マーケティングにおけるインサイトとは?顧客の選択理由を言語化する方法

市場環境や顧客の意思決定が変化する中で、企業の経営層には「なぜ顧客がその選択をしたのか」を理解し、説明できる視点が求められています。

購買データや顧客の行動履歴を分析しても、それだけでは意思決定の背景にある判断基準までは見えてきません。

顧客の購買行動の判断基準を捉えることができなければ、施策や事業運営は表面的な改善にとどまってしまいます。

経営やマーケティングの精度を高めるためには、購買行動の結果ではなく、選択に至ったインサイトを理解することが不可欠です。

この記事では、インサイトマーケティングの考え方や顧客の選択理由を言語化する方法について解説します。

目次【本記事の内容】

執筆者:江崎雄二(株式会社フォーウェイ取締役マーケティング統括)


福岡県出身。東福岡高校、山口大学経済学部経済法学科卒業。大学卒業後、月刊誌の編集者兼ライターに携わる。その後時事通信社での勤務を経て、幻冬舎グループに入社。書店営業部門の立ち上げメンバーとして活躍後、書籍の販売促進提案のプロモーション部を経て、法人営業部へ。東京と大阪にて書籍出版の提案営業を担当し、2020年11月、株式会社フォーウェイに参画。2023年9月取締役就任。グループの出版社、株式会社パノラボの流通管理も担う。

マーケティングにおけるインサイトとは

マーケティングにおけるインサイトとは、顧客自身も意識的に言語化できていない無意識の心理や、購買行動を生み出した判断の根拠を掘り下げ、明らかにしようとする視点や発見を指します。

インサイトは、本人にとっては自覚しにくい感情や価値観である一方、実際の購買行動には確かな影響を与えています。

そのため、顧客の行動や選択の結果だけを追っていても、購入に至った判断の背景を十分に理解することはできません。

インサイトを捉えることで、なぜその商品やサービスが選ばれたのかを、結果ではなく「理由」から説明できるようになります。

◉-1、データ分析との違い

データ分析は、顧客の行動や結果を数値として可視化し、傾向や相関関係を明らかにする手法です。

購入回数や利用頻度、流入経路などを分析することで、事実を客観的に把握することができます。

しかし、選択に至った背景や判断基準までは読み取れません。

一方で、インサイトは、分析した数値の背後にある判断の理由や選択の基準を読み解く視点です。

インサイトは、その事実がなぜ生じたのかを説明し、行動の背景に意味を与えてくれます。

両者は役割が異なるため、混同せずに使い分ける必要があります。

◉-2、ニーズ把握との違い

ニーズ把握は、顧客が自覚している課題や期待、満たしたい状態を明らかにする手法です。

アンケートやヒアリングを通じて把握できるため、施策に反映しやすい特徴があります。

一方で、その選択がなぜ重要だったのかという判断基準までは、十分に捉えきれない場合も少なくありません。

インサイトは、こうした自覚されたニーズの背後にある価値観や判断の前提を明らかにする視点です。

ニーズを出発点としながら、購買行動の理由を掘り下げることで、行動を決定づけた根拠を説明できるようになります。

マーケティングでインサイトが重要とされている理由

事業環境が複雑化する中で、顧客の行動や市場の反応を、従来の考え方だけで説明することは難しくなっています。

インサイトが重要とされている理由は、次の3つに分けて考えることができます。

  • 市場が成熟し表面的な訴求が通用しなくなっているため
  • 顧客の意思決定プロセスが複雑化しているため
  • データや施策だけでは顧客行動を説明できなくなっているため

それぞれどのような理由なのかを、順に見ていきましょう。

◉-1、市場が成熟し表面的な訴求が通用しなくなっているため

多くの市場では、商品やサービスの選択肢が増え、機能や価格だけでは違いが分かりにくい状況になっています。

比較可能な情報が多い中で、顧客は単純な優劣ではなく、自分にとって納得できるかどうかを基準に選択を行うようになりました。

結果として、特徴やメリットを並べるだけの訴求では、選択の理由を十分に伝えきれなくなっています。

こうした環境では、顧客がどのような価値観や前提をもとに判断しているのかに目を向ける必要があります。

表に見える訴求だけではなく、選択を左右したインサイトを捉えることが、マーケティングにおいて重要になっているのです。

◉-2、顧客の意思決定プロセスが複雑化しているため

顧客は、一度の接点から得られる情報だけで購入を決めることが少なくなっています。

一般的に、比較サイトや口コミ、専門メディアなど、複数の情報源を行き来しながら検討を重ねて購入を決定します。

比較検討の過程では、合理的な判断だけでなく、感情的な納得や周囲との関係性も影響を与えていると考えられます。

このように意思決定の過程が多層化する中では、行動の一場面だけを見ても選択の理由を把握することはできません。

全体を通して一貫して作用している判断の前提に目を向けることが求められています。

◉-3、データや施策だけでは顧客行動を説明できなくなっているため

数値データや個別の施策は、顧客が何をしたのかを把握するための材料になります。

しかし、そうしたデータや施策を積み上げても、なぜその行動が選ばれたのかまでを説明できない場面が増えています。

行動を断片的に捉えるのではなく、根底にある考えや基準に目を向けなければ、顧客の動きを一貫して理解することはできません。

こうした状況から、データや施策だけに依存しない視点として、インサイトが重視されているのです。

マーケティングにおけるインサイトを見つけ出すための手法

インサイトを見つけ出すためには、顧客の発言や行動を単発の事象として捉えるのではなく、前後の流れや置かれている状況をあわせて観察する必要があります。

単一のデータや一部の声だけから結論を導こうとすると、選択に至った理由を誤って理解してしまう恐れがあるからです。

ここでは、インサイトを見つけ出すための代表的な3つの手法を説明します。

  • 定性調査による深層心理の探索(インタビュー・行動観察)
  • ソーシャルリスニングによる「生の声」の分析
  • 行動データから「矛盾」を読み解くデータ分析

以下で、それぞれの手法を詳しく見ていきましょう。

◉-1、定性調査による深層心理の探索(インタビュー・行動観察)

定性調査は、数値だけでは把握できない顧客の感情や判断の背景を直接探る手法です。

インタビューや行動観察を通じて、顧客がどのような前提で考え、どこで迷い、最終的に何を根拠に選択したのかを丁寧に追っていきます。

表面的な発言だけではなく、その言葉が生まれた状況や文脈に目を向けることが重要です。

こうした視点を重ねることで、本人も明確に言語化できていない判断基準が見えてきます。

◉-2、ソーシャルリスニングによる「生の声」の分析

ソーシャルリスニングは、顧客が企業や商品を評価する目的で発した言葉ではなく、日常のやり取りの中で自然に出てきた発言や反応を捉える手法です。

こうした発言には、意図的に整えられていない分、率直な感情や違和感が含まれている場合も少なくありません。

投稿やコメントの中に繰り返し現れる表現や言い回しに注目することで、顧客自身も整理できていない判断の基準が浮かび上がります。

こうした「生の声」は、インサイトを裏付ける材料として活用できます。

◉-3、行動データから「矛盾」を読み解くデータ分析

行動データを分析する際は、数値の傾向を把握するだけでなく、想定と異なる動きに注目することが重要です。

合理的には説明しにくい選択や、一般的な行動パターンから外れた動きには、顧客の本音や隠れた判断基準が表れている場合があります。

こうした矛盾は、単なる例外ではなく、選択の背景を読み解く手がかりとなります。

数値と実際の行動のずれを丁寧に確認することで、データの背後にあるインサイトが見えてきます。

インサイトは言語化と構造化によってマーケティングに活用できる

インサイトを発見しただけでは、経営やマーケティングに直接活かすことはできません。

個々の気づきや仮説のままでは、意思決定や施策の判断基準として共有することが難しいためです。

重要なのは、どのような価値観や前提のもとで顧客が選択し行動したのかを言語化し、関係者が参照できる形に整えることです。

内容を企画や戦略の中で使える構造に落とし込むことで、共通の判断基準として利用することができます。

次に紹介するブックマーケティングは、インサイトの言語化と構造化を書籍の企画段階で行える点やマーケティング活動に活用できる点に特徴があります。

▶︎書籍出版の詳細については、関連記事【企業出版の効果とは?費用相場や成功のポイント、事例を徹底解説】もあわせて参考にしてください。

ブックマーケティングなら企画段階でインサイトを明確化できる

ブックマーケティングとは、本来は書籍を販促やマーケティングに活用する手法です。

しかし制作の過程で、読者と向き合いながら行動や背景を掘り下げます。

そのため、「誰が」「どのような状況で」その本を手に取るのかを具体的に考えることができるのです。

具体的には、次の4つのプロセスを経てインサイトが言語化されていきます。

  • 読者が「自分への一冊」だと確信するまでターゲットを深掘りする
  • 購買に至った行動と状況を材料として収集する
  • 行動の背景にある理由を深掘りして言語化する
  • 言語化したインサイトを企画要件と構成に落とし込む

実際、私たちフォーウェイでは、企画に入る前段階として、40項目を超える事業分析シートを作成しています。

クライアントのビジネスモデルや事業フェーズ、出版を決めた理由に加え、ターゲット像についてもインサイトを含めて詳細に整理します。

そのうえで、出版後に書店のどのジャンルの棚で展開するかまでを定め、企画を立案しています。

こうした準備を経ることで、企画は感覚的なものではなく、読者の選択理由に基づいた設計にすることが可能です。

それでは、4つのプロセスについて詳しく見ていきましょう。

◉-1、読者が「自分への一冊」だと確信するまでターゲットを深掘りする

ブックマーケティングの企画段階では、読者を年齢や役職といった属性だけで定義しません。

どのような課題意識を持ち、どのような状況でその本を手に取るのかまでを具体的に想定します。

業務上の悩みや意思決定を迫られている場面を一つずつ想定し、読者が置かれている前提や背景を明確にしていきます。

◉-2、購買に至った行動と状況を材料として収集する

読者が書籍を購入するとき、背景には直前に取っていた行動や、当時の業務上の課題、意思決定を迫られていた立場といった具体的な状況があります。

たとえば、事業判断に迷っていた時期や、組織や顧客対応に課題を感じていた場面などです。

こうした行動と状況を一つずつ辿っていくことで、購入という選択がどのような判断の流れの中で生まれたのかが見えてきます。

◉-3、行動の背景にある理由を深掘りして言語化する

行動や状況を把握しただけでは、まだインサイトには至ることはできません。

なぜその場面でその選択をしたのか、他の選択肢ではなくそれを選んだ理由は何かを掘り下げることで、判断の根拠となる価値観や感情が見えてきます。

それらを言葉として定着させることで、再現可能なインサイトとして活用できるようになるのです。

◉-4、言語化したインサイトを企画要件と構成に落とし込む

言語化したインサイトは、書籍の企画を考える際の判断基準として扱います。

「誰に」「何を」「どの順序で伝えるのか」を決める場面で、企画要件や構成に組み込むことが重要です。

インサイトを前提に書籍を設計することで、内容や流れに一貫性が生まれ、伝えるべき考え方をブレずに示すことができます。

インサイトを明確にしてブックマーケティングで成功した事例

インサイトを起点に書籍を企画すると、情報を並べるだけの内容ではなく、読者が自らの状況や課題をどう捉え、どのように考え直すべきかを示すことができます。

ここでは、インサイトを明確にしたブックマーケティングの成功事例を2つ紹介します。

  • インサイトを起点に会員ビジネスを拡大した事例
  • 経営者のインサイトを言語化し、採用とブランド力を同時に高めた事例

それぞれ詳しく見ていきましょう。

◉-1、インサイトを起点に会員ビジネスを拡大した事例

会員制ビジネスを展開する企業は、自社が提唱する「耳ツボダイエット」について、重要性・有用性を書籍で的確に言語化し、理解促進を図りました。

出版プロモーションとして、全国書店への配本に加えてWeb広告を実施し、Amazonで「ビジネス実用本」カテゴリ1位(総合3位)を獲得。

さらに書籍特設LPを制作し、会員から見込み会員へ書籍を紹介しやすい導線を整備しました。1

LPでは既存会員が体験者の声として協力し、紹介のしやすさが高まったという反応も得られています。

また、出版プロモーションに合わせて大型セミナーを開催し、出版から半年で新規会員が500人以上増加しました。

◉-2、経営者のインサイトを言語化し、採用とブランド力を同時に高めた事例

湘南エリアで急拡大中の建設会社は、建設業界の慢性的な人材不足により受注機会を逃す状況に問題意識を持ち、若手入職者を増やす施策として書籍を出版しました。

書籍では、代表の仕事・経営に関する考え方や創業の経緯などのライフストーリーを盛り込み、「経営者の人柄」を本で伝えることで読者のファン化を意識しました。

また、書籍制作を通じて言語化したストーリーを活かし、出版と同時に採用サイトも改訂。

出版後は「応募者が必ず本を読んでくる」状態となり採用決定率が大幅に向上しました。

さらに、年間500万円以上かけていた採用エージェント費用はゼロになったといいます。

また、地元湘南の新聞をはじめ複数メディアから取材を受け、認知アップ効果を実感。

代表の仕事論がリスペクトされ、湘南エリア外からも工事依頼が来るなど商圏拡大にもつながり、業界内でも一目置かれるようになりました。

【まとめ】ブックマーケティングでインサイトを言語化し、選ばれ続ける企業に!

本記事では、インサイトの概要や重要性に加え、見つけ出すための具体的な手法、さらにインサイトを言語化する手段としてのブックマーケティングについて詳しく解説しました。

インサイトを言語化することは、企業がこれからも提供し続ける価値を明確にし、強みを伝えるうえで欠かせません。

また、ブックマーケティングは、発見したインサイトを体系的に整理して言葉に落とし込み、社外へ効果的に発信するのに適した方法です。

フォーウェイでは、インサイトの言語化にも有効なブックマーケティングサービス(企業出版)を提供しています。

大手出版社で編集経験を積んだ専任スタッフが、書籍の企画立案から出版後のマーケティング施策まで一貫してサポートいたします。

インサイトマーケティングに関するご相談やお問い合わせは、ぜひフォーウェイまでお気軽にご連絡ください。

情報や選択肢があふれる現代では、顧客は日々、数え切れないほどの企業メッセージに触れています。

その結果、「どの企業を選べばよいのか分からない」「何を基準に信頼すればいいのか判断できない」と感じる人が増えています。

こうした環境で、価格の安さや一時的な露出量だけで顧客を獲得し続けることは、以前にも増して難しくなっています。

実際、多くの企業が似たような訴求を行う中で、違いが伝わりにくくなっているのが現状です。

そこで重要になるのが、短期的な集客ではなく、顧客との関係性そのものを育てていく「顧客エンゲージメント」という考え方です。

顧客との信頼や共感を積み重ねることで、価格競争に巻き込まれることなく、長期的に選ばれ続ける企業へと成長していくことができます。

この記事では、顧客エンゲージメントの基本的な考え方や高めるメリット、具体的な施策や成功事例を詳しく解説します。

目次【本記事の内容】

執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)

慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。

顧客エンゲージメントとは?

顧客エンゲージメントとは、単なる購買行動や一時的な満足度ではなく、企業やブランドに対して顧客が信頼や共感を持ち、自発的に関わり続けようとしている状態を示す概念です。

商品やサービスを利用したかどうかではなく、企業の考え方や姿勢に価値を感じ、関係を続けたいと思っているかどうかに着目する考え方です。

経営の視点では、売上や取引回数とは切り離して、顧客との関係性の深さを見る必要があります。

顧客エンゲージメントの理解があるかどうかで、取るべき戦略の方向性は変わります。

◉-1、顧客満足度との違い

顧客満足度は、商品やサービスを利用した結果として期待を満たしていたかどうかを測る指標で、過去の体験に基づいて数値化されます。

そのため、一定の満足を得られていても、次の選択につながるとは限らず、今より安い選択肢や便利な代替手段があれば、顧客は容易に離れていきます。

一方、顧客エンゲージメントは、利用後も含めて企業にどれだけ関心を持ち、関係を続けたいと感じているかを示すものです。

満足したかどうかではなく、その企業と今後も関係を続けたいと思えるかどうかという、信頼や共感といった感情面の要素を指します。

エンゲージメントが高い顧客は、多少の条件差があっても関係を継続しようとします。

エンゲージメントの違いによって、取引が一度きりで終わるか、長期的な支持につながるかが分かれます。

◉-2、顧客ロイヤルティとの違い

顧客ロイヤルティは、特定の企業やブランドを繰り返し利用している状態を指します。

ただし、必ずしも「好きだから」利用しているとは限らず、なんとなく続けている、あるいは切り替えが面倒で利用し続けている場合もあります。

一方で顧客エンゲージメントは、企業の考え方や姿勢に共感し、「この企業と関わり続けたい」と顧客自身が感じている状態です。

顧客ロイヤルティは行動の結果に過ぎませんが、顧客エンゲージメントはつながり続ける行動を生み出している理由そのものです。

顧客エンゲージメントが重要な理由

市場に情報があふれ、顧客が自ら比較検討することが当たり前になった現在、従来型のマーケティングだけでは成果を出しにくくなっています。

その理由として次の3つを挙げることができます。

  • 情報の信頼性の欠如により、選択が困難になっているから
  • デジタル広告の競争激化により、広告費が高騰しているから
  • 機能や価格により、差別化の限界に達しているから

それぞれの理由について詳しくみていきましょう。

◉-1、情報の信頼性の欠如により、選択が困難になっているから

インターネットやSNSの普及により、顧客は大量の情報を簡単に得られるようになりました。

しかし、情報の多くは断片的で、企業ごとの考え方や姿勢まで伝わりにくいのが実情です。

広告的な表現も増えた結果、顧客は複数の企業を比較しても違いを判断できず、「どこも同じ」に見えてしまいます。

結果、顧客は情報を集めても企業ごとの違いを判断できず、安心して選択することが難しくなっています。

◉-2、デジタル広告の競争激化により、広告費が高騰しているから

広告配信の主戦場がデジタルに移行したことで、多くの企業が同じプラットフォームに集中するようになりました。

結果、入札競争が激化し、以前と同じ施策でも広告費だけが上がり、十分な成果を得にくくなっています。

広告を出せば集客できた時代とは異なり、現在は成果を維持しようとするほどコストが膨らむ構造になっているのです。

このように、広告費が上がり続ける仕組みそのものが、経営上の大きな負担になっています。

◉-3、機能や価格により、差別化の限界に達しているから

多くの市場で製品やサービスの品質が一定水準に達し、機能面での優位性があっても競合にすぐ模倣されるようになっています。

かつては強みとして機能していた特徴も短期間で一般化し、選ばれる理由になりにくくなりました。

価格による訴求も一時的な効果にとどまり、価格競争が続けば利益率を下げる結果につながります。

このように、機能や価格では持続的な差別化を図れなくなっている点が、現在の課題です。

顧客エンゲージメントを向上させるメリット

顧客エンゲージメントが高まることの具体的なメリットとして、次の3つが挙げられます。

  • 広告費・営業コストを抑えられる
  • 一人の顧客から得られる売上・利益を長期的に伸ばせる
  • 顧客自身が紹介者となり、新規顧客を連れてきてくれる

どのようなメリットなのかを詳しくみていきましょう。

◉-1、広告費・営業コストを抑えられる

顧客エンゲージメントが高まると、新規顧客の獲得を広告だけに依存する必要がなくなります。

既存顧客との関係が継続することで、リピートや再利用が自然に生まれ、新規獲得に頼らなくても一定の成果を維持できるようになるからです。

さらに、満足度の高い顧客が周囲に企業を紹介することで、新たな顧客との接点が生まれるケースも増えていきます。

そして、広告出稿の頻度や規模を抑えることが可能になるのです。

また、企業の考え方や提供価値をすでに理解している顧客に対しては、営業活動も効率化されます。

毎回ゼロから説明する必要がなくなり、提案にかかる時間や人員を減らせるからです。

広告費や営業コストが抑えられることで、費用を投下し続けなければ成果が出ない状態から脱却し、利益構造の安定が実現しやすくなります。

◉-2、一人の顧客から得られる売上・利益を長期的に伸ばせる

顧客エンゲージメントが高い顧客は、価格だけを基準に企業を選ぶのではなく、企業の価値や考え方に納得したうえで取引を続けます。

そのため、値引きに頼らなくても関係が継続しやすく、追加提案や長期契約といった取引が自然に生まれやすいです。

一度の取引で終わらず、時間の経過とともに関係が深まっていくことで、一人の顧客から得られる売上や利益を長期的に伸ばすことが可能になります。

◉-3、顧客自身が紹介者となり、新規顧客を連れてきてくれる

顧客エンゲージメントが高い顧客は、自身の体験を通じて企業の価値を自然に周囲へ伝えるようになります。

このような紹介による接点では、実体験に基づく紹介であるため信頼性が高く、最初から一定の理解や共感を持った状態で話が進むことが特徴です。

その結果、価格や条件だけで比較されにくくなり、成約までのリードタイムも短縮できます。

こうした紹介が積み重なることで、質の高い新規顧客が安定的に生まれるようになります。

顧客エンゲージメントを測る指標

顧客エンゲージメントを測る指標としては、次表のようなものがあります。

指標名意味顧客エンゲージメントとの関係
NPS(ネットプロモータースコア)顧客がどれだけ「人に勧めたい」と感じているか感情的なエンゲージメントや信頼度を可視化できる
リピート率一度利用した顧客が、再度利用している割合サービスやブランドとの継続的な関係性を示す
解約率一定期間内に離脱した顧客の割合エンゲージメント低下の兆候を把握できる
LTV(顧客生涯価値)一人の顧客が生涯で生み出す売上・利益エンゲージメントの総合的な結果指標

顧客エンゲージメントを最大化する施策

顧客エンゲージメントを高めるための代表的な施策として、次の6つが挙げられます。

  • SNS・デジタル広告
  • オウンドメディア・Webコンテンツ
  • 動画・オンラインセミナー
  • オンラインコミュニティ
  • リアルイベント・展示会
  • 書籍出版(ブックマーケティング)

それぞれの施策の特徴について見ていきましょう。

◉-1、SNS・デジタル広告

SNSやデジタル広告は、短期間で多くの人に情報を届けられる施策です。

拡散力が高く、認知を一気に広げられる点は強みになります。

しかし、接触時間が短く、情報が次々と流れていくという特性があります。

そのため、企業の考え方や背景までを深く伝えることは難しく、理解や信頼の形成にはつながりにくいことも特徴です。

認知獲得には効果的な施策ですが、顧客エンゲージメントを高める手段としては限界があります。

▶︎SNSの詳細については、関連記事【【保存版】SNS運用とは?手順や失敗例、集客につなげる運用術を解説!】もあわせて参考にしてください。

◉-2、オウンドメディア・Webコンテンツ

オウンドメディアやWebコンテンツは検索流入を獲得しやすく、継続的な集客にはおすすめです。

しかし、誰でも情報発信ができる環境では、内容の真偽や深さが伝わりにくいこともあります。

その結果、広告的な情報として受け取られてしまうケースもあり、理解は進んでも信頼や共感にまでは至りにくいという課題を抱えています。

◉-3、動画・オンラインセミナー

動画やオンラインセミナーは、視覚や音声を通じて情報を伝えられる施策です。

文章だけでは伝えにくいニュアンスや温度感を共有でき、内容理解を深めやすい特徴があります。

一方で、視聴後に情報が手元に残りにくく、時間の経過とともに内容が忘れられやすいです。

継続的な接点や振り返りの仕組みがなければ、長期的な信頼構築には限界があります。

◉-4、オンラインコミュニティ

オンラインコミュニティは、参加者同士の交流を通じて、企業との関係性を深めやすい施策です。

一方で、コミュニティを維持するには継続的な運営が不可欠です。

投稿内容のチェックや参加者対応、活性化を促す企画の実施などに、一定の人員と時間が求められます。

効果が期待できる反面、経営資源に余裕がない場合は負担が大きくなりやすく、再現性や継続性が課題になることもあります。

◉-5、リアルイベント・展示会

リアルイベントや展示会は、対面で直接価値を伝えられる施策です。

その場で信頼関係を築きやすい点が強みといえます。

一方で、開催場所や日程に制約が生じやすく、参加できる人数にも限りがあります。

また、継続的に実施するにはコストや労力がかかる点も見過ごせません。

当日の熱量は高まりやすいものの、関係性を長期的に維持する仕組みとしては安定しにくい側面があります。

◉-6、書籍出版(ブックマーケティング)

