不動産の成約につながる会社案内を作るコツ!営業やマーケティングへの活用方法も解説

不動産会社のように高額な商品・サービスを販売する業種の場合は、単に商品・サービスが良いだけではなく、「信頼できる会社であるかどうか」が顧客から選ばれるための重要な要素になります。

なぜなら、商品・サービスが高額になればなるほど、顧客は「信頼できる会社から買いたい」と思う傾向があるためです。

「信頼できる会社かどうか」を顧客に判断してもらう上で、会社案内は契約の決め手につながる重要な販促ツールの1つです。

この記事では、より成約につながるような不動産会社の会社案内を作るコツや、活用方法などをくわしく解説いたします。

目次【本記事の内容】

執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)

慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。

◉不動産会社にとって紙媒体の会社案内が重要な理由

不動産会社にとって紙媒体の会社案内が重要な理由は次の5つです。

・販売している商品の価格が高額なため

・成約までのリードタイムが長く、顧客教育が必要なため

・比較検討しやすく、一覧性が高いため

・信頼できる会社であることのアピールが必要なため

・差別化が難しい業種であるため

どのような理由なのか、それぞれくわしく見ていきましょう。

◉-1、販売している商品の価格が高額なため

不動産会社が取り扱っている商品・サービスは、購入物件と賃貸物件に分けられますが、特に購入物件である家や土地などは、顧客が一生に一度買うか買わないかというような商品です。

つまり、人生の中で購入するものの中で最も高額な商品であるといっても過言ではありません。

購入代金の支払い方法も、「35年の住宅ローン」などのように長期にわたって返済をしていくような方法が一般的です。

また、購入後になんらかの理由で売却しようと思っても、そう簡単に売れるようなものではありません。

そのため顧客も「不動産物件の購入には失敗したくない」という思いが特に強く、購入前には入念な検討を行い、購入する不動産会社と不動産物件を慎重に選定します。

その際に、「どの不動産会社から買うのか?」の比較基準の一つとして会社の信頼性が重要です。

実際に、株式会社KINTOが行った「オンラインでの高額商品の購入・契約に関する意識調査」では、「オンラインで購入・契約する際に重視したい点」について、「品質の良さ」や「コストパフォーマンスの良さ」に次いで「販売元の信頼性が高いこと」が挙がっています。

「信頼できる会社ですよ」と伝えるためにも他の会社が作っているのと同等のクオリティで、紙媒体の会社案内は必要になってきます。

◉-2、成約までのリードタイムが長く、顧客教育が必要なため

不動産物件のような高額な商品を購入する際には、顧客は不安な気持ちになっているはずです。

「不動産物件の購入に失敗できない」「もし購入後に何か不具合が起きてしまったら」というような「もしもの事態」を想定してすぐに決断できなくなっています。

そのため、不動産物件を購入する際などに、入念な比較検討が必要だったり、「そもそもこの物件を購入する必要があるのか?」などを学んだり、どうしてもリードタイムが長くなってしまいがちです。

このようなとき、顧客の不安を解消してくれるような情報を会社案内に掲載しておくことで顧客教育ができます。

「いかに顧客の購入時の不安に寄り添い、それを解消できるか?」というようなコンテンツを会社案内に掲載することが、リードタイムの短縮につながります。

◉-3、比較検討しやすく、一覧性が高いため

不動産のように商品を購入する際に比較検討を行う業種の場合、Webサイトに比べると紙媒体の会社案内の方が、机の上に並べて比較検討しやすいという強みがあります。

たとえば、家族でマイホームの購入を検討する際、「夫・妻が一人で勝手に決める」というよりも、家族で机の上にパンフレットなどを広げて、一緒に検討することのが一般的だと思います。

実際に「国立社会保障・人口問題研究所」が公表しているデータによれば、「車や耐久消費財など高価なものの購入」について、夫婦二人で一緒に考えるという回答が48.6%と一番多くなっています。

このように不動産のような高価なもの購買決定の際には、意思決定が2人以上で行われることが多いため、紙媒体との相性が良いと言えるのです。

また、画面をスクロールすることが前提のWebサイトとは違って、紙媒体はひと目で全体を見れるため、目的の情報にたどり着きやすいという一覧性の高さもメリットです。

◉-4、信頼できる会社であることのアピールが必要なため

会社のWebサイトだけではなく紙媒体の会社案内があることで、実態のある会社であることを顧客にアピールできます。

また、顧客に「きちんと紙の会社案内を用意している会社なんだ」という印象を与えられるので、会社案内のない会社よりも「信頼できる会社である」というアピールにつながります。

◉-5、差別化が難しい業種であるため

不動産会社は取り扱っている商品・サービスが決まっているため、競合他社との差別化が難しい業種といえます。

商品・サービスで「自社ならでは」という特徴を押し出していくのが難しいため、ついつい価格競争に陥りがちです。

そのため、会社案内の中で自社のイメージや考え方などを適切に伝えて差別化を図っていくことが重要となり、会社案内は競合他社との差別化を図るための重要なツールとなります。

◉成約につながる会社案内を作るコツ

不動産会社の会社案内が購入物件の成約につながる有効な販促ツールとなるように、次の7つのコツを押さえて作りましょう。

・ターゲットを明確にする

・ターゲットに合わせたデザイン・コピーを検討する

・第三者視点(お客様の声)をいれる

・不動産の写真はお金をかけても綺麗に見せる

・図表などで視覚的にパッと見てわかりやすい構成にする

・具体的な行動に移せるオファーをつける

・営業やマーケケティング活用を見据えて作る

どのようなコツなのか、くわしく見ていきましょう。

◉-1、ターゲットを明確にする

不動産業界では、ついつい「こんな人にも買って欲しい、あんな人にも買って欲しい」とターゲットを広げてしまい、訴求がぼやけてしまうことがありがちです。

たとえば、「ファミリー層」という漠然としたターゲットよりも、「5歳未満の子どもが1人いる40代のファミリー層」のように、より具体的にターゲットを設定した方が「刺さる訴求」ができるようになります。

「ターゲットを明確にする」というのは「対象を狭める」ことが目的ではなく、販売する不動産商品のメインターゲットをしっかりと明確化することが目的です。

まずはこの点をしっかりとしておかなければ、いくら見栄えの良い会社案内を作ってもターゲットに刺さるものにはなりません。

◉-2、ターゲットに合わせたデザイン・コピーを検討する

ターゲットが明確化できれば、そのターゲットの頭の中にある言葉でコピーが作成できたり、そのターゲットが興味を示すようなデザインができるようになります。

このようにして、ターゲットに合わせたコピーやデザインの会社案内を検討するのがポイントです。

◉-3、第三者視点(お客様の声)をいれる

「不動産物件を売らなければ」という気持ちから、どうしても会社案内の中に自分たちが発信したい情報だけを掲載してしまうことが多くなりがちです。

しかし、このような一方的な不動産会社が発信したい情報のみを発信していては成約につながることはありません。

「実際に購入したお客様がどうだったのか?」というような第三者視点の情報をいれなければ、説得力がなく、押しが弱くなってしまいます。

「お客様の声」などを掲載して顧客から見た不動産物件の評価をいれるようにしましょう。

◉-4、不動産の写真はお金をかけても綺麗に見せる

いくら良い商品・サービスであっても、不動産物件の写真が悪ければ、顧客の印象は「パッとしないもの」になってしまいます。

たとえば、不動産物件を探していたときに会社案内などに掲載された不動産物件の写真が薄暗かったりすると「この不動産会社はやめとこうかな」と思われてしまいかねません。

不動産の場合、不動産物件の写真は成約の決め手になる重要な要素なので、お金をかけてもしっかりと撮影しましょう。

とにかく不動産の写真を綺麗に見せることがポイントです。

◉-5、図表などで視覚的にパッと見てわかりやすい構成にする

紙媒体の会社案内は、Webサイトの情報に比べると比較的文章を読んでもらいやすいといえます。

しかし、今は「読まれない時代」です。

そのトレンドも汲んで、会社案内に掲載する図表などは視覚的にパッと見て理解できるようなデザインや構成になるように心がけましょう。

◉-6、具体的な行動に移せるオファーをつける

顧客が会社案内を「見て終わり」になってしまうと成約にはつながりません。

会社案内を見た顧客に「次のアクション」を起こしてもらうようにすることが成約に近づけるポイントです。

そのためには、会社案内の中にも「無料で内覧受付中」などの時期に関係なく使える文言に、次のような無料オファーをつけるのがポイントです。

・ホームページのURLやQRコード

・代表電話番号ではなく、お問い合わせや相談の電話番号

・LINE公式への導線(QRコードなど)

・SNSのURLやQRコード

これによって、会社案内を「見て終わり」にせず、見た顧客を次のアクションに誘導できます。

とにかく「見て終わり」にせず、「次のアクションにいかにつなげるか?」を考えましょう。

◉-7、営業やマーケケティング活用を見据えて作る

会社案内を一般的なフォーマットに則って作っているような会社も多く見かけますが、それでは顧客には刺さりにくいモノになってしまいます。

作成した会社案内を、営業やマーケティング部署でしっかりと活用してもらって相乗効果を出していくことが大きなポイントです。

会社案内を作る際には、営業やマーケティング部署から「顧客からよく聞かれること」「この情報があったら営業がしやすい」「こういう客層にはよく売れる」などの情報をヒアリングして、現場の情報を元にしたコンテンツを作り込んでいくことが重要です。

◉ただ作るだけではダメ!会社案内の営業やマーケティング活用方法

会社案内をただ作るだけでは何の成果にもつながらないので、実際に顧客と接している営業やマーケティング部署などに活用してもらうことが重要になります。

会社案内の具体的な活用方法は次の7つです。

・Webサイトへの導線をいれる

・PDF化してWeb上でも閲覧・ダウンロードできるようにする

・フォーム営業などでターゲットリストに送付する

・代理店や紹介が生まれそうな相手にも送付する

・既存のお客様にも送付する

・会社案内を活用した営業トークを行う

・WebサイトやSNSでも情報発信を行う

それぞれ活用方法をくわしく見ていきましょう。

◉-1、Webサイトへの導線を入れる

会社案内を「見て終わり」にしないためには、顧客が明確に次の行動に移せるような導線を作っておくことが重要です。

たとえば、会社案内の中に公式Webサイトや公式SNS・公式LINEへ飛べるURLやQRコードなどを掲載したりすることが考えられます。

◉-2、PDF化してWeb上でも閲覧・ダウンロードできるようにする

会社案内に掲載されたコンテンツを二次利用して他の媒体に活用できます。

たとえば、紙媒体の会社案内をPDF化して自社のWebサイトで自由に閲覧したりダウンロードできるようにするなどです。

これによって、検索サイトなどから自社のWebサイトを訪れてくれた顧客に会社案内の情報を伝えられ、新規顧客の獲得につながる可能性があります。

◉-3、フォーム営業などでターゲットリストに送付する

フォーム営業とは、企業のホームページの問い合わせフォームからメッセージを送ってアプローチする営業手法の1つです。

ターゲットリストの中からホームページに問い合わせフォームを設置している企業を抽出し、問い合わせフォームからPDF化した会社案内のURLを入れた営業メッセージを送付します。

ほとんどは無視されますが、タイミングが合ったり、興味を持ってくれた相手から返信が来る可能性があります。

もし、レスポンスが返ってきた場合はすぐに返信をして、アポを取って訪問するようにしましょう。

◉-4、代理店や紹介が生まれそうな相手にも送付する

会社案内をプラットフォーマーやパートナーなどの紹介が生まれそうな相手に送付することも有効です。

プラットフォーマーやパートナーなどは直接的な顧客にはならないと考えられますが、新規の顧客を紹介してもらえる可能性があります。

◉-5、既存のお客様にも送付する

会社案内を既存のお客様に送付することも有効な活用方法になります。

既存のお客様は自社を利用したことがあるので、その良さについては十分わかっているはずです。

会社案内が送付されてきたことをきっかけに、知人や親せきなどに紹介したり、SNSなどで口コミを発信したりして、新規顧客からの問い合わせや商談につながる可能性があります。

◉-6、会社案内を活用した営業トークを行う

前述のように、会社案内を作る前に営業やマーケティング部署にヒアリングをして、営業やマーケティング活動に使える会社案内にしておくことが大切です。

これによって、会社案内を活用した営業トークを行いやすくなり、販促活動に活かすことができます。

◉-7、WebサイトやSNSでも情報発信を行う

会社案内に掲載した情報をWebサイトやSNSに投稿して情報発信できます。

これにより、より多くの人に自社の情報を伝えられるようになります。

WebやSNSなどでの二次活用は効果的です。

◉【まとめ】作るのであれば1件でも成約につながる会社案内を作ろう!

本記事では、不動産会社の成約につながりやすい会社案内の作り方についてくわしく解説しました。

不動産会社が取り扱っている商品・サービスは高額商品です。

そのため、顧客は多くの不動産会社から得た情報を比較検討して、信頼できる不動産会社や魅力的な購入物件を選ぶはずです。

その際に、紙媒体の会社案内は顧客に自社がいかに信頼性の高い不動産会社であるかを伝える重要な役割を果たします。

また、会社案内を制作するためにはそれなりの費用と手間がかかります。

せっかく作るのであれば、営業やマーケティング活動にも活用できる成果に結びつくようなものを作るべきでしょう。

株式会社フォーウェイはコンテンツマーケティング専門会社だからこそ、コンテンツをいかに営業やマーケティングに活かしていくのかを考えた会社案内を制作できます。

不動産の成約につながる会社案内を作りたいとお考えの方がいらっしゃいましたら、ぜひ株式会社フォーウェイまでご相談ください。

現在、Web広告(SNS広告も含む)などのデジタル広告が主流ですが、そんな中でアナログ広告の成約率の高さが再注目されています。

アナログ広告には、物理的に現物を見て触れられるなどデジタル広告にはない独自の強みがあり、ブランド認知の向上や顧客との信頼関係の構築に効果的です。

本記事では、アナログ広告の種類、活用メリット、そしてデジタル広告との違い、それぞれの併用や使い分けの重要性についてくわしく解説します。

目次【本記事の内容】

執筆者:江崎雄二(株式会社フォーウェイ取締役マーケティング統括)


福岡県出身。東福岡高校、山口大学経済学部経済法学科卒業。大学卒業後、月刊誌の編集者兼ライターに携わる。その後時事通信社での勤務を経て、幻冬舎グループに入社。書店営業部門の立ち上げメンバーとして活躍後、書籍の販売促進提案のプロモーション部を経て、法人営業部へ。東京と大阪にて書籍出版の提案営業を担当し、2020年11月、株式会社フォーウェイに参画。2023年9月取締役就任。グループの出版社、株式会社パノラボの流通管理も担う。

◉アナログ広告とは?

アナログ広告とは、紙媒体や対面、電話などによって行われる広告のことです。

アナログ広告の特徴は、デジタル広告に比べて商品やサービスが顧客に認知されやすいという点です。

たとえば、紙媒体のアナログ広告の1つであるDM(ダイレクトメール)を送付すると、ハガキ状の、形のあるものが顧客の手元に届きます。

色や形、質感、香りなど、顧客の五感に強く訴えかけられるため、デジタル広告などに比べて記憶に残りやすくなるのです。

◉-1、デジタル広告との違い

アナログ広告に対して、インターネットやスマホの台頭により、急速に普及してきた広告手法がデジタル広告です。

たとえば、WebサイトやSNS、検索結果に表示される広告などさまざまな形式があり、オンラインのデジタルプラットフォームを使用して広告が配信されます。

アナログ広告のように実体を伴わないのが特徴です。

アナログ広告に対してデジタル広告が優れているのは次のような点です。

・比較的低コストである(印刷代などがかからない)

・ターゲットを絞り込める

・即時性が高い

・情報伝達に双方向性がある(コミュニケーションできる)

また、効果測定がほぼリアルタイムでできるため、その結果を踏まえてすぐに改善ができます。

アナログ広告では難しい高速のPDCAサイクルを回せるのもデジタル広告ならではの特徴であり、メリットと言えるでしょう。

◉アナログ広告が再評価されている理由

現在は、ネットやSNSが広く普及しているということから、比較的安価で即効性があり、ターゲットの絞り込みや効果測定が手軽にできることからデジタル広告が主流です。

「今はデジタルの時代だから、アナログ広告はもう古い」と思っている方も多いのではないでしょうか。

しかし、デジタル広告を利用する企業などが増え過ぎたせいで、競争は激化し、「想定したような成果がなかなか得られない」と悩んでいる方も増えてきています。

さらに、「デジタル疲れ」という言葉が出てきていることからもわかるように、デジタル広告の氾濫に疲れを感じる方も増加傾向にあります。

このような状況の中で、再びその価値や効果を見直されてきているのがアナログ広告です。

アナログ広告ならではの信頼性や安心感の高さや、顧客の五感に訴えかけて、結果的に高い成約率につながることが再評価されている理由です。

▶︎アナログ広告を含めたアナログマーケティング戦略については、関連記事【デジタル全盛期だからこそ重要なアナログマーケティング戦略】もあわせて参考にしてください。

◉アナログ広告の種類

代表的なアナログ広告には、次のようなものがあります。

・新聞広告

・雑誌広告

・看板広告

・交通広告

・ポスター広告

・チラシ広告

・ダイレクトメール(DM)

・パンフレット

・書籍

・ラジオ広告

・テレビ広告

・イベント・展示会

・ノベルティ広告

・サンプリング広告

それぞれの広告手法にどのような特徴があるのかについてくわしく見ていきましょう。

◉-1、新聞広告

新聞広告とは、新聞の広告枠にお金を払って掲載してもらうという広告手法です。

新聞自体が持っている高い信頼性と、新聞の購読者層に届きやすいという点、毎日発行できるという即時性を併せ持っているのが特徴です。

新聞には全国紙、地方紙、業界紙などの種類があり、それぞれ読者層が異なります。

各新聞の読者層にしっかりとアプローチができることが新聞広告のメリットと言えるでしょう。

たとえば、金融やコンサル業界にアプローチしたい場合は、購読している方が多い日本経済新聞、エリアを絞って地域限定でアプローチしたい場合は地方紙などです。

一方で、ターゲット層の細かい絞り込み(年齢層、性別、趣味趣向など)やデジタル広告のように細かな効果測定が難しいというデメリットもあります。

広告料は高額なイメージがありますが、1面〜3面にわたって決まった枠が設けられている書籍広告を掲載する費用は比較的安価です。

書籍を出版した際には、各新聞の読者層に合わせて新聞広告掲載を検討してみても良いと言えるでしょう。

◉-2、雑誌広告

雑誌広告とは、雑誌の広告枠にお金を払って掲載してもらうという広告手法です。

雑誌の種類によって読者層が異なるので、年齢や趣味、興味などでターゲットを絞り込むことができるのが特徴です。

たとえば、女性ファッション雑誌に女性向けファッションの広告を出したり、サッカー専門誌にサッカー用品の広告を出したりするなどです。

一方で、雑誌の発刊頻度は一般的には週1回〜月1回なので、即時性が求められる広告には向いていません。

雑誌広告は直接出版社に掲載依頼するのが主なやり方ですが、雑誌広告掲載をサービスとして提供しているようなコンテンツマーケティング会社に依頼するのも1つの方法です。

たとえば、弊社では健康やライフスタイル分野で有名な大手出版社が定期発行する雑誌掲載とセットの書籍出版プランを提供しています。

他のマーケティング会社でも「雑誌掲載とセット」というマーケティングプランを用意している場合がありますので、そういった方法で雑誌広告掲載を検討してみるのも1つの方法です。

◉-3、看板広告

看板広告は、企業や店舗、商品・サービスの宣伝のために屋外に看板を設置し、認知の拡大を図るという手法です。

一口に看板広告と言っても、次のように多くの種類があります。

・野立て看板

・スタンド看板

・突き出し看板

・壁面看板

・屋上看板

・電柱広告

設置場所付近を通る不特定多数の顧客に見てもらうことを目的として長期間にわたり設置されるのが特徴です。

長期間設置されることにより、繰り返し顧客の目に留まるので、訴求力が高くブランド認知度の向上や集客に効果を発揮します。

たとえば、看板広告で一番有名なのが「きぬた歯科」の看板広告ではないでしょうか。

多くの方が一度は見たことがあるほど、長年に渡り、あらゆる場所に看板広告が設置されているため、「きぬた歯科」という名前に既視感を覚える方も多いと思います。

このように、無意識のうちに認知度が広がっていくのが看板広告の強みと言えるでしょう。

一方で、設置には看板制作費用と設置費用などがかかってしまうことや、効果測定がしづらいのがデメリットと言えます。

地域性のあるビジネス(歯科、病院、大学、専門学校、学習塾など)は、「⚪︎⚪︎エリアでこの事業と言えばこの会社」と言われることに大きなメリットがあるため、看板広告はおすすめです。

