SNS運用のやり方をとことん解説|フォロワーを集めてビジネスに繋げる成功法則とは?

企業SNSを運用したいが、やり方がわからないーーこのように考えるマーケティングや広報の担当者は多いことでしょう。

以前は「個人の遊び」という印象が強かったSNSですが、時代はすっかり変わりました。SNSはビジネスにおけるコミュニケーションの重要な一部分である、という認識が多くの企業に浸透してきたのです。

しかし、企業SNSのアカウントが乱立するなかで、ビジネスにおけるメリットをきちんと獲得できているケースはごく一部と言わざるを得ません。

そこで本記事では、企業SNSの運用を考える方向けに、SNSによってビジネスメリットを実現する「運用のやり方」を解説します。

目次【本記事の内容】

執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)

慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。

■企業のSNS運用とは?

企業にとってSNS運用は、ビジネスの成長に欠かせないものとなっています。

企業のSNS運用は、一言でいえば「ビジネス目的」である点が最大のポイント。個人のアカウントに比べてよりプロフェッショナルで戦略的な運用のやり方が求められます。

個人のSNS運用との違い

個人のSNS運用は、主に自己表現や交流が目的です。もちろんSNSを通じたマネタイズに成功しているインフルエンサーなどの個人はいますが、そうした人たちはビジネス目的の運用という意味で、個人の趣味的なアカウントとは違う種類の運用だと言えるでしょう。

企業のSNS運用は、商品やサービスのプロモーションやブランドイメージの向上など、ビジネス上の目的があります。そのため、やり方としても投稿内容や投稿頻度、ターゲット層など戦略的な視点が求められます。

また、ユーザーに悪印象を与えないようにする気配りも、個人アカウントに比べてより重要になるのです。

SNSマーケティングとの違い

SNSマーケティングは、SNSを活用してマーケティング活動を行うことです。

具体的には、下記のようなやり方があります。

・インフルエンサーマーケティング

・SNS広告運用

・ソーシャルリスニング

・SNSキャンペーン施策の実施

総じて言えることとして、費用を投じたタイミングにだけ効果を発揮し、商品購入や問い合わせなど直接的なリターンを目指すのがSNS運用以外のSNSマーケティングです。広告施策としての色が強い取り組み、とも言い換えられます。

一方でSNS運用はSNSマーケティングのくくりにはありますが、下記のような特徴があります。

・オーガニック投稿として自由度の高い発信が可能

・ユーザーとのコミュニケーションによりファン化を促進できる

・運用をやめたり頻度を鈍らせたりしてもアカウントや過去の投稿は残る

・一度フォローしてもらったユーザーをアカウントの資産として持ち続けられる

・長期にわたる施策の継続がやりやすい

これらの特徴により、長期的なブランディングを目指したりマーケティングの基盤を作ったりといった目的を達成するために適しているのが、SNS運用です。

■SNS運用が重要になっている理由

SNS運用がビジネスにおいて重要になっているトレンドは、データからもわかります。

「ソーシャルメディアマーケティング市場、2023年ついに1兆円を突破の予測【サイバー・バズ/デジタルインファクト調べ】」(https://webtan.impress.co.jp/n/2022/11/11/43642)によると、ソーシャルメディアマーケティングの市場規模は2020年の5,971億円から2022年には9,317億円へと大幅増加。

2027年には1兆8,868億円にまで市場が拡大すると推計されています。

SNS運用はやり方を工夫すれば大きなリターンを得られる一方で、フォロワーを伸ばすためにはどうしても一定の時間が必要です。SNSの市場が伸びていくなかで、早く始めた企業ほど成功に近づくのは間違いありません。

■SNS運用によって得られるメリット

ここで、企業のSNS運用によって得られるメリットを改めて整理しましょう。

大きくいうと、以下のとおりです。

・商品やサービスのプロモーションができる

・自社ターゲット層に直接訴求できる

・顧客とのコミュニケーションを深めることができる

・企業のブランドイメージを向上させることができる

・リアルタイムな情報の発信が可能になる

いずれにも共通するのが、SNS運用によるメリットの発揮とは運用のやり方にかかっている、ということです。

SNSアカウントがあるだけで売上につながるような理想的状況を作るには、狙ったターゲット層のフォロワーをたくさん抱えた「強い」アカウントを作る労力を惜しまないのが、成功事例に共通した特徴です。

■各SNSの特徴と運用のコツ

一言にSNSといっても、種類は様々です。母体となる会社もそれぞれ違います。

SNSの種類によって、やり方や発信すべき内容は異なります。

主要なSNSの特徴について、運用のコツも含めて紹介しましょう。

Instagram

Instagramは、写真や動画を投稿するSNSです。ビジネスにおいては、商品の宣伝やイメージアップに活用されることが多く、特に若い世代に人気があります。

ただ、40代以上の層も利用率は低いものの、実数でいうと若年層に匹敵しており、実は全年齢に向けたアプローチにも使えるSNSがInstagramです。

Instagramの運用のポイントは簡単に以下の通りです。

・ハッシュタグや発見タブによって投稿を検索されやすくする。

・投稿のビジュアルについて方向性を定め、ユーザーに価値を感じてもらえる投稿を一定頻度で続ける。

・ストーリーズ機能を使い、日常的な情報を発信することでフォロワーとのコミュニケーションを深める。

・インスタライブを使い、フォロワーとの関係性をより強化する。

勘違いされがちですが、「発信者のビジュアルが優れていて顔出しできる」「商品の綺麗な宣伝写真がたくさんある」などの要素はInstagram運用で必須ではありません。

「商品のターゲット層が興味を持つノウハウを発信する」「日常風景の投稿でユーザーと距離感を縮める」など企画の方向性によって、あらゆるビジネスでInstagramの強みを発揮できます。

X(旧Twitter)

X(旧Twitter)は、140文字以内(X Premium加入者はそれ以上も可能)の短い文章を投稿することができるSNSです。

主にリアルタイム情報の収集や発信に使われ、特にニュースやトレンドに関する情報が多く取り扱われています。

Xの運用のポイントは以下の通りです。

・アカウントのテーマに沿った自分なりの「情報提供」と「持論」を発信してフォロワーを増やす。

・他のアカウントとコミュニケーションを増やし、タイムライン上の表示優先度を高める。

・他のアカウントをフォローし、フォロー返しを獲得することでフォロワーを増やす。

Xは実名顔出しで運用するアカウントが多く、アカウント同士のコミュニケーションが非常に重視されるカルチャーのSNSです。

企業アカウントとして活用する場合でも、事務的な発信だけでなく「中の人」の人柄が感じられるアカウントが好まれます。

リツイート機能でツイートが大きく拡散される仕様により、投稿が大きくバズる可能性のあるSNSでもあります。

Facebook

Facebookは、世界で最も利用者数の多いSNSの一つです。友達や家族とのコミュニケーションが中心ですが、ビジネスにも活用されることが多く、商品の販売やブランドの発信などに使われます。

Facebookの運用のポイントは以下の通りです。

・定期的にコンテンツを投稿することで、フォロワーの獲得やエンゲージメントの向上を目指す。

・Facebookページを作成し、“いいね”を獲得することで拡散力を高める。

・Facebookグループを作成し、ファンコミュニティを形成することで、ファンとの交流を深める。

Facebookは一定年齢以上の人のビジネス活用においては根強い人気のあるSNSです。

ただ、友達に追加する人数に5000人という制限があるため、つながりをたくさん増やして大きく拡散しようとする運用方針には向きません。

関係性のある相手から自社への認知を維持したり、仕事の相談をもらいやすくしたりする運用がFacebook活用のコツです。

LinkedIn

LinkedInは、ビジネス関係者が集まるSNSです。求人情報やビジネスマッチングなどに使われることが多く、ビジネスユースに特化したSNSであると言えます。

LinkedInの運用のコツは以下のとおりです。

・原則実名登録なので、反感を招くような投稿は避ける。

・他のアカウントと交流し、コミュニティなどにも積極的に参加する。

・ターゲットに対して積極的にDMを送る。

いわゆる営業のためのDMや採用DMは他のSNSだと嫌がられる場合がありますが、LinkedInはビジネスSNSである側面から、他アカウントへの直接アプローチは比較的、受け入れられているのが特徴です。

ただし、大量のスパム送信はLinkedIn側から制限をかけられる危険があります。

丁寧に絞り込んだターゲットアカウントに対し、一通一通、心を込めてDMを送ることが成果の秘訣です。

SNS運用を始める前に決めること5

続いてはSNS運用の実践編です。

SNS運用は、やり方を決めずにとりあえず始めてみても成功率は低いです。

ビジネスにつなげるためには、事前準備がカギを握ります。

事前準備として考えるべき項目は、以下のとおりです。

決めること①運用の目的

SNSを始める前に、まずは運用の目的を明確にすることが必要です。

例えば、ブランド認知度の向上、製品やサービスの販売促進、情報発信や顧客対応など、目的は様々です。

目的に応じて、運用するSNSの種類やコンテンツ、投稿頻度、投稿内容、ターゲット層などが異なるため、運用の目的をはっきりと決めてから取り組むことが重要です。

気をつけたいのが、「運用目的は売上に決まっているでしょ」と単純に決めてしまうこと。SNS運用は短期的な売上効果だけでなく、ブランディング効果やファンユーザーの獲得など様々な尺度での効果を視野に入れる必要があります。

長期的にアカウントを育てる施策だけに、短期の集客では広告施策より数値が劣る場合が多く、運用目的を売上だけと定めてしまうとスムーズな運用が進まない危険性が高いのです。

短期で何を目的にするのか、中期〜長期で何を目指すのか……など、細かく設計するのが成功するコツです。

▼SNS運用の目的設定については、過去コラム『SNS運用で大切な「目的設定」とは?運用効果を最大化する秘訣を徹底解説』で解説しているので、こちらもご参照ください。

決めること②運用体制

SNS運用では、運用担当者やチームの体制を整えることも大切です。

運用にあたっては、誰が投稿するのか、どのようなスケジュールで投稿するのか、コメントやメッセージの返信は誰が担当するのか、といったことを明確にしておく必要があります。

また、社内で運用する場合は、社員の研修やマニュアル作成なども必要かもしれません。

会社としてSNS運用に取り組むときの体制で重要なのは、組織として担当者をフォローアップして運用を管理する仕組みをつくることです。

社内の担当者はほとんどの場合、SNSのプロではありません。「いい感じにやっておいてくれ」と丸投げして放置していると、運用の目的が達成できないどころか投稿やアクション自体が止まってしまうケースも珍しくありません。

自社の貴重なリソースを使って、徒労に終わらないように気をつけましょう。

決めること③アカウントの方向性

SNSアカウントの方向性についても、事前に決めておくことが重要です。

たとえば、ファッションブランドのアカウントであれば、コーディネートの紹介や新作アイテムの情報を発信することが求められます。

一方で、医療機関のアカウントであれば、健康情報や病気の予防・治療についての情報提供がいいかもしれません。アカウントの方向性を明確にしておくことで、フォロワーの期待に応えることができ、効果的な運用が可能になります。

例えばSNS運用の代行を請け負うプロであれば、クライアントへのヒアリングをもとにペルソナシートやアカウント構成シートといった資料を作成します。

ターゲット層や運用目的に合わせてデザインのトンマナから投稿文体まで細かく設定し、ブレない運用を実現するのです。

決めること④ターゲット層

SNSを利用するユーザーは、それぞれ年齢層や性別、興味関心、ライフスタイルなどが異なります。運用するアカウントのターゲット層を明確にし、その層に合った投稿やコンテンツを提供することが必要です。

また、ターゲット層に応じて、運用するSNSや投稿する時間帯、投稿内容、コンテンツの種類なども変わってきます。

このターゲット設定は、「30代以上の女性」など大まかすぎるくくりではあまり意味がありません。

よくマーケティングで使われる「ペルソナ(代表的なターゲット像の架空のプロフィール)」を設定するのも効果的でしょう。

誰か一人に深く刺さるコンテンツは他の人にも刺さる、というのがSNS運用の原則です。

決めること⑤具体的なタスクとスケジュール

SNSの運用においては、具体的なタスクとスケジュールを決めておくことが大切です。どのようなコンテンツを、どのようなタイミングで発信するのかを明確にすることで、運用がスムーズに行われます。

また、週次や月次での運用の報告や評価を行い、必要に応じて改善を行うことも大切です。

コツとしては、とにかく曖昧さを残さないこと。「ネタがあるときに投稿する」「なるべく他のアカウントに“いいね”する」といったルール設定でなく明確に行動目標を決めましょう。

実際ちゃんとやってみると担当者にかなりの負担がかかりますが、強いアカウントを育てるにはそれなりの努力が必要です。

SNS運用の効果測定と運用改善

続いて、運用開始後のやり方についてです。

「SNS運用の効果はどのように測定して改善したらいいの?」と思われる方も多いかもしれません。

たとえば、計測指標には下記が考えられます。

・フォロワー数

・リーチ数

・エンゲージメント数(「いいね!」やコメント数など)

・コンバージョン数(集客数、商品の売上数など)

計測すべき指標は、運用目的やどのSNSを用いるかによって変わってきます。

たとえば対面アポイントの獲得を目標にする運用なら、DMのうちのアポイント率が指標になるでしょう。改善項目としては普段の投稿の質よりも、アカウントの信頼性を高めるためのフォロワー増やDM文面の改善などの優先順位が高くなります。

おすすめとして、ある程度フォロワーが増えるまではフォロワー数だけをKPIにするのが良いでしょう。

SNS運用による効果の多くは、ある程度フォロワーがいないと発揮されにくいためです。管理をシンプルにすることで運用もスムーズになります。

■SNS運用のよくある失敗例3パターン

続いてSNS運用において、よくある失敗例を3パターン、紹介します。

どれも本当に多いので、失敗の典型例に当てはまらないよう注意して運用しましょう。

失敗例①フォロワー数が増えない

思うようにフォロワーが伸びないのは、SNS運用で最もよくある失敗ケースです。

理由として、たとえば下記が考えられます。

・投稿頻度が低い

多くのSNSは、自アカウントの投稿が他のユーザーのタイムラインに表示されることでフォローが発生します。

したがって、投稿が少なければどんなにアカウントを作り込んでいてもフォロワーが増えるチャンスはほとんどありません。

最低でもInstagramなら週3回、Xなら1日1回は投稿が必要です。

・他アカウントとのコミュニケーション不足

「いいね」や「コメント」など他のアカウントに対して自分からアクションするのも、フォロワーを増やすためには重要です。ここを怠るとフォロワーはほとんど増えません。

ただし、アクションする先のアカウントの選定にもコツがあります。リアクションを返してくれそうなアカウントや信頼度の高いアカウントの共通点を見出し、適切な相手に対してコミュニケーションを取る必要があります。

失敗例②運用が止まってしまう

前述したように、SNS運用がストップしてしまう失敗事例はとても多いです。

その理由のほとんどは、はっきり方針を決めずに担当者に丸投げしたきり管理しない運用体制にあります。

投稿スケジュールの明確な設定と投稿物の確認、定例の確認ミーティングなどは組織内で必ず行いましょう。

また、「売上につながっていないからものすごくクオリティの高い投稿をしなきゃ」など、成果を焦って答えのない課題を設定してしまうのも投稿ストップの原因になります。

SNSは定期的にコンテンツを発信して自アカウントにあった運用のやり方を探っていくプロセスがとても重要です。むやみにクオリティにこだわるよりも継続的な運用を重視しましょう。

失敗例③運用の方向性が迷走する

SNSの運用は、アカウントの方向性を守ることがとても重要です。

失敗例②に近いですが、成果を焦って方向性の切り替えを連発し、コンセプトのよくわからないアカウントになってしまうのもよくある失敗パターンです。

どんな方向性を試してみても、運用初期に一つの投稿でわかりやすい効果が発揮されることはなかなかありません。

まずは運用開始前のコンセプト設計を細かく行い、決めた方向性に則って腰を据えて取り組みましょう。そうすれば長期的な成果に高い確率でつながります。

■SNSの炎上を防ぐ対応策4選

SNS運用において、炎上を気にする方は多いかもしれません。

企業のSNS活用が普及するにあたって、炎上してしまった事例も多く聞かれるようになりました。

そこで以下に、SNSの炎上を防ぐための対応策を紹介します。

炎上防止策①投稿ガイドラインの策定

SNS運用を始める前に、社内でSNSマニュアルを策定しましょう。

このマニュアルには、発信内容のチェックや、危険な発言を行わないようにするためのガイドラインなどが含まれています。

ガイドラインを設定する際には、ぜひSNS慣れした若いスタッフの力を借りてください。普段からSNSに慣れ親しんだ人間であれば、それぞれのSNSにおけるマナーを感覚で理解しています。

若いスタッフにたたき台をつくってもらったうえで、広報やリスク管理担当などプロの目で見てブラッシュアップする進め方がおすすめです。

炎上防止策②対応ガイドラインの共有

もしも炎上騒ぎが起こってしまった場合には、迅速かつ的確な対応が必要です。SNS上でのトラブルの拡散を防ぐために、炎上した場合には速やかに謝罪し、原因究明を行いましょう。

ただし、SNS運用に慣れていない企業が担当者任せにする体制は危険です。機転をきかせたつもりが火に油を注いでしまう可能性もあります。

投稿物だけでなく、炎上懸念がある場合の対応についても社内でガイドラインを設定し、フローを明確にするのがおすすめです。

弁護士やPR会社などの外部専門家にリアルタイムで相談できる体制を構築しておくのも効果的でしょう。

炎上防止策③投稿監視体制の整備

SNS上でのトラブルを未然に防ぐためには、定期的にSNSのコンテンツを監視し、問題のあるコメントや投稿に対して迅速に対応することが必要です。

また、不適切なコメントや投稿があった場合には、速やかに削除し、投稿者に対して注意喚起を行う必要があります。

投稿の監視には、「上司が毎日11時にチェック」「広報が朝礼でチェック」など、担当者ではなく第三者的な目線でチェックを入れる決まりごとを作っておきましょう。

社内リソース的に難しければアルバイト数人でチェックする体制でも、一般的な目線による第三者チェックは入れられます。

炎上防止策④炎上事例の社内共有

SNSの炎上を防ぐのにもっとも大事なのは、抽象的ながら社内のリテラシーです。

関係者の知識を増やし教育をしていくのが、時間はかかりますが炎上を防ぐために最も有効な施策です。

そこで、日々SNS上の炎上情報をウォッチし、社内で定期的に共有、ポイントを話し合う機会を設けましょう。

特に自社と業種や運用目的の近いアカウントが炎上してしまった事例は、貴重な学習材料になります。

■SNS運用で一番大切なポイントとは?

ここまで、SNS運用のノウハウについて述べてきました。

では、SNS運用において最も大事なポイントとは、なんなのでしょうか?

