個人出版とは?自費出版との違いやメリット・デメリットを解説

個人で「本を出版したい」と思った時に、誰でも出版できる方法が自費出版です。

自費出版は、従来出版社を通して出版するのが一般的でしたが、電子書籍やオンデマンド印刷などの普及により、出版社を通さずに出版することも可能になりました。

個人出版もそんな時代の流れから生まれた出版社を通さずにできる出版方法の1つです。

しかし、本を出したい個人の方すべてに個人出版が適しているとは限りません。

個人出版にも向き、不向きがあるのです。

今回は、個人出版とはどのような出版方法なのか、従来の自費出版との違い、メリット・デメリットなどについて詳しく解説いたします。

自身が目指す目的を達成する最良の出版方法は、個人出版なのか、出版社を通した自費出版なのか、はたまたそれ以外の出版方法が適しているのか、を検討してみてください。

目次【本記事の内容】

執筆者:江崎雄二(株式会社フォーウェイ取締役マーケティング統括)


福岡県出身。東福岡高校、山口大学経済学部経済法学科卒業。大学卒業後、月刊誌の編集者兼ライターに携わる。その後時事通信社での勤務を経て、幻冬舎グループに入社。書店営業部門の立ち上げメンバーとして活躍後、書籍の販売促進提案のプロモーション部を経て、法人営業部へ。東京と大阪にて書籍出版の提案営業を担当し、2020年11月、株式会社フォーウェイに参画。2023年9月取締役就任。グループの出版社、株式会社パノラボの流通管理も担う。

◉個人出版とは?

個人出版とは、著者が自分で原稿を書き、できあがった印刷データを印刷会社に持ち込んで印刷・製本をしてもらう出版方法です。

出版にかかる費用はすべて著者が負担します。

出版社を通さないので、編集やデザイン、レイアウト、校正などの制作工程を自分でやる必要があります。

また、本の発行者欄などを入れるなども通常の出版物のように明確なルールはありません。

◉-1、自費出版との違い

自費出版とは、その名の通り著者が自分の費用で本を出版する方法のことを言います。

この意味から、個人出版は自費出版の一種ということになります。

一般的な自費出版の場合は、出版社に自分で執筆した原稿を持ち込んで編集やデザイン、校正などの制作工程を依頼します。

著者の意向によっては、原稿も出版社が手配したライターに執筆してもらい、すべての制作工程を出版社に依頼することもできます。

◉-2、電子出版も個人出版の一種>

電子出版も個人出版の一種で、紙の本ではなく電子(デジタル情報)という形で出版した本です。

著者が作成した印刷データを、次のような出版先で電子書籍化して簡単に出版することができます。

・Amazon Kindle

・楽天Kobo

・Google Play Books

・Apple Books

・forkN

・BCCKS

・Shopify+bookend

◉個人出版のメリット

メリット

個人出版のメリットとしては、主に次の3つを挙げることができます。

・本の内容やデザインの自由度が高い

・出版費用が安い

・出版までのスピードが早い

以下で、詳しく見ていきましょう。

◉-1、本の内容やデザインの自由度が高い

個人出版は、本の企画から原稿執筆、デザイン、レイアウト、編集、印刷データ作成などのすべての制作工程を著者自身が行わなければなりません。

しかしその反面、出版社からの制約を受けないため、本の内容やデザインの自由度が高いという大きな特徴があります。

◉-2、出版費用が安い

自費出版をするためには次のような費用がかかりますが、個人出版の場合は印刷・製本代しかかからないため、自費出版より安い費用で出版することができます。

・原稿執筆(ライティング費)

・編集費

・デザイン費

・DTP費

・校正費

・印刷、製本代

・書店流通費(オプション)

・保管費(オプション)

なお、電子出版であれば印刷・製本代もかかりませんので、個人出版よりも安い費用で出版することができます。

◉-3、出版までのスピードが早い

個人出版の場合、印刷データさえできてしまえば、あとは印刷会社に依頼して印刷・製本してもらうだけなので、出版社などに依頼する自費出版と比べて出版までのスピードが早いのもメリットです。

しかしながら、原稿執筆や編集・デザインなどに時間がかかり、なかなか印刷データが完成しない場合は出版までのスピードは遅くなってしまいます。

◉個人出版のデメリット

デメリット

個人出版のデメリットは、主に次の4つです。

・印刷データの制作に時間がかかる

・本としてのクオリティが低くなりやすい

・書店流通しない

・法的責任がすべて自分にある

以下で、詳しく見ていきましょう。

◉-1、印刷データの制作に時間がかかる

個人出版では、本の企画から原稿執筆、デザイン、レイアウト、編集、校正などの制作工程をすべて自分で行わなければならないため、印刷データの制作に時間がかかります。

自費出版で出版社に依頼する場合は、ライターやデザイナー、カメラマン、編集者などプロの力を借りることができるため、費用はかかりますが印刷データの制作はスムーズに進みます。

◉-2、本としてのクオリティが低くなりやすい

個人出版する際に、著者に本の出版経験や制作経験がない場合は、どうしても本としての完成度やクオリティが低くなってしまう傾向があります。

個人出版の場合は本の企画から原稿執筆、デザイン、レイアウト、編集、校正、印刷データ作成までをすべて自分でやるわけですから、これらの経験があるかないかで本のクオリティに大きな差が出てくるのです。

見た目についても、一般的に書店で販売されている本と比べるとチープな見栄えになりやすいと言えるでしょう。

◉-3、書店流通しない

個人出版で出版される本の多くは、同人誌などのようにコミケなどで販売・配布されたり、セミナーなどで配布されたり、家族や友人などに配布されるものなので、ISBNコードや書籍用JANコードが付けられません。

これらのコードがないと出版はできても書店流通ができないのですが、個人出版の多くの用途の場合は問題はありません。

以下では、これらのコードについて詳しく説明します。

◉-3-1、ISBNコード

ISBN(International Standard Book Number:国際標準図書番号)コードとは、書籍に付けられる国際的な書籍識別番号です。

200以上の国と地域で発行される書籍に表示されていて、「どこの国の」「何という名前の出版社の」「何という書名の書籍か」という書誌情報を使って、書籍の取引や販売などに使われています。

ISBNが付与できる出版物の範囲は、その発行形態によって決められており、ISBNの付与対象となる出版物の形態は次の通りです。

・印刷・製本された書籍

・雑誌扱いのコミックスやムック

・点字出版物

・マイクロフィルム出版物

・電子書籍、書籍をデジタル化した出版物

・オーディオブック

・地図

・複合メディア出版物

日本国内で発行する出版物にISBNを付けたい場合は、日本図書コード管理センターに申請して手続きをする必要があります。

◉-3-2、書籍用JANコード

書籍用JAN(Japanese Article Number)コードとは、出版物用のJANコードで2段のバーコードで構成されています。

1段目は「978」から始まる国際標準コードのISBN用バーコード、2段目は日本独自の図書分類と税抜き本体価格です。

出版物を市場で流通して販売する場合は、書籍JANコードを表記することが必要とされており、ネット書店で販売する場合にも表記を求められます。

書籍JANコードを使用する場合は、出版者ごとに流通システム開発センター(通称GS1 Japan)に申請して手続きをする必要があります。

◉-4、法的責任がすべて自分にある

自費出版の場合で出版社に依頼する場合は、本の発行元の欄に出版社の名前が載ります。

そのため、出版社の編集者は薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)、景品表示法、ステルスマーケティング規制など法に違反するような内容がないかどうかを入念にチェックして、必要があれば修正を行います。

なぜなら、本の内容が法律違反に問われた場合は、その責任が出版社にも及ぶからです。

しかしながら、個人出版の場合、法的な責任はすべて著者にゆだねられることになります。

個人出版で出版する場合は、知らぬ間に法律違反をしている可能性もあり得るため十分な注意が必要です。

◉個人出版でよく作られる本の種類

出版方法として個人出版が選ばれるのは、同人誌や電子書籍、主に家族や友人向けに限定的な用途で作られる「私家版」や「私家本」などです。

これらの個人出版で出版される本に共通しているのは、特定のターゲットに特定の場所で配布・販売する本や、個人的な範囲で配布する本だということです。

しかしながら、企業や商品・サービスの認知度向上やマーケティング、ブランディングなどのビジネス目的で個人出版が使われることはほとんどありません。

ビジネス目的の本の多くは、自費出版か企業出版(カスタム出版)で出版されています。

◉個人出版はこんな人におすすめ

個人出版におすすめなのは、たとえば次のような人たちです。

・コミケなどのイベントでの販売用に本を作りたい(販売先が決まっている)

・自分の作品を本という形にしたい

・セミナーや講演会などで配る用に簡単な本を作りたい

以下で、詳しく見てみましょう。

◉-1、コミケなどのイベントでの販売用に本を作りたい(販売先が決まっている)

コミケなどのような個人ファン向けやイベントに来ている人向けに販売する本を作りたい場合は、本の見栄えなどの完成度よりは本の内容やデザインなどの自由度の高さが必要となります。

そのため、自由度が高く出版費用も抑えられる個人出版がおすすめです。

◉-2、自分の作品を本という形にしたい

自分自身が書いた小説や漫画、写真集、画集、エッセイなどを「とにかく本という形でまとめたい」という目的であれば、出版費用が抑えられて自由度の高い個人出版がおすすめです。

出版社の意向や制約などに左右されることなく、自分の好きな作品を自由に掲載して自分だけの本を作ることができます。

◉-3、セミナーや講演会などで配る用に簡単な本を作りたい

セミナーや講演会などで、参加者やファンなどの特定の人に向けて簡単な本を配布したいという場合には個人出版がおすすめです。

このように流通させる必要がなく、個人的なつながりで配布することが目的の場合は、特に高い完成度などは求められないことから個人出版で十分でしょう。

◉個人出版はこんな人には不向き

個人出版は以下のような人には不向きです。

・商品・サービスのマーケティングに本を活用したい

・自社のブランディングに本を活用したい

・事業の認知度向上に本を活用したい

・名刺代わりに配りたい

以下で、詳しく見ていきましょう。

◉-1、商品・サービスのマーケティングに本を活用したい

商品やサービスのマーケティングに本を活用したいという場合は、本のターゲット設定や内容についても、商品やサービスのマーケティングの一環として制作していく必要があります。

プロのライターや編集者、デザイナーの力を借りて、1人でも多くの人に本を購入してもらい、商品・サービスのファンになってもらい、最終的に自社の商品やサービスを購入してもらうことが目的になります。

このことから、個人出版は不向きで、企業出版(カスタム出版)のように書店流通を前提とした出版方法が適しています。

個人出版で、安く出版できたとしてもファン化につながらなかったり、期待したマーケティング効果が得られにくくなってしまいます。

もし商品やサービスのマーケティング本を活用したい場合には、弊社フォーウェイまでご相談ください。

◉-2、自社のブランディングに本を活用したい

自社のブランディングに本を活用したい場合は、本の内容や出来栄えにクオリティが求められますから、個人出版は不向きです。

本のクオリティが低いと、読者に「その程度の会社なんだ」と思われてしまい、ブランディングに悪影響が出てしまう可能性があります。

「書店に置いてある」「一般的なビジネス書と遜色ないクオリティである」「ブランディング方針に沿った内容である」などもブランディングする上では重要な要素なので、自費出版や書店流通を前提とした企業出版(カスタム出版)が適しています。

企業出版(カスタム出版)は、企業経営者などが経営課題を解決するために利用する出版方法です。

本の社会的信頼性の高さやストーリー性という特徴を使って、ブランディングや信頼性の向上、自社の商品やサービスの認知度向上、従業員への企業理念の浸透、採用活動におけるミスマッチの減少などの経営課題を解決することができます。

◉-3、事業の認知度向上に本を活用したい

自社の事業の認知度向上に本を活用したい場合は、今まで自社を知らなかった潜在層にアプローチすることが大切なので、書店に流通しない個人出版は不向きと言えるでしょう。

この場合も、書店流通を前提とした企業出版(カスタム出版)がおすすめです。

◉-4、名刺代わりに配りたい

名刺代わりに本を配りたいという場合は、あらかじめ配布先が決まっていると思われますので、あえて書店流通をする必要はありません。

しかし、「本を出版するようなすごい人なんだ」という権威性や専門性が伝わるような本のクオリティが必要となりますので、個人出版は不向きです。

価格も抑えやすいことから自費出版がおすすめです。

◉【まとめ】個人的な範囲での本の出版に個人出版はおすすめ!

この記事では、個人出版とはどのような出版方法なのか、従来の自費出版との違い、個人出版のメリット・デメリット、個人出版がおすすめな人・不向きな人などについて詳しく解説しました。

個人で本を出版する場合には、目的をよく考えて出版方法を決める必要があります。

「趣味の集大成として本という形にまとめたい」「コミケやイベントのみで配布・販売したい」「セミナーや講演会で配布する簡単な本を作りたい」という個人的な目的であれば、書店流通も本のクオリティも必要ありませんので個人出版で構わないでしょう。

しかし、個人的ではなく、商品やサービスのマーケティングや自社のブランディングなどのビジネスに活用したいとお考えなら、出版社に依頼する自費出版や企業出版(カスタム出版)をおすすめします。

弊社「株式会社フォーウェイ」では、本の出版をマーケティングやブランディングに活用する「ブックマーケティングサービス」を行っており、本を活用したビジネス展開に多くの実績を持っています。

出版する際に「出版することでどれぐらいの利益が出るのか?」という費用回収面が気になる方は多いのではないでしょうか。

出版社が利益をあげる目的で行う商業出版の場合は印刷・発行部数や販売部数によって著者に報酬(印税)が発生する場合が多いですが、自費出版の場合、結論から言えば印税はほとんど発生しません。

「じゃあ、自費出版する人は何で出版費用を回収しているの?」と思ってしまうかもしれません。

今回は、そんな自費出版の印税事情や、また自費出版の場合どういった点で利益をあげているのか、著者の報酬という観点で現役の書籍編集者が詳しく解説いたします。

目次【本記事の内容】

執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)
画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 29d5ead1ee41a6d25524876e7bd315d5-scaled.jpg
慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。

◉自費出版は印税が発生しないのが基本

著者の著作物(本の内容)を出版社が費用を負担して本という形に仕上げ、本の販売によって得た利益の一部を著者に支払うのが著作権使用料であり、印税です。

自費出版の場合、著者自身が発行した本の代金を含めすべての出版コストを支払っており、自身でそれを販売していくのが基本です。

販売や流通をオプションで出版社に依頼できる場合もありますが、これはあくまで「著者が自分の代わりに出版社に販売や流通をお金を払って依頼している」だけです。

このように、商業出版のような著作権使用料は、自費出版の仕組みでは発生しません。

しかし、出版社との契約内容や、本の売れ行き次第で例外的に出版社から印税が発生するケースもあります。

◉-1、出版社によっては本の売上によって印税ではなく還付金が発生する場合もある

自費出版という仕組み上、著作権使用料としての印税は発生しませんが、本が売れた分だけ「売上金」や「売上還付金」「売上分配金」という形で支払われる場合があります。

これは、出版費用を全額負担した著者に対して、出版社が本の売上の一部を著者に還元する仕組みです。

本が実際に売れた分だけ著者に収益が入るという点では、印税に近い印象がありますが、あくまで売上を著者と出版社で分け合う仕組みであり、売上連動型の報酬に近いイメージです。

◉-1-1、自費出版の場合の売上金比率

自費出版では出版費用を全額著者が負担しているということもあり、出版社が費用を全負担する商業出版に比べてリスクが少ない分、本の売上があった際の著者の取り分は、商業出版の印税率に比べて高くなる傾向があります。

たとえば、売上金比率が30%という契約になっている場合は、本の定価が1,500円だった場合、1冊売れるごとに著者が受け取れるのは450円です。

商業出版の印税率の相場は5%〜10%程度なので、それに比べると高い割合です。

しかし、出版社から還付される「売上還付金」「売上分配金」だけで出版費用全額を回収するには相当の部数が売れる必要があります。

◉-1-2、自費出版の場合の支払い比率

自費出版した本を出版社を通して書店流通させた場合、売れた本1冊分の費用は次のような項目で分配されます。

・売上還付金、売上分配金(著者の取り分)
・出版社の取り分
・書店、取次店の取り分
・入出庫手数料
・配送経費など

また、上記のような項目での分配が行われるのは、出版社に書店流通を依頼した場合の流通部数に限ります。

たとえば、1,000冊作った本のうち700冊を書店流通に回し、300冊を自分自身で販売した場合、700冊で売れた本に関しては出版社から決まった割合で売上還付金・売上分配金が支払われますが、300冊で売れた本に関しての著者の取り分は100%です。

◉-2、自費出版でも契約によって印税が発生する場合もある

本の売れ行きが予想を大きく上回った場合や、出版社が増刷を決定した場合には、出版社との再契約や特約により著者に印税が入ることがあります。

しかし、このように自費出版で予想以上に売れて増刷がかかることは、本の内容の良し悪しにかかわらず稀です。

契約書の特約に「3,001冊目からは印税を支払う」という項目があったとしても、自費出版では印税を期待しない方が無難と言えるでしょう。

◉-2-1、自費出版の場合の印税比率

自費出版で印税が設定される場合、商業出版に比べて印税率が高めになる場合が多いです。

商業出版の印税率が5%〜10%程度であるのに対し、自費出版では15%や20%となることも珍しくありません。

高い出版社では50%のところもあります。

たとえば、本の定価が1,500円だった場合、印税率15%であれば、1冊あたり225円が著者に入ります。

◉自費出版は儲からない?

自費出版では印税はほぼ発生しないと考えておきましょう。

そのため、本の売上だけで出版費用を回収し、儲けを出すのは難しく、商業出版と同じように印税で儲けることは期待できません。

前述の通り、出版社によっては本の売上に応じて「売上還付金」「売上分配金」を受け取れる可能性があるものの、出版費用の回収は難しいのが実情です。

つまり自費出版は本の売上自体では儲からないと考えておきましょう。

一方で、自費出版により本を通して自身の事業や商品・サービスをPRしたり、ブランディングを行ったり、営業・販促ツールとして活用したりすることで、別のところで費用回収をすることは十分に可能です。

たとえば、弊社で出版を行ったある保険代理店では、本を出版したことにより、大手企業の案件獲得につながったり、同業他社からのコンサル依頼につながったり、本業で売上・利益をのばし、出版費用を上回る成果をあげています。

本来の出版目的であった、同業の保険代理店からのコンサル依頼がまず数件。そして驚いたのは、保険会社から講演の依頼が来たり同業支援の話が回ってきたりと、「保険会社にとって頼れる代理店」というありがたいイメージを持ってもらえるようになったことです。
引用元:【事例コラム】大口案件の集客、人材採用、大手企業からの講演依頼!出版ですごいことになった保険代理店

むしろ自費出版で儲けたいと思うのであれば、本を売ることではなく、本を通して自身の商品やサービスの売上を伸ばす方が現実的です。

◉自費出版は本の販売以外で多くの利益を得られる

商業出版に比べて、自費出版は著者が伝えたい内容を自由にコントロールできる(※薬機法や景品表示法など法に触れない部分でコントロールが可能)点が強みです。

そのため、本自体が自身のブランディングやマーケティングに活用しやすく、自身の事業や商品・サービスの特徴や魅力、強みを効果的にアピールすることができます。

こういった自費出版ならではの強みを生かし、本の販売以外で多くの利益を得られる可能性を秘めているのです。

実際に本の出版により、本の販売以外で利益を得た経営者の事例を2つ紹介します。

◉-1、事例1:出版により大口契約が決まるなど他社との差別化に成功した保険代理店

ある保険代理店の経営者は、企業としてもう一段上のステージに登るための手段の1つとして書籍を出版。

本の売上を目的とするのではなく、企業としてのブランディングを目的としていましたが、出版後に予想以上の反響があり、あっという間に出版費用を回収されました。

また、大手案件が決まったり、講演活動が決まったり、優秀な人材が獲得できるようになったり、費用以上の売上・利益につながったそうです。

何より、保険代理店で難しいと言われる競合他社との差別化にも成功。

保険代理店はコンビニより数が多いうえ、扱う商品で差別化ができません。保険会社側から一目置いてもらえる代理店になることの価値はとても大きいんです。
引用元:【事例コラム】大口案件の集客、人材採用、大手企業からの講演依頼!出版ですごいことになった保険代理店

本の販売以外のところで多くの利益につながっています。

◉-2、事例2:ターゲットにしっかりと本が届くことにより売上が向上した不動産会社

ある不動産会社の経営者は、医師向けの不動産投資サービスを提供していましたが、多額のお金が動くビジネスということから、見込み顧客との関係構築や顧客教育に時間がかかってしまうことが悩みでした。

また、金額が大きいだけにWeb広告やSNSなどではあまり良い問い合わせなどにはつながらなかったそうです。

そんな現状を変える目的で、出版。

本を多く売る、というより、しっかりとターゲットである医師に届ける施策を実施したことで、出版後2ヶ月で合計6億円もの売上につながったのだそうです。

もちろん出版にかかった費用もあっという間に回収。

医師間での口コミも広がり、今でも見込み度合いの高い顧客からの問い合わせにつながっているんだそうです。

このように、本の売上では難しい出版費用の回収も、「本業を伸ばして売上をのばす」という目的であれば、あっという間にできてしまいます。

◉自費出版で印税に代わる利益を得るための4つのポイント

自費出版で印税に代わる副次的な利益をより得やすくするためのポイントは次の4つです。

・ポイント1:本の売上自体で儲けようとしない、副次的な利益を目的にする
・ポイント2:明確なターゲットを決め、内容も工夫する
・ポイント3:出版後に本をターゲットに届けられるような施策を実施する
・ポイント4:出版企画時点で出版後の活用を想定して戦略を練る

それぞれ詳しく見ていきましょう。

◉-1、ポイント1:本の売上自体で儲けようとしない、副次的な利益を目的にする

「自費出版では印税はもらえない」「売上還付金や売上分配金はあくまでおまけ」と考え、本を自身の販促ツールの一つとして活用することに注力しましょう。

どうしても「本の出版をする」と聞くと「本が売れれば印税が入る」というイメージが先行してしまい、本の売上による儲けを期待してしまう人が多いように思います。

本がたくさん売れるよりも、「本が自身の事業や商品・サービスのターゲットとなる見込み顧客にどれだけ届けられるか」の方が重要です。

本の出版による副次的な利益を目的にして本を企画し、制作・活用していく方が、費用回収も早く、損をするリスクも少なくなります。

◉-2、ポイント2:明確なターゲットを決め、内容も工夫する

自費出版は商業出版に比べて、自由に本の内容を企画できます。

そのため、「自分自身がただ書きたいこと」をつらつらと書いてしまいがちですが、印税に代わる副次的なメリットを追求するのであれば、「どんな人に読んでもらいたいか?」というターゲットを明確にし、そのターゲットに刺さる内容や、悩みの解決策やアドバイスを中心に内容を作りあげていくことが大切です。

自身の伝えたいことを盛り込むよりも、ターゲットが「この本なら自分の悩みを解決できそうだ」と感じてもらえるような内容であれば、読者からの見込み度合いの高い問い合わせや、ブランドイメージの向上などにつながりやすくなります。

◉-3、ポイント3:出版後に本をターゲットに届けられるような施策を実施する

自費出版でのよくある失敗は「出版して満足して終わってしまう」というケースです。

出版後にターゲットにどのように本を届けるのか、出版後のマーケティング施策を実施することが重要です。

いくら内容がターゲットに寄り添っていたとしても、それがターゲットの手元に届かなければ意味がありません。

たとえば、営業先などで名刺代わりに渡したり、自身の登壇するセミナーや講演会などで配布したり、SNSやWebサイトなどで情報発信をしたり、PR(プレスリリース)を打ったり、Web広告を打ったり、さまざまな施策を行い、ターゲットに届ける努力をしましょう。

出版社によっては書店流通や営業、マーケティング施策を依頼できる場合があるので、そういった外部サービスを活用するのも一つの手です。

◉-4、ポイント4:出版企画時点で出版後の活用を想定して戦略を練る

出版後の本の活用方法は、出版企画の段階から検討しておくのがおすすめです。

たとえば、「出版後にこういったマーケティングを行い、本をターゲットに届ける」「ブランディングに活用する」など、具体的な戦略を事前に決めておくことで、本の構成や内容なども目的に合わせて仕上げることができます。

出版してから「どう使おうか?」「どうターゲットに届けようか?」と考えるよりも、最初からそれを見据えて戦略設計しておく方が効果的な活用ができます。

◉【まとめ】自費出版は印税ではなく、副次的な利益を目的に検討しよう!

