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2024.11.25
Branding, Marketing
企業として信頼性を高めるための方法とは?重要なのは情報発信
近年、CSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)という言葉をきく機会が増えてきました。
これは、企業は利益を追求するだけでなく、社会や環境と共存して持続的な成長を図り、その活動の影響について責任を取る行動を実践して、企業を取り巻くステークホルダーからの信頼性を高めていくことが必要だという考え方です。
ここで、ステークホルダーとは、顧客・従業員・取引先・株主などの企業活動に関わるすべての人のことを指しています。
本記事では、企業がステークホルダーからの信頼性を高めるために重要な視点、そのために必要な情報発信についてくわしく解説いたします。
目次【本記事の内容】
- 1.企業として成長していくためには信頼性を高めることが必要不可欠
- 2.企業の信頼性を高める上で重要な4つの視点
- 2-1.経営者自身の信頼性
- 2-2.企業(組織)としての信頼性
- 2-3.従業員の信頼性
- 2-4.商品・サービスの信頼性
- 3.企業としての信頼性を高めるための5つの方法
- 3-1.商品・サービスの質の向上
- 3-2.一貫性のあるブランディングの確立
- 3-3.企業の認知度向上
- 3-4.顧客満足度(CS)向上
- 3-5.社会貢献活動
- 4.適切な情報発信が社会的信頼性を高めるためには重要
- 4-1.コーポレートサイト
- 4-2.SNS
- 4-3.公式ブログ
- 4-4.プレスリリース
- 4-5.CM
- 4-6.企業出版
- 5.【まとめ】信頼性を高めるためには、まず知ってもらうことが第一歩
執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター) 慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。 |
◉企業として成長していくためには信頼性を高めることが必要不可欠
企業としての規模拡大や事業成長を行っていくためには、社会的信頼性を高めていくことが極めて重要です。
企業の規模が大きくなればなるほど、信頼性が高くないと企業成長の停滞などにつながってきてしまうおそれが出てきます。
◉企業の信頼性を高める上で重要な4つの視点
企業の信頼性を高めるためには、次の4つの視点の信頼性をそれぞれ高めていくことが重要です。
・経営者自身の信頼性 ・企業(組織)としての信頼性 ・従業員の信頼性 ・商品・サービスの信頼性 |
それぞれくわしく見ていきましょう。
◉-1、経営者自身の信頼性
企業の信頼性を語るときに真っ先に考えなければならないのは、経営者自身の信頼性です。
経歴やこれまでの実績なども重要ですが、それよりはむしろ経営者になった現在、どのような想いで事業を行っているのか、経営を行っているのかが最も重要です。
企業の舵とりを担う経営者自身の信頼性を高めることが、企業の信頼性を高めることにつながると言っても過言ではないでしょう。
◉-2、企業(組織)としての信頼性
企業の信頼性を高めるためには、企業(組織)の信頼性も高める必要があります。
経営者自身の信頼性が高くても、経営者の想いを形にして実行する企業(組織)の信頼性が伴わなければ企業としての成長は得られません。
ある程度の規模まで達した企業が、更に成長するためには組織力の強化が必要です。
企業の規模が大きくなって組織が複雑化して経営者の目が届かなくなったとしても、それぞれの部署がその役割をきちんと自覚して役割を果たすようになっていなければならないのです。
組織力が高くて信頼性のある企業の特徴としては「従業員の人間関係が良い」「コミュニケーションが活発」「経営者・企業(組織)・従業員が目標を共有している」などが挙げられます。
◉-3、従業員の信頼性
前項の企業(組織)を構成しているのは従業員ですから、従業員の信頼性も重要です。
従業員の信頼性の高さは、モチベーションの高さによって大きく左右されます。
なぜなら、モチベーションの高い従業員ほど、「成果を出そう」という意識が強く、顧客対応などがよくなるためです。
結果として従業員に対してのさらなる信頼性の向上につながります。
従業員のモチベーションを維持して向上させていくためには、個々の人材が優れているということも必要ですが、それ以上に「企業組織の風通しの良さ」「コミュニケーションの活発さ」「従業員通しがお互いを尊敬しあう風土」「失敗をしてもそれをカバーし合うような行動意識」などが重要です。
これらは、一朝一夕にできるものではなく、創業時から培われてきた社風など代々の経営者の努力によるところが大きいと言えるでしょう。
◉-4、商品・サービスの信頼性
企業は、商品やサービスを開発したり製造したり販売したりして利益を挙げることで成り立っています。
その商品やサービスが、顧客から信頼されていなければ購入してもらえないので、企業として成り立ちません。
企業のビジネス形態として、企業相手のBtoBビジネスと個人相手のBtoCビジネスに分けることができます。
BtoBビジネスでは、商品やサービスの品質やコストとともに信頼性が重視される傾向があります。