それは、「投稿コンテンツ」です。

他アカウントとのコミュニケーションや、広告・キャンペーンとの併用もビジネスで成果を出すためには有効ですが、これらは要領がわかれば競合他社でも実行可能です。

しかし、自アカウントならではの良質な投稿は、決して差別化のできないコンテンツになります。良質なコンテンツでフォロワーを獲得すれば、ファン顧客という得がたい財産になるでしょう。

濃いファンを直接自社の側から取りにいけるのは、企業のSNS運用がもつ最大の魅力だといえます。

いわば雑誌などのメディア編集者になったつもりで、ユーザーにとって価値のあるコンテンツを定期的に発信するのが、SNS運用の極意です。

■外注の運用パートナーは入れるべきか

SNS運用を外注化するかどうかは、企業の状況や目的によって異なります。

外注するメリットとしては、運用に必要な人材をスピーディに確保できることや、専門的なノウハウを持った運用パートナーを活用できることが挙げられます。

一つの考え方として、「人手が足りない」「アカウントを育てるのにそこまで長い期間をかけられない」という課題がある場合、外注を検討することがおすすめです。

ここまで述べたように、SNS運用をきちんとやると担当者にも組織にも意外に手間がかかります。

社員一人がほとんど張り付きになっている会社も多いです。

そうなると、人件費的にSNS運用会社に頼んだほうが安くつく場合も考えられます。

また、外注先は当然ノウハウを持っているため、プロの運用によって最短経路でアカウントを育ててくれるのは大きなポイントでしょう。特に投稿コンテンツの企画は、一般企業のリソースではなかなか難しい場合も多いです。

ゼロの状態から探り探りでSNS運用をスタートすると、継続できても成果が出るのは数年後といったケースが少なくありません。その時間を短縮して成果を確実にする選択肢として、外注を活用するのはおすすめです。

■SNS運用に関するおすすめ書籍4選

最後に、企業のSNS運用者にとって役に立つおすすめ書籍を4冊、紹介しましょう。

『平均4.2カ月で1万フォロワーを実現する プロ目線のインスタ運用法』石川侑輝 (著)

Version 1.0.0

アカウントの設定方法からフォロワーが増えやすいプロフィールの書き方、投稿内容の考え方などわかりやすくまとまった一冊。2022年7月出版と比較的、新しいのもポイントです。

SNS界隈は非常に変化の激しい業界なので、なるべく新しくて売れている本から情報収集するのがコツです。

『世界一やさしい Twitter集客・運用の教科書 1年生』岳野めぐみ (著)

Twitter(現X)のビジネス活用についての書籍です。

Twitterは日本で浸透した歴史が古く、多くのユーザーを獲得しています。基本的に短文を投稿するのみのシンプルな仕様ですが、ビジネスに繋げるのにはちょっとしたノウハウが必要です。

本書なら、Twitterで集客したい方の入門書としておすすめです。

『LinkedIn(リンクトイン)活用大全 情報発信、起業、転職、人脈…ビジネスで一番使えるSNS』松本 淳 (著)

まだ日本にはほとんどない、LinkedInのビジネス活用についての書籍です。

実際にLinkedInを数多くのビジネスに繋げたLinkedInインフルエンサーによる執筆で、LinkedInの基本知識からアカウント設定の方法まで具体的に述べられています。

これからLinkedInを始める方にはぜひ読んでほしい一冊です。

『【超完全版】YouTube大全 6ヶ月でチャンネル登録者数を10万人にする方法』小山 竜央 (著)

今回のコラムで個別には扱いませんでしたが、YouTubeもコンテンツによって視聴回数やチャンネル登録を増やすという意味では、運用の性質がSNSにとても近いツールです。

こちらの書籍では、実際に10万登録を超えるチャンネルを多数作り出してきたマーケターがYouTube運用を徹底的に解説しています。

特にユーザー受けするコンテンツの考え方は本質的で、YouTubeだけでなく他のSNSやコラム記事などあらゆる媒体にノウハウを転用できます。

■まとめ

以上、ビジネスに繋がるSNS運用について述べました。

ビジネスコミュニケーションにおけるSNSの重要性が高まっている昨今、とにかくやらなきゃ!と考える企業は多いです。

ただし、SNS活用はやり方次第な部分がとても多いです。

それぞれのSNSの特徴を理解し、運用の方針をしっかりと定め、戦略的なSNS運用をスタートさせましょう。

 

少子化の進行によって18歳人口が急速に減少しており、いかに多くの学生を確保するかが大きな課題となっている大学が増えています。

そんな苦境に立たされている大学の情報発信の媒体として、特に重要なのがパンフレットです。

今回は、高校生や進学希望者の興味を惹き、入学者を増やすという成果を達成するための大学パンフレットを作るポイントや効果的な活用方法について詳しく解説いたします。

目次【本記事の内容】

執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)
画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 29d5ead1ee41a6d25524876e7bd315d5-scaled.jpg
慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。

◉大学のPR・プロモーションにパンフレットが有効な理由

高校生や大学への進学希望者は、最もスマホやSNSなどに慣れ親しんできたデジタルネイティブな世代です。

しかし、大学のPR・プロモーションには依然として紙媒体のパンフレットが有効です。

一体なぜでしょうか。

2023年2月にマイナビ進学総合研究所が行った「学校案内・パンフレットや学校公式WEBサイト等に関する高校生の意識調査」では、大学が高校生に対して行ったいくつかの広報手段に関して、高校生が志望校を検討する際にどの程度影響したかを調べており、次表のような結果が得られています。

広報手段「強く影響した」と「少し影響した」の合計割合「全く影響しなかった」と「あまり影響しなかった」の合計割合
学校案内・パンフレット82.8%8.3%
学校公式WEBサイト79.6%9.5%
入試要項・募集要項76.6%8.8%
オープンキャンパス(リアル形式)60.5%21.8%
学校のSNS36.3%37.3%
オープンキャンパス(オンライン形式)31.0%38.1%

影響度が最も高かったのは「学校案内・パンフレット」の82.8%、2番目が「学校公式WEBサイト」の79.6%に対して、最も低かったのは「オープンキャンパス(オンライン形式)」の31.0%、次は「学校のSNS」の36.3%という結果でした。

紙媒体の「学校案内・パンフレット」が最も影響度が高く、デジタル技術を活用した「オープンキャンパス(オンライン形式)」や「学校のSNS」の影響度が低いという予想外の結果が得られています。

「学校案内・パンフレット」の影響度が最も高かった理由として挙げられているのが「読みやすさ、比べやすさ」です。

つまり、複数の志望校同士を比較する際には、紙媒体の「学校案内・パンフレット」を並べて見ながら比較検討するということが考えられます。

また、「学校全体の特色・取り組み」や「興味のあった学部・学科」の情報は、「学校公式WEBサイト」よりも「学校案内・パンフレット」の方が参考になったという意見が多いなど、紙媒体の方が大学生活のイメージが伝わりやすいことが分かります。

このように、スマホやPCを使い慣れた世代の高校生であっても、大学選びの際にはデジタル媒体よりも紙媒体のパンフレットを重視する傾向があるということは注目すべきことだと言えるでしょう。

◉進学希望者の興味を惹く大学パンフレットを作るポイント

前述の調査から、高校生は大学選びの際にはパンフレットを重視することが分かりましたが、高校生や進学希望者の興味を惹く大学パンフレットを作るためにはどのようなことに注意すべきなのでしょうか。

具体的には、次の7つのポイントを押さえてパンフレット制作を検討しましょう。

・学部や学科など自校の特色を明確にする
・就職に有利など、将来性をアピールする
・キャンパスライフがリアルに想像できるような写真を多く使う
・説明を詰め込みすぎない
・WebサイトやSNSへの導線をしっかりと入れ込む
・入学したくなる表紙のデザインにする
・制作後の配布やマーケティングも見据えた内容にする

以下では、それぞれについて詳しく解説していきます。

◉-1、学部や学科など自校の特色を明確にする

リクルート進学総研が、2009年と2022年に行った「学校選択重視項目ランキング」によれば、高校生や進学希望者が進学先を決定するために重視する項目について次表のような項目が上位に挙がっています。

<変わらない重視項目>高校生や進学希望者が時代変化にかかわらず重視する項目学びたい学部・学科がある
校風や雰囲気が良い
自分の興味や可能性が広げられる
自宅から通える
キャンパスがきれいである

この「変わらない重視項目」からは、「学びたい学部や学科がある」や「自分の興味や可能性が広げられる」という当然の項目が見られるほか、「校風や雰囲気が良い」「自宅から通える」「キャンパスがきれいである」という環境に関する項目があがっているのが分かります。

また、2009年と2022年を比較して伸び率が高かったのは、次表のような項目です。

<変化した重視項目>高校生や進学希望者が進路環境変化に伴い、より重視するようになった項目教育内容のレベルが高いこと
学生の学力が高いこと
教育方針・カリキュラムが魅力的
入試方法が自分に合っている
規模が大きい

この「変化した重視項目」からは、「教育レベルの高さ」や「学力の高さ」など学びの内容を重視する傾向が増えていることが分かります。

これらの調査結果から、パンフレットの中で、学部や学科の特徴、校風や雰囲気、教育レベルの高さなど「うちの大学ならでは」の独自性のある特色をしっかりと打ち出していくことが重要だということが分かります。

多くの大学の中に埋もれないためにも、自校の特色を明確にしてパンフレットに積極的に記載していきましょう。

◉-2、就職に有利など、将来性をアピールする

前述した、リクルート進学総研の「学校選択重視項目ランキング」によれば、2009年も2022年も、文系の3位、理系の2位にランキングされた項目は「就職に有利である」でした。

つまり、多くの高校生や進学希望者が「就職」や「将来」を見据えて大学を選んでいると考えられます。

この調査結果から、「卒業後の進路がスムーズに決まるのか」「良いところに就職ができるのか」「就職に関するサポートはあるのか」など、将来の安心感を醸成する内容を、しっかりとパンフレットに記載しておくことが重要だと言えるでしょう。

◉-3、キャンパスライフがリアルに想像できるような写真を多く使う

前述した、リクルート進学総研の「学校選択重視項目ランキング」によれば、高校生が進学先を決定するために重視する項目として、「校風や雰囲気が良い」が挙げられており、文系では「キャンパスがきれいである」、理系では「学習設備や環境が整っている」などが上位に挙がっています。

これは、「良い雰囲気や環境のきれいなキャンパスの大学に進学したい」ということを表していると考えられるため、パンフレットでもこの点をアピールしていきましょう。

具体的には入学後のキャンパスライフが想像できるようなキャンパス、教室、学食、その他の設備などの写真を効果的に掲載するなどが有効です。

◉-4、説明を詰め込みすぎない

大学パンフレットだけに限ったことではありませんが、パンフレットには説明を詰め込み過ぎないようにすることが大切です。

特に、高校生や進学希望者などの若い世代はそれほど文章を読まない世代です。

写真やイラストなどを分かりやすく配置して、キャッチーな項目を厳選して入れ込むことが重要です。

文章だけが並んだパンフレットだと、せっかく手に取ってくれたとしても読まれなくなってしまうので、その点には注意しましょう。

大学側が伝えたい情報というよりは、学生側が欲しい情報を分かりやすく入れるようにすることが大切です。

必要に応じてプロを入れて「本当にこの情報は学生に必要なのか?」などの情報精査を客観的に行なっていくのがおすすめです。

◉-5、WebサイトやSNSへの導線をしっかりと入れ込む

前述した、マイナビ進学総合研究所「学校案内・パンフレットや学校公式WEBサイト等に関する高校生の意識調査」によれば、「Webサイトを見てから資料請求をする」パターンと「パンフレットを見てからWebサイトを見る」というパターンがあることが分かっています。

具体的には「学校案内・パンフレット」を見てから公式Webサイトを見に行ったのは53.1%、逆に公式Webサイトを見てから「学校案内・パンフレット」を見たのは48.1%となっています。

つまり、わずかな差ではありますが、「パンフレットを見てからWebサイトを見る」パターンの方が多くなっているのです。

このことから、パンフレットを見た学生がWebサイトにスムーズに移動できるようにWebサイトのQRコードやURLをしっかりと記載しておくなど導線をしっかりと入れ込んでおくことが重要であると言えます。

また、質問が気軽にできるようにLINE公式などのSNSアカウントの情報などを掲載して、それを見た高校生や進学希望者が気軽に次のアクションに起こせるような仕組みを入れ込むことも重要です。

◉-6、入学したくなる表紙のデザインにする

高校生や進学希望者がパンフレットを手に取ったときに真っ先に目に入ってくるのが表紙です。

表紙のデザインはパンフレットの顔ともいえる部分で、大学らしさを一番伝える部分なので、高校生や進学希望者に「この学校に入学したい」という気持ちを起こさせるようにする必要があります。

大学のイメージや雰囲気、PRしたいことなどがうまく伝わるようなデザインにしましょう。

大学によってイメージカラーを持っている場合は、その色をベースにパンフレット全体のデザインや構成などを考えます。

また、大学の魅力がうまく伝わるようなキャッチコピーを入れたり、大学の特徴が分かるような写真やイラストを入れたりすることも効果的です。

◉-7、制作後の配布やマーケティングも見据えた内容にする

「パンフレットを作ってみたものの、期待した成果や反響が得られない」という悩みの主な原因は「ただ単にパンフレットを作ってしまった」ということがほとんどです。

そうならないためにも、パンフレット制作後に、「どこで」「どれぐらいの量を」「どうやって配布するのか」などの活用方法を事前に見据えて制作することが重要です。

パンフレットを「確実に高校生や進学希望者に届けて」「入学したいという気にさせるにはどうすれば良いのか」というマーケティング視点を入れて、パンフレットに掲載する情報の整理や設計を行いましょう。

◉より成果につなげる大学パンフレットの活用方法

「入学者を増やす」という成果につなげるためには、ただパンフレットを作って今までのように配っているだけでは不十分です。

次のようなポイントを押さえた上で、いかにターゲットである学生にパンフレットを届けるか、活用方法を積極的に検討し、実践していきましょう。

・デジタルマーケティングと連携してターゲットに効果的に配布する
・PDF化してWeb上でも配布する
・配布場所、タイミングはしっかりと検討する

それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。

◉-1、デジタルマーケティングと連携してターゲットに効果的に配布する

WebサイトやSNSなどのデジタルマーケティングを活用し、うまく資料請求につなげることも可能です。

たとえば、SNSで大学のリアルな情報を発信して資料請求につなげたり、LINE公式などを立ち上げて若者の質問などに対応しつつ資料請求につなげたり、さまざまな連携が考えられます。

また、紙媒体のパンフレットの一部を活用してSEO記事を投稿し、検索流入を増やして資料請求につなげていくなども可能です。

特に、高校生や進学希望者はデジタルネイティブ世代なので、デジタルと連携した情報発信は必要不可欠です。

デジタルマーケティングとの組み合わせによって、より多くのターゲットに配布できないかを検討してみましょう。

◉-2、PDF化してWeb上でも配布する

パンフレットは紙媒体だけではなく、PDF化して配布することも検討しましょう。

たとえば、公式Webから資料請求したら、PDF資料としてダウンロードできるようにしておく、などです。

◉-3、配布場所、タイミングはしっかりと検討する

パンフレットの配布場所や配布方法、タイミングはしっかりと検討しておく必要があります。

たとえば、対象となる高校3年生が在学している高校に、進路希望が決まる数ヶ月前のタイミングに配布しておく、などです。

その際に、過去の入学実績の多い高校には多めのパンフレットを送付することなども検討する必要があります。

また、高校以外にも、大学入試予備校や図書館、自習室、スポーツクラブ、などターゲットとなる学生が集う場所への配布も有効です。

各施設の責任者に事前相談して置いてもらうようにしましょう。

また、大学入試ポータルサイトに資料請求をするケースもあります。

進学希望者の手に確実に渡るようにポータルサイト運営者側と連携したり、パンフレットを素早く送付できるように手配しておきましょう。

◉【まとめ】成果につなげるパンフレット制作はプロに依頼しよう!

本記事では、高校生や進学希望者の興味を惹いて入学者を増やすという成果を達成するための大学パンフレットを作るポイントや効果的な活用方法について詳しく解説しました。

今回ご紹介したマイナビ進学総合研究所やリクルート進学総研の調査結果などのように、公表されている統計・調査結果などを見るなど、とにかくターゲットがどのような情報をどのように得て、どのように見ているのかなどを想像してパンフレットは制作していく必要があります。

また、ただいい感じに作るのではなく、配布先や活用方法などマーケティングも見据えた上で作らないと成果になかなかつながりません。

もし「今現在のパンフレットでの成果に満足していない」「成果を出せるようなパンフレット制作をしたい」とお考えの方は、ぜひフォーウェイまでご相談ください。

フォーウェイでは、書籍やパンフレットなど、ユーザー目線でのコンテンツ制作はもちろんのこと、それをどのように活用すればターゲットに効果的に訴求ができるのか、というコンテンツマーケティングを主業務として行なっております。

まずは、お気軽にお悩みをお聞かせください。

パンフレット

病院もこれからの時代はいかに多くの人に認知してもらって、多くの病院の中から選んでもらえるように、積極的な情報発信を行っていく必要があります。

そのための手段の1つがパンフレットです。

パンフレットを作るにはそれなりのお金や手間がかかるのですから、しっかりとした認知や信頼の獲得、人材の確保などの成果につながるものにすべきです。

今回は、このような成果にこだわった病院パンフレット作りのポイントや効果的な活用方法について詳しく解説いたします。

目次【本記事の内容】

執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)
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慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。

◉病院のプロモーションにパンフレットが有効な理由

病院のプロモーションにパンフレットが有効な理由は、主に次の2点です。

・パンフレットには紙媒体ならではの安心感
・信頼感がある
・パンフレットを見るのはネットに不慣れな高齢者が多い

各理由について詳しく見ていきましょう。

◉-1、パンフレットには紙媒体ならではの安心感・信頼感がある

病院のプロモーションは、一般的な企業の商品やサービスのプロモーションとは異なります。

なぜなら、病院にとっては「ここなら自分の体を預けられる」と感じられる安心感や、「ここなら質の高い治療が受けられる」という信頼感を持ってもらえることが重要だからです。

紙媒体のパンフレットは、物理的に手に取って読むことができるため、HPやSNSなどのデジタル情報と比べて安心感や信頼感を与えることができます。

近年、一般的にはデジタル技術によるプロモーションが優先される傾向がありますが、病院のプロモーションにおいては紙媒体のパンフレットも有効なのです。

◉-2、パンフレットを見るのはネットに不慣れな高齢者が多い

厚生労働省が公表している「平成19年国民生活基礎調査の概況」に示されているように、病院を利用する方の多くは高齢者です。

この調査によれば、病院全体では人口千人当たりの通院者率は333.6ですが、これを年齢階級別に分けると、「15~24歳」の通院者率が119.4で最も低く、年齢階級が高くなるに従って高くなり「75~84歳」の通院者率は692.4となっています。

つまり、病院に通院する方の多くは高齢者で、ネットに不慣れな方が多いため、紙媒体のパンフレットの方が向いているということが言えるのです。

紙媒体の病院パンフレットを制作して、このような高齢者のターゲットにアプローチすれば、高いプロモーション効果が得られると考えられます。

◉病院パンフレットは主に3種類

病院パンフレットは、制作する目的によって大きく次の3つに分けることができます。

・診療案内パンフレット
・病院案内パンフレット
・採用パンフレット

制作するパンフレットが、この中のどれに該当するかで掲載すべき内容や構成が変わってきます。

◉-1、診療案内パンフレット

どのような診療を行っているのかを紹介するパンフレットで、病院パンフレットの中では最も一般的なものです。

病院が掲げている診療方針や、治療を行っている診療科目の種類、診療時間、担当医師、導入している医療機器などについて、主に患者さまやそのご家族向けに紹介する内容になっています。

診療案内パンフレットを制作する際に心に留めておかなければならないのは、患者さまやご家族が必要しているのは、「最新の医療機器」ではなく「安心できる治療」だということです。

そのため、導入医療機器を羅列するだけではなく、「その医療機器を使ってどのような治療が行えるのか」ということを主に説明した方が良いでしょう。

その他にも、患者さまやご家族が知りたいと思うことはしっかり盛り込みましょう。

たとえば、病院の所在地やアクセス、駐車場の有無、入院設備のある病院の場合はその内容についても紹介した方が良いでしょう。

※後述しますが、院内のみで配る「診療案内パンフレット」の場合は医療広告ガイドライン上は「医療広告」に該当しないため、規制の対象外になります。

◉-2、病院案内パンフレット

病院の沿革や理念、治療方針などを総合的に紹介するパンフレットです。

病院案内パンフレットは、病院のブランディングを目的としたパンフレットと言うこともできるので、「その病院らしさ」や「こだわりポイント」などが見る人に伝わるように工夫しましょう。

パンフレットを手にとる患者さまやご家族、医療関係者に安心感を与えて、病院の魅力をよりアピールするブランディングツールになります。

病院案内パンフレットは、患者さまやご家族のほかに、就活生などの就職希望者も見るものなので、前述の診療案内パンフレットに含まれる診療方針や診療科目などの情報が掲載されることもあります。

◉-3、採用パンフレット

病院で働く看護師や保健師、薬剤師などの医療スタッフや職員の採用を目的としたパンフレットです。

採用パンフレットは、就活生や就職希望者に対して、「その病院で働く魅力」を伝えるものなので、基本的な情報や募集要項はもちろん、運営理念や治療方針、教育プログラム、キャリアパス、労働環境などを紹介する内容にしましょう。

また、それぞれの現場の写真を掲載したり、先輩スタッフのインタビューを載せたり、看護師や保健師、薬剤師などが実際の現場で働くイメージが分かるように工夫することが大切です。