弊社ではコンテンツマーケティングの一環として看板広告のご提案も行っております。

◉-4、交通広告

交通広告は、電車や地下鉄、バスなどの公共交通機関の宙吊りや駅の看板などに広告を掲載する手法です。

公共交通機関は通勤や通学に利用されるため、見る人の数が多いという特徴があります。

公共交通機関はその周辺に住んでいる人が移動手段として頻繁に使うので、ユーザー層や地域限定の訴求ができるのが特徴です。

また、通勤などの際に同じ人が繰り返し見ることになるため、印象に残りやすいというメリットもあります。

デメリットは、ターゲットが細かく絞れないことや、大都市以外ではそもそも交通機関の利用者が少なくなることです。

その分費用は安くなりますが、広告を見る人が限られ、効果が出にくくなります。

◉-5、ポスター広告

ポスター広告とは、街中や駅構内など、人の目につきやすい場所に大型の紙を使って広告を掲載する手法です。

屋外の実物広告全般のOOH(Out Of Home)広告の一種であり、主に店舗や商品、サービス、イベント情報などを伝えることを目的として掲示されます。

ポスター広告は、視認性が高くて強いインパクトを与えやすいこと、繰り返し見られるため記憶に残りやすいこと、コストパフォーマンスが高いなどの特徴があります。

ポスターの掲示場所としては、駅や電車内、街中、商業施設内などの人通りが多くて目につきやすい場所が向いています。

一方で、細かいターゲットの絞り込みがしづらく、かつ効果測定がしづらいという点、紙を野ざらしにするため劣化しやすいということがデメリットと言えるでしょう。

◉-6、チラシ広告

チラシ広告とは、店舗や商品、サービス、イベントなどの情報をチラシとして消費者に届ける広告手法です。

地域密着型のビジネスや特定のターゲット層に直接アプローチしたい企業にとって有効な手法です。

配布する方法によって、次の3種類に分けられます。

チラシ広告の種類特徴
新聞折込チラシ新聞に折り込んで配布するもので、特定エリアの一定のターゲットに対して地域密着型のアプローチが可能。
ポスティングチラシ特定エリアの家庭のポストに直接チラシを投函するので、より細かいターゲット層への配布が可能。
手渡しチラシ駅前や街頭、イベント会場などで手渡しするチラシで、特定のイベントやキャンペーンなどの即効性のあるプロモーションに向いている。

それぞれ得意なアプローチが異なるので、狙うターゲット層によって使い分けるのがポイントです。

◉-7、ダイレクトメール(DM)

ダイレクトメール(DM)は、企業が広告を目的に顧客に郵送や電子メールで送付する広告手法です。

送付方法が次の2種類に分かれます。

・紙媒体

・電子媒体

それぞれ得られる効果に違いがあります。

郵送のダイレクトメール(DM)は実体のあるパンフレットなどの印刷物が自宅に届くので、インターネットなどを通常使用していない高齢者などにも広告を届けられるという強みがあります。

比較的レスポンス率が高いことから顧客の認知度や関心の向上に有効ですが、印刷や発送などにコストや手間がかかるのが難点といえるでしょう。

一方で、電子メールでのダイレクトメール(DM)は低コストで多くの方のPCやスマートフォンに直接情報を届けられるのが強みです。

しかし、開封率がそれほど高くないため、読まれるような工夫を凝らしていかないと、期待通りの効果が得られない可能性があります。

そのため、見込み度合いが高い方には紙媒体のDM、見込み度合いがそこまで高くないが幅広くアプローチしたい場合は電子メールのDMなど使い分けることで相乗効果が見込めます。

◉-8、パンフレット

パンフレットは冊子状の印刷物を作成してターゲットに配布するという広告手法です。

会社案内や製品・サービスの詳細説明などを紙の冊子にまとめて、ターゲットに届けられます。

形のあるものを手に取ってもらえることで生まれる信頼感がある点や、並べて比較がしやすい点や読み返してもらえる点などがデジタル広告に比べて優れています。

紙質や印刷方法などによって高級感を出せるので、比較的単価の高い商品・サービスのPRに向いています。

具体的には次のような商品・サービスなどに有効です。

・不動産

・自動車

・高級ホテル・旅館

・冠婚葬祭

また、全体をパッと見渡せる一覧性の高さや、複数人でパンフレットを広げて比較検討がしやすいということから、比較検討を伴いやすい商品・サービスにも有効です。

・学習塾

・学校(小中高大)

・住宅販売

・採用

郵送のパンフレットは比較的レスポンス率が高いのも特徴の1つです。

狙いのターゲットの認知や関心を強く惹くことが可能です。

また、インターネットやデジタルが苦手な高齢者層にも情報を届けられることもメリットと言えるでしょう。

たとえば老人ホームなどの介護福祉施設など、高齢者や高齢者を介護する家族が対象のビジネスなどでは、デジタル広告よりも紙媒体のパンフレットの方が効果を発揮する場合があります。

一方で、郵送コストや手間がかかるため、低単価商品の広告には向いていません。

◉-9、書籍

意外かもしれませんが、書籍もアナログ広告の1種です。

書籍は社会的な信頼性が高く、読まれる層がデジタル広告とは異なります。

デジタル広告をあまり見ないような層や、アプローチが難しいといわれる富裕層や経営層、または同業者などへのアプローチができるのが書籍ならではの強みといえるでしょう。

また書籍を出版しているという箔がつくため、競合他社との差別化にも有効です。

BtoBや高単価な商品・サービスで、デジタル広告を行っても競合他社との差別化が難しい士業や保険業関係などにおすすめできる広告手法といえるでしょう。

また、広告目的で書籍を活用したいのであれば、書籍の出版・書店配本するだけではなく、あらゆるマーケティング手法を駆使してターゲットに書籍を手元に届けるようなブックマーケティングを行うのがおすすめです。

一般的な出版に比べて、お問い合わせや成約につながる広告効果が期待できます。

◉-10、ラジオ広告

ラジオ広告とは、ラジオ放送の途中に流れる音声広告のことです。

1925年に商業ラジオ放送が始まってから現代まで、さまざまな商品やサービスの宣伝広告のために活用されてきました。

映像が利用できるテレビ広告や画像が使える新聞・雑誌に比べると、音声だけのラジオ広告は訴求力が弱いという印象があります。

しかし、近年はスマートフォンやPCでラジオが聴けるようになったことや、デジタル広告疲れなどの影響により、ラジオ広告が再注目されています。

コロナ禍を契機にラジオを聞き始める人の数が増えてきており、ラジオを聴くことを習慣にしている人が多いことやリスナーが広告中に番組を変える可能性が低いことなども注目されている要因です。

また、マス広告の中では比較的低コストで利用できるのが最大のメリットです。

ラジオ番組のパーソナリティを通して広告に親近感を持ってもらいやすいことや、時間帯によってユーザー層が明確に分かれることからターゲティングがしやすいということもメリットと言えるでしょう。

◉-11、テレビ広告

テレビ広告とは、テレビ番組の途中や前後のコマーシャル枠内で放送される動画広告です。

テレビ広告では画像だけではなく音声や音楽を使って、感性的な情報を伝えられます。

Youtubeなどの動画共有SNSが主流になり、衰退したと言われるテレビですが、テレビに対して高い信頼感を持つ人が多いことから、商品やサービスの魅力を視覚的に伝えられ、ブランディングには効果的です。

テレビ番組を視聴している不特定多数の老若男女にアピールできますが、ターゲットの絞り込みができないことや、広告効果の測定が難しいというデメリットもあります。

また、広告料が高価なこともテレビ広告のデメリットです。

◉-11-1、TVer広告が近年注目されている

TVerではサイトやスマホアプリ上で民放テレビ局のテレビ番組を完全無料で見られ、番組の見逃し配信やリアルタイム配信、過去番組などを楽しめます。

TVer広告とは、TVerでユーザーが視聴している番組の前後や途中に配信できる広告で、スキップ不可という仕様になっているためほとんどの広告が最後まで視聴されているという特徴があります。

TVerを視聴するためにスマートフォンを利用しているユーザーの割合は、男性10~20代70.3%、女性10~20代67.4%となっており、若年層をカバーしていることがわかっています。

また、TVerの利用開始時の登録情報から高精度なターゲティングが行えるようになっており、性別・年齢・住所・興味関心などからターゲット層の絞り込みが可能です。

ターゲティングに活用する情報は、ユーザーの性別や年齢などの基本情報だけでなく、ユーザーの興味関心についてのデータです。そのためTVer広告は、ユーザーの情報に応じて適切な広告を配信します。
引用元:TVer広告の優れているターゲティングとは?特徴と併せて解説

◉-12、イベント・展示会

イベントや展示会に商品を出展して、顧客と対話しながら商品に触れてもらうこともアナログ広告の一種です。

顧客が直接商品に触れることによって商品に対する理解が深まり、購買意欲が高まって成約につながることが期待できます。

また、成約につながらない場合であっても、名刺交換などで興味や関心の高い見込み顧客のリストが獲得できます。

一方で、出展費用や人手・労力がかかることがデメリットです。

◉-13、ノベルティ広告

ノベルティ広告とは、無料で配布するノベルティを用いた広告手法です。

ノベルティ広告のメリットは、低コストで作成できることや、名入れによる宣伝効果、顧客離れを防ぐ効果などです。

ノベルティ広告は、新商品・新サービスの発表、新店舗のオープン、繁忙期前などに配布されることが多く、ポケットティッシュやクリアファイル、うちわなどが定番アイテムとなっています。

実体のある物を配っているため、認知度向上などにはおすすめの広告手法ですが、ノベルティの制作費用や人手がかかる点がデメリットと言えます。

◉-14、サンプリング広告

サンプリング広告とは、企業が自社の商品やサービスの試供品を無料で配布することです。

ブランドの認知度向上や購買意欲の喚起に効果的な広告手法と言えるでしょう。

サンプリング広告によって、商品に対する興味や評価を喚起でき、潜在ニーズの発掘や新規顧客の獲得につながります。

サンプリング広告には、次のような種類があります。

・街頭サンプリング

・ルートサンプリング

・Webサンプリング

・イベントサンプリング

・インフルエンサーサンプリング

それぞれ得られる効果が異なるので、ターゲットや目的に合わせて使い分けることが重要です。

◉アナログ広告の活用メリット

アナログ広告を活用するメリットは次の通りです。

・信頼性が高い

・記憶に残りやすい

・手元に残りやすく成約率が高い

・高齢者などデジタルに馴染みのない層に受け入れやすい

・比較しやすい

・広範囲なターゲティングが得意

それぞれについて、以下でくわしく見ていきましょう。

◉-1、信頼性が高い

パンフレットやカタログ、書籍などの印刷物は、制作にお金や手間がかかっているという点で「ちゃんとした会社なんだ」という信頼性があります。

特に書籍は、出版社の名前が掲載されていたり、編集者やライター、校正会社、印刷会社の名前も掲載されるなど、さまざまな会社が制作やチェックに関わっているということから社会的信頼性が高いアナログ広告です。

また、「本を出せるほどの人なんだ」と、「本の出版=すごい」というイメージがあることから、その道の第一人者であり専門家であるというブランディングができます。

そのため、競合他社との差別化などに有効です。

◉-2、記憶に残りやすい

アナログ広告はデジタル広告に比べて目に留まりやすく、長期的に記憶に残りやすいというメリットがあります。

たとえば、メロディーが印象的なテレビ広告を思わず口ずさんだり、その曲を聴くとテレビ広告や商品・サービスを思い出したりするなどです。

◉-3、手元に残りやすく成約率が高い

パンフレットやカタログ、書籍などの印刷物は、捨てない限り現物が手元に残ることもメリットです。

顧客にとって必要な情報であれば、長期間保存されて見直されて成約に結びつくことがあります。

◉-4、高齢者などデジタルに馴染みのない層に受け入れやすい

若年層にアプローチしたい場合はデジタルの方が有利ですが、高齢者などにはアナログ広告が向いています。

高齢者層は日常的にテレビや新聞などに接する機会が多く、アナログ広告の方が受け入れやすい傾向があります。

また、デジタルに疎い人が多いというのもアナログ広告が有効な理由の1つと言えます。

◉-5、比較しやすい

パンフレットやカタログ、書籍などの印刷物には、複数の資料を並べて比較できるというメリットがあり、家族など複数人で一緒に比較検討するのに適しています。

いまだに住宅のパンフレットや、就職活動の採用パンフレット、大学や高校などの学校案内、病院や高齢者施設などの紙媒体のパンフレットが主流になっているのは、比較しやすいという理由からです。

◉-6、広範囲なターゲティングが得意

デジタル広告は顧客の属性を細かく絞り込んだターゲティングが得意なのに対して、アナログ広告は広範囲なターゲティングが得意というメリットがあります。

たとえば、新聞広告やポスティングチラシなどは、ある一定のエリア内の顧客に対して幅広く宣伝できます。

◉成果が計測しづらいのがアナログ広告のデメリット

アナログ広告のデメリットの1つが、広告の成果の計測が難しいという点です。

しかし、近年ではアナログ広告にQRコードを設置してWebサイトなどに誘導することで、広告効果を計測できるようになっています。

◉アナログ広告成功事例

アナログ広告で書籍を出版して成功した事例を2例紹介します。

◉-1、保険代理店の書籍出版

法人をメインターゲットとしている某保険代理店の経営者は、新規契約の獲得と新規事業のコンサル契約の獲得を目的として書籍を出版して広告に成功。

ブランド価値や信頼性の向上を達成できました。

書籍のタイトルは『人材が続々集まる、メキメキ育つ! スゴい保険代理店経営』。

保険業界では一般的な給与体系の「成果報酬型」を、自社で採用している「一律報酬型」に変更することによって人材育成と業績向上が可能だという持論を書籍の中で展開しました。

出版直後から問い合わせが急増して、大口の法人契約や新規事業のコンサル契約の獲得につながり、保険会社からの講演依頼も舞い込むなど成果につながっています。

◉-2、不動産会社の書籍出版

某不動産投資会社の経営者は『収益と節税力を最大化 医師の不動産投資超入門』というタイトルの書籍を出版。

広告の目的は、高収入であり「節税を行いたいが多忙で時間がない」という医師をターゲットに不動産投資による節税をすすめるというものでした。

書籍の出版前からSNSによるデジタル広告も行い、顧客の興味を喚起してファン化の促進を狙いました。

出版するとすぐに広告の効果が表れ、書籍を読んだ多くの医師からの問い合わせが殺到し成約につながりました。

◉【まとめ】アナログ広告とデジタル広告の併用・使い分けが重要!

本記事では、アナログ広告について、種類や活用メリット、デジタル広告との使い分け方などをくわしく解説しました。

現在、インターネットやスマホを利用したデジタル広告が主流となっていますが、広告を見る側の中には、デジタルネイティブな若者だけでなくデジタルが苦手な高齢者もいます。

つまり、単に「今はデジタルの時代だからアナログ広告は古い」という考え方はナンセンスです。

「ターゲット層が誰か」や「商品やサービスが何か」によって、パンフレットや書籍などのアナログ広告とWebやSNSなどのデジタル広告の併用や使い分けをすることが重要なのです。

たとえば、若者がターゲットの商品やサービスの場合はデジタル広告を、高齢者がターゲットの商品やサービスの場合は、パンフレットや書籍などのアナログ広告を利用した方が効果的に訴求できます。

つまり、アナログ広告とデジタル広告どちらを使うのが良いか悪いかではなく、うまく組み合わせることが重要なのです。

デジタルとアナログをうまく相乗させることにより、高い広告効果が得られるようになります。

株式会社フォーウェイでは、アナログ広告の書籍出版とWebやSNSなどのデジタル広告を組み合わせた「ブックマーケティング」というコンテンツマーケティング支援サービスを提供しています。

これまでに、WebやSNSなどでデジタル広告を行ってきた企業が、もう1ステップ上にあがって、新規顧客の獲得や新規ブランドの確立などを図りたいときにおすすめしたいのが「ブックマーケティング」です。

近年成功をおさめたマーケティングはデジタル施策とアナログ施策の組み合わせだといわれているので、「ブックマーケティング」は企業のステップアップに大きな効果をもたらすことでしょう。

デジタル広告とアナログ広告の併用・使い分けによるコンテンツマーケティング支援サービスのご相談は、フォーウェイまでお寄せください。

出版は個人や企業にとって、ブランディングの強化や社会的信頼性の向上、さらに集客やマーケティングなどビジネスチャンスを広げるための効果的な手段の1つです。

しかし、「本を出したい」と思ったら、出版に踏み切る前に検討すべき重要なポイントがいくつかあります。

本記事では、現役の書籍編集者が、出版方法の選択から、目的設定、そして出版後の効果的な活用方法などについてくわしく解説していきます。

目次【本記事の内容】

執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)

慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。

◉本を出したいと思ったらまず検討すべき3つのこと

「本を出したい」と思ったときに、まず検討すべきことは次の3つです。

・出版方法の検討

・出版する目的

・出版後の活用方法

それぞれについて、くわしく見ていきましょう。

◉-1、出版方法の検討

本の出版方法としては次の3つの方法があります。

・商業出版

・自費出版

・企業出版

それぞれメリットとデメリットが異なるので、それぞれについてくわしく見ていきましょう。

◉-1-1、商業出版

商業出版とは、出版社が主導して本の企画をして著者の選定までも行う出版方法で、出版費用のすべてを出版社が負担します。

本の認知度を上げて出版社が利益を出すために行うもので、初版の発行部数は3,000部~10,000部程度が一般的です。

ベストセラーになる本の多くが商業出版で出版されており、出版社がプロモーションをして出版社の販路を使って全国の書店やインターネット書店で販売します。

そのため、商業出版では著者が書きたい内容の本が書けるわけではなく、また著者側から商業出版をしたいと企画を持ち込んでも採用される確率は低いというのが実情です。

▶︎商業出版については、関連記事【商業出版とは?企業がブランディングを考えたときの出版の選択肢】もあわせて参考にしてください。

◉-1-2、自費出版

自費出版とは、自分が出したい本の企画を出版社に持ち込み、出版していく方法です。

主に個人(企業の経営者も含む)が社会的権威性を高める目的で出版したり、自分の経験や考えを世の中に伝えたり、自分史をまとめたりする目的で行われます。

初版の発行部数は100部~500部程度です。

売上や発行部数などにとらわれずに、著者自身のペースで出版が可能で、内容についても自由にコントロールできるのが特徴です。

一方で、出版費用はすべて著者が負担するので、高い費用がかかるのがデメリットと言えるでしょう。

また、本を作ること自体は出版社がアドバイスなどをしてくれますが、商業出版や企業出版のようにプロモーションや流通(書店配本など)などについては関与してもらえないことがほとんどです。

プロモーションや流通などは基本的に著者自身が行わなければなりません。

別料金で行ってもらえる可能性もありますが、全くそういったサービス提供を行っていない場合もあります。

▶︎自費出版については、関連記事【自費出版とは?メリットやデメリット、費用相場、成功事例などを解説】もあわせて参考にしてください。

◉-1-3、企業出版

企業出版とは、企業や企業経営者が経営課題を解決するために利用する出版方法です。

企業出版により解決できる経営課題としては、主に次のようなものがあります。

・ブランディング強化

・社会的信頼性の向上

・自社の商品やサービスの認知度向上

・従業員への企業理念の浸透

・採用活動におけるミスマッチの減少

出版費用は全額企業が負担します。

本の社会的信頼性の高さやストーリー性という特徴を使って、企業が顧客や従業員に伝えたいメッセージをしっかりと形にできるのが企業出版のメリットと言えるでしょう。

企業出版では、出版社の販路を使って全国の書店への配本を行い、しっかりと読者の手元に届けるような施策を行います。

通常の営業活動ではアプローチが難しい富裕層や、社長などの経営トップ層にも読んでもらいやすいのも特徴です。

ある程度の規模になった中小企業が次のステージに進みたい場合や、同業他社との差別化を図りたいという場合にも有効な施策と言えるでしょう。

▶︎企業出版については、関連記事【企業出版(ブックマーケティング)のメリットとは? 企業が考えるべき出版による効果】もあわせて参考にしてください。

株式会社フォーウェイでは、企業出版で単に経営課題を解決するだけではなく、本というコンテンツをマーケティングに活用していく、ブックマーケティング(企業出版+マーケティング)サービスを提供しています。

◉-2、出版する目的

本を出版する際には、出版する目的を明確にすることが重要です。

目的を決めないままに出版してしまうと、何にも活用できない、ただ単に名刺代わりに配ることしかできない本ができ上がってしまいます。

本を出版する目的としては主に次のようなものがあります。

・ブランディング強化

・信頼性向上

・集客・マーケティング

それぞれくわしく見ていきましょう。

◉-2-1、ブランディング強化

本に対する社会的信頼性は高いため、本を出版することによって社会的な知名度が向上してブランディングが強化されます。

近年ではホームページやブログなどのデジタル媒体で、自社の商品やサービスの魅力をアピールする方法が注目されていますが、デジタル媒体よりは紙媒体の方が高い信頼性が得られます。

同じ消費をするのなら、信頼性の高い会社の商品やサービスを利用したいという消費者心理に応えられるのも出版のメリットと言えるでしょう。

また、本を出版することによってその道の専門家と見られるようになるので、競合他社との差別化にも有効です。

たとえば、出版後に営業マンが顧客を訪問すると「本を出版した会社の方ですね」といわれて営業活動がやりやすくなるというようなことが起こります。

なんというか、当社の見られ方が確実に変わりましたね。同業者の集まりに出ても「あのイナバプランニングカンパニーさん」という反応で最初から一目置かれている。保険の商談に従業員と同行するときも、お客様に事前に本を読んでおいてもらうと、ご面談するときにちゃんと「あったまっている」んですよね(笑)
引用元:【事例コラム】大口案件の集客、人材採用、大手企業からの講演依頼!出版ですごいことになった保険代理店