また、BtoCビジネスでは、テレビCMなどによる商品やサービス・企業のイメージが強く影響する傾向がありますが、やはり信頼性が伴わなければ購入されることはありません。
BtoBビジネスにおいても、BtoCビジネスにおいても、商品・サービスの信頼性が高いことは基本中の基本だということです。
◉企業としての信頼性を高めるための5つの方法
企業としての信頼性を高めるための方法としては、次の5つが考えられます。
・商品・サービスの質の向上 ・一貫性のあるブランディングの確立 ・企業の認知度向上 ・顧客満足度(CS)向上 ・社会貢献活動 |
一つひとつの方法について、くわしく見ていきましょう。
◉-1、商品・サービスの質の向上
企業が提供している商品やサービスの質が向上すると、企業の信頼性は向上します。
つまり、顧客のニーズを満足する品質の商品やサービスを提供することができれば、その企業に対する信頼性は向上し、リピート購入や固定客化につながります。
しかし、顧客が必要とする以上に質を向上させてしまうと、価格が高くなってしまい、かえって商品・サービスの質の低下につながってしまうことに注意が必要です。
たとえば、普段1,000円以下のシャンプーを使っている人をターゲットに、1本5,000円のシャンプーを販売しても、逆効果になってしまいます。
顧客の求める適正な価格で、その価格以上の価値を提供するバランスが重要です。
◉-2、一貫性のあるブランディングの確立
一貫性のあるブランディングが確立すると企業の信頼性も向上します。
ブランド確立のためには、すべてのチャネルで一貫したメッセージを発信することが必要で、デザインなどの統一によって、顧客などのステークホルダーの頭の中に良いイメージを持ってもらう必要があります。
ブランディングに成功すると同業他社との差別化ができ、長期にわたって顧客から選ばれる商品やサービスになります。
▶企業のブランディングについては、関連記事【企業ブランディングとは?企業の成長における重要性や手法を徹底解説】をあわせて参考にしてください。
◉-3、企業の認知度向上
企業の認知度とは、社名だけでなく商品・サービスやその価値が知られている度合いを示します。
認知度が高い企業の商品やサービスは、企業の信頼性の向上につながります。
顧客が商品やサービスに触れる機会が増えることによって、好感度が増して信頼性も高くなり、リピート購入や固定客の獲得につながるのです。
▶企業の認知度向上については、関連記事【経営者必読!認知度向上の方法と効果的なマーケティングの選択肢】をあわせて参考にしてください。
◉-4、顧客満足度(CS)向上
顧客満足度(CS)とは、Customer Satisfactionの略で、自社の商品やサービスに対する顧客の満足度を数値化したものです。
顧客満足度(CS)を簡単に言うと「顧客が商品やサービスを購入する前の期待値」に対する「購入後に感じた価値」の比率ですから、期待通りの商品やサービスが提供できれば顧客満足度は向上します。
そのため、商品やサービスの質を向上させると顧客満足度が向上することになりますが、実際には商品やサービス自体だけではなく、アフターサービス・営業マンなどの商品やサービスに関わるすべてのことが顧客満足度に影響を及ぼします。
◉-5、社会貢献活動
社会貢献活動とは、個人や企業などが社会をより良くするために行う活動のことを言います。
たとえば、公共の場所での清掃やゴミ拾い、環境保全活動、子どもやお年寄りへの支援、自然災害による被災地支援などが挙げられます。
冒頭で触れたCSR(企業の社会的責任)も社会貢献活動に含まれます。
企業が社会貢献活動を行うと、企業価値や企業イメージが向上して企業の信頼性にも良い影響を与えます。
◉適切な情報発信が社会的信頼性を高めるためには重要
前項では、企業が信頼性を高めるための5つの方法を紹介しましたが、これに加えて適切な情報発信を行うことも重要です。
主な情報発信方法として、次のような方法があります。
・コーポレートサイト ・SNS ・公式ブログ ・プレスリリース ・CM ・企業出版 |
それぞれの方法について、くわしく見ていきましょう。
▶企業の情報発信におすすめのツールについては、関連記事【企業の情報発信に有効なツールはどれ?効果的に活用するコツも解説】をあわせて参考にしてください。
◉-1、コーポレートサイト
コーポレートサイトとは企業の公式HPのことで、自社の情報発信を行うために運営されるものです。
コーポレートサイトで発信される情報としては、企業の基本情報(所在地、代表者名、沿革など)や商品・サービス情報、IR情報などがあり、企業の認知度を高めたり、ブランドイメージを定着させたりする目的があります。
また、企業に興味を持つ顧客やその他のステークホルダーに対して、総合的に情報を発信するプラットフォームの役割も果たしており、就職希望者に対するリクルート情報もこれに含まれます。
自社の公式情報をきちんと整理して保存していく意味合いの強い媒体なので、情報の更新頻度は後述するSNSや公式ブログよりは低くなるのが一般的です。
なお、コーポレートサイト(公式HP)を作っただけでは多くの人に見てもらうことはできません。
SEO対策をして検索結果で上位表示させたり、SNSでサイトのURLを投稿するなど、情報発信を行っていることを周知させる施策を行う必要があります。
