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2025.10.08
Marketing
第一想起を獲得する方法とは?おすすめマーケティング施策と成功事例

企業が競争優位を築くうえで、顧客に「真っ先に思い浮かべてもらえる存在」になることは欠かせません。
なぜなら、単に知られているだけでなく、比較検討する前に「思い浮かべてもらえるブランド」は、購買決定の場面で有利な立場になり得るからです。
この「第一想起」をいかにして獲得するかは、経営者や経営企画担当者にとって避けて通れないテーマです。
この記事では、第一想起マーケティングの基本的な考え方や効果的な施策、書籍出版を活用した成功事例などを詳しく解説します。
目次【本記事の内容】
- 1.第一想起マーケティングとは?
- 1-1.第一想起の定義
- 1-2.認知度・ブランド想起との違い
- 2.第一想起を獲得する!おすすめのマーケティング施策
- 2-1.権威性・信頼性を高める施策
- 2-2.デジタルでの第一想起を強化する施策
- 2-3.体験や参加を通じた施策
- 2-4.ブランド価値を高める施策
- 3.書籍の出版が第一想起を獲得するマーケティングに向いている理由
- 3-1.専門家のポジションを確立できる
- 3-2.価格競争を回避できる
- 3-3.メディア露出・二次的波及につながる
- 3-4.記憶に定着しやすい
- 4.書籍出版で第一想起を獲得したマーケティング事例
- 4-1.書籍を出版し、「海外進出の第一人者」として知られるようになった公認会計士
- 4-2.出版をきっかけに全国から200人集患、テレビ出演で第一想起を獲得した白内障手術の眼科医
- 5.【まとめ】第一想起を獲得するマーケティングで業界のポジションを築こう
執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)![]() 慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。 |
第一想起マーケティングとは?

「第一想起マーケティング」とは、顧客に特定の分野で「真っ先に思い浮かべてもらえる存在」になることを目指す戦略です。
単に知られているだけでなく、「この分野といえばこの会社」と強く記憶に残ることで、競合と比較される前に選ばれやすくなり、結果として売上の拡大とブランド価値の向上につながります。
ここでは、次の2点について説明します。
・第一想起の定義 ・認知度・ブランド想起との違い |
以下で、それぞれについて見ていきましょう。
◉-1、第一想起の定義
第一想起とは、顧客が特定のカテゴリーや課題を思い浮かべたときに、最初に連想するブランドのことです。
たとえば「検索エンジン=Google」「ファストフード=マクドナルド」のように、他の選択肢よりも先に頭に浮かぶ状態にあることを指します。
このポジションを獲得できれば、顧客は競合他社を検討する前にそのブランドを基準に考えるため、競合より有利な立場に立つことができます。
また、近年では、第一想起をさらに発展させた考え方として「カテゴリー戦略」も注目されています。
カテゴリー戦略とは、自社が属するカテゴリーそのものを定義づけし、その分野の代表格として認知されることを目指す戦略です。
第一想起と同様に、顧客が他社と比較する前に選ばれやすい効果があり、より大きな視点で市場でのポジションを確立できるのが特徴です。
詳しくは『急成長企業だけが実践するカテゴリー戦略 頭に浮かべば、モノは売れる』でも紹介されています。
◉-2、認知度・ブランド想起との違い
認知度とは、「顧客がブランドの存在をどの程度知っているか」という度合いを示す指標です。
この段階では必ずしも購買行動につながるとは限りません。
「ブランド想起」とは、顧客が特定の状況や課題に直面したときに、そのブランドを思い出してもらえる状態のことです。
比較検討の候補には入りますが、最初に選ばれるとは限りません。
これに対して「第一想起」とは、顧客に真っ先に思い浮かべてもらえる状態にあることです。
課題解決の場面で真っ先に思い浮かべてもらえるため、顧客の選択の基準になりやすく、購買の対象として選ばれる可能性も高まります。
つまり、認知度を獲得し、ブランド想起を経て、最終的に第一想起へと進むことがマーケティングにおいて理想的なステップだといえます。
第一想起を獲得する!おすすめのマーケティング施策

