で、その価格以上の価値を提供するバランスが重要です。

◉-2、一貫性のあるブランディングの確立

一貫性のあるブランディングが確立すると企業の信頼性も向上します。

ブランド確立のためには、すべてのチャネルで一貫したメッセージを発信することが必要で、デザインなどの統一によって、顧客などのステークホルダーの頭の中に良いイメージを持ってもらう必要があります。

ブランディングに成功すると同業他社との差別化ができ、長期にわたって顧客から選ばれる商品やサービスになります。

▶企業のブランディングについては、関連記事【企業ブランディングとは?企業の成長における重要性や手法を徹底解説】をあわせて参考にしてください。

◉-3、企業の認知度向上

企業の認知度とは、社名だけでなく商品・サービスやその価値が知られている度合いを示します。

認知度が高い企業の商品やサービスは、企業の信頼性の向上につながります。

顧客が商品やサービスに触れる機会が増えることによって、好感度が増して信頼性も高くなり、リピート購入や固定客の獲得につながるのです。

▶企業の認知度向上については、関連記事【経営者必読!認知度向上の方法と効果的なマーケティングの選択肢】をあわせて参考にしてください。

◉-4、顧客満足度(CS)向上

顧客満足度(CS)とは、Customer Satisfactionの略で、自社の商品やサービスに対する顧客の満足度を数値化したものです。

顧客満足度(CS)を簡単に言うと「顧客が商品やサービスを購入する前の期待値」に対する「購入後に感じた価値」の比率ですから、期待通りの商品やサービスが提供できれば顧客満足度は向上します。

そのため、商品やサービスの質を向上させると顧客満足度が向上することになりますが、実際には商品やサービス自体だけではなく、アフターサービス・営業マンなどの商品やサービスに関わるすべてのことが顧客満足度に影響を及ぼします。

◉-5、社会貢献活動

社会貢献活動とは、個人や企業などが社会をより良くするために行う活動のことを言います。

たとえば、公共の場所での清掃やゴミ拾い、環境保全活動、子どもやお年寄りへの支援、自然災害による被災地支援などが挙げられます。

冒頭で触れたCSR(企業の社会的責任)も社会貢献活動に含まれます。

企業が社会貢献活動を行うと、企業価値や企業イメージが向上して企業の信頼性にも良い影響を与えます。

◉適切な情報発信が社会的信頼性を高めるためには重要

前項では、企業が信頼性を高めるための5つの方法を紹介しましたが、これに加えて適切な情報発信を行うことも重要です。

主な情報発信方法として、次のような方法があります。

・コーポレートサイト
・SNS
・公式ブログ
・プレスリリース
・CM
・企業出版

それぞれの方法について、くわしく見ていきましょう。

▶企業の情報発信におすすめのツールについては、関連記事【企業の情報発信に有効なツールはどれ?効果的に活用するコツも解説】をあわせて参考にしてください。

◉-1、コーポレートサイト

コーポレートサイトとは企業の公式HPのことで、自社の情報発信を行うために運営されるものです。

コーポレートサイトで発信される情報としては、企業の基本情報(所在地、代表者名、沿革など)や商品・サービス情報、IR情報などがあり、企業の認知度を高めたり、ブランドイメージを定着させたりする目的があります。

また、企業に興味を持つ顧客やその他のステークホルダーに対して、総合的に情報を発信するプラットフォームの役割も果たしており、就職希望者に対するリクルート情報もこれに含まれます。

自社の公式情報をきちんと整理して保存していく意味合いの強い媒体なので、情報の更新頻度は後述するSNSや公式ブログよりは低くなるのが一般的です。

なお、コーポレートサイト(公式HP)を作っただけでは多くの人に見てもらうことはできません。

SEO対策をして検索結果で上位表示させたり、SNSでサイトのURLを投稿するなど、情報発信を行っていることを周知させる施策を行う必要があります。

◉-2、SNS

SNSは、気軽に情報を発信することができ、顧客との双方向のコミュニケーションが可能な媒体です。

さらにSNSには他の情報発信方法に比べて大きな拡散力がありますので、トレンド性や即効性の高い情報の発信に向いています。

コーポレートサイトなどではなかなか発信できないような細々とした内容をタイミングよく発信していくことや、決して売り込みばかりの情報に偏らないことがポイントです。

◉-3、公式ブログ

公式ブログとは、企業が運営するブログのことを指します。

企業の最新ニュースやサービス・保有技術の紹介など、その企業に関する情報を発信する目的で運営されるものです。

更新頻度はSNSなどよりも少ないですが、SEO対策などにもなり、記事数が増えるにつれてネット検索からサイトに流入する人も増えていくのが特徴です。

そのため、公式ブログは多くの情報発信を行って顧客を集客するのに向いています。

◉-4、プレスリリース

プレスリリースとは、企業からメディアに向けた公式な情報発信です。

新商品・サービスの発表や業績報告、業務提携のお知らせ、キャンペーンの案内などをプレスリリースとしてメディアに対して情報発信し、Webメディアや雑誌、新聞、TVなどで取り上げてもらうことを目的として行います。

ターゲット層が多く閲覧している各メディアに取り上げられると、認知獲得や信頼性向上につながる可能性が高くなります。

メディアは常に新しい情報を探しているので、トレンドに合ったものや今までになかった切り口での情報発信をするのが、取り上げられやすくするコツです。

◉-5、CM

CMとは、Commercial Message(コマーシャルメッセージ)の略で、もともとはメディアを通じて行われる商業目的の情報全般のことを指していましたが、現在ではテレビやラジオなどの放送を通じて行われる広告のことを言います。

CMは放送番組の前後や途中に流され、スポンサー企業が「企業名」「商品名やサービス名」「キャッチコピー」「スローガン」などを提示して消費者(顧客)に訴求します。

視聴者である消費者(顧客)の印象に残るCMにするために、映像や音楽、芸能人・著名人などを使って様々な工夫をすることが特徴です。

スポンサー企業は広告代理店を通じて民間放送局に広告料を支払います。

◉-6、企業出版

企業出版は、企業や企業の経営者などが出版費用を負担して書籍を出版するものです。

個人が出版することだけを目的に行う自費出版とは違って、全国の書店への配本など、しっかりと読者の手元に届けるような施策を合わせて行うのが企業出版の特徴です。

企業が行う情報発信方法の中では書籍が最も社会的信頼性が高い媒体ですので、通常の営業活動ではアプローチが難しい富裕層や社長・役員など経営トップ層にも読んでもらいやすいということも特徴です。

「中小企業として売上も安定し、規模も大きくなり、企業として次のステージにいきたい」「上場に向けて認知度をより向上させたい」「業界内での差別化が難しい」という場合に有効な情報発信方法と言えるでしょう。

▶企業出版(ブックマーケティング)については、関連記事【ブックマーケティングとは?メリットや効果的な戦略の作り方】をあわせて参考にしてください。

◉-6-1、保険代理店の信頼性が向上した事例

ある保険代理店の経営者は、保険業界の現状と問題点を解説し、これからの保険代理店に必要な考え方についての持論をまとめた『人材が続々集まる、メキメキ育つ! スゴい保険代理店経営』という書籍を出版しました。

その中で、保険業界で当たり前に行われている「成果報酬型」の給与体系を「一律報酬型」に変えることを提唱。

これは、一部の限られたトップセールスマンに頼るのではなく、自社のようにアベレージヒッターを育てて全員で支えていく経営にすれば業績拡大ができることを紹介したのです。

書籍を出版した結果、多くの業界関係者からの共感と信頼を獲得することができ、自社のブランディングにも成功しました。

本業の保険代理店の保険契約数が伸びて、新規事業のコンサルティングの新規契約も獲得できたうえに、各所からの講演依頼も来るようになりました。

そして驚いたのは、保険会社から講演の依頼が来たり同業支援の話が回ってきたりと、「保険会社にとって頼れる代理店」というありがたいイメージを持ってもらえるようになったことです。
引用元:【事例コラム】大口案件の集客、人材採用、大手企業からの講演依頼!出版ですごいことになった保険代理店

◉【まとめ】信頼性を高めるためには、まず知ってもらうことが第一歩

本記事では、企業の信頼性を高めるために重要な4つの視点と5つの方法、そして企業の社会的信頼性を高めるための情報発信の方法についてくわしく解説しました。

「信頼性が高い」とは、企業と顧客やその他のステークホルダーとの双方向の矢印が密につながっている状態と考えることができます。

企業がいくら信頼性を高める活動をしていても、それを顧客やその他のステークホルダーが知らなければ意味がありません。

記事の中でも紹介したように、企業は信頼性を高める方法を行いながら、それをしっかりと顧客やその他のステークホルダーに情報発信していくことが何より重要です。

BtoB営業において、営業リードタイムを短縮して成約率を上げることは営業効率を上げるためにも重要な課題です。

これを解決する手法の一つに社長営業があります。

名前の通り、顧客企業の社長などの経営層にアプローチして成約を得る手法です。

本記事では、そんな社長営業のメリットやアプローチ方法、社長などの経営層から信頼を得るコツなどについてくわしく解説いたします。

目次【本記事の内容】

執筆者:江崎雄二(株式会社フォーウェイ取締役マーケティング統括)


福岡県出身。東福岡高校、山口大学経済学部経済法学科卒業。大学卒業後、月刊誌の編集者兼ライターに携わる。その後時事通信社での勤務を経て、幻冬舎グループに入社。書店営業部門の立ち上げメンバーとして活躍後、書籍の販売促進提案のプロモーション部を経て、法人営業部へ。東京と大阪にて書籍出版の提案営業を担当し、2020年11月、株式会社フォーウェイに参画。2023年9月取締役就任。グループの出版社、株式会社パノラボの流通管理も担う。

◉社長営業とは?

社長営業とは、顧客企業の社長や役員などの経営層に対して営業を行うことです。

一般的なBtoB営業の場合、顧客企業の担当者から上位者に順次承認や決裁を得ることが必要なため、成約までの営業リードタイムが長くなってしまいます。

また、やっと社長や役員などの経営層までたどり着いたとしても決裁が下りるとは限りません。

経営層の一声で「契約無し」となってしまうこともよくあります。

しかし、社長営業を行って社長から購入の承認を得ることができれば、途中の承認・決裁が不要になるため営業リードタイムを大幅短縮できるようになります。

◉-1、社長営業のメリットは成約までのスピードの早さ

社長営業の最大のメリットは成約までのスピードが早いことです。

社長営業の場合は、顧客企業の社長や役員などに直接アプローチしますので、顧客企業における購入の意思決定がスムーズに行われ、短期間で成約できるのです。

◉社長や役員など企業の経営層へアプローチできる方法

基本的に社長や役員などは商談には顔を出さないことがほとんどです。

そのため、自社から積極的にアプローチしたり、社長や役員などが閲覧する媒体などに情報発信をしたりすることが有効です。

また、顧客企業の社長や役員などの経営層へのアプローチができるサービスなどもありますので、これらを利用することも検討しましょう。

一般的に社長や役員などの顧客企業の経営層へアプローチできる方法としては次のような方法があります。

・提案型の問い合わせフォーム営業の実施
・提案型のSNSのDM送付
・社長や役員宛の直筆の手紙の送付
・決裁者マッチングサービスの活用
・営業代行サービスの活用
・書籍の出版

それぞれ、どのような方法なのか、くわしく見ていきましょう。

◉-1、提案型の問い合わせフォーム営業の実施

一般的な営業メールは開封されない可能性が高いのですが、問い合わせフォームは広報部門などが必ず目を通して担当部署に情報を回すことが多いため、顧客企業の担当者に届く可能性が高くなります。

このような問い合わせフォームからの営業行為は無視されることがほとんどですが、企業によっては営業専用のフォームを設けていたり、「無視する・無視しない」の基準を設けていたり、社長や役員などが問い合わせフォームの内容を確認している場合があるのです。

ただし、経営トップに届いたとしても、自社や自社の商品・サービスの紹介をするだけでは無視される確率が高くなります。

しかし、提案型の内容であれば読んでもらえて、面談の機会をいただける場合があります。

たとえば、「御社のサイトを調べた結果このような課題が見つかりましたので、課題解決のためのご提案をさせてください」というように、提案型の内容を送ると社長や役員などの目に留まる可能性が高くなるのです。

場合によっては初回のアポイントに社長や役員が自ら出てくることも考えられます。

◉-2、提案型のSNSのDM送付

顧客企業の社長や役員などのメールアカウントに直接DMを送るという方法もあります。

この場合も基本的には無視されると考えておいた方が良いのですが、たまたまタイミングが良かったり、内容に関心を持ってもらえたりするとDMの内容を見てもらえる可能性が出てきます。

ただ「ご挨拶をしたい」「自社の商品やサービスを紹介したい」というだけでは、仮に見てもらえたとしても返信は期待できませんが、社長や役員などが抱えている課題を解決する提案や、熱い想いや気持ちがこもったメッセージの場合は返信をもらえる可能性があります。

◉-3、社長や役員宛の直筆の手紙の送付

顧客企業の社長や役員宛にチラシやDMを送付しても、ほとんどの場合は読まれずに捨てられてしまいます。

または、事前に秘書などが開封して捨ててしまい、社長や役員の手に渡らずに終わるかもしれません。

しかしながら、直筆の手紙だったら捨てづらいため、読んでもらえる可能性があります。

直筆で手紙を書くには時間がかかりますが、一字一字を丁寧に書いた手紙であることは相手には分かりますし、誠意を感じてもらえたり、興味を持ってもらえると面談してもらえる可能性が高くなります。

◉-4、決裁者マッチングサービスの活用

決裁者マッチングサービスとは、決裁者である社長や役員などと企業を結びつけるサービスのことで、効率的に社長営業を行いたい方におすすめできるサービスです。

このサービスを利用すれば、顧客企業の社長や役員を紹介してもらったりアポイントを取ってもらったりすることができます。

自社で顧客企業の担当者に営業をして、最終決裁者である社長や役員までたどり着くには時間がかかりますし、そもそも社長や役員にたどり着けないこともあり得ます。

あまり手間をかけずに社長や決裁者とつながりたいという方におすすめのサービスです。

◉-5、営業代行サービスの活用

営業代行サービスとは、自社の営業マンの代わりに営業活動を行うサービスで、テレアポや商談、その他の業務を依頼することが可能です。

営業代行サービスの中には、社長や役員などの決裁者へのアポイントを得意としているところがあるので、そこを利用すれば効率的に社長や役員などとのアポイントが獲得できるようになります。

さらに、このサービスによって自社の営業マンの数を削減できたり営業マンを育成する時間が削減できたりするので、営業部門の効率化という意味でもおすすめできます。

◉-6、書籍の出版

社長や役員などの経営トップは多忙な毎日を送っていますが、読書家が多いのも事実です。

そのため、書籍を出版して書店に配本したり、マーケティング施策を活用して書籍をターゲットの手元まで届けることで、顧客企業の社長や役員などの経営トップにアプローチすることが可能です。

書籍を購入してもらえれば大量の文章コンテンツを読んでもらってファンになってもらったり、話を聞きたいと思ってもらえたりする可能性が高くなります。

このように、ターゲットである社長や役員などの経営トップとの間に信頼関係を築くことができるのが書籍の出版の最大のメリットです。

実際に書籍を出版したことにより、「話を聞きたい」と社長や経営層からのアポイントが獲得できた事例があります。

また、社長や役員が集まるイベントでの講演を依頼されたり、会合に招待されるなど、様々なご縁につながる可能性もあります。

▶ブックマーケティングについては、関連記事【ブックマーケティングとは?メリットや効果的な戦略の作り方】もあわせて参考にしてください。

◉-6-1、出版した結果、複数の講演依頼やコンサル依頼が!

法人相手に保険代理店を営む経営者は、新規契約と新規事業である保険代理店のコンサル契約の獲得のために書籍を出版しました。

書籍の中で、保険業界における問題点を指摘するとともに、保険業界では当たり前となっている「成果報酬型」の給与体系を自社でも採用している「一律報酬型」に変更すれば業績向上が可能だという持論を展開。

また、出版前にターゲットである法人顧客に届くようなプロモーションも行いました。

出版後には問い合わせが急増し、大口の法人契約やコンサル契約の獲得、保険会社からの講演依頼につながり、顧客企業の社長や役員などから経営にまで踏み込んだ相談を受けることが増えました。

当社で扱うような法人保険の営業は、商談が経営者同士の良い議論になるのか、出入り業者のような見られ方をするのかで結果がまったく違うんです。本来、人材戦略や財務状況など経営の中身を腹を割って話してもらって、相手の経営に踏み込んだ提案をしないと大型の保険契約は決まりませんから。本を出して、そういう理想的な商談をすごく増やせました。
引用元:【事例コラム】大口案件の集客、人材採用、大手企業からの講演依頼!出版ですごいことになった保険代理店

◉-6-2、10件近くの新規顧問契約の獲得につながった!

