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2025.09.19
Marketing
【事例あり】BtoB企業のためのコンテンツマーケティング戦略|手法や手順も解説

「見込み客からの問い合わせを増やしたい」「自社の専門性をアピールしたい」「営業活動をもっと効率化したい」といった悩みを抱えているBtoB企業のマーケティング担当者や経営者の方は多いのではないでしょうか。
BtoBビジネスにおいては、新規顧客との接点づくりや長期的な関係構築が欠かせません。
そこで活用したいのがコンテンツマーケティングです。
コンテンツマーケティングには、Web記事やホワイトペーパー、動画などがありますが、やみくもに取り組んでも期待した成果は得られません。
この記事では、BtoBビジネスで成果を出すためのコンテンツマーケティング戦略をわかりやすく解説します。
目次【本記事の内容】
- 1.コンテンツマーケティングはBtoBと相性がよい!
- 2.BtoBコンテンツマーケティングの実践ステップ
- 2-1.ステップ1:課題や目的を明確にする
- 2-2.ステップ2:カスタマージャーニーを設計する
- 2-3.ステップ3:作成するコンテンツを決定する
- 2-4.ステップ4:コンテンツを作成し、公開する
- 2-5.ステップ5:分析と改善を行う
- 3.BtoBコンテンツマーケティングの主な手法
- 3-1.コンテンツSEO
- 3-2.ホワイトペーパー
- 3-3.動画コンテンツ
- 3-4.メールマガジン(メルマガ)
- 3-5.企業出版(ブックマーケティング)
- 4.BtoBのコンテンツマーケティングで企業出版に取り組むメリット
- 4-1.信頼性と権威性を高められる
- 4-2.長期的なコンテンツ資産になる
- 4-3.リード獲得の起点になる
- 4-4.営業ツールとしての差別化につながる
- 5.企業出版によるBtoBコンテンツマーケティングの成功事例
- 5-1.新規事業の顧客開拓のために書籍を出版して契約を獲得した保険代理店
- 5-2.企業出版によって商圏拡大と顧客獲得に成功した経営コンサルタント
- 5-3.出版をきっかけに海外専門家の地位を確立した公認会計士事務所
- 6.【まとめ】BtoBのコンテンツマーケティングには企業出版が効果的!
執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)![]() 慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。 |
コンテンツマーケティングはBtoBと相性がよい!

一般的に、BtoB商材は高額かつ専門的で、導入決定までに時間がかかることが特徴です。
購入の意思決定には、社内稟議や複数部署との調整に加え、客観的なデータや導入事例の提示が求められます。
こうした状況において、コンテンツマーケティングを活用すれば、顧客企業の担当者が情報収集を始める初期段階から有益な情報を届けることが可能です。
その結果、「この会社は信頼できる情報を提供してくれる」といった評価を得やすく、信頼関係の構築につながります。
さらに、比較検討や意思決定の場面でも必要な情報を段階的に提示できるため、導入を後押しする有効な手法といえます。
BtoBコンテンツマーケティングの実践ステップ