就職後のミスマッチを減らすためにも、できる限り詳しい情報を掲載した方が良いため、患者さま向けのパンフレットとは違い、必要に応じて専門用語などを使って説明することも検討しましょう。

※後述しますが、医療機関の人材採用目的で配る「採用パンフレット」の場合は医療広告ガイドライン上は「医療広告」に該当しないため、規制の対象外になります。

◉-3-1、採用目的の広告が病院のプロモーションにもなる場合がある

採用目的のパンフレットではありますが、病院の存在を外向けに知ってもらうという副次的な病院の広告効果も見込めます。

たとえば、地元紙に折り込みのスタッフ広告を出した結果、来院数が増えたという事例も実際にあります。

もちろんあくまで「採用」が目的なのですが、こういった副次的な効果もあるということを知って起きましょう。

◉信頼獲得につながる病院パンフレットを作るポイント

病院パンフレットは、公益性の高さから一般の企業のように「集客」や「成果」という観点が薄くなってしまいがちですが、病院も一種のビジネスです。

お金を出す以上、「多くの患者さまに選ばれる」「採用候補者が多く集まる」など、成果につながるようなパンフレットを制作していきましょう。

信頼感や安心感を伝え、多くの人に選ばれるなどの成果をつなげるためには、各種の情報を綺麗にパンフレットに掲載するだけでは不十分です。

次に挙げるポイントを押さえて明確な戦略と目的を持って作る必要があります。

・厚生労働省の「医療広告ガイドライン」を遵守する
・「いつ」「誰に」「何を目的に」配るパンフレットなのかを明確にする
・安心感・信頼感を得られるデザインにする
・情報を詰め込みすぎないようにする
・WebサイトやSNSヘの導線を入れ込む
・作成後の配布やマーケティング活用も見据えた上で制作する

それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。

◉-1、厚生労働省の「医療広告ガイドライン」を遵守する

病院内でのみ配布されるパンフレット、職員の採用に関するパンフレット以外は基本的に「医療広告」に該当するため、医療広告ガイドラインの遵守が必要不可欠です。

6 通常、医療に関する広告とは見なされないものの具体例
(1) 学術論文、学術発表等
(2) 新聞や雑誌等での記事
(3) 患者等が自ら掲載する体験談、手記等
(4) 院内掲示、院内で配布するパンフレット等
(5) 医療機関の職員募集に関する広告

引用元:厚生労働省「医療広告ガイドライン」

医療広告ガイドラインでは、主に次のような広告表現を禁止しています。

パンフレットに病院のWebサイトなどに、QRコードや気軽にお問い合わせができるような導線をつけること自体は問題ありませんが、「ご来院ください」「お問い合わせください」のように誘う文句などを入れるとガイドラインに違反する可能性があります。

「誘引性(患者の受診等を誘引する意図がある)」のある表現などには十分配慮して制作を行いましょう。

まずはきちんと国のルールに則って制作をすることが信頼獲得の大前提となります。

◉-2、「いつ」「誰に」「何を目的に」配るパンフレットなのかを明確にする

病院パンフレットに限ったことではありませんが、「いつ」「誰に」「何を目的に」配るパンフレットなのかを明確にする必要があります。

病院パンフレットには、前述のように主に「診療案内パンフレット」「病院案内パンフレット」「採用パンフレット」の3種類があります。

まず最初にどのパンフレットを作るのかをはっきりさせましょう。

なぜなら、どの種類のパンフレットを制作するのかによって「いつ」「誰に」「何を目的に」が変わってくるからです。

◉-3、安心感・信頼感を得られるデザインにする

病院パンフレットは、安心感や信頼感が得られるようなデザインにすることが基本です。

この点が企業のパンフレットと大きく異なる点です。

患者さま向けのパンフレットであれば、ターゲットは子供から高齢者まで幅広い年代の方が対象になるので、誰にでも分かりやすく親しみのあるイメージになるようにします。

パンフレットで使用するフォントは、高齢者でも読みやすいように大きめのものを選択しましょう。

同様に、写真や図表なども分かりやすさを基本に考えましょう。

また、病院内の清潔感のある写真を掲載したり、優しいイメージの色遣いになるように意識することも大切です。

病院と言っても、地域密着のクリニックから皮膚科・眼科・耳鼻咽喉科などのような専門病院、複数の診療科目を扱う総合病院、先端医療を取り扱う大学病院など様々な医療機関があります。

いずれも安心感や信頼感を与えるようなデザインにすることが重要ですが、それぞれの病院の特徴を表すような独自性のあるデザインを考慮することも必要です。

なお、デザインや色遣いに関して注意すべき点は、清潔感を出すために「クリーン」なイメージを持たせようとして、結果的に「クール」な冷たいイメージになってしまっている例があるということです。

無駄なものを省きすぎたり、寒色系の色合いを多く使った「クール」なパンフレットは、冷たいイメージを与えかねません。

温かみを感じさせるような「ハートフル」な暖色系の色使いが、病院パンフレットには相応しいと考えられます。

◉-4、情報を詰め込みすぎないようにする

病院目線でパンフレットを作ると「これも入れておいた方が良い」などと情報を詰め込み過ぎたり、専門用語を使ってしまったり、一般の患者さまやそのご家族には意味が分かりにくいものになってしまいがちです。

病院は子どもから高齢者まで幅広い年代の方が利用する場所ですから、「難しい漢字を利用しない」「漢字にフリガナを付ける」「読みやすい大きさの文字を使う」など利用者目線のパンフレットになるようにすることが大切です。

「診療案内パンフレット」や「病院案内パンフレット」のような患者さまやそのご家族向けのパンフレットにはターゲットが必要としている情報を厳選して掲載するようにしましょう。

一方で、「採用パンフレット」の場合は、対象者が医療関係者ということもあり、ある程度の専門性を訴求するような内容になります。

患者さまやそのご家族向けとは違い、専門的な情報は入れつつも、やはり情報は詰め込み過ぎないように心がけましょう。

いずれの場合も、第三者のプロの目線を入れて情報を整理して制作した方が、「患者さまやそのご家族にこの情報は必要だろうか?」という病院以外の視点で情報を精査できるという点でおすすめです。

◉-4-1、Webサイトなどへの導線を入れ込む

前述のように、パンフレットに掲載する情報は厳選して最小限にすべきですが、パンフレットで説明しきれなかった詳細な内容については、Webサイトなどで見てもらうようにするのがおすすめです。

具体的には、パンフレットにWebサイトのQRコードやURLなどを入れておくと、患者さまがスムーズにWebサイトで詳細な情報を見ることができます。

また、気軽に問い合わせや質問などができるLINE公式アカウントなどのURLをパンフレットに明記しておくなど、パンフレットを見た人が自らの意志で次の行動を起こしやすい導線を入れておくことも大切です。

ただし、医療広告ガイドラインにより「誘引性」のある表現などは規制されているので、「お問い合わせください」や「お気軽にご相談ください」など患者さまを誘い込むような文言は使わない方が無難です。

QRコードやURLを掲載して、患者さまが自らの意志で詳細な情報を取りにいく導線の設置は問題ないと考えられるため、掲載しておきましょう。

このように、Webサイトなどへの導線を入れ込んでおかないと「見て終わり」のパンフレットになってしまいます。

◉-5、作成後の配布やマーケティング活用も見据えた上で制作する

「パンフレットを作ってはみたものの、いま一つ成果や反響が感じられない」という方の多くは、「パンフレットを作る」ということを目的に作ってしまっている傾向があります。

制作後に「どこで」「誰に」「どれぐらいの量を」「どうやって配布するのか」などの活用方法をしっかりと見据えた上で制作していかないと、成果につながりにくくなってしまいます。

パンフレットの制作に取り掛かる前に、しっかりとターゲットに届けるにはどうすれば良いのか、というマーケティング視点も入れた活用方法を検討しておきましょう。

▶薬機法と広告・PRについてより詳しく知りたい方は、関連記事【薬機法(旧:薬事法)とは?違反せずに広告・PRする7つのポイントを分かりやすく解説】もあわせて参考にしてください。

◉病院のパンフレットを効果的に活用する方法

パンフレットは、ただ作るだけでは成果につながりません。

次のようにパンフレットをいかにターゲットの手元に届けて、見てもらうかという行動をしていかないと成果にはつながりません。

・PDF化してネット上でも見れるようにする
・配布するタイミングや場所を検討する
・デジタルマーケティングと組み合わせてターゲットに配布する

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

◉-1、PDF化してネット上でも見れるようにする

パンフレットは紙媒体の冊子ですが、Webサイトで閲覧したりダウンロードしたりできるようにPDF化してデジタルデータとしても利用できるようにしておきましょう。

スマホやPCで、症状や診療科目、地域などをキーワードにして検索をして病院を探す方も増えています。

「診療案内パンフレット」や「病院案内パンフレット」をPDF化して公式Webサイトに置いておくと、検索結果から病院の公式サイトを訪れた方が引き続き閲覧するなど、患者さまやご家族の目に触れるチャンスを増やすことができます。

◉-2、配布するタイミングや場所を検討する

パンフレットは、病院のロビーなどの机の上などにただ単に置いておくだけでは不十分です。

病院内であれば、受付カウンターや会計カウンターなどの患者さまが立ち止まる場所のよく見えるところに並べたり、看護師や医師のオペレーションの中にパンフレットの配布を組み込んだりするなど、配布タイミングや場所を十分に検討しましょう。

また、病院外でターゲットが多く訪れる施設をリサーチして、その場所に置いてもらったりすることも有効です。

たとえば、小児科などであれば、保育園や幼稚園、子どもを持つ親が集まるような施設に置けないかを検討したり、という様に、制作したパンフレットを1枚残らずターゲットの手元に届けるためにはどうすれば良いのかを事前によく検討して、配布する場所やタイミングを決めることが重要です。

◉-3、デジタルマーケティングと組み合わせてターゲットに配布する

WebサイトやSNS上に、パンフレットの内容の一部を切り取って投稿したり、WebサイトからPDFデータを容易にダウンロードや閲覧できるようにしたり、デジタルマーケティングと組み合わせる方法が有効です。

また、LINE公式アカウントのQRコードをパンフレットに入れて患者さまが気軽に相談や質問ができるようにするといった活用方法も有効と言えます。

実際に、コロナ禍の発熱外来で患者さまが増えたタイミングでLINE公式アカウントで医院からの情報発信を実施し、患者が再診に訪れる仕組みを作った事例もあります。

パンフレットの内容をWebサイトやWeb広告に二次活用するなども考えられるでしょう。

このように、デジタルマーケティングとの組み合わせによって、より多くのターゲットにパンフレットの内容を届けることができます。

◉【まとめ】活用方法や成果も見据えたパンフレット制作はプロに依頼しよう!

本記事では、信頼獲得と成果につながる病院パンフレット作りのポイントや効果的な活用方法について詳しく解説しました。

パンフレットを病院スタッフだけで制作しようとすると、患者さまやそのご家族にとっては分かりにくいものになってしまいがちです。

なぜなら、どうしても医療用語や専門用語が多くなったり、情報を詰め込み過ぎたり、病院側の伝えたいことを詰め込んだ一方的なパンフレットになってしまいがちだからです。

また、マーケティング視点などを入れての情報設計なども難しいと言えるでしょう。

成果を出すパンフレットを目指すのであれば、ターゲットに応じた利用者目線での制作はもちろんのこと、制作後の配布やマーケティング活用なども見据えて制作することが何より大切です。

フォーウェイでは、書籍やパンフレット制作だけにとどまらず、コンテンツをいかにターゲットに届け、成果につなげるかをサポートしております。

「採用候補者を増やしたい」「来院いただける患者さまの数を増やしたい」など、成果のでる病院パンフレット制作をお考えであれば、フォーウェイまでご相談ください。

パンフレット

世の中は情報に溢れ、企業が情報発信しても全く見られなかったり、読まれなかったり、反応がほとんどなかったりが当たり前の時代。

・HPを作って情報発信を行ってみたけれど、閲覧者がほとんどいない…
・SNSで情報発信をしているが反応がいまいち…
・色々な媒体で情報発信を行っているのに、成果につながらない…

そんな情報発信に関する悩みを抱え、どの情報発信ツールをどのように使えば良いのかが分からなくなっている経営者や広報・マーケティング担当者も多いのではないでしょうか。

この記事では、情報過多の時代にしっかりとターゲットに自社の情報を届けるために知っておくべき企業の情報発信に有効なツールや、それぞれの効果的な活用方法などを詳しく解説いたします。

目次【本記事の内容】

執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)
画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 29d5ead1ee41a6d25524876e7bd315d5-scaled.jpg
慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。

◉企業の情報発信に有効なツール一覧

企業が情報発信するために有効なツールとしては、以下のようなものがあります。

◉-1、HP(ホームページ)

HPは企業が情報発信を行うための軸となる情報発信ツールの1つです。

HPでは、主にミッションやビジョン、行動指針といった経営方針や、会社の沿革、行っている事業や商品・サービスの紹介、所在地や代表者名のような会社概要など、企業の基本情報を発信します。

HPに掲載する内容を定期的に更新したり、ブログ機能をつけてお知らせをしたり、「スタッフブログ」や「コラム」で記事という形で情報発信をしたり、比較的自由に情報発信を行うことができるというのが特徴です。

また、HPは銀行口座の開設や融資の審査などの際にHPの情報が求められたり、企業の信頼性を図る一つの指標ともなっており、企業の情報発信の基幹となる必須ツールとも言えるでしょう。

しかし、HP上で発信した情報をターゲットに見てもらえるまでにはタイムラグが発生するため、時間の経過とともに変わるトレンド性や即効性の高い情報の発信には不向きです。

恒久性のある情報をきちんと保存していく情報発信媒体として活用するのが効果的と言えます。

なお、HPをただ単に作っただけでは見てもらえません。

URLをSNSなどでシェアしたり、SEO対策をして検索結果で上位表示させたり、ブログ投稿で入り口を増やしたりするなど、HP上で情報発信を行っていることを周知していく施策を合わせて行う必要があります。

◉-2、SNS

SNSは気軽に情報を発信してフォロワーとの間でコミュニケーションを取ることができるツールです。

リアルタイムで膨大な情報が流れており、拡散性が高い反面、情報の寿命が短いという特徴があります。

また、SNSといっても多くの種類があります。

それぞれ、情報発信の方法やユーザー層、特性が異なるので、企業が発信したい情報や、ターゲットに合わせてSNSを使い分けていくことが大切です。

SNS名国内月間アクティブユーザー数主なユーザー層情報発信の方法特性
LINE9,600万人(2023年9月時点)全世代(中でも50代が多め)・LINEメッセージ自社サービスと連携してメルマガや1to1施策で活用できるSNS
YouTube7,120万人(2023年5月時点)全世代・ショート動画・動画世界最大の動画SNS。インフルエンサーマーケティングに活用される
X(旧Twitter)6,658万人(2024年1月時点)20代〜30代が過半数・140文字以内の投稿・長文の投稿・画像 / 動画リアルタイム性のある情報が投稿され、情報拡散しやすい、一方で炎上しやすいSNS
Instagram6,600万人(2023年12月時点)20代〜30代で半数を占める・画像・リール動画・ストーリー雑誌感覚で食や美容、メイク、ファッションなどビジュアルの情報発信と相性が良いSNS
Facebook2,600万人(2019年3月時点。それ依頼発表なし)30代〜50代が多い・文章 / 画像 / 動画による投稿実名登録がマストなため、安心感があり、ビジネスシーンでの活用が多いSNS
TikTok2,800万人(2024年2月時点)10代〜20代で半数を占める・ショート動画エンタメ系の投稿と相性が良く、企業の採用などによく使われるSNS

▶︎SNS運用については、関連記事【SNS運用のやり方をとことん解説|フォロワーを集めてビジネスに繋げる成功法則とは?】もあわせて参考にしてください。

◉-2-1、X(旧Twitter)

X(旧Twitter)は140文字の短文でコミュニケーションをするSNSです。

国内の月間アクティブユーザーは約6,658万人(2023年5月時点)で、若年層のユーザーが多い傾向にあります。

X上では、リアルタイム性の高い情報が日々飛び交っており、情報拡散がしやすいのが特徴。

興味を引く投稿はリポストなどによって拡散されて爆発的な集客を得ることもできます。

フォロワーからの反応も早いため、たとえば、次のようなトレンド性や即効性の高い情報の発信に向いています。

・新商品やサービスのティーザー(「あと数日で販売開始」など)
・期間限定のキャンペーン告知
・システム障害などの緊急情報
・時事性の高い情報

こういった特徴から東北大震災など災害の際の現地情報収集元として活用されたり、選挙活動など政治などにも活用されています。

一方で、投稿した情報がすぐに古くなってしまうため、あまり変化のない情報発信には向いていません。

むしろ、HPやWebメディアで発信した恒久的な情報を広く拡散するためにXを活用したりします。

◉-2-2、Instagram

Instagramは画像や動画の投稿がメインのSNSです。

国内の月間アクティブユーザーは約6,600万人(2023年12月時点)で、メインユーザーは20代~40代です。

総務省の「令和5年 情報通信に関する現状報告の概要」によれば、特に20代の利用者が最も多く、約78.6%の人が利用。

次いで10代(約72.3%)、30代(約57.1%)と利用者が多くなっています。

また、性別で言えば女性ユーザーの利用が約59%と多くなっています。

2017年に「インスタ映え」という言葉が流行語大賞を受賞したように、食や美容、メイク、衣類、アクセサリー・雑貨などの見た目のビジュアルが重要な情報発信と相性が良いのが特徴です。

近年、ビジネスアカウントの登場や、ストーリーズ、リール動画などさまざまな機能が追加された上、投稿から商品ページに直接遷移するショップ機能がついたため、自社で販売する商品やサービスの情報発信やブランディングなどに活用する企業も増えてきています。

一方で、ビジュアルで訴求が難しい情報との相性が悪いため、文章での情報発信や訴求には向いていません。

◉-2-3、Facebook

FacebookはMeta社が運営する全世界の利用者数が30億人を超える世界最大のSNSで、他のSNSとは違い、実名利用が必須なので炎上しにくく、ビジネスユーザーの利用が多いのが特徴。

国内の月間アクティブユーザーは約2,600万人(2019年3月時点、それ以降発表なし)で、30代~50代のユーザーが多い傾向があります。

実名登録が必須という制度上、企業の代表や営業マンなどが情報を投稿したり、DMで営業メールを送ったり、人主体での発信がメインになってしまうため、企業主体の発信には利用されない傾向があります。

企業による情報発信の場合、プラットフォーム内に年齢や性別、居住地、趣味・嗜好、行動傾向など膨大なデータが蓄積されており、精度の高いターゲティングができるということから、広告などが主に活用されます。

◉-2-4、TikTok

TikTokは中国発のショート動画SNSです。

15〜60 秒の短尺動画の投稿がメインです。

国内の月間アクティブユーザーは約2,800万人(2024年2月時点)で、総務省の「令和5年 情報通信に関する現状報告の概要」によれば、10代の利用率が約62.4%、20代の利用率が46.5%と多いことから、若年層向けの情報発信におすすめのSNSです。

X(旧Twitter)と同様にトレンド性の高い情報との相性がよく、拡散性も高いのが特徴。

1つの動画が一気に数千、数万、数十万回再生されるなど、話題になると一気に情報が拡散していきます。

若年層のユーザーが多いことや、エンタメ性のある投稿が多いことから、企業の採用活動などに活用されることが多くなっています。

◉-2-5、YouTube

YouTubeは世界最大の動画共有サイトで、国内のアクティブユーザーは約7,120万人(2023年5月時点)です。

ショート動画と長尺の動画が投稿でき、自社の商品やサービスに関連する有益な情報を分かりやすく紹介したり、YouTuberなどとコラボしたインフルエンサーマーケティングなどに活用されます。

Google社が運営しているため、Googleの動画検索などに表示ができ、SEO効果が期待できるのも特徴です。

YouTube内でも検索需要があり、動画の概要欄などを最適化してYouTubeの検索結果で上位表示を目指すことでより閲覧されるように工夫することも可能です。

▶︎Youtube動画については、関連記事【YouTube動画の作り方をカンタン解説!初心者でも再生回数を稼ぐテクニック】もあわせて参考にしてください。

◉-2-6、note

noteは文章や写真・イラスト・音楽・映像などの作品を配信できるブログ形式のサイトで、月間アクティブユーザー(ブラウザ数)は約5,145万人(2023年11月現在)です。

