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2024.02.20

Branding, Marketing

企業ブランディングとは?企業の成長における重要性や手法を徹底解説

企業はどのようなタイミングでブランディングを意識すべきでしょうか。

ブランディングに成功すれば、企業イメージが定着し競合他社との差別化に繋がります。

本記事では、企業ブランディングの考え方や重要性、具体的にどのような手法があるかを解説します。

目次【本記事の内容】

企業ブランディングの目的とは

企業ブランディングの目的は、自社の高い付加価値を顧客に認識してもらい、優先的に自社の商品やサービスを購入・利用してもらうことです。

簡単に言えば、自社のファンを作ることが企業ブランディングの目的です。

例えば、Apple社は世界中にアップル信者と呼ばれる熱烈なファンを獲得しています。新型iPhoneの発売日には朝から長蛇の列ができるほどです。同じ価格でiPhone以上の機能や性能が備わっているスマホは、世の中にたくさんありますが、企業ブランディングに成功したiPhoneは、機能や価格の競争対象とならずに顧客から選ばれ続けているのです。

結果として、競合との差別化につながり、自社の売上や利益の向上、企業の成長・発展につながったといえます。

企業ブランディング5つのメリット

企業ブランディングにお金をかけている企業はたくさんあります。

なぜなら、企業ブランディングに成功すると、次の5つのメリットを享受することができるからです。どのようなメリットなのかを解説しましょう。

メリット①:競合他社との差別化

企業ブランディングに成功してブランド価値が高まると、自社の製品やサービスにブランドという付加価値が付くことになります。結果として競合他社との差別化を図ることができます。

たとえば、ダイソンには、「製品開発にただならぬこだわりを持ち、徹底的に作り込まれた高機能・高品質な製品を出す会社」というイメージを持つ人が多いと思います。このイメージが自社の製品やサービスへの付加価値となり、例え他の製品より価格が高くても、他にコスパの良いものがあったとしても、「ダイソンの掃除機が欲しい」と選ばれる存在となります。

企業ブランディングに成功し、競合他社との差別化ができると、価格競争からの脱却や、新規参入企業の抑制、自社の特徴や強みの明確化などのメリットが得られますが、最大のメリットは「価格競争からの脱却」と言っても良いでしょう。

製品やサービスの基本機能は同じであっても、ブランドという付加価値が付くことによって価格競争に巻き込まれなくなるため、安定した企業経営を実現することができます。

メリット②:利益率の向上につながる

企業ブランディングに成功すると自社の製品やサービスが高価格であったとしても購入してもらえるようになるため、利益率の向上につながります。

たとえば、同じ素材・デザインの無地のパーカーでも、高級ブランドのタグやロゴがついているだけで、高額だったとしても「この高級ブランドの出しているパーカーならこれぐらいして当然だよな」と、市場が納得してくれるようになるのです。

また、自社の製品やサービスに固定客がつくようになり、リピート率の向上や、営業・販売コストの削減にもつながります。

メリット③:広告宣伝費の削減になる

企業ブランディングに成功し、企業の知名度や認知度が向上すると、必要以上の広告宣伝をしなくても自社の製品やサービスが売れるようになります。

理由は2つあります。1つはファンによるリピート購入が増えるため、2つ目は顧客のニーズが発生した時に選択肢に上がりやすくなるためです。

例えば、「少し高級感のあるタオルをギフトとして送りたい」と思った時に、おそらくほとんどの人の頭の中に「今治タオル」が選択肢として思い浮かぶはずです。このように「高級タオルと言えば今治タオル」というブランドが認知されれば、ニーズが発生した段階ですぐに選択肢にあがってくるようになります。

そのため、必要以上の広告宣伝をしなくても、自社の製品やサービスが安定的に売れるようになるのです。

テレビCMやWeb広告などは流している期間中は売上に貢献しますが、CMや広告をやめるとその効果がなくなるケースが多いものです。しかし、企業ブランディングによって向上した企業の知名度や認知度は、継続的な経済効果を企業にもたらします。

このように、広告宣伝費が削減できることも企業ブランディングの大きなメリットの1つと言えるでしょう。

 

