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2024.08.16

Branding

出版ブランディングとは?次なるステージに進みたい企業におすすめの施策

書籍の出版を通して、集客や販促、採用、権威性の向上、ブランディングなど、自社が抱える課題を解決することを「出版ブランディング」といいます。

デジタルマーケティングなどである程度売上も安定して上がるようになり、「既にある程度やっているが、これ以上何をやったら良いのか?」と、伸び悩みや頭打ちを感じている企業を次なるステージに進めるのにおすすめの施策です。

今回は、そんな「出版ブランディング」について、やり方やメリット・デメリット、かかる費用感や成功事例などを詳しく解説します。

目次【本記事の内容】

執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)
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慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。

出版ブランディングとは?

「出版ブランディング」とは、書籍を出版し、その書籍を利用して企業や商品・サービスの知名度向上や信頼性向上などを行うことです。

具体的には、制作した書籍を出版して書店流通させ、マーケティング・ブランディング施策を行います。

近年、インターネットやデジタル技術の発達により必要な情報を容易に見つけることができるようになりましたが、根拠や発信者、ソースなどが不明確なため、本当に信頼できる情報なのかどうかがあいまいなケースも増えています。

一方で、書籍はアナログな媒体でありながら、著者や出版社が明記されているため、インターネット上のものよりも信頼できる情報です。

情報ソースとして社会的にも信頼性が高い媒体で情報発信を行うことで、「出版できるほどの企業なんだ」という、一般的なマーケティング施策では実現できない、企業のさらなる知名度や信頼性の向上につながるのです。

そのため、すでにWebサイトやブログ、SNSなどのデジタル技術をブランディングに活用して一定の成果をあげている企業が、次のステージに進む手段としても「出版ブランディング」は有効です。

企業出版(カスタム出版)とは何が違うの?

企業が書籍を出版する方法として「企業出版」及び「カスタム出版」が知られています。

「企業出版」及び「カスタム出版」は、企業が出版費用をすべて負担して企業の認知度や信頼性を向上するために書籍を出版し、書店へ流通させてプロモーションを行うものです。

出版ブランディングは、「企業出版」及び「カスタム出版」という方法を活用することで企業ブランディングを行うことを指す言葉であり、言い換えただけで大きな違いはありません。

一方で、「企業出版」及び「カスタム出版」や、出版ブランディングの一つとして、出版による成果にこだわり、マーケティング設計から作り込むブックマーケティングのようなサービスもあります。

具体的には、一般的な出版社のプロモーション施策だけではなく、SNSの活用やクラウドファンディングの実施、Web広告や記事の寄稿など、あらゆるマーケティング施策を活用することで1冊でも多くターゲットに届けていくのがブックマーケティングです。

「企業出版」及び「カスタム出版」よりも多くのマーケティング施策を活用するため、ターゲットに本を届けやすくなるのが特徴です。

出版ブランディングを検討しているのであれば、「企業出版」や「カスタム出版」だけではなく、ブックマーケティングも一つの選択肢として検討してみてはいかがでしょうか。

出版ブランディングを行うメリット

メリット

「出版ブランディング」を行うことによって、次のようなメリットを享受することができます。

  • ・社会的信頼性
  • ・権威性の向上
  • ・業界内における認知度の向上
  • ・人材採用の強化
  • ・社員の定着率の向上
  • ・新たな見込み顧客の獲得
  • ・顧客教育の強化

具体的にどのようなメリットなのかをくわしく見ていきましょう。

社会的信頼性・権威性の向上

企業の代表者や企業自体が書籍を出版すると、商品・サービス、代表者個人の社会的信頼性の向上につながります。

デジタルの広告宣伝手段が主流となっている現代においても、書籍の「社会的信頼性」は高いです。

また、書籍を出版するとその道の専門家と見られるようになりますので「権威性」も向上します。

テレビや雑誌などのメディアの注目が集まれば、番組からのオファーも考えられますので、さらなる信頼性の向上やブランディングにつながります。

▶︎企業の権威性を上げる方法については、関連記事【企業や経営者の権威性を高めるには?SEOやマーケティングへの活用法】もあわせて参考にしてください。

業界内における認知度の向上

企業の代表者が書籍を出版すると、その企業や事業の認知度向上につながります。

出版ブランディングとは、企業が顧客や取引先、業界、株主、地域社会、従業員などのステークホルダーに対して、認知度や、共有してもらいたい自社のイメージを高める目的で行われます。