クリエイターやビジネスパーソンなどにブログとして、自社のノウハウや商品・サービスの開発背景などの情報発信に利用されています。

最大の特徴は、記事コンテンツの有料販売ができる点です。

情報発信自体を収益化することができます。

◉-2-7、LINE

LINEはLINEヤフー株式会社が運営するメッセージ型のSNSです。

国内の月間アクティブユーザー数は約9,700万人で、SNSというよりはメッセージアプリという印象が強いかもしれません。

企業アカウントを作成することで、友だち登録してくれたユーザーに向けてメッセージやクーポン・キャンペーン情報を送ることができたり、メルマガのような感覚で情報発信ができるのが特徴。

LINEから直接HPやECサイト、予約ページに遷移させたり、さまざまな機能が備わっていたり、個別にメッセージを送れたり、メルマガシステムなどに比べて気軽にユーザーと密にやりとりできる情報発信ツールとして多くの企業に活用されています。

◉-3、メルマガ

メルマガは登録した顧客やステークホルダーに、自社の製品やサービス、イベント、キャンペーンなどの情報を定期的に発信するツールです。

近年ではMA(マーケティング・オートメーション)ツールと連携して顧客の行動やステータスなどによってメールを出し分けたり、OnetoOne施策に欠かせないものとなっています。

また、見込み客獲得や顧客教育や、引き上げ(アップセル)になくてはならないツールと言えるでしょう。

送られたメールは新しく届くメールにどんどん流されていくため、新商品・サービスの販売、セミナー開催などの告知情報など、即効性やトレンド性の高い情報発信に適しています。

◉-4、オウンドメディア

オウンドメディアは企業が所有する情報発信メディアの総称です。

たとえば、自社のHPで更新しているコラムや、HPのサブドメインや別ドメインで運営するジャンルの情報発信に特化したWebメディアなどがオウンドメディアに該当します。

アメブロやはてなブログなどのブログサービス、noteなどのSNSなどと比べて、自社の意思によって自由に情報発信やコンテンツの保存ができ、第三者に削除されないという特徴があります。

一方で、記事を更新したからと言ってすぐに見られることはありません。

あるキーワードでの検索順位が上がったり、更新した記事をメルマガやSNSなどで告知することで見てもらえるようになってきます。

そのため、即効性やトレンド性の高い情報発信には向いていません。

知っておくと便利なお役立ち情報や知識、悩みの解決方法など長期間変わらないような情報発信に適しています。

▶︎SEO対策については、関連記事【SEO対策とは? 効果的な戦略の組み立て方と対策方法】もあわせて参考にしてください。

◉-5、ブログ

ブログはもともと個人の意見や情報を公開するプラットフォームでしたが、現在では企業の情報発信や集客ツールとしての利用が多くなっています。

「アメブロ」「はてなブログ」などのブログサービスを利用したり、自社HP内にブログ機能を設置して情報発信を行うのが一般的なやり方です。

自社HPに設置したブログを更新した場合は、オウンドメディアと同様にすぐに見られることはありませんが、ブログサービスを利用した場合には、「新規更新欄」などに掲載されるためSNSのnoteと同様に比較的早く見てもらうことができます。

そのため自社スタッフの日記など、リアルタイムの情報発信であればブログサービスの方が適しています。

検索経由でしっかりと発信したい情報などであれば自社HPに設置したブログを利用する方が良いと言えるでしょう。

◉-6、プレスリリース(PR)

プレスリリースは企業からメディアに向けた公式な情報発信手段です。

新商品や新サービスの発表や業績報告・業務提携・キャンペーンの案内などをメディアに対して行い、Webメディアや雑誌、新聞、TVなどで取り上げてもらうことが目的です。

ターゲット層が多く閲覧している各メディアに取り上げられることで認知獲得につながる可能性があります。

メディア側は常に新しい情報の種を探しているので、時代性やトレンド、今までになかったような切り口での情報発信を心がけることで、取り上げられやすくなります。

◉-7、Googleビジネスプロフィール

GoogleビジネスプロフィールはGoogleマップ上でビジネス情報を発信できる無料のサービスです。

たとえばGoogleマップ上で「駅名 居酒屋」と検索すると、多くの居酒屋の情報が出てきます。

表示できる情報は所在地・営業時間・電話番号・最新情報などがあり、最新情報を活用すると新商品・キャンペーン情報をタイムリーに発信することが可能です。

Googleマップ上に表示される情報であるため、店舗のあるビジネスとの相性が良いのが特徴。

店舗系ビジネスではぜひ活用しておくべき情報発信ツールと言えるでしょう。

◉-8、DM

DMは企業がターゲット層に郵送や電子メールを送付するという情報発信方法です。

具体的にはターゲット層の企業のリスト1つひとつにDMを郵送したり、企業のメールアドレスに直接広告メールを送付したりします。

郵送DMはコストはかかるものの、実体のあるものが届きますので比較的レスポンス率が高く、顧客の認知や関心を高めることが可能です。

利用できるクーポンなど次のアクションにつなげやすいオファーをつけておくのがポイントです。

メールについては基本的に無視されますが、郵送DMほど手間をかけずに多くのリスト向けに送付できるというメリットがあります。

郵送DMは確度の高いターゲット層向けや、高単価商品・サービスの場合、メールについてはBtoB向けの商品・サービスの場合、などうまく使い分けをしていくことが重要です。

◉-9、チラシ

チラシは1枚の紙の両面または片面に情報を印刷したものです。

商品やイベントなどの案内・告知を目的として大量に配布するために利用されます。

代表的な配布方法は、新聞折込チラシ・ポスティング・街頭ビラ配りなどです。

実態のあるものがターゲットに届くため、WebやSNSなどに比べて見てもらいやすいのがメリットと言えます。

地域密着型のビジネス(水道修理、士業、マッサージ店、美容院、不動産など)におすすめの情報発信方法です。

しかし制作に手間とコストがかかるので、ターゲット層の多いエリアをしっかりとセグメントをした上で配布していくのがポイントです。

◉-10、パンフレット

パンフレットは複数枚の紙を折り曲げて重ねて冊子にした印刷物です。

会社案内や製品・サービスの詳細な紹介など、情報量の多い用途に利用されます。

WebやSNS、また1枚もののチラシやDMとは違い、何度も作り直したりすることは難しいため、中長期で変わらないような情報の発信に向いています。

一方で、「パンフレットをきちんと作れるようなしっかりとしたところなんだ」という紙媒体ならではの信頼性のアピールにもつながるのが特徴です。

また、パンフレットはWebやSNSとは違い、机に並べて比較検討しやすいということもあり、大学や学習塾、老人ホーム・介護施設、建設会社など、商品やサービス、取引先選びの際に比較検討をするような業界の情報発信ツールとしてもおすすめです。

▶︎パンフレットのマーケティング活用については、関連記事【商品やサービスが売れるパンフレットを作るポイントと有効活用方法】もあわせて参考にしてください。

◉-10-1、パンフレットによる企業の情報発信成功事例

ある投資スクールでは、投資に興味があるものの何から取りかかれば良いのか分からないという人に向けて「入校を後押しする」パンフレットを制作。

パンフレットの中で、投資スクールのサービス内容や講師陣、受講料などの説明のほかに、実際に投資スクールを受講して利益を得た人のインタビューを掲載したり、メディア実績を掲載したりして、信頼性が得られるような工夫を行いました。

その結果、パンフレットを読んで「自分でもできるかもしれない」という気持ちになった多くの方から問い合わせが増え新規入校者の増加につながっています。

◉-11、名刺

名刺は名前や会社名・所属・住所などのプロフィールを記載した情報発信ツールです。

ビジネス上の初対面の相手に自分のプロフィール情報を伝えるのに適していますが、話のきっかけづくりや、後で見返した時に相手が興味を持つような工夫をするのがおすすめです。

掲載できる情報は少ないですが、うまく興味を惹くことができれば新規顧客の獲得にもつながる可能性があります。

◉-12、書籍

書籍は自社や自社の商品・サービスのことをより詳しく知ってもらいたい場合に有効な情報発信ツールです。

書籍の最大の特徴は社会的信頼性が高いことで、出版をきっかけに各種メディアに取り上げられたり、著者がセミナー講師に招かれたりすることもあります。

また、WebやSNSとは違い「読まれる媒体である」ということが大きな特徴です。

一般的な書籍の場合、7万字~10万字もの情報を盛り込むことができます。

そのため、商品やサービスの情報だけでなく企業の歴史・創業者の想い・理念・開発秘話などをストーリー性を持ってまとめて伝えることが可能です。

ただし、出版しただけで読まれる訳ではないですし、注目される訳でもないので、その点には注意しましょう。

出版後の書店配本はもちろんのこと、SNSやクラウドファンディング、SEOなどあらゆるデジタルマーケティングを駆使して、ターゲットの手元に届けることができてはじめて効果を発揮します。

信頼性の高さから、不動産投資や保険、コンサル、住宅など、契約までのリードタイムが長い業界、富裕層向けビジネス、広告規制が厳しい健康食品やサプリなどの情報発信に向きます。

また、競合が多すぎて差別化が難しいような業界や、あらゆるWebマーケティングなどをやり尽くした後のさらなる会社の発展、認知度拡大のための情報発信ツールとしても有効です。

▶︎ブックマーケティングについては、関連記事【ブックマーケティングとは?メリットや効果的な戦略の作り方】もあわせて参考にしてください。

◉-12-1、書籍による企業の情報発信成功事例

ある保険代理店の経営者は、保険業界の実態と保険業界に定着している「成果報酬型」の給与体系を「一律報酬型」に変えることによって業績向上が目指せるという持論を世に問うために書籍を出版。

その結果顧客や同業者からの見られ方が大きく変わって、大型契約などの成約に成功したり、講演会の講師に招かれたりするようになりました。

書籍の出版によって自社の信頼性が高まって、商談の際に顧客企業の経営にまで踏み込んだ相談を受けるケースも出てきています。

本来の出版目的であった、同業の保険代理店からのコンサル依頼がまず数件。そして驚いたのは、保険会社から講演の依頼が来たり同業支援の話が回ってきたりと、「保険会社にとって頼れる代理店」というありがたいイメージを持ってもらえるようになったことです。保険代理店はコンビニより数が多いうえ、扱う商品で差別化ができません。保険会社側から一目置いてもらえる代理店になることの価値はとても大きいんです。
引用元:【事例コラム】大口案件の集客、人材採用、大手企業からの講演依頼!出版ですごいことになった保険代理店

◉-13、ニュースレター

ニュースレターは、主に企業のファンづくりのためのコミュニケーションツールとして定期的にメールや郵送で配信されるものです。

ターゲットは顧客だけではなく、株主や従業員・メディア関係者などのさまざまなステークホルダーです。

DMが広告宣伝を主目的としているのに対して、ニュースレターは企業に対して親しみを持ってもらうことに重きを置いていることが特徴です。

そのため、商品やサービスの情報というよりはむしろ関連するお役立ち情報や、企業の社長、社員、スタッフなどのインタビュー、などの情報発信に向いています。

Web上のブログなどと比べて読まれやすく、印象に残りやすいのがメリットと言えるでしょう。

◉-14、Web広告

Web広告はインターネット上のメディアに掲載される広告の総称で、検索時に表示される広告やSNSで表示される広告などです。

Web広告と言っても広告の出し方や出す媒体によって、次のように多くの種類があります。

・リスティング広告
・ディスプレイ広告
・アフィリエイト広告
・記事広告
・動画広告
・メール広告
・SNS広告

そのため、年齢や性別などの属性によってターゲティングをして、特定のターゲットに向けて効率的に広告を配信することができるという特徴があります。

また、Web広告の閲覧数やクリック数などを集計してほぼリアルタイムに広告効果を分析でき、分析結果を見ながら訴求内容やターゲットの変更が行えるのも特徴の1つです。

コラムのような読み物系ではなく、商品やサービスの宣伝に向く情報発信ツールです。

◉-15、TVCM

テレビ番組の途中や番組の間に放送されるCMを活用する方法です。

企業が自社の商品やサービスの宣伝をするために、テレビ局のCM枠を購入して広告を配信します。

TVCMは年代や性別を問わず幅広い視聴者へ効率的に情報発信を行えるマス広告の一つで、即効性があり商品やサービスの認知や購買意欲を促進するというメリットがあります。

大きく認知を広げていきたい時におすすめの情報発信方法と言えるでしょう。

地方ローカル局や、TverなどのネットTVなど比較的安価で活用できるTVCMも増えてきていますが、キー局などは数千万円〜数億円など多額の費用がかかるので、なかなか情報発信方法としてはハードルが高い方法と言えます。

また、番組を見ている視聴者層や、曜日、時間帯などのターゲットは可能ですが、Web広告のように細かなターゲティングができず、広告効果の測定が難しいというデメリットもあります。

◉-16、デジタルサイネージ

デジタルサイネージは駅や店舗・施設・オフィスなどに、ディスプレイやプロジェクターを設置して情報を発信するシステムです。

従来ポスターや看板で情報発信していたものが、デジタルサイネージに置き換わってきています。

最初にデジタルサイネージが使われたのは駅構内でしたが、最近では各種店舗や病院・宿泊施設・銀行・学校などあらゆるところに設置されています。

◉情報過多の中、企業が情報発信ツールを効果的に活用するポイント

これまでに紹介してきたように多くの情報発信ツールがありますが、これらを何の意図もなく使っているだけでは効果的な情報発信はできません。

次の3つのポイントを押さえた上で、明確な意図と戦略をもって情報発信ツールを使い分けることが企業の情報発信のコツです。

◉-1、情報発信の目的を明確にする

情報発信をする際は「誰に何を伝えて」「どうしたいのか」という目的を明確にする必要があります。

なぜなら目的に応じた最適な情報発信ツールを選定しなければならないからです。

たとえば数日限定キャンペーンの応募者を増やす目的で、即効性やトレンド性の薄いHPを選択しても期待する効果は得られないでしょう。

情報発信の目的が「集客や問い合わせ数や売上数の向上」なのか、「認知度を拡大していきたい」のか、「世の中に周知したい」のかなどを明確にすることが大切です。

◉-2、情報発信ツールの得意・不得意を把握する

情報発信ツールには得意・不得意があるので、これをきちんと把握しておく必要があります。

たとえばX(旧Twitter)は拡散性が大きいため話題性やトレンド性のある情報発信は得意ですが、しっかりと文章を読みこんでもらいたい長文の情報発信は不得意です。

Instagramは画像や動画で視覚的に訴求するような情報発信は得意ですが、文章での情報発信は不得意です。

このように、「自社の発信したい情報をうまく訴求できる媒体は何か?」をしっかりと考えた上で情報発信ツールを選定していく必要があります。

◉-3、デジタルとアナログをうまく組み合わせる

企業の情報発信では、デジタルとアナログをうまく組み合わせることが効果的です。

たとえば、リコーが行なった「DM実証実験結果」によれば、顧客をWebサイトに誘導する手段としてeメール(メルマガ)を使っていましたが、開封率は13.8%、Webサイト遷移率は1.5%と低い成果しか出ていなかったそうです。

そこでeメール送付後に紙のDMを送る検証実験を行ったところ、Eeメールの開封率が5.5倍の75.8%に、Webサイト遷移率が3.4倍の4.4%に大幅に向上。

つまりデジタルだけでは弱かった訴求が、アナログの強みをうまく組み合わせることによって大きな相乗効果が得られることが確認できたのです。

このように、デジタルの時代だからデジタルだけを活用するのではなく、アナログの特性も活かしていくことでより効果的な情報発信が可能になります。

◉-3-1、デジタルとアナログをうまく組み合わせた成功事例

ある不動産投資会社の経営者は、医師をターゲットとして「高収入な医師に最も効果的な節税対策は不動産投資である」という書籍を出版。

企画段階からSNSやクラウドファンディングなどのデジタルのプロモーションを検討し、出版タイミングに合わせて実施しました。

その結果、狙い通りに多くの医師に書籍を購入してもらうことができ、書籍を購入した医師から成約を獲得して売上を倍増させることに成功。

また、既存顧客からの口コミなどによって評判が広がり、新規顧客の獲得にもつながっています。

書籍というアナログな情報発信ツールとSNSやクラウドファンディングなど、デジタルな情報発信ツールを組み合わせ成果につながった好例と言えます。

◉【まとめ】情報発信ツールを効果的に活用しよう!

本記事では企業の情報発信に有効なツールの特徴や企業が効果的に活用するためのポイントについて解説しました。

情報発信ツールには多くの種類がありますので、目的を明確にしたうえで適切なツールを選ぶことが大切です。

また、デジタル全盛の現代だからこそ、デジタルとアナログをうまく組み合わせることが効果的です。

デジタルマーケティングと書籍やパンフレット、チラシなどアナログマーケティングとの組み合わせをお考えなら、まずはフォーウェイにご相談ください。

お悩みや課題に合わせて最適なご提案をさせていただきます。


ブックマーケティング
パンフレット

費用をかけてパンフレットを作ったは良いものの、「商品やサービスの売上が上がらず効果が実感できていない」という方は多いのではないでしょうか。

パンフレットの中で、ただ単に商品やサービスだけの紹介をしても、売上向上にはつながりにくいのが実情です。

パンフレットを活用して商品やサービスの売上を上げていくためには、マーケティングや営業活動へ活用していくことをしっかりと見据えた企画や制作・活用が重要になります。

この記事では、どんなパンフレットを作れば商品やサービスが売れるのか、企画や制作のコツや有効活用方法について詳しく解説いたします。

目次【本記事の内容】

執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)
画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 29d5ead1ee41a6d25524876e7bd315d5-scaled.jpg
慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。

◉パンフレットは商品やサービスを知ってもらう効果的な営業ツール

パンフレットを、ただ単に商品やサービスを紹介するだけのツールにしておくのは大きな広告機会の損失です。

なぜなら、パンフレットはWeb広告やSNSなどとは違って、ターゲットに直接手渡すことができ、見て、読んでもらえる媒体だからです。

効果的な営業・マーケティングツールになり得る媒体なのです。

せっかく費用をかけて作るのであれば、自社の商品やサービスの売上向上につながるように、また営業やマーケティングの販売促進ツールとしても活用できるように企画して制作するべきです。

◉成果の出るパンフレットを作る7つのポイント

パンフレットで商品やサービスの売上向上などの成果を出すためには、次の7つのポイントを意識して制作することが大切です。

・パンフレットの配布先や活用方法を見据えて作る
・訴求したい商品・サービスのコンセプトを作り込む
・分かりやすくキャッチーな訴求
・第三者評価を入れる
・アンケート結果など客観的な視点を入れる
・視覚的に訴えかけるコンテンツ
・マーケティング視点で作る

それぞれどのようなポイントなのか、具体的に見ていきましょう。

◉-1、パンフレットの配布先や活用方法を見据えて作る

パンフレットは「商品やサービスを紹介するもの」という視点で作られることが多く、配布先や活用方法までを明確に見据えて作られることはあまりありません。

そのため、商品やサービスの一方的な情報発信になってしまいやすいのです。

商品やサービスの売上向上を目指すためには、まずはパンフレットを「どんなターゲットに」「どのようにして配布するのか」をしっかりと明文化して社内で共有しておくことが大切です。

◉-2、訴求したい商品・サービスのコンセプトを作り込む

一冊のパンフレットに掲載できる情報量には限りがあるため、「どんなターゲットに」「どの商品やサービスの強み」を訴求し、「ターゲットが商品やサービスを使用することによってどう変わるのか」を端的に伝える必要があります。

そのためには、「ターゲット」「商品・サービスの強み」「商品やサービスを手にした後の未来像」を明文化しておかなければなりません。

◉-2-1、ターゲット

まず、パンフレットを「どんなターゲット」に配布するのかを明確にしましょう。

ターゲットが明確になれば、それに応じてパンフレットに掲載する「内容」や「デザイン」が決まってきます。

たとえば、ターゲットが若年層である場合は、親近感の湧く色調やデザインにする必要がありますし、高齢層である場合は、文字を大きくして読みやすくするなどの配慮が必要となります。