メリット④:信頼性の獲得

効果的な企業ブランディングを行うことができれば、企業や自社の製品・サービスの信頼性を高めることができます。

例えば、ダイソンは、創業者ジェームス・ダイソンが納得のいく掃除機を作るために、試作品を5,127台も作り開発を進めてきたプロセスを丁寧にユーザーに伝えています。

結果として、「高機能・高品質」だけではなく、「ジェームス・ダイソンが魂を込めて、試行錯誤をして作られた掃除機だから大丈夫だ」という信頼感の醸成に成功しました。

このように、企業ブランディングに成功すると、「この企業なら間違いない」「この企業なら期待に答えてくれる」という信頼感をユーザーに与えることができるようになります。

高い信頼性を有するブランドを作りあげることは容易なことではありませんが、信頼性の高いイメージを獲得しそれを維持することができれば、それは企業にとって大きな武器となるでしょう。

 

メリット⑤:人材採用へ好影響

企業が成長するためには優秀な人材を確保することが必要です。

企業ブランディングによって企業の魅力が広く周知されると、多くの人材が自社のことを知り好印象を抱いて応募してくることが期待できます。

例えば、最強の町工場とも言われる浜野製作所は、どん底から這い上がった社長の創業ストーリーや、「脱下請け」の革新的なものづくりをいち早く打ち出し、「革新的な町工場」という企業ブランディングを確立しました。

結果として、普通なら大企業やグローバル企業に行ってしまうような優秀な人材の確保ができるようになったそうです。

このように、求職メディアを利用しなくても、優秀な人材を獲得することができ、採用コストを大幅に削減できるのもメリットの1つと言えるでしょう。

企業ブランディングの問題点

企業ブランディングに成功することで多くのメリットが享受できますが、一方で、次のような問題点があることも理解しておく必要があります。

 

問題①:時間とコストがかかる

企業ブランディングは短期間で効果が出るものではありません。数年または10年ほどかかってやっとブランドイメージが定着することもありえます。

また、たとえ企業ブランディングが成功してブランド価値が向上したとしても、その後何もしなければ、時間と共にブランド価値は薄れていきます。企業ブランディングは1度作り上げれば終わりではなく、それを維持して継続させることも重要なのです。

そのため、企業ブランディングには多くの時間とコストがかかりつづけることを認識しておきましょう。

 

問題②:効果検証がやりづらい

企業ブランディングは、実際には目に見えない価値を伝えていくことになるため、効果検証がやりづらいという問題点があります。

例えば、Web広告などであれば、クリック率や成約率など、数字で効果の検証をすることができますが、ブランディングの場合はどこでどのような数字に寄与しているのかを正確に測ることは難しいと言えます。しかし、企業ブランディングは、企業として多大な時間とコストをかけて行うものだからこそ、方向性が間違っていないかどうか、などの判断は必要不可欠です。

そこで、企業ブランディングの評価によく用いられるのが「ブランドロイヤリティ」「ブランド認知度」「利益・売上貢献」と言った指標です。効果検証がしづらい企業ブランディングですが、このような指標を使って、効果測定・評価をしていくことも重要です。

ブランディングとマーケティングの違いとは

ブランディングとよく混同されるのがマーケティングです。

ブランディングとマーケティングの違いはいくつもありますが、決定的な違いは「目的」にあります。

まず、ブランディングの目的は、顧客に自社のイメージを持ってもらい、優先的に自社の商品・サービスを選んでもらうことです。一方で、マーケティングの目的は、自社の商品やサービスの価値を効果的に訴求して販売を促進することです。言い換えると「市場をつくること」とも言えます。

つまり、ブランディングとマーケティングは全く異なるものではあるものの、車の両輪のように、切っても切れない関係にあります。

簡単に言えば、マーケティングはブランディングに伴って行われるもので、ブランディングはマーケティングの土台であり、効果的なマーケティングの基礎になると言うことができます。

企業ブランディングの手法

企業ブランディングの手法は色々とありますが、どの手法にも共通するのが「一貫性」です。企業ブランディングはとにかく一貫性が重要です。

「ロゴやビジュアルアイデンティティ」「イメージキャラクター」「テレビCM」「Webサイト」「SNS」など顧客との接点すべてにおいて、一貫性のあるメッセージをいかに表現し、顧客に正しく伝えるか、が企業ブランディングの成功を左右します。

「一貫性」の重要性を抑えた上で、それぞれのタッチポイントにおいて、具体的にどのような手法を用いるべきなのか、詳しく見ていきましょう。

 

