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2024.04.10

Marketing

富裕層マーケティングとは?効果的な手法と成功事例の一挙公開

投資信託や保険、不動産など、富裕層をターゲットにしたビジネスは多く存在します。一方、資産1億円超の富裕層は日本の2%ほどでアプローチが困難です。

本記事では、富裕層マーケティングの基本と富裕層の信頼を勝ち取るための効果的な手法を解説します。

目次【本記事の内容】

富裕層とは

富裕層とは、「経済力を持つ個人や世帯」のことを指す言葉であり、具体的な基準がある訳ではありません。

一般的な富裕層の定義や基準は曖昧ですが、野村総合研究所が2023年3月に発表したニュースリリース「日本の富裕層は149万世帯、その純金融資産総額は364兆円と推計」によれば、富裕層は「純金融資産の保有額が1億円以上の世帯」と定義されています。

純金融資産としては、現金、株式、国債、投資信託、金融派生商品、保険準備金・年金準備金などがあり、不動産や機械設備などは含めません。

また、同リリースによれば、富裕層は、その純金融資産の保有額の違いによって、さらに「超富裕層」「富裕層」「準富裕層」に分けられています。

超富裕層(純金融資産が5億円以上)

「純金融資産の保有額が5億円以上の世帯」は、超富裕層と定義されています。

超富裕層は、2021年時点で世帯数9万世帯となっており、全世帯のうちの約0.16%です。

純金融資産総額は105兆円となっています。

超富裕層が興味を持つ商品やサービスとしては、高額な投資商品、資産運用サービス、プライベートバンキングなどがあり、海外旅行、教育、高級車などにも関心を持つ傾向があります。

出典:野村総合研究所の「日本の富裕層は149万世帯、その純金融資産総額は364兆円と推計

富裕層(純金融資産が1億円以上5億円未満)

野村総合研究所の「日本の富裕層は149万世帯、その純金融資産総額は364兆円と推計」によれば、「純金融資産の保有額が1億円以上5億円未満の世帯」は、富裕層と呼ばれています。

富裕層は、2021年時点で世帯数140万世帯となっており、全世帯のうちの約2.6%です。

純金融資産総額は259兆円となっています。

富裕層は、資産運用や教育関連の商品・サービスに強い関心があるほか、高級住宅や高級車などを好む傾向があります。

出典:野村総合研究所の「日本の富裕層は149万世帯、その純金融資産総額は364兆円と推計

準富裕層(純金融資産が5,000万円以上1億円未満)