書籍出版は、企業の知見や考え方を体系立てて伝えられる数少ない施策です。

短時間の接触では伝えきれない、事業の背景や意思決定の考え方、価値観までをまとめて伝えられるため、顧客に深い理解と信頼を持ってもらうことができます。

広告のように一過性で時間が経つと消えてしまう情報とは異なり、手元に残り繰り返し読まれることで、長期的な関係構築を後押しする資産になり得るからです。

結果として、書籍は顧客エンゲージメントを継続的に高めるための基盤となります。
▶︎書籍出版の詳細については、関連記事【企業出版の効果とは?費用相場や成功のポイント、事例を徹底解説】もあわせて参考にしてください。

書籍出版によって顧客エンゲージメントの向上に成功した事例

書籍出版(企業出版)を通じて自社の知見や価値観を伝えることで、顧客との関係性を変えた企業は少なくありません。

ここでは、書籍を起点に信頼を獲得して成果につなげた2つの事例を紹介します。

  • 書籍出版が顧客の役割を変えた会員ビジネスの事例
  • 顧客との関係性を深めたサプリメントメーカーの事例

それぞれ詳しく見ていきましょう。

◉-1、書籍出版が顧客の役割を変えた会員ビジネスの事例

健康会員ビジネスを行う企業が、自社の提唱する耳ツボダイエットの重要性・有用性を的確に言語化するために書籍を出版しました。

出版プロモーションとして全国書店への配本に加え、Web広告も実施したことで、Amazonの「ビジネス実用本」カテゴリでランキング1位(総合3位)を獲得しました。

さらに書籍の特設LPを制作し、会員から見込み会員へ書籍を紹介しやすい導線を整備。

LPでは体験者の声も活用し、紹介活動を後押ししました。

その結果、出版から半年後には新規会員が500人以上増加し、集客とブランディングの両面で成果につながりました。

◉-2、顧客との関係性を深めたサプリメントメーカーの事例

女性向けサプリメントメーカーの経営者は、企業としての信頼性を高め、既存顧客・新規顧客のファン化を進める施策として書籍を出版しました。

書籍では社長自身の人生経験にも触れながら、女性が抱える悩みに寄り添う内容としてまとめ、ブランドの思想が伝わる構成にしています。

出版後には、既存顧客向けに「書籍プレゼント」キャンペーンを実施したところ、想定の6倍を超える応募が集まり、多くの顧客との接点を生み出しました。

実際に読者からは「社長の考え方を知って、企業への好感度が高まった」といった感想も届き、関係性強化につながっています。

さらに、出版実績が自社ウェブメディア上の信頼性を後押しし、新規顧客獲得面でも勢いが増した実感が得られたといいます。

▶︎【事例コラム】”書籍無料プレゼント”に想定の6倍の応募、リピート率アップにインパクト!サプリメントメーカーの出版プロジェクト

【まとめ】量から質の時代へ、書籍出版は最強の顧客エンゲージメント戦略になる

この記事では、顧客エンゲージメントの基本的な考え方や高めるメリット、具体的な施策や成功事例について解説しました。

価格や広告だけで選ばれる時代が終わり、企業の考え方や価値観に共感した顧客が、長期的に関わり続けるかどうかが重要になっています。

こうした市場環境の変化の中で、書籍出版は自社の知見や価値観を体系的に伝え、顧客との信頼関係を長期にわたって築くことができる効果的な手段となります。

書籍を通じて顧客と深くつながることが、価格競争を脱却し、ファンに支えられる経営を実現する第一歩です。

フォーウェイでは、書籍出版を顧客エンゲージメント向上の戦略として活用するブックマーケティングサービス(企業出版)を展開しています。

ブックマーケティングサービスを通じて、顧客との関係性を長期的に育て、安定した事業基盤の構築につなげることができます。

ブックマーケティングに関するご相談なら、お気軽にフォーウェイまでお問い合わせください。

市場環境が成熟し、価格や機能だけでは企業やブランドの違いが伝わりにくくなっています。

たとえば、競合他社との違いが具体的に説明できない、リピーターが増えないなどの課題を抱えている企業も多いはずです。

そこで注目されているのがブランドロイヤリティです。

ブランドロイヤリティは、企業の姿勢や価値観が時間をかけて評価されて形成されていくものです。

顧客に継続して選ばれる企業には、共通して強いブランドロイヤリティが存在します。

この記事では、ブランドロイヤリティの基本的な考え方や得られる効果、高めるための具体的な手法について詳しく解説します。

目次【本記事の内容】

執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)

慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。

ブランドロイヤリティとは

ブランドロイヤリティとは、顧客が特定の企業や商品を「信頼できる存在」「共感できる存在」として認識し、継続的に選び続ける心理的な結びつきをいいます。

単に機能や価格が優れているといった、表面的な理由による選択とは異なります。

「この企業に任せたい」「他社ではなく、ここを選びたい」と思われている点が特徴です。

ブランドロイヤリティが高い企業は、比較検討の段階において優位に立ちやすく、顧客は信頼や共感を理由にその企業を選ぶようになります。

こうした一時的なキャンペーンや訴求で生まれるものではなく、企業としての姿勢や価値提供が時間をかけて評価された結果だといえます。

◉-1、顧客ロイヤリティとの違い

顧客ロイヤリティは、商品やサービス、あるいは企業そのものに対する忠誠心のことです。

ただし、顧客ロイヤリティは「不満がないから使い続けている」状態であることも少なくありません。

利便性や価格、契約条件などの合理的な要因に左右されやすい傾向があるため、利便性が落ちたり条件が変わったりすると離れる可能性があります。

一方、ブランドロイヤリティは、企業の価値観や世界観、イメージに対する愛着や信頼が中心です。

ブランドロイヤリティは「好きだから選び続けている」状態に近いもので、これまでの取り組みへの共感といった感情面が影響します。

そのため、多少の不便や価格差があっても、理由があれば顧客は選び続けてくれることもあるのです。

こうした違いを理解せずに施策を進めると、短期的な継続利用は得られても、長期的な利用にはつながりにくくなります。

2つの違いをまとめると次表の通りです。

​​

種類概要
顧客ロイヤリティ顧客が継続して利用・購入しようとする状態
ブランドロイヤリティブランドに好意や信頼を持ち、選び続ける状態

◉-2、顧客満足度との違い

顧客満足度とは、商品やサービスを利用した結果「期待どおりだったか」「不満はなかったか」を測る指標です。

あくまで一度、または一定期間の体験に対する評価であり、その時点での良し悪しを示すものにすぎません。

アンケートでは「満足」と回答してくれた顧客であっても、競合のほうが安い、または商品やサービスがいいと判断すれば、乗り換えることも考えられます。

一方、ブランドロイヤリティは、満足という評価を超えて「次もこの企業を選びたい」「長く付き合いたい」と感じる継続的な関係性です。

過去の体験の積み重ねや、企業の姿勢、価値観への理解が影響し、時間をかけて形成されていく点が特徴です。

そのため、顧客満足度が高い状態であっても、条件次第では競合他社へ乗り換えられる可能性は残ります。

ブランドロイヤリティが高い場合は、多少の比較要素があっても選択が揺らぎにくくなり、競合他社を寄せ付けない強固な関係が維持されるようになります。

2つの違いをまとめると次表の通りです。

項目内容
顧客満足度一度または短期間の体験に対する評価
ブランドロイヤリティ長期的な信頼と愛着の蓄積による継続的な関係性

ブランドロイヤリティの向上で企業が得られる効果

ブランドロイヤリティが高まると、企業の競争は価格や条件から、企業そのものへの評価へと移っていきます。

その結果、経営やマーケティングにおいて、目に見える変化が現れてきます。

ブランドロイヤリティ向上によって企業にもたらされる具体的な変化は、次の4つです。

  • 価格ではなく価値で選ばれる状態をつくれる
  • リピート率が伸びる
  • 顧客からの紹介が自然に広がる
  • 企業ブランドへの信頼性が高まる

こうした効果が、企業活動にどのような変化をもたらすのかを、順に見ていきましょう。

◉-1、価格ではなく価値で選ばれる状態をつくれる

ブランドロイヤリティが高まると、顧客は価格や条件だけを基準に企業を選ばなくなります。

多少の価格差があったとしても、その企業がこれまでに示してきた姿勢や考え方、提供価値を踏まえて判断されるようになるからです。

こうした状態になると、値下げを前提とした価格競争に巻き込まれにくくなります。

価格以外で評価される軸が明確になることで、自社の強みや独自性を中心に据えた事業運営ができるのです。

結果として、利益率の確保や指名案件比率の向上など、事業の持続性にも良い影響が及び、短期的な受注獲得に振り回されにくい経営体制を築くことにつながります。

◉-2、リピート率が伸びる

ブランドロイヤリティが高まると、顧客は同じ企業を継続して利用する傾向が強まります。

一度きりの取引で終わらず、「またここに頼みたい」「次も相談しよう」と感じてもらえる関係性が生まれるためです。

その結果、利用頻度や契約継続率が安定し、売上の変動が小さくなっていきます。

長期的に見れば、顧客一人あたりの累積売上が積み上がり、事業の収益基盤を支える重要な要素となります。

◉-3、顧客からの紹介が自然に広がる

ブランドロイヤリティが高まると、顧客は企業に対して安心感や信頼を持つようになります。

その結果、自身の体験を周囲に話したり、同じ企業を勧めたりする行動が生まれやすくなります。

こうした紹介は広告のような一方的な訴求とは異なり、実体験に基づく言葉として受け取られることが特徴です。

信頼性の高い形で新たな顧客との接点が生まれ、無理に広げようとしなくても関係性が連鎖していく点がメリットです。

◉-4、企業ブランドへの信頼性が高まる

ブランドロイヤリティが高まると、企業に対する信頼は一時的な評価ではなく、継続的な関係として積み上がっていきます。

顧客との接点や取引を重ねる中で培われた信頼は、短期的な市場変動や競合の動きがあっても簡単には揺らぎません。

こうして蓄積された信頼は、競合の動きや市場環境の変化があっても揺らぎにくく、長期的な事業運営を支える基盤になります。

ブランドロイヤリティを高めるためのポイント

ブランドロイヤリティを高めるためには、基本的な視点を理解し、日々の事業活動の中で具体的な行動として示していく必要があります。

顧客との接点や情報発信の一つひとつが、企業への評価や信頼に影響を与えるからです。

ブランドロイヤリティを高めるためのポイントは次の5つです。

  • ブランドロイヤリティを理解する
  • 一貫したブランドメッセージを発信し続ける
  • 顧客への120%の価値提供を心がける
  • 誠実かつ透明性の高い対応を徹底する
  • 双方向コミュニケーションを強化する

以下で、それぞれについて詳しく見ていきましょう。

◉-1、ブランドロイヤリティを理解する

ブランドロイヤリティは、数値としての成果が見えにくく、短期的な売上にもすぐに反映されにくいものです。

そのため、「本当に取り組む意味があるのか」といった疑問が社内で出ることも少なくありません。

しかし、ブランドロイヤリティは顧客との関係性を長期的に安定させ、価格や条件に左右されにくい事業基盤を築くうえで欠かせないものです。

まず経営層がそうした重要性を理解し、「なぜ必要なのか」を自分の言葉で説明できる状態をつくることが必要です。

社内でそうした重要性が共有されてはじめて、判断基準に一貫性が生まれ、現場の行動もブランドロイヤリティ向上を意識したものへと変わっていきます。

◉-2、一貫したブランドメッセージを発信し続ける

ブランドロイヤリティを高めるためには、施策ごとに発信するメッセージを変えるのではなく、企業としての考え方や提供価値を一貫して提示し続けることが重要です。

発信するメッセージが部署や媒体によって異なる場合、企業の姿勢は顧客に伝わりにくくなります。

まずは、企業として何を大切にし、どのような価値を提供しているのかを明確にしましょう。

たとえば、ホームページのトップページや会社概要、営業資料の冒頭などのメッセージを同じ一文で統一することなら、すぐにでも実行できます。

ブランドイメージを営業トークやSNS、Webページなどを通して継続的に発信することで、企業イメージが顧客の中に少しずつ定着していきます。

そうした積み重ねが、信頼の形成や共感の深化につながるのです。

◉-3、顧客への120%の価値提供を心がける

ブランドロイヤリティを高めるためには、顧客の「期待を少し上回る」対応や体験を積み重ねていくことが重要です。

価格や機能といった分かりやすい要素だけでなく、対応の丁寧さや説明の分かりやすさ、相談時の向き合い方なども評価の対象になります。

質問への返信の速さや、導入・購買後のフォローなども、顧客の期待値に影響する要素です。

こうした場面で、「期待を少し上回る」と感じられる対応が積み重なることで、「またこの企業を選びたい」という意識が育っていきます。

一つひとつは小さくても、そうした継続的な取り組みがブランドへの信頼や愛着を強める結果につながるのです。

◉-4、誠実かつ透明性の高い対応を徹底する

ブランドロイヤリティは、一度の成功体験で生まれるものではありません。

約束した品質やサービスを継続して守り、日々の対応を積み重ねる中で、少しずつ信頼が形づくられていきます。

特に、想定外のトラブルや不具合が起きた場面では、企業の姿勢がはっきりと表れます。

状況を隠さずに説明し、責任をもって対応する姿勢が示されれば、顧客の評価は下がるどころか、かえって信頼が深まることもあります。

こうした誠実で分かりやすい対応を続けることが、「裏切らない企業」という認識につながり、ブランドロイヤリティの土台を強くしていくのです。

◉-5、双方向コミュニケーションを強化する

ブランドロイヤリティを高めるためには、企業からの一方的な情報発信だけでは不十分です。

顧客の声に耳を傾け、そうした内容を受け止める姿勢を示すことで、関係性は一層深まります。

問い合わせや意見、要望に対して丁寧に対応し、改善やサービス向上に反映していくと、顧客は「きちんと向き合ってくれる企業だ」と感じるようになります。

こうした実感が積み重なることで、単なる利用者から、企業を信頼し応援する存在へと意識が変化していくのです。

ブランドロイヤリティを高める手法一覧

ブランドロイヤリティを高めるための取り組みには、さまざまな手法があります。

重要なのは、自社の目的や顧客との関係性に応じて、適切な手段を選び、継続的に活用していくことです。

下表に、代表的な手法と特徴、ブランドロイヤリティへの効果をまとめました。

手法主な内容・取り組みブランドロイヤリティへの効果
SNS運用・Instagram・X(旧Twitter)・TikTok、LinkedInなど・日常的な接点づくり・ブランドの人間味・価値観の発信・コメント返信など双方向コミュニケーション親近感を高める
書籍出版(企業出版・ブックマーケティング)・企業・代表者の考え方や専門性を体系的に発信・創業ストーリー・ビジョン・実績の言語化・広告色のない情報提供深い共感と信頼を生む(特にBtoB)
オウンドメディア運営・コラム・ブログ・事例記事の継続発信・SEOによる長期的な接点づくり理解と安心感を積み重ねる
メールマガジン/ニュースレター・定期的な情報提供・ブランドの考え方や裏側の共有・1to1に近いコミュニケーション関係性を維持・深化させる
コミュニティ運営・オンラインサロン・会員コミュニティ・Slack・Discord・Facebookグループ・オフライン交流会・勉強会認知度拡大・ファン化・帰属意識を高める(特にBtoC)
イベント・セミナー開催・自社主催イベント・ウェビナー・勉強会・交流型イベント体験を通じて記憶に残す

ブランドロイヤリティを高めるなら企業出版が効果的!

ブランドロイヤリティを高めるためには、企業の考え方や価値観を断片的に伝えるのではなく、一貫した文脈の中で示し続けることが重要です。

企業出版は、理念や事業への姿勢、これまでの取り組みを一冊の書籍としてまとめて伝えられる手段です。

情報量も多く、企業として何を大切にしているのかを明確に表現できます。

書籍という形で情報を発信する場合、内容に対する責任を伴います。

その点が、広告や短期的な情報発信とは異なり、企業の本気度や誠実さとして受け取られやすい理由です。

読む側にとっても、企業の考え方や姿勢をまとまった形で理解できる情報となり、共感が生まれやすくなります。

こうして積み重ねられた理解や信頼は、短期間で薄れるものではありません。

手元に残り、時間をかけて参照され続けることで、価格や機能だけでは比較されにくい関係性が築かれます。

結果として強固なブランドロイヤリティの形成につながっていきます。
▶︎書籍出版の詳細については、関連記事【企業出版の効果とは?費用相場や成功のポイント、事例を徹底解説】もあわせて参考にしてください。

企業出版によるブランドロイヤリティ向上の成功事例

企業出版を活用することによって、ブランドロイヤリティを高めることができます。

専門性の認知が進んだり、企業の姿勢や考え方への共感が広がったりすることで、顧客との関係性が変化していきます。

実際に、企業出版がブランドロイヤリティ向上につながった事例を2つ紹介します。

  • 顧客との関係性が深まり、リピート率向上につながったサプリメントメーカーの事例
  • 既存会員が紹介者に変わり、ロイヤリティ向上を実現した会員ビジネスの事例

それぞれ詳しく見ていきましょう。

◉-1、顧客との関係性が深まり、リピート率向上につながったサプリメントメーカーの事例

女性向けサプリメントを展開する企業では、既存顧客・新規顧客の双方に向けて「企業としての信頼性を高め、ファン化を進める」取り組みとして書籍を出版しました。

同社はもともと、購入後のお客様との関係構築に力を入れており、自社で運営する情報メディアを通じた健康情報の発信や、カスタマーサポートによる継続的なコミュニケーションによって、LTVの高さを強みとしていました。

そうした土台がある中で、さらなるステップアップを目指す施策として出版を選択。

書籍の企画では、医学的な専門知識を前提とした内容ではなく、代表自身の人生経験も踏まえながら「女性が抱える悩みに寄り添う」構成に仕上げ、読者にとって価値のある内容を届けました。

出版後は、すでに同社の商品を購入したことがある顧客に向けて書籍プレゼントキャンペーンを実施したところ、応募数は当初想定の6倍を超える結果に。

さらに、書籍を受け取った顧客からは「会社や社長の考え方を知って、より好きになった」といった感想が多く寄せられ、企業への信頼感や愛着が高まるきっかけとなりました。

また、出版実績が自社メディア上での訴求材料となったことで、新規顧客獲得においても追い風となり、他の情報発信施策(SNSなど)との相乗効果も生まれたといいます。

【事例コラム】”書籍無料プレゼント”に想定の6倍の応募、リピート率アップにインパクト!サプリメントメーカーの出版プロジェクト

◉-2、既存会員が紹介者に変わり、ロイヤリティ向上を実現した会員ビジネスの事例

会員制ビジネスを展開する企業では、同社が提唱する「耳ツボダイエット」の重要性や有用性をより多くの人に伝えるために書籍を出版しました。

書籍の中で取り組みの価値を的確に言語化し、出版プロモーションによって全国の書店へ配本。

また、Web広告も組み合わせたことで、Amazonにおいてランキング1位(ビジネス実用本カテゴリ)を獲得するなど、認知拡大につながりました。

さらに、出版とあわせて書籍の特設LPを制作し、既存会員から見込み会員へ書籍を紹介しやすい導線を整備。

LPには「体験者の声」として既存会員にも協力してもらい、会員が周囲にサービスを紹介しやすくなったという反応も得られました。

さらに、出版プロモーションに合わせて大型セミナーを開催した結果、数百人規模の集客にもつながり、出版を起点とした一貫した施策として成果を拡大。

結果として、書籍を活用したプロモーション開始から半年後には、新規会員が500人以上増加する成果につながりました。

【まとめ】企業出版をブランドロイヤリティ向上の手段として活用しよう

この記事では、ブランドロイヤリティとは何かについて説明し、ブランドロイヤリティを高めることで企業にもたらされる効果、高めるためのポイント、具体的な手法について詳しく解説しました。

ブランドロイヤリティは、短期的な取り組みによって形成されるものではありません。

企業として何を大切にし、どのような姿勢で事業に向き合っているのかを、継続して伝える中で少しずつ形成されていくものです。

そうした点で、企業出版は、価値観や考え方、専門性をまとまった形で示せる手段です。

フォーウェイでは、企業出版をブランドロイヤリティの向上に役立てることができる「ブックマーケティングサービス」を提供しています。

フォーウェイのブックマーケティングサービスをブランドロイヤリティ向上の一施策として位置づけることで、長期的な事業基盤の強化につなげられます。

ブックマーケティングに関するご相談なら、お気軽にフォーウェイにお問い合わせください。

メディア広告は、企業が市場で存在感を高め、売上や信頼性を伸ばすために欠かせない手段です。

しかし、近年ではメディアが多様化しているため、経営者が自社に適した広告手法を見極めることは簡単ではありません。

実際に「広告費をかけても効果が見えない」、「知名度や信頼度をどう高めればよいか分からない」という悩みを抱えている担当者や経営者も多いのではないでしょうか。

広告手法には短期で効果が表れやすいものから、中長期的に企業価値の向上に寄与するものまで多くの選択肢があります。

それぞれの広告手法の特徴を理解したうえで、自社の成長フェーズや目的に合わせて活用することが重要です。

この記事では、メディア広告の種類や効果、企業の成長フェーズや目的に応じた選び方について解説します。

目次【本記事の内容】

執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)

慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。

メディア広告とは?