◉-2、SNS
SNSは、気軽に情報を発信することができ、顧客との双方向のコミュニケーションが可能な媒体です。
さらにSNSには他の情報発信方法に比べて大きな拡散力がありますので、トレンド性や即効性の高い情報の発信に向いています。
コーポレートサイトなどではなかなか発信できないような細々とした内容をタイミングよく発信していくことや、決して売り込みばかりの情報に偏らないことがポイントです。
◉-3、公式ブログ
公式ブログとは、企業が運営するブログのことを指します。
企業の最新ニュースやサービス・保有技術の紹介など、その企業に関する情報を発信する目的で運営されるものです。
更新頻度はSNSなどよりも少ないですが、SEO対策などにもなり、記事数が増えるにつれてネット検索からサイトに流入する人も増えていくのが特徴です。
そのため、公式ブログは多くの情報発信を行って顧客を集客するのに向いています。
◉-4、プレスリリース
プレスリリースとは、企業からメディアに向けた公式な情報発信です。
新商品・サービスの発表や業績報告、業務提携のお知らせ、キャンペーンの案内などをプレスリリースとしてメディアに対して情報発信し、Webメディアや雑誌、新聞、TVなどで取り上げてもらうことを目的として行います。
ターゲット層が多く閲覧している各メディアに取り上げられると、認知獲得や信頼性向上につながる可能性が高くなります。
メディアは常に新しい情報を探しているので、トレンドに合ったものや今までになかった切り口での情報発信をするのが、取り上げられやすくするコツです。
◉-5、CM
CMとは、Commercial Message(コマーシャルメッセージ)の略で、もともとはメディアを通じて行われる商業目的の情報全般のことを指していましたが、現在ではテレビやラジオなどの放送を通じて行われる広告のことを言います。
CMは放送番組の前後や途中に流され、スポンサー企業が「企業名」「商品名やサービス名」「キャッチコピー」「スローガン」などを提示して消費者(顧客)に訴求します。
視聴者である消費者(顧客)の印象に残るCMにするために、映像や音楽、芸能人・著名人などを使って様々な工夫をすることが特徴です。
スポンサー企業は広告代理店を通じて民間放送局に広告料を支払います。
◉-6、企業出版
企業出版は、企業や企業の経営者などが出版費用を負担して書籍を出版するものです。
個人が出版することだけを目的に行う自費出版とは違って、全国の書店への配本など、しっかりと読者の手元に届けるような施策を合わせて行うのが企業出版の特徴です。
企業が行う情報発信方法の中では書籍が最も社会的信頼性が高い媒体ですので、通常の営業活動ではアプローチが難しい富裕層や社長・役員など経営トップ層にも読んでもらいやすいということも特徴です。
「中小企業として売上も安定し、規模も大きくなり、企業として次のステージにいきたい」「上場に向けて認知度をより向上させたい」「業界内での差別化が難しい」という場合に有効な情報発信方法と言えるでしょう。
▶企業出版(ブックマーケティング)については、関連記事【ブックマーケティングとは?メリットや効果的な戦略の作り方】をあわせて参考にしてください。
◉-6-1、保険代理店の信頼性が向上した事例
ある保険代理店の経営者は、保険業界の現状と問題点を解説し、これからの保険代理店に必要な考え方についての持論をまとめた『人材が続々集まる、メキメキ育つ! スゴい保険代理店経営』という書籍を出版しました。
その中で、保険業界で当たり前に行われている「成果報酬型」の給与体系を「一律報酬型」に変えることを提唱。
これは、一部の限られたトップセールスマンに頼るのではなく、自社のようにアベレージヒッターを育てて全員で支えていく経営にすれば業績拡大ができることを紹介したのです。
書籍を出版した結果、多くの業界関係者からの共感と信頼を獲得することができ、自社のブランディングにも成功しました。
本業の保険代理店の保険契約数が伸びて、新規事業のコンサルティングの新規契約も獲得できたうえに、各所からの講演依頼も来るようになりました。
そして驚いたのは、保険会社から講演の依頼が来たり同業支援の話が回ってきたりと、「保険会社にとって頼れる代理店」というありがたいイメージを持ってもらえるようになったことです。 引用元:【事例コラム】大口案件の集客、人材採用、大手企業からの講演依頼!出版ですごいことになった保険代理店 |
◉【まとめ】信頼性を高めるためには、まず知ってもらうことが第一歩
本記事では、企業の信頼性を高めるために重要な4つの視点と5つの方法、そして企業の社会的信頼性を高めるための情報発信の方法についてくわしく解説しました。
「信頼性が高い」とは、企業と顧客やその他のステークホルダーとの双方向の矢印が密につながっている状態と考えることができます。
企業がいくら信頼性を高める活動をしていても、それを顧客やその他のステークホルダーが知らなければ意味がありません。
記事の中でも紹介したように、企業は信頼性を高める方法を行いながら、それをしっかりと顧客やその他のステークホルダーに情報発信していくことが何より重要です。
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