「純金融資産の保有額が5,000万円以上1億円未満の世帯」は、準富裕層と呼ばれています。

準富裕層は、2021年時点で世帯数325万世帯となっており、全世帯のうちの約6%です。

純金融資産総額は258兆円です。

準富裕層は、日常生活に役立つ商品やサービス、高級ブランド、高級リゾートなどの商品やサービスなどに興味を持つ傾向があります。

富裕層の特徴

富裕層といっても、さまざまなタイプの人がいます。

タイプによって好む商品・サービスが異なるため、それぞれの特徴を知っておくことが重要です。

富裕層には大きく分けて次の3つのタイプがあります。

遺産相続型の富裕層

「遺産相続型の富裕層」は、富裕層の親から遺産を引き継いだ人々のことです。

受け継いだ資産を減らさないことを重視する保守的な人が多く、消費に対しては消極的な傾向があるタイプです。

オーナー社長型の富裕層

「オーナー社長型の富裕層」は、自分自身の実力で会社の経営者となったり、大企業の経営に参画するなど、一代で富裕層まで上り詰めた人々のことです。

たとえば、開業医や弁護士・税理士などの士業、中小企業のオーナー、IT分野などを中心としたベンチャー企業の経営者や実業家などがこのタイプです。

人生をより豊かにすることに前向きで、購買意欲が非常に高く、高級自動車、高級時計、靴、服などのステータスのある商品にお金を使う傾向が高いという特徴があります。

また、投資商品や資産運用にも積極的な人が多いという特徴もあります。

有名人型の富裕層

「有名人型の富裕層」は、自分の才能によって資産を得た人々のことです。

具体的には、スポーツ選手や芸能人、外資系金融などの年収が高い職業についた人などです。多額の退職金を得た人もこのタイプの富裕層になります。

自分自身の見た目に対する消費に積極的な点が特徴で、ファッションやブランド品、自動車などにお金を使う傾向があります。

また、引退したスポーツ選手が実業家や投資家として活躍するケースもあり、消費以外に資産運用にも積極的な人が多いのが特徴です。

富裕層マーケティングとは

富裕層マーケティングとは、富裕層をターゲットとした一連のマーケティング活動のことです。

富裕層は多くの資産を持ち、お金に余裕があるため、高額な商品を購入することができます。また、さまざまな商品やサービスを求めているという特徴があります。

このような富裕層の多様な特徴や行動パターンに沿った商品やサービスを開発し、宣伝・販売するまでの一連の活動が富裕層マーケティングです。

たとえば、富裕層マーケティングを行っている商品・サービスの代表的な事例としては、次のようなものがあります。

  • ・高級自動車メーカー(レクサス、ポルシェなど)
  • ・会員権(リゾートトラストなど)
  • ・プラチナ・ブラックカード(アメックスなど)
  • ・プライベートバンク
  • ・節税対策用の金融商品・コモディティ
  • ・私募ファンド

富裕層マーケティングで押さえたいポイント

成功すると大きな利益が期待できる富裕層マーケティングですが、うまくいかないことの方が多いと言われています。

それは次のような理由からです。

  • ・一般的な広告手法やPR活動では富裕層に届けることが難しいこと
  • ・富裕層は信頼できる人や企業から商品やサービスを購入すること
  • ・富裕層は多くの情報収集手段を持ち、さまざまな視点から良いものを選ぶ術を持っていること

このように、富裕層をターゲットにマーケティングを行う場合、従来のマーケティングとは押さえるべきポイントが異なります。

富裕層をターゲットに商品やサービスを販売していく場合には、最低限以下の2つのポイントを押さえておく必要があります。

ポイント①:富裕層のなかでターゲットをより絞る

富裕層といってもさまざまなタイプの人がいます。そのため、ターゲットを「富裕層」とざっくり決めるのではなく、どういうタイプの富裕層がターゲットなのかを絞り込んでいく必要があります。

たとえば、消費に消極的で保守的な傾向の強い「遺産相続型の富裕層」に、ハイリスクハイリターンの投資を持ちかけたとしても、興味を持ってもらえる可能性は少ないでしょう。

むしろ、資産を安定的に運用できるサービスを提案した方が興味を持ってもらえる可能性は高くなるはずです。

このように、富裕層のタイプによってニーズが大きく異なるため、どのタイプの富裕層をターゲットにするのかを絞り込むかが重要です。

ポイント②:富裕層の信頼を得る方法を知る

富裕層は、信頼できる人や企業から商品やサービスを購入するという傾向があります。

たとえば、信頼している友人や知人から情報収集を行うことが多いのです。

なぜなら、多額の資産を持っていることから営業ターゲットにされることが多く、外部からのアプローチに対して慎重になっているからです。

そのため、一般的な営業手法などを使って富裕層相手に売り込みを行うなどの行動は、大きく信頼を失ってしまう可能性が高くなるので注意が必要です。

まずは「商品やサービスを売る・営業する」を目標にするのではなく「富裕層にとって信頼される」ことを目指していかなければ、富裕層マーケティングには成功しません。

商品やサービスの良さを知ってもらうことよりも、信頼される存在になることの方が富裕層マーケティングでは重要です。

富裕層マーケティングにおけるターゲットの行動

富裕層をターゲットにマーケティングを行う場合には、タイプだけではなく、特有の行動パターンなどもある程度傾向として頭に入れておく必要があります。

全ての富裕層が当てはまるとは限りませんが、次のような行動傾向がある、ということは知っておきましょう。

富裕層は自ら調べ行動する

富裕層は、欲しい商品やサービスの情報収集段階から自分で調べて行動する傾向があります。

なぜなら、富裕層は自分が納得できるものにお金を使いたいと考える人が多いからです。

たとえば、ネット上の口コミやレビューだけではなく、友人や知人などの人脈を使って情報収集を行います。

富裕層にはこのような傾向があるため、必要以上の営業活動を行うことは逆効果となり、それ以上話を聞いてもらえなくなることがあります。

富裕層と良好な関係を構築するには、受け身の姿勢で富裕層からのアプローチを待ち、要望があったことにだけ確実に対応するというコミュニケーションの取り方が何より重要です。