◉-2-2、信頼性向上

経営者が個人として本を出版する場合でも、企業の代表者として本を出版する場合でも、個人や企業の社会的信頼性の向上につながります。

紙媒体であり、出版社や書店など多くの企業を介して作られる本の社会的信頼性はデジタル媒体での情報発信に比べて必然的に高くなります。

本を出版しているというだけで、業界内での地位が向上して一目置かれる存在として注目される可能性もありますし、テレビや雑誌などからの注目が集まれば、番組出演やインタビューなどへのオファーがあるかもしれません。

また、本をマーケティングに活用すれば、顕在層をファン化して商品やサービスの購入を促進できるようになります。

◉-2-3、認知度向上

認知度とは、名前だけでなく商品・サービスなどの価値が知られている度合いのことをいいます。

本を出版することによって、企業の認知度が上がって自社の商品やサービスの価値が顧客に認知されるようになり、集客や売上の向上につながります。

▶︎認知度向上については、関連記事【経営者必読!認知度向上の方法と効果的なマーケティングの選択肢】もあわせて参考にしてください。

◉-2-4、集客・マーケティング

本は自分でお金を支払って購入するものです。

そのため本を購入してくれた読者は、自社の商品やサービスに興味や関心のある潜在顧客だと考えられます。

この潜在顧客に本をじっくりと読んでもらうことで顧客教育につながり、より受注確度の高い顧客に引き上げることが可能です。

もちろん、潜在顧客の手元に出版した本を届けることができたという前提ではありますが、出版をうまく活用することができれば、潜在顧客や受注確度の高い集客が期待できるのです。 

一方で、集客・マーケティング戦略としての書籍出版にも1つだけ決定的な弱点があります。

それは、書籍を購入してくれた読者を追いかけられないことです。

書籍を購入してくれた方というのは見込み度合いの高いリードです。

書籍を購入してくれても「いきなり問い合わせするのはハードルが高い」「まだそこまでの温度感ではない」という方も多くいらっしゃいます。

そんな方に引き続きアプローチし続ける仕掛けを書籍に行うことで、見込み度合いの高いリードを獲得することができるのです。

弊社ではそういった書籍出版や配本だけではなく、出版後のリード獲得などにもつなげる施策を提供していますが、書籍を集客・マーケティングに最大限活用するのであれば、こういった書籍出版の弱点を補う施策もどんどん活用していく必要があります。

◉-3、出版後の活用方法

出版後に本が有効に活用されるか、ただ出版するだけで終わるかどうかは、出版前に活用方法を見据えて本の企画をしたかどうかによって決まります。

自費出版や企業出版で失敗したという事例の多くは、出版後の活用方法を見据えて企画がされていないことによるものがほとんどです。

出版前から本の活用を見据えて、以下のようなことをしっかり取り決めておきましょう。

・書店配本による認知度向上

・出版記念イベント、セミナーの開催

・マーケティングや営業ツールとしての活用

・SNSと連携したプロモーション活用

・各種情報発信などへの活用

それぞれ、くわしく解説していきます。

◉-3-1、書店配本による認知度向上

書店には富裕層や企業の経営者や役員など、さまざまな方が本を探しに来店します。

ネットやSNSなどを見ないような方も多数来店されるので、他の広告手法ではアプローチできないような顧客層との接点につながります。

また、書店には、なんらかの悩みを持った人が悩みの解決になるような本を探しに来ることもあるでしょう。

自分が持っている悩みに関連するジャンルの棚から本を探す際に、目に触れる機会があり認知度向上に役立ちます。

書籍の活用方法として書店配本はプロモーションの基本です。

出版を行うのであれば、一番最初に考えるべきものと言えます。

◉-3-2、出版記念イベント、セミナーの開催

本の出版をきっかけとした出版記念イベントやセミナーを開催することも活用方法として有効です。

本の認知度を自然と高めたり、本をきっかけに自社や商品・サービスの情報を多くの人にしってもらう良いきっかけにつながります。

ただ「この商品・サービスをぜひ使ってください!」と宣伝するより、「出版を記念してイベント・セミナーを開催します!」の方が売り込み感がなく、自然な流れで商品・サービスのプロモーションのきっかけを作るのに有効な方法と言えるでしょう。

また、出版記念イベントやセミナーでは、読者や顧客と直接つながる機会を作れるので、読者や顧客の興味や関心を惹くような強い訴求ができます。

◉-3-3、マーケティングや営業ツールとしての活用

本はマーケティングツールや営業ツールとしても有効活用できます。

たとえば、販促のためにターゲットに本を配布したり、顧客との商談の際にお渡しして信頼構築や顧客教育につなげたりすることが考えられます。

◉-3-4、SNSと連携したプロモーション活用

本には大量のコンテンツが集約されています。

その一部を切り取ってSNSなどで発信することもプロモーションのきっかけとなり有効です。

「本を出版しました!」という投稿だけではなく、その中身を小出しにして活用すれば、さまざまな角度、ターゲットに対して訴求する投稿が作れるため、それだけでSNS運用を行うことが可能になります。

「何を投稿すればいいのか」と投稿内容に悩むこともなくなります。

◉-3-5、各種情報発信などへの活用

本の著作権は著者(契約者)に帰属するので、コンテンツを二次利用してより効果的に情報発信することが可能です。

そのため、Webサイトやニュースレター、メールマガジンなどに本の一部のコンテンツを活用することで、相乗効果が期待できます。

たとえば、Webサイトに活用すればSEO対策につながりますし、ニュースレターやメールマガジンに活用すれば、読者の興味喚起や、見込み顧客への教育、アップセルなどにつなげることが期待できます。

本の内容は独自性の高いコンテンツなので、こういったデジタル媒体での二次利用は効果的です。

◉本を出すまでの流れ

実際に本を出すためには、次のような手順を踏むのが一般的です。

・本の企画

・原稿の執筆

・デザイン

・校正・校閲

・印刷・製本

本を出すまでにかかる期間としては、早くて3ヶ月程度です。

一般的には半年〜8ヶ月程度かかると見積もっておくと良いでしょう。

それぞれの手順についてくわしく見ていきましょう。

▶︎書籍出版の流れ、費用感、出版社の選び方などより詳しく知りたい場合には、関連記事【本の出版費用は?項目別の目安や成果を出すために意識すべき「出版社の選び方」も解説】もあわせて参考にしてください。

◉-1、本の企画

まず「本を出したい」と思ったら、本のコンセプトとターゲットを決めることが重要です。

具体的には、次のようなことを決める必要があります。

・なぜ本を書くのか?

・誰に読んでもらうのか?

・何を伝えるのか?

また、ターゲットに本を届けるためのプロモーションについても検討しておく必要があります。

本の企画に要する期間は約2週間~2か月程度です。

◉-2、原稿の執筆

本の企画が終わると、構成案を起こし、原稿を執筆していきます。

もしライターに執筆してもらう場合は、ライターからの取材を複数回受けて、それを元に書いてもらうことになります。

また、本の中で使う写真・図表・イラストなどの準備も必要です。

原稿執筆や写真・図表・イラストなどの準備に必要な期間は約2週間~4か月程度です。

◉-3、デザイン

原稿が完成すると、本の内容に合った表紙や誌面のデザインやレイアウトを決めていきます。

デザインに必要な期間は約2週間~1か月程度です。

◉-4、校正・校閲

デザインが完了すると紙やPDFに出力して校正を行い、誤字脱字や表記ゆれがないか、イメージ通りのデザインになっているか、写真や図表・イラストは適切かなどについてチェックをする校正を行います。

同時に校閲(ファクトチェック)を行い事実関係に誤りがないことを確認します。

校正・校閲に必要な期間は約2週間~1か月程度です。

◉-5、印刷・製本

校正が終わって校了すると、出版社から印刷会社に本のデータを入稿します。

印刷会社から色校正が提示されるので、インクのノリ具合や写真の色味を確認して問題がなければ印刷・製本されて納品されます。

印刷・製本に必要な期間は約1か月程度です。

◉本を出してビジネスが発展した成功事例

ここでは、実際に本を出版してビジネスの発展につながった成功事例を紹介します

◉-1、保険代理店の出版事例

法人をメインターゲットとして営業しているある保険代理店の経営者は、保険業界における人材育成と給与体系に関する持論を公開するために本を出版しました。

本の中で、保険業界で当たり前に行われている「成果報酬型」の給与体系を、自社でも取り入れて業績向上に寄与している「一律報酬型」に変えることを提唱。

これは、一部のスーパー営業マンに頼った経営から、社員をアベレージヒッターに育成して、全員で支えていく経営に変えることによって業績拡大できることを紹介したものです。

情報量が大きく信頼性の高い本というメディアを使って持論を展開したことで、多くの業界関係者から共感を得られ、自社のブランディングに成功。

本業の保険代理店の保険契約数が伸長したのはもちろんのこと、新規事業であるコンサルティングの新規契約を獲得できたという大きな効果が得られました。

本来の出版目的であった、同業の保険代理店からのコンサル依頼がまず数件。そして驚いたのは、保険会社から講演の依頼が来たり同業支援の話が回ってきたりと、「保険会社にとって頼れる代理店」というありがたいイメージを持ってもらえるようになったことです。
引用元:【事例コラム】大口案件の集客、人材採用、大手企業からの講演依頼!出版ですごいことになった保険代理店

◉-2、不動産会社の出版事例

不動産投資サービスを営む不動産会社の経営者は、高収入でありながら多忙なため節税対策を考える暇がなく高額納税をしている医師をターゲットとして、SNSやウェブ広告などを利用して情報発信を行っていました。

しかし期待通りの効果が得られないことから、「医師の節税対策として最も効果的なのは不動産投資である」という内容の本を出版。

本の企画段階から、医師を対象としたマーケティング戦略やプロモーション戦略を立案して実践したことにより、多くの医師に本を購入してもらうことに成功しました。

出版後は、本を購入した医師からの問い合わせが相次ぎ、「不動産投資に大きな節税効果があること」を認知してもらい売上が倍増。

また、既存顧客の医師が知り合いの医師に紹介してくれたりして口コミが広がり、新規顧客の獲得にもつながりました。

◉「本を出したい!」という方からいただくよくある質問

ここでは「本を出したい!」という方からいただく、よくある質問に対する回答を紹介します。

◉-1、出版による費用対効果は良いか?

単に本を出版しただけでは費用対効果は良くはなりません。

本の企画段階で、出版後にどのように活用するのかを見据えて、ターゲットの設定や本の内容の検討、プロモーションの方法などを検討することによって費用対効果を高められます。

◉-2、ビジネスのどのようなフェーズで出版は有効?

たとえば、企業が次のような状況で本を出版することが有効です。

・すでに多くの広告手法やマーケティング手法を実践してきているものの、徐々に効果が低くなってきている場合

・売上や利益は安定して上がってきて従業員も増えてきており、業界内での自社の地位をいま一歩高めたい場合

・企業としての社会的信頼性を高めたい場合

◉-3、出版に向き・不向きはある?

本の出版は、企業に長期的な視点での効果をもたらすので、ブランディングや認知度向上、社会的信頼性の向上などには向いています。

一方、今すぐ集客効果を得たいというような短期的な目的には不向きです。

すぐに集客効果を得たい場合には、デジタル広告などの活用が有効です。

◉【まとめ】本を出すのは意外と簡単!それをどう活かしていくのかの方が重要

本記事では、本を出したいときにやるべきことについてくわしく解説しました。

株式会社フォーウェイでは、大手出版社の編集者経験があるスタッフが、本の企画から出版後の本を活用したマーケティングまでを一括でサポートする、ブックマーケティングサービスを提供しています。

「本を出したい」という希望をお持ちの方は、ぜひ株式会社フォーウェイまでご相談ください。

潜在顧客を掘り起こして新規の問い合わせを獲得することは、ほとんどの企業が課題としていることの1つです。

なぜなら、ビジネスの成長と発展のためには、新規問い合わせをしてくる潜在顧客を見込み顧客に育成して成約につなげることが重要だからです。

しかし、いろいろな施策を実践していくうちに、どのような方法が問い合わせの獲得や増加に適しているのかを見失ってしまうことがあります。

本記事では、新規の問い合わせを増やすためにまず検討すべき7つの施策についてくわしく解説します。

目次【本記事の内容】

執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)

慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。

◉問い合わせを増やす方法は主に2種類しかない

問い合わせを増やす方法は主に次の2種類しかありません。

・見込み顧客の数を増やす

・問い合わせ率を向上させる

以下で、くわしく見ていきましょう。

◉-1、見込み顧客の数を増やす

見込み顧客の数を増やすためには、新たなターゲット層にアプローチして、いかに見込み顧客に引き上げていくかがポイントとなります。

新しいターゲット層へのアプローチ手段としては、Web広告の活用やSNS活用、SEO対策などが有効です。

具体的には、Web広告やSNSへの投稿などによって潜在顧客に自社の商品やサービスの魅力を認知させて自社のWebサイトやお問合せフォームに誘導したり、SEO対策によって検索結果画面から自社のWebサイトへのアクセス数を増やしたりして、見込み顧客の総数を増やしていきます。

◉-2、問い合わせ率を向上させる

見込み顧客の総数が増えたとしても、問い合わせ率が低ければ新規問い合わせ数は伸びにくくなります。

広告やSNS、SEO対策などによって自社のWebサイトへのアクセス数が増えているのに、問い合わせが増えないのは、Webサイト自体での訴求が弱く、問い合わせ率が低いからです。

次のような施策によって、見込み顧客の興味や関心を獲得できれば、問い合わせ率が高くなって問い合わせの増加につながります。

・Webサイトやランディングページ(LP)の改善

・コンテンツの質の向上

・信頼性のある導入事例の掲載

・お客様の声などの第三者視点のコンテンツの掲載

また、Webサイトやランディングページ(LP)を訪問した見込み顧客が問い合わせをしようと思っても、問い合わせフォームへの動線が適切でなければ問い合わせは増えにくくなってしまいまいます。

たとえば、問い合わせフォームがどこにあるか分からないなどがよくある失敗例です。

Webサイトやランディングページ(LP)の改善の一環として、問い合わせフォームまでの導線をわかりやすくするのも重要です。

◉問い合わせを増やすために検討すべき7つの施策

「問い合わせを増やしたい」と思ったら、次の7つの施策を行えないかを検討してみましょう。

・広告活用

・SNS活用

・SEO対策

・導入事例やお客様の声・レビューの掲載

・アナログ施策との連携

・Webサイト・LPの改善

・リードナーチャリングによる継続的なアプローチ

それぞれの施策について、くわしく見ていきましょう。

◉-1、広告活用

世の中には多くの広告手法がありますが、大きくデジタル広告とアナログ広告に分けられます。

デジタル広告とは、Web広告やSNS広告のようにデジタル媒体で行われる広告手法です。

一方、アナログ広告とは、テレビ広告、新聞広告、チラシ、パンフレット、書籍などのデジタル媒体以外で行われる広告手法です。

どの広告手法を採用するかによってアプローチできるターゲット層が異なります。

問い合わせをしてもらいたいターゲット層に一番リーチできそうな広告手法を選ぶことが重要です。

◉-2、SNS活用

SNSは見込み顧客と直接つながるための強力なコミュニケーションツールです。

SNSごとに特徴があり、メインの利用者の性別や年代が異なっています。

そのため、各SNSの特徴や、どのようなユーザー層が利用しているのかなどを知ったうえでSNSを選び、ターゲット層とのコミュニケーションを深めて問い合わせの増加につなげる必要があります。

たとえば、X(旧Twitter)は20代のユーザーが多く(※1)、匿名アカウントが使えるので、気軽に発信ができて拡散性が高いという特徴があります。

一方で、Facebookは実名アカウントが原則で30代~40代のユーザーが多い(※1)傾向があります。

LINEは月間ユーザー数が9,500万人(2023年6月末時点)(※2)と、日本人の約8割程度が利用している日本最大の利用率を誇るSNSです。

60代を除く10代〜50代の全世代のユーザー90%以上が利用しています。(※1)

SNS活用で問い合わせの獲得を行っていく際に重要なのが、SNSは集客ツールではなく、顧客とのコミュニケーションを通じて自社や商品・サービスのファンを獲得していくためのツールだということです。

実際に、集客ツールと勘違いして、こちらが発信したい情報ばかりを投稿してしまったり、宣伝投稿ばかりをしてしまうと、フォロワーから反応が返ってきにくくなってしまいます。「新規問い合わせ数」のように、集客ツールでよく用いられるKPI設定は、SNSの性質上あまり効果的とは言えません。

むしろ、エンゲージメント率(投稿に対してユーザーがどれだけ反応を示したか?)や、UGCの数などをKPIとしていくのがおすすめです。。

参考※1:総務省情報通信政策研究所『令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書』

参考※2:LINEキャンパス『LINEユーザーはどんな人?』

◉-3、SEO対策

SEO対策(検索エンジン最適化)を行って、見込み顧客が検索をしたときに自社の商品やサービスの情報が見つけやすくなるようにするなども、新規問い合わせ増加に有効です。

効果的なキーワードの選定、コンテンツの最適化、内部リンクの整備などのSEO対策を行うことによって、自社のWebサイトを訪れる見込み顧客が増えていけば、それに応じて問い合わせも増えていくようになります。

◉-4、導入事例やお客様の声・レビューの掲載

自社の商品やサービスの導入事例、お客様の声・レビューは第三者視点の情報になるので、自社のWebサイトやSNSを訪れる顧客からの信頼を得るために重要なコンテンツと言えます。

導入事例やお客様の声・レビューを掲載する際は、次の2点に注意する必要があります。

・明らかにサクラと思われるような低品質なコンテンツを掲載しない

・メリットばかりでなくデメリットにも触れる

特に近年は「やらせ」での広告を規制する、ステルスマーケティング規制が厳しくなっているということもあり、ユーザーも「やらせ」に敏感です。

そう思われないように、お客様と撮影した写真が掲載できるのであれば掲載したり、「お客様の声」や「導入事例」がサクラだと思われないようなリアリティのある内容を作成していく必要があります。

◉-5、アナログ施策との連携

アナログ施策とデジタル施策を連携して行うことで、デジタル施策だけではアプローチできない顧客にリーチできたり、相乗効果を得られたり、さまざまなメリットがあります。

アナログ施策の特徴は「訴求力の強さ」や「文章の読まれやすさ」などであり、デジタル施策の「訴求力の弱さ」や「文章の読まれにくさ」という弱みを補完することができます。

たとえば、見込み度合いが高いターゲットには紙媒体のDMを送付、見込み度合いがそれほど高くないターゲットにはフォーム営業のようにデジタル施策でアプローチするなどです。

適切に連携していくことで、新規の問い合わせを効率的に獲得していくことにつながります。

デジタル施策を実践してみたものの、なかなか新規問い合わせに繋がらなかったという方は、次のようなアナログ施策との連携がおすすめです。

◉-5-1、書籍出版

書籍を出版すると、その分野での専門家と認識されるので、専門性や信頼性を訴求できるようになります。

また、デジタル施策ではアプローチが難しい高齢者や富裕者、経営者のようなターゲット層にまでリーチを広げられる可能性があります。

書籍自体が社会的信頼性の高い媒体のため、業界内での認知度の向上も期待できます。

株式会社フォーウェイでは、新規の問い合わせ獲得を目的とした書籍のマーケティング活用サービスを提供しています。(ブックマーケティングや企業出版といいます)

◉-5-2、パンフレット制作

複数の商品やサービスを並べて比較検討する場合は、パンフレットのようなアナログ媒体の方が新規問い合わせ獲得につながる可能性が高くなります。

また、パンフレットのような紙媒体は長期的な問い合わせの増加に有効です。

パンフレットは紙媒体なので見込み顧客が捨てない限り、見込み顧客の手元に残ります。

ふと思い出した時に見返して問い合わせをしてくる、という可能性も十分あるのです。

株式会社フォーウェイでは、パンフレットをマーケティングに活用する「パンフレット制作サービス」も提供しています。

◉-5-3、セミナー・イベントの開催

セミナーやイベントを開催すると、直接のターゲットとなる方をお誘いしてアプローチすることが可能です。

対面で強く訴求できるので、問い合わせの増加につながりやすいのが最大の強みです。

セミナーやイベントの開催告知、集客を事前に行う手間や会場費用などが必要になりますが、問い合わせの増加には有効な施策と言えるでしょう。

◉-6、Webサイト・LPの改善

せっかくWebサイトやLPを訪れてくれた顧客に、自社の商品やサービスの内容を適切に伝えられなかったり、自分には関係のない商品やサービスだと思われてしまったりすると、問い合わせの数が増えにくくなってしまいます。

自社のWebサイトやランディングページ(LP)をより魅力的にして、ターゲット層に効果的に訴求できるような構成や内容に改善することが必要です。

より魅力的なWebサイトやLPに改善することによって、流れてきた見込み顧客の心をつかんで問い合わせの増加につなげることができます。

◉-7、リードナーチャリングによる継続的なアプローチ

「たまたまタイミングが合ったから問い合わせをした」ということもよくあります。

アプローチするタイミングによって見込み顧客の購買意欲は変化するのです。

そのため、一度アプローチしてダメだった見込み顧客であっても、継続的にフォローしていくことで、問い合わせ獲得につながる可能性があります。

継続的に見込み顧客にアプローチするリードナーチャリングの仕組みを構築することによって問い合わせの増加につなげることが可能です。

◉自社に合った施策を戦略的に実行することが重要!

