売れる本の共通点とは?経営者が知っておくべき「企業出版」で成果を出す方法

経営者が本を出版しようと考える背景には、「自社の社会的信頼を高めたい」「企業理念を社会に伝えたい」といった目的があります。

そこで重要になるのは、「売れる本をつくる」ことではなく、本という媒体を通じて、いかにビジネス成果を得るかという視点です。

企業出版は、企業理念や自社の強みをわかりやすく社会に伝えて、売上や採用、ブランディングなどの企業活動につなげる手法として注目されています。

この記事では、企業の経営者や事業責任者に向けて、売れる本の共通点や企業出版で成果を出すための具体的なステップについて詳しく解説します。

目次【本記事の内容】

執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)

慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。

経営者が狙うべき「売れる本」とは?

経営者が本を出版する際には、本の売上だけを基準にするのではなく、企業にどのような価値をもたらす本なのかを考えることが重要です。

ここでは、経営者が狙うべき「売れる本」の考え方について、次の2つの観点から整理します。

  • 商業出版における「売れる本」と企業出版における「売れる本」の違い
  • 重要なのは「ビジネスにおける成果」

それぞれの視点で押さえるべきポイントについて解説します。

◉-1、商業出版における「売れる本」と企業出版における「売れる本」の違い

商業出版は、本の市場性や話題性を重視し、どれだけ売れるかが目的になります。

出版社が読者ターゲットや内容を主導して設定するため、広く一般の読者に向けた企画となるのが特徴です。

一方、企業出版の目的は、自社の理念や強みを社会へ的確に伝えることにあります。

著者は経営者である場合が多く、読者として想定されるのは、顧客・取引先・業界関係者・就職希望者など、企業に関わる幅広いステークホルダーです。

そのため、経営者が目指すべき「売れる本」とは、販売部数よりも、企業の価値観を届け、信頼を築き、最終的にビジネス成果へつなげる一冊であるといえます。

◉-2、重要なのは「ビジネスにおける成果」

企業出版は、事業戦略を推進するための有効な手段です。

出版によって、以下のようにさまざまなメリットを得られます。

  • 顧客からの信頼向上
  • 新規リードの創出
  • 既存顧客との関係強化
  • 採用活動の質向上

また、書籍化することで理念やビジョンが明確に言語化され、社内外で共有しやすくなる点もメリットです。

企業としての方向性がよりはっきりし、顧客・社員・取引先との間に共通理解が生まれます。

こうした観点から、経営者にとって企業出版は単なる施策にとどまらず、ブランド価値を高めるための重要な投資だといえるでしょう。

書籍という媒体を通じて企業の姿勢や思想が伝わり、結果としてビジネス成果へとつながりやすくなります。

▶︎書籍出版のやり方については、関連記事【企業出版の効果とは?費用相場や成功のポイント、事例を徹底解説】もあわせて参考にしてください。

企業出版で売れる本に共通する3つの要素

企業出版で売れる本には、読者に必要な情報がまとめられていて、企業の魅力や価値が明確に伝わるという共通点があります。

これは、読者ターゲットを適切に設定し、企業として伝えるべき内容が整理されていることによって生まれるものです。

ここでは、経営者が本を出版する際に押さえておきたい3つの重要なポイントを紹介します。

  • 読者ターゲットを明確に設定している
  • 独自の価値やストーリーが一貫している
  • 出版後の活用設計(販促・PR・営業連携)がある

以下で、詳しく見ていきましょう。

◉-1、読者ターゲットを明確に設定している

成功する企業出版では、「誰に何を伝えるか」が明確に設定されています。

読者ターゲットを、たとえば顧客や業界の同業者、未来の社員などに設定して具体的に描き、その人が抱える課題や疑問に応える内容を設計することがポイントです。

漠然と「多くの人に読んでほしい」という発想では、結果として誰にも響かない本になってしまう可能性があります。

明確な読者像を描くことが、「売れる本」をつくる前提条件となります。

◉-2、独自の価値やストーリーが一貫している

企業や経営者がこれまでに経験してきた出来事、理念、成功や失敗のエピソードなど、他社にはないストーリーは読者の信頼と共感を生む重要な要素です。

読者は企業の背景や考え方に触れることで、「この会社に依頼したい」「この経営者と働きたい」と感じるようになります。

ストーリーが一貫しているほど、企業の姿勢や価値観が伝わりやすくなるのです。

理念から事業へのつながり、課題への向き合い方、解決に至るまでの道筋を丁寧に描くことで、読後に強い印象として残ります。

◉-3、出版後の活用設計(販促・PR・営業連携)がある

企業出版では、本をつくるだけで終わらせず、発行後にどのように活用するかを事前に設計しておくことが成果につながります。

たとえば、以下のように具体的な活用シーンを想定しておくことで、企業出版の効果が継続しやすくなります。

  • 営業資料としての活用
  • 展示会やセミナーでの配布
  • 採用イベントでの紹介

本を出した後にどのように行動するかを決めておく企業ほど、売上や認知度の向上に結びつくのです。

本が売れることがビジネスにもたらすメリット

メリット

企業出版によって得られる成果は、単なる知名度向上にとどまらず、信頼性の向上、営業活動の効率化、採用力の強化など、多岐にわたります。

書籍という形で理念や強みを伝えることで、企業活動全体にプラスの効果を生み出せる点が特徴です。

ここでは、企業出版が企業にもたらす主なメリットを紹介します。

  • 企業出版で信頼性と話題性を獲得できる
  • 営業ツール・採用ツールとしても活用できる
  • 競合との差別化ポイントになる
  • 長期的なブランド資産になる

それぞれのメリットについて、以下で詳しく解説します。

◉-1、企業出版で信頼性と話題性を獲得できる

書籍は、数ある情報発信手段の中でも特に社会的信頼性が高い媒体です。

企業の専門性や独自性を体系的に伝えられるため、ブランド価値を高める効果が期待できます。

また、第三者である出版社を通じて発行されることで、情報に客観性が付与される点も魅力です。

企業自らが発信する広告とは異なり、中立的な立場から認められた内容として受け止められやすくなります。

さらに、出版自体がニュース性を持つため、SNSや業界紙、地域メディアなどで取り上げられる可能性も広がります。

「書籍を出版した企業」という事実そのものが話題になり、自然と情報拡散が進むのも企業出版ならではのメリットです。

結果として、書籍を出している企業には「専門性が高く、信頼できる」という印象が生まれ、ブランドイメージ向上につながります。

◉-2、営業ツール・採用ツールとしても活用できる

営業活動の際に、事前に書籍を渡しておくことで企業の考え方や強みを理解してもらいやすくなり、信頼関係を築くきっかけになります。

また、採用活動では書籍が企業理念や文化を伝える役割を果たし、価値観に共感する人材の応募が増えることもメリットです。

書籍を読んだうえで応募する人は企業への理解が深く、採用のミスマッチを減らす効果も期待できます。

さらに、既存顧客からの紹介シーンで「この会社は書籍も出している専門家です」と自然に推薦してもらえることで、紹介の説得力が高まり、新たなビジネスチャンスにもつながります。

◉-3、競合との差別化ポイントになる

同業他社が書籍を出していない場合、書籍そのものが大きな差別化要素になります。

本を出版している企業は「その分野の第一人者」として認識されやすく、専門性や実績を示す有力な根拠として評価されます。

その結果、顧客からの信頼が高まり、価格だけで比較される状況から脱却しやすくなるのです。

さらに、書籍でノウハウなどを公開することで、競合には真似できない専門性のアピールが可能になります。

◉-4、長期的なブランド資産になる

書籍は一度発行すると長期にわたり残り続ける媒体で、広告やSNS投稿のように短期間で流れてしまうものとは異なります。

企業が大切にしてきた理念や経験を体系立てて発信することで、時間をかけて信頼や認知が蓄積されていきます。

こうした蓄積は企業ブランドを強固にする土台となり、中長期的な成長を支える力になるでしょう。

また、書籍が継続的に読まれることで、企業の価値観や姿勢が時代を超えて受け継がれていく点もメリットです。

企業出版で売れる本を作るための具体的なステップ

企業出版で成果を出すためには、書籍制作の流れを段階ごとに整理し、計画的に進めることが大切です。

ここでは、経営者が押さえておくべき具体的なステップを解説します。

  • ステップ1:出版の目的とゴールを明確にする
  • ステップ2:読者ターゲットと伝えるメッセージを設定する
  • ステップ3:読者の共感を生む構成を設計する
  • ステップ4:制作・編集の方向性を整理する
  • ステップ5:出版後の活用戦略を設計する
  • ステップ6:成果を検証し、次の施策につなげる

順を追って詳しく見ていきましょう。

◉-1、ステップ1:出版の目的とゴールを明確にする

最初に取り組むべきことは、「なぜ出版するのか」「何を達成したいのか」という目的を明確にすることです。

ブランディング、リード獲得、採用強化、信頼形成など、目的やゴールによって本の内容やトーン、構成は大きく変わります。

目的があいまいなままでは出版の効果が発揮されにくくなるため注意が必要です。

目的とゴールを数値や行動レベルで定義しておくと、制作途中の判断もぶれにくくなります。

◉-2、ステップ2:読者ターゲットと伝えるメッセージを設定する

次に取り組むのは、「誰に」「何を伝えるのか」を明確にすることです。

読者ターゲットには、企業経営者や顧客、取引先、就職希望者、業界関係者などを具体的に設定し、読者が抱える課題や期待に寄り添ったメッセージを設計します。

また、事業戦略上でどの層を集客したいのかを踏まえてターゲットを定めると、メッセージに一貫性と実効性が生まれるようになるので、この段階で事業全体との方向性が合っているかも確認しておくとよいでしょう。

読者を明確にすることで伝える内容に一貫性が生まれ、強調すべきポイントも判断しやすくなるため、メッセージがより的確に届くようになります。

◉-3、ステップ3:読者の共感を生む構成を設計する

章構成を考える際は、読者が理解しやすく、自然に読み進められる流れを意識します。

一般的には「事実」「考察」「価値」「未来」といった順序で構成すると、読者が納得しやすく、内容への共感も得られやすくなります。

読者の感情や思考の動きを踏まえて構成を組み立てることがポイントです。

構成を丁寧に設計することで、読者にきちんと企業の価値や意図が伝わるようになります。

◉-4、ステップ4:制作・編集の方向性を整理する

制作を進める前に、「誰が書くのか」「どのようなトーンで書くのか」を決めておくことが必要です。

ビジネス書の多くは専門のブックライターが執筆しており、著者自身がすべての文章を書くケースの方が実は少数派です。

ブックライターは経営者への丁寧なインタビューを通して、頭の中にあるノウハウや経験を言語化する専門職。

著者の想いや言葉を文章として再構成する役割であり、いわゆるゴーストライターとは異なります。

経営者本人が書く場合も、ライターに依頼する場合も、専門用語を多用しすぎず、企業の信念や想いが自然に伝わる文章になるよう意識しましょう。

伝えたい内容や表現の方向性をあらかじめ定めておくことで、書籍全体に一貫性が生まれます。

▶︎ゴーストライターについては、関連記事【ゴーストライターとはどういう意味?ビジネス書の執筆で活用すべき理由や高品質な原稿を書いてもらうためのポイントなども解説!】もあわせて参考にしてください。

◉-5、ステップ5:出版後の活用戦略を設計する

書籍をどの場面で活用するかを事前に具体的に決めておくことが重要です。

営業や採用、PR、講演、セミナーなど、社内外の接点に合わせて配布や紹介の方法を設計します。

また、出版前後には、プロモーションや広報、SNSでの発信などの動線を整えると、出版効果を高められます。

◉-6、ステップ6:成果を検証し、次の施策につなげる

出版後は、問い合わせ数、応募者の質、売上の変化など、具体的な指標を用いて成果を検証します。

結果を数値として把握することで、次の発信やブランディング施策、次回の出版企画に活かすことができます。

出版を単発のイベントとして終わらせず、経営のPDCAに組み込むことが効果を高めるポイントです。

検証と改善を繰り返すことで、ブランド戦略の一貫性と成果が高まります。

売れる本を生み出し、ビジネスで成果を上げた事例

ここでは、売れる本によって実際にビジネスで成果を上げた事例を紹介します。

  • 出版後2週間で重版出来!書籍をきっかけに問い合わせが増えた事例
  • 権威性と信頼性を獲得し、10億円の売上に貢献した事例
  • 出版後に新規顧客開拓とメディア露出が拡大した事例

3つの事例を詳しく見ていきましょう。

◉-1、出版後2週間で重版出来!書籍をきっかけに問い合わせが増えた事例

法人向け保険を専門とする保険代理店の経営者は、新規事業のコンサルティングの顧客獲得を目的に書籍を出版しました。

書籍では、保険業界で一般的な「成果報酬制」に対して、「月額報酬制」が業績向上に有効だという持論を展開して注目を集めました。

出版後2週間で重版出来、出版記念のセミナーの参加者60名のうち5件が成約につながるなどの成果につながりました。

【事例コラム】大口案件の集客、人材採用、大手企業からの講演依頼!出版ですごいことになった保険代理店

◉-2、権威性と信頼性を獲得し、10億円の売上に貢献した事例

ある不動産会社の経営者は、高所得で納税額の高い医師に向けて、不動産投資が節税対策に有効であることを訴求する書籍を出版しました。

「医師」という明確なターゲットに向けて設計したことで、読者の多くが高い確度の見込み客となりました。

実際に、発売直後に寄せられた最初の10件の問い合わせは、全て成約につながりました。

自らお金を払って本を手に取る読者は、すでに課題を認識している「ホットリード」であることがわかります。

出版費用はすぐに回収でき、、6ヶ月で10億円もの売上向上に貢献しました。

◉-3、出版後に新規顧客開拓とメディア露出が拡大した事例

ある建設業専門の経営コンサルタントは、サービス内容の進化に合わせて自社のリブランディングのために書籍を出版しました。

新規顧客層へのアプローチを意識して「赤字続きの会社がみるみる蘇る」というタイトルを付けました。

発売から1ヶ月で重版出来、17媒体のWebニュースに掲載されてメディア露出が拡大。

その結果、コンサルティングや育成支援などで13件の新規顧客を獲得しました。

【まとめ】企業出版で売れる本をつくり、ビジネスで成果につなげよう

この記事では、売れる本の共通点や売れる本のビジネスメリット、企業出版の具体的なステップ、成功事例などについて詳しく解説しました。

企業出版は、単なるブランディング施策ではなく、企業の信頼性や売上の向上、採用への好影響などの成果を出すための経営課題の取り組みです。

フォーウェイでは、企業のブランディング力向上とマーケティング支援を目的としたブックマーケティング(企業出版)サービスを提供しています。

これまで数多くの企業様の書籍制作を手がけ、理念の可視化・専門性の発信・ブランド価値の向上につながる成果を生み出してきました。

もし「自社の想いを形にして世の中へ届けたい」「ブランド価値をさらに高めたい」とお考えでしたら、ぜひ一度フォーウェイへご相談ください。

企画構成から出版まで、経験豊富な担当者が丁寧にサポートいたします。

企業イメージは、顧客・取引先・株主・従業員・地域社会といったステークホルダーが企業に対して抱く総合的な印象を指します。

良い企業イメージを築くことは、信頼の獲得や採用・人材定着、売上向上につながります。

しかし、企業イメージは短期間で形成されるものではありません。

そのため、日々の情報発信や行動、理念の一貫性が重要となります。

この記事では、企業の経営者・事業責任者に向けて、企業イメージを向上させるための考え方や具体的な実践手法について解説します。

目次【本記事の内容】

執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)

慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。

企業イメージとは

企業イメージは企業活動全体から形づくられるため、その仕組みを理解しておくことが、戦略的な取り組みを進めるうえで重要です。

ここでは、企業イメージの基本的な事項として、次の2つのポイントに分けて解説します。

  • 企業イメージの定義
  • 企業イメージの構成要素

以下で、それぞれ詳しく見ていきます。

◉-1、企業イメージの定義

企業イメージとは、顧客や従業員、取引先、社会などが企業に対して抱く印象や信頼、期待を総合したものを指します。

見た目や広告だけでなく、理念や日々の行動、社会的姿勢など、あらゆる接点によって形成されることが特徴です。

◉-2、企業イメージの構成要素

企業イメージは、次の5つの要素から成り立っています。

  • ビジュアル
  • コミュニケーション
  • 商品やサービスの品質
  • 従業員の対応
  • 社会的責任

具体的には、ビジュアルとしてロゴやコーポレートカラー、Webサイトのデザインなどが挙げられます。

営業担当者の営業トーク、問い合わせ対応といった社外とのコミュニケーションも企業のイメージを左右する要素です。

企業の本質ともいえる商品やサービスの品質が、企業の評判に関わるのはいうまでもありません。

接客態度や電話応対などの従業員の対応も、企業イメージに影響します。

現代では、コンプライアンスの遵守や地域貢献、環境問題への取り組みのような、企業が社会的に責任を果たしているかどうかもイメージに影響をおよぼす要素です。

これらの5つの要素の一貫性が保たれることで、信頼性の高い企業イメージが確立されます。

企業イメージを向上させるメリット

企業イメージを向上させることは、信頼の獲得や収益性の向上、人材の採用や定着など、多方面に良い影響をもたらします。

主なメリットとして、次の4つが挙げられます。

  • 顧客や取引先からの信頼が高まり、売上・利益が向上する
  • 競合との価格競争に巻き込まれにくくなる
  • 従業員満足度が向上し、優秀な人材の採用・定着につながる
  • 社会的評価が高まり、持続的な企業成長を支える

以下で、具体的にどのようなメリットがあるのかを見ていきましょう。

◉-1、顧客や取引先からの信頼が高まり、売上・利益が向上する

顧客や取引先は「信頼できる企業」から商品やサービスを選ぶ傾向が強く、企業イメージの良し悪しが売上や契約率に直結します。

たとえば、フォローに力を入れたことで、問い合わせだけで終わっていた見込み顧客が「御社に任せたい」と言ってくれるようになるなど、信頼を得ることが売上にもつながります。

信頼が高まるほど「選ばれる理由」が明確になり、競合他社との差別化が進むのです。

企業の信頼が高まることで、購入や継続的な取引につながり、結果として売上と利益の向上が期待できます。

◉-2、競合との価格競争に巻き込まれにくくなる

ブランド価値が確立された企業は、価格だけでなく、信頼や品質、社会的評価といった付加価値で選ばれるようになります。

こうした付加価値が確立されると、「価格以外の評価軸」で選ばれる機会が増え、価格競争への依存度が下がるのです。

そのため、競合他社との値下げ競争に陥りにくくなり、適正価格での取引や長期的な利益の確保が期待できます。

◉-3、従業員満足度が向上し、優秀な人材の採用・定着につながる

企業イメージが向上すると、社外だけでなく社内にも良い影響が生まれます。

社会から信頼される企業で働く誇りが従業員のモチベーションを高め、離職率の低下が期待できます。

また、理念に共感できる優秀な人材の応募が増えて、採用コストの削減や採用活動の効率化にもつながります。

◉-4、社会的評価が高まり、持続的な企業成長を支える

CSR活動や環境への取り組み、地域貢献などを通じて企業が社会に示す姿勢も、企業イメージの向上につながる要素です。

社会との信頼関係が深まることで、ステークホルダーからの期待や支持も安定し、企業の長期的な経営基盤が強化されます。

こうした取り組みの積み重ねによって、企業の社会的信頼の土台が形成され、持続可能な企業成長を支える基盤となります。

企業イメージを向上させる具体的な手法

企業イメージを高めるためには、外部への発信だけでなく、内部の意識改革や物語を通じた価値の伝達など、多角的な取り組みが必要です。

ここでは、代表的な4つの手法について解説します。

  • アウターブランディング
  • インナーブランディング
  • ストーリーブランディング
  • 採用ブランディング

以下で、それぞれについて詳しく解説します。

◉-1、アウターブランディング

アウターブランディングとは、社外に向けてブランド価値を発信し、理解や信頼を獲得するための取り組みです。

顧客や取引先、株主、従業員、地域社会などのステークホルダーに「どのような価値を提供できる企業なのか」を分かりやすく伝えることが重要になります。

アウターブランディングの主な手法は、以下の表の通りです。

主な手法詳細
コーポレートサイトの改善・企業理念や強みが明確に伝わる構成
・デザインにすることで、企業理解が深まる
・第一印象を左右するため、信頼性を判断する重要な要素となる
SNS・オウンドメディアの活用・企業の価値観や取り組みを継続的に発信でき、情報の透明性が高まる
・顧客との接点を増やし、関係構築を促進する
PR・広報活動の強化・企業の取り組みや価値を社会に広く伝えることができる
・メディア掲載を通じて専門性の訴求や認知度の向上につながる
顧客コミュニケーションの最適化・丁寧な対応によって顧客満足度や信頼感の向上が期待できる
・充実したサポートは顧客の信頼を高め、長期的な関係構築に寄与する

