問い合わせが増える会社案内(パンフレット)を作るには?

会社案内(パンフレット)は、ターゲットに企業や商品・サービスの強みを伝え、ターゲットとの間に信頼関係を構築するために有効なツールの1つです。

「見ない」「読まない」「行動しない」という前提の広告と異なり、会社案内はターゲットにしっかりと届けることができれば「見て」「読んで」「行動する」という方向に持っていきやすい媒体です。

ただ単に会社概要や事業内容を紹介するだけではなく、ターゲットが興味を持ち、問い合わせをしたくなるような会社案内を作ることで、売上向上につなげることができます。

今回は、そんな問い合わせが増える会社案内の作り方について詳しく解説いたします。

目次【本記事の内容】

執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)
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慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。

◉会社案内(パンフレット)は企業の問い合わせ獲得に重要なツール

多くの企業が会社案内を作成していると思いますが、会社案内をただの会社紹介資料として制作してしまっていることも多いと思います。

しかし、会社案内は、Web広告やSNSなどと違って、ターゲットに比較的見てもらいやすく、読んでもらいやすいツールです。

実際に、企業が取引先や問い合わせ先を決める際には、相手先の会社案内を見て信頼できる会社かどうかをチェックして決めているケースが多いです。

そのため、「問い合わせにつなげる」「マーケティング・営業に活用する」という目的を見据えて会社案内を作っていないのは広告機会の損失にもつながります。

せっかくお金をかけて紙媒体の会社案内を作るのですから、問い合わせにつながるような工夫やマーケティング・営業への活用を見据えた企画・制作を行なっていきましょう。

◉問い合わせが増える会社案内(パンフレット)を作るポイント

問い合わせが増える会社案内を作る上で押さえておくべきポイントは次の8つです。

・使用目的を明確にする
・自社の強みを明確にする
・会社案内を見込み顧客がどのタイミングで見るのかを想像して作る
・図表や写真を効果的に使い、視覚的に印象を残す
・印象に残るキャッチコピー・文章にする
・何かしらのオファー・導線を設ける
・ターゲットが問い合わせをしたくなるようなデザインにする
・自社以外の視点を入れる

それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。

◉-1、使用目的を明確にする

多くの企業では、会社案内をただの会社紹介資料だと思って作ってしまっています。

会社案内があることが企業として重要であり、特に使用目的などを考えて作っているというケースも少ないと思います。

そのため、まずは「問い合わせにつなげる」「マーケティング・営業に活用する」といった使用目的を書き出し、明文化しましょう。

なぜなら、次のように使用目的によって会社案内の構成や内容、デザインが大きく変わってくるからです。

「使用目的に応じて会社案内を作り分ける」というやり方も有効です。

◉-1-1、営業目的の場合

営業目的の場合は、営業マンがどのようなタイミングで、どんな効果を狙って会社案内を活用するのかについて知る必要があります。

営業マンへのヒアリングなどを行った上で、より営業現場で使いやすい構成、デザイン、内容にしていくことが重要です。

たとえば、営業マンが使っているトークスクリプトなどを参考にして内容を工夫することも良いでしょう。

また、あまり営業がうまくいかなかった際に次のアクションにつなげる「無料相談チケット」などのオファーを付ける工夫も考えられます。

◉-1-2、採用目的の場合

採用目的の場合は、会社説明会でどのようなポイントをアピールしているのかなどについて採用担当者にヒアリングし、それらを盛り込んで採用現場で使いやすい構成、デザイン、内容にしていくことが重要です。

また、「採用希望者が企業に求めること」など、公表されている調査・統計情報などを参考にするのも有効です。

新卒採用や中途採用など、さまざまなターゲット層を対象にした調査・統計資料があるので、自社の採用に合わせた情報を活用しましょう。

たとえば、産業能率大学総合研究所が行った『2022年度 新入社員の会社生活調査(第33回)』の結果を見ると、「新入社員が働くうえで企業に求めるもの」として、次のような項目がトップ3にランクインしています。

1位:長期的な安定性
2位:将来の成長性
3位:社員への福利厚生の充実

新卒採用候補者がターゲットであれば、こういった情報を元に、企業の売上や利益の推移や、今後の見込み売上・利益などの情報や、平均賞与支給額、福利厚生についての情報を入れ、企業が安定的に昔も今もこれからも成長していくこと、社員への待遇の手厚さをアピールしていきましょう。

また、株式会社マイナビが公表している『転職動向調査 2024年版(2023年実績)』を見ると、入社の決め手として中途採用者が重要視しているのが以下の4項目であることが分かります。

・希望の勤務地である
・給与が良い
・休日や残業時間が適正で生活にゆとりができる
・福利厚生が整っている

また、同調査で転職の理由のトップ4としてあがっているのが次の4項目です。

・給与が低かった
・仕事内容に不満があった
・会社の将来性、安定性に不安があった
・職場の人間関係が悪かった

中途採用候補者がターゲットであれば、このような情報を元に、入社後に働く可能性のある勤務地や、平均月収や年収、昇給や賞与、残業代などの仕組みについて詳しく記載したり、職場の和やかな雰囲気の写真を入れたりして人間関係の良さをアピールしていきましょう。

このように、ヒアリング結果や公表されている調査・統計情報を活用するだけで、これだけの工夫ができるのです。

また、採用希望者からよくある質問をQ&A形式で紹介したり、全社員に対して行ったアンケート結果を紹介したりするなど、HPや採用サイトなどでは知ることができない情報を掲載するなども有効です。

会社案内に「社員食堂1食無料チケット」などユニークなオファーを付けることによって、採用希望者に次のアクションを促すこともできます。

採用目的の会社案内を作る際には、さまざまな情報を元に1人でも多くの採用候補者が「入りたい」と思えるような内容になるよう検討しましょう。

◉-1-3、ブランディング目的の場合

ブランディング目的の場合は、各部署で話し合いやディスカッションの場を設けて、同業他社との差異を明確にしながら自社の強みを棚卸しして明文化していくことが重要です。

また、社外に対してのブランディング(アウターブランディング)なのか、従業員など社内に対して(インナーブランディング)なのか、対象を明確にすることも必要です。

そこが明確になっていないと、情報がただ書いてあるだけで、伝えたいことが全く伝わらない会社案内になってしまいます。

まずは軸となる部分と対象者をしっかりと決めた上で、創業の経緯や創業者の想い、価値観、将来に向けた方向性などをストーリー仕立てにしたり、全社的なアンケートを実施してその結果を会社案内に掲載したり、など「伝える方法」を検討しましょう。

◉-2、自社の強みを明確にする

企業が商品やサービスを購入したり、取引先企業を選ぶ際には「数ある会社の中で、なぜその会社の商品やサービスを選ぶのか、なぜその会社が取引先として良いと考えられるのかという理由」が必要になります。

特に金融機関や大企業などでは、担当者が社内稟議でこういったことを発表して承認を得る必要があります。

会社案内を通じて「自社の強み」が明確に伝わっていれば、「なぜこの会社に決めたのか」を担当者が把握することができるのです。

したがって、会社案内では「自社の強み」を根拠を示して端的に伝える必要があります。

「良いことはわかるけれども具体的にどう良いのかがわからない」というフワッとした印象の会社案内で終わってしまわないように、「自社の強みはなんですか?」と聞かれたらすぐに答えられるように明文化しておきましょう。

◉-3、会社案内(パンフレット)を見込み顧客がどのタイミングで見るのかを想像して作る

会社案内を見込み顧客がどのようなタイミングで見ているのかをきちんと想像することが大切です。

たとえば、自動車メーカーが開発を依頼する部品メーカーを選定する際には、多くの部品メーカーの会社案内を見比べて、見積もり依頼をする複数の部品メーカーを選定したりします。

また、顧客が投資用不動産を購入する際には、その不動産会社が本当に信頼できるのかをチェックしたり、本当に損しないかどうかを確認したりするために会社案内を見たりします。

このように、会社案内を配布するターゲットがどのようなタイミングで、どのような目的を持って見るのかを把握し、それに合わせて内容や見せ方を工夫していくことが重要です。

◉-4、図表や写真を効果的に使い、視覚的に印象を残す

会社案内は、Web広告やSNSなどと比べると、「見てもらえる」「読んでもらえる」媒体ですが、開いたときに文字ばかりが並んでいると、読む気がなくなる方も多くなってしまいます。

会社案内をパッと見た時に、ある程度視覚的なインパクトや説得力を与えられるように図表や写真を効果的に使って「読む気にさせる」ことが重要です。

また、同時にパッと見て会社案内の内容が大体理解できるようにするのが理想です。

最初の数秒でターゲットに「ちょっと見てみよう」という気を起こさせることができなければ、問い合わせにつながらないどころか、読んでももらえないということになりかねません。

◉-5、印象に残るキャッチコピー・文章にする

会社案内では、印象に残るキャッチコピーや文章は重要です。

ターゲットがよく使っているような言い回しや言葉を使うと、「お!この会社わかってるな」と親近感が湧くなどの効果があり、読んでもらいやすくなります。

逆に、その業界でしか使わないような専門用語や言い回しを多用したりすると、違和感や警戒感を与えてしまい読んでもらえないことになります。

◉-6、何かしらのオファー・導線を設ける

会社案内は多くの場合、「見て、読んで、終わり」というパターンが多いものです。

電話番号や住所が明記されていて「お気軽にお問い合わせください」と書かれていたとしても、興味を持っていない限りターゲット側から問い合わせをすることは基本的にありません。

そのため、会社案内の裏側や一部に、会社案内限定の「無料相談チケット」や「商品お試し申し込み」などのオファーを付けておき、ターゲットに次のアクションを起こしてもらいやすくすることが大切です。

◉-7、ターゲットが問い合わせをしたくなるようなデザインにする

会社案内のデザインも、ターゲットに合わせて最適なものにする必要があります。

たとえば、介護施設を運営する会社のパンフレットであれば、メインターゲットは高齢の親を持つ40代~50代の男女なので、40代~50代の男女が高齢の両親を入居させて安心しているような写真を使ったり、親近感を覚えさせるような工夫が必要です。

また、40代~50代になると近視や老眼などで細かい文字が見えにくくなってくるため、問い合わせ方法を目立つところに大きく設置するなどのデザインの工夫も大切です。

◉-8、自社以外の視点を入れる

会社案内の内容は、どうしても「自社の視点からのみ」の一方的な情報発信になってしまいがちです。

そのため、自社以外の「利用者の声」や「顧客事例」などで、自社以外の第三者の言葉や情報を入れて、客観性を持たせることが重要です。

また、顧客満足度調査の結果を掲載したり、自社で行なったお客様アンケート調査の結果を掲載したりするなども考えられます。

◉会社案内(パンフレット)制作事例

実際に、今回解説してきたような観点で制作を行った会社案内の制作事例を1つご紹介します。

◉-1、事例:採用目的の会社案内制作事例

建築設計会社の採用活動を目的とした会社案内の制作事例です。

大々的な情報発信ではなく、専門学校などに求人票と一緒に配布することを想定。

また、社外の専門家に委託して会社案内を制作することが初めてということもあり、社内の素人で制作したものとは異なるデザイン性の高さや上質さ、フォローの手厚さなどに対する期待もありました。

デザインについては、「他社と比べて目を引くようなインパクトがほしい」「建築設計事務所ということがすぐに分かるデザインにしてほしい」「学生向けなので親しみやすく、明るいデザインにしてほしい」などが主な要望でした。

当社では、これらの要望を満たすことができるような提案を行い、会社案内が完成。

作成した会社案内を有効に活用して、優秀な若手人材の確保ができたということです。

◉【まとめ】ターゲットに伝わる会社案内(パンフレット)を作るためにも自社の深掘りと言語化が大切!

本記事では、問い合わせが増える会社案内を作るためのポイントについて解説してきました。

会社案内は、WebやSNSとは違い、見て、読まれるツールです。

使い方や工夫次第で問い合わせなどにつながる広告効果を出す魅力的なツールにすることが可能です。

そのためには、「自社の強み」をきちんと把握することが不可欠で、同業他社との差異を意識した自社の深掘りと明文化がファーストステップとなります。

そして、「自社の強み」を文章によってターゲットにきちんと伝えることができるような構成や内容にした上で、ターゲットの興味を惹く工夫や、問い合わせをしやすい導線の設置などを配置して初めて広告媒体としての力を発揮します。

もし、広告効果が期待でき、問い合わせにつなげるマーケティング視点の会社案内を作りたいという方は、フォーウェイまでご相談ください。

自社の強みの深掘りからトータルでサポートいたします。

パンフレット

企業の成長戦略の一つにブックマーケティングという手段があります。

企業出版やカスタム出版などと、よく混同されますが、ブックマーケティングとこれらの出版は似て非なるものです。

今回の記事では、ブックマーケティングの基礎的な情報とメリット、デメリット、最新のトレンドの手法を解説します。

目次【本記事の内容】

執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)

慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。

◉ブックマーケティングとは

ブックマーケティングとは、書籍をマーケティングに活用する手法のことです。

企業が自社の事業や商品・サービスなどについてまとめた書籍を出版し、企業や商品・サービスの認知度向上や購買意欲向上などに役立てることを目的としています。

現代では、ネット上で、欲しい情報をすぐに見つけることができます。

しかし、根拠がはっきりしなかったり、情報ソースが不明確だったり、発信者の信頼性がわかりづらかったりするため、本当に信頼できる情報を探り当てるのは至難の技です。

一方で、書籍は、出版社と著者が明記されている点や、現物がある点から「ネット上の情報よりも信頼できる」と考える人が多くいます。

また、ネット上でもこのような書籍の信頼性を活かして、企業の強みである独自の技術や実績、企業としての取り組みなどをストーリーとしてまとめて一冊の書籍という形で出版すれば、書籍そのものの信頼性や出版社の全国的な販路を活かした効果的なマーケティングが可能になります。

◉-1、ブックマーケティングと企業出版の違い

ブックマーケティングと企業出版の違いは、顧客のゴールを達成するための「戦略の立て方」にあります。

それぞれ顧客の目的を達成するためという大義名分は同様ながら、企業出版は出版社ができる範囲での書籍販売プロモーション中心の戦略をとります。大手出版社であれば流通力があるため、5000〜1万部を発行してその頒布力頼りのプロモーションになります。つまり、部数を多く流通させるため、読者の手に渡る確率は増えますが、その分コストは高くなります。

一方で、ブックマーケティングは顧客の目的を達成するためにゴールから逆算して戦略を組み立てます。そのため、部数頼りのプロモーションにはなり得ません。明確なターゲットを定め、どのように顧客ターゲットに届けるかをマーケティング戦略の知見で組み立てるため、書籍販売プロモーションに限らず、様々なマーケティング戦略をとることができるのです。

ブックマーケティングは、基本的には企業出版の考え方に基づく施策ではありますが、企業出版とは似て非なるものと言えます。

具体的なプロモーション方法を例にすると、企業出版は読者の手に渡る確率を上げるために書店プロモーションや新聞広告のような出版社ならではのプロモーション方法によってマーケティング効果を得る施策です。

一方で、ブックマーケティングは、あくまでも企業の事業成長を達成するためのマーケティング戦略の一環として書籍という媒体を利用します。

ブックマーケティングでは、出版社ならではの書籍販売プロモーションはもちろん、SNSマーケティングやSEOコンテンツマーケティング、クラウドファンディングなどを組み合わせて戦略を練ることになります。

通常の出版社ではマネできない様々な種類の手法を組み合わせることで効果を最大化させることができるのです。

◉ブックマーケティングのメリットとは

ブックマーケティングは時間や手間のかかる手法ですが、手間や時間をかけてでも取り組む企業はたくさん存在します。

その理由は、次の6つのメリットを享受することができるからです。

6つのメリットについて詳しく見ていきましょう。

◉-1、メリット①:信頼を獲得し顕在層をファン化できる

ブックマーケティングを行うことによって、顕在層をファン化することができます。

なぜなら、「書籍を出版している」という事実だけで信頼性が高まるからです。

さらに、自社の取り組みや商品・サービスなどの情報を発信することで、ファン化した顧客に商品やサービスの購入を働きかけることができます。

たとえ製品やサービスの購入頻度が低い顧客だったとしても、中長期的に安定した売上を築くことに貢献します。

◉-2、メリット②:他の広告施策よりも情報量が多い

ブックマーケティングで利用される書籍は、テレビCM・新聞広告・雑誌広告・各種Web広告などの他の広告施策と比べて圧倒的に多くの情報量を盛り込むことができます。これも書籍ならではの特徴です。

実際に、書籍は一般的に200ページ程度で、文字数は7万~10万字になります。

一方で、広告の中でも情報量が多いチラシを例にすると、A4判の場合は1000文字〜2000文字程度が見やすいと感じる限度です。

さらに、画像やタイトル、見出しを組み込めば、半分以下の文字数になることもあります。

このように、情報量は書籍と広告における大きな違いです。

書籍の豊富な情報量を使って、企業の商品やサービスの特徴だけではなく企業理念や代表者の考え方まで伝えることができるのです。

◉-3、メリット③:ターゲティングやエリアマーケティングがしやすい

ブックマーケティングは、テレビCMやWeb広告などのマス広告と比べて、ターゲティングしやすいというメリットがあります。

たとえば、投資用不動産の販売促進を目的としてブックマーケティングを行う場合、「お金を増やしたい」「節税したい」が読者ターゲットにとって大きな目的となります。

このような目的を持つ人の中で特にわざわざ自分でお金を出して書籍を購入する人は、投資用不動産に対する関心が高いと言えます。

そういったユーザーをターゲティングすることで、よりピンポイントで心に刺さる書籍を制作することができるのです。

また、特定のエリアの書店だけに重点的に書籍を配本することもできるため、そのエリア内の見込み顧客への認知度を高めることが可能です。

もちろん、日本全国に商圏を拡大したい場合にも有効ですが、地元などの狙ったエリアのターゲットに対してのファン獲得や販売促進などにもブックマーケティングは向いているのです。

ターゲティングやエリアマーケティングがしやすいことで、テレビCMなどのマス広告より効果的にマーケティングを行うことができるといえます。

▶️出版におけるエリアマーケティングについては、関連記事【出版によるエリアマーケティングのススメーー地域で勝つための営業戦略】もあわせて参考にしてください。

◉-4、メリット④:コンテンツの二次活用で効果を最大化できる

ブックマーケティングで用いた書籍を二次活用することでマーケティング効果を最大化することができます。

たとえば、自社で開催するセミナーなどで配布したり、営業ツールとして活用したり、Webサイトやブログなどのオウンドメディアに書籍の一部を切り出して転載することで、副次的効果を生むことが可能です。

テレビCMやWeb広告などの短期的な広告施策ではないため、長期的に幅広い企業活動に利用することができます。

◉-5、メリット⑤:メディア露出が増える

ブックマーケティングの内容が専門性高く話題性がある内容であれば、多くのメディアに引用され、露出が増える場合があります。

なぜなら、書籍は信頼性の高い媒体だからです。信頼性の高い媒体に書かれている情報を引用すれば、メディアが訴求したいことの根拠とすることができます。

たとえば、ダイエットに関するノウハウを発信するメディアがあったとします。そのメディアに「睡眠不足はダイエットに悪影響」という内容が根拠なく書かれているよりも、書籍に書かれているデータを引用した方がより説得力が高く、読者が納得する記事になるでしょう。

一方で、個人ブログなどの情報は、たとえ事実であっても引用されることはほとんどありません。

発信者が誰なのか、情報の根拠はどこにあるのかがはっきりしない情報はメディアにとって引用しにくいものとなります。

◉-6、メリット⑥:コンテンツが資産として残り続ける

書籍は長期にわたって様々なことに利用することができます。

たとえば、自社の商品に関する開発ストーリーを書籍にまとめて刊行した場合、営業ツールやセミナー資料として活用することが可能です。

また、二次利用されてWebサイトやブログなどに引用されたコンテンツも長い間Web上に残り続ける資産となります。

このように、専門性や信頼性の高い内容であればあるほど、書籍としても二次利用されたコンテンツとしても価値の高い資産として残り続けることになります。

◉ブックマーケティングのデメリットとは

ブックマーケティングには上記のように様々なメリットがあります。

一方で、デメリットもいくつか存在します。

4つのデメリットについて詳しく見ていきましょう。

◉-1、デメリット①:制作に時間を要する

ブックマーケティングでは、書籍の制作に時間を要するというデメリットがあります。

書籍の制作には「企画」「原稿制作」「デザイン」「印刷」というステップを経る必要があります。

それぞれのステップには以下のような期間が必要になるため、すべて完了するまでには6〜8ヶ月ほどの期間が必要です。目標とする出版時期がある場合は逆算して施策を進めていく必要があります。

なお、著者となる企業側の協力次第では、最短で3ヶ月ほどで制作も可能です。

さらに、ブックマーケティングを行う場合は、書籍の制作に取りかかる前に、書籍を発売した後のプロモーションまでの全体的な戦略を検討し、マーケティング戦略に一貫性を持たせるようにする必要があります。