企業によって商品やサービスが異なり、ターゲット層も違います。

また、今は個人のニーズが複雑に多様化してきているということもあり、ひと昔前にあったような「この施策を行えば問い合わせが必ず増加する」という絶対的なセオリーは存在しません。

自社それぞれの商品・サービスやターゲット層に合わせて、最適な施策を戦略的に選択して実行することが問い合わせを増やす一番の近道です。

盲目的にいろいろな施策を闇雲に実行していくことはおすすめできません。

◉自社にとって最適な施策で問い合わせを増やした成功事例

ここでは、自社にとって最適な施策を行って問い合わせを増やした3つの事例を紹介します。

◉-1、デジタル広告が効果無し!書籍出版によりターゲット層からの問い合わせ増

不動産投資サービスを行っている不動産会社の経営者は、従来からSNS広告やWeb広告などのデジタル施策を実践していましたが、なかなか期待した通りの効果が得られずに悩んでいました。

そこで、ターゲット層である医師に「高収入な医師に最も効果的な節税対策は不動産投資である」ことを訴求するための書籍を出版。

書籍のタイトルを『収益と節税力を最大化 医師の不動産投資超入門』として、医師のための本であり、節税のための本であることを明確にしました。

また、書籍の企画段階から、ターゲット層である医師に確実に書籍を届けるためのプロモーション戦略を練り、出版前からSNSで事前告知を行いました。

書籍出版後は、これらのプロモーションが功を奏して、多くの医師に読んでもらって不動産投資に大きな節税効果があることを認知してもらえ、問い合わせが急増。

問い合わせの増加に伴って売上も倍増し、既存顧客からの口コミや書籍の配布などによって評判が広がり、新規顧客の獲得にもつながっています。

◉-2、BtoBの集客方法を模索!書籍出版を選び問い合わせ増

ある保険代理店の経営者は、BtoB営業における集客手段を模索していました。

そんな中、「中小企業として従業員数も売上もある程度の規模になり、次のステージにいきたい」という想いもあって、書籍出版を選択。

結果として、大口の案件相談が来たり、当初の目的であったBtoBの集客に成功しています。

本来の出版目的であった、同業の保険代理店からのコンサル依頼がまず数件。そして驚いたのは、保険会社から講演の依頼が来たり同業支援の話が回ってきたりと、「保険会社にとって頼れる代理店」というありがたいイメージを持ってもらえるようになったことです。
引用元:【事例コラム】大口案件の集客、人材採用、大手企業からの講演依頼!出版ですごいことになった保険代理店

書籍のタイトルは『人材が続々集まる、メキメキ育つ!スゴい保険代理店経営』で、書籍の中では、保険業界では当たり前の「成果報酬型」の給与体系を、自社でも採用している「一律報酬型」に変えることによって業績向上ができるという持論を訴えました。

つまり、一部のスーパー営業マンに頼った経営から、社員を育成して全社員総当たりの経営に変えることによって業績が向上することを書籍にまとめたのです。

保険業界の従来の慣行と反対の持論を展開したわけですが、非常に多くの業界関係者から共感を得られ、自社のブランディングにも成功。

保険の契約数が飛躍的に伸長し、大手保険会社から講演依頼が来るようになりました。

さらに、新規事業のコンサルティング契約を獲得することにも成功しました。

◉-3、ターゲット層へのピンポイントのアプローチにより問い合わせ増

製造業を対象として工場向けのコンサルティングサービスを行っているある会社の経営者は、従来からターゲット層が限定されているためアプローチ方法に困っていました。

顧客への説明に時間がかかるため営業リードタイムが長くなることや、コンサルティング費用が高単価なために受注率が低いことも悩みのタネでした。

そこで、書籍をマーケティングに活用するブックマーケティング施策を取り入れて書籍を出版。

「ファクトリーオートメーションによって製造業の人材不足を解決し、経営効率化と利益の最大化ができる」というメッセージを伝えました。

書籍を出版してからの約1か月で10件以上の問い合わせがあり、今までリーチできていなかった新しい分野の企業からの問い合わせも増えています。

問い合わせをしてくる顧客は、すでに本を読んでくれているため従来のように説明に長い時間がかかることもなく、新規契約の獲得という成果を得ることができたのです。

◉【まとめ】自社にとって最適な施策を検討しよう!

本記事では新規の問い合わせを増やす方法についてくわしく解説しました。

デジタル施策の全盛期とも言われる状況ですが、すべてのターゲット層がデジタル施策だけでカバーできるわけではありません。

たとえば、「アナログの紙媒体を並べて見比べながら検討したい」といったアナログ施策へのニーズも根強くあるのです。

デジタル施策とアナログ施策をうまく組み合わせて、アプローチできるターゲット層を広げたり、アナログ媒体を必要とするニーズに応えたりすることが問い合わせを増やすためには有効です。

自社の商品やサービスやターゲット層に合わせて、自社にとって最適な施策を選んで実行することが問い合わせを増やす最善の方法といえるでしょう。

株式会社フォーウェイでは、書籍をマーケティングに活用するブックマーケティングサービスやパンフレット制作サービスを行って、お客様のコンテンツマーケティング施策を強力にバックアップします。

「新規の問い合わせを獲得したい」という要望をお持ちの方は、ぜひ株式会社フォーウェイまでご相談ください。

コンサルティングサービスは、顧客側からすると費用対効果が分かりづらい代表的なビジネスの1つです。

そのため、どんな素晴らしいサービスを提供しているコンサルタントであっても、実績や知名度がない状態では、依頼してもらえるまでのハードルが高く、なかなか成約に至らないのが現実です。

もっと言えば、実績や知名度がなければ、見込み顧客の集客も難しいのが実情です。

このように、コンサルタントで集客に関する悩みを抱えている方は、意外と多いのではないでしょうか。

本記事では、集客できないと悩むコンサルタントが、見込み顧客との信頼性を獲得し、効率的かつ効果的に集客できる手段を詳しく解説します。

目次【本記事の内容】

執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)

慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。

◉コンサルタントの集客が難しい理由

コンサルタントの集客が難しい最大の理由は、サービス内容などの分かりにくさにあります。

そういった分かりにくさを払拭することができずに、次のような理由で集客に苦戦しているコンサルタントが多いようです。

◉-1、自分の強みをうまく発信できていない

少しでも多くの仕事が欲しいコンサルタントは「どんなことでも相談に乗ります」というアピールをしがちです。

これは、特に独立したばかりのコンサルタントに多く見られる傾向です。

これは「顧客からのどんな依頼にも応えて多くの受注を獲得したい」と考えてのことですが、そのことがかえってコンサルタント本人の狙いとは逆に集客を難しくする一因になっています。

実際に依頼する顧客側の視点で考えると、何が専門なのかが分からず、「依頼しても的確なアドバイスが得られないかもしれない」と思って依頼しにくいのです。

たとえば、自社のIT情報システムに課題があることが分かっているときには、「何でもサポートできます」というコンサルタントよりは「IT分野ならお任せください」というコンサルタントを選ぶのではないでしょうか。

もっと言えば、「IT情報システムの見直しや再構築ならお任せください」とより具体的にアピールしているコンサルタントの方が「この人にお願いしたい」と思ってもらいやすくなります。

主なコンサルタントの専門領域としては、経営、業務改善、IT、マーケティング、財務、人事、事業再生などがあります。

自分がどの分野に強く、かつ顧客にどのようなメリットをもたらすことができるのかを明確に発信していくことが重要です。

◉-2、見込み顧客に向けての信頼性の欠如

コンサルタントが見込み客に自身のサービスをアピールしたとしても、簡単には信頼してもらえません。

なぜなら、コンサルタントは肩書きだけで信頼されるような職種ではないためです。

コンサルタントには、弁護士や税理士などのように公的な資格などがありません。

極端に言えば、コンサルタントと名乗れば誰でもなれてしまう職種であり、肩書きだけでは信用されにくい職種です。

そんな中で、見込み顧客の信頼を獲得するためには、自身のこれまでの経歴や、コンサルティング実績、それに代わるエビデンスを明確に示していく必要があります。

それがコンサルタントの集客を難しくしている要因の1つです。

◉-3、知名度やブランド力の不足

コンサルタントの知名度やブランド力が不足している場合も集客が難しくなります。

なぜなら、知名度やブランド力が不足していると、どんなに高品質なサービスを提供していたとしても、顧客側の依頼候補先として上がりにくいためです。

たとえば、「SEOコンサルタント」とネットで検索した際に、せいぜい担当者が見るのは検索結果の2〜3ページ目程度です。

もし8ページに表示されていたとしても、見てもらえないでしょう。

このように、知名度やブランド力が不足していると、どんなに良いサービスを提供している優秀なコンサルタントでも、顧客側の候補先としても上がりにくくなります。

どうしても知名度やブランド力の強いコンサルタントに依頼が集中してしまい、それらが不足しているコンサルタントに依頼が来にくい、というのも集客が難しいと言われる要因の1つと言えるでしょう。

◉-4、集客につながるマーケティング手法が打てていない

コンサルタントが効果的なマーケティング手法を実施していない場合も、集客は難しくなります。

なぜなら、コンサルティング業を営んでいる競合他社は数多くいるからです。

競合が多いため、マーケティングをすることなく集客ができるような業種ではありません(もちろん、例外もあります)。

たとえば、コンサルタントには、外部からの視点で経営課題を把握し、論理的に分析し、目標を達成するための解決策を示す能力が求められますが、コンサルティング契約を結ぶ時点ではその能力を持っているかどうかは分かりません。

ホームページやコラム、SNSなどでの発信情報、セミナーでの講義内容などから、信頼に足るコンサルタントであることが確信できなければ、相談をしてもらうことはもちろん成約に至ることはありえません。

そのため、コンサルタントにとって、マーケティングは集客を行う上で必要不可欠なものであることを認識しておく必要があります。

◉コンサルはまずクライアントを知ることから

集客につながるマーケティング施策を検討するためには、見込み顧客がどうやってコンサルタントを探すのかを、まず知ることからです。

なぜなら、顧客企業のコンサルタント選定がどのように行われているのかを知らずに、マーケティング施策を考えることはできないからです。

一般的にコンサルタントは、次のような過程を踏んで選定されます(あくまで一般例です。例外もあります)。

  • 1.社内に経営課題が見つかり、外部の視点を入れた解決の必要性が生じる
  • 2.その経営課題に対応できるコンサルタントを探す
  • 3.対応可能な複数のコンサルタントの実力や課題解決能力を知る
  • 4.対応可能な複数のコンサルタントを比較して依頼先を決める

このコンサルタントの選定過程からわかることは、まず最初の「コンサルタント探し」の段階で「自分の存在に気づいてもらうこと」、すなわち「認知してもらうこと」の重要性です。

また、そもそも見込み顧客はなぜコンサルタントに社内の課題解決を依頼しようとするのかについても知る必要がありますが、それは次の3つに集約することができます。

  • 第三者視点からの客観的な評価や分析
  • 課題解決のスピードアップ
  • 課題解決能力や知識、ノウハウの習得

このように、見込み顧客がどのような時にコンサルタントへの依頼を検討し、どのようなプロセスで選ぶのかは、最低限知っておくべきことと言えるでしょう。

◉コンサルが集客施策を実行するときの心構え

ここからは、コンサルタントが集客施策を実行する際に、心がけておきたい3つのポイントについて解説していきます。

◉-1、相談しやすい受け皿を作る

コンサルタントは、そもそも見込み顧客側にとってサービス内容や専門性、経歴や実績などが分かりづらい職種です。

見込み顧客にとって相談ハードルが高くなりやすい職種とも言えます。

そのため、見込み顧客が相談しやすい仕組みを作り、相談ハードルを下げることを心がけていく必要があります。

たとえば「集客コンサルタント」であれば、「企業の広報担当者向けのSNS集客セミナー」「企業の広報担当者向けのブログ集客セミナー」など、ターゲットを絞り込んだ具体的な無料セミナーを企画するなどです。

そういったセミナーに集まった方々に、無料相談などのサービスを提供し、お悩みを聞いた上で解決策を提案していきます。

このように、「集客のことならなんでも相談ください」というスタンスではなく、「自分が顧客側だったら」という視点で、顧客が相談しやすい仕組みを構築していく必要があります。

◉-2、人脈(ネットワーク)を作る

コンサルタントは、見ず知らずの第三者からの依頼ではなく、知人からの紹介など人とのネットワークを介した相談や仕事の依頼が最も多いと言われています。

そのため、まずは自分の人脈をフルに活用して集客を図ることが大切です。

顧客側からすれば、全く知らない人よりも、信頼できる友人や知人に紹介してもらった人の方が、相談しやすいものです。

また、「友人や知人が紹介してくれるコンサルタントだから」と信頼も得やすくなります。

コンサルタントとして集客に困っている方は、Web広告やSNSなどに目が向いてしまいがちですが、人脈を活用した方が早く確実に成約につながりやすくなります。まずは「人脈を活用して集客ができないか」を考えてみましょう。

過去に勤めていた会社の同僚や、その際に知り合った知人など既存のネットワークを大切にしていくことはもちろん、異業種交流会や勉強会、各種セミナーなどに顔を出すことで人脈を広げることができます。

また、このような場で自分の強みや得意分野について紹介して、認知度を上げるようにしましょう。

◉-3、フォローアップを忘れない

コンサルタントの中には、実績を上げるために新規顧客の獲得にばかり熱心な方がいます。

しかし、既存の顧客のフォローアップも忘れずに行う必要があります。

なぜなら、リピーターになってくれたり、長期契約や顧問契約に発展したりして売り上げの安定化につながる可能性があるからです。

さらに、既存の顧客が知人を紹介してくれて新規顧客の獲得につながることもあります。

フォローアップにはいろいろな方法がありますが、たとえば定期的にメルマガやDMを発信して、有益な情報を届けるという方法が考えられます。

このように、既存の顧客一人ひとりにしっかりと応えてきめ細かに対応することが、経営の安定化や新規顧客獲得につながるということを忘れてはいけません。

◉コンサルタントに適した集客手段とは

集客する手段としては、多くの選択肢がありますが、職種によって向き不向きがあります。

ここからは、コンサルタントに適した集客手段をいくつかご紹介いたします。

◉-1、ホームページ制作とコンテンツマーケティングを実践

コンサルタントの集客手段としてホームページの制作は必要不可欠です。

なぜなら、「依頼する前にまずはホームページを見る」という顧客が多いからです。

いくら良いサービスを提供していたとしても、「誰が提供するのか?」は誰でも気になるものです。特にコンサルタントのような、自身のビジネスにとって重要な助言をもらう存在であればなおさらです。

また、HPがあれば、コンテンツマーケティングを行うことが可能です。

コンテンツマーケティングにおいては、開設したホームページに自分の専門領域や実績を掲載し、加えて顧客にとって有益な情報をコラムなどの形で発信していきます。

これによって、自分の強みやノウハウなどが言語化されて顧客に伝わりますし、SEO対策を行うことによって、検索エンジンで検索結果の上位に表示されることも可能となります。

つまり、問い合わせや相談の機会が増加して、それに伴う成約率アップの可能性が高まるということです。

◉-2、チラシやパンフレット、名刺のコンテンツ化

紙媒体のチラシやパンフレット、名刺をコンテンツ化して集客を図る方法もあります。

インターネットやSNSの時代だからこそ紙媒体のチラシやパンフレット、名刺を見込み客などに配布することは集客に効果的です。

チラシやパンフレット、名刺に経営理念、経歴、専門分野、コンサル実績などのブランディングを意識したコンテンツを掲載するなど工夫すれば、顧客から興味を持ってもらえる可能性があります。

また、自分自身が力を入れて発信している媒体(SNSやブログ、自社サイトなど)のQRコードを掲載するのも有効です。

パンフレット

◉-3、SNSで自己PRと情報発信

SNSによる情報発信もコンサルタントの集客手段として有効です。

SNSで発信した情報は「いいね」や「シェア」「リポスト」などによって拡散されます。思わぬ人や企業に伝わって、認知や集客につながる可能性があります。

SNSで発信される情報の種類は千差万別なので、多くの情報の中に埋もれてしまわないように、独自性を持たせた専門分野の豆知識やTIPSなどを定期的に投稿することがコツです。

SNSの投稿は比較的気軽に行えることがメリットですが、ホームページのコンテンツと同様に手間がかかるという点や、集客できるまでには時間がかかる点には注意しましょう。

◉-4、セミナーを開催

自分の得意分野や専門分野をテーマとするセミナーを開催することも有効です。

なぜなら、セミナーにはテーマに関心のある顧客が有益な情報を求めて参加しているためです。

また、そういった受講者と直接話をする機会を持つことができるのもメリットです。

受講者の中には、テーマに関心があるだけではなく、他にも具体的な課題を抱えた方がいる可能性もあり、コンサル契約に発展することも十分に考えられます。

自分の得意分野や専門分野に関するセミナーということもあり、自ずと自信にあふれた講義ができるので、ブランディングという点からも効果的です。

◉-5、書籍を出版

自分の専門分野に関する書籍を出版し、全国の書店に流通させることも集客に有効な手段の1つです。

「書籍が持つ信頼性の高さ」は他のメディア以上です。そのため、書籍は自身のブランディングという点でも非常に効果があります。

また、書籍の情報量はホームページのコラムやチラシ、パンフレット、SNS投稿などよりも多いため、自分が顧客に伝えたいことを余すことなく掲載することができます。

ちなみに、一般的な書籍のページ数は200ページ程度で、文字数は7万~10万文字程度です。

紙媒体のA4判のチラシの文字数は1,000文字〜2,000文字程度ですから、書籍では比較にならないほどの情報を伝えることができることがわかります。

しかし、出版するだけではダメです。出版しても、ターゲットとなる見込み顧客に読んでもらえなければ意味がありません。そこで重要になってくるのが、ブックマーケティングです。

◉ブックマーケティング(企業出版)の重要性

コンサルタントが書籍を出版したとしても、単に自分が配るだけの名刺代わりの書籍で終わってしまっていては意味がありません。

書籍をマーケティングの一部として活用し、コンサルタント自身の強みなどを伝え、問い合わせなどの集客につながるような取り組みをしていく必要があります。

そこで重要になってくるのがブックマーケティングです。

ブックマーケティングは、書籍を単に出版社の販路だけではなく、あらゆる情報発信の手段を活用し、ターゲットとなる見込み顧客に届けて問い合わせなど、集客面で貢献させるマーケティング施策です。

ブックマーケティングを実施する際の重要事項について、以下で具体的に説明します。

◉-1、事業ターゲットの理解と的確なアプローチ

ブックマーケティングを行う際には、書籍の企画段階からターゲットの明確化とアプローチ方法を決めておく必要があります。

つまり、出版する書籍を誰に読んでもらって、何を伝えるのかということを決めておき、さらにそのターゲットに確実に届けるためのプロモーションまでを想定しておくことが大切です。

◉-2、効果的なコンテンツ戦略の立案と事例の紹介

書籍のターゲットと伝えたいことが決まったら、次は具体的なコンテンツを練り上げていく段階です。

編集者とともにターゲットの課題に寄り添うコンテンツを作り上げていきます。コンテンツの中に、自然な形で自分自身の実績もできるだけ事例として掲載していくことを心がけましょう。

◉-3、書店でプロモーションを実践

書籍が完成すると、具体的なプロモーション計画を立てます。

ブックマーケティングの場合は、あくまで書籍はマーケティングのためのツールですから、確実にターゲットの目にとまる書店の書棚に並べて、書籍テーマに関心のある方やニーズのある方に購入してもらうようにしなければなりません。

ブックマーケティングのゴールは書籍を売ることではなく、書籍を読んだ見込み客の集客をはじめとして、ビジネスメリットを達成するための手段であることにあります。

◉-4、書籍コンテンツを二次利用してSNSやWEBサイトを強化

ブックマーケティングで出版した書籍コンテンツは、著作権が著者にあるため、二次利用できます。

たとえば、書籍の一部をホームページのコラムやブログに掲載してSEO対策に活用したり、SNSで発信したりすることも可能です。

このように、書籍コンテンツをあらゆる媒体に活用し、マーケティング効果を最大化することができます。

◉-5、営業ツールや紹介ツールとして書籍を活用

ブックマーケティングで出版した書籍を、営業ツールとして配布したりすることができます。

また、自分で配布する以外にも、見込み顧客や知人に配布しておくことで、思わぬ集客や相談につながる可能性があります。

◉-6、書籍テーマでセミナーを開催

ブックマーケティングで出版した書籍のテーマでセミナーを開催することもできます。

書籍は全国規模で流通しますので、興味や関心のある見込み顧客や書籍の内容に共感した潜在顧客などが全国から参加してくれる可能性があります。

さらに、セミナー後に名刺交換会や懇談会を設けることによって、集客や具体的案件の相談などにつながる可能性があります。

▶️ブックマーケティングの詳細については、関連記事【ブックマーケティングとは?メリットや効果的な戦略の作り方】もあわせて参考にしてください。

◉コンサルタントのブックマーケティング成功事例

コンサルタントのような、顧客から依頼してもらえるまでのハードルが高く、顧客との信頼関係の構築が重要なビジネスを行っている方にとって、ブックマーケティングは相性の良いマーケティング手法です。