◉-2、インナーブランディング

インナーブランディングとは、従業員が企業理念やブランドの価値を理解し、自ら体現できる状態をつくる取り組みです。

従業員一人ひとりがブランドの担い手となることで、企業イメージは自然と外部にも良い形で広がっていきます。

インナーブランディングの主な手法は、以下の表の通りです。

主な手法詳細
企業理念・ビジョンの浸透施策・研修やワークショップを通じて、従業員が自社の価値や理念を理解できる
・理念が共有されることで、組織全体としての方向性が明確になり、行動の統一につながる
社内コミュニケーションの活性化・部署間の連携を円滑にし、組織全体の一体感を強化する
・意見交換が行われる環境を整えることで、ブランド価値の体現が進む
表彰制度・評価制度の整備・成果や行動を正しく評価する仕組みが、従業員の意欲向上に貢献する
・制度の透明性が組織文化の形成を支える
研修・育成制度の拡充・企業の価値観を理解した上で能力を伸ばす環境を整えられる
・理念に基づく行動が促進され、企業イメージの向上につながる

▶︎インナーブランディングのやり方については、関連記事【インナーブランディングとは?施策や進め方、成功事例を紹介】もあわせて参考にしてください。

◉-3、ストーリーブランディング

ストーリーブランディングとは、企業や商品の背景にある物語を通じて価値を伝える手法です。

人はストーリーに共感しやすく、物語を通じて企業の価値や想いがより深く伝わる点が特徴です。

ストーリーブランディングの主な手法を、以下の表にまとめました。

主な手法詳細
創業ストーリーの発信・創業時の想いや背景を伝えることで、企業の存在意義や価値観が明確になる
・企業の原点を共有することで、顧客を含むステークホルダーとの共感が生まれ、信頼の構築につながる
商品開発の裏側を紹介・品質へのこだわりや開発部門の姿勢を具体的に示せる
・製品やサービスへの安心感や納得感を高め、ブランドに対する信頼と好感を高める
従業員のストーリーを紹介・従業員の働き方や成長の過程を紹介することで、企業文化や価値観が具体的に伝わる
・従業員のリアルな声が企業への信頼を高め、採用活動や社員の定着にも良い影響を与える
顧客事例(ビフォーアフター)を活用・商品やサービスが生み出す変化を具体的に示せる
・提供価値が明確になることで信頼性が高まり、新規顧客の獲得につながる
書籍の出版・企業の理念・専門性・実績を1冊の本に体系的にまとめて発信できる
・社会的信頼性の高いメディアとして受け取られ、潜在顧客の関心獲得にも効果がある
・書籍は長期的に残るため、企業イメージ向上に継続的に貢献する

▶︎ストーリーブランディングのやり方については、関連記事【ストーリーブランディングとは?企業の物語を伝えてファンを作る方法】もあわせて参考にしてください。

◉-4、採用ブランディング

採用ブランディングとは、求職者から「働きたい」と思われる企業になるためのブランド構築を指します。

給与や福利厚生だけでなく、働く意義や企業文化を明確に伝えることで、優秀な人材の獲得につながります。

採用ブランディングの主な手法は、以下の表の通りです。

主な手法詳細
採用サイト・採用SNSの強化・専用サイトやSNSを通じて、企業文化や働く環境、従業員の姿を具体的に伝えられる
・求職者の企業理解が深まり、応募意欲の向上につながる
企業カルチャーの可視化・働く環境や価値観を明確に示すことで、ミスマッチ防止や採用精度の向上につながる
・求職者が企業との相性を判断しやすくなり、納得感の高い採用につながる
求人票・募集要項のブラッシュアップ・仕事内容や求める人物像を明確化することで、適切な人材からの応募が増える
・業務内容や役割を正しく伝えられるため、入社後の定着率向上にもつながる
採用広報・イベントの活用・企業の魅力や働く価値を直接伝える機会をつくれる
・求職者との接点が広がり、応募意欲の向上に結びつく

▶︎採用ブランディングのやり方については、関連記事【採用ブランディングの重要性とは? 目的やメリット、具体的な方法まで解説】もあわせて参考にしてください。

企業イメージを向上させるには信頼を継続的に築くことが重要!

企業イメージを向上させるために重要なのは、派手な広告や一時的な施策ではなく、顧客や社会からの信頼を継続的に積み上げていくことです。

優れた商品やサービスを提供していても、信頼が伴わなければ企業として正当に評価されず、長期的なファンを獲得することも難しくなります。

一方で、信頼を基盤としている企業は継続的な支持を得やすく、競合との差別化にもつながります。

企業出版(ブックマーケティング)なら持続的に企業イメージを高められる!

企業出版(ブックマーケティング)は、社外への発信、社内への浸透、社会との関係構築のすべてに効果的な手法です。

他の施策では得られない「信頼性」「統合性」「持続性」を兼ね備えており、企業イメージを長期的に高めることができます。

企業出版(ブックマーケティング)には、主に次の4つの特徴があります。

  • 信頼性の高い情報をまとめて発信できる
  • 企業理念を社内に浸透させることができる
  • 社会的信頼や共感を醸成することができる
  • 長期的なブランド資産化につながる

以下では、これらの特徴について詳しく解説します。

◉-1、信頼性の高い情報をまとめて発信できる

書籍という信頼性の高いメディアを通じて、企業の理念や実績、専門性を体系的に伝えることができます。

その内容は取引先や顧客、メディアからの評価向上につながり、企業の社会的信用を強化します。

書籍はWeb上の情報や断片的な内容だけを掲載している広告などに比べ、情報が豊富に盛り込まれているのが特徴です。

そのため、「この企業は何者か」を一冊で深く理解してもらえるツールとして機能します。

◉-2、企業理念を社内に浸透させることができる

書籍は、経営者の思想や企業の価値観を明確に示し、従業員が自社の方向性を理解しやすくします。

理念への共感や誇りが育まれ、組織としての行動の一貫性が高まります。

特に新入社員や中途入社した社員に対し、入社初期に企業文化をつかむための「共通テキスト」として活用できるのもメリットです。

◉-3、社会的信頼や共感を醸成することができる

書籍を通じて社会課題への向き合い方や企業としての責任を示すことで、社会からの信頼や共感を高めることが可能です。

また、CSRやSDGsの取り組みと組み合わせることで、倫理性や持続可能性を備えた企業イメージの構築にもつながります。

このような企業姿勢を書籍という形で言語化しておくことは、投資家や取引先などのステークホルダーが、自社のスタンスや長期的なビジョンを理解・評価するうえで重要な判断材料となります。

◉-4、長期的なブランド資産化につながる

書籍は時間が経っても残り続ける媒体であり、長期にわたり価値を発揮します。

営業・採用・広報など幅広い場面で活用でき、企業にとって継続的に使えるブランド資産となります。

また、書籍は増刷や改訂版の発行によって、内容をアップデートすることが可能です。

そのため、社会状況が変化したとしても、時代に合わせて価値を育て続けられます。

特に専門性の高いサービスを提供している企業や、創業のきっかけ・商品開発に独自のストーリーがある企業にとって、書籍は強力なブランド資産となります。
▶︎書籍出版のやり方については、関連記事【企業出版の効果とは?費用相場や成功のポイント、事例を徹底解説】もあわせて参考にしてください。

出版によって企業イメージが向上した事例

ここでは、企業出版によって企業イメージを高めた事例を3つ紹介します。

  • 出版を機に業界から一目置かれる存在へとイメージが向上した事例
  • 出版をきっかけにブランド価値が向上し、顧客とのつながりを深めた事例
  • 出版を通じて「海外進出支援の専門家」としてポジションを築いた事例

以下で、それぞれの事例について詳しく紹介します。

◉-1、出版を機に業界から一目置かれる存在へとイメージが向上した事例

法人保険を専門とする保険代理店は、自社の強みや経営ノウハウを体系的にまとめた書籍を出版しました。

書籍では、保険業界の「成果報酬型」を「一律報酬型」の給与体系に切り替えることで業績が向上した実例を紹介し、自社の独自性と専門性を明確に示しました。

出版後、業界内での認知度が一気に高まり、新規事業のコンサルティング契約を複数獲得することに成功。

さらに、大手保険会社からの講演依頼や共同マーケティングの打診が増えるなど、業界内で一目置かれる存在へと評価が高まりました。

【事例コラム】大口案件の集客、人材採用、大手企業からの講演依頼!出版ですごいことになった保険代理店

◉-2、出版をきっかけにブランド価値が向上し、顧客とのつながりを深めた事例

女性向けサプリメントを販売するメーカーは、既存顧客との関係強化と新規顧客の獲得を目的に書籍を出版しました。

出版の狙いは、自社の信頼性を高めてファン化を促し、LTV(ライフタイムバリュー)の向上につなげること。

書籍では、代表者自身の経験や健康に対する考え方をまとめ、読者にとって役立つ実用的な内容に仕上げました。

その結果、読者が企業や商品の背景をより深く理解するようになり、購入者のリピート率が向上。

さらに、「書籍無料プレゼント」企画を実施したところ、想定の6倍の応募が寄せられ、多くの新規顧客との接点を創出することにも成功しました。

【事例コラム】”書籍無料プレゼント”に想定の6倍の応募、リピート率アップにインパクト!サプリメントメーカーの出版プロジェクト

◉-3、出版を通じて「海外進出支援の専門家」としてポジションを築いた事例

国際税務を専門とする公認会計士は、事務所開所後、海外勤務で得た実体験をもとに、海外進出企業が陥りやすい失敗をケーススタディ形式で解説した書籍を出版しました。

書籍では、失敗の背景や原因を具体的なストーリーとして描きながら、各ケースごとに企業が直面するリスクや課題、そして効果的な解決策を提示。

これから海外進出を目指す企業が避けるべき落とし穴を、実務目線で分かりやすくまとめています。

その結果、地元紙や全国紙、ラジオ番組からの注目が集まり、メディア露出が大きく増加しました。

書籍を通じて専門性が広く認知され、「海外進出支援の専門家」としてのポジションを確立。

ブランディングとビジネス拡大の両面で大きな成果を上げました。

【事例コラム】出版をきっかけにメディア取材が続々、著名人との対談も実現!”海外進出の第一人者”のポジションを得た公認会計士

【まとめ】企業イメージ戦略の中心に企業出版を位置づけよう!

この記事では、企業イメージを向上させるための基本的な考え方と具体的手法について解説しました。

企業イメージを向上させるためには、信頼を継続的に積み重ねる取り組みが欠かせません。

その中でも企業出版は、社外発信・社内浸透・社会的信頼を同時に高められる強力な手法です。

自社のブランド戦略の中心に企業出版を取り入れることで、持続的な企業イメージの向上が期待できます。

フォーウェイでは、企業出版(ブックマーケティング)サービスを提供しており、多くの企業がブランディング施策として活用しています。

ブックマーケティングサービスでは、企業理念や技術面での専門性、自社の成り立ちなどを含めた総合的な情報発信ができ、信頼性や権威性も高めることが可能です。

企業イメージの向上をお考えの方は、フォーウェイまでご相談ください。

BtoBマーケティングは、単なる集客活動ではなく、企業の成長戦略そのものです。

現代の市場では、顧客の購買行動が変化し、これまでのような営業活動に頼るだけでは新規顧客の獲得が難しくなってきています。

こうした市場変化に対応するためにも、経営層がマーケティングを理解し、意思決定に活かすことが必要です。

この記事では、BtoBマーケティングの基本から有効な手法、成功事例までを詳しく紹介します。

目次【本記事の内容】

執筆者:江崎雄二(株式会社フォーウェイ取締役マーケティング統括)


福岡県出身。東福岡高校、山口大学経済学部経済法学科卒業。大学卒業後、月刊誌の編集者兼ライターに携わる。その後時事通信社での勤務を経て、幻冬舎グループに入社。書店営業部門の立ち上げメンバーとして活躍後、書籍の販売促進提案のプロモーション部を経て、法人営業部へ。東京と大阪にて書籍出版の提案営業を担当し、2020年11月、株式会社フォーウェイに参画。2023年9月取締役就任。グループの出版社、株式会社パノラボの流通管理も担う。

BtoBマーケティングとは?

BtoBマーケティングのBtoBとは「Business to Business」の略で、企業間の取引におけるマーケティング活動を指します。

BtoBマーケティングを効果的に経営に取り入れるためには、まずは基本となる考え方を理解しておくことが重要です。

BtoBマーケティングの最終目的は単なる売上拡大にとどまらず、見込み顧客との間で継続的な信頼関係を築き、長期的な取引が続く状態を作ることです。

そのため、単発の案件を追いかけるのではなく、顧客のLTV(顧客生涯価値)を高めることが重要で、結果として安定した収益につながります。

◉-1、BtoCマーケティングとの違い

BtoCマーケティングの対象が個人消費者であるのに対して、BtoBマーケティングの対象は企業です。

意思決定者が複数存在し、取引金額も大きくなります。

また、BtoCのように感情的な訴求が購買につながるケースは比較的少なく、合理的判断やリスク回避意識が重視されます。

そのため、顧客理解と長期的な関係構築が欠かせず、お互いに信頼関係を深めながら進めていく必要があります。

BtoBマーケティングを実施する5つのステップ

ここでは、BtoBマーケティングで成果を上げるための5つのステップを解説します。

  • ステップ1:見込み顧客を獲得する(リードジェネレーション)
  • ステップ2:見込み顧客を育てる(リードナーチャリング)
  • ステップ3:見込み顧客を選別する(リードクオリフィケーション)
  • ステップ4:商談・受注につなげる
  • ステップ5:顧客との関係を維持・発展させる

以下で、順に見ていきましょう。

◉-1、ステップ1:見込み顧客を獲得する(リードジェネレーション)

最初のステップは、潜在顧客との接点を増やすことです。

以下のようなさまざまなチャネルを活用して、自社に関心を持つ企業を見つけ出します。

  • 展示会
  • セミナー
  • SNSでの発信
  • インターネット広告
  • SEO対策

自社の商品やサービスに興味を持つ可能性が高い企業をターゲットとして、適切な施策を選択して実施することが重要です。

◉-2、ステップ2:見込み顧客を育てる(リードナーチャリング)

次のステップでは、獲得した見込み顧客との間に信頼関係を構築します。

メール配信やウェビナー、ニュースレター、ホワイトペーパーなどを通じて、相手の課題を理解しながら適切な情報提供を行い、関係性を深めていきます。

単なる情報提供ではなく、顧客の関心や課題に合わせた価値を届けることがポイントです。

◉-3、ステップ3:見込み顧客を選別する(リードクオリフィケーション)

次は、育成した見込み顧客の中から、営業がアプローチすべき企業を絞り込むステップです。

スコアリング(行動履歴や関心度の数値化)やデータ分析を通じて、関心度の高い顧客を抽出し「今アプローチすべき顧客」を見極めます。

優先度の高い見込み顧客を明確にすることで、営業チームのリソースの有効活用や効率的な商談創出が可能となります。

◉-4、ステップ4:商談・受注につなげる

見込み顧客を選別した後は、営業チームと連携し、選定した見込み顧客に対して商談を提案します。

マーケティングで得られた顧客情報(興味・課題・行動履歴)を営業チームに共有することで、スムーズな提案につながります。

商談率や受注率を定期的に分析し、マーケティングと営業を一体化した仕組みを構築することが、成果を最大化するポイントです。

◉-5、ステップ5:顧客との関係を維持・発展させる

BtoBマーケティングでは、受注後のフォローアップも重要です。

契約後も継続的にサポートを行い、定期的に有益な情報を提供することで、顧客の満足度を高め、リピート受注やアップセルにつなげられます。

また、満足度の高い顧客からは新たな紹介が生まれることも多く、追加の商談機会を創出するきっかけになります。

顧客を一度きりの取引相手として捉えるのではなく、長期的なパートナー(顧客資産)として育てていく姿勢が大切です。

BtoBマーケティングの手法一覧

BtoCマーケティングでは、「いかに多くの人へアプローチし、今すぐ購入したいと思わせるか」が重視されます。

一方で、BtoBマーケティングにおいては、企業が顧客から「信頼できる」と感じてもらうことが重要です。

基本的な手法自体はどちらも共通していますが、目指す目的が異なる点を理解して活用することが大切です。

以下では、代表的な2つの手法を紹介します。

  • オンライン施策
  • オフライン施策

それぞれ詳しく見ていきましょう。

◉-1、オンライン施策

BtoBマーケティングのオンライン施策では、デジタル環境を活用して見込み顧客との接点を作り、興味関心を高めていきます。

次の表で代表的な手法とそれぞれの特徴を紹介します。

手法詳細
SEO対策・「検索エンジン最適化」ともいい、自社Webサイトを検索エンジンで上位表示させ、自然流入を増やす手法・中長期的なリード獲得に有効
オウンドメディア運用・自社Webサイトでブログや事例、ノウハウを発信して専門性を訴求し、リード獲得につなげる手法・BtoBでは信頼構築の効果が大きい
ウェビナー(オンラインセミナー)・ウェブ(Web)とセミナー(Seminar)を組み合わせた造語で、インターネット上で開催されるセミナー・関心度の高い見込み顧客と接点をつくり、関係性を深められる手法・会場設営や移動が不要なためコストを抑えられる
SNSマーケティング・X(旧Twitter)、LinkedIn、InstagramなどのSNSを活用した手法・双方向のコミュニケーションが可能なため、信頼関係を構築することができる
メールマーケティング/MAツール活用・メールを使って継続的に情報発信をして、見込み顧客の育成を行い、最終的に商品購入やサービス利用などの目標達成に導く手法・MAツールを活用すれば、顧客一人ひとりの興味や行動に合わせたメール配信やスコアリングが可能
デジタル広告・WebサイトやSNS・動画配信サービスなどのオンライン上のチャネルで、テキスト・画像・動画形式で配信される広告手法・ユーザーの年齢、性別、興味関心などの属性や行動履歴に基づくターゲティングが可能・短期間で成果が出やすい
ホワイトペーパー・資料ダウンロード・企業が見込み顧客や潜在顧客に向けて、課題解決や情報提供を目的として作成する資料・BtoBマーケティングでは、信頼関係の構築に有効
オンライン展示会・バーチャルイベント・インターネット上のバーチャル空間で開催される展示会やイベント・参加者の属性や行動履歴などを取得して、後の営業やマーケティングに活用できる・時間や場所の制約がないため、幅広い層にアプローチできる

◉-2、オフライン施策

BtoBマーケティングのオフライン施策では、対面のコミュニケーションを通じて深い信頼関係を築いていきます。

オンラインでは伝わりにくい価値を直接伝えられる点が強みです。

代表的な手法と特徴は次表の通りです。

手法詳細
展示会・業界イベントへの出展・展示会に出展することで、直接商品やサービスのアピールができる・見込み顧客との直接対話を通じて課題やニーズを把握しやすい・商談や他社との協業のきっかけとなりやすい
セミナー・講演会の開催・セミナーを主催することで、専門性を訴求しながら参加者との関係性を深めることができる・関心度の高い見込み顧客が参加するため、次のステップにつながりやすい
営業訪問・商談活動・営業担当者が直接顧客を訪問し、対面で課題ヒアリングや提案を行う手法・顧客の反応を見ながら対応できるため、信頼関係を築きやすい
カタログ・パンフレット配布・商品やサービスの特徴・導入事例をまとめた印刷物を顧客に直接届ける手法・ポストインや展示会・説明会での配布、DMでの送付などの方法がある
異業種交流会への参加・異なる業種・業界の人々が集まるため、情報交換や人脈づくりなどにつながる・潜在顧客との接点創出の可能性もある
顧客向けイベント・既存顧客向けのイベントを開催して、信頼関係を強化する手法・顧客満足度の向上やアップセルにつながる
企業出版(書籍出版)・企業が書籍を通じて、企業の理念や価値観、実績などを体系的に伝えることができる手法・広告と異なり、長期にわたってブランディング、専門性の訴求、リード獲得に効果を発揮する

BtoBマーケティングで成功するには「信用してもらう」仕掛け作りが何より重要!