自費出版はそもそも印税が期待できるような出版形態ではありません。

短期的に本の印税や売上還付金、売上分配金だけで費用を回収しようとするのではなく、出版した本を自身の事業に活かすことで、副次的に利益を上げていくことが自費出版の成功のカギと言えます。

コンテンツマーケティング専門会社のフォーウェイでは、本をマーケティングツールの1つとして、活用を見据えた戦略設計、企画、本の制作、書籍流通や営業、マーケティング施策を一貫してサポートしております。

自費出版を検討されている方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。

「本を出版したい」と思った時に、誰でも自由に出版できてしまうのが自費出版の魅力です。

しかし、自費出版はその名称の通り、自分で出版に関わる費用をすべて負担する必要があります。

実際にネットなどで検索してみると、出版社によって自費出版の費用は大きく異なります。

たとえば有名な大手出版社の自費出版を見てみると数百万円程度だったのが、聞いたことがない出版社では数十万円だったり。

「一体どの出版社に依頼するのが良いのだろう?」「そもそもなぜその金額なのだろう?」「本当にそんな費用がかかるのか?」など、不安に感じてしまう方も多いのではないでしょうか?

今回は、自費出版するためにかかる費用相場や、費用が変わる要因などを出版社の現役編集者が詳しく解説いたします。

目次【本記事の内容】

執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)
画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 29d5ead1ee41a6d25524876e7bd315d5-scaled.jpg
慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。

◉自費出版の費用相場

自費出版にかかる費用は出版社や作る本の仕様、制作の方法によって大きく異なりますが、大体100万円〜1,000万円程度が費用相場です。

実際に数十万円程度で出版できる出版社もあれば、数百万円〜一千万円で自費出版を行う会社も存在します。

しかし、安いから良い、高いからダメ、という訳ではありません。

それぞれ安い理由、高い理由ががあるのです。

著者が「どのような書籍にしたいのか?」「書籍の出版で何を得たいのか?」によって、安いから良い場合と、高くても良い場合が異なるので、自分が出版を通して達成したい目的と、目指すべき成果物が妥当な費用感でできる出版社、制作方法を検討することが何より大切です。

◉-1、自費出版にかかる費用の内訳

本を出版するためには、原稿作成や編集、デザイン、印刷、流通、マーケティング、営業など、思った以上に多くの工程を踏む必要があります。

商業出版の場合、その全ての工程を出版社が費用をかけて行います。

しかし、自費出版の場合、その工程をどれだけ出版社に任せるのか、によって以下のような費用がかかってくるのです。

内訳概要
企画費書籍のコンセプトや方向性、ターゲットや内容の企画や構成を作成するための費用。
取材・ライティング費著者に代わり、ライターが著者にインタビュー取材を複数回行い、企画や構成に基づき原稿を書く費用。
撮影費書籍に掲載する写真素材をプロのカメラマンに撮影してもらう費用。
編集費1つの書籍として成り立たせるために、文章の流れや構成を整えたり、企画の意図に沿って読みやすく、伝わりやすいように文章を仕上げていく費用。
校正・校閲費誤字脱字や表記ゆれ、表現の間違い、事実関係などをチェックし、修正する費用。
デザイン費表紙や誌面レイアウト、挿絵イラストなどのデザインにかかる費用。
DTP費印刷用データを作成する費用。
印刷・製本費印刷し、書籍として製本するための費用。
書店流通費書店やネット書店への流通を行うための費用。
保管費出来上がった書籍を倉庫に保管しておくための費用。
販促・マーケティング費本を販売するための広告宣伝やPRを行ったり、マーケティング施策を実施するための費用。
書籍買取費著者が書籍を買い取る際に発生する費用。

こういった一連の費用がパッケージ化されていることも多いため、見積もりの際には「どの費用が内訳として含まれているのか?」「どの費用がオプションなのか?」などを確認することが大切です。

◉自費出版の費用が変わる主な要因

自費出版の費用は、著者がどこまで制作や工程を担うか、何部を印刷するのか、どのような仕様・装丁にするのか、オプションをどれだけつけるのか、などによって増減します。

自費出版の費用が変わる主な要因として抑えておきたいのが、以下の項目です。

・発行部数
・本の制作分担(原稿・デザイン)
・本のページ数・サイズ
・製本の種類(ハード・ソフト)
・書店流通・販促の有無
・依頼する出版社の知名度
・個人・法人

それぞれどのような要因なのか、どのぐらい費用が変わるものなのかを詳しく解説します。

◉-1、発行部数

自費出版の場合、大手出版社の場合は初版部数が1,000部〜2,000部程度、中小出版社の場合には500部〜1,000部程度が一般的です。

発行部数が多くなればなるほど、1冊あたりの単価は下がりますが、全体的な費用は上がります。

◉-2、本の制作分担(原稿・デザイン)

自費出版の場合、本の制作のうちどこまで著者が関わるかによって費用が大きく変動します。

たとえば、原稿をすべて著者自身で執筆すればライターに依頼するためのライティング費用がかからず、その分費用は安くなります。

表紙や挿絵のデザインや校正・校閲、編集作業なども同様です。

たとえば書籍のライティングや編集経験があれば、ある程度自分でできてしまうとは思いますが、全くの素人が行うと完成度は明らかに下がります。

後から修正をする場合は、修正費が別途かかってしまうこともあるため、どこまでを自分自身が担当するかは出版社の担当者と話合い、慎重に決めていきましょう。

◉-3、本のページ数・サイズ

本のページ数が増えれば増えるほど、また、本のサイズが大きくなればなるほど、サイズが一般的ではなく特殊になればなるほど、次表のように印刷や製本費用が高くなります。

判型(サイズ)寸法特徴費用感
文庫判約105×152mm文庫本のサイズ感。小型で軽量。再刊行に多いサイズ。安め
新書判約109×173mm文庫本が少し縦長になったサイズ感。文庫本と同様に小型で軽量。やや安め
四六判約130×188mm一般的なビジネス書や自己啓発本、小説、エッセイ集などの単行本に多いサイズ感。普及率の高いサイズ。普通
小B6判約112×174mm少年・少女コミックスのサイズ感。普通
B6判約128×182mm四六判よりも縦が短い。青年向けコミックスや歌集や句集、漫画、小説、エッセイなどに多いサイズ感。新書よりもやや大きく、イラストが多い書籍でも読みやすい仕様。普通
A5判約148×210mm研究書や学術書、実用書、長編の文芸作品などに多いサイズ感。文藝春秋などの文芸誌もこのサイズ感。やや高め
B5判約182×257mm一般的な週刊誌のサイズ感。週刊少年ジャンプなど漫画雑誌もこのサイズ感がほとんど。高め
AB判約210×257mm女性誌やファッション誌に多いサイズ感。高め
A4判約210×297mm写真集や画集、絵本などに多いサイズ感。記念誌や社史などにも使われることが多い。さらに高め

◉-4、製本の種類(ハード・ソフト)

本のカバーをハードカバーにするか、ソフトカバーにするのか、製本の種類の選択によっても費用は変わります。

本のカバーの種類特徴 
上製(ハードカバー)硬いボール紙を貼ったカバーで、耐久性が高く、高級感のある仕上がりになります。一方で持ち運ぶには不向きです。
並製(ソフトカバー)表面に柔らかい厚紙を使ったカバーで、軽量で持ち運びやすいのが特徴。表紙が曲がるので読みやすいという特徴もあります。
中綴じ針金を使って綴じる方法。雑誌やパンフレット向きの製本仕様。

ハードカバーは見た目の高級感があり、耐久性などにも優れていますが、ソフトカバーに比べて製本費用が部数によりますが、数十万円程度上がります。

一方で、ソフトカバーは比較的安く仕上がるという点から、ビジネス書や実用書などさまざまなジャンルで採用されています。

どちらを選ぶのかは著者次第ではありますが、ハードカバーの書籍は紙代の高騰や書籍が売れにくいなど、様々な理由で減ってきているのが実情です。

特にこれといった理由やこだわりがない場合は費用も安く抑えられるソフトカバーを選ぶのが一般的です。

◉-5、書店流通・販促の有無

自費出版の場合、本の書店流通や販促などは著者自身が行うのが基本です。

出版社に書店流通や販促を依頼したい場合には別途費用がかかるか、出版社によっては「書店流通付きプラン」のようにパッケージが用意されている場合があるのでそれを選びましょう。

書店流通や営業などを行うには専門知識や、人脈などが必要なため、出版社に依頼すると費用はどうしても高くなってしまいます。

◉-6、依頼する出版社の知名度

名の知れた大手出版社で自費出版する場合と、あまり聞いたことがない中小の出版社で自費出版する場合では価格が大きく異なります。

大手出版社は中小の出版社に比べて知名度があります。

そのため、大手出版社で出版すると、「大手出版社から本を出すほどすごい人なんだ」というイメージを持ってもらえるため「大手の◉◉出版社から本を出しました」というだけで著者の信用度が上がりやすくなります。

また、大手出版社が持つ全国の書店と強いネットワークを活用した流通力の高さもメリットの1つでしょう。

費用はその分高額になってしまいますが、ブランド力や流通力を活かした書店配本・営業が可能です。

書店によっては大手出版社の本というだけで、他の出版社と取り扱われ方が違ったりする場合もありますし、優先的に書棚に置いてもらえる可能性も高くなります。

このように、大手出版社の場合、費用は中小と比べて高額ですが、それだけのメリットを得ることができるのです。

しかし、読者は本を購入する際に「この大手出版社だから」と購入するわけではありません。

中小であっても営業力が高く、書店流通をしっかりと行えるノウハウを持つ出版社であれば、コストを抑えられるという点でおすすめです。

◉-7、個人・法人

個人での自費出版の場合、出版の目的は著者によってさまざまです。

「自分の作品を形にしたい」など、出版することが目的の方もいれば、自身の手がける事業の認知度を上げたい方、商品・サービスのPRのために書籍を活用したい方、など目的の幅が広いのが特徴です。

たとえば自伝をただ形として残したい、というように「自分の書いた原稿をただ本として出版するだけ」の場合には費用は当然ながら安くなります。

一方でビジネスの発展のために書籍を活用したい、など明確な目的がある場合や、譲れないこだわりがある場合などには費用は高額になります。

法人の場合(※企業の場合は自費出版ではなく「企業出版」「カスタム出版」)は、基本的に「出版すれば良い」というよりも、ブランディングや集客、商品・サービスのPRなどビジネス的なゴールのために出版を活用することがほとんどです。

その際には本の販促活動や、マーケティング施策の実施、書店流通などの実施が含まれるため、費用が高額になる傾向があります。

◉こんな時は自費出版の費用が高くなりやすい!

自費出版は「こんな本にしたい」と、こだわればこだわるほど費用は高くなっていきます。

出版社が推奨する作り方やフォーマットから逸脱した場合や、一般的な本のサイズ・装丁・ページ数などを逸脱した際に費用が高くなりやすいと言えます。

特に費用が上がりやすいケースとして押さえておくべきは次の6つです。

・本の制作をすべて出版社に依頼する
・本の書店流通や販促をすべて依頼する
・本のページ数が多い
・フルカラー印刷
・本のサイズ感が特殊
・本の装丁が特殊

それぞれ詳しく解説します。

もし自費出版の費用を安くしたい場合は参考にしてみてください。

◉-1、本の制作をすべて出版社に依頼する

原稿執筆やデザイン、校正・校閲、編集など本を出版する一連の工程を出版社にすべて任せることも可能ですが、その分費用は高くなってしまいます。

もちろん、出版社にすべて依頼した方がそれぞれの工程をプロが対応するため、本の完成度や品質は高まりますが、自分である程度対応した方が費用は安くなります。

しかし、知識や経験がない素人なのに安さを求めすぎて「自分ができる部分」を見極めずにやってしまうと、完成度や品質の低下や、後々の修正発生により思わぬ追加費用がかかってしまう可能性があるので冷静に判断していくことが大切です。

◉-2、本の書店流通や販促をすべて依頼する

自費出版の場合、本の出版後の販促活動は著者が行うのが原則です。

また、書店流通や書店営業は、専門的な知識とネットワークが必要になるため著者個人が行うのは難しいと言えるでしょう。

書店流通や書店営業を出版社に追加費用を支払って依頼することもできます。

「出版後にしっかりと書店流通や営業などを実施していきたい」という明確な目的があれば良いですが、特にそういった目的がないのであれば、費用が膨らむだけなのでやめましょう。

◉-3、本のページ数が多い

本のページが増えればその分印刷の費用が高くなります。

専門書のように内容が厚くなってしまう場合には仕方ありませんが、無駄にページを増やすのはやめましょう。

そのページ数が本当に必要かどうか、編集段階でできるだけページの取捨選択を行っておくことが重要です。

◉-4、フルカラー印刷

コンビニのコピー機の場合、モノクロ印刷は1枚10円なのに対し、フルカラー印刷は1枚50円かかります。

フルカラー印刷の方が5倍お金がかかってしまいます。

これは書籍の場合も同様です。

使う色の数が増えるにしたがって印刷費用は増えていきます。

写真集やイラスト集など色味が重要なジャンルの本を出版する場合は必要経費ですが、文章中心の書籍に不必要にカラーを多用すると、費用が一気に高額になってしまう可能性が高いです。

できるだけモノクロで、使ったとしてもカラーを2色程度に留められないかを検討しましょう。

◉-5、本のサイズ感が特殊

一般的な書籍サイズではなく、大きな判型や、特殊な判型を採用すると、印刷会社の標準工程から外れてしまい、追加で費用がかかってしまいます。

美術系の画集や、コンセプトブックなどサイズが特殊なジャンルの出版物であれば良いですが、一般的なビジネス書や実用書を出版する場合に特殊な判型を採用してしまうと、予想外に費用が高額になってしまうので注意しましょう。

◉-6、本の装丁が特殊

装丁に凝ったり、特殊な素材を仕様したり、オリジナルの造本をする場合はその分制作費用も上がります。

たとえば、表紙に型押しや箔押し、布張りなどを採用すると、それだけ手間や技術力が必要になります。

せっかくの出版なので本を豪華で目立つような装丁にしたい気持ちは理解できますが、その分費用は高くなってしまうので、特に意味や目的がなければ、一般的な装丁で出版することをおすすめします。

◉自費出版の費用を安くするためのポイント

自費出版をできるだけ安くするポイントは、出版社などが推奨する一般的な書籍仕様にすることです。

流通量の多い一般的な書籍の仕様に合わせることで、出版社も印刷会社も手間がかかりにくくなり、費用を安く抑えることができるのです。

このように、「ここだけは外せない」というこだわりを除き、次のような観点で費用を安くできないか、検証してみてください。

・本の原稿をできる限り自分で書く
・こだわる部分を絞る
・ソフトカバーにする
・カラーを使わない(モノクロ印刷・2色刷り)

それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

◉-1、本の原稿をできる限り自分で書く

文章を書くのが得意であれば、取材やライティングを外部に依頼しないことで、大幅に費用を安くすることができます。

ただし、本1冊分で文字数は数万文字以上になります。

数千文字程度の記事を書くプロのライターであっても、書くのは難しいほどの桁違いの文章量です。

よく自分の力量や原稿作成にかけられる時間を見極めて判断しましょう。

ライターに依頼する費用相場は30万円〜150万円程度とピンキリです。

ライターに依頼した方が費用はかかりますが、読者目線で読み手にとって読みやすい文章にすることができます。

特に本を出版する理由が商品やサービスのマーケティングや自身のブランディングであれば、「読者に伝わりやすい内容になる」という点でライターに依頼した方が良いと言えるでしょう。

一方で、自己満足的に小説やエッセイをまとめたり、自伝を作りたいなど、費用を最優先で抑えたい方にとっては「本の原稿をできる限り自分で書く」というのは、費用を安くするために有効な方法と言えます。

◉-2、こだわる部分を絞る

自費出版では著者のこだわりが強ければ強いほど、費用は高くなる傾向があります。

「せっかく出版するのだから自分で納得のいく本が作りたい」という気持ちはあると思いますが、費用を安くするためには、こだわる部分とそうでない部分を明確に分けることが重要です。

たとえば、本のタイトルや表紙のデザイン、内容など読者に影響する部分は徹底的にこだわり、それ以外は一般的な仕様にする、などです。

目的達成に不要な要素までこだわり、豪華にしようとするとあっという間に費用が膨らみます。

こだわる部分を絞り込んでいくためにも、「自分が自費出版を通して何を為し得たいのか」を明確にし、そのために必要なこだわりをリストアップしたり、優先順位をつけておくと良いでしょう。

◉-3、ソフトカバーにする

特にこだわりがないのであれば、ソフトカバーで十分です。

ハードカバーには高級感があるため、特別感を演出するには適していますが、費用がその分高くなります。

実際にビジネス書や実用書の多くは特別感よりも「読みやすさ」や「扱いやすさ」が重要だったりするので、特別な理由がない限りはソフトカバーが好まれています。

◉-4、カラーを使わない(モノクロ印刷・2色刷り)

写真集やフォトエッセイなどフルカラーでなければ意味がない書籍を除き、文章が中心の書籍であればフルカラーにする必要性はありません。

フルカラーにするだけで印刷費は大幅に上がります。

解説用のイラストなど必要な箇所だけカラーを使いたい場合には、ポイント使いの2色刷りを検討しましょう。

余計なカラーを入れずにシンプルにまとめることで、見やすさを損なうことなく、印刷費用を削減できます。

◉自費出版の費用を安くすればいいというものではない!

自費出版の費用は安いに越したことはありませんが、ただ安くすれば良いというわけではありません。

本の売上を目的とする商業出版とは違い、「出版した本をどのように活用するか」「出版した本を通してどのような付加価値や利益を得るか」が自費出版においては重要です。

費用を安く抑えたいがあまり書いたことのない原稿を無理やり自分で原稿を書いたり、表紙を素人の著者がデザインしたり、必要な部分まで極端に費用を削減してしまうと、本のクオリティや読者の満足度の低下につながり、目的達成が遠のいてしまう可能性があります。

自費出版として費用をかけて本を作る以上、目的達成のために必要な要素なのであればむしろ費用をかけるべきです。

目的達成のために不要な要素を徹底して削減し、必要な箇所に集中させることで費用対効果の高い投資にすることができるのです。

◉-1、出版後の活用を見据えた提案をしてくれる出版社を選ぼう!

出版そのものがゴールではなく、あくまでブランディングやマーケティング、商品・サービスの販促手段の一つとして自費出版を活用したい場合は、本の企画段階から、出版後の活用まで一連の戦略をあらかじめ立てておく必要があります。

そのため、こういった一連の戦略を提案し、一緒に考えてくれるような出版社を選ぶことが重要です。

たとえば弊社のようなコンテンツマーケティングの専門会社であれば、デジタルとアナログの両方のマーケティング施策などに精通しているため、ターゲットの選定から、出版後の活用案、活用から逆算した書籍内容の企画まで、一連の流れをご提案させていただいております。

出版を戦略的に活用したい方は、マーケティング視点を持った出版社に相談するのがおすすめです。

◉【まとめ】自費出版の費用が回収できるかどうかは出版後の活用法が重要!

自費出版では数十万〜数百万円程度の費用がかかります。

かかった費用を本の売上だけで回収するのは難しいと言えます。

しかし、出版後にターゲットにしっかりと書籍を届け、自身のビジネスの新規依頼につながったり、本の売上以外のところで費用の回収やそれ以上の利益を上げることは十分に可能です。

自費出版に失敗した、という事例のほとんどが「とりあえず出版したが、その後うまく活用できずに大量の在庫が残り続けてしまう」というパターンです。

実際に弊社で出版した経営者の多くは、事前にしっかりと出版後の活用を見据えて企画・制作を行っているため、別のところで費用回収がスムーズにできています。

企業であれば、事業の認知度を高たり、ビジネスの商談ツールとして活用できますし、個人であっても出版した本をSNS上や、セミナーや講演会などのイベントで地道に配っていくことで新規顧客や人脈の開拓につながるかもしれません。

フォーウェイでは、あくまでも出版を一つの手段として捉え、事業の売上の拡大につなげたり、ブランディングにつなげていくにはどうすれば良いか、を考えて本づくりを行っております。

自費出版でかけた費用が高くても、そのおかげで良い本ができ、自身の事業で費用回収を上回る利益が出れば全く問題ありません。

自費出版の費用の検討は重要ですが、費用よりも「出版を通してしっかりと目的を達成できる本」を作ることの方が大事です。

もし自費出版を検討されている方は、フォーウェイまでご相談ください。

経営者個人が「自分自身の事業や会社の認知拡大のために本を出版したい」と思った時に検討すべきな方法が「自費出版」です。

「商業出版」は出版社企画のものであり、経営者側、つまり著者側が「本を出したい」と思った企画を出すケースは稀です。

つまり、よほど知名度のある人でない限り、「本を出版したい」と思った時に取れる選択肢は「自費出版」なのです。

しかし、ネットで検索してみると「自費出版はほとんど売れない」とネガティブな情報が書いてあったり、実際に自費出版してほとんど売れなかった人の体験談なども多くあがっています。

「せっかくお金を出して自費出版するのにほとんど売れないなんて…」と不安になった方もいらっしゃるのではないでしょうか。

実際、自費出版はそう簡単に売れません。

しかし、「自費出版がほとんど売れない」と言われているのには、ある決定的な理由があるのです。

その理由とやっておくべき対策を知れば、自費出版でしっかりと本を売り、結果として出版費用以上の利益をあげることが可能です。

実際に弊社で出版した経営者の多くは、出版にかかった費用以上の利益を享受できています。

今回は、「自費出版がほとんど売れない」と言われている理由とやっておくべき対策について、実際に現役の書籍編集者が詳しく解説します。

目次【本記事の内容】

執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)
画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 29d5ead1ee41a6d25524876e7bd315d5-scaled.jpg
慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。

◉自費出版した本がほとんど売れないのは出版不況のせい?