メディア広告とは、企業が商品やサービス、企業の価値などを伝えるために、新聞・テレビ・インターネット・出版物などの外部メディアを活用して情報発信を行う手法の総称です。

企業が伝えたいメッセージを、第三者が運営する媒体を通じて社会に届けることができます。

企業の情報発信というと、自社サイトや自社SNSアカウントを使った発信を思い浮かべる方が多いかもしれません。

しかし、自社メディアだけでは、すでに企業を知っている人や、ある程度関心を持っている層にしか情報が届きにくいという問題があります。

メディア広告は、そうした自社発信だけでは接点を持ちにくい層に対しても、第三者である外部メディアを通じて情報を届けられる点が特徴です。

広告は単なる宣伝ではなく、企業がどのように見られたいかを社会に伝える重要なコミュニケーション手段といえます。

メディア広告が企業にもたらす効果

メディア広告は、企業活動のさまざまな場面における効果が期待できます。

主な効果として次の3つが挙げられます。

  • 短期の売上獲得
  • 中長期の企業価値向上
  • 第三者メディアによる客観性・信頼性の獲得

以下で、それぞれどのような効果なのかを見ていきましょう。

◉-1、短期の売上獲得

広告を出すことで問い合わせが増えたり、キャンペーンへの誘導が強化されたりするなど、短期間で売上を向上させることが可能です。

特定の商品やサービスを集中的に訴求することで、購買や申し込みといった行動につなげやすくなります。

特にインターネット広告は、消費者の行動を計測しやすい方法です。

たとえば、インターネット広告を出したら問い合わせ数が3倍に増えたなど、目に見える数字として把握できます。

SP(セールスプロモーション)広告も、クーポンの利用率のように比較的施策ごとの効果を把握しやすい傾向があります。

そのため、短期的な成果を求める場面や、限られた期間で反応を得たい場合には、メディアの活用が有効です。

◉-2、中長期の企業価値向上

メディア広告の効果は集客だけではありません。

露出が積み重なるほど、企業としての信頼性や専門性が評価され、ブランドへの好意形成などの中長期の企業価値向上につながります。

継続的に情報に触れてもらい、企業への理解が深まると、指名検索が増えるなど、選ばれやすい存在になる点も特徴です。

特に将来の資金調達や上場準備を見据える企業にとって、社会的信用の形成は欠かせない要素です。

◉-3、第三者メディアによる客観性・信頼性の獲得

新聞や雑誌、専門メディアといった第三者が運営する媒体に掲載されることで、自社発信とは異なる視点が加わり、企業情報の信頼性を高める効果が期待できます。

自社発信だけでは訴求しにくい専門性や取り組みの価値も、第三者メディアを通じて伝わるため、より客観的で信頼性の高い情報として受け取られやすくなります。

その結果、営業活動において一から説明する必要が減り、初回商談をスムーズに進めやすくなる点もメリットです。

こうした信頼の蓄積は、採用活動や協業先の獲得、金融機関との関係構築など、さまざまな企業活動に好影響をもたらします。

◉メディア広告の種類

一口でメディア広告と言っても、広告の目的や届け方によってさまざまな手法があります。

媒体ごとに役割や得意分野が異なるため、特徴を整理して理解することが重要です。

代表的な広告手法は、次の3種類です。

  • マス広告
  • インターネット広告
  • SP(セールスプロモーション)広告

以下で、それぞれの特徴を順に見ていきましょう。

◉-1、マス広告

マス広告は、テレビ広告や新聞広告、雑誌広告などのように、比較的広い範囲に情報を届けるための広告手法です。

特定のターゲットに限定せず、多くの人の目に触れる点が特徴です。

幅広い層へ一度に情報を届けることができるため、企業の知名度向上やブランドイメージの形成に適しています。

新商品や新サービスの認知拡大、企業としての存在感を示したい場面で活用されることが多い広告です。

一方で広告費用が大きくなりやすく、効果測定が難しいというデメリットもあります。

そのため、目的や予算を明確にしたうえで活用することが重要です。

主なマス広告の種類と内容・具体例は次の通りです。

広告種別内容・具体例
テレビ広告地上波CM、BS/CS放送CM、番組提供
新聞広告全国紙・地方紙の全面広告、突き出し広告
雑誌広告一般誌・専門誌への広告掲載、タイアップ
ラジオ広告スポットCM、番組内広告
屋外広告看板広告、交通広告(電車・バス・駅)

◉-2、インターネット広告

インターネット広告は、検索広告やSNS広告、動画広告など、利用者の属性や行動に応じて情報を届ける広告手法です。

関心の高い層に対して配信しやすく、比較的無駄の少ない形で訴求できるという特徴があります。

費用対効果が可視化しやすく、広告の反応を見ながらクリエイティブや配信条件をすばやく調整できるため、短期施策やテストマーケティングに強い媒体です。

限られた予算の中でも改善を重ねながら活用しやすい点もメリットといえます。

主なインターネット広告の種類と内容・具体例は次の通りです。

広告種別内容・具体例
検索広告Google広告、Yahoo!検索連動型広告
ディスプレイ広告Webサイト・アプリ上のバナー広告
SNS広告Instagram、X(旧Twitter)、Facebook、TikTok広告
動画広告YouTube広告、SNS動画広告
ネイティブ広告記事広告、レコメンドウィジェット広告
リターゲティング広告過去訪問者への追跡配信広告

◉-3、SP(セールスプロモーション)広告

SP(セールスプロモーション)広告は、店頭販促やイベント、カタログ配布などを通じて、購入や来店、問い合わせなどの行動を促すことを目的とした広告手法です。

実際の購買シーンに近い場面で訴求できるという特徴があります。

生活者に近い接点でアプローチするため、短期的な売上につながりやすい一方で、広い認知を獲得するには不向きです。

そのため、特定の商品やキャンペーンを集中的に訴求したい場面で活用されることが多くなります。

主なSP(セールスプロモーション)広告の種類と内容・具体例は次の通りです。

広告種別内容・具体例
店頭販促POP、什器、サイネージ
イベント・展示会商品体験イベント、業界展示会出展
サンプリング試供品配布、体験版提供
DM・カタログ郵送DM、パンフレット配布
キャンペーン施策クーポン、ノベルティ、ポイント施策

【企業の成長フェーズ別】最適なメディア広告の選び方

企業がどの広告を採用すべきかは、成長段階や目指す目的によって大きく変わります。

ここでは、企業の成長フェーズと目的を次の4つに分け、それぞれの段階でどのメディア広告が成果につながりやすいのかについて解説します。

  • 起業・創業期|まずは認知を広げたい場合
  • 事業拡張期|短期の反応やリードを獲得したい場合
  • 上場準備期|信頼構築や企業としての評価を高めたい場合
  • 全フェーズ共通|認知・信頼・リード獲得を同時に進めたい場合

以下で、詳しく見ていきましょう。

◉-1、起業・創業期|まずは認知を広げたい場合

創業期は、まず市場に「自社の存在」を知ってもらうことが重要です。

限られた予算の中で成果を高めるためには、少額からでも始められ、改善を繰り返しながら反応を確かめられる広告が向いています。

SNS広告や検索広告のようにターゲットを絞り込める媒体を活用することで、必要な層に効率よく情報を届けられます。

まずは小さくテストしながら、どのメッセージが効果的なのかを検証し、事業の方向性に役立つデータを蓄積していくことが、創業期の広告活用では大切です。

▶︎起業・創業期の広告採用については、関連記事【【経営者必見】知名度・認知度を高めるには?選ばれる企業になるための施策と成功事例まとめ】も合わせて参考にしてください。

◉-2、事業拡張期|短期の反応やリードを獲得したい場合

事業拡張期には、顧客接点を拡大して問い合わせを獲得し売上の増大につなげることが重要です。

この段階では、短期間で問い合わせや資料請求といったアクションにつながる広告が効果を発揮します。

検索広告やSNS広告、LPへの誘導を中心とした施策など、成果を数値で可視化できる媒体を活用することで、改善を繰り返しながら効率的にリードを獲得できます。

また、既存顧客の行動データを活用した広告運用も有効で、拡大期ならではの強みを生かした集客が可能です。

▶︎事業拡張期の広告運用については、関連記事【【目的別】売上を上げるために検討したい13の施策】も合わせて参考にしてください。

◉-3、上場準備期|信頼構築や企業としての評価を高めたい場合

上場準備期は、市場やステークホルダーからの信頼性や透明性を獲得することが重要です。

事業の強みや社会的意義を外部にわかりやすく伝えられる広告を選ぶことで、企業としての評価を高めやすくなります。

新聞広告や専門誌での露出は、第三者の視点が加わるため信頼性が高く、金融機関や投資家からの理解促進にもつながります。

また、企業の理念や事業の背景を丁寧に伝えられる媒体を活用することで、長期的なイメージ形成にも効果的です。

▶︎上場準備期のメディア活用については、関連記事【企業や経営者の権威性を高めるには?SEOやマーケティングへの活用法】も合わせて参考にしてください。

◉-4、全フェーズ共通|認知・リード獲得・信頼性獲得を同時に進めたい場合

認知拡大、信頼性向上、リード獲得を並行して進めたい場面では、単一の媒体に依存せず、多面的に企業の価値を示せる手法が適しています。

こうした役割を果たせる手法として挙げられるのが「企業出版」であり、フェーズに関係なく長期的な資産として機能する点が特徴です。

企業の理念や専門性、実績を深く伝えられる媒体を活用することで、短期と中長期の双方で効果を得ることができます。
▶︎書籍出版のやり方については、関連記事【企業出版の効果とは?費用相場や成功のポイント、事例を徹底解説】もあわせて参考にしてください。

企業出版を活用したメディア広告の成功事例

実際の企業がどのようにメディア広告を活用し、成果につなげているのかを知ることで、より具体的なイメージが持てるようになります。

企業出版は一度作れば営業や企業のPRから採用まで長期間活用できる、資産としての面を持つメディアです。

ここでは、企業出版の活用によるメディア広告の成功事例を3つ紹介します。

  • 経営者の認知度アップにつながった事例
  • 新規事業の顧客獲得と採用強化につながった事例
  • 信頼性と権威性を向上した事例

以下で、それぞれどのような事例なのかを見ていきましょう。

◉-1、経営者の認知度アップにつながった事例

ある建設会社では、建設業界全体で深刻化する人材不足の影響により、受注のチャンスがあっても十分に対応しきれない状況が続いていました。

そこで経営者は、自身および企業の認知度を高めることで若手人材の採用を強化しようと考え、書籍を出版しました。

書籍には、自社の創業に至るまでのストーリーや経営者自身の仕事に対する考え方、経営哲学などをまとめ、地域の若手人材に「この会社で働きたい」と感じてもらえる内容を盛り込みました。

出版後は、採用面接の際に事前に書籍を読んで応募してくる求職者が増えて、採用率が向上し、採用コストの削減に成功。

また、出版をきっかけとして地元紙などの多くのメディアからの取材機会が増え、地域内での認知度の向上にもつながっています。

◉-2、新規事業の顧客獲得と採用強化につながった事例

法人向けの保険代理店の経営者は、同業の保険代理店向けのコンサルティング事業を新たに立ち上げたばかりで、これからどのように新規顧客を獲得していくかを模索していました。。

そこで、自社の経営ノウハウや給与体系に対する考え方をまとめた書籍を出版し、集客を図りました。

書籍の中では、保険業界の問題点に触れたあとで、自社で「一律報酬型」を採用することで業績が向上し、社員が成長していることを紹介しました。

「成果報酬型」が当たり前の保険業界では画期的な取り組みとして注目を集めることに成功。

出版後は、業界内での認知度が一気に高まり、同業の保険代理店からのコンサルティング契約を複数獲得しました。

また、書籍を通じて経営姿勢や考え方が可視化されたことで、保険会社から「頼れる保険代理店」というイメージを持ってもらえるようになり、講演依頼や同業支援の依頼が舞い込むようになりました。

本業の法人保険の商談においては、顧客が事前に書籍を読んでくれていることが増えて、経営課題についての相談を受けるなど、法人保険の大口契約にも成功。

さらに、自社の人材採用においても、書籍を読んだ求職者からの応募が増え、人材採用面でも効果が出ました。

現在、社名変更を経て2冊目を書籍出版し、さらなる事業拡大に向けたフェーズへと進んでいます。

【事例コラム】大口案件の集客、人材採用、大手企業からの講演依頼!出版ですごいことになった保険代理店

◉-3、信頼性と権威性を向上した事例

ある不動産投資会社の経営者は、医師をターゲットとした書籍を出版しました。

高収入でありながら支払う税金の負担額が大きい医師に対して、「不動産投資が特に効果的な節税対策である」ことを訴求し、関心を高めて集客を狙ったのです。

書籍では、まず最初に「医師が抱えるお金の悩み」を提示して共感を引き出し、続いて「医師に不動産投資が適している理由」を論理的に解説しました。

さらに「どのような物件を購入すべきか」を具体的に示すことで、読者が自然と投資に前向きになるように構成。

出版後は、書籍を読んだ数多くの医師から問い合わせが寄せられ、その多くが不動産投資物件の成約につながりました。

その結果、わずか半年で10億円以上の売上を達成しました。

このように、1冊目の出版で大きな効果を上げることができたことを受けて、さらなる自社のマーケティング戦略として第2弾の出版を予定しています。

第2弾は顧客の医師と共著で出版することになっており、より高い信頼性と権威性の獲得につながることが期待されます。

◉【まとめ】自社に最適なメディア広告を選び、企業成長を加速させよう

この記事では、メディア広告の種類や効果、企業の成長フェーズや目的に応じた広告手法の選び方について解説しました。

メディア広告は、目的や企業の成長段階によって得られる効果や影響が大きく異なります。

短期的な反応を重視するのか、長期的な企業価値の向上を目指すのか、その判断次第で選ぶべき広告が違ってくるのです。

この記事で紹介した視点を参考に、自社が置かれている状況や目的に合った広告手法を採用すれば、企業の成長を後押しする有効な手段となります。

広告を単なるコストではなく、資産として考えたい企業には、企業出版という選択肢を検討してみるのがおすすめです。

フォーウェイでは、企業出版を広告やブランディングに活用するブックマーケティングサービスを提供しています。

大手出版社で編集経験を積んだ専任スタッフが、本の企画立案から出版後のマーケティング活動までを一貫してサポートします。

企業出版を活用したメディア広告については、フォーウェイまでお気軽にご相談ください。

トップセールスは、企業が事業を拡大していく過程で重要な役割を果たす取り組みとして注目されています。

社長が自ら動くことで、通常の営業活動では得られない信頼やスピードが生まれ、新たな取引や大型案件につながりやすくなるからです。

トップが前に出ることの意味や効果を正しく理解することで、自社の営業戦略のなかでどのように活用すべきかが見えてきます。

この記事では、社長が自ら営業する重要性について詳しく解説します。

目次【本記事の内容】

執筆者:江崎雄二(株式会社フォーウェイ取締役マーケティング統括)


福岡県出身。東福岡高校、山口大学経済学部経済法学科卒業。大学卒業後、月刊誌の編集者兼ライターに携わる。その後時事通信社での勤務を経て、幻冬舎グループに入社。書店営業部門の立ち上げメンバーとして活躍後、書籍の販売促進提案のプロモーション部を経て、法人営業部へ。東京と大阪にて書籍出版の提案営業を担当し、2020年11月、株式会社フォーウェイに参画。2023年9月取締役就任。グループの出版社、株式会社パノラボの流通管理も担う。

トップセールスとは?

トップセールスとは、企業や組織において高い営業成果を継続的に上げている営業担当者や営業責任者を指します。

商品・サービスへの深い理解力や高い提案力、ヒアリング力を備え、顧客の成功を第一に考える姿勢を持っている点が特徴です。

その結果、個人の成果にとどまらず、組織全体の営業力向上にも好影響を与える存在となります。

一方で、トップセールスという言葉は、文脈によって「社長や創業者など企業のトップ自らが営業・広報・交渉の場に立つこと」を指す場合もあります。

この場合は、トップという立場だからこそ語れるビジョンや意思決定の背景、責任の所在を示しながら、相手の信頼や共感を得ていく営業活動を意味します。

権限や説得力、ブランドへの影響力が一般的な営業担当者とは異なるため、社長によるトップセールスには特有の効果があります。

◉社長によるトップセールスが重要な理由

社長が営業の第一線に立つトップセールスが重要とされる理由は、主に次の3点です。

  • 社長が営業に出るだけで信頼されやすい
  • 決裁者同士が直接話すことで商談が早く進む
  • トップが動くと大型案件が生まれやすい

それぞれどのような理由なのかを詳しく見ていきましょう。

◉-1、社長が営業に出るだけで信頼されやすい

社長自らが商談の場に立つことで、相手企業は「この会社は本気で取り組んでいる」と受け止めやすくなり、信頼感が高まります。

トップが時間を割いて直接対応する姿勢そのものが、企業としての誠実さや覚悟を示すからです。

また、意思決定権を持つトップが説明を行うことで、話の内容に一層の説得力が生まれます。

その結果、相手が抱く不安や懸念もその場で解消しやすくなり、商談の前提となる信頼関係を短期間で築くことが可能になります。

◉-2、決裁者同士が直接話すことで商談が早く進む

社長と相手企業の決裁者が直接対話することで、意思決定のスピードが向上します。

通常の営業プロセスで発生する社内確認や持ち帰り検討が不要になり、その場で方向性が決まるケースが多いためです。

さらに、立場の近い決裁者同士だからこそ、条件面だけでなく経営判断の背景や本音を含めた議論が可能になります。

その結果、短期的な取引ではなく、継続的な関係構築を前提とした合意に至る可能性が高まります。

◉-3、トップが動くと大型案件が生まれやすい

企業のトップが前に出ることで、その商談は経営レベルの案件として扱われます。

相手側も重要案件として向き合うため、取引規模や契約期間を含めた検討が行われるようになります。

結果として、案件の検討範囲や契約期間についても踏み込んだ判断が行われ、より規模の大きい案件に発展しやすくなるのです。

◉トップセールスを成功させるための情報発信施策

トップセールスを成果につなげるためには、商談の場だけでなく、普段から社長自身の考えや姿勢を情報発信しておくことが欠かせません。

情報発信を通じて理解と信頼を積み重ねておくことで、商談を始める時点ですでに相手の信頼を得やすくなり、対話がスムーズに進むようになります。

社長が取り組みやすく、かつ効果の高い具体的な施策として、次の8つが挙げられます。

  • 社長ブログやコラムで思想を発信する
  • SNSで経営者としての視点や日常の気づきを共有する
  • ニュースレターやメルマガで継続的な接点をつくる
  • 動画コンテンツで社長の人柄と思想を伝える
  • ウェビナーやセミナーで専門性とビジョンを示す
  • 第三者メディアへの露出で信頼性を高める
  • 社長名義のホワイトペーパーで価値観を体系化する
  • 書籍出版で社長の思想を深く伝え、権威性を高める

以下では、それぞれの施策がどのようにトップセールスの成果に結び付くのかを詳しく見ていきましょう。

◉-1、社長ブログやコラムで思想を発信する

社長が自社の価値観や事業に対する考え方を文章として発信すると、商談前から企業としての姿勢や方向性を伝えられます。

トップの考えが事前に共有されている状態で商談に入るため、対話の質も高まります。

また、経営者自身の言葉には、他のコンテンツにはない重みがあるものです。

そのため、ブログやコラムを通じて考え方に触れた読者が企業そのものに関心を持ち、商談や問い合わせにつながるケースも少なくありません。

◉-2、SNSで経営者としての視点や日常の気づきを共有する

SNSでは、社長の日々の気づきや業界に対する見方を短い言葉で伝えられます。

継続的に発信することで、社長の考え方が少しずつ伝わり、読み手との距離が縮まります。

こうした発信に触れた相手は、初めて話す場面でも社長の人物像をある程度理解しているため、商談に入る際の心理的なハードルが下がり、対話がスムーズに進むのです。

▶︎SNSの詳細については、関連記事【【保存版】SNS運用とは?手順や失敗例、集客につなげる運用術を解説!】もあわせて参考にしてください。

◉-3、ニュースレターやメルマガで継続的な接点をつくる

社長名義のニュースレターやメルマガは、見込み顧客との接点を継続的に保つ手段として効果的です。

一度きりの接触ではなく、定期的に考え方や情報を届けると、関係性を段階的に深めていくことが可能です。

売り込みを前面に出さず、価値ある内容を積み重ねることで、いざ商談の機会が訪れた際に「信頼できる相手」として想起されやすくなります。

◉-4、動画コンテンツで社長の人柄と思想を伝える

動画は、文章だけでは伝わりにくい声のトーンや表情、話し方といった要素まで含めて伝えられる点が特徴です。

社長の人柄や誠実さが自然に伝わることで、企業に対する安心感や信頼感を持ってもらいやすくなります。

事前に動画を通じて考え方を理解したうえで商談に臨んでもらえると、相手も構えずに話を聞きやすくなり、冒頭から具体的な議論を進められるでしょう。

◉-5、ウェビナーやセミナーで専門性とビジョンを示す

社長がウェビナーやセミナーで直接テーマを解説することで、その分野に対する理解の深さや視座の高さが明確に伝わります。

単なる商品説明ではなく、業界全体や課題の背景をどうとらえているかを示せる点も特徴です。

参加者にとっては、情報を得る場であると同時に「この社長と話してみたい」と感じるきっかけにもなり、その後の商談につながる重要な接点となります。

◉-6、第三者メディアへの露出で信頼性を高める

外部メディアに取り上げられることは、社長の発信内容が第三者の視点で評価された結果です。

自社による情報発信だけでは得られない客観性が加わることで、社長の発言がより信頼できるものとして受け取られるようになります。

結果として、社長個人への信頼だけでなく、企業全体のイメージ向上にもつながり、商談に入る前段階での信頼をより確かなものにします。

◉-7、社長名義のホワイトペーパーで価値観を体系化する

市場や顧客の課題、自社が提供できる価値を社長の視点で整理し、資料としてまとめることで、トップの考え方を体系的に伝えることができます。

ホワイトペーパーでは、断片的な情報ではなく全体像を示せる点が強みです。

商談前にこうした資料に目を通してもらうことで、相手の理解度が高まり、具体的な議論に時間を使えるようになります。

▶︎ホワイトペーパーの詳細については、関連記事【マーケティングにおけるホワイトペーパーの役割とは?信頼を生む情報発信の仕組み】もあわせて参考にしてください。

◉-8、書籍出版で社長の思想を深く伝え、権威性を高める

社長の思想や経験を一冊の書籍としてまとめると、背景や判断の理由まで含めて体系的に伝えられます。

書籍は時間をかけて読まれる媒体であり、信頼形成において重要な役割を果たすのです。

また、書籍を出版できること自体が企業の信頼性を補完する要素となり、高単価サービスやBtoB領域では、商談の成功率を高める強力な施策になります。
▶︎書籍出版の詳細については、関連記事【企業出版の効果とは?費用相場や成功のポイント、事例を徹底解説】もあわせて参考にしてください。

書籍をトップセールス強化に活用するメリット

書籍を活用したトップセールスには、商談前の関係構築から営業活動の効率化まで、実務上の明確なメリットがあります。

代表的なポイントは、次の4つです。

  • 商談前から顧客と信頼関係を築ける
  • 長期間にわたって理念や価値観を伝えられる
  • 営業活動の効率アップが図れる
  • 読者からの紹介による新規顧客が獲得できる

以下で、それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。

◉-1、商談前から顧客と信頼関係を築ける

書籍を読んだ状態で商談に進む顧客は、すでに社長の考え方や事業への姿勢を把握しています。

そのため、初回の商談の場でも前提が共有され、信頼関係を築くための土台が整った状態で話を進められます。

商談の際に一から背景を説明する必要が減り、より具体的で実務的な話に時間を使える点もメリットです。

◉-2、長期間にわたって理念や価値観を伝えられる

書籍は一度発行すれば、長期間にわたって読者の手元に残る媒体です。

社長の理念や価値観を、時間をかけて繰り返し伝えられる点は、他の情報発信手段にはない特徴といえます。

短期的な発信では伝えきれない背景や考え方まで含めて届けられるため、企業全体に対する理解が深まり、企業の方向性も明確に伝えることができます。

◉-3、営業活動の効率アップが図れる

書籍は営業資料としても活用できるため、顧客が事前に内容を理解したうえで商談に臨むことが可能です。

その結果、説明にかかる時間が削減され、より本質的な相談や判断に時間を使えるようになります。

また、書籍を通じて一定の信頼が形成されているため、商談の進行がスムーズになり、成約率の向上も期待できます。

◉-4、読者からの紹介による新規顧客が獲得できる

書籍は、顧客や関係者を通じて周囲に紹介されやすい媒体です。

読者が内容に共感した場合、知人や取引先に紹介してくれるケースも少なくありません。

その結果、書籍を通じて自社の理念や専門性を知った新たな層にリーチでき、営業活動の広がりを自然に生み出すことができるようになります。

書籍活用によるトップセールスの成功事例

ここでは、書籍活用によるトップセールスの成功事例を3つ紹介します。

  • 書籍で持論を展開して大口案件や新規顧客を獲得した事例
  • 社長の仕事観や経営哲学を書籍で訴えて採用強化を実現した事例
  • 社長の経験や考え方を書籍で伝えてリピート率をアップした事例

以下で、それぞれの事例について詳しく見ていきましょう。

◉-1、書籍で持論を展開して大口案件や新規顧客を獲得した事例

法人向けの保険代理店の社長は、保険代理店向けのコンサルティング顧客の新規獲得と信頼性向上を目的に書籍を出版しました。

成果報酬が一般的な保険業界で、月額報酬制を採用して事業を伸長させた持論とノウハウを体系化して1冊の書籍にまとめています。

結果として、2週間で重版出来、出版記念セミナーには60名が参加し、うち5件が成約につながるなどの効果が得られました。

その後、さらなる事業拡大のために社名を変更し、そのタイミングでリブランディングのために2冊目の書籍を出版。

大手外資系生保の全国No.1セールスの実績を持つ社長が、「顧客に本当に必要とされる営業」の本質を体系化して公開し、さらなる事業拡大に成功しました。

【事例コラム】大口案件の集客、人材採用、大手企業からの講演依頼!出版ですごいことになった保険代理店

◉-2、社長の仕事観や経営哲学を書籍で訴えて採用強化を実現した事例

湘南エリアを地盤に事業活動を行っている建設会社では、慢性的な人材不足が課題となっていました。

せっかくの受注機会を十分に活かせない状態が続いていたことから、人材の採用強化と自社のブランディングを目的として書籍を出版。

社長自身の仕事観や経営哲学、創業ストーリーなどを体系的にまとめて、地元の若手人材に「働きたい」会社だと思ってもらえるような内容にしました。

その結果、事前に書籍を読んで、その内容に共感した求職者の応募が増え採用率が向上しました。

また、年間500万円以上かかっていた採用エージェント費を削減することにも成功。

さらに、出版をきっかけに地元紙をはじめとした複数のメディアから取材依頼が寄せられ、地域内での認知度が一気に向上し、業界内で一目置かれるようになりました。

◉-3、社長の経験や考え方を書籍で伝えてリピート率をアップした事例

女性向けサプリメントを展開するサプリメントメーカーの経営者は、既存顧客との関係強化と新規顧客獲得の両立を目的として書籍を出版しました。

書籍には、社長自身の経験や健康に関する考え方をまとめ、読者にとって役立つ実用的な内容に仕上げました。

出版後の早い段階で、「書籍無料プレゼント」キャンペーンを実施したところ、想定を大きく上回る6倍もの応募を得ることができ、多くの新規顧客との接点を創出することにも成功。

加えて、書籍をきっかけに企業や商品の背景を理解してもらえるようになり、購入者のリピート率が向上しました。

自社メディアでの継続的なコミュニケーションとカスタマーサポートによって、ブランドへの信頼を高めることにも成功しました。

【事例コラム】”書籍無料プレゼント”に想定の6倍の応募、リピート率アップにインパクト!サプリメントメーカーの出版プロジェクト

◉【まとめ】トップセールスを成功させるために企業出版を有効活用しよう!