BtoCマーケティングとBtoBマーケティングでは、用いる手法そのものに大きな差はありません。

しかし、その手法をどの目的で活用するのかという点が異なることを理解しておく必要があります。

BtoCマーケティングが「購入してもらうための仕掛け」を組み込むのに対し、BtoBマーケティングでは「信用してもらうための仕掛け」を組み込むことが基本です。

たとえば、第一接触からいきなり売り込むのではなく、次のような手法を間に挟むことによって、信頼度を高めることが可能です。

手法活用ポイント
ホワイトペーパーを活用するWebサイトからすぐにお問い合わせページに誘導するのではなく、「サービスの導入事例」や「サービスの詳細説明」のホワイトペーパーをダウンロードしてもらう
無料相談会を実施するセミナーや講演会の場で、「興味のある方は問い合わせを!」といきなり売り込みをするのではなく、無料の個別相談会を設けて、対話によって信用を獲得していく
書籍を活用する異業種交流会やイベントなどで、名刺交換後すぐに自社の商品やサービスの紹介をするのではなく、出版した書籍を渡して「この企業は書籍を出版するほど信頼性の高い企業である」ことを暗に伝える

BtoBマーケティングなら企業出版が信頼獲得に効果的!

企業出版は、BtoBマーケティングにおいて信頼獲得とブランド構築を同時に実現できる有効な手段の一つです。

さらに、書籍をきっかけにリード獲得やメディア露出、採用強化など、さまざまな効果が期待できます。

ここでは、企業出版のメリットを4つ紹介します。

  • 専門性・信頼性を訴求できる
  • 経営層・意思決定者へのリーチが可能
  • 他社との差別化・ブランディング効果が高い
  • 他のマーケティング施策との相乗効果が高い

それぞれ詳しく見ていきましょう。

◉-1、専門性・信頼性を訴求できる

企業出版(ブックマーケティング)は、書籍という社会的信頼性の高いメディアを通じて、自社の知見やノウハウを体系的に発信できます。

広告やWeb記事では伝えきれない企業の哲学や実績、事例をストーリーとして提示することで、読者の深い理解を促し、長期的に専門性と信頼性を築くことが可能です。

さらに、書籍化された情報は「長く保存される資産」として機能するため、時間が経っても専門家としての評価が積み重なり、結果としてブランド価値の向上にもつながります。

◉-2、経営層・意思決定者へのリーチが可能

BtoB取引では、最終的な購入判断を下すのは経営層や管理職といった限られた層です。

企業出版による情報発信は、書店やAmazon、ビジネス誌などを介して、こうした意思決定層に自然に届きやすく、質の高いリード獲得につながりやすい点が特徴です。

また、書籍出版後の講演やセミナー、メディア取材などを通じた経営者ネットワークの拡大にもつながります。

◉-3、他社との差別化・ブランディング効果が高い

BtoB取引では、商品やサービスの機能だけでは差別化が難しいケースも少なくありません。

企業出版を通じて「なぜこの事業を行っているのか」「社会へどのような価値を提供しているのか」を発信することで、理念や姿勢によって選ばれる企業へと進化することができます。

また、競合他社がWeb広告や展示会を中心に情報発信を行う中で、書籍を活用することで「知見の深い企業」「思想を持つ企業」という印象を強く与えられ、ブランディングの差別化にもつながります。

◉-4、他のマーケティング施策との相乗効果が高い

企業出版は単体の施策としても効果的ですが、他のマーケティング施策と組み合わせることで効果を最大化できます。

たとえば、次のようにオンライン施策・オフライン施策双方のハブとして機能させる展開が可能です。

  • WebサイトやSNSで書籍内容を再編集して発信
  • 展示会やセミナーで配布し、名刺交換から商談化
  • プレスリリースやメディア露出を促進

書籍というまとまった情報資産があることで、コンテンツの再活用がしやすくなり、施策全体の効率化にもつながります。
▶︎書籍出版のやり方については、関連記事【企業出版の効果とは?費用相場や成功のポイント、事例を徹底解説】もあわせて参考にしてください。

企業出版によるBtoBマーケティングの成功事例

ここでは、企業出版を活用してBtoBマーケティングに成功した4つの事例を紹介します。

  • 企業出版でコンサル依頼!同業から一目置かれるようになった事例
  • 事業の立ち上げとともに企業出版!メディアからも注目が集まった事例
  • BtoB企業に特化した書籍を出版!商圏拡大に成功した事例
  • 企業出版で自社製品の有用性を訴求して販路拡大を実現した事例

それぞれの事例について詳しく見ていきましょう。

◉-1、企業出版でコンサル依頼!同業から一目置かれるようになった事例

法人専門の保険代理店は、新規事業のコンサルティングで顧客獲得に苦戦し、自社の強みや経営ノウハウを体系的にまとめた書籍を出版しました。

出版後、業界内での認知度が一気に高まり、複数のコンサル契約を獲得することに成功。

大手保険会社からの講演依頼や共同マーケティングの声がかかるなど、同業から一目置かれるような存在になりました。

【事例コラム】大口案件の集客、人材採用、大手企業からの講演依頼!出版ですごいことになった保険代理店

◉-2、事業の立ち上げとともに企業出版!メディアからも注目が集まった事例

公認会計士事務所を開所した1年目に「海外進出の第一人者」というポジションを確立するために書籍を出版。

出版後は、地元紙や全国紙、ラジオ番組などからの注目が集まり、メディア露出が増加したといいます。

書籍を通じて専門性が広く認知され、事務所のブランディングとビジネス拡大に成功しました。

【事例コラム】出版をきっかけにメディア取材が続々、著名人との対談も実現!”海外進出の第一人者”のポジションを得た公認会計士

◉-3、BtoB企業に特化した書籍を出版!商圏拡大に成功した事例

BtoB企業向けにデジタルマーケティングサービスを展開している企業が、ノウハウをまとめた書籍を出版したところ、大手企業の課長級以上からの問い合わせがあり、10件弱の受注につながりました。

遠方の企業からの問い合わせにはテレビ会議で柔軟に対応することで、新たな地域への商圏拡大も実現。

書籍出版を通じて信頼度が高まり、月間100万円のWeb広告費が数万円にまで減少したという成果も上がっています。

◉-4、企業出版で自社製品の有用性を訴求して販路拡大を実現した事例

ある食品製造会社は、自社製品の有用性を訴求する書籍を出版しました。

書籍の中でサラダ油の過剰摂取に警鐘を鳴らし、解決策として自社製品のこめ油の有用性を訴求。

結果として、書籍が反響を呼び、米油ブームの火付け役となり、全国から新規取引の問い合わせ獲得につながりました。

【まとめ】BtoBマーケティングは企業成長の鍵!企業出版も検討してみよう

BtoBマーケティングは営業支援ではなく、経営戦略の中核となる取り組みです。

市場の変化や顧客行動の変化に対応し、データとマーケティングを基盤とした経営判断を行うことが、安定した企業成長の鍵となります。

企業が成長するためにも、まずは自社の現状を可視化して、マーケティング体制の整備から始めてみましょう。

フォーウェイでは、企業出版(ブックマーケティング)サービスを行っています。

企業出版を通じて、伝わりにくかった自社の専門性や理念を信頼として発信し、長期的な顧客関係やブランド価値の向上につなげています。

これまで多くの経営者・専門家の方々の出版を支援し、リード獲得や採用強化、メディア露出など幅広い成果を生み出してきました。

企業出版を活用したBtoBマーケティングのことなら、フォーウェイまでご相談下さい。

マーケティング活動において、顧客との最初の接点をどのように築くかは重要な課題です。

しかし、Web広告やSNSでの情報発信だけでは、企業の専門性や信頼性を十分に伝えることが難しいという実情があります。

そこで近年注目を集めているのが「ホワイトペーパー」です。

自社の専門的な知見やデータをもとに作成されたホワイトペーパーは、単なる営業資料ではなく、顧客との信頼関係を構築し、購買意欲を高めるマーケティングツールとなります。

この記事では、企業経営者や事業責任者に向けて、マーケティングにおけるホワイトペーパーの役割と、信頼を生む情報発信の仕組みについて詳しく解説します。

目次【本記事の内容】

執筆者:江崎雄二(株式会社フォーウェイ取締役マーケティング統括)


福岡県出身。東福岡高校、山口大学経済学部経済法学科卒業。大学卒業後、月刊誌の編集者兼ライターに携わる。その後時事通信社での勤務を経て、幻冬舎グループに入社。書店営業部門の立ち上げメンバーとして活躍後、書籍の販売促進提案のプロモーション部を経て、法人営業部へ。東京と大阪にて書籍出版の提案営業を担当し、2020年11月、株式会社フォーウェイに参画。2023年9月取締役就任。グループの出版社、株式会社パノラボの流通管理も担う。

ホワイトペーパーとは

ホワイトペーパーとは、企業が自社の専門知識やノウハウ、実績などを体系的にまとめて、顧客に提供する資料のことです。

本来は政府や公的機関が政策や調査内容をまとめた「白書」を意味していましたが、現在ではBtoBマーケティングにおいて見込み顧客の課題解決を支援し、自社への信頼を高めるためのコンテンツとして広く活用されています。

マーケティングにおけるホワイトペーパーの役割

BtoBマーケティングにおいて、ホワイトペーパーは顧客との関係構築を支える多面的な役割を担います。

主な役割として、次の6つが挙げられます。

  • リード獲得のための「入り口」としての役割
  • リードナーチャリングのための「教育コンテンツ」としての役割
  • 商談・提案時の「専門性を証明する資料」としての役割
  • 自社やブランドの「ポジションを高めるツール」としての役割
  • 客観的データ・実績による「権威性構築」の役割
  • ブランディング活動の「起点」としての役割

以下で、それぞれの役割について詳しく見ていきましょう。

◉-1、リード獲得のための「入り口」としての役割

ホワイトペーパーは、顧客(リード)が自社を知る最初の接点となる重要なコンテンツです。

Web広告やSEO記事、SNSなどの集客施策から「無料ダウンロード資料」へ誘導することで、まだ商談には至っていない潜在顧客のデータを獲得できます。

特に「業界課題の整理」や「導入事例集」といったテーマは、顧客が自社の現状や課題を整理したい段階で関心を持つことが多く、営業リストの質と量の両面を向上させる入り口の施策として効果的です。

◉-2、リードナーチャリングのための「教育コンテンツ」としての役割

一般的に、一度資料をダウンロードしただけですぐに商談や契約につながることはありません。

そこで重要になるのが、顧客の購買意欲を段階的に育てる「リードナーチャリング」です。

ホワイトペーパーをメール配信やMAツール(HubSpot、Marketoなど)と連携させることで、「初回資料 → 関連テーマ → 事例紹介 → 導入検討」といった流れを作ることができます。

顧客の理解を深めながら、自社への信頼と興味を高めていく「教育コンテンツ」として機能します。

◉-3、商談・提案時の「専門性を証明する資料」としての役割

商談や提案の場では、担当者からの説明だけでなく、信頼の裏付けとなる根拠資料の提示が効果的です。

ホワイトペーパーには、自社の専門知識や技術、導入実績などが体系的にまとめられているため、商談・提案時に提示することで、「この分野に強い企業である」ことを伝えられます。

また、数値データや事例、比較分析などを含めると、単なる説明資料ではなく「専門性を証明する客観的なエビデンス」となります。

◉-4、自社やブランドの「ポジションを高めるツール」としての役割

現代では、企業からの情報発信の質と量がブランド価値に影響を与える傾向が強くなっています。

ホワイトペーパーは、「この分野ならこの会社」と顧客から想起してもらうための重要なツールです。

特定のテーマについて継続的に発信することで、市場における自社の立ち位置を高め、専門性や信頼性をより明確にすることができます。

こうした取り組みは、長期的なブランディング基盤の形成にもつながります。

▶︎企業ブランディングのやり方については、関連記事【企業ブランディングとは?効果や具体的な8つの手法を徹底解説】もあわせて参考にしてください。

◉-5、客観的データ・実績による「権威性構築」の役割

ホワイトペーパーは、主観的な宣伝ではなく、客観的なデータや第三者の調査結果をもとに作成されます。

そのため、読者は内容を「信頼できる情報」として受け止めやすく、自社への信頼も自然と高まります。

たとえば、業界調査やアンケート結果をまとめたホワイトペーパーは、専門誌やメディアにも引用されることも多く、企業の発信力と権威性の両方を強化することが可能です。

◉-6、ブランディング活動の「起点」としての役割

ホワイトペーパーは、短期的なリード獲得にとどまらず、自社の理念やビジョン、専門知識を社会に定着させるための「起点」となります。

テーマ設定やトーン、デザインを通じて「自社らしさ」を表現することで、一貫したブランドメッセージを発信でき、長期的なファン層の形成やリピート購入にもつながります。

成果を上げるホワイトペーパーの作成ステップ

一般的に、ホワイトペーパーの作成は次のステップで進めるのが効果的です。

  • ステップ1:目的とターゲットを明確にする
  • ステップ2:顧客課題からテーマを設計する
  • ステップ3:構成と内容を設計する
  • ステップ4:信頼性を高める表現とデザインを整える
  • ステップ5:配信と運用を開始する
  • ステップ6:定期的な更新と分析をする

以下で、それぞれのステップについて詳しく見ていきましょう。

◉-1、ステップ1:目的とターゲットを明確にする

まず最初に、ホワイトペーパーを「なぜ作るのか」という目的を明確にします。

「新規リードを獲得したい」「既存リードを育成したい」「商談を後押ししたい」などの目的によって、資料の構成やトーンは変わります。

さらに、「経営層向けなのか」「実務担当者向けなのか」といったターゲットの設定も重要なポイントです。

目的とターゲットをしっかり定めることで、読者のニーズに沿った内容を提供でき、メッセージの方向性がぶれることなく一貫性のある資料を作成できます。

◉-2、ステップ2:顧客課題からテーマを設計する

ホワイトペーパーは、企業が伝えたいことではなく、顧客が抱える課題を解決する視点から設計することが重要です。

読者が本当に求めているのは、商品の説明ではなく、「自分の課題をどう解消できるのか」という具体的なヒントや答えです。

また、自社の特長を伝える前に、まず業界全体の課題や市場動向を提示し、そのうえで解決策として自社のノウハウを示す構成にすると、説得力のある資料になります。

◉-3、ステップ3:構成と内容を設計する

テーマが決まったら、読者が理解しやすく、自然に次の行動へと進めるような構成を設計します。

まず導入部分では、現状の課題や問題点を提示し、その後にそれらを解決するための方向性や考え方を示します。

次に、自社の実績・事例・データなどを活用して内容の信頼性を高め、最後に問い合わせや資料請求などのアクションにつながる導線を設けましょう。

全体の情報の流れに一貫性を持たせることで、読者に「この企業なら信頼できそうだ」と感じてもらいやすくなります。

◉-4、ステップ4:信頼性を高める表現とデザインを整える

ホワイトペーパーで重視されるのは、情報の信頼性です。

主観的な表現を避け、第三者のデータや公的な統計、実際の顧客事例など、客観的な根拠を示すことが信頼につながります。

文章は簡潔で分かりやすくまとめ、図表やグラフを使って視覚的にも理解しやすくするのが理想です。

デザイン面では、過剰な装飾よりも読みやすさを優先し、余白や色使いで情報の整理を意識することで、より「ビジネス資料らしい信頼感」が伝わります。

◉-5、ステップ5:配信と運用を開始する

完成したホワイトペーパーは、ターゲットに応じた適切な手段で配信することが重要です。

自社サイトでのダウンロード配布に加えて、SNS広告や検索連動広告からの誘導、メルマガによる配信など、複数のチャネルを連携させると効果を高められます。

◉-6、ステップ6:定期的な更新と分析をする

ホワイトペーパーは、一度作成して終わりではありません。

ダウンロード数や閲覧時間、商談化率などのデータを継続的に分析し、改善を重ねることで成果を維持・向上させることが重要です。

さらに、市場環境や顧客ニーズの変化に合わせて内容をアップデートすることで、常に「いま求められている情報」を発信し続けられます。

ホワイトペーパーと組み合わせたいマーケティング施策

ホワイトペーパーの効果をさらに高めるためには、他のマーケティング施策と連携させて活用することが重要です。

特に、次の5つの施策と組み合わせることで高い効果が期待できます。

  • 広告運用
  • メールマーケティング
  • ウェビナー・イベント
  • オウンドメディア(SEO)
  • 企業出版

以下で、それぞれの施策について詳しく見ていきましょう。

◉-1、広告運用

広告運用は、ホワイトペーパーのダウンロードを促進する直接的な手段です。

検索連動広告やディスプレイ広告、SNS広告などを活用することで、関心度の高い見込み顧客層へ効率的にアプローチできます。

たとえば、「無料資料ダウンロード」や「業界別導入事例集」といった訴求は、検討初期段階の顧客に響きやすく、リード獲得の入り口として効果的です。

また、広告運用ではターゲティングの精度が成果を左右します。

業種・職種・興味関心などの条件を細かく設定し、ホワイトペーパーのテーマと関連性の高い層に広告を配信することで、無駄なクリックを抑えつつ、より質の高いリードを確実に獲得できるようになります。

◉-2、メールマーケティング

ホワイトペーパーをダウンロードした顧客との関係を深めるには、メールマーケティングが有効です。

ダウンロード直後のサンクスメールや、関連コンテンツ・セミナー案内などを段階的に配信することで、顧客の理解を促し、商談化率を高められます。

たとえば、「課題解決の具体策を紹介するフォローアップ資料」や「導入企業の成功事例」を順に届けることで、自然な流れで関係性を育てることができます。

◉-3、ウェビナー・イベント

ホワイトペーパーで自社に関心を持った顧客を次のステップへ導く施策として、ウェビナーやイベントの開催は有効です。

リアルタイムで情報を共有し、直接質問し回答を得る機会を提供することで、企業への信頼感を高められます。

たとえば、ホワイトペーパーの内容をもとにした「成功事例セミナー」や「業界トレンド解説ウェビナー」を開催すると、参加者の関心が高まり商談に結びつく可能性があります。

さらに、ウェビナー終了後にアンケートを実施し、回答内容に合わせてフォローアップ資料を送付することで、顧客との関係をより強固にできるでしょう。

◉-4、オウンドメディア(SEO)

ホワイトペーパーとオウンドメディア(公式サイトや自社ブログなど)を組み合わせることで、検索経由のリード獲得を強化できます。

記事の中で読者の課題を整理し、具体的な解決策や関連データを提示したうえで、「詳しくはホワイトペーパーをダウンロード」という導線を設ければ、自然な流れで資料請求へとつなげられます。

▶︎SEOのやり方については、関連記事【SEO対策とは? 効果的な戦略の組み立て方と対策方法】もあわせて参考にしてください。

◉-5、企業出版

ホワイトペーパーの発展形として、企業出版(ブックマーケティング)を取り入れる企業が増えています。

書籍はWeb上の資料よりも深い専門性や独自の見解を伝えられるため、長期的なブランド構築や信頼性の向上に効果的です。

「ホワイトペーパーの拡張版」として、商談支援やブランディングを強力に後押しするマーケティング資産となります。

さらに、書籍をホワイトペーパーの代替としてリード獲得に活用することも可能です。

たとえば、書籍プレゼントの応募時にリード情報を入力してもらう方法が挙げられます。

書籍という「形のある情報発信」は、オンライン施策だけでは得にくい信頼感や権威性を高める点でもメリットがあります。
▶︎書籍出版のやり方については、関連記事【企業出版の効果とは?費用相場や成功のポイント、事例を徹底解説】もあわせて参考にしてください。