自費出版をした本が売れない理由の1つとしてよく挙がるのが「出版不況」です。

結論から言えば、自費出版した本が売れないのは出版不況のせいではありません。

公益社団法人全国出版協会の「日本の出版販売額」で公開されている次の統計データを見てください。

日本の出版販売額

出典:出版指標年報 2023年版

この統計によれば、出版物全体の推定販売金額は1996年から2022年にかけて26,564億円から16,305億円と4割近くも減少しています。

この全体の販売金額の減少から、出版業界全体が沈んでいるように見えてしまいますが、その内訳を見てみると、その減少分の大半を「雑誌」が占めていることが分かります。

書籍も1996年の10,931億円から、2022年は6,497億円と下がっていますが、実際はNetflixやYoutubeなどの動画配信サービスが普及したことで娯楽の選択肢が広がり、小説などのエンタメ系の本が売れにくくなっていることが原因です。

一方で、ビジネス書や実用書などの「学びを得られる本」は、堅調に売れ続けています。

特に自己啓発やマネジメント、マーケティングなどのジャンルは、経営者やビジネスパーソンによるニーズが根強くあり、安定した売れ行きを維持しています。

つまり、「出版不況だから自費出版した本が売れない」のではありません。

エンタメ系や小説の自費出版本であれば影響が考えられますが、ビジネス書や実用書の自費出版本が売れないのは別の理由からです。

◉-1、電子書籍による自費出版ってどう?

前述の出版物全体の推定販売金額を見ると、2014年ごろから電子出版の市場が拡大してきていることが分かります。

それに伴い電子書籍による自費出版サービスなども増えてきていますが、公共社団法人 全国出版協会が公表している「2022年 出版物売り上げシェア」を見ると、紙の書籍のシェアが39.8%なのに対して、電子書籍はわずか2.7%しかありません。

電子出版の売上のほとんどを占めるのが電子コミックスです。

出典:出版指標年報 2023年版

電子書籍は格安で自費出版ができるメリットがありますが、マーケティング面や社会的な権威性などを考えると影響力が紙の書籍に比べて弱くなりがちです。

自費出版をする価値は紙の書籍の方が依然として高いと言えるでしょう。

◉自費出版した本がほとんど売れない!3つの理由

「自費出版した本がほとんど売れない」と言われる理由は出版不況ではなく、「本を出版するだけ」で終わってしまっているためです。

具体的には次の3つの理由から、出版後の販促活動が不十分なため、売れずに終わってしまっていることがほとんどです。

理由1:書店流通が行われていない
理由2:本を販売するための広告・宣伝・マーケティングを実施していない
理由3:出版後の目的を見据えて本を作っていない

それぞれの理由について、詳しく見ていきましょう。

◉-1、理由1:書店流通が行われていない

自費出版の場合、書店流通は行われないのが基本です。

書店流通を行うためには別料金が必要です。

別料金で書店流通を行ってもらえたり、書店流通付きのプランを用意している出版社もありますが、その効果はそこまで期待できません。

ベストセラーになっている本のほとんどは商業出版であり、出版社が多くの費用をかけて書店流通や書店営業を行っているのです。

◉-1-1、大手書店に配本されるかどうかは出版社次第

書店流通を別料金で出版社に依頼できたとしても、全国の大手書店に配本できるかどうかは、出版社の営業力や取次会社との関係次第と言えます。

もし自費出版で書店流通を考えているのであれば、そういった書店流通について事前に「どのような書店に配本が期待できるのか?」などを聞いておきましょう。

◉-1-2、書店できちんと陳列されるかどうかは出版社と書店の関係性次第

大手書店に流通したとしても、実際に店頭に並ぶかどうかは書店の判断によります。

書店もビジネスなので、売れる見込みのある本を優先的に目立つ場所に並べていくのが一般的です。

また、日本では1日に約200タイトル、1ヶ月で約6,000タイトル、1年間で約7万タイトルもの新刊が刊行されています。

そのため、書店がすべての新刊を出すことは時間的にも物理的にも不可能であり、売れ筋の本や関係の深い出版社の書籍が優先的に棚に並ぶのが現実です。

「実際に書店配本したはずなのに、自費出版した本が棚の片隅に1冊だけ刺さっていただけだった」「書店に一回も並ぶことなく返品された」「自費出版専用の棚に並べられただけだった」というケースも決して珍しい話ではありません。

書店流通したとしても、書店に並ぶためには書店のバイヤーやスタッフに「売れそう」と思わせる魅力的なタイトルや表紙デザインにすることが重要です。

◉-2、理由2:本を販売するための広告・宣伝・マーケティングを実施していない

商業出版の場合、出版社がしっかりと費用をかけて書籍の広告や宣伝、販促活動を行います。

しかし、自費出版の場合は、広告・宣伝・マーケティングは著者自身で行うのが原則です。

出版社にお金を支払って行ってもらうことも可能ですが、商業出版のように出版社がお金をかけて大々的に行ってくれることはありません。

自身でSNSで情報を拡散したり、セミナーや講演などで配ったり、営業先で名刺代わりに配布したり、地道な販促活動を行わなければ当然ながら本は売れないのです。

自費出版の本が売れないのは、こういった書籍の販売のための活動を自身で行っていないことが最大の原因です。

◉-3、理由3:出版後の目的を見据えて本を作っていない

「本を出版すること」が目的となってしまい、出版したという自己満足で終わってしまっていることも自費出版の本が売れない原因の一つです。

本の出版を通じて「何を得たいのか?」「何を実現したいのか?」「誰にどうなって欲しいのか」などが不明確な状態で本を作っても、出版後に本をうまく活用することができません。

たとえば、弊社で出版をサポートしたある保険代理店の経営者は、ベンチャー企業としてもう一段上のステージに登るためのブランディング向上を目的に本を出版。

本を出版する目的や活用方法を見据えて戦略的に企画をした上で出版をしたため、結果として、同業者から一目おかれる存在となり、講演依頼や、大手企業からの案件獲得、優秀な人材獲得につながっています。

当時、ベンチャー企業としてはある程度安定していて、もう一段階上のステージに登るための方法がないか考えていたところでした。もちろん課題はたくさんあったんですが、少し長期的で効果が未知数な投資もやる資金的な余裕はあった、というのが実情です。
引用元:【事例コラム】大口案件の集客、人材採用、大手企業からの講演依頼!出版ですごいことになった保険代理店

「自分の考えをこういう層の人たちに知ってもらいたい」でも良いですし、「自身の手がける商品やサービスのPRがしたい」でも良いので、出版する目的を明確にすることが重要です。

目的やターゲットが曖昧なまま出版してしまうからこそ、作りも内容も曖昧になりやすく、誰にも刺さらずに、ほとんど売れない本になってしまうのです。

◉自費出版の本が売れるようになるためには?

自費出版の本が売れるようになるためには、単に本を出版するだけでは不十分です。

1冊でも多くの本が読者に届くように、あらゆる努力を著者自身がする必要があります。

具体的には次の3点ができないかを検討しましょう。

・書店流通、販促を行う
・出版イベントやセミナー、営業などで配る
・明確な目的を見据えて本を作る

それぞれ詳しく解説します。

◉-1、書店流通・販促を行う

自費出版した本が売れるようになるためには、書店流通は重要です。

ビジネス書や実用書の場合、特定のジャンルの棚に置かれていれば、自然とそのジャンルの悩みを抱えた人や、関心を持った人が手に取り購入してくれる可能性が高まるためです。

また、こういった書店ではWeb広告やSNSなどではリーチができないような知的欲求の高い層に手にとってもらえる可能性が高いため、1冊でも多く売るためには書店流通も欠かせません。

しっかりと書店に流通し、さらに特定のジャンルの棚に置いてもらうためには、出版社の力や取次会社との関係性が必要になるため、自費出版を考える際には、そういった書店流通実績のある出版社を選びましょう。

◉-2、出版イベントやセミナー、営業などで配る

著者自身が販促活動を行うことも本を売るためには重要です。

たとえば、出版記念セミナーや書籍のターゲットにとって関心が深いテーマの講演会や勉強会を開催し、参加者に本を配ったりするのも効果的です。

また、営業先で名刺代わりに「こういった書籍も出版しているのでぜひ」と配るのも良いでしょう。

書籍を受け取った側としては「この人はこういった専門性を持った人なのか」「書籍を出すほどの人なのか」と信用が上がり、新規顧客の獲得につながりやすくなります。

WebやSNSなど、オンライン上で本をPRしていくのも良いですが、ターゲット層を直に集めて、直接書籍を配布することで、本の内容に興味を持ってもらいやすくなり、仕事の依頼や紹介の発生につながる可能性が高くなります。

◉-3、明確な目的を見据えて本を作る

自費出版した本を1冊でも多く売るためには、「誰に読んでもらいたいのか」「読んでどんな行動を起こしてもらいたいのか」という明確な目的を持つことが重要です。

たとえば、弊社で出版をサポートしたある不動産会社の経営者の場合、「医師」という明確なターゲット設定があり、「多忙であるが故に高額な税金への対策が十分に取れていない医師の方に効果的な節税対策として不動産投資を紹介する」という目的も明確でした。

表紙をパッと見た瞬間に医師が「自分たち向けの本だ」ということがわかるように、表紙に「医師の〜」と大きく入れるなど、工夫を凝らしたのです。

その結果、多くの医師に手にとってもらえ、問い合わせ獲得増加につながりました。

このように、本を出版するターゲットや目的が明確になっていれば、「どうすればターゲットに手に取ってもらえて、目的を達成することができるのか」なども定まってきます。

そのターゲット層に1冊でも多くの書籍が渡るような工夫ができるので、漠然とした目的で本を作るよりも、本が売れやすくなり、目的の達成にもつながりやすくなるのです。

◉そもそも自費出版が多く売れると期待することが間違い!

そもそも、自費出版は商業出版のように出版社が大規模な販促活動を行う訳ではなく、たくさん売ることを目的とした仕組みになっていません。

そのため、自費出版で「たくさん売れる」という期待を持つこと自体が間違いです。

かつて書籍の初版部数は3,000部が一般的と言われていましたが、近年では、大手出版社の自費出版でも初版部数は1,000部〜2,000部程度が一般的であり、3,000部を超えることは稀です。

中小出版社となると、現実的には500部〜1,000部程度が多く、それらの一部が売れただけでも成功と考えるべきです。

もちろん、何か書籍を配る予定があり、確実に必要だったり、販売してみて売れ行きが好調な場合は1,000部以上を検討しても良いですが、何の目測もなく1,000部以上を刷るのはリスクが高いと言えます。

◉自費出版の本はほとんど売れなくても成功する!

自費出版は、売上や販売部数だけで成功か失敗かを判断する出版方法ではそもそもありません。

仮に1,000部のうち半分の500部しか売れなかったとしても、書籍を通じて自身の事業や商品・サービスへの問い合わせ、受注が増えたり、業界内外で自身の認知度が向上したりするなど、人それぞれ出版した目的によって成功したかどうかの判断ポイントが異なります。

本が売れたら成功、売れなかったら失敗というのは出版社が自身の利益のために行う商業出版の判断基準であり、自費出版とは異なります。

次のようなポイントを重視し、そもそも「ほとんど売れなくても成功する」という方向性で自費出版を検討することが成功の秘訣です。

・ポイント1:本の売上以外のところで利益を出す
・ポイント2:明確なターゲットを設定して、届けるための施策を実施する
・ポイント3:ターゲットの目を惹く本を作る

具体的にどのようなポイントかを詳しく解説します。

◉-1、ポイント1:本の売上以外のところで利益を出す

次のような目的で、本を自身のブランディングや、商品やサービスのマーケティング手法の1つとして活用していくことで、自費出版の費用以上の売上や利益につなげることができます。

・セルフブランディングの強化
・自身の商品・サービスの集客
・営業ツールとしての活用
・新規顧客の獲得
・社会的権威性の獲得
・業界内外での認知度拡大

このように出版自体で売上や利益をあげようとするのではなく、出版を通じて得られる付加価値や、ビジネスチャンスの拡大に重きをおくことで、自費出版の成功率が格段に上がります。

◉-2、ポイント2:明確なターゲットを設定して、届けるための施策を実施する

「たくさんの人に読んでもらいたい」というアバウトな考え方は自費出版では捨てましょう。

「ターゲットにだけ読んでもらえればいい」という考えで、ターゲットに書籍を届けるための施策を徹底することで、数は売れなくても自身の商品やサービスを強く訴求することができます。

書籍なのでしっかりと本を読んで、読者にファンになってもらえる可能性もあります。

このように、本を届けたいターゲットを明確に設定し、その層にだけ届くような施策に特化することも自費出版で成功する秘訣です。

◉-3、ポイント3:ターゲットの目を惹く本を作る

どれだけ有益な情報が書いてある本であっても、ターゲットに刺さるような書籍でなければ手に取ってすらもらえません。

次のようなポイントを抑え、ターゲットの興味を惹くような書籍を心がけて作ることも自費出版の成功を左右する重要なポイントの1つです。

・タイトルはシンプルでわかりやすく、ターゲットに刺さる文言を選ぶ
・表紙デザインを工夫する
・ターゲットが抱える課題解決に役立つ内容にする

「ジャケ買い」という言葉があるように、本のデザインやタイトルは、書店やネットで見た際に「これは読んでみたい!」と思わせたり、ターゲットの足を止める重要な要素になります。

ターゲットが何に悩んでいて、どのような解決策を求めているのかをしっかりとリサーチした上で本を作ることが大切です。

◉出版の成功事例

弊社では、自費出版ではなく、企業出版という出版方法のサポートを行っています。

企業出版は「著者が費用を出して出版する」という点は自費出版と共通していますが、一般的な自費出版とは異なる出版方法です。

▶︎企業出版については関連記事【企業出版(ブックマーケティング)のメリットとは? 企業が考えるべき出版による効果】もあわせて参考にしてください。

しかし、企業出版の「ターゲットにしっかりと届けたい内容を届けることができた」という点は自費出版での成功に通づるものがあります。

自費出版を検討されている経営者の方は、ぜひ企業出版という選択肢とともに参考にしてみてください。

◉-1、大手企業からの案件獲得や差別化に成功した保険代理店

ベンチャー企業として次なるステージに進むことを目的に、業界内外の認知獲得や競合他社との差別化、ブランディングのために出版した事例です。

書籍の中では保険代理店の経営者層をターゲットに置き、保険業界では当たり前となっている「成果報酬型」の給与体系ではなく、「一律報酬型」を提唱。

少数のホームランバッターに頼る不安定な経営から脱却し、アベレージヒッターを生み出す安定的な経営と業績の拡大が実現できるといった持論を展開しました。

出版しただけではなく、しっかりとターゲット層に届けるような施策を行ったことで、結果として業界内での多くの反響を呼び、コンサル契約の獲得や大手企業の案件獲得、講演依頼、優秀な人材獲得など多方面で結果につながりました。

書籍の出版にかかった費用以上の売上アップや利益向上、コスト削減につながった好事例です。

よく本を出したと言うと知り合いから「何冊売れて印税でいくら儲かったの?」と言われるんです。いやいや、そういう話じゃないんだよと。書店で本を売るのは手段の一つであって目的ではなく、出版によって広告効果を得るのが狙い、と考えて取り組むべき施策だと思います。
現に当社でいうと、直接的な案件獲得による利益だけでも余裕の出版費用ペイ。間接的なものも入れると測定しきれないような成果が出ています。
引用元:【事例コラム】大口案件の集客、人材採用、大手企業からの講演依頼!出版ですごいことになった保険代理店

同時に、出版においては販売部数よりも「ターゲットに何をどうやって届けるか?」が重要なことに気づかせてくれる事例と言えるでしょう。

◉-2、ターゲットからの受注増につながった不動産会社

不動産投資用の物件を専門に取り扱う不動産会社は、高収入でありながら多忙で節税に困っている医師をターゲットに「効果的な節税対策の1つとして不動産投資を知って欲しい」という目的で書籍を出版。

Web広告やSNS運用などを行っても全く成果につながらなかったということから、全く違うチャネルへのアプローチも期待しての出版でした。

1人でも多くの医師に届けるような施策を実施したことで、書籍から直接複数件の不動産投資案件の成約につながっています。

また書籍を読んだ医師が、知り合いの医師に書籍を紹介してくれるなど口コミで広がり、案件の成約数が増えただけでなく、医師向けに特化した不動産会社というブランディングの確立や、数ヶ月以上という成約までの長いリードタイムの短縮化にもつながっているそうです。

不動産投資案件の1つひとつの売上が大きいため、書籍の出版費用はあっという間に回収し、それ以上の売上や利益の獲得につながっています。

このようにターゲットを明確に定め、1冊1冊を丁寧に届けていくことが重要だと、考えさせてくれる成功事例と言えるでしょう。

◉-3、問い合わせ増・認知拡大につながったコンサル会社

建設業専門のコンサルタントが、業界内での認知度拡大を目的に出版。

ターゲットは建設業の企業の決裁権者です。

ターゲットの興味を惹くタイトルやデザインにするなど、少しでも手にとってもらえるような工夫を凝らし、ターゲットに届けるようなマーケティング施策を実施した結果、問い合わせの獲得につながり、出版費用を一気に回収。

業界内で認知してくれる企業を着実に増やし、問い合わせの継続的な獲得につながっているそうです。

こういったニッチであまりWeb広告やSNSなどではアプローチできない層に一つひとつ丁寧に届けることができることの大切さに気づかせてくれる成功事例と言えます。

◉【まとめ】自費出版はほとんど売れなくても成功するように明確な目的を持ち、工夫することが大切!

自費出版が売れない理由や、売れるようにするための方法を紹介してきましたが、そもそも自費出版は「本を売った量」を目的にするのではなく、「本の出版を通じて何を得るか」を目的にすることが成功のカギと言えます。

本がいかに売れたか、売れなかったかを基準にするのではなく、認知拡大や自身のビジネスの発展につなげることを意識することで、大きく売り伸ばしを図ることができなくても出版の費用以上の利益を得ることができます。

コンテンツマーケティングの専門会社フォーウェイでは、出版を一つのマーケティング手法として活用し、自身の事業の成長や、商品・サービスの売上向上、自社の認知度向上などにつなげる出版をサポートしています。

自費出版を検討されている経営者の方、事業主の方はぜひフォーウェイまでお問合せください。

目標達成のための最適な出版方法や、出版後の活用を見据えた書籍の制作をご提案いたします。

個人や企業が「本を出したい」と思った時に活用する手段が自費出版(企業の場合は企業出版)です。

自費出版は著者が費用を出して出版するため費用はかかりますが、誰でも自分の考えや事業について本が出せるというメリットがあります。

しかし、「本を出したい」と思い、ネットで「自費出版」関連のキーワードで検索してみると、「自費出版はやめておけ」「自費出版をして後悔した」など、ネガティブな情報も目に入ってくると思います。

また、実際に友人や知人などから「やめておけ」と止められた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

自費出版という方法自体は、商業出版のように出版社に企画が通らなければ出せないという制約もなく、誰もが自分の考えを本に載せて世の中に出せる素晴らしい方法ですが、実際に一部で悪質な詐欺まがいの自費出版業者もおり、トラブルに巻き込まれる可能性もゼロではありません。

そのため、自費出版を検討される際には、そういった悪質な自費出版業者からカモにされないように、出版した後に「詐欺まがいだ」「話と違う」などトラブルにならないように、正しい知識を持つ必要があります。

今回は、そんな自費出版で詐欺まがいの出版業者にカモにされないために注意すべきポイントを、現役の書籍編集者が注意喚起の意味で詳しくご紹介します。

目次【本記事の内容】

執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)
画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 29d5ead1ee41a6d25524876e7bd315d5-scaled.jpg
慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。

カモにされた!実際にあった自費出版のトラブル事例

実際に自費出版で「カモにされた」「話と違う」「詐欺まがいだ」と言われている出版社と著者のトラブル事例をいくつかご紹介します。

まずは、どんなトラブルで「カモにされた」と著者側が後悔するケースがあるのか、実際の事例で知っておきましょう。

◉-1、書店に並ぶと言っていたのに全然並ばない

営業マンから「書店に並びますよ」と言われ、いざ出版後に書店に行ってみるとどこにも並んでいなかったことでトラブルになるケースがあります。

実は自費出版の場合、書店流通は費用の中に含まれていないことがほとんどです。

基本的にはオプションとして、別途費用を支払って広告や宣伝、書店配本・営業などを依頼します。

自費出版の営業マンが「書店に並びます」というのは「書店配本オプションをつけた場合は」という前提がある可能性が高いので注意しましょう。

また、書店配本オプションをつけたらと言って自分が希望する書店に期待した形で並ぶかは保証できないことも認識しておきましょう。

専門コーナーの本棚の片隅に1冊だけ置かれていたり、書店によっては自費出版専用の棚があり、そこにまとめられている、という場合もあります。

「大型書店の専門ジャンルの棚にしっかり平積みされるのでは?」と過度に期待してしまうと、結果的に「話が違う」と感じてしまうかもしれません。

こうした誤解や自費出版の流通に過度な期待をしないためにも、契約する前に書店配本・流通のプラン内容や費用についてしっかりと出版社側の説明を聞くようにしましょう。

営業マンが「書店に並びますよ」と過度な期待をさせてくるような出版社ではなく、そういった事実や可能性について事前に説明してくれる出版社を選ぶのがおすすめです。

◉-2、売れると言っていたのに、全然売れない

営業マンから「この本はきっと売れますよ」と言われたが、実際にはほとんど売れずに在庫が残ってしまった、というトラブルもよく聞きます。

まず、大前提として自費出版で本を出しただけではほとんど売れません。

なぜなら、自費出版は商業出版と違い、多額の費用をかけて大々的に広告や販促、書店営業を行う訳ではないからです。

自費出版の場合、著者自身が積極的に売り込みや宣伝をしない限り、売れるのは難しいというのが現実です。

世の中でベストセラーとなる本の多くは商業出版であり、出版社が世間のニーズを汲み取って練りあげた企画と本の著者の知名度、そして多額の費用をかけた宣伝の3つの相乗効果で販売しているからこそできることと言えます。