社会的信頼性の高い書籍を出版しているということによって、業界内における認知度や地位が向上して一目置かれる存在になるのです。

なんというか、当社の見られ方が確実に変わりましたね。同業者の集まりに出ても「あのイナバプランニングカンパニーさん」という反応で最初から一目置かれている。
引用元:【事例コラム】大口案件の集客、人材採用、大手企業からの講演依頼!出版ですごいことになった保険代理店

▶認知度向上の方法についてより詳しく知りたい方は、関連記事【経営者必読!認知度向上の方法と効果的なマーケティングの選択肢】もあわせて参考にしてください。

人材採用の強化

企業が成長するためには、優秀な人材が欠かせません。

「出版ブランディング」によって、企業の知名度が上がり、その魅力が周知されると、より自社に合った優秀な人材が応募してくることが期待できます。

人は安定した収入が得られることはもちろん、社会的な存在意義が高く、社会貢献につながるような仕事に就きたいと考えているため、人材採用という点からも企業のブランディングは重要なのです。

実際に株式会社学情が2025年3月卒業(修了)予定の大学生・大学院生を対象に行なったアンケート結果によれば、学生の半数以上の57.1%の学生が「企業のSDGsに関する取り組みを仕事選びで重視する・どちらかと言えば重視する」を選択しています。

「働きたい仕事である」というのはもちろんのこと、こういった企業の理念や創業者の思い、カルチャーなどの面も重視される傾向になってきているのです。

そのため、今後企業がより優秀な人材を採用するためには、企業が掲げる理念や想いもしっかりと伝えていく必要があります。

書籍は、そういった企業の商品やサービスの魅力以外の側面や背景などを伝えるのに適した媒体なので、出版ブランディングを行うことにより、将来的な人材採用の強化につながることが期待できます。

社員の定着率の向上

「出版ブランディング」は、顧客や社外の関係先に働きかけることが目的です。

しかし、書籍の中に企業理念や経営者の考えなどを含めることによって従業員に対するインナーブランディングに活用することもできます。

社員に企業理念を浸透させたり、社員のロイヤリティを向上させたりすることも可能です。

インナーブランディングによって企業理念や行動指針などの理解が深まると、従業員のモチベーションやパフォーマンスの向上が期待できます。

結果として、定着率アップや優秀な人材の確保につながります。

新たな見込み顧客獲得

書店には「何か面白い本はないかな」と訪れる人も多く、タイトルを見たり立ち読みをしたりして、興味関心のある本を購入します。

つまり、いろいろな悩みや課題をかかえた潜在顧客に購入してもらえる可能性があるということです。

通常の営業やマーケティング施策では接することのできない決裁者や富裕層などの潜在顧客へアプローチできることも、書籍の出版のメリットとなります。

実際に、企業の決裁者や富裕層などをターゲットにしている企業で、営業やWebマーケティングを実施しても良い成果が出なかったところ、出版ブランディングを活用して問い合わせを獲得した事例もあります。

しかし、出版したからといって必ず書店に配本され、書棚に並べられるとは限らないので注意しましょう。

書棚に並べられることなく返品になる本も山ほどあるのです。

しっかりと本を書棚に並べてもらうためには、出版実績が豊富な出版社や、営業力が高い出版社などを選んで本を出すことが重要です。

顧客教育の強化

「書籍を出版した」ということだけで、その企業の社会的信頼性や権威性が向上するので、顧客との間の信頼関係の構築に大きく貢献します。

また、書籍を読むことによって、その企業の商品やサービス、企業理念、成り立ちなどについて理解してもらうことができます。

特に高額商品やBtoB商品の場合は、「なぜその商品やサービスが必要なのか?」や「商品やサービスを利用することによってどのようなメリットがあるのか」などを顧客に理解してもらわなければ成約に至りません。