書籍をホワイトペーパーやバックアップツールとしてマーケティングに活用した事例

ここでは、実際に書籍をマーケティングに活用して成果を上げた事例を2つ紹介します。

  • 書籍で専門性を伝え、信頼を獲得した事例
  • 出版を通じてブランディングを確立した事例

以下で、それぞれどのような活用をしたのかを見ていきましょう。

◉-1、書籍で専門性を伝え、信頼を獲得した事例

ある公認会計士は、独立1年目という立ち上げ期に「海外進出支援」というポジション確立を狙い、書籍をマーケティングツールとして活用しました。

出版後は、新聞やビジネス誌、ラジオなど各メディアからの取材が相次ぎ、想定以上の反響を獲得。

「海外展開支援の第一人者」としての認知が一気に広がり、書籍をきっかけにセミナー講師依頼やメディア出演が増加しました。

また、商談時に書籍を「名刺代わり」に手渡すことで、短時間で専門性を印象づけることに成功。

特に、大手企業や海外進出を検討する経営層との商談で、「この人なら任せられる」という信頼を獲得しやすくなり、商談成立率が大幅に向上しました。

さらに、出版によるブランディング効果で価格交渉も減少し、安定的な高単価案件の受注へとつながりました。

結果として、書籍が単なるPR素材ではなく、商談支援や信頼獲得、リード拡大を同時に実現する強力なマーケティング資産となっています。

▶︎公認会計士事務所の詳しい事例については【【事例コラム】出版をきっかけにメディア取材が続々、著名人との対談も実現!”海外進出の第一人者”のポジションを得た公認会計士】もあわせて参考にしてください。

◉-2、出版を通じてブランディングを確立した事例

クリニックの開業を専門とするコンサルタントは、案件獲得とブランディングを目的に書籍を出版しました。

書籍では、「地方や衛星都市で成功するための開業ノウハウ」をわかりやすく解説しながら、自然に著者への問い合わせへとつながる構成を採用。

出版からわずか3週間で問い合わせが殺到し、1ヶ月後には対応しきれないほどの案件が増加しました。

また、全国各地からの相談が寄せられ、地方・都市圏を問わず商圏が一気に拡大し、出版をきっかけに開業コンサルタントというポジションを確立しました。

特筆すべきは、出版後も書籍コンテンツを自社Webサイトに再利用したことです。

読者が書籍タイトルや著者名で検索した際に、スムーズに問い合わせページへ誘導できる導線を構築しました。

書籍の販促効果を一過性で終わらせず、継続的なリード獲得とブランド浸透につなげています。

【まとめ】ホワイトペーパー×企業出版は長期的に使えるマーケティング資産

この記事では、マーケティングにおけるホワイトペーパーの役割や効果的な施策、書籍と組み合わせた成功事例について詳しく解説しました。

ホワイトペーパーは、専門性と信頼性を伝えることで短期的なリード獲得だけでなく、中長期的な顧客関係の構築にも貢献するマーケティング資産です。

その効果をさらに高める手段として注目されているのが「企業出版」との組み合わせです。

企業出版を通じて自社の理念や専門性を社会に広く発信することで、ホワイトペーパーと相互に補完し合う長期的なマーケティング基盤を築くことができます。

株式会社フォーウェイでは、この企業出版(ブックマーケティング)の仕組みを活用し、企業のマーケティング活動を中長期的に支援しています。

ホワイトペーパーと書籍を戦略的に組み合わせることで、単発の施策にとどまらない「長く使えるマーケティング資産」を構築していきましょう。

デジタルマーケティングの重要性が高まる中、「どのツールを導入すべきか」「自社に本当に必要なのはどれか」で悩む経営者は少なくありません。

広告やSNS、SEO、CRMなど、マーケティング領域には多種多様なツールが存在し、それぞれ異なる役割があります。

デジタル活用が企業成長を左右する今こそ、ツールを現場任せにせず、経営戦略の一部として見直すことが重要です。

この記事では、経営者が知っておくべき主要なマーケティングツールについて解説します。

目次【本記事の内容】

執筆者:江崎雄二(株式会社フォーウェイ取締役マーケティング統括)


福岡県出身。東福岡高校、山口大学経済学部経済法学科卒業。大学卒業後、月刊誌の編集者兼ライターに携わる。その後時事通信社での勤務を経て、幻冬舎グループに入社。書店営業部門の立ち上げメンバーとして活躍後、書籍の販売促進提案のプロモーション部を経て、法人営業部へ。東京と大阪にて書籍出版の提案営業を担当し、2020年11月、株式会社フォーウェイに参画。2023年9月取締役就任。グループの出版社、株式会社パノラボの流通管理も担う。

主要なマーケティングツール

マーケティングの成果を高めるためには、目的に応じたツールを適切に組み合わせることが重要です。

ここでは、主要なマーケティングツールを、次の13の目的別に分類して紹介します。

  • 広告運用ツール
  • SNS運用・分析ツール
  • SEOツール
  • LP・フォーム作成ツール
  • Web最適化・接客ツール
  • CMS(コンテンツ管理システム)
  • メールマーケティングツール
  • 顧客データ活用系ツール
  • 資料・提案支援ツール
  • ウェビナー・イベント運営ツール
  • アンケート・NPS計測ツール
  • データ分析・改善ツール
  • 販売促進ツール

以下で、それぞれのツールの特徴や機能を紹介します。

◉-1、広告運用ツール

オンライン広告の運用において、ターゲット設定や効果測定の精度を高めるためには、代表的な広告プラットフォームを理解しておく必要があります。

主なツールは、次の通りです。

主なツール特徴・機能
Google広告・世界最大の広告配信プラットフォーム・検索・ディスプレイ・YouTubeなど多様な形式に対応し、高精度なターゲティングができる
Meta広告マネージャー・FacebookやInstagramの広告を一元管理できるプラットフォーム・ユーザー属性や興味関心データを活用して配信できる
Yahoo!広告・国内ユーザーへの訴求に強い・検索広告とディスプレイ広告を統合管理でき、日本市場向けの最適化に優れている

◉-2、SNS運用・分析ツール

SNSの投稿管理や分析を自動化するツールを使えば、運用の効率化とデータ活用の両立が可能になります。

主なツールとして、以下が挙げられます。

主なツール特徴・機能
Hootsuite・X(旧Twitter)、Facebook、Instagramなど複数のSNSを一元管理する・投稿予約や自動配信、コメント管理やブランド名のモニタリングも可能・英語UI中心で、グローバル展開する企業に適している
SocialDog・X(旧Twitter)運用に特化したツール・フォロワー管理や自動投稿、エンゲージメント分析で運用改善を支援する
Buffer・X(旧Twitter)やFacebook、Instagramなどに対応している・投稿スケジュール管理とレポート機能が充実

◉-3、SEOツール

SEOツールを使うと、自社サイトの検索順位を高めて自然流入を増やすために必要なキーワード分析や被リンク調査、データに基づく改善を行えます。

主なツールは、次の通りです。

主なツール特徴・機能
Ahrefs被リンク分析や競合調査に強く、SEOに必要なデータを多角的に取得できるツール
Google Search Console検索パフォーマンスやインデックス状況を確認できる無料ツール
Semrushキーワード分析、競合比較、コンテンツ最適化を包括的に支援する総合型SEOツール

◉-4、LP・フォーム作成ツール

リード獲得やキャンペーン運用には、魅力的なLP(ランディングページ)やフォームの作成が不可欠です。

専門知識がなくてもデザインから運用まで対応できるツールが増えています。

具体的なツールとして、以下が挙げられます。

主なツール特徴・機能
ペライチ・ドラッグ&ドロップで簡単にLPを作成できる・豊富なテンプレートでデザイン統一も容易
formrun・問い合わせや応募フォームを直感的に作成できる・チームでの回答管理に加え、Slack通知やスプレッドシート連携にも対応
Unbounce・コンバージョン率の向上に特化したツール・A/Bテストや動的テキスト挿入など最適化機能を備えている

◉-5、Web最適化・接客ツール

Web最適化・接客ツールを活用すると、Webサイトを訪れたユーザーに合わせた体験を提供し、離脱率を下げてコンバージョン率を高めることができます。

ユーザー行動を分析し、自動で個別対応を行えるツールが近年注目されています。

主なツールは、次の通りです。

主なツール特徴・機能
KARTEユーザー行動データに基づき、リアルタイムで最適なメッセージやポップアップを表示できる
ChatPlusWebにチャット機能を簡単に導入し、自動応答から有人対応まで柔軟に設定できる
Zendesk MessagingチャットやSNSを一元管理し、顧客対応を効率化できる
Optimizely・A/BテストやパーソナライゼーションでWeb体験を継続的に改善できる・デジタル体験全体の最適化を支援するプラットフォームとしても活用可能
Hotjar・ヒートマップや録画機能で、ユーザーのサイト上での行動を可視化できる・顧客サポートの効率化にも役立つ

◉-6、CMS(コンテンツ管理システム)

CMS(コンテンツ管理システム)を導入することで、自社サイトやオウンドメディアの運用を効率化できます。

非エンジニアでもコンテンツ更新やページ制作を容易に行える点が特徴です。

主なツールとして、次の2つを紹介します。

主なツール特徴・機能
WordPress・世界で最も普及しているCMS・豊富なプラグインで柔軟なカスタマイズが可能で、SEOやデザイン調整にも強い
HubSpot CMS Hub・HubSpotが提供するCMS・MAやCRMと連携でき、見込み顧客の行動分析からメール配信までを一元管理できる

◉-7、メールマーケティングツール

メールマーケティングツールを導入すると、メール配信によるリード育成や既存顧客との関係維持を効果的に行えます。

配信リストの管理やパーソナライズされたセグメント別配信、効果測定を自動化することで、人的負担を軽減しながら成果を高めることが可能です。

主なツールは、次の通りです。

主なツール特徴・機能
Mailchimp ・世界的に利用されるメール配信ツール・豊富なテンプレートと自動化シナリオで使いやすい・MA(マーケティングオートメーション)機能も搭載
Twilio SendGrid・高い到達率と大量配信に対応している・API連携でトランザクションメールの運用にも適している・開発者向けに設計されており、システム連携に強い
Benchmark Email・操作がシンプルで導入しやすい・A/Bテストや自動ステップメール機能を備えている

◉-8、顧客データ活用系ツール

顧客データ活用系ツールを導入することで、顧客情報を整理・分析し、営業やマーケティング活動に活用可能です。

顧客との関係構築やLTV(顧客生涯価値)の向上に直結するツール群として注目されています。

目的や機能によって、次の4種類に分類されます。

  • CRM/SFAツール
  • MAツール
  • カスタマーサクセスツール
  • 顧客分析・LTV分析ツール

以下で、それぞれの特徴を解説します。

◉-8-1、CRM/SFAツール

営業活動や顧客管理を効率化するためのツールで、顧客データを一元管理できるのが特徴です。

具体的なツールは、次の通りです。

主なツール特徴・機能
Salesforce ・世界的に利用されているCRMの代表格・営業・マーケティング・サポートを統合管理できる・AI機能「Einstein」により予測分析や案件スコアリングも可能
HubSpot CRM・HubSpot提供のCRM・顧客情報とマーケティングデータを連携し、リード育成を自動化する・無料プランもあり、導入ハードルが低い
Zoho CRM・中小企業でも導入しやすく、コストパフォーマンスに優れたCRM・カスタマイズ性と自動化機能が充実
eセールスマネージャー・日本企業向けに設計されたCRM・顧客データや営業活動を一元管理できる

◉-8-2、MAツール

マーケティング活動を自動化し、見込み顧客の獲得から育成までを効率化するためのツールです。

メール配信やスコアリング、行動分析などを通じて、購買意欲の高い顧客を抽出できます。

主なツールは、次の通りです。

主なツール特徴・機能
HubSpotCRM機能を内蔵し、見込み顧客育成やキャンペーン管理を統合的に行えるツール
Adobe Marketo Engage高度なリード育成機能と柔軟なカスタマイズ性を備え、大規模BtoBマーケティングに適したツール
SATORI匿名ユーザーの行動データを活用し、潜在顧客を可視化できる国産ツール

◉-8-3、カスタマーサクセスツール

既存顧客の満足度向上や継続利用・アップセル促進を支援するツールです。

顧客の利用状況やサポート履歴を分析し、関係維持と離脱防止を支援します。

主なツールは、次の通りです。

主なツール特徴・機能
HiCustomer ・顧客の利用状況や契約リスクをスコア化し、継続率向上に向けた行動を可視化できるツール・アラート通知機能により、離脱兆候の早期発見にも対応
Zendesk ・問い合わせ対応を統合管理し、サポート体制を強化できる顧客対応ツール・CS部門の顧客サポート基盤として利用されることが多い
SuccessHub・SaaS向けのカスタマーサクセス支援ツール・ヘルススコアを基に離脱防止策を自動提案する

◉-8-4、顧客分析・LTV分析ツール

顧客の行動や購買データを分析し、LTV(顧客生涯価値)を高めるための意思決定を支援するツールです。

具体的には、以下のツールが挙げられます。

主なツール特徴・機能
Amplitude ・顧客行動データをリアルタイムで可視化する・利用傾向やセグメント分析に強い
Retool・ノーコードで分析アプリを構築できる・社内データを統合して柔軟なダッシュボードを作成可能
Klaviyo・EC・D2C向けの顧客分析ツール・購買履歴をもとにLTV向上のシナリオを設計できる・ShopifyなどのECプラットフォームと連携可能

◉-9、資料・提案支援ツール

営業活動やプレゼンテーションで、情報を的確かつ魅力的に伝えるためのツールです。

チーム間で資料を共有・編集できる仕組みや、提案資料の閲覧データを分析する機能を備えたものも多く、営業プロセス全体の改善と提案精度の向上に役立ちます。

主なツールは、次の通りです。

主なツール特徴・機能
DocSend・提案資料の閲覧状況をリアルタイムで追跡し、ページごとの閲覧データを分析できる・共有リンクのアクセス権設定やパスワード保護も可能
Miro・オンラインホワイトボードツール・会議や資料構成の整理、アイデア出しなど共同作業に最適
Notion・情報共有・ドキュメント・プロジェクト管理を一元化する・営業資料やナレッジ蓄積、チーム間のコラボレーションにも有効

◉-10、ウェビナー・イベント運営ツール

ウェビナーやオンラインイベントの配信管理から参加者データの収集、アフターフォローまでを包括的にサポートするツールです。

主なツールは、次の通りです。

主なツール特徴・機能
Zoom Webinars (Zoom Events)・安定した配信と高い参加者対応が特徴・チャットやアンケート機能を備え、双方向イベントに適している
EventHub・登録・配信・アンケート・名刺交換を一括管理・商談管理や来場者分析機能も備え、オンライン展示会運営にも対応
Cvent・グローバル対応のイベント管理プラットフォーム・オンライン・オフライン・ハイブリッドイベントの運営と分析を支援する

◉-11、アンケート・NPS計測ツール

顧客満足度やロイヤルティを可視化し、改善施策の方向性を明確にできるツールです。

サービス品質の定量評価や、カスタマーサクセスの指標設定に活用できます。

主なツールは次の通りです。

主なツール特徴・機能
SurveyMonkey ・質問形式が豊富な高機能アンケートツール・分析レポートを自動生成できる
Googleフォーム・無料で使える基本ツール・シンプルな設計で回答をスプレッドシートに連携可能
Mopinion・Webやアプリ上で顧客の声を収集し、NPS・CSAT分析に活用できる・リアルタイムでフィードバックを可視化し、改善サイクルを高速化できる

◉-12、データ分析・改善ツール

マーケティング活動の成果を可視化し、データに基づく意思決定を支えるツールです。

5つのツールを紹介します。

主なツール特徴・機能
Google Analytics 4・Webやアプリのアクセス解析ツール・ユーザー行動をイベント単位で把握できる
Matomo・オープンソース型の解析ツール・自社でデータを管理でき、GDPRなどのプライバシー対応に優れている
Tableau大規模データをグラフやダッシュボードで可視化し、直感的に分析できる
Looker Studio・Googleの無料BIツール・複数データを統合し、レポートを自動生成できる
Power BI・MicrosoftのBIツール・社内システムと連携し、データ活用を支援する

◉-13、販売促進ツール

販売促進ツールは、商品を紹介するためではなく、顧客に「この企業なら信頼できる」と感じてもらうための証拠づくりの手段です。

広告やWeb施策だけでなく、ストーリーベースのコンテンツ(書籍、ホワイトペーパー、導入事例など)を活用することで、中長期的なブランド形成と顧客育成を両立できます。

特に書籍は、企業や専門家の知見を体系的に伝え、業界内での信頼獲得や商談支援に効果を発揮します。

主なツールは次の通りです。

主なツール特徴・機能
書籍・企業や専門家の知見を体系的に伝え、信頼と権威を確立する・営業資料としても有効で、商談時に強い印象を与える・ブランディング強化にも効果的
ホワイトペーパー・特定テーマの課題解決やノウハウをまとめた資料で、リード獲得や育成に役立つ
導入事例・顧客の成功事例を紹介し、信頼性と具体的な効果を訴求できる・営業現場での説得力向上に有効

▶︎書籍出版のやり方については、関連記事【企業出版の効果とは?費用相場や成功のポイント、事例を徹底解説】もあわせて参考にしてください。

マーケティングツールの導入効果を高めるためのポイント

マーケティングツールは、導入するだけで成果が上がるものではありません。

自社の目的や体制に合った選定と運用設計を行うことで、導入効果を最大化できます。

ここでは、ツール活用の成果を高めるために押さえておきたい3つのポイントを紹介します。

  • 目的を明確に設定する
  • 既存の業務・ツールとの連携を意識する
  • デジタルとアナログを組み合わせて導入効果を高める

それぞれのポイントについて詳しく解説します。

◉-1、目的を明確に設定する

ツールを導入する際は、何を実現したいのかを明確にすることが重要です。

たとえば、リード獲得や顧客管理の効率化、分析精度の向上など、目的によって選ぶツールや運用方針は異なります。

目的があいまいだと機能を活かしきれず、効果を実感できません。

導入前にKPIやゴールを設定し、成果を定量的に評価できる体制を整えましょう。

◉-2、既存の業務・ツールとの連携を意識する

新しいツールを導入する際は、既存システムや業務フローとの連携を前提に設計することが重要です。

CRMやMAツールなどは、営業管理ツールやメール配信システムとデータを連動させることで、より効果を発揮します。

たとえば、商談履歴をMAツールに連携して自動でメールシナリオを生成したり、顧客のWeb行動データをCRMに統合して営業優先度を可視化するなどの活用が有効です。

ツールを点で導入するのではなく、全体の仕組みとしてどう活かすかを考える視点が求められます。

◉-3、デジタルとアナログを組み合わせて導入効果を高める

マーケティング活動は、デジタルとアナログを効果的に組み合わせることで、より高い成果を生み出せます。

ツール導入時は、両者の役割を明確にし、連携させることがポイントです。

たとえば、MAツールで蓄積した顧客データをもとに特定層にDMや書籍を送付したり、展示会で得た名刺情報をCRMに登録して自動フォローアップメールを送付するなどの活用が考えられます。

また、書籍の中にQRコードや専用LPのURLを掲載すれば、読者がWeb経由で問い合わせや資料請求を行う導線も作れます。

このように、リアルとデジタルを循環させる仕組みを作ることで、マーケティングツールの導入効果を最大化できるのです。

◉【まとめ】ツールを活用してマーケティングを強化しよう

マーケティングツールは、導入目的を明確にし、既存の仕組みや他のツールと連携させることで、効果を発揮します。

また、デジタル施策とアナログ施策を組み合わせることで、オンラインとオフラインの双方から顧客接点を強化できます。

なかでも書籍を活用したマーケティングは、短期的な成果だけでなく、長期的な信頼構築にも有効です。

フォーウェイでは、書籍をマーケティングに活用する「ブックマーケティングサービス」を提供しています。

マーケティングツールの導入効果をさらに高めるために、書籍出版をご検討ください。

高額商品や専門サービスを提供する企業にとって、富裕層の心をつかむことはビジネスの成長を左右する重要なテーマです。

しかし、富裕層の集客は一般消費者とは異なり、広告や低価格の訴求では成果を上げることはできません。

富裕層が重視するのは「信頼できる相手かどうか」です。

そのため、短期的な販促ではなく、専門性や世界観の一貫性を通じて信頼を積み上げていくアプローチが必要です。

この記事では、富裕層の集客を成功させるための手法やポイント、成功事例について詳しく解説します。

目次【本記事の内容】

執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)

慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。

そもそも富裕層とは?