◉-2-2、商品やサービスの強み

パンフレットに掲載すべき主要な内容は、売上につなげたい「商品やサービスの強み」です。

そこで、改めて自社の「商品やサービスの強みとは何か」を整理して明確にする必要があります。

強みを把握するためには、3C分析やSWOT分析などのフレームワークを用いるのが一般的です。

同業他社と差別化できるような自社の「商品やサービスの強み」が何なのかを明確にして、目的に沿ったアピールができるような形でパンフレットに掲載していきます。

◉-2-3、商品やサービスを手にした後の未来像

ターゲットが、商品やサービスを手にして使用した後どのようなメリットを享受できるのか、どのような変化があるのかを明確にしましょう。

たとえば、家庭用WiFiルーターという機器がありますが、従来家庭内でWiFiが使えなかった時には、パソコンやテレビ、ゲーム機などをすべて有線でインターネットに接続なければならず、LANケーブルがごちゃごちゃする上にLANケーブルが届く範囲でしか使えませんでした。

しかし、家庭用WiFiルーターを使用すると、ケーブルレスで接続できたり、スマホなどのデータ通信料を節約できたりするようになるので、利便性が大きく向上することが分かり普及につながりました。

このように、商品やサービスを使用する前後でどのような変化が得られるのかがパンフレットに明確に示されていれば、それにメリットを感じると購入に踏み切ってくれます。

◉-3、分かりやすくキャッチーな訴求

パンフレットは、Web広告やSNSなどと比べると、実際に手に取って、見て、読んでもらえる紙媒体ですが、パッと見て、サッと読んで頭に入ってくるようなものでないとなかなか読み進めてもらえません。

理解に時間がかかるような専門用語のキャッチコピーや文章ではなく、ターゲットが普段から使っている言葉や言い回しなどをうまく活用したキャッチーで印象に残るものでなければなりません。

最初の数秒でサッと頭に入り、理解ができるようなキャッチーな訴求を心がけましょう。

◉-4、第三者評価を入れる

パンフレットは、企業による商品やサービスの一方的な情報発信にならないように気を付ける必要があります。

たとえば、ターゲット層へのインタビュー内容や利用者の事例などは第三者的な評価や情報として受け取られます。

第三者評価を入れることで客観性を加えることができるのです。

◉-5、アンケート結果など客観的な視点を入れる

パンフレットには、アンケート結果などの客観的な視点を取り入れることも大切です。

たとえば、自社で行ったアンケート結果、政府や自治体などの公的機関の統計情報などを盛り込むと、ターゲットに「客観的に見てパンフレットに記載されていることは正しい」という認識が生まれます。

これは、日本人は「他の人はどう思うのか?」「多くの人がどういう判断をしたのか?」など他人の判断に重きを置く傾向があるからです。

◉-6、視覚的に訴えかけるコンテンツ

パンフレットには、視覚的に訴えかけるコンテンツを入れて読む気にさせることが大切です。

文章だけだと、読む気にならないという人が増えてしまいます。

読む気にさせるためには、商品やサービスを解説する図表や画像、ターゲットがピンとくるような写真などを掲載して、視覚的に訴求するようなパンフレットにする必要があります。

◉-7、マーケティング視点で作る

パンフレットを自分や社内で作ろうとすると、知らず知らずのうちに自身や自社の主観が入ってしまいます。

「パンフレットという冊子があれば良い」というのであればそれでも構いませんが、「パンフレットで何らかの効果を出したい」と考えているのであれば、マーケティングのプロの視点で作ることをおすすめします。

◉パンフレットをただ作るだけではダメ!有効に活用しよう!

パンフレットを作ってただ闇雲に配るだけでは、売上向上などの効果は期待できません。

パンフレットの企画段階で見据えた営業やマーケティング施策などによって、しっかりとターゲットの手元に的確に届けて初めて売上向上につながるのです。

具体的には次の6つの活用方法によって、パンフレットをターゲットの手元にしっかりと届けるようにしましょう。

・PDF化してWeb上でも配布
・パンフレットの内容の一部をWebマーケティングや営業に活用
・営業ツールとしての活用
・取引先や提携先、パートナーなどに郵送
・MAと連携してリスト取得に活用
・ターゲットリストに順次送付

具体的にどのような方法なのかを詳しく解説していきます。

◉-1、PDF化してWeb上でも配布

紙媒体で作るだけではなく、作った紙媒体をPDF化してWeb上で配布していくこともできます。

問い合わせフォーム営業などであれば、対象企業にパンフレットのURLを送付したりすることも可能です。

現物の配布だけではなく、Web上での配布もしっかりと行うことが重要です。

◉-2、パンフレットの内容の一部をWebマーケティングに活用

パンフレットの内容の一部をWeb上のコンテンツとして掲載して、Webマーケティングに有効活用していく方法もあります。

たとえば、パンフレットの内容を一部抜粋してSNSに投稿したり、一部をスクリーンショットしてSEO記事などに活用したりすることが考えられます。

◉-3、営業ツールとしての活用

パンフレットを営業ツールの一つとして営業マンに活用してもらうこともできます。

営業マンにとっては、説明がしやすくなったり、商談後もお客様の手元に自社の商品やサービスの情報がある状態を作ることができるというメリットがあります。

パンフレットに「無料相談チケット」「割引チケット」などのオファーを付けておくと、後日顧客から何らかのアクションも期待できるのでおすすめです。

◉-4、取引先や提携先、パートナーなどに送付

パンフレットは、ただ自社で活用するだけではなく、取引先や提携先、パートナーなどにも積極的に送付しましょう。

取引先や提携先、パートナーなどが「知り合いにこんな会社ありますよ。よかったらおつなぎしましょうか」というように活用してくれて、紹介につながることがあります。

既存の取引先や提携先、パートナーなどの中で紹介が見込めるようなところに送付しておくと良いでしょう。

◉-5、MAと連携してリスト取得に活用

マーケティング活動を自動化するツールであるMA(マーケティングオートメーション)と連携して、新規の顧客リスト取得や顧客育成(ナーチャリング)などを実施していくような仕組みを構築することもできます。

たとえば、顧客がメールアドレスを登録すると、自動的にパンフレットのダウンロードURLが送られるような仕組みを作ることも可能です。

◉-6、ターゲットリストに順次送付

見込み度合いの高いターゲットリストに直接パンフレットを送付するのも有効な活用方法の1つです。

パンフレットを送付するためのコストがかかりますが、ターゲットリストの見込み度合いが高ければ高いほど、問い合わせや商談、成約につながる可能性が高くなります。

送付する際には手書きの手紙を付けたり、何らかのオファーを付けるとより効果的です。

◉パンフレットで成果が出た事例

ここでは、パンフレットを制作することによって何らかの成果が得られた事例をいくつかご紹介します。

◉-1、事例1:新規顧客の獲得につながっている

高収入の医師をターゲットとして不動産投資サービスを行っている不動産会社では、すでにブックマーケティングにより書籍を出版して成約率向上などの大きな効果を上げていました。

しかし、書籍は読んでいないものの不動産投資サービスには関心があるという検討段階の見込み顧客に提供するようなツールがないため、興味を喚起して問い合わせや成約につなげるためのツールとしてパンフレットを制作。

パンフレットは既に出版している書籍のダイジェスト版として、「実際にどれぐらい節税できるのか」「なぜ不動産投資で節税できるのか」「投資物件を見極めるポイントは何か」などがパッと見て分かるようにビジュアル面での工夫を施しました。

また、実際に投資用不動産を購入した顧客のインタビュー内容を掲載して信頼性を上げる工夫も実施。

パンフレットの配布方法は、自社のHPからのダウンロードという形を取っていますが、HP来訪者のほとんどがダウンロードしてくれることが分かっており、さらにその中から問い合わせなどのアクションを起こしてくれる顧客も多く、新規顧客の獲得に貢献につながっています。

◉-2、事例2:有能な人材採用につながった

東京都で建築設計会社を営む企業では、採用希望者の獲得が期待できる専門学校などに求人票と一緒に配布することを想定して、採用パンフレットを制作。

「他社と比べて目を引くようなインパクトのあるデザイン」「建築設計事務所ということがすぐに分かるデザイン」「学生向けに親しみやすい明るいデザイン」にしたいという要望を元にパンフレットの構成、デザイン、内容を作り混んでいきました。

結果として、若い有能な人材の採用につながったということです。

◉-3、事例3:新規入校者の増加につながった

投資スクールを運営している会社では、入校者の増加を図るためのツールとしてパンフレットを制作しました。

ターゲットは、投資に興味がありながらもノウハウや知識を得るために何をしたら良いかわからないという人です。

ターゲットがパンフレットを読むことによって「入校を決意してくれる」ようなパンフレットにすることを目的に構成や内容を作り込みました。

安心感や信頼感を持ってもらえるように、投資スクールを受講して利益を得た方のインタビュー内容を掲載したり、メディアで取り上げられた実績を掲載したりした上、投資スクールのサービス内容や講師陣、受講料などについても詳しく紹介。

受講料割引キャンペーンを実施中であるというオファーも掲載しました。

完成したパンフレットを配布したところ、パンフレットを読んで「自分にもできるかもしれない」という気持ちになった多くの方からの問い合わせが増え、新規入校者の増加という目に見える効果が得られました。

◉【まとめ】どうせなら商品・サービスが売れるパンフレットを作ろう!

本記事では、成果の出るパンフレットを作るポイントを実際の制作事例とともに詳しく解説しました。

デジタルによるWeb広告やSNSなどが主流となっている現代ですが、アナログなツールの一つであるパンフレットには、ターゲットに手渡しができて、直接読んでもらえるという強みがあります。

さらに、商品やサービスの強み、それを使うことによるターゲットの変化やメリットなどが適切に記載されていれば、パンフレットを読んだターゲットから売上につながるアクションが来ることも期待できます。

せっかく費用をかけて制作するパンフレットだからこそ、商品やサービスが売れるようなパンフレットを作りましょう。

成果の出るパンフレットの制作をお考えであれば、コンテンツマーケティングの専門家であるフォーウェイまでご相談ください。

パンフレット

会社案内(パンフレット)は、ターゲットに企業や商品・サービスの強みを伝え、ターゲットとの間に信頼関係を構築するために有効なツールの1つです。

「見ない」「読まない」「行動しない」という前提の広告と異なり、会社案内はターゲットにしっかりと届けることができれば「見て」「読んで」「行動する」という方向に持っていきやすい媒体です。

ただ単に会社概要や事業内容を紹介するだけではなく、ターゲットが興味を持ち、問い合わせをしたくなるような会社案内を作ることで、売上向上につなげることができます。

今回は、そんな問い合わせが増える会社案内の作り方について詳しく解説いたします。

目次【本記事の内容】

執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)
画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 29d5ead1ee41a6d25524876e7bd315d5-scaled.jpg
慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。

◉会社案内(パンフレット)は企業の問い合わせ獲得に重要なツール

多くの企業が会社案内を作成していると思いますが、会社案内をただの会社紹介資料として制作してしまっていることも多いと思います。

しかし、会社案内は、Web広告やSNSなどと違って、ターゲットに比較的見てもらいやすく、読んでもらいやすいツールです。

実際に、企業が取引先や問い合わせ先を決める際には、相手先の会社案内を見て信頼できる会社かどうかをチェックして決めているケースが多いです。

そのため、「問い合わせにつなげる」「マーケティング・営業に活用する」という目的を見据えて会社案内を作っていないのは広告機会の損失にもつながります。

せっかくお金をかけて紙媒体の会社案内を作るのですから、問い合わせにつながるような工夫やマーケティング・営業への活用を見据えた企画・制作を行なっていきましょう。

◉問い合わせが増える会社案内(パンフレット)を作るポイント

問い合わせが増える会社案内を作る上で押さえておくべきポイントは次の8つです。

・使用目的を明確にする
・自社の強みを明確にする
・会社案内を見込み顧客がどのタイミングで見るのかを想像して作る
・図表や写真を効果的に使い、視覚的に印象を残す
・印象に残るキャッチコピー・文章にする
・何かしらのオファー・導線を設ける
・ターゲットが問い合わせをしたくなるようなデザインにする
・自社以外の視点を入れる

それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。

◉-1、使用目的を明確にする

多くの企業では、会社案内をただの会社紹介資料だと思って作ってしまっています。

会社案内があることが企業として重要であり、特に使用目的などを考えて作っているというケースも少ないと思います。

そのため、まずは「問い合わせにつなげる」「マーケティング・営業に活用する」といった使用目的を書き出し、明文化しましょう。

なぜなら、次のように使用目的によって会社案内の構成や内容、デザインが大きく変わってくるからです。

「使用目的に応じて会社案内を作り分ける」というやり方も有効です。

◉-1-1、営業目的の場合

営業目的の場合は、営業マンがどのようなタイミングで、どんな効果を狙って会社案内を活用するのかについて知る必要があります。

営業マンへのヒアリングなどを行った上で、より営業現場で使いやすい構成、デザイン、内容にしていくことが重要です。

たとえば、営業マンが使っているトークスクリプトなどを参考にして内容を工夫することも良いでしょう。

また、あまり営業がうまくいかなかった際に次のアクションにつなげる「無料相談チケット」などのオファーを付ける工夫も考えられます。

◉-1-2、採用目的の場合

採用目的の場合は、会社説明会でどのようなポイントをアピールしているのかなどについて採用担当者にヒアリングし、それらを盛り込んで採用現場で使いやすい構成、デザイン、内容にしていくことが重要です。

また、「採用希望者が企業に求めること」など、公表されている調査・統計情報などを参考にするのも有効です。

新卒採用や中途採用など、さまざまなターゲット層を対象にした調査・統計資料があるので、自社の採用に合わせた情報を活用しましょう。

たとえば、産業能率大学総合研究所が行った『2022年度 新入社員の会社生活調査(第33回)』の結果を見ると、「新入社員が働くうえで企業に求めるもの」として、次のような項目がトップ3にランクインしています。

1位:長期的な安定性
2位:将来の成長性
3位:社員への福利厚生の充実

新卒採用候補者がターゲットであれば、こういった情報を元に、企業の売上や利益の推移や、今後の見込み売上・利益などの情報や、平均賞与支給額、福利厚生についての情報を入れ、企業が安定的に昔も今もこれからも成長していくこと、社員への待遇の手厚さをアピールしていきましょう。

また、株式会社マイナビが公表している『転職動向調査 2024年版(2023年実績)』を見ると、入社の決め手として中途採用者が重要視しているのが以下の4項目であることが分かります。

・希望の勤務地である
・給与が良い
・休日や残業時間が適正で生活にゆとりができる
・福利厚生が整っている

また、同調査で転職の理由のトップ4としてあがっているのが次の4項目です。

・給与が低かった
・仕事内容に不満があった
・会社の将来性、安定性に不安があった
・職場の人間関係が悪かった

中途採用候補者がターゲットであれば、このような情報を元に、入社後に働く可能性のある勤務地や、平均月収や年収、昇給や賞与、残業代などの仕組みについて詳しく記載したり、職場の和やかな雰囲気の写真を入れたりして人間関係の良さをアピールしていきましょう。

このように、ヒアリング結果や公表されている調査・統計情報を活用するだけで、これだけの工夫ができるのです。

また、採用希望者からよくある質問をQ&A形式で紹介したり、全社員に対して行ったアンケート結果を紹介したりするなど、HPや採用サイトなどでは知ることができない情報を掲載するなども有効です。

会社案内に「社員食堂1食無料チケット」などユニークなオファーを付けることによって、採用希望者に次のアクションを促すこともできます。

採用目的の会社案内を作る際には、さまざまな情報を元に1人でも多くの採用候補者が「入りたい」と思えるような内容になるよう検討しましょう。

◉-1-3、ブランディング目的の場合

ブランディング目的の場合は、各部署で話し合いやディスカッションの場を設けて、同業他社との差異を明確にしながら自社の強みを棚卸しして明文化していくことが重要です。

また、社外に対してのブランディング(アウターブランディング)なのか、従業員など社内に対して(インナーブランディング)なのか、対象を明確にすることも必要です。

そこが明確になっていないと、情報がただ書いてあるだけで、伝えたいことが全く伝わらない会社案内になってしまいます。

まずは軸となる部分と対象者をしっかりと決めた上で、創業の経緯や創業者の想い、価値観、将来に向けた方向性などをストーリー仕立てにしたり、全社的なアンケートを実施してその結果を会社案内に掲載したり、など「伝える方法」を検討しましょう。

◉-2、自社の強みを明確にする

企業が商品やサービスを購入したり、取引先企業を選ぶ際には「数ある会社の中で、なぜその会社の商品やサービスを選ぶのか、なぜその会社が取引先として良いと考えられるのかという理由」が必要になります。

特に金融機関や大企業などでは、担当者が社内稟議でこういったことを発表して承認を得る必要があります。

会社案内を通じて「自社の強み」が明確に伝わっていれば、「なぜこの会社に決めたのか」を担当者が把握することができるのです。

したがって、会社案内では「自社の強み」を根拠を示して端的に伝える必要があります。

「良いことはわかるけれども具体的にどう良いのかがわからない」というフワッとした印象の会社案内で終わってしまわないように、「自社の強みはなんですか?」と聞かれたらすぐに答えられるように明文化しておきましょう。

◉-3、会社案内(パンフレット)を見込み顧客がどのタイミングで見るのかを想像して作る

会社案内を見込み顧客がどのようなタイミングで見ているのかをきちんと想像することが大切です。

たとえば、自動車メーカーが開発を依頼する部品メーカーを選定する際には、多くの部品メーカーの会社案内を見比べて、見積もり依頼をする複数の部品メーカーを選定したりします。

また、顧客が投資用不動産を購入する際には、その不動産会社が本当に信頼できるのかをチェックしたり、本当に損しないかどうかを確認したりするために会社案内を見たりします。

このように、会社案内を配布するターゲットがどのようなタイミングで、どのような目的を持って見るのかを把握し、それに合わせて内容や見せ方を工夫していくことが重要です。

◉-4、図表や写真を効果的に使い、視覚的に印象を残す

会社案内は、Web広告やSNSなどと比べると、「見てもらえる」「読んでもらえる」媒体ですが、開いたときに文字ばかりが並んでいると、読む気がなくなる方も多くなってしまいます。

会社案内をパッと見た時に、ある程度視覚的なインパクトや説得力を与えられるように図表や写真を効果的に使って「読む気にさせる」ことが重要です。

また、同時にパッと見て会社案内の内容が大体理解できるようにするのが理想です。

最初の数秒でターゲットに「ちょっと見てみよう」という気を起こさせることができなければ、問い合わせにつながらないどころか、読んでももらえないということになりかねません。

◉-5、印象に残るキャッチコピー・文章にする

会社案内では、印象に残るキャッチコピーや文章は重要です。

ターゲットがよく使っているような言い回しや言葉を使うと、「お!この会社わかってるな」と親近感が湧くなどの効果があり、読んでもらいやすくなります。

逆に、その業界でしか使わないような専門用語や言い回しを多用したりすると、違和感や警戒感を与えてしまい読んでもらえないことになります。

◉-6、何かしらのオファー・導線を設ける

会社案内は多くの場合、「見て、読んで、終わり」というパターンが多いものです。

電話番号や住所が明記されていて「お気軽にお問い合わせください」と書かれていたとしても、興味を持っていない限りターゲット側から問い合わせをすることは基本的にありません。

そのため、会社案内の裏側や一部に、会社案内限定の「無料相談チケット」や「商品お試し申し込み」などのオファーを付けておき、ターゲットに次のアクションを起こしてもらいやすくすることが大切です。

◉-7、ターゲットが問い合わせをしたくなるようなデザインにする

会社案内のデザインも、ターゲットに合わせて最適なものにする必要があります。

たとえば、介護施設を運営する会社のパンフレットであれば、メインターゲットは高齢の親を持つ40代~50代の男女なので、40代~50代の男女が高齢の両親を入居させて安心しているような写真を使ったり、親近感を覚えさせるような工夫が必要です。

また、40代~50代になると近視や老眼などで細かい文字が見えにくくなってくるため、問い合わせ方法を目立つところに大きく設置するなどのデザインの工夫も大切です。

◉-8、自社以外の視点を入れる

会社案内の内容は、どうしても「自社の視点からのみ」の一方的な情報発信になってしまいがちです。

そのため、自社以外の「利用者の声」や「顧客事例」などで、自社以外の第三者の言葉や情報を入れて、客観性を持たせることが重要です。

また、顧客満足度調査の結果を掲載したり、自社で行なったお客様アンケート調査の結果を掲載したりするなども考えられます。

◉会社案内(パンフレット)制作事例

実際に、今回解説してきたような観点で制作を行った会社案内の制作事例を1つご紹介します。

◉-1、事例:採用目的の会社案内制作事例

建築設計会社の採用活動を目的とした会社案内の制作事例です。

大々的な情報発信ではなく、専門学校などに求人票と一緒に配布することを想定。

また、社外の専門家に委託して会社案内を制作することが初めてということもあり、社内の素人で制作したものとは異なるデザイン性の高さや上質さ、フォローの手厚さなどに対する期待もありました。

デザインについては、「他社と比べて目を引くようなインパクトがほしい」「建築設計事務所ということがすぐに分かるデザインにしてほしい」「学生向けなので親しみやすく、明るいデザインにしてほしい」などが主な要望でした。

当社では、これらの要望を満たすことができるような提案を行い、会社案内が完成。

作成した会社案内を有効に活用して、優秀な若手人材の確保ができたということです。

◉【まとめ】ターゲットに伝わる会社案内(パンフレット)を作るためにも自社の深掘りと言語化が大切!