一般的に顧客教育に数ヶ月以上の期間がかかりリードタイムが長くなります。

しかし、書籍を読んでもらうことによって「顧客教育」が終わってしまう場合もありますので、商談の期間や成約までのリードタイムが短縮できます。

保険の商談に従業員と同行するときも、お客様に事前に本を読んでおいてもらうと、ご面談するときにちゃんと「あったまっている」んですよね(笑)
引用元:【事例コラム】大口案件の集客、人材採用、大手企業からの講演依頼!出版ですごいことになった保険代理店

出版ブランディングのデメリット

デメリット

「出版ブランディング」を行うことによるデメリットは、主に費用がかかることのみです。

出版費用を含めて費用がかかる

「出版ブランディング」の費用は「商業出版」とは違って、出版費用だけではなく、書店流通費用や、ターゲットに届けるためのプロモーションやマーケティング施策の費用などがかかるため、合わせて数百万円程度になります。

しかしながら、「出版ブランディング」は企業としての知名度向上や新たな顧客獲得にもつながるため、これらの費用をすぐにペイできるケースが多いというのも事実です。

出版ブランディングの費用感

費用

「出版ブランディング」の費用は、書籍の仕様や発行部数、プロモーションなどをどうするかによって変わってきます。

書籍の仕様は、一般のビジネス書であれば130mm×188mmサイズ(四六判)、200ページ程度のものが多いので目安にすると良いでしょう。

この仕様のビジネス書の文字数は7万文字~10万文字程度になりますが、文字数によってライターの人件費が増減します。

また、発行部数によって印刷費用や流通費用も増減します。

プロモーション費用は、メディアへのリリース、書店営業、Web広告・新聞広告、出版記念イベントなどをどうするかによって決まります。

これらのことを考慮すると、「出版ブランディング」の費用相場は450~1000万円程度と言えるでしょう。

出版ブランディングの流れ

「出版ブランディング」の一般的な流れは次の通りです。

書籍の企画まず最初にやるべきことは、出版目的とターゲット、アプローチ方法(プロモーション)をきちんと決めておくことです。何のために出版して、誰に読んでもらって、何を伝えるのか、そしてどうすればターゲットに確実に届けることができるかを想定しておかなければなりません。書籍の企画にかかる期間は、約1ヶ月~2ヶ月です。
原稿執筆書籍の企画に従って原稿を執筆します。自身で執筆しても良いですが、多くの場合はライターにインタビューをしてもらってライターが執筆します。写真・図表・イラストなどが必要であれば、これらを準備します。その後編集者からアドバイスを受けて必要に応じて修正します。原稿執筆などにかかる期間は、約1ヶ月~4ヶ月です。
デザイン完成した原稿に対して、表紙や誌面のデザインやレイアウトを行います。書籍の内容やターゲットに合わせたデザインになるようにします。デザインにかかる期間は、約2週間~1ヶ月です。
校正・校閲デザインが終わると最終段階の校正や校閲を行います。紙やPDFに出力して、誤字脱字・表記ゆれはないか、イメージ通りのデザインになっているか、写真・図表・イラストは適切かなどをチェックして校正と修正を繰り返します。同時に校閲を行って事実関係に誤りがないことを確認します。校正・校閲にかかる期間は、約2週間~1ヶ月です。
印刷・製本印刷会社に書籍データを送付して印刷・製本を行います。インクのノリ具合や写真の色味を確認するために、印刷会社から色校正が提示されますので、問題がなければ印刷・製本して書籍が完成します。。印刷・製本にかかる期間は、約1ヶ月です。
プロモーション企画段階で決定したプロモーションを実施して書籍の販促をして「出版ブランディング」の目的達成を目指します。

出版ブランディングの成功事例

実際に出版ブランディングを行って、企業としての知名度向上や新たな顧客獲得に成功した事例をいくつかご紹介します。

出版をきっかけに前年比売上が倍に増加(不動産投資)

ある不動産投資会社の経営者は、従来からSNSやWeb広告などを利用して不動産投資サービスに関する情報発信を行っていましたが、伸び悩みを感じて打開策を検討していました。