自費出版で同じレベルの販売を行うためには、商業出版と同様に相応の費用をかけてマーケティングを行っていく必要があるのです。

自費出版の場合もオプションで広告や販促、書店流通・営業を依頼できたりしますが、商業出版と同じレベルの宣伝効果は期待できないので、過度な期待は持たないようにしましょう。

最初から「自費出版は売れないのが普通」という意識を持ち、出版によって知名度を高めたり、自分自身のビジネスをターゲット層に知ってもらったり、本の売上以外の部分でメリットを得ていく方が真っ当です。

本自体で利益を上げるのではなく、あくまで自分の表現や原稿を本という形にして自己表現を実現するのが自費出版、認知を広げて自身のビジネスや事業などで利益をあげていくのが企業出版と覚えておきましょう。

営業マンが「この本は売れますよ!印税で儲かりますよ」と過剰に強調する場合には注意しましょう。

むしろ「自費出版は商業出版のように売れないのが基本です」という前提の元で「一緒に頑張って売っていきましょう」と売り方やアイデアを提案してくれるような営業マンは信用できます。

売れ残った本を買い取れと言われ、追加で費用がかかってしまった

「書店に配本して売れ残ったから買い取ってくれ」と言われて、追加で買い取らなければならなくなった、というトラブルもよく聞きます。

そもそも自費出版では、著者が発行部数全ての費用を負担します。

書店の流通をオプションとしてつけた場合、「書店に流通した本で返品された在庫は最終的に著者が買い取る」という契約になっていることが少なくありません。

そのため、「書店で売れ残った本を買い取る」というのは自費出版ではごく一般的なことです。

トラブルに発展するケースというのは、営業マンが契約時点で「書店で売れ残った本については著者が買取ることになります」と説明していなかった、もしくはその説明を聞いていなかったお互いの認識のズレが原因です。

悪質な自費出版業者の場合には、契約時にこういった買い取りに関する項目について説明しなかったり、契約書の読み合わせをせずに契約締結を求めてくることがあります。

こういったトラブルを避けるためにも、しっかりと自費出版業者に説明を求めたり、契約書の読み合わせを行ったりしましょう。


株式会社フォーウェイ代表取締役 / クリエイティブディレクター
仲山 洋平
企業出版の場合は自費出版とは異なり、企業ブランディングやPRを前提にした出版施策のため、当然ながら書店への流通を前提とした仕組みが整っています。しかし、自費出版の場合はそもそも流通はオプションで別料金で行うことがほとんどなため、出版社によってはこういった書店流通の仕組みが整っておらず、認識のズレからトラブルに発展してしまうことが多いので注意しましょう。

◉-3、著作権を知らぬ間に奪われてしまった

自費出版の場合、著作権は著者に帰属するのが一般的です。

しかし、中には「著作権を出版社側に譲渡する」という内容の条項が契約書に含まれている場合があり、知らない内に著作権を奪われていたというトラブルも聞きます。

本の著作権が出版社に奪われてしまうと、著者が本の二次利用(翻訳、映像化、記事化、営業ツール化など)を自由にできなくなってしまうので、契約書の著作権の項目があるかどうか、著作権を著者側が持てる内容になっているのかを必ず確認しましょう。

もし著作権が出版社側という内容になっていた場合には、しっかりと説明を求めましょう。

◉-4、出来上がった本のクオリティが低かった

「紙質やデザイン、編集の粗さなど、予想よりもずっと品質が低い仕上がりになってしまった」というトラブルも聞きます。

悪質な出版社の場合、印刷費用や編集費用を最小限に抑えるために、制作工程を勝手に省略していることがあります。

「クオリティが低い」と問い合わせても「これが普通です」と開き直られてしまうだけなので、契約前に過去の自費出版物やサンプルなどを実際に見せてもらい、紙質やデザイン、編集の完成度を確認しておきましょう。

なお、「有名な大手出版社だから大丈夫だろう」という思い込みも危険です。

大手出版社の場合は紙質だったりあからさまに本のクオリティが低くなることはないものの、大量の案件を抱えて編集部の仕事が回っておらず、編集が粗くなる、ということも少なからず想定しておくべきです。

◉-5、儲かると言われていたのに、実際は在庫の山になってしまった

営業マンから「この本は売れますよ!利益が出ますよ」と言われて期待していたのに、蓋を開けてみたらほとんど売れずに在庫の山が残った、というケースもトラブルとして珍しくありません。

もちろん自費出版した本が話題となり、売上が伸びて大きく利益が出るケースもありますが、こういった成功事例はごく一部です。

営業マンが「このジャンルは売れやすいですよ」「本の売上で利益が出ますよ」と強調してくる場合には口車に乗らないように注意してください。

本が売れる前提で話す出版社よりも、むしろ「売れない前提でどう本を活用していくと利益につながるか?」を提案してくれるような出版社を選ぶ方が健全です。

◉-6、自由に書けると言われたのに、実際は制約ばかり

商業出版とは違い、自分自身が世の中に発信したい内容を本にできるのが自費出版のメリットですが、「自由度が高いはずの自費出版なのに、実際に作ってみると制約ばかりで全然自由に書けなかった」とトラブルになるケースもあります。

自費出版は自由と言っても「法に触れない範囲で自由」というのが正しい認識です。

法に触れるような内容は出版社による修正などが入る、と思っておきましょう。

なぜなら、自費出版であっても本を出版する場合には本の最後のページに出版社名が掲載されるからです。


株式会社フォーウェイ代表取締役 / クリエイティブディレクター
仲山 洋平
もし出版された本の内容が法に抵触することが発覚した場合、法に触れた本の著者だけではなく、その本を出版した出版社の責任も問われる可能性があるので、法に触れる範囲は出版社としても当然修正を入れていくのが一般的です。

近年は薬機法(旧薬事法)や、景品表示法、ステルスマーケティング規制など、広告・宣伝に関する法規制が厳しくなっています。

たとえば著者が自分のプロデュースした商品について本の中で「この美容液を使えば若返り効果があります」などと書いた場合には、薬機法(旧薬事法)に抵触する恐れがあるため、出版社側で修正指摘が入るはずです。

このように、「自費出版だからなんでも書いてOKという訳ではなく、あくまで法律や規制の範囲内で自由」という認識で自費出版を検討しましょう。

あらかじめ出版社に「どんな表現が問題になるのか?」「どこまでOKなのか?」といった範囲を確認しておくのも有効です。

期待値のズレによって、悪質ではない出版社でも詐欺まがいだと言われているケースもあるので注意!

自費出版におけるトラブルは大きく次の2つのケースに分類できます。

・明らかに出版社側が悪質であるケース
・著者と出版社の認識の違いにより「詐欺まがいだ」と誤解されてしまうケース

出版社側が明らかに悪質なケースは、今回解説するようなトラブル事例や対処法を知っておくことで事前に防ぐことができます。

一方で、後者のケースについては、どの出版社でも起き得ることです。

なぜなら、そのトラブルの多くが、著者側が抱く「自費出版すれば書店に自分の本が並んでたくさん売れるはず」という期待と、出版社側の「そこまでの成果は保証できない」という認識のズレによって起こるものだからです。

営業マンのトークだけを鵜呑みにしてしまうと、「本が大手書店で平積みされる」「本が多く売れて利益が出る」というイメージが先行してしまいます。

実際には、それを実現するためには追加費用や著者自身の努力が必要であり、場合によってはほとんど売れないこともあります。

この認識を著者がしっかりと持っておくことで、自費出版におけるトラブルを回避できるはずです。

口コミよりも、実際に営業マンや担当者に合ってみて「自費出版は売れないことが基本」という大前提の元、本の売上以外のところでいかにメリットを得るか、利益を出していくのか、などについてしっかりと提案してくれるような出版社を選ぶのがおすすめです。

自費出版で悪質出版社のカモにならないために特に注意すべき5つのコト

自費出版で悪質な出版社のカモになってしまわないようにするためには、契約前の確認が重要です。

具体的には次の6点を契約前に確認しましょう。

・自費出版にかかる費用
・契約内容
・売れる、売れないの期待値
・出来上がる本の品質、仕上がり
・出版後の活用方法
・担当者の対応

それぞれ、詳しく解説していきます。

◉-1、自費出版にかかる費用

自費出版の費用は編集やデザイン、印刷部数、書店への流通の有無などによって大きく変わります。

依頼する出版社や、自費出版のプランやつけるオプションによっても変わってきます。

自費出版をする上での費用関係はトラブルに発展しやすい要素の1つなので、「総額でいくらになるのか?」を契約前に見積もってもらい把握しておきましょう。

この時、「追加費用がかかるとすればどんな時にいくらぐらいかかるのか?」についても合わせて問い合わせておくと安心です。

▶自費出版の費用相場については、関連記事【自費出版とは?メリットやデメリット、費用相場、成功事例などを解説】もあわせて参考にしてください。

◉-2、契約内容

自費出版のトラブルのほとんどが「最初に言っていたことと違う」という認識のズレによっておきます。

そのため、契約時の認識合わせ、取り決めは特に重要です。

口頭でどんなに「大丈夫です」と言われても、契約書に書いていないことは後から争点になる可能性が高く、トラブルの原因になるので注意しましょう。

具体的に後々トラブルになりやすいのは以下のような項目になります。

・出版社の対応範囲
・書店流通など出版後の広告・宣伝の有無
・追加で費用がかかる項目
・買い取りの条件
・著作権の条項

これらの項目をしっかりと確認して、読み合わせを行った上で契約するようにしましょう。

◉-2-1、出版社の対応範囲

編集、装丁デザイン、校正など、出版社側の対応範囲を確認しておきましょう。

出版社によっては、編集作業の対応範囲や、校正の回数やデザインの修正回数などに制限を設けている場合もあります。

自費出版の費用でどの範囲を対応してもらえるのか、逆にどこからどこまでが追加費用が必要なオプションなのかを契約書でしっかり確認しましょう。

不明確な部分がある場合には、後々にトラブルになることを防ぐためにも、出版社側に確認し、契約書に反映していくことが重要です。

◉-2-2、書店流通など出版後の広告・宣伝の有無

自費出版の場合、書店流通や広告・宣伝については別料金となっている出版社がほとんどですが、営業マンが「書店に並べます」「広告を打ちます」などと言っている場合には、契約に本当に含まれているのかをチェックしましょう。

基本料金には含まれておらず、勝手に書店流通や広告・宣伝のオプションが追加されている場合もあるので要注意です。

曖昧なままで契約してしまわないように確認することが重要です。

◉-2-3、追加で費用がかかる項目

追加で費用が発生する項目や、タイミング、内容などは出版社によって違います。

たとえば原稿をライターに書いてもらう場合には通常の自費出版の費用に追加でライティング費用が追加でかかってきます。

また、校正の回数が何回以上の場合、特殊な装丁の場合、増刷する場合、書店流通して返品があった場合、などどのような追加費用が、どのようなタイミングでいくらぐらい発生する可能性があるのか、を明確にしておきましょう。

曖昧なまま契約すると、「後で追加費用を請求された」というトラブルになってしまう可能性もあります。

◉-2-4、買い取りの条件

自費出版では著者が売れ残りや返品分を買い取るケースが珍しくありません。

しかし、中には「返品された本を買い取るなんて聞いてない」と認識のズレからトラブルになってしまうケースもあります。

そのため、返品時の扱いや買い取り条件について契約書に記載されているかどうかを確認しましょう。

◉-2-5、著作権の条項

自費出版の著作権は著者が持つのが一般的です。

しかし、出版社の中には「著作権を譲渡する」など著者にとって不利なことが記載されている場合があるので、契約時に著作権の条項は必ずチェックしましょう。

もし契約を締結してしまうと著作権が譲渡され、自分で費用を出して出版した本なのにもかかわらず自由に二次利用ができないなど不利益を被る可能性があります。

◉-3、売れる・売れないの期待値

大前提として「自費出版した本が大きく売れる」というケースは稀です。

商業出版のように出版社が多額の広告費用を投下して販売する訳ではないため、著者の知名度がよほど高かったり、話題性がない限りは大きく売れるということはありません。

出版社側が「本が売れます」と著者側を期待させてくる場合は、後々「全然売れないじゃないか」と期待値のズレによってトラブルになってしまう可能性があるので注意しましょう。

一方で、自費出版の場合は売れ行き以上に「本をきっかけに会社への問い合わせが増えた」「ブランディングによって講演が決まった」という形で利益を得られている著者は少なくありません。

本来の出版目的であった、同業の保険代理店からのコンサル依頼がまず数件。そして驚いたのは、保険会社から講演の依頼が来たり同業支援の話が回ってきたりと、「保険会社にとって頼れる代理店」というありがたいイメージを持ってもらえるようになったことです。
引用元:【事例コラム】大口案件の集客、人材採用、大手企業からの講演依頼!出版ですごいことになった保険代理店

本の売上や利益を期待値として提示してくる出版社よりも、「自費出版は大きく売れるというケースは稀です」と現実的な「売れない」という期待値を提示してくれた上で、本をどのように活用すれば利益が出るか、など現実的な提案をしてくれる出版社の方が誠実と言えるでしょう。

◉-4、出来上がる本の品質・仕上がり

悪質な出版社の場合、本の制作コストを削減するために、著者に断りなく制作工程を削ってしまうことがあります。

結果として本の仕上がりが思った以上にクオリティが低かったり、トラブルに発展する可能性があります。

事前に自費出版の完成品やサンプルを見せてもらうだけではなく、可能であれば本の内容などもチェックしましょう。

◉-5、出版後の活用方法

自費出版した本は「本をいかにたくさん売るか」ではなく「どう活用するか」の方が重要です。

たとえば、営業時に見込み顧客に本を渡したり、セミナーや講演などで名刺代わりに配布すれば、受け取った側は「この分野の専門家なんだ」と理解してもらいやすくなります。

また、本を出しているということから「本を出すほどの専門家なんだ」と権威性などもアピールすることが可能です。

また、WebサイトやSNSと連動したプロモーションを行うなど、出版後の活用方法はいくらでもあります。

このように自費出版の場合は、本をいかにたくさん売るか、ではなくどのように活用すれば良いかの方が重要なので、その点を明確にアドバイスをくれる業者なのかどうかも契約前に確認しておくべき重要な項目の1つです。

◉-6、担当者の対応

自費出版を行う場合、出版社側の担当者と多くの打ち合わせややり取りが発生します。

いくら大手の出版社であっても、対応してくれるのは担当者です。

担当者の対応が悪かったり、そもそも人間的な相性が悪かったりすると、打ち合わせなど出版作業がスムーズに進まず、お互いにストレスが溜まる原因になります。

出版社の規模や知名度にかかわらず、担当者がこちらからの要望にしっかりと丁寧に、かつ迅速に答えてくれるかどうかなども契約前に確認しておきましょう。

契約前に担当者と話してみるのも有効です。

契約時は契約書の読み合わせを実施しよう!

一部の悪質な出版社の事例を除き、ほとんどのトラブルが出版社と著者の期待値と認識のズレで起きています。

当たり前のことではありますが、お互いの期待値や認識を合わせる上で、後のトラブルを避けるために、契約締結前には「契約書の読み合わせ」を行いましょう。

読み合わせでは、出版社の担当者と著者が一緒に契約書の文章を確認していきます。

基本的に悪質な出版社は契約書の読み合わせを嫌がります。

なぜなら、不利益となるような項目をわざわざ著者に読ませて疑問を持たせたくないためです。

読み合わせを行う場合も「著作権に関してはまぁ普通のことが書いてあるので飛ばしますね」など、内容に触れずに飛ばしたり、著者に読ませたく無い箇所を意図的に飛ばそうとしたりしますので、一文一文丁寧に読み合わせを行うことで、様々なトラブルを未然に回避することができます。

悪質な業者ではなくとも、読み合わせを行うことで、期待値が大きく異なったまま自費出版をしてしまうことを防げますし、もし曖昧な表現があったり、勘違いしていたことなどがあればその場で質問・解消が可能です。

 「後で騙された」「聞いていない」というトラブルを回避する上でも、著者もしっかりとチェックを行い、納得した上で署名・押印することが重要です。

◉【まとめ】自費出版について正しい知識を持つことがカモにならず安全に出版する一番の対策!

自費出版は本を出版する手段として決して悪い選択肢ではありません。

しかし、さまざまな誤解や期待値・認識のズレから「思っていたのと違う」「損をした」「出版社のカモにされた」などトラブルになり、後悔してしまう人がいるのも事実です。

ごく一部ですが、悪質な出版社もいます。

そんな中で「出版社のカモにされた」と後悔することなく、安全に自費出版するためには、自費出版に関する正しい認識を持つことが何より大切です。

今回ご紹介したような「自費出版は売れないのが大前提」や、「自費出版はどれだけ売れるかよりも、どのように活用するかが重要」「自費出版で成功している方の多くは本の売上とは違う場所でメリットを得ている」など現実的な期待値を持っておけば、いくら悪徳な出版社の営業マンに説得されたところで、騙されることはありません。

また、出版社と著者の期待値と認識のズレがトラブルになる最大の原因、ということが分かっていれば、事前にきちんと自分自身でも確認しよう、となると思います。

このように、自費出版について正しい知識を持つことが出版社のカモにならず出版ができる一番の対策です。

フォーウェイでは、自費出版に関する相談も受け付けておりますので、お気軽にご相談ください。

出版を含むあらゆるコンテンツを活用したマーケティングを得意としている会社であり、みなさまが出版を通して目指したいゴールに向けてどのように本を活用すべきか、なども含めご提案させていただきます。

特に、企業の経営者で自費出版を考えていらっしゃる方であれば、自費出版よりもむしろ、企業や事業、商品・サービスのブランディングを目的として出版を活用する企業出版の方が合う可能性があります。

実際に経営者の方で本を出版して「業界での地位を確立した」「売上が上がった」「問い合わせが増えた」「講演依頼が増えた」「採用応募がくるようになった」などの成果も上がっております。

本の出版を今後考えている、という方はぜひお気軽にご相談ください。

住宅会社やハウスメーカーなどのように高単価商品を取り扱う企業にとって、売上や利益を向上させるための有効なツールの一つがパンフレットです。

住宅販売は営業活動を始めてから成約に至るまでのリードタイムが長い傾向があるので、パンフレットのような紙媒体の販促ツールを活用することでリードタイムの短縮効果も期待できます。

本記事では、「住宅販売に伸び悩んでいる」「住宅販売のリードタイムの長さに悩んでいる」という方向けに、パンフレットの作り込み方や活用方法についてくわしく解説いたします。

目次【本記事の内容】

執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)

慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。

◉住宅会社・ハウスメーカーなど高単価ビジネスにパンフレットは有効!

パンフレットなどの紙媒体が高単価ビジネスに有効と言われる理由は次の通りです。

・紙媒体ならではの安心・信頼感
・紙媒体の方が比較検討しやすい
・紙媒体の方が伝わりやすく、理解しやすい
・紙媒体の方が長期間手元に保管してもらいやすい

それぞれ、くわしく見ていきましょう。

◉-1、紙媒体ならではの安心・信頼感

一般的に、紙媒体はデジタル媒体より信用度が高いと考えられています。

なぜなら、紙媒体はデジタル媒体と比べると発行の難易度が高いイメージがあるためです。

紙媒体は、一度紙にして出すと修正が難しいため、ライターや編集者、発行責任者など多くの人のチェックが入ったり、情報の発信元が明確です。

しかし、デジタル媒体は誰でもノーチェックで自由に情報を発信できてしまいます。

このようなイメージから、Webサイト記事やSNS投稿などに比べて顧客からの安心感や信頼感が得られやすいという特徴があります。

そのため、住宅会社やハウスメーカーのように高単価な商品を扱うビジネスにおいては、紙媒体のパンフレットは顧客との信頼関係を構築するうえで非常に有効なツールとなるのです。

◉-2、紙媒体の方が比較検討しやすい

紙媒体はデジタル媒体に比べて、同時に並べて比較検討しやすいことも有効な理由です。

Webサイト記事やSNS投稿などのデジタル媒体も画面を切り替えたりして複数の情報を見ることはできますが、同時に並べて見比べるのには向いていません。

特に住宅を購入する際は、家族などと一緒に比較検討することが多いため、紙媒体のパンフレットの方が複数人で一緒に見て比較検討しやすいのです。

◉-3、紙媒体の方が伝わりやすく、理解しやすい

紙媒体の方がデジタル媒体よりも視認性や可読性、一覧性が高いことも有効な理由です。

なぜなら、Webサイト記事やSNS投稿などよりはパンフレットの方が、パッと見て分かりやすく読みやすいため、記載内容が伝わりやすく理解しやすいのです。

また、Webサイト記事やSNS投稿などに比べて、パンフレットの方が写真や画像を鮮明に表示することができるため、イメージや印象が重要な住宅販売などに向いていると言うことができます。

◉-4、紙媒体の方が長期間手元に保管してもらいやすい

紙媒体はデジタル媒体よりも保存性や保管性に優れていることも有効な理由です。

Webサイト記事やSNS投稿などのデジタル媒体は、WebサイトやSNSにアクセスしているときだけしか情報を表示することができません。

それに比べて紙媒体は、捨てられない限り顧客の手元に残り続けるため、ふとしたタイミングで何度も見返してもらえる可能性があります。

◉住宅会社・ハウスメーカーで用意すべきパンフレットの種類

住宅会社やハウスメーカーで用意すべきパンフレットは、主に次の3種類です。

・会社案内パンフレット
・採用パンフレット
・住宅販売パンフレット

それぞれどのようなパンフレットなのかを、見ていきましょう。

◉-1、会社案内パンフレット

一般的に、会社案内パンフレットには、企業の経営理念や事業・サービス内容のほか、会社の基本情報などが記載されています。

企業としてどのような理念やコンセプトのもとに住宅を提供しているのか、どのような強みや特徴を持っているのか、いつごろから住宅販売を行っているのかなどのストーリー性のあるコンテンツを盛り込むと顧客へのアピール効果が高くなります。

また、後述する他のパンフレットにも統一したキャッチコピーやデザインを採用して、ブランディングを意識したものにしても良いでしょう。

◉-2、採用パンフレット

採用パンフレットは、自社に必要な人材を確保するための重要なツールです。

企業の基本情報として企業理念や事業・サービス内容などを記載するほか、先輩社員へのインタビュー、部署ごとの業務内容の詳しい説明など「この会社で働いてみたい」と思ってもらえるようなコンテンツを盛り込みましょう。

