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2023.06.20

Branding, Marketing

パンフレットの作り方ガイドーー会社案内や営業ツールで欠かせないポイント

パンフレットは、企業にとって顧客に行動を起こしてもらう上で重要なツールです。

用途としては、企業のサービスや商品のメリットを訴求した営業ツール、新卒や中途採用のための会社案内などさまざまです。

本コラムでは、ビジネスやイベントのプロモーションにおいて効果的なパンフレットの作り方を紹介します。

そもそものパンフレット作成の重要性だけでなく、構成の準備、コンテンツの制作、デザインのポイント、印刷と配布の手順、業者選定の仕方まで、包括的なガイドになることを目指しました。

目次【本記事の内容】

パンフレット作成の目的とは?

パンフレットは、ビジネスやイベントのプロモーションにおいて重要な役割を果たします。

たとえば、営業ツールとして活用したパンフレットを見込み顧客に配布することで、自社サービスを導入するきっかけになるなどです。

企業および法人がパンフレットを制作する目的は、配布したツールを通じて、自社のサービスや商品についてより多くの人に知ってもらうこと。

さらに、パンフレットを配布することで、自社の理念を訴求できるため、ブランディングイメージを構築することにもつながります。

一般的な営業資料と異なるのは、一度配布すれば捨てられづらい点です。A4用紙で出力してホッチキスで綴じた営業資料の場合は、必要ないと認識されればすぐに捨てられてしまいます。

その点、パンフレットはすぐに必要ない場合でも、長期的に手元に保管をしておいて、いざ必要になった時に見込み顧客から自社のことを思い出してもらって問い合わせにつながるようなケースもあるのです。

パンフレット作成の準備の仕方

パンフレット作成に取りかかる前には、いくつかの準備が必要です。

準備が必要なのは、「目的の設定」「ターゲットの設定」「構成・掲載コンテンツの確定」「デザイン・サイズの決定」です。

一つひとつ詳細を解説します。

準備その1:目的の設定

パンフレットの作り方において、まず決めなければならないのは「目的の設定」です。

目的といってもさまざまあります。「自社商品やサービスの紹介をしたい」「新規出店の店舗の告知をしたい」「開催イベントの告知をしたい」「会社の理念や概要を理解してもらいたい」などです。

パンフレットを配布した見込み顧客に、その後どのような行動変容を促すかが重要なのです。

目的さえ明確になれば、軸がぶれずに伝えたいターゲットに、伝えるべき要素を発信することができるでしょう。

準備その2:ターゲットの設定

パンフレットの目的が決まったら、次は伝えたい「ターゲットの設定」を考えましょう。

たとえば、大学受験の予備校が集客目的で配布用のパンフレットを制作する場合、誰に受け取ってもらうべきかを想定することが大切です。

大学受験予備校の場合は、入塾するのはもちろん高校2〜3年生の学生本人ですが、入塾の意思決定をするのはその保護者です。実際に入塾してもらった後のイメージを学生に向けて伝えることはとても大事ですが、保護者にとって魅力的な予備校だと思ってもらえなければ入塾にはつなげることができません。

その他の事例でも、ターゲットの深掘りは重要な要素となります。

女性向けの化粧品を扱っているような会社であれば、女性受けのするデザインにするなどの工夫が必要ですが、さらに狙うべき年齢層によってもデザインのテイストは大きく変わります。

あくまで自社が集客したいターゲット、もしくは今後集客していきたい新規顧客層をイメージすることが重要でしょう。

準備その3:構成・掲載コンテンツの確定

パンフレットの目的とターゲットが明確になったら、次に決めるのは掲載コンテンツです。

目的が集客であれば、ターゲット顧客が商品を購入したい、サービスを導入したいという魅力が伝わる構成になっているかを想定しながらコンテンツを作りましょう。

企業の会社案内を制作する場合は、たとえば次のような構成が考えられます。

・代表のあいさつやメッセージ

・企業理念

・業務やサービスのご紹介

・役員や社員の紹介

・自社の代表事例の紹介

・社員インタビュー

・沿革

・会社概要

会社案内の場合は、配布先が多岐に渡ります。取引先や新規の営業先、新卒や中途の応募者、投資家などのステークホルダーなどです。

このようなコンテンツは、通常業務で扱う文章のボリュームとは大きく異なります。会社案内のコンテンツを考えるリソースが割ける場合は別ですが、そうでなければ制作会社などに外注することも視野に入れることをおすすめします。