実際にコンテンツマーケティングに取り組む際は、以下の流れに沿って行います。
・ステップ1:課題や目的を明確にする ・ステップ2:カスタマージャーニーを設計する ・ステップ3:作成するコンテンツを決定する ・ステップ4:コンテンツを作成し、公開する ・ステップ5:分析と改善を行う |
5つのステップと、それぞれのステップで押さえておくべきポイントを解説します。
◉-1、ステップ1:課題や目的を明確にする
まずは、コンテンツマーケティングで達成したい目的を具体的に定めることから始めましょう。
たとえば、「リード数を増やす」「商談化率を改善する」といった数値で測定できる目標を設定すれば、取り組むべき方向性がはっきり見えてきます。
また、自社の強みや競合との差別化ポイントを整理しておくことで、コンテンツの内容に一貫性を持たせることができます。
◉-2、ステップ2:カスタマージャーニーを設計する
次に、顧客が購買に至るまでの過程を整理します。
BtoBの購買プロセスは、一般的に「認知→比較検討→意思決定」のステップで進みます。
それぞれの段階で顧客が求める情報を把握し、適切に提供できるよう設計することが大切です。
特にBtoBでは、実務担当者と最終的な意思決定者では求める情報が異なることが多いため、それぞれのニーズに合わせたコンテンツ設計を行う必要があります。
◉-3、ステップ3:作成するコンテンツを決定する
目的や顧客のフェーズに合わせて、作成するコンテンツの形式を決めます。
記事やホワイトペーパー、動画、事例紹介など、さまざまな形式が考えられますが、基本的には売上に直結しやすいコンテンツから優先的に取り組むことが重要です。
ただし、売上への影響が小さいコンテンツばかりを発信していても、期待する成果は得られません。
リード獲得や商談化率の向上といった明確な目標につながるコンテンツを選び、戦略的に展開していくことが大切です。
◉-4、ステップ4:コンテンツを作成し、公開する
コンテンツを作成する際は、文章だけでなく、図表や動画を活用して視覚的に理解しやすくする工夫が必要です。
特にBtoBでは、専門性の高いテーマを扱うことが多いため、図解や実際の事例紹介を盛り込むと、より説得力のあるコンテンツになります。
コンテンツの公開先としては、自社サイトやSNSだけでなく、メールマガジン、展示会など複数のチャネルを組み合わせることで、接点を増やし、顧客との関係性を強化できます。
たとえば、展示会で配布した資料にQRコードを設置し、Web上のホワイトペーパーや解説動画に誘導すれば、オフラインとオンラインの両面でリード獲得につなげられます。
◉-5、ステップ5:分析と改善を行う
コンテンツマーケティングは、作って終わりではありません。
公開後に効果を定期的に測定し、改善を重ねていくことがポイントです。
そのためには、PV数や滞在時間、資料ダウンロード数、商談化率などのKPIをあらかじめ設定しておき、定期的に効果測定を行います。
得られたデータをもとに、「どのテーマが成果につながりやすいか」「どのチャネルが効果的か」を見極め、リソースを重点的に配分すれば、再現性のある運用が可能になります。
◉BtoBコンテンツマーケティングの主な手法

BtoBのコンテンツマーケティングには、さまざまな手法があります。
その中でも代表的なものとして、以下の5つを解説します。
・コンテンツSEO ・ホワイトペーパー ・動画コンテンツ ・メールマガジン(メルマガ) ・企業出版(ブックマーケティング) |
それぞれの特徴と活用ポイントについて見ていきましょう。
◉-1、コンテンツSEO
BtoBの購買プロセスでは、導入検討の初期段階で検索エンジンを利用した情報収集が行われることが多いため、コンテンツSEOは必須の施策です。
業界特有の課題や専門用語、比較検討に関連するキーワードを盛り込んだコンテンツを制作することで、見込み客が検索する段階から接点を持つことができます。
特にBtoBでは、検索ボリュームは少なくても意図の明確なキーワードを狙うことで、高いコンバージョン率を期待できる点が特徴です。
また、高品質なコンテンツは検索結果の上位に表示されるだけでなく、「AI Overview」にも掲載されやすくなります。
AI Overviewとは、Googleが検索結果ページ上部に表示するAIによる要約機能のことです。
ユーザーの疑問に的確に答え、簡潔にまとめられたコンテンツは、AIに評価されやすいため、より多くの見込み客にリーチできる可能性が高まります。
▶︎コンテンツSEOの詳細については、関連記事【SEO対策とは? 効果的な戦略の組み立て方と対策方法】もあわせて参考にしてください。
◉-2、ホワイトペーパー
ホワイトペーパーは、課題解決のためのノウハウや事例、調査データをまとめたPDF資料であり、ダウンロード時にリード情報を取得できるのが強みです。
専門情報を提供できるため、BtoB商材の比較検討段階において特に効果を発揮します。
顧客にとって有益な情報を提供することで信頼性を高め、商談につなげやすくなります。
◉-3、動画コンテンツ
製品のデモンストレーションや導入事例のインタビュー、ウェビナーの録画など、動画は「見て理解できる」ため、複雑な情報でも直感的に伝えられるのが特徴です。
BtoBの取引では、社内の複数部署や担当者が意思決定に関わることが多く、動画は社内で共有されたり、説明資料として活用されたりします。
また、制作した動画は YouTube・自社サイト・SNS・展示会での上映 など、さまざまなチャネルで再利用が可能です。
SEO効果の向上やSNSでの拡散も期待でき、効率的に認知度と信頼性を高めることができます。
▶︎動画コンテンツの詳細については、関連記事【動画制作のスケジュールは計画的に! 準備から実制作、編集、スケジュール管理まで解説】もあわせて参考にしてください。
◉-4、メールマガジン(メルマガ)
定期的なメール配信は、見込み客との関係を長期的に維持するために有効です。
特に強みとなるのは、読者の購買意欲が高まったタイミングで情報を届けられるため、スムーズに商談へつなげられる点です。
また、ホワイトペーパーやブログ記事、セミナー情報など他のコンテンツと組み合わせて配信すれば、顧客との接触回数を自然に増やすことができます。
◉-5、企業出版(ブックマーケティング)
企業出版とは、企業や経営者が持つ専門知識や成功事例を体系的に整理し、書籍という形で発信する手法です。
書籍は一度出版すると長期的に残るため、Web記事やパンフレット以上に信頼性や権威性を高める効果があります。
読者からは「この会社は専門分野における確かな知見を持っている」と認識されやすいため、企業ブランドの格を引き上げられるでしょう。
また、展示会やセミナーでの配布、営業訪問時の手渡しといったBtoBならではの対面営業の場でも活用しやすく、商談の突破口や顧客との信頼構築につながります。
▶︎企業出版の詳細については、関連記事【企業出版の効果とは?費用相場や成功のポイント、事例を徹底解説】もあわせて参考にしてください。