実際に住宅を購入していただいたお客様の喜びの声などを掲載することも効果的です。

採用パンフレットは、新卒採用として学校に配布したり、中途採用として転職サイトや企業説明会で配布したりします。

◉-3、住宅販売パンフレット

住宅会社やハウスメーカーの住宅販売パンフレットは、商品である住宅の説明をするためのメインとなるパンフレットです。

住宅会社やハウスメーカーによっては、デザインや建築プラン、仕様などの違いによって複数の商品群を持っている場合がありますが、そのような場合はそれぞれ個別にパンフレットを作った方が良いでしょう。

個別パンフレットとは別に総合パンフレットを作ることも考えられますし、建築実績や施工実績などを集めたパンフレットも、顧客に実績をアピールするためには有効と言えます。

また、住宅会社やハウスメーカーの多くは「標準仕様」を設定しているケースが多いと思われるので、顧客にその具体的な情報を提示するためのパンフレットもあった方が良いでしょう。

◉住宅会社・ハウスメーカーのパンフレットに盛り込むべき内容

住宅会社やハウスメーカーのパンフレットを、より成果につなげられるものにするために、次のような内容を掲載することを検討してみましょう。

・販売する住宅のコンセプト、イメージ
・販売する住宅の写真
・販売する住宅の仕様図(わかりやすく)
・住宅の施工事例・顧客の声・社員の声(施工のこだわりなど)

以下で、それぞれについてくわしく解説します。

◉-1、販売する住宅のコンセプト、イメージ

住宅の仕様ではなく「自分がこの住宅に住んだらどのような生活が待っているのだろう」という将来像を伝えることが重要です。

住宅の仕様だけ伝えると、価格や性能の良し悪しなどでしか顧客は判断することができず、結果として他社住宅との競争に巻き込まれてしまいます。

競争にならないようにするためにも「その住宅がどのようなコンセプトで建てられているのか」「その住宅に住む人にどうなって欲しいのか」などのイメージをキャッチコピーとイメージ写真などを使って明確に伝えることが重要です。

◉-2、販売する住宅の写真

住宅会社やハウスメーカーのパンフレットにおいて、販売する住宅の写真の掲載は必須です。

住宅は高額商品ですが、同時にイメージや印象が重要な商品でもあります。

建築前で建物がない場合は3Dの設計図などで仕方ないと言えますが、写真で購入が決まるといっても過言ではないため、特にこだわって撮影すべきです。

◉-3、販売する住宅の仕様図(わかりやすく)

販売する住宅の仕様図を分かりやすく掲載するのもおすすめです。

専門的な建築図のようなものではなく、顧客が気にすると思われる水回りの仕様や収納スペースの大きさや数などがよく分かるようにしておくとベターです。

◉-4、住宅の施工事例

会社がこれまでに手掛けてきた施工事例を掲載することも重要です。

これまでにどのような住宅を施工してきた実績があるのかを明確に記載しておくと、豊富な施工実績に、顧客は安心感を覚えてくれます。

また、施工実績が多く掲載されていると、既存顧客との間にトラブルなどがなく信頼できる会社だということを印象付けることができます。

◉-5、顧客の声

会社が伝えたいことだけを発信するのではなく、実際に住宅を購入した人の声のように第三者視点も入れ込みましょう。

既存顧客へのインタビューなどを行って、掲載しても良いという許可が得られたものはできる限り掲載した方が良いです。

自社からの情報発信だと嘘くさく聞こえてしまいますが、顧客という第三者の視点と言葉で感想を語ってもらうと信頼性が高くなります。

◉-6、社員の声(施工のこだわりなど)

住宅会社やハウスメーカーのパンフレットには、自社の社員の声もぜひ掲載したいものです。

住宅は購入者にとっても大きな買い物ですが、住宅を建てる側の職人もこだわりを持って作っています。

社員や職人のこだわりや想いを記載することによって、顧客に「住みたい」と思ってもらいやすくなります。

社員や職員がこの住宅に持っている想いなどを語るコンテンツも有効です。

◉パンフレットを成果につなげるためには配るだけではなく、他部署との連携が重要!

住宅会社やハウスメーカーのパンフレットは、住宅展示会などで配布するのが一般的ですが、ただ配るだけではなく、より積極的に活用していくと成果につながりやすくなります。

具体的には次のような方法があります。

・WebサイトでもPDFを配布できるようにする(リスト獲得)
・ターゲットリストへの送付する
・営業部と連携してターゲットによってデザインを分ける
・他のマーケティング施策と連携

それぞれ、くわしく見ていきましょう。

◉-1、WebサイトでもPDFを配布できるようにする(リスト獲得)

パンフレットは紙媒体で作るだけではなく、PDF化してWeb上でも配布しましょう。

Web経由であれば多くの顧客に低コストで配布することができます。

近年はスマホやPCからWebサイトを訪問する人も増えているので、Webサイト上でもパンフレットを閲覧・配布できるようにしたりしておくべきです。

ダウンロード時に、住所や氏名、住宅購入の意向などの記載を必須にしておけば、顧客リストという資産獲得にもつながります。

◉-2、ターゲットリストへ送付する

自社で作成した見込み度合いの高いターゲットリストに、直接パンフレットを送付する方法も有効です。

パンフレットを送付するためにはコストがかかるので、ターゲットの興味関心度の高い層にはパンフレットを紙媒体で送付し、そうでもない層にはメールなどで送付するなど、送付方法を分けるのがおすすめです。

◉-3、営業部と連携してターゲットによってデザインを分ける

住宅会社やハウスメーカーの場合、住宅の種類によってターゲット顧客が異なります。

そのため、ターゲットに応じてパンフレットのデザインを使い分けることも有効です。

たとえば、富裕層向けの住宅であれば、ラグジュアリーなデザインにしたり、高齢者向けであれば安心感を持ってもらえるような柔らかいデザインにしたり、などです。

どのデザインにするかどうかは、営業部と連携をして、それぞれのターゲット層がどのようなテイストを好むのかなどを良くリサーチしたうえで決めるようにしましょう。

◉-4、他のマーケティング施策と連携

パンフレットをターゲットに送付するなどのようにパンフレット単体で使うという方法のほかに、他のマーケティング施策などの媒体と連携して相乗効果を狙うことも有効な活用方法の一つです。

具体的な連携方法としては、次の3つが挙げられます。

・SEO×住宅販売パンフレット
・SNS×住宅販売パンフレット
・企業出版(ブックマーケティング)×住宅販売パンフレット

それぞれについてくわしく見ていきましょう。

◉-4-1、SEO×住宅販売パンフレット

住宅販売パンフレットの情報の一部をWebサイトに記事を掲載して情報発信をすることによって、検索結果によるWebサイトへの流入が期待できます。

住宅販売パンフレットに記載されたオリジナル性の高いコンテンツがWebサイトにアップされることになりますのでSEO対策にもつながります。

◉-4-2、SNS×住宅販売パンフレット

住宅販売パンフレットの情報の一部をSNSに小出しにしながら情報発信することによって、より多くの人に情報が伝わりやすくなります。

また、住宅販売パンフレットからSNSに飛べるようなQRコードを設置したり、住宅販売パンフレットと連動したキャンペーンをSNSで告知する方法などもおすすめです。

◉-4-3、企業出版(ブックマーケティング)×住宅販売パンフレット

ブックマーケティングとは、書籍を活用したマーケティング手法です。

たとえば、住宅販売パンフレットの中で書籍を紹介したり、顧客に住宅販売パンフレットを送付して良い反応があった場合に出版物を送付して購買意欲を高めてもらうなどで、成約につなげることができます。

出版物も住宅販売パンフレットも同じ紙媒体ですが、これらを連携することによって相乗効果を得ることができるのです。

また、注文住宅を得意とする住宅会社などでは、一定の商圏の中で営業活動を行っているケースがありますが、ブックマーケティングを利用すればその商圏の中の書店に重点配本してマーケティング効果を高めるといったことも可能です。

書籍は社会的に信頼性の高い媒体なので、住宅の信頼性向上にもつながります。

▶ブックマーケティングについては、関連記事【ブックマーケティングとは?メリットや効果的な戦略の作り方】もあわせて参考にしてください。

◉住宅会社・ハウスメーカーのパンフレット事例

実際の住宅会社・ハウスメーカーのパンフレット制作事例を紹介します。

◉-1、建築設計会社

東京都北区の建築設計会社で、専門学校などに求人票と一緒に配布することを想定した採用パンフレットを制作。

学生向けであることを意識して「目を引くようなインパクトのあるデザイン」「建築設計事務所だということがすぐに分かるデザイン」「親しみやすく明るいデザイン」を心がけたパンフレットにしました。

ターゲットや利用目的がはっきりしており、要望も明確になっていたことから短期間で完成度の高いパンフレットが完成。

その後、採用パンフレットを活用した採用活動によって若い有能な人材の獲得につながりました。

◉【まとめ】パンフレットを作り込み、売上と利益率向上、リードタイム短縮を目指そう!

本記事では、紙媒体のパンフレットが住宅などの高単価ビジネスに有効な理由、住宅会社やハウスメーカーのパンフレットに盛り込むべき内容、パンフレットの活用方法や制作事例などについてくわしく解説しました。

紙媒体のパンフレットのメリットとしては、信頼性の高さや比較検討のしやすさ、保存性の良さなどがあり、高単価商品である住宅販売において最も重要な顧客との信頼関係の構築に大きく寄与することができます。

フォーウェイでは、パンフレットの制作はもちろん、他のマーケティング施策との連携についても多くの実績があります。

住宅会社やハウスメーカーのパンフレットのご相談はぜひフォーウェイまで。

参考コラム:ホームインスペクションは新築でも必要?理由とメリットを理解しよう!株式会社テックビルケア

セールスプロモーションを積極的にやっているはずなのに商品やサービスが思ったように売れない…、そんな時にはセールスプロモーションの成功事例を研究してみるのがおすすめです。

もちろんその成功事例の真似をしても自社でうまくいくとは限りませんが、セールスプロモーションの成功事例を見てみると、意外に多くの共通点に気づくはずです。

成功している会社がどこも共通して押さえているポイントがわかれば、それを自社風にアレンジして取り入れることで成功確率は大きく向上する可能性があります。

この記事では、そんなセールスプロモーションの成功事例を10例と、その全てに共通する点をご紹介します。

ぜひ貴社のセールスプロモーションにも生かしてみてください。

目次【本記事の内容】

執筆者:江崎雄二(株式会社フォーウェイ取締役マーケティング統括)


福岡県出身。東福岡高校、山口大学経済学部経済法学科卒業。大学卒業後、月刊誌の編集者兼ライターに携わる。その後時事通信社での勤務を経て、幻冬舎グループに入社。書店営業部門の立ち上げメンバーとして活躍後、書籍の販売促進提案のプロモーション部を経て、法人営業部へ。東京と大阪にて書籍出版の提案営業を担当し、2020年11月、株式会社フォーウェイに参画。2023年9月取締役就任。グループの出版社、株式会社パノラボの流通管理も担う。

◉セールスプロモーションに成功するには?

セールスプロモーションに成功するためには、小手先のテクニックを駆使するだけではうまくいきません。

たとえ最初の時点ではうまくいったとしても、途中から伸び悩んでしまい、その後どうやって改善していけば良いのかが分からなくなってしまうことが多いものです。

セールスプロモーションを長期的に成功させるためには、本質をきちんと押さえて実践しなければなりません。

では、一体その本質とはどのように知るのか。

実はセールスプロモーションを成功に導く本質は成功事例の中に隠れているのです。

◉セールスプロモーションの成功事例の共通点

セールスプロモーションの成功事例というと「このSNSを使って成功した」「このテクニックを使ったから成功した」という小手先のテクニックに目が行ってしまいがちです。

これらの小手先のテクニックをそのまま自社に適用したとしても一過性の成功に終わってしまいます。

将来を見据えて売上アップを狙うのであれば、これらのテクニックに着目するのではなく、奥に隠れた本質的な共通点を見つけることが重要です。

具体的には次の3つのポイントが着目してほしい共通点です。

・顧客ターゲットに合わせたタイミング
・顧客ターゲットに合わせた媒体・手法選定
・顧客ターゲットを巻き込んだ企画(UGC)

それぞれ詳しくみていきましょう。

◉-1、顧客ターゲットに合わせたタイミング

顧客ターゲットには、ある商品やサービスを検討したり、欲しくなったりするタイミングが必ず存在します。

そのタイミングを逃さないように、そのタイミングはいつなのかを検討してプロモーションを実施することが重要です。

たとえば、ダウンジャケットを例にあげると、1月の寒くなった時期からプロモーションを始めても遅いのです。

なぜなら、ダウンジャケットのような冬物アウターの購入を顧客が検討する時期は、「寒くなる前」だからです。

徐々に寒くなってくる11月末〜12月にかけて、もっと寒くなる時期に備えてダウンジャケットを購入することが多い傾向があります。

株式会社ナビットが2024年11月に20代〜80代の男女1,000人に対して実施した「冬物アウターについてのアンケート調査」によれば、1,000人中の18.5%(235人)が「寒くなってから」と回答しており、一番多くなっています。

そのため、11月の秋頃の段階から徐々にプロモーションを始めて、12月になって気温が下がってきて誰もが「寒いなぁ」と感じるようになった段階でプロモーションを強化する、もしくは始めるために商品を販売準備しておく必要があるのです。

このダウンジャケットのように、自社の顧客ターゲットがいつから購入検討を始めていつ購入するのかを考えて、前もって計画し仕込んでおくことが重要です。

成功事例を見てみると、そんな顧客ターゲットのタイミングにバッチリ合わせてプロモーションを始めていることがわかります。

◉-2、顧客ターゲットに合わせた媒体・手法選定

顧客ターゲットには、それぞれ年代ごとによく利用したり目にしたりする媒体があるはずです。

たとえば、60代以上が顧客ターゲットの場合、いくらSNSを利用したプロモーションを行ったとしても、そもそも60代以上の顧客ターゲットは若い世代に比べるとSNSをメインで見るという割合が少ない傾向があるので、そのプロモーションは効果がないと言えるでしょう。

一方、若い20代の女性が顧客ターゲットであれば、よく使う媒体の1つがSNSです。

特にSNSの中でもInstagramやTikTokなどが見られています。

成功事例を見ると、顧客ターゲットに合わせた媒体や手法を吟味して選択しているという共通点がわかります。

◉-3、顧客ターゲットを巻き込んだ企画(UGC)

セールスプロモーションなので売る側としては売り込みをしたくなるものですが、だからといって売り込みをしすぎると売れなくなってしまうというのが現代のマーケティングの実情です。

これは、プロモーションの中に「売りたい」という売る側の意図が滲んでしまうという点と、現代が情報に溢れすぎているという点が要因としてあげられます。

そんな中で顧客にしっかりと商品をプロモーションしていくためには、「売り込み」や「情報発信」といった商品販売元側からの発信に重きをおくだけでは不十分と言えます。

実際に弊社にもプロモーションに悩む多くのクライアントさまからの相談がありますが、フタを開けてみるとこちら側からの一方的な発信や広告ばかりを行っていることがほとんどです。

顧客ターゲットが「やってみたい」「面白そう」と思ってもらえるような企画を実施して、顧客ターゲットが自主的にSNSなどに投稿したり拡散したりしてくれるようなUGC(User Generated Content:ユーザー生成コンテンツ)が積極的に行われるような環境を作ることが重要です。

UGCは、一見売上に直接つながらないと思われますが、認知拡大などで結果的に商品が売れたりします。

多くの成功事例を見てみると、まずは「顧客を楽しませる」「顧客とコミュニケーションを積極的に行う」ということを実践されていることがよくわかると思います。

一つポイントとしてお伝えしたいのが、セールスプロモーションのKPIは売上や販売数などにしない方が良い、という点です。

なぜなら、そのKPIを達成しようと考えて、セールスプロモーションに売り込み要素を入れ込んでしまいやすくなるからです。

◉セールスプロモーション成功事例10選

前述したように、セールスプロモーションの成功事例にはいずれも顧客ターゲットに合った「タイミング」「手法・媒体」というマーケットインの考え方と、顧客ターゲットを「巻き込んで」実施するというユーザーコミュニケーションの実践という3点が共通しています。

実際にセールスプロモーションに成功した事例を元に、3つの共通点をどのような形で取り入れているのかを見ていきましょう。

◉-1、保険代理店が書籍出版でブランディングに成功

ある保険代理店は、同業他社との差別化を図るために書籍を出版してプロモーションを行いブランディングに成功しました。

保険代理店は飽和状態にあり差別化が難しいと言われている時期に、その解決策の一つとして書籍を使って「保険業界で当たり前に行われている成果報酬型の給与体型を一律報酬型に変え、一部の限られたトップ営業マンに頼るのではなく、アベレージヒッターを育てていく経営にすれば業績拡大ができる」という持論を提唱。

悩んでいる保険代理店が多いタイミングだったこともあり業界内での自社の地位向上にも寄与することができました。

結果として、出版記念セミナーや講演などで顧客ターゲットを巻き込み、書籍によって「保険会社にとって頼れる代理店」という認知を獲得。

大口の法人案件獲得や採用強化にもつながっています。

書籍出版という方法を選んだことにより、Webなどを見ないような経営者層などに読んでもらうことができたという点(顧客ターゲットに合わせた媒体選択)、また書籍を通して業界の大きな課題に対して解決策を提唱した点が、このセールスプロモーションの成功の要因と言えるでしょう。

また、ただ出版するだけではなく、SNSやSEOなどWebマーケティング手法を活用したり、セミナーを開いたりすることで多くの顧客ターゲットを巻き込み、共感を生むことができたという点も大きな要因の1つと言えます。

当社で扱うような法人保険の営業は、商談が経営者同士の良い議論になるのか、出入り業者のような見られ方をするのかで結果がまったく違うんです。本来、人材戦略や財務状況など経営の中身を腹を割って話してもらって、相手の経営に踏み込んだ提案をしないと大型の保険契約は決まりませんから。本を出して、そういう理想的な商談をすごく増やせました。
引用元:フォーウェイ「【事例コラム】大口案件の集客、人材採用、大手企業からの講演依頼!出版ですごいことになった保険代理店

◉-2、医師をターゲットとした効果的なプロモーションで売上向上

ある不動産投資会社は、医師をターゲットとして書籍を活用した効果的なプロモーションを行い売上が倍増しました。

コロナ禍の影響で収入が増えた医師が納税について検討を始めるタイミングに合わせて「医師の節税対策として最も効果的なのは不動産投資である」という書籍を出版。

この会社では従来からWeb広告を利用して情報発信を行っていましたが、期待通りの成果が得られなかったため、書籍を読むことが多い医師に向けてのプロモーションを行ったのです。

書籍出版後、多くの医師に書籍を読んでもらって売上につながったのはもちろん、顧客の医師が知り合いの医師に紹介してくれて口コミが広がり、新規顧客の獲得につながりました。

書籍に合わせた媒体を選択したことや、忙しくてなかなか節税対策ができない医師の気持ちに寄り添い情報発信を行ったことが成功の大きな要因と言えます。

◉-3、学生をターゲットとしたダンス企画でブランド認知度を向上

2016年からダンスによるコミュニケーションを実施してきたポカリスエットは、2020年春には約500人での大合唱CMを企画していましたが、新型コロナの感染拡大により断念せざるを得ないという窮地に陥りました。

この最悪のタイミングを逆手にとって、約100人の学生による自撮り動画を使った「リモート合唱」をCMにしてプロモーションに成功。

TikTokなどでの動画投稿を日常的に行っている学生にとって、自撮りで歌唱動画を撮ってTikTokで投稿することには全く抵抗はなく「#ポカリNEO合唱」のハッシュタグをつけた投稿が相次ぎました。

約100人の学生が自分たちの生活する場所から、一つの歌を自分らしく歌い、それを編集してひとつのプロモーションCMが完成したのです。

コロナ禍という特異な状況の中での学生たちのリアルな思いが「NEO合唱」となって完成し、結果としてポカリスエットのプロモーションの成功につながりました。

UGCのお手本のような事例でしょう。

ポカリスエットの顧客ターゲットはアクティブな活動をする若者であり、そこを巻き込むような企画ができたことが、結果として「ポカリスエットが若者の活動を支えている」というイメージが付き、商品認知度やブランディングにつながった典型事例と言えます。

◉-4、どっち派?をうまく活用し売上向上

チョコレート菓子の「きのこの山」と「たけのこの里」を発売する明治製菓は、2018年にSNSを活用したプロモーションを実施。

どちらも発売後約40年というロングセラー商品でしたが、カタチや味わいの違いから「きのこ派」と「たけのこ派」に分かれた「きのこたけのこ論争」がたびたびSNS上で行われて話題になっていたのです。

このタイミングで、Twitterを活用した「きのこの山・たけのこの里国民総選挙2018」というプロモーションを実施してCMを超える大きな成果をおさめました。

きのこの山が好きな「きのこ党」、たけのこの里が好きな「たけのこ党」、どっちも好きな「どっちも党」の3党による国民総選挙を行い、最終的にTwitterやはがきでの投票総数は約1,600万票にも上ったそうです。

明治製菓側からの一方的なアンケートではなく、SNSで多くの議論がすでに行われていたことに対して公式が大々的に国民総選挙を企画したことや、「この総選挙をしたことで何が明治製菓にとって得なのか?」が全く見えない「売り込み感のなさ」が成功の要因と言えます。

もし明治製菓側が欲しいアンケート結果を取るために別の話題で総選挙を企画していたとしたら、ここまでの成功には繋がらなかったのではないでしょうか。

◉-5、オウンドメディアで店舗スタッフの専門知識を記事として発信、売上向上

ホームセンターCAINZを展開するカインズは、自社のオウンドメディア「となりのカインズさん」を活用したプロモーションを実施。

「となりのカインズさん」を創刊した2020年6月は、ちょうどコロナ禍真っ最中で、Webマーケティングの手法としてオウンドメディアは「もうオワコン」と言われていた時期でした。

しかし、あえてこのタイミングで「ホームセンターを遊び倒すメディア」をコンセプトに創刊して、その後半年で月間100万PVを記録、1年で月間400万PVを達成。

それぞれの店舗でスタッフが培ってきた専門知識をリアル店舗での「1対1」の接客だけで終わらせるのではなく、オウンドメディアを使って「1対多」の接客に活かすことができたのです。

記事がリアル店舗での売上増につながるとともに、多くのメディアからの問い合わせのきっかけになりました。

ただ記事で情報発信するのではなく、店舗スタッフが店頭で行ってきた顧客への疑問への回答などを情報として発信したことにより、一方的な情報発信にならなかった点が成功要因の1つと言えるでしょう。