富裕層とは、単に高収入を得ている人を指すわけではありません。

金融資産を一定以上保有し、安定した資産運用や投資を行っている人々を含む広い概念です。

金融機関や調査機関によって定義は多少異なりますが、一般的には以下のように分類できます。

分類純金融資産額
準富裕層5,000万円~1億円未満
富裕層1億円以上~5億円未満
超富裕層5億円以上

野村総合研究所(NRI)の調査によれば、2023年時点で1億円以上の純金融資産を保有する富裕層と超富裕層の合計は約165.3万世帯に達しており、その内訳は富裕層が約153.5万世帯、超富裕層が約11.8万世帯という結果が示されています。

日本国内における富裕層は年々増加しており、投資・不動産・医療・教育など、さまざまな分野で影響力を拡大しています。

こうした層は、国内経済において重要な購買力と影響力を持ち、企業にとっても戦略的に無視できない顧客層といえるでしょう。

◉富裕層の集客に有効な手法

富裕層を対象とした集客では、一般的な広告やキャンペーンのように幅広い層への認知拡大を目指すよりも、信頼関係の構築と深いコミュニケーションが重要です。

ここでは、富裕層の心理や意思決定プロセスを踏まえて、5つの手法を紹介します。

  • 知人やパートナー経由での紹介
  • 限定感のある体験やイベントの活用
  • 富裕層向けに特化した広告配信
  • 富裕層ブランドとのコラボレーション施策
  • 企業出版による専門性アピール

以下で、詳しく見ていきましょう。

◉-1、知人やパートナー経由での紹介

富裕層にとって、購買や投資の意思決定において影響力を持つのは「信頼できる人からの推薦」です。

知人やビジネスパートナーを通じた紹介は、広告にはない高い信頼性を持ち、成約につながりやすいという特徴があります。

そのため、企業は偶然の紹介に頼るのではなく、既存顧客やビジネスパートナーとの関係性を戦略的に構築し、自然な紹介が生まれる仕組みを整えることが重要です。

◉-2、限定感のある体験やイベントの活用

富裕層は、単なる商品ではなく、「体験」を重視する傾向があります。

そのため、少人数制や完全招待制などの特別な体験を提供するイベントが効果的です。

たとえば、高級住宅の内覧会や高級車の限定試乗会、専門家を招いたプライベートセミナーなどがあります。

このようなイベントで、他では得られないような価値を提供することが信頼関係を構築するきっかけになります。

◉-3、富裕層向けに特化した広告配信

富裕層を対象とした広告では、マス媒体での大量露出よりも、ターゲットの価値観やライフスタイルに寄り添った媒体選びがポイントとなります。

たとえば、高級志向の雑誌や経済・金融専門誌、ハイクラス層が閲覧するビジネスニュースサイトなど、信頼性と情報感度の高いメディアを活用することで、ブランドイメージを損なわずに訴求できます。

また、オンラインで広告を配信する場合は、属性でターゲティングするよりも、広告のコンテンツや文脈で興味を惹く方法が有効です。

◉-4、富裕層ブランドとのコラボレーション施策

富裕層は、信頼しているブランドやパートナーとの関係性を重視します。

そこで、コラボレーション施策として、すでに富裕層顧客を抱えている他ブランドや専門家との連携を行うことが効果的です。

たとえば、高級ホテルや不動産会社、金融機関、教育機関など、既存の信用ネットワークに属する企業と協働して共同イベントや限定キャンペーンを実施すると、自社の信頼性向上につながります。

こうしたコラボレーション施策は、販促効果だけでなく、「この企業は信頼できる」という印象を強化する役割も果たします。

◉-5、企業出版による専門性アピール

富裕層を惹きつけるには「信頼」と「専門性」が欠かせません。

企業出版(ブックマーケティング)は、この2つの要素を同時に高められる効果的なブランディング手法といえます。

書籍という形で企業の理念やノウハウ、実績を体系的に伝えることで、広告では得られない「知的な共感」を生み出すことができます。

また、書籍は出版社や編集者などの第三者を介するため、情報の信頼性が高まり、企業のブランド価値を一段上のレベルに引き上げる効果があるのです。

さらに、富裕層にとって「本を出している企業」は、社会的信用のある存在として認識されやすく、接点の質を高める効果も期待できます。
▶︎書籍出版のやり方については、関連記事【企業出版の効果とは?費用相場や成功のポイント、事例を徹底解説】もあわせて参考にしてください。

富裕層の集客を成功させるポイント

どんなに優れた商品やサービスであっても、「信頼」が得られなければ富裕層の集客にはつながりません。

ここでは、富裕層の集客を成功させるための4つのポイントを紹介します。

  • 「信頼」を第一に導線を設計する
  • 体験やブランドストーリーを提供する
  • ブランドの世界観を一貫して伝える
  • 時間をかけて関係を育てる意識を持つ

以下で、詳しく見ていきましょう。

◉-1、「信頼」を第一に導線を設計する

富裕層が重視するのは「信頼できる相手かどうか」です。

そのため、最初の接点から納品後のフォローに至るまで、あらゆるタッチポイントで信頼を積み上げる導線設計が重要です。

たとえば、専門性を示す実績や第三者による評価などを明確に提示し、透明性の高い説明を徹底する必要があります。

また、営業担当者の言葉遣いや姿勢、レスポンスの速さといった細部にまで配慮し、丁寧で誠実なコミュニケーションを徹底することが求められます。

過度なセールスよりも真摯な対応が、富裕層との長期的な信頼関係を築き、契約や紹介の拡大へとつながるでしょう。

◉-2、体験やブランドストーリーを提供する

富裕層はすでに生活に必要なモノをほとんど手にしているため、購買の動機は「機能」ではなく、「体験」や「共感」へと移っています。

そのため、「モノの性能や価格」よりも、「どのような体験が得られるのか」「そのブランドにどんな思想や物語が込められているのか」を訴求することが重要です。

たとえば、特別に設けられたプライベート空間でのテイスティング体験や、熟練の職人による製作工程を間近で見られるイベントなど、ブランドの美学や世界観を五感で体感できる機会は、富裕層の知的好奇心と感性を刺激します。

単なる販売促進ではなく、「このブランドの世界に共感したい」と思わせる体験が、富裕層の心を動かします。

◉-3、ブランドの世界観を一貫して伝える

富裕層は、ブランドの言葉や表現にブレがないかを見極めます。

Webサイトやパンフレット、SNS、イベント空間、営業担当者の言葉遣いに至るまで、すべての接点でトーンや価値観を統一することが信頼につながります。

つまり、一貫性が安心感を生み出し、その積み重ねがブランドへの信頼につながるのです。

また、装飾的な高級感よりも、余白の使い方や語彙の選び方、事実の提示方法など、細部の整合性が重要です。

短期的なキャンペーンで印象を操作するのではなく、長期的に一貫した世界観を築くことで、富裕層の記憶に残るブランドになります。

◉-4、時間をかけて関係を育てる意識を持つ

富裕層の集客では、短期的な「一度の購入」を狙うよりも「長く選ばれ続ける関係」を育てる姿勢が重要です。

高額な商品やサービスを扱う場合、購買までの検討期間が長く、紹介や口コミによる影響力も大きいため、短期的な成果を求めすぎると逆効果になることがあります。

定期的な情報提供やアフターフォローを通じて、継続的に接点を持ち続けることで、富裕層から「長く安心して付き合える企業」と認識されるようになります。

◉富裕層の集客には企業出版が効果的!

企業出版は、企業の理念や専門性を体系的に伝えることができることから、富裕層の集客に効果的です。

主な理由として、次の4つが挙げられます。

  • 富裕層が求める信頼を出版で確立できる
  • 企業の理念を明確に伝えられる
  • 知的満足を与えて共感を生む
  • 出版をきっかけに信頼関係が広がる

以下で、それぞれ詳しく見ていきましょう。

◉-1、富裕層が求める信頼を出版で確立できる

富裕層が重視するのは、「この企業は信頼できるか」という点です。

広告やSNSのように一過性の情報発信ではなく、企業出版は豊富な情報量を活かして、企業の専門性や理念、誠実な姿勢を体系的に伝えられます。

また、出版物は編集者や校正者といった第三者のチェックを経て完成するため、情報の正確性と客観性が担保されることもメリットです。

さらに、書籍というツール自体が信頼の象徴であるため、「本を出している企業」という事実が社会的な信用の裏づけとなります。

◉-2、企業の理念を明確に伝えられる

富裕層は商品やサービスの機能よりも、「企業の理念や価値観」に共感して購入の選択をします。

企業出版は、こうした企業の理念や背景、社会的使命を深く伝えることができる最適な手段です。

経営者の歩んできたストーリーや、企業が目指す未来像を一冊の本にまとめることで、企業の「軸」を読者に明確に伝えることができます。

◉-3、知的満足を与えて共感を生む

富裕層は知的好奇心が強く、新しい知識や視点に価値を感じる傾向があります。

企業出版では、業界の専門知識、独自のノウハウ、市場の分析などを体系的に伝えることができるため、「読む価値のある本」として知的満足を提供することが可能です。

また、内容が実践的かつ誠実であるほど、読者は「この企業はしっかり考えている」「社会的に意義のあることをしている」と感じ、企業に対する尊敬や共感を抱くようになります。

こうした知的共感は、富裕層との間に長期的な信頼関係を築くための重要な要素です。

◉-4、出版をきっかけに信頼関係が広がる

企業出版は、出版して終わりではなく始まりです。

書籍を通じて企業の理念や価値観に触れた読者が、セミナーやイベント、個別相談、共同プロジェクトなどへと関係を深めていくケースも少なくありません。

特に富裕層の場合は、「書籍を読んで感銘を受けた」「理念に共感した」といった動機で直接コンタクトを取ってくるケースがあり、そこから深い関係構築につながることもあります。

また、企業出版をきっかけとしてマスメディアやWebメディアからの取材機会が増え、結果として企業のブランド価値や社会的信用が大きく向上する事例も多く見られます。
▶︎企業出版(ブックマーケティング)については、関連記事【ブックマーケティングとは?メリットや効果的な戦略の作り方】も合わせて参考にしてください。

企業出版による富裕層集客の成功事例

ここでは、実際に企業出版を活用して富裕層の信頼を獲得し、事業成長につなげた3つの成功事例を紹介します。

  • 医師を対象にした不動産投資ビジネスの出版事例
  • アンティークコイン投資ビジネスの出版事例
  • 生前の不動産対策に関する出版事例

3つの事例について詳しく見ていきましょう。

◉-1、医師を対象にした不動産投資ビジネスの出版事例

不動産会社の経営者は、高所得かつ納税額の高い医師に向けて、節税対策としての不動産投資を紹介する書籍を出版しました。

もともと紹介経由での新規顧客が中心で、関係構築に時間がかかる課題を抱えていましたが、書籍出版によって「医師専門の投資コンサルタント」という立ち位置を確立しました。

出版後は、Yahoo!ディスプレイ広告など従来の施策では得られなかった反響を次々と獲得。

発売1ヶ月で書籍読者からの問い合わせが複数寄せられ、医師との面談後に即決で10戸購入が成立し、出版費用をすぐに回収する成果を上げました。

また、大手病院勤務医からの問い合わせも増加し、発売から6ヶ月で読者反響から総額10億円の売上向上を達成。

会社の売上は前年比で2倍以上に成長しました。

書籍が「集客ツール」としてだけでなく、商談をスムーズに進めるクロージングツールとしての役割も果たしています。

◉-2、アンティークコイン投資ビジネスの出版事例

とある会社では、「アンティークコイン投資」をテーマに書籍を出版しました。

カバー装丁には、富裕層を意識してラグジュアリー感をもたせ、書籍の中では希少性や歴史的価値といった文化的観点からコイン投資の魅力を紹介しました。

その結果、出版直後から100名以上が無料資料をダウンロードし、数千万円規模の売上を記録。

また、出版記念セミナーでは3名の成約を獲得し、1件あたり数百万円の売上を達成しています。

さらに、書籍を読んだ医師からの問い合わせをきっかけに、面会からわずか3日で数億円規模の成約に至るなどの成果を上げました。

◉-3、生前の不動産対策に関する出版事例

ある不動産会社は、相続や事業承継を考えている富裕層に向けて、「生前の資産対策」の重要性を啓発する書籍を出版しました。

書籍の内容として、専門家の立場から法的・税務的アドバイスを分かりやすくまとめ、実際の事例を通じて読者の理解を深める構成にしました。

その結果、「単に物件を売る会社」ではなく「資産管理・承継を支援するパートナー」というブランドイメージを確立。

出版後は、書籍を読んで来社した顧客の理解度が高く、商談スピードが向上。

また、書籍連動セミナーでは400名を集客、60組以上が個別相談に参加し、その場で顧客化につながるケースが続出しました。

企業出版によって、自社の理念と専門性が伝わり、長期的な契約へ発展するケースも増えています。

◉【まとめ】富裕層の集客なら信頼を築ける企業出版がおすすめ!

この記事では、富裕層の集客に有効な手法や成功させるポイント、企業出版によって集客に成功した事例などについて紹介しました。

富裕層の集客では、一般的な広告やキャンペーンでは届かない「信頼」と「共感」をいかに築くかがポイントです。

この点で、企業出版は効果的な手法といえます。

書籍という媒体は、企業の思想や専門性を体系的に伝えるだけでなく、第三者の手を介することにより情報の信頼性が高まっているからです。

フォーウェイでは、書籍をマーケティングに活用する「ブックマーケティングサービス」を提供しています。

富裕層の集客手段として活用されている事例も多く、書籍の出版からマーケティング全般までトータルでサポートさせていただきます。

富裕層の集客をお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。

法人向け広告(BtoB広告)は、信頼性や実効性を重視され、顧客の課題解決に直結する提案が求められるのが特徴です。

そのため、BtoB広告では製品やサービスそのものよりも「どのように業務効率を高め、成果を生み出せるのか」を明確に伝えることが必要です。

また、最終的な意思決定は経営者や事業責任者が担うため、短期的な認知拡大ではなく、企業間の信頼構築と長期的な関係づくりが重要となります。

近年では、オンラインとオフラインを組み合わせた広告が主流となっているため、どのような手法を選び、どう成果につなげるかもポイントです。

この記事では、企業の経営者・事業責任者に向けて、BtoB広告の種類や成果を出すための戦略を紹介します。

目次【本記事の内容】

執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)

慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。

法人向け広告(BtoB広告)とは?

法人向け広告(BtoB広告)とは、企業や組織を顧客とするBtoBビジネスにおいて、自社の製品やサービスを訴求する広告です。

目的は認知拡大ではなく、「企業課題の解決」や「業務の効率化」など、ビジネス成果につながる価値を伝えることです。

BtoBビジネスでは、複数の関係者が関与し、長期的な検討を経て意思決定が行われるため、感覚的なイメージ訴求よりも導入事例や効果などの客観的な根拠に基づいたメッセージ設計が重要とされます。

◉-1、BtoC広告との違い

BtoC広告が「個人の感情やライフスタイルに訴える広告」であるのに対し、BtoB広告は「企業の課題解決を支援する広告」です。

BtoCビジネスでは、消費者が自身の好みや感情で即時に購入を判断することが多いため、直感的なメッセージやビジュアルが有効です。

一方で、BtoBビジネスは複数の関係者による合意を経て進むため、信頼性や専門性、そして再現性の高い情報が重視されます。

また、BtoBでは一度の取引で終わらず、導入後のサポートやリピート購入を見据えた長期的な関係構築が前提です。

そのため、広告の目的は「販売促進」よりも「リード獲得・信頼形成・商談機会の創出」に置かれます。

BtoB広告とBtoC広告の違いは、次表のようにまとめることができます。

法人向け広告(BtoB広告)個人向け広告(BtoC広告)
ターゲット企業・組織の意思決定者個人
購買動機合理性・論理性を重視感情・感覚を重視
購買プロセス・長期(数週間〜数年)・複数人による稟議・検討が必要・短期(即日〜数日)・意思決定者が少ない
広告メッセージ具体的・論理的(「〇〇の課題を解決」「導入実績〇〇件」など)情緒的・直感的(「新しい自分に」「この瞬間を楽しもう」など)
広告の役割リード獲得・育成(資料請求、問い合わせ、ウェビナー参加)直接的な購入・来店(ECサイトへの誘導、店舗への集客)

法人向け広告(BtoB広告)の種類

法人向け広告(BtoB広告)といっても、その手法は多岐にわたります。

目的やターゲットに応じて活用できるメディアが異なり、大きく次の2種類に分類できます。

  • デジタル広告
  • オフライン広告

それぞれの広告をさらに細分化して紹介します。

◉-1、デジタル広告

デジタル広告は、オンライン活動によって見込み顧客との接点を作る手法です。

代表的なものとして、次の6種類があります。

  • リスティング広告
  • ディスプレイ広告
  • SNS広告
  • 記事広告
  • 動画広告
  • 純広告

以下で、それぞれの特徴について解説します。

◉-1-1、リスティング広告

リスティング広告は、検索エンジンで特定のキーワードを検索した際に表示される広告です。

すでに課題を認識している「顕在層」への訴求に適しており、資料請求や問い合わせなどの行動につながりやすいという特徴があります。

また、広告の表示やクリック状況を細かく分析できるため、効果測定や改善を繰り返しやすい点も魅力です。

◉-1-2、ディスプレイ広告

ディスプレイ広告は、ニュースサイトや業界メディアなどの広告枠に表示されるバナー広告です。

主に認知拡大を目的としており、まだ課題を自覚していない「潜在層」にもリーチできる点が特徴です。

画像や動画などのビジュアル表現を活用することで、ブランドイメージを印象的に訴求できます。

◉-1-3、SNS広告

SNS広告は、LinkedInやX(旧Twitter)、Facebook、InstagramなどのSNSを活用した広告です。

業種・職種・役職などで細かくターゲティングできる点が特徴で、特にLinkedInはBtoB向け広告との親和性が高いプラットフォームです。

ユーザーとの双方向コミュニケーションが可能なため、信頼関係を築きながら潜在顧客を育成する効果も期待できます。

◉-1-4、記事広告

記事広告は、メディア記事形式で自社の製品やサービスを紹介する広告です。

読者は広告としてではなく「情報コンテンツ」として内容に触れるため、専門性や信頼性を自然に伝えることができます。

また、掲載先メディアのブランド力を活用できるため、読者からの信頼を得やすいというメリットもあります。

◉-1-5、動画広告

動画広告は、YouTubeやWebメディアなどで配信される映像形式の広告です。

BtoB商材のように内容が複雑なサービスを短時間で分かりやすく伝えるのに向いています。

音声や映像による臨場感があるため、視聴者の記憶に残りやすく、感情に訴える訴求も可能です。

◉-1-6、純広告

純広告は、特定のWebメディアや業界サイトに一定期間、固定枠として掲載する広告です。

安定した露出を確保できるため、企業認知を高めたい場合やブランドの信頼性を強化したい場合に有効です。

特に業界専門メディアへの掲載は、ターゲット層へのリーチ精度が高く、BtoBブランディングにも効果的です。

◉-2、オフライン広告

オフライン広告は、デジタル広告だけでは伝わりにくい「対面での信頼」や「ブランドの実体感」を補完する役割を担います。

代表的なものは次の3種類です。

  • 専門誌・業界紙広告
  • 展示会・イベント広告
  • 交通広告

以下では、それぞれの特徴を解説します。

◉-2-1、専門誌・業界紙広告

専門誌広告や業界紙広告は、特定の業界を対象とした専門誌や業界紙に掲載する広告です。

読者はその業界の意思決定層が中心となるため、直接的なアプローチが可能になります。

また、専門知識を持つ読者を前提に、踏み込んだ内容や技術的な訴求をしても深く理解されやすく、高い成約効果が期待できます。

◉-2-2、展示会・イベント広告

展示会や業界イベントへの出展、またはセミナーやカンファレンスへの登壇を通じて、自社の製品やサービスを直接訴求する広告手法です。

展示会では、実際に製品を見せながら対面で説明や商談ができるため、顧客に具体的なイメージを持たせ、理解を深めやすいのが特徴です。

一方で、カンファレンスでは専門的な知見や成功事例を共有することで、業界内での信頼性や専門性を高める効果が期待できます。

さらに、リアルな交流を通じたネットワーキングから、新たな取引先の開拓やパートナーシップ構築につながる可能性もあります。

◉-2-3、交通広告

交通広告は、空港や駅、オフィス街などに掲示する広告で、主に経営層やビジネスパーソンを対象としたブランディング施策として活用されます。

特にBtoB分野では、企業の存在感や信頼性、事業規模の大きさを印象づける目的で活用されるケースが多く、大企業や法人顧客への訴求に効果的です。

さらに、通勤や移動などの日常の中で自然に目に触れるため、継続的なブランド想起や企業イメージの定着にもつながります。

▶︎ブランド想起については、関連記事【第一想起を獲得する方法とは?おすすめマーケティング施策と成功事例】もあわせて参考にしてください。

法人向け広告(BtoB広告)で成果を出すためのポイント

法人の購買プロセスは長期的で、複数の関係者が意思決定に関わるため、単に広告を出稿するだけでは成果につながりません。

法人向け広告(BtoB広告)で成果を出すためには、次の4つのポイントを押さえることが重要です。

  • ターゲット・ペルソナを明確にしてメッセージを最適化する
  • 顧客の関心レベルに合わせて広告を使い分ける
  • 一貫性のある継続的な情報発信を行う
  • 複数の広告チャネルと発信媒体を連携させる