本記事では、トップセールスが企業にとって重要とされる理由や、成功につなげるための情報発信施策、書籍を活用するメリットや事例について解説しました。

トップセールスとは、企業のトップである社長が前面に立つことで、信頼性・スピード感・ブランド力を同時に高められる、非常に有効な営業手法です。

なかでも、書籍を活用した情報発信を組み合わせることで、商談前から見込み顧客に企業や経営者への理解を深めてもらいやすくなり、営業効率や成約率の向上が期待できます。

このように、企業出版は社長の思想を体系化し、長期的な信頼と事業機会を生み出す有効な手段なのです。

フォーウェイでは、企業出版による書籍を営業活動に活用する「ブックマーケティングサービス」を提供しています。

これまで多くの企業の出版支援を行い、営業・採用・ブランディングといった分野での成果創出をサポートしてきました。

企業出版をマーケティングに活用したいとお考えの方は、ぜひフォーウェイまでお気軽にご相談ください。

近年、SNSやデジタル広告の普及によって、企業と顧客の接点は多様化しています。

一方で、「企業の想いをどう伝えるか」「ブランドをどう記憶に残すか」といった課題は、以前よりも難しくなっています。

こうした中で注目されているのが「キャラクターマーケティング」です。

キャラクターは、企業理念や価値を親しみやすい形で伝え、顧客とのコミュニケーションをスムーズにする役割を果たします。

この記事では、キャラクターマーケティングの効果や設計ポイント、成功事例などについて紹介します。

目次【本記事の内容】

執筆者:江崎雄二(株式会社フォーウェイ取締役マーケティング統括)


福岡県出身。東福岡高校、山口大学経済学部経済法学科卒業。大学卒業後、月刊誌の編集者兼ライターに携わる。その後時事通信社での勤務を経て、幻冬舎グループに入社。書店営業部門の立ち上げメンバーとして活躍後、書籍の販売促進提案のプロモーション部を経て、法人営業部へ。東京と大阪にて書籍出版の提案営業を担当し、2020年11月、株式会社フォーウェイに参画。2023年9月取締役就任。グループの出版社、株式会社パノラボの流通管理も担う。

キャラクターマーケティングとは

キャラクターマーケティングとは、企業や商品・サービスの世界観を象徴するキャラクターを活用して、顧客との接点づくりとコミュニケーションを強化する手法です。

キャラクターには、ブランドの特徴をわかりやすく表現し、顧客の注意を引きやすいという特徴があります。

また、キャラクターを通じて企業が伝えたい情報を自然に届けることができるため、認知の獲得やロイヤルティの向上にもつながります。

このように、キャラクターは単なるデザイン要素ではなく、コミュニケーション全体を支えるために重要です。

企業がキャラクターマーケティングを行う目的

企業がキャラクターマーケティングを導入する目的は、キャラクターに「人格」をもたせて、ブランドメッセージを親しみやすい形で届けることです。

堅苦しくなりがちな企業理念や専門的な内容も、キャラクターが説明役として登場することで受け入れられやすくなります。

また、キャラクターの表情や言動は人の感情に訴えかけ、企業と顧客との心理的距離を縮める効果があります。

その結果、ブランドの理解促進や好感度の向上、継続的なファンづくりなど、複数の目的を同時に達成できることも特徴です。

キャラクターマーケティングが事業成長にもたらす効果

情報があふれている現代では「覚えてもらう工夫」が重要になっています。

キャラクターを使うと視覚的な印象を残しやすくなり、ブランドの世界観をわかりやすく伝えることができるようになります。

キャラクターを活用することによる主な効果は次の通りです。

  • ブランドの認知度向上と差別化効果
  • 顧客との心理的距離を縮める効果
  • 継続的なファン育成につながる効果
  • ブランドを資産化する効果

それぞれの効果を詳しく見ていきましょう。

◉-1、ブランドの認知度向上と差別化効果

市場に競合が多い場合でも、キャラクターを利用することでブランドの独自性を強く印象づけることができます。

特に視覚的に特徴のあるキャラクターは、一度見ただけで顧客に覚えてもらうことができ、広告やSNSに登場するたびに認知を積み重ねることができます。

さらに、同じ業界内に類似の商品やサービスが存在する場合でも、キャラクターの個性や世界観によって明確な差別化が可能です。

◉-2、顧客との心理的距離を縮める効果

人はキャラクターに対して感情移入しやすく、親しみを感じるとその背景にある企業や商品にも好意を抱くようになります。

キャラクターの言動やビジュアルは、企業メッセージに親しみをもたせ情報を受け取りやすい雰囲気をつくります。

結果として、企業への信頼醸成につながり、商品やサービスへの理解が進みやすくなるのです。

◉-3、継続的なファン育成につながる効果

キャラクターがSNSや動画の中で「語り手」として登場するだけで、情報を自然に読み進めてもらえるというメリットがあります。

キャラクターを通じてブランドの世界観が一貫して表現され、ストーリーが継続的に展開されるほど、顧客は先の展開に興味を持ちやすく、継続的なエンゲージメントにつながります。

企業と顧客のコミュニケーションを自然に維持できる点は、キャラクターマーケティングの強みです。

◉-4、ブランドを資産化する効果

魅力あるキャラクターは、ブランドの象徴として長期にわたり利用できる資産となります。

キャラクターを継続的に活用することで、企業が発信する情報のトーンが揃い、結果としてブランドの世界観が伝わりやすくなります。

また、キャラクターグッズの展開やライセンス販売などによって、新たな収益機会を生み出すことも可能です。

キャラクターマーケティングは主に2パターン

キャラクターマーケティングは主に次の2つの方法に分類できます。

  • 既存キャラクター
  • オリジナルキャラクター

以下で、それぞれについて詳しく見ていきましょう。

◉-1、既存キャラクター

既存キャラクターは、アニメや人気コンテンツなど、すでに認知されているキャラクターを企業のマーケティングに活用する手法です。

既存キャラクターの知名度を活用できるため、短期間で認知を拡大したい場合に効果的です。

また、キャラクター自体のファン層にリーチでき、話題化しやすいというメリットもあります。

一方で、ブランドとキャラクターの世界観の一致度に限界があり、他社と同じキャラクターを使う場合は独自性が出しにくいという側面もあります。

◉-2、オリジナルキャラクター

オリジナルキャラクターは、企業やブランド独自の世界観を体現するキャラクターをゼロから設計する手法です。

ブランドの世界観を一貫して伝えられるため、長期的なブランド資産として育てられます。

特にSNSや広告、出版物、イベントなど多様なチャネルで活用しやすく、顧客との関係性を深める効果が高いという特徴があります。

ただし、認知が広がるまで時間がかかるため、戦略的な育成と継続的な運用が不可欠です。

ブランド独自の世界観を構築したい企業や、長期視点で顧客と関係を築きたい場合に適しています。

キャラクターマーケティングを成功させるには?

キャラクターマーケティングを成功させるための施策として、主に次の4つの手法があります。

  • 複数の顧客接点でキャラクターを活用する
  • デジタル施策・イベント施策と連携する
  • ファンのエンゲージメントを強化し、ファン層を育成する
  • 出版物へのキャラクター活用によるブランド発信を行う

それぞれ、どのような手法なのかを詳しく見ていきましょう。

◉-1、複数の顧客接点でキャラクターを活用する

まずやるべきなのは、キャラクターの露出を増やして顧客に認知してもらうことです。

WebサイトやSNS、広告、イベントなど、顧客が利用する複数のチャネルでキャラクターを活用した露出を増やして認知の拡大を図ることが重要です。

たとえば、ある食品メーカーでは、自社オリジナルキャラクターをWebサイトの案内役として起用すると同時に、店頭POPやSNSにも継続的に登場させました。

その結果、購入前の認知度が向上し、SNSでの投稿数も増加するなど、ブランド全体の認知拡大につながっています。

◉-2、デジタル施策・イベント施策と連携する

デジタル施策としては、キャラクター自身のSNSアカウントを作成して企業メッセージを発信し、顧客に親近感を抱いてもらいエンゲージメントを高める手法があります。

また、イベントを開催して顧客との交流の場を設けてファン化を促進させることも可能です。

たとえば、あるアパレル企業は、キャラクター自身のSNSアカウントを運用し、イベント前にキャラクターが告知を行うことで参加申込数の増加につながった事例もあります。

複数のチャネルにキャラクターを登場させて、相乗効果を狙うことも考えられます。

◉-3、ファンのエンゲージメントを強化し、ファン層を育成する

キャラクターの認知が広がってきてファン層が獲得できたら、次のようなコミュニケーションを通じて関係性を深めていくことが重要です。

施策具体的な内容
参加型キャンペーンプレゼントキャンペーン、イベントの実施
ユーザー生成コンテンツ(UGC)の促進SNSなどでファンによるコンテンツ発信
ファンコミュニティの活用SNSなどでコミュニティを開設・運営

たとえば、ある雑貨メーカーで、キャラクターを使った写真投稿キャンペーンを実施したところ、ファンによるUGCが想定以上に拡散し、オンラインストアのアクセスが増えた事例があります。

また、地域密着型の飲食チェーンでは、キャラクターを用いたスタンプラリー企画を行い、限定ノベルティが話題となってファン化が進みました。

◉-4、出版物へのキャラクター活用によるブランド発信を行う

キャラクターは、情報を整理して分かりやすく伝えられる点で、出版物との親和性が高い存在です。

出版物内でキャラクターをナビゲーター役として配置することで、内容の理解度が高まり、企業理念や専門的な情報も無理なく読者に届けられます。

パンフレットやホワイトペーパーなどに継続的に登場させれば、表現のトーンや世界観に統一感が生まれ、長期的に活用できるブランド資産として育てていくことも可能です。
▶︎書籍出版のやり方については、関連記事【企業出版の効果とは?費用相場や成功のポイント、事例を徹底解説】もあわせて参考にしてください。

出版物にキャラクターを取り入れる際の設計ポイント

企業パンフレットや採用案内、サービス紹介冊子などの出版物にキャラクターを取り入れる例は業種を問わず広がっています。

出版物でキャラクターを活用する際の主な設計ポイントとして、次の4つが挙げられます。

  • ブランドトーンに合ったキャラクター設計を意識する
  • 出版物全体にキャラクターを組み込む
  • キャラクターの配置で読みやすさを高める
  • キャラクターの表現ルールを設定する

以下で、それぞれについて詳しく解説します。

◉-1、ブランドトーンに合ったキャラクター設計を意識する

キャラクターを出版物で活用する際は、ブランドが伝えたい価値や方向性とキャラクターの性格・役割を一致させることが基本となります。

キャラクターの口調、行動、表情がブランドのトーンと合っていることで、出版物の内容が自然に受け取られやすくなります。

一貫性が保たれることで、読者の中にブランドの印象が定着し、長期的な信頼構築にもつながるのです。

◉-2、出版物全体にキャラクターを組み込む

キャラクターは単発で登場させるよりも、出版物全体に配置することで効果が高まります。

章やページごとにキャラクターがナビゲーターとして登場すると、読者は自然と読み進めやすくなり、出版物としての統一感が出ます。

キャラクターの役割を「案内役」「質問役」「まとめ役」などに設定することで、情報の流れが整理され、読者にストレスを与えない構成になるのです。

◉-3、キャラクターの配置で読みやすさを高める

難しい内容の噛み砕き役としてキャラクターを配置することで、読者の理解を助けることができます。

重要ポイントの説明や注意点の強調など、読んでほしい部分にキャラクターを添えるだけで、視線誘導が生まれ読みやすさが向上します。

特に専門性が高い内容を扱う場合は、キャラクターを要所に置くことで読者の負担が軽くなり、情報がスムーズに伝わる効果が期待できるのです。

◉-4、キャラクターの表現ルールを設定する

キャラクターを出版物で活用する際は、ビジュアルや口調に統一したルールを設けることが重要です。

表情・色・文字の扱い・セリフのトーンなどが場面ごとにばらつくと全体の印象が散漫になり、読者の理解を妨げてしまいます。

あらかじめ「どの場面でどの表情を使うか」「セリフはどの程度の口調にするか」などのガイドラインを定めておくことで、出版物全体に一貫性が生まれ、ブランドメッセージもより伝わりやすくなります。

キャラクターを活用した出版物の成功事例

ここでは、紙媒体ならではの強みを生かした出版物の成功事例を5件紹介します。

  • 観光パンフレットにおけるキャラクター活用
  • 採用パンフレットでのキャラクター活用
  • 会社案内冊子でのキャラクター活用
  • 周年記念出版でのキャラクター活用
  • ブランディング出版でのキャラクター活用

以下で、詳しく見ていきましょう。

◉-1、観光パンフレットにおけるキャラクター活用

群馬県のマスコット「ぐんまちゃん」は、観光パンフレットやガイドブックで案内役として活躍しています。

観光地や名産品を紹介する際の導入役として登場し、冊子全体を親しみやすいトーンにまとめている点が特徴です。

ページごとに表情やポーズを変える工夫もあり、家族連れや若年層にとって読みやすいデザインを実現しています。

また、パンフレットから公式サイトやSNSへ誘導する導線にもぐんまちゃんが使われており、紙媒体とデジタル双方でブランド発信を支える存在となっています。

◉-2、採用パンフレットでのキャラクター活用

ある企業の新卒採用パンフレットでは、業界に対して抱かれがちな「まじめで堅い印象」をやわらげることを目的に、企業文化や職場の雰囲気を伝える案内役としてオリジナルキャラクターを導入しました。

冊子の各ページにキャラクターを配置し、制度や仕事内容のポイントを補足する構成としたことで、学生が内容を理解しやすくなり、最後まで読み進めてもらいやすくなったといいます。

◉-3、会社案内冊子でのキャラクター活用

あるBtoB企業では、セラミックなど専門性の高い事業内容をそのまま説明するのではなく、コーポレートキャラクターが噛み砕いて紹介する構成を採用しました。

キャラクターを通じて、「社会を支える存在として、目立たない部分で価値を提供している企業」という企業像を語ることで、抽象的になりがちな理念や事業の役割が直感的に伝わりやすくなった点が評価されています。

また、キャラクターが解説役として登場することで、難解になりがちな事業説明への心理的ハードルが下がり、読者がスムーズに内容へ入り込めるようになりました。

担当者からも、キャラクターの存在によって企業理解が早まり、「限られた時間の中でもブランドメッセージを効果的に伝えられた」との声が上がっています。

◉-4、周年記念出版でのキャラクター活用

リクルートが運営する不動産・住宅情報サイト「SUUMO」のブランドキャラクターとして知られているのが「スーモ」です。

スーモ誕生1周年を記念し、ブランドの世界観や価値観をより深く伝える施策として、絵本『スーモのさがしもの』が出版されました。

本施策では、キャラクターを物語の主人公に据えることで、Webサイトや広告だけでは伝えきれないスーモの個性や魅力を、体験的に感じてもらうことを狙っています。

出版物という形をとることで、ブランドの世界観を丁寧に表現できただけでなく、キャラクターへの親近感を高め、読者との心理的な距離を縮める効果も生まれました。

その結果、短期的な話題づくりにとどまらず、長期的なブランド浸透につながった好例といえるでしょう。

▶︎周年記念の詳細については、関連記事【企業が周年記念事業を成功させるポイント!おすすめの施策ややり方を解説】もあわせて参考にしてください。

◉-5、ブランディング出版でのキャラクター活用

自社をより身近に感じてもらう目的で、ブランディング出版として絵本を制作した企業もあります。

自社商品やサービスの価値をキャラクター化し、物語として表現することで、家族層を中心に自然な形でブランドに触れてもらう狙いがありました。

広告とは異なる接点として出版物を活用し、長期的な認知形成につなげた事例です。

【まとめ】出版物にキャラクターを取り入れてマーケティング効果を高めよう

この記事では、キャラクターマーケティングの目的や効果、設計ポイント、キャラクターを出版物に活用した成功事例などについて紹介しました。

出版物は情報を体系的に伝えられる媒体のため、キャラクターを活用して読者の理解が深まり、ブランドメッセージの浸透効果を高めることが期待できます。

出版物でキャラクターの存在感が確立できれば、WebやSNSへの展開もしやすくなり、企業全体のコミュニケーションを強化することが可能です。

フォーウェイは、企業の経営者や責任者が成果を生み出せるよう、企業出版(ブックマーケティング)を中心に、各種コンテンツを通じたブランド戦略支援を行っています。

キャラクターを取り入れた冊子制作や書籍出版を通じて、企業の想いや価値を分かりやすく伝えるブランディング支援にも対応しています。

キャラクターを活用した出版物についてのご相談やお問い合わせは、フォーウェイまでお気軽にお寄せください。

プル型営業とは、顧客が主体的に情報収集や比較検討を行うことを前提として、企業が信頼できる情報や価値を継続的に発信し、顧客からの自然な問い合わせにつなげることを目的とした営業モデルです。

近年は、広告費の上昇や営業活動の効率低下が進んだため、従来のように企業側から働きかける営業スタイルでは、十分な成果が得られなくなってきています。

こうした環境変化の中で、顧客が自ら企業を選ぶ傾向が強まり、信頼される情報を発信している企業ほど、問い合わせを受けやすく、商談や購買へ進む可能性が高くなっているのです。

この記事では、プル型営業とは何かを整理したうえで、具体的な手法や導入ステップについて詳しく解説します。

目次【本記事の内容】

執筆者:江崎雄二(株式会社フォーウェイ取締役マーケティング統括)


福岡県出身。東福岡高校、山口大学経済学部経済法学科卒業。大学卒業後、月刊誌の編集者兼ライターに携わる。その後時事通信社での勤務を経て、幻冬舎グループに入社。書店営業部門の立ち上げメンバーとして活躍後、書籍の販売促進提案のプロモーション部を経て、法人営業部へ。東京と大阪にて書籍出版の提案営業を担当し、2020年11月、株式会社フォーウェイに参画。2023年9月取締役就任。グループの出版社、株式会社パノラボの流通管理も担う。

プル型営業とは?