また、コロナ禍であり、「おうち時間の充実」が重要視され、DIYなどの需要が増えたタイミングで始めたというのも成功要因と言えそうです。

◉-6、賃貸住宅企業がハンバーガーチェーンとコラボしユニークな企画を実施

賃貸住宅企業のエイブルは、ハンバーガーチェーンのバーガーキングとユニークな異色コラボによるプロモーションを行いました。

「近くに店舗がない」「近くに店舗を作ってほしい」というバーガーキングのファンの声がSNS上で散見されるようになったタイミングで、バーガーキングの店舗の2.5km以内にあるエイブルの物件を契約すると人気メニューが当たるというキャンペーンです。

物件情報サイト「BK TOWN ROOM」を設置するなど、非常にユニークなプロモーションとして話題になりました。

新店舗の出店はすぐには実現できません。

その代替施策として実施したこのプロモーションですが、「意外と近くに店舗がある」という気付きを与えることができるなど、バーガーキングの認知度向上に大きく寄与しました。

SNS上ですでにあがっていた声を拾って企画に昇華した点や、ユニークで面白い企画であることにより、「物件を紹介したい」という真の企業側の意図がうまく隠れたことがプロモーション成功につながった要因の一つと言えるのではないでしょうか。

◉-7、フリマアプリ企業が新聞の折り込み広告を活用、高齢者層への認知を拡大

フリマアプリ企業のメルカリが、2018年に北海道と愛知県限定で新聞折り込みチラシを使ったプロモーションを実施。

フリマアプリといえば、比較的若い世代の人がスマホを使って出品者と購入者がやり取りするものですが、あえてこのタイミングで新聞折り込みチラシを利用することによって話題となりさらに利用者が増えるという効果が得られました。

新聞折り込みチラシを配布した当日夜には「メルカリの新聞折り込みチラシ」というキーワードがTwitterで注目されるなど、大きなインパクトを与えたのです。

新聞折り込みチラシを使ったことにより、スマホの利用に慣れていない高齢者の話題にあがったり、自宅に眠ったままになっている日用品や洋服などをフリマ市場に流通させることにも成功しました。

このメルカリの事例のように、「デジタル時代だからデジタルの手法でやる」というのではなく、デジタル時代についていけない層に寄り添った媒体・手法選びをあえて行ったことが成功の要因の1つと言えます。

◉-8、難しい製造業の決裁権者へのアプローチを書籍にて実施、問い合わせ数増加

ある製造業向けのコンサルティング会社は、決裁権者へアプローチするために書籍を使ったプロモーションを実施。

近年製造業DXなどが話題になってきたタイミングで書籍を出版したもので、書籍を選んだ背景には製造業の決裁権者はWebは見ないが書籍を読む人が多いという理由もありました。

書籍のテーマは「ファクトリーオートメーションによって製造業の人材不足を解決し、経営効率化と利益の最大化ができる」というもので、製造業DXの目的にも沿うものでした。

書籍出版後の1ヶ月間で10件以上の問い合わせがあり、今までアプローチできていなかった新規のターゲットからの問い合わせも含まれていたそうです。

書籍を読んだ顧客からの問い合わせだったため、説明に長い時間がかかることもなく、新しいコンサル契約を獲得することにつながっています。

顧客ターゲットに合わせた適切な媒体・手法選びが功を奏した典型的な事例と言えるでしょう。

◉-9、自社のデジタルビデオカメラを使用した動画をYoutubeで募集、商品の認知度向上

ソニーは、自社のデジタルビデオカメラ「ソニーアクションカム」で撮影した動画をYoutubeで募集するプロモーション「アクションカム動画投稿キャンペーン」を実施。

アクションカムを使うと、これまでのビデオカメラでは撮影が難しかった自転車やスノーボードなどのスポーツシーンの動画が簡単に撮れることになったタイミングに合わせて、このプロモーションを始めたのです。

このキャンペーンの投稿動画の再生回数は1億回以上にも上ったと言われています。

このキャンペーンを通して、アクションカムを購入したもののあまり使っていなかったという人に、動画撮影や動画共有の楽しさを再認識してもらうことができ、ソニーアクションカムの認知度向上やブランディングにも寄与しました。

デジタルビデオカメラの性能を伝える動画は自社で制作して発信したくなるのが一般的です。

そんな中で、「自由に撮影した動画を募集する」という形で顧客ターゲット自身に動画をアップしてもらい、その動画を通じてデジタルビデオカメラ性能を伝えたことにより、「売り込み感」を全く感じることなく商品プロモーションができた点が成功につながったと言えます。

◉-10、ユーザーの声を徹底的にヒアリングし開発した商品がヒット

美容分野に特化した動画メディアDINETTEを2017年にスタートさせたDINETTE株式会社は、2019年にD2Cコスメブランド「PHOEBE BEAUTY UP」を立ち上げました。

DINETTE株式会社では、動画メディアDINETTEで「ファンと距離の近いメディア」を作りあげ、ユーザーの声を徹底的にヒアリングしてまつ毛美容液を完成させました。

この完成のタイミングで、「PHOEBE BEAUTY UP」のブランド第一弾商品としてのプロモーションを行い、多くのファンの支持を集めてヒット商品になったのです。

その後もフェイスマスクや毛穴美容液、化粧水・乳液などを次々に商品化して、ブランド立ち上げ後2年で年商15億円にまで成長しました。

顧客ターゲットの声を徹底的にヒアリングしたことにより、商品開発自体に顧客を大きく巻き込んだ点や、自社の作りたい商品ではなく顧客が欲しいと思う商品を販売したことが、このプロモーション成功の大きな要因と言えるでしょう。

◉【まとめ】マーケットインの考え方とユーザーコミュニケーションが成功の秘訣

本記事では、セールスプロモーションの共通点について、実際にセールスプロモーションに成功した10の事例を取り上げて解説しました。

成功事例に共通する3つの共通点は、顧客ターゲットに合った「タイミング」「手法・媒体」というマーケットインの考え方と、顧客ターゲットを「巻き込んで」実施するというユーザーコミュニケーションの実践です。

株式会社フォーウェイでは、この3つの共通点を達成するプロモーション手法の1つとして書籍を活用したプロモーション手法「ブックマーケティング」のサービスを提供しております。

ブックマーケティングとは、名前の通り書籍をマーケティング活動に活用するもので、書籍の社会的信頼性の高さによって、デジタル媒体ではアプローチが難しい高齢者世代や富裕層、経営層にもアプローチすることが可能です。

「書籍は情報を得るための媒体」と思っている方が多いため、売り込み感を出すことなく、顧客ターゲットの悩みを解決する方法の1つとして商品やサービスの紹介ができます。

ブックマーケティングのように書籍を活用したセールスプロモーションをご検討中の方はぜひ一度ご相談ください。

「権威性」とは、「社会全体からどの程度認められた存在なのか?」を表す評価指標です。

たとえば、「その業界や分野の第一人者であり、世界的な権威者」という人の話の方が、そうでない人の話に比べると、信頼感を持って聞いてもらえるということがあるはずです。

実際に、人は権威のある人の話に耳を傾けやすく、信用しやすいという傾向があります。

そのため、マーケティングで成果を出していく上では「いかに権威性を高めるか」は重要なポイントとなっています。

また、2014年からGoogleが検索結果の表示順位を決めるための要素の一つとして「権威性」を導入したことから、SEO対策を行う上でも重要性が増しました。

この記事では、企業や経営者が「権威性」を高める方法などについて詳しく解説いたします。

目次【本記事の内容】

執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)
画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 29d5ead1ee41a6d25524876e7bd315d5-scaled.jpg
慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。

◉権威性とは?

「権威性」とは、「社会的にどの程度承認を受けているのか」を表す評価指標です。

「権威」という言葉からは「権力」や「他人を服従させること」などを連想しがちですが、マーケティング分野やSEO対策において「権威性がある」とは、「社会的に承認を受けている」という意味になります。

たとえば、人や組織などが「社会的に承認を受けている」具体例としては、次のようなものがあります。

  • ・正式(オフィシャル)である
  • ・公的機関である
  • ・公的資格を有している
  • ・その分野の第一人者である

SEO対策においては、Googleが検索アルゴリズムに「権威性」を導入したことから、必要不可欠な要素となりました。

また、マーケティング分野においても「権威性」は重要な要素の一つで、たとえばLP(ランディングページ)制作の際には、「権威性」の表現を用いることが推奨されています。

◉権威性があるメリット

「権威性」があるメリットとして、顧客からの信頼を得やすくなるということがあります。

具体的なメリットとしては次のようなことが挙げられます。

  • ・サイトや記事などがGoogleから評価されやすくなる(SEO)
  • ・顧客からの信頼を得やすくなる(成約率向上)
  • ・ファンができる

それぞれくわしく見ていきましょう。

◉-1、サイトや記事などがGoogleから評価されやすくなる(SEO)

Googleは、2014年から検索品質ガイドラインに「E-E-A-T」という評価基準を導入しました。

これは、Exprerience(経験)、Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、Trustworthiness(信頼性)の頭文字を表しており、この中に「Authoritativeness:権威性」が含まれています。

つまり、Googleによって「権威性」が高いと評価されると検索結果の表示順位が上位になるということです。

これによって、顧客(検索した人)が自社サイトを閲覧する可能性が高くなり、売上や成約率の向上などにつながることが期待できるのです。

たとえば、SEOの傾向として、大手企業が運営するサイトの方が、個人や中小企業のサイトよりも検索結果の表示順位が上位になる傾向があります。

これは、個人や中小企業のサイトよりも大手企業が運営するサイトの方が「権威性」が高いと判断されるからです。

このGoogleの評価基準では、コンテンツやその作者だけではなく、Webサイト全体が評価対象となりますので、「権威性」を高めるためには、記事単位のコンテンツだけではなくWebサイト全般についても配慮しなければなりません。

◉-2、顧客からの信頼を得やすくなる(成約率向上)

経営者や営業担当者に「権威性」があると、顧客と話をする際に自然と説得力のある話し方になります。

商談の場などで説得力のある話し方をするためには、商品やサービスについての専門的な知識はもちろん、関連する質問などがあっても何でも答えられるという自信が必要です。

たとえば、経験豊富なベテラン営業担当者と新入社員の営業担当者とでは「権威性」には大きな差が出てくるでしょう。

また、同年代の営業担当者であっても、商品やサービスに関連する資格を持っている人とそうでない人では、話の説得力が変わってきます。

実際に、対面で話をする際には、自信がある話し方とそうでない話し方は、顧客にはすぐに違いが分かってしまいます。

「権威性」があると顧客から無条件に信頼してもらいやすくなり、結果として売上や成約率の向上につながります。

◉-3、ファンができる

「権威性」が高いと、SNSなどで発信したメッセージを受け取ってもらいやすくなり、メッセージの内容についても信頼して受け入れてもらいやすくなります。

たとえば、特に何の権威性のない人が「日本経済は今後こういった傾向になっていく」と発言するのと、有名大学の経済学部の教授が同じ発言をするのでは、後者の方が説得力を感じると思います。

このように、権威性があるかないかで発言についての説得力が変わってくるのです。

そのため、メッセージに対して好意的な返信をしたり、好意的なメッセージを付けて拡散をしたりしてくれるなど反響が大きく、ファンを獲得しやすくなるというメリットが生まれます。

参考コラム:【2024年最新】公認会計士事務所におすすめのSEO対策6選

◉企業や経営者の権威性を高めるための方法

「権威性」があると自社や自身に大きなメリットがもたらされます。

では、企業や経営者が自社や自身の「権威性」を高めるにはどうすれば良いのでしょうか?

具体的には次のような方法が有効です。

  • ・公的な資格を取得する
  • ・書籍を出版する
  • ・受賞する
  • ・メディア露出を増やす
  • ・権威性を高めるSEO対策の実施・講演を行う
  • ・実績の数を増やす
  • ・上場する

それぞれどのような方法なのか、具体的に見ていきましょう。

◉-1、公的な資格を取得する

弁護士や公認会計士、税理士、一級建築士などの国家資格や社会的に認知度が高い資格を取得することによって「権威性」を高めることが可能です。

難関資格であればあるほど、資格の等級が高ければ高いほど「権威性」は高まります。

たとえば、「簿記資格」よりは「公認会計士」や「税理士」の方が「権威性」は高くなりますし、「二級建築士」よりは「一級建築士」の方が圧倒的に「権威性」が高くなります。

なお、資格を必要としないコピーライターやデザイナー、フォトグラファーなどの職業を表す言葉も、その道の専門家というイメージを与えますので「権威性」を高めるための一定の効果があると言えるでしょう。

◉-1-1、民間資格ではダメ?

民間資格の場合、社会的に認知されていないことが多いため、あまり「権威性」は高くありません。

どちらかというと、「ないよりは良い」というレベルでしょう。

しかしながら、民間資格であっても「英検1級」のように認知度が高いものは存在します。

また、「薬機法管理者」などのように、民間であっても「こういった専門家なのかな」と分かりやすい資格もありますので、ないよりはあった方が「権威性」は高くなります。

◉-2、書籍を出版する

一般的に、その道の専門家であったり、知名度が高くないと書籍を出版できないイメージがあります。

デジタル時代の今でも書籍の社会的信頼性は高いため、書籍を出版することで「権威性」を高める効果が期待できます。

◉-2-1、書籍を出版するだけでは不十分!

書籍を出版するだけであれば、それほど難しくはありません。

費用はかかりますが、自費出版を活用すれば、自分の書籍を比較的簡単に出すことができるのです。

書籍を出版することで、確かに「権威性」は高まりますが、それだけでは不十分です。

なぜならば、前述のように「権威性」を高めるためには「より社会的に承認を受けている状態」でなければならないからです。

そのため、「自費出版」した場合は、書店でも販売したり、見込み客に配るなどの方法によって、世の中に「出版した事実」を広める努力が必要となります。

◉-3、受賞する

何か賞を受賞することによって「権威性」を高めることもできます。

賞といってもいろいろなものがありますので、自社の商品やサービスに応じて選ぶ必要があります。

たとえば、「グッドデザイン賞」は、日本のデザイン分野では最も認知度の高い賞です。

また、製品、建築、ソフトウェア、システム、サービスなど形の有る無しに関わらず対象となりますので応募しやすいと考えられます。

食品関係であれば「モンドセレクション」がありますし、販売系であれば通販サイトの「ショップ・オブ・ザ・イヤー」などがあります。

自社のHPや商品パンフレットなどにこれらの受賞実績を表示すると、取り扱っている商品やサービス、サイトを「すごい」と感じさせることができます。

その他にも探せば応募できる賞はたくさんありますので、自社に合ったものを探して応募してみましょう。

◉-4、メディア露出を増やす

「権威性」は「社会的にどれぐらい認められているのか」を表す指標なので、自身や企業自体がいかにメディアに露出して認知されるかが重要です。

そのためにも、書籍だけではなく、世の中の多くの人が「すごい」と思ってもらえるようなメディアに露出していく必要があります。

メディアにも多くの種類があります。

そのため、自社の取扱商品やサービスに応じて適切なメディアを選ばなければなりません。

たとえば、一般消費者向けの商品やサービスであれば、テレビや新聞、雑誌、SNSなどが考えられますし、BtoB商品やサービスであれば、新聞や業界紙、事業に関連するポータルサイト、SNSなどが考えられます。

また、できるだけ信用度の高い有名なメディアに取り上げられることが「権威性」を高めるためには重要です。

具体的には以下のような方法でメディア露出を増やしていけないかを検討してみましょう。

  • ・積極的にプレスリリースを打つ
  • ・大手メディアに記事を寄稿する
  • ・積極的にSNSで情報発信する
  • ・テレビやラジオに出演する
  • ・テレビCMを打つ

具体的にどのような方法なのかをくわしく見ていきましょう。

◉-4-1、積極的にプレスリリースを打つ

プレスリリースの最大の目的は、各方々のメディアに取り上げられて記事にされることです。

つまり、積極的にプレスリリースをすると、メディアの目に留まる機会が増え、取り上げられる可能性が高くなり「権威性」も高くなるというわけです。

メディアに取り上げられやすくするためには、トレンドになっている話題を絡めたり、開発秘話などのストーリー性のある話題を盛り込んだり、顧客にどのようなメリットがあるのかを分かりやすく盛り込んだりすることなどが必要です。

また、新商品発売のプレスリリースの場合は、旧商品とどこが違うのか、他社製品とどこが違うのかなどが分かりやすく記載しておくと、メディアで記事を作成する際の手間がかからないため取り上げられる機会が増えます。

◉-4-2、大手メディアに記事を寄稿する

大手メディアに記事を寄稿することによって、記事になり「権威性」が向上します。

まったく縁のないメディアにいきなり寄稿しても相手にされないことが多いと思われますので、たとえばこれまでにプレスリリースを取り上げてくれたメディアなど、何らかのつながりのあったところに寄稿依頼などを送ってみてはいかがでしょうか。

また、ジャンル違いのメディアに掲載しても意味がないので、商品やサービスに合ったジャンルのメディアを選定して依頼することが大切です。

◉-4-3、積極的にSNSで情報発信する

SNSで情報発信することによって、メディアの目に留まって取り上げられる可能性が増えて、「権威性」の向上につながります。

SNSは個人が閲覧するだけではなく、多くのメディアが何か記事になるネタがないかを探しています。

最近ニュースなどで「このニュースに関してSNSでは〜」という風にSNSの反響などをそのまま活用している放送局も多くなってきています。

前述のようにメディアといってもいろいろな種類があり、そのメディアのターゲットに注目されるようなネタを探しているわけですから、一般消費者向けの商品やサービスでなくても、積極的に情報発信をしていくべきです。

◉-4-4、テレビやラジオに出演する

テレビ番組やラジオ番組に出演してメディア露出を増やすことも「権威性」を高める方法の1つです。

テレビ番組やラジオ番組に出演するためには、テレビ局やラジオ局にふさわしい番組がなくてはなりませんが、ワイドショーなどの番組であれば最近話題の商品やサービスを紹介することがありますのでチャンスはあります。

自社の商品やサービスが、近年話題の省エネや環境問題、節約などに貢献するものであるなど、話題性のあるものであれば出演の機会が期待できます。

◉-4-5、テレビCMを打つ

自社の商品やサービスが一般消費者向けである場合は、テレビCMを打ってメディア露出を上げ「権威性」を高めることができます。

テレビCMを出稿するとそれなりに費用はかかりますが、CMが流れている期間中は確実にその効果が表れて売り上げに寄与することができます。

ただし、テレビCMが流れなくなったあとまで効果が継続するかどうかは、どのような商品やサービスなのかやテレビCMの出来などによって変わってくると考えられます。

◉-5、権威性を高めるSEO対策の実施

SEO対策により、検索結果で上位表示されることも「権威性」を高める方法の1つです。

具体的には次のような方法があります。

  • ・良質な被リンクの獲得
  • ・他メディアの記事を監修

◉-5-1、良質な被リンクの獲得

すでに「権威性」があると認められている良質なWebサイトから被リンクを獲得することによって「権威性」を高めることができます。

「権威性」のある良質なWebサイトとは、公的機関や業界で上位に位置する企業のWebサイトなどです。

権威性の高いサイトからの被リンクを獲得しているということは、それだけ信頼できる記事を出しているということと判断され、「権威性がある」とGoogleから評価されやすくなるのです。

具体的に被リンクを獲得するためには、継続的なプレスリリースを行ったり相互リンクの提案をしたりします。

◉-5-2、他メディアの記事を監修

他のメディアの記事を監修することによって「その道の専門家」と見られるようになります。

たとえば、税金のことを解説する記事に「監修者」として名前が載っていたら、その人が税金についての専門家であることが分かります。

このように、他メディアの記事を監修すると、自分自身の「権威性」を高めることができるのです。

ただし、この場合は自分自身が何らかの資格を持っていたり、専門知識があるなど、その記事のメディアから認められることが前提となります。

あるいは、自社の商品やサービス、保有技術などが他社にないような独自なものであるような場合も記事の監修をすることが可能です。

◉-6、講演を行う

講演は、その道の第一人者としてテーマに沿った話をする場なので「権威性」を高めるのに有効です。

たとえば、知名度の高いセミナーやイベントで講演すると、権威のある人と認識されて、別のセミナーの講師としてオファーを受けることも考えられます。

ちなみに、前述したように書籍を出版すると、その道の第一人者と認識されやすくなるため、講演の依頼が増加することがあります。

次の「【事例コラム】大口案件の集客、人材採用、大手企業からの講演依頼!出版ですごいことになった保険代理店」でご紹介している保険代理店の代表は、書籍を出版した結果、多くの講演依頼が来たそうです。

◉-7、実績の数を増やす

実績の数を増やすことも「権威性」を高めるのに有効な方法です。

たとえば、HPに多くの実績が掲載されている企業と実績が掲載されていない企業では、実績が掲載されている方に「権威性」を感じるようになります。

実績の具体的例としては、売上高や売上数、顧客数、営業年数などがあります。

また、「顧客満足度No.1」や「リピート率98%」などのように計測可能な高い数値を表示すると多くの人が利用しているというイメージを抱かせることができ「権威性」を高めることにつながります。

◉-8、上場する

株式を上場すると会社の情報が公になるため、社会的認知度が一気に高まり「権威性」も高くなります。

一般的に「上場している会社=一流企業」というイメージがあるため「権威性」が高くなるのです。

◉書籍の出版が権威性を高めるにはやりやすくておすすめ!