このように、長期的な目線で準備をしていく必要があるため、特に短期で結果を求める企業にとってはデメリットとなるのです。

◉-2、デメリット②:情報のアップデートが難しい

ブックマーケティングのデメリットとして、情報のアップデートが難しいということが挙げられます。

その理由は印刷して製本されれば、修正することはほぼ不可能だからです。

一度印刷・製本したものを修正しようと思うと、一からすべて刷り直すことになります。

書籍の部数が多ければ多いほど、その手間やかかる時間、費用は膨大になります。

Webメディアの場合はワンクリックで修正・更新することが可能ですが、書籍の場合そうはいきません。

もちろん、初版本が完売して二刷以降が出版される場合は、その際に内容を更新したり修正したりすることは可能ですが、他の媒体と比べると大きな手間がかかります。

◉-3、デメリット③:出版社の流通力と宣伝力が試される

ブックマーケティングでは、書籍を出版するだけではなく、「いかにターゲットの手元に届けるか」が重要です。そのためには、出版社の流通力と宣伝力の高さが問われます。

たとえば、書籍を出版して書店に配本して終わりの出版社と、書店にFAXで新刊案内を送ったり、営業活動をして回ったり、店頭で「今売れている本」「話題の本」として展開されるように働きかける出版社とでは、書籍の売れ方が当然変わってきます。

また、書店以外での宣伝力も重要です。

たとえば、1度書店で目にしたことはあっても購入に至らなかった書籍が、Web広告で流れてきたり書店で大々的に宣伝されていたりしたのを見て、興味が湧いて購入してしまったという経験がある方は多いのではないでしょうか。

このように、流通力と宣伝力次第で書籍がターゲットに届く確率は大きく上がります。

出版社の流通力と宣伝力に依存する部分が大きいということは一つのデメリットといえるでしょう。

◉-4、デメリット④:商品やサービスによって向き不向きがある

ブックマーケティングは、単価の低い商品の販促には向きません。

なぜなら、ブックマーケティングは、マス広告やデジタル広告のように多くの人にアプローチできる施策ではないためです。

単価の低い商品を売りたい場合、企業が利益を出すためには多売が必要です。つまり、より多くの人に購入してもらう必要がありますが、ターゲットが絞られてしまうと、その目的は達成できません。

たとえば、ペットボトル飲料のような単価が低く、誰にでも買ってもらいやすい商品を大量に売りたいBtoCビジネスの場合は、より多くの人が目にするテレビCMなどのマス広告やデジタル広告の方が適していると言えます。

一方で、不動産やコンサルティング、金融、医療などの客単価が高い事業や社会的に信頼性が求められる事業の場合は、ペットボトル飲料のように、誰もが欲しいと思われる製品・サービスではありません。また、単価が高いため、すぐに顧客が買ってくれません。

そのため、ターゲットを絞り込み、顧客と時間をかけて丁寧に関係値構築をしたり教育したりしながら、販売数を増やしていく必要があります。

だからこそ、「読みたい」と手にとってもらえたら、長い文章を読んでもらえる上、顧客との関係値構築や教育が一冊で完結してしまう、ブックマーケティングは最適な手法と言えるのです。

しかし、単価が高い事業や、社会的に信頼性が求められる事業であっても、健康や医療に関する事業の場合は注意が必要です。なぜならば、書籍の内容が薬機法などに抵触していないかという確認が必要になるからです。

健康、医療系の場合は、きちんとした実績のある出版社に依頼した方が良いでしょう。

▶️薬機法に関しては次の、関連記事【薬機法(旧:薬事法)とは?違反せずに広告・PRする7つのポイントを分かりやすく解説】もあわせて参考にしてください。

◉ブックマーケティングの戦略の組み立て方

ブックマーケティングの戦略を組み立てる際には、企画コンセプト制作から発売後のプロモーションまでの全体的な戦略を設計し、マーケティング戦略に一貫性を持たせることが大切です。

制作段階と流通段階に分けて詳しく説明します。

◉-1、制作編:企画コンセプト制作と戦略設計

ブックマーケティングの制作段階では、その書籍を読んでもらいたいターゲット層は誰か、自社の何をどのように見せて最終的にどうしたいのかという目的を決めます。

また、この段階では、企画コンセプトの制作だけではなく、書籍を発売した後のプロモーションまでを想定した戦略を設計します。

◉-2、流通編:書店流通と広告販売戦略

書籍が完成したら、書店流通と広告販売戦略を立て、どのように販売促進を行っていくかを考えます。ブックマーケティングの場合は、書籍の部数や大手出版社の流通力頼りの戦略を取る企業出版とは違い、顧客のゴールから逆算して書店流通と広告販売戦略を立てていきます。

「あくまで書籍は、マーケティング戦略の1つ」と考え、企業の事業成長というゴールに向かって、書店流通や広告販売を行っていくのが特徴です。

たとえば、弊社では、書籍販売数ヶ月前からyoutubeチャンネルやクラウドファンディング、SNSなどでどのようなターゲットを集めて書籍購入につなげていくのか、また「書籍販売後にどのようなオンラインセミナーやキャンペーンを実施するのか」を考えていきます。

このように、ブックマーケティングはゴールが書籍の販売ではありません。書籍をきっかけにした企業の事業成長がゴールです。書籍の企画段階から出版前・出版後のプロモーションなどゴールから逆算して戦略設計が行われるので、書店流通や広告戦略全体に一貫性を出すことが可能です。

より説得力を高めた状態で、書籍を手にとって読んでもらえるため、「ただ出版した」以上の反響や成約につながりやすくなる、という訳です。

ブックマーケティング

◉ブックマーケティングにかかる予算

一般的なブックマーケティングの相場は450万~1000万円程度です。

ブックマーケティングにかかる費用は、「書籍の仕様」「発行部数」「制作費用」「プロモーション費用」などの要素によって決まります。

書籍の仕様としては四六判(130mm×188mmサイズ)で200ページ程度の書籍が多く、発行部数は印刷費用だけではなく、流通費用や返品された際のヘッジ分も加算されます。

制作費用はライターの人件費、プロモーション費用はメディアへのリリースや書店営業以外のWeb広告や新聞広告を出稿したり、出版記念イベントを開催したりする場合に発生します。

企業出版のメリットや費用など具体的な方法については、関連記事【企業出版の教科書|メリットから費用、成功のポイントまでまとめて解説】もあわせて参考にしてください。

◉ブックマーケティングの最新トレンド

効果的なマーケティング戦略を行うための、ブックマーケティングの最新トレンドをいくつかご紹介します。

◉-1、SNS×ブックマーケティング

インターネット環境が整った現代では、すでに多くの企業が重要なマーケティングツールとしてSNS(X<旧Twitter>、Instagram、TikTok、YouTubeなど)を利用しています。このSNSとブックマーケティングを組み合わせることによってマーケティング効果を最大化させることができます。

たとえば、とあるWeb制作会社は、Webマーケティングに関する書籍を出版しました。ただ出版しただけではなく、自社のSNSで出版前からキャンペーンなどを実施したり、書籍の一部を切り出して投稿したり、PRを行うことで、書籍や自社の認知度を向上させることに成功しています。

SNSの企業アカウントで書籍の発売についてPRすれば、その企業に興味を持つフォロワーにいち早く情報を届けることが可能です。

さらに、SNSの特徴である拡散力を利用することで、テレビCMやインターネット広告以上の効果を得ることができます。

書籍の制作期間は6~8ヶ月程度かかるため、制作期間中に一貫したSNSアカウントを立ち上げて事前告知などを行って興味を喚起し、影響力が出てきて顧客をファン化することができた頃に出版するという状態が作れることが理想です。

SNSマーケティングでトレンドとなっているストーリーテリングを取り入れ、SNS上でストーリーを紡ぎ、続きを書籍につなげる方法も考えられます。

◉-2、MEO×ブックマーケティング

店舗型ビジネスや開業医のクリニックなどのブックマーケティングを行う際に、MEO対策の仕掛けを行えば、書籍制作期間中でも集客効果を狙うことができます。

書籍制作には8ヶ月〜1年程度かかるため、その期間中に集客の術がないのは致命的です。

また、書籍が完成し発売しても、集客できていなければ人づてに広まっていくことは期待できません。

しかし、コンセプト設計を元にプロフィール設定や画像の変更を行い、集客力が上がった時点で書籍を発売することでより高い販促効果や集客効果を期待できます。

このように、MEO×ブックマーケティングはやり方次第で相乗効果を狙える手法と言えます。

◉-3、セミナー×ブックマーケティング

「SNS×ブックマーケティング」や「MEO×ブックマーケティング」と同様に、制作期間中に一貫したコンセプトのセミナーを開催することで、書籍の制作期間もマーケティング施策をストップすることなく集客することが可能です。

さらに、出版後に出版セミナーのような形で集客すれば、さらに大きく集客することができます。

たとえば、出版記念セミナーなどを行い、セミナーの最後に直接書籍を販売したり配布したりするというのも手法の一つです。

出版記念セミナーで人を集め、さらに直接手にとってもらうことで、より広いターゲットに書籍を届けることができます。

このように、セミナーはブックマーケティングの書籍を出版する前後で利用できる集客方法です。

◉-4、SEOコンテンツマーケティング×ブックマーケティング

書籍に記述されている内容、すなわちコンテンツの著作権は企業に帰属するため、自社のWebサイトやブログなどのオウンドメディアのコラムに自由に掲載することができます。

Webサイトやブログに掲載する際にSEO対策を施すことにより、検索エンジンでの検索結果の上位を目指すことができ、自社サイトのドメインパワーを高めることができます。

近年のSEO対策で重要なのは、何よりもオリジナル性のあるコンテンツです。

ネットで調べた情報をまとめたコンテンツが多い中、書籍のようなオリジナルコンテンツは自社のサイトに高いSEO効果をもたらします。

◉-5、動画コンテンツ×ブックマーケティング

動画コンテンツとブックマーケティングを組み合わせることも効果的な手法です。

なぜなら、ブックマーケティングと組み合わせる際も、書籍の内容を要約して動画で発信したり、書籍の告知動画を作ったり、書籍のコンテンツを流用してYouTubeチャンネルを立ち上げたりして自社のブランディングに活用できるからです。

動画コンテンツでもストーリーテリングの活用が増えていますので、ブックマーケティングとの組み合わせでストーリーテリングを利用することが考えられます。

◉-6、クラウドファンディング×ブックマーケティング

出版する書籍の企画コンセプトを決めた後に、クラウドファンディングを実施することによって、自社の認知拡大や書籍の事前告知をすることが可能です。

ブックマーケティングにかかる広告施策に必要な資金を調達することができるだけでなく、情報発信のチャネルが増えるということになります。

また、クラウドファンディングの支援ページは書籍を出版した後も残るため、自社の取り組みを残すことが可能です。

さらに、書籍出版やクラウドファディングをきっかけにプレスリリースが出せるため、メディアからの取材依頼を受ける可能性が⾼まります。

◉まとめ

この記事では、ブックマーケティングとは何かをはじめ、メリット・デメリット、ブックマーケティングの最新トレンドなどについて紹介しました。

ブックマーケティングを活用すれば、ただ書籍を出版するだけでなく、その書籍を自社のブランディング、認知度や購買意欲向上などに積極的に役立ていくことができます。

主に次のような方にブックマーケティングは最適です。

  • ・Web広告やSEOなどあらかたの集客施策をすでに行っているが、なかなかそれ以上の集客効果が得られないと悩んでいる中小企業
  • ・難しすぎてWebではなかなか集客できないようなビジネスモデルをお持ちの経営者様
  • ・ある程度事業も安定しているが、更なる成長をするための打ち手に困っている経営者様

そんな方は、ぜひ次のステージへの一歩として、ブックマーケティングを活用してみませんか。

ブックマーケティング

パンフレットは「企業や学校、商品やサービスを紹介するために配布するもの」というPRや広報のイメージが強いため、パンフレットを広告宣伝用に活用するイメージを持っていない方が多いのではないでしょうか。

そのため、パンフレットの内容や構成については「広告媒体である」という認識で作成されていないことがほとんどだと思います。

せっかく企画やデザイン、印刷にお金をかけて制作する訳ですから、PRや広報はもちろんのこと、広告媒体としてマーケティングや営業への活用も見据えて制作すべきです。

今回は、パンフレットを広告として有効活用するための方法について、構成や内容、制作する際のポイントなどについて解説いたします。

目次【本記事の内容】

執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)
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慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。

◉パンフレットを広告として有効活用するには?

パンフレットを広告として有効活用するために考えなければならないのは次の4点です。

  • ・目的や活用方法
  • ・内容
  • ・デザイン
  • ・配布方法

具体的にどのようなことを考えていくのか、詳しく見ていきましょう。

◉-1、パンフレットを作る目的や活用方法を明確にする

パンフレットを作る目的や活用方法などが明確になっていないと、誰にもピンとこない「ただの説明資料」になってしまいます。

まずは、パンフレットを「誰に向けて」「どんな目的で」「どのような活用方法を見据えて」作るのかを次のような形で明文化しておきましょう。

たとえば、建設業の会社案内パンフレットであれば、次のような形で明文化します。

誰に向けて・既存の取引先、パートナー企業
・工事の発注元となる可能性のある企業
どんな目的で・発注元企業からの認知獲得(工事の発注元企業に自社の存在を知ってもらう)
・信頼関係構築(信頼して工事を発注してもらうためのきっかけ作り)
どのような活用方法を見据えて・直接発送(取引先、パートナー企業、リスト先)
・PDF化して送信(問い合わせフォーム、メールアドレス)

上記のように文章にしておくことで、社内で共有ができ、目的をぶらすことなく制作を進めていくことができます。

◉-1-1、リーフレットやチラシ、カタログとの違い

パンフレットとよく混同されがちなのが、リーフレットやチラシ、カタログなどです。

以下の表に、パンフレット・リーフレット・チラシ・カタログの特徴や主な利用目的についてまとめています。

それぞれ特徴や利用目的などが異なるので、違いをしっかりと理解しておきましょう。

媒体特徴主な利用目的
パンフレット・複数枚の紙を折り曲げて重ね、真ん中をホッチキスなどの針金で綴じた冊子印刷物・UNESCOの定義では「表紙を除いて5ページから48ページまでのもの」で、48ページ以上は「書籍」に該当する会社案内や製品・サービスの詳細な紹介など、情報量の多い用途に利用される
リーフレット・1枚の紙を折り曲げて使用する綴じられていない簡易的な印刷物・コンパクトなため1枚の情報量は少なくなるが、折り曲げることによってページを作って、それぞれに情報を分けることが可能・商品や施設、イベントなどの案内・説明・告知を目的として利用される・広告宣伝用の手渡しツールとしても使用される
チラシ・1枚の紙を折り曲げずに使用する印刷物・最大でも両面印刷の2ページで、片面印刷の場合もある・商品やイベントなどの案内・告知を目的として大量に配布するために利用される
カタログ・パンフレットと同じく複数枚の紙を折り曲げて重ね、真ん中をホッチキスなどの針金で綴じた冊子印刷物・見た目はパンフレットと同じだが利用目的が異なるもの・商品や作品などを一覧で紹介することを目的として利用される。

◉-2、パンフレット制作をする前に企画をしっかりと行う

パンフレットは、ただ何かを紹介するためだけに制作するのではなく、あらかじめ明文化しておいた目的や活用方法をベースに、どんな内容のパンフレットを作るのかをより深く検討しておく必要があります。

パンフレットの企画段階における検討ポイントは以下の通りです。

◉-2-1、配布するターゲットを明確に設定する

まず、パンフレットを配布するターゲットを明確に設定します。

なぜなら、ターゲットによって掲載すべき「内容」や「デザイン」が変わってくるからです。

「誰に伝えたいのか」を明確にすることによって、「何を伝えるのか」というポイントがはっきりして、有効な「キャッチコピー」や「内容」「デザイン」につながります。

◉-2-2、ターゲットのニーズを深掘りする

次に、設定したターゲットがどのような情報を求めているのかというニーズを深掘りしましょう。

ターゲットのニーズを踏まえたうえで、「キャッチコピー」や「内容」「デザイン」を決めることによって、パンフレットとターゲットとのミスマッチを防ぐことができます。

ニーズに応えられるような「内容」になっていなければ、パンフレットを読んでさえもらえません。

◉-2-3、自社の強みを明確にする

ターゲットとニーズが明確になったら、それに対する自社の強みを明確にします。

3C分析やSWOT分析などのフレームワークを用いて、同業他社との差別化を意識しながら、パンフレットの目的に沿ったアピールができる強みを整理し、明確にしていきましょう。

◉-3、ターゲットの興味を惹く構成、デザインに落とし込む

パンフレットを見たターゲットに、商品・サービスの問い合わせや資料請求、購入などの何かしらのアクションを起こしてもらうためには、まずパンフレットを開いた時に「自分向けのパンフレットだ」と思ってもらう必要があります。

たとえば、人材採用を目的とするパンフレットであれば、ターゲットと同年代の従業員の写真を入れて、「自分がこの会社に入ったら、こんな風に活躍できるんだ」というイメージを持ってもらいやすくなり、「読んでみよう」と思ってもらいやすくなります。

また、商品やサービスのパンフレットであれば、ターゲットと同じ属性の「お客様の声」を入れたりするのも有効です。

ターゲットに「自分ごと」にしてもらわなければ、パンフレットをいくらうまく作っても読んでもらえないので、以下のようなポイントを押さえて、「いかにターゲットの興味を惹くか」を検討しましょう。

◉-3-1、ターゲットがピンとくるキャッチコピー・文章にする

ターゲットがパンフレットを見た時に、まず目に入る文章がキャッチコピーです。

キャッチコピーが刺さるか刺さらないかで、中身の文章を読んでもらえるのかが決まる重要な要素なので、次のポイントを押さえて文言を考えていきましょう。

・訴求ポイントを、短くわかりやすく表現する
・他社との差別化を意識したユニークなものにする
・ターゲットが普段使う言い回しや言葉を使う(普段使わない言葉を使っても刺さらないため)

また、キャッチコピーだけではなく、文章も重要です。

伝えたいことを羅列しただけでは、ただ長いだけの無味乾燥な文章になってしまいます。

パッと読んだだけで理解できるような分かりやすい文章表現を心がけましょう。

◉-3-2、内容を詰め込みすぎないように注意する

パンフレットを制作する際には、「せっかく作るんだからこの情報もあった方が良い」という風に、多くの情報を入れ込みたいという気持ちになりがちです。

しかし「内容を詰め込み過ぎる」とターゲットには伝わりにくくなります。

なぜなら、ターゲットにとって「どの情報が自分向けなのか」「どの情報が重要なのか」が分かりにくくなってしまうからです。

パンフレットの内容は、「何を載せるか」ではなく「何を残すか」という引き算の観点で考えた方が良いでしょう。

前述したように、「誰に向けて」「どんな目的で」「どのような活用方法を見据えて」作るのかを明文化しておけば、「何を残すか」の優先順位を決めやすくなります。

◉-3-3、次のアクションにつながるオファーを入れる

パンフレットを広告宣伝に活用するには、ターゲットの次のアクションにつながるようなオファーを入れることも重要です。

購入や販促などの広告の目的を達成するために、顧客にメリットを提示することをオファーといいます。

たとえば、パンフレットの中にバーゲン情報を記載したり割引クーポン券などを付けたりすることで、ターゲットに次のアクションを促すことができます。

「パンフレットを読んで終わり」にならないよう、次に繋げる意識が大切です。

◉-3-4、自社以外の第三者視点を入れる

パンフレットでは、自社の商品やサービスの優位性を強く訴求したくなりますが、自社の視点からだけの紹介では、一方的な押し付け情報と受け取られてしまいます。

これを回避するために、自社以外の第三者による評価などを入れたりできないか検討してみましょう。

たとえば、モニターによる商品・サービス利用の感想や、既存のユーザーに対して行ったアンケート結果などです。

ユーザー視点からの意見を入れることによって、よりパンフレットに記載されている内容に信頼感を持ってもらいやすくなります。

◉-3-5、図や表を入れて視覚的に訴求する

パンフレットには文章だけではなく、図や表を入れて視覚的に訴求するようにしましょう。

図表を使うと自社の商品やサービスの優位性など、伝えたい情報の正しさや正当性を分かりやすく示すことができるからです。

また、ターゲットの中には文字を読むことに苦痛を感じる人もいます。

できる限り、キャッチコピーなどの目立つ文章と写真、図表などを見ればあらかたパンフレットの内容を理解できるようにするのが理想です。

◉-3-6、売り込み色が強くなりすぎないように注意する

「自社の商品やサービスを買って欲しい」というイメージが強いパンフレットだと、ターゲットは警戒し、慎重になってしまいます。

「自社の強みをもっとアピールしたい」「自社の商品・サービスを売りたい」という気持ちは持っていても、パンフレットに売り込み色を強く反映しないように、注意して制作しましょう。