本記事では、問い合わせが増える会社案内を作るためのポイントについて解説してきました。

会社案内は、WebやSNSとは違い、見て、読まれるツールです。

使い方や工夫次第で問い合わせなどにつながる広告効果を出す魅力的なツールにすることが可能です。

そのためには、「自社の強み」をきちんと把握することが不可欠で、同業他社との差異を意識した自社の深掘りと明文化がファーストステップとなります。

そして、「自社の強み」を文章によってターゲットにきちんと伝えることができるような構成や内容にした上で、ターゲットの興味を惹く工夫や、問い合わせをしやすい導線の設置などを配置して初めて広告媒体としての力を発揮します。

もし、広告効果が期待でき、問い合わせにつなげるマーケティング視点の会社案内を作りたいという方は、フォーウェイまでご相談ください。

自社の強みの深掘りからトータルでサポートいたします。

パンフレット

企業の成長戦略の一つにブックマーケティングという手段があります。

企業出版やカスタム出版などと、よく混同されますが、ブックマーケティングとこれらの出版は似て非なるものです。

今回の記事では、ブックマーケティングの基礎的な情報とメリット、デメリット、最新のトレンドの手法を解説します。

目次【本記事の内容】

執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)

慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。

◉ブックマーケティングとは

ブックマーケティングとは、書籍をマーケティングに活用する手法のことです。

企業が自社の事業や商品・サービスなどについてまとめた書籍を出版し、企業や商品・サービスの認知度向上や購買意欲向上などに役立てることを目的としています。

現代では、ネット上で、欲しい情報をすぐに見つけることができます。

しかし、根拠がはっきりしなかったり、情報ソースが不明確だったり、発信者の信頼性がわかりづらかったりするため、本当に信頼できる情報を探り当てるのは至難の技です。

一方で、書籍は、出版社と著者が明記されている点や、現物がある点から「ネット上の情報よりも信頼できる」と考える人が多くいます。

また、ネット上でもこのような書籍の信頼性を活かして、企業の強みである独自の技術や実績、企業としての取り組みなどをストーリーとしてまとめて一冊の書籍という形で出版すれば、書籍そのものの信頼性や出版社の全国的な販路を活かした効果的なマーケティングが可能になります。

◉-1、ブックマーケティングと企業出版の違い

ブックマーケティングと企業出版の違いは、顧客のゴールを達成するための「戦略の立て方」にあります。

それぞれ顧客の目的を達成するためという大義名分は同様ながら、企業出版は出版社ができる範囲での書籍販売プロモーション中心の戦略をとります。大手出版社であれば流通力があるため、5000〜1万部を発行してその頒布力頼りのプロモーションになります。つまり、部数を多く流通させるため、読者の手に渡る確率は増えますが、その分コストは高くなります。

一方で、ブックマーケティングは顧客の目的を達成するためにゴールから逆算して戦略を組み立てます。そのため、部数頼りのプロモーションにはなり得ません。明確なターゲットを定め、どのように顧客ターゲットに届けるかをマーケティング戦略の知見で組み立てるため、書籍販売プロモーションに限らず、様々なマーケティング戦略をとることができるのです。

ブックマーケティングは、基本的には企業出版の考え方に基づく施策ではありますが、企業出版とは似て非なるものと言えます。

具体的なプロモーション方法を例にすると、企業出版は読者の手に渡る確率を上げるために書店プロモーションや新聞広告のような出版社ならではのプロモーション方法によってマーケティング効果を得る施策です。

一方で、ブックマーケティングは、あくまでも企業の事業成長を達成するためのマーケティング戦略の一環として書籍という媒体を利用します。

ブックマーケティングでは、出版社ならではの書籍販売プロモーションはもちろん、SNSマーケティングやSEOコンテンツマーケティング、クラウドファンディングなどを組み合わせて戦略を練ることになります。

通常の出版社ではマネできない様々な種類の手法を組み合わせることで効果を最大化させることができるのです。

◉ブックマーケティングのメリットとは

ブックマーケティングは時間や手間のかかる手法ですが、手間や時間をかけてでも取り組む企業はたくさん存在します。

その理由は、次の6つのメリットを享受することができるからです。

6つのメリットについて詳しく見ていきましょう。

◉-1、メリット①:信頼を獲得し顕在層をファン化できる

ブックマーケティングを行うことによって、顕在層をファン化することができます。

なぜなら、「書籍を出版している」という事実だけで信頼性が高まるからです。

さらに、自社の取り組みや商品・サービスなどの情報を発信することで、ファン化した顧客に商品やサービスの購入を働きかけることができます。

たとえ製品やサービスの購入頻度が低い顧客だったとしても、中長期的に安定した売上を築くことに貢献します。

◉-2、メリット②:他の広告施策よりも情報量が多い

ブックマーケティングで利用される書籍は、テレビCM・新聞広告・雑誌広告・各種Web広告などの他の広告施策と比べて圧倒的に多くの情報量を盛り込むことができます。これも書籍ならではの特徴です。

実際に、書籍は一般的に200ページ程度で、文字数は7万~10万字になります。

一方で、広告の中でも情報量が多いチラシを例にすると、A4判の場合は1000文字〜2000文字程度が見やすいと感じる限度です。

さらに、画像やタイトル、見出しを組み込めば、半分以下の文字数になることもあります。

このように、情報量は書籍と広告における大きな違いです。

書籍の豊富な情報量を使って、企業の商品やサービスの特徴だけではなく企業理念や代表者の考え方まで伝えることができるのです。

◉-3、メリット③:ターゲティングやエリアマーケティングがしやすい

ブックマーケティングは、テレビCMやWeb広告などのマス広告と比べて、ターゲティングしやすいというメリットがあります。

たとえば、投資用不動産の販売促進を目的としてブックマーケティングを行う場合、「お金を増やしたい」「節税したい」が読者ターゲットにとって大きな目的となります。

このような目的を持つ人の中で特にわざわざ自分でお金を出して書籍を購入する人は、投資用不動産に対する関心が高いと言えます。

そういったユーザーをターゲティングすることで、よりピンポイントで心に刺さる書籍を制作することができるのです。

また、特定のエリアの書店だけに重点的に書籍を配本することもできるため、そのエリア内の見込み顧客への認知度を高めることが可能です。

もちろん、日本全国に商圏を拡大したい場合にも有効ですが、地元などの狙ったエリアのターゲットに対してのファン獲得や販売促進などにもブックマーケティングは向いているのです。

ターゲティングやエリアマーケティングがしやすいことで、テレビCMなどのマス広告より効果的にマーケティングを行うことができるといえます。

▶️出版におけるエリアマーケティングについては、関連記事【出版によるエリアマーケティングのススメーー地域で勝つための営業戦略】もあわせて参考にしてください。

◉-4、メリット④:コンテンツの二次活用で効果を最大化できる

ブックマーケティングで用いた書籍を二次活用することでマーケティング効果を最大化することができます。

たとえば、自社で開催するセミナーなどで配布したり、営業ツールとして活用したり、Webサイトやブログなどのオウンドメディアに書籍の一部を切り出して転載することで、副次的効果を生むことが可能です。

テレビCMやWeb広告などの短期的な広告施策ではないため、長期的に幅広い企業活動に利用することができます。

◉-5、メリット⑤:メディア露出が増える

ブックマーケティングの内容が専門性高く話題性がある内容であれば、多くのメディアに引用され、露出が増える場合があります。

なぜなら、書籍は信頼性の高い媒体だからです。信頼性の高い媒体に書かれている情報を引用すれば、メディアが訴求したいことの根拠とすることができます。

たとえば、ダイエットに関するノウハウを発信するメディアがあったとします。そのメディアに「睡眠不足はダイエットに悪影響」という内容が根拠なく書かれているよりも、書籍に書かれているデータを引用した方がより説得力が高く、読者が納得する記事になるでしょう。

一方で、個人ブログなどの情報は、たとえ事実であっても引用されることはほとんどありません。

発信者が誰なのか、情報の根拠はどこにあるのかがはっきりしない情報はメディアにとって引用しにくいものとなります。

◉-6、メリット⑥:コンテンツが資産として残り続ける

書籍は長期にわたって様々なことに利用することができます。

たとえば、自社の商品に関する開発ストーリーを書籍にまとめて刊行した場合、営業ツールやセミナー資料として活用することが可能です。

また、二次利用されてWebサイトやブログなどに引用されたコンテンツも長い間Web上に残り続ける資産となります。

このように、専門性や信頼性の高い内容であればあるほど、書籍としても二次利用されたコンテンツとしても価値の高い資産として残り続けることになります。

◉ブックマーケティングのデメリットとは

ブックマーケティングには上記のように様々なメリットがあります。

一方で、デメリットもいくつか存在します。

4つのデメリットについて詳しく見ていきましょう。

◉-1、デメリット①:制作に時間を要する

ブックマーケティングでは、書籍の制作に時間を要するというデメリットがあります。

書籍の制作には「企画」「原稿制作」「デザイン」「印刷」というステップを経る必要があります。

それぞれのステップには以下のような期間が必要になるため、すべて完了するまでには6〜8ヶ月ほどの期間が必要です。目標とする出版時期がある場合は逆算して施策を進めていく必要があります。

なお、著者となる企業側の協力次第では、最短で3ヶ月ほどで制作も可能です。

さらに、ブックマーケティングを行う場合は、書籍の制作に取りかかる前に、書籍を発売した後のプロモーションまでの全体的な戦略を検討し、マーケティング戦略に一貫性を持たせるようにする必要があります。

このように、長期的な目線で準備をしていく必要があるため、特に短期で結果を求める企業にとってはデメリットとなるのです。

◉-2、デメリット②:情報のアップデートが難しい

ブックマーケティングのデメリットとして、情報のアップデートが難しいということが挙げられます。

その理由は印刷して製本されれば、修正することはほぼ不可能だからです。

一度印刷・製本したものを修正しようと思うと、一からすべて刷り直すことになります。

書籍の部数が多ければ多いほど、その手間やかかる時間、費用は膨大になります。

Webメディアの場合はワンクリックで修正・更新することが可能ですが、書籍の場合そうはいきません。

もちろん、初版本が完売して二刷以降が出版される場合は、その際に内容を更新したり修正したりすることは可能ですが、他の媒体と比べると大きな手間がかかります。

◉-3、デメリット③:出版社の流通力と宣伝力が試される

ブックマーケティングでは、書籍を出版するだけではなく、「いかにターゲットの手元に届けるか」が重要です。そのためには、出版社の流通力と宣伝力の高さが問われます。

たとえば、書籍を出版して書店に配本して終わりの出版社と、書店にFAXで新刊案内を送ったり、営業活動をして回ったり、店頭で「今売れている本」「話題の本」として展開されるように働きかける出版社とでは、書籍の売れ方が当然変わってきます。

また、書店以外での宣伝力も重要です。

たとえば、1度書店で目にしたことはあっても購入に至らなかった書籍が、Web広告で流れてきたり書店で大々的に宣伝されていたりしたのを見て、興味が湧いて購入してしまったという経験がある方は多いのではないでしょうか。

このように、流通力と宣伝力次第で書籍がターゲットに届く確率は大きく上がります。

出版社の流通力と宣伝力に依存する部分が大きいということは一つのデメリットといえるでしょう。

◉-4、デメリット④:商品やサービスによって向き不向きがある

ブックマーケティングは、単価の低い商品の販促には向きません。

なぜなら、ブックマーケティングは、マス広告やデジタル広告のように多くの人にアプローチできる施策ではないためです。

単価の低い商品を売りたい場合、企業が利益を出すためには多売が必要です。つまり、より多くの人に購入してもらう必要がありますが、ターゲットが絞られてしまうと、その目的は達成できません。

たとえば、ペットボトル飲料のような単価が低く、誰にでも買ってもらいやすい商品を大量に売りたいBtoCビジネスの場合は、より多くの人が目にするテレビCMなどのマス広告やデジタル広告の方が適していると言えます。

一方で、不動産やコンサルティング、金融、医療などの客単価が高い事業や社会的に信頼性が求められる事業の場合は、ペットボトル飲料のように、誰もが欲しいと思われる製品・サービスではありません。また、単価が高いため、すぐに顧客が買ってくれません。

そのため、ターゲットを絞り込み、顧客と時間をかけて丁寧に関係値構築をしたり教育したりしながら、販売数を増やしていく必要があります。

だからこそ、「読みたい」と手にとってもらえたら、長い文章を読んでもらえる上、顧客との関係値構築や教育が一冊で完結してしまう、ブックマーケティングは最適な手法と言えるのです。

しかし、単価が高い事業や、社会的に信頼性が求められる事業であっても、健康や医療に関する事業の場合は注意が必要です。なぜならば、書籍の内容が薬機法などに抵触していないかという確認が必要になるからです。

健康、医療系の場合は、きちんとした実績のある出版社に依頼した方が良いでしょう。

▶️薬機法に関しては次の、関連記事【薬機法(旧:薬事法)とは?違反せずに広告・PRする7つのポイントを分かりやすく解説】もあわせて参考にしてください。

◉ブックマーケティングの戦略の組み立て方

ブックマーケティングの戦略を組み立てる際には、企画コンセプト制作から発売後のプロモーションまでの全体的な戦略を設計し、マーケティング戦略に一貫性を持たせることが大切です。

制作段階と流通段階に分けて詳しく説明します。

◉-1、制作編:企画コンセプト制作と戦略設計

ブックマーケティングの制作段階では、その書籍を読んでもらいたいターゲット層は誰か、自社の何をどのように見せて最終的にどうしたいのかという目的を決めます。

また、この段階では、企画コンセプトの制作だけではなく、書籍を発売した後のプロモーションまでを想定した戦略を設計します。

◉-2、流通編:書店流通と広告販売戦略

書籍が完成したら、書店流通と広告販売戦略を立て、どのように販売促進を行っていくかを考えます。ブックマーケティングの場合は、書籍の部数や大手出版社の流通力頼りの戦略を取る企業出版とは違い、顧客のゴールから逆算して書店流通と広告販売戦略を立てていきます。

「あくまで書籍は、マーケティング戦略の1つ」と考え、企業の事業成長というゴールに向かって、書店流通や広告販売を行っていくのが特徴です。

たとえば、弊社では、書籍販売数ヶ月前からyoutubeチャンネルやクラウドファンディング、SNSなどでどのようなターゲットを集めて書籍購入につなげていくのか、また「書籍販売後にどのようなオンラインセミナーやキャンペーンを実施するのか」を考えていきます。

このように、ブックマーケティングはゴールが書籍の販売ではありません。書籍をきっかけにした企業の事業成長がゴールです。書籍の企画段階から出版前・出版後のプロモーションなどゴールから逆算して戦略設計が行われるので、書店流通や広告戦略全体に一貫性を出すことが可能です。

より説得力を高めた状態で、書籍を手にとって読んでもらえるため、「ただ出版した」以上の反響や成約につながりやすくなる、という訳です。

ブックマーケティング

◉ブックマーケティングにかかる予算

一般的なブックマーケティングの相場は450万~1000万円程度です。

ブックマーケティングにかかる費用は、「書籍の仕様」「発行部数」「制作費用」「プロモーション費用」などの要素によって決まります。

書籍の仕様としては四六判(130mm×188mmサイズ)で200ページ程度の書籍が多く、発行部数は印刷費用だけではなく、流通費用や返品された際のヘッジ分も加算されます。

制作費用はライターの人件費、プロモーション費用はメディアへのリリースや書店営業以外のWeb広告や新聞広告を出稿したり、出版記念イベントを開催したりする場合に発生します。

企業出版のメリットや費用など具体的な方法については、関連記事【企業出版の教科書|メリットから費用、成功のポイントまでまとめて解説】もあわせて参考にしてください。

◉ブックマーケティングの最新トレンド

効果的なマーケティング戦略を行うための、ブックマーケティングの最新トレンドをいくつかご紹介します。

◉-1、SNS×ブックマーケティング

インターネット環境が整った現代では、すでに多くの企業が重要なマーケティングツールとしてSNS(X<旧Twitter>、Instagram、TikTok、YouTubeなど)を利用しています。このSNSとブックマーケティングを組み合わせることによってマーケティング効果を最大化させることができます。

たとえば、とあるWeb制作会社は、Webマーケティングに関する書籍を出版しました。ただ出版しただけではなく、自社のSNSで出版前からキャンペーンなどを実施したり、書籍の一部を切り出して投稿したり、PRを行うことで、書籍や自社の認知度を向上させることに成功しています。

SNSの企業アカウントで書籍の発売についてPRすれば、その企業に興味を持つフォロワーにいち早く情報を届けることが可能です。

さらに、SNSの特徴である拡散力を利用することで、テレビCMやインターネット広告以上の効果を得ることができます。

書籍の制作期間は6~8ヶ月程度かかるため、制作期間中に一貫したSNSアカウントを立ち上げて事前告知などを行って興味を喚起し、影響力が出てきて顧客をファン化することができた頃に出版するという状態が作れることが理想です。

SNSマーケティングでトレンドとなっているストーリーテリングを取り入れ、SNS上でストーリーを紡ぎ、続きを書籍につなげる方法も考えられます。

◉-2、MEO×ブックマーケティング

店舗型ビジネスや開業医のクリニックなどのブックマーケティングを行う際に、MEO対策の仕掛けを行えば、書籍制作期間中でも集客効果を狙うことができます。

書籍制作には8ヶ月〜1年程度かかるため、その期間中に集客の術がないのは致命的です。

また、書籍が完成し発売しても、集客できていなければ人づてに広まっていくことは期待できません。

しかし、コンセプト設計を元にプロフィール設定や画像の変更を行い、集客力が上がった時点で書籍を発売することでより高い販促効果や集客効果を期待できます。

このように、MEO×ブックマーケティングはやり方次第で相乗効果を狙える手法と言えます。

◉-3、セミナー×ブックマーケティング

「SNS×ブックマーケティング」や「MEO×ブックマーケティング」と同様に、制作期間中に一貫したコンセプトのセミナーを開催することで、書籍の制作期間もマーケティング施策をストップすることなく集客することが可能です。

さらに、出版後に出版セミナーのような形で集客すれば、さらに大きく集客することができます。

たとえば、出版記念セミナーなどを行い、セミナーの最後に直接書籍を販売したり配布したりするというのも手法の一つです。

出版記念セミナーで人を集め、さらに直接手にとってもらうことで、より広いターゲットに書籍を届けることができます。

このように、セミナーはブックマーケティングの書籍を出版する前後で利用できる集客方法です。

◉-4、SEOコンテンツマーケティング×ブックマーケティング

書籍に記述されている内容、すなわちコンテンツの著作権は企業に帰属するため、自社のWebサイトやブログなどのオウンドメディアのコラムに自由に掲載することができます。

Webサイトやブログに掲載する際にSEO対策を施すことにより、検索エンジンでの検索結果の上位を目指すことができ、自社サイトのドメインパワーを高めることができます。

近年のSEO対策で重要なのは、何よりもオリジナル性のあるコンテンツです。

ネットで調べた情報をまとめたコンテンツが多い中、書籍のようなオリジナルコンテンツは自社のサイトに高いSEO効果をもたらします。

◉-5、動画コンテンツ×ブックマーケティング

動画コンテンツとブックマーケティングを組み合わせることも効果的な手法です。

なぜなら、ブックマーケティングと組み合わせる際も、書籍の内容を要約して動画で発信したり、書籍の告知動画を作ったり、書籍のコンテンツを流用してYouTubeチャンネルを立ち上げたりして自社のブランディングに活用できるからです。

動画コンテンツでもストーリーテリングの活用が増えていますので、ブックマーケティングとの組み合わせでストーリーテリングを利用することが考えられます。

◉-6、クラウドファンディング×ブックマーケティング

出版する書籍の企画コンセプトを決めた後に、クラウドファンディングを実施することによって、自社の認知拡大や書籍の事前告知をすることが可能です。

ブックマーケティングにかかる広告施策に必要な資金を調達することができるだけでなく、情報発信のチャネルが増えるということになります。

また、クラウドファンディングの支援ページは書籍を出版した後も残るため、自社の取り組みを残すことが可能です。

さらに、書籍出版やクラウドファディングをきっかけにプレスリリースが出せるため、メディアからの取材依頼を受ける可能性が⾼まります。

◉まとめ

この記事では、ブックマーケティングとは何かをはじめ、メリット・デメリット、ブックマーケティングの最新トレンドなどについて紹介しました。

ブックマーケティングを活用すれば、ただ書籍を出版するだけでなく、その書籍を自社のブランディング、認知度や購買意欲向上などに積極的に役立ていくことができます。

主に次のような方にブックマーケティングは最適です。

  • ・Web広告やSEOなどあらかたの集客施策をすでに行っているが、なかなかそれ以上の集客効果が得られないと悩んでいる中小企業
  • ・難しすぎてWebではなかなか集客できないようなビジネスモデルをお持ちの経営者様
  • ・ある程度事業も安定しているが、更なる成長をするための打ち手に困っている経営者様

そんな方は、ぜひ次のステージへの一歩として、ブックマーケティングを活用してみませんか。

ブックマーケティング

パンフレットは「企業や学校、商品やサービスを紹介するために配布するもの」というPRや広報のイメージが強いため、パンフレットを広告宣伝用に活用するイメージを持っていない方が多いのではないでしょうか。

そのため、パンフレットの内容や構成については「広告媒体である」という認識で作成されていないことがほとんどだと思います。

せっかく企画やデザイン、印刷にお金をかけて制作する訳ですから、PRや広報はもちろんのこと、広告媒体としてマーケティングや営業への活用も見据えて制作すべきです。

今回は、パンフレットを広告として有効活用するための方法について、構成や内容、制作する際のポイントなどについて解説いたします。

目次【本記事の内容】

執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)
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慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。

◉パンフレットを広告として有効活用するには?