準備その4:デザイン・サイズの決定

パンフレットの掲載コンテンツが固まったら、実際に印刷工程の仕上がりを想定します。

会社案内をはじめとしたパンフレットを制作するにあたり、デザインにはこだわりたいところ。一方で、多くの企業が陥りやすい落とし穴は、最初にデザインの方向性を考えることです。

デザインにばかりこだわっていると、大事な中身が伴わないパンフレットができてしまいます。

そのため、先に構成やコンテンツを考えてから、その後にデザインに着手をすることが大切だといえます。

デザインは、会社案内の場合は企業カラーやコンセプトに合わせて、取引先や顧客に渡すことを想定して信頼感や安心感が演出できるようにすると良いでしょう。

サイズについては、パンフレットの場合はA4サイズが一般的です。携帯しやすいハンドブックサイズのものなど、目的に合わせたサイズを設定することもあります。

ちなみに、ページ数は4の倍数で設定することをおすすめします。パンフレットの場合は、ボリュームにもよりますが、手渡し用では12ページや16ページで構成されることが多いです。

4の倍数でない場合は、印刷代が高くなってしまう可能性があるので注意しましょう。

書籍のように厚みのあるタイプと異なり、パンフレットの場合は中綴じと呼ばれるホッチキス綴じ製本がおすすめです。一方、書籍で主に使われる綴じ方は無線綴じといいます。

パンフレットの依頼先の選び方

ここまでに紹介したように、パンフレット制作には様々な工程とコンテンツを作るリソースが必要になります。

そこで、自社で制作がリソース的に厳しいようであれば、プロの制作会社に依頼を検討しましょう。

依頼先の選定基準は次のとおりです。参考にしてみてください。

選定ポイント①:制作実績が豊富

パンフレット制作の依頼先として、とくにポイントとなるのは制作実績でしょう。

同業界の制作事例があるか、同じような目的で制作したパンフレットがあるか、などが選定基準となります。

ただし、ただパンフレットの制作実績が豊富であるかだけでなく、企業のパンフレット制作において重要なのは企業のコンテンツ制作にどれだけ多く携わってきたかです。

パンフレット制作を請け負う業者としては、デザイン制作会社、印刷会社、編集プロダクション、広告代理店などが考えられます。

デザイン制作会社の場合は、デザイン性を重視する場合に選択肢となりますが、費用が高額になるケースが考えられます。

印刷会社は、入稿されたデータを印刷することが本分です。なかにはデザイン制作から印刷・納品までを一括で対応してくれるところもあります。自社で印刷が対応できる分、ほかの業者よりは安いですが、デザイン性やコンテンツの制作力に長けているわけではありません。

編集プロダクションは、出版社からの依頼で編集や企画を請け負っているケースが多いです。パンフレットを専門に扱っていたり、実績が豊富だったりする会社はあるでしょう。出版社とのつながりがある分、腕のあるデザイナーやカメラマンがアサインできる可能性も高いです。

広告代理店は、企業の広告企画を行っているため、マーケティング的な視点も持ち合わせながらパンフレット制作の対応ができるでしょう。一方で、デザインから文章コンテンツの執筆、印刷など、すべて外注することになるので費用は高額になります。

選定ポイント②:自社のニーズと得意領域がマッチしている

パンフレット制作は印刷して出来上がってしまったら、もうやり直しがききません。

紙媒体の制作物を外部に発注する際によくある失敗が、「思っていたものと違った」という嘆きの声です。

一般的な紙媒体の制作会社は、一定のクオリティでパンフレットを仕上げることはできるでしょう。

しかし、パンフレットの作り方において重要な要素は、依頼先のビジネスモデルを理解しているかどうかです。

そのため、「税理士との仕事が多い」「不動産業との仕事が多い」「医療関係の仕事が多い」など、専門領域に応じた業務依頼実績が豊富にあるかどうかは選定のポイントとなります。