売り込み感を隠すぐらいが広告として丁度良いと言えます。

◉-4、ターゲットの手元に的確に届ける

パンフレットは、ただ単に作るだけではダメです。

ターゲットがよく利用する媒体を積極的に活用したり、無料セミナーを開いたり、営業マンに見込み顧客に手渡してもらったりしながらターゲットの手元に的確に届けていくことが重要です。

ターゲット以外の人に届けても意味がありません。

あくまで、ターゲットの手元に届くように、次のような工夫や施策を実行してはじめて成果につながるのです。

◉-4-1、PDF化して、Web上で配布する

パンフレットをPDF化して、自社のHPやポータルサイトに掲載しておき、メールマガジンやLP(ランディングページ)などから適切なリンクを貼ることによって、Web上で配布することができます。

パンフレットを紙媒体で作るだけではなくWeb上で配布していくことも重要です。

また、PDFであればWeb上で多くのターゲットに送付することができます。

たとえば、メインターゲットから少し外れていたり、「紙媒体で送るにはちょっとコストをかけすぎかな…」と思うような相手にもPDFであればコストを気にせずに送ることが可能です。

◉-4-2、ターゲットに直接送付する

自社で保有している見込み顧客リストの住所にパンフレットを直接送付する方法は効果的です。

また、エリア限定の商品やサービスのパンフレットであればポスティングで直接届けるのも有効と言えるでしょう。

パンフレットが郵便受けに届くので、捨てる前に必ず一度はターゲットの目に入ります。

そのため、表紙などでうまく興味を惹くことができれば、ターゲットに内容まで読んでもらえる可能性が高くなるのです。

手書きの手紙を付けたり、「バーゲン情報」「クーポン券」などのオファーを付けておくと集客につながる可能性が高まるのでおすすめです。

◉-4-3、セミナーや講座などで手渡す

自社が開催するセミナーや講座などで、受講者にパンフレットを手渡しする方法です。

受講者はセミナーや講座の内容に関心を持って参加しているわけですから、テーマに関連するパンフレットであれば、ほぼ確実に受け取って読んでもらえるでしょう。

さらに、パンフレットを読んだ受講者が問い合わせや資料請求などのアクションを起こして購買や成約につながる可能性もあります。

ポイントはセミナーの前に配っておくことです。

早めについて時間を持て余したりした際に読んでもらえる可能性が高くなるからです。

また、セミナーや講座で配ったパンフレットについては「こういう内容が書かれていますので読んでください」と必ず説明するようにしましょう。

こういった細かい配慮の1つひとつがパンフレットの広告効果を高めてくれます。

◉-4-4、ターゲットが集う場所に置かせてもらう

パンフレットの企画段階で設定したターゲットの属性などから、ターゲットが集まりやすい場所が特定できる場合は、その場所にパンフレットを置かせてもらうなども有効です。

たとえば、高齢者がターゲットであれば病院やクリニック、接骨院や整体、公民館やカルチャーセンターなどが良いと言えます。

ターゲットによって有効な場所は異なりますので、そのリサーチをいかにできるかがポイントと言えます。

もちろん、置かせてもらう場所のオーナーや責任者に依頼して了解を得てから置くようにしましょう。

◉-4-5、営業ツールの一つとして営業マンに活用してもらう

パンフレットを営業ツールの1つとして営業マンに持たせて活用してもらうのも有効です。

営業マンにとっては、パンフレットがあることで、説明の時間を短縮できたり、お客様を訪問しやすくなったり、話のきっかけ作りになったりします。

この場合も、ただ営業マンが手渡して終わりにならないように、顧客の次のアクションを促すような「無料相談チケット」「割引クーポン」などのオファーをパンフレットに付けておくと良いでしょう。

パンフレット

◉パンフレット制作事例

実際に広告宣伝にパンフレットを活用した事例を3件ご紹介します。

「いまいちパンフレットを広告にどう使えば良いか分からない」という方は、ぜひこれらの事例と同じような活用ができないかを検討してみてください。

◉-1、事例1:建築設計会社の採用パンフレット制作

ある建築設計会社では、採用活動を目的とした会社案内のパンフレットを制作。

中小企業ということもあって広く発信することは考えておらず、専門学校などに求人票と一緒に配布することを想定して、「他社と比べて目を引くようなインパクトのあるデザイン」「建築設計事務所ということがすぐに分かるデザイン」「学生向けに親しみやすい明るいデザイン」にしたいというのが先方の要望でした。

パンフレットを制作する前から、すでにターゲットが明確になっており、利用目的や要望もはっきりしていたため、専門スタッフ・デザイナーの力を結集して、満足していただける出来栄えのパンフレットを制作することができ、採用活動で実績を上げることに成功しました。

◉-2、事例2:不動産投資サービスの見込み顧客への配布用パンフレット制作

医師向けの不動産投資サービスを行っている不動産会社では、すでにブックマーケティングを実践し、書籍出版により大きな成果を上げていました。

しかし、中には書籍を一冊読むまでには至っていない検討段階の見込み顧客もいらっしゃるとのこと。

そういったライトな見込み顧客向けに配布するためのパンフレットを作成しました。

イメージ的には、既に刊行済の書籍のダイジェスト版ですが、「どれぐらい節税できるのか」「なぜ不動産投資が節税になるのか」「物件を見極めるポイント」などがパッと見て分かるように配慮し、実際に投資用不動産を購入した顧客との対談インタビューを掲載するなどを工夫。

自社HPからパンフレットのPDFデータをダウンロードしてもらう形で配布しており、新規問い合わせなどにつながっています。

◉-3、事例3:投資スクールの入校募集パンフレット制作

ある投資スクールでは、投資に興味がありながらもノウハウや知識を得るために何をしたら良いかわからない人に向けて、「入校を後押しする」ようなパンフレットを目指して制作。

新規入校生募集のためのパンフレットということもあり、表紙に投資スクールを受講したことによって利益を得た実績が分かりやすいように、「Before・After」を掲載して、インパクトを与えるように工夫しました。

また、投資スクールという世間のイメージがあまりよくないため、実際にスクールを受講して利益を得た方のリアルなインタビュー内容を掲載したり、メディアで取り上げられた実績を掲載したり、安心感や信頼感を与えることができるような内容になっています。

投資スクールのサービス内容や講師陣、受講料など、受講を検討する方が気になる項目についても詳しく紹介。

結果として、多くの方から問い合わせが増えて、新規入校者の増加につながっています。

◉【まとめ】デジタル時代の今だからこそ、パンフレットは有効な広告ツール!

本記事では、パンフレットを広告としてもっと有効活用するための方法について紹介しました。

PC、スマホなどを利用したデジタル広告が主流となっている現代ですが、こういうデジタル時代だからこそ、アナログなパンフレットが際立ち、有効な広告ツールとして効果を発揮します。

せっかく費用をかけて制作するのですから、広告や営業への活用も視野に入れてパンフレットを制作してみてはいかがでしょうか。

広告に有効活用することを見据えたパンフレット制作をお考えであれば、フォーウェイまでお気軽にご相談ください。

Web広告も、SNS運用も、SEOも、PRも、あらゆるマーケティング施策をやっているのにも関わらず商品が売れない、という時はどう対処すれば良いのでしょうか。

「色々手は尽くしているけど商品が売れない、売れ行きがよくない」という場合には、八方塞がりで、次にどんな施策を打っていけば良いのかが分からなくなってしまいがちです。

今回はそんな商品が売れない主な原因や、改善を検討すべき8つのポイントについて解説します。

目次【本記事の内容】

執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)
画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 29d5ead1ee41a6d25524876e7bd315d5-scaled.jpg
慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。

手を尽くしても商品が売れない主な原因

あらゆるマーケティング施策を行っているのに商品が売れない、あるいは売れ行きがよくないという場合、次のような原因が考えられます。

  • ・ターゲット設定を間違っている
  • ・商品スペックをアピールしてしまっている
  • ・ターゲットにアプローチできていない
  • ・商品の強みを明確にできていない
  • ・商品に信頼性がない
  • ・大手の売り方を真似している
  • ・ブルーオーシャンを狙いすぎている

あなたの商品がいずれかの原因に該当していないかをチェックしてみましょう。

ターゲット設定を間違っている

商品を売りたいターゲット設定を間違っていると売れません。

たとえば、ターゲットが絞りきれていない、広く設定しすぎている、そもそもターゲットにニーズがないなどです。

売上や利益のことを考えると、ターゲットを絞ることは勇気がいりますが、「男性がターゲット」として販売するよりも、「40代で年収600万円以上の独身男性がターゲット」とした方が訴求が明確になります。

年代や年収額、家族構成などによって生活スタイルや思考、抱えがちな悩み、解決方法などは大きく変わるので、どんなに良い商品であったとしても、その商品を必要としている人に適切にアプローチすることができなければ売れることはありません。

商品スペックをアピールしてしまっている

商品スペックばかりをアピールしてしまう、というのも企業が陥りがちな落とし穴です。

今現在、商品の性能・成分などのスペックや、価格の安さばかりをアピールしてしまっているようなことはないでしょうか?

この場合、顧客も商品をスペックでしか判断できなくなるので、他の商品とのスペック競争に巻き込まれてしまいやすくなります。

たとえば、価格の安さをメインに訴求している場合は、同じようなスペックで価格が低い商品が出たら簡単に切り替えられてしまうでしょう。

また、「とある成分が50%入っている」ということをメインで訴求している場合でも、同じような価格で60%の商品が出たら、同様に切り替えられてしまうことが予想できます。

このように、他の商品とのスペック競争に勝っているうちは良いですが、スペックの高い他社商品が出てきてしまうと次第に売れなくなってしまうのです。

商品スペックは見た目にも分かりやすい訴求になるため、初動の売上を出すには良い方法ですが、時間の経過とともに競合他社とのいたちごっこになりやすいデメリットがあるので注意しましょう。

もし資金力のある大手が参入してきた瞬間に、資金力のない中小企業は商品スペック競争に勝てなくなり、ますます売れなくなってしまいます。

ターゲットにアプローチできていない

マーケティング施策や利用する媒体の種類によって、アプローチできるターゲット層が変わってきます。

狙いのターゲット層が見ることもないし利用することもないような媒体に、いくら広告を打っても、情報発信をしても、そもそも顧客がその広告や情報を目にすることはないため商品が売れることもありません。

たとえば、狙いのターゲット層が高齢者の場合、いくらInstagramで情報発信しても高齢者がInstagramを見るはずもないということです。

このように、ターゲットにアプローチできる媒体やマーケティング手法を間違えている場合はいくらやっても売れません。

商品の強みを明確にできていない

その商品ならではの強みを明確に訴求できていない場合は、顧客にその魅力が伝わらないため売れません。

たとえば、商品の説明が分かりにくい、文章を読んでもよく理解できないなど、そもそも商品の強みを自社でうまく言語化できていない可能性があります。

たとえば、「若々しさを取り戻したい」というニーズを持った顧客に「年相応」と訴求しても刺さりません。

ターゲットにしっかりとアプローチできているはずなのに、商品が売れない場合は、自社が訴求している商品の強みと、ターゲットのニーズのズレが原因となることが多いです。

このような場合、いくらマーケティング施策を打っても売れません。

商品に信頼性がない

商品の見た目や評判などが怪しげだったり、安っぽかったりして信頼性がないことも売れない原因の1つです。

これは商品だけではなく、商品の製造元や販売元、店舗などにも当てはまります。

消費者は潜在的に「失敗したくない」「騙されたくない」と強く思っているものです。

安心できるもの、信頼できるものを購入したいと考えているので、商品などの信頼性が低い場合は、たとえ価格が高くても失敗しない安心できる競合他社の商品を選ぶ傾向があります。

また、高単価な商品の場合は、購入にあたってのリスクが大きくなるので、特に「どこが販売しているか」という販売元の信頼性が重要になります。

大手の売り方を真似している

中小企業と大企業ではマーケティング手法は異なります。

そのため、中小企業が大手をベンチマークして真似をしてしまうと、大抵が途中で資金不足

になり失敗してしまいます。

なぜなら、大企業は資金が潤沢にあるという前提で、マーケティングを行っているからです。

一方で中小企業は限られた予算の中で優先度をつけ、効率的に行わなければなりません。

ある程度の期間売れなくても、マーケティング費用を出し続けられるような資金力がなければ大手のやり方を真似することはできません。

ベンチマークとして大手企業を挙げている中小企業の場合、こういった失敗をしやすくなるので十分に注意しましょう。

ブルーオーシャンを狙いすぎている

「ブルーオーシャン」とは、マーケティング用語で「まったく新しい領域に事業や商品を展開していくこと」を指します。

つまり、「ブルーオーシャンを狙う」とは、これまでに存在しなかったような商品を発売して、他社とも競合することなく売るということです。

しかし「ブルーオーシャンで競合がいないこと」と、「売れること」は、イコールではありません。

ブルーオーシャンということは、顧客のニーズもそれほどない可能性がある、ということです。

ブルーオーシャンに商品を販売していくためには、まずこの顧客ニーズから作っていく必要があるので、そのための期間と潤沢な資金が必要となってしまいます。

たとえば、iPhoneなどが良い事例です。

最初は「本当に必要なのか?」など、顧客ニーズが全くなかったところから数年かけてニーズを地道に作りあげていったからこそ、今のような根強いiPhoneファンを獲得できているのです。

競合がいないということは魅力的ですが、資金力がないのに安易に「ブルーオーシャン」を狙っても、結局顧客に認知してもらうことができずに売れないということになってしまうので十分注意しましょう。

手を尽くしても商品が売れない時に検討すべき8つのポイント

いろいろと手を尽くしても売れない時には、次の8つのポイントに注意してマーケティング施策を再検討するのがおすすめです。

  • ・ターゲット設定を見直す
  • ・ターゲットにアプローチできるマーケティング施策を選ぶ
  • ・商品の強みを改めて考える
  • ・商品スペックではなく、商品を使った先の未来像を訴求する
  • ・社会的信頼性・権威性を高める
  • ・商品を売るのではなく、ファンを作る
  • ・マーケットインで販売戦略を考え直す
  • ・アナログなマーケティング施策を検討してみる

具体的にどのような点を再検討すべきかをくわしく見ていきましょう。

ターゲット設定を見直す

まず、その商品を売りたいターゲットが誰なのかについて設定を見直します。

ターゲットはできるだけ詳しく具体的に設定するようにすると、どのようなマーケティング施策が有効なのかが分かりやすくなります。

ターゲットの設定項目としては次のようなものがあります。

  • ・社会的属性:年齢、性別、居住地、職業、家族構成
  • ・心理的属性:価値観、ライフスタイル、性格、嗜好
  • ・レベル:初級者、中級者、上級者

想定したターゲットにそもそも商品を買いたいニーズがない場合も多いので、ターゲットと想定される人を集めて座談会やヒアリング、アンケート調査を実施したりしながらターゲットのニーズを深掘りしていくことから始めてみましょう。

ターゲットにアプローチできるマーケティング施策を選ぶ

狙いのターゲットが明確になったら、そのターゲット層に的確にアプローチできるマーケティング施策や媒体を選びます。

たとえば、富裕層や決裁権者のような広告やSNSでアプローチしにくい層を狙うのであれば、自発的に調べる傾向があるので、SEOや書籍などが有効となります。

高齢者にアプローチするのであればチラシやパンフレットなどのアナログな媒体を選びましょう。

20代〜30代の若年層であれば、XやInstagram。10代にはTikTokなどが有効です。

30から40代のターゲットにアプローチするのであればSNSの中でも特に詳細なセグメントで広告出稿ができるFacebook広告やGoogle広告がおすすめです。

このように、ターゲットがよく見る媒体などをリサーチした上で、ある程度の仮説をたててからマーケティング施策を実行していくことが重要です。

商品の強みを改めて考える

ターゲットが明確になり、アプローチ方法や媒体が決まったら、次は商品の強みを改めて考えてみましょう。

強みを顧客に訴求する場合には、言語データやイメージで表現する必要があるので、言葉にして洗い出すことが大切です。

言葉であらわすことによって、曖昧さや漠然さがなくなり強みがより明確になります。

このときに、ターゲットやアプローチ方法などを一旦頭の中から取り去って、純粋に「商品の強み」を考えることも重要です。

なぜなら、洗い出された強みを必要とするターゲットが間違っているということもあり得るからです。

訴求する商品の強みと、ターゲットのニーズのズレは商品が売れない原因に直結していくので、もし、洗い出された強みとターゲットが異なる場合は、先述のターゲット設定のステップからやり直しましょう。

商品スペックではなく、商品を使った先の未来像を訴求する

前述の通り、商品スペックをメインに訴求してしまうと、競合他社とのスペック競争に陥ってしまい、売れない原因になってしまいます。

最初は良くても、競合他社や大手が参入してくるとともに売れなくなっていきます。

商品スペックよりも、その商品を使うことによって、「どのような人」の「どのような課題や悩み」を「どのようにして解決する」ことができるのかの価値を説明し、顧客が自分でその商品を使ったときの未来像が想像できるようにすることが大切です。

また、イメージ画像や動画などを活用して未来像がビジュアルで分かりやすく顧客に届くように工夫することも大切です。

社会的信頼性・権威性を高める

「社会的信頼性」や「権威性」を高めることによって商品を売れやすくすることができます。

「社会的信頼性」も「権威性」もほぼ同じような意味を表す言葉で「社会的にどの程度信頼されているのか、どの程度承認されているのか」ということです。

顧客の多くは商品を買う際に「失敗すること」をできるだけ避けたいと考えます。

そのため、商品の「社会的信頼性」や「権威性」が高ければ、それだけで顧客からの信頼を受けやすくなり商品が売れやすくなるのです。

これは商品そのものだけではなく、その商品の製造元や販売元の「社会的信頼性」や「権威性」が高い場合も、商品が売れやすくなります。

大手企業などが良い例です。

社名などで「きっと大手が出しているのだから失敗はしないはずだ」と思い買ってもらいやすくなります。

このように、商品が売れない時には自社の社会的信頼性や権威性が現状どんなものなのかを調べ、それを向上させていく施策などを検討してみましょう。

商品を売るのではなく、ファンを作る

商品が売れない状態に陥っているときには、どうしても「目の前の商品を売れるようにしなければ」という考えに囚われてしまいがちです。

しかし、少し発想を変えて「商品や企業のファンをつくるにはどうすれば良いのか」と視点を変えることが遠回りに見えて一番の近道である場合もあります。

商品や会社のファンになってもらえれば、安易に他社の競合商品に乗り換えたりすることがなく、リピートで購入してくれる可能性が高くなります。

結果的に中長期的な売り上げの安定化につながります。

マーケットインで販売戦略を考え直す

ものが溢れた現代では、プロダクトアウトではなくマーケットイン。

つまり、顧客のニーズに応じた商品の企画開発をすることが重要です。

もちろん、プロダクトアウトの販売戦略には、企業本位の商品の企画開発という以外に、顧客の潜在ニーズを掘り起こすという意味もあるので、必ずうまくいかない訳ではありません。

しかし、商品が売れないということは、顧客のニーズに応える商品ではないという仮説が立てられます。

マーケティング施策などをしっかりと行っているのに売れないのであれば、プロダクトアウト的なマーケティングになっていないかを検証して、改めてマーケットインで販売戦略を練り直すなどを検討してみましょう。

アナログなマーケティング施策を検討してみる

現代では、インターネットを活用したWeb広告やSNSなどのデジタルなマーケティング施策が主流となっています。

しかし、デジタル全盛期だからこそ、アナログのマーケティングが際立つということも考えられます。

つまり、顧客が購買に至るまでの「認知」「興味・関心」「比較・検討」「商談」のプロセスの全てにおいて、顧客はデジタルだけに接しているわけではないのです。

実際に、現在マーケティング施策としてうまくいっているのは「デジタルとアナログの組み合わせ」です。

実際に2016年に一般社団法人日本ダイレクトメール協会が行なった「DMメディア実態調査2016」によれば、「DMだけ」「メールだけ」「DMとメールの両方」の3パターンで無作為に抽出したターゲットに送付したところ、「DMとメールの両方」の場合が最も反応率が高くなったという実験結果が出ています。

また、高齢者などのようにアナログマーケティング施策でしかアプローチできない層もいるためデジタルの時代だからこそ、次のようなアナログマーケティング施策を組み合わせることができないかを検討してみることが重要です。