ロゴとビジュアルアイデンティティの設計

ロゴやビジュアルアイデンティティは、企業のイメージやコンセプトをわかりやすく表現するものでなければなりません。

なぜなら、ロゴやビジュアルアイデンティティは、自社の商品やパンフレット、ノベルティ、Webサイト、ユニフォームなどに様々な形で使用されるものだからです。ロゴやビジュアルアイデンティティの設計は非常に重要であり、企業ブランディングには欠かせません。

ロゴやビジュアルアイデンティティで一貫性のあるメッセージを伝えるためのコツは、言葉を先に作り上げることです。まずは企業として大切にしていることや、その背景にあるエピソード、社長の強い想いなどを文章化して、それを元にロゴやビジュアルアイデンティティを作り上げていくのがおすすめです。

また、これらを作り上げるのと同時にロゴやビジュアルアイデンティティの使用方法についても厳しい規定を設けることをおすすめします。

 

イメージキャラクターの作成

企業ブランディングにおいて、イメージキャラクターの作成も効果的な手法の1つです。

イメージキャラクターには、視覚的にストーリーやコンセプト・価値観などを伝える効果があるため、顧客の記憶に残りやすくブランドの認知度を高める効果が期待できます。

例えば、不二家のペコちゃんや、ヤンマーのヤン坊・マー坊、NHKのチコちゃん、ソフトバンクのお父さん犬などが企業キャラクターとして有名です。

また、企業ではありませんが、ご当地キャラクターとして熊本のくまモンなども、キャラクターがきっかけで熊本に大きな経済効果をもたらしています。

このように接しやすいキャラクターがあることで、顧客との関係性が強くなり、購買意欲の向上による売上促進や競合他社との差別化にもつながります。

 

テレビCMの活用

インターネットを介したSNSが普及したとはいえテレビの影響力はまだ大きく、多くの企業がテレビを通じて企業や自社の商品・サービスのCMを流しています。

テレビCMを活用した企業ブランディングのメリットとしては、企業の知名度や認知度が向上すること、信頼感や安心感につながること、社員の社員のモチベーションアップにつながることなどが挙げられます。

 

イベントやセミナーの実施

企業が定期的に実施するイベントやセミナーも企業ブランディングに効果があります。

自社製品のプロモーションや自社の専門分野に関するセミナーや勉強会などを行うことによって知名度や顧客満足度の向上が期待できるのです。

また、企業の代表者や著名人を講師に招くことによって信頼感や安心感の向上が期待できます。

 

コンテンツマーケティングの実行

自社が運営するWebサイト(オウンドメディア)を利用して、顧客にとって有益な情報を発信し、ユーザーとの関係を構築するのも企業ブランディングの有効な手段の1つです。

コンテンツマーケティングとも呼ばれます。

多くの顧客は検索エンジンを利用して自分の興味や関心のある情報を検索するので、検索結果の上位に表示されるようなSEOライティングや、思わず読みたくなる、興味を湧かせるような企画力が重要となります。

 

SNSの有効活用

近年ではX(旧Twitter)やInstagram、TikTokなど、SNSを有効に活用して企業ブランディングを行う企業も増えています。

SNSは、ターゲット層や伝えたい内容の違いによってアカウントを使い分けられる上、Webサイトや文章、広告、CMなどでは伝わりきれない、社内の空気感や働いている社員の人間性、商品開発の細かいプロセスなどを、素早くユーザーに伝えることができます。

成功させるポイントは、広告・宣伝ばかりを投稿するのではなく、ユーザーのニーズに寄り添った発信を心がけていくことです。

成果・結果を焦る余り、商品の広告や宣伝ばかり投稿していてはファンはつきません。

著名人とのコラボ企画を実施したり、フォロー&リポストキャンペーンを実施したり、代表者が想いを語ったり、開発者のこだわりをキャッチーに話したり、ユーザーといかに密なコミュニケーションを取れるかを考えていくことが何より重要です。

 

企業出版という選択肢

企業ブランディングの手法として企業出版という選択肢もあります。企業出版と聞くと、企業が自費で名刺代わりに出版するようなイメージがあると思いますが、それとは目的が異なり、今注目されているブランディング手法の1つです。