「権威性」を高める方法の中で、一番やりやすく、かつ効果的なのが書籍の出版です。

実際に書籍の出版によって「権威性」が高まり、成約につながった事例を紹介します。

◉-1、保険代理店の事例

埼玉県で保険代理店を営む経営者は自身が出版した書籍の中で、保険業界の現状と問題点について解説し、今後の保険代理店経営に必要な考え方やシステムについて持論を展開しました。

それは保険業界の給与体系に関するもので、成果に応じて給与が決まる「成果報酬型」が当たり前ですが、これを「一律報酬型」に変えることで業績拡大ができるという内容でした。

つまり、限られた少数のスーパー営業マンに頼るのではなく、すべての社員による経営で業績拡大ができるということを書籍の中で紹介したのです。

書籍を出版したことにより業界関係者に読んでもらうことができ、多くのセミナーや講演会に講師として招かれるようになりました。

特に保険会社から講演の依頼が来たり、同業者を支援してほしいという依頼が来たり、保険会社側から一目置かれる代理店になったということの意義は非常に大きいと感じているそうです。

また、本を読んだ人から新規のコンサル契約を獲得したり、口コミでの紹介が増えて保険契約数が伸びるという大きな経営効果も得られて、出版前には考えられなかったような状態になっているそうです。

本来の出版目的であった、同業の保険代理店からのコンサル依頼がまず数件。そして驚いたのは、保険会社から講演の依頼が来たり同業支援の話が回ってきたりと、「保険会社にとって頼れる代理店」というありがたいイメージを持ってもらえるようになったことです。
引用元:【事例コラム】大口案件の集客、人材採用、大手企業からの講演依頼!出版ですごいことになった保険代理店

【まとめ】権威性を高めることで、企業や事業、経営者に良い影響を出そう

本記事では、「権威性」についてのメリットや、高めるための具体的な方法などについて解説しました。

また、企業や経営者が「権威性」を高めるために最も効果的な方法として書籍の出版があり、実際に「権威性」の向上に成功した事例を紹介しました。

デジタル技術全盛の時代にあって、どうして紙メディアの書籍なのかという疑問もあるかと思います。

それは、書籍は伝達できる情報量が非常に多く、単なる商品やサービスの紹介だけではなく、開発秘話などのストーリーをまとめて顧客に届けることができるという大きな特徴があるからです。

書籍を出版しているという「権威性」に加えて、顧客をファン化することができるコンテンツを確実に伝達することができます。

書籍の出版によって「権威性」を高めて、企業や事業の経営に良い影響を与えることができるでしょう。

商品やサービスの課題として「権威性のなさ」を感じている企業さまは、ぜひ書籍の出版を検討してみてはいかがでしょうか。

フォーウェイまでお気軽にご相談ください。

▼ブックマーケティングのご案内はこちら

ブックマーケティング

健康食品や化粧品、サプリメントなどの広告・PRに携わっている広告担当者や広報担当者にとって、薬機法(旧:薬事法)に関する知識は欠かせません。

薬機法(旧:薬事法)に違反する広告・PRを行ってしまうと、場合によっては罰金や逮捕などの厳罰が課せられることもあります。

そこで本記事では、まず薬機法(旧:薬事法)とは何かについて説明し、その後に薬機法(旧:薬事法)に違反せずに広告するためのポイントについて分かりやすく解説していきます。

目次【本記事の内容】

執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)

慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。

◉薬機法(旧:薬事法)とはどんな法律?

薬機法(旧:薬事法)とは、医薬品や医薬部外品、化粧品、医療機器、再生医療等製品などの品質と有効性、安全性を確保するために、製造から販売、販売後の安全対策までを規制する法律です。

この法律は従来「薬事法」と呼ばれていましたが、2014年(平成26年)に改正が行われて、名称が「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」に変更されたため、これを略して「医療品医療機器等法」や「薬機法」と呼ばれています。

◉-1、薬機法(旧:薬事法)の広告規制の対象となるジャンル

薬機法(旧:薬事法)の規制対象となっているのは、主に以下のようなジャンルの商品・サービスです。

  • 医薬品
  • 医薬部外品
  • 化粧品(コスメ)
  • 医療機器
  • 再生医療等製品

◉-2、薬機法(旧:薬事法)の広告規制の対象者

薬機法(旧:薬事法)の広告規制の対象は「広告に関係したすべての関係者」となります。

たとえば、製造販売会社が広告を広告代理店に依頼していた場合には、広告代理店も対象になります。

また、広告を掲載した媒体の運営者や、アフィリエイター、インフルエンサーなども対象です。

◉薬機法(旧:薬事法)で規制対象となる広告の3要件とは?

1998年(平成10年)9月29日、厚生労働省は「医薬監第148号厚生省医薬安全局監視指導課長通知」において、「薬機法(旧:薬事法)の規制対象となる広告」とは、次の3つの要件をすべて満たすものであるということを示しました。

  • 顧客を誘引する意図が明確である(誘引性)
  • 特定医薬品等の商品名が明らかにされている(特定性)
  • 一般人が認知できる状態である(認知性)

以下では、この3つの要件について詳しく見ていきましょう。

◉-1、顧客を誘引する意図が明確であること

1つ目の要件は「顧客の購入意欲を昂進(こうしん)させる意図が明確であること」と言い換えることが可能です。

つまり、「商品を販売したい」という目的が明確にわかることが要件だということです。

この意味から、アフィリエイトリンクやインフルエンサーによるPR投稿などは、この要件を満たしているため、「広告」とみなされます。

逆に、学会などでの論文において「ある健康食品の効果」について発表したような場合は、「商品を販売したい」という目的で行われたものではないので、この要件を満たさず、「広告」とはみなされません。

◉-2、特定医薬品等の商品名が明らかにされていること

2つ目の要件は、販売者(事業者や企業など)から消費者に対して行うアプローチを総合的にみて「広告」に該当するかどうかが判断されます。

たとえば、販売者(事業者や企業など)が消費者に「ある商品に含まれる成分の効果効能について説明されたチラシ」を送付した場合、このチラシは効果効能だけを説明しているので「広告」とはみなされません。

しかし、その数日後に「商品のチラシ」や「商品の購入案内」などを送付すると、総合的に判断して「広告」とみなされてしまうのです。

また、ホームページなどで「ある商品に含まれる成分の効果効能を説明するページ」と「商品の購入申し込みページ」が分かれている場合であっても」、「ある商品に含まれる成分の効果効能を説明するページ」から「商品の購入申し込みページ」へのリンクが貼られている場合には、「広告」とみなされてしまいます。

このように、単独のチラシやページだけでは「広告」に該当しない場合であっても、総合的に見て「広告」とみなされるということです。

◉-3、一般人が認知できる状態であること

3つ目の要件は、「広告の3要件」の中で最も広く解釈されて運用されているものです。

そのため、この要件にはホームページ(HP)、LP、広告、SNS投稿、などほとんどすべての情報発信が該当します。

たとえば、2014年(平成26年)5月22日の厚生労働省の通知において、IDやパスワードを入力しないと入れないサイトであっても「一般人が認知できる状態」に該当するとされています。

◉【広告担当者必見】広告における薬機法(旧:薬事法)の主な禁止事項と違反事例

健康食品や化粧品、サプリメントなどの広告・広報担当者の頭を悩ませる薬機法(旧:薬事法)。

もちろん、専門家によるチェックや修正は重要ですが、担当者もある程度「これはダメ」「これはOK」と言った薬機法(旧:薬事法)の禁止事項などを違反事例とともに知っておいた方が良いと言えます。

そうすることで担当者である程度チェック・修正することができますし、薬機法(旧:薬事法)のチェックにかかる費用の削減や、ダブルチェックにもつながります。

薬機法(旧:薬事法)に該当するような商品・サービスの広告・広報担当者は、次に挙げるような「薬機法(旧:薬事法)における主な禁止事項」を違反事例とともにぜひ知っておきましょう。

◉-1、虚偽・誇大広告の禁止(過度な褒めや効果効能など)

薬機法(旧:薬事法)では、医薬品や医薬部外品、化粧品、医療機器、再生医療等製品などの名称や製造方法、効能・効果、性能に関して、虚偽広告や誇大広告をすることが禁止されています。

1.何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない。
2.医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の効能、効果又は性能について、医師その他の者がこれを保証したものと誤解されるおそれがある記事を広告し、記述し、又は流布することは、前項に該当するものとする。
3.何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品に関して堕胎を暗示し、又はわいせつにわたる文書又は図画を用いてはならない。
引用元: 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 第十章 第六十六条(誇大広告等)

具体的には、「過度な褒め」や「過度な効能・効果」などを謳った広告がダメということです。

実際に「ズタボロだった肝臓が半年で復活」という肝臓疾患の予防に関する誇大広告を行ったとして摘発された事例や、解毒成分であるグルタチオンを含む錠剤(医療用医薬品)に「美白や日焼け予防などの効果がある」と宣伝して摘発された事例などがあります。

このように、「〜するだけで痩せる」「〜することで血圧が下がる」など自社の商品やサービスを使うことによって何らかの健康効果が得られる」といった表現をする場合には十分注意しましょう。

◉-1-1、違反事例1:広告表現の根拠となる臨床研究データの一部改ざんが発覚

2014年(平成26年)にある製薬会社が販売する高血圧治療薬に関する広告において、虚偽・誇大な表現を用いていたことが発覚し、薬機法(旧:薬事法)違反の疑いで告発、起訴されました。

この高血圧治療薬は狭心症や脳卒中の発症を抑える効果が他の薬剤よりも優れていることを謳った広告を行っていましたが、後にその根拠となる臨床研究データの一部改ざんが判明。

これにより、「消費者に誤解を与える広告内容」として薬機法(旧:薬事法)の「虚偽・誇大広告の禁止」に抵触したとして摘発の対象となりました。

医薬品や医療関連製品の広告では、こういった広告表現の根拠となる臨床研究データには「それが第三者機関による検証を経ているのか?」など正当性を注意深く判断しなければなりません。

◉-1-2、違反事例2:健康食品で「肝臓疾患の予防に効果がある」と効果・効能を謳い摘発

2020年(令和2年)に健康食品の製造販売会社が「肝臓疾患の予防に効果がある」という医薬品的な効果・効能を謳った広告を行い、薬機法(旧:薬事法)の「虚偽・誇大広告の禁止」に違反したとして摘発された事例です。

同社の社員と広告代理店の関係者6名が逮捕されています。

健康食品は医薬品的な効果・効能を謳って広告を行うと薬機法違反となってしまうため十分に注意しましょう。

この事例のように製造販売会社だけではなく、その広告を担当した広告代理店も一緒に摘発される可能性があるため、「広告代理店を使っているから安心」と考えるのはやめましょう。

今回のように「〜が回復する」「〜を治す」といった医薬品的な効果・効能は薬機法(旧:薬事法)の知識が少しあれば、「あれ?この表現いいのかな?」と未然に防げる事例です。

広告代理店任せではなく、しっかりと広告担当者も薬機法(旧:薬事法)の知識を持つことが重要になってくると言えます。

◉-1-3、違反事例3:健康食品で「がんが治る」と効果・効能を謳い摘発

2023年(令和5年)に、健康食品の製造販売会社が「がん細胞が99%消えた」という医薬品的な効果・効能を謳った広告を行い、薬機法(旧:薬事法)の「虚偽・誇大広告の禁止」に違反したとして摘発されています。

「〜が治る」「〜の予防になる」など効果・効能を謳った広告は、原則として医薬品、医薬部外品などに限られています。

また、医薬品や医薬部外品なども厚生労働業の承認を受けた上で、その承認範囲内でのみ効果・効能を広告することが許されているのです。

サプリメントのような医薬品や医薬部外品に該当していない商品で、「〜が治る」「〜の予防につながる」や、今回のように体験談かのように「〜が治った」や、ビフォーアフターであたかも治ったかのような表現をすることは薬機法(旧:薬事法)違反になります。

薬機法(旧:薬事法)の知識があればすぐに「あれ?」と気付ける初歩的な事例なので、きちんと広告担当者が知識を持ち、こういったアラートを出すことが重要です。

◉-2、未承認の医薬品の広告の禁止

薬機法(旧:薬事法)では、未承認の医薬品や医薬部外品、化粧品、医療機器、再生医療等製品などの名称や製造方法、効能・効果、性能に関して広告することが禁止されています。

たとえば、「米国食品薬品局が認可した画期的な飲む育毛剤」と広告した事例がありますが、たとえ米国食品薬品局で承認されていた医薬品であっても、日本で承認されていないものの広告をすることはできません。

実際に厚生労働大臣の承認を受けていない医薬品である「スーパープラセンタ」を、肌の若返りなどを謳って宣伝・販売したとして摘発された事例もあります。

そもそも取り扱う医薬品がきちんと厚生労働大臣の承認を受けているものなのかを確認することも重要です。特に他社の商品を取り扱う会社の広報・広告担当者は注意しましょう。

何人も、第十四条第一項、第二十三条の二の五第一項若しくは第二十三条の二の二十三第一項に規定する医薬品若しくは医療機器又は再生医療等製品であつて、まだ第十四条第一項、第十九条の二第一項、第二十三条の二の五第一項、第二十三条の二の十七第一項、第二十三条の二十五第一項若しくは第二十三条の三十七第一項の承認又は第二十三条の二の二十三第一項の認証を受けていないものについて、その名称、製造方法、効能、効果又は性能に関する広告をしてはならない。
引用元:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 第十章 第六十八条(承認前の医薬品、医療機器及び再生医療等製品の広告の禁止)

◉-2-1、違反事例1:承認を受けずに「免疫機能を正常化」と広告し違反

2023年(令和5年)9月27日、ペットフードの研究開発・製造・販売を行っている企業が、承認を受けずにホームページで「免疫機能を正常化」と広告したことにより、その企業の代表取締役が薬機法(旧:薬事法)の「承認前の広告の禁止等」に違反した疑いで逮捕されました。

ペットフードであっても薬機法(旧:薬事法)違反で摘発される可能性があるというもので、新潟県内では初の事例、全国でも2件目の事例となりました。

このように、「初の摘発事例」などは要チェックです。

今までは見過ごされていたものがある時期から摘発対象になる場合もあるので、十分注意しましょう。

◉-2-2、違反事例2:「アトピー治る」と未承認の医薬品を広告・宣伝し違反

この違反事例は、2013年(平成25年)2月に、自ら作製した液体を「アトピー治る」と謳って医薬品として無許可で販売した製造業者が、当時の薬事法違反の疑いで逮捕されたものです。

この容疑者は、2009年(平成21年)ごろから食酢や緑茶の成分を混ぜた「クリン8」という液体を、インターネットで全国の約2400人に1本100ML入りを4900円で販売していました。

「クリン8」の購入者から「薬機法(旧:薬事法)違反になるのではないか」という相談が警察にあり、山形県警が捜査して逮捕に至ったようです。

未承認の医薬品を販売したことはもちろんのこと、広告・広報担当者として注目したいのは「アトピー治る」と未承認の医薬品を宣伝したということです。

◉-2-3、違反事例3:未承認のサプリメントを「がんに効く」と広告し違反

2020年(令和2年)10月に、「がんに効く」という広告をして医薬品として未承認のサプリメントなどを販売した容疑で医師らが逮捕されました。

この医師が経営するサプリメント製造販売会社のホームページで、4種類のサプリメントやお茶について「乳がん予防」「インフルエンザ予防」「便秘解消」などのように医薬品としての効果があるように広告・販売していました。

この事例では、代表者の医師だけではなくサプリメント製造販売会社の従業員2名も逮捕されています。

未承認の医薬品を販売したのはもちろんのこと、注目すべきはその製造や宣伝に関わった人も巻き込んで逮捕されているということです。

このように、薬機法(旧:薬事法)違反は、周辺のさまざまな関係者を巻き込んでしまう可能性があることを知っておきましょう。

◉-3、他社商品の誹謗広告の禁止

薬機法(旧:薬事法)では、医薬品や医薬部外品、化粧品、医療機器、再生医療等製品などの名称や製造方法、効能・効果、性能に関して、他社商品の誹謗広告をすることが禁止されています。

たとえば、「〇〇社の製品よりも良く効きます」や「他社製品より安全です」などの表現が該当します。

「他社製品より安全です」のように、他社や他社製品を明示せずに漠然と比較する場合でも、間接的に他社を批判しているとみなされて薬機法に抵触するおそれがあるので注意が必要です。

そのため、製品同士で比較広告を行う場合は、自社製品の範囲で行う必要があります。また、対象商品の名称を明示しなければなりません。

◉-4、医療関係者等の推せんの禁止

薬機法(旧:薬事法)では、「医療関係者等」による推せんが禁止されています。

ここでいう「医薬関係者等」とは、医療や美容に関する国家資格や同等の資格を持っている専門家のことを言い、医師や歯科医師、美容師、理容師、鍼灸師、教授などが該当します。

これは、医師や美容師による推せんには影響力があり「効能・効果や安全性の保証」とみなすことができると考えられるからです。

たとえば、医薬品などの広告で、医師が「〇〇に効きます」というような表現をしている場合は「効能・効果を保証している」と誤解されるおそれがあるため禁止されています。

また、化粧品の広告で「美容師がおすすめします」というような推せん行為もNGです。

ただし、医師や美容師が監修した商品の広告において、「共同開発した事実」を記載することは問題ないとされています。

◉-4-1、違反事例1:医師の推薦コメントを使用し広告を行い摘発

2020年(令和2年)に健康食品の製造販売会社が自社商品に医師の推薦コメントを使用し、「肝臓疾患の予防に効果がある」と宣伝広告を行ったとして摘発されています。

前述の「虚偽・誇大広告の禁止(過度な褒めや効果効能など)」でも取り上げた違反事例です。

薬機法(旧:薬事法)は「根拠があれば良い」「医療関係者の推薦があれば良い」という訳ではありません。

今回のように専門家である医師の推薦コメントがあったとしても、健康食品で医薬品的な効果・効能を謳うのは違反です。

また、そもそも医師を含む医療関係者の推せんは薬機法(旧:薬事法)違反となるので、「医療関係者による推薦コメント」の使用はやめましょう。

「専門家が認めた」「医師監修」などの表現も十分注意しましょう。

医師と共同開発した事実として「医師と共同開発」程度に表現を止めておくのが良いと言えます。

◉-5、化粧品の効能・効果の範囲を超えた表記の禁止

薬機法(旧:薬事法)では、化粧品の広告においては効能・効果以外の表記が禁止されています。

たとえば、基礎化粧品の広告で「脂肪分解を昂進(こうしん)してセルライトの除去や皮膚の老化防止をする作用があります」と表現したところ、肌の機能そのものに関わる表現は化粧品の効能効果の範囲を超えているとして摘発を受けた事例があります。

化粧品の効能・効果の範囲については、厚生労働省が平成23年7月に発表した「化粧品の効能の範囲の改正について」で明確に56項目が指定されています。

たとえば、以下が化粧品の効能の範囲として許されている表現例です。

(1)頭皮、毛髪を清浄にする。
(2)香りにより毛髪、頭皮の不快臭を抑える。
(3)頭皮、毛髪をすこやかに保つ。
(4)毛髪にはり、こしを与える。
(5)頭皮、毛髪にうるおいを与える。
(6)頭皮、毛髪のうるおいを保つ。
(7)毛髪をしなやかにする。
(8)クシどおりをよくする。
(9)毛髪のつやを保つ。
(10)毛髪につやを与える。
引用元:厚生労働省「化粧品の効能の範囲の改正について」

また、「化粧品であれば上記どのような表現を使っても良い」という事ではなく、あくまでその化粧品に該当するもののみ使用可能となっているので、注意しましょう。

■薬機法(旧:薬事法)に違反すると重い罰則を受ける可能性があるので注意

薬機法(旧:薬事法)に違反した場合は、業務停止や課徴金納付などの重い罰則を受ける可能性があるので注意が必要です。

以下では、具体的な罰則の内容などについて説明します。

◉-1、「措置命令」や「中止命令」が下される

薬機法(旧:薬事法)に違反した事業者や企業に対しては、厚生労働大臣や都道府県知事から違反行為の中止や排除、再発防止策の実施を命じる「措置命令」や「中止命令」が下されることがあります。

なお、未承認の医薬品や医療機器の販売をした場合は、刑事罰の対象となる可能性もありますので、十分な注意が必要です。

◉-2、売上に対する課徴金が課せられる

薬機法(旧:薬事法)に違反して虚偽や誇大広告を行った事業者や企業に対しては、厚生労働大臣から課徴金が課せられます。

この「課徴金制度」は2021年(令和3年)8月1日から施行されたもので、違反を行っていた期間における対象商品の「売り上げ金額×4.5%」を課徴金として納付しなければなりません。

◉-3、社会的信用を失い契約打ち切りなど連鎖的に事業失墜に向かってしまう

薬機法(旧:薬事法)に違反して措置命令や中止命令が下されたり、売上に対する課徴金が課せられたりすると、その企業の社会的信用は低下します。

企業イメージがダウンして商品の販売中止・回収になったり、消費者はもちろんのこと株主や取引先からの信用も失って株式の下落や取引先との取引停止になることもありえます。

また、未承認の医薬品や医療機器の広告・販売をした場合は「未承認医薬品の広告禁止」に該当するため、より重い刑事罰の対象となりますので十分な注意が必要です。

最悪の場合、その企業の経営者などが逮捕されるケースも。

このように、1つの広告の違反行為によって大きな損失を被る可能性があることを知っておきましょう。

■薬機法(旧:薬事法)に違反せずに広告・PRするためのポイント

ツールです。有料ツールですが、2日間だけ全機能を制限なしで利用できるお試し制度があります。

広告・広報担当者が薬機法(旧:薬事法)に違反せずに、健康食品や化粧品、サプリメントなどを広告するためにはどのようなことに注意すれば良いのでしょうか。

具体的には以下の6つのポイントを押さえておくことで、薬機法(旧:薬事法)違反を防ぐことができます。

◉-1、薬機法(旧:薬事法)関連の資格を取得する

薬剤師資格を取らずとも、薬機法(旧:薬事法)の改正などに伴い、関連する資格も多く出てきています。

広告担当者自身がこういった資格や認証を取得し、薬機法(旧:薬事法)に精通していくのは、広告における薬機法(旧:薬事法)違反を防ぐ効果的な方法と言えるでしょう。

・薬機法広告検定
・YMAA個人認証マーク / YMAA団体認証マーク
・薬機法管理者
・コスメ薬機法管理者

薬機法広告検定

一般社団法人D2Cエキスパート協会が運営する『薬機法広告検定』は、広告やマーケティングに関わる方向けの民間資格です。

薬機法(旧:薬事法)に基づいた適切な広告表現の知識があることを証明することができます。

具体的には次の5つの商品カテゴリーごとに、薬機法(旧:薬事法)に関する基本的なルールの知識や、違反表現に対する言い換え表現を試されます。」

・健康食品
・機能性表示食品
・化粧品、医薬部外品
・雑貨
・ペットフード

資格の勉強をすることで、薬機法に抵触せずに商品の魅力を最大限伝える表現方法を身につけることができるのがメリットです。

◉-1-1、YMAA個人認証マーク / YMAA団体認証マーク

一般社団法人薬機法医療法規格協会が運営する民間認証制度です。

薬機法などに関する適切な知識があるかどうか、実務能力を持っているかどうかを証明することができます。

個人向けと団体向けがあるのが特徴です。

合格率は『一般社団法人薬機法医療法規格協会:YMAA認証マーク資格試験』によれば、約30.7%と低いので薬機法についてある程度の知識や経験がないと取得が難しいと言えるでしょう。