建設業専門コンサルティング会社の経営者は、業界内での知名度の向上などを目的として書籍を出版。

ターゲットである建設業の社長や役員などの経営層の目にとまるように、書籍のタイトルに「建設業のための」という文言を入れました。

出版後は、翌日から建設業を営む社長などから多くの問い合わせがあり、10件近くの新規の顧問契約の獲得を実現。

問い合わせの時点で顧客は書籍を読んでいますので、自社について詳しい説明をする必要もなくコンサルティング契約が締結できて、営業リードタイムも大幅に短縮することができました。

また、建設業専門コンサルティング会社としてのブランドも確立でき、業界内での知名度や認知度も向上しました。

◉社長営業を成功させるために重要なのが「会ってみたい」と思われること

一般的に、企業の社長や役員はスケジュールが詰まっていますので、営業マンと会って話を聞く暇などありません。

しかし、社長や役員に「会って話を聞きたい」と思ってもらえたり、興味を持ってもらえたりすると、忙しいスケジュールの合間を割いて時間を作ってくれることもあります。

このような貴重なチャンスを得ることができても、それを活かすことができなければ社長営業を成功させることはできません。

チャンスを活かして成約に結びつけるためにも、最低限でも次のような具体的な行動をした上で積極的なアプローチをすることが大切です。

・社長や経営層、またその会社や業界の情報を徹底的に調べあげる
・会社や業界の最新情報や事例などを普段から見る習慣をつける
・社長や役員が見る媒体などで積極的に情報発信する
・まずは小さいことから信頼関係を積み重ねる

◉-1、社長や経営層、またその会社や業界の情報を徹底的に調べあげる

社長や役員などの経営層にもなると、問い合わせフォームやDMのメッセージの文面から、「自社の商品を売りたいだけなのか、そうでないのか」はすぐに分かります。

社長や役員などの経営層にアプローチしたいのであれば、その会社や業界の情報を徹底的に調べあげて頭に叩き込むことを最低限行なっておくべきです。

このようなリサーチをしっかりと行った上で積極的なアプローチをして面談の機会が得られた場合、「この人は業界のことをよく理解している、面白い」と思ってもらえる可能性が高くなります。

◉-2、会社や業界の最新情報や事例などを普段から見る習慣をつける

アプローチしたいと考えている社長や役員などの経営層が見ているものと少しでも同じものを見る習慣をつけることも重要です。

たとえば、その会社や業界の最新情報や事例などをGoogleアラートなどを活用して常にチェックしておくことなどが考えられます。

その上で、問い合わせフォームから「貴社のお役に立てるかと思い、こういった事例をこういう観点でまとめてみました」などのメッセージを送れば、興味を持ってもらえたり話だけでも聞いてみようと思ってもらえる可能性が高くなります。

◉-3、社長や役員が見る媒体などで積極的に情報発信する

直接社長や役員などにアプローチするだけではなく、たとえば大手の雑誌やメディアに専門家として寄稿したり、テレビに出演したりして、社長や役員が見るような媒体で情報発信をしていくことも重要です。

いろいろな媒体が考えられますが、書籍などは社会的信頼性が高く、社長や役員などには読書家が多いと言われていますので、出版による情報発信は特におすすめです。

◉-4、まずは小さいことから信頼関係を積み重ねる

自社や自社の商品・サービスを売り込みたいだけの営業行為はすぐに見抜かれて門前払いされるのが社長営業の世界だと言えるでしょう。

自社や自社の商品・サービスを売り込まずに「顧客企業の社長や役員などとどうやって信頼関係を構築するか」を重視して行動することが何より大切です。

アプローチしたい社長や役員などのSNSアカウントや何に興味を持っているのかをリサーチするのは基本と言えるでしょう。

たとえば、SNSに「最近こういうことに興味がある」と投稿しているのを見つけた場合は「お役に立てるかと思って情報を収集してまとめましたのでお送りします」とメールを送るとお礼メールが来たり、場合によっては面談の機会ができるかもしれません。

このように、まずはどうやったらお相手のお役に立てるのかを考えて行動に移すと、それが小さな信頼獲得につながり、それを積み重ねることによって、社長や経営層との信頼関係構築につながります。

◉【まとめ】社長営業を成功させるコツは「信頼関係の構築」

社長営業を成功させるコツは「信頼関係の構築」にあります。

だからといって、信頼関係は一朝一夕で築けるようなものではありませんので、小さいことから一つずつ積み重ねていくことが大切です。

そのためにもまずは相手をしっかりと知ることが必要で、その上で積極的にDMやHPのフォームなどからのアプローチを続けるようにしましょう。

また、社長や役員などは簡単に会える存在ではないので、社長や役員などが興味を持つような媒体での情報発信を積極的に行って興味を持ってもらうことも必要です。

これらの中でも、特に書籍は社長営業に適した情報媒体ですので、社長営業を考えている方はぜひ書籍の出版を検討してみましょう。

株式会社フォーウェイでは、書籍をマーケティング施策に活用するブックマーケティングを行っています。

書籍の出版に関するご相談はフォーウェイまでお願いいたします。

世の中にはさまざまな集客方法が存在します。

「集客方法がありすぎて何から始めていいかがわからない」

「集客方法を実践しているがなかなか効果が出ない」

「集客の成果が以前より出なくなってきた」

など、まだ集客を始めていないという方からすでに実践されている方まで、「集客が難しい…」と感じている方は多いのではないでしょうか。

今回は、そんな「集客が難しい」と感じてしまう原因と、突破口となる解決策をシーン別に解説いたします。

目次【本記事の内容】

執筆者:江崎雄二(株式会社フォーウェイ取締役マーケティング統括)


福岡県出身。東福岡高校、山口大学経済学部経済法学科卒業。大学卒業後、月刊誌の編集者兼ライターに携わる。その後時事通信社での勤務を経て、幻冬舎グループに入社。書店営業部門の立ち上げメンバーとして活躍後、書籍の販売促進提案のプロモーション部を経て、法人営業部へ。東京と大阪にて書籍出版の提案営業を担当し、2020年11月、株式会社フォーウェイに参画。2023年9月取締役就任。グループの出版社、株式会社パノラボの流通管理も担う。

◉集客が難しいと感じる原因と対策

集客が難しいと感じるタイミングは、企業の業態や商品・サービスによって異なります。

しかし、すべてのケースに共通している原因は「視野が狭くなってしまっている」ということです。

具体的には次の3つタイミングが考えられますが、それぞれ取るべき対策が異なります。

・集客方法がありすぎて何から始めていいかがわからない
・やってみたがなかなか成果が出ない
・成果が以前より出なくなり、いくらやっても改善しない

それぞれの状況について、くわしく見ていきましょう。

◉-1、集客方法がありすぎて何から始めていいかがわからない

まだ集客を始めていない企業が、これから新たに集客を始めようと思ったタイミングで「集客方法がありすぎて何から始めていいのか分からない」と感じることも多いようです。

このケースは、まだ何も集客方法を始めてもいないにもかかわらず、最初からつまずいてしまっている状態です。

このようなタイミングでの解決策は次の2つです。

◉-1-1、【解決策1】まず何かしら1つやってみる

解決策の1つは、まずは自社に合うと思われる集客方法を1つ選んでやってみることです。

まだ集客方法を始めていないので、どの集客方法が自社に合っているのかは分からないかもしれませんが、成果が出るタイミングの違いによって次のような大まかな目安があります。

自社の希望に応じてどちらかを選んで始めてみましょう。

・すぐに成果を出したい場合:Web広告(SNS広告含む)
・それほど急いでおらず数ヶ月かけて仕組みを作っていきたい場合:SNS運用やSEO対策

Web広告やSNS運用・SEO対策のそれぞれの具体的なやり方は、ネット検索するとYoutubeやWebページなどの解説記事を見つけることができます。

いずれも丁寧に解説されていますので、それを見ればやり方は分かるはずです。

代表的な集客方法とその特徴を、次表に簡単にまとめてみましたので参考にしてください。

集客方法特徴
Web広告Web上の広告枠を買い取って広告を表示して集客を図る方法。費用が発生するがターゲットの属性に応じて広告を表示することができる。主なものとして、ディスプレイ広告とリスティング広告がある。
・ディスプレイ広告:大手ポータルサイトなどの広告枠を買い取って広告を表示させるもので新聞広告などに近いイメージの広告。比較的高額で広告をクリックしたユーザーだけにリーチすることができる。・リスティング広告:検索結果の一覧ページに掲載される広告で、ユーザーの検索キーワードに連動して広告を表示することができる。検索結果で上位表示をさせるためには多額の広告費用を要することがある。
SNS運用自社のSNSアカウントで情報発信をして集客を図る方法。SNSは情報の拡散性が高いため自社のアカウントをフォローしていない顧客にも情報が届く可能性がある。
SEO対策自社サイトのHPやブログなどのオウンドメディアで情報を発信をして集客を図る方法。発信する記事にSEO対策を施して検索エンジンで検索した際にその情報が上位に表示されるようにして集客アップを狙う。
メルマガ自社のメルマガ登録会員宛に一斉に情報配信して集客を図る方法。メルマガの記事の中に集客したいイベントなどの案内文を記載する。メルマガが長文になるのを避けるために、イベント案内ページのリンクを張る方法もある。

▶SNS運用については、関連記事【SNS運用のやり方をとことん解説|フォロワーを集めてビジネスに繋げる成功法則とは?】をあわせて参考にしてください。

◉-1-2、【解決策2】専門家に相談する

もし「自社でやる時間がない」または「自社でやる自信がない」という場合は、まずは信頼できそうな集客の専門家に相談してみることをおすすめします。

特に「すぐに成果を出したい」という場合は、素人が手探りでいろいろと試行錯誤するよりは、短期間でサクッと成果を出すことができるでしょう。

◉-2、やってみたがなかなか成果が出ない

すでに何らかの集客方法に取り組んできたものの、あるタイミングで「やってみたがなかなか成果が出ない」と感じる企業もあります。

このケースは、すでに実施している集客方法で期待する効果が出ないというものです。

近年さまざまな企業が集客に取り組んでいますが、初心者がやったからといってすぐに成果が出るほど集客は簡単ではありません。

期待通りの成果を出すためには、基本的なやり方やノウハウなどのポイントを押さえるためにも専門家によるアドバイスを受けながら行う方が良いでしょう。

このようなタイミングでの解決策は次の2つです。

◉-2-1、【解決策1】専門家のアドバイスを受けてやり方を改善する

実施してきた集客方法で成果が出ない原因としては、「ターゲット設定が間違っている」「訴求が間違っている」「選択した手法が自社に合っていない」など実にさまざまな要因が考えられます。

この場合、専門的な知識がないと真の原因を見抜くことは難しいため、専門家に相談してアドバイスを受けながら集客方法を改善していくことをおすすめします。

◉-2-2、【解決策2】競合他社の真似をしてみる

実施してきた集客方法がうまく行かない場合は、素人考えでいろいろとやり方を変えてやってみても同様に効果が出ない可能性が高いものです。

この場合、競合他社がどのような集客方法を行なっているのかをリサーチして、そのやり方を真似してやってみるのもおすすめです。

競合他社の集客方法をリサーチできるツールは色々とありますので、まずは真似からやってみると効果が変わってくる可能性があります。

◉-3、成果が以前より出なくなり、いくらやっても改善しない

何らかの集客方法を実施していてそれなりの効果が出ていたものの、あるタイミングから成果が出なくなり、やり方を変えても改善しないというものです。

このケースでは、ネットの世界の技術革新は目覚ましいものがあり集客ノウハウについても陳腐化のスピードが非常に早いため、同じやり方を続けていたのでは効果が出にくくなっていることが原因です。

以前のような効果が得られないことから、色々と手を変え品を変えやってみても改善せず、「集客が難しい」と感じてしまうことが多いのです。

このようなタイミングでの解決策としては次の5つが挙げられます。

◉-3-1、【解決策1】ターゲティングや訴求などを抜本的に改善してみる

集客効果が出なくなったということは、以前に比べてターゲットに刺さらなくなったということです。

時間の経過とともにターゲットの趣味嗜好やトレンドは変わっていきますので、それに合わせてターゲティングや訴求などを見直していく必要があるのです。

この場合は、ターゲティングや訴求などの設定を変えてみると改善する可能性があります。

◉-3-2、【解決策2】データ分析を行いPDCAを回す

近年、顧客であるターゲットの趣味嗜好は多様化していますので、従来から行ってきた集客手法が、ターゲットの変化に追いついていない可能性があります。

この場合は、まずはターゲットに対してある訴求をしてデータの収集・分析を行い、次に別の訴求をしてデータの収集・分析を行うということを繰り返し、どの訴求が最も効果があるのかを見出す必要があります。

このように、データ分析を行ってPDCAを回しながら効果が得られるように改善を積み重ねていくのが唯一の近道です。

◉-3-3、【解決策3】1つの集客方法に偏らず、複数行ってみる

これまで行ってきた集客方法が「Web広告だけ」だった場合は、どうしても長期的に考えると集客単価が上がってきてしまう傾向があるため、広告の費用対効果は悪くなっていきます。

このように1つの集客方法だけに頼っていると集客成果が下がってしまったときに、売上や利益への影響が大きく出てしまうことになります。

これを避けるには、1つの集客方法に偏らず複数の集客方法を行ってみることです。

◉-3-4、【解決策4】代理店任せではなく自社でやってみる

実施している集客方法の運用管理を自社で行えば費用は発生しませんが、運用管理を代理店に任せると代理店に支払うフィーが発生してしまいます。

また、定期的にデータ分析を行って改善をしていかなければならないのに、代理店から送られてくるレポートだけを見て、改善も代理店任せにしていると細やかなPDCAが回せなくなってしまいます。

その結果、適切な改善が行われなかったりして、以前のような成果が得られなくなってしまうのです。

自社でWeb広告やSNS運用・SEO対策など行うなど、ある程度の内製化をするだけでもPDCAを回すことができるようになりますので、成果の改善につながる可能性が出てきます。

◉-3-5、【解決策5】デジタルだけではなく、アナログとの連携も検討してみる

誰でも手軽に始められる集客方法としては、Web広告やSNS運用・SEO対策などのデジタル施策がありますが、集客方法はデジタル施策だけではありません。

業種や商品・サービスの種類によってはデジタル施策よりもアナログ施策の方が良い効果が得られる場合もあります。

たとえば、競合他社との差別化が難しいコンサル業や保険代理店、士業、競合他社に大手が多い不動産業などには、デジタル施策とアナログ施策の連携がおすすめです。

実際に、次に紹介するようなデジタル施策とアナログ施策の連携で集客に成功した事例があります。

◉-3-5-1、事例1:不動産会社

不動産投資サービスを行っている会社の経営者は、収入は多いものの税金も高いという医師をターゲットとしてSNS等を利用した情報発信を行っていましたが、思うような集客ができずに悩んでいました。

あるきっかけからアナログで紙媒体の書籍出版がマーケティングに活かせることを知り、「高収入な医師に最も効果的な節税対策は不動産投資である」という書籍を出版。

書籍の企画段階からSNSなどを利用したデジタルプロモーションを行うことを決めて、書籍の出版時期に合わせて実施しました。

書籍出版後、これらの成果が表れて書籍を購入して読んだ医師からの問い合わせが殺到。

書籍の中では、高収入な医師の悩みとして高額な税金があること、最も効果的な節税対策が不動産投資であることなどを詳しく説明していましたので、読者は問い合わせ時点で十分な予備知識があり、ほぼ100%が成約につながるという大きな成果を得ました。

また、顧客の医師が知り合いの医師へ口コミをしてくれて評判が広がり、新規の顧客獲得にもつながっています。

◉-3-5-2、事例2:保険代理店

主に法人保険を取り扱っている保険代理店の経営者は、保険業界の実態と保険業界に定着している「成果報酬型」という給与体系を「一律報酬型」に変えることによって業績向上ができるという内容の書籍を出版。

つまり、一部のスーパー営業マンに頼った経営ではなく、全社員をアベレージヒッターに育成することによって全社員総当たりの経営に変えることができ、さらに業績も向上するということを自身の実績にもとづいて訴えたのです。

また、従来からSNSなどのデジタル媒体による情報発信を行っていましたが、1つ上のステージに上がることを目指してアナログ媒体の書籍を出版したという狙いもあります。

書籍の出版によって自社に対する信頼感が向上して大口契約の成約につながったり、顧客から経営にまで踏み込んだ相談を受けることが増加。

また、保険業界内部からも一目置かれる存在になり、他の保険代理店からコンサル契約を新規で受けたり、大手の保険会社から社内セミナーの講師を依頼されたりする機会も増えました。

このように、従来から行っていたデジタル施策とアナログ施策をうまく活用したマーケティングを行うことによって業績の向上を図ることができ、人材の採用や定着にも良い影響が出ています。

◉-3-5-3、事例3:経営コンサルタント

建設業を対象にコンサルティングを行っている経営者は、従来からホームページやSNSを使って情報発信をしていたものの期待通りの集客効果が得られないため、商圏の拡大と業界内での知名度向上を狙って書籍を出版。

ターゲットを明確にするために書籍のタイトルに「建設業のための」という文言を入れたことが功を奏して、出版翌日から多くの問い合わせにつながりました。

顧客は書籍を読んでから問い合わせをしてきますので、詳しい説明をする必要もなく9件の顧問契約の獲得に成功。

また、建設業のコンサルティング会社としての知名度も上がりブランディングにも成功しました。

◉【まとめ】集客が難しい、と感じたらマーケティングのプロにまず相談してみよう!