そもそも企業出版とは、企業が自社の情報や専門知識を書籍の形式で出版し、著者のビジネスのブランディングや販促活動の一環として活用する手法です。

企業出版の代表的なメリットとして挙げられるのが、「業界内での知名度や信頼性の向上」「持続的な集客効果」「人材採用や人材教育への効果」です。

まず、出版物に自社の専門知識や実績をまとめることができるため、業界内での知名度や信頼性を高めることが可能です。次に、出版物の流通期間は非常に長いため、広告やSNSなどと違って持続的な集客効果が期待できます。また、出版物に企業理念やストーリー、自社商品の開発秘話などを盛り込むことができるため、人材採用や人材教育に効果を発揮することができます。

「文章を読まない」と言われる時代ですが、書籍を買う人は何らかの課題を持った上で文章を読みます。そのため、一言では語れない創業ストーリーや、ビジネスモデル、こだわり、革新性、専門性を持っているような企業こそ、企業出版は「読まれる」という点で、おすすめの手法と言えます。

▶️企業出版のメリットや費用、成功のポイントについては、関連記事【企業出版の教科書|メリットから費用、成功のポイントまでまとめて解説】もあわせて参考にしてください。

企業出版におけるブランディング成功事例

実際に、企業出版によって企業ブランディングに成功した事例を2件ご紹介します。

 

出版による信頼性獲得で圧倒的な受注率を達成した不動産会社の事例

この不動産会社の経営者は、競合が多く、怪しい業者も多い中で、紹介から受注まで、顧客との関係性を構築していくまでに時間を必要としていました。そのため、Web広告などでも正しくメリットを伝えきれず、悩んでいたそうです。また、主要ターゲットが医師ということもあり、信頼性を獲得することに苦戦をしていたそうです。

そこで、医師の悩みの1つである高額な税金について、最も効果的な節税対策として、不動産投資があることを紹介した書籍を出版。書籍でしっかりと医師が不動産投資を行うメリットを詳しく説明したところ、多忙で節税対策などまで手が回らない多くの医師から信頼を得ることができ、発売2ヶ月で6億円の売上が生まれました。

結果として、医師向けの不動産投資の専門家としてのブランディングを確立。その後も出版物を営業ツールとして配布したり、顧客間での紹介ツールに活用してもらったりすることによって、顧客との関係性構築までの時間の短縮につながり、成約率が飛躍的に上昇しています。

 

セミナーや講演会依頼多数!新規事業の集客を実現した保険代理店の事例

この保険代理店の経営者は、保険業界に関する持論を提唱した書籍を出版。保険業界の給与体系は成果に応じて給与が決まる「成果報酬型」が当たり前ですが、この保険代理店の経営者はこれに疑問を持ち「一律報酬型」に変えることを提唱していました。

つまり、少数のスーパー営業マンに頼る経営から、アベレージヒッターを育てていく再現性のある経営で業績拡大ができることを書籍で紹介したのです。

ひと言では伝え切ることができない持論について語った書籍を多くの業界関係者が読み、共感が生まれ、業界内でのブランディングを確立することができました。結果として、多くのセミナーや講演会に招かれたり、新規のコンサル契約を獲得したり、紹介者が増えて保険契約数が伸びるという効果が得られています。

まとめ

企業ブランディングは、競合他社との差別化や、自社の利益の向上、宣伝広告費の削減、信頼性の獲得など、企業として多くのメリットを享受できる方法です。

様々な手法がありますが、大切なのは、自身に一番合った手法を選んで活用していくことです。

例えば、前述した不動産会社や保険代理店の事例のように、ひと言で伝えることが難しいビジネスモデルや、こだわり、想いを持っているような方が、一瞬でユーザーメリットを伝えることが重要なWeb広告を活用してもあまり効果は期待できません。

一方で、企業出版という手法であれば、ターゲットに読んでもらえる、という点で有効なブランディング手段と言えます。

また、あらゆるブランディング手法などをすでにやっている企業がブランディングを強化していきたいという場合には、Web広告やSNSなど誰もができる手法よりも、企業出版やテレビCMなどのように、誰もがすぐにできない信頼性の高い手法を選んでいくことをおすすめします。

このように、会社によって最適なブランディング手法は異なります。

これから企業ブランディングを始める、または強化していきたいという方は、まずは自社に合ったブランディング方法は一体なんなのか、を考えるところから始めてみてはいかがでしょうか。

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参考:フォーウェイのブランディングサービスについてはこちらから参考:フォーウェイのブランディングサービスについてはこちらから

執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)

慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。

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