第一想起を獲得するには、単発的な広告や露出だけでは不十分です。
顧客に「真っ先に思い浮かべてもらえる存在」になるためには、次の4つの施策が挙げられます。
・権威性・信頼性を高める施策 ・デジタルでの第一想起を強化する施策 ・体験や参加を通じた施策 ・ブランド価値を高める施策 |
以下では、それぞれの施策の実践方法について詳しく解説します。
◉-1、権威性・信頼性を高める施策
市場における専門性やリーダーシップを確立することは、顧客からの信頼を得て第一想起につなげるために欠かせません。
特に専門家としての立場を明確に示す施策は、企業や経営者のブランド価値を一段と高めることにつながります。
以下では、権威性・信頼性を高めるための具体的な施策を3つ紹介します。
◉-1-1、書籍出版
専門知識を体系的にまとめて書籍として発信することは、業界内での権威性を確立するうえで有効です。
ネット記事やSNS投稿は情報が断片的になりがちですが、書籍は知識を体系的にまとめることで専門性を示すことが可能です。
また、書籍は書店やオンライン書店を通じて長期間流通し、読者の手元に残り続けるため、広告やWeb記事に比べて記憶に残りやすいという特徴もあります。
さらに、書籍出版はメディア取材や講演依頼のきっかけにもなり、権威性を一段と高める効果が期待できます。
▶︎書籍出版のやり方については、関連記事【企業出版の効果とは?費用相場や成功のポイント、事例を徹底解説】もあわせて参考にしてください。