パンフレットを広告として有効活用するために考えなければならないのは次の4点です。

  • ・目的や活用方法
  • ・内容
  • ・デザイン
  • ・配布方法

具体的にどのようなことを考えていくのか、詳しく見ていきましょう。

◉-1、パンフレットを作る目的や活用方法を明確にする

パンフレットを作る目的や活用方法などが明確になっていないと、誰にもピンとこない「ただの説明資料」になってしまいます。

まずは、パンフレットを「誰に向けて」「どんな目的で」「どのような活用方法を見据えて」作るのかを次のような形で明文化しておきましょう。

たとえば、建設業の会社案内パンフレットであれば、次のような形で明文化します。

誰に向けて・既存の取引先、パートナー企業
・工事の発注元となる可能性のある企業
どんな目的で・発注元企業からの認知獲得(工事の発注元企業に自社の存在を知ってもらう)
・信頼関係構築(信頼して工事を発注してもらうためのきっかけ作り)
どのような活用方法を見据えて・直接発送(取引先、パートナー企業、リスト先)
・PDF化して送信(問い合わせフォーム、メールアドレス)

上記のように文章にしておくことで、社内で共有ができ、目的をぶらすことなく制作を進めていくことができます。

◉-1-1、リーフレットやチラシ、カタログとの違い

パンフレットとよく混同されがちなのが、リーフレットやチラシ、カタログなどです。

以下の表に、パンフレット・リーフレット・チラシ・カタログの特徴や主な利用目的についてまとめています。

それぞれ特徴や利用目的などが異なるので、違いをしっかりと理解しておきましょう。

媒体特徴主な利用目的
パンフレット・複数枚の紙を折り曲げて重ね、真ん中をホッチキスなどの針金で綴じた冊子印刷物・UNESCOの定義では「表紙を除いて5ページから48ページまでのもの」で、48ページ以上は「書籍」に該当する会社案内や製品・サービスの詳細な紹介など、情報量の多い用途に利用される
リーフレット・1枚の紙を折り曲げて使用する綴じられていない簡易的な印刷物・コンパクトなため1枚の情報量は少なくなるが、折り曲げることによってページを作って、それぞれに情報を分けることが可能・商品や施設、イベントなどの案内・説明・告知を目的として利用される・広告宣伝用の手渡しツールとしても使用される
チラシ・1枚の紙を折り曲げずに使用する印刷物・最大でも両面印刷の2ページで、片面印刷の場合もある・商品やイベントなどの案内・告知を目的として大量に配布するために利用される
カタログ・パンフレットと同じく複数枚の紙を折り曲げて重ね、真ん中をホッチキスなどの針金で綴じた冊子印刷物・見た目はパンフレットと同じだが利用目的が異なるもの・商品や作品などを一覧で紹介することを目的として利用される。

◉-2、パンフレット制作をする前に企画をしっかりと行う

パンフレットは、ただ何かを紹介するためだけに制作するのではなく、あらかじめ明文化しておいた目的や活用方法をベースに、どんな内容のパンフレットを作るのかをより深く検討しておく必要があります。

パンフレットの企画段階における検討ポイントは以下の通りです。

◉-2-1、配布するターゲットを明確に設定する

まず、パンフレットを配布するターゲットを明確に設定します。

なぜなら、ターゲットによって掲載すべき「内容」や「デザイン」が変わってくるからです。

「誰に伝えたいのか」を明確にすることによって、「何を伝えるのか」というポイントがはっきりして、有効な「キャッチコピー」や「内容」「デザイン」につながります。

◉-2-2、ターゲットのニーズを深掘りする

次に、設定したターゲットがどのような情報を求めているのかというニーズを深掘りしましょう。

ターゲットのニーズを踏まえたうえで、「キャッチコピー」や「内容」「デザイン」を決めることによって、パンフレットとターゲットとのミスマッチを防ぐことができます。

ニーズに応えられるような「内容」になっていなければ、パンフレットを読んでさえもらえません。

◉-2-3、自社の強みを明確にする

ターゲットとニーズが明確になったら、それに対する自社の強みを明確にします。

3C分析やSWOT分析などのフレームワークを用いて、同業他社との差別化を意識しながら、パンフレットの目的に沿ったアピールができる強みを整理し、明確にしていきましょう。

◉-3、ターゲットの興味を惹く構成、デザインに落とし込む

パンフレットを見たターゲットに、商品・サービスの問い合わせや資料請求、購入などの何かしらのアクションを起こしてもらうためには、まずパンフレットを開いた時に「自分向けのパンフレットだ」と思ってもらう必要があります。

たとえば、人材採用を目的とするパンフレットであれば、ターゲットと同年代の従業員の写真を入れて、「自分がこの会社に入ったら、こんな風に活躍できるんだ」というイメージを持ってもらいやすくなり、「読んでみよう」と思ってもらいやすくなります。

また、商品やサービスのパンフレットであれば、ターゲットと同じ属性の「お客様の声」を入れたりするのも有効です。

ターゲットに「自分ごと」にしてもらわなければ、パンフレットをいくらうまく作っても読んでもらえないので、以下のようなポイントを押さえて、「いかにターゲットの興味を惹くか」を検討しましょう。

◉-3-1、ターゲットがピンとくるキャッチコピー・文章にする

ターゲットがパンフレットを見た時に、まず目に入る文章がキャッチコピーです。

キャッチコピーが刺さるか刺さらないかで、中身の文章を読んでもらえるのかが決まる重要な要素なので、次のポイントを押さえて文言を考えていきましょう。

・訴求ポイントを、短くわかりやすく表現する
・他社との差別化を意識したユニークなものにする
・ターゲットが普段使う言い回しや言葉を使う(普段使わない言葉を使っても刺さらないため)

また、キャッチコピーだけではなく、文章も重要です。

伝えたいことを羅列しただけでは、ただ長いだけの無味乾燥な文章になってしまいます。

パッと読んだだけで理解できるような分かりやすい文章表現を心がけましょう。

◉-3-2、内容を詰め込みすぎないように注意する

パンフレットを制作する際には、「せっかく作るんだからこの情報もあった方が良い」という風に、多くの情報を入れ込みたいという気持ちになりがちです。

しかし「内容を詰め込み過ぎる」とターゲットには伝わりにくくなります。

なぜなら、ターゲットにとって「どの情報が自分向けなのか」「どの情報が重要なのか」が分かりにくくなってしまうからです。

パンフレットの内容は、「何を載せるか」ではなく「何を残すか」という引き算の観点で考えた方が良いでしょう。

前述したように、「誰に向けて」「どんな目的で」「どのような活用方法を見据えて」作るのかを明文化しておけば、「何を残すか」の優先順位を決めやすくなります。

◉-3-3、次のアクションにつながるオファーを入れる

パンフレットを広告宣伝に活用するには、ターゲットの次のアクションにつながるようなオファーを入れることも重要です。

購入や販促などの広告の目的を達成するために、顧客にメリットを提示することをオファーといいます。

たとえば、パンフレットの中にバーゲン情報を記載したり割引クーポン券などを付けたりすることで、ターゲットに次のアクションを促すことができます。

「パンフレットを読んで終わり」にならないよう、次に繋げる意識が大切です。

◉-3-4、自社以外の第三者視点を入れる

パンフレットでは、自社の商品やサービスの優位性を強く訴求したくなりますが、自社の視点からだけの紹介では、一方的な押し付け情報と受け取られてしまいます。

これを回避するために、自社以外の第三者による評価などを入れたりできないか検討してみましょう。

たとえば、モニターによる商品・サービス利用の感想や、既存のユーザーに対して行ったアンケート結果などです。

ユーザー視点からの意見を入れることによって、よりパンフレットに記載されている内容に信頼感を持ってもらいやすくなります。

◉-3-5、図や表を入れて視覚的に訴求する

パンフレットには文章だけではなく、図や表を入れて視覚的に訴求するようにしましょう。

図表を使うと自社の商品やサービスの優位性など、伝えたい情報の正しさや正当性を分かりやすく示すことができるからです。

また、ターゲットの中には文字を読むことに苦痛を感じる人もいます。

できる限り、キャッチコピーなどの目立つ文章と写真、図表などを見ればあらかたパンフレットの内容を理解できるようにするのが理想です。

◉-3-6、売り込み色が強くなりすぎないように注意する

「自社の商品やサービスを買って欲しい」というイメージが強いパンフレットだと、ターゲットは警戒し、慎重になってしまいます。

「自社の強みをもっとアピールしたい」「自社の商品・サービスを売りたい」という気持ちは持っていても、パンフレットに売り込み色を強く反映しないように、注意して制作しましょう。

売り込み感を隠すぐらいが広告として丁度良いと言えます。

◉-4、ターゲットの手元に的確に届ける

パンフレットは、ただ単に作るだけではダメです。

ターゲットがよく利用する媒体を積極的に活用したり、無料セミナーを開いたり、営業マンに見込み顧客に手渡してもらったりしながらターゲットの手元に的確に届けていくことが重要です。

ターゲット以外の人に届けても意味がありません。

あくまで、ターゲットの手元に届くように、次のような工夫や施策を実行してはじめて成果につながるのです。

◉-4-1、PDF化して、Web上で配布する

パンフレットをPDF化して、自社のHPやポータルサイトに掲載しておき、メールマガジンやLP(ランディングページ)などから適切なリンクを貼ることによって、Web上で配布することができます。

パンフレットを紙媒体で作るだけではなくWeb上で配布していくことも重要です。

また、PDFであればWeb上で多くのターゲットに送付することができます。

たとえば、メインターゲットから少し外れていたり、「紙媒体で送るにはちょっとコストをかけすぎかな…」と思うような相手にもPDFであればコストを気にせずに送ることが可能です。

◉-4-2、ターゲットに直接送付する

自社で保有している見込み顧客リストの住所にパンフレットを直接送付する方法は効果的です。

また、エリア限定の商品やサービスのパンフレットであればポスティングで直接届けるのも有効と言えるでしょう。

パンフレットが郵便受けに届くので、捨てる前に必ず一度はターゲットの目に入ります。

そのため、表紙などでうまく興味を惹くことができれば、ターゲットに内容まで読んでもらえる可能性が高くなるのです。

手書きの手紙を付けたり、「バーゲン情報」「クーポン券」などのオファーを付けておくと集客につながる可能性が高まるのでおすすめです。

◉-4-3、セミナーや講座などで手渡す

自社が開催するセミナーや講座などで、受講者にパンフレットを手渡しする方法です。

受講者はセミナーや講座の内容に関心を持って参加しているわけですから、テーマに関連するパンフレットであれば、ほぼ確実に受け取って読んでもらえるでしょう。

さらに、パンフレットを読んだ受講者が問い合わせや資料請求などのアクションを起こして購買や成約につながる可能性もあります。

ポイントはセミナーの前に配っておくことです。

早めについて時間を持て余したりした際に読んでもらえる可能性が高くなるからです。

また、セミナーや講座で配ったパンフレットについては「こういう内容が書かれていますので読んでください」と必ず説明するようにしましょう。

こういった細かい配慮の1つひとつがパンフレットの広告効果を高めてくれます。

◉-4-4、ターゲットが集う場所に置かせてもらう

パンフレットの企画段階で設定したターゲットの属性などから、ターゲットが集まりやすい場所が特定できる場合は、その場所にパンフレットを置かせてもらうなども有効です。

たとえば、高齢者がターゲットであれば病院やクリニック、接骨院や整体、公民館やカルチャーセンターなどが良いと言えます。

ターゲットによって有効な場所は異なりますので、そのリサーチをいかにできるかがポイントと言えます。

もちろん、置かせてもらう場所のオーナーや責任者に依頼して了解を得てから置くようにしましょう。

◉-4-5、営業ツールの一つとして営業マンに活用してもらう

パンフレットを営業ツールの1つとして営業マンに持たせて活用してもらうのも有効です。

営業マンにとっては、パンフレットがあることで、説明の時間を短縮できたり、お客様を訪問しやすくなったり、話のきっかけ作りになったりします。

この場合も、ただ営業マンが手渡して終わりにならないように、顧客の次のアクションを促すような「無料相談チケット」「割引クーポン」などのオファーをパンフレットに付けておくと良いでしょう。

パンフレット

◉パンフレット制作事例

実際に広告宣伝にパンフレットを活用した事例を3件ご紹介します。

「いまいちパンフレットを広告にどう使えば良いか分からない」という方は、ぜひこれらの事例と同じような活用ができないかを検討してみてください。

◉-1、事例1:建築設計会社の採用パンフレット制作

ある建築設計会社では、採用活動を目的とした会社案内のパンフレットを制作。

中小企業ということもあって広く発信することは考えておらず、専門学校などに求人票と一緒に配布することを想定して、「他社と比べて目を引くようなインパクトのあるデザイン」「建築設計事務所ということがすぐに分かるデザイン」「学生向けに親しみやすい明るいデザイン」にしたいというのが先方の要望でした。

パンフレットを制作する前から、すでにターゲットが明確になっており、利用目的や要望もはっきりしていたため、専門スタッフ・デザイナーの力を結集して、満足していただける出来栄えのパンフレットを制作することができ、採用活動で実績を上げることに成功しました。

◉-2、事例2:不動産投資サービスの見込み顧客への配布用パンフレット制作

医師向けの不動産投資サービスを行っている不動産会社では、すでにブックマーケティングを実践し、書籍出版により大きな成果を上げていました。

しかし、中には書籍を一冊読むまでには至っていない検討段階の見込み顧客もいらっしゃるとのこと。

そういったライトな見込み顧客向けに配布するためのパンフレットを作成しました。

イメージ的には、既に刊行済の書籍のダイジェスト版ですが、「どれぐらい節税できるのか」「なぜ不動産投資が節税になるのか」「物件を見極めるポイント」などがパッと見て分かるように配慮し、実際に投資用不動産を購入した顧客との対談インタビューを掲載するなどを工夫。

自社HPからパンフレットのPDFデータをダウンロードしてもらう形で配布しており、新規問い合わせなどにつながっています。

◉-3、事例3:投資スクールの入校募集パンフレット制作

ある投資スクールでは、投資に興味がありながらもノウハウや知識を得るために何をしたら良いかわからない人に向けて、「入校を後押しする」ようなパンフレットを目指して制作。

新規入校生募集のためのパンフレットということもあり、表紙に投資スクールを受講したことによって利益を得た実績が分かりやすいように、「Before・After」を掲載して、インパクトを与えるように工夫しました。

また、投資スクールという世間のイメージがあまりよくないため、実際にスクールを受講して利益を得た方のリアルなインタビュー内容を掲載したり、メディアで取り上げられた実績を掲載したり、安心感や信頼感を与えることができるような内容になっています。

投資スクールのサービス内容や講師陣、受講料など、受講を検討する方が気になる項目についても詳しく紹介。

結果として、多くの方から問い合わせが増えて、新規入校者の増加につながっています。

◉【まとめ】デジタル時代の今だからこそ、パンフレットは有効な広告ツール!

本記事では、パンフレットを広告としてもっと有効活用するための方法について紹介しました。

PC、スマホなどを利用したデジタル広告が主流となっている現代ですが、こういうデジタル時代だからこそ、アナログなパンフレットが際立ち、有効な広告ツールとして効果を発揮します。

せっかく費用をかけて制作するのですから、広告や営業への活用も視野に入れてパンフレットを制作してみてはいかがでしょうか。

広告に有効活用することを見据えたパンフレット制作をお考えであれば、フォーウェイまでお気軽にご相談ください。

日本の経済成長を常に支えてきた、建設業界。

しかし近年、深刻な人材不足が業界全体の課題となり、ほとんどの会社は先行きが見えずに悩んでいるのが実態です。

そんななか、建設業界でも戦略的な活動による自社ブランディングに成功し、経営課題を解決する事例が増えてきています。

建設会社のブランディングについて、その必要性と適した手法を解説します。

目次【本記事の内容】

執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)
画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 29d5ead1ee41a6d25524876e7bd315d5-scaled.jpg
慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。

建設業界に広がるブランド構築の意識

従来、建築会社であれ土木会社であれ、日本の建設業界に自社の「ブランド」という意識はあまり浸透していませんでした。

しかし、そういった業界の体質が、近年になって変わってきているのです。

背景にある深刻な若者不足

建設会社の意識が変わった背景にあるのは、業界を襲う恒常的な若者不足です。

建設業界に新しく入ってくる新規学卒者はバブル期のピークから激減しており、2000年に約4万7000人いたのが2009年には2万9000人にまで減少しました。

東日本大震災の復興需要やオリンピック関連工事の需要によって近年やや回復してきてはいますが、それでも横ばいを続ける程度にとどまっているのが現状です。

参考:建設業ハンドブック2020

https://www.nikkenren.com/publication/pdf/handbook_2020.pdf

若者から魅力を感じてもらえない!

そんな状況から、建設業界におけるほとんどの企業は、社員が高齢者ばかり。

何年も若者を採用できておらず、そもそも募集広告を出したところで応募がほとんどない、という悩みを多くの会社が抱えています。

そんな状況を打破するため、特に後継者が事業を継いだ直後の会社や、新しく立ち上げられた会社を中心に、ブランディング戦略によって人材を集めようとする機運が高まっているのです。

建設業のブランディングとは?