それぞれのポイントについて、以下で詳しく解説します。

◉-1、ターゲット・ペルソナを明確にしてメッセージを最適化する

BtoB広告の第一歩は、「誰に」「何を」「どのように」伝えるかを明確にすることです。

BtoB広告では、単に「企業全体」をターゲットとするのではなく、企業内の担当者や経営層を具体的に想定したペルソナ設定が欠かせません。

たとえば、担当者には業務効率化や操作性の向上といった実務的なメリットを、経営層にはROI(投資対効果)や導入による経営改善といった戦略的メリットを訴求することが効果的です。

また、それぞれの立場で抱える課題や関心に合わせてメッセージを最適化することで、共感と信頼を得やすくなります。

◉-2、顧客の関心レベルに合わせて広告を使い分ける

BtoB取引の購買プロセスでは、担当者がまず情報を収集し、比較・検討を重ねたうえで、中間管理職や経営層に提案し、最終的な決裁を仰ぐという流れが一般的です。

担当者は業務効率化や操作性などの具体的な機能面に注目し、中間管理職はチーム全体の生産性や費用対効果を重視します。

さらに、経営層は企業戦略との整合性やROIといった経営的視点から導入可否を判断します。

このように、顧客企業内の職位ごとに関心の軸が異なるため、広告のメッセージや訴求ポイントを職位別に最適化することが重要です。

それぞれの立場に合った情報を届けることで、意思決定の確実性を高め、購買プロセスをスムーズに進められます。

また、こうした職位による関心レベルの差に加えて、購買ステージによる差も存在します。

たとえば、課題をまだ明確に認識していない潜在層には、SNS広告や記事広告を通じて問題提起や業界動向の共有を行うのが効果的です。

一方で、導入を具体的に検討している顕在層には、リスティング広告や導入事例を提示し、意思決定を後押しする情報を提供するのが適しています。

◉-3、一貫性のある継続的な情報発信を行う

BtoB広告は、長期的に一貫性のある発信を続けることが信頼形成につながります。

なぜなら、企業の購買行動は一度の接触で即座に契約に至ることは稀であり、繰り返し情報に触れる中で徐々に信頼関係が深まっていくからです。

ブランドのトーンやビジュアルを統一し、複数の広告チャネルで同じメッセージを発信し続けることで、「信頼できる企業」「業界のリーダー」という印象を形成できます。

結果として、商談機会の創出にもつながるでしょう。

◉-4、複数の広告チャネルと発信媒体を連携させる

BtoB広告の効果は、単一の広告チャネルだけでは限定的です。

検索広告やSNS広告、展示会、オウンドメディアなどを組み合わせ、一貫した導線を設計することで、接触から商談までの流れをスムーズにできます。

たとえば、リスティング広告で資料請求を促し、その後メールマーケティングやウェビナー案内につなげるという流れを作ることで、段階的に関心を高める施策が可能です。

広告以外にも実施しておくべき!法人向けのアプローチができる有効なマーケティング手法

法人向け広告(BtoB広告)は、見込み顧客との接点をつくるうえで強力な手段ですが、広告だけでは継続的な関係構築まで発展しにくい場合があります。

そのため、より高い成果を得るためには、広告以外のマーケティング手法も検討することが重要です。

ここでは、BtoB広告の効果を高めるために有効な施策として、次の4つを紹介します。

  • 企業出版
  • ホワイトペーパー
  • SEO
  • ウェビナー・セミナー

以下では、それぞれの特徴を解説します。

◉-1、企業出版

企業出版(ブックマーケティング)とは、自社の専門知識やノウハウ、企業理念などを一冊の書籍にまとめて発信するマーケティング手法です。

ほか、カスタム出版と呼ばれることもあります。

広告のような短期的な拡散力はないものの、読者との深い信頼形成とブランド価値の向上を実現できる点が特徴です。

◉-1-1、企業やブランドの信頼性と権威性を示せる

書籍出版は、出版社や編集者による第三者の審査・編集工程を経るため、広告よりも信頼性と客観性が高い情報発信手段とみなされます。

経営者や専門家が自らの知見や経験を体系的にまとめることで、業界内での専門性やリーダーシップを明確に打ち出し、ブランドの権威性を強化することが可能です。

特にBtoB取引では、「本を出版している企業」というだけで信用度が上がるケースが多く、営業活動における信頼獲得にも効果的です。

◉-1-2、広告クリエイティブやリード獲得に転用できる

書籍を出版した後は、タイトルや内容をもとにした広告展開へと発展させることが可能です。

たとえば「著書『〇〇戦略の教科書』の著者が語る──」といったコピーを広告に使用すれば、クリック率やコンバージョン率の向上が期待できます。

さらに、書籍内容を再構成してホワイトペーパーやLP(ランディングページ)のコンテンツに活用すれば、リード獲得から商談促進までの一貫した導線づくりが可能です。

また、「書籍プレゼント」をフックとしたキャンペーンを実施することで、問い合わせや資料請求といったリード獲得につなげる方法もあります。

書籍自体が信頼性の高いコンテンツであるため、ユーザーの関心を引きやすく、質の高い見込み顧客を集める効果が見込めます。

◉-1-3、長期的な資産になる

企業出版の強みは、長期にわたって効果が持続することです。

広告は出稿期間が終わると効果が途切れてしまいますが、書籍は書店やAmazonなどで長期的に流通し、発行から数年経っても新たな読者に届く可能性があります。

つまり、企業出版は企業の信頼性や専門性を積み重ね、時間とともにブランド価値を高め続ける長期的なマーケティング資産となるのです。

▶︎書籍出版のやり方については、関連記事【企業出版の効果とは?費用相場や成功のポイント、事例を徹底解説】もあわせて参考にしてください。

◉-2、ホワイトペーパー

ホワイトペーパーは、企業の課題や業界動向を整理し、自社の解決策を分かりやすくまとめたコンテンツです。

BtoB広告で集客した見込み顧客に対して、「資料ダウンロード」というアクションを促すことで、リード情報を効率的に獲得できます。

また、自社の専門性や信頼性を伝えることができるため、営業活動の前段階で顧客の関心を高める効果もあります。

◉-3、SEO

SEOは、企業が長期的に顧客との接点を増やすための基本施策です。

広告は即効性がある一方で、出稿を止めると流入が途切れてしまいます。

しかしSEO対策を施したコンテンツは、検索結果に長期間表示され、継続的なリード獲得につながります。

短期の広告成果と中長期の自然流入を両立できる点が、SEOを取り入れる最大のメリットです。

▶︎SEOのやり方については、関連記事【SEO対策とは? 効果的な戦略の組み立て方と対策方法】もあわせて参考にしてください。

◉-4、ウェビナー・セミナー

オンライン・オフラインを問わず、セミナーはBtoB広告との相性が良い施策です。

広告で集客した見込み顧客をウェビナー・セミナーに誘導し、講演や質疑応答を通じて自社の専門性や実績を伝えることで、商談化率を高めることができます。

また、企業出版と組み合わせることで相乗効果も期待できます。

たとえば「書籍購入者限定ウェビナー」や「セミナー参加者特典として書籍プレゼント」といった企画を実施すれば、セミナー集客の強化や参加者の満足度向上にもつながります。

企業出版で法人にアプローチし、広告以上の価値を創出した事例

ここでは、実際に企業出版を活用して法人顧客との信頼関係を構築し、広告では得られない成果を上げた事例を3つ紹介します。

  • 書籍出版によって集客と商圏拡大を実現した事例
  • 新規事業の契約獲得に成功した法人向け保険代理店
  • 海外案件の専門家という地位を確立した公認会計士事務所

以下で、詳しく見ていきましょう。

◉-1、書籍出版によって集客と商圏拡大を実現した事例

BtoBマーケティングのコンサルティング会社では、自社で取り扱ったデジタルマーケティングの事例を紹介する書籍を出版しました。

企業数が多い東京・大阪エリアを中心に、ビジネスマンの来店が多い主要書店への集中配本を実施。

また、経営者層・ビジネスパーソン向けフェアに積極的に参加し、日経新聞への掲載や書店での露出を強化する広告戦略を展開しました。

その結果、出版から半年で大手企業の課長級以上を中心に20〜30件の問い合わせを獲得し、約10件の受注に成功。

なかには、関西など遠方企業とのテレビ会議によるクロージングで成約したケースもあり、商圏の拡大にもつながりました。

さらに、コンペになった際に書籍を送ったことで、それが決め手になり受注に至るなど、書籍がクロージングツールとしての役割を果たしました。

以前はWeb広告に月間100万円ほどを投下していましたが、その後数万円程度の運用で安定的にリード獲得を継続しています。

◉-2、新規事業の契約獲得に成功した法人向け保険代理店

法人向け保険を扱う代理店は、新規事業の顧客獲得と業界内での差別化を目的に、自社の人材育成や経営理念をテーマにした書籍を出版しました。

保険代理店は全国に数多く存在し、扱う商品での差別化が難しい業界です。

そこで、「人材が育ち、組織が強くなる保険代理店経営」という独自の哲学を提唱し、業界に一石を投じる内容にしました。

結果として、出版直後から反響を呼び、同業他社からのコンサルティング依頼や保険会社からの講演依頼が相次ぎました。

特に、書籍を読んで共感した経営者が法人契約につながるケースが増加。

営業担当が面談前に書籍を送付すると、相手が事前に経営理念を理解してくれており、初対面の商談でも「価値観が共有された状態」でスタートできるようになったといいます。

書籍は単なる営業資料ではなく、信頼を育むコミュニケーションツールとしての役割も担っています。

▶︎保険代理店の詳しい事例については【【事例コラム】大口案件の集客、人材採用、大手企業からの講演依頼!出版ですごいことになった保険代理店】もあわせて参考にしてください。

◉-3、海外案件の専門家という地位を確立した公認会計士事務所

国際税務・監査を専門とする公認会計士は、独立開業のタイミングで、自身の専門性を社会に発信するマーケティング手段として書籍を出版しました。

書籍では、海外進出を検討する日本企業に向けて、グローバル展開時に起こりやすい税務・会計上のトラブルや、現場で培った解決策を実例とともに紹介。

難解になりがちな国際税務・監査のテーマを、小説仕立てのストーリー形式でわかりやすく伝える構成としました。

出版後は、SNSや同業ネットワークで話題となり、同業者からの紹介案件やセミナー登壇依頼が急増しました。

出版を通じて「海外案件に強い会計士」という明確なブランドポジションを確立。

出版からわずか半年で、大手企業の海外進出支援や国際取引をめぐる相談が相次ぎ、事業立ち上げの起爆剤となりました。

▶︎公認会計士事務所の詳しい事例については【【事例コラム】出版をきっかけにメディア取材が続々、著名人との対談も実現!”海外進出の第一人者”のポジションを得た公認会計士】もあわせて参考にしてください。

【まとめ】BtoB広告に加えて、信頼を生むマーケティング施策を展開しよう

この記事では、BtoB広告の種類や成果を出すためのポイント、企業出版を活用した成功事例を紹介しました。

BtoB広告で成果を上げるためには、ターゲットの関心レベルに合わせたメッセージ設計と、デジタル広告とオフライン広告を連携させた複数チャネルの活用が重要です。

フォーウェイでは、書籍をマーケティングに活用する「ブックマーケティングサービス」を提供しています。

広告施策と書籍出版を組み合わせることで、顧客との信頼関係を深化させるとともに、新たな顧客層へのアプローチも可能となります。

BtoBビジネスで継続的な成果を上げるための手段として、企業出版に興味を持たれた方は、ぜひ一度お問い合わせください。

昨今のビジネスでは、SNSやブログ、動画チャンネル、冊子といった各種のコンテンツを活用したマーケティングが必須となりました。

一方で、「発信するネタが思いつかない」「社内のリソースが不足している」「効果的な発信方法がわからない」といった課題から、なかなか施策を進められない企業も少なくありません。

しかし実際には、コンテンツマーケティングを戦略的に活用し、成果を上げている企業も多くあります。

そこでこの記事では、企業の経営者・経営企画担当者に向けて、コンテンツマーケティングの成功事例を12選紹介し、成果を出すための共通点について解説します。

目次【本記事の内容】

執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)

慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。

【BtoB】コンテンツマーケティングの事例7選

まず、BtoBビジネスでコンテンツマーケティングに成功した事例7選を紹介します。

・保険代理店|新規事業開拓とコンサル契約を獲得した事例
・経営コンサル会社|書籍出版で重版・ニュース掲載を獲得、新規顧客増につなげた事例
・不動産投資塾|SEOコラムで検索上位を独占し、売却相談を大幅増加させた事例
・企業出版会社|SNS運用で1,000万円の売上につながった事例
・建設会社|採用強化とブランド力向上を実現した事例
・医療コンサル会社|病院再建ノウハウを体系化し、売上12億円を達成した事例
・危機管理コンサル会社|出版で社会的注目を集め、重版達成と新規10件受注につながった事例

以下で、それぞれの事例について詳しく見ていきましょう。

◉-1、保険代理店|新規事業開拓とコンサル契約を獲得した事例

法人専門の保険代理店は、新たに立ち上げたコンサルティング業において、信頼を獲得し効果的に集客する方法を検討していました。。

そこで、自社の強みや経営ノウハウを体系的にまとめた書籍を出版しました。

出版後、業界内での認知度が一気に高まり、複数のコンサル契約を獲得することに成功。

また、大手の保険会社から講演や共同マーケティングの声がかかるなど、予想以上の反響がありました。

商談の場では顧客が事前に書籍を読んでくれていることが多くなり、経営課題についての相談を受けるなど、法人保険の大口契約や新規コンサル契約の成約につながりました。

▶︎保険代理店の詳しい事例については【【事例コラム】大口案件の集客、人材採用、大手企業からの講演依頼!出版ですごいことになった保険代理店】もあわせて参考にしてください。

◉-2、経営コンサル会社|書籍出版で重版・ニュース掲載を獲得、新規顧客増につなげた事例

建設業専門の経営コンサル会社は、既存の顧客基盤に加えて新規案件の獲得とブランド強化を目的に書籍を出版しました。

タイトルに「建設業のための」と追記してターゲットを明確化することで、発売1か月で重版が決定し、累計発行部数は5,000部を突破。

また、書籍の新聞広告を実施したことで、Amazonや書店では売り切れが続出。

反響の大きさから、ターゲットとなる大手建設会社からも「この本はどこで買えますか?」と出版社宛に問い合わせが寄せられるほどでした。

さらに、大手メディアのニュースやWeb媒体でも紹介され、知名度が一気に向上しました。

その結果、顧客からの問い合わせが急増し、10件以上の新規コンサル契約を獲得。

出版により、首都圏を中心とした商圏拡大にも成功し、建設業界における専門コンサルタントとしてのブランドを確立しました。

◉-3、不動産投資塾|SEOコラムで検索上位を独占し、売却相談を大幅増加させた事例

不動産投資塾では、ブランディングの強化と認知度向上、そしてWeb経由での不動産売却相談の増加を目指してSEO施策を実施しました。

注力したのは、投資オーナーが特に気になる「失敗事例」や「投資の落とし穴」といったテーマを扱ったコラム配信です。

業界トレンドを分析し、読者が求めるテーマを的確に選定したうえで、毎月複数本のSEOコラムを継続的に公開しました。

その結果、検索順位は大幅に上昇し、コラムを毎月5~10本追加するたびにアクセス数は堅調に推移。

さらに、検索からの流入が競合を上回り、売却相談件数も大きく増加しました。

◉-4、企業出版会社|SNS運用で累計2,000万円の売上につながった事例

企業出版を手がける会社では、SNSを活用した情報発信に注力しました。

代表者自身のアカウントを軸に、出版に関心を持つ経営者層やビジネスパーソンに向けた発信を継続したところ、多くのフォロワーを獲得し業界内外からの認知度を高めました。

結果として、SNS経由のアプローチだけで累計2,000万円単位の売上につながっています。

さらに、コラボ商材販売につながる多数の協業依頼や、フォロワーからの紹介による受注案件も発生しました。

◉-5、建設会社|採用強化とブランド力向上を実現した事例

湘南エリアで成長を続ける建設会社では、慢性的な人材不足が深刻な課題でした。

せっかくの受注機会を十分に活かせない状況が続いていたため、成長にブレーキがかかっていました。

そこで、若手人材の採用強化と企業ブランド力の向上を目的に、自社の想いを込めた書籍を出版。

経営者の仕事観や経営哲学、そして創業ストーリーを丁寧に盛り込み、「この会社で働きたい」と地域の若手に感じてもらえる内容に仕上げたのです。

その結果、事前に書籍を読んでから面接を受ける応募者が増加し、採用決定率が向上。

年間500万円以上かかっていた採用エージェントの費用を削減することに成功しました。

さらに、出版をきっかけに地元紙など複数のメディアから取材を受けるようになり、地域での知名度が大きく向上し、一目置かれる存在になりました。

◉-6、医療コンサル会社|病院再建ノウハウを体系化し、反響売上12億円を達成した事例

医療機関の経営改善を支援するコンサル会社は、病院再建のノウハウを体系化して広く伝えることを目的に書籍を出版。

書籍では、病院経営の現場で培った具体的な再建手法や運営戦略をわかりやすく解説し、経営層が直面する課題を整理し、実践的な解決策を提示する内容としました。

出版に際して、医療法人や地域の病院理事長、事務長層をターゲットにして、医療系専門誌やビジネス誌を活用した広告・PRを展開し、業界内で大きな注目を集めました。

書籍の内容をテーマにしたセミナーや講演依頼も相次ぎ、出版後1年間で11件の登壇機会を獲得。

結果として、出版から1年で40件の契約を獲得し、反響売上は12億円を達成しました。

書籍出版によって、医療機関の再建に特化した専門コンサルとしての地位を確立しています。

◉-7、危機管理コンサル会社|出版で社会的注目を集め、重版達成と新規10件受注につながった事例

保育園の経営改善を支援する危機管理コンサル会社は、著者ブランディングと認知度向上を目的に書籍を出版しました。

社会問題化していた「待機児童」などの話題を織り込み、読者の関心を引きやすいタイトルを設定。

東名阪の大手書店を中心に配本を行い、業界関係者や保護者層の注目を集めました。

社会的テーマ性の強い内容であったため、メディア掲載も相次ぎ、出版直後から大きな話題になりました。

その結果、読者からの相談依頼が相次ぎ、新規で10件のコンサル契約を獲得。

書籍は短期間で重版が決まり、累計発行部数は6,000部を突破しました。

新聞や雑誌などの特集記事でも取り上げられ、認知度と信頼性が一段と高まりました。

【BtoC】コンテンツマーケティングの事例5選

次に、BtoCビジネスでコンテンツマーケティングに成功した事例5選を紹介します。

・サプリメントメーカー|顧客のファン化が加速!想定6倍の応募とリピート率アップを実現した事例
・省エネ一括査定サイト|予算比で想定を上回る成果を上げた事例
・会員ビジネス|信頼性を獲得し、ランキング1位と新規会員500人を獲得した事例
・食材メーカー|“わさび”の効能・文化を啓蒙し、理解促進と販売拡大を実現した事例
・不動産投資会社|医師に特化し、半年で10億円の売上につながった事例