実際に、コンサルタントがブックマーケティングを行って集客に成功した事例を2件ご紹介します。

◉-1、事例①:ターゲット特化してその道の専門家としてブランディング

建設業専門のコンサルタントの事例です。

この方は、自身の商圏での開拓はある程度行ってきていましたが、次のステージにすすむために、知名度の向上と商圏の拡大を狙って書籍を出版しました。

書籍のタイトルに「建設業のための」という文言を入れたことによって、狙い通りのターゲットにダイレクトにアプローチすることができ、さらには書籍の配本を首都圏中心に行うことによって「商圏の拡大」にもつながりました。出版の翌日から問い合わせが殺到し、複数件の顧問契約獲得につながっています。

このように、ターゲットに特化した専門家であることを世間に認知させ、ブランディングを行っていくために、ブックマーケティングは有効な手段と言えます。

通常、本は販売部数を増やすために、「できるだけ多くの人に読んでもらいたい」という意図でタイトル付けをするものです。今回の書籍であれば、「建設業のための」と入れることによって、ターゲットが一気に狭まってしまうため、販売できる可能性のある部数が減ってしまいます。

しかし、書籍を通じでどのようなブランディングを行っていきたいのか、の目的を企画段階で明確にしていたからこそ、書籍のタイトルに「建設業のための」という、ターゲットを狭めながらも狙った読者層からの集客をイメージした文言を入れる決断ができたのです。

このように、通常の出版とは違う考え方で、マーケティングのツールの1つとして企画し、出版していくのがブックマーケティングです。

◉-2、事例②:得意分野をコンテンツ化してその分野のNo.1へ

日本では起業した会社の約6割が1年以内に廃業しているという現実がありますが、資金調達支援のコンサルタントである著者は「適切な融資の下、創業者が夢を実現できるように」という思いから書籍を出版しました。

書籍の中では、自らが立ち上げた会社が創業後3年間に8200万円の融資を受けて事業を軌道に乗せることができた実績を元に、中小企業でも高額の融資が受けられるという秘訣を公開。

自社が得意とするWebやSNSのコンテンツ化によって、問い合わせ件数が3~4倍に増加して受注件数が伸び、その結果、融資支援実績が日本一になりました。

このように、自身の強みや想いをしっかりとターゲットに届けることができるのもブックマーケティングならではのメリットです。

Web広告やSNSなどでいくら長文で伝えようとしたとしても、「パッと見てわかる」ことが重視されるネット媒体では、伝えられる情報量に限界があります。

しかし、書籍は違います。しっかりと長文が読まれる媒体です。特に内容がターゲットに刺さるものであれば、ネット媒体の比にならないほどの情報量を伝えることができます。

また、書籍を読んでもらえることによって著者や提供するコンサルティングサービスへの理解も深まり、顧客教育にもつながります。

結果として、読者は著者のファンになり、仕事の依頼をすること前提で問い合わせいただけるようなホットな信頼関係を作ることができるのです。

◉まとめ

本記事では、コンサルタントの集客が難しい理由やコンサルタントに適した集客手段について解説しました。

コンサルタントの集客手段にはいろいろありますが、成功事例でも紹介したようにブックマーケティングを利用した集客は相性抜群です。

コンサルティングの依頼をしてもらうためには顧客からの信頼を勝ち取ることが不可欠ですが、「書籍を出版したという事実」だけで社会的な信頼性は飛躍的に高まります。

また、ターゲットを明確にした書籍内容やタイトルなどによって、効果的なマーケティングが可能です。結果として相談件数や成約件数の増加が期待できるでしょう。

集客に課題をお持ちのコンサルタントの方は、ぜひブックマーケティングの活用を検討してみてください。

また、士業のマーケティングについては次のコラムでもわかりやすく解説されているので参考にしてみてください。

参考コラム:士業マーケティング成功の秘訣:集客力を高める戦略と実践神栄企画

 
 

Webのマーケティング施策の一つとして、SEO対策という言葉が一般化しました。

とはいえ、上位獲得したいキーワードをサイトに散りばめたからといって簡単に検索上位に表示されるほど甘くないのが、SEO対策です。

SEO対策で検索上位に上げるために具体的にどのような対策を取るべきか、いま最も重要な要素といわれる「E-A-T」、そこからさらに発展した「E-E-A-T」を踏まえて解説していきます。

目次【本記事の内容】

執筆者:江崎雄二(株式会社フォーウェイ取締役マーケティング統括)


福岡県出身。東福岡高校、山口大学経済学部経済法学科卒業。大学卒業後、月刊誌の編集者兼ライターに携わる。その後時事通信社での勤務を経て、幻冬舎グループに入社。書店営業部門の立ち上げメンバーとして活躍後、書籍の販売促進提案のプロモーション部を経て、法人営業部へ。東京と大阪にて書籍出版の提案営業を担当し、2020年11月、株式会社フォーウェイに参画。2023年9月取締役就任。グループの出版社、株式会社パノラボの流通管理も担う。

◉SEO対策とは

SEOとは、Search Engine Optimizationの略称で、「検索エンジン最適化」と訳すことができます。検索エンジンがWEBサイトを回遊し、コンテンツが評価されると検索上位に表示されるようになります。

その検索上位に表示させるための対策を「SEO対策」と呼びます。

検索エンジンとは、GoogleやYahoo!のようにインターネット上の情報をキーワード検索できる機能やプログラムのことを指します。

なお、日本ではGoogleとYahoo!の検索エンジンが9割近いシェアを誇っています。割合としては、Googleが約75%、Yahoo!が約14%です。いかにGoogleのSEO対策が重要かわかると思います。

◉-1、検索エンジンはどのように順位を決めているのか

SEO対策をするうえで、検索エンジンの順位づけの仕組みは知っておいた方がよいでしょう。次の3つのステップで順位を決定しています。

①「クロール」:世界中を回遊し情報を探し回る
②「インデックス」:探し出した情報をデータベース上に登録する
③「ランキング」:登録した情報を順位づけする

ただコンテンツを無闇に増やしても、クロールして見つけてもらえなければSEOで上位表示されることは難しいです。さらに、インデックスされないことには上位表示は望めないでしょう。

後に解説する内部対策もきちんと遂行しなければ、ただコンテンツを増やしても徒労に終わるだけなのです。

◉なぜSEO対策が必要なのか

そもそも企業はなぜSEO対策をする必要があるのでしょうか。

ポイントとしては大きく2つあります。

1つ目は、WEB広告にかける予算です。

広告予算は中小企業にとって、無限にかけ続けることは難しいでしょう。しかし、広告は実施しなければ自社を見つけてもらえないため、広告費を投じ続けなければ集客効果を発揮しません。

つまり、WEB広告をやめた途端に、自社サイトを見てもらう機会がなくなり、商品の購買やサービスの認知に結びつかなくなるのです。

2つ目は、会社のブランディングです。キーワード検索にて上位表示される広告枠以外のサイトは大半がSEO対策を実施しています。

このような自然検索もしくはオーガニック検索で上位表示されると、特定キーワードで目的の情報を探しているユーザーに見つかりやすいため、その領域における第一人者として認知してもらいやすくなります。

◉具体的なSEO対策の方法

SEOで必要な対策は大きく3つあります。

それは「コンテンツSEO」「内部対策」「外部対策」です。

それらのどれが欠けてもWEBサイトの価値を上げて上位表示されるのは、至難の業と言えるでしょう。

それぞれの具体的な内容は次の通りです。

◉-1、コンテンツSEO:ターゲットユーザーの求める良質なコンテンツを提供する

コンテンツSEOは、SEO対策をするうえで最も重要な方法の一つです。高品質なコンテンツを作成しないことには、Googleのクローラーからの評価にも結びつかないからです。

良質なコンテンツを作成するために必要なリソースは、ライターと編集者です。

コンテンツSEOを成功させるためには、「最適なキーワード選定」「ユーザーの検索ニーズの分析」「競合サイトの比較調査」「タイトル・中見出し・小見出しの構成案作成」「E-A-Tを意識したライティング」の5つが必要です。

これらを実行できるライターと、チェックできる編集者が必須といえます。

検索上位に表示させるためには分析や改善も必要なため、記事が上位に入らない場合はリライトを繰り返すなどの対策もしなければなりません。

◉-2、内部対策:WEBサイトの土台をしっかりと作り込もう

SEOにおける内部対策とは、サイト全体に配置されるテキストや画像、リンクやHTMLタグ設定といったテクニカルなものまで改善する対策をいいます。

ホームページの土台をしっかりとさせ、インフラを整備して、ユーザーが読みたいサイトへとリフォームさせる必要があるのです。

前述したように、検索エンジンではクローラーが巡回し情報を探し回っています。

内部対策では、検索エンジンが巡回しやすいように、サイトマップを作成したり内部リンクを設置したりして正しく情報を伝えることが必要です。

そして、ユーザビリティが担保された、ユーザーが理解しやすいサイト作りをしなければなりません。

内部対策として土台づくりをしっかりとするためには、WordPressといったコンテンツSEO向きのCMSを使用することをおすすめします。

もちろんWordPressを使ったからといって無条件で検索上位になれるわけではありませんが、現在の世界中で使われているCMSのうち60%以上がWordPressといわれています。SEO対策に対応するプラグインやテーマが使われているため、きちんとしたSEO対策をしていれば結果が出やすいCMSです。

検索アルゴリズムは常に変動しており、内部対策をきちんと実行することでアップデートの影響を受けづらいメリットも考えられます。

◉-3、外部対策:数を増やす被リンク対策は禁物! 自然に評価されるサイト作りを

SEO対策と聞いて、被リンクを獲得する施策が思い浮かぶ人は多いでしょう。

気をつけてほしいのは、ただ被リンクを増やしさえすればSEO対策になるわけではないと言うこと。

外部対策が検索で評価される要因は、第三者による正当な評価だからです。自社と関連性の薄いサイトやブログなどにURLを貼ってもらったり、被リンクを購入したり、過剰な相互リンクを貼り付けたりしても、逆にペナルティを受けて検索順位が下がる危険性があります。

原則として、被リンクは自然獲得であるべきです。くわえて、被リンクはリンク数よりもドメイン数で評価されるため、色々なサイトに自然に認知を高めてリンクを貼り付けてもらうことが重要といえるでしょう。

良質なコンテンツを増やすことにも通じますが、コンテンツ自体を価値ある情報として認識してもらい、SNSで拡散してもらうことは外部対策として最も効果的です。

FacebookやTwitterなど、コンテンツを閲覧してもらった後に、「シェア」や「いいね」をしてもらいやすい仕掛けを施しておくことも重要でしょう。

◉SEO対策にはE-A-Tが重要(2022年12月からはE-E-A-T)

SEO対策の方法の一つで、「E-A-Tを意識したライティング」が重要だと紹介しました。

このE-A-Tとは、Googleが作った造語ですが、次のような意味で使われています。

・E=Expertise(専門性)
・A=Authoritativeness(権威性)
・T=Trustworthiness(信頼性)

Googleの『検索品質評価ガイドライン』で「ページ品質評価の最重要項目」とも記載されており、SEO対策には欠かせない項目となっています。

さらに、2022年12月15日のGoogleの公式発表を機に、「E-A-T」にもう一つ「E=Experience(経験)」が追加され、「E-E-A-T」が重要視されるようになりました。

出典:Google検索セントラルブログ/品質評価ガイドラインの最新情報:E-A-TにExperienceのEを追加

◉-1、専門性を高めるには

良質なコンテンツを求めている人は、情報発信者の専門性も確認しています。

そのため、専門性を高めるには「ジャンルに特化する」ことがとても重要です。

たとえば、自分が頭痛に悩まされているときに、「頭痛の専門医」が書いた情報サイトを発見し、それが納得のいく価値ある情報であれば「この先生に診てほしい」となるはずです。

そのようにジャンルに特化することで、情報を選んでもらいやすくする必要があります。

もちろん専門性を高めるためには、発信者側も専門知識の量や質は高めていかねばなりません。

ほか、専門家への取材を行なったり、体験談を入れたりすることで、情報としての信頼性も上がってきます。

◉-2、権威性を高めるには

権威性を高めるために、すぐできる対策としては著者名や運営会社名を明示することです。

ほか、良質な情報を発信し続けることで根気が必要ですが、ドメインパワーの強いサイトから紹介してもらい被リンクをもらうことも効果的。SNSなどで著者名や企業名などを発信してもらい、参考になる情報だと言及してもらうサイテーションを獲得すれば、権威性は高まるでしょう。

◉-3、信頼性を高めるには

前述の著者名や運営会社名を明示することと重なりますが、著者のプロフィールや経歴が掲載されていると一層信頼性は増します。

ただ投げっぱなしの情報ではなく、どのような人が書いているのかを明らかにすることで、誰が書いているのかわからない怪しい情報とは差別化ができます。

くわえて、専門性の高い他サイトから情報の一部を引用することも効果的。ただ、引用元を示さずにコピペするのは厳禁です。

他には、飲食店など店舗運営企業であれば多くが実施している、Googleマイビジネスへの登録も信頼性を高めるのによい方法といえるでしょう。

ユーザーをサイトに誘導することもできる対策です。

◉-4、経験を高めるには

経験を高めるには、「具体的な導入事例や実績」を表示するのがおすすめです。実際に、ユーザーがどのようなサービスを提供されて、どのような成果が出たかがすぐにわかるため、「経験豊富な会社だ」と認識してもらうには手っ取り早い方法となります。

くわえて、ユーザーレビュー(お客様のレビュー)や製品・サービスの使用体験なども効果的です。具体的にどのような顧客に選ばれ評価されているのかがアピールできる上、ユーザーに自分が体験した時のイメージを作り出すことができます。自社サイトやGoogleの口コミなどで、ユーザーレビューを集めていくのは有益な手段となり得ます。

ほか、①〜③すべてを高めるのに、書籍出版もおすすめの方法の一つです。

▶書籍出版については、関連記事【企業出版のメリットとは? 企業が考えるべき出版による効果】もあわせてご参考にしてください。

◉【まとめ】付け焼き刃のSEO対策では意味がない! 長期的な視野で取り組もう

SEO対策の基本的な知識から具体的な対策方法、そして重要視されている「E-A-T」について解説しました。

いずれにしても一朝一夕で結果が出る簡単な施策ではありません。SEO対策で上位表示されるためには、良質なコンテンツを更新し続ける根気が必要です。

テクニックを身につけるのも大変ですので、できる部分は自社で行ない、困難な部分はSEOツールを利用できる外部のSEOコンサルティングなどに依頼するのも、選択肢となるでしょう。

また、SEO対策については次のコラムでもわかりやすく解説されているので参考にしてみてください。

参考コラム:SEO対策でやることとは?初心者向けに分かりやすく解説

参考:フォーウェイのブランディングサービスについてはこちらから参考:フォーウェイのブランディングサービスについてはこちらから

 

企業SNSを運用したいが、やり方がわからないーーこのように考えるマーケティングや広報の担当者は多いことでしょう。

以前は「個人の遊び」という印象が強かったSNSですが、時代はすっかり変わりました。SNSはビジネスにおけるコミュニケーションの重要な一部分である、という認識が多くの企業に浸透してきたのです。

しかし、企業SNSのアカウントが乱立するなかで、ビジネスにおけるメリットをきちんと獲得できているケースはごく一部と言わざるを得ません。

そこで本記事では、企業SNSの運用を考える方向けに、SNSによってビジネスメリットを実現する「運用のやり方」を解説します。

目次【本記事の内容】

執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)

慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。

■企業のSNS運用とは?

企業にとってSNS運用は、ビジネスの成長に欠かせないものとなっています。

企業のSNS運用は、一言でいえば「ビジネス目的」である点が最大のポイント。個人のアカウントに比べてよりプロフェッショナルで戦略的な運用のやり方が求められます。

◉個人のSNS運用との違い

個人のSNS運用は、主に自己表現や交流が目的です。もちろんSNSを通じたマネタイズに成功しているインフルエンサーなどの個人はいますが、そうした人たちはビジネス目的の運用という意味で、個人の趣味的なアカウントとは違う種類の運用だと言えるでしょう。

企業のSNS運用は、商品やサービスのプロモーションやブランドイメージの向上など、ビジネス上の目的があります。そのため、やり方としても投稿内容や投稿頻度、ターゲット層など戦略的な視点が求められます。

また、ユーザーに悪印象を与えないようにする気配りも、個人アカウントに比べてより重要になるのです。

◉SNSマーケティングとの違い

SNSマーケティングは、SNSを活用してマーケティング活動を行うことです。

具体的には、下記のようなやり方があります。

  • インフルエンサーマーケティング
  • SNS広告運用
  • ソーシャルリスニング
  • SNSキャンペーン施策の実施

総じて言えることとして、費用を投じたタイミングにだけ効果を発揮し、商品購入や問い合わせなど直接的なリターンを目指すのがSNS運用以外のSNSマーケティングです。広告施策としての色が強い取り組み、とも言い換えられます。

一方でSNS運用はSNSマーケティングのくくりにはありますが、下記のような特徴があります。

  • オーガニック投稿として自由度の高い発信が可能
  • ユーザーとのコミュニケーションによりファン化を促進できる
  • 運用をやめたり頻度を鈍らせたりしてもアカウントや過去の投稿は残る
  • 一度フォローしてもらったユーザーをアカウントの資産として持ち続けられる
  • 長期にわたる施策の継続がやりやすい

これらの特徴により、長期的なブランディングを目指したりマーケティングの基盤を作ったりといった目的を達成するために適しているのが、SNS運用です。

■SNS運用が重要になっている理由

SNS運用がビジネスにおいて重要になっているトレンドは、データからもわかります。

「ソーシャルメディアマーケティング市場、2023年ついに1兆円を突破の予測【サイバー・バズ/デジタルインファクト調べ】」(https://webtan.impress.co.jp/n/2022/11/11/43642)によると、ソーシャルメディアマーケティングの市場規模は2020年の5,971億円から2022年には9,317億円へと大幅増加。

2027年には1兆8,868億円にまで市場が拡大すると推計されています。

SNS運用はやり方を工夫すれば大きなリターンを得られる一方で、フォロワーを伸ばすためにはどうしても一定の時間が必要です。SNSの市場が伸びていくなかで、早く始めた企業ほど成功に近づくのは間違いありません。

■SNS運用によって得られるメリット

ここで、企業のSNS運用によって得られるメリットを改めて整理しましょう。

大きくいうと、以下のとおりです。

  • 商品やサービスのプロモーションができる
  • 自社ターゲット層に直接訴求できる
  • 顧客とのコミュニケーションを深めることができる
  • 企業のブランドイメージを向上させることができる
  • リアルタイムな情報の発信が可能になる

いずれにも共通するのが、SNS運用によるメリットの発揮とは運用のやり方にかかっている、ということです。

SNSアカウントがあるだけで売上につながるような理想的状況を作るには、狙ったターゲット層のフォロワーをたくさん抱えた「強い」アカウントを作る労力を惜しまないのが、成功事例に共通した特徴です。

■各SNSの特徴と運用のコツ

一言にSNSといっても、種類は様々です。母体となる会社もそれぞれ違います。

SNSの種類によって、やり方や発信すべき内容は異なります。

主要なSNSの特徴について、運用のコツも含めて紹介しましょう。

◉Instagram

Instagramは、写真や動画を投稿するSNSです。ビジネスにおいては、商品の宣伝やイメージアップに活用されることが多く、特に若い世代に人気があります。

ただ、40代以上の層も利用率は低いものの、実数でいうと若年層に匹敵しており、実は全年齢に向けたアプローチにも使えるSNSがInstagramです。

Instagramの運用のポイントは簡単に以下の通りです。

  • ハッシュタグや発見タブによって投稿を検索されやすくする
  • 投稿のビジュアルについて方向性を定め、ユーザーに価値を感じてもらえる投稿を一定頻度で続ける
  • ストーリーズ機能を使い、日常的な情報を発信することでフォロワーとのコミュニケーションを深める
  • インスタライブを使い、フォロワーとの関係性をより強化する

勘違いされがちですが、「発信者のビジュアルが優れていて顔出しできる」「商品の綺麗な宣伝写真がたくさんある」などの要素はInstagram運用で必須ではありません。

「商品のターゲット層が興味を持つノウハウを発信する」「日常風景の投稿でユーザーと距離感を縮める」など企画の方向性によって、あらゆるビジネスでInstagramの強みを発揮できます。

◉X(旧Twitter)

X(旧Twitter)は、140文字以内(X Premium加入者はそれ以上も可能)の短い文章を投稿することができるSNSです。

主にリアルタイム情報の収集や発信に使われ、特にニュースやトレンドに関する情報が多く取り扱われています。

Xの運用のポイントは以下の通りです。

  • アカウントのテーマに沿った自分なりの「情報提供」と「持論」を発信してフォロワーを増やす
  • 他のアカウントとコミュニケーションを増やし、タイムライン上の表示優先度を高める
  • 他のアカウントをフォローし、フォロー返しを獲得することでフォロワーを増やす