きちんと自社のビジネスモデルの理解があり、伝えたいことを読み手に伝わるコンテンツに昇華させられるかが、パンフレット制作成功のカギとなるでしょう。

選定ポイント③:営業担当者と見積もりの内容

どんなにパンフレットの作り方において、質にこだわったとしても定性的なもので、正直なところ完成するまで満足できるものができるかわかりません。

そこで、選定するうえで重要視してほしいのは、依頼候補先の営業担当者の対応と見積もり内容。費用は安いに越したことはありませんが、費用と品質のバランスはとらなければなりません。

まずは、営業担当者と面談をしてみて、自社が作りたいパンフレットの要件をしっかりと伝えましょう。

顧客優先で動く担当者であれば、きちんと要望を汲み取ってそれを見積書に反映してくれるはずです。とくに要求しなくても、数パターンの見積もりを提示してくれる業者は優秀と言えるでしょう。

パンフレットに限らず、紙の制作物は何度か作り直すこともあり得ます。依頼先の担当者が信頼できるかどうかは今後も長期的に付き合っていくうえで重要な要素となるでしょう。

パンフレットの配布方法

パンフレットの作り方の次は、完成した現物をどのように配布するかが重要です。具体的には下記の方法が考えられます。

選定ポイント③:営業先への手渡し

自社の営業マンが営業訪問をする際に、取引先や見込み顧客に直接手渡しする方法があります。

サービスや商品の訴求のほか、自社理解を促進させられる効果が見込め、パンフレットの配布をきっかけに話を膨らませるなど、お互いの信頼関係構築にも大きく寄与します。

配布方法②:ダイレクトメール(DM)

既存の取引先や自社の保有するリストにある見込み顧客に向けて、パンフレットをダイレクトメールで送付する方法があります。

ダイレクトメールの送付数から反応率を計算することで、効果測定もしやすいのはメリットの一つ。

郵送するにはコストがかかるため、送付先に追客施策としてテレアポをしたり、営業マンが訪問したりすることで効果も高められるでしょう。

配布方法③:ポスティング

ポスティングは、一定のエリア内の家庭や企業などのポストに直接投函する方法です。

地域密着で運営している店舗型ビジネスであれば、ポスティングは大きな効果を発揮するでしょう。パンフレットに限らず、チラシもポスティングで配布することがありますが、すぐに捨てられる可能性があります。

視認率が高い施策ではあるので、捨てられづらいパンフレットを配布するのは一定の効果が期待できます。

配布方法④:街頭や施設内配布

街頭配布や施設内配布は、チラシの配布方法としてはよく使われます。

特定のエリアでの集客を目的とするのであれば、パンフレット配布も一定の効果は発揮されるでしょう。

施設内配布は、学校やショッピングモールなどで、ターゲットに合わせて配布することができるので、集客には寄与しやすい方法といえます。

ただし、パンフレットとチラシどちらでも、手荷物になってしまう分、受け取ってもらいづらいデメリットも考えられます。

配布方法⑤:イベント開催先での配布

自社でイベントを開催したり、展示会などの出展イベントにブースを出したりする企業の場合は、開催先でのパンフレット配布が効果的です。

イベント開催自体にコストがかかるのがデメリットではありますが、イベントや展示会は目的やテーマに則ったお客さんが足を運ぶため、相性の良い見込み客を集客できる可能性が高いです。

そのような人たちに、自社のサービスや商品の強みを訴求するにはパンフレットの配布がおすすめです。

自社の周年イベントや学生向けの採用説明会などで、パンフレット配布する手段も考えられるでしょう。

そのほか、オフラインのマーケティングについて、下記のコラムで解説しています。合わせてご覧ください。

参考:広告手法を徹底比較! デジタルからDMまでマーケティングのメリデメを解説

まとめ

自社が満足いくパンフレットを制作するにあたり、パンフレットを渡す相手である顧客目線は欠かせません。

それは制作を外注する場合も同様です。依頼先が自社の要望をきちんと汲み取ってくれているのか、自社のビジネスモデルを理解しているのかは、担当者との面談でしっかりと見極めましょう。

本コラムがパンフレット制作の参考になれば、これ以上に嬉しいことはありません。

参考:フォーウェイのブランディングサービスについてはこちらから参考:フォーウェイのブランディングサービスについてはこちらから

執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、ディレクター)

慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。