次のようなアナログマーケティング施策を活用することで、思わぬ突破口が開けるかもしれません。

  • ・書籍
  • ・チラシ
  • ・パンフレット
  • ・手紙
  • ・DM

それぞれどのような方法を具体的に活用すべきかを見ていきましょう。

◉-8-1、書籍

マーケティング施策に書籍を活用するという方法です。

企業出版(ブックマーケティング)と呼ばれる手法です。

具体的には、自社の事業や商品・サービス、企業の成り立ち、企業理念、保有技術などについてまとめた書籍を出版してマーケティング活動に活用します。

書籍は社会的信頼性が高く、盛り込める情報が他のメディアに比べて圧倒的に多いため、読者をファン化させて自社サービスの購買意欲を向上させることが可能です。

顧客との面談や商談の前に、自社で出版した書籍を販売促進ツールとして手渡すことによって、顧客からの信頼を得やすくなり、成約につながる可能性も高くなります。

また、書店に配本して販売するので、書店の来店客の目に留まって購入した顧客から問い合わせが来るなど、新規顧客の獲得にもつながります。

◉-8-2、チラシ

商品のおすすめポイントなどを簡単にまとめたチラシもマーケティング施策に利用できます。

チラシは、顧客にキャンペーンなどのお得情報を告知したり、来店を促して商品の販促につなげたり、商品の認知度を上げるために、ポスティングなどの方法で特定のエリア内に配布します。

メールやSNSなどのデジタルマーケティングでは埋もれてしまいがちなキャンペーン情報やお得情報ですが、ポストに入っていたチラシを見て来店し購入する顧客は比較的多いものです。

チラシを作成する際は、「5W1Hを明記する」「内容をターゲットに合わせる」「会社や営業担当者の自己紹介を入れる」「ターゲットの興味を惹くビジュアルにする」などに配慮しましょう。

◉-8-3、パンフレット

商品案内などのパンフレットをマーケティング施策に利用する方法もあります。

パンフレットは商品を単に羅列するだけでなく、商品の特徴やメリット、ベネフィットなどを分かりやすく説明して、商品の良さがきちんと顧客に伝わるものにしなければなりません。

顧客の興味や関心を喚起して購買意欲を高めてくれるようなものにしましょう。

◉-8-4、手紙

手紙、それも手書きの手紙はアナログな手法の最たるものですが、マーケティング施策としては非常に有効です。

手紙は、電子メールやDMとは違って、受け取った顧客に深い印象を残すことができ、顧客が手紙の書き手に対して信頼感を抱きやすいという特徴があります。

また、手紙は宛名の人にダイレクトに届けられるため、決裁者に直接アプローチし、関係性を構築していきたい場合などにも有効です。

営業マンが訪問する場合の人的コストの発生、テレアポなどで取り次いでもらえない、相手の時間を拘束するなどのデメリットもありません。

◉-8-5、DM

紙のDMを送付するというマーケティング手法もあります。

日本ダイレクトメール協会が2021年に実施した「DMメディア実態調査2021」によれば、DMの開封率は約79.5%にものぼり、電子メールよりも5倍以上開封されやすいという結果が出ています。(電子メールの開封率は約14%)

多くの電子メールを受信する人の場合、他のメールに埋もれてしまって開封されないことが多々あるのに対して、郵便ポストを毎日確認する人は多いため、それが高い開封率につながっていると考えられます。

メールよりもコストはかかってしまうため、DMを送るターゲットをより明確にすることが重要と言えます。

【まとめ】手を尽くしても商品が売れない時は一度立ち止まることが大切

本記事では、「色々手は尽くしているけど商品が売れない、売れ行きがよくない」という場合の主な原因や、このようなときに検討すべき8つのポイントについて解説しました。

基本的な対応としては、一度立ち止まって、今回の8つのポイントについて、どうすべきかを検討してみましょう。

特にデジタル系のマーケティング施策しか行っていない方は、アナログなマーケティング施策を検討してみるのがおすすめです。

デジタル全盛期の時代だからこそ、アナログが際立つ時代です。

書籍やチラシ、DMなどの手法を一度検討してみてはいかがでしょうか。

フォーウェイではデジタル時代の集客に最適な書籍、パンフレット、チラシなどのアナログ集客の方法について、最適なご提案をさせていただいております。

ぜひ、デジタル集客に伸び悩みや頭打ちを感じている企業さまがいらっしゃいましたら、お気軽にご相談ください。

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ブックマーケティング

コンサルティングサービスや、保険、不動産、投資、など高単価商品や、BtoB向け商品やサービスを販売していくためには、顧客との信頼関係構築が何より重要と言われます。

なぜなら、金額も高いため、買う側も「信頼できる相手から買いたい」と考える傾向があるからです。

しかし、顧客との関係性を作るためには、ある程度の時間と手間が必要になります。

また、高単価であるが故にその商品やサービスの特徴、価値を伝えるのにも時間や手間が必要です。

結果として成約までのリードタイムが長くなってしまうことが往々にしてあります。

そんなリードタイムを短くできる施策の1つが顧客教育です。

今回は、成約までのリードタイムの短縮におすすめな顧客教育方法や成功事例について解説します。

目次【本記事の内容】

執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)
画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 29d5ead1ee41a6d25524876e7bd315d5-scaled.jpg
慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。

高単価やBtoBはリードタイムが長くなりがち

高単価やBtoB向けの商品・サービスになればなるほど、顧客の「失敗したくない」という気持ちが強くなるため、信頼関係のある法人や個人から購入したくなるものです。

たとえば、不動産などの高額商品を販売する場合は、買い手側にとっては数千万円という買い物になるため、まずは小さな案件に対応したり、他の悩みや相談に応えたりしながら徐々に顧客の信頼を獲得していくことが重要になります。

また、「なぜその法人や個人の商品・サービスが必要なのか?」ということをはっきりと理解していないことも多いため、これらのことを理解してもらうにもある程度の時間が必要です。

顧客との間に信頼関係を構築して、商品の必要性などを理解してもらうためには数ヶ月以上かかるのが一般的なので、高単価やBtoB向けの商品・サービスはどうしてもリードタイムが長くなってしまうのです。

リードタイムを短くしてくれるのが顧客教育

長くなりがちなリードタイムを短縮する施策として「顧客教育」があります。

顧客に対して「自身がどういう法人、個人なのか?」「なぜその法人や個人の商品が必要なのか?」ということを、商談をする前に理解してもらうことができれば、成約までのリードタイムを短くすることが可能です。

たとえば、セミナーを開いて不動産投資用物件を販売する場合で考えてみましょう。

不動産投資について全く知識がない状態で初めて参加された方よりも、既に一定の知識を持ち会社との接点が過去に多い人の方が成約しやすいと言えます。

特に、高単価やBtoB向けの商品・サービスを販売している法人や個人は「顧客教育」をうまく活用してリードタイムの短縮を図るべきです。

成約までのリードタイムを短くする!おすすめの顧客教育手法

「顧客教育」にはさまざまな方法があります。

その中でも、特に成約までのリードタイムを短くするのに有効な「顧客教育」をご紹介します。

セミナーや講座の開催

自社が販売している商品やサービスのターゲットが、興味を抱くような内容のセミナーや講座を開催して、その中で自社の商品やサービスの必要性を理解してもらう手法です。

たとえば、「成年後見支援」を主要なビジネスにしている場合は、「終活セミナー」などを開催することが考えられます。

また、セミナーや講座であれば、最初から講師というポジションでターゲットと接することができるので、参加者から信頼を得やすいというメリットがあります。

書籍の出版(企業出版)

自社が販売している商品やサービスに関する書籍を出版して、書店に配本し他のマーケティング施策と組み合わせてターゲットの手元に届ける手法です。

書籍は社会的信用性が高いという特徴があるので、書籍を出版したことによって読者に「本を出版できるぐらい社会的信用性、専門性、権威性が高い」というイメージを持ってもらうことができます。

また、一般のビジネス書は7万文字~10万文字という情報量があるため、商品やサービスに関することだけではなく、開発にかける思いや独自技術、創業ストーリー、企業理念、プロフィールなどもまとめて伝えることが可能です。

さらに、SNSや広告とは違い、読者がお金を払って購入するため、読んでもらいやすいのが特徴です。

そのため、ターゲットの手元に届けることができれば、書籍の内容をしっかりと理解してもらえるというメリットを享受することができます。

実際に、出版後すぐに問い合わせがあり大型案件の成約が得られたり、商談で成約しやすくなった、という事例も豊富にあります。

単に書籍を出版するだけでは「顧客教育」にはなりませんが、企業出版によりターゲットに届けることができて、書籍の内容をしっかりと読んでもらえれば、リードタイムを短くする有効な手段となるのです。

マーケティングファネルの構築

さまざまな方法で取得した見込み顧客のメールアドレスに、メルマガやステップメールで情報を発信する手法です。

たとえば、メルマガやステップメールで無料セミナーの開催を告知して集客し、セミナーの中で「顧客教育」をして「なぜその商品が必要なのか?」を理解してもらった上で無料の個別相談を募集します。

そして、個別相談に参加してくれた見込み顧客に対して、商品やサービスのオファーをかけるというように、見込み顧客の状況に応じて最適な「顧客教育」を施していくのがマーケティングファネルの構築です。

一連のファネルごとの施策を通して「顧客教育」を行う仕組みを作ることで、高単価やBtoB向け商品が成約しやすくなります。

SEO

SEOは、顧客自身が興味のあることを調べたり、悩みを解決したりするために行う「インターネット検索」を利用するものです。

顧客自らが検索をして上位に表示される記事にアクセスするため読んでもらいやすく、その中で「顧客教育」をすることが可能です。

アクセスしたサイトの記事に有益な情報が書いてあればあるほど、その記事を書いた法人や個人のファンになっていく傾向があるため、確度の高い問い合わせが来やすくなります。

このようなことから、広告経由で成約した顧客よりもSEO経由で成約した顧客の方が質が高いという傾向があります。

Youtube配信

Youtube配信もSEOと同様に顧客が自発的に閲覧するものなので、見てもらいやすく、その中で「顧客教育」をすることが可能です。

有益な情報を分かりやすく動画にして配信すればするほど、その法人や個人のファンになり、確度の高い問い合わせが来やすくなるというのが特徴です。

Youtubeでの動画の場合は、SEOと違って顔を出して発信することができるため、動画の出演者に対する信頼感や興味が湧きやすく、ファン化しやすいという傾向があります。

また、顧客が自ら調べてたどり着くという特徴から、問い合わせの質が高いのが特徴です。

クラウドファンディング

クラウドファンディングは想いに共感する人を集めることができるという大きな特徴があります。

まず法人や個人のファンになってもらって、資金集めをしながら、支援者(顧客)との信頼関係を構築していくことが可能です。

クラウドファンディングの説明文などで、想いや取り扱っている商品・サービスなどを紹介をすることができ、これが「顧客教育」になります。

クラウドファンディングによって、すぐに商品・サービスが売れる訳ではありませんが、支援者という形でファンを獲得することが可能です。

たとえば、前述のような書籍を出版するためのクラウドファンディングを行い、出版した書籍をリターンとしてお渡しするようにすれば、読んでもらえて問い合わせにつながる可能性が高まります。

また、クラウドファンディングの場合は、共感した支援者が情報の拡散を行ってくれることがあるというのも特徴の一つです。

顧客教育用のパンフレット送付

自社の取り扱っている商品やサービス、法人、個人などについてまとめたパンフレットを作っておき、それを様々な手段で獲得した顧客に送ることによって「顧客教育」をすることができます。

パンフレットは書籍よりも手軽に安く作れますし、しっかりと読んでもらうことができれば成約までのリードタイムを短縮することができます。

リードタイムを短くするために押さえておくべき顧客教育のポイント

成約までのリードタイムを短くするための「顧客教育」の手法を紹介しましたが、いずれにも共通する押さえておくべきポイントがあります。

どのようなポイントがあるのか、くわしく見ていきましょう。

ターゲットを明確にする

ターゲットを明確にして、ピンポイントで「顧客教育」をしなければ、成約リードタイムの短縮どころか、成約も難しくなります。

なぜなら、商品やサービスを求めていないターゲットにいくら「顧客教育」をしても成約につながることはないからです。

また、ターゲットの範囲を広くすると「顧客教育」の対象者が増えますので一見多くの成約が得られるのではないかと考えがちですが、「顧客教育」の確度がぼやけてしまうため成約につながりにくくなります。

ターゲットに届きやすい施策を検討する

ターゲットによって有効な「顧客教育」は異なります。

ターゲットにアプローチできない施策をいくら頑張ったとしても成約につながることはありませんので、「ターゲットにアプローチできる施策は何か?」を慎重に検討する必要があります。

たとえば、高齢者をターゲットにするのであれば、SNSやWeb広告よりはパンフレットやチラシなどが有効です。

逆に、20代の若者をターゲットにするのであれば、断然SNSが良いでしょう。

また、企業の決裁権者をターゲットにするのであれば、書籍やパンフレット、SEOなどがおすすめです。

このように、どの施策が自社のターゲットにアプローチしやすいかを検討することが重要といえます。

ファンになってくれること、信頼感を生むことを目標にする

「顧客教育」は、あくまでも「役に立つ情報をいかに届けて信頼を獲得するか?」が目的なので、商品やサービスの「売り込み色」を出さないように注意しましょう。

「意図的に誘導する」などの「売りたいという気持ち」はすぐに顧客に気づかれてしまい、敬遠されたり、信頼を失うことになりかねません。

あくまでも、ファンになってくれること、信頼感を生むことを目標にしましょう。

商品情報だけではなく、背景や想いなども盛り込む

「顧客教育」の内容は、単なる商品やサービスの説明だけではいけません。

「なぜ、その商品やサービスを開発したのか?」などの背景や想いなどを盛り込んで、顧客からの共感を得やすくする必要があるからです。

背景や想いなどを盛り込むことによって「売り込み色」を消す効果も期待できます。

顧客教育によりリードタイムが短縮した成功事例!

実際に「顧客教育」を行ってリードタイムを短縮した事例を3件ご紹介します。

医師向け不動産投資の書籍を販売し10億円以上の売上に!(不動産投資)

この不動産投資会社は、自社の認知度や信頼性が低いために、ターゲットである医師の集客がうまくいかないことや成約までのリードタイムが長いことに悩んでいました。

これらの課題を解決するために、不動産投資が節税対策に有効なことなどを訴求する書籍を、医師をメインターゲットとして出版。

出版後1ヶ月で読者から大型案件を受注して3億円の売上を実現することができたそうです。

さらに、メインターゲットである医師(読者)から次々に問い合わせがあり少なくとも10億円以上の売上につながりました。

また、出版前の大きな課題だったリードタイムの長さも解消されて、ほとんどが初回の面談で決断してもらえるようになったそうです。

不動産投資のように、顧客にその必要性や重要性を認識させることが重要な商品・サービスには、「いかに顧客教育をするか」がリードタイムの短縮に関わってくるため、情報量が多い書籍は顧客教育に有効な手段と言えるでしょう。

場がホットな状態から商談ができるように!(保険代理店)

この保険代理店は、本業のリードタイムの長さの解消と新規事業であるコンサル事業の集客方法について模索していました。

これらの課題解決を狙って書籍を出版し、「成果報酬型」が当たり前の業界で「一律報酬型」の給与体系を導入した新規性をキャッチコピーとして書籍を出版。

業界の慣習に反した給与体系にもかかわらず売上高が右肩上がりで、社員の定着率も高いということに大きな反響があり、出版記念セミナーでは60名を集客し、複数件のコンサル契約を獲得することができたのだそうです。

その後も書籍が飛ぶように売れ、⼤⼿保険会社などの講演会に講師として招かれるようになりました。

また、実際の保険営業の現場でも、事前に書籍を読んでもらっているので「顧客教育」が終わった状態から商談に入れて、まさに場がホットな状態から商談ができるようになったそうです。

出版の狙いだったリードタイムの短縮も達成することができています。

当社で扱うような法人保険の営業は、商談が経営者同士の良い議論になるのか、出入り業者のような見られ方をするのかで結果がまったく違うんです。本来、人材戦略や財務状況など経営の中身を腹を割って話してもらって、相手の経営に踏み込んだ提案をしないと大型の保険契約は決まりませんから。本を出して、そういう理想的な商談をすごく増やせました。
引用元:【事例コラム】大口案件の集客、人材採用、大手企業からの講演依頼!出版ですごいことになった保険代理店

保険営業のように顧客との関係値を構築する上でも書籍は有効な手段と言えるでしょう。

リードタイムの長い注文住宅が16件成約!(注文住宅)

この注文住宅の建築会社は、競合が多いうえポータルサイトへの広告費用が高額なため、質の高い顧客を効率よく集客することを狙って書籍を出版。

注文住宅の入門書という企画内容で、「良い見積もりと悪い見積もりの違い」「現場見学でのチェックポイント」「営業マンの選び方」など住宅会社選びのポイントを解説する内容としました。

自社の商圏に近い書店に重点配本したところ、その書店で購入した読者から問い合わせが殺到して、注文住宅16件の成約を実現。

出版の狙いだった集客効果はもちろんのこと、顧客は問い合わせ時点で書籍の内容を熟読して「顧客教育」ができた状態だったため、いずれもリードタイムの大幅な短縮ができました。

【まとめ】高単価・BtoB向け商品販売には顧客教育の活用がおすすめ!

本記事では、成約までのリードタイムの短縮におすすめな「顧客教育」の方法や成功事例について解説しました。

高単価やBtoB向け商品などを販売する際には、顧客との間に信頼関係を構築したり商品の必要性などを理解してもらう必要があり、そのためリードタイムが長くなります。

これを解消してリードタイムを短縮するには「顧客教育」が有効で、その中でも特に書籍の活用がおすすめです。

書籍は信用性が高い媒体ですので、読者に「本を出版するほどの社会的信用性や専門性が高い」というイメージを持ってもらうことができます。

また、書籍が伝えることができる情報量は膨大なため、商品やサービスの説明だけではなく、開発にかける想いや独自技術、創業ストーリー、企業理念、プロフィールなどもまとめて伝えることができます。

しかも、読者がお金を払って購入するため「必ず読んでもらえる」という特徴があることから、書籍の活用が「顧客教育」に最適なのです。

リードタイムの長さに悩んでいる場合は、ぜひ書籍の活用を検討してみてはいかがでしょうか。

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ブックマーケティング

決裁者とは、自身で予算の使い道を決める決定権を持つ人のことです。

企業の経営者や役員、部長、課長などが一般的に決裁者と呼ばれます。

そんな決裁者と直接アポイントを取ることを「決裁者アポ」と呼びます。

決裁権を持たない社員と商談するよりも、成約までスムーズに進む可能性が高いのが決裁者アポの最大の魅力です。

しかし、決裁者は社員の管理や、意思決定などが主な仕事であり、商談の場に出ることは多くありません。

一般社員とは違い、そう簡単に会ってもらえるような人ではないため、アポ獲得の難易度は高いと言えます。

そこで、この記事では、決裁者アポを獲得する方法や、その中で成約率を高めていく方法についても詳しく解説いたします。

目次【本記事の内容】


執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)
画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 29d5ead1ee41a6d25524876e7bd315d5-scaled.jpg
慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。

営業活動で決裁者アポの獲得は重要

営業活動において決裁者アポが獲得できると、顧客企業における通常の決裁ルート(担当者→上司→決裁者)を飛ばして、直接決裁者にアプローチすることができます。

これにより、通常の決裁ルートよりも短い期間で成約を得ることが可能となります。

また、担当者と決裁者の視点や判断は異なっていることが多く、経営課題のとらえ方や解決策についても違った考えを持っている場合があります。

たとえば、担当者は契約する気満々だったのにも関わらず、決裁者の鶴の一声で白紙になってしまうこともよくあることです。

これは担当者が経営課題を正しく把握しておらず勘違いしていたことによって起こります。

もし最初から決裁者にアプローチすることができて、正確な経営課題を聞き出して、その解決策の提案ができていれば、提案が白紙になることはないでしょう。

一方で決裁者アポの場合は、直接決裁者の問題認識を知ることができるため、担当者と決裁者の認識のズレなどがなく、その分成約の可能性が高くなります。

このように「成約までの期間を短くすることができるという点」や「成約の可能性の高い提案ができるという点」で、営業活動において決裁者アポの獲得は非常に重要なのです。

決裁者アポを獲得する方法

営業活動において決裁者アポの獲得は重要ですが、難易度が高いことも事実です。

なぜなら、担当者に比べて決裁者の数自体が少ない上に、決裁者自身が営業担当者と面談したり商談を受けたりする機会も少ないからです。

しかし、次のような方法を活用することで、決裁者アポを獲得できる可能性が高くなります。

決裁者アポ獲得サービスを利用する

決裁者アポ獲得サービスは、決裁者アポ獲得を営業代行会社に委託できるサービスのことです。

営業代行会社にも得意分野や不得意分野があるので、利用する前に得意分野を確認して決裁者アポの獲得ができる会社に依頼する必要があります。

決裁者マッチングサービスを利用する

決裁者マッチングサービスは、ある商品やサービスを売りたい企業と買いたい企業の決裁者同士をマッチングして仲介するサービスです。

決裁者マッチングサービスを利用すれば、売り込みたい企業の決裁者にアプローチすることができ、相手が承諾すればすぐに商談を始めることができます。

決裁者同士が商談をするため、意思決定のスピードが早くなり、短期間で成約につなげることができます。

異業種交流会など決裁者が集まる会に参加する

ロータリークラブやBNI、倫理法人会などの多くの異業種交流会には、経営者が多く所属しています。

このような会に参加することによって交流の機会を得て、決裁者から直接アポを獲得しやすくなります。

また、知り合いになった決裁者からの紹介などで他の決裁者(経営者)とのアポの獲得も期待できます。

友人や知人に紹介してもらう

これはいわゆる「紹介営業」と言われるものの一つで、信頼できる人物に決裁者を紹介してもらう方法です。

自分の友人や知人、あるいは顧客の中に、ターゲット企業の決裁者を知っている人がいる場合にのみ利用できる方法なので、必ずしもすべてのケースで有効な方法ではありません。