Xは実名顔出しで運用するアカウントが多く、アカウント同士のコミュニケーションが非常に重視されるカルチャーのSNSです。

企業アカウントとして活用する場合でも、事務的な発信だけでなく「中の人」の人柄が感じられるアカウントが好まれます。

リツイート機能でツイートが大きく拡散される仕様により、投稿が大きくバズる可能性のあるSNSでもあります。

◉Facebook

Facebookは、世界で最も利用者数の多いSNSの一つです。友達や家族とのコミュニケーションが中心ですが、ビジネスにも活用されることが多く、商品の販売やブランドの発信などに使われます。

Facebookの運用のポイントは以下の通りです。

  • 定期的にコンテンツを投稿することで、フォロワーの獲得やエンゲージメントの向上を目指す
  • Facebookページを作成し、“いいね”を獲得することで拡散力を高める
  • Facebookグループを作成し、ファンコミュニティを形成することで、ファンとの交流を深める

Facebookは一定年齢以上の人のビジネス活用においては根強い人気のあるSNSです。

ただ、友達に追加する人数に5000人という制限があるため、つながりをたくさん増やして大きく拡散しようとする運用方針には向きません。

関係性のある相手から自社への認知を維持したり、仕事の相談をもらいやすくしたりする運用がFacebook活用のコツです。

◉LinkedIn

LinkedInは、ビジネス関係者が集まるSNSです。求人情報やビジネスマッチングなどに使われることが多く、ビジネスユースに特化したSNSであると言えます。

LinkedInの運用のコツは以下のとおりです。

  • 原則実名登録なので、反感を招くような投稿は避ける
  • 他のアカウントと交流し、コミュニティなどにも積極的に参加する
  • ターゲットに対して積極的にDMを送る

いわゆる営業のためのDMや採用DMは他のSNSだと嫌がられる場合がありますが、LinkedInはビジネスSNSである側面から、他アカウントへの直接アプローチは比較的、受け入れられているのが特徴です。

ただし、大量のスパム送信はLinkedIn側から制限をかけられる危険があります。

丁寧に絞り込んだターゲットアカウントに対し、一通一通、心を込めてDMを送ることが成果の秘訣です。

■SNS運用を始める前に決めること5

続いてはSNS運用の実践編です。

SNS運用は、やり方を決めずにとりあえず始めてみても成功率は低いです。

ビジネスにつなげるためには、事前準備がカギを握ります。

事前準備として考えるべき項目は、以下のとおりです。

◉決めること①運用の目的

SNSを始める前に、まずは運用の目的を明確にすることが必要です。

例えば、ブランド認知度の向上、製品やサービスの販売促進、情報発信や顧客対応など、目的は様々です。

目的に応じて、運用するSNSの種類やコンテンツ、投稿頻度、投稿内容、ターゲット層などが異なるため、運用の目的をはっきりと決めてから取り組むことが重要です。

気をつけたいのが、「運用目的は売上に決まっているでしょ」と単純に決めてしまうこと。SNS運用は短期的な売上効果だけでなく、ブランディング効果やファンユーザーの獲得など様々な尺度での効果を視野に入れる必要があります。

長期的にアカウントを育てる施策だけに、短期の集客では広告施策より数値が劣る場合が多く、運用目的を売上だけと定めてしまうとスムーズな運用が進まない危険性が高いのです。

短期で何を目的にするのか、中期〜長期で何を目指すのか……など、細かく設計するのが成功するコツです。

▼SNS運用の目的設定については、過去コラム『SNS運用で大切な「目的設定」とは?運用効果を最大化する秘訣を徹底解説』で解説しているので、こちらもご参照ください。

◉決めること②運用体制

SNS運用では、運用担当者やチームの体制を整えることも大切です。

運用にあたっては、誰が投稿するのか、どのようなスケジュールで投稿するのか、コメントやメッセージの返信は誰が担当するのか、といったことを明確にしておく必要があります。

また、社内で運用する場合は、社員の研修やマニュアル作成なども必要かもしれません。

会社としてSNS運用に取り組むときの体制で重要なのは、組織として担当者をフォローアップして運用を管理する仕組みをつくることです。

社内の担当者はほとんどの場合、SNSのプロではありません。「いい感じにやっておいてくれ」と丸投げして放置していると、運用の目的が達成できないどころか投稿やアクション自体が止まってしまうケースも珍しくありません。

自社の貴重なリソースを使って、徒労に終わらないように気をつけましょう。

◉決めること③アカウントの方向性

SNSアカウントの方向性についても、事前に決めておくことが重要です。

たとえば、ファッションブランドのアカウントであれば、コーディネートの紹介や新作アイテムの情報を発信することが求められます。

一方で、医療機関のアカウントであれば、健康情報や病気の予防・治療についての情報提供がいいかもしれません。アカウントの方向性を明確にしておくことで、フォロワーの期待に応えることができ、効果的な運用が可能になります。

例えばSNS運用の代行を請け負うプロであれば、クライアントへのヒアリングをもとにペルソナシートやアカウント構成シートといった資料を作成します。

ターゲット層や運用目的に合わせてデザインのトンマナから投稿文体まで細かく設定し、ブレない運用を実現するのです。

◉決めること④ターゲット層

SNSを利用するユーザーは、それぞれ年齢層や性別、興味関心、ライフスタイルなどが異なります。運用するアカウントのターゲット層を明確にし、その層に合った投稿やコンテンツを提供することが必要です。

また、ターゲット層に応じて、運用するSNSや投稿する時間帯、投稿内容、コンテンツの種類なども変わってきます。

このターゲット設定は、「30代以上の女性」など大まかすぎるくくりではあまり意味がありません。

よくマーケティングで使われる「ペルソナ(代表的なターゲット像の架空のプロフィール)」を設定するのも効果的でしょう。

誰か一人に深く刺さるコンテンツは他の人にも刺さる、というのがSNS運用の原則です。

◉決めること⑤具体的なタスクとスケジュール

SNSの運用においては、具体的なタスクとスケジュールを決めておくことが大切です。どのようなコンテンツを、どのようなタイミングで発信するのかを明確にすることで、運用がスムーズに行われます。

また、週次や月次での運用の報告や評価を行い、必要に応じて改善を行うことも大切です。

コツとしては、とにかく曖昧さを残さないこと。「ネタがあるときに投稿する」「なるべく他のアカウントに“いいね”する」といったルール設定でなく明確に行動目標を決めましょう。

実際ちゃんとやってみると担当者にかなりの負担がかかりますが、強いアカウントを育てるにはそれなりの努力が必要です。

■SNS運用の効果測定と運用改善

続いて、運用開始後のやり方についてです。

「SNS運用の効果はどのように測定して改善したらいいの?」と思われる方も多いかもしれません。

たとえば、計測指標には下記が考えられます。

  • フォロワー数
  • リーチ数
  • エンゲージメント数(「いいね!」やコメント数など)
  • コンバージョン数(集客数、商品の売上数など)

計測すべき指標は、運用目的やどのSNSを用いるかによって変わってきます。

たとえば対面アポイントの獲得を目標にする運用なら、DMのうちのアポイント率が指標になるでしょう。改善項目としては普段の投稿の質よりも、アカウントの信頼性を高めるためのフォロワー増やDM文面の改善などの優先順位が高くなります。

おすすめとして、ある程度フォロワーが増えるまではフォロワー数だけをKPIにするのが良いでしょう。

SNS運用による効果の多くは、ある程度フォロワーがいないと発揮されにくいためです。管理をシンプルにすることで運用もスムーズになります。

■SNS運用のよくある失敗例3パターン

続いてSNS運用において、よくある失敗例を3パターン、紹介します。

どれも本当に多いので、失敗の典型例に当てはまらないよう注意して運用しましょう。

◉失敗例①フォロワー数が増えない

思うようにフォロワーが伸びないのは、SNS運用で最もよくある失敗ケースです。

理由として、たとえば下記が考えられます。

  • 投稿頻度が低い

多くのSNSは、自アカウントの投稿が他のユーザーのタイムラインに表示されることでフォローが発生します。

したがって、投稿が少なければどんなにアカウントを作り込んでいてもフォロワーが増えるチャンスはほとんどありません。

最低でもInstagramなら週3回、Xなら1日1回は投稿が必要です。

  • 他アカウントとのコミュニケーション不足

「いいね」や「コメント」など他のアカウントに対して自分からアクションするのも、フォロワーを増やすためには重要です。ここを怠るとフォロワーはほとんど増えません。

ただし、アクションする先のアカウントの選定にもコツがあります。リアクションを返してくれそうなアカウントや信頼度の高いアカウントの共通点を見出し、適切な相手に対してコミュニケーションを取る必要があります。

◉失敗例②運用が止まってしまう

前述したように、SNS運用がストップしてしまう失敗事例はとても多いです。

その理由のほとんどは、はっきり方針を決めずに担当者に丸投げしたきり管理しない運用体制にあります。

投稿スケジュールの明確な設定と投稿物の確認、定例の確認ミーティングなどは組織内で必ず行いましょう。

また、「売上につながっていないからものすごくクオリティの高い投稿をしなきゃ」など、成果を焦って答えのない課題を設定してしまうのも投稿ストップの原因になります。

SNSは定期的にコンテンツを発信して自アカウントにあった運用のやり方を探っていくプロセスがとても重要です。むやみにクオリティにこだわるよりも継続的な運用を重視しましょう。

◉失敗例③運用の方向性が迷走する

SNSの運用は、アカウントの方向性を守ることがとても重要です。

失敗例②に近いですが、成果を焦って方向性の切り替えを連発し、コンセプトのよくわからないアカウントになってしまうのもよくある失敗パターンです。

どんな方向性を試してみても、運用初期に一つの投稿でわかりやすい効果が発揮されることはなかなかありません。

まずは運用開始前のコンセプト設計を細かく行い、決めた方向性に則って腰を据えて取り組みましょう。そうすれば長期的な成果に高い確率でつながります。

■SNSの炎上を防ぐ対応策4選

SNS運用において、炎上を気にする方は多いかもしれません。

企業のSNS活用が普及するにあたって、炎上してしまった事例も多く聞かれるようになりました。

そこで以下に、SNSの炎上を防ぐための対応策を紹介します。

◉炎上防止策①投稿ガイドラインの策定

SNS運用を始める前に、社内でSNSマニュアルを策定しましょう。

このマニュアルには、発信内容のチェックや、危険な発言を行わないようにするためのガイドラインなどが含まれています。

ガイドラインを設定する際には、ぜひSNS慣れした若いスタッフの力を借りてください。普段からSNSに慣れ親しんだ人間であれば、それぞれのSNSにおけるマナーを感覚で理解しています。

若いスタッフにたたき台をつくってもらったうえで、広報やリスク管理担当などプロの目で見てブラッシュアップする進め方がおすすめです。

◉炎上防止策②対応ガイドラインの共有

もしも炎上騒ぎが起こってしまった場合には、迅速かつ的確な対応が必要です。SNS上でのトラブルの拡散を防ぐために、炎上した場合には速やかに謝罪し、原因究明を行いましょう。

ただし、SNS運用に慣れていない企業が担当者任せにする体制は危険です。機転をきかせたつもりが火に油を注いでしまう可能性もあります。

投稿物だけでなく、炎上懸念がある場合の対応についても社内でガイドラインを設定し、フローを明確にするのがおすすめです。

弁護士やPR会社などの外部専門家にリアルタイムで相談できる体制を構築しておくのも効果的でしょう。

◉炎上防止策③投稿監視体制の整備

SNS上でのトラブルを未然に防ぐためには、定期的にSNSのコンテンツを監視し、問題のあるコメントや投稿に対して迅速に対応することが必要です。

また、不適切なコメントや投稿があった場合には、速やかに削除し、投稿者に対して注意喚起を行う必要があります。

投稿の監視には、「上司が毎日11時にチェック」「広報が朝礼でチェック」など、担当者ではなく第三者的な目線でチェックを入れる決まりごとを作っておきましょう。

社内リソース的に難しければアルバイト数人でチェックする体制でも、一般的な目線による第三者チェックは入れられます。

さらに、SNSコンテンツの監視を効率化するために、ソーシャルリスニングツールの活用もおすすめします。

Meltwaterのソーシャルリスニングツールは、SNSの投稿をリアルタイムで一元的に分析できるため、炎上の火種となりうる投稿の把握に役立ちます。

◉炎上防止策④炎上事例の社内共有

SNSの炎上を防ぐのにもっとも大事なのは、抽象的ながら社内のリテラシーです。

関係者の知識を増やし教育をしていくのが、時間はかかりますが炎上を防ぐために最も有効な施策です。

そこで、日々SNS上の炎上情報をウォッチし、社内で定期的に共有、ポイントを話し合う機会を設けましょう。

特に自社と業種や運用目的の近いアカウントが炎上してしまった事例は、貴重な学習材料になります。

■SNS運用で一番大切なポイントとは?

ここまで、SNS運用のノウハウについて述べてきました。

では、SNS運用において最も大事なポイントとは、なんなのでしょうか?

それは、「投稿コンテンツ」です。

他アカウントとのコミュニケーションや、広告・キャンペーンとの併用もビジネスで成果を出すためには有効ですが、これらは要領がわかれば競合他社でも実行可能です。

しかし、自アカウントならではの良質な投稿は、決して差別化のできないコンテンツになります。良質なコンテンツでフォロワーを獲得すれば、ファン顧客という得がたい財産になるでしょう。

濃いファンを直接自社の側から取りにいけるのは、企業のSNS運用がもつ最大の魅力だといえます。

いわば雑誌などのメディア編集者になったつもりで、ユーザーにとって価値のあるコンテンツを定期的に発信するのが、SNS運用の極意です。

■外注の運用パートナーは入れるべきか

SNS運用を外注化するかどうかは、企業の状況や目的によって異なります。

外注するメリットとしては、運用に必要な人材をスピーディに確保できることや、専門的なノウハウを持った運用パートナーを活用できることが挙げられます。

一つの考え方として、「人手が足りない」「アカウントを育てるのにそこまで長い期間をかけられない」という課題がある場合、外注を検討することがおすすめです。

ここまで述べたように、SNS運用をきちんとやると担当者にも組織にも意外に手間がかかります。

社員一人がほとんど張り付きになっている会社も多いです。

そうなると、人件費的にSNS運用会社に頼んだほうが安くつく場合も考えられます。

また、外注先は当然ノウハウを持っているため、プロの運用によって最短経路でアカウントを育ててくれるのは大きなポイントでしょう。特に投稿コンテンツの企画は、一般企業のリソースではなかなか難しい場合も多いです。

ゼロの状態から探り探りでSNS運用をスタートすると、継続できても成果が出るのは数年後といったケースが少なくありません。その時間を短縮して成果を確実にする選択肢として、外注を活用するのはおすすめです。

■SNS運用に関するおすすめ書籍4選

最後に、企業のSNS運用者にとって役に立つおすすめ書籍を4冊、紹介しましょう。

◉『平均4.2カ月で1万フォロワーを実現する プロ目線のインスタ運用法』石川侑輝 (著)

Version 1.0.0

アカウントの設定方法からフォロワーが増えやすいプロフィールの書き方、投稿内容の考え方などわかりやすくまとまった一冊。2022年7月出版と比較的、新しいのもポイントです。

SNS界隈は非常に変化の激しい業界なので、なるべく新しくて売れている本から情報収集するのがコツです。

◉『世界一やさしい Twitter集客・運用の教科書 1年生』岳野めぐみ (著)

Twitter(現X)のビジネス活用についての書籍です。

Twitterは日本で浸透した歴史が古く、多くのユーザーを獲得しています。基本的に短文を投稿するのみのシンプルな仕様ですが、ビジネスに繋げるのにはちょっとしたノウハウが必要です。

本書なら、Twitterで集客したい方の入門書としておすすめです。

◉『LinkedIn(リンクトイン)活用大全 情報発信、起業、転職、人脈…ビジネスで一番使えるSNS』松本 淳 (著)

まだ日本にはほとんどない、LinkedInのビジネス活用についての書籍です。

実際にLinkedInを数多くのビジネスに繋げたLinkedInインフルエンサーによる執筆で、LinkedInの基本知識からアカウント設定の方法まで具体的に述べられています。

これからLinkedInを始める方にはぜひ読んでほしい一冊です。

◉『【超完全版】YouTube大全 6ヶ月でチャンネル登録者数を10万人にする方法』小山 竜央 (著)

今回のコラムで個別には扱いませんでしたが、YouTubeもコンテンツによって視聴回数やチャンネル登録を増やすという意味では、運用の性質がSNSにとても近いツールです。

こちらの書籍では、実際に10万登録を超えるチャンネルを多数作り出してきたマーケターがYouTube運用を徹底的に解説しています。

特にユーザー受けするコンテンツの考え方は本質的で、YouTubeだけでなく他のSNSやコラム記事などあらゆる媒体にノウハウを転用できます。

■まとめ

以上、ビジネスに繋がるSNS運用について述べました。

ビジネスコミュニケーションにおけるSNSの重要性が高まっている昨今、とにかくやらなきゃ!と考える企業は多いです。

ただし、SNS活用はやり方次第な部分がとても多いです。

それぞれのSNSの特徴を理解し、運用の方針をしっかりと定め、戦略的なSNS運用をスタートさせましょう。

「今までいろいろな集客方法を試したけれど、どれが効果的か分からなかった……」このような悩みをお持ちの経営者は多くいらっしゃいます。

広告やチラシ、インターネットの対策など「これをやると良いよ!」と話には聞いていても、新しい施策を考えるのは難しいですよね。

本記事では不動産会社におすすめの集客方法や、役立つノウハウをまとめて紹介します。

新規顧客の獲得に力を入れたい方は、ぜひ参考にしてください。

執筆者:江崎雄二(株式会社フォーウェイ取締役マーケティング統括)


福岡県出身。東福岡高校、山口大学経済学部経済法学科卒業。大学卒業後、月刊誌の編集者兼ライターに携わる。その後時事通信社での勤務を経て、幻冬舎グループに入社。書店営業部門の立ち上げメンバーとして活躍後、書籍の販売促進提案のプロモーション部を経て、法人営業部へ。東京と大阪にて書籍出版の提案営業を担当し、2020年11月、株式会社フォーウェイに参画。2023年9月取締役就任。グループの出版社、株式会社パノラボの流通管理も担う。

◉中小不動産会社が大手に勝てる集客の方法とは?

中小不動産会社が、大手不動産会社と戦うためには「自社の強みを活かした集客方法を考える」ことが重要です。

資金力や知名度などパワーのある大手不動産会社と勝負するためには、同じような広告やチラシだけでは勝てる可能性が低いです。

さまざまな施策を打つ際には、以下のようなポイントに力を入れてみてください。

・役立つコンテンツを作って顧客に貢献する
・大手に負けない情報を集めて量で勝負する
・自社のメインエリアの情報を充実させる

すぐに成果につながらないことでも「顧客のためになること」に注力して行動すると、会社のイメージアップにつながり、顧客からの信頼を得やすくなります。

また、一度に広範囲をカバーすると時間とコストがかかるので、まずは自社の周辺エリアに絞って情報を集めていくとよいでしょう。

最適な方法で集客活動を行えば、小さな不動産会社でも大手企業に勝てる可能性は十分にあります。

◉不動産会社におすすめの集客方法

不動産会社におすすめの集客方法は主に以下の6つです。

・営業代行
・リスティング広告
・ホームページ
・SNS
・ポータルサイト
・チラシ(ポスティング)

どれか1つに絞るのでなく2~3種類を併用していくことがおすすめです。

画像や文章、動画などは作成したものを複数の媒体に使いまわすことも可能なので、効率よく展開していくとよいでしょう。

◉-1、営業代行

集客に力を入れたいけれど、何からやればよいか分からない方は「営業代行」を依頼するのがおすすめです。

営業代行というと「テレアポ」や「訪問営業」などが思い浮かぶ人もいるかもしれませんが、依頼できる内容は多岐にわたります。

具体的には以下のような内容を依頼できます。

・テレアポ
・訪問営業
・リスト営業
・顧客管理
・社員教育
・SNS市場調査
・マーケティング戦略の選定

扱う作業範囲は代行会社によって異なりますが、自社の悩みを解決できるさまざまなサポートを行ってくれるケースが多いです。

自己流で施策を進めるよりも、専門家に頼んだほうが時間を無駄にせず売上を伸ばせる可能性があります。

◉-2、リスティング広告

「リスティング広告」とは、ユーザーが検索したキーワードに関連した広告を自動的に表示させる仕組みを持つGoogle社の広告のことです。

例えば「大学受験」と検索すると、自動的に「予備校・塾」などの広告が表示され、ユーザーがわざわざ検索しなくても商品を見つけやすくなっています。

広告を出稿する際は、自社で以下のような情報を細かく設定できます。

・出稿期間
・出稿する時間や曜日
・表示させる地域
・ターゲットの年齢

このような設定をすることによって「土曜日の夜に東京都でインターネットを見る男性」といった人物像を指定できるので、届けたい人に広告を見てもらいやすくなります。

◉-3、ホームページ

不動産会社が集客するうえで欠かせないのは、自社ホームページの強化です。

チラシや広告などで集客を行う際も、会社情報の紹介としてホームページは欠かせません。

ホームページから直接、集客を行う場合は「SEO」の施策が必須です。

具体的に行う内容としては、以下のようなものがあります。

・サイトマップの設置
・ページスピードの改善
・内部リンクの設定
・タグの最適化
・有益なコンテンツ作成

自分で行うこともできますが、難しい作業も多いため「SEO専門会社」に依頼するのが得策です。

有益なコンテンツ作成としては、顧客にとって役立つ専門的な記事やTIPSなどを紹介すると効果的でしょう。

▶️SEO対策のためのコンテンツ作成については、関連記事「SEO対策とは? 効果的な戦略の組み立て方と対策方法」もご覧ください。

◉-4、SNS

企業が集客を行う際に欠かせないのが、SNSの活用です。

代表的なSNSは以下の5つです。

・X(旧Twitter)
・YouTube
・Instagram
・Facebook
・TikTok

これらのSNSを使って行う施策には、以下のようなものがあります。

・SNSインフルエンサーマーケティング
・自社アカウントでの情報発信
・SNS広告の運用

SNSは若年層に人気があるイメージをお持ちの方も多いですが、実際には幅広い年齢層が利用しています。

特に、中小企業のSNS運用は顧客と距離を縮めやすいのでおすすめです。

顧客との距離を近づけるためにはSNSの自社アカウントを運用するのが効果的です。

SNSごとに特性はありますが、企業ブランディングの一環としてX(旧Twitter)ならば代表者が情報発信し続けることで、一定のファンがつきます。

Instagramの場合は、企業の公式アカウントとして運用し、不動産情報を求めるユーザーが関心を持つような有益な情報発信を心がけましょう。

▶SNSマーケティングについては、関連記事【SNS運用のやり方をとことん解説|フォロワーを集めてビジネスに繋げる成功法則とは?】もあわせて参考にしてください。

◉-5、ポータルサイト

不動産会社の集客で効果を上げやすい施策として「ポータルサイト」の活用があります。

ポータルサイトとは「インターネットの玄関口」のことで、不動産業界の代表格としては「SUUMO」や「LIFULL HOME’S」などがあります。

これらのサイトは非常に大規模なため、多くのアクセスが集まる点が魅力です。

ポータルサイトに掲載するとそこからの流入が期待できますが、掲載するには費用が発生することがあるので、事前にチェックしておきましょう。

◉-6、チラシ(ポスティング)

集客の方法として、チラシをポスティングすることも有効な手段です。

アナログな方法ですが、特にインターネットをあまり見ない年齢層には効果があります。

ターゲットとなるエリアの周辺に重点的にポスティングすることで、より高い効果を得られます。

チラシを作成する際には、見やすく、分かりやすいデザインにすることが重要です。

何種類か作ってみて反応の良いデザインを割り出し、繰り返しポスティングを行いましょう。

▶アナログマーケティングについては、関連記事【デジタル全盛期だからこそ重要なアナログマーケティング戦略】もあわせて参考にしてください。

◉営業代行や広告にはどのくらいの集客効果があるのか?