本記事では「集客が難しい」と感じてしまう原因と解決策について、3つのタイミングに分けてくわしく解説しました。

「集客が難しい」と感じるタイミングは、「集客方法を始める前」「集客方法を始めたものの成果が出ないとき」「集客方法の成果が出なくなったとき」の3つに大別することができます。

記事の中では、それぞれのタイミングについて複数の解決策を提示しましたが、「記事を読んでもどうすれば良いかわからない」という場合は、マーケティングのプロへの相談がおすすめです。

フォーウェイは、デジタルマーケティングとアナログマーケティングを組み合わせた集客方法に精通しています。

集客でのお悩みなら、フォーウェイまでご相談ください。

記念誌は、会社や団体などの周年記念日やその他の記念すべきイベントなどを祝うために制作される出版物です。

名前の通り、会社などの節目やイベントを記念するためのものですが、きちんと読んでもらえなかったり、終わった後は棚の奥にしまっておかれたりすることが多くあります。

せっかく時間と費用をかけて作るのですから、多くの人に読んでもらえて他の用途にもどんどん活用してもらえるような出版物にしたいものです。

そこで今回は、記念誌を読んでもらうためのコツや出版後の活用アイデアなどについてくわしく解説いたします。

目次【本記事の内容】

執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)

慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。

◉記念誌とは?

記念誌とは、会社や団体・学校・官公庁などが周年記念日や何らかの出来事、イベントを記念して発行される出版物のことです。

たとえば、創立(設立)20周年や50周年などの区切りの良い年に行われる記念行事や会社や社員の受賞、関連施設のオープンなどのイベントを記念して出版されることが多いようです。

内容としては、周年記念日やイベントなどを祝う内容や歴史、実績などが中心となりますが、基本的に構成や内容には決まりがなく、自由です。

◉-1、社史や周年史との違い

記念誌と似た出版物として、社史や周年史があります。

社史は会社の創業からの歴史や活動などを読み物としてまとめた出版物であり、周年史の一つの形です。

主に会社の周年事業の一貫として編纂されるのが一般的ですが、上場その他の会社にとって記念すべき出来事に合わせて作られる場合もあります。

一方で、周年史は会社や各種団体・学校・官公庁などが周年記念日に合わせて発行する出版物です。

創立20年や50年などの周年記念日に合わせて発行されます。

周年史の一般的な内容は、年表に基づいた創立や設立からの沿革と、その間の代表的な出来事などを時系列で記述したものとなっています。

▶周年誌については、関連記事【周年史とは?出版目的や具体的な制作の流れや活用方法について解説】をあわせて参考にしてください。

▶社史については、関連記事【読まれ、活用される社史を作るコツ!作成後の有効活用方法も解説】をあわせて参考にしてください。

◉記念誌を作る主な目的

従来は、会社がこれまで存続できたことへの感謝の気持ちを伝えることを目的として記念誌が制作されていました。

しかし昨今では、自社の企業理念やブランドの価値などを社内に浸透させていくインナーブランディングという目的も強く意識されるようになってきています。

記念誌を作る主な目的としては次のようなものがあります。

・周年記念事業の記念にする
・関係者各位への感謝を伝える
・ブランディング
・自社資料や歴史、実績などの整理をする
・営業・マーケティングツールとして活用する
・認知度の向上

目的について、それぞれくわしく見ていきます。

◉-1、周年記念事業の記念にする

一般的な会社では、創立10周年や20周年などの区切りの良い年に周年記念行事を開催してお祝いをし、その周年記念行事の一環として記念誌が出版されることがあります。

記念誌は周年記念行事のときに必ず出版するわけではなく、何らかの節目の年に出版されることが多いようです。

◉-2、関係者各位への感謝を伝える

記念誌には、会社がこれまで存続するためにお世話になった顧客や取引先、株主、パートナー会社、地域社会、従業員・OBなどに対するお礼の意味が込められています。

記念誌の編纂を通じてこれらの方々との関係を改めて認識し、完成した記念誌をお世話になった方々に寄贈して感謝の気持ちを伝えることができます。

関係者各位に感謝を伝え、今後も関係性を深めていくためのコミュニケーションツールと言えるでしょう。

◉-3、ブランディング

記念誌を用いて、通常の会社活動では伝わりにくい会社の歩みや実績・理念などを社内に浸透させることができます。

そのために、過去の記録だけではなく未来への展望なども積極的に掲載する企業が多いようです。

また、社内だけではなく、社外に向けて会社の存在意義や将来性などをアピールすることもできます。

◉-3-1、インナーブランディング

記念誌に記載された会社の歩みや実績・理念などを従業員に読んでもらうことによって、社内に浸透させて一体感を強めることができます。

また、自社の過去の出来事や考え方を知り、自分たちや組織の役割を再確認してモチベーションを高める効果も期待できるでしょう。

その他、人材教育や研修にも活用できるため、人材の育成や業績向上に役立ちます。

◉-3-2、アウターブランディング

記念誌は社外に対するブランディングにも効果があります。

これまでに開発して販売してきた商品やサービスの開発経緯や開発秘話、歴史、企業理念などがまとめて書かれていますので、顧客に自社のことを詳しく知ってもらうことができます。

そのため、記念誌は社外の方々への知名度が向上するなどブランディング活動に活用することが可能です。

自社の社会への貢献や役割をまとめることによって、対外的なイメージアップにつながります。

◉-4、自社資料や歴史、実績などの整理をする

会社活動を長く続けていると多くの資料が発生しますが、存続年数が長くなり会社規模が大きくなると散在したり、行方不明になったりすることがあります。

記念誌の制作をきっかけとして、社内に散在している資料を集めて自社の歴史や実績などを整理することができます。

過去の経営方針や事業成果、課題、その課題をどのようにして乗り越えたかなどをストーリーとして残し、これらを整理することで、経営に活かすことも可能です。

また、過去の資料の中には業界や地域社会にとって重要なものが含まれている可能性がありますので、業界団体や地域の図書館に寄贈した方が良いケースも考えられます。

◉-5、営業・マーケティングツールとして活用する

近年ではブランディングだけではなく、記念誌そのものを営業やマーケティングツールとして活用するために作る会社も多くなっています。

そもそも、記念誌は会社の過去から現在がすべて丁寧にまとめられた出版物なので、会社紹介のためのツールとして活用しない手はありません。

営業やマーケティングツールとして活用する場合は、事前に営業やマーケティングの部署にヒアリングを行いましょう。

◉-6、認知度の向上

記念誌には会社の歴史や経営理念、将来像などがまとめられているので、その会社の認知度を向上させるために適したツールと言えます。

また、出版物であるため社会的な信用性が高く、認知度の向上を目的の1つとして作る会社もあります。

◉記念誌を読んでもらうためのコツ

従来の記念誌は記念事業のために作ることがほとんどでしたが、近年ではブランディングで会社をより認知してもらって、実際の営業・マーケティング活動に活用することを視野に入れて作る会社が増えてきています。

そのためには、次のような視点で記念誌を作り込んでいくことが重要です。

・社員を巻き込んだ参加型のコンテンツ制作
・会社のこれまでの成長を数値・図式化してわかりやすく掲載
・会社の将来像を掲載
・目を惹くデザイン・装丁

それぞれのコツについて、くわしく見ていきましょう。

◉-1、社員を巻き込んだ参加型のコンテンツ制作

社員を記念誌のコンテンツの中に巻き込むと、当事者感が増してより親近感を持って読んでくれるようになります。

具体的には次のようなコンテンツ作成を検討してみましょう。

◉-1-1、社員インタビュー

社員にインタビューを行って、それを記事化したコンテンツです。

記念誌などのインタビューというと社長や経営陣などへのインタビューが多いのですが、各年代別の男女それぞれにインタビューを行うのがポイントです。

なぜなら、社員インタビューに参加した方はもちろん、同じ部署の方などに当事者意識が芽生えやすく、読んでもらうきっかけになるからです。

または、現役社員だけではなく引退したOBなどへのインタビューを行ってみるのも面白いのではないでしょうか。

◉-1-2、社員座談会

社員の座談会を行って、それを記事にするのもおすすめです。

社長や経営陣を囲んでの座談会がよくあるパターンですが、社員が気になるテーマや会社の将来など、社員が主体的に語るようなテーマを設定するのがコツです。

社員にとっては、社長や経営陣よりも、他の社員の方が自分を投影しやすく、親近感を持ってもらいやすくなります。

◉-1-3、全社員アンケート

全社員に対するアンケートを行うと、全員がその結果に興味を持って読んでくるようになります。

テーマとしては、普段はちょっと聞きにくいけど気になるようなコトなどがおすすめです。

もちろんオーソドックスなテーマでも良いのですが、ちょっと変わったクスッと笑えるようなものが幅広い年齢層の従業員の興味を引くことにつながります

◉-1-4、全社員のお祝いメッセージ

全社員から寄せ書き形式で手書きのメッセージをもらって掲載するのも有効です。

手書きであることがポイントで、一体感の醸成や会社に対する意識を高めることにつながります。

◉-1-5、全社員の集合写真

全社員の集合写真を掲載するのもおすすめです。

会社の規模や拠点の数などによって、全社員一緒の集合写真が難しい場合は、部門別や拠点別の写真を撮って掲載しても良いでしょう。

◉-2、会社のこれまでの成長を数値・図式化してわかりやすく掲載

普段はあまり触れることがないような会社の内部事情が分かる数値を、ポップな形で分かりやすく掲載することで、より会社のことが理解できるようになります。

たとえば、社員数の推移、平均給与の推移、会社の売上推移など、パッと見て分かりやすい数値や図式を掲載すると、営業やマーケティング、採用などの活動に活用できたりします。

◉-3、会社の将来像を掲載

会社の過去の実績ばかり書かれていても、経営層だけの内輪ネタのように受け取られることがあります。

将来に向けてどのようなビジョンを持っているのか、経営者はどのような想いを持って進んでいこうとしているのか、社会に対してどのような貢献をしていくのか、などをしっかりと掲載することが、従業員の士気を高めたり、対外的な印象を良くしたりすることにつながります。

たとえば、会社が今後目指している未来予想図をイラストなどに表して、将来像を示すなど、文章だけではなく、視覚的に訴えかけるようなコンテンツがおすすめです。

◉-4、目を惹くデザイン・装丁

記念誌をパッと見たときに、「何これ、面白い!」と思われるようなデザインや装丁にすると手に取ってもらいやすくなります。

近年は「文章を読む」よりは「見て理解できる」ようにすることがコツと言えるでしょう。

デザインや装丁をビジュアルなものにするだけで話題になりやすくなります。

しかしながら、あまりにも会社のイメージとほど遠いものになると逆効果になる可能性もあるので、デザインや装丁が会社を象徴するようなものになるように工夫しましょう。

◉作るだけではダメ!記念誌の積極的活用方法

記念誌を出版した当初は記念事業などの一環として読まれますが、だんだん読まれなくなり活用されなくなり、本棚の奥底に眠ってしまいがちになってしまいます。

せっかく手間や費用をかけて作る出版物であり、会社のことを理解できる貴重なコンテンツなのですから、積極的に活用しなければ損ということになります。

具体的な積極的活用方法としては次のようなことがあり、これらを見据えたコンテンツを制作することが重要です。

・営業ツールとしての活用
・マーケティングツールとしての活用
・記念誌でまとめた情報をWebやSNSで二次活用
・情報発信ツールとしての活用

それぞれについて、くわしく見ていきましょう。

◉-1、営業ツールとしての活用

記念誌は営業ツールとして活用できます。

なぜなら、記念誌では創業以降に開発・販売した商品やサービスなどが整理され、分かりやすく紹介されているからです。

また、自社のモノづくりに対する理念を、自社が属するエリアの文化や伝統などと一緒に紹介して、どのように世の中の役に立ってきたのかなどを記載すれば、優れた営業ツールとすることができます。

たとえば、飛騨地方のある家具メーカーでは、そのエリアのモノづくりの理念とその背景にあるエリアの文化や風土を紹介する記念誌を作成。

その記念誌が話題となってTV番組で紹介され、自社商品の売り上げが急増したという事例があります。

◉-2、マーケティングツールとしての活用

記念誌はマーケティングツールとして活用することも可能です。

ある総合商社では、記念誌を漫画化して出版して話題となりました。

創業期のエピソードなどを漫画化して出版するほか、創業地の図書館に寄贈したり、一連の活動がマスコミに取り上げられて、知名度や好感度のアップにつながっています。

◉-3、記念誌でまとめた情報をWebやSNSで二次活用

記念誌に掲載された情報をWebサイトに記事として投稿したり、SNSなどで投稿したりして二次活用することが可能です。

オリジナル性の高いコンテンツを投稿できるため、WebサイトにとってはSEO対策にもなり、SNSなどはフォロワーの獲得にもつながります。

◉-4、情報発信ツールとしての活用

記念誌には、過去の実績から将来展望まで書かれているので、読めば会社のことをしっかりと理解することができます。

つまり、記念誌は会社の認知度向上を図るための情報発信ツールとしても最適だということです。

たとえば、書店に流通させたり、見込み顧客に送付したりすることで会社のさらなる認知度向上につながります。

▶会社の認知度向上については、関連記事【経営者必読!認知度向上の方法と効果的なマーケティングの選択肢】をあわせて参考にしてください。

◉【まとめ】社内の継続的な利益につながる記念誌を作り、活用しよう!

本記事では、記念誌を作る目的や読んでもらうためのコツ、出版後の活用アイデアなどについてくわしく解説しました。

記念誌を作るのであれば、ただ記念事業の一環としてだけではなく、ブランディングやマーケティング、営業、採用などの会社活動に有益な影響を与えるような活用を見据えて作ることをおすすめします。

フォーウェイでは、コンテンツを作るだけではなく、マーケティングなどを掛け合わせて活用していくコンテンツマーケティングを追求しています。

会社のさまざまな部署で活用できる記念誌の制作をお考えてあれば、お気軽にご相談ください。

住宅会社やハウスメーカーなどのように高単価商品を取り扱う企業にとって、売上や利益を向上させるための有効なツールの一つがパンフレットです。

住宅販売は営業活動を始めてから成約に至るまでのリードタイムが長い傾向があるので、パンフレットのような紙媒体の販促ツールを活用することでリードタイムの短縮効果も期待できます。

本記事では、「住宅販売に伸び悩んでいる」「住宅販売のリードタイムの長さに悩んでいる」という方向けに、パンフレットの作り込み方や活用方法についてくわしく解説いたします。

目次【本記事の内容】

執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)

慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。

◉住宅会社・ハウスメーカーなど高単価ビジネスにパンフレットは有効!

パンフレットなどの紙媒体が高単価ビジネスに有効と言われる理由は次の通りです。

・紙媒体ならではの安心・信頼感
・紙媒体の方が比較検討しやすい
・紙媒体の方が伝わりやすく、理解しやすい
・紙媒体の方が長期間手元に保管してもらいやすい

それぞれ、くわしく見ていきましょう。

◉-1、紙媒体ならではの安心・信頼感

一般的に、紙媒体はデジタル媒体より信用度が高いと考えられています。

なぜなら、紙媒体はデジタル媒体と比べると発行の難易度が高いイメージがあるためです。

紙媒体は、一度紙にして出すと修正が難しいため、ライターや編集者、発行責任者など多くの人のチェックが入ったり、情報の発信元が明確です。

しかし、デジタル媒体は誰でもノーチェックで自由に情報を発信できてしまいます。

このようなイメージから、Webサイト記事やSNS投稿などに比べて顧客からの安心感や信頼感が得られやすいという特徴があります。

そのため、住宅会社やハウスメーカーのように高単価な商品を扱うビジネスにおいては、紙媒体のパンフレットは顧客との信頼関係を構築するうえで非常に有効なツールとなるのです。

◉-2、紙媒体の方が比較検討しやすい

紙媒体はデジタル媒体に比べて、同時に並べて比較検討しやすいことも有効な理由です。

Webサイト記事やSNS投稿などのデジタル媒体も画面を切り替えたりして複数の情報を見ることはできますが、同時に並べて見比べるのには向いていません。

特に住宅を購入する際は、家族などと一緒に比較検討することが多いため、紙媒体のパンフレットの方が複数人で一緒に見て比較検討しやすいのです。

◉-3、紙媒体の方が伝わりやすく、理解しやすい

紙媒体の方がデジタル媒体よりも視認性や可読性、一覧性が高いことも有効な理由です。

なぜなら、Webサイト記事やSNS投稿などよりはパンフレットの方が、パッと見て分かりやすく読みやすいため、記載内容が伝わりやすく理解しやすいのです。

また、Webサイト記事やSNS投稿などに比べて、パンフレットの方が写真や画像を鮮明に表示することができるため、イメージや印象が重要な住宅販売などに向いていると言うことができます。

◉-4、紙媒体の方が長期間手元に保管してもらいやすい

紙媒体はデジタル媒体よりも保存性や保管性に優れていることも有効な理由です。

Webサイト記事やSNS投稿などのデジタル媒体は、WebサイトやSNSにアクセスしているときだけしか情報を表示することができません。

それに比べて紙媒体は、捨てられない限り顧客の手元に残り続けるため、ふとしたタイミングで何度も見返してもらえる可能性があります。

◉住宅会社・ハウスメーカーで用意すべきパンフレットの種類

住宅会社やハウスメーカーで用意すべきパンフレットは、主に次の3種類です。

・会社案内パンフレット
・採用パンフレット
・住宅販売パンフレット

それぞれどのようなパンフレットなのかを、見ていきましょう。

◉-1、会社案内パンフレット

一般的に、会社案内パンフレットには、企業の経営理念や事業・サービス内容のほか、会社の基本情報などが記載されています。

企業としてどのような理念やコンセプトのもとに住宅を提供しているのか、どのような強みや特徴を持っているのか、いつごろから住宅販売を行っているのかなどのストーリー性のあるコンテンツを盛り込むと顧客へのアピール効果が高くなります。