プル型営業とは、企業が能動的に商品やサービスを売り込むのではなく、適切な情報設計や導線設計を行うことで、顧客側からの相談や問い合わせを促す営業モデルです。

インターネットやSNSの普及により、顧客は必要な情報を自ら調べ、比較し、納得したうえで購買行動を起こすようになりました。

このような環境では、企業が顧客の判断材料となる情報を整理して蓄積するとともに、それらを分かりやすく信頼される形で発信していくことが重要になります。

顧客は、商品やサービスだけでなく、企業の専門性や信頼性も重視するようになっているのです。

◉-1、プッシュ型営業との違い

プッシュ型営業は、テレアポや訪問など、企業側が積極的に働きかけて顧客と接触し、商談につなげる手法です。

一方、プル型営業では、顧客が自ら情報収集を行い、企業を見つけたうえで自発的に接触してくることを前提としています。

つまり、プル型営業は接触時点ですでに顧客の関心度が高く、接触のタイミングや意思決定などの主導権は顧客側にあります。

企業側としてその状況を作るために情報提供や導線設計を担う必要はありますが、無差別なアプローチは不要です。

結果として商談の質が高まりやすく、成約率の向上にもつながります。

プル型営業が必要な理由

現在の市場では、従来の営業手法だけで安定した成果を上げることが難しくなっています。

顧客の行動や競争環境が変化する中で、企業には日頃から信頼を築き、顧客から選ばれやすい状態をつくることが求められており、その手段としてプル型営業が注目されています。

プル型営業が必要とされる主な理由は、次の3つです。

  • 顧客の購買行動が自発型へ移行しているから
  • 差別化しにくい市場で選ばれる理由が必要になったから
  • 広告や訪問営業の費用対効果が落ちているから

以下では、それぞれの理由について詳しく解説していきます。

◉-1、顧客の購買行動が自発型へ移行しているから

近年、顧客の購買行動は大きく変化しており、営業マンから説明を受けるよりも、自分自身で情報を調べ、納得したうえで判断したいと考える人が増えています。

インターネットの普及により、検索エンジンや口コミサイト、比較サイト、SNSなどを通じて、購入前の検討に必要な情報を容易に入手できるようになりました。

価格や機能だけでなく、実際の利用者の評価や他社との違いまで把握したうえで、ある程度候補を絞り込んでから企業に接触するのが一般的になっています。

このような環境では、顧客と最初に接点を持つのは営業マンではなく、Web上の情報であることがほとんどです。

そのため、企業に求められるのは売り込み色の強い情報ではなく、顧客が自ら調べた際に「信頼できる」と感じてもらえる情報を継続的に発信することなのです。

◉-2、差別化しにくい市場で選ばれる理由が必要になったから

多くの業界では、機能や価格、品質といった従来の要素だけで、他社との違いを明確に打ち出すことが難しくなっています。

競合が似通った価値を提供する状況では、表面的なスペックや条件だけでは、顧客の意思決定を左右する決め手になりにくくなっているのが実情です。

こうした背景から、顧客は商品・サービスそのものだけでなく、「どの企業を選ぶか」という点にも強い関心を向けるようになっています。

企業の理念や姿勢、これまでの実績、業界への理解度といった要素が、信頼して任せられる相手かどうかを判断する重要な基準となりつつあります。

◉-3、広告や訪問営業の費用対効果が落ちているから

近年、広告費の高騰やクリック単価の上昇が続いており、以前と同じ予算を投下しても十分な成果を得ることが難しくなっています。

また、訪問営業においても、アポイント獲得の難易度が上がり、移動時間や人件費に対する成果が見合わないケースが増えています。

こうした背景の中で、プル型営業は、広告への過度な依存を減らし、顧客の自発的な接触を増やすための長期的な手法として有効です。

役立つ情報や専門的な知見を継続的に発信することで、必要とする顧客から自然に見つけてもらえる状態をつくることができます。

プル型営業のメリットとは

プル型営業のメリットをひと言で表すと「成約率の高い営業が効率よく少人数でできること」です。

一度に少人数の顧客にしかアプローチできないプッシュ型営業とは違い、プル型営業は一度に多くの人にアプローチすることができます。

仕組みを作るまでにある程度の時間と労力、お金がかかりますが、一度仕組みができてしまうと顧客側から自動的にアプローチしてもらえるような状態が構築されます。

このように、プッシュ型営業よりも効率よく、少人数で営業活動ができるのが、プル型営業のメリットと言えるでしょう。

そんな効率性の高さを含め、プル型営業に取り組むことで企業は次のような5つのメリットを享受することができます。

  • アポ獲得率や営業成約率が向上する
  • 営業効率が格段に上がる(営業工数の削減につながる)
  • 信頼関係が構築しやすい
  • 見込み顧客のニーズが把握しやすい
  • 長期的な費用対効果が高い/コンテンツが資産になる

以下で、それぞれについて見ていきましょう。

◉-1、アポ獲得率や営業成約率が向上する

プル型営業のメリットとして、アポ獲得率や成約率の高さが挙げられます。

なぜなら、顧客がある程度興味を持ったうえで専用フォームや電話などで問い合わせをしてくれるからです。

サイトや記事、メルマガなどで、ある程度自社の商品やサービスの内容を理解し、興味を持った人だけが問い合わせをしてくれるので、アポイント獲得や成約につながりやすくなります。

また、企業としては、問い合わせを受けた時点で、事前に顧客が抱えている悩みなどを把握することができます。

それを元に商談の際に適切な解決策を提示したり、顧客に合わせた提案をする準備をしたりできるのもプル型営業ならではのメリットといえるでしょう。

たとえば、あなたが「是が非でも今日は焼肉を食べたい」と思っていたときに、友人から「この寿司屋めちゃくちゃ美味いからおすすめだよ」と言われても行こうとは思わないでしょう。

一方で、美味しそうな焼肉屋さんを食べログで見つけたり、友人に「そういえば今日焼肉行きたいって言ってたよね?めっちゃ美味い焼肉屋みつけたから行こうよ!」と言われたりすると、「行こうかな」と思ってしまうと思います。

このように、プル型営業は、ある程度自社商品やサービスに興味を持った状態で問い合わせをしてくれたことによる見込み度合いの高さや、問い合わせ内容に応じて相手に合った提案をすることができるという点から、アポ獲得率や営業成約率は自ずと高くなります。

◉-2、営業効率が格段に上がる(営業工数の削減につながる)

営業効率が格段に上がり、営業工数の削減につながることもメリットの一つでしょう。

プル型営業は、仕組みを作るまでが大変ですが、一度できあがってしまえば、1人の営業マンが、多くの顧客に無理なく情報を発信し続けることができます。

また、興味を持った見込み度合いの高い顧客が自動的に集まってくる状態になるので、少ない人員で回すことが可能です。

たとえば、化粧品を購入したい顧客が、Googleなどの検索エンジンで「化粧品 おすすめ」で検索したとしましょう。

検索上位に自社の商品が掲載されると、購買意欲の高い顧客に自社サイトや記事、商品・サービスページを見てもらうことができます。

同じような検索をする購買意欲の高い顧客が多数存在する可能性があるので、プッシュ型営業で個別にアプローチを行い、購買意欲を高めて成約を得るのに比べると営業効率が格段に上がります。

結果として、営業活動全体の効率を高めて営業工数を削減することができるのです。

◉-3、信頼関係が構築しやすい

プル型営業のメリットとして、顧客との信頼関係が構築しやすいことも挙げられます。

その理由は、プル型営業では、顧客が自分の都合でアプローチをしてくるからです。

プッシュ型営業の場合、企業の都合によって営業活動(売り込み)を行うため、顧客によっては迷惑と感じたり印象を悪くしたりします。

一方でプル型営業の場合は、顧客自身は営業を受けているという感覚を持つことはなく、むしろ必要な情報がタイムリーに得られたことに好印象を抱きやすくなります。

たとえば、自分が興味のある美顔器について問い合わせをした結果、営業マンが詳しく丁寧に教えてくれることに対して、好印象を抱く人は多いでしょう。

しかし、突然訪問してきた営業担当者から、興味のない商品を一方的に勧められた場合、好印象を抱くどころか、負担に感じてしまう人も少なくありません。

このように、プル型営業は、結果を急がず、顧客が主体的にアプローチしてくるように上手く誘導していく手法のため、顧客と良好な関係を構築しやすいのです。

◉-4、見込み顧客のニーズが把握しやすい

見込み顧客のニーズが把握しやすいというメリットもあります。

なぜなら、問い合わせの際に、見込み顧客の悩みやニーズなどを把握することができるためです。

たとえば、ダイエットに関心のある顧客に対して、問い合わせフォームに「食事改善を重視したいのか」「軽い運動を取り入れたいのか」「ハードなトレーニングにも取り組めるのか」といった質問項目を設けておけば、回答内容から顧客の具体的なニーズを読み取ることができます。

ニーズを明確に把握できれば、それに合わせた提案を事前に準備することが可能になります。

その結果、提案時に「自分に合った商品・サービスだ」と感じてもらいやすくなり、成約につながりやすくなるのです。

◉-5、長期的な費用対効果が高い/コンテンツが資産になる

資産性の高さや、長期的な費用対効果が高いこともプル型営業のメリットの一つでしょう。

プル型営業の場合は、SNS、メルマガ、オウンドメディアなどでの継続的な情報発信や、そこから成約させるための導線設計、成約しやすいLP(ランディングページづくり)、など営業の仕組みを作るのに手間がかかり、ある程度の初期投資が必要となります。

しかし、一度作った仕組みは長期間にわたって自社で活用できる営業資産となるうえ、顧客の反応やデータ分析を元にして最適化していくことができるので、長期的な運用により、費用対効果が徐々に高くなっていきます。

このように、プル型営業で作った営業の仕組みは、一過性のものではありません。

継続的に効果が続きます。

結果として、継続的な顧客獲得や売上向上につながるため、費用対効果が高くなるのです。

プル型営業のデメリットとは

プル型営業のデメリットを簡単に言えば、成果がでるまで時間がかかることや、短期で安定した成果が出にくいことなどです。

具体的には次の3つがプル型営業のデメリットです。

  • 仕組みを作るまで時間がかかる
  • 安定した成果を得るのが難しい
  • 柔軟な提案につなげづらい

以下で、それぞれについて見ていきましょう。

◉-1、仕組みを作るまで時間がかかる

プル型営業では、顧客が自然と関心を持ち、問い合わせにつながる仕掛けづくりが欠かせません。

そのため、顧客教育につながるコンテンツの制作や、商品・サービスページへの流入を増やすためのSNSやオウンドメディアでの情報発信など、体系的な仕組みを整える必要があります。

たとえば、プル型営業の代表的な施策であるSEO対策では、以下のような事前準備が求められます。

  • 見込み顧客が検索するキーワードの調査・選定
  • コンテンツ制作
  • コンテンツ改善
  • お問い合わせフォームなど、導線作成
  • LP(ランディングページ)の作成

また、これらの準備が整ったとしても、Googleで検索上位になり、成果を出すには最低でも6ヶ月程度かかります。

このように、プル型営業は成果が出るまでには仕組み作りや、サイト育成など、少なくとも数ヶ月以上はかかるといわれています。

そのため「成果を一刻も早く出したい」という企業や、「このような仕組みが出来上がるまで資金が続かない」という企業には向かない営業手法です。

◉-2、安定した成果を得るのが難しい

安定した成果を得るのが難しいこともプル型営業のデメリットの一つです。

なぜなら、問い合わせのタイミングを決めるのはあくまで顧客自身だからです。

つまり、SNSやオウンドメディア、メルマガなどで情報やコンテンツを発信して、LPやフォームなどの導線を整えたあとは、顧客からの問い合わせを待つしかありません。

見込み顧客が問い合わせをしやすいような誘導はできても、最後に問い合わせするかどうかを決めるのは顧客自身です。

これを企業側がコントロールすることは難しいといえます。

プル型営業の場合、問い合わせ数をコントロールすることが難しいため、予想以上の問い合わせの対応に追われたり、問い合わせが少なすぎて成果が表れないことなども十分に考えられます。

◉-3、柔軟な提案につなげづらい

柔軟な提案につなげづらいこともデメリットの一つでしょう。

その理由として、顧客が購入意欲を持って問い合わせをしてくるケースが多いためです。

顧客によっては、どの商品をどのように利用したいかまで決めている場合もあります。

そのため、プッシュ型営業のように、ヒアリングや関係性構築から始める場合と比べて、自社からの柔軟な提案をしづらくなります。

たとえば、顧客が「部屋の空気をきれいにしたい」と考えて、空気清浄機の購入を決めて問い合わせをしてきた場合、「空気をきれいにするだけではなく、水もきれいにしましょう。こちらも今安くなっていてお得ですよ」とウォーターサーバーの契約を提案しても、断られる可能性が高いと言えます。

このように、問い合わせをした時点で、顧客のニーズは決まっているので、その意思決定を変えることは難しいと言えるでしょう。

プル型営業の主な手法

プル型営業の主な手法には、次の5つがあります。

  • SNS
  • SEO
  • メールマガジン
  • セミナー
  • 企業出版(ブックマーケティング)

以下で、それぞれの手法について詳しく見ていきましょう。

◉-1、SNS

SEO対策などと同様に、自社のSNSでの情報発信も、より多くの見込み顧客を獲得する上で有効な手段です。

よく利用される主要SNSは、X(旧Twitter)、Facebook、Instagram、YouTube、TikTokなどです。

近年は検索エンジンではなく、SNSで検索する顧客も増えています。

SNSは、拡散性の高い媒体なので、運用に成功すれば、多くの見込み顧客の流入が期待できます。

▶︎SNS運用については、関連記事【【保存版】SNS運用とは?手順や失敗例、集客につなげる運用術を解説!】もあわせて参考にしてください。

◉-2、SEO

顧客の多くは、商品やサービスを検討する際、GoogleやYahoo!などの検索エンジンを利用して情報を収集します。

そのため、顧客が検索した際に、検索結果の上位に自社サイトや自社の情報が表示されていれば、認知されやすくなり、プル型営業の仕組みに自然と流入する可能性が高まります。

このように、検索結果で自社サイトが上位表示されやすい状態を目指して取り組むのがSEO対策です。

顧客が検索するキーワードは数多く存在しますが、その中でも、購入や問い合わせにつながりやすいキーワードで上位表示できれば、安定的な見込み顧客の獲得につながります。

近年は、検索結果を一覧表示するだけでなく、AI Overviewのように、AIが検索意図を読み取り要点を提示する仕組みが広がってきました。

AIを活用した顧客の検索行動が一般的になりつつある状況を考えると、LLMOやAIOといった新たな施策も検討する必要があります。

LLMOはLarge Language Model Optimization(大規模言語モデル最適化)、AIOはAI Optimization(AI最適化)の略語で、どちらも生成AIの回答結果に自社の情報を表示させるための取り組みです。

今後は従来のSEO対策に加え、AIに正しく理解・参照されやすい情報を整備することも重要になってきます。

AIを介した新たな接点にも対応できれば、プル型営業の基盤を強化することが可能です。

▶︎SEO対策については関連記事【SEO対策とは? 効果的な戦略の組み立て方と対策方法】もあわせて参考にしてください。

◉-3、メールマガジン(メルマガ)

自社のWebサイトを訪問して無料会員登録や、資料請求をしてくれた顧客などに対して、メルマガを発行し、継続的な情報発信を行うことも有効です。

無料会員登録や資料請求の申込フォームで、記入を必須にしておけば、見込み顧客のメールアドレスを入手することができます。

このメールアドレスに対して、顧客の購買意欲を高めるような内容のメルマガを定期的に配信すれば、継続的にプル型営業の仕組みに見込み顧客を引き込むことが可能です。

「お問い合わせしてもらったが成約しなかった人」なども、こういった情報発信を継続して行い続けることで、後に成約につながるケースも多々あります。

◉-4、セミナー

セミナー(ウェビナー)を実施することも有効です。

しかし、「商品・サービスの説明」という名目でセミナーを開いても人は集まりません。

そのため、自社の商品・サービスに興味を持つ可能性の高い顧客が持つ悩みの解決方法を教えるセミナーを企画します。

たとえば、美顔器を販売する場合には、「40代女性向け、顔のたるみ解消セミナー」を企画するなどです。

こうすることで、「顔のたるみに悩む人」「顔のハリに悩む人」など美顔器への関心や購入意欲が高いであろう多くの見込み顧客を引き込むことができます。

何かしらの悩みがあり、「その解決策がわかるかもしれない」とセミナーに参加した見込み顧客に、解決策の一つとして自社の商品・サービスを提案していくのです。

◉-5、企業出版(ブックマーケティング)

企業出版(ブックマーケティング)もプル型営業において、見込み度の高い顧客を多く集めるのに有効な手法です。

プル型営業は、待ちの営業なので、「問い合わせをしてみたい」「興味がある」と顧客が思う状態をいかに作り出すのかがポイントです。

そのためには、商品・サービスの説明だけではなく「その商品やサービスがいまの自分に必要な理由」など、顧客がその商品・サービスに興味を持つように、顧客を教育していかなければなりません。

しかし、今は見込み顧客に文章を読んでもらうことが難しい時代です。

特に、見込み顧客との関係値構築が長期で必要なビジネスの場合、「Web上で発信してもなかなか商品・サービスの良さが伝わらない」などの悩みを抱えている方も多いと思います。

そんな方におすすめなのが、ブックマーケティングです。

書籍をただ出版するのではなく、いかに見込み度合いの高い顧客の手元に届けるのかまでを見据えてあらゆる施策を行っていくのがブックマーケティングです。

書籍は、読者がタイトルや内容に興味を持ち、お金を出して買っているため、基本的に長い文章が読まれます。

書籍が信頼性の高い媒体であることもあり、一冊読んでもらうだけで顧客教育がある程度できてしまうというのが、強みと言えるでしょう。

ある程度顧客教育ができた状態で問い合わせがくるため、必然的に成約率は高くなります。

このように、ブックマーケティングを活用することでも、見込み度合いの高い顧客を集めることが可能です。
▶︎書籍出版のやり方については、関連記事【企業出版の効果とは?費用相場や成功のポイント、事例を徹底解説】もあわせて参考にしてください。

企業出版はプル型営業に効果的な施策!

企業出版がプル型営業に効果的な理由は、次の3つです。

  • 書籍は専門性と信頼性を一度に伝えられる
  • 長期的に価値を持つ情報資産となる
  • 書籍がWebや営業施策と連動して顧客接点を広げる

以下で、それぞれについて詳しく見ていきましょう。

◉-1、書籍は専門性と信頼性を一度に伝えられる

書籍は、企業の専門分野や商品・サービスの価値を体系的に整理し、分かりやすく伝えられる媒体です。

自社の考え方やノウハウを一冊にまとめて発信することで、その分野における高い専門性を強く印象づけることができます。

また、書籍という形で情報を発信していること自体が、企業にとって「専門性の裏付け」や「信頼の証明」として機能します。

実際に、BtoBの士業やコンサルタント、あるいは高単価な商品・サービスを扱う企業など、信頼性が重視される業種ほど書籍との相性は良いといえるでしょう。

プル型営業において欠かせない「事前の信頼構築」を進める手段としても、書籍は非常に有効な施策です。

◉-2、長期的に価値を持つ情報資産となる

書籍は、Webコンテンツのように短期間で消費されてしまうものとは異なり、長く手元に残りやすいことが特徴です。

一度出版された書籍は、時間が経過しても価値が失われにくく、必要なタイミングで繰り返し読み返される可能性があります。

さらに、顧客企業の社内で回覧されたり再読されたりすることで、企業名やサービスを思い出してもらう接点が継続的に生まれます。

このように書籍は、一時的な販促ツールではなく、長期にわたってプル型営業を支える情報資産として機能するのです。

◉-3、書籍がWebや営業施策と連動して顧客接点を広げる

書籍は単独で完結するものではなく、Web施策や営業活動と組み合わせることで、より効果を発揮します。

書籍に関心を持った読者を、自社Webサイトやメールマガジン、セミナーなどへ自然な流れで導くことが可能です。

複数のチャネルを連携させることで、顧客との接点が一過性で終わることなく、継続的なコミュニケーションへと発展します。

その結果、企業やサービスへの理解・信頼が深まり、問い合わせや相談といった具体的な行動につながりやすくなるのです。

企業出版を活用してプル型営業を行う5ステップ

企業出版を活用したプル型営業の仕組みづくりは、次の5つのステップで進めることができます。

  • ステップ1:読者層と書籍のテーマを明確にする
  • ステップ2:企業の強み・専門性を整理して構成案に落とし込む
  • ステップ3:読者に伝わる原稿として体系的にまとめる
  • ステップ4:書籍の体裁を整え書籍として完成させる
  • ステップ5:出版後の導線を設計し営業・Web施策と連動させる

以下で、それぞれのステップについて見ていきましょう。

◉-1、ステップ1:読者層と書籍のテーマを明確にする

はじめに、どのような顧客層に向けた書籍なのかを定め、 その読者が抱えている課題や関心事を整理します。

そして、読者が知りたいテーマを具体的に設定します。

あわせて、書籍全体を通して何を伝えるのかという方向性も、この段階で明確にしておくことが重要です。

これらの工程を丁寧に行うことで、書籍の内容に一貫性が生まれ、企業の専門性や強みが読者に伝わりやすくなります。

プル型営業として機能する書籍をつくるための土台となる重要なステップといえるでしょう。

◉-2、ステップ2:企業の強み・専門性を整理して構成案に落とし込む

次に、企業が持つ強みや実績、専門的なノウハウを洗い出し、書籍で伝えるべき要素を整理します。

それらの情報を、読者が理解しやすい順序や流れを意識しながら、全体の構成案に落とし込みます。

単に情報を並べるのではなく、「なぜこの企業は信頼できるのか」が自然と伝わる構成を意識することが重要です。

◉-3、ステップ3:読者に伝わる原稿として体系的にまとめる

構成案をもとに、専門的な内容でも読み進めやすい原稿へと落とし込んでいきます。

事例や具体的なエピソード、図解などを用いることで、読者の理解度が高まります。

自社目線の説明に偏らず、読者の立場に立った表現を意識することが重要です。

◉-4、ステップ4:書籍の体裁を整え書籍として完成させる

原稿が完成したら、書籍のサイズや章構成を確定し、編集や校正を行います。

あわせて、表紙デザインやレイアウト、装丁などを整え、読みやすさと見た目の品質を高めます。

書籍の印象は、内容だけでなく、表紙デザインや外観の質によっても左右されるからです。

自社のイメージやブランドに合った一冊として完成させることが重要です。

◉-5、ステップ5:出版後の導線を設計し営業・Web施策と連動させる

書籍は出版して終わりではなく、そこからどのように次の接点につなげるかを設計します。

書籍を読んだ読者を、自社Webサイトやメルマガ、セミナー、営業活動へと自然に誘導する導線を用意します。

複数の施策と連動させることで、書籍をきっかけとした接点を一度きりで終わらせず、購入や問い合わせを決める前の情報収集段階に応じた情報提供が可能になるのです。

こうした導線設計によって、企業出版はプル型営業の仕組みとして機能します。

企業出版を活用したプル型営業の成功事例

ここでは、企業出版によってプル型営業の成果につながった事例を2つ紹介します。

  • 読者からの問い合わせが急増し、成約につながったケース
  • 海外進出の専門家という信頼性を確立して売上を伸ばしたケース

以下で、詳しく見ていきましょう。

◉-1、読者からの問い合わせが急増し、成約につながったケース

ある不動産会社の経営者は、高収入で支払う税金が多い医師に向けた不動産投資サービスの情報を記事やSNS、Web広告などを通じて発信し続けていましたが、なかなか魅力が伝わらず、悩んでいました。

そこで、高収入で購買意欲が高い一方で税金が多いことに悩む医師に対して、「最も効果的な節税対策が不動産投資である」ということを伝える書籍を出版。

ただ出版するだけではなく、あらかじめ、その後のマーケティング施策や展開なども見据えて企画していたことから、ターゲットである多くの医師に書籍を届けることができました。

その結果、書籍を購入した多くの医師に不動産投資に大きな節税効果があることを認知してもらうことができ、出版から半年で10件の読者反響が発生。。

そのうち10件すべてが成約に至るという、高い成約率を記録しました。

そればかりか、既存の顧客が知り合いの医師に書籍を配ってくれて、そのことから新規の問い合わせにもつながったそうです。

ブックマーケティングによって書籍を出版して顧客からの問い合わせを待つという、まさにプル型営業を実践して、営業効率や成約率を高めることに成功した事例と言えるでしょう。

◉-2、海外進出の専門家という信頼性を確立して売上を伸ばしたケース

国際税務を専門とする公認会計士事務所の経営者は、海外進出を検討する法人向けに海外進出をテーマにした書籍を出版。

書籍では、グローバル展開時に起こりやすい税務上の課題や解決策を紹介しています。

出版後、地元紙や全国紙、ラジオ番組などへのメディア露出が増加し、あわせて企業からの相談依頼も増加しました。

出版をきっかけに海外進出の専門家としての信頼性が確立し、価格ではなく価値で選ばれるようになったことで、売上の伸長につながったのです。

結果として、広告や営業活動以上に、書籍が信頼構築と案件獲得の両面で高い効果を発揮しました。

【事例コラム】出版をきっかけにメディア取材が続々、著名人との対談も実現!”海外進出の第一人者”のポジションを得た公認会計士

【まとめ】プル型営業を成功させるために企業出版を検討しよう

この記事では、プル型営業とは何か、必要とされている理由、メリット・デメリットについて整理し、主な具体的手法や導入ステップ、成功事例について解説しました。

プル型営業は信頼される情報を発信している企業に問い合わせが集まる営業手法であり、企業出版はその信頼の土台を築き、見込み客との接点を長期的に生み出す情報発信手段です。

フォーウェイの「ブックマーケティングサービス」は、プル型営業で成功を目指す企業にとって最適な手段となります。

ブックマーケティングを活用すれば、出版した書籍を自社のブランディングに活用し、専門家としてのポジション確立や価格競争からの脱却を図ることが可能です。

さらに、メディア露出の機会増加、顧客の記憶への定着、認知度向上などに役立てることができます。

プル型営業を成功させるために、フォーウェイのブックマーケティングを活用してみませんか。

 

企業SNSを運用したいが、やり方がわからないーーこのように考えるマーケティングや広報の担当者は多いことでしょう。

以前は「個人の遊び」という印象が強かったSNSですが、時代はすっかり変わりました。SNSはビジネスにおけるコミュニケーションの重要な一部分である、という認識が多くの企業に浸透してきたのです。

しかし、企業SNSのアカウントが乱立するなかで、ビジネスにおけるメリットをきちんと獲得できているケースはごく一部と言わざるを得ません。

そこで本記事では、企業SNSの運用を考える方向けに、SNSによってビジネスメリットを実現する「運用のやり方」を解説します。

目次【本記事の内容】

執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)

慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。

企業のSNS運用とは?