以下で、それぞれの事例について詳しく見ていきましょう。

◉-1、サプリメントメーカー|顧客のファン化が加速!想定6倍の応募とリピート率アップを実現した事例

女性向けサプリメントを展開するサプリメントメーカーは、既存顧客との関係強化と新規顧客獲得の両立を目的に書籍を出版しました。

出版の狙いは、自社の信頼性を高めつつ「ファン化」を加速させ、LTV(ライフタイムバリュー)の向上につなげること。

書籍の刊行にあたっては、代表者自身の経験や健康に関する考え方をまとめ、読者にとって役立つ実用的な内容に仕上げました。

また、既存顧客向けに「書籍無料プレゼント」キャンペーンを展開したところ、想定を大きく上回る6倍もの応募が寄せられる結果になりました。

書籍をきっかけに企業や商品の背景を理解してもらえるようになり、購入者のリピート率が向上。

自社メディアやカスタマーサポートによる継続的なコミュニケーションとあわせて、ブランドへの信頼が高まりました。

▶︎サプリメントメーカーの詳しい事例については【【事例コラム】”書籍無料プレゼント”に想定の6倍の応募、リピート率アップにインパクト!サプリメントメーカーの出版プロジェクト】もあわせて参考にしてください。

◉-2、省エネ一括査定サイト|予算比で想定を上回る成果を上げた事例

省エネ関連の一括査定サービスを運営する企業では、SEOを中心とした集客施策に取り組みました。

特に検索需要の高い「太陽光発電 補助金」「太陽光発電 メーカー」などのキーワードを重点テーマに設定し、記事の品質向上に注力。

さらに、記事内にわかりやすい図解を挿入したり、CTAリンクの配置を最適化したりすることで、コンバージョン率の改善も図りました。

その結果、2024年上半期には、サイトAで予算比160%、サイトBで130%という成果を達成。

想定を大きく上回る結果となり、見込み顧客の流入増加を通じて事業全体の成長につながりました。

◉-3、会員ビジネス|信頼性を獲得し、ランキング1位と新規会員500人を獲得した事例

会員制ビジネスを展開する企業は、自社が提唱する「耳ツボダイエット」の信頼性と有用性を広く訴求するために書籍を出版しました。

書籍の中では、成功事例や会員の声を数多く紹介することで、読者が安心してプログラムに参加できるよう工夫し、「入会したい」と思わせるきっかけを作りました。

また、出版にあたっては、書籍へのリーチ機会を最大化するために広告施策や告知活動に注力。

全国の書店流通と並行して積極的な広報展開を行った結果、Amazonの「ビジネス実用書」カテゴリで1位を獲得するといった反響を呼びました。。

その結果、「ビジネス実用書」カテゴリで1位を獲得する快挙を達成しました。

出版後は、大規模なセミナーを全国で開催し、結果として半年間で新規会員が500人以上増加。

既存会員からの信頼度もさらに高まり、ブランディングと集客の両面で大きな成果を上げました。

◉-4、食材メーカー|わさびの効能・文化を啓蒙し、理解促進と販売拡大を実現した事例

わさびの製造・販売を行う食材メーカーでは、「商品の魅力が十分に伝わっていない」「他社との差別化が難しい」といった課題を抱えていました。

そこで、料理や健康に関心の高い30〜40代女性をメインターゲットに、わさびの効能や文化的背景、アレンジレシピをわかりやすく紹介する書籍を出版しました。

出版後には、レシピを監修した料理研究家を招いて名古屋の大型書店でトークイベントを実施。

会場は大盛況となり、その場で50冊以上を販売する成果を収めました。

このイベントをきっかけに、わさびの効能や楽しみ方に関する理解が広がり、ファン獲得につながりました。

また、出版を契機として平均聴取者数20万人を超える人気ラジオ番組から出演オファーを受け、2週連続で放送に登場。

さらに、自社営業マンが取引先への営業活動で書籍を配布・活用したことで、大口契約も獲得しています。

◉-5、不動産投資会社|医師に特化し、半年で10億円の売上につながった事例

ある不動産投資会社は、医師を明確なターゲットとして書籍を出版しました。

高収入ながらも税負担が大きい医師に対し、「不動産投資こそが最も効果的な節税対策である」ことを訴求し、関心を高めることを狙ったのです。

書籍では、まず「医師が抱えるお金の悩み」を提示して共感を引き出し、次に「医師に不動産投資が適している10の理由」を論理的に解説しました。

さらに「どのような物件を購入すべきか」を具体的に示すことで、読者が自然と投資に前向きになるように構成。

出版後は、書籍をきっかけに数多くの医師から問い合わせが寄せられ、その多くが不動産投資案件の成約につながりました。

その結果、書籍出版からわずか半年で10億円規模の売上を達成しました。

成功事例に共通するコンテンツマーケティングの特徴

これまでに説明してきた成功事例12選に共通する特徴は、次の4つです。

・明確なターゲット設定
・一貫性のあるブランドメッセージ
・価値ある情報提供
・SEO・SNS・メール・セミナーなどの連動

以下で、コンテンツマーケティングで成功するための秘訣について詳しく見ていきましょう。

◉-1、明確なターゲット設定

成功しているコンテンツは「誰に届けるのか」が明確になっています。

年齢・性別・職業・価値観・課題などを具体的にイメージし、ペルソナ設定を行ったうえで、その人が求める情報や解決策を提供しています。

「より多くの人に見てもらいたい」と思って、ターゲットがぼやけてしまうと、結果的に誰にも届かないコンテンツとなり、成果も出にくくなるのです。

ターゲットをあいまいにせず、ペルソナ設計や顧客の課題分析を行った上でコンテンツを企画することが大切です。

◉-2、一貫性のあるブランドメッセージ

成功しているコンテンツに共通しているのは、常に「ブランドらしさ」を意識して発信していることです。

ブログ記事やSNS投稿、メールマガジンなど、発信の場は違っても一貫したトーン&マナーでメッセージを伝え続けています。

そのため、ユーザーの頭の中に「この企業といえば〇〇」という認知が定着しやすくなります。

「自社が何を提供できるのか」「どのような価値を社会に示すのか」を明確に言語化し、すべてのチャネルで統一したメッセージを伝え続けることが重要です。

◉-3、価値ある情報提供

広告色や売り込み色の強いコンテンツではなく、ユーザーにとって有益な情報を提供することも成功のポイントです。

たとえば、悩みを解決するノウハウや業界トレンド、専門知識といった「読むだけで得をする」コンテンツは、自然とユーザーの信頼を獲得し、最終的に商品やサービスの利用につながります。

「価値提供の積み重ね」が潜在顧客との関係構築を生み出し、結果として購買につながるのです。

◉-4、SEO・SNS・メール・セミナーなどの連動

成功事例の多くでは、単発施策ではなくSEO・SNS・メール・セミナーなど複数チャネルを戦略的に連動させています。

たとえば、SEOで検索流入を確保し、SNSで拡散して認知を広げ、メールで深い関係性を築き、セミナーで直接の信頼を得るといった流れです。

チャネル同士を連携させることでユーザー接点が増え、成果が相乗的に高まる仕組みをつくれます。

【まとめ】成功事例を参考にしてコンテンツマーケティングで成果を出そう

この記事では、コンテンツマーケティングの成功事例12選を紹介し、成果を出すための共通点が何かを明らかにしました。

コンテンツマーケティングは、今や多くの企業にとって欠かせない施策となっています。

しかし、ただ発信を続けるだけでは思うような成果は得られません。

成功事例に共通しているのは、明確なターゲット設定、一貫したブランドメッセージ、価値のある情報提供、そして複数チャネルを連動させる仕組みです。

フォーウェイでは、書籍を活用した「ブックマーケティングサービス」を提供しています。

「相手に伝わるコンテンツ」を「顧客へ伝わるコンテンツ」に変換して、顧客との関係構築やブランド価値向上に貢献します。

書籍出版に興味を持たれましたら、ぜひフォーウェイまでお問い合わせください。

経営者向けの広告は、一般的な営業手法や従来型の広告展開とは異なる特徴があります。

その理由として、経営者は多忙であり、限られた時間の中で効率的に情報収集を行い、会社の将来を左右する意思決定を下しているからです。

もし広告が経営者に響けば、短期間で導入や商談につながる可能性が高まるでしょう。

一方で、経営者向け広告は単なる露出だけでは効果を発揮しにくく、ターゲットに適した媒体や手法を選ぶことが欠かせません。

さらに、広告だけでは信頼関係を築いたり、潜在的なニーズを探り出したりするのは難しいため、広告以外の取り組みも合わせて行うことが重要です。

この記事では、広告戦略を検討している企業経営者や事業責任者の方に向けて、経営者向け広告の特徴や代表的な手法、広告以外の有効なアプローチ方法などについて詳しく解説します。

目次【本記事の内容】

執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)

慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。

経営者向けに特化した広告出稿は効果的!

経営者は最終的な意思決定権を持ち、企業の方向性を左右する重要な立場にあります。

そのため、経営者に特化した広告には、次のような効果が期待できるのです。

・意思決定者に直接リーチできる
・非効率な営業活動をなくせる

以下で、それぞれの効果について詳しく解説します。

◉-1、意思決定者に直接リーチできる

経営者は、商品やサービスの最終的な導入可否を決定します。

従来の広告手法では、まず担当者にアプローチし、そこから社内稟議を経て、ようやく経営者の決裁にたどり着くという長いプロセスを踏むのが一般的です。

その過程で、経営者に情報が届く前に却下されてしまうリスクも少なくありません。

もし経営者に直接リーチできれば、導入までのスピードを大きく短縮できることになります。

◉-2、非効率な営業活動をなくせる

多くの経営者は多忙なため、知らない電話や飛び込み営業に対応することはほとんどないでしょう。

そのため、従来の営業スタイルでは門前払いになりやすく、労力に見合う成果が得られにくいのです。

そこで有効なのが経営者向けに特化した広告の活用です。

経営者が自ら課題解決のための情報収集を行うタイミングで広告を提示できれば、関心を持ってもらえる確率が高まります。

結果として、無駄な営業活動を減らし、効率的に質の高いリードを獲得することが可能になります。

営業担当者は商談や提案に集中できるようになるので、より早く成果を出すことにつながるのです。

経営者向け広告は大きく分けて2種類

経営者に向けた広告は、次の2種類に分けることができます。

・オフライン広告|経営者が接触する媒体や場所に出稿する
・デジタル広告|特定の属性を持つ経営者に絞り込んでアプローチする

以下では、それぞれの広告の具体的な方法について解説します。

◉-1、オフライン広告|経営者が接触する媒体や場所に出稿する

オフライン広告は、経営者が直接接触する機会の多い場所やシーンを狙って出稿することが重要です。

次のような場所や媒体に広告を出稿することで、効果的に認知を高めることができます。

・タクシー広告
・新幹線・飛行機内の広告
・空港ラウンジ・ゴルフ場での広告
・ビジネス誌・業界専門誌への広告掲載

4つの広告を見ていきましょう。

◉-1-1、タクシー広告

経営者は取引先への訪問や会合への移動などでタクシーを利用する頻度が高く、広告展開において有効な接点となります。

特に、車内モニターの動画広告や後部座席に貼られるステッカー広告は、移動中に自然と視界に入るため、訴求力が高いです。

◉-1-2、新幹線・飛行機内の広告

長距離移動の際に利用することが多い新幹線や飛行機も、経営者と接触できる場です。

座席前の情報誌や機内映像に広告を掲載すれば、移動中に自然と目に留まり、無理なくブランドを印象づけることが可能です。

◉-1-3、空港ラウンジ・ゴルフ場での広告

空港ラウンジやゴルフ場も、経営者が多く集まる場所です。

リラックスした状態で広告に触れることで、心理的な受け入れやすさも高まり、ポジティブなブランドイメージが形成されやすくなります。

◉-1-4、ビジネス誌・業界専門誌への広告掲載

情報収集に熱心な経営者は、ビジネス誌や業界専門誌を購読していることが多いため、これらの媒体への広告掲載は効果的です。

信頼性の高い媒体に掲載されることで、広告自体も価値ある情報として受け取られやすくなります。

◉-2、デジタル広告|特定の属性を持つ経営者に絞り込んでアプローチする

デジタル広告の場合も、経営者が持つ属性をターゲットとしてアプローチすることが有効です。

主なデジタル媒体としては、次のようなものがあります。

・SNS広告
・動画広告
・リスティング広告・ディスプレイ広告
・メール広告・DM

それぞれ解説します。

◉-2-1、SNS広告

FacebookやInstagram、X(旧Twitter)やLinkedInなど、ビジネス層が積極的に利用するSNSは、経営者をターゲティングしやすい媒体です。

特にFacebookやInstagramは利用者数が多く、興味・関心や行動履歴に基づいたターゲティング精度が高いため、幅広い業界の経営者やビジネス層に効率的に広告を届けられます。

また、X(旧Twitter)は、情報の拡散性とリアルタイム性に優れており、経営者が業界動向や最新情報を収集する場として活用されるため、タイムリーな広告展開に適しています。

さらに、世界最大級のビジネスSNSのLinkedInは役職・業種・企業規模などで精緻なセグメント配信が可能で、意思決定者に直接リーチできることが特徴です。

経営者は情報収集や人脈形成の目的でSNSをチェックするため、自然な形で広告が目に留まりやすい環境が整っています。

◉-2-2、動画広告

短時間で強い印象を与えられる動画は、企業の経営理念やサービス価値を端的に伝える手段として効果的です。

テキスト広告や静止画広告に比べ、視覚と聴覚の両方に訴求できるため、記憶に残りやすいのが特徴です。

YouTubeのインストリーム広告や、ダイヤモンド・オンライン、日経ビジネス電子版などのビジネス系メディアでの動画枠を活用すれば、経営者がビジネス情報を収集しているタイミングで自然に接触できます。

◉-2-3、リスティング広告・ディスプレイ広告

経営者は課題解決のために、自ら検索エンジンで情報を調べるケースが少なくありません。

たとえば、「業務効率化」「資金調達」「M&A」「人材採用」など、経営者が検索しやすいキーワードに合わせて広告を出稿することで、ニーズが顕在化している層に的確にアプローチできます。

また、ディスプレイ広告を組み合わせれば、経営者が閲覧するビジネスメディアやニュースサイトで再度接触を図れるため、認知から検討、導入までをスムーズに促進することが可能です。

◉-2-4、メール広告・DM

ターゲットリストを活用したメールマーケティングやダイレクトメールは、経営者に直接広告を届けられる手段です。

特に経営層は日常的に多くのメールや郵送物に目を通すため、適切に設計されたメッセージであれば接触できる可能性が高いのです。

また、セグメントを絞り込み、関心度の高い層にピンポイントで届ければ、効率的に商談機会を創出できます。

経営者向け広告だけでは不十分!ほかのアプローチ方法も必要な理由

経営者に特化した広告は、認知や関心を高めるうえで大きな効果を持っています。

しかし、それだけに依存してしまうと成果が限定的になってしまいかねません。

主な理由として、次の3つが挙げられます。

・広告だけでは深い信頼関係を築けないから
・潜在的なニーズを掘り起こせないから
・他社との差別化が難しいから

以下で、それぞれどのような理由なのかを見ていきましょう。

◉-1、広告だけでは深い信頼関係を築けないから

広告は「認知」や「関心」を広げるには効果的ですが、どうしても一方的な情報発信になりがちです。

経営者は商品やサービスの導入を判断する際に、企業の規模や実績だけでなく、経営理念やビジョン、担当者の人柄なども重視します。

広告だけではこれらを十分に伝えられず、「信頼」や「共感」といった深い関係性を築くのは難しいのが実情です。

また、広告で届けられる情報量が限定的であることも関係性の構築に不十分な要因です。

そのため、広告を通じて興味を持ってもらった後に、最終的な商談や契約につなげるためには、広告以外の方法で信頼を積み重ねることが欠かせません。

◉-2、潜在的なニーズを掘り起こせないから

広告は、すでに課題を明確に認識している経営者には効果的です。

たとえば、「業務効率化」というキーワードで検索している経営者には、解決策となるサービスを提示することができます。

しかし、多くの経営者は自社の課題を明確に言語化できていなかったり、潜在的な問題に気づいていなかったりします。

このような潜在ニーズを掘り起こすには、広告だけでは不十分です。

そこで、セミナーやウェビナー、専門的な質の高いコンテンツを通じて「気づき」を提供することが、初めて見込み客として認識してもらえるきっかけになります。

◉-3、他社との差別化が難しいから

特定の広告媒体は多くの企業が利用するため、競合他社の広告と並んで表示されることも少なくありません。

似たような広告が並ぶ中で、自社の強みや差別化ポイントを明確に伝えることはなかなか困難です。

そこで有効なのが、広告以外のアプローチ方法です。

たとえば、書籍出版やイベント登壇、専門性の高いオウンドメディアなどは、自社のユニークな価値や専門性を深く伝えることができ、競合との差別化につながります。

広告だけに頼らず、他のアプローチを組み合わせることで、経営者の記憶に残る存在になることができます。

経営者に届く!広告以外のアプローチ方法

広告は経営者に認知や関心を持ってもらう有効な手段ですが、信頼関係を築いたり、経営者自身がまだ自覚していない潜在的なニーズを掘り起こしたりするには限界があります。

そこで重要になるのが、広告以外の直接的かつ継続的なアプローチです。

ここでは、経営者に届く代表的な方法として、次の4つを紹介します。

・セミナー・ウェビナーの開催
・コンテンツマーケティングの活用
・業界のイベント・交流会への参加
・書籍出版(ブックマーケティング)

それぞれどのような方法なのかを具体的に見ていきましょう。

◉-1、セミナー・ウェビナーの開催

経営者が関心を持ちやすいのは、自社の「経営課題の解決」や「業界の最新トレンド」に関する情報です。

セミナーやウェビナーを開催して、単なる商品説明ではなく専門的な知見や将来の展望を提示することで、信頼性と権威性を築くことにつながります。

また、リアルタイムで質疑応答できる点も経営者にとっては魅力的で、リード獲得や商談のきっかけになります。

◉-2、コンテンツマーケティングの活用

経営者は多忙な中でも「意思決定の参考になる情報」を求めています。

そのニーズに応える手段として、ホワイトペーパーや専門記事、動画などを活用したコンテンツマーケティングがあります。

特に、業界動向の解説や他社の成功事例、専門家によるインタビューなどは実務に直結する情報として価値が高く、経営者の興味を引きやすい内容です。

自社の商品やサービスを直接売り込むのではなく、価値ある情報を提供することで「信頼できる情報源」として認識されることがポイントとなります。

▶︎コンテンツマーケティングのやり方については、関連記事【コンテンツマーケティングとは?期待できる効果や具体的な手法、戦略の練り方まで解説!】もあわせて参考にしてください。

◉-3、業界のイベント・交流会への参加

経営者が集まる展示会や交流会、カンファレンスは、人脈形成や信頼関係を築く場です。

名刺交換や短時間の対話でも、リアルな接触は記憶に残りやすく、後日の商談につながるきっかけとなります。

広告にはない「対面の力」を活かすことで、より強固な関係が築けます。

◉-4、書籍出版(ブックマーケティング)