また、後述する他のパンフレットにも統一したキャッチコピーやデザインを採用して、ブランディングを意識したものにしても良いでしょう。

◉-2、採用パンフレット

採用パンフレットは、自社に必要な人材を確保するための重要なツールです。

企業の基本情報として企業理念や事業・サービス内容などを記載するほか、先輩社員へのインタビュー、部署ごとの業務内容の詳しい説明など「この会社で働いてみたい」と思ってもらえるようなコンテンツを盛り込みましょう。

実際に住宅を購入していただいたお客様の喜びの声などを掲載することも効果的です。

採用パンフレットは、新卒採用として学校に配布したり、中途採用として転職サイトや企業説明会で配布したりします。

◉-3、住宅販売パンフレット

住宅会社やハウスメーカーの住宅販売パンフレットは、商品である住宅の説明をするためのメインとなるパンフレットです。

住宅会社やハウスメーカーによっては、デザインや建築プラン、仕様などの違いによって複数の商品群を持っている場合がありますが、そのような場合はそれぞれ個別にパンフレットを作った方が良いでしょう。

個別パンフレットとは別に総合パンフレットを作ることも考えられますし、建築実績や施工実績などを集めたパンフレットも、顧客に実績をアピールするためには有効と言えます。

また、住宅会社やハウスメーカーの多くは「標準仕様」を設定しているケースが多いと思われるので、顧客にその具体的な情報を提示するためのパンフレットもあった方が良いでしょう。

◉住宅会社・ハウスメーカーのパンフレットに盛り込むべき内容

住宅会社やハウスメーカーのパンフレットを、より成果につなげられるものにするために、次のような内容を掲載することを検討してみましょう。

・販売する住宅のコンセプト、イメージ
・販売する住宅の写真
・販売する住宅の仕様図(わかりやすく)
・住宅の施工事例・顧客の声・社員の声(施工のこだわりなど)

以下で、それぞれについてくわしく解説します。

◉-1、販売する住宅のコンセプト、イメージ

住宅の仕様ではなく「自分がこの住宅に住んだらどのような生活が待っているのだろう」という将来像を伝えることが重要です。

住宅の仕様だけ伝えると、価格や性能の良し悪しなどでしか顧客は判断することができず、結果として他社住宅との競争に巻き込まれてしまいます。

競争にならないようにするためにも「その住宅がどのようなコンセプトで建てられているのか」「その住宅に住む人にどうなって欲しいのか」などのイメージをキャッチコピーとイメージ写真などを使って明確に伝えることが重要です。

◉-2、販売する住宅の写真

住宅会社やハウスメーカーのパンフレットにおいて、販売する住宅の写真の掲載は必須です。

住宅は高額商品ですが、同時にイメージや印象が重要な商品でもあります。

建築前で建物がない場合は3Dの設計図などで仕方ないと言えますが、写真で購入が決まるといっても過言ではないため、特にこだわって撮影すべきです。

◉-3、販売する住宅の仕様図(わかりやすく)

販売する住宅の仕様図を分かりやすく掲載するのもおすすめです。

専門的な建築図のようなものではなく、顧客が気にすると思われる水回りの仕様や収納スペースの大きさや数などがよく分かるようにしておくとベターです。

◉-4、住宅の施工事例

会社がこれまでに手掛けてきた施工事例を掲載することも重要です。

これまでにどのような住宅を施工してきた実績があるのかを明確に記載しておくと、豊富な施工実績に、顧客は安心感を覚えてくれます。

また、施工実績が多く掲載されていると、既存顧客との間にトラブルなどがなく信頼できる会社だということを印象付けることができます。

◉-5、顧客の声

会社が伝えたいことだけを発信するのではなく、実際に住宅を購入した人の声のように第三者視点も入れ込みましょう。

既存顧客へのインタビューなどを行って、掲載しても良いという許可が得られたものはできる限り掲載した方が良いです。

自社からの情報発信だと嘘くさく聞こえてしまいますが、顧客という第三者の視点と言葉で感想を語ってもらうと信頼性が高くなります。

◉-6、社員の声(施工のこだわりなど)

住宅会社やハウスメーカーのパンフレットには、自社の社員の声もぜひ掲載したいものです。

住宅は購入者にとっても大きな買い物ですが、住宅を建てる側の職人もこだわりを持って作っています。

社員や職人のこだわりや想いを記載することによって、顧客に「住みたい」と思ってもらいやすくなります。

社員や職員がこの住宅に持っている想いなどを語るコンテンツも有効です。

◉パンフレットを成果につなげるためには配るだけではなく、他部署との連携が重要!

住宅会社やハウスメーカーのパンフレットは、住宅展示会などで配布するのが一般的ですが、ただ配るだけではなく、より積極的に活用していくと成果につながりやすくなります。

具体的には次のような方法があります。

・WebサイトでもPDFを配布できるようにする(リスト獲得)
・ターゲットリストへの送付する
・営業部と連携してターゲットによってデザインを分ける
・他のマーケティング施策と連携

それぞれ、くわしく見ていきましょう。

◉-1、WebサイトでもPDFを配布できるようにする(リスト獲得)

パンフレットは紙媒体で作るだけではなく、PDF化してWeb上でも配布しましょう。

Web経由であれば多くの顧客に低コストで配布することができます。

近年はスマホやPCからWebサイトを訪問する人も増えているので、Webサイト上でもパンフレットを閲覧・配布できるようにしたりしておくべきです。

ダウンロード時に、住所や氏名、住宅購入の意向などの記載を必須にしておけば、顧客リストという資産獲得にもつながります。

◉-2、ターゲットリストへ送付する

自社で作成した見込み度合いの高いターゲットリストに、直接パンフレットを送付する方法も有効です。

パンフレットを送付するためにはコストがかかるので、ターゲットの興味関心度の高い層にはパンフレットを紙媒体で送付し、そうでもない層にはメールなどで送付するなど、送付方法を分けるのがおすすめです。

◉-3、営業部と連携してターゲットによってデザインを分ける

住宅会社やハウスメーカーの場合、住宅の種類によってターゲット顧客が異なります。

そのため、ターゲットに応じてパンフレットのデザインを使い分けることも有効です。

たとえば、富裕層向けの住宅であれば、ラグジュアリーなデザインにしたり、高齢者向けであれば安心感を持ってもらえるような柔らかいデザインにしたり、などです。

どのデザインにするかどうかは、営業部と連携をして、それぞれのターゲット層がどのようなテイストを好むのかなどを良くリサーチしたうえで決めるようにしましょう。

◉-4、他のマーケティング施策と連携

パンフレットをターゲットに送付するなどのようにパンフレット単体で使うという方法のほかに、他のマーケティング施策などの媒体と連携して相乗効果を狙うことも有効な活用方法の一つです。

具体的な連携方法としては、次の3つが挙げられます。

・SEO×住宅販売パンフレット
・SNS×住宅販売パンフレット
・企業出版(ブックマーケティング)×住宅販売パンフレット

それぞれについてくわしく見ていきましょう。

◉-4-1、SEO×住宅販売パンフレット

住宅販売パンフレットの情報の一部をWebサイトに記事を掲載して情報発信をすることによって、検索結果によるWebサイトへの流入が期待できます。

住宅販売パンフレットに記載されたオリジナル性の高いコンテンツがWebサイトにアップされることになりますのでSEO対策にもつながります。

◉-4-2、SNS×住宅販売パンフレット

住宅販売パンフレットの情報の一部をSNSに小出しにしながら情報発信することによって、より多くの人に情報が伝わりやすくなります。

また、住宅販売パンフレットからSNSに飛べるようなQRコードを設置したり、住宅販売パンフレットと連動したキャンペーンをSNSで告知する方法などもおすすめです。

◉-4-3、企業出版(ブックマーケティング)×住宅販売パンフレット

ブックマーケティングとは、書籍を活用したマーケティング手法です。

たとえば、住宅販売パンフレットの中で書籍を紹介したり、顧客に住宅販売パンフレットを送付して良い反応があった場合に出版物を送付して購買意欲を高めてもらうなどで、成約につなげることができます。

出版物も住宅販売パンフレットも同じ紙媒体ですが、これらを連携することによって相乗効果を得ることができるのです。

また、注文住宅を得意とする住宅会社などでは、一定の商圏の中で営業活動を行っているケースがありますが、ブックマーケティングを利用すればその商圏の中の書店に重点配本してマーケティング効果を高めるといったことも可能です。

書籍は社会的に信頼性の高い媒体なので、住宅の信頼性向上にもつながります。

▶ブックマーケティングについては、関連記事【ブックマーケティングとは?メリットや効果的な戦略の作り方】もあわせて参考にしてください。

◉住宅会社・ハウスメーカーのパンフレット事例

実際の住宅会社・ハウスメーカーのパンフレット制作事例を紹介します。

◉-1、建築設計会社

東京都北区の建築設計会社で、専門学校などに求人票と一緒に配布することを想定した採用パンフレットを制作。

学生向けであることを意識して「目を引くようなインパクトのあるデザイン」「建築設計事務所だということがすぐに分かるデザイン」「親しみやすく明るいデザイン」を心がけたパンフレットにしました。

ターゲットや利用目的がはっきりしており、要望も明確になっていたことから短期間で完成度の高いパンフレットが完成。

その後、採用パンフレットを活用した採用活動によって若い有能な人材の獲得につながりました。

◉【まとめ】パンフレットを作り込み、売上と利益率向上、リードタイム短縮を目指そう!

本記事では、紙媒体のパンフレットが住宅などの高単価ビジネスに有効な理由、住宅会社やハウスメーカーのパンフレットに盛り込むべき内容、パンフレットの活用方法や制作事例などについてくわしく解説しました。

紙媒体のパンフレットのメリットとしては、信頼性の高さや比較検討のしやすさ、保存性の良さなどがあり、高単価商品である住宅販売において最も重要な顧客との信頼関係の構築に大きく寄与することができます。

フォーウェイでは、パンフレットの制作はもちろん、他のマーケティング施策との連携についても多くの実績があります。

住宅会社やハウスメーカーのパンフレットのご相談はぜひフォーウェイまで。

「本の出版には興味があるが、何か自分自身や、経営する会社、行っている事業にとってメリットがあるのか?」と、本を出版する効果について疑問を持っている経営者は多いと思います。

結論から言えば、本の出版は、経営者に多くのメリットをもたらします。

しかし「うまく活用すれば」という条件付きです。

ただ本を出版しただけでは、自己満足で終わってしまいます。

この記事では、本の出版を経営者自身のブランディングや、経営する会社や行っている事業の発展につなげていくための、戦略的書籍出版の方法について解説していきます。

経営者で本の出版に興味がある方は、ぜひ参考にしてみてください。

目次【本記事の内容】

執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)

慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。

◉経営者が本を出版するメリットとは?

「全く同じ内容が書いてあるネットの記事と本、どちらが情報として信用できるか?」と聞かれたら、多くの人が本と答えると思います。

ネットやSNSで自分の欲しい情報がいつでも手に入る時代ですが、今でも本は信用性の高い媒体として多くの人に認知されているのです。

そのため、経営者が本の出版をうまく活用すれば、次のような7つのメリットを得ることができます。

◉-1、メリット①:経営者自身のブランディング・認知度向上につながる

これまで会社を経営してきた経験や、培った専門性、想いなどを本にすることで経営者自身のブランディングや認知度向上につながります。

なぜなら、多くの人が「一握りの専門家しか本を出版できない」というイメージを持っているためです。

たとえば、ある経営者がサイバーセキュリティに関する本を書いて出版したとしましょう。

それを読んだ多くの人が、「サイバーセキュリティの業界ですごい人なんだ」と思うはずです。

このように、本の出版をうまく活用することで、世の中に自分自身の専門性や、人となりを認知してもらえるようになります。

後にご紹介しますが、ある保険代理店の経営者は、「自身の保険代理店の経営論」に関する本を出版し、多くの業界関係者からの理解と共感を獲得。

講演依頼がくるなど、業界内での認知度向上やブランディングにつながっています。

このように、本の出版をうまく活用すれば、経営者自身のブランディングや認知度向上につなげることができるのです。

▶︎認知度向上については、関連記事【経営者必読!認知度向上の方法と効果的なマーケティングの選択肢】もあわせて参考にしてください。

◉-2、メリット②:会社や事業のブランディング・認知度向上につながる

本に自身が経営する会社のことや、事業について書くことで、ブランディングや認知度の向上につながります。

後にご紹介しますが、実際に、ある建設業専門のコンサルティング会社の経営者は、本の出版により認知度が向上し、仕事の依頼や商圏の拡大につながっています。

「見込み顧客である層に本を届けることができれば」という条件付きではありますが、「こんな会社だったんだ」「こういう事業をやっているんだ」「こういう強みがあるんだ」と認知度向上につながり、問い合わせや仕事の依頼につながる可能性だってあるのです。

▶︎企業ブランディングについては、関連記事【企業ブランディングとは?企業の成長における重要性や手法を徹底解説】もあわせて参考にしてください。

◉-3、メリット③:経営者・企業の社会的信頼性の向上につながる

いまだに本は社会的信用性の高い媒体として多くの人に認知されています。

ネットやSNSでの情報収集が主流となった現代であっても、「本を出した」と言ったら、「本を出版できるすごい人なんだ」と思ってくれる人は多いはずです。

また、本の出版をきっかけに、テレビや雑誌などのメディアに注目が集まれば、番組出演やインタビューなどへのオファーにつながる可能性もあります。

本を出版しているというだけで、地域や業界内で一目置かれる存在になれるかもしれません。

このように、経営者が本の社会的信頼性の高さをうまく活用することができれば、自分自身や経営する企業、行っている事業の社会的信頼性を高めることができるのです。

◉-4、メリット④:競合他社との差別化ができる

ネットやSNSのように、パッと見た印象や、判断されるキャッチーさが求められる媒体とは違い、本はじっくり読まれる媒体です。

ネットやSNSとは違い、本を手に取ってくれた読者に、しっかりと経営者の事業にかける想いや、商品やサービスなどが作られた背景などを伝えることができてしまうのです。

つまり、浅く広く多くの人に認知されやすいネットやSNSとは違い、本は狭い範囲で深い共感を得られやすいのです。

後ほどご紹介しますが、実際にある保険代理店の経営者は、本に自分の想いや考え方を入れ込み、同業他社からの深い共感を得ることに成功しています。

本という媒体の性質を正しく理解し、うまく活用することができれば、同業他社との差別化につなげることができるのです。

▶︎差別化戦略については、関連記事【差別化戦略の成功の秘訣−メリットやデメリット、成功事例とは!?】もあわせて参考にしてください。

◉-5、メリット⑤:潜在顧客へのアプローチができる

書店を訪れるのは、あらかじめ購入したい本を決めている人ばかりではなく、「こんな感じの本がないかなぁ」という漠然としたイメージを持っている人や、「なにか面白い本がないかなぁ」と全くイメージを持たずに訪れる人もいます。

タイトルを見て回ったり、立ち読みしたりしながら本を選ぶ人もいるでしょう。

このように、書店は潜在的なニーズを持った人が多く集まる場所でもあります。

該当するジャンルの書棚に陳列されることで、そのジャンルの悩みや課題を抱えた潜在顧客に出版した本を購入してもらえる可能性があるのです。

このように、一般的な営業やマーケティング手法では接することができない潜在顧客へのアプローチができることも、本の出版の大きなメリットの1つと言えるでしょう。

◉-6、メリット⑥:成約までの期間の短縮ができる

本に入れることができる情報量は多く、一般的なビジネス書(200ページ程度)であれば、7万字〜10万字という膨大な情報を入れ込むことができます。

そのため、本の中には、次のような経営者に関わるあらゆる情報を入れることが可能です。

【ブックマーケティング著者のご紹介】・自社の紹介
・自社商品やサービスの紹介
・経営者自身の考えや想い
・創業のきっかけや、これまでの経緯
・商品やサービス開発の背景
・自社の強みやノウハウ

単に会社や商品・サービスの内容だけではなく、その背景にある考えや想いなどもまとめて伝えることができてしまうのです。

このように、本ならではの強みを活用すれば、顧客との信頼関係構築がしやすくなるだけではなく、自社の事業の理解も得られやすくなります。

たとえば、本を読んでいない人と商談を行う場合と、本を読んで問い合わせをしてくれた方と商談を行う場合であれば、後者の方が成約につながりやすく、リードタイムも短くなる可能性が高いと言えます。

なぜなら、すでに本を読んで自社や商品、サービスについてある程度理解してくれている可能性が高いからです。

中には自社や商品、サービスのファンになり、成約前提で問い合わせをしてきている方もいらっしゃるかもしれません。

このように、本をうまく活用すれば、これまで顧客との信頼関係の構築にかかっていた期間や、成約前に顧客教育が必要だった期間が不要となり、成約までのリードタイムを短縮することができるのです。

◉-7、メリット⑦:経営者や企業にとっての棚卸し(強みの再構築)につながる

本を作る前には、出版する目的や、本にどのような内容を盛り込みたいか、を企画していきます。

経営者へのヒアリングや、打ち合わせを入念に実施した上で企画を作っていくため、そのプロセスの中で経営者自身が「これが自社の強みだ」と改めて気づくことも多いのです。

たとえば、弊社のクライアントさまの中にも、出版のプロセスの中で自身や自社の強みを再認識し、「セミナーで自分の言葉で語れるようになった」「自分自身の自信につながった」という経営者が実際にいらっしゃいます。