そして、医師をターゲットとして「高収入な医師に最も効果的な節税対策は不動産投資である」という内容の書籍による「出版ブランディング」を実施。

企画段階から医師をメインターゲットにしたプロモーションを検討し、出版のタイミングに合わせたSNS投稿やセミナー開催、クラウドファンディングなどを実施しました。

結果として、狙い通り多くの医師に書籍を購入してもらうことができ、書籍を購入した医師に「不動産投資に大きな節税効果があること」を認知してもらうことに成功。

売上を倍増させることにつながりました。

さらに、既存顧客から知り合いの医師への口コミや書籍の配布などによって評判が広がり、新規顧客の獲得にもつながりました。

業界内での認知度が向上!共感を生み、売上も向上(保険代理店)

法人向けの保険代理店の経営者は、新規事業を始めたタイミングをきっかけに、更なる飛躍のために「出版ブランディング」を実施。

著書の中で、保険業界が抱えている問題点について取り上げるとともに、保険業界では当たり前の給与体系である「成果報酬型」を「一律報酬型」に変えることによって業績拡大を実現した自社の事例などを紹介しました。

出版後、多くの保険業界関係者などに読んでもらうことができ、自社の知名度が向上。

同業者内で「あの保険代理店の社長さん」と一目おかれるようになり、ブランディングに成功しました。

保険契約数が飛躍的に伸びたのはもちろん、新規のコンサルティング契約を獲得したり、保険会社などから講演会の講師として招かれたりするようになりました。

出版によりコンスタントに新規来院が継続!遠方や海外からの来院も増加(開業医)

千葉県で耳鼻咽喉科を開業している医師は、自身が研究治療をしているめまいや耳鳴りの専門家としての認知度を上げるために「出版ブランディング」を実施。

めまいや耳鳴りは現代病とも言われて潜在患者は多いものの、積極的な治療が行われていないという実情があるため、「本当は怖い」という警鐘を鳴らす書籍にしました。

自身のクリニックに近い一都三県の書店に集中的に配本したところ、出版後1ヶ月で読者の新規来院が10名以上増えて、その後も読者の新規来院がコンスタントに続くように。

また、全国の書店でも販売しているため、遠方や海外からの来院患者も増えました。

成分を訴求したことで売上が前年比4倍に増加(健康食品)

コラーゲンサプリメントなどの健康食品の開発・販売を行っている会社の代表者は、サプリメントの販促のために書籍を出版。

ただし、書籍のタイトルなどにはサプリメントの販促に関するものは一切なく、書籍の内容も血管を若返らせるコラーゲンについて説明をしたものとしました。

つまり「あらゆる死に至る病気の原因は血管の老朽化であり血管を若返らせることが健康寿命を延ばす近道だ」という内容の書籍を出版したのです。

これは、サプリメントの効果効能や商品名を訴求すると薬事法(現在の薬機法)に抵触する恐れがあるためです。

サプリメントの成分であるコラーゲンの良さを伝えるという方向性の内容にすることで薬事法に抵触することなく、成分の認知度向上に成功しました。

出版後、読者から著者や出版社への問い合わせが殺到。

結果としてコラーゲンサプリメントの成分ブランディングに成功し販売促進につながっています。

▶薬機法についてより詳しく知りたい方は、関連記事【薬機法(旧:薬事法)とは?違反せずに広告・PRする7つのポイントを分かりやすく解説】もあわせて参考にしてください。

【まとめ】出版ブランディングは次のステージに進みたい企業におすすめの施策

本記事では、「出版ブランディング」のやり方やメリット・デメリット、費用感、成功事例などについて詳しく解説しました。

「出版ブランディング」は、すでにWeb広告やSNS・SEOなどの「デジタルコンテンツ」によるマーケティングを行っているにもかかわらず、伸び悩みや頭打ちを感じている企業が、次のステージに進むためにおすすめの施策です。

なぜなら、現在一番うまくいっているマーケティング施策は「デジタルとアナログの組み合わせ」と言われており、書籍はアナログメディアの中でも社会的信頼性や権威性が高いブランディングに最適なものだからです。

従来行ってきた「デジタルコンテンツ」と「アナログメディア」の組み合わせにより、大きなブランディング効果を獲得することができるでしょう。

出版ブランディングをお考えの場合は、まずはお気軽にフォーウェイまでご相談ください。

ご要望や予算感に合わせた最適な提案をさせていただきます。

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