◉-1-2、調査PR
独自の調査データを発表することは、ニュース性を持たせながら企業の専門性をアピールできる施策です。
たとえば「市場動向」「顧客意識」「業界の最新課題」といったテーマで調査を行い、プレスリリースやホワイトペーパーとして発信することで、新聞・Webメディアに取り上げられる可能性が高まります。
継続的な調査PRによって、「この分野といえばこの会社」という第一想起が定着していきます。
◉-1-3、講演・セミナー登壇
業界イベントやセミナーでの講演や登壇は、専門性を直接アピールできる機会です。
特に、参加者はそのテーマに関心を持つ層であるため、「この分野といえばこの会社」という印象を強く残すことができます。
講演の様子はWeb記事やSNSで紹介されることも多いため、当日の参加者以外にも広く認知を拡大できるのもメリットです。
さらに、質疑応答や懇親会などのリアルな接点を通じて、顧客やパートナー候補との関係性を深められるため、「共感と信頼」を獲得できる点でも第一想起につながります。
◉-2、デジタルでの第一想起を強化する施策
オンラインの場は、顧客が最初に情報に触れる接点です。
検索やSNS、動画といったデジタルチャネルで「真っ先に思い浮かべてもらえる存在」になることが、第一想起につながります。
以下では、デジタルでの第一想起を強化する施策を3つ紹介します。
◉-2-1、SEO・オウンドメディア運営
検索エンジン経由で情報を探す顧客に対しては、SEO対策が欠かせません。
特定のキーワードで上位表示されることで、顧客は情報収集の初期段階からその企業を認識することになります。
さらに、オウンドメディアを継続的に運営し、課題解決型の記事や最新情報を発信することで、「このテーマといえばこの会社」という印象が強化されます。
▶︎SEO・オウンドメディア運営のやり方については、関連記事【SEO対策とは? 効果的な戦略の組み立て方と対策方法】もあわせて参考にしてください。
◉-2-2、SNSマーケティング
SNSで世界観やメッセージを継続して発信し続けることで、ブランドが顧客の頭に残りやすくなります。
コメントやDMなどを通じて双方向の関係を築けるため、「親近感+信頼感」という形で第一想起を強化できます。
また、拡散性が高いため、新規顧客への認知を広げるのにも有効です。
▶︎SNSマーケティングのやり方については、関連記事【【保存版】SNS運用とは?手順や失敗例、集客につなげる運用術を解説!】もあわせて参考にしてください。
◉-2-3、動画マーケティング
動画は顧客の視覚と聴覚に同時に訴求できるため、記憶に残りやすいメディアということができます。
情報の理解を助けるだけでなく、感情に訴えかける力が強いのが特徴です。
製品紹介、顧客事例、ストーリー性のある動画などを活用すれば、第一想起の獲得に効果的です。
▶︎動画マーケティングのやり方については、関連記事【YouTube動画の作り方をカンタン解説!初心者でも再生回数を稼ぐテクニック】もあわせて参考にしてください。
◉-3、体験や参加を通じた施策
ブランドと実際に触れ合う体験は、顧客の記憶に残りやすく、第一想起の形成に直結します。
以下では、体験や参加を通じて第一想起を獲得する施策を3つ紹介します。
◉-3-1、体験型イベント(展示会・ポップアップ)
展示会やポップアップイベントで、直接商品やサービスに触れるというリアルな体験は、顧客に強い印象を与えます。
また、来場者がSNSなどで体験をシェアすれば、オンラインでイベント自体が話題となることもあります。
こうした体験は「記憶に残るブランド」としての地位を確立し、第一想起を高める大きなきっかけになるのです。
◉-3-2、コミュニティ形成
ブランドがコミュニティを運営して、顧客と長期的な関係を築くことができます。
ユーザー会やファンイベントなどを通じた交流によって、仲間意識やブランドへの愛着が強まり、継続的な関係性が構築されるのです。
定期的に関わる場があることで、顧客の頭の中で自然と「真っ先に思い浮かべてもらえる存在」となります。
また、これらの施策はロイヤル顧客の育成にもつながります。
◉-4、ブランド価値を高める施策
第一想起は一過性の施策で築けるものではなく、ブランドそのものの価値を高めることで長期的に形成されます。
以下では、歴史・実績・独自性といった要素を活かしてブランド価値を高める施策を2つ紹介します。
◉-4-1、周年記念誌・社史
周年記念誌や社史は、企業の歩みや成果をまとめた資料であると同時に、信頼性を示す不可欠な媒体です。
長年にわたる歴史を形に残すことで、顧客や取引先には「信頼できる歴史あるブランド」という印象を与え、社員にとっては誇りや結束力を高める機会となります。
このように内外双方への効果が、業界内での第一想起につながる強固な基盤を築いていくのです。
▶︎周年記念誌・社史については、関連記事【周年事業の目的と意義ーー社史・周年史制作のもたらすもの】もあわせて参考にしてください。
◉-4-2、コラボレーション(異業種・有名人とのタイアップ)
異業種とのコラボや有名人とのタイアップは、意外性や新鮮さで話題になりやすく、顧客の記憶に残ります。
たとえば、ファッションブランドが食品メーカーと組んで限定商品を展開したり、人気タレントを起用してオリジナル企画を実施したりすることで、従来の顧客層には驚きを、新たな顧客層には「試してみたい」という興味を喚起できます。
こうした取り組みは、短期的な注目を集めるだけでなく、新たな顧客層の開拓にもつながり、第一想起として選ばれる可能性を高められるでしょう。
また、メディアやSNSでの拡散効果が期待できるため、認知度向上のスピードを高めることが可能です。
書籍の出版が第一想起を獲得するマーケティングに向いている理由

書籍出版は、第一想起を獲得するために有効な施策の一つです。
ここでは、その理由について次の4つのポイントから解説します。
・専門家のポジションを確立できる ・価格競争を回避できる ・メディア露出・二次的波及につながる ・記憶に定着しやすい |
以下で、それぞれについて見ていきましょう。
◉-1、専門家のポジションを確立できる
書籍は、ブログ記事やSNS投稿と異なり、分野ごとの知識を体系的に示すことができる媒体です。
出版を通じて専門家という認知がされやすくなり、「この分野といえばこの人・この会社」という立場が獲得できます。
その結果、第一想起のポジションをより強固に築くことができます。
◉-2、価格競争を回避できる
商品やサービスが一般化して差別化が難しくなると、価格競争に陥りがちです。
しかし、著者としての実績や専門性があると、「安さ」ではなく「信頼性」や「安心感」で選ばれる状況を生み出せます。
結果として、価格を下げなくても顧客が納得して選んでくれるようになり、長期的には付加価値を軸とした健全な競争にシフトしていくことが可能です。
◉-3、メディア露出・二次的波及につながる
出版された書籍は、新聞・雑誌・Webメディアなどで紹介されることが多く、メディア露出のきっかけになります。
実際にフォーウェイが携わったプロジェクトでも、出版をきっかけにメディアからの取材につながった事例は多くあります。
また、書籍を読んだ人が口コミやSNSで発信することで、著者や企業の名前が自然に広まっていきます。
こうした二次的な波及効果は他のマーケティング施策と比べて持続性が高いため、第一想起を長期的に支えることができるのです。
◉-4、記憶に定着しやすい
セミナーや広告が一過性の接触であるのに対して、書籍は紙媒体として手元に残り、長期間読者の目に触れ続けることができます。
そのため、一度読まれた後も本棚に並び続け、必要なときに再び開かれる可能性が高いのです。
さらに、文章を「じっくり読む」という行為そのものが、知識を深く理解させ、著者や企業の存在を記憶に強く刻み込みます。
結果として、読者の頭の中で「このテーマといえばこの人・この会社」というイメージが定着し、第一想起を持続的に高めることにつながります。