本をきっかけに講演に呼ばれて話しても、自信を持って語れる。以前から考えてはいたけど言語化されていなかった概念が、出版によってスルスルと言葉になって出てくるようになった。その言葉が聴衆に刺さっているのも感じます。

引用元:【事例コラム】大口案件の集客、人材採用、大手企業からの講演依頼!出版ですごいことになった保険代理店

◉経営者が出版する目的を明確に!選ぶべき最適な出版方法が異なる

ここまで、経営者が本を出版することで得られるメリットをお伝えしてきましたが、ただ本を出版しただけでは、これらを得ることは難しいと言えます。

出版する目的をはじめ、「誰に、どのような情報を、どうやって届けていくのか」など、出版後も見据えた戦略があってはじめてメリットを享受できるようになります。

そのための第一歩が出版方法の選択です。

出版「商業出版」「自費出版」「企業出版」という3種類がありますが、その中から最適な出版方法をまずは決めていく必要があります。

◉-1、自費出版:書籍化が目的

自費出版は、次のように書籍化が目的の場合に選択される出版方法です。

・自分史を後世に残したい
・名刺代わりに配る本を作りたい
・趣味の集大成を書籍にしたい

著者が書きたい内容を書けるというのがメリットですが、出版のためにかかる費用は全て著者負担になります。

また、自費出版の場合は、出版後の書店配本やプロモーション費用も著者負担になることがほとんどです。

よって、「出版しても流通しにくい」というのがデメリットです。

本を出した後に、経営者自身が出版パーティーを開いたり、名刺代わりに積極的に配ったり、送付したりすれば、前述した出版のメリットのうち、いくつかは享受できる可能性はありますが、基本的には何か成果を求めて選択するような出版方法ではありません。

「書きたいことがあるので、どうしてもそれを本にしたい」という方におすすめの出版方法です。

▶︎自費出版については、関連記事【自費出版とは?メリットやデメリット、費用相場、成功事例などを解説】もあわせて参考にしてください。

◉-2、企業出版:企業の集客・ブランディングなどの課題解決が目的

企業出版は、企業が、集客やブランディングなど、経営課題を解決するという目的で選択される出版方法です。

次のような、さまざまな経営課題を解決したい場合におすすめの出版方法と言えます。

・自社やサービス、商品の認知度をあげたい
・競合他社と差別化を図りたい
・自社のブランディングを強化したい
・自社やサービス、商品の社会的信用性をあげたい
・社内ブランディング(インナーブランディング)を強化したい
・成約までにかかるリードタイムを短縮したい
・上場に向けて、会社の認知度や社会的信用性をあげたい
・WebやSNSで集客しているがうまくいかない、それ以外の集客方法を探している
・富裕層や決裁権者などに効率的にアプローチしたい

出版費用はすべて企業側の負担となる点や、本の内容の最終決定権が企業側にあるという点は自費出版と同じです。

しかし、企業の課題解決が目的であるため、「目的達成のためにどのような本を出版すれば良いのか」という企画提案が出版社側からあるのが、大きな違いと言えるでしょう。

また、自費出版とは違い、出版後のプロモーションや配本も行われることが前提です。

出版社の流通網を活用し、商圏内の書店に的確に配本できることも自費出版にはない、企業出版ならではの特徴と言えるでしょう。

「本がどれぐらい売れたのか」というよりも、「いかに見込み顧客に1冊でも多く届けられるか」ということが重要なので、出版後のプロモーションをどうするかも見据えて本の企画を行っていく必要があります。

出版社によっては、SNSや、SEO、Web広告、クラウドファンディングなど、あらゆるマーケティング施策を活用していくことを見据えて本の企画を考えていくこともあります。

マーケティング施策の一環として本の出版を活用することから、ブックマーケティングとも呼ばれることもある出版方法です。

◉-3、商業出版:出版社の売上向上が目的

商業出版は、出版社がヒット作を作り、売上や利益を向上させることが目的の出版方法です。

売れる本を作るために、出版社が自ら本の内容の企画や著者の選定を行い、配本やプロモーションを大々的に行っていくので、ベストセラーが生まれやすいというのが商業出版の特徴です。

実際にベストセラーの本のほとんどが商業出版によって生まれています。

出版社主導の出版方法なため、企業や経営者個人の一存で商業出版ができるわけではありません。

著者自身や出版コーディネーターが企画を出版社に持ち込んで出版されるケースもありますが、全体のごく一部です。

また、出版社が決めた方向性に沿って本を作るため、著者が伝えたいことを自由に書ける訳ではありません。

出版社都合で内容が変更されることもよくあります。

あくまで出版社の企画に沿って著者がアサインされる、という形になるため、著者には印税という名の報酬が発生します。

▶︎商業出版については、関連記事【商業出版とは?企業がブランディングを考えたときの出版の選択肢】もあわせて参考にしてください。

◉単なる自己満足な出版で終わらせないためには?

「商業出版からなぜベストセラーが多くでるのか」というと、出版社が「売れる本を作る」という明確な目的を持って、トレンドや読者の興味関心をリサーチしたり、配本やプロモーションなども見据えて戦略的に本の企画を行うためです。

商業出版のようにベストセラーが目的では無かったとしても、何か本を出版することで成果を得たい場合は、「いかに戦略的に本を企画し出版するか」が自己満足な出版で終わらせないコツです。

具体的には次のようなポイントを押さえましょう。

◉-1、本を出版する目的を明確にし、有効な出版方法を選択する

まずは「何のために本を出版するのか?」という目的を明確にしましょう。

「社会的信用性をあげるために本を出したい」「何か自分の生きた証を残したい」「自分の考えや想いを形にしたい」という目的であれば、自費出版がおすすめです。

このような目的の場合は、「自分が好きなことを書ける」ということが重要です。

一方で、本を出版することで、自社の認知度・知名度向上や、競合他社との差別化、ブランディング、集客アップ、新規顧客獲得などを期待するのであれば、企業出版がおすすめです。

この場合は、「自分が好きなことを書く」というよりも、「いかにターゲットに1冊でも多く届けるか」が重要であり、配本やプロモーション、マーケティング戦略が必要になってきます。

企画の段階から、こういったことを含め、コンセプトや戦略を練っていくことが何より重要です。

◉-2、出版後のプロモーション戦略と書籍活用も見据えた企画を立案する

自己満足で終わらないためには、「これを書きたい」ということよりも、「自社の強みが何なのかを再認識し、その強みを誰にどうやって伝えるのか」の方が重要です。

そのためには、本の企画の段階から、ターゲット決めや、出版後のプロモーション方法や本の活用方法をある程度決めておく必要があります。

むしろ、それを見据えた本の内容にしていくことが重要なのです。

たとえば、本の出版後にSNSで情報を拡散していく予定であれば、小出しにできるような見出し構成にしたり、SNSと連動する要素を盛り込んでいくなどができるはずです。

また、本の出版後にセミナーや講演会を積極的に行っていく場合には、そこに思わず足を運びたくなるような内容を盛り込むことができます。

このように、先を見据えた戦略的なプロモーションやマーケティングを踏まえて、本の内容を決めていくことが、ただの自己満足で終わらせないコツの1つです。

◉-3、出版後の書籍の流通経路をあらかじめ考え、出版社と相談しておく

出版後の流通経路も重要です。

商圏以外の地域に配本しても意味がありません。

そのため「どの地域の書店に配本していくのか」などを出版社と相談しておきましょう。

「商圏拡大のためにこの地域に配本していきたい」「この地域で競合他社との差別化を図りたい」という明確な目的があるのであれば、流通経路もそれに応じて変えていくべきです。

◉-4、出版後に書籍を活用したプロモーションを実施する

「本を出版したけど、何も反響がなかった」という声をよく聞きますが、その原因は明確です。

本を出版した後に、何もしなかったから、反響がなかったのです。

すでに知名度が高い経営者、企業であっても、書店配本はもちろんのこと、SNSで定期的に書籍の内容の一部を投稿したり、出版記念セミナーを開催したり、営業ツールとして積極的に配ったり、見込み顧客に送付したり、出版後にあらゆるプロモーションを行わなければ、反響を得ることは難しいと言えます。

実際に、ベストセラーになっている本の多くは、内容が良いだけではなく、出版社がお金をかけて積極的にプロモーションをしているから売れているのです。

そのため、出版後にも積極的にプロモーションを実施していきましょう。

◉-5、電子版のみはNG!紙の書籍を出版する

「デジタルの時代だから」と、電子書籍のみで出版を検討している方も多いと思いますが、注意してください。

なぜなら、誰でも無料で電子書籍を出せるというハードルの低さから、競合が多く、見つけてもらうことが難しいためです。

ある程度知名度がある会社だったとしても、簡単に埋もれてしまいますので、プロモーションやマーケティングをしっかりと行っていかないと、電子書籍のみで企業の課題を解決するのは難しいと言えるでしょう。

あくまで紙媒体の補助的な役割で電子書籍を活用するのがおすすめです。

◉-5-1、Kindle出版やプリントオンデマンドには注意

出版費用を抑えるための方法として、Kindleなどの電子書籍やプリントオンデマンドがありますが、利用は慎重に検討しましょう。

なぜなら、電子書籍は紙媒体に比べて社会的信用性が低いからです。

誰でも無料で出せるのが電子書籍の強みであり、弱点でもあるのです。

安易に安いから、といって手を出すのはおすすめしません。

◉経営者の出版成功事例

本の出版をうまく活用すると、実際にどのような成果が期待できるのか。

実際に経営者が本の出版をうまく活用した事例をいくつかご紹介します。

◉-1、事例1:保険代理店の経営者の場合

ある保険代理店の経営者は「保険業界の給与体系を変えることによって業績拡大ができる」という持論を世に問うために書籍を出版。

書籍の中で、保険業界では当たり前の「成果報酬型」を「一律報酬型」に変えることを提唱し、「一部のスーパー営業マンに頼った経営から、全員がアベレージヒッターになる経営に変えていこう」と訴えかけました。

保険業界の当たり前とは反対の持論を展開した形でしたが、予想以上に多くの業界関係者から理解と共感が得られたのです。

結果として、ブランディングに成功。

本の出版によって保険の契約獲得数も増え、新規コンサルティング契約の獲得や講演会の依頼などにもつながっています。

なんというか、当社の見られ方が確実に変わりましたね。同業者の集まりに出ても「あのイナバプランニングカンパニーさん」という反応で最初から一目置かれている。保険の商談に従業員と同行するときも、お客様に事前に本を読んでおいてもらうと、ご面談するときにちゃんと「あったまっている」んですよね(笑)

引用元:【事例コラム】大口案件の集客、人材採用、大手企業からの講演依頼!出版ですごいことになった保険代理店

◉-2、事例2:不動産会社の経営者の場合

高収入な医師をターゲットに不動産投資サービスを提供していた、ある不動産会社の経営者は、SNSやWeb広告を運用しても成果が得られない現状や、成約までのリードタイムの長さを改善したいと考えていました。

不動産投資サービスは、高額で、パッと判断して購入に踏み切れる商品ではありません。

「見込み顧客といかに信頼関係を築けるか」や、「いかに必要性や有効性を理解してもらうか」が重要です。

そのため、パッと見て一瞬で「買う・買わない」や、「興味ある・ない」を判断されるSNSやWeb広告とは相性が悪かったのです。

そこで「高収入な医師に最も効果的な節税対策は不動産投資である」というテーマで本を出版。

ターゲットである医師に的確に本を届けるためのプロモーション戦略を企画段階から練っていたことが功を奏して、多くの医師に本を読んでもらうことに成功しました。

実際に、本を読んだ医師に、不動産投資に大きな節税効果があることが認知されて問い合わせが増加。

さらには既存顧客や、本を読んだ医師からの口コミなどによって評判が広がり、新規顧客の獲得につながっています。

◉-3、事例3:建設業専門コンサルティング会社の経営者

この経営者は、自社で行う事業があまり世間に認知されていないことを課題に感じていました。

そこで、知名度向上や商圏の拡大のために本の出版に踏み切りました。

ターゲットである建設業者の決裁権者に確実にアプローチするために、書籍のタイトルに「建設業のための」という文言を入れたり、その後のプロモーション戦略も見据えて本の内容を企画。

出版後、ターゲットとしていた建設業者の決裁権者に読んでもらうことができ、出版翌日から電話が鳴り止まないほどの反響を得ています。

結果として、10件近くの新規顧問契約獲得につながり、首都圏中心に配本したことにより、商圏の拡大にも成功しました。

建設業専門のコンサルティング会社としての地位を確立し、ブランディングにも成功。

業界からの認知度向上にもつながっています。

◉【まとめ】目的を持って戦略的に本を作ろう!

経営者が本を出版するなら、自身の自己満足で終わらせるのではなく、経営者自身にとっても、経営する企業や行っている事業にとっても良い影響が期待できる「企業出版」がおすすめです。

もちろん、「自己満足でも自分の書きたいことがかければ良い」ということであれば自費出版で良い思いますが、せっかくお金をかけて本を出版する訳ですから、目的を明確にして、戦略的に本を作った方がメリットが大きいと言えます。

もし、経営者自身や経営する企業の目的に合わせた、戦略的な出版をお考えであれば、フォーウェイまでご相談ください。

配本やプロモーション戦略はもちろんのこと、SNSやWeb広告、SEO、クラウドファンディング、セミナーなど、あらゆるマーケティング施策を駆使した戦略的書籍出版をご提案いたします。

 

製造業は、競合他社が多く、差別化が難しいうえに、価格競争に巻き込まれてしまいやすい業種の1つ。

そんな製造業を営む企業にとって、自社のコトや、自社の商品・サービスの内容や強みを的確に伝えることができる会社案内パンフレットは重要なツールの1つです。

会社案内パンフレットの作り込みにより、自社の企業価値を高め、認知度を向上させ、売上や利益につなげていく1つのきっかけを作ることができます。

今回は、そんな製造業の会社案内パンフレットをより魅力的、かつ売上向上や利益向上につなげるためのポイントや、有効な活用方法などをご紹介いたします。

目次【本記事の内容】

執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)

慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。

◉製造業にとって会社案内は売上に直結するツール!

製造業は、原材料を加工したり部品を組み立てたりして商品を製造する業種のことで、生産形態によって「見込み生産型」と「受注生産型」に分けることができます。

「見込み生産型」は、自動車や家電品、食料品、日用品などのようにあらかじめ大量生産をして商品を作りあげておき、商品在庫を持って顧客に提供する生産形態です。

これに対して「受注生産型」は、受注後に顧客の要望に合わせた商品を製造する生産形態で、多くの場合、顧客ごと注文ごとに仕様が異なる商品を製造して顧客に納品します。

「受注生産型」の製造業の場合、顧客は過去に入手した会社案内パンフレットを見て発注先候補を選ぶことが多くあります。

会社案内パンフレットがなければ、自社の存在や商品・サービスをアピールする機会の損失につながってしまうのです。

また、「受注生産型」の製造業の場合は、顧客から「ちゃんと取引ができる会社」であることや「ちゃんとした実績のある会社」であることなどの信頼性を勝ち取ることも重要です。

Web上で情報提供するだけではなく、しっかりと紙媒体の会社案内パンフレットを作って顧客に配布することで信頼感の獲得にもつながります。

このように、会社案内パンフレットは製造業の売上や利益の向上に直結する重要なツールと言えるのです。

◉製造業が会社案内を作り込むメリット

メリット

製造業が会社案内パンフレットを作り込むことによるメリットは、主に次の4つです。

・企業の認知度が上がる(ブランディング)
・相見積もりの際に選ばれやすくなる
・優秀な人材を採用しやすくなる
・営業・マーケティング活動の効率化につながる

各メリットについて、くわしく見ていきましょう。

◉-1、企業の認知度が上がる(ブランディング)

会社案内パンフレットを作り込み、新規顧客開拓などに活用することによって、自社や自社の商品・サービスの認知度を上げることができます。

たとえば、会社案内パンフレットを作り、顧客となる企業に送付すれば、紙媒体であるが故に誰かが目にするはずです。

会社案内パンフレットは、チラシやDMなどとは違い「必要な時もあるかもしれないから一応取っておこう」と、すぐに捨てられる可能性が低く、タイミングがよければ担当者に中身を見てもらえる可能性もあります。

中身がしっかりと作り込まれていれば、発注元企業の担当者の印象にも残りやすく、場合によっては相談などの機会につながる可能性もあります。

このように、小さな認知の積み重ねが、企業の認知度向上につながっていくのです。

◉-2、相見積もりの際に選ばれやすくなる

大企業が発注先を選定する際には社内ルールで「相見積もりをしなければならない」ことになっていることが多く、相見積もりの候補先を探すときに過去にもらった会社案内パンフレットを見返すことがよくあります。