決裁者との間に共通の知り合いがいることによって、決裁者からの信頼が得やすくなり、人間関係が構築しやすくなります。

結果的に、初回の面談から成約に至るまでの期間の短縮や成約率の向上が期待できます。

SNSなどで決裁者に直接アプローチする

SNSなどを利用して決裁者に直接アプローチしてアポを獲得する方法もあります。

たとえば、X(旧Twitter)やFacebookなどで検索をするとたくさんの決裁者を見つけることができます。

これらの決裁者に直接DMを送ってアポイントを取ることが可能です。

また、LinkedInやYentaなどのようにビジネス交流に特化したSNSもあるので、これらのSNSを活用するのもおすすめです。

ビジネス交流に特化したSNSというだけあり、相手もビジネスベースで対応してくれてアポがとりやすい傾向があります。

実際に、LinkedInやYentaなどで、海外の大企業の役員とアポが取れた事例などもあるため、アプローチできる決裁者が日本国内だけとは限らないのも特徴。

決裁者アポ獲得のために、やってみる価値はあると言えるでしょう。

マーケティング施策の一環として書籍を出版する

マーケティング施策の一環として書籍を出版し、決裁者アポを獲得する方法もあります。

自社の商品やサービスを売るために書籍を出版しますので、その商品やサービスによってどのような経営課題が解決できて、どのようなメリットがあるのか、どのようなベネフィットが生じるのかなどを詳しく書くことができます。

書籍の情報量は、通常200ページ程度のビジネス書で7万文字~10万文字にもなります。

そのため、商品やサービスの開発秘話や保有技術、企業理念などをまとめて記述することができるのが特徴です。

出版企画の段階からターゲットを明確にすることが大切で、ターゲットの目を引くために書籍のタイトルを工夫する必要もあります。

たとえば、「経営」や「利益最大化」など、決裁者が重要視する言葉を入れたりすることで、決裁者に手にとってもらいやすくなります。

フォーウェイグループ出版社パノラボから発売『建設業経営「利益最大化」の法則』と『スゴい保険代理店経営』

マーケティング施策の一つということから「ブックマーケティング」と呼ばれますが、このブックマーケティングを活用すれば、WebやSNSではアプローチできないような決裁者アポの獲得が可能です。

書籍なので、出版社の販路を通じて全国の書店に配本されて、ビジネス書のジャンルに配架され、書店の来客者の目に留まって購入されます。

いくら決裁者であっても書籍は読みますし、書店には足を運びます。

つまり、WebやSNSなどの情報にあまり興味を持たないような経営者にもアプローチできるということです。

▶マーケティング施策の一環として書籍を出版する方法については、関連記事【ブックマーケティングとは?メリットや効果的な戦略の作り方】もあわせて参考にしてください。

決裁者アポで成約率を高める方法

決裁者アポが取れたからといって、初回の面談からいきなり商談になるようなことはありません。

まずは、決裁者からの信頼を得て、その会社が抱えている経営課題や悩みなどが聞き出せるような人間関係を築いていく必要があります。。

その上で、その会社の経営課題を解決するための提案を行い、それが受け入れられてやっと成約につながることになるわけです。

以下では、決裁者アポを獲得した後に成約率を高める方法をいくつかご紹介します。

相手側の徹底的なリサーチを事前に行う

決裁者アポが獲得できた場合に、まず真っ先にやらなければならないことは、その会社のことを徹底的にリサーチすることです。

ホームページはもちろんのこと、SNSなども閲覧して、会社概要や事業内容、取扱商品やサービス、過去数年の決算状況などを把握します。

そして、その会社や業界が抱えている課題や今後取り組もうとしていることなどについて複数の仮説を立てて、自社として提案できる内容についてまとめた資料を作成しておきます。

面談の際にはまずは「今回はなぜ面談を承諾してくださったのか?」などの質問を投げかけて、相手が抱えている悩みや課題を慎重に聞き出すようにしましょう。

抱えている悩みや課題が事前にリサーチした内容と合致していた場合は、準備していた資料を提示してより具体的な話に持ち込むことができます。

もしそうでない場合は、悩みや課題について検討したうえで提案をさせていただくことを申し出て、次回のアポを取るようにしましょう。

要点を簡潔明瞭に伝える工夫をする

決裁者は、その会社の経営者だったり役職者だったりするため、多忙でゆっくりとした時間が取れないことも考えられます。

せっかく獲得した決裁者アポの機会ですから、言いたいことが伝えられずに中途半端な形で終わってしまわないためにも、要点を簡潔明瞭に伝える工夫をする必要があります。

面談の時間があらかじめわかっている場合は、その時間内で伝えたいポイントを整理しておくことが大事です。

可能であれば「どのような悩み、課題を抱えていらっしゃるのか」など事前ヒアリングを行なったり、事前に参考となる資料などを送付しておいたり、簡潔明瞭に説明できるような資料を準備したり、決裁者の貴重な時間を有意義に活用できるような工夫ができないかを検討しましょう。

相手にとって役立つ資料などお土産を渡す

決裁者アポで面談の機会が得られたとしても「商品やサービスを売り込んでやろう」という思いが透けて見えるような態度で臨んでは成約につなげることはできません。

決裁者という立場の人であれば、これまでにいろいろな人を見てきているはずですから「商品やサービスを売りつけたいだけの人」かどうかはすぐに分かってしまいます。

相手に「自社の悩みや課題に真剣に寄り添って取り組んでくれる人」だと思ってもらうことが重要なのです。

先に説明した事前のリサーチによって、たとえば「これからデジタルマーケティングを強化していくことが予想される」ということがつかめたら、あらかじめデジタルマーケティングについてまとめた資料を準備しておき、面談のお土産として渡すようなことが考えられます。

そうすると、相手には「自社のやりたいことが分かってくれる頼もしい人」だとか「自社のためにこんなに手間のかかることまでしてくれる人」だという良い印象が残ります。

そして、いざ実際の商談になったときには、信頼できる頼もしい人にお願いしようということになり成約につながるのです。

小さな頼み事を無料で受ける

決裁者アポで成約率を上げるためには、いかに決裁者の信頼を獲得するかが重要です。

そのためにも、いきなり1回目の面談で成約させようとしてはいけません。

たとえば、面談後にはすぐにメールで面談のお礼とともに「デジタルマーケティングのことやその他どのようなことでも、何か疑問点やご質問などがあれば気軽にお送りください。何でも回答させていただきます」と伝えることを忘れてはいけません。

そして、相手から質問があったり資料などの依頼があったりした場合は、迅速かつ丁寧に対応して信頼を積み上げていくようにしましょう。

なお、質問への回答や資料の提出は電話やメールで済ませるのではなく、面談のチャンスですから、必ず面談のアポを取るようにしましょう。

このように、小さい頼み事にも無料で真摯に対応することを積み上げることによって信頼を勝ち取り成約につなげることができます。

決裁者側から依頼がくるおすすめのアポ獲得方法が書籍の出版

前述した通り、書籍を出版することによって決裁者アポを獲得することができます。

しかも、決裁者が書籍を読んで自社の商品やサービスに興味や関心を持って問い合わせをしてくるわけですから、アポの時点で決裁者から書籍の著者としてのある程度の信頼を得られていると考えられます。

これは書籍を出版した著者に対する社会的信頼が高い、という書籍ならではのイメージによるものです。

決裁者は書籍を読んでいますから、自社の商品やサービスの特徴やメリット、ベネフィットなどについても十分な理解を得ていると考えられます。

そのため、最初から自社の商品やサービスに興味を持った状態でアポを開始できたり、決裁者の抱えている悩みや経営課題などについて、深くアプローチすることが可能になります。

実際に書籍の出版を決裁者アポにつなげて成約に至った事例も豊富にあります。

事例1:建設業専門コンサルティング会社の事例

この建設業専門コンサルティング会社の経営者は、自社の事業を世間に認知してもらうことを目的として書籍を出版。

ターゲットに確実に届けるために、書籍のタイトルに「建設業のための」という文言を入れるなどの工夫をしました。

出版後、書籍を読んだ建設業の決裁者から多くの問い合わせがあり、10件近くの新規顧問契約の獲得につながりました。

さらに、建設業専門コンサルティング会社としての知名度も上がり、業界内でも認知されて業績が向上したのだそうです。

事例2:保険代理店の事例

この保険代理店の経営者は、保険業界では当たり前の「成果報酬型」を「一律報酬型」に変えることによって、業績も拡大できるという考えを持っていました。

いわゆる、一部のスーパー営業マンに頼った経営からアベレージヒッターを育てて全員で支えていく経営をしていこう、という考えを書籍にして業界に打ち出したのです。

出版後には、書籍を読んだという決裁者から問い合わせが増えて、保険契約数の増加と新規契約の獲得を達成。

さらに他の保険代理店からコンサルティングの契約を獲得することにも成功しています。

▶保険代理店の事例については、関連記事【【事例コラム】大口案件の集客、人材採用、大手企業からの講演依頼!出版ですごいことになった保険代理店】もあわせてご覧ください。

【まとめ】決裁者アポは書籍と他の方法をフル活用して獲得していこう!

本記事では、決裁者アポを獲得する方法や決裁者アポで成約率を高める方法などについて詳しく解説しました。

記事中でも紹介しましたが、決裁者アポを獲得するためには、「決裁者がどこにいるのか?」を考えてアプローチする方法を考えていく必要があります。

紹介や異業種交流会、SNSでのDMなど色々な方法がありますが、その中でもおすすめなのが書籍の活用です。

書籍経由で決裁者側からの確度の高いアポを獲得する、というWeb広告やSNSなどではなかなかできない独自の営業の仕組みを構築することができる上、書籍で顧客教育も済んでいるため、他の方法よりも成約しやすい傾向があります。

決裁者アポを獲得したい方はぜひ、他の方法と合わせて書籍の活用を検討してみてはいかがでしょうか。

まずはお気軽にフォーウェイまでご相談ください。

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ブックマーケティング

「権威性」とは、「社会全体からどの程度認められた存在なのか?」を表す評価指標です。

たとえば、「その業界や分野の第一人者であり、世界的な権威者」という人の話の方が、そうでない人の話に比べると、信頼感を持って聞いてもらえるということがあるはずです。

実際に、人は権威のある人の話に耳を傾けやすく、信用しやすいという傾向があります。

そのため、マーケティングで成果を出していく上では「いかに権威性を高めるか」は重要なポイントとなっています。

また、2014年からGoogleが検索結果の表示順位を決めるための要素の一つとして「権威性」を導入したことから、SEO対策を行う上でも重要性が増しました。

この記事では、企業や経営者が「権威性」を高める方法などについて詳しく解説いたします。

目次【本記事の内容】

執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)
画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 29d5ead1ee41a6d25524876e7bd315d5-scaled.jpg
慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。

権威性とは?

「権威性」とは、「社会的にどの程度承認を受けているのか」を表す評価指標です。

「権威」という言葉からは「権力」や「他人を服従させること」などを連想しがちですが、マーケティング分野やSEO対策において「権威性がある」とは、「社会的に承認を受けている」という意味になります。

たとえば、人や組織などが「社会的に承認を受けている」具体例としては、次のようなものがあります。

  • ・正式(オフィシャル)である
  • ・公的機関である
  • ・公的資格を有している
  • ・その分野の第一人者である

SEO対策においては、Googleが検索アルゴリズムに「権威性」を導入したことから、必要不可欠な要素となりました。

また、マーケティング分野においても「権威性」は重要な要素の一つで、たとえばLP(ランディングページ)制作の際には、「権威性」の表現を用いることが推奨されています。

権威性があるメリット

「権威性」があるメリットとして、顧客からの信頼を得やすくなるということがあります。

具体的なメリットとしては次のようなことが挙げられます。

  • ・サイトや記事などがGoogleから評価されやすくなる(SEO)
  • ・顧客からの信頼を得やすくなる(成約率向上)
  • ・ファンができる

それぞれくわしく見ていきましょう。

◉-1、サイトや記事などがGoogleから評価されやすくなる(SEO)

Googleは、2014年から検索品質ガイドラインに「E-E-A-T」という評価基準を導入しました。

これは、Exprerience(経験)、Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、Trustworthiness(信頼性)の頭文字を表しており、この中に「Authoritativeness:権威性」が含まれています。

つまり、Googleによって「権威性」が高いと評価されると検索結果の表示順位が上位になるということです。

これによって、顧客(検索した人)が自社サイトを閲覧する可能性が高くなり、売上や成約率の向上などにつながることが期待できるのです。

たとえば、SEOの傾向として、大手企業が運営するサイトの方が、個人や中小企業のサイトよりも検索結果の表示順位が上位になる傾向があります。

これは、個人や中小企業のサイトよりも大手企業が運営するサイトの方が「権威性」が高いと判断されるからです。

このGoogleの評価基準では、コンテンツやその作者だけではなく、Webサイト全体が評価対象となりますので、「権威性」を高めるためには、記事単位のコンテンツだけではなくWebサイト全般についても配慮しなければなりません。

◉-2、顧客からの信頼を得やすくなる(成約率向上)

経営者や営業担当者に「権威性」があると、顧客と話をする際に自然と説得力のある話し方になります。

商談の場などで説得力のある話し方をするためには、商品やサービスについての専門的な知識はもちろん、関連する質問などがあっても何でも答えられるという自信が必要です。

たとえば、経験豊富なベテラン営業担当者と新入社員の営業担当者とでは「権威性」には大きな差が出てくるでしょう。

また、同年代の営業担当者であっても、商品やサービスに関連する資格を持っている人とそうでない人では、話の説得力が変わってきます。

実際に、対面で話をする際には、自信がある話し方とそうでない話し方は、顧客にはすぐに違いが分かってしまいます。

「権威性」があると顧客から無条件に信頼してもらいやすくなり、結果として売上や成約率の向上につながります。

◉-3、ファンができる

「権威性」が高いと、SNSなどで発信したメッセージを受け取ってもらいやすくなり、メッセージの内容についても信頼して受け入れてもらいやすくなります。

たとえば、特に何の権威性のない人が「日本経済は今後こういった傾向になっていく」と発言するのと、有名大学の経済学部の教授が同じ発言をするのでは、後者の方が説得力を感じると思います。

このように、権威性があるかないかで発言についての説得力が変わってくるのです。

そのため、メッセージに対して好意的な返信をしたり、好意的なメッセージを付けて拡散をしたりしてくれるなど反響が大きく、ファンを獲得しやすくなるというメリットが生まれます。

企業や経営者の権威性を高めるための方法

「権威性」があると自社や自身に大きなメリットがもたらされます。

では、企業や経営者が自社や自身の「権威性」を高めるにはどうすれば良いのでしょうか?

具体的には次のような方法が有効です。

  • ・公的な資格を取得する
  • ・書籍を出版する
  • ・受賞する
  • ・メディア露出を増やす
  • ・権威性を高めるSEO対策の実施・講演を行う
  • ・実績の数を増やす
  • ・上場する

それぞれどのような方法なのか、具体的に見ていきましょう。

◉-1、公的な資格を取得する

弁護士や公認会計士、税理士、一級建築士などの国家資格や社会的に認知度が高い資格を取得することによって「権威性」を高めることが可能です。

難関資格であればあるほど、資格の等級が高ければ高いほど「権威性」は高まります。

たとえば、「簿記資格」よりは「公認会計士」や「税理士」の方が「権威性」は高くなりますし、「二級建築士」よりは「一級建築士」の方が圧倒的に「権威性」が高くなります。

なお、資格を必要としないコピーライターやデザイナー、フォトグラファーなどの職業を表す言葉も、その道の専門家というイメージを与えますので「権威性」を高めるための一定の効果があると言えるでしょう。

◉-1-1、民間資格ではダメ?

民間資格の場合、社会的に認知されていないことが多いため、あまり「権威性」は高くありません。

どちらかというと、「ないよりは良い」というレベルでしょう。

しかしながら、民間資格であっても「英検1級」のように認知度が高いものは存在します。

また、「薬機法管理者」などのように、民間であっても「こういった専門家なのかな」と分かりやすい資格もありますので、ないよりはあった方が「権威性」は高くなります。

◉-2、書籍を出版する

一般的に、その道の専門家であったり、知名度が高くないと書籍を出版できないイメージがあります。

デジタル時代の今でも書籍の社会的信頼性は高いため、書籍を出版することで「権威性」を高める効果が期待できます。

◉-2-1、書籍を出版するだけでは不十分!

書籍を出版するだけであれば、それほど難しくはありません。

費用はかかりますが、自費出版を活用すれば、自分の書籍を比較的簡単に出すことができるのです。

書籍を出版することで、確かに「権威性」は高まりますが、それだけでは不十分です。

なぜならば、前述のように「権威性」を高めるためには「より社会的に承認を受けている状態」でなければならないからです。

そのため、「自費出版」した場合は、書店でも販売したり、見込み客に配るなどの方法によって、世の中に「出版した事実」を広める努力が必要となります。

◉-3、受賞する

何か賞を受賞することによって「権威性」を高めることもできます。

賞といってもいろいろなものがありますので、自社の商品やサービスに応じて選ぶ必要があります。

たとえば、「グッドデザイン賞」は、日本のデザイン分野では最も認知度の高い賞です。

また、製品、建築、ソフトウェア、システム、サービスなど形の有る無しに関わらず対象となりますので応募しやすいと考えられます。

食品関係であれば「モンドセレクション」がありますし、販売系であれば通販サイトの「ショップ・オブ・ザ・イヤー」などがあります。

自社のHPや商品パンフレットなどにこれらの受賞実績を表示すると、取り扱っている商品やサービス、サイトを「すごい」と感じさせることができます。

その他にも探せば応募できる賞はたくさんありますので、自社に合ったものを探して応募してみましょう。

◉-4、メディア露出を増やす

「権威性」は「社会的にどれぐらい認められているのか」を表す指標なので、自身や企業自体がいかにメディアに露出して認知されるかが重要です。

そのためにも、書籍だけではなく、世の中の多くの人が「すごい」と思ってもらえるようなメディアに露出していく必要があります。

メディアにも多くの種類があります。

そのため、自社の取扱商品やサービスに応じて適切なメディアを選ばなければなりません。

たとえば、一般消費者向けの商品やサービスであれば、テレビや新聞、雑誌、SNSなどが考えられますし、BtoB商品やサービスであれば、新聞や業界紙、事業に関連するポータルサイト、SNSなどが考えられます。

また、できるだけ信用度の高い有名なメディアに取り上げられることが「権威性」を高めるためには重要です。

具体的には以下のような方法でメディア露出を増やしていけないかを検討してみましょう。

  • ・積極的にプレスリリースを打つ
  • ・大手メディアに記事を寄稿する
  • ・積極的にSNSで情報発信する
  • ・テレビやラジオに出演する
  • ・テレビCMを打つ

具体的にどのような方法なのかをくわしく見ていきましょう。

◉-4-1、積極的にプレスリリースを打つ

プレスリリースの最大の目的は、各方々のメディアに取り上げられて記事にされることです。

つまり、積極的にプレスリリースをすると、メディアの目に留まる機会が増え、取り上げられる可能性が高くなり「権威性」も高くなるというわけです。

メディアに取り上げられやすくするためには、トレンドになっている話題を絡めたり、開発秘話などのストーリー性のある話題を盛り込んだり、顧客にどのようなメリットがあるのかを分かりやすく盛り込んだりすることなどが必要です。

また、新商品発売のプレスリリースの場合は、旧商品とどこが違うのか、他社製品とどこが違うのかなどが分かりやすく記載しておくと、メディアで記事を作成する際の手間がかからないため取り上げられる機会が増えます。

◉-4-2、大手メディアに記事を寄稿する

大手メディアに記事を寄稿することによって、記事になり「権威性」が向上します。

まったく縁のないメディアにいきなり寄稿しても相手にされないことが多いと思われますので、たとえばこれまでにプレスリリースを取り上げてくれたメディアなど、何らかのつながりのあったところに寄稿依頼などを送ってみてはいかがでしょうか。

また、ジャンル違いのメディアに掲載しても意味がないので、商品やサービスに合ったジャンルのメディアを選定して依頼することが大切です。

◉-4-3、積極的にSNSで情報発信する

SNSで情報発信することによって、メディアの目に留まって取り上げられる可能性が増えて、「権威性」の向上につながります。

SNSは個人が閲覧するだけではなく、多くのメディアが何か記事になるネタがないかを探しています。

最近ニュースなどで「このニュースに関してSNSでは〜」という風にSNSの反響などをそのまま活用している放送局も多くなってきています。

前述のようにメディアといってもいろいろな種類があり、そのメディアのターゲットに注目されるようなネタを探しているわけですから、一般消費者向けの商品やサービスでなくても、積極的に情報発信をしていくべきです。