書籍出版で第一想起を獲得したマーケティング事例

書籍出版を通じて第一想起を獲得した事例は多く存在します。
出版は単なる自己表現の手段ではなく、顧客や社会から「その分野といえばこの人・この企業」と認識される大きなきっかけとなるのです。
ここでは、次の2つの事例を紹介します。
・書籍を出版し、「海外進出の第一人者」として知られるようになった公認会計士 ・出版をきっかけに全国から200人集患、テレビ出演で第一想起を獲得した白内障手術の眼科医 |
以下で、それぞれどのような事例なのかを見ていきましょう。
◉-1、書籍を出版し、「海外進出の第一人者」として知られるようになった公認会計士
公認会計士事務所の経営者は、海外進出をテーマにした書籍を出版したことで「海外進出支援の第一人者」という第一想起を獲得しました。
出版後、地元紙や全国紙、ラジオ番組などへのメディア露出が増加し、専門性が広く認知され、企業からの相談依頼が増加。
さらに、「クーリエ・ジャポン」にも書籍の抜粋記事が8回にわたり連載され、グローバルな視点を持つ読者層に向けても専門性を強く印象づけています。
その結果、顧客の頭の中に「海外進出支援ならこの公認会計士」というイメージが定着し、競合との差別化や事務所のブランディング、ビジネス拡大に成功しました。
出版をきっかけに専門家のポジションを獲得し、顧客からの値下げ要求もなくなり売上の伸長にもつながりました。
▶︎公認会計士事務所の詳しい事例については【【事例コラム】出版をきっかけにメディア取材が続々、著名人との対談も実現!”海外進出の第一人者”のポジションを得た公認会計士】もあわせて参考にしてください。
◉-2、出版をきっかけに全国から200人集患、テレビ出演で第一想起を獲得した白内障手術の眼科医
ある眼科医は、自身の専門分野である白内障手術に関する書籍を出版しました。
その書籍が患者やメディアの目に留まり、全国から200人以上の患者が来院する結果につながりました。
さらに、テレビ番組への出演も実現し、「白内障手術といえばこの医師」という第一想起の確立に成功。
出版を起点とした広がりが、地域を超えてブランド力を高める効果を発揮した好例です。
【まとめ】第一想起を獲得するマーケティングで業界のポジションを築こう
この記事では、第一想起マーケティングの定義や効果的なマーケティング施策、書籍出版による成功事例などについて解説しました。
第一想起を獲得すれば、顧客が購買行動を起こすときに「真っ先に思い浮かべてもらえる存在」となり、競合と比較する前に選んでもらえる可能性も高まります。
そのためには、権威性・信頼性の強化やデジタル施策、体験型イベント、ブランド価値の向上といった多面的な取り組みが欠かせません。
その中でも特に効果的なのが書籍の出版です。
フォーウェイが提供する「ブックマーケティングサービス」は、第一想起の獲得を目指す企業にとって最適な手段といえるでしょう。
ブックマーケティングを活用すれば、出版した書籍を自社のブランディングに活用し、専門家としてのポジション確立や価格競争からの脱却を図ることができます。
さらに、メディア露出の機会増加や顧客の記憶への定着、認知度の向上といった波及効果も見込めるため、第一想起の確立を後押しします。
ブックマーケティングによって、自社の専門性を広く伝え、業界で確固たるポジションを築いてみませんか。

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