しっかりと作り込まれた会社案内パンフレットであれば、担当者の目に止まりやすくなり、相見積もりの候補先として選ばれやすくなります。

また、将来の発注先候補になり得る企業の会社案内パンフレットはそう簡単に捨てられることはありません。

保管されて必要なタイミングで見返されて、新たな仕事の相談につながる可能性もあるのです。

◉-3、優秀な人材を採用しやすくなる

会社案内パンフレットは、人材採用においても効果を発揮するツールです。

製造業の場合、提供している技術や、作っている商品が専門的すぎて、「どれぐらい凄いのか」が分かりにくい傾向があります。

いくら日本でトップクラスの技術を誇る企業であっても、その凄さが伝わらないと、求職者の候補先にも入ることができません。

そんな時、会社案内パンフレットに技術力の高さや将来性、販売する商品・サービスがどのように世の中で役に立っているのか、などが分かりやすく記載されていたり、社内の様子や働いている人の顔が見えたりするとどうでしょう。

求職者も「どういう会社で、どれだけ凄い技術力を持っているのか」を理解でき、「この会社なら自分の力を発揮できそうだ」と、興味を持ってもらいやすくなるはずです。

また、求職者がどの会社に応募しようかと検討する際に、紙媒体のパンフレットであれば複数の会社を並べて比較することができます。

そういった意味でも、紙媒体の会社案内パンフレットは優秀な人材の採用のために重要なツールと言えるのです。

◉-4、営業・マーケティング活動の効率化につながる

会社案内パンフレットを活用することで「自社や自社の商品・サービスを伝える」という業務の大幅な効率化が可能になります。

たとえば、営業担当が初めて会う顧客に製品やサービスの強みを口頭で伝えようとしても、相手がピンと来なかったり理解が深まりにくいことがあるでしょう。

これでは、相手に自社を理解してもらうために時間ばかりが取られて、不効率です。

そこで会社案内パンフレットの登場です。

わかりやすい図や実績、独自の取り組みがまとまっていれば、顧客も視覚的に「なるほど、こういう会社か」と理解しやすく、会話がスムーズに進むはずです。

結果として、商談の効率化や売上アップにもつながる可能性も高くなります。

同様に、マーケティング活動でも、自社の紹介を「会社案内パンフレットを見てもらう」ということで効率化できるはずです。

◉ただ作るだけではダメ!製造業の会社案内に盛り込むべき7つのコト

会社案内パンフレットをただ作るだけでは、前述したようなメリットを享受することはできません。

「とりあえずあればいい」というのであれば、一般的な会社案内パンフレットに盛り込まれているような内容を記載しておけば良いでしょう。

しかし、もし「成果を出したい」と考えるのであれば、次のような内容を工夫して盛り込むことをおすすめします。

・製造実績
・明確な商品・サービス内容
・顧客視点(顧客の声、顧客からの質問への回答など)
・営業やマーケティング、人事の視点
・会社案内パンフレットを見た人への行動喚起・導線の設置
・自社のブランドコンセプトに則った一貫性のあるデザイン・コピー
・どんな人が作っているか?製造設備や体制など

具体的にどのようなことを盛り込むべきか、くわしく見ていきましょう。

◉-1、製造実績

製造業の会社案内パンフレットにおいて、製造実績の記載は重要です。

サービスや商品を購入する側の立場になってみれば、「失敗したくない」というのが本音であり、「過去に同じような依頼をたくさん受けている経験豊富な企業にお願いしたい」と思っています。

会社案内パンフレットを見る段階では、発注元の担当者は「依頼して本当にこちらが依頼したものを作ってくれるのかどうか」が不安なのです。

こういった不安を取り除いてあげるためにも、これまでに「どのような商品をどれくらいの数量生産した実績があるのか」を明確に記載しましょう。

複数の生産拠点がある場合は、それぞれの拠点ごとに製造実績などを明記するのがおすすめです。

◉-2、明確な商品・サービス内容

商品・サービスの内容を明確に記載することも重要です。

特に「受注生産型」の製造業の場合は「どんなものでも作れます」というアバウトな内容ではなく、より具体的に製造可能な商品・サービスの内容を記載することがポイントです。

会社案内パンフレットを見て「この会社で対応可能なのかどうなのか」が不明瞭だと、発注はもちろん、問い合わせをすることにも不安を感じてしまいます。

製造している商品・サービスが明確に示すことができるのであれば、それを記載するようにしましょう。

また、「受注生産型」で顧客の要望によって「なんでも作れる」ということであれば、「これまでにどのような商品を、どのような仕様や精度で作ってきたのか」などを具体的に記載するのがおすすめです。

◉-3、顧客視点(顧客の声、顧客からの質問への回答など)

自社の視点だけではなく顧客から見てどのような企業なのか、商品・サービスなのかを記載することも重要です。

たとえば、顧客の声や顧客からの質問への回答などを掲載すると、顧客側から見てどのような企業なのかが分かります。

また、より顧客の要望に寄り添おうとしている企業姿勢を伝えることにもつながります。

また、「こういう会社とも取引がある企業」だという信頼感を持ってもらうことにもつながるため、顧客企業名が掲載可能であれば、相手側に許可を取り、積極的に掲載しましょう。

◉-4、営業やマーケティング、人事の視点

会社案内パンフレットは社内のあらゆる部署で活用されるツールなので、他部署での活用を見据えて制作しましょう。

会社案内パンフレットは自社の商品やサービスを紹介するツールですから、営業やマーケティング、採用などの現場で主に使われます。

活用を見据えて、「営業やマーケティング、人事などの視点」も積極的に入れ込むのがおすすめです。

具体的には、営業においてどのような項目があると利用しやすいのか、マーケティングのどのあたりで活用できそうか、人事としてどのようなことが書いてあると良い人材に響そうか、などをヒアリングしてニーズに合った内容を入れ込んでいきましょう。

◉-5、会社案内を見た人への行動喚起・導線の設置

配布した会社案内パンフレットが「読んで終わり」にならないようにする工夫も大切です。

興味を持ってくれた顧客が次のアクションを起こしやすいように、顧客に次の行動を喚起するような仕掛けを埋め込むようにしましょう。

・QRコードの設置によるLINE公式への導線
・QRコードの設置によるHPへの導線
・特典クーポンやオファーチケットなどの付与

◉-6、自社のブランドコンセプトに則った一貫性のあるデザイン・コピー

会社案内パンフレットのような紙媒体のパンフレットの場合、パッと見のデザインやコピーのインパクトによって、内容を見るか見ないかが変わります。

そのためには、自社のブランドコンセプトに則った一貫性のあるデザインやコピーを考えることが重要です。

特に表紙です。

表紙でいかに「ちょっと見てみようかな」と興味を惹かせるような、自社を印象づけるようなデザイン、コピーを検討しましょう。

◉-7、どんな人が作っているか?製造設備や体制など

発注元は、新しい企業に発注する際、次のようにさまざまな不安を持っているはずです。

・この数量の発注に耐えられるだけの生産体制があるのか
・この仕様を満足できる生産機械があるのか
・どんな人が作っているのか

自分たちが「安心して依頼できる先である」ということを伝えるためにも、どのような現場で製造しているのか、どのような人たちがどんな生産体制で、どんな製造設備や機械を使って製造しているのかを盛り込みましょう。

顧客は「より詳しく知りたい」と思って会社案内パンフレットを見ますので、製造現場のことをリアルに伝える内容にした方が信頼感や安心感につながります。

◉パンフレットを作って配るだけではダメ!積極的に活用しよう!

会社案内パンフレットをせっかく作るのであれば、戦略もないままでただ単に配布するよりは、成果を出すために積極的に活用すべきです。

会社案内パンフレットの活用方法としては次のようなものがあります。

・他の営業・マーケティング媒体・手法との連携
・既存顧客や代理店への送付
・効果測定と分析により、精度をあげる
・会社案内パンフレットのコンテンツをWebサイトやSNSで小出しにする

それぞれについてくわしく見ていきましょう。

◉-1、他の営業・マーケティング媒体・手法との連携

会社案内パンフレットは紙媒体ですが、他のさまざまな媒体や営業・マーケティング手法と連携することによって、相乗効果を生むような活用ができます。

具体的には次のような連携が可能です。

◉-1-1、Webサイト×会社案内

Webサイトは顧客に会社の情報を伝えるネット上の「顔」であり「窓口」です。

しかし、情報量が多いため、顧客にとって必要なポイントが埋もれがちです。

そこで、Webサイト上で会社案内パンフレットを閲覧できるようにしたり、お問合せフォームを送信すると自動返信でPDFの会社案内パンフレットが送られてくるような仕掛けを入れておきましょう。

顧客が必要な時に必要な情報をパッと閲覧できるようになる上、お問い合わせフォームで、会社名や担当部署・担当者名などを入力必須としておくことによって顧客リストという資産の獲得にもつながります。

◉-1-2、お問い合わせフォーム営業×会社案内

ターゲット企業のWebサイトからフォーム営業をする際に、会社案内パンフレットのPDFデータのURLを記載しておきます。

文章で会社紹介をする必要がなくなるため、フォーム営業で送る文章が短く、シンプルになりますし、受け取った相手も「どんな会社なのか?」を、必要があればPDFでパッと確認することができます。

会社紹介を省くことにより、本題を伝えやすくなり、端的に要件を伝えられますし、受け取った相手側も理解しやすくなるのです。

◉-1-3、書籍(ブックマーケティング)×会社案内

書籍を出版して流通させることで、自社や商品・サービスの認知度向上や購買意欲向上などに役立てるマーケティング手法をブックマーケティングと言います。

ブックマーケティングの一環として、会社案内パンフレットを送ったターゲット企業の中で反応のあった企業などに、書籍をお送りしてみましょう。

読まれるかどうかは別として、少なからず会社案内パンフレットで興味を持ってくれている訳なので、書籍を送付することによって「すごい会社なんだ」というイメージを持ってもらいやすくなります。

また、書籍を読んでもらうことができれば、自社への理解が深まり、ファンになってくれる方や深い共感や親近感を持ってもらえる可能性もあります。

会社案内パンフレットで反応を見て、反応があったところに、書籍でさらなる興味付けをしていくという流れで活用してみましょう。

株式会社フォーウェイでは、書籍をマーケティング施策に活用するブックマーケティングを行っており、パンフレットやWebサイト、SNSなどと連携して成果につながるサービスを提供しています。

▶ブックマーケティングについては、関連記事【ブックマーケティングとは?メリットや効果的な戦略の作り方】もあわせて参考にしてください。

◉-2、既存顧客や代理店への送付

会社案内パンフレットを既存顧客や代理店へ送付することも有効です。

既存顧客や代理店に会社案内パンフレットを送付しても意味がないと思われがちですが、「会社案内パンフレットをリニューアルしました」などといって積極的に送付すると、新規顧客を紹介してもらえたり、代理店での営業活動に利用してもらえる可能性が高くなります。

また既存顧客であっても、その会社が一体全体どのようなサービスを提供しているのかを細かく知っている訳ではありません。

「こんなサービスもやってるんだったら、これも相談できるかも」と追加発注につながる可能性もあるのです。

◉-3、効果測定と分析により、精度をあげる

紙媒体の会社案内パンフレットなどの効果測定は難しいと言われていますが、何らかの効果測定と分析を行って費用対効果を把握してPDCAを回しながら精度を上げていくことは重要です。

たとえば、会社案内パンフレットに記載するWebサイトのQRコードにパラメーターを付与することによって「会社案内パンフレット経由のアクセス」であることが判別できます。

これにより、会社案内パンフレットの効果を分析することが可能です。

また、会社案内パンフレットの配布エリアやマーケティング施策ごとに、URLに付与するパラメーターを変えておけば、エリアごとや施策ごとのアクセス数を計測することができるようになります。

「この施策、このエリアからの流入が多い・少ない」ということが把握できるようになるので、次の施策を実施する際や会社案内パンフレットを配布する際に「このエリアには集中的に配布しよう」など集中と選択を行うことができ、施策の精度が上がります。

◉-4、会社案内のコンテンツを小出しにする

会社案内パンフレットのコンテンツを、自社のWebサイト記事やSNS投稿などに引用して利用することも有効な活用方法の1つです。

Webサイト記事やSNS投稿にコンテンツを引用することによってWebサイト訪問者が増加したり、オリジナル性の高いコンテンツ発信という観点でSEO対策にもつながります。

◉【まとめ】パンフレットを作り込み認知度向上、売上向上につなげよう!

本記事では、製造業の会社案内パンフレットを作り込むメリットや盛り込むべき7つの内容、積極的活用法などについてくわしく解説しました。

せっかく費用をかけて会社案内パンフレットを作るのですから、ただ作るだけではなく売上向上や利益向上などの成果につながるようなものにしましょう。

効果を見据えた製造業の会社案内パンフレットを制作するのなら、パンフレットや書籍などの紙媒体から、WebやSNSなどのデジタル媒体までのコンテンツをさまざまなマーケティング施策に活用することができる株式会社フォーウェイにお任せください。

多くの中小企業が「他社との差別化」を考えていると思いますが、「どのようにして差別化すべきなのかがわからない」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

実際に士業や保険代理店、不動産会社、金融業など、競合他社と商品やサービスの差別化が難しい業種があるのも実情です。

そんな状況の突破口となり得るのが、ブランドマーケティングです。

ブランドマーケティングに成功すると、競合他社から一目置かれる存在になったり、価格競争からの脱却、売上や利益率の向上が期待できます。

本記事では、そんなブランドマーケティングについて中小企業の成功事例を踏まえた上で、くわしく解説いたします。

目次【本記事の内容】

執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)

慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。

◉ブランドマーケティングとは?

ブランドマーケティングとは、自社の商品・サービスの価値を認めてもらうためにブランドを作り、顧客をファン化させるための活動のことです。

顧客体験やブランドストーリーによって、顧客との関係を深めることを目的としています。

顧客のファン化が進んでブランドマーケティングに成功すれば、ブランドの知名度が上がり、「〇〇と言えば〇〇」というようにブランドが認知されるようになります。

◉-1、ブランディングやマーケティングとは何が違う?

ブランドマーケティングと似た用語として「ブランディング」と「マーケティング」があります。

まず、ブランディングとは、自社の商品・サービスそのものの価値やイメージを高めようとする活動のことで、顧客の頭の中に自社の商品・サービスへの良いイメージを作ってもらうことを目的としています。

顧客の中に良いイメージが浸透すると、他社よりも多少価格が高かったとしても、自社の商品・サービスが選ばれるようになるというのが主なメリットです。

一方で、マーケティングとは、自社の商品・サービスを効率的に売るために行う活動全般のことです。

商品・サービスを売るための市場調査や商品企画、価格設定、流通・販売チャネルの構築、広告宣伝、顧客の声のフィードバックなどの活動すべてがマーケティングに含まれます。

◉企業がブランドマーケティングを実施するメリット

企業がブランドマーケティングを実施する主なメリットは次の5つです。

・企業や商品・サービスの認知度が向上する
・価格競争に巻き込まれなくなる
・長期的な広告費用の削減が期待できる
・人材採用がしやすくなる
・資金調達がしやすくなる

それぞれのメリットについて、くわしく見ていきましょう。

◉-1、企業や商品・サービスの認知度が向上する

ブランドマーケティングを行うことによって、企業や商品・サービスの認知度を向上させることができます。

ブランドマーケティングでは、ブランドコンセプトを具現化する商品・サービスの設計を行い、統一したロゴやデザインによってブランドの確立を図ります。

このような一貫した顧客体験を通じて顧客がファン化して、企業や商品・サービスの認知度向上につながるのです。

▶認知度向上については、関連記事【経営者必読!認知度向上の方法と効果的なマーケティングの選択肢】をあわせて参考にしてください。

◉-2、価格競争に巻き込まれなくなる

ブランドマーケティングが成功すると、自社の商品・サービスへの信頼感が高まります。

機能がほぼ同等であれば価格が多少高くても自社の商品・サービスを購入してもらえるようになり、価格競争から脱却できるようになるのです。

例えば、星野リゾートは日本の文化や自然を体感できるような滞在を提供する旅館・ホテルというブランディングに成功し、高価格帯での集客に成功しています。

このように、ブランディングに成功すると、競合他社との価格競争に巻き込まれないだけではなく、より高い価格でも購入してもらえるようになることから、利益率も高くなります。

◉-3、長期的な広告費用の削減が期待できる

ブランドマーケティングによって企業の認知度が向上すると、広告宣伝をしなくても商品・サービスに対する問い合わせが増えたり売れたりするようになります。

また、既存顧客からの口コミなどによって新規顧客の獲得ができるようになるので、従来のような広告宣伝を行って売上を喚起する必要がなくなります。

さらに、知名度が上がって「〇〇と言えば〇〇」というようにブランドが認知されるようになれば、必要以上の広告宣伝をしなくても、自社の商品・サービスが安定的に売れる効果が期待できるのです。

◉-4、人材採用がしやすくなる

企業が成長していくためには企業活動に必要な人材を採用しなければなりません。

ブランドマーケティングによって認知度が向上すると、企業の取り組みや商品・サービスに共感した求職者が、この企業で働きたいと思って応募してくるようになります。

また、求職サイトなどを利用しなくても、優秀な人材が獲得できるようになるため、人材採用コストも削減できるようになります。

◉-5、資金調達がしやすくなる

ブランドマーケティングに成功すると、自社の商品・サービスのファンが増えて投資家からも注目されるようになり資金調達がしやすくなります。

投資家が企業への投資判断をするときには、環境・社会・ガバナンスへの取り組みを基準にしていると言われているため、ブランド確立によってその貢献が認知されやすく、理解してもらいやすくなるためです。