◉-4-4、テレビやラジオに出演する

テレビ番組やラジオ番組に出演してメディア露出を増やすことも「権威性」を高める方法の1つです。

テレビ番組やラジオ番組に出演するためには、テレビ局やラジオ局にふさわしい番組がなくてはなりませんが、ワイドショーなどの番組であれば最近話題の商品やサービスを紹介することがありますのでチャンスはあります。

自社の商品やサービスが、近年話題の省エネや環境問題、節約などに貢献するものであるなど、話題性のあるものであれば出演の機会が期待できます。

◉-4-5、テレビCMを打つ

自社の商品やサービスが一般消費者向けである場合は、テレビCMを打ってメディア露出を上げ「権威性」を高めることができます。

テレビCMを出稿するとそれなりに費用はかかりますが、CMが流れている期間中は確実にその効果が表れて売り上げに寄与することができます。

ただし、テレビCMが流れなくなったあとまで効果が継続するかどうかは、どのような商品やサービスなのかやテレビCMの出来などによって変わってくると考えられます。

◉-5、権威性を高めるSEO対策の実施

SEO対策により、検索結果で上位表示されることも「権威性」を高める方法の1つです。

具体的には次のような方法があります。

  • ・良質な被リンクの獲得
  • ・他メディアの記事を監修

◉-5-1、良質な被リンクの獲得

すでに「権威性」があると認められている良質なWebサイトから被リンクを獲得することによって「権威性」を高めることができます。

「権威性」のある良質なWebサイトとは、公的機関や業界で上位に位置する企業のWebサイトなどです。

権威性の高いサイトからの被リンクを獲得しているということは、それだけ信頼できる記事を出しているということと判断され、「権威性がある」とGoogleから評価されやすくなるのです。

具体的に被リンクを獲得するためには、継続的なプレスリリースを行ったり相互リンクの提案をしたりします。

◉-5-2、他メディアの記事を監修

他のメディアの記事を監修することによって「その道の専門家」と見られるようになります。

たとえば、税金のことを解説する記事に「監修者」として名前が載っていたら、その人が税金についての専門家であることが分かります。

このように、他メディアの記事を監修すると、自分自身の「権威性」を高めることができるのです。

ただし、この場合は自分自身が何らかの資格を持っていたり、専門知識があるなど、その記事のメディアから認められることが前提となります。

あるいは、自社の商品やサービス、保有技術などが他社にないような独自なものであるような場合も記事の監修をすることが可能です。

◉-6、講演を行う

講演は、その道の第一人者としてテーマに沿った話をする場なので「権威性」を高めるのに有効です。

たとえば、知名度の高いセミナーやイベントで講演すると、権威のある人と認識されて、別のセミナーの講師としてオファーを受けることも考えられます。

ちなみに、前述したように書籍を出版すると、その道の第一人者と認識されやすくなるため、講演の依頼が増加することがあります。

次の「【事例コラム】大口案件の集客、人材採用、大手企業からの講演依頼!出版ですごいことになった保険代理店」でご紹介している保険代理店の代表は、書籍を出版した結果、多くの講演依頼が来たそうです。

◉-7、実績の数を増やす

実績の数を増やすことも「権威性」を高めるのに有効な方法です。

たとえば、HPに多くの実績が掲載されている企業と実績が掲載されていない企業では、実績が掲載されている方に「権威性」を感じるようになります。

実績の具体的例としては、売上高や売上数、顧客数、営業年数などがあります。

また、「顧客満足度No.1」や「リピート率98%」などのように計測可能な高い数値を表示すると多くの人が利用しているというイメージを抱かせることができ「権威性」を高めることにつながります。

◉-8、上場する

株式を上場すると会社の情報が公になるため、社会的認知度が一気に高まり「権威性」も高くなります。

一般的に「上場している会社=一流企業」というイメージがあるため「権威性」が高くなるのです。

◉書籍の出版が権威性を高めるにはやりやすくておすすめ!

「権威性」を高める方法の中で、一番やりやすく、かつ効果的なのが書籍の出版です。

実際に書籍の出版によって「権威性」が高まり、成約につながった事例を紹介します。

◉-1、保険代理店の事例

埼玉県で保険代理店を営む経営者は自身が出版した書籍の中で、保険業界の現状と問題点について解説し、今後の保険代理店経営に必要な考え方やシステムについて持論を展開しました。

それは保険業界の給与体系に関するもので、成果に応じて給与が決まる「成果報酬型」が当たり前ですが、これを「一律報酬型」に変えることで業績拡大ができるという内容でした。

つまり、限られた少数のスーパー営業マンに頼るのではなく、すべての社員による経営で業績拡大ができるということを書籍の中で紹介したのです。

書籍を出版したことにより業界関係者に読んでもらうことができ、多くのセミナーや講演会に講師として招かれるようになりました。

特に保険会社から講演の依頼が来たり、同業者を支援してほしいという依頼が来たり、保険会社側から一目置かれる代理店になったということの意義は非常に大きいと感じているそうです。

また、本を読んだ人から新規のコンサル契約を獲得したり、口コミでの紹介が増えて保険契約数が伸びるという大きな経営効果も得られて、出版前には考えられなかったような状態になっているそうです。

本来の出版目的であった、同業の保険代理店からのコンサル依頼がまず数件。そして驚いたのは、保険会社から講演の依頼が来たり同業支援の話が回ってきたりと、「保険会社にとって頼れる代理店」というありがたいイメージを持ってもらえるようになったことです。
引用元:【事例コラム】大口案件の集客、人材採用、大手企業からの講演依頼!出版ですごいことになった保険代理店

【まとめ】権威性を高めることで、企業や事業、経営者に良い影響を出そう

本記事では、「権威性」についてのメリットや、高めるための具体的な方法などについて解説しました。

また、企業や経営者が「権威性」を高めるために最も効果的な方法として書籍の出版があり、実際に「権威性」の向上に成功した事例を紹介しました。

デジタル技術全盛の時代にあって、どうして紙メディアの書籍なのかという疑問もあるかと思います。

それは、書籍は伝達できる情報量が非常に多く、単なる商品やサービスの紹介だけではなく、開発秘話などのストーリーをまとめて顧客に届けることができるという大きな特徴があるからです。

書籍を出版しているという「権威性」に加えて、顧客をファン化することができるコンテンツを確実に伝達することができます。

書籍の出版によって「権威性」を高めて、企業や事業の経営に良い影響を与えることができるでしょう。

商品やサービスの課題として「権威性のなさ」を感じている企業さまは、ぜひ書籍の出版を検討してみてはいかがでしょうか。

フォーウェイまでお気軽にご相談ください。

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ブックマーケティング

「成約率をいかに高めていくか」は企業として利益をあげていく上で重要な課題の1つです。

「成約率を高める」というのは、「いかに少ないリソースで、多くの営業成果を獲得するか、を追求する」ということなので、単に商談での成約率が向上した、というだけでは課題を解決することはできません。

顧客情報の管理や、見込み顧客へのアプローチや顧客教育など、「営業に必要なあらゆる作業をいかに効率的に行うか」という観点と、「1回の商談での成約率をいかに高められるか」という2つの観点で改良をしていく必要があります。

そんな時に活用したいのが営業ツールです。

この記事では、成約率を高めるために必要不可欠な4種類のツールと、その選び方、活用方法などを詳しく解説します。

目次【本記事の内容】

執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)
画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 29d5ead1ee41a6d25524876e7bd315d5-scaled.jpg
慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。

営業効率や成約率を高めるために活用すべきツールは主に4種類

営業ツールには「どの営業プロセスを効率化したいのか」によって次の4種類のツールが存在します。

それぞれどのようなツールなのかを詳しく見ていきましょう。

顧客関係管理ツール(CRM)

「CRM」は、Customer Relationship Managementの略称で、「顧客関係管理」「顧客情報管理」「顧客関係構築」「顧客管理」などと訳される概念です。

「CRM」で顧客情報を分析することにより、顧客のニーズに応じた適切なアプローチを行い「顧客をリピーターやファンに育成」することができます。

「CRM」で、年齢・性別・住所・職業・年収・取引き商談履歴・クレーム状況などの情報を一元的に管理して分析し、ある条件に適合する顧客を抽出したり、市場の購買動向などを把握したりして営業活動に活かすことができるのが特徴です。

「CRM」を導入することによって、これまで営業担当者の経験や勘に頼っていた営業活動を可視化して共有することができます。

一般的に「顧客関係管理ツール(CRM)」には次のような機能がついています。

・顧客情報管理機能・分析機能

・メール配信機能

・問い合わせ対応機能

・プロモーション支援機能

CRMの選び方

「CRM」を選ぶ際に考慮すべきポイントは次の4つです。

CRMを選ぶポイントポイントの概要
目的に合った機能を有しているか自社の業務内容や導入目的に合った機能を有しているかどうかを確認する必要があります。ツールによっては無料トライアルなどが利用できる場合がありますので、事前に機能や使い勝手を確認することができます。
初期コストやランニングコストが適切か「CRM」を選定する際は、初期コストだけではなくランニングコストが適切かを確認する必要があります。
サポート体制がしっかりしているか何らかのトラブルが発生したときに素早く対応してもらえるかどうかも大きなポイントです。サポート体制がしっかりとしたベンダーを選ぶようにしましょう。一般的に、国内企業の方が素早い対応が期待できるでしょう。
機能の拡張性や連携性があるか営業ツールは「CRM」だけではなく、次項で説明する「SFA」や「MA」などもあります。機能の拡張性や他のツールとの連携性が考慮されたツールを選ぶと、将来の機能拡張や他のシステムとの連携が楽に行えます。

また、代表的な「CRM」の特徴は次表の通りです。

名称特徴
Knowledge Suite(ナレッジスイート)名刺を使った顧客情報管理ができることが特徴。営業支援、顧客管理、グループウェア、働き方改革、テレワーク支援、コミュニケーションなどの機能を提供しています。
Microsoft Dynamics 365(マイクロソフト)業務量が膨大で多種多様な業務内容がある大企業向け。多機能で高い拡張性を持っており、マイクロソフトが提供しているという信頼性が特徴です。提供機能は、カスタマーサービス、フィールドサービス、リモートアシスト、マーケティングサポートなど。
e セールスマネージャー(ソフトブレーン)簡単入力が特徴で中小企業におすすめ。一度データや情報を入力すれば、多くの業務を自動化できます。提供機能は、ダッシュボード、タイムライン、スケジュール、顧客情報、人脈情報、商談リスト、予算情報、実績情報、グループウェアなど。

営業支援ツール(SFA)

「SFA(Sales Force Automation)」は、営業活動を効率化して支援するシステムやツールのことを言います。

「SFA」は、各営業担当者の営業日報や商談スケジュールを集中管理することができ、営業活動を可視化して共有化することができるのが特徴です。

営業担当者は外出先から携帯端末やスマートフォンなどを使って営業日報を作成したり、顧客情報を確認したりすることができ、上司は各営業担当者の営業活動の進捗状況を把握することができます。

「SFA」は営業活動における属人化を解消して、営業活動や営業報告業務を効率的に行うために有効なツールと言えるでしょう。

一般的に「営業支援ツール(SFA)」には次のような機能がついています。

・TODO管理機能

・スケジュール管理機能

・日報作成・管理機能

・案件管理機能

・商談管理機能

■SFAの選び方

「SFA」を選ぶ際に考慮すべき重要なポイントは、「CRM」と同様に次の4つです。

・目的に合った機能を有しているか

・初期コストやランニングコストが適切か

・サポート体制がしっかりしているか

・機能の拡張性や連携性があるか

代表的な「SFA」の特徴は次表の通りです。

名称特徴
Sales Force Assistant(NIコンサルティング)低コストながら営業戦略や営業行動などを可視化する機能が揃っていることが特徴。無料トライアルが可能です。
Oracle Sales Cloud(米Oracle)一般的な機能のほか顧客のスコアリング機能や人員配置などの機能が充実。顧客の属性や購買動機などのさまざまなデータを取得できるBtoCなどの業態の企業向け。
JUST.SFA(ジャストシステム)ノーコードで自社向けのSFAにカスタマイズできることが特徴。パッケージ型で対応できない特異な営業スタイルの企業向けで、自社でカスタマイズができれば自由自在に運用することが可能となります。

マーケティング・オートメーション(MA)

「MA(Marketing Automation)」は、マーケティング活動を自動化・効率化するための方法論やその技術のことです。

具体的にはリードナーチャリングという営業プロセスに使われます。

顧客の育成状況に合わせたOne to Oneコミュニケーション活動を自動化するツールです。

「MA」を導入すると、見込み顧客一人ひとりの興味や関心に合わせたコミュニケーションが可能となり、見込み顧客との良好な関係を築くことが可能になります。

一般的に「マーケティング・オートメーション(MA)」には、次のような機能がついています。

・見込み顧客の管理機能

・スコアリング機能

・キャンペーン管理機能

・メール配信機能

・申し込みフォームの作成機能

■MAの選び方

「MA」を選ぶ際に考慮すべき重要なポイントは、「CRM」と同様に次の4つです。

・目的に合った機能を有しているか

・初期コストやランニングコストが適切か

・サポート体制がしっかりしているか

・機能の拡張性や連携性があるか

代表的な「MA」の特徴は次表の通りです。

名称特徴
Marketo Engage(アドビ)世界39か国の5000社以上に導入されているマーケティングプラットフォーム。Webサイトトラッキング、スマートキャンペーン、イベントプログラム、ナーチャリングプログラムなどの機能が利用できます。
SATORI(SATORI)Webサイトの集客に注力したツールで、匿名顧客に対応できることが特徴。主に中小企業や小規模事業などの1500社以上に導入されています。提供機能は、実名・匿名顧客の一元管理、問い合わせフォーム作成、リターゲティング広告配信、定期的なメルマガ配信、ステップメール自動配信などです。
HubSpot(HubSpot Japan)インバウンドマーケティングに強いことが特徴。複数のツールを組み合わせて効果を高めることができるマーケティングプラットフォームです。ホームページ作成、ブログ作成、メール配信、各種フォーム作成などの機能が提供されます。

営業促進ツール

営業促進ツールとは、顧客とのコミュニケーション、特に対面での面談や商談などの際に効果を発揮し、商談時の成約率を高める効果があります。

具体的には、名刺やチラシ、営業資料、会社案内・パンフレット、書籍などです。

■営業促進ツールの選び方

営業促進ツールは、顧客ごとに相手に合わせてセレクトすることが大切です。

たとえば、初回の商談の際には「いかに印象付けることができるか」や「信頼感を持ってもらえるか」が重要となります。

自社で作成した会社案内パンフレットや、出版した書籍などを持参すると、相手が会社に戻った後にじっくりと目を通して、自社に対する理解を深めてくれる効果が期待できます。

▶営業成約率を上げる方法については、関連記事【高単価商品やサービスの営業成約率を上げる方法】もあわせて参考にしてください。

商談で使う営業促進ツールは成約率を高める上で特に重要!

「CRM」や「SFA」「MA」などの営業ツールを導入して、顧客管理や顧客へのアプローチがうまくいったとしても、肝心の商談で成約できなければ意味がありません。

「CRM」や「SFA」「MA」は、営業活動における属人化を解消したり効率化したりする営業支援ツールに過ぎませんので、実際に商談になったときには成約率を高めるための営業促進ツールが重要となるのです。

代表的な営業促進ツールとしては、名刺、チラシ、営業資料、会社案内・パンフレット、書籍があります。

それぞれどのようなツールで、どのように活用できるのか、をくわしく見ていきましょう。

名刺

名刺はビジネスシーンにおいて重要な役割を持つ営業ツールです。

初対面のビジネス上の相手と、それぞれの所属や氏名などの基本情報を紹介し合うという意味合いがあり、あいさつや自己紹介の際に一般的に交換されています。

一方で、名刺には相手との会話のきっかけとして活用できる重要な役割もあります。

たとえば、名刺の裏面に出身地や趣味、特技などを記載しておいて、それをきっかけとして話がはずみ商談前のアイスブレークとすることもできます。

その他にも、自分の顔写真や似顔絵を入れたり、取扱商品を記載したり、会社のWebサイトのQRコードを入れたりなど、工夫次第でいろいろな活用が可能です。

チラシ

チラシは顧客に商品のおすすめポイントなどを簡単に説明して理解してもらうために最適な営業ツールです。

チラシはポスティングしたり、商談時に直接手渡しをするなどして配布します。

チラシを配布する主な目的は、「顧客に来店を促して商品やサービスを購入してもらうこと」「会社や商品の認知度を上げること」「キャンペーンなどのお得情報を告知すること」です。

また、チラシを作成する際に注意すべきポイントとしては、「5W1Hを明記する」「ターゲットに合わせて作成する」「会社や営業担当者の自己紹介を入れる」「画像などを入れてビジュアルにする」などが挙げられます。

営業資料

営業資料も営業活動に欠かせないツールの一つで、商談や面談の際に自社製品やサービスを効果的にアピールすることができます。

営業資料を作成する際は、顧客担当者に説明するためだけではなく、顧客担当者が決裁者に説明する際にも使用されることを考慮して、誰が見ても分かりやすい内容にすることが大切です。

また、プロジェクターでの説明資料は大きな文字で見やすく作成した方が良いですが、配布資料の場合は後日じっくりと読み返してもらうことも想定して、十分な情報量を盛り込んだ資料とした方が良いでしょう。

会社案内・パンフレット

会社案内やパンフレットも強力な営業ツールです。

会社案内やパンフレットには、自社の基本情報や事業内容・業績などのほか、取り扱っている商品やサービスが記載されています。

営業成約率を高めるポイントは、単に情報を羅列するだけではなく、商品やサービスの特徴、メリット、ベネフィットを分かりやすく説明し、自社の優位性が顧客に伝わるものにすることです。

これによって、顧客の興味を喚起し購買意欲を高めて成約につなげることができます。

会社案内やパンフレットがあれば、経験豊富な営業担当者はもちろんのこと経験が浅い営業担当者でも一定レベル以上のプレゼンテーションを行うことが可能となります。

書籍

書籍を営業販促活動に活用するという方法もあります。

具体的には、顧客との面談や商談の際に、自社の事業や商品・サービスなどについてまとめた自社出版の書籍を手渡して購買意欲の向上を図る、というものです。

チラシや営業資料などに比べて、書籍には圧倒的に多くの情報量を盛り込めるので、商品やサービスの紹介だけではなく、企業の成り立ちや企業理念、保有技術などを顧客に伝えることができます。

また、書籍は社会的信頼性が高いことも特徴です。

自社で出版した書籍を販売促進ツールとして利用することによって、顧客からの信頼を得て成約につながる可能性が高まります。

実際に書籍を販売促進ツールとして活用して成約率の向上に成功した事例について見ていきましょう。

▶書籍を販売促進ツールとして活用する方法については、関連記事【ブックマーケティングとは?メリットや効果的な戦略の作り方】もあわせて参考にしてください。

■保険代理店での書籍活用事例

ある保険代理店の経営者は従来から、一部のスーパー営業マンに頼った経営ではなく、アベレージヒッターを育てて全員で支えていく経営によって業績が拡大できるという考えを持っていました。

この考えを世に問うために書籍を出版したところ、これをきっかけとして保険契約数が飛躍的に伸び、書籍を読んだという決裁者から問い合わせがあり、新規契約を獲得することにも成功しました。

書籍を手にとって読んでもらったおかげで、すでに相手側が自分自身のことや自社のことをあらかた理解した状態で商談を始めることができ、成約率も向上。

当社の見られ方が確実に変わりましたね。同業者の集まりに出ても「あのイナバプランニングカンパニーさん」という反応で最初から一目置かれている。保険の商談に従業員と同行するときも、お客様に事前に本を読んでおいてもらうと、ご面談するときにちゃんと「あったまっている」んですよね(笑)
引用元:【事例コラム】大口案件の集客、人材採用、大手企業からの講演依頼!出版ですごいことになった保険代理店

書籍という信頼性のある媒体を使ったために、多くの業界関係者からの理解と共感が得られて、業績拡大につながった事例です。

■不動産会社での書籍活用事例

ある不動産会社の経営者は、高収入で高額納税者である医師に不動産投資サービスを勧誘するために、従来からSNSやウェブ広告などを使った情報発信を行っていました。

しかし、思うように見込み顧客が獲得できないため、「高収入な医師に最適な節税対策は不動産投資である」という内容の書籍を出版。

その結果、その書籍を読んだ決裁者からの問い合わせが増えて、見込み顧客との信頼関係の構築や節税対策としての不動産投資の有効性を理解してもらうことができました。

元々、商品が高単価だったために、顧客にその必要性や重要性を理解してもらうために多くの時間を費やす必要があったそうです。

しかし、書籍があることで、顧客教育や信頼関係構築がある程度できた段階で商談を始めることができ、成約率が向上したのはもちろん、口コミによって評判が広がって新規の顧客を獲得することができました。

■建設業専門コンサルティング会社での書籍活用事例

建設業専門のコンサルティング会社の経営者は、自社の事業が世間に認知されていないことから、これを改善するために書籍を出版しました。

書籍のタイトルに「建設業のための」という文言を入れて、ターゲットに届くような工夫をしたところ、書籍を読んだ建設業の決裁者から問い合わせがあり、10件近くの新規顧問契約を獲得。

書籍の出版によって、建設業専門のコンサルティング会社としての地位が確立し、業界内での認知度も向上しました。

このように、事業の認知度がそこまで高くない業種でも、書籍を事前に読んでもらうことができれば、ある程度理解した上で問い合わせや商談が行えるようになり、成約率向上につながります。

【まとめ】4つのツールをフル活用して成約率の向上を実現しよう!