経営者に強い影響を与える手段として、書籍出版も効果的です。

書籍は深い専門性や実績を体系的に伝えられる媒体であり、広告よりも高い信頼性を持っています。

さらに、出版をきっかけにメディア露出や講演依頼が増えるケースも多く、経営者との接点を増やす効果があります。

特に専門性の高いテーマや経営課題に直結するテーマを扱えば、ターゲット層に深くアピールすることが可能です。

また、先に説明した「セミナー・ウェビナー」や「コンテンツマーケティング」「イベント・交流会」でも、書籍というアイテムを取り入れることによって、さらに効果を上げることができます。

たとえば、セミナーやウェビナーでは、書籍購入者に特典をつけたり、書籍のプレゼントによって集客を図ることができます。

コンテンツマーケティングでは、自社に著作権のある書籍の内容を引用するなどの横展開が可能です。

イベントや交流会では、書籍を持参して自己紹介のネタにしたり、書籍を出版していることで権威性を示したり、名刺代わりに書籍を配布して商談につなげたりと、幅広く活用できます。
▶︎書籍出版のやり方については、関連記事【企業出版の効果とは?費用相場や成功のポイント、事例を徹底解説】もあわせて参考にしてください。

書籍出版で経営者にアプローチした事例

ここでは、実際に書籍出版を通じて経営者にアプローチした事例を3つ紹介します。

・出版で問い合わせの質が向上、受注単価2倍を実現した経営コンサルタント
・出版をきっかけに大型案件・人材・講演依頼が次々と舞い込んだ保険代理店
・出版1か月で即重版!ニュース掲載や新規顧客を獲得した建設業コンサルタント

3つの事例を見ていきましょう。

◉-1、出版で問い合わせの質が向上、受注単価2倍を実現した経営コンサルタント

ある経営コンサルタントは、中小企業の経営者をターゲットに、自社の専門知識や実績を体系的にまとめた書籍を出版しました。

その結果、経営者層からの問い合わせが急増し、従来とは質の異なる顧客層を獲得できるようになりました。

特に、専門性と信頼性を評価して依頼してくれる経営者が増加し、結果として受注単価は出版前の2倍以上に向上。

相談件数も3〜4倍に拡大し、無料相談やコンサルティング指導も「1か月待ち」の状態となったと言います。

書籍出版によって「専門家としてのブランド」が定着し、同業他社との差別化、優秀な人材の獲得にもつながりました。

◉-2、出版をきっかけに大型案件・人材・講演依頼が次々と舞い込んだ保険代理店

ある法人保険代理店は、自社の経営ノウハウや人材育成の考え方をまとめた書籍を出版しました。

出版直後から経営者層や同業の保険代理店からの問い合わせが急増し、これまでアプローチできなかった層からの経営相談が数多く舞い込むようになりました。

特に、大型の法人契約が次々と決まるなど、直接的な売上アップに直結。

さらに、保険会社からの講演依頼や同業支援の依頼も増え、「保険会社にとって頼れる代理店」という強いブランドイメージが確立されました。

▶︎保険代理店の詳しい事例については【【事例コラム】大口案件の集客、人材採用、大手企業からの講演依頼!出版ですごいことになった保険代理店】もあわせて参考にしてください。

◉-3、出版1か月で即重版!ニュース掲載や新規顧客を獲得した建設業コンサルタント

ある建設業専門のコンサルタントは、自身の最新ノウハウと豊富な実績をまとめた書籍を出版しました。

新聞広告の掲載をきっかけにAmazonや書店では売り切れが続出。

出版からわずか1か月で重版が決定し、累計発行部数は5,000部を突破しました。

さらに過去の著作との相乗効果も生まれ、シリーズ累計では6万部を超える大ヒットとなりました。

書籍は、livedoor NEWSやLINEニュースなど17媒体に取り上げられるなどメディア露出も拡大。

反響の大きさから、ターゲット層である大手建設会社からも「この本はどこで購入できますか?」と出版社に問い合わせが入るほどでした。

広告では得にくい信頼性と話題性を獲得し、ブランド価値を一気に高めることに成功しました。

【まとめ】広告よりも効果的!書籍出版で経営者にアプローチしよう

この記事では、経営者向け広告の特徴や代表的な手法、広告以外の有効なアプローチ方法、書籍出版の事例などについて解説しました。

経営者に向けた広告は、意思決定者に直接リーチできる点で大きなメリットがあります。

しかし、広告だけでは信頼関係を築いたり、潜在的ニーズを掘り起こすことには限界があります。

そこで有効なのが、広告以上に信頼性が高く、専門性や実績を体系的に伝えることができる書籍出版です。

フォーウェイでは、書籍をマーケティングに活用する「ブックマーケティングサービス」を提供しています。

企業のブランディングにも直結する手法なので、経営者への新たなアプローチを検討している方は、ぜひフォーウェイまでお問い合わせください。

企業が競争優位を築くうえで、顧客に「真っ先に思い浮かべてもらえる存在」になることは欠かせません。

なぜなら、単に知られているだけでなく、比較検討する前に「思い浮かべてもらえるブランド」は、購買決定の場面で有利な立場になり得るからです。

この「第一想起」をいかにして獲得するかは、経営者や経営企画担当者にとって避けて通れないテーマです。

この記事では、第一想起マーケティングの基本的な考え方や効果的な施策、書籍出版を活用した成功事例などを詳しく解説します。

目次【本記事の内容】

執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)

慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。

第一想起マーケティングとは?

「第一想起マーケティング」とは、顧客に特定の分野で「真っ先に思い浮かべてもらえる存在」になることを目指す戦略です。

単に知られているだけでなく、「この分野といえばこの会社」と強く記憶に残ることで、競合と比較される前に選ばれやすくなり、結果として売上の拡大とブランド価値の向上につながります。

ここでは、次の2点について説明します。

・第一想起の定義
・認知度・ブランド想起との違い

以下で、それぞれについて見ていきましょう。

◉-1、第一想起の定義

第一想起とは、顧客が特定のカテゴリーや課題を思い浮かべたときに、最初に連想するブランドのことです。

たとえば「検索エンジン=Google」「ファストフード=マクドナルド」のように、他の選択肢よりも先に頭に浮かぶ状態にあることを指します。

このポジションを獲得できれば、顧客は競合他社を検討する前にそのブランドを基準に考えるため、競合より有利な立場に立つことができます。

また、近年では、第一想起をさらに発展させた考え方として「カテゴリー戦略」も注目されています。

カテゴリー戦略とは、自社が属するカテゴリーそのものを定義づけし、その分野の代表格として認知されることを目指す戦略です。

第一想起と同様に、顧客が他社と比較する前に選ばれやすい効果があり、より大きな視点で市場でのポジションを確立できるのが特徴です。

詳しくは『急成長企業だけが実践するカテゴリー戦略 頭に浮かべば、モノは売れる』でも紹介されています。

◉-2、認知度・ブランド想起との違い

認知度とは、「顧客がブランドの存在をどの程度知っているか」という度合いを示す指標です。

この段階では必ずしも購買行動につながるとは限りません。

「ブランド想起」とは、顧客が特定の状況や課題に直面したときに、そのブランドを思い出してもらえる状態のことです。

比較検討の候補には入りますが、最初に選ばれるとは限りません。

これに対して「第一想起」とは、顧客に真っ先に思い浮かべてもらえる状態にあることです。

課題解決の場面で真っ先に思い浮かべてもらえるため、顧客の選択の基準になりやすく、購買の対象として選ばれる可能性も高まります。

つまり、認知度を獲得し、ブランド想起を経て、最終的に第一想起へと進むことがマーケティングにおいて理想的なステップだといえます。

第一想起を獲得する!おすすめのマーケティング施策

第一想起を獲得するには、単発的な広告や露出だけでは不十分です。

顧客に「真っ先に思い浮かべてもらえる存在」になるためには、次の4つの施策が挙げられます。

・権威性・信頼性を高める施策
・デジタルでの第一想起を強化する施策
・体験や参加を通じた施策
・ブランド価値を高める施策

以下では、それぞれの施策の実践方法について詳しく解説します。

◉-1、権威性・信頼性を高める施策

市場における専門性やリーダーシップを確立することは、顧客からの信頼を得て第一想起につなげるために欠かせません。

特に専門家としての立場を明確に示す施策は、企業や経営者のブランド価値を一段と高めることにつながります。

以下では、権威性・信頼性を高めるための具体的な施策を3つ紹介します。

◉-1-1、書籍出版

専門知識を体系的にまとめて書籍として発信することは、業界内での権威性を確立するうえで有効です。

ネット記事やSNS投稿は情報が断片的になりがちですが、書籍は知識を体系的にまとめることで専門性を示すことが可能です。

また、書籍は書店やオンライン書店を通じて長期間流通し、読者の手元に残り続けるため、広告やWeb記事に比べて記憶に残りやすいという特徴もあります。

さらに、書籍出版はメディア取材や講演依頼のきっかけにもなり、権威性を一段と高める効果が期待できます。
▶︎書籍出版のやり方については、関連記事【企業出版の効果とは?費用相場や成功のポイント、事例を徹底解説】もあわせて参考にしてください。

◉-1-2、調査PR

独自の調査データを発表することは、ニュース性を持たせながら企業の専門性をアピールできる施策です。

たとえば「市場動向」「顧客意識」「業界の最新課題」といったテーマで調査を行い、プレスリリースやホワイトペーパーとして発信することで、新聞・Webメディアに取り上げられる可能性が高まります。

継続的な調査PRによって、「この分野といえばこの会社」という第一想起が定着していきます。

◉-1-3、講演・セミナー登壇

業界イベントやセミナーでの講演や登壇は、専門性を直接アピールできる機会です。

特に、参加者はそのテーマに関心を持つ層であるため、「この分野といえばこの会社」という印象を強く残すことができます。

講演の様子はWeb記事やSNSで紹介されることも多いため、当日の参加者以外にも広く認知を拡大できるのもメリットです。

さらに、質疑応答や懇親会などのリアルな接点を通じて、顧客やパートナー候補との関係性を深められるため、「共感と信頼」を獲得できる点でも第一想起につながります。

◉-2、デジタルでの第一想起を強化する施策

オンラインの場は、顧客が最初に情報に触れる接点です。

検索やSNS、動画といったデジタルチャネルで「真っ先に思い浮かべてもらえる存在」になることが、第一想起につながります。

以下では、デジタルでの第一想起を強化する施策を3つ紹介します。

◉-2-1、SEO・オウンドメディア運営

検索エンジン経由で情報を探す顧客に対しては、SEO対策が欠かせません。

特定のキーワードで上位表示されることで、顧客は情報収集の初期段階からその企業を認識することになります。

さらに、オウンドメディアを継続的に運営し、課題解決型の記事や最新情報を発信することで、「このテーマといえばこの会社」という印象が強化されます。

▶︎SEO・オウンドメディア運営のやり方については、関連記事【SEO対策とは? 効果的な戦略の組み立て方と対策方法】もあわせて参考にしてください。

◉-2-2、SNSマーケティング

SNSで世界観やメッセージを継続して発信し続けることで、ブランドが顧客の頭に残りやすくなります。

コメントやDMなどを通じて双方向の関係を築けるため、「親近感+信頼感」という形で第一想起を強化できます。

また、拡散性が高いため、新規顧客への認知を広げるのにも有効です。

▶︎SNSマーケティングのやり方については、関連記事【【保存版】SNS運用とは?手順や失敗例、集客につなげる運用術を解説!】もあわせて参考にしてください。

◉-2-3、動画マーケティング

動画は顧客の視覚と聴覚に同時に訴求できるため、記憶に残りやすいメディアということができます。

情報の理解を助けるだけでなく、感情に訴えかける力が強いのが特徴です。

製品紹介、顧客事例、ストーリー性のある動画などを活用すれば、第一想起の獲得に効果的です。

▶︎動画マーケティングのやり方については、関連記事【YouTube動画の作り方をカンタン解説!初心者でも再生回数を稼ぐテクニック】もあわせて参考にしてください。

◉-3、体験や参加を通じた施策

ブランドと実際に触れ合う体験は、顧客の記憶に残りやすく、第一想起の形成に直結します。

以下では、体験や参加を通じて第一想起を獲得する施策を3つ紹介します。

◉-3-1、体験型イベント(展示会・ポップアップ)

展示会やポップアップイベントで、直接商品やサービスに触れるというリアルな体験は、顧客に強い印象を与えます。

また、来場者がSNSなどで体験をシェアすれば、オンラインでイベント自体が話題となることもあります。

こうした体験は「記憶に残るブランド」としての地位を確立し、第一想起を高める大きなきっかけになるのです。

◉-3-2、コミュニティ形成

ブランドがコミュニティを運営して、顧客と長期的な関係を築くことができます。

ユーザー会やファンイベントなどを通じた交流によって、仲間意識やブランドへの愛着が強まり、継続的な関係性が構築されるのです。

定期的に関わる場があることで、顧客の頭の中で自然と「真っ先に思い浮かべてもらえる存在」となります。

また、これらの施策はロイヤル顧客の育成にもつながります。

◉-4、ブランド価値を高める施策

第一想起は一過性の施策で築けるものではなく、ブランドそのものの価値を高めることで長期的に形成されます。

以下では、歴史・実績・独自性といった要素を活かしてブランド価値を高める施策を2つ紹介します。

◉-4-1、周年記念誌・社史

周年記念誌や社史は、企業の歩みや成果をまとめた資料であると同時に、信頼性を示す不可欠な媒体です。

長年にわたる歴史を形に残すことで、顧客や取引先には「信頼できる歴史あるブランド」という印象を与え、社員にとっては誇りや結束力を高める機会となります。

このように内外双方への効果が、業界内での第一想起につながる強固な基盤を築いていくのです。

▶︎周年記念誌・社史については、関連記事【周年事業の目的と意義ーー社史・周年史制作のもたらすもの】もあわせて参考にしてください。

◉-4-2、コラボレーション(異業種・有名人とのタイアップ)

異業種とのコラボや有名人とのタイアップは、意外性や新鮮さで話題になりやすく、顧客の記憶に残ります。

たとえば、ファッションブランドが食品メーカーと組んで限定商品を展開したり、人気タレントを起用してオリジナル企画を実施したりすることで、従来の顧客層には驚きを、新たな顧客層には「試してみたい」という興味を喚起できます。

こうした取り組みは、短期的な注目を集めるだけでなく、新たな顧客層の開拓にもつながり、第一想起として選ばれる可能性を高められるでしょう。

また、メディアやSNSでの拡散効果が期待できるため、認知度向上のスピードを高めることが可能です。

書籍の出版が第一想起を獲得するマーケティングに向いている理由

書籍出版は、第一想起を獲得するために有効な施策の一つです。

ここでは、その理由について次の4つのポイントから解説します。

・専門家のポジションを確立できる
・価格競争を回避できる
・メディア露出・二次的波及につながる
・記憶に定着しやすい

以下で、それぞれについて見ていきましょう。

◉-1、専門家のポジションを確立できる

書籍は、ブログ記事やSNS投稿と異なり、分野ごとの知識を体系的に示すことができる媒体です。

出版を通じて専門家という認知がされやすくなり、「この分野といえばこの人・この会社」という立場が獲得できます。

その結果、第一想起のポジションをより強固に築くことができます。

◉-2、価格競争を回避できる

商品やサービスが一般化して差別化が難しくなると、価格競争に陥りがちです。

しかし、著者としての実績や専門性があると、「安さ」ではなく「信頼性」や「安心感」で選ばれる状況を生み出せます。

結果として、価格を下げなくても顧客が納得して選んでくれるようになり、長期的には付加価値を軸とした健全な競争にシフトしていくことが可能です。

◉-3、メディア露出・二次的波及につながる

出版された書籍は、新聞・雑誌・Webメディアなどで紹介されることが多く、メディア露出のきっかけになります。

実際にフォーウェイが携わったプロジェクトでも、出版をきっかけにメディアからの取材につながった事例は多くあります。

また、書籍を読んだ人が口コミやSNSで発信することで、著者や企業の名前が自然に広まっていきます。

こうした二次的な波及効果は他のマーケティング施策と比べて持続性が高いため、第一想起を長期的に支えることができるのです。

◉-4、記憶に定着しやすい

セミナーや広告が一過性の接触であるのに対して、書籍は紙媒体として手元に残り、長期間読者の目に触れ続けることができます。

そのため、一度読まれた後も本棚に並び続け、必要なときに再び開かれる可能性が高いのです。

さらに、文章を「じっくり読む」という行為そのものが、知識を深く理解させ、著者や企業の存在を記憶に強く刻み込みます。

結果として、読者の頭の中で「このテーマといえばこの人・この会社」というイメージが定着し、第一想起を持続的に高めることにつながります。

書籍出版で第一想起を獲得したマーケティング事例

書籍出版を通じて第一想起を獲得した事例は多く存在します。

出版は単なる自己表現の手段ではなく、顧客や社会から「その分野といえばこの人・この企業」と認識される大きなきっかけとなるのです。

ここでは、次の2つの事例を紹介します。

・書籍を出版し、「海外進出の第一人者」として知られるようになった公認会計士
・出版をきっかけに全国から200人集患、テレビ出演で第一想起を獲得した白内障手術の眼科医

以下で、それぞれどのような事例なのかを見ていきましょう。

◉-1、書籍を出版し、「海外進出の第一人者」として知られるようになった公認会計士

公認会計士事務所の経営者は、海外進出をテーマにした書籍を出版したことで「海外進出支援の第一人者」という第一想起を獲得しました。

出版後、地元紙や全国紙、ラジオ番組などへのメディア露出が増加し、専門性が広く認知され、企業からの相談依頼が増加。

さらに、「クーリエ・ジャポン」にも書籍の抜粋記事が8回にわたり連載され、グローバルな視点を持つ読者層に向けても専門性を強く印象づけています。

その結果、顧客の頭の中に「海外進出支援ならこの公認会計士」というイメージが定着し、競合との差別化や事務所のブランディング、ビジネス拡大に成功しました。

出版をきっかけに専門家のポジションを獲得し、顧客からの値下げ要求もなくなり売上の伸長にもつながりました。

▶︎公認会計士事務所の詳しい事例については【【事例コラム】出版をきっかけにメディア取材が続々、著名人との対談も実現!”海外進出の第一人者”のポジションを得た公認会計士】もあわせて参考にしてください。

◉-2、出版をきっかけに全国から200人集患、テレビ出演で第一想起を獲得した白内障手術の眼科医

ある眼科医は、自身の専門分野である白内障手術に関する書籍を出版しました。

その書籍が患者やメディアの目に留まり、全国から200人以上の患者が来院する結果につながりました。

さらに、テレビ番組への出演も実現し、「白内障手術といえばこの医師」という第一想起の確立に成功。

出版を起点とした広がりが、地域を超えてブランド力を高める効果を発揮した好例です。

【まとめ】第一想起を獲得するマーケティングで業界のポジションを築こう

この記事では、第一想起マーケティングの定義や効果的なマーケティング施策、書籍出版による成功事例などについて解説しました。

第一想起を獲得すれば、顧客が購買行動を起こすときに「真っ先に思い浮かべてもらえる存在」となり、競合と比較する前に選んでもらえる可能性も高まります。

そのためには、権威性・信頼性の強化やデジタル施策、体験型イベント、ブランド価値の向上といった多面的な取り組みが欠かせません。

その中でも特に効果的なのが書籍の出版です。

フォーウェイが提供する「ブックマーケティングサービス」は、第一想起の獲得を目指す企業にとって最適な手段といえるでしょう。

ブックマーケティングを活用すれば、出版した書籍を自社のブランディングに活用し、専門家としてのポジション確立や価格競争からの脱却を図ることができます。

さらに、メディア露出の機会増加や顧客の記憶への定着、認知度の向上といった波及効果も見込めるため、第一想起の確立を後押しします。

ブックマーケティングによって、自社の専門性を広く伝え、業界で確固たるポジションを築いてみませんか。