資金調達がしやすくなると、より優位な企業経営が行えるようになります。

◉ブランドマーケティングを行う手順

ブランドマーケティングは具体的に次のような手順で行います。

◉-1、①市場ニーズの調査

市場ニーズは常に移り変わっていくものですから、まずは顧客ヒアリングやアンケート・ネット調査・SNS調査などを行って、自社の商品・サービスに対する市場ニーズを正確に把握することが重要です。

これによって、消費者がその商品・サービスについて重視しているポイントや欲している付加価値が何かを知ることができます。

◉-2、②商品・サービスのペルソナを設定

市場ニーズの調査が終わったら、自社の商品・サービスに興味を持ちファンになってくれるのはどのような人物・企業なのかを想定してペルソナ(架空の顧客像)を設定します。

ペルソナを設定すると、顧客目線での検討が可能になりますし、関係者全員で共有する顧客像を統一することができます。

商品やサービスのラインナップが多くある場合には、それぞれでペルソナを設定しましょう。

◉-3、③カスタマージャーニーの設定

ペルソナの設定が終わったら、その人物がどのようなタイミングで自社の商品やサービスの情報を得てファンになり購入に至るのかというカスタマージャーニーを設定します。

カスタマージャーニーは行動だけでなく思考や感情も含めて考えるもので、顧客が購買プロセスの中のどこにいるのか分かり、どのような情報やコンテンツなどを提供すべきなのかが分かります。

◉-4、④ブランドコンセプトの設計

カスタマージャーニーの設定が終わったら、ファンになってもらうためのブランドコンセプトを設計します。

ブランドコンセプトとは、ブランドの価値を言葉で表したもので、ブランドが選ばれる理由となるものです。

ペルソナの生活の中で、自社の商品・サービスがどのような利益や利便性を提供できるのかを考えて言語化していきます。

同様に、自社の商品・サービスの社会全体に対する使命や存在価値も考えましょう。

◉-5、⑤商品・サービスの設計

ブランドコンセプトの設計が完了したら、それを具現化する商品・サービスの設計を行います。

ブランドコンセプトを商品・サービスに反映させて、一貫した顧客体験が提供できるようにするのがポイントです。

ブランドコンセプトに合った商品を提供することによって、顧客の信頼性が向上し、自社の商品・サービスをリピートしてくれるようになります。

◉-6、⑥顧客コミュニケーションの設計

商品・サービスの設計が終わったら、顧客コミュニケーションの設計を行います。

具体的には、どのようなチャネルでどのような流れで顧客コミュニケーションを行っていくのかを設計するもので、いつ・だれに・どのように情報を提供するのかを検討します。

◉-7、⑦具体的なクリエイティブ制作

顧客コミュニケーションを行う上で必要な広告バナーやイメージ画像などのクリエイティブを制作していきます。

設定したペルソナが、どのようなクリエイティブに目を向けるのかなどを考えて、制作の優先順位を決めることも必要です。

◉-8、⑧ブランドマーケティング施策の実施

クリエイティブの制作が終わったら、ブランドマーケティング施策を実施していきます。

制作したクリエイティブを使って設計した顧客コミュニケーションの流れに沿って広告宣伝を行い、口コミを書いてもらったりリピートしてもらったりしてブランドの認知拡大を目指していくフェーズです。

広告宣伝媒体はターゲットに応じて選定する必要があり、たとえば10代~20代がターゲットならばTikTokやInstagramなどのSNSを活用する必要があります。

◉ブランドマーケティングを実施する手法

ブランドマーケティングは、次のようなさまざまなデジタル手法やアナログ手法を用いて実施することができます。

・Web広告(SNS広告含む)
・SNS運用
・ブランドサイト・メディアの制作・運用
・書籍(企業出版)
・パンフレット・リーフレット
・マス広告
・看板広告・デジタルサイネージ広告
・タクシー広告

以下で、それぞれについてくわしく見ていきましょう。

◉-1、Web広告(SNS広告含む)

Web広告とは、大手のポータルサイトなどの広告枠を購入してWebサイトやアプリなどにデジタル広告を表示することで広告費が発生します。

業者に依頼せずに自社で広告運用することもできますが、広告オークションの入札方法やターゲット設定、アクセス解析の方法など、最低限の基礎知識が必要となります。

効率的な広告運用のためには、継続的に広告を出して改善を繰り返すことが必要です。

◉-2、SNS運用

SNSの自社アカウントを取得して情報発信をしたり、SNS内に広告を出したりすることができます。

代表的なSNSには、X(旧Twitter)やInstagram、Facebook、TikTokなどがあり、その種類によって主な利用者の属性が異なりますので、自社の商品・サービスに応じて適切なSNSを選択することが重要です。

SNSは情報の拡散スピードが速いため、自社の商品・サービスのブランド認知度の向上が期待できます。

◉-3、ブランドサイト・メディアの制作・運用

自社でブランドサイト・メディアを制作・運用してブランド価値を高めるような情報発信を行います。

ブランドサイト・メディアのデザインや配色などを統一して、効果的な訴求ができるようにするのがポイントです。

ブランドサイトではSEO対策を行って検索上位を狙ったり、アクセスを解析して継続的に改善を行いましょう。

◉-4、書籍(企業出版)

競合他社との差別化が難しく、Web広告やSNS広告などのデジタル手法を行っても効果が得られなかったという場合には、アナログ手法の紙媒体を活用したブランドマーケティングを検討してみることをおすすめします。

具体的には、書籍をブランドマーケティングに活用する企業出版(ブックマーケティング)という手法があります。

企業出版(ブックマーケティング)を活用したブランドマーケティングは、高単価やBtoBの商品・サービスで、差別化が難しい士業や保険関係の業種などにおすすめの手法です。

▶ブックマーケティングについては、関連記事【ブックマーケティングとは?メリットや効果的な戦略の作り方】もあわせて参考にしてください。

◉-5、パンフレット・リーフレット

パンフレットやリーフレットなどの紙媒体も書籍と同様にブランドマーケティングに効果的なアナログ手法です。

パンフレットやリーフレットをブランドマーケティングに利用する際は、ただ作るのではなく、積極的な活用を見据えて作ること、そして実際に活用することが重要となります。

◉-6、マス広告

テレビCM、新聞広告、雑誌広告、ラジオ広告などのマス広告もブランドマーケティングに活用することができます。

マス広告は不特定の幅広い人にアピールすることができるため認知拡大が見込めるのが特徴。

また、信頼性が高いため、ブランドイメージの向上にも有効ですが、ターゲットを細かく設定できないことと、費用が高いこと、数値による効果測定が難しいというデメリットがあります。

◉-7、看板広告・デジタルサイネージ広告

看板広告やデジタルサイネージ広告もブランドマーケティングに活用することができます。

看板広告は従来から街角などで見かける広告です。

一方、デジタルサイネージ広告は、デジタルサイネージと呼ばれるディスプレイに表示する広告で、現在では駅構内・商業施設などのさまざまな場所に設置されています。

デジタルサイネージ広告は画像だけでなく動画を使用して多くの情報を伝えることができるのが特徴です。

通勤や通学、プライベートな外出の際にターゲットに見てもらえるチャンスが多い媒体なので、ブランドマーケティングには非常に有効です。

◉-8、タクシー広告

タクシー広告もブランドマーケティングに活用することができます。

タクシー広告は、タクシーの後部座席に設置してあるディスプレイに表示される広告で、静止画像だけではなく動画を活用しているためより多くの情報を伝えることができます。

◉ブランドマーケティングを成功させるポイントは「連携」

ブランドマーケティングで成功している企業とそうでない企業の違いは、面で捉えているかどうかです。

具体的には、様々な手法を俯瞰して面で捉えて実行している企業は成功していますが、「デジタル広告だけ」「SNS運用だけ」というように1つの手法だけにこだわって視点が狭くなっていると、なかなか成功にはつながりません。

成功につなげるために重要なのは、さまざまな手法を連携して面でブランドマーケティングを実施していくということです。

◉-1、デジタルな手法とアナログな手法の連携

実は今広告などで成果をあげているのはデジタル手法とアナログ手法の連携です。

株式会社リコーが行った「実証実験」によれば、メルマガを使ってWebサイトに顧客を誘導していた時のメルマガ開封率は13.8%、Webサイト遷移率にいたってはわずか1.5%に過ぎないという状態だったところ、メルマガ送付後に紙のDMを送った場合の、メルマガ開封率が5.5倍の75.8%に、Webサイト遷移率が3.4倍の4.4%に大幅に向上したとのこと。

つまり、デジタル手法とアナログ手法をうまく連携することによって大きな相乗効果が得られることが確認できたのです。

このように、デジタル手法とアナログ手法の連携は、ブランドマーケティングで成果を上げるためには非常に重要です。

◉-2、プル型とプッシュ型の連携

ブランドマーケティングの手法にはプル型のものとプッシュ型のものがあり、主なものを挙げると次表のようになります。

プル型・Webサイト
・SNS運用
・各種広告(マス広告、看板広告、タクシー広告など)
・展示会への出典
プッシュ型・訪問営業
・電話営業(テレアポなど)
・DM

ブランドマーケティングで成功するためには「プル型だけ」「プッシュ型だけ」ではなく両方を連携した仕組みを作っていくことが非常に重要です。

◉ブランドマーケティングの成功事例

ここでは、実際にブランドマーケティングを行って成功した事例をいくつか紹介します。

◉-1、不動産投資会社

不動産投資会社の経営者は、高収入なために高額な納税をしている医師をターゲットとして「医師に最も効果的な節税対策は不動産投資である」という書籍を出版。

書籍の出版前からSNSやクラウドファンディングなどを利用してプロモーションを行い、顧客の興味を喚起してファン化を促進しました。

出版直後すぐに成果が表れ、書籍を読んだ多くの医師からの問い合わせが殺到。

問い合わせをしてきた医師らは、書籍を読んで「最も効果的な節税対策が不動産投資である」ことを十分理解してくれていたため、ほぼ100%が成約につながるという圧倒的な成果をあげることができました。

競合が多くて商品・サービスの差別化が難しい業種にこそブランドマーケティングが有効だということが分かる事例です。

◉-2、保険代理店

保険代理店の経営者は、新規事業である保険代理店のコンサル契約の獲得のためにはブランドマーケティングが必要との考えから書籍を出版。

従来からSNSなどを利用した情報発信を行っていましたが、1つ上のステージに上るための手法として書籍出版を選択したのです。

書籍の中では、保険業界では当たり前となっている「成果報酬型」という給与体系を自社でも採用している「一律報酬型」に変更すべきだという持論も展開して注目度を上げることを目指しました。

出版後は業界内での地位も向上して、保険会社からも一目置かれる立場になり、ブランド確立を実感されています。

そして驚いたのは、保険会社から講演の依頼が来たり同業支援の話が回ってきたりと、「保険会社にとって頼れる代理店」というありがたいイメージを持ってもらえるようになったことです。
引用元:【事例コラム】大口案件の集客、人材採用、大手企業からの講演依頼!出版ですごいことになった保険代理店

◉-3、金属製品製造・販売会社

1951年に大阪府八尾市で開業した藤田金属は、家庭用金属製品を製造販売している町工場です。

価格競争から脱却し職人の技術を守るために行ったのがブランドマーケティングで「フライパン物語」という自社ブランドを立ち上げました。

持ち手の部分が数百通りにカスタマイズできるという強みが顧客のニーズに刺さり、ブランドが確立し売上も大幅に伸長。

当初の顧客はほとんどが一般生活者でしたが、近年では法人をメインにした販売戦略へと切り替えて更なる成功をおさめています。

「フライパン物語」は、フライパンを自分好みにカスタマイズできるという工夫によってブランド価値を高めたブランドマーケティングの成功事例です。

◉【まとめ】競合との差別化が難しい業種・商品・サービスにブランドマーケティングは有効

本記事では、企業がブランドマーケティングを実施するメリット・手順・手法などについて事例をあげてくわしく解説しました。

ブランドマーケティングは、士業・保険代理店・不動産会社・金融業などの競合他社との差別化が難しい業種・商品・サービスにおいて有効な施策です。

また、ブランドマーケティングを成功させるためには、デジタル手法とアナログ手法、プル型手法とプッシュ型手法などを組み合わせた広告宣伝を行うことが重要です。

フォーウェイは、デジタルとアナログ手法、プル型とプッシュ型手法の連携を得意とするコンテンツマーケティング会社です。

ブランドマーケティングや書籍を活用したブックマーケティングに取り組みたいとお考えなら、ぜひフォーウェイまでご相談ください。

企業がマーケティングやブランディングのために行なう、企業出版(ブックマーケティング)。出版不況と呼ばれる時代において、企業出版をメインでサポートしている出版社は売上や刊行点数を伸ばし続けています。

つまり、企業が企業出版を決断する機運は高まっているといえるでしょう。

今回の記事では、企業出版(ブックマーケティング)のメリットを紹介しつつ、数字では表せない、企業出版だからこそ実現できる書籍の使い道を解説します。

目次【本記事の内容】

執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)

慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。

◉企業出版とはベストセラーを狙う出版ではない

出版を実施するにあたり、どうしても気になるのは書籍が売れるかどうか。ただし、企業出版については、売れる本を作ることを目的としていません。

誤解を避けるために詳しく解説すると、企業出版はベストセラーになる本を目指してはいませんが、「狙ったターゲット」に売れる本を作ります。

出版に際しては企業のマーケティング戦略同様、自社の商品やサービスを知ってほしい顧客層をターゲットとして設定します。そのうえで、設定したターゲットが手に取りたくなるような企画づくりや、書籍のカバーデザインを仕上げるのです。

不特定多数へ知らしめる広告手法としてではなく、明確なターゲットがある企業であればあるほど、企業出版は適しているといっても良いでしょう。

改めて正確にお伝えすると、企業出版とは、企業が自社の情報や専門知識を書籍の形式で出版することです。出版社によってカスタム出版とも呼ばれます。

企業出版はブランディングや販促活動の一環として活用され、読者に対して企業の知見や価値を提供し、著者のビジネスにつなげることを目的としています。

近年、経営課題を解決する方法として出版を選ぶ企業は増え続けており、多くの企画が実際に出版に至っています。

そうした需要を背景に、既存の出版社が企業出版サービスを提供するケースも増えており、企業出版を専門とする出版社も出始めているようです。

企業出版の発行部数は、プランによって幅がありますが1000〜1万部くらいです。部数が多く、流通範囲が広くなるほど出版費用が上がります。

流通については通常の商業出版と同様の規模で書店にまくケースや、特約書店のみに配本するケース、オンライン書店のみで流通するケースなどさまざまです。

ただ共通するのは、実際に本を店頭に並べるかどうかは書店側の判断になるため、出版前の想定どおりに書店に並ぶかどうかは出してみるまでわからない、という点です。

本の企画をはじめ内容については、出版社からの提案を著者が承認して決める形になります。自費出版のように自分ですべて作るのではなく、自分の表現したい内容をプロの編集者のスキルを借りて形にできるのは大きなメリットです。

出版社がプロのライターをつけてくれる方式が一般的なため、インタビューに答えて上がってきた原稿に赤入れすることが著者の負担になります。

なお、以下にフォーウェイが行った、企業出版経験者への効果実感アンケートの結果リンクも掲載します。

上記のメリットが想像以上に発揮されている事実がよくわかるので、興味があればぜひご覧ください(以下の画像をクリック)。

▶企業出版については、関連記事【「出版の広告効果とは? 企業出版と自費出版の違い」】もあわせてご参考にしてください。

◉企業出版と他の出版の違い

続いて、企業出版と他の出版形態の違いを説明しましょう。

出版の方式には大きく分けて「商業出版」「自費出版」「企業出版」の3種類があります。

◉-1、商業出版

商業出版は、出版社が費用を負担して企画し、著者に執筆を依頼する出版方式です。

著者には出版社から、発行部数に応じた印税が支払われます。出版した本が重版すればするほど印税が増える、著者にとっては夢のある出版です。

予算のかけ方は企画によってさまざまで、原稿の書けない著者にはゴーストライターを用意したり、イラストレーターやデザイナーを用意して全ページカラーにしたりと、出版社が「売れる」と判断した企画内容に沿って体制が作られます。

注意点として、商業出版では企画から原稿の内容に至るまで、基本的には出版社に決定権があります。書籍を売ることを目的に出版社が投資し、売れなかった場合のリスクも引き受けるためです。

したがって、自分の本であっても著者の希望は通らない場合が多くなります。

具体的には、「著者にとってはマイナスイメージになりそうな企画でないと出さないと言われた」、「著者の事業の宣伝を入れようとしたら「流通に支障が出る」「作品性が損なわれる」と断られた」、「全然気に入っていないカバーデザインに決められた」などが実際あったケースです。

そのため、商業出版の経験者のなかには、「自社のビジネスメリットにもなるかと思って依頼を受けたけど、全然思いどおりにならなかった」といった不満が残っている方もいるようです。

◉-2、自費出版

自費出版は、個人が自身の著作物を自己負担で出版する形式です。小説や詩集など趣味で書き溜めていた原稿を出版したい、自分の生きた証を残すために自叙伝を出版したい、といったニーズが多いです。

特徴としては、流通規模の小ささです。自費出版は概ね100〜500部程度の発行部数で、書店流通はまったくなしか、ごく一部の書店への配本に限られます。書店へ配本されるケースでも、「自費出版棚」などの棚にまとめられたり、配本だけされて書棚に並ばなかったりといったケースが多いようです。