BtoBのコンテンツマーケティングで企業出版に取り組むメリット

BtoBコンテンツマーケティングにおいて、企業出版に取り組むことは大きな効果をもたらします。
特に次の4つのメリットが挙げられます。
・信頼性と権威性を高められる ・長期的なコンテンツ資産になる ・リード獲得の起点になる ・営業ツールとしての差別化につながる |
それぞれのメリットについて、詳しく見ていきましょう。
◉-1、信頼性と権威性を高められる
BtoBの取引では、専門性や実績、信頼感が顧客企業内での購入意思決定に影響します。
そのため、これらをどのように示すかが重要なポイントとなります。
書籍はWeb記事やSNSに比べ、企画・執筆・編集・校正といった工程を経て世に出るため、情報の正確性や品質が担保されやすい媒体です。
結果として、顧客企業から「書籍を出版している=信頼できる」と認識されやすくなります。
さらに、経営者や専門部門の責任者が著者として名を示すことで、企業の知見や実績が社会的な信頼の裏付けとなり、ブランド価値を一層高める効果を発揮します。
出版は、企業ブランドの権威性を強化し、取引先からの信頼獲得につながる手段といえるでしょう。
◉-2、長期的なコンテンツ資産になる
Webコンテンツは更新頻度や検索エンジンのアルゴリズム変化の影響を受けやすく、長期的に安定した価値を保ちにくい傾向があります。
一方で、書籍は一度出版すれば長期にわたり活用できるコンテンツ資産です。
展示会やセミナーでの配布物として利用すれば、営業活動において長期的に役立つツールになります。
また、書籍は物理的に手元に残りやすいため、顧客が必要になったときに再び手に取り、「そういえばこの会社があった」と思い出してもらえるきっかけにもなります。
さらに、書籍を電子化してホワイトペーパーや電子書籍として二次利用すれば、オンラインでの配布やダウンロードを通じて新たな接点を作ることが可能です。
◉-3、リード獲得の起点になる
書籍を購入したり、無料配布に申し込んだりする人は、すでに自社の領域に強い関心や課題意識を持っている場合が多く、効率よく獲得できる購入確度の高いリードの対象となりえます。
出版記念セミナーや書籍と連動したキャンペーンを組み合わせれば、参加者や申込者からより確度の高い情報を収集することができ、営業成約につながる可能性が一層高まります。
また、書籍の企画と連動したLP(ランディングページ)を用意することで、より多くの顧客リードを獲得することが可能です。
たとえば、書籍の巻末にQRコードを設置し、そこからLPにアクセスした読者に「追加資料」や「限定特典」を提供すれば、自然な形でリード情報を収集できます。
このように、書籍は単なる認知拡大の手段ではなく、営業活動に直結するリード獲得の起点として機能します。
◉-4、営業ツールとしての差別化につながる
競合他社との差別化を図るうえで欠かせないのが、「自社ならではの知見や経験を形にすること」です。
企業出版は、その強みをわかりやすく体系化し、説得力を持って伝える手段となります。
たとえば、営業担当者が訪問時に書籍を手渡せば、会社案内やパンフレットよりも強く印象に残るでしょう。
なぜなら書籍は「この企業は専門知識をまとめ、出版するだけの実績がある」という信頼感を与えるからです。
また、商談の場で事例やノウハウが掲載された部分を資料として活用すれば、説得材料としても効果的です。
意思決定に複数の関係者が関わるBtoBでは、書籍が社内で共有されることで、直接会っていない意思決定者にもリーチできます。
結果として、競合他社との差別化を図りながら、営業活動を有利に進められます。