企業にとってSNS運用は、ビジネスの成長に欠かせないものとなっています。

企業のSNS運用は、一言でいえば「ビジネス目的」である点が最大のポイント。

個人のアカウントに比べてよりプロフェッショナルで戦略的な運用のやり方が求められます。

個人のSNS運用との違い

個人のSNS運用は、主に自己表現や交流が目的です。

もちろんSNSを通じたマネタイズに成功しているインフルエンサーなどの個人はいますが、そうした人たちはビジネス目的の運用という意味で、個人の趣味的なアカウントとは違う種類の運用だと言えるでしょう。

企業のSNS運用は、商品やサービスのプロモーションやブランドイメージの向上など、ビジネス上の目的があります。

そのため、やり方としても投稿内容や投稿頻度、ターゲット層など戦略的な視点が求められます。

また、ユーザーに悪印象を与えないようにする気配りも、個人アカウントに比べてより重要になるのです。

SNSマーケティングとの違い

SNSマーケティングは、SNSを活用してマーケティング活動を行うことです。

具体的には、下記のようなやり方があります。

・インフルエンサーマーケティング
・SNS広告運用
・ソーシャルリスニング
・SNSキャンペーンの実施

総じていえることとして、費用を投じたタイミングにだけ効果を発揮し、商品購入や問い合わせなど直接的なリターンを目指すのがSNS運用以外のSNSマーケティングです。

広告施策としての色が強い取り組みとも言い換えられます。

一方で、SNS運用はSNSマーケティングのくくりにはありますが、下記のような特徴があります。

・オーガニック投稿として自由度の高い発信が可能
・ユーザーとのコミュニケーションによりファン化を促進できる
・運用をやめたり頻度を鈍らせたりしてもアカウントや過去の投稿は残る
・一度フォローしてもらったユーザーをアカウントの資産として持ち続けられる
・長期にわたる施策の継続がやりやすい

長期的なブランディングを目指したり、マーケティングの基盤を作ったりといった目的を達成するために適しているのがSNS運用です。

参考:SNSマーケティングとは?代表的な手法から戦略立案、成功事例まで徹底解説株式会社ビーステップ

SNS運用が重要になっている理由

SNS運用がビジネスにおいて重要になっているトレンドは、データからもわかります。

「ソーシャルメディアマーケティング市場、2023年ついに1兆円を突破の予測【サイバー・バズ/デジタルインファクト調べ】」(https://webtan.impress.co.jp/n/2022/11/11/43642)によると、ソーシャルメディアマーケティングの市場規模は2020年の5,971億円から2022年には9,317億円へと大幅増加。

2027年には1兆8,868億円にまで市場が拡大すると推計されています。

SNS運用はやり方を工夫すれば大きなリターンを得られる一方で、フォロワーを増やすためにはどうしても一定の時間が必要です。

SNSの市場が伸びていくなかで、早く始めた企業ほど成功に近づくのは間違いありません。

SNS運用によって得られるメリット

ここで、企業のSNS運用によって得られるメリットを改めて整理しましょう。

大きくいうと、以下の通りです。

・商品やサービスのプロモーションができる
・自社ターゲット層に直接訴求できる
・顧客とのコミュニケーションを深めることができる
・企業のブランドイメージを向上させることができる
・リアルタイムな情報の発信が可能になる

いずれにも共通するのが、SNS運用によるメリットの発揮とは運用のやり方にかかっているということです。
SNSアカウントがあるだけで売上につながるような理想的状況を作るには、狙ったターゲット層のフォロワーをたくさん抱えた「強い」アカウントを作る労力を惜しまないことが、成功事例に共通した特徴です。

各SNSの特徴と運用のコツ

ビジネスでよく活用されるSNSは、主に以下の7つです。

・Instagram
・X(旧Twitter)
・Facebook
・LinkedIn
・LINE
・Tik Tok
・YouTube

各SNSの特徴と運用のコツを詳しく解説します。

Instagram

Instagramは、写真や動画を投稿するSNSです。

ビジネスにおいては、商品の宣伝やイメージアップに活用されることが多く、特に若い世代に人気があります。

ただ、40代以上の層も利用率は低いものの、実数でいうと若年層に匹敵しており、実は全年齢に向けたアプローチにも使えます。

Instagramの運用のポイントは、以下の通りです。

・ハッシュタグや発見タブによって投稿を検索されやすくする
・投稿のビジュアルについて方向性を定め、ユーザーに価値を感じてもらえる投稿を一定頻度で続ける
・ストーリーズ機能を使い、日常的な情報を発信することでフォロワーとのコミュニケーションを深める
・インスタライブを使い、フォロワーとの関係性をより強化する

勘違いされがちですが、「発信者のビジュアルが優れていて顔出しできる」「商品のきれいな宣伝写真がたくさんある」などの要素はInstagram運用で必須ではありません。

「商品のターゲット層が興味を持つノウハウを発信する」「日常風景の投稿でユーザーと距離感を縮める」など企画の方向性によって、あらゆるビジネスでInstagramの強みを発揮できます。

X(旧Twitter)

X(旧Twitter)は、140文字以内(X Premium加入者はそれ以上も可能)の短い文章を投稿することができるSNSです。

主にリアルタイム情報の収集や発信に使われ、特にニュースやトレンドに関する情報が多く取り扱われています。

Xの運用のポイントは、以下の通りです。

・アカウントのテーマに沿った自分なりの「情報提供」と「持論」を発信してフォロワーを増やす
・ほかのアカウントとコミュニケーションを増やし、タイムライン上の表示優先度を高める
・ほかのアカウントをフォローし、フォロー返しを獲得することでフォロワーを増やす

Xは実名顔出しで運用するアカウントが多く、アカウント同士のコミュニケーションが重視されるカルチャーのSNSです。

企業アカウントとして活用する場合でも、事務的な発信だけでなく「中の人」の人柄が感じられるアカウントが好まれる場合があります。

リツイート機能でツイートが大きく拡散される仕様により、投稿が大きくバズる可能性のあるSNSでもあります。

Facebook

Facebookは、世界で最も利用者数の多いSNSの一つです。

友達や家族とのコミュニケーションが中心ですが、ビジネスにも活用されることが多く、商品の販売やブランドの発信などに使われます。

Facebookの運用のポイントは、以下の通りです。

・定期的にコンテンツを投稿することで、フォロワーの獲得やエンゲージメントの向上を目指す
・Facebookページを作成し、“いいね”を獲得することで拡散力を高める
・Facebookグループを作成し、ファンコミュニティを形成することで、ファンとの交流を深める

Facebookは一定年齢以上の人のビジネス活用においては根強い人気のあるSNSです。

ただ、友達に追加する人数に5000人という制限があるため、つながりをたくさん増やして大きく拡散しようとする運用方針には向きません。

関係性のある相手から自社への認知を維持したり、仕事の相談をもらいやすくしたりする運用がFacebook活用のコツです。

LinkedIn

LinkedInは、ビジネス関係者が集まるSNSです。

求人情報やビジネスマッチングなどに使われることが多く、ビジネスユースに特化したSNSであるといえます。

LinkedInの運用のコツは、以下の通りです。

・原則実名登録なので、反感を招くような投稿は避ける
・ほかのアカウントと交流し、コミュニティなどにも積極的に参加する
・ターゲットに対して積極的にDMを送る

いわゆる営業のためのDMや採用DMはほかのSNSだと嫌がられる場合がありますが、LinkedInはビジネスSNSである側面から、ほかアカウントへの直接アプローチは比較的、受け入れられているのが特徴です。

ただし、大量のスパム送信はLinkedIn側から制限をかけられる危険があります。

丁寧に絞り込んだターゲットアカウントに対し、一通一通、心を込めてDMを送ることが成果の秘訣です。

LINE

LINEは日本国内において、幅広い世代で利用されているSNSです。

2025年3月末時点のLINEアプリ月間アクティブユーザーはLINEの自社調べで約9,800万人、2023年1月1日時点の日本の人口約1億2,475万から推計すると、約70%以上が使っていることになります。

LINEにはビジネス用にLINE公式アカウントを開設できるサービスがあり、企業や店舗が友だち追加してくれた顧客に情報発信できます。

LINEの公式アカウントには以下のような特徴があります。

・リピーターが増える・売上につながる
・機能が充実・操作は簡単
・目的・用途に合わせて選べる料金プラン

LINEが2021年7月に行った携帯電話のアンケートでは、LINE公式アカウントからメッセージを受け取って約80%がその日のうちに開封されていることが分かりました。

また、「よく行くお店のアカウントがあったら、友だち追加・フォローしたいサービス」として、57.8%がLINEと回答しています。

それだけ情報源としてLINEを活用したいと考えているユーザーは多く、リピーターの獲得や売上の向上につながりやすいSNSです。

LINEの公式アカウントはポイントカードの発行管理やクーポンの配信のほか、オリジナルのサブスクリプション型サービスを作成できます。

各種販促ツールも使えるなど、集客から販促まで活用できる機能が充実しているのもメリットでしょう。

3つの料金プランがあるため、想定するメッセージ数など、自社の状況に応じて選べます。

参考:LINEヤフーfor Business「LINE公式アカウント」

参考:総務省統計局「人口推計-2023年(令和5年)1月報-」

TikTok

Tik Tokは15~60秒程度の短い動画を投稿できるSNSで、X(旧Twitter)やFacebook、LINEなどに比べると比較的新しいサービスです。

Tik Tokの特徴は、以下の通りです。

・短尺動画がメイン
・若年層に人気
・トレンドに敏感
・拡散力が強い

特に10~20代のユーザーが中心ですが、全世代でも利用率が伸びています。

総務省情報通信政策研究所が発表している「令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」では、情報通信メディアの利用時間が報告されています。

主なソーシャルメディア系サービスやアプリの全世代利用率をみると、Tik Tokの利用率は2018年では10.3%でしたが、2020年には17.3%、2023年には32.5%にまで伸びました。

また、2023年の全世代利用率は32.5%であったのに比べ、10代は70.0%、20代では52.1%となっており、10~20代のユーザーが多いことが分かります。

短尺動画がメインということもあり、スキマ時間でも気軽に視聴しやすいのがTik Tokのメリットです。

限られた時間に伝えたい内容を盛り込む必要がありますが、「視覚的なインパクトを与えられる」「テンポの良いリズムで記憶に残りやすい」などのメリットがあります。

流行の音楽・ダンスや「○○チャレンジ」のようなトレンドに敏感な投稿が多く、ユーザーを巻き込み、拡散力が強いのも注目すべきポイントです。

Tik Tokには、ビジネス用の広告プラットフォーム「Tik Tok for Business」があります。

細かい設定の必要もなく、無料の動画広告制作ツールなどを利用して広告配信まですべてオンラインで完結します。

参考:総務省情報通信政策研究所「令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」

YouTube

YouTubeの特徴は以下の通りです。

・短尺動画から長時間の動画まで投稿が可能
・ライブ配信もできる
・利用者の年齢層が幅広い

YouTubeはTik Tokとは異なり、短尺動画だけではなく情報量の多い長時間の動画も投稿できます。

単に自社の商品やサービスを紹介するだけにとどまらず、商品の使い方を実演して見せるなど、How-To動画の提供も可能です。

リアルタイムで情報が更新されていくフロー型のSNSはバズって一気に拡散される可能性がある一方、短期間で忘れ去られることも考えられます。

しかし、YouTubeはストック型の動画として、コンテンツを蓄積しておけます。

たとえば、ギフト商品を扱う企業のコンテンツとして、「新社会人への贈り物におすすめのアイテム」や「お祝いのマナー」などの動画をアーカイブとして残しておいたとしましょう。

フロー型のSNSのように爆発的な拡散力はないかもしれませんが、ギフトを贈るシチュエーションでは、一定の再生回数を得られます。

YouTubeのコンテンツから自社のWebサイトへ誘導できるようにしておけば、売上にも結びつきやすくなります。

有益なコンテンツが蓄積されていくと中長期的に顧客の信頼を得られるメリットがあるため、ターゲット層が求める情報を把握し、コンテンツを充実させていくことが重要です。

新商品の発表会やセミナーなどには、ライブ配信も活用できます。

総務省情報通信政策研究所の「令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」によると、YouTubeの全世代の利用率は、2014年時点ですでに65.1%でした。

その後も徐々に利用率は上がり、2023年では全世代で87.8%です。

利用者の年齢層も幅広く、2023年時点では60代では66.3%にとどまっているものの、50代以下では80~90%台の高い利用率になっています。

幅広い層に自社の商品・サービスをアピールできるため、活用の幅は広いでしょう。


参考:総務省情報通信政策研究所「令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」

SNS運用を始める前に決めること5つ

続いてはSNS運用の実践編です。

SNS運用は、やり方を決めずにとりあえず始めてみても成功率は低いです。

ビジネスにつなげるためには、事前準備がカギを握ります。

事前準備として考えるべき項目は、以下の通りです。

・決めること①運用の目的
・決めること②運用体制
・決めること③アカウントの方向性
・決めること④ターゲット層
・決めること⑤具体的なタスクとスケジュール

それぞれ詳しく見ていきましょう。

決めること①運用の目的

SNSを始める前に、まずは運用の目的を明確にすることが必要です。

たとえば、ブランド認知度の向上や製品やサービスの販売促進、情報発信や顧客対応など、目的はさまざまです。

目的に応じて運用するSNSの種類やコンテンツや投稿頻度、投稿内容、ターゲット層などが異なるため、運用の目的をはっきりと決めてから取り組むことが重要です。

気をつけたいのが、「運用目的は売上に決まっているでしょ」と単純に決めてしまうこと。

SNS運用は短期的な売上効果だけでなく、ブランディング効果やファンユーザーの獲得などさまざまな尺度での効果を視野に入れる必要があります。

長期的にアカウントを育てる施策だけに、短期の集客では広告施策より数値が劣る場合が多く、運用目的を売上だけと定めてしまうとスムーズな運用が進まない危険性が高いのです。

「短期で何を目的にするのか」「中期〜長期で何を目指すのか」など、細かく設計するのが成功するコツです。

▶︎SNS運用の目的設定については、過去コラム『SNS運用で大切な「目的設定」とは?運用効果を最大化する秘訣を徹底解説』で解説しているので、こちらもご参照ください。

決めること②運用体制

SNS運用では、運用担当者やチームの体制を整えることも大切です。

運用にあたっては、「誰が投稿するのか」「どのようなスケジュールで投稿するのか」「コメントやメッセージの返信は誰が担当するのか」といったことを明確にしておく必要があります。

また、社内で運用する場合は、社員の研修やマニュアル作成なども必要かもしれません。

会社としてSNS運用に取り組むときの体制で重要なのは、組織として担当者をフォローアップして運用を管理する仕組みをつくることです。

社内の担当者はほとんどの場合、SNSのプロではありません。

「いい感じにやっておいてくれ」と丸投げして放置していると、運用の目的が達成できないどころか投稿やアクション自体が止まってしまうケースも珍しくありません。

自社の貴重なリソースを使って、徒労に終わらないように気をつけましょう。

決めること③アカウントの方向性

SNSアカウントの方向性についても、事前に決めておくことが重要です。

たとえば、ファッションブランドのアカウントであれば、コーディネートの紹介や新作アイテムの情報を発信することが求められます。

一方で、医療機関のアカウントであれば、健康情報や病気の予防・治療についての情報提供がいいかもしれません。

アカウントの方向性を明確にしておくことで、フォロワーの期待に応えることができ、効果的な運用が可能になります。

たとえば、SNS運用の代行を請け負うプロであれば、クライアントへのヒアリングをもとにペルソナシートやアカウント構成シートといった資料を作成します。

ターゲット層や運用目的に合わせてデザインのトンマナから投稿文体まで細かく設定し、ブレない運用を実現するのです。

決めること④ターゲット層

SNSを利用するユーザーは、それぞれ年齢層や性別、興味関心、ライフスタイルなどが異なります。

運用するアカウントのターゲット層を明確にし、その層に合った投稿やコンテンツを提供することが必要です。

また、ターゲット層に応じて、運用するSNSや投稿する時間帯、投稿内容、コンテンツの種類なども変わってきます。

このターゲット設定は、「30代以上の女性」など大まかすぎるくくりではあまり意味がありません。

よくマーケティングで使われる「ペルソナ(代表的なターゲット像の架空のプロフィール)」を設定するのも効果的でしょう。

誰か一人に深く刺さるコンテンツはほかの人にも刺さるというのがSNS運用の原則です。

決めること⑤具体的なタスクとスケジュール

SNSの運用においては、具体的なタスクとスケジュールを決めておくことが大切です。

どのようなコンテンツを、どのようなタイミングで発信するのかを明確にすることで、運用がスムーズに行われます。

また、週次や月次での運用の報告や評価を行い、必要に応じて改善を行うことも大切です。

コツとしては、とにかくあいまいさを残さないこと。

「ネタがあるときに投稿する」「なるべくほかのアカウントに“いいね”する」といったルール設定ではなく明確に行動目標を決めましょう。

実際に運用をしてみると担当者に負担がかかりますが、強いアカウントを育てるにはそれなりの努力が必要です。

SNS運用の効果測定と運用改善

「SNSの運用成果は、どうやって評価・改善すればよいの?」と疑問に感じている方も多いのではないでしょうか。

SNS運用の効果を可視化するためには、以下のような指標を活用します。

・フォロワー数
・リーチ数
・エンゲージメント数(「いいね!」やコメント数など)
・コンバージョン数(集客数、商品の売上数など)

計測すべき指標は、運用目的やどのSNSを用いるかによって変わってきます。

たとえば、対面アポイントの獲得を目標にする運用なら、DMのうちのアポイント率が指標になるでしょう。

改善項目としては普段の投稿の質よりも、アカウントの信頼性を高めるためのフォロワー増やDM文面の改善などの優先順位が高くなります。

おすすめとして、ある程度フォロワーが増えるまではフォロワー数だけをKPIにするのが良いでしょう。

SNS運用による効果の多くは、ある程度フォロワーがいないと発揮されにくいためです。

管理をシンプルにすることで運用もスムーズになります。

SNS運用のよくある失敗例4パターン

SNS運用をする際には、失敗の典型例に当てはまらないよう注意して運用しましょう。

よくある失敗例として、以下の4パターンがあります。

・失敗例①フォロワー数が増えない
・失敗例②運用が止まってしまう
・失敗例③運用の方向性が迷走する
・失敗例④炎上してしまう

それぞれ詳しく解説します。

失敗例①フォロワー数が増えない

思うようにフォロワーが伸びないのは、SNS運用で最もよくある失敗ケースです。

理由として、たとえば下記が考えられます。

投稿頻度が低い

多くのSNSは、自アカウントの投稿がほかのユーザーのタイムラインに表示されることでフォローが発生します。

したがって、投稿が少なければどんなにアカウントを作り込んでいてもフォロワーが増えるチャンスはほとんどありません。

最低でもInstagramなら週3回、Xなら1日1回は投稿が必要です。

ほかアカウントとのコミュニケーション不足

「いいね」や「コメント」などほかのアカウントに対して自分からアクションするのも、フォロワーを増やすためには重要です。

ここを怠るとフォロワーはほとんど増えません。

ただし、アクションする先のアカウントの選定にもコツがあります。

リアクションを返してくれそうなアカウントや信頼度の高いアカウントの共通点を見出し、適切な相手に対してコミュニケーションを取る必要があります。

失敗例②運用が止まってしまう

SNS運用がストップしてしまう失敗事例はとても多いです。

その理由のほとんどは、はっきり方針を決めずに担当者に丸投げしたきり管理しない運用体制にあります。

投稿スケジュールの明確な設定と投稿物の確認、定例の確認ミーティングなどは組織内で必ず行いましょう。

また、「売上につながっていないからものすごくクオリティの高い投稿をしなきゃ」など、成果を焦って答えのない課題を設定してしまうのも投稿ストップの原因になります。

SNSは定期的にコンテンツを発信して自アカウントにあった運用のやり方を探っていくプロセスがとても重要です。

クオリティにこだわりすぎるよりも継続的な運用を重視しましょう。

失敗例③運用の方向性が迷走する

SNSの運用は、アカウントの方向性を守ることが重要です。

失敗例②に近いですが、成果を焦って方向性の切り替えを連発し、コンセプトのよくわからないアカウントになってしまうのもよくある失敗パターンです。

どんな方向性を試してみても、運用初期に一つの投稿でわかりやすい効果が発揮されることはなかなかありません。

まずは運用開始前のコンセプト設計を細かく行い、決めた方向性に則って腰を据えて取り組みましょう。

そうすれば長期的な成果に高い確率でつながります。

失敗例④炎上してしまう

SNSの運用で最も避けたい失敗が「炎上」です。

一度炎上してしまうと、ブランドイメージに大きなダメージを与えかねません。

具体的な炎上理由として、以下の3つが挙げられます。

・不適切な表現や誤解を招く
・投稿社内の機密情報や個人情報の漏えい
・社会的背景を無視した不用意な発言

悪気はなくても、意図せず自社の投稿がネガティブに解釈されることもあります。

炎上すると信頼回復にも長い時間とコストがかかるため、炎上リスクを理解したうえで活用することが重要です。

SNSの炎上を防ぐ対応策4選

SNS運用において、炎上を気にする方は多いかもしれません。

企業のSNS活用が普及するにあたって、炎上してしまった事例も多く聞かれるようになりました。

そこで以下に、SNSの炎上を防ぐための対応策を紹介します。

・炎上防止策①投稿ガイドラインの策定
・炎上防止策②対応ガイドラインの共有
・炎上防止策③投稿監視体制の整備
・炎上防止策④炎上事例の社内共有

4つの炎上防止策を見ていきましょう。

炎上防止策①投稿ガイドラインの策定

SNS運用を始める前に、社内でSNSマニュアルを策定しましょう。

このマニュアルには、発信内容のチェックや、危険な発言を行わないようにするためのガイドラインなどが含まれています。

ガイドラインを設定する際には、ぜひSNS慣れした若いスタッフの力を借りてください。

普段からSNSに慣れ親しんだ人間であれば、それぞれのSNSにおけるマナーを感覚で理解しています。

若いスタッフにたたき台をつくってもらったうえで、広報やリスク管理担当などプロの目で見てブラッシュアップする進め方がおすすめです。

炎上防止策②対応ガイドラインの共有

もしも炎上騒ぎが起こってしまった場合には、迅速かつ的確な対応が必要です。

SNS上でのトラブルの拡散を防ぐために、炎上した場合には速やかに謝罪し、原因究明を行いましょう。

ただし、SNS運用に慣れていない企業が担当者任せにする体制は危険です。

機転をきかせたつもりが火に油を注いでしまう可能性もあります。

投稿物だけでなく、炎上懸念がある場合の対応についても社内でガイドラインを設定し、フローを明確にするのがおすすめです。

弁護士やPR会社などの外部専門家にリアルタイムで相談できる体制を構築しておくのも効果的でしょう。

炎上防止策③投稿監視体制の整備

SNS上でのトラブルを未然に防ぐためには、定期的にSNSのコンテンツを監視し、問題のあるコメントや投稿に対して迅速に対応することが必要です。

また、不適切なコメントや投稿があった場合には、速やかに削除し、投稿者に対して注意喚起を行う必要があります。

投稿の監視には、「上司が毎日11時にチェック」「広報が朝礼でチェック」など、担当者ではなく第三者的な目線でチェックを入れる決まりごとを作っておきましょう。

社内リソース的に難しければアルバイト数人でチェックする体制でも、一般的な目線による第三者チェックは入れられます。

さらに、SNSコンテンツの監視を効率化するために、ソーシャルリスニングツールの活用もおすすめします。

Meltwaterのソーシャルリスニングツールは、SNSの投稿をリアルタイムで一元的に分析できるため、炎上の火種となりうる投稿の把握に役立ちます。

炎上防止策④炎上事例の社内共有

SNSの炎上を防ぐのに大事なのは、抽象的ながら社内のリテラシーです。

関係者の知識を増やし教育をしていくのが、時間はかかりますが炎上を防ぐために有効な施策です。

そこで、日々SNS上の炎上情報をウォッチし、社内で定期的に共有、ポイントを話し合う機会を設けましょう。

特に自社と業種や運用目的の近いアカウントが炎上してしまった事例は、貴重な学習材料になります。

SNS運用を成功させるためのコツ

SNS運用を成功させるためには、以下のようなコツがあります。

・目標を明確にする
・一貫性のある情報発信を意識する
・質の高いコンテンツを作成する
・データ分析に基づいた改善を行う
・ほかの集客施策と組み合わせる

5つのコツについて詳しく解説します。

目標を明確にする

SNSを運用する際に重要なのは、「何のためにSNSを活用するのか」という目的とゴールを明確にすることです。

「自社の認知度を高めたいのか」「商品の購入につなげたいのか」「採用を強化やブランディングに力を入れたいのか」など、目的によって取るべき施策も違ってきます。

認知度を高めるのが目的なら、「SNS経由のWebサイト訪問者数を20%向上させる」のように、具体的な目標も設定できます。

目標を明確にすれば成果も見えやすく、投稿内容やKPI設定、分析の方針もブレません。

一貫性のある情報発信を意識する

SNSは「ブランドの人格」を映し出す場所です。

そのため、情報発信の仕方や内容に一貫性を持たせ、自社のイメージを損なわないようにする必要があります。

ビジュアルや投稿のトーンがバラバラでは、ユーザーに混乱を与えかねません。

たとえば、「シンプルながら温かみを感じる」イメージがそのブランドの「らしさ」ならば、色味やフォントもそのイメージに合わせて統一し、言葉選びも世界観や価値観に合わせるように心がけてください。