本記事では、成約率を高めるために必要な4種類の営業ツールについて解説しました。

どのツールも、営業成約率を高めるためには有効なツールです。

CRMとSFAで営業プロセスの効率化や営業精度の向上を、MAツールで最適なタイミングでオファーを、そして営業促進ツールで成約しやすい商談の実現を、といった具合に組み合わせて有効活用していきましょう。

4つ一気に活用することが難しければ、営業促進ツールからの活用がおすすめです。

特に、近年改めて注目を集めている「書籍」「会社案内・パンフレット」を営業促進ツールとして活用する方法は、顧客との信頼関係構築や顧客教育が必要になる高単価商品やBtoB商品などの成約率向上に特に有効です。

これらの商品を取り扱っているのであれば、ぜひ営業促進ツールとして書籍や会社案内・パンフレットを取り入れることを検討してみてはいかがでしょうか。

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ブックマーケティング

「営業の成約率を上げる」という課題や目標は、どの企業も共通して持っているものです。

なぜなら、営業成約率が高ければ高いほど、少ない人件費で多くの成約を獲得できるためです。

しかし、なかなか営業の成約率が上がらずに、どうすれば良いか悩んでいる営業担当者や経営者も少なくないのではないでしょうか。

特に、商品やサービスが高単価になればなるほど、成約率を上げることが難しくなります。

そこで、この記事では、営業成約率を上げる方法について、基礎的な考え方から詳しく解説していきます。

目次【本記事の内容】

執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)

慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。

営業成約率とは?計算方法は?

営業成約率とは、営業活動において実際に成約した割合を示す指標です。

具体的には、「商談を行った案件数」に対する「実際に成約できた案件数」の割合のことで、次の式で算出されます。

営業成約率(%)=「実際に成約できた案件数」/「商談を行った案件数」×100

たとえば、今月10件の商談を行い、そのうち3件成約できた場合は、営業成約率は30%です。

営業成約率の数字から、自社の営業部門の効率を知ることができます。

もし、営業成約率が低下傾向にあることが分かれば、営業部門に何らかの問題があることが想定され、何らかの改善アクションを起こす必要があるということです。

販売単価が高い商品・サービスほど、営業成約率が低い理由

一般的に、営業成約率の平均値は30%~50%程度と言われています。

ただし、業界、商品やサービスの種類、営業方法などによって営業の難易度が変わるので、当然ながら営業成約率も変わってきます。

営業成約率が30%〜50%に満たない業種もたくさんあるので、この数値を下回っているから改善が必要ということではありません。

たとえば、HubSpotを提供するGetAcceptが2023年11月28日に発表した「20 sales closing statistics you need to know in 2024」によると、業界別の営業成約率の平均値は次のような結果となっています。

  • ・工業:27%

  • ・電子機器:23%
  • ・ソフトウェア:22%
  • ・金融:19%

また、商品の販売単価が高い住宅業界の営業成約率の平均値は10%前後であり一般的な平均値を下回っています。

つまり、販売単価が高い商品やサービスほど営業成約率が下がっていく傾向があるのです。

高単価商品・サービスの営業成約率が低いのは、主に次のような理由からです。

高単価である理由や付加価値に納得してもらう必要があるため

商品やサービスが高単価であればあるほど、顧客にとっては失敗した時のリスクが大きくなります。

たとえば、1,000円程度の商品やサービスであれば、失敗しても損害額は小さいので「試しに買ってみよう」という気になりますが、100万円を超えるような商品やサービスの場合は損害額が大きくなりますので「もし失敗したらどうしよう」と考えて慎重に判断するようになります。

つまり、商品やサービスが高単価であればあるほど、高単価である理由や、その商品やサービスの付加価値について十分理解して納得してもらえないと購入に踏み切ってもらえないので、必然的に営業成約率も低くなります。

顧客との深い信頼関係構築が必要なため

たとえば、突然訪ねてきた営業マンから100万円の商品をすすめられたら買おうと思うでしょうか。

たとえ今の自分に必要な商品・サービスであったとしても、その営業マンとの関係性がないため、断ってしまう人が大多数でしょう。

一方で、数年以上の付き合いがあり、大きな信頼を寄せている営業マンから100万円の商品をすすめられた場合はどうでしょうか。

「話を聞いてみて考える」という対応に変わる人も出てくるでしょう。

このように、その商品やサービスがどんなに良いものであったとしても、人は高単価でリスクの高い商品やサービスを購入する際には、営業マンとの信頼関係を大切にする傾向があるのです。

つまり、高単価商品やサービスを販売するためには、顧客との信頼関係を構築する必要があるということになります。

見込み顧客との信頼関係は1日や2日でできるようなものではありません。

何度も通って挨拶をしたり、ちょっとしたお困りごとを手助けしたり、小さな信頼を積み重ねてようやく醸成するものです。

そのため、高単価の商品は成約までのリードタイムが長くなりやすく、その分営業成約率も低くなりやすいのです。

必要性に気づいてもらうために顧客教育が必要なため

高単価商品やサービスの場合、「なぜそれが自分にとって必要なのか」を顧客に理解してもらう必要があります。

なぜなら、高単価商品やサービスの多くは、その顧客にとって生きていくために最低限必要なものではないことが多いからです。

たとえば、高単価商品やサービスであるマイホームや車、不動産投資、積立保険、各種講座などは、別に今購入しなくても十分生きていけるものです。

よく「人は予防のためにはお金を使わない」と言われますが、高単価商品やサービスの多くは「今の生活をより豊かなものにするもの」や「将来起きうることを予防するもの」であることが多いため、必要性をしっかりと説いていく顧客教育が必要となるのです。

顧客教育についても、信頼関係の構築と同様にある程度時間がかかります。

結果として、営業成約率も低くなってしまうのです。

成約までのリードタイムが長い傾向があるため

高単価商品やサービスは、前述した通り、顧客との間に信頼関係を構築することが重要だったり、顧客教育によって必要性や価値に納得してもらう必要があったりするため、成約までの期間が長くなる傾向があります。

成約までの期間が長くなると、その間に他の業者に注文を取られてしまったり、急に顧客の気が変わってしまって失注してしまったりすることがあります。

このように、高単価商品やサービスはリードタイムが長い傾向があるため、成約率が低くなりやすいのです。

高単価商品やサービスを成約させるには仕組み構築が必要不可欠

高単価商品やサービスを成約してもらうためには、顧客との間に信頼関係を構築したり、価値に納得してもらったり、成約までの期間に気が変わらないようにするような工夫が必要になります。

そのためにも、初めてのアポイントから成約に至るまでの営業の仕組みを綿密に構築しておきましょう。

たとえば、「『無料登録で有料級のノウハウゲット!』『無料登録でポイントがもらえる!』などが書かれたサイトに登録したら、毎日のようにメルマガが送られてくるようになった」という経験をされたことはありませんか。

おそらく、何度か送られてくるメルマガにはノウハウやお役立ち情報と一緒に無料セミナーなどの告知が入っていたりするはずです。

無料セミナーに参加すると、終盤で無料の個別相談をすすめられる、という具合に、徐々に対応レベルが引き上げられていくような仕組みになっているはずです。

そして、無料の個別相談に参加すると大抵は商品やサービスの営業を受けることになります。

この流れも高単価商品やサービスの成約率を上げるために綿密に組み上げられた、営業の仕組みの一種なのです。

ただ顧客と商談をして商品やサービスをすすめるだけではなく、こういった営業の仕組みを作り上げて、丁寧に顧客を教育し、引き上げていかないと、なかなか高単価商品やサービスの営業成約率は上がっていきません。

高単価商品やサービスの成約率を上げる方法

前述した営業の仕組み構築はあくまで一例です。

高単価商品やサービスの営業成約率を上げるためには、販売する商品やサービスの種類によってさまざまな工夫が必要になってきます。

ここからは、高単価商品やサービスの営業成約率を上げる方法を、いくつかご紹介します。

フロントエンド商品を作り、高単価商品やサービス購入までの導線を作り込む

「フロントエンド商品」とは集客のために単価を安く設定した商品のことです。

一方で、顧客に最終的にすすめたい高単価の本命商品のことを「バックエンド商品」と言います。

3,000円程度のセミナーに参加したら、終盤で高額の講座のオファーがあった、なんて経験をされた方は多いのではないでしょうか。

この場合、3,000円程度のセミナーがフロントエンド商品で、高額の講座がバックエンド商品になります。

高単価商品やサービスのフロントエンド商品としては、サンプル提供、無料お試し、無料セミナー、無料相談などが一般的です。

フロントエンド商品を考える上で重要なのが、「バックエンド商品」の必要性や重要性をいかに伝えられるものであるか、という観点です。

たとえば、バックエンド商品が「投資用不動産の購入」であれば、不動産投資の必要性や重要性を伝えられるようなセミナーなどが適切です。

「今からでも遅くない!資産構築セミナー」や「初心者でも大丈夫!不動産投資セミナー」といった具合です。

費用は必ずしも無料にする必要はありません。

商品やサービスのターゲットが手を出しやすい価格帯にすることが大切であり、それが無料なのであれば無料に、無料セミナーなどが怪しまれそうな場合は3,000円などに設定していきます。

このように、顧客に「フロントエンド商品」を提供してから高単価商品やサービスを購入してもらうまでのシナリオやロードマップを丁寧に作り込むことによって、営業成約率の向上が期待できます。

顧客の相場感をコントロールする

高単価商品やサービスの営業成約率を上げる方法として、顧客の相場感をコントロールする方法があります。

たとえば、前述した「フロントエンド商品」として無料セミナーを開催した場合であれば、セミナーの中で「このサービスだと一般的には60万円~70万円程度で提供されています」と説明します。

顧客側に「このサービスは一般的には60万円〜70万円程度なんだ」と相場感をインプットしてしまうテクニックです。

その後、無料相談に引き上げた際に、「60万円~70万円」よりも少し安い価格を提示すると、顧客は「相場よりも安い」と感じて、スムーズに購入してもらえるようになります。

このように、顧客の相場感をコントロールする、という方法もちょっとしたテクニックではありますが、高単価商品・サービスの営業成約率の向上に有効な方法です。

ただ、相場を事前に伝えるだけではなく、以下のような2つの方法を意識するとより効果的にコントロールすることが可能です。

比較対象を工夫する

相場感のコントロール手法の一つに「比較対象を工夫する」方法があります。

たとえば、税理士がクライアントに「税理士の顧問契約」というサービスを営業した場合、クライアントの頭の中に「税理士の顧問契約の相場感」がセットされてしまいます。

顧問税理士の相場感は月額1万円〜5万円程度ですから、その後はその相場感で契約金額を判断されてしまう訳です。

しかし、サービス名を「顧問契約」から「社外財務責任者(社外CFO)として雇う権利」という表現に変えると、顧客は後者の相場感で考えるようになります。

すると、「社外財務責任者(社外CFO)を1人雇うとしたら数十万円程度かな?」と、顧問契約とは別の相場感で顧客は金額を判断するようになるのです。

結果として税理士の相場感よりも高い金額で契約を取ることが可能です。

このように、商品やサービスの価格は、何と比較するかによって顧客の相場感が変わってしまうので、「比較対象を工夫する」ことが重要になります。

アンカリングする

相場観をコントロールするもう1つの手法として「アンカリング」も覚えておきましょう。

「アンカリング」とは、ユーザーとの接点において、自分の商品やサービスがどの程度の価格なのかを、それとなくお客様の脳内にインプットしておく方法です。

たとえば、無料セミナーや面談などの際に、「このサービスは一般的に100万円以上しますよ」などと説明しておくことによって、顧客に無意識に価格をイメージさせます。

その上で、自身の商品やサービスの価格を提示するわけですが、この時点で顧客は100万円程度の価格に対する抵抗感が比較的少ない状態になっているため、結果的に営業成約率が高くなります。

小さな信頼を積み上げ、まずは人を信頼してもらう

最初に高単価ではなく低単価な商品を購入してもらうことにより、顧客と段階を踏んで信頼関係を作っていく方法です。

前述の「フロントエンド商品」のように、無料や低単価なもので信頼してもらい、後にアップセルで高単価商品を販売した方が営業成約率が高くなりやすい傾向があります。

たとえば、ある自動車メーカー正規ディーラーのトップセールスマンが飛び込み営業でまずやることは、「話を聞く」ことだそうです。

色々と話を聞いているうちに、出てくる地域のお困りごとを解決していくことで顧客との信頼関係を構築していきます。

その結果として、「あなたがそんなにすすめるなら」と高額な車を買ってくれる人が増えていったのだそうです。

このように、高単価商品・サービスの場合はコツコツと顧客との信頼関係を構築していくことが営業成約率の向上に直結していきます。

セミナーや講座を実施し、顧客教育を行う

高単価商品やサービスの多くは、生活するのに必要不可欠ではないものが多いため、その必要性や価値、将来性などについてしっかり顧客教育する必要があります。

たとえば、高単価商品やサービスを購入する可能性の高い見込み顧客が興味を持ちそうなテーマでセミナーを開催する、などです。

セミナーなどで顧客教育を行い、その後無料の個別相談などに勧誘することによって営業成約率を高くすることができます。

書籍を活用し、事前に信頼関係構築や顧客教育を行ってから商談を実施する

書店には、さまざまな悩みを持った人が本に解決策を求めて集まってきます。

そして、自分の悩みの解決につながると思われるジャンルの書棚を見て、めぼしい本を手に取って購入します。

このときに、販売したい高単価商品やサービスに関する本を手に取ってもらい、興味や関心を抱かせることができれば購入してしっかりと読んでもらえるはずです。

その結果、著者やその企業、商品・サービスに対する信頼感が醸成されて顧客教育を一気に行うことが可能となります。

つまり、書籍を出版し、本を見込み顧客にしっかりと届けることができれば、高単価商品やサービスの成約率向上につながりやすくなるということです。

後述しますが、実際に書籍を出版して活用することにより、顧客との間の信頼関係の構築に成功し、高単価商品やサービスの販売につなげている企業も多くあります。

「デジタルの時代に書籍なんて」と思うかもしれませんが、デジタルではなかなか販売ができないハードルの高い高単価商品・サービスだからこそ、こういったアナログな施策が有効だったりするのです。

▶書籍を企業の営業活動に活用する具体的な方法については、関連記事【ブックマーケティングとは?メリットや効果的な戦略の作り方】もあわせて参考にしてください。

企業が書籍を出版する方法

企業が書籍を出版できる方法は次の3つです。

出版方法特徴
商業出版・出版社が自社の利益をあげるために企画し出版する方法・著者選定や内容の企画は出版社が行うため、企業側が出したい書籍内容にはできない・出版プロモーション費用は出版社が負担・著者には印税収入がある
自費出版・出版費用は著者持ちだが、出したい内容の書籍を誰でも出版することができる・出版後の流通やプロモーション費用はすべて著者負担
企業出版(ブックマーケティング)・企業がブランディングやマーケティングなど、自社の課題解決のために出版する・出版費用やプロモーション費用がかかるがブランディングやマーケティングへの活用を見据えた書籍内容の企画を行う・書店流通やプロモーションのサポートもしっかりと行なってもらえるため、ターゲットに書籍が届きやすい

商業出版は企業の一存で出版できる訳ではないため、自費出版か企業出版のどちらかで出版を検討することになります。

▶商業出版については、関連記事【商業出版とは?企業がブランディングを考えたときの出版の選択肢】もあわせて参考にしてください。

自費出版は自社の書きたい内容がかけるのがメリットですが、どうしても出版して終わりになりやすく、流通やプロモーションなどが課題です。

「出版したはいいが、全く出版効果を感じられなかった」という事例の多くはこの自費出版によるものです。

▶自費出版については、関連記事【自費出版とは?メリットやデメリット、費用相場、成功事例などを解説】もあわせて参考にしてください。

一方で、企業出版(ブックマーケティング)の場合は、出版後のマーケティングやブランディングへの活用方法も見据えた戦略・企画を立てていくため、出版して終わりではありません。

出版後にターゲットに書籍を届けることを目的としているので、費用はかかりますが、書店流通やプロモーションなどが実施でき、問い合わせの獲得や売上向上など、企業の抱える課題解決につながります。

高単価商品やサービスの成約率向上には書籍の活用がおすすめ!

高単価商品やサービスの成約率を上げる方法として、今注目されているのが書籍の活用です。

「なぜ書籍なのか?」と疑問に思う方もいるかもしれませんが、書籍には他のメディアとは比較にならないほどの情報量をまとめて読者に伝えることができるという優れた特徴があります。

Web広告やSNSなどのように「読まれない」ことが当たり前のメディアでは、商品やサービスの必要性を伝えにくいため、なかなか成約がでにくいのが実情です。

その点、書籍であれば、ネットのように不特定多数の方にアプローチできなくとも、ターゲットとなる人の手に渡りさえすれば、深く読んで理解してもらうことができます。

書籍を読むことによって、高単価商品やサービスを購入することによってどのようなメリットが得られるのか、どのようなベネフィットが享受できるのかなどについてくわしく知ることができるのです。

デジタルでは成約しにくい商品・サービスだからこそ、書籍のような「読まれる媒体」が有効だと言えるのです。

しかし、実際に書籍を出した人の中には「本を出したけど、営業成約率の向上につながらなかった」という方もいらっしゃるでしょう。

これは、ただ本を出すだけで終わってしまっているからです。

たとえば、創業経営者などが名刺代わりに配るために自費出版した本などがこれに当たります。

書籍の出版を営業成約率の向上につなげるためには、出版後の流通経路やマーケティングへの活用方法などについて企画段階から綿密に計画し、商品やサービスを購入してもらいたい見込み顧客に、実際に本を手にとって読んでもらうことが重要となります。

営業成約率の向上をしたいのであれば、マーケティングの一環として書籍を活用すべきです。

実際に書籍を活用したブックマーケティングにより、高単価商品やサービスの成約率向上につなげたという事例がいくつもあります。

【1】保険代理店の事例

法人保険を取り扱っている保険代理店の経営者は、「一部のスーパー営業マンに頼った経営から、平均的な成約を取れる営業マンを増やすことによって業績向上が目指せる。そのためには保険業界に定着している『成果報酬型』の給与体系を『一律報酬型』に変える必要があるという持論を持っていました。

そして、保険業界の実態と、この考えをまとめた書籍を出版したところ、顧客や同業者からの見られ方が大きく変わったことを実感し、大型契約などの高単価商品の成約率の向上につながったのだそうです。

書籍を出版したことによって自社の信頼性が高まり、商談の際も顧客企業の経営にまで踏み込んだ相談を受けることが増えて、それに応えることによって大口契約につながったのです。

なんというか、当社の見られ方が確実に変わりましたね。同業者の集まりに出ても「あのイナバプランニングカンパニーさん」という反応で最初から一目置かれている。保険の商談に従業員と同行するときも、お客様に事前に本を読んでおいてもらうと、ご面談するときにちゃんと「あったまっている」んですよね(笑)
引用元:【事例コラム】大口案件の集客、人材採用、大手企業からの講演依頼!出版ですごいことになった保険代理店

また、社内でも、社員に対する経営者の接し方が、外的な圧力で働きかけるマネジメントから、従業員の内的な動きを促すマネジメントに変化し、人材の定着率も向上したと言います。

【2】不動産会社の事例

高収入な医師をターゲットとして、不動産投資サービスを行っている不動産会社の経営者は、顧客獲得のためにSNSやWebを活用した情報発信を行っていましたが、大きな手ごたえが得られていませんでした。

そこで、「医師の節税対策には不動産投資が一番効果的だ」という内容の書籍を出版。

ターゲットである医師に確実に届けるために、企画段階から出版社の販路やプロモーションなどについても入念に計画を立てていたため、出版後に書籍を読んだ医師からの問い合わせや商談が急増しました。

取り扱っている商材は高単価の不動産なのですが、「節税対策に効果がある」ということ認知されて成約率も飛躍的に向上したと言います。

【まとめ】書籍を活用し、高単価商品やサービスの成約率を上げよう!