内容については、自費出版は100%、著者の思いどおりです。カバーに自作のイラストを入れたりといったアレンジも好きなようにできます。自費出版での出版社の仕事は、持ち込まれた原稿を校正し、デザインレイアウトして印刷することです。

一方で、「内容に自信がないからもっと売れるように改善提案してほしい」といった希望は叶わないと思ったほうが良いでしょう。

◉企業出版を実施するメリット

企業の商品やサービスをPRするうえで、世の中にはさまざまな広告手法が溢れています。

そんななかで企業出版という形式だからこそ得られる、大きなメリットを紹介します。

◉-1、自社商品やサービスを知ってほしいターゲットに認知拡大できる

世間一般的に認知度を上げるのに手っ取り早いのは、テレビCMや全国紙の新聞広告掲載です。それぞれかなりの視聴者や購読者がいる媒体なので、認知度を上げるには最適でしょう。

ただし、こうしたマス媒体への広告は1回あたりの負担額が数百万〜数千万円と高額で、しかも広告を打ち続けないと効果は持続しません。

一方、企業出版の広告宣伝の場は書店にある各書棚になります。先述した通り、狙ったターゲットに知ってもらえる理由の一つです。

たとえば不動産投資会社が潜在顧客に自社を知ってほしければ、書店の「不動産投資」や「資産形成」の棚に並べることで、自ずと手にとってもらえます。

耳鼻科のお医者さんが耳の病気に関する書籍を出版すれば、耳の病気に悩む人が立ち寄る「家庭の医学」の棚に展開されます。

このように、知ってほしいターゲット層に認知してもらうには企業出版が適しているのです。

◉-2、競合に対する優位性を高め信頼度も向上

書籍は出版社から取次会社を介して書店に流通し、値段をつけて販売されます。

「書籍を出版している企業」という事実により、競合企業に比べた優位性を高められ、信頼度が向上するのです。

書籍を活用した情報発信でその道のプロフェッショナルとして認知してもらえ、社会的な信用が上がり企業ブランディングに大きく貢献します。

◉-3、他媒体に比べて圧倒的な情報量を誇る

さまざまな広告手段のなかでも、書籍の持つ情報量は圧倒的といえます。

テレビ、新聞、雑誌、ラジオ、看板……広告のどれと比較しても、書籍ほどの情報量を盛り込める媒体はないでしょう。

書籍一冊でおよそ200ページの量があり、文字の組み方によって変わりますが、文字数にすると7万〜10万字もの情報を発信できるのです。

企業の商品やサービスの魅力だけでなく、企業理念や代表者の考え方などを余すことなく伝えることができる稀有な媒体といえるでしょう。

◉-4、質の高い顧客からの問い合わせが獲得できる

書籍制作をするにあたって最初に考えるのが、「出版の目的」です。集客を目的にする場合、自社商品やサービスが見込み客にとってどうメリットになるのかを整理していきます。

マーケティング戦略の基本であるペルソナの設計を、書籍企画づくりの中で同時に行なうことができるのです。

先に解説した通り、書籍は信頼度の高い媒体ということもあり、自らが欲する情報が掲載された書籍を読むことで、読者ならびに見込み客から著者の会社に問い合わせする、という導線を作ることができます。

著者のファンになった読者は自社ビジネスの内容を理解しているため質の高い顧客となり、商談も簡略化することができます。

このように企業出版は、一冊出版するだけで、他の広告媒体にはなし得ない認知度拡大や啓蒙、集客力向上、そしてブランディングを同時に達成できます。

◉企業出版による副次的効果とは

ここまでは、企業出版をすることで実現できるわかりやすいメリットを紹介してきました。

次に、出版という手段だからこそ発揮される副次的な効果を解説します。

◉-1、著作権が企業側に帰属するため二次活用が可能

企業のマーケティング戦略の一環として出版を実施する以上、無視できないのが著作権です。著作権とは、書籍出版においては本の原稿など、著作物を保護するための権利です。

知的財産権の一つで、著作物を著作権者以外に無断で使用させない権利でもあります。

企業出版においては、ライターが取材して原稿執筆するケースが一般的ですが、ライターは著作権を放棄し、出版契約した企業側に著作権が帰属するのが基本です。

なかにはイラストや写真など、各コンテンツに応じて著作権が制作者側に帰属しているケースがあるため、使用の際は確認が必要ですが、基本的に原稿については自社の判断で二次利用ができます。

昨今はCookieの規制が強化されるという話題もあり、オンライン上のGoogle広告やSNS広告が利用できなくなる可能性も考えられます。

WEB広告でアクセスを集められなった場合、SEO対策として自社サイトのコンテンツを強化する重要性はますます増すでしょう。そこで書籍があれば、コンテンツをホームページや自社オウンドメディアに転載することで、SEO対策としても活用できるのです。

ただ、出版権や所有権については契約での取り決めがあるので、各出版社に問い合わせてみましょう。

◉-2、営業ツールとしての活用で囲い込みやクロージングに寄与

書籍が完成すれば、手元に営業ツールとして活用できる書籍が届きます。

活用の仕方は幅広くさまざまですが、来店した見込み客にプレゼントとしてお渡しすることで、信頼性を向上させ、サービスや会社に対する理解度を促進させることができます。

セミナーを開催して販売や配布するという手段も考えられるでしょう。

競合他社との相見積もりになった際に、書籍を送ることでクロージングツールとして効果を発揮したという例も珍しくありません。

ほか、見込み客のリストや過去名刺交換をしたような掘り起こし顧客にDM(ダイレクトメール)として送付するという活用方法も考えられます。

◉-3、社員教育や採用強化に活用できる

企業出版でできる書籍には代表者の考え方やサービスのメリットが網羅されていることもあり、採用や人材育成に効果を発揮します。

企画内容によりますが、企業が成長するまでにぶつかった壁やそれを乗り越えた方法など、事業拡大するまでの紆余曲折を、これから入社する新人にも知ってもらうことができるのです。

会社がどのような考えをもって経営しているのかを新人が理解できれば、採用時のミスマッチを防ぐことが期待でき、採用後の定着率アップにも大きく寄与します。

◉企業出版と他の発信施策の比較

続いて、企業出版と他の発信施策の特徴を比べてみましょう。

「紙媒体広告」「WEB広告」「WEB媒体施策」との比較は以下のとおりです。

◉-1、紙媒体広告との比較

まず、新聞や雑誌といった紙媒体への広告出稿を見てみましょう。

紙媒体の広告はその発行部数の多さを活かし、数万〜数百万の人々にリーチできる点が大きな強みです。

一方で、紙媒体は基本的に広告出稿される号が世に出た瞬間にのみ、効果を発揮する施策となります。効果の長期的継続はありません。

さらに、出稿によってもらえる枠は非常に限られており、盛り込むメッセージはかなり取捨選択しなければいけません。

書籍の場合は、書店流通によって広告効果が持続的に発揮されるのが紙媒体広告と比較した際の強みです。

さらに、詳細な情報や専門知識を一冊分盛り込めるため、読者に対してより深い理解や感動を与えることができます。説明が難しかったりセールスに長期間かかったりする製品・サービスには非常に適した発信手段です。

◉-2、WEB広告との比較

WEB広告はご存じのとおり、費用を投じている間のみ広告が回ります。メリットとして、少額でも始められること、詳細にデータが出ることで細かな改善アクションを繰り返しやすいことが挙げられます。

一方、実物がある紙媒体以上に「残らない」広告施策であるところが難点。「先につながらないのはわかっているけど、広告止めると売上落ちるから止められない…」と悩む経営者は多いです。

一方、企業出版では紙媒体との比較同様、長期間にわたって読者に提供されて持続的な効果が期待できる点がポイントになります。

また、本によって読者の関心を引きつけるコンテンツを提供することができるため、たとえば「WEB広告で集客した見込み客に書籍をプレゼント」といった合わせ技で受注確度を高める戦略は非常に効果的です。

◉-3、WEB媒体施策との比較

WEB媒体施策はWEBメディアに対する記事広告出稿や、自社サイトでコンテンツを発信するオウンドメディア施策を指します。

WEBメディアの記事広告はずっと掲載してもらえる場合があり、自社サイトコンテンツも半永久的に残る点は大きなメリットです。

一方でWEBコンテンツはどうしてもユーザーが軽い気持ちで閲覧する傾向にあり、問い合わせなどの反響につなげるには相当クオリティの高いコンテンツを自社で作る必要がある点がハードルになります。

また、WEBコンテンツの閲覧者と書籍の読者はかなり層が違うため、こちらもターゲットや目的によってうまく併用することが成果を出すコツです。

◉企業出版の成功事例

以上、企業出版の強みについて見てきました。

さらに理解を深めていただくために、ここからは弊社の編集部がお手伝いしてきた実際の出版による成功事例を紹介します。

事例は非常に数多くあるため、代表的な例を簡単に以下にまとめました。

●個人事業の経営コンサルタントがクライアント業界の経営改善ノウハウを説く書籍を企業出版。出版直後から問い合わせが殺到し、最終的に顧問先が30社増加。売上が出版前の3倍に。

●投資用不動産を販売する会社が企業出版。確度の高い問い合わせもさることながら、営業ツールやセミナーのお土産として配ったところ成約率が飛躍的に上昇。本の効果が非常に大きく、プッシュ営業体制の廃止にも成功。

●注文住宅の工務店が家づくりの考え方を出版。近隣の図書館が取り寄せてくれたこともあり、問い合わせがその後5年にもわたって続いた。書籍反響だけで毎年の売上目標を達成できる体制に。

●WEBマーケティング会社が企業出版したところ、コンペ案件にとても強くなった。「書籍を読んで御社に決めました」という声が複数。不調に終わったプレゼンの後に書籍を読んだクライアントから連絡が来て、案件復活したケースも。

●FC型の会員組織が会員集めのため出版。書籍を「紙芝居」がわりにして既存会員が新規会員を募るスタイルで、1000人だった会員が出版後半年で2000人までに。

●自身の健康論を出版した医師。キー局の番組や都内で流れる大手ラジオ局からの出演依頼が複数あり、専門ジャンルにおける第一人者としての位置を確立。現在でもメディアで特集があれば真っ先に取り上げられる先生になり、医院の集客(集患)にも貢献。

他にも効果事例はたくさんありますが、今回は以上です。

企業出版にはこのような、ビジネスモデル自体を変革するような大きな効果が出た事例がたくさんあります。

◉企業出版の費用相場

では、企業出版の気になる費用相場はいくらくらいなのでしょうか。

まず、企業出版の価格に影響する要素は、以下のとおりです。

・書籍の仕様

通常の企業出版は、四六判と呼ばれる130mm×188mmサイズで中面が白黒、200ページ程度の書籍が多いです。

効率よく文字情報を詰め込めるサイズで、もっともメジャーな判型のため書店も取り扱いやすいからです。

企画内容により、判型を大きくしたい、ページ数を大幅に増やしたい、中面をカラーにしたい、写真やイラストを作って入れたい……といった仕様変更には追加費用がかかってきます。

・部数

部数については当然、多くなればなるほど価格が高くなります。

注意したいのは、部数によって費用が変わる要因は物理的な印刷費用だけではない点。流通拡大に伴う書店営業の経費も加算されますし、書店から本が返品された際に出版社が被る損失のヘッジ分も、部数に応じて増額することになります。

あまり返品が多いといくら出版費用をもらっても損が出てしまう危険があるので、ある程度以上の部数増は受け付けてもらえない出版社もあります。

・制作費用

制作費用は基本的に人件費になります。

まず、ライターをつけて原稿を書いてもらうのか持ち込み原稿なのかで、大きく金額が変わります。

ほか、編集者の地方出張を要望したり、取材先が非常に多岐にわたったりする場合は追加費用になるケースが多いです。

・プロモーション費用

企業出版のプロモーションについて、書店やメディアへのリリースと人力による書店営業は基本的に出版の費用内でやってもらえます。

それ以外に別途費用を払って、WEB広告を回したり新聞広告を出稿したり、イベントを打って出版社に手伝ってもらうことができる会社もあります。

プロモーション費を戦略的に使うことはとても重要で、大部数でただ書店にまくよりも部数を絞った流通でプロモーションのほうに予算を使ったほうが効果的なケースも多いです。出版社に相談してみましょう。

それらを踏まえた一般的な相場としては、450万〜1000万円くらいが企業出版の費用になります。

基本的に値段が上がるほど出版社の規模が大きくなり、流通部数も多くなると考えてください。どの価格帯で出版するのが望ましいかは、出版目的や自社ビジネスの規模によります。

ちょっとしたテクニックとして、原稿を自社で書くと費用は少し相談に乗ってもらえる場合が多いでしょう。

◉企業出版の流れ

実際に企業出版を行う場合、流れは以下のようになります。

ライターに原稿を書いてもらうパターンです。

◆ステップ①企画立案

出版の目的やターゲット読者を明確にし、内容やテーマを決定します。企画段階では、書籍の仮タイトルや章立てを作成します。

◆ステップ②取材・執筆

著者本人や著者の会社の社員へのインタビュー取材を行い、必要な情報を収集します。取材データをもとにライターが執筆作業を進め、章ごとに文章をまとめていきます。

インタビューは一冊分で合計10時間程度になることが多いです。

◆ステップ③編集・校正

執筆された原稿を、著者と編集者で協力して校正(チェック)します。文章のクオリティや表現を整え、誤字脱字や文法の修正なども行います。

◆ステップ④デザイン・レイアウト

書籍のデザインやレイアウトを決定します。カバーデザインについては、いくつかの候補から最終的に著者が選ぶパターンが多いです。

使用してほしい色や求めるテイストがあれば、事前に担当編集者に伝えておきましょう。

◆ステップ⑤印刷・製本

カバーと本文が完成したら、印刷所に原稿を送り、書籍の印刷と製本を行います。ここまで来たら、著者は刷り上がりを待つだけです。印刷が完了したら、いよいよ書店に書籍が並びます。

◉企業出版の失敗事例と成功のポイント

生涯に一度かもしれない企業出版、絶対に成功させたいのは著者として当然でしょう。

成功のポイントをつかむために、企業出版にありがちな失敗事例を以下に挙げます。

◉-1、失敗事例①出版目的が絞られていない

企業出版では、「何のために誰に向けて出版するのか」がしっかり定義されていてこそ、クオリティの高い企画ができます。

「集客にも採用にも個人ブランディングにも効かせたい」「若者にもシニア層にも届けたい」など欲張りすぎると、読者から見て役立つ本であると伝わりづらくなってしまいます。

出版目的とターゲットについては、企画書の段階で編集者としっかり議論しましょう。前提条件によって書籍タイトルや原稿の書き方がまったく変わるので、企画書段階の議論は企業出版のプロセスでもっとも大切です。

◉-2、失敗事例②ターゲット読者の選定ミス

企業出版では、ターゲット読者のニーズや興味に合わせた出版物を提供することが重要です。

たとえば、マーケティングの初心者向けに書籍を出版したいのに、コトラーのマーケティング理論などを完璧に理解していないとわからないような高度な内容で本を書いても、ミスマッチになってしまいます。

ほか、そもそも本を読まない層をターゲットにしてしまうミスもあります。一例として10代女性などは、ファッション系やタレントものなどでない限り、出版してもほとんど本を買ってもらえないので注意しましょう。

◉-3、失敗事例③広告的な内容にしすぎる

読者のニーズや要求を意識せず、自社の情報や宣伝ばかりを強調した内容にしてしまうのも、よくある失敗ケースです。

せっかく費用を投じての出版ですから、著者として自社を存分に宣伝したいのは当然です。ただし、書籍は読者にお金を出して買ってもらうもの。「広告だ」という認識で読者は本を手に取っていないので、著者の宣伝色が強すぎるとかなり違和感をもたれます。

「伝えたいこと」を「価値あるコンテンツ」に変更するためには、編集者を使い倒すのがコツです。

◉-4、失敗事例④ターゲットに合わないデザイン

カバーをはじめとするデザインを選ぶうえでは、「ターゲットの好み」に合わせるのがとても重要です。

よくやってしまうのが、著者が「自分の好み」でデザインを指定してしまうパターン。著者の好みがターゲットの求めるデザインに合致するとは限らず、あまり自身の意向を強く押しすぎると多くの場合、違和感のあるデザインになってしまいます。

それを避けるため、どうしても譲れない部分は伝えつつも優秀な編集者の提案に任せたほうが出版効果は見込みやすいでしょう。

◉まとめ

以上、この記事では、企業出版(ブックマーケティング)とは何かをはじめ、メリット・デメリット、ブックマーケティングの最新トレンドなどについて紹介しました。

企業出版は、しっかりしたパートナー出版社と戦略的に取り組めば、投資対効果としてほかの施策ではあり得ないほどの効果が見込めます。

上記のコラムを参考に、企業出版という選択肢をぜひ検討してみてください。

ブックマーケティングを活用すれば、ただ書籍を出版するだけでなく、その書籍を自社のブランディング、認知度や購買意欲向上などに積極的に役立ていくことができます。

主に次のような方にブックマーケティングは最適です。

  • ・Web広告やSEOなどあらかたの集客施策をすでに行っているが、なかなかそれ以上の集客効果が得られないと悩んでいる中小企業
  • ・難しすぎてWebではなかなか集客できないようなビジネスモデルをお持ちの経営者様
  • ・ある程度事業も安定しているが、更なる成長をするための打ち手に困っている経営者様

そんな方は、ぜひ次のステージへの一歩として、ブックマーケティングを活用してみませんか。