一貫性のある情報発信として、定期的なシリーズ投稿を設けるのも効果的です。

「このブランドらしさ」が定着すれば、ファンを育てることができます。

質の高いコンテンツを作成する

次々に投稿が更新されていくSNSは、情報量が膨大です。

ユーザーのスクロール速度も早いため、そのなかで目を留めてもらうためには、「質」の高いコンテンツが欠かせません。

そこで、以下の3点を意識することが重要です。

・見た瞬間に内容が伝わるビジュアル
・読者の悩みや興味に刺さるコピー
・保存したくなるようなノウハウ情報

読者の悩みや課題を解決する情報や興味を掻き立てるコピーで注意を引き、ビジュアルで内容がイメージできるようにしましょう。

一方的に商品やサービスをアピールするのではなく、保存したくなるような情報や再生したくなる動画などを盛り込むことが大切です。

データ分析に基づいた改善を行う

SNS運用は、「投稿して終わり」ではありません。

「どの投稿が反応を得られたのか」「どの時間帯の投稿が効果的なのか」など、以下の3点を踏まえた分析と改善が必要です。

・インサイト(解析ツール)を定期的にチェックする
・投稿のA/Bテストを行う
・KPI(リーチ数、保存数、クリック率など)を可視化する

まずは、インサイト機能で定期的にリーチ数やフォロワー数、クリック率などをチェックし、記録してください。

特定の要素だけを変更した場合の成果を比較できるA/Bテストを実施すると、より高い成果を得られるパターンを見つけられます。

また、目標達成に向けた進捗を示すKPIは、可視化しておくと成果が見えやすいでしょう。

改善を繰り返すことで、SNS運用の精度は上がっていきます。

ほかの集客施策と組み合わせる

企業のSNS運用は、単体で完結させるものではありません。

SNS運用でより高い成果を生むポイントは、ほかの集客施策との組み合わせです。

SNSは、あくまでも入口であり、その先にある情報や体験にうまく接続できるかどうかがポイントになります。

ほかの集客施策との相乗効果でより高い成果を生み出し、ブランド理解や信頼構築はもちろん、行動喚起まで導くことが可能です。

SNSとの組み合わせで効果的なのは、以下の4つです。

・ブログ
・オフラインイベント
・広告運用
・ブックマーケティング

各施策との組み合わせによる効果について、以下で詳しく解説します。

Webサイト・ブログとの連携

SNSとWebサイト・ブログとの連携でSNSから公式Webサイトやブログに誘導できると、商品の購入や問い合わせなどのコンバージョン(成果)に結びつきやすくなるのがメリットです。

ユーザーにとって、SNSは気軽にチェックできる点がメリットですが、一度の投稿で提供できる情報量はそう多くありません。

一方、情報が流れていくSNSとは違い、Webサイトやブログは必要な情報が整理されていて見つけやすい特徴があります。

SNSで興味を持ったユーザーを公式Webサイトやブログに誘導できれば、より自社の商品やサービスの詳細情報を紹介できます。

たとえば、新商品発売の告知はSNSで行い、機能の詳細や開発秘話などはブログ記事で公開するのも効果的な方法です。

「続きはプロフィールURLから!」のようにSNSの投稿からの導線を敷いておくと、興味を持ってくれたユーザーを確実にWebサイトに呼び込めます。

オフラインイベント・店舗との連携

以下のような施策により、SNSと実店舗やイベントを連動させることで来店促進やブランド体験の共有が可能です。

・SNSでイベント情報を事前告知する
・ストーリーズやライブ配信で現場の臨場感を伝える
・イベント参加者にハッシュタグ投稿を促す
・SNS経由での限定クーポンや特典を用意する

SNSを使ってあらかじめイベントの情報提供やクーポンの配信などを行うと、興味を持ってくれたユーザーの来店を促しやすくなります。

イベントを開催する際、当日参加できない方に向け、InstagramのストーリーズやYouTubeのライブ配信などで発信すれば、現場の臨場感も伝えられるでしょう。

参加者にハッシュタグ付きの投稿を促すことで、イベントの情報拡散も期待できます。

BtoB企業なら会社説明会や展示会、セミナーや講演イベントなどをSNSと結び付けても、同様の相乗効果が期待できます。

ただし、BtoBの場合は成果を即時に得ることよりも、「信頼形成」や「専門性の訴求」が重要です。

オフラインイベントとSNSを掛け合わせてブランドの熱量を可視化することで、営業活動の後押しとなるケースもあります。

広告運用との組み合わせ

SNSはコストを抑えて広告宣伝できるのが大きなメリットですが、広告を使用せずにコンテンツを配信できる無料のオーガニック投稿だけでは、情報が届く範囲に限界があります。

もちろん、ユーザーにとって有益で魅力的なコンテンツは、拡散されてファンが増える可能性もあるでしょう。

ただ、せっかく情報を投稿しても、ターゲット層に届かなければ効果がありません。

広告運用と組み合わせ、より広範囲なターゲット層にアプローチすれば、集客力を高められます。

ブックマーケティングとの連携

ブックマーケティングは、書籍の出版をマーケティングに活用する手法です。

たとえば、ブックマーケティングで出版した書籍をSNSと連携させ、以下のように活用することも可能です。

・出版前からSNSで制作過程や想いを共有
・書籍の一部を図解や動画で発信して拡散
・SNSを活用した書籍プレゼントキャンペーンを実施

さらに注目すべきポイントは、書籍のコンテンツそのものはSNSのネタとして流用できる点です。

SNSでは「発信ネタが尽きてしまい、継続できなくなる」という課題を多くの企業が抱えています。

しかし、書籍の中には、すでにプロの編集者とともに構築された高品質な情報が豊富に詰まっています。

書籍の内容をSNS向けにアレンジして発信することで、コンテンツを少しずつ再利用でき、ネタ切れを防ぎながら、継続的な情報発信が可能になります。

▶︎ブックマーケティングについては、関連記事【企業出版(ブックマーケティング)のメリットとは? 企業が考えるべき出版による効果】も合わせて参考にしてください。

SNS×ブックマーケティングの相乗効果とは?

SNSとブックマーケティングを掛け合わせることで、「信頼」と「共感」を育てられるメリットがあります。

編集者も交えてクオリティの高い書籍を出版すれば、読者に信頼性の高い情報を提供することが可能です。

書籍で打ち出した自社の専門性や理念、世界観を「日常の言葉」に落とし込んでSNSで伝えれば、ユーザーの理解や納得も深まりやすくなります。

また、SNSは拡散力があるのもメリットです。

書籍の発売をきっかけにアカウントの認知が広がったり、書籍を読んでくればフォロワーとの対話が生まれたりなど、良質なファン形成にもつながります。

出版を通じて得た「信頼」が、SNSを通じて強化される「接点」や「共感」が重なり、単なる集客以上のブランド価値を作り出せます。

▶︎ブックマーケティング(書籍の作り方)については、関連記事【本を出版するには?現役書籍編集者が本の出し方を分かりやすく解説】も合わせて参考にしてください。

SNS×ブックマーケティングで集客に成功した事例

実際にSNSとブックマーケティングを駆使し、集客に成功した事例を2つ紹介します。

・書籍出版とSNSの連動で問い合わせ・受注が劇的に増加した事例
・発売前からSNSを活用し、話題化に成功した事例

それぞれの事例を以下で詳しく解説します。

書籍出版とSNSの連動で問い合わせ・受注が劇的に増加した事例

資金調達支援のスペシャリストとしてのブランディングを目的に、書籍を出版した事例です。

出版する書籍には具体的な数字を入れて読者の興味を引き、ビジネス書の売れ行きが良好な大都市圏の書店を中心に配本する戦略をとりました。

また、この著者は、書籍発売から一定期間が経過した後も、Twitter(現X)で書籍プレゼントキャンペーンの告知を定期的に実施。

その継続的な投稿が注目を集め、キャンペーンの告知と連動する形でAmazonでの販売数が急増しました。

結果として書籍はロングセラーとなり、改訂版が出版されるまでに至りました。

書籍とSNS活用を組み合わせ、出版後は問い合わせが3~4倍アップしています。

発売前からSNSを活用し、話題化に成功した事例

商品の販促はもちろん、長期的なブランディングや顧客のファン化を目的として、「女性の悩み」に焦点を当てた書籍を出版した事例です。

「何一つ諦めることなく、女性に生涯にわたり輝いてほしい」という社長の思いを書籍として形にまとめました。

発売前から著者がSNSで積極的に情報発信を行ったことで注目を集め、予約が殺到し、発売前に重版が決定。

また、既存顧客を対象にした書籍プレゼント企画では、想定の8倍もの応募が集まる反響がありました。

出版が実績となり、新規顧客の獲得はもちろん、講演やメディア出演の機会も獲得しています。

SNS運用に関するよくある質問

最後にSNS運用について、よくある3つの質問に回答します。

SNSは毎日投稿しなければならない?

投稿は毎日する必要はありませんが、継続的に発信することが重要です。

定期的に投稿することで露出が増加し、自社がフォロワーにとってタイムライン上でよく見かける存在になりやすいでしょう。

しかし、内容が薄かったり質が悪かったりする投稿を重ねていても、ユーザーにとって価値のない情報になってしまうかもしれません。

コンテンツがパターン化して、飽きられる可能性もあります。

SNSでの発信は週2~3回など、無理なく続けられる頻度を設定してください。

「休まず続ける」ことが信頼やアルゴリズムの評価につながります。

どのようなコンテンツを投稿すればよい?

SNSで発信するコンテンツは、ユーザーが「見たい」「知りたい」と思う内容であることが重要です。

具体的には、以下のようなコンテンツがあります。

・商品の紹介
・サービスの活用事例
・Q&A
・舞台裏
・ユーザー参加型コンテンツ
・トレンド情報

実際に投稿する際は、競合他社にはない自社ならではの視点や世界観を反映させ、「らしさ」が伝わるようにしましょう。

また、単発で終わらせず、ストーリー性やシリーズ性を持たせて継続的に発信するのがおすすめです。

続きを待ち望むファンが増える可能性があり、つながりも深められます。

外注の運用パートナーは入れるべき?

SNS運用を外注化するかどうかは、企業の状況や目的によって異なります。

外注するメリットとしては、運用に必要な人材をスピーディに確保できることや、専門的なノウハウを持った運用パートナーを活用できることが挙げられます。

一つの考え方として、「人手が足りない」「アカウントを育てるのにそこまで長い期間をかけられない」という課題がある場合、外注を検討することがおすすめです。

ここまで述べたように、SNS運用をきちんとやると担当者にも組織にも意外に手間がかかります。

社員一人が常駐のような状態で対応している会社も多いです。

そうなると、人件費的にSNS運用会社に頼んだほうが安くつく場合も考えられます。

また、外注先は当然ノウハウを持っているため、プロの運用によって最短経路でアカウントを育ててくれるのは大きなポイントでしょう。

特に投稿コンテンツの企画は、一般企業のリソースではなかなか難しい場合も多いです。

ゼロの状態から探り探りでSNS運用をスタートすると、継続できても成果が出るのは数年後といったケースが少なくありません。

その時間を短縮して成果を確実にする選択肢として、外注を活用するのはおすすめです。

【まとめ】SNSとブックマーケティングを掛け合わせて、集客効果を高めよう!

ビジネスコミュニケーションや企業のブランディングでは、今やSNSの運用は欠かせません。

しかし、SNSにはさまざまな種類があり、特徴も異なります。

そのため、自社に合うSNSを選び、そのうえで運用体制を整えることが重要です。

また、SNSはほかの集客施策と組み合わせることで、より効果を発揮します。

特に信頼性や専門性を打ち出せるブックマーケティングと、拡散力のあるSNSは相乗効果が期待できます。

フォーウェイは、230社以上の実績を誇るブックマーケティングに加え、SNS運用をはじめとするマーケティング支援を行っています。

戦略立案から実行まで一貫してサポートが可能です。

SNS運用やブックマーケティングをご検討の際は、ぜひフォーウェイまでご相談ください。

【関連記事】【2026年最新】集客戦略|資金・人手不足を打破する生存戦略10選

経営者が本を出版しようと考える背景には、「自社の社会的信頼を高めたい」「企業理念を社会に伝えたい」といった目的があります。

そこで重要になるのは、「売れる本をつくる」ことではなく、本という媒体を通じて、いかにビジネス成果を得るかという視点です。

企業出版は、企業理念や自社の強みをわかりやすく社会に伝えて、売上や採用、ブランディングなどの企業活動につなげる手法として注目されています。

この記事では、企業の経営者や事業責任者に向けて、売れる本の共通点や企業出版で成果を出すための具体的なステップについて詳しく解説します。

目次【本記事の内容】

執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)

慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。

経営者が狙うべき「売れる本」とは?

経営者が本を出版する際には、本の売上だけを基準にするのではなく、企業にどのような価値をもたらす本なのかを考えることが重要です。

ここでは、経営者が狙うべき「売れる本」の考え方について、次の2つの観点から整理します。

  • 商業出版における「売れる本」と企業出版における「売れる本」の違い
  • 重要なのは「ビジネスにおける成果」

それぞれの視点で押さえるべきポイントについて解説します。

◉-1、商業出版における「売れる本」と企業出版における「売れる本」の違い

商業出版は、本の市場性や話題性を重視し、どれだけ売れるかが目的になります。

出版社が読者ターゲットや内容を主導して設定するため、広く一般の読者に向けた企画となるのが特徴です。

一方、企業出版の目的は、自社の理念や強みを社会へ的確に伝えることにあります。

著者は経営者である場合が多く、読者として想定されるのは、顧客・取引先・業界関係者・就職希望者など、企業に関わる幅広いステークホルダーです。

そのため、経営者が目指すべき「売れる本」とは、販売部数よりも、企業の価値観を届け、信頼を築き、最終的にビジネス成果へつなげる一冊であるといえます。

◉-2、重要なのは「ビジネスにおける成果」

企業出版は、事業戦略を推進するための有効な手段です。

出版によって、以下のようにさまざまなメリットを得られます。

  • 顧客からの信頼向上
  • 新規リードの創出
  • 既存顧客との関係強化
  • 採用活動の質向上

また、書籍化することで理念やビジョンが明確に言語化され、社内外で共有しやすくなる点もメリットです。

企業としての方向性がよりはっきりし、顧客・社員・取引先との間に共通理解が生まれます。

こうした観点から、経営者にとって企業出版は単なる施策にとどまらず、ブランド価値を高めるための重要な投資だといえるでしょう。

書籍という媒体を通じて企業の姿勢や思想が伝わり、結果としてビジネス成果へとつながりやすくなります。

▶︎書籍出版のやり方については、関連記事【企業出版の効果とは?費用相場や成功のポイント、事例を徹底解説】もあわせて参考にしてください。

企業出版で売れる本に共通する3つの要素

企業出版で売れる本には、読者に必要な情報がまとめられていて、企業の魅力や価値が明確に伝わるという共通点があります。

これは、読者ターゲットを適切に設定し、企業として伝えるべき内容が整理されていることによって生まれるものです。

ここでは、経営者が本を出版する際に押さえておきたい3つの重要なポイントを紹介します。

  • 読者ターゲットを明確に設定している
  • 独自の価値やストーリーが一貫している
  • 出版後の活用設計(販促・PR・営業連携)がある

以下で、詳しく見ていきましょう。

◉-1、読者ターゲットを明確に設定している

成功する企業出版では、「誰に何を伝えるか」が明確に設定されています。

読者ターゲットを、たとえば顧客や業界の同業者、未来の社員などに設定して具体的に描き、その人が抱える課題や疑問に応える内容を設計することがポイントです。

漠然と「多くの人に読んでほしい」という発想では、結果として誰にも響かない本になってしまう可能性があります。

明確な読者像を描くことが、「売れる本」をつくる前提条件となります。

◉-2、独自の価値やストーリーが一貫している

企業や経営者がこれまでに経験してきた出来事、理念、成功や失敗のエピソードなど、他社にはないストーリーは読者の信頼と共感を生む重要な要素です。

読者は企業の背景や考え方に触れることで、「この会社に依頼したい」「この経営者と働きたい」と感じるようになります。

ストーリーが一貫しているほど、企業の姿勢や価値観が伝わりやすくなるのです。

理念から事業へのつながり、課題への向き合い方、解決に至るまでの道筋を丁寧に描くことで、読後に強い印象として残ります。

◉-3、出版後の活用設計(販促・PR・営業連携)がある

企業出版では、本をつくるだけで終わらせず、発行後にどのように活用するかを事前に設計しておくことが成果につながります。

たとえば、以下のように具体的な活用シーンを想定しておくことで、企業出版の効果が継続しやすくなります。

  • 営業資料としての活用
  • 展示会やセミナーでの配布
  • 採用イベントでの紹介

本を出した後にどのように行動するかを決めておく企業ほど、売上や認知度の向上に結びつくのです。

本が売れることがビジネスにもたらすメリット

メリット

企業出版によって得られる成果は、単なる知名度向上にとどまらず、信頼性の向上、営業活動の効率化、採用力の強化など、多岐にわたります。

書籍という形で理念や強みを伝えることで、企業活動全体にプラスの効果を生み出せる点が特徴です。

ここでは、企業出版が企業にもたらす主なメリットを紹介します。

  • 企業出版で信頼性と話題性を獲得できる
  • 営業ツール・採用ツールとしても活用できる
  • 競合との差別化ポイントになる
  • 長期的なブランド資産になる

それぞれのメリットについて、以下で詳しく解説します。

◉-1、企業出版で信頼性と話題性を獲得できる

書籍は、数ある情報発信手段の中でも特に社会的信頼性が高い媒体です。

企業の専門性や独自性を体系的に伝えられるため、ブランド価値を高める効果が期待できます。

また、第三者である出版社を通じて発行されることで、情報に客観性が付与される点も魅力です。

企業自らが発信する広告とは異なり、中立的な立場から認められた内容として受け止められやすくなります。

さらに、出版自体がニュース性を持つため、SNSや業界紙、地域メディアなどで取り上げられる可能性も広がります。

「書籍を出版した企業」という事実そのものが話題になり、自然と情報拡散が進むのも企業出版ならではのメリットです。

結果として、書籍を出している企業には「専門性が高く、信頼できる」という印象が生まれ、ブランドイメージ向上につながります。

◉-2、営業ツール・採用ツールとしても活用できる

営業活動の際に、事前に書籍を渡しておくことで企業の考え方や強みを理解してもらいやすくなり、信頼関係を築くきっかけになります。

また、採用活動では書籍が企業理念や文化を伝える役割を果たし、価値観に共感する人材の応募が増えることもメリットです。

書籍を読んだうえで応募する人は企業への理解が深く、採用のミスマッチを減らす効果も期待できます。

さらに、既存顧客からの紹介シーンで「この会社は書籍も出している専門家です」と自然に推薦してもらえることで、紹介の説得力が高まり、新たなビジネスチャンスにもつながります。

◉-3、競合との差別化ポイントになる

同業他社が書籍を出していない場合、書籍そのものが大きな差別化要素になります。

本を出版している企業は「その分野の第一人者」として認識されやすく、専門性や実績を示す有力な根拠として評価されます。

その結果、顧客からの信頼が高まり、価格だけで比較される状況から脱却しやすくなるのです。

さらに、書籍でノウハウなどを公開することで、競合には真似できない専門性のアピールが可能になります。

◉-4、長期的なブランド資産になる

書籍は一度発行すると長期にわたり残り続ける媒体で、広告やSNS投稿のように短期間で流れてしまうものとは異なります。

企業が大切にしてきた理念や経験を体系立てて発信することで、時間をかけて信頼や認知が蓄積されていきます。

こうした蓄積は企業ブランドを強固にする土台となり、中長期的な成長を支える力になるでしょう。

また、書籍が継続的に読まれることで、企業の価値観や姿勢が時代を超えて受け継がれていく点もメリットです。

企業出版で売れる本を作るための具体的なステップ

企業出版で成果を出すためには、書籍制作の流れを段階ごとに整理し、計画的に進めることが大切です。

ここでは、経営者が押さえておくべき具体的なステップを解説します。

  • ステップ1:出版の目的とゴールを明確にする
  • ステップ2:読者ターゲットと伝えるメッセージを設定する
  • ステップ3:読者の共感を生む構成を設計する
  • ステップ4:制作・編集の方向性を整理する
  • ステップ5:出版後の活用戦略を設計する
  • ステップ6:成果を検証し、次の施策につなげる