営業代行や広告運用では、どの程度の効果が得られるのでしょうか。

・リスティング広告のCV率
・折り込みチラシの反響率
・営業代行の集客効果

具体的に解説していきます。

なお、どの施策を行った場合でも、効果が出るまでには一定の期間が必要です。

はじめの一か月程度で思ったような結果がでなくても、継続して経過観察することが大切です。

◉-1、リスティング広告のCV率

不動産のリスティング広告のCV率は「約2.4%」が目安と言われています。

あくまで目安の数値となるので、広告の内容や出稿のタイミングで一件ごとに結果は異なります。

CV率がアップし問い合わせが増えたとしても、成約につながるかどうかはまた別の話です。

広告で良い効果を得られても、受け入れ体制が整っていないと機会損失してしまう可能性があるので注意しましょう。

顧客がスムーズに、ストレスなく問い合わせできる導線を整えておくことが肝心です。

◉-2、折り込みチラシの反響率

新聞に折り込みチラシを入れた際の反響率は「0.01~0.3%前後」が目安と言われています。

つまり5万枚のチラシを配布した場合、5~150名程度の反響を得られる可能性があります。

数としては少なく感じてしまうかもしれませんが、紙媒体での集客は時代に流されずに成果を出せるひとつの方法です。

チラシの素材や形、デザインなどにこだわれば、より良い成果を出せる可能性もあるでしょう。

◉-3、営業代行の集客効果

営業代行を利用した場合の集客効果を、平均値として表すのは難しい場合が多いです。

どのくらいの集客効果があるのかは、依頼した会社(営業担当者)や内容によって異なるので一概には言えません。

一般的な営業代行を依頼した場合「成果報酬」と「固定報酬」に分かれています。

成果報酬の場合であれば成約しなければ料金が発生しないので、初期コストがかからず利用しやすいです。

固定報酬の場合は、費用対効果が得られるのかをシミュレーションしてから利用しましょう。

◉-4、パンフレットや書籍出版での顧客獲得

顧客との関係性を構築するためには、パンフレット等の営業ツールを活用することも効果的です。

「紙媒体」の信頼性は今もなお根強く、ほかの情報発信施策と比べると、情報量も豊富です。

営業マンが口頭ですべてを説明するのは大変です。

自社が顧客にアピールしたい内容をパンフレットで明確にアピールすることで、伝えたい情報を過不足なく伝えることができます。

書籍についても同様に信頼性ある媒体としてはほかの追随を許しません。

企業向けの出版社や出版プロデュース会社もあり、以前に比べると出版すること自体のハードルは下がっています。

ただし、書店で販売したり、新規顧客を集客したりと広告効果を期待するならば、きちんと書籍を流通・販売してくれる出版社を選ばなければなりません。

書籍を出版することで、契約につながる見込みの高い顧客が集客できたという事例も少なくありません。

▶️出版による効果的なプロモーション方法については、関連記事「出版マーケティングの効果的なプロモーションとは? 広告手段も解説」を参考にしてください。

◉顧客を獲得できている不動産会社の特徴

顧客を獲得できている不動産会社の特徴を紹介します。

・口コミが良い
・オンライン・オフライン両方に対応している
・店舗の場所が分かりやすい
・営業時間が長い・いつでも開いている

成功している企業を参考に、自社でできる施策を取り入れてみてください。

◉-1、口コミが良い

売れている不動産会社の特徴のひとつは「口コミが良い」ことです。

不動産売買は顧客同士の「紹介」で繋がっていくケースも多くあるので、良い口コミを増やせば顧客の増加が期待できます。

友人知人からのリアルな口コミの他に、ポータルサイトの「口コミ欄」は顧客がよくチェックしている場所です。

良い口コミを書いてもらうためには、顧客に喜んでもらえる丁寧な接客をすることが重要です。

日頃から満足してもらえる接客を心がければ、自然と紹介も増えていきます。

◉-2、オンライン・オフライン両方に対応している

近年は「オンライン商談」を希望する方が増加しているので、こうしたニーズに対応できる企業が有利です。

いつでも顧客に対応できるよう、接続環境などを整えておくとよいでしょう。

オンライン商談が人気を集めている一方で、オフライン(対面)での説明を希望する顧客も一定数います。

どちらにも柔軟に対応できると、商機を逃しにくくなります。

◉-3、店舗の場所が分かりやすい

人気の不動産会社は、路面店や駅から近い場所など分かりやすい立地にあることが多いです。

立地の良い場所に店舗を出すのはコストがかかり大きなリスクにもなるので、一歩を踏み出せない人が多くいます。

しかし、知名度と信頼を一気に獲得したい場合は、実店舗の拡大も視野に入れてみましょう。

◉-4、営業時間が長い・いつでも開いている

顧客にとって、自分の好きなタイミング(時間)に対応してくれる不動産会社は非常に便利です。

夜遅くまで営業していたり、休日が少なかったりすると「いつでも相談できる」と感じ、顧客にとって頼れるお店になります。

ただし、この方法は自社スタッフにとっては負担になりすぎてしまうことがあります。

社員が気持ち良く働ける環境も大切なので、程よいバランスの営業時間を設定しましょう。

◉うまく集客できないときは誰に相談すればいい?

「集客をがんばってもなかなか成果が出ない……」と、悩んだ際は以下の業者に相談してみてください。

・コンサル会社
・広告代理店
・SEO対策会社

専門的な知識がないまま努力したとしても、時間を無駄にしてしまうことがあります。

多少費用がかかっても、適切なルートを示してくれる専門家に依頼することが業績アップへの近道と言えるでしょう。

◉-1、コンサル会社

「コンサル会社」では、専任のコンサルタントが経営者の相談に乗ってくれます。

「どういった方向性で経営を進めるのか?」「自社にマッチする施策は何か」など、経営者と話しながら、ベストな施策を決めていきます。

予算やかけられる時間などを把握した上で自社の状況にあう施策を提案してくれるので、失敗する可能性が少ないです。

◉-2、広告代理店

広告代理店では、リスティング広告やチラシの制作や配布方法、効果的なアプローチの仕方などを提案してくれます。

広告代理店はさまざまな企業の営業をサポートしていますが、不動産会社の広告を担当したことがある会社であればより安心して依頼できます。

過去の運用実績などをチェックして、信頼できそうな企業に依頼しましょう。

◉-3、SEO対策会社

SEOの施策を考えてくれる企業に依頼すると、自社ホームページから問い合わせが入るような施策を提案してくれます。

広告やポータルサイト、チラシなどは常にアプローチを繰り返さなくてはいけませんが、自社サイトは永続的に会社の財産となります。

そういった意味でも、自社ホームページのSEO強化は必ず行っておきたい施策と言えるでしょう。

ホームページ以外にもSNSや動画作成など、Web関連のことをまとめてお願いできる業者もあります。

新しい施策をはじめる前に、まずは自社ホームページを整えるところからはじめてみてはいかがでしょうか。

◉【まとめ】不動産会社の集客の悩みは専門家に相談しよう

不動産会社の集客にはいくつかの方法がありますが、時期や内容によってその時々に最適な方法が変化していきます。

考える施策がマンネリ化してしまう人や、新しい知識を取り入れたい経営者の方は、迷わず専門家に相談しましょう。

フォーウェイでは、Webサイトの集客に困っている企業に向けて「無料SEO診断」を行っています。

自社サイトの課題を洗い出すことで適切な施策が考えやすくなり、やるべきことが明確になります。

不動産会社の集客率を上げたい方は、ぜひフォーウェイにご相談ください。

参考:フォーウェイのブランディングサービスについてはこちらから参考:フォーウェイのブランディングサービスについてはこちらから

 

本の出版費用は「出版方法の種類」に応じて異なり、安く抑えたいのであれば、自費出版や商業出版が最適です。一方で、あまり安く抑えすぎると、企業ブランディングの一環で出版する際に「書籍経由で問い合わせを増やしたい」「商品の売上を伸ばしたい」といった目的を達成しにくくなるため注意しましょう。

書籍の出版で成果を出すためには、「必要な部分にはしっかり費用を投下する」といった決断が重要です。

今回は、本の出版費用の相場や項目別の目安、成果を出すために意識すべき「出版社の選び方」を解説します。

目次【本記事の内容】

執筆者:江崎雄二(株式会社フォーウェイ取締役マーケティング統括)


福岡県出身。東福岡高校、山口大学経済学部経済法学科卒業。大学卒業後、月刊誌の編集者兼ライターに携わる。その後時事通信社での勤務を経て、幻冬舎グループに入社。書店営業部門の立ち上げメンバーとして活躍後、書籍の販売促進提案のプロモーション部を経て、法人営業部へ。東京と大阪にて書籍出版の提案営業を担当し、2020年11月、株式会社フォーウェイに参画。2023年9月取締役就任。グループの出版社、株式会社パノラボの流通管理も担う。

◉本の出版費用は「出版の種類」に応じて異なる

本の出版費用は「出版の種類」に応じて異なります。具体的な種類は以下の3つです。

  • 自費出版
  • 商業出版
  • 企業出版(ブックマーケティング)

◉-1、自費出版

自費出版とは、著者が出版費用を全額負担し、自ら書籍を制作する方法です。著者自身で文章やデザイン、印刷部数などを自由に決定できるため、オリジナリティのある作品に仕上げられます。販売する際は、著者自身がプロモーション施策を決めて実行することが多いです。

費用は「250万〜600万円程度」が目安です。この費用には、デザインや編集、印刷、流通などのコストも含まれており、印刷部数や仕様に応じて増減します。

▶自費出版に関しては、関連記事【自費出版とは?メリットやデメリット、費用相場、成功事例などを解説】も合わせて参考にしてください。

◉-2、商業出版

商業出版とは、出版社が書籍の企画を担当し、著者に経済的な負担をかけず出版する方法です。著者は基本的に「費用負担なし」で出版できます。

ただし、出版社が費用を負担する分、自費出版と異なり著者の好きなように執筆できるわけではありません。また、出版自体のハードルも高く、「企画が市場のニーズに合っているか?」「著者に一定の影響力があるか?」などをクリアした場合に出版できます。

企画が採用されれば、出版社の流通網やマーケティング戦略を活用できるため、広い読者層へアプローチが可能です。

▶商業出版については、関連記事【商業出版とは?企業がブランディングを考えたときの出版の選択肢】もあわせて参考にしてください。

◉-3、企業出版(ブックマーケティング)

企業出版(ブックマーケティング)とは、書籍の出版を活用したマーケティング手法のことです。独自の知見や有益情報、商品・サービスなどを書籍にまとめて出版し、「会社のブランディング強化」「サービスへの集客」「認知度向上」といった自社の目的を達成するために行います。

自費出版や商業出版では「部数を伸ばすこと」がメインの目的です。一方で企業出版(ブックマーケティング)の場合、部数よりも「書籍を通じて自社の目的を達成できたか?」という点を重視します。

出版費用は「500万〜1,000万円程度」です。広告やプロモーション費用も含まれるためやや高額ですが、その分、ターゲットに届けるまでのマーケティング戦略を入念に設計してくれます。書籍を通じて達成したい目的がある企業であれば、積極的に活用すべきです。

▶企業出版については、関連記事【ブックマーケティングとは?メリットや効果的な戦略の作り方】もあわせて参考にしてください。

◉本の出版費用を決める主な項目

本の出版費用を決める主な項目は、以下の8つです。

  • 企画費
  • 原稿作成(ライティング・編集・構成)や撮影にかかる人件費
  • 流通にかかわる費用
  • デザイン費用
  • 印刷代
  • 本の保管費用
  • 書籍の作り
  • 出版社のクラス

具体的な金額の相場は、出版社の方針や値付け方法などで変動するため、実際に出版社へ問い合わせてみることがおすすめです。

◉-1、企画費

企画費とは、書籍の内容やテーマを定めるために必要な費用です。以下のように書籍の方向性を明確化する要素が含まれており、プロジェクトの成否を大きく左右します。

  • 読者ターゲット
  • ターゲットの市場
  • 書籍タイトルやサブタイトル
  • 帯のキャッチコピー案
  • 類書の分析・調査内容
  • 目次案(章立て)
  • 著名人の推薦文

経験豊富なスタッフによる企画立案や著者へのインタビューなどで詳細なリサーチが求められる場合には、その分の費用がかかります。書籍の完成度を高め自社の目的を達成するためには、この企画費にどこまで注力できるかが重要です。

◉-2、原稿作成(ライティング・編集・校正)や撮影にかかる人件費

著者の主張を初心者でもわかりやすくまとめたり、自社の魅力を伝えたりするには、プロの「ライティング・編集・校正」技術を持った人材が不可欠です。また、本文や表紙などで写真を使うのであれば、カメラマンへの人件費も必要になります。

上記のようなライターやカメラマンといった「クリエイターへの委託費用」は、クリエイター自身のレベルが高いほど上がります。例えば「ベストセラー書籍に関わった実績を持つクリエイター」などへの依頼費は高くなりやすいです。

◉-3、流通に関わる費用

本を読者に届けるためには、書店で流通させるための手配が不可欠です。流通費には、例えば以下が挙げられます。

  • 書店に書籍の配置を依頼するための営業費用
  • ISBNコードの取得費
  • 広告などを活用したマーケティング戦略の費用
  • 書店に本を置く際の手数料
  • オンラインショップに販売ページを作るための費用
  • 出版後の倉庫管理料

安定した流通経路を確保することで、ターゲットの手元に届く可能性が高まります。とくにブックマーケティングの場合は、ターゲットの手元に届かなければ自社の目的達成が遠のくため、流通に関わる費用をいかに割けるかという点もポイントです。

◉-4、デザイン費用

デザイン費用とは、書籍の表紙やページレイアウト、帯などのデザインを整えるために必要なコストです。とくに表紙デザインは、読者への第一印象を決定づけるため重要なポイントです。

また、ページレイアウトは、読者の読みやすさや情報の伝わりやすさに関わるため、細部にわたって丁寧に設計することが求められます。

プロのデザイナーに依頼し、ターゲットにマッチした質の高いデザインを制作してもらえれば、書籍の販売促進効果が期待できるでしょう。

◉-5、印刷代

印刷費用は、書籍のサイズやページ数、発行部数、使用する紙の質、カラーの有無などによって変動します。

印刷については、「版」を作る際に大きな費用がかかります。しかし残りは同じ版を使えるため、「部数が2倍なので金額も2倍」とはならず、印刷数が多いほど単価は下がるでしょう。

ただし、だからといって安易に印刷部数を増やすことは避けましょう。印刷部数を増やしても、すべての書籍を必ず書店が受け入れてくれるわけではありません。需要と供給のバランスを考えないと、大量の在庫が残るため要注意です。

◉-6、本の保管費用

書籍を保管するには、在庫管理の費用が必要です。保管費用は書籍がある限り発生します。書籍がすぐ売り切れるとは限らないため、需要と供給のバランスをチェックしながら、常に最適な数の在庫を維持することが重要です。

保管する際は、しっかりとスペースを確保し、汚損や劣化を防ぎつつ必要なときに確実に出荷できる体制を整えることが求められます。

出版社の中には、出版物の保管用倉庫を契約しているケースもあるため、その倉庫を利用することがおすすめです。とくに「書籍を年間にいくつも出版している」「書店流通に力を入れている」といった出版社であれば、基本的に自社倉庫を保有しています。

◉-7、書籍の作り

テキストだけでなく、以下のように書籍の作りに凝った場合、費用は大きく変動します。

  • イラストをふんだんに盛り込む
  • 撮り下ろしの写真を本文中に差し込む
  • ページレイアウトを雑誌のように凝る
  • 著名人から帯コメントをもらう

とくに著名人とタイアップすると、謝礼金が発生するため別途で確認が必要です。

◉-8、出版社のクラス

出版社のクラスも費用を決めるポイントです。基本的には、実績豊富でブランド力がある会社ほど、出版費用も高めに設定されています。

この出版費用については、書籍のクオリティや実際の売れ行きとは関係なく設定されることが多いです

◉出版費用以上のリターンを得るために!出版社を選ぶ際のポイント

出版費用以上のリターンを得るためには、以下のポイントを意識しましょう。

  • 原稿作成前のターゲット設定やヒアリングなどを入念に行ってくれるかチェックする
  • 流通戦略の設計までをサポートしてくれるかをチェックする
  • 過去に出版した本が残した成果をチェックする
  • スキルが高いクリエイターが在籍しているか

◉-1、原稿作成前のターゲット設定やヒアリングなどを入念に行ってくれるかチェックする

原稿作成に入る前に、出版社が「ターゲット設定や内容のヒアリングなどを丁寧に行ってくれるか?」という点を確認しましょう。ターゲット設定が曖昧なまま進めてしまうと、伝えたいメッセージがぼやけてしまい、期待する成果を得られない可能性があります。

とくにブックマーケティングの場合は、会社の目的を達成する手段として書籍の出版を活用しています。そのため、届けたいターゲット層や自社の主張などの詳細を丁寧にヒアリングしてもらうことが必須です。

ターゲットやコンテンツの詳細などを丁寧にヒアリングしてくれる出版社であれば、読者に響く内容を提供しやすくなり、結果として出版後の反響も大きくなるでしょう。

◉-2、流通戦略の設計までをサポートしてくれるかチェックする

出版後に読者へリーチするためには、的確な流通戦略の構築が不可欠です。流通戦略とは、書籍を「どの書店やオンラインショップに展開するか?」「どのようなプロモーションを行うか?」などを計画することを指します。

具体的な施策として、「ターゲットに合わせてWeb広告や新聞広告を活用して書籍の認知度を向上させる」「書店に営業を行い目立つ場所に書籍を並べてもらうよう交渉する」などが挙げられます。

読者の手元に書籍が届くよう設計してくれる出版社を選ぶことで、ターゲット層へ効果的にアプローチでき、出版による目的達成が期待できるでしょう。

◉-3、過去に出版した本が残した成果をチェックする

出版社を選ぶ際は、具体的に「どのような本を出版し・どの程度の成果を上げたか?」を確認することが重要です。出版を通じて「著者自身にどのようなビジネス上の成果を残せたのか?」がわかると、信頼できる出版社であるか判断できます。

具体的に「出版によって問い合わせ数が◯◯件増加した」「売上が前年比◯◯%アップを実現した」といった数値的な成果を挙げていれば、質の高いマーケティング戦略の設計や流通サポートを受けられると期待できるでしょう。

◉-4、スキルが高いクリエイターが在籍しているか?