富裕層同士は信頼関係で繋がっている

富裕層は、友人や知人など、横のつながりを大切にする傾向にあります。

富裕層同士で情報交換をして紹介しあうことも多く、独自のネットワークを作っている場合もあります。

もし、富裕層の人からの信頼を得ることができれば、他の富裕層の人に商品やサービスを紹介してもらえて購入してもらえる可能性があるということです。

富裕層は信頼する人にしか依頼しない

前述の通り、富裕層は自分で調べた上で、最終的には信頼できる友人や知人、専門家などに任せるケースが多いです。または、最終的な決定は自分で行い、商品やサービスの活用を人に任せてしまう富裕層もいます。

つまり、富裕層からの信頼を獲得することができれば、色々なことを任せてもらえる可能性があるということです。

しかし、富裕層は保有資産が多いため過去に他人から利用されてきた苦い経験を持つ人も多く、外部からのアプローチには強い警戒心を抱く人も多いのが実情です。

そのため、短期的に信頼関係を構築しようと思わないことです。長期的な関係の構築を地道に続けていきましょう。

富裕層マーケティングの効果的な手法

富裕層へのアプローチを効果的に行う代表的な手法としては、次のようなものがあります。

  • ・ 富裕層にターゲティングしたウェブ広告
  • ・ 富裕層向けサービスとのコラボレーション
  • ・ 富裕層向けのメディア運営/コンテンツマーケティング
  • ・ 富裕層に特化したDMや紙媒体での訴求
  • ・ 富裕層にターゲティングしたブックマーケティングの活用

それぞれの特徴や向いている理由などについて具体的に見ていきましょう。

富裕層ターゲティングのウェブ広告

ウェブ広告は細かい属性のターゲティングができるので、富裕層に効果的にアプローチすることができます。

たとえば、Google広告の場合は、年収でターゲットを絞ることが可能です。

また、商品やサービスを紹介する広告(動画やアイコン画像)などを富裕層が利用するメディアやアプリなどに配信して、そこからLPなどへ誘導する、などの方法もあります。

富裕層向けサービスとのコラボレーション

すでに富裕層向けに提供されている商品やサービスとのコラボレーションは有効な手法です。

この手法により、たとえ認知度の低い商品であっても、既存の富裕層向けの商品やサービスとコラボレーションすることによって富裕層の注目を集めることができます。

たとえば、2014年設立の新興のプレミアムオーディオブランドMaster & Dynamicは、老舗高級自動車メーカーのランボルギーニとコラボレーションして、富裕層向けの高級ヘッドホンとイヤホンをPRしました。

また、居住用マンションの新興デベロッパーであるFIDO INCは、高級自動車メーカー『Porsche(ポルシェ)』や、高級ワイン&スピリッツブランド『Hennessy(ヘネシー)』とコラボレーションした物件の販売を行っています。