順を追って詳しく見ていきましょう。

◉-1、ステップ1:出版の目的とゴールを明確にする

最初に取り組むべきことは、「なぜ出版するのか」「何を達成したいのか」という目的を明確にすることです。

ブランディング、リード獲得、採用強化、信頼形成など、目的やゴールによって本の内容やトーン、構成は大きく変わります。

目的があいまいなままでは出版の効果が発揮されにくくなるため注意が必要です。

目的とゴールを数値や行動レベルで定義しておくと、制作途中の判断もぶれにくくなります。

◉-2、ステップ2:読者ターゲットと伝えるメッセージを設定する

次に取り組むのは、「誰に」「何を伝えるのか」を明確にすることです。

読者ターゲットには、企業経営者や顧客、取引先、就職希望者、業界関係者などを具体的に設定し、読者が抱える課題や期待に寄り添ったメッセージを設計します。

また、事業戦略上でどの層を集客したいのかを踏まえてターゲットを定めると、メッセージに一貫性と実効性が生まれるようになるので、この段階で事業全体との方向性が合っているかも確認しておくとよいでしょう。

読者を明確にすることで伝える内容に一貫性が生まれ、強調すべきポイントも判断しやすくなるため、メッセージがより的確に届くようになります。

◉-3、ステップ3:読者の共感を生む構成を設計する

章構成を考える際は、読者が理解しやすく、自然に読み進められる流れを意識します。

一般的には「事実」「考察」「価値」「未来」といった順序で構成すると、読者が納得しやすく、内容への共感も得られやすくなります。

読者の感情や思考の動きを踏まえて構成を組み立てることがポイントです。

構成を丁寧に設計することで、読者にきちんと企業の価値や意図が伝わるようになります。

◉-4、ステップ4:制作・編集の方向性を整理する

制作を進める前に、「誰が書くのか」「どのようなトーンで書くのか」を決めておくことが必要です。

ビジネス書の多くは専門のブックライターが執筆しており、著者自身がすべての文章を書くケースの方が実は少数派です。

ブックライターは経営者への丁寧なインタビューを通して、頭の中にあるノウハウや経験を言語化する専門職。

著者の想いや言葉を文章として再構成する役割であり、いわゆるゴーストライターとは異なります。

経営者本人が書く場合も、ライターに依頼する場合も、専門用語を多用しすぎず、企業の信念や想いが自然に伝わる文章になるよう意識しましょう。

伝えたい内容や表現の方向性をあらかじめ定めておくことで、書籍全体に一貫性が生まれます。

▶︎ゴーストライターについては、関連記事【ゴーストライターとはどういう意味?ビジネス書の執筆で活用すべき理由や高品質な原稿を書いてもらうためのポイントなども解説!】もあわせて参考にしてください。

◉-5、ステップ5:出版後の活用戦略を設計する

書籍をどの場面で活用するかを事前に具体的に決めておくことが重要です。

営業や採用、PR、講演、セミナーなど、社内外の接点に合わせて配布や紹介の方法を設計します。

また、出版前後には、プロモーションや広報、SNSでの発信などの動線を整えると、出版効果を高められます。

◉-6、ステップ6:成果を検証し、次の施策につなげる

出版後は、問い合わせ数、応募者の質、売上の変化など、具体的な指標を用いて成果を検証します。

結果を数値として把握することで、次の発信やブランディング施策、次回の出版企画に活かすことができます。

出版を単発のイベントとして終わらせず、経営のPDCAに組み込むことが効果を高めるポイントです。

検証と改善を繰り返すことで、ブランド戦略の一貫性と成果が高まります。

売れる本を生み出し、ビジネスで成果を上げた事例

ここでは、売れる本によって実際にビジネスで成果を上げた事例を紹介します。

  • 出版後2週間で重版出来!書籍をきっかけに問い合わせが増えた事例
  • 権威性と信頼性を獲得し、10億円の売上に貢献した事例
  • 出版後に新規顧客開拓とメディア露出が拡大した事例

3つの事例を詳しく見ていきましょう。

◉-1、出版後2週間で重版出来!書籍をきっかけに問い合わせが増えた事例

法人向け保険を専門とする保険代理店の経営者は、新規事業のコンサルティングの顧客獲得を目的に書籍を出版しました。

書籍では、保険業界で一般的な「成果報酬制」に対して、「月額報酬制」が業績向上に有効だという持論を展開して注目を集めました。

出版後2週間で重版出来、出版記念のセミナーの参加者60名のうち5件が成約につながるなどの成果につながりました。

【事例コラム】大口案件の集客、人材採用、大手企業からの講演依頼!出版ですごいことになった保険代理店

◉-2、権威性と信頼性を獲得し、10億円の売上に貢献した事例

ある不動産会社の経営者は、高所得で納税額の高い医師に向けて、不動産投資が節税対策に有効であることを訴求する書籍を出版しました。

「医師」という明確なターゲットに向けて設計したことで、読者の多くが高い確度の見込み客となりました。

実際に、発売直後に寄せられた最初の10件の問い合わせは、全て成約につながりました。

自らお金を払って本を手に取る読者は、すでに課題を認識している「ホットリード」であることがわかります。

出版費用はすぐに回収でき、、6ヶ月で10億円もの売上向上に貢献しました。

◉-3、出版後に新規顧客開拓とメディア露出が拡大した事例

ある建設業専門の経営コンサルタントは、サービス内容の進化に合わせて自社のリブランディングのために書籍を出版しました。

新規顧客層へのアプローチを意識して「赤字続きの会社がみるみる蘇る」というタイトルを付けました。

発売から1ヶ月で重版出来、17媒体のWebニュースに掲載されてメディア露出が拡大。

その結果、コンサルティングや育成支援などで13件の新規顧客を獲得しました。

【まとめ】企業出版で売れる本をつくり、ビジネスで成果につなげよう

この記事では、売れる本の共通点や売れる本のビジネスメリット、企業出版の具体的なステップ、成功事例などについて詳しく解説しました。

企業出版は、単なるブランディング施策ではなく、企業の信頼性や売上の向上、採用への好影響などの成果を出すための経営課題の取り組みです。

フォーウェイでは、企業のブランディング力向上とマーケティング支援を目的としたブックマーケティング(企業出版)サービスを提供しています。

これまで数多くの企業様の書籍制作を手がけ、理念の可視化・専門性の発信・ブランド価値の向上につながる成果を生み出してきました。

もし「自社の想いを形にして世の中へ届けたい」「ブランド価値をさらに高めたい」とお考えでしたら、ぜひ一度フォーウェイへご相談ください。

企画構成から出版まで、経験豊富な担当者が丁寧にサポートいたします。

企業イメージは、顧客・取引先・株主・従業員・地域社会といったステークホルダーが企業に対して抱く総合的な印象を指します。

良い企業イメージを築くことは、信頼の獲得や採用・人材定着、売上向上につながります。

しかし、企業イメージは短期間で形成されるものではありません。

そのため、日々の情報発信や行動、理念の一貫性が重要となります。

この記事では、企業の経営者・事業責任者に向けて、企業イメージを向上させるための考え方や具体的な実践手法について解説します。

目次【本記事の内容】

執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)

慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。

企業イメージとは

企業イメージは企業活動全体から形づくられるため、その仕組みを理解しておくことが、戦略的な取り組みを進めるうえで重要です。

ここでは、企業イメージの基本的な事項として、次の2つのポイントに分けて解説します。

  • 企業イメージの定義
  • 企業イメージの構成要素

以下で、それぞれ詳しく見ていきます。

◉-1、企業イメージの定義

企業イメージとは、顧客や従業員、取引先、社会などが企業に対して抱く印象や信頼、期待を総合したものを指します。

見た目や広告だけでなく、理念や日々の行動、社会的姿勢など、あらゆる接点によって形成されることが特徴です。

◉-2、企業イメージの構成要素

企業イメージは、次の5つの要素から成り立っています。

  • ビジュアル
  • コミュニケーション
  • 商品やサービスの品質
  • 従業員の対応
  • 社会的責任

具体的には、ビジュアルとしてロゴやコーポレートカラー、Webサイトのデザインなどが挙げられます。

営業担当者の営業トーク、問い合わせ対応といった社外とのコミュニケーションも企業のイメージを左右する要素です。

企業の本質ともいえる商品やサービスの品質が、企業の評判に関わるのはいうまでもありません。

接客態度や電話応対などの従業員の対応も、企業イメージに影響します。

現代では、コンプライアンスの遵守や地域貢献、環境問題への取り組みのような、企業が社会的に責任を果たしているかどうかもイメージに影響をおよぼす要素です。

これらの5つの要素の一貫性が保たれることで、信頼性の高い企業イメージが確立されます。

企業イメージを向上させるメリット

企業イメージを向上させることは、信頼の獲得や収益性の向上、人材の採用や定着など、多方面に良い影響をもたらします。

主なメリットとして、次の4つが挙げられます。

  • 顧客や取引先からの信頼が高まり、売上・利益が向上する
  • 競合との価格競争に巻き込まれにくくなる
  • 従業員満足度が向上し、優秀な人材の採用・定着につながる
  • 社会的評価が高まり、持続的な企業成長を支える

以下で、具体的にどのようなメリットがあるのかを見ていきましょう。

◉-1、顧客や取引先からの信頼が高まり、売上・利益が向上する

顧客や取引先は「信頼できる企業」から商品やサービスを選ぶ傾向が強く、企業イメージの良し悪しが売上や契約率に直結します。

たとえば、フォローに力を入れたことで、問い合わせだけで終わっていた見込み顧客が「御社に任せたい」と言ってくれるようになるなど、信頼を得ることが売上にもつながります。

信頼が高まるほど「選ばれる理由」が明確になり、競合他社との差別化が進むのです。

企業の信頼が高まることで、購入や継続的な取引につながり、結果として売上と利益の向上が期待できます。

◉-2、競合との価格競争に巻き込まれにくくなる

ブランド価値が確立された企業は、価格だけでなく、信頼や品質、社会的評価といった付加価値で選ばれるようになります。

こうした付加価値が確立されると、「価格以外の評価軸」で選ばれる機会が増え、価格競争への依存度が下がるのです。

そのため、競合他社との値下げ競争に陥りにくくなり、適正価格での取引や長期的な利益の確保が期待できます。

◉-3、従業員満足度が向上し、優秀な人材の採用・定着につながる

企業イメージが向上すると、社外だけでなく社内にも良い影響が生まれます。

社会から信頼される企業で働く誇りが従業員のモチベーションを高め、離職率の低下が期待できます。

また、理念に共感できる優秀な人材の応募が増えて、採用コストの削減や採用活動の効率化にもつながります。

◉-4、社会的評価が高まり、持続的な企業成長を支える

CSR活動や環境への取り組み、地域貢献などを通じて企業が社会に示す姿勢も、企業イメージの向上につながる要素です。

社会との信頼関係が深まることで、ステークホルダーからの期待や支持も安定し、企業の長期的な経営基盤が強化されます。

こうした取り組みの積み重ねによって、企業の社会的信頼の土台が形成され、持続可能な企業成長を支える基盤となります。

企業イメージを向上させる具体的な手法

企業イメージを高めるためには、外部への発信だけでなく、内部の意識改革や物語を通じた価値の伝達など、多角的な取り組みが必要です。

ここでは、代表的な4つの手法について解説します。

  • アウターブランディング
  • インナーブランディング
  • ストーリーブランディング
  • 採用ブランディング

以下で、それぞれについて詳しく解説します。

◉-1、アウターブランディング

アウターブランディングとは、社外に向けてブランド価値を発信し、理解や信頼を獲得するための取り組みです。

顧客や取引先、株主、従業員、地域社会などのステークホルダーに「どのような価値を提供できる企業なのか」を分かりやすく伝えることが重要になります。

アウターブランディングの主な手法は、以下の表の通りです。

主な手法詳細
コーポレートサイトの改善・企業理念や強みが明確に伝わる構成
・デザインにすることで、企業理解が深まる
・第一印象を左右するため、信頼性を判断する重要な要素となる
SNS・オウンドメディアの活用・企業の価値観や取り組みを継続的に発信でき、情報の透明性が高まる
・顧客との接点を増やし、関係構築を促進する
PR・広報活動の強化・企業の取り組みや価値を社会に広く伝えることができる
・メディア掲載を通じて専門性の訴求や認知度の向上につながる
顧客コミュニケーションの最適化・丁寧な対応によって顧客満足度や信頼感の向上が期待できる
・充実したサポートは顧客の信頼を高め、長期的な関係構築に寄与する

◉-2、インナーブランディング

インナーブランディングとは、従業員が企業理念やブランドの価値を理解し、自ら体現できる状態をつくる取り組みです。

従業員一人ひとりがブランドの担い手となることで、企業イメージは自然と外部にも良い形で広がっていきます。

インナーブランディングの主な手法は、以下の表の通りです。

主な手法詳細
企業理念・ビジョンの浸透施策・研修やワークショップを通じて、従業員が自社の価値や理念を理解できる
・理念が共有されることで、組織全体としての方向性が明確になり、行動の統一につながる
社内コミュニケーションの活性化・部署間の連携を円滑にし、組織全体の一体感を強化する
・意見交換が行われる環境を整えることで、ブランド価値の体現が進む
表彰制度・評価制度の整備・成果や行動を正しく評価する仕組みが、従業員の意欲向上に貢献する
・制度の透明性が組織文化の形成を支える
研修・育成制度の拡充・企業の価値観を理解した上で能力を伸ばす環境を整えられる
・理念に基づく行動が促進され、企業イメージの向上につながる

▶︎インナーブランディングのやり方については、関連記事【インナーブランディングとは?施策や進め方、成功事例を紹介】もあわせて参考にしてください。

◉-3、ストーリーブランディング

ストーリーブランディングとは、企業や商品の背景にある物語を通じて価値を伝える手法です。

人はストーリーに共感しやすく、物語を通じて企業の価値や想いがより深く伝わる点が特徴です。

ストーリーブランディングの主な手法を、以下の表にまとめました。

主な手法詳細
創業ストーリーの発信・創業時の想いや背景を伝えることで、企業の存在意義や価値観が明確になる
・企業の原点を共有することで、顧客を含むステークホルダーとの共感が生まれ、信頼の構築につながる
商品開発の裏側を紹介・品質へのこだわりや開発部門の姿勢を具体的に示せる
・製品やサービスへの安心感や納得感を高め、ブランドに対する信頼と好感を高める
従業員のストーリーを紹介・従業員の働き方や成長の過程を紹介することで、企業文化や価値観が具体的に伝わる
・従業員のリアルな声が企業への信頼を高め、採用活動や社員の定着にも良い影響を与える
顧客事例(ビフォーアフター)を活用・商品やサービスが生み出す変化を具体的に示せる
・提供価値が明確になることで信頼性が高まり、新規顧客の獲得につながる
書籍の出版・企業の理念・専門性・実績を1冊の本に体系的にまとめて発信できる
・社会的信頼性の高いメディアとして受け取られ、潜在顧客の関心獲得にも効果がある
・書籍は長期的に残るため、企業イメージ向上に継続的に貢献する

▶︎ストーリーブランディングのやり方については、関連記事【ストーリーブランディングとは?企業の物語を伝えてファンを作る方法】もあわせて参考にしてください。

◉-4、採用ブランディング

採用ブランディングとは、求職者から「働きたい」と思われる企業になるためのブランド構築を指します。

給与や福利厚生だけでなく、働く意義や企業文化を明確に伝えることで、優秀な人材の獲得につながります。

採用ブランディングの主な手法は、以下の表の通りです。

主な手法詳細
採用サイト・採用SNSの強化・専用サイトやSNSを通じて、企業文化や働く環境、従業員の姿を具体的に伝えられる
・求職者の企業理解が深まり、応募意欲の向上につながる
企業カルチャーの可視化・働く環境や価値観を明確に示すことで、ミスマッチ防止や採用精度の向上につながる
・求職者が企業との相性を判断しやすくなり、納得感の高い採用につながる
求人票・募集要項のブラッシュアップ・仕事内容や求める人物像を明確化することで、適切な人材からの応募が増える
・業務内容や役割を正しく伝えられるため、入社後の定着率向上にもつながる
採用広報・イベントの活用・企業の魅力や働く価値を直接伝える機会をつくれる
・求職者との接点が広がり、応募意欲の向上に結びつく

▶︎採用ブランディングのやり方については、関連記事【採用ブランディングの重要性とは? 目的やメリット、具体的な方法まで解説】もあわせて参考にしてください。

企業イメージを向上させるには信頼を継続的に築くことが重要!

企業イメージを向上させるために重要なのは、派手な広告や一時的な施策ではなく、顧客や社会からの信頼を継続的に積み上げていくことです。

優れた商品やサービスを提供していても、信頼が伴わなければ企業として正当に評価されず、長期的なファンを獲得することも難しくなります。

一方で、信頼を基盤としている企業は継続的な支持を得やすく、競合との差別化にもつながります。

企業出版(ブックマーケティング)なら持続的に企業イメージを高められる!

企業出版(ブックマーケティング)は、社外への発信、社内への浸透、社会との関係構築のすべてに効果的な手法です。

他の施策では得られない「信頼性」「統合性」「持続性」を兼ね備えており、企業イメージを長期的に高めることができます。

企業出版(ブックマーケティング)には、主に次の4つの特徴があります。

  • 信頼性の高い情報をまとめて発信できる
  • 企業理念を社内に浸透させることができる
  • 社会的信頼や共感を醸成することができる
  • 長期的なブランド資産化につながる

以下では、これらの特徴について詳しく解説します。

◉-1、信頼性の高い情報をまとめて発信できる

書籍という信頼性の高いメディアを通じて、企業の理念や実績、専門性を体系的に伝えることができます。

その内容は取引先や顧客、メディアからの評価向上につながり、企業の社会的信用を強化します。

書籍はWeb上の情報や断片的な内容だけを掲載している広告などに比べ、情報が豊富に盛り込まれているのが特徴です。

そのため、「この企業は何者か」を一冊で深く理解してもらえるツールとして機能します。

◉-2、企業理念を社内に浸透させることができる

書籍は、経営者の思想や企業の価値観を明確に示し、従業員が自社の方向性を理解しやすくします。

理念への共感や誇りが育まれ、組織としての行動の一貫性が高まります。

特に新入社員や中途入社した社員に対し、入社初期に企業文化をつかむための「共通テキスト」として活用できるのもメリットです。

◉-3、社会的信頼や共感を醸成することができる

書籍を通じて社会課題への向き合い方や企業としての責任を示すことで、社会からの信頼や共感を高めることが可能です。

また、CSRやSDGsの取り組みと組み合わせることで、倫理性や持続可能性を備えた企業イメージの構築にもつながります。

このような企業姿勢を書籍という形で言語化しておくことは、投資家や取引先などのステークホルダーが、自社のスタンスや長期的なビジョンを理解・評価するうえで重要な判断材料となります。

◉-4、長期的なブランド資産化につながる

書籍は時間が経っても残り続ける媒体であり、長期にわたり価値を発揮します。

営業・採用・広報など幅広い場面で活用でき、企業にとって継続的に使えるブランド資産となります。

また、書籍は増刷や改訂版の発行によって、内容をアップデートすることが可能です。

そのため、社会状況が変化したとしても、時代に合わせて価値を育て続けられます。

特に専門性の高いサービスを提供している企業や、創業のきっかけ・商品開発に独自のストーリーがある企業にとって、書籍は強力なブランド資産となります。
▶︎書籍出版のやり方については、関連記事【企業出版の効果とは?費用相場や成功のポイント、事例を徹底解説】もあわせて参考にしてください。

出版によって企業イメージが向上した事例

ここでは、企業出版によって企業イメージを高めた事例を3つ紹介します。

  • 出版を機に業界から一目置かれる存在へとイメージが向上した事例
  • 出版をきっかけにブランド価値が向上し、顧客とのつながりを深めた事例
  • 出版を通じて「海外進出支援の専門家」としてポジションを築いた事例

以下で、それぞれの事例について詳しく紹介します。

◉-1、出版を機に業界から一目置かれる存在へとイメージが向上した事例

法人保険を専門とする保険代理店は、自社の強みや経営ノウハウを体系的にまとめた書籍を出版しました。

書籍では、保険業界の「成果報酬型」を「一律報酬型」の給与体系に切り替えることで業績が向上した実例を紹介し、自社の独自性と専門性を明確に示しました。

出版後、業界内での認知度が一気に高まり、新規事業のコンサルティング契約を複数獲得することに成功。

さらに、大手保険会社からの講演依頼や共同マーケティングの打診が増えるなど、業界内で一目置かれる存在へと評価が高まりました。

【事例コラム】大口案件の集客、人材採用、大手企業からの講演依頼!出版ですごいことになった保険代理店

◉-2、出版をきっかけにブランド価値が向上し、顧客とのつながりを深めた事例

女性向けサプリメントを販売するメーカーは、既存顧客との関係強化と新規顧客の獲得を目的に書籍を出版しました。

出版の狙いは、自社の信頼性を高めてファン化を促し、LTV(ライフタイムバリュー)の向上につなげること。

書籍では、代表者自身の経験や健康に対する考え方をまとめ、読者にとって役立つ実用的な内容に仕上げました。

その結果、読者が企業や商品の背景をより深く理解するようになり、購入者のリピート率が向上。

さらに、「書籍無料プレゼント」企画を実施したところ、想定の6倍の応募が寄せられ、多くの新規顧客との接点を創出することにも成功しました。

【事例コラム】”書籍無料プレゼント”に想定の6倍の応募、リピート率アップにインパクト!サプリメントメーカーの出版プロジェクト

◉-3、出版を通じて「海外進出支援の専門家」としてポジションを築いた事例

国際税務を専門とする公認会計士は、事務所開所後、海外勤務で得た実体験をもとに、海外進出企業が陥りやすい失敗をケーススタディ形式で解説した書籍を出版しました。

書籍では、失敗の背景や原因を具体的なストーリーとして描きながら、各ケースごとに企業が直面するリスクや課題、そして効果的な解決策を提示。

これから海外進出を目指す企業が避けるべき落とし穴を、実務目線で分かりやすくまとめています。

その結果、地元紙や全国紙、ラジオ番組からの注目が集まり、メディア露出が大きく増加しました。

書籍を通じて専門性が広く認知され、「海外進出支援の専門家」としてのポジションを確立。

ブランディングとビジネス拡大の両面で大きな成果を上げました。

【事例コラム】出版をきっかけにメディア取材が続々、著名人との対談も実現!”海外進出の第一人者”のポジションを得た公認会計士

【まとめ】企業イメージ戦略の中心に企業出版を位置づけよう!

この記事では、企業イメージを向上させるための基本的な考え方と具体的手法について解説しました。

企業イメージを向上させるためには、信頼を継続的に積み重ねる取り組みが欠かせません。

その中でも企業出版は、社外発信・社内浸透・社会的信頼を同時に高められる強力な手法です。

自社のブランド戦略の中心に企業出版を取り入れることで、持続的な企業イメージの向上が期待できます。

フォーウェイでは、企業出版(ブックマーケティング)サービスを提供しており、多くの企業がブランディング施策として活用しています。

ブックマーケティングサービスでは、企業理念や技術面での専門性、自社の成り立ちなどを含めた総合的な情報発信ができ、信頼性や権威性も高めることが可能です。

企業イメージの向上をお考えの方は、フォーウェイまでご相談ください。