出版を成功させるには、質の高いクリエイターによる制作が欠かせません。ライティング・デザイン・編集といった各プロセスで、高い専門性を誇るクリエイターが携わることで、自社の魅力がわかりやすく伝わる書籍を制作できます。

例えば、デザイナーであれば「ターゲット層に合わせたデザインを作れる」、編集者であれば「専門知識を持たない読者でも読めるように文章を磨き上げられる」といったイメージです。また、ブックマーケティングを行うのであれば「ブックライティング専門のライターが在籍している」という点も重要です。

とくに、ベストセラーや業界で話題となった書籍の制作に関わったスタッフがいる出版社であれば、目的にマッチした高品質な本を制作できるでしょう。

◉まとめ

この記事では、本の出版費用の目安や、会社が出版費用以上のリターンを得るためのポイントについて解説しました。

本の出版費用目安は、以下のように書籍の種類によって異なります。

  • 自費出版:250万〜600万円程度
  • 商業出版:基本的に費用負担なし
  • 企業出版(ブックマーケティング):500万〜1,000万円程度

具体的な費用は、企画のクオリティやクリエイターの人件費、流通にかかわる費用などによって変動します。自社の目的に合わせて最適な出版方法を選び、適切な部分にコストを投下しましょう。

とくに、「問い合わせ増加につなげたい」「商品の売り上げ個数を伸ばしたい」などを目的にしてブックマーケティングを行う際は、必要な部分に惜しまず費用を投下する意識が重要です。適切に投資を行い、詳細なターゲット設定やメッセージの洗い出し、ハイスキルなクリエイターの採用などを行うことで、ターゲット層に確実に届く書籍を制作できます。

弊社が提供するブックマーケティングサービスでも、出版後にターゲットの手元に届くよう手厚いサポートを行っています。Web広告と絡めたマーケティング戦略の立案や書店に並べてもらうための営業活動も含め、幅広く支援可能です。

書籍の出版を活用したマーケティング戦略の設計を考えている場合は、まずお気軽にご相談ください。

「利益率を伸ばして業績アップを目指したい」という企業では、富裕層向けビジネスを展開することが有効です。

富裕層向けのビジネスでは、「富裕層の特徴」を踏まえることが重要です。富裕層は信頼関係を重視するため、「この商品は価値があって信用できる」と確信を持ってもらえれば、継続的な取引が期待できます。

実際に富裕層向けのビジネスを行う際は、信頼の獲得はもちろん「あなただからこその特別感」を演出することも重要です。とくに富裕層は、物質的に満たされている人が多い傾向にあります。そのため、限定イベントやVIPサービスなどを通じて、モノではなく「特別な体験」を提供することが欠かせません。

今回は、富裕層向けビジネスが有効な理由や知っておくべき富裕層の特徴、具体的なビジネスの例などを解説します。

目次【本記事の内容】

執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)

慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。

◉業績アップを目指す企業において「富裕層向けのビジネス」が有効な理由

ビジネスにおいては、「利益率を伸ばし業績をアップさせる」という目標に向かって事業を展開することが一般的です。

こうした業績アップを目指す企業にとっては、「富裕層向けビジネスを展開する」ということも有効です。有効な理由として、主に以下が挙げられます。

  • 景気に関わらず「価値ある商品・サービス」にはお金を払ってくれる
  • 1件あたりの購入単価が高くなりやすい
  • 信頼を獲得できれば継続的に取引できる

◉-1、景気に関わらず「価値ある商品・サービス」にはお金を払ってくれる

富裕層は経済的に余裕があるため、商品やサービスへ安定してお金を支払う傾向にあります。とくに、信頼できるブランドや品質が高い商品は、価格が高くてもスムーズに購入してくれるでしょう。

このように富裕層向けのビジネスは、景気の影響に関係なく安定した収益を見込める点が魅力です。

◉-2、1件あたりの購入単価が高くなりやすい

富裕層が購入する商品の単価は、高額になる傾向があります。例えば、高級車やラグジュアリーブランドのアパレル、不動産などは単価が高くなりがちです。1件あたりの単価が高ければ、取引回数が少なくても効率的に利益を生み出せます。また、薄利多売にならないため、会社のリソースに余裕が生まれ「商品やサービスの質」にこだわることもできるでしょう。

このように、安定した利益を出しつつ商品やサービスの質をブラッシュアップできれば、富裕層からの信頼を得て次の購入につなげやすくなります。

◉-3、信頼を獲得できれば継続的に取引できる

富裕層向けのビジネスで重要なのは「信頼関係」です。富裕層は、自身の資産を利用されないよう、外部からの初回アプローチには用心します。

しかし、一度ブランドや商品を気に入ってもらえれば、継続した取引が見込めます。信頼を獲得し継続的に取引できれば、富裕層のネットワーク内でも口コミが広がり、さらなる新規顧客を呼び込めるでしょう。

◉富裕層向けビジネスで押さえるべき「富裕層の特徴」

富裕層向けのビジネスで成功するには、以下の「富裕層の特徴」を深く理解することが欠かせません。

  • 信頼関係を重視する
  • クローズドな環境で安心したい
  • 「モノ」より「コト」の体験を好む

◉-1、信頼関係を重視する

資産を持つ富裕層は、自分を守るためにビジネスやプライベートを問わず、外部からのアプローチには慎重に対応します。そのため、富裕層向けのビジネスでは、信頼関係の構築に時間を割くことが大切です。

もし、短期的な利益を求めて初回から過剰に売り込んでしまうと、自社への信頼を構築できません。一方で、一度信頼を獲得し長期的な関係性を築ければ、商品やサービスをリピートしてもらいやすくなります。

長期的な関係性を築くには、富裕層へ有益情報を提供し、継続的にフォローすることが大切です。

◉-2、クローズドな環境で安心したい

富裕層は信頼関係を重視するため、限られた人物だけが入れるクローズドな環境を好みます。クローズドな環境下であれば、安心して込み入ったビジネスの話もしやすいでしょう。クローズドな環境としては、例えば「招待制のクラブ」「VIP専用ラウンジ」「会員限定の特別サービス」などが挙げられます。

◉-3、「モノ」より「コト」の体験を好む

富裕層は、商品やサービスなどの「モノ」を十分に保有しています。そのため、モノ自体より「コト=商品やサービスを通じて得られる体験」に価値を感じる傾向があります。

具体的な体験の例は、以下の通りです。

  • 目の前で料理を振る舞ってくれる高級レストランで食事する
  • 専用にカスタマイズしてくれたプライベートツアーに参加する
  • 宿泊施設で専門コンシェルジュサービスを利用する

このように、他では味わえないユニークな特別体験を提供することで、富裕層により深く満足してもらえます。良質な「コト」を提供して満足感が高まれば、信頼関係も深まりリピーターになってもらえるでしょう。

◉富裕層向けビジネスの具体例

具体的な「富裕層向けビジネスの例」をいくつか紹介します。

  • 高級外車
  • 百貨店
  • ホテル
  • プライベートバンク
  • ジム

◉-1、高級外車

一般車の場合、価格や機能性など「移動手段」としての価値をアピールする傾向にあります。

一方の高級外車は、単なる移動手段ではなく、高級感や上質なドライブ体験といった「ステータスの高さ」を価値として重視する点が特徴です。販売時についても「高級外車ならではの価値」を実感してもらえるよう、以下のような施策を実行することがあります。

  • 全店舗でのデザイン統一
  • 購入者専用ラウンジの設置
  • 販売スタッフへの特別教育の実施

このように高級外車の販売ビジネスでは、カタログではわからない「高級外車ならではの価値や体験」を提供することが大切です。

◉-2、百貨店

百貨店では、富裕層向けに「外商サービス」を展開するケースがあります。外商サービスとは、百貨店が定めた基準を超えた優良顧客へ、以下の特別サービスを提供することです。

プライベートな空間で買い物ができるVIPルームを用意する

専門のバイヤーが顧客にマッチした商品を提案する

特別割引を適用する

欲しい商品を優先的に購入できるようにする

限定商品を先行案内する

通常のショッピングでは体験できないサービスを提供することで、富裕層に特別感を覚えてもらいリピーターへつなげています。

◉-3、ホテル

ラグジュアリーホテルでは、富裕層が快適なプライベート空間を満喫できるよう、以下のようなサービスを提供しています。

  • 専用のフロアやスイートルームが提供する
  • 会員権を購入することで全国の関連ホテルを自由に利用できる
  • スパやゴルフなどの施設を利用できる
  • 専属のコンシェルジュに担当してもらえる
  • 同じ会員との交流イベントを開催し独自のネットワークを築いてもらう

こうした至れり尽くせりのサービスを通じて、一般的なホテルでは味わえない特別な体験を提供します。

◉-4、プライベートバンク

プライベートバンクとは、一定額以上の資産を抱える富裕層の資産管理や運用を行う仕事です。具体的には、投資や税務相談、融資の相談、相続計画の立案など、富裕層のライフスタイルに合わせた金融サービスを提供しています。顧客ごとに専任アドバイザーが付いて、個別のニーズに合わせてサポートしてくれる点が魅力です。

富裕層との関係性が深くなれば、次の世代も同じプライベートバンクを利用してもらえることがあります。富裕層としても、信頼できる金融機関に大切な資産を預けられたほうが安心です。

◉-5、ジム

富裕層にとっては、「健康を維持する」「身だしなみを整える」といったことも投資の対象です。そのためジムの中には、富裕層向けに完全予約制や少人数制の施設を運営しているところもあります。

このような富裕層向けのジムでは、専属トレーナーによるプログラムの提案や生活習慣をもとにした専用アドバイスなどを行っています。設備についても、最新機器やプライベートルームのシャワー、スパなどが充実しているため、一般的なフィットネス施設より快適なトレーニングを楽しめるでしょう。

◉富裕層向けビジネスで活用できるアプローチ方法

富裕層向けビジネスで活用できるアプローチ方法としては、例えば以下が挙げられます。

  • 富裕層にセグメント分けしてWeb広告(オンライン広告)を出稿する
  • 富裕層向けの雑誌やWebメディアへ出稿する
  • 富裕層向けに「ポスティング・DM発送・フリーマガジンの発行」を行う

Web広告では、閲覧履歴や消費行動、興味関心などをもとに、自社サービスに関心を持つ富裕層へ効率的にアプローチできます。具体的なWeb広告の例は、以下の通りです。

  • ディスプレイ広告:大手ポータルサイトでバナー広告を出稿する方法
  • SNS広告:FacebookやInstagramなどで、ユーザーデータに基づいたターゲティングを設定し広告を配信する方法
  • リスティング広告:検索エンジン上で、ユーザーの検索キーワードに関連した広告を表示する方法

また、富裕層向け雑誌への広告出稿やポスティングサービスなどを利用すれば、「紙」という形に残るモノでアプローチできるため、自社を強く印象付けられるでしょう。

▶︎より詳細な富裕層向けビジネスで活用できるアプローチ方法については、関連記事【https://docs.google.com/document/d/1eYASygSQ513ti4eq10M72ygEpxypeaaTYdPhrrStJdE/edit?tab=t.0#heading=h.ai1las5udibw】もあわせて参考にしてください。

◉富裕層向けのビジネスを行う際のポイント

富裕層向けのビジネスを行う際は、以下4つのポイントを意識しましょう。

  • ターゲットをより細かく設定する
  • 目先の利益ではなく「長期的な信頼関係の構築」に重きを置く
  • 「あなただからこその特別感」を演出してアプローチする
  • ターゲットや商品などに合わせて適切なアプローチ方法を決める

◉-1、ターゲットをより細かく設定する

一口に「富裕層」といっても、年齢層や職業、家族構成などによって、ニーズは大きく異なります。そのため、ターゲットをさらに細かく分類し、それぞれに応じた適切なアプローチを実施することが必要です。

例えば、自分の実力で経営者として大成した「オーナー社長型」の場合、高級会社や時計、靴といった、自身のステータスをアピールできる商品への購買意欲が高い傾向にあります。

一方で、親の遺産を引き継いで富裕層になった「遺産相続型」は、資産を減らさないことを重視しがちです。そのため、積極的にアプローチを仕掛けると距離を置かれる可能性があります。

このように、細かなターゲットの違いを把握することで、提供サービスやアプローチ方法を的確に判断できます。

◉-2、目先の利益ではなく「長期的な信頼関係の構築」に重きを置く

富裕層は商品やサービスを選ぶ際に、会社との関係性を重視します。そのため、短期的な売上を追求してすぐに売り込むのではなく、情報提供などで継続的に価値を生み出し、長期的な信頼関係を構築することが重要です。

一度富裕層から信頼されれば、リピーターになってもらえるだけではなく、ネットワーク内から新しい顧客を紹介してくれる可能性も高まります。富裕層のコミュニティは信頼関係が強いため、広告では届きにくい層へもアプローチできるでしょう。

◉-3、「あなただからこその特別感」を演出してアプローチする

富裕層向けビジネスでは、商品やサービスの質が高いことに加えて、「あなただけ」という特別感の演出が重要です。なぜなら多くの富裕層は物質的に満たされているため、単純な「モノ」よりも、他にはない体験ができる「コト」に対して心が揺れ動くためです。例えば、リピーター限定イベントや誕生日に来店した際のサプライズ、VIP専用ラウンジなどが挙げられます。

こうした特別感を通じ、顧客が「自分は大切にされている」と実感すれば、長期的な関係性を構築しやすくなります。

◉-4、ターゲットや商品などに合わせて適切なアプローチ方法を決める

富裕層に選んでもらうには、顧客のタイプやライフスタイル、趣味などに合わせたアプローチ方法を選ぶことが大切です。

例えば、高級外車に興味がある層へアプローチする場合、機能や価格より「他の車にはない上質な乗り心地」「所有することでステータスにつながる」といった点に訴求するとよいでしょう。

ターゲットの価値観を理解しアプローチできれば、顧客は「このサービスは自分のこだわりを尊重してくれる」と満足するため、継続的に自社を選ぶきっかけになります。

▶︎こうしたアプローチ方法も含め、富裕層向けのマーケティングについて詳しく知りたい方は、関連記事【富裕層マーケティングとは?効果的な手法と成功事例の一挙公開】もあわせて参考にしてください。

◉多くの富裕層向けビジネスで活用するなら「ブックマーケティング」がおすすめ!

富裕層向けビジネスを展開するなら、「ブックマーケティング」でのアプローチがおすすめです。

ブックマーケティングとは、書籍の出版を通じて「商品の購買意欲の向上」「問い合わせ数の増加」といった自社の目的を達成するためのマーケティング手法のことです。

ブックマーケティングでは、「書籍の販売部数を増やし印税で利益を作る」ということをメインにはしません。ターゲットに書籍を届け自社の魅力を知ってもらうことで、最終的な売上アップなどを狙っていきます。

それでは、富裕層向けのビジネスでブックマーケティングがおすすめの理由を見ていきましょう。

  • 信頼関係を構築しやすい
  • クローズドな富裕層のコミュニティ内で紹介される可能性がある
  • 勉強意欲が高いため躊躇せずに書籍を購入してくれる
  • 高単価な商品でも短期間で成約する可能性がある

◉-1、信頼関係を構築しやすい

書籍の出版には以下のような工程が発生するため、完成まで時間がかかります。

  • 文章に誤字脱字はないか?
  • 自社の主張を正しく表現しているか?
  • 富裕層向けに高級感のあるデザインを施せているか?

また、出版後のマーケティング戦略まで設計する場合は、500万〜1,000万円程度の費用もかかります。

このように、出版は大きな手間と費用がかかる作業です。そのため、書籍を販売できれば「本を販売できるほど信用性が高い」と認識され、富裕層の目に留まりやすくなります。信頼関係を重視する富裕層に対し、書籍を通じて信頼感を醸成できるのは大きなメリットです。

◉-2、クローズドな富裕層のコミュニティ内で紹介される可能性がある

富裕層は限られたネットワーク内での情報交換を好みます。そのため、もし書籍がコミュニティ内で紹介されると、「あの人がおすすめするなら信頼できる」という形で新規顧客の獲得につながる可能性があります。とくに、ネットワーク内でも著名な富裕層が信頼を持って推薦する書籍であれば、影響力は一段と高まるでしょう。

◉-3、勉強意欲が高いため躊躇せずに書籍を購入してくれる

富裕層は、ビジネスに関する知識などを積極的に学習する人が多いです。そのため、価値ある情報や知識が書かれている書籍であれば、躊躇せず購入してくれます。

こうした勉強意欲が高い富裕層へ充実した有益情報を提供できれば、自社への信頼性が高まり「問い合わせてもらう」「自社商品を購入してもらう」といった目標を達成しやすくなるでしょう。

とくに上記のように、ネットワーク内で推薦された書籍であれば、すでに信頼性が担保されているため、購入してくれる可能性は高いでしょう。

◉-4、高単価な商品でも短期間で成約する可能性がある

書籍は平均して「200ページ・7万〜10万文字」ものボリュームで情報を届けられます。これだけのボリュームでコンテンツをまとめられれば、自社の情報や独自の知見、魅力などを惜しみなく伝えられます。

十分な量の情報が顧客に伝われば、信頼が確立された状態で問い合わせを受けられるため、高単価な商品でもスムーズに成約するでしょう。とくに高単価な商品は、購入決定までに時間がかかるため、意思決定までの時間を短縮できるのは魅力的です。

◉富裕層向けビジネスでブックマーケティングを成功させるコツ

最後に「富裕層向けビジネスでブックマーケティングを成功させるコツ」を4つ紹介します。

  • 書籍出版の目的を明確化する
  • 富裕層の信頼を得られるよう書籍の内容を十分に精査する
  • Web広告といった別の戦略とも掛け合わせて販売する
  • 出版後のマーケティング戦略も含め丁寧に設計できる出版社を選ぶ

◉-1、書籍出版の目的を明確化する

書籍を出版する際には、目的を明確化することが重要です。例えば「自社のブランディングを強化したい」「新規の問い合わせを増やしたい」といった目的が挙げられます。

この目的に応じて、書籍に書くべき内容やターゲットへ届けるためのマーケティング戦略などが変わります。ターゲットとなる富裕層や組み合わせるべきアプローチ手法などを正確に判断し、出版後の成果を最大限に引き出すためにも、必ず最初に目的を設定しましょう。

◉-2、富裕層の信頼を得られるよう書籍の内容を十分に精査する

書籍を通じて富裕層の信頼を得るには、ニーズにマッチしたクオリティの高い情報を提供することが重要です。コンテンツの内容が薄いと、富裕層からの信頼を失います。さらに富裕層のネットワーク内でも書籍の悪い評判が広まれば、別の新規顧客を獲得するチャンスも失うでしょう。

富裕層からの信頼を勝ち取るには、「ターゲットの求める情報をまとめているか?」「正確な情報を書けているか?」といった点を精査することが必須です。

◉-3、Web広告といった別の戦略とも掛け合わせて販売する

書籍は、単独で販売するだけでなく他のマーケティング手法と組み合わせることで、より効果的にアプローチできます。具体的な手法として、例えばFacebook広告やGoogleディスプレイ広告などが挙げられます。

上記のようなWeb広告で「年収」「富裕層が住んでいそうな地域」などでターゲティングすれば、効率的に書籍の認知度を高め、富裕層に届けるチャンスを増やせるでしょう。

◉-4、出版後のマーケティング戦略も含め丁寧に設計できる出版社を選ぶ

書籍の出版を成功させるには、以下のように出版後のマーケティング戦略も含めて設計できる出版社を選ぶことが重要です。

  • 広告を出稿するWeb広告媒体を決める
  • 書店に置いてもらえるよう営業してくれる
  • 富裕層向けのポスティングで配布するチラシの内容を決める
  • 富裕層に響くデザインを作成してくれる

マーケティング戦略なども設計できる出版社を選ぶことで、書籍がより多くの富裕層に届き、自社の目的達成に近付きます。出版社の中には「書籍を出版して終わり」という会社もあるため、注意が必要です。

◉まとめ

この記事では、富裕層向けビジネスが有効な理由や商品・サービスの具体例、おすすめのアプローチ方法などについて解説しました。

富裕層は、購入する商品やサービスを決める際に「信頼できる会社か?」という点を重視します。そのため、富裕層向けのビジネスでは、顧客との信頼関係構築に重点を置くことが重要です。長期的に信頼されるためのアプローチを行うことで、顧客の心を掴みリピーターになってもらえるでしょう。

また、富裕層は「モノ」ではなく「コト=特別体験を求めている」という点も忘れてはいけません。会員限定サービスやVIPルームなどを活用できれば、特別感を演出し顧客の満足度を大きく高められます。

上記を意識し富裕層向けのビジネスを構築したら、アプローチ方法にも気を配りましょう。富裕層向けのアプローチ方法はいくつかありますが、とくに「ブックマーケティング」がおすすめです。ブックマーケティングであれば、書籍の出版を通じて富裕層からの信頼を獲得し、高い成約率を実現できます。

弊社が提供するブックマーケティングサービスでも、「書籍出版」という手段を通じ、富裕層ビジネスを成功させるお手伝いを行っています。書籍の出版作業だけでなく、「どの広告と組み合わせてPRすべきか?」「書店に置いてもらうためどのように営業すべきか?」という部分までトータルでサポート可能です。

「書籍の出版を通じて富裕層へ確実にアプローチしたい」と考えている方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。