企業出版によるBtoBコンテンツマーケティングの成功事例

ここでは、企業出版によるBtoBコンテンツマーケティングの成功事例を3つ紹介します。
・新規事業の顧客開拓のために書籍を出版して契約を獲得した保険代理店 ・企業出版によって商圏拡大と顧客獲得に成功した経営コンサルタント ・出版をきっかけに海外専門家の地位を確立した公認会計士事務所 |
以下で、詳しく見ていきましょう。
◉-1、新規事業の顧客開拓のために書籍を出版して契約を獲得した保険代理店
保険代理店を営む経営者は、新規事業として保険代理店のコンサルタント業を立ち上げましたが、顧客獲得に苦労していました。
そこで、顧客開拓のために書籍を出版。
書籍の中で、保険業界の問題点とともに、「成果報酬型」を「一律報酬型」に変更することによって自社の業績が向上したことをアピールしました。
出版後、保険業界内での知名度が向上し、セミナーの講師に招かれるようになり、出版の目的だった新規コンサル契約を複数成約。
本業の保険契約でも、保険契約数が伸び、書籍出版が大口契約の成約につながるなど大きな効果がありました。
▶︎保険代理店の詳しい事例については【【事例コラム】大口案件の集客、人材採用、大手企業からの講演依頼!出版ですごいことになった保険代理店】もあわせて参考にしてください。
◉-2、企業出版によって商圏拡大と顧客獲得に成功した経営コンサルタント
建設業専門の経営コンサルタントは、知名度向上による商圏拡大を狙って書籍を出版しました。
書籍のタイトルに「建設業のための」という文言を入れたことによって、ターゲットを明確化することができ、出版の翌日から多くの問い合わせが殺到して10件近くの顧問契約を獲得。
書籍の配本を首都圏中心に行うことによって、狙い通りの商圏拡大にも成功し、建設業界におけるコンサルティング会社としてのブランドを確立することができました。
◉-3、出版をきっかけに海外専門家の地位を確立した公認会計士事務所
公認会計士事務所の経営者は、自らの海外勤務経験の知識と専門性を訴求し「海外案件の専門家」という地位を確立するために書籍を出版しました。
出版後、地元紙や全国紙、ラジオ番組などへのメディア露出が増加し、専門性が広く認知されました。
その結果、外資系企業やグローバル案件にも対応できる公認会計士であることが、顧客企業に認知され、事務所のブランディングとビジネス拡大に成功。
出版をきっかけに専門性や権威性が高まり、顧客からの値下げ要求も減少し、売上が大幅に増加しました。
▶︎公認会計士事務所の詳しい事例については【【事例コラム】出版をきっかけにメディア取材が続々、著名人との対談も実現!”海外進出の第一人者”のポジションを得た公認会計士】もあわせて参考にしてください。
【まとめ】BtoBのコンテンツマーケティングには企業出版が効果的!
この記事では、BtoBコンテンツマーケティングの実践ステップや主な手法、成功事例について詳しく解説しました。
BtoBビジネスでは、一般的に顧客企業の担当者と商談を進めますが、最終的な購入の意思決定には社内稟議や複数部署での調整が必要になります。
そのため、担当者を通じて「自社の魅力や専門性をいかに正しく伝えるか」が、成約を左右するポイントです。
このような社内決裁のプロセスにおいて、説得力ある情報提供の手段として有効なのが企業出版です。
フォーウェイでは、企業出版をマーケティングに活用する「ブックマーケティングサービス」を提供しています。
「ブックマーケティングサービス」を活用すれば、技術面での専門性だけでなく、自社の成り立ちや経営方針などを含めた総合的な情報提供が可能となり、信頼性や権威性を高められます。
BtoBビジネスにおける「リード獲得」「成約率の向上」の具体的な施策として、ぜひフォーウェイのブックマーケティングをご検討ください。