本記事では、高単価商品やサービスの営業成約率を上げるための方法について紹介しました。

紹介した方法を活用し、高単価商品やサービスの営業成約率を地道にあげていきましょう。

また、書籍を活用する方法も、デジタルではなかなか成約しにくい高単価商品・サービスの成約率向上に効果的です。

「Web広告やSNSをやっているのに、なかなか成約率があがらない」という方などは、ぜひ書籍を活用したブックマーケティングを検討してみてはいかがでしょうか。

▼ブックマーケティングのご案内はこちら

ブックマーケティング

「本の出版には興味があるが、何か自分自身や、経営する会社、行っている事業にとってメリットがあるのか?」と、本を出版する効果について疑問を持っている経営者は多いと思います。

結論から言えば、本の出版は、経営者に多くのメリットをもたらします。

しかし「うまく活用すれば」という条件付きです。

ただ本を出版しただけでは、自己満足で終わってしまいます。

この記事では、本の出版を経営者自身のブランディングや、経営する会社や行っている事業の発展につなげていくための、戦略的書籍出版の方法について解説していきます。

経営者で本の出版に興味がある方は、ぜひ参考にしてみてください。

目次【本記事の内容】

慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。

経営者が本を出版するメリットとは?

「全く同じ内容が書いてあるネットの記事と本、どちらが情報として信用できるか?」と聞かれたら、多くの人が本と答えると思います。

ネットやSNSで自分の欲しい情報がいつでも手に入る時代ですが、今でも本は信用性の高い媒体として多くの人に認知されているのです。

そのため、経営者が本の出版をうまく活用すれば、次のような7つのメリットを得ることができます。

メリット①:経営者自身のブランディング・認知度向上につながる

これまで会社を経営してきた経験や、培った専門性、想いなどを本にすることで経営者自身のブランディングや認知度向上につながります。

なぜなら、多くの人が「一握りの専門家しか本を出版できない」というイメージを持っているためです。

たとえば、ある経営者がサイバーセキュリティに関する本を書いて出版したとしましょう。

それを読んだ多くの人が、「サイバーセキュリティの業界ですごい人なんだ」と思うはずです。

このように、本の出版をうまく活用することで、世の中に自分自身の専門性や、人となりを認知してもらえるようになります。

後にご紹介しますが、ある保険代理店の経営者は、「自身の保険代理店の経営論」に関する本を出版し、多くの業界関係者からの理解と共感を獲得。

講演依頼がくるなど、業界内での認知度向上やブランディングにつながっています。

このように、本の出版をうまく活用すれば、経営者自身のブランディングや認知度向上につなげることができるのです。

▶︎認知度向上については、関連記事【経営者必読!認知度向上の方法と効果的なマーケティングの選択肢】もあわせて参考にしてください。

メリット②:会社や事業のブランディング・認知度向上につながる

本に自身が経営する会社のことや、事業について書くことで、ブランディングや認知度の向上につながります。

後にご紹介しますが、実際に、ある建設業専門のコンサルティング会社の経営者は、本の出版により認知度が向上し、仕事の依頼や商圏の拡大につながっています。

「見込み顧客である層に本を届けることができれば」という条件付きではありますが、「こんな会社だったんだ」「こういう事業をやっているんだ」「こういう強みがあるんだ」と認知度向上につながり、問い合わせや仕事の依頼につながる可能性だってあるのです。

▶︎企業ブランディングについては、関連記事【企業ブランディングとは?企業の成長における重要性や手法を徹底解説】もあわせて参考にしてください。

メリット③:経営者・企業の社会的信頼性の向上につながる

いまだに本は社会的信用性の高い媒体として多くの人に認知されています。

ネットやSNSでの情報収集が主流となった現代であっても、「本を出した」と言ったら、「本を出版できるすごい人なんだ」と思ってくれる人は多いはずです。

また、本の出版をきっかけに、テレビや雑誌などのメディアに注目が集まれば、番組出演やインタビューなどへのオファーにつながる可能性もあります。

本を出版しているというだけで、地域や業界内で一目置かれる存在になれるかもしれません。

このように、経営者が本の社会的信頼性の高さをうまく活用することができれば、自分自身や経営する企業、行っている事業の社会的信頼性を高めることができるのです。

メリット④:競合他社との差別化ができる

ネットやSNSのように、パッと見た印象や、判断されるキャッチーさが求められる媒体とは違い、本はじっくり読まれる媒体です。

ネットやSNSとは違い、本を手に取ってくれた読者に、しっかりと経営者の事業にかける想いや、商品やサービスなどが作られた背景などを伝えることができてしまうのです。

つまり、浅く広く多くの人に認知されやすいネットやSNSとは違い、本は狭い範囲で深い共感を得られやすいのです。

後ほどご紹介しますが、実際にある保険代理店の経営者は、本に自分の想いや考え方を入れ込み、同業他社からの深い共感を得ることに成功しています。

本という媒体の性質を正しく理解し、うまく活用することができれば、同業他社との差別化につなげることができるのです。

▶︎差別化戦略については、関連記事【差別化戦略の成功の秘訣−メリットやデメリット、成功事例とは!?】もあわせて参考にしてください。

メリット⑤:潜在顧客へのアプローチができる

書店を訪れるのは、あらかじめ購入したい本を決めている人ばかりではなく、「こんな感じの本がないかなぁ」という漠然としたイメージを持っている人や、「なにか面白い本がないかなぁ」と全くイメージを持たずに訪れる人もいます。

タイトルを見て回ったり、立ち読みしたりしながら本を選ぶ人もいるでしょう。

このように、書店は潜在的なニーズを持った人が多く集まる場所でもあります。

該当するジャンルの書棚に陳列されることで、そのジャンルの悩みや課題を抱えた潜在顧客に出版した本を購入してもらえる可能性があるのです。

このように、一般的な営業やマーケティング手法では接することができない潜在顧客へのアプローチができることも、本の出版の大きなメリットの1つと言えるでしょう。

メリット⑥:成約までの期間の短縮ができる

本に入れることができる情報量は多く、一般的なビジネス書(200ページ程度)であれば、7万字〜10万字という膨大な情報を入れ込むことができます。

そのため、本の中には、次のような経営者に関わるあらゆる情報を入れることが可能です。

【ブックマーケティング著者のご紹介】・自社の紹介
・自社商品やサービスの紹介
・経営者自身の考えや想い
・創業のきっかけや、これまでの経緯
・商品やサービス開発の背景
・自社の強みやノウハウ

単に会社や商品・サービスの内容だけではなく、その背景にある考えや想いなどもまとめて伝えることができてしまうのです。

このように、本ならではの強みを活用すれば、顧客との信頼関係構築がしやすくなるだけではなく、自社の事業の理解も得られやすくなります。

たとえば、本を読んでいない人と商談を行う場合と、本を読んで問い合わせをしてくれた方と商談を行う場合であれば、後者の方が成約につながりやすく、リードタイムも短くなる可能性が高いと言えます。

なぜなら、すでに本を読んで自社や商品、サービスについてある程度理解してくれている可能性が高いからです。

中には自社や商品、サービスのファンになり、成約前提で問い合わせをしてきている方もいらっしゃるかもしれません。

このように、本をうまく活用すれば、これまで顧客との信頼関係の構築にかかっていた期間や、成約前に顧客教育が必要だった期間が不要となり、成約までのリードタイムを短縮することができるのです。

メリット⑦:経営者や企業にとっての棚卸し(強みの再構築)につながる

本を作る前には、出版する目的や、本にどのような内容を盛り込みたいか、を企画していきます。

経営者へのヒアリングや、打ち合わせを入念に実施した上で企画を作っていくため、そのプロセスの中で経営者自身が「これが自社の強みだ」と改めて気づくことも多いのです。

たとえば、弊社のクライアントさまの中にも、出版のプロセスの中で自身や自社の強みを再認識し、「セミナーで自分の言葉で語れるようになった」「自分自身の自信につながった」という経営者が実際にいらっしゃいます。

本をきっかけに講演に呼ばれて話しても、自信を持って語れる。以前から考えてはいたけど言語化されていなかった概念が、出版によってスルスルと言葉になって出てくるようになった。その言葉が聴衆に刺さっているのも感じます。

引用元:【事例コラム】大口案件の集客、人材採用、大手企業からの講演依頼!出版ですごいことになった保険代理店

経営者が出版する目的を明確に!選ぶべき最適な出版方法が異なる

ここまで、経営者が本を出版することで得られるメリットをお伝えしてきましたが、ただ本を出版しただけでは、これらを得ることは難しいと言えます。

出版する目的をはじめ、「誰に、どのような情報を、どうやって届けていくのか」など、出版後も見据えた戦略があってはじめてメリットを享受できるようになります。

そのための第一歩が出版方法の選択です。

出版「商業出版」「自費出版」「企業出版」という3種類がありますが、その中から最適な出版方法をまずは決めていく必要があります。

自費出版:書籍化が目的

自費出版は、次のように書籍化が目的の場合に選択される出版方法です。

・自分史を後世に残したい
・名刺代わりに配る本を作りたい
・趣味の集大成を書籍にしたい

著者が書きたい内容を書けるというのがメリットですが、出版のためにかかる費用は全て著者負担になります。

また、自費出版の場合は、出版後の書店配本やプロモーション費用も著者負担になることがほとんどです。

よって、「出版しても流通しにくい」というのがデメリットです。

本を出した後に、経営者自身が出版パーティーを開いたり、名刺代わりに積極的に配ったり、送付したりすれば、前述した出版のメリットのうち、いくつかは享受できる可能性はありますが、基本的には何か成果を求めて選択するような出版方法ではありません。

「書きたいことがあるので、どうしてもそれを本にしたい」という方におすすめの出版方法です。

▶︎自費出版については、関連記事【自費出版とは?メリットやデメリット、費用相場、成功事例などを解説】もあわせて参考にしてください。

企業出版:企業の集客・ブランディングなどの課題解決が目的

企業出版は、企業が、集客やブランディングなど、経営課題を解決するという目的で選択される出版方法です。

次のような、さまざまな経営課題を解決したい場合におすすめの出版方法と言えます。

・自社やサービス、商品の認知度をあげたい
・競合他社と差別化を図りたい
・自社のブランディングを強化したい
・自社やサービス、商品の社会的信用性をあげたい
・社内ブランディング(インナーブランディング)を強化したい
・成約までにかかるリードタイムを短縮したい
・上場に向けて、会社の認知度や社会的信用性をあげたい
・WebやSNSで集客しているがうまくいかない、それ以外の集客方法を探している
・富裕層や決裁権者などに効率的にアプローチしたい

出版費用はすべて企業側の負担となる点や、本の内容の最終決定権が企業側にあるという点は自費出版と同じです。

しかし、企業の課題解決が目的であるため、「目的達成のためにどのような本を出版すれば良いのか」という企画提案が出版社側からあるのが、大きな違いと言えるでしょう。

また、自費出版とは違い、出版後のプロモーションや配本も行われることが前提です。

出版社の流通網を活用し、商圏内の書店に的確に配本できることも自費出版にはない、企業出版ならではの特徴と言えるでしょう。

「本がどれぐらい売れたのか」というよりも、「いかに見込み顧客に1冊でも多く届けられるか」ということが重要なので、出版後のプロモーションをどうするかも見据えて本の企画を行っていく必要があります。

出版社によっては、SNSや、SEO、Web広告、クラウドファンディングなど、あらゆるマーケティング施策を活用していくことを見据えて本の企画を考えていくこともあります。

マーケティング施策の一環として本の出版を活用することから、ブックマーケティングとも呼ばれることもある出版方法です。

商業出版:出版社の売上向上が目的

商業出版は、出版社がヒット作を作り、売上や利益を向上させることが目的の出版方法です。

売れる本を作るために、出版社が自ら本の内容の企画や著者の選定を行い、配本やプロモーションを大々的に行っていくので、ベストセラーが生まれやすいというのが商業出版の特徴です。

実際にベストセラーの本のほとんどが商業出版によって生まれています。

出版社主導の出版方法なため、企業や経営者個人の一存で商業出版ができるわけではありません。

著者自身や出版コーディネーターが企画を出版社に持ち込んで出版されるケースもありますが、全体のごく一部です。

また、出版社が決めた方向性に沿って本を作るため、著者が伝えたいことを自由に書ける訳ではありません。

出版社都合で内容が変更されることもよくあります。

あくまで出版社の企画に沿って著者がアサインされる、という形になるため、著者には印税という名の報酬が発生します。

▶︎商業出版については、関連記事【商業出版とは?企業がブランディングを考えたときの出版の選択肢】もあわせて参考にしてください。

単なる自己満足な出版で終わらせないためには?

「商業出版からなぜベストセラーが多くでるのか」というと、出版社が「売れる本を作る」という明確な目的を持って、トレンドや読者の興味関心をリサーチしたり、配本やプロモーションなども見据えて戦略的に本の企画を行うためです。

商業出版のようにベストセラーが目的では無かったとしても、何か本を出版することで成果を得たい場合は、「いかに戦略的に本を企画し出版するか」が自己満足な出版で終わらせないコツです。

具体的には次のようなポイントを押さえましょう。

本を出版する目的を明確にし、有効な出版方法を選択する

まずは「何のために本を出版するのか?」という目的を明確にしましょう。

「社会的信用性をあげるために本を出したい」「何か自分の生きた証を残したい」「自分の考えや想いを形にしたい」という目的であれば、自費出版がおすすめです。

このような目的の場合は、「自分が好きなことを書ける」ということが重要です。

一方で、本を出版することで、自社の認知度・知名度向上や、競合他社との差別化、ブランディング、集客アップ、新規顧客獲得などを期待するのであれば、企業出版がおすすめです。

この場合は、「自分が好きなことを書く」というよりも、「いかにターゲットに1冊でも多く届けるか」が重要であり、配本やプロモーション、マーケティング戦略が必要になってきます。

企画の段階から、こういったことを含め、コンセプトや戦略を練っていくことが何より重要です。

出版後のプロモーション戦略と書籍活用も見据えた企画を立案する

自己満足で終わらないためには、「これを書きたい」ということよりも、「自社の強みが何なのかを再認識し、その強みを誰にどうやって伝えるのか」の方が重要です。

そのためには、本の企画の段階から、ターゲット決めや、出版後のプロモーション方法や本の活用方法をある程度決めておく必要があります。

むしろ、それを見据えた本の内容にしていくことが重要なのです。

たとえば、本の出版後にSNSで情報を拡散していく予定であれば、小出しにできるような見出し構成にしたり、SNSと連動する要素を盛り込んでいくなどができるはずです。

また、本の出版後にセミナーや講演会を積極的に行っていく場合には、そこに思わず足を運びたくなるような内容を盛り込むことができます。

このように、先を見据えた戦略的なプロモーションやマーケティングを踏まえて、本の内容を決めていくことが、ただの自己満足で終わらせないコツの1つです。

出版後の書籍の流通経路をあらかじめ考え、出版社と相談しておく

出版後の流通経路も重要です。

商圏以外の地域に配本しても意味がありません。

そのため「どの地域の書店に配本していくのか」などを出版社と相談しておきましょう。

「商圏拡大のためにこの地域に配本していきたい」「この地域で競合他社との差別化を図りたい」という明確な目的があるのであれば、流通経路もそれに応じて変えていくべきです。

出版後に書籍を活用したプロモーションを実施する

「本を出版したけど、何も反響がなかった」という声をよく聞きますが、その原因は明確です。

本を出版した後に、何もしなかったから、反響がなかったのです。

すでに知名度が高い経営者、企業であっても、書店配本はもちろんのこと、SNSで定期的に書籍の内容の一部を投稿したり、出版記念セミナーを開催したり、営業ツールとして積極的に配ったり、見込み顧客に送付したり、出版後にあらゆるプロモーションを行わなければ、反響を得ることは難しいと言えます。

実際に、ベストセラーになっている本の多くは、内容が良いだけではなく、出版社がお金をかけて積極的にプロモーションをしているから売れているのです。

そのため、出版後にも積極的にプロモーションを実施していきましょう。

電子版のみはNG!紙の書籍を出版する

「デジタルの時代だから」と、電子書籍のみで出版を検討している方も多いと思いますが、注意してください。

なぜなら、誰でも無料で電子書籍を出せるというハードルの低さから、競合が多く、見つけてもらうことが難しいためです。

ある程度知名度がある会社だったとしても、簡単に埋もれてしまいますので、プロモーションやマーケティングをしっかりと行っていかないと、電子書籍のみで企業の課題を解決するのは難しいと言えるでしょう。

あくまで紙媒体の補助的な役割で電子書籍を活用するのがおすすめです。

Kindle出版やプリントオンデマンドには注意

出版費用を抑えるための方法として、Kindleなどの電子書籍やプリントオンデマンドがありますが、利用は慎重に検討しましょう。

なぜなら、電子書籍は紙媒体に比べて社会的信用性が低いからです。

誰でも無料で出せるのが電子書籍の強みであり、弱点でもあるのです。

安易に安いから、といって手を出すのはおすすめしません。

経営者の出版成功事例

本の出版をうまく活用すると、実際にどのような成果が期待できるのか。

実際に経営者が本の出版をうまく活用した事例をいくつかご紹介します。

事例1:保険代理店の経営者の場合

ある保険代理店の経営者は「保険業界の給与体系を変えることによって業績拡大ができる」という持論を世に問うために書籍を出版。

書籍の中で、保険業界では当たり前の「成果報酬型」を「一律報酬型」に変えることを提唱し、「一部のスーパー営業マンに頼った経営から、全員がアベレージヒッターになる経営に変えていこう」と訴えかけました。

保険業界の当たり前とは反対の持論を展開した形でしたが、予想以上に多くの業界関係者から理解と共感が得られたのです。

結果として、ブランディングに成功。

本の出版によって保険の契約獲得数も増え、新規コンサルティング契約の獲得や講演会の依頼などにもつながっています。

なんというか、当社の見られ方が確実に変わりましたね。同業者の集まりに出ても「あのイナバプランニングカンパニーさん」という反応で最初から一目置かれている。保険の商談に従業員と同行するときも、お客様に事前に本を読んでおいてもらうと、ご面談するときにちゃんと「あったまっている」んですよね(笑)

引用元:【事例コラム】大口案件の集客、人材採用、大手企業からの講演依頼!出版ですごいことになった保険代理店

事例2:不動産会社の経営者の場合

高収入な医師をターゲットに不動産投資サービスを提供していた、ある不動産会社の経営者は、SNSやWeb広告を運用しても成果が得られない現状や、成約までのリードタイムの長さを改善したいと考えていました。

不動産投資サービスは、高額で、パッと判断して購入に踏み切れる商品ではありません。

「見込み顧客といかに信頼関係を築けるか」や、「いかに必要性や有効性を理解してもらうか」が重要です。

そのため、パッと見て一瞬で「買う・買わない」や、「興味ある・ない」を判断されるSNSやWeb広告とは相性が悪かったのです。

そこで「高収入な医師に最も効果的な節税対策は不動産投資である」というテーマで本を出版。

ターゲットである医師に的確に本を届けるためのプロモーション戦略を企画段階から練っていたことが功を奏して、多くの医師に本を読んでもらうことに成功しました。

実際に、本を読んだ医師に、不動産投資に大きな節税効果があることが認知されて問い合わせが増加。

さらには既存顧客や、本を読んだ医師からの口コミなどによって評判が広がり、新規顧客の獲得につながっています。

事例3:建設業専門コンサルティング会社の経営者

この経営者は、自社で行う事業があまり世間に認知されていないことを課題に感じていました。

そこで、知名度向上や商圏の拡大のために本の出版に踏み切りました。

ターゲットである建設業者の決裁権者に確実にアプローチするために、書籍のタイトルに「建設業のための」という文言を入れたり、その後のプロモーション戦略も見据えて本の内容を企画。

出版後、ターゲットとしていた建設業者の決裁権者に読んでもらうことができ、出版翌日から電話が鳴り止まないほどの反響を得ています。

結果として、10件近くの新規顧問契約獲得につながり、首都圏中心に配本したことにより、商圏の拡大にも成功しました。

建設業専門のコンサルティング会社としての地位を確立し、ブランディングにも成功。

業界からの認知度向上にもつながっています。

【まとめ】目的を持って戦略的に本を作ろう!

経営者が本を出版するなら、自身の自己満足で終わらせるのではなく、経営者自身にとっても、経営する企業や行っている事業にとっても良い影響が期待できる「企業出版」がおすすめです。

もちろん、「自己満足でも自分の書きたいことがかければ良い」ということであれば自費出版で良い思いますが、せっかくお金をかけて本を出版する訳ですから、目的を明確にして、戦略的に本を作った方がメリットが大きいと言えます。

もし、経営者自身や経営する企業の目的に合わせた、戦略的な出版をお考えであれば、フォーウェイまでご相談ください。

配本やプロモーション戦略はもちろんのこと、SNSやWeb広告、SEO、クラウドファンディング、セミナーなど、あらゆるマーケティング施策を駆使した戦略的書籍出版をご提案いたします。

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