では、近年注目される建設業のブランディングとは、具体的にどのような手法なのでしょう。

従業員10人、おじさんだらけの設備工事会社

ここからは、実際の成功事例を通してブランディングの手法を紹介します。

M社は東京近郊に所在する設備工事会社。主に電気関係の設備工事を請け負う会社です。

創業家の3代目であるA社長が経営者を引き継いだ際、社員は10人で男性ばかり、平均年齢は50歳をゆうに超えていました。

このままではあと10年もすれば社員と一緒に会社も老衰状態になり、ものづくりの技術がついえてしまう……そう危惧したA社長は、自社ブランディングの施策によって会社を若返らせることを決意したのです。

ベンチャー企業のようなWEBサイトを制作

A社長が踏み切ったのは、WEBサイトの全面改修です。

それまでのWEBサイトは、1ページで簡単に会社の概要を紹介する公式ホームページがあったのみ。公開してから一度も更新されておらず、WEBサイト経由の問い合わせは皆無でした。そもそも、想定する閲覧対象すら決めずになんとなく制作したページだったのです。

A社長はベンチャー企業を中心とした実績を持つデザイン会社とタッグを組み、旧サイトをスタイリッシュなデザインで豊富なコンテンツを保有したコーポレートサイトに刷新しました。

具体的な企画は、代表自身の言葉による事業理念紹介、採用案内ムービー、業務内容が伝わる自社コラム、社員とプロジェクトの紹介など……とにかく情報を豊富にして、あらゆるテーマで自社と事業について広報する役割を自社サイトに持たせました。

女性が活躍する設備工事会社に

サイト改修の効果は、てきめんでした。

まず、採用募集の広告に対する反響率が劇的に上がり、若手人材や女性が次々に面接に訪れたのです。

以前ではあり得なかった、広告経由でないWEBサイト閲覧からの応募者も現れました。

さらに特筆すべきは、応募者が面接に訪れた時点でM社を魅力的に感じている状態であった点です。

「事業理念を読んで、工事会社の仕事に大きな社会的価値を感じた」「映像を見て、品質へのこだわりに共感した」「仕事に取り組む社員さんの姿勢に憧れた」など、応募者の語る志望動機は軒並み具体的で、ほぼすべての人がWEBサイトを見て志望度が高まった状態で面接にやってきました。

このようにM社のイメージや方向性に共感してくれている人材は入社後のミスマッチも少なく、育成もスムーズに。M社はどんどん拡大し、サイト改修から5年で「おじさんばかりの10人」から「女性と若手が活躍する40人」へと大躍進を遂げたのです。

効果は採用強化だけではなかった

WEBサイト改修というM社のブランディング施策の効果は、採用のみにとどまりませんでした。

まず、WEBサイトからの問い合わせを起点にした仕事の受注が、毎月一定数入ってくるようになったのです。

建設業界は、創業者のウデの良さが口コミによって広まり、地域の顧客を獲得できるようになることが重要。経営が安定してからは既存顧客からの相談や顧客紹介で売上を保つのが当たり前の世界です。

そんな常識なので大半の建設会社はWEBによるマーケティングに力を入れておらず、サイトの充実したM社はWEB問い合わせの需要を総取りできました。

インナーブランディングの威力

くわえて、サイトによるコンテンツ発信の価値は、お客様だけでなく社内にも波及しました。

A社長いわく、「サイト改修以降は会社としての考え方を社員みんなが理解してくれるようになり、明らかに仕事の動きが変わった」のだといいます。

実際、社員のモチベーションアップによって工事現場の利益率は以前よりも改善しているそうです。

M社は、ブランディング戦略によって会社の構造を丸ごと変えるほどのインパクトを達成したといえるでしょう。

▶企業のブランディングについてより詳しく知りたい方は、関連記事【企業ブランディングとは?企業の成長における重要性や手法を徹底解説】もあわせて参考にしてください。

まとめ

多くの建設会社が挑戦しているブランディングについて、一つの例を通じて解説しました。

今回の事例はWEBサイトを使った採用ブランディング施策でしたが、会社によって課題はさまざまですし、施策もパンフレットや出版といった紙媒体による発信から、セミナーやイベントといったリアルコミュニケーションまで数多く存在します。

建設業には将来性がないと諦めず、未来に向かって行動を起こしてみましょう。

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ブックマーケティング

書籍の出版を通して、集客や販促、採用、権威性の向上、ブランディングなど、自社が抱える課題を解決することを「出版ブランディング」といいます。

デジタルマーケティングなどである程度売上も安定して上がるようになり、「既にある程度やっているが、これ以上何をやったら良いのか?」と、伸び悩みや頭打ちを感じている企業を次なるステージに進めるのにおすすめの施策です。

今回は、そんな「出版ブランディング」について、やり方やメリット・デメリット、かかる費用感や成功事例などを詳しく解説します。

目次【本記事の内容】

執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)
画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 29d5ead1ee41a6d25524876e7bd315d5-scaled.jpg
慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。

出版ブランディングとは?

「出版ブランディング」とは、書籍を出版し、その書籍を利用して企業や商品・サービスの知名度向上や信頼性向上などを行うことです。

具体的には、制作した書籍を出版して書店流通させ、マーケティング・ブランディング施策を行います。

近年、インターネットやデジタル技術の発達により必要な情報を容易に見つけることができるようになりましたが、根拠や発信者、ソースなどが不明確なため、本当に信頼できる情報なのかどうかがあいまいなケースも増えています。

一方で、書籍はアナログな媒体でありながら、著者や出版社が明記されているため、インターネット上のものよりも信頼できる情報です。

情報ソースとして社会的にも信頼性が高い媒体で情報発信を行うことで、「出版できるほどの企業なんだ」という、一般的なマーケティング施策では実現できない、企業のさらなる知名度や信頼性の向上につながるのです。

そのため、すでにWebサイトやブログ、SNSなどのデジタル技術をブランディングに活用して一定の成果をあげている企業が、次のステージに進む手段としても「出版ブランディング」は有効です。

企業出版(カスタム出版)とは何が違うの?

企業が書籍を出版する方法として「企業出版」及び「カスタム出版」が知られています。

「企業出版」及び「カスタム出版」は、企業が出版費用をすべて負担して企業の認知度や信頼性を向上するために書籍を出版し、書店へ流通させてプロモーションを行うものです。

出版ブランディングは、「企業出版」及び「カスタム出版」という方法を活用することで企業ブランディングを行うことを指す言葉であり、言い換えただけで大きな違いはありません。

一方で、「企業出版」及び「カスタム出版」や、出版ブランディングの一つとして、出版による成果にこだわり、マーケティング設計から作り込むブックマーケティングのようなサービスもあります。

具体的には、一般的な出版社のプロモーション施策だけではなく、SNSの活用やクラウドファンディングの実施、Web広告や記事の寄稿など、あらゆるマーケティング施策を活用することで1冊でも多くターゲットに届けていくのがブックマーケティングです。

「企業出版」及び「カスタム出版」よりも多くのマーケティング施策を活用するため、ターゲットに本を届けやすくなるのが特徴です。

出版ブランディングを検討しているのであれば、「企業出版」や「カスタム出版」だけではなく、ブックマーケティングも一つの選択肢として検討してみてはいかがでしょうか。

出版ブランディングを行うメリット

メリット

「出版ブランディング」を行うことによって、次のようなメリットを享受することができます。

  • ・社会的信頼性
  • ・権威性の向上
  • ・業界内における認知度の向上
  • ・人材採用の強化
  • ・社員の定着率の向上
  • ・新たな見込み顧客の獲得
  • ・顧客教育の強化

具体的にどのようなメリットなのかをくわしく見ていきましょう。

社会的信頼性・権威性の向上

企業の代表者や企業自体が書籍を出版すると、商品・サービス、代表者個人の社会的信頼性の向上につながります。

デジタルの広告宣伝手段が主流となっている現代においても、書籍の「社会的信頼性」は高いです。

また、書籍を出版するとその道の専門家と見られるようになりますので「権威性」も向上します。

テレビや雑誌などのメディアの注目が集まれば、番組からのオファーも考えられますので、さらなる信頼性の向上やブランディングにつながります。

▶︎企業の権威性を上げる方法については、関連記事【企業や経営者の権威性を高めるには?SEOやマーケティングへの活用法】もあわせて参考にしてください。

業界内における認知度の向上

企業の代表者が書籍を出版すると、その企業や事業の認知度向上につながります。

出版ブランディングとは、企業が顧客や取引先、業界、株主、地域社会、従業員などのステークホルダーに対して、認知度や、共有してもらいたい自社のイメージを高める目的で行われます。

社会的信頼性の高い書籍を出版しているということによって、業界内における認知度や地位が向上して一目置かれる存在になるのです。

なんというか、当社の見られ方が確実に変わりましたね。同業者の集まりに出ても「あのイナバプランニングカンパニーさん」という反応で最初から一目置かれている。
引用元:【事例コラム】大口案件の集客、人材採用、大手企業からの講演依頼!出版ですごいことになった保険代理店

▶認知度向上の方法についてより詳しく知りたい方は、関連記事【経営者必読!認知度向上の方法と効果的なマーケティングの選択肢】もあわせて参考にしてください。

人材採用の強化

企業が成長するためには、優秀な人材が欠かせません。

「出版ブランディング」によって、企業の知名度が上がり、その魅力が周知されると、より自社に合った優秀な人材が応募してくることが期待できます。

人は安定した収入が得られることはもちろん、社会的な存在意義が高く、社会貢献につながるような仕事に就きたいと考えているため、人材採用という点からも企業のブランディングは重要なのです。

実際に株式会社学情が2025年3月卒業(修了)予定の大学生・大学院生を対象に行なったアンケート結果によれば、学生の半数以上の57.1%の学生が「企業のSDGsに関する取り組みを仕事選びで重視する・どちらかと言えば重視する」を選択しています。

「働きたい仕事である」というのはもちろんのこと、こういった企業の理念や創業者の思い、カルチャーなどの面も重視される傾向になってきているのです。

そのため、今後企業がより優秀な人材を採用するためには、企業が掲げる理念や想いもしっかりと伝えていく必要があります。

書籍は、そういった企業の商品やサービスの魅力以外の側面や背景などを伝えるのに適した媒体なので、出版ブランディングを行うことにより、将来的な人材採用の強化につながることが期待できます。

社員の定着率の向上

「出版ブランディング」は、顧客や社外の関係先に働きかけることが目的です。

しかし、書籍の中に企業理念や経営者の考えなどを含めることによって従業員に対するインナーブランディングに活用することもできます。

社員に企業理念を浸透させたり、社員のロイヤリティを向上させたりすることも可能です。

インナーブランディングによって企業理念や行動指針などの理解が深まると、従業員のモチベーションやパフォーマンスの向上が期待できます。

結果として、定着率アップや優秀な人材の確保につながります。

新たな見込み顧客獲得

書店には「何か面白い本はないかな」と訪れる人も多く、タイトルを見たり立ち読みをしたりして、興味関心のある本を購入します。

つまり、いろいろな悩みや課題をかかえた潜在顧客に購入してもらえる可能性があるということです。

通常の営業やマーケティング施策では接することのできない決裁者や富裕層などの潜在顧客へアプローチできることも、書籍の出版のメリットとなります。

実際に、企業の決裁者や富裕層などをターゲットにしている企業で、営業やWebマーケティングを実施しても良い成果が出なかったところ、出版ブランディングを活用して問い合わせを獲得した事例もあります。

しかし、出版したからといって必ず書店に配本され、書棚に並べられるとは限らないので注意しましょう。

書棚に並べられることなく返品になる本も山ほどあるのです。

しっかりと本を書棚に並べてもらうためには、出版実績が豊富な出版社や、営業力が高い出版社などを選んで本を出すことが重要です。

顧客教育の強化

「書籍を出版した」ということだけで、その企業の社会的信頼性や権威性が向上するので、顧客との間の信頼関係の構築に大きく貢献します。

また、書籍を読むことによって、その企業の商品やサービス、企業理念、成り立ちなどについて理解してもらうことができます。

特に高額商品やBtoB商品の場合は、「なぜその商品やサービスが必要なのか?」や「商品やサービスを利用することによってどのようなメリットがあるのか」などを顧客に理解してもらわなければ成約に至りません。

一般的に顧客教育に数ヶ月以上の期間がかかりリードタイムが長くなります。

しかし、書籍を読んでもらうことによって「顧客教育」が終わってしまう場合もありますので、商談の期間や成約までのリードタイムが短縮できます。

保険の商談に従業員と同行するときも、お客様に事前に本を読んでおいてもらうと、ご面談するときにちゃんと「あったまっている」んですよね(笑)
引用元:【事例コラム】大口案件の集客、人材採用、大手企業からの講演依頼!出版ですごいことになった保険代理店

出版ブランディングのデメリット

デメリット

「出版ブランディング」を行うことによるデメリットは、主に費用がかかることのみです。

出版費用を含めて費用がかかる

「出版ブランディング」の費用は「商業出版」とは違って、出版費用だけではなく、書店流通費用や、ターゲットに届けるためのプロモーションやマーケティング施策の費用などがかかるため、合わせて数百万円程度になります。

しかしながら、「出版ブランディング」は企業としての知名度向上や新たな顧客獲得にもつながるため、これらの費用をすぐにペイできるケースが多いというのも事実です。

出版ブランディングの費用感

費用

「出版ブランディング」の費用は、書籍の仕様や発行部数、プロモーションなどをどうするかによって変わってきます。

書籍の仕様は、一般のビジネス書であれば130mm×188mmサイズ(四六判)、200ページ程度のものが多いので目安にすると良いでしょう。

この仕様のビジネス書の文字数は7万文字~10万文字程度になりますが、文字数によってライターの人件費が増減します。

また、発行部数によって印刷費用や流通費用も増減します。

プロモーション費用は、メディアへのリリース、書店営業、Web広告・新聞広告、出版記念イベントなどをどうするかによって決まります。

これらのことを考慮すると、「出版ブランディング」の費用相場は450~1000万円程度と言えるでしょう。

出版ブランディングの流れ

「出版ブランディング」の一般的な流れは次の通りです。

書籍の企画まず最初にやるべきことは、出版目的とターゲット、アプローチ方法(プロモーション)をきちんと決めておくことです。何のために出版して、誰に読んでもらって、何を伝えるのか、そしてどうすればターゲットに確実に届けることができるかを想定しておかなければなりません。書籍の企画にかかる期間は、約1ヶ月~2ヶ月です。
原稿執筆書籍の企画に従って原稿を執筆します。自身で執筆しても良いですが、多くの場合はライターにインタビューをしてもらってライターが執筆します。写真・図表・イラストなどが必要であれば、これらを準備します。その後編集者からアドバイスを受けて必要に応じて修正します。原稿執筆などにかかる期間は、約1ヶ月~4ヶ月です。
デザイン完成した原稿に対して、表紙や誌面のデザインやレイアウトを行います。書籍の内容やターゲットに合わせたデザインになるようにします。デザインにかかる期間は、約2週間~1ヶ月です。
校正・校閲デザインが終わると最終段階の校正や校閲を行います。紙やPDFに出力して、誤字脱字・表記ゆれはないか、イメージ通りのデザインになっているか、写真・図表・イラストは適切かなどをチェックして校正と修正を繰り返します。同時に校閲を行って事実関係に誤りがないことを確認します。校正・校閲にかかる期間は、約2週間~1ヶ月です。
印刷・製本印刷会社に書籍データを送付して印刷・製本を行います。インクのノリ具合や写真の色味を確認するために、印刷会社から色校正が提示されますので、問題がなければ印刷・製本して書籍が完成します。。印刷・製本にかかる期間は、約1ヶ月です。
プロモーション企画段階で決定したプロモーションを実施して書籍の販促をして「出版ブランディング」の目的達成を目指します。

出版ブランディングの成功事例

実際に出版ブランディングを行って、企業としての知名度向上や新たな顧客獲得に成功した事例をいくつかご紹介します。

出版をきっかけに前年比売上が倍に増加(不動産投資)

ある不動産投資会社の経営者は、従来からSNSやWeb広告などを利用して不動産投資サービスに関する情報発信を行っていましたが、伸び悩みを感じて打開策を検討していました。

そして、医師をターゲットとして「高収入な医師に最も効果的な節税対策は不動産投資である」という内容の書籍による「出版ブランディング」を実施。

企画段階から医師をメインターゲットにしたプロモーションを検討し、出版のタイミングに合わせたSNS投稿やセミナー開催、クラウドファンディングなどを実施しました。

結果として、狙い通り多くの医師に書籍を購入してもらうことができ、書籍を購入した医師に「不動産投資に大きな節税効果があること」を認知してもらうことに成功。

売上を倍増させることにつながりました。

さらに、既存顧客から知り合いの医師への口コミや書籍の配布などによって評判が広がり、新規顧客の獲得にもつながりました。

業界内での認知度が向上!共感を生み、売上も向上(保険代理店)

法人向けの保険代理店の経営者は、新規事業を始めたタイミングをきっかけに、更なる飛躍のために「出版ブランディング」を実施。

著書の中で、保険業界が抱えている問題点について取り上げるとともに、保険業界では当たり前の給与体系である「成果報酬型」を「一律報酬型」に変えることによって業績拡大を実現した自社の事例などを紹介しました。

出版後、多くの保険業界関係者などに読んでもらうことができ、自社の知名度が向上。

同業者内で「あの保険代理店の社長さん」と一目おかれるようになり、ブランディングに成功しました。

保険契約数が飛躍的に伸びたのはもちろん、新規のコンサルティング契約を獲得したり、保険会社などから講演会の講師として招かれたりするようになりました。

出版によりコンスタントに新規来院が継続!遠方や海外からの来院も増加(開業医)

千葉県で耳鼻咽喉科を開業している医師は、自身が研究治療をしているめまいや耳鳴りの専門家としての認知度を上げるために「出版ブランディング」を実施。

めまいや耳鳴りは現代病とも言われて潜在患者は多いものの、積極的な治療が行われていないという実情があるため、「本当は怖い」という警鐘を鳴らす書籍にしました。

自身のクリニックに近い一都三県の書店に集中的に配本したところ、出版後1ヶ月で読者の新規来院が10名以上増えて、その後も読者の新規来院がコンスタントに続くように。

また、全国の書店でも販売しているため、遠方や海外からの来院患者も増えました。

成分を訴求したことで売上が前年比4倍に増加(健康食品)

コラーゲンサプリメントなどの健康食品の開発・販売を行っている会社の代表者は、サプリメントの販促のために書籍を出版。

ただし、書籍のタイトルなどにはサプリメントの販促に関するものは一切なく、書籍の内容も血管を若返らせるコラーゲンについて説明をしたものとしました。

つまり「あらゆる死に至る病気の原因は血管の老朽化であり血管を若返らせることが健康寿命を延ばす近道だ」という内容の書籍を出版したのです。

これは、サプリメントの効果効能や商品名を訴求すると薬事法(現在の薬機法)に抵触する恐れがあるためです。

サプリメントの成分であるコラーゲンの良さを伝えるという方向性の内容にすることで薬事法に抵触することなく、成分の認知度向上に成功しました。

出版後、読者から著者や出版社への問い合わせが殺到。

結果としてコラーゲンサプリメントの成分ブランディングに成功し販売促進につながっています。

▶薬機法についてより詳しく知りたい方は、関連記事【薬機法(旧:薬事法)とは?違反せずに広告・PRする7つのポイントを分かりやすく解説】もあわせて参考にしてください。

【まとめ】出版ブランディングは次のステージに進みたい企業におすすめの施策

本記事では、「出版ブランディング」のやり方やメリット・デメリット、費用感、成功事例などについて詳しく解説しました。

「出版ブランディング」は、すでにWeb広告やSNS・SEOなどの「デジタルコンテンツ」によるマーケティングを行っているにもかかわらず、伸び悩みや頭打ちを感じている企業が、次のステージに進むためにおすすめの施策です。

なぜなら、現在一番うまくいっているマーケティング施策は「デジタルとアナログの組み合わせ」と言われており、書籍はアナログメディアの中でも社会的信頼性や権威性が高いブランディングに最適なものだからです。

従来行ってきた「デジタルコンテンツ」と「アナログメディア」の組み合わせにより、大きなブランディング効果を獲得することができるでしょう。

出版ブランディングをお考えの場合は、まずはお気軽にフォーウェイまでご相談ください。

ご要望や予算感に合わせた最適な提案をさせていただきます。

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