このように、すでに富裕層向けに販売されている商品やサービスとうまくコラボレーションしていくというのは、富裕層マーケティング手法として効果的と言えます。

もちろんMaster & Dynamicや、FIDO INCのようにすべての新興メーカーがこのようなマーケティング戦略が打てる訳ではないので注意しましょう。

富裕層向けのメディア運営/コンテンツマーケティング

富裕層向けには、一般的な広告ではなく、オウンドメディア運営やSNS運用など、コンテンツマーケティングが有効です。

なぜなら、自分で調べる人が富裕層には多いからです。

そのため、富裕層のニーズに合うようなメディアを作って、導線を考えながら継続的にコンテンツを発信していくというプル型営業の方が成果が出やすいと言えるでしょう。

ただし、オウンドメディアの場合は作ってから効果が出るまでに6ヶ月~1年ほどかかります。即効性のある効果は期待できないので注意しましょう。

即効性を求めるのであれば、自分自身でメディアを作り運営するのではなく、すでにある富裕層向けのメディアに広告を出すなどの方法もあります。

たとえば、「T JAPAN」などが富裕層メディアとしては有名です。

こういったメディアに広告を掲載して、富裕層から信頼が得られれば、紹介や口コミによって他の富裕層にリーチすることも可能となります。

富裕層に特化したDMや紙媒体での訴求

富裕層には、DMや雑誌・フリーペーパーなどの紙媒体も有効です。

富裕層が多く居住しているエリアにチラシを配布したり、富裕層が購読者となっている雑誌に広告を入れたりする方法です。

たとえば、企業オーナー向けの雑誌や医師向けの業界紙に広告を出せば、これらの富裕層にアプローチすることが可能となります。

紙媒体で重要なのが、特別な人間しか見ることができないという特別感の演出や、それに気づいてもらうための工夫が必要だということです。

なぜなら、富裕層は安いからという理由で購入することはなく、特別な商品であるという希少性や、あなただけという限定性、などに納得して購入する傾向があるためです。

富裕層にターゲティングしたブックマーケティングの活用

前述した通り、富裕層には紙媒体でのアプローチが有効です。紙媒体の中で特におすすめなのがブックマーケティングです。

基本的に、富裕層であっても書籍は買いますし、読みます。

他の媒体と違い、富裕層とそれ以外の層で大きな差がなく、読まれる媒体は書籍だけです。

また、富裕層は自分で調べて行動し、信頼する人からしか商品やサービスを購入しないという特徴があるので、これらを同時に達成する手段として書籍出版によるブランディングが効果的です。

書籍は信頼性の高い媒体として認知されており、自分でお金を払って購入した書籍の内容に共感できれば、著者や出版社に問い合わせをして商品やサービスの購入に至るというケースが考えられます。

ブックマーケティングを富裕層マーケティングに活用する上でもっとも重要なのは、明確に富裕層にターゲティングすることです。

書籍を企画する際は、まず最初に富裕層をターゲットとして設定して、富裕層に刺さるような内容やタイトル、著者にすることが重要になってきます。

富裕層ブックマーケティングの成功事例

実際に富裕層マーケティングにブックマーケティングを活用して成功した事例を2つご紹介します。

医師に特化した不動産投資のブックマーケティング

医師は「オーナー社長型の富裕層」に類型されるので、購買意欲が高く、投資商品や資産運用にも積極的な人が多い傾向があります。

一方で、医師の悩みとして多忙であることと税金が高額であるという共通点があります。

このことに着目した不動産投資コンサルタントが、最も効果的な節税対策が不動産投資であることを紹介する書籍を出版。もちろん、富裕層であり高額な税金に悩みながらも投資リテラシーを持っていない人が多い医師を、明確にメインターゲットとして設定した書籍となっています。

この書籍は、第1章「困ってませんか? 医師のお金のリアル」で医師の共感を得たうえで、第2章「医師に不動産投資が適している10の理由」で納得させて、第3章「どんな物件を購入すべきか?」で、不動産投資に引き込むという章立てで構成されています。

出版後には、多くの医師に大きな節税効果のある投資方法として不動産投資があることを認知してもらうことができ、多くの受注の獲得に成功しました。

また、書籍からの問い合わせがほぼ100%不動産投資案件の成約につながるという圧倒的な受注率をあげることができています。

ブックマーケティングを行うことによって、的確にターゲットである医師に書籍を届けることができ、内容に共感して納得してもらえたことが、この結果につながったものと言えるでしょう。

 

超富裕層向けのアンティークコイン投資のブックマーケティング

アンティークコイン投資により1年で3000万円を稼いだという実績を持つ著者が、経営者や医師などの超富裕層にその手法を書籍を通じて紹介したものです。

もともと不動産投資やFXなどによって3年間で1億円以上の資産を築いたという経験があるということも支持された理由の1つです。くわえて、超富裕層に購入してもらえるようにカバー装丁に高級感を持たせたり、タイトルを工夫したりすることも、狙い通りに富裕層に手にとってもらえるきっかけとなりました。

その結果、超富裕層の囲い込みに成功して、100名以上の無料資料のダウンロードがあり数千万円の売上につながっています。

また、書籍の出版記念セミナーでは、1件当たり数百万円の成約を複数名から得たり、読者からの反響で数億円の売上に貢献するなどの効果もあり、狙った以上の成果を上げることができました。

まとめ

本記事では、富裕層の定義と種類、富裕層マーケティングの基本、富裕層の信頼を勝ち取るための効果的な手法などについて詳しく解説しました。

今回ご紹介した中でも特に、ブックマーケティングは、富裕層の行動パターンである「自分で調べて行動する」と「信頼する人からしか商品やサービスを購入しない」の2つを両立できる有効な手法です。

富裕層マーケティングを具体的に考えている方は、ぜひブックマーケティングを1つの手法として検討してみてはいかがでしょうか。

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執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)

慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。

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