◉-1-2、薬機法管理者

株式会社薬事法ドットコムが運営する民間資格です。

健康食品や化粧品、医療機器、美容機器、健康器具などのカテゴリーで、薬機法や機能性表示食品、景品表示法に関する知識があることを証明することができます。

資格取得後も最新情報をキャッチアップできたり、年3回〜4回開催される薬機法・景品表示法セミナーに参加できたり、フォローが手厚いのが特徴。

薬機法(旧:薬事法)は不定期で改正されるため、こういった最新情報のキャッチアップは重要です。

◉-1-3、コスメ薬機法管理者

薬機法管理者と同じく、株式会社薬事法ドットコムが運営する民間資格です。

商品カテゴリーの中でも特に化粧品や薬用化粧品に特化した薬機法資格となっているのが特徴です。

◉-2、業界の薬機法(旧:薬事法)に関するガイドラインをよく読む

薬機法(旧:薬事法)に関するガイドラインをよく読み込んで理解しましょう。

薬機法(旧:薬事法)自体は法律文なので小難しい表現が多いですが、それを厚生労働省が出すガイドラインを中心に、各自治体や業界団体などがNG表現など具体的な事例を踏まえて分かりやすく解説してくれています。

基本となるガイドラインとしては、以下の2つです。

また、広告に関する基準としては、以下のようなガイドラインがあります。

また、これらを元にして、以下のように各業界で個別のガイドラインが作成されているのでそちらを参考にするのもおすすめです。

これらのガイドラインを理解しておくことによって、広告を作成する際に意識して違反表現を避けることができるようになります。

また、次のように地方自治体のHPなどでも分かりやすいガイドラインが作られていたりするので、そちらも見ておきましょう。

また、これらのガイドラインを参考に、自社の商品やサービスに関する独自のガイドラインを作成しておくことも有効です。

自社のガイドラインとしてまとめるのも有効

薬機法(旧:薬事法)違反を避けるためには、前述のように広告作成用の社内ガイドラインを作成して全社的に共有するのがおすすめです。

これらを広告代理店などに共有し、広告表現がガイドラインに沿っているかどうかを厳しくチェックしていきましょう。

◉-3、過去の違反事例から学ぶ

過去の違反事例から学ぶことも重要なポイントです。

たとえば、2020年(令和2年)、健康食品輸入会社が「抗ウイルス効果がある」とお茶の広告を自社サイトで行い、医薬品として未承認の健康食品を販売したとして代表ら2人が逮捕されました。

この事例のように、特に健康食品については、医薬品と同等の効能・効果があるという広告をすると「未承認の医薬品」とみなされて薬機法(旧:薬事法)に抵触する場合があります。

これらの他社事例を参考にして、「OK表現」「NG表現」などを自社のガイドラインとしてまとめておくことも有効です。

◉-4、専門家への確認 / リーガルチェック

薬機法(旧:薬事法)の専門家にリーガルチェックを依頼して確認してもらう方法もあります。

薬機法(旧:薬事法)の知識を持った専門家が行いますので、間違いや見落としが起こる可能性は非常に少ないのですが相応の費用が発生します。

Webページの更新頻度が高いような場合は、費用対効果について検討する必要があるでしょう。

◉-5、薬機法チェックツールを使用

薬機法(旧:薬事法)チェックツールを使用する方法もあります。

薬機法(旧:薬事法)チェックツールとは、医薬品や医薬部外品、化粧品、医療機器、健康食品などの広告表現が薬機法(旧:薬事法)などの法律に抵触していないかどうかをチェックしてくれるツールのことです。

広告表現に問題がないかどうかを確認するだけではなく、代替表現の提案をしてくれるものもあります。

料金体系はツールごとに異なっており無料で利用できるものもありますが、文字数の制限などがある場合がありますので、用途に応じて検討が必要です。

主に以下のようなツールがあります。

◉-5-1、薬事法広告表現チェックツール(無料)

URL:https://check.yakujimarke.jp/

無料のチェックツールで、30文字までの広告表現のチェックが可能です。

主に健康食品や化粧品に対応しています。

薬機法(旧:薬事法)に抵触する表現の場合は結果欄に抵触している箇所とその理由が表示されます。

◉-5-2、TRUSQUETTA(トラスクエタ)

URL:https://trusquetta.net/

従来KONOHAという名称で利用されていたツールで有料です。

主に化粧品(コスメ)や健康食品に関する広告表現が薬機法(旧:薬事法)や景品表示法に抵触していないかどうかをチェックし、代替表現を提案してくれる機能もあります。

◉-5-3、Cosme Design

化粧品(コスメ)の広告チェック、成分表示名称チェックなどを行うツールです。

有料ツールですが、2日間だけ全機能を制限なしで利用できるお試し制度があります。

◉-6、次期薬機法(旧:薬事法)改正に関する動向を抑える

薬機法(旧薬事法)は次のように不定期で改正が行われています。

・2019年:法令遵守体制の義務付けや課徴金制度の導入

・2022年:緊急承認制度や電子処方箋などの創設

薬機法による規制は時代とともに厳しくなっていく傾向があり、2025年1月24日から召集の通常国会にて提出予定の薬機法改正案について注目が集まっています。

盛り込まれる可能性のある内容としては、以下の通りです。

・後発医薬品供給支援基金の設置
・出荷停止時の届け出義務付け(製薬会社)
・法令違反のあった製薬会社に対しての役員変更命令
・品質保証責任者を法律上明確化・課徴金制度の対象の拡大(医薬品限定で「承認内容と異なる成分・分量等の製造販売・製造等の禁止違反」を追加)
・薬事監視体制の強化
など

2022年の薬機法改正以来、ジェネリック医薬品製造販売業者による違反が相次いだことにより、医薬品の製造販売業者における規制がより強化されることが予想されています。

広告規制についてもより強化される可能性があるため、今後の薬機法改正の動向に注目しておきましょう。

◉-7、商品カテゴリーごとに代表的なNG表現事例を把握する

薬機法(旧:薬事法)には色々と細かい規制がありますが、全てを完璧に把握するのは時間がかかります。

そのため、まずは大まかに各商品カテゴリーにおける代表的なNG表現事例を把握しておきましょう。

この業界では「こういうのが薬機法的にNG」というのが大まかにわかっていれば、その表現が出てきた時に「薬機法違反かも…」というアラートが立つようになってきます。

具体的に見ていきましょう。

◉-7-1、医薬品の薬機法NG表現事例

医薬品は一般用医薬品(OTC医薬品))に限り、厚生労働省に承認を受けた範囲で、客観的な根拠に基づき、次のような効果効能の表現が許されています。(※処方薬の広告は禁止、医療関係者向けのみOK)

・「〜の治療に効果があります」
・「〜の症状を改善します」

誇大・虚偽表現を避け、承認された内容と必要な情報(用法・用量、副作用や、医薬品の正式名称など広告に含めるべき必須事項)、事実のみを記載するようにしましょう。

具体的に次のようなものがNG表現になるので、出てきた場合には削除、もしくは適切な言い換えを検討することが重要です。

・「すぐ治る」
・「100%安全」
・「副作用なし」

◉-7-2、医薬部外品の薬機法NG表現事例

医薬部外品とは薬用歯磨き粉や、育毛剤、制汗剤、薬用化粧品などのことです。

厚生労働省に承認を受けた範囲で、客観的な根拠に基づき、次のような予防や衛生を目的とした効果を謳うことができます。

・「フケやかゆみを防ぐ」
・「健やかな頭皮を保つ」
・「体臭・汗臭を防ぐ」
・「口臭を防ぐ」
・「肌を清潔に保ち、ニキビを予防」

一方で、医薬品のように「治療」「改善」を示す表現がNGです。

次のようなものがNG表現になるので、出てきた場合には削除、もしくは適切な言い換えを検討しましょう。

・「シミが消える」
・「髪が生える」
・「肌荒れが治る」

◉-7-3、医療機器の薬機法NG表現事例

医療機器の広告では、次のように、厚生労働省に承認を受けた範囲で、客観的な根拠に基づき誤解を招かないような表現を使うことができます。

・「血圧の測定をサポートします」
・「筋肉のコリをほぐします」
・「医療機器認証を受けた家庭用治療器です」

一方で承認の範囲外の効果効能や、「治療」「改善」「完全」「即効」など誇大な表現をするのはNGです。

主に次のような表現には気をつけましょう。

・「高血圧が改善」
・「肩こりや腰痛を完全に解消」
・「最新の医療技術で、プロの治療が家庭で簡単に」

◉-7-4、健康食品の薬機法NG表現事例

薬機法(旧:薬事法)においては、医薬品や医薬部外品、医療機器、再生医療等製品、特定保健用食品(トクホ)、機能性表示食品、以外で広告に効果効能を記載してはならないとされています。

そのため、まずは健康食品については「治る」「改善する」「回復する」「予防する」「免疫力向上」など効果効能を謳うような表現は避けましょう。

例えば次のような表現は薬機法NGの代表例です。

・「血圧を下げる効果があります」
・「風邪を予防します」
・「免疫力を高めます」
・「関節の痛みが改善します」

一方で、次のように「健康維持」「サポート」「応援」など、食品としての役割を適切に伝える表現は薬機法違反にはなりません。

もし上記ような効果効能を謳う表現があった場合には、言い換えられないかを検討しましょう。

・「毎日の健康維持をサポート」
・「栄養バランスを考えた補助食品」
・「元気な毎日を応援する成分を配合」

◉-7-5、化粧品(コスメ)の薬機法NG表現事例

健康食品同様に、効果効能を広告で謳うのはNGです。

特に医薬品のように「治療」や「改善」、「再生」など医薬品や医薬部外品と誤認されるような表現をすることは禁止されています。

具体的なNG事例としては次のようなものがあります。

・「シミ・シワが消える」
・「ニキビを治す」
・「吹き出ものがなくなる」
・「肌の奥深くから再生する」

一方で、以下のような「保つ」「整える」「与える」「防ぐ」などの表現は厚生労働省が定める「化粧品の効果効能の範囲」の中に収まる表現であり、薬機法(旧:薬事法)には抵触しません。

・「肌にうるおいを与える」
・「日焼けによるシミ、そばかすを防ぐ」
・「毛髪にハリ・コシを与える」

◉広告担当者が勘違いして使ってしまいがちな薬機法(旧:薬事法)違反表現

薬機法(旧:薬事法)に該当しない商品の広告と同じような感覚で、広告担当者が「こういう項目や表現があった方がいいよね」と知らず知らずのうちに違反表現を使ってしまうことも少なくありません。

勘違いして使ってしまいがちな広告表現が次の4つです。

・医師の推薦コメント
・お客様の声
・打ち消し表現(ディスクレーマー)
・ビフォーアフター画像

それぞれ具体的に見ていきましょう。

◉-1、医師の推薦コメント

「あの有名な医師も推薦!」「医療関係者からの推薦コメント」などは使わないように注意しましょう。

薬機法第六十六条第二項にて、医薬品や医薬部外品、化粧品、医療機器などの効果・効能や性能について、医師などが保証していると誤解される恐れのある広告を禁止しています。

2 医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の効能、効果又は性能について、医師その他の者がこれを保証したものと誤解されるおそれがある記事を広告し、記述し、又は流布することは、前項に該当するものとする。
引用元: 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 第十章 第六十六条(誇大広告等)

専門家のお墨付きというのは、強い商品訴求につながりますが、薬機法(旧:薬事法)に該当する商品に関しては使ってはいけません。

薬機法違反と指摘されるケースが多くあります。

◉-2、お客様の声

買う決め手につながりやすい「お客様の声」ですが、「お客様の声をそのまま使って違反になってしまう」というケースに注意しましょう。

個人的な感想程度であれば良いですが、次のような内容や表現が入っているお客様の声をそのまま掲載してしまうと薬機法(旧:薬事法)違反になってしまいます。

・〜という効果がある
・〜という効果があった
・〜という病気が治った
・〜という症状が良くなった

たとえばアンケートに記載した手書きの文字をそのまま掲載する場合や、お客様が書いたリアリティを出すためにそのままの文章で出す場合などは要注意です。

◉-3、打ち消し表現(ディスクレーマー)

よくお客様の声を紹介する際に「あくまで個人の感想です」という表現を使ったり、商品の効果効能を謳ったあとに、「これは効果・効能を表すものではありません」と注意書きをしたりしていませんか。

あくまで注意書きとして記載することは問題ありませんが、この打ち消し表現を使うことで薬機法(旧:薬事法)違反を回避できると勘違いしている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

このような打ち消し表現を追記したとしても、広告上に記載した表現が薬機法(旧:薬事法)チェックを免れることはありません。

勘違いしている広告担当者も多いので、十分注意しましょう。

他にも次のような打ち消し表現にも注意が必要です。

個人の感想を強調する打ち消し表現・あくまで個人の感想です。・効果を保証するものではなく、個人の実感に基づくものです。
個人差を強調する打ち消し表現・使用感には個人差があります。・すべての方に同様の結果を保証するものではありません。・ご利用環境や体質により異なる結果となる場合があります。
効果効能に関する打ち消し表現・本商品は医薬品ではありません。・健康維持のサポートを目的とした商品です。・本商品は疾病の診断・治療・予防を目的としたものではありません。
根拠に関する打ち消し表現・これは一般的な例であり、すべての方に当てはまるわけではありません。・本内容は一部の研究に基づくもので、確実な効果を示すものではありません。

◉-4、ビフォーアフター画像

薬機法(旧:薬事法)に該当する商品の場合、「ビフォーアフターの画像」などを掲載したいと考える広告担当者は多いと思います。

なぜなら、お腹がぽっこり膨れた画像をビフォーとし、お腹がへこんだ画像をアフターとすれば、効果効能を文章で言わずとも、見る側に「この商品を使ったら痩せるんだ」と効果効能を暗に訴求することができるからです。

しかし、薬機法(旧:薬事法)に該当する商品の広告では、以下に該当する画像の掲載を禁止しています。

・承認を受けている範囲以上の効果・効能を表現している
・効果が現れるまでの時間を保証している
・効果の持続時間を保証している
・安全性を謳っている

これらに該当するビフォーアフター画像を掲載すると薬機法(旧:薬事法)違反になってしまうので十分注意しましょう。

◉薬機法(旧:薬事法)を遵守しながら広告できるおすすめの方法が成分ブランディング

広告宣伝というと、テレビCMやWeb広告、SEO記事、SNS投稿などのように、パッと見てすぐわかるような方法を考えますが、「書籍(ブックマーケティング)による成分ブランディング」という方法も有効です。

これは、商品やサービスの効果・効能を伝えるのではなく、それに含まれる成分などについて詳しく訴求することにより、その成分の入った商品・サービスのニーズを喚起するという方法です。

▶ブックマーケティングについては、関連記事【ブックマーケティングとは?メリットや効果的な戦略の作り方】もあわせて参考にしてください。

実際に書籍を使い成分ブランディングに成功して問い合わせが殺到した事例が数多くあります。

ただし、書籍だからといって一般広告よりも薬機法(旧:薬事法)の規制が緩いということではありません。

一般広告と同じように薬機法(旧:薬事法)のリーガルチェックが必要になりますし、薬機法(旧:薬事法)に違反すると、その罰則は著者だけではなく、出版社にも及ぶことがあります。

ブックマーケティング

バイブル商法にならないように出版社選択は慎重に

「書籍(ブックマーケティング)による成分ブランディング」を行う際に注意しなければならないのは「バイブル商法」にならないようにすることです。

「バイブル商法」とは、健康食品や化粧品、サプリメントなどの効果効能を書籍で宣伝すると同時に、その商品を販売するような商法のことをいいます。

出版業界では過去に出版社の社長がこの「バイブル商法」で逮捕されるという事件が発生しています。

これは2011年(平成23年)に発生したもので、書籍で「健康食品がガンに効く」と宣伝して健康食品の販売を幇助した容疑で逮捕されたものです。

どんなに広告担当者が薬機法(旧:薬事法)に気をつけていても、出版社に薬機法(旧:薬事法)の知識やノウハウがなければこのような事件に発展してしまいかねません。

「バイブル商法」にならないように、出版社選びは慎重に行いましょう。

◉書籍(ブックマーケティング)による成分ブランディングの具体的な活用事例

ここでは、「書籍(ブックマーケティング)による成分ブランディング」を活用して問い合わせの増加や販促につながったという具体的な事例を2件紹介します。

◉-1、事例①:コラーゲンという成分について説明し結果的にサプリメントの販売促進につながった事例

「あらゆる死に至る病気の原因は血管が老朽化することであり、その血管を若返らせることが健康寿命を延ばす近道だ」という内容の書籍があります。

著者は、コラーゲンサプリメントの開発・販売会社の代表者であり、医師でもありました。

書籍のタイトルやカバーなどには、サプリメントの販促につながるような話は一切入っておらず、内容も血管を若返らせるコラーゲンについて説明をする内容となっています。

しかし、本の出版後、書籍を読んだ読者から「この本で説明されているコラーゲンはどうやったら摂取できるのか」という問い合わせが出版社や著者に殺到し、結果的にコラーゲンサプリメントの販売促進につながっています。

書籍の中でコラーゲンについて説明することで、読者の中に「この本で説明されているコラーゲンを取りたい」というニーズが生まれたのです。

書籍は広告などと違い、長文をしっかりと読んでもらえる媒体です。

書籍の中でしっかりとコラーゲンに関する魅力を伝え、読者教育ができたからこそ、このようなニーズが読者の中に生まれたのだと言えます。

◉-2、事例②:サラダ油の危険性を訴求し、結果的に米油ブームにつながった事例

この書籍の著者は米油の製造・販売している企業に勤務している研究開発者で、出版の目的は米油のBtoB販売の促進でした。

書籍の内容は「一般家庭で当たり前に使っているサラダ油を摂りすぎると、がんや脳卒中、心臓病の原因になりうるという」というものです。

特に商品の訴求などをしている訳ではありませんでしたが、出版後に大きな反響があり、結果的に米油ブームにつながりました。

その後は、出版目的のBtoBでの米油の卸先の開拓だけでなく、一般消費者の反響が大きかったためBtoCでの訴求にも成功しています。

このように、商品やビジネスの話を出さずとも、成分について詳しく語ることで、商品の販売促進やビジネスの活性化につながることを証明した事例と言えるでしょう。

◉【まとめ】薬機法(旧:薬事法)を遵守しながら適切に広告・PRを実施しよう!

健康食品や化粧品、サプリメントなどの広告担当者や広報担当者は、薬機法(旧:薬事法)に違反しないように、広告・PRについて自社で入念にチェックをしたり、社外の専門家にリーガルチェックを依頼したり、薬機法(旧:薬事法)チェックツールを使用したりといろいろなことを行っていることと思います。

しかし、同時に「広告やPR、SEO記事、SNS投稿など以外の方法で、自社商品やサービスの良さを効果的に伝える方法はないのか?」ということを検討していくことも重要です。

そこでおすすめしたいのが、この記事でご紹介した「書籍(ブックマーケティング)による成分ブランディング」です。

広告やPR、SEO記事、SNS投稿などのように商品やサービスの効果・効能をダイレクトに伝えるのではなく、商品に含まれる成分について訴求することで、ユーザーに「成分を取りたい」と言うニーズを喚起させるという、薬機法(旧:薬事法)規制が厳しい時代には有効なマーケティング手段の1つです。

「薬機法(旧:薬事法)の規制によりうまくマーケティングができていない」と感じている方はぜひ一度書籍による成分ブランディングを検討されてみてはいかがでしょうか。

※書籍であっても薬機法(旧:薬事法)の規制を受けますので、薬機法(旧:薬事法)に関する知識やノウハウを有する弊社のような出版社を選ぶようにしてください。

ブックマーケティング

不動産会社のように高額な商品・サービスを販売する業種の場合は、単に商品・サービスが良いだけではなく、「信頼できる会社であるかどうか」が顧客から選ばれるための重要な要素になります。

なぜなら、商品・サービスが高額になればなるほど、顧客は「信頼できる会社から買いたい」と思う傾向があるためです。

「信頼できる会社かどうか」を顧客に判断してもらう上で、会社案内は契約の決め手につながる重要な販促ツールの1つです。

この記事では、より成約につながるような不動産会社の会社案内を作るコツや、活用方法などをくわしく解説いたします。

目次【本記事の内容】

執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)

慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。

◉不動産会社にとって紙媒体の会社案内が重要な理由

不動産会社にとって紙媒体の会社案内が重要な理由は次の5つです。

・販売している商品の価格が高額なため

・成約までのリードタイムが長く、顧客教育が必要なため

・比較検討しやすく、一覧性が高いため

・信頼できる会社であることのアピールが必要なため

・差別化が難しい業種であるため

どのような理由なのか、それぞれくわしく見ていきましょう。

◉-1、販売している商品の価格が高額なため

不動産会社が取り扱っている商品・サービスは、購入物件と賃貸物件に分けられますが、特に購入物件である家や土地などは、顧客が一生に一度買うか買わないかというような商品です。

つまり、人生の中で購入するものの中で最も高額な商品であるといっても過言ではありません。

購入代金の支払い方法も、「35年の住宅ローン」などのように長期にわたって返済をしていくような方法が一般的です。

また、購入後になんらかの理由で売却しようと思っても、そう簡単に売れるようなものではありません。

そのため顧客も「不動産物件の購入には失敗したくない」という思いが特に強く、購入前には入念な検討を行い、購入する不動産会社と不動産物件を慎重に選定します。

その際に、「どの不動産会社から買うのか?」の比較基準の一つとして会社の信頼性が重要です。

実際に、株式会社KINTOが行った「オンラインでの高額商品の購入・契約に関する意識調査」では、「オンラインで購入・契約する際に重視したい点」について、「品質の良さ」や「コストパフォーマンスの良さ」に次いで「販売元の信頼性が高いこと」が挙がっています。

「信頼できる会社ですよ」と伝えるためにも他の会社が作っているのと同等のクオリティで、紙媒体の会社案内は必要になってきます。

◉-2、成約までのリードタイムが長く、顧客教育が必要なため

不動産物件のような高額な商品を購入する際には、顧客は不安な気持ちになっているはずです。

「不動産物件の購入に失敗できない」「もし購入後に何か不具合が起きてしまったら」というような「もしもの事態」を想定してすぐに決断できなくなっています。

そのため、不動産物件を購入する際などに、入念な比較検討が必要だったり、「そもそもこの物件を購入する必要があるのか?」などを学んだり、どうしてもリードタイムが長くなってしまいがちです。

このようなとき、顧客の不安を解消してくれるような情報を会社案内に掲載しておくことで顧客教育ができます。

「いかに顧客の購入時の不安に寄り添い、それを解消できるか?」というようなコンテンツを会社案内に掲載することが、リードタイムの短縮につながります。

◉-3、比較検討しやすく、一覧性が高いため

不動産のように商品を購入する際に比較検討を行う業種の場合、Webサイトに比べると紙媒体の会社案内の方が、机の上に並べて比較検討しやすいという強みがあります。

たとえば、家族でマイホームの購入を検討する際、「夫・妻が一人で勝手に決める」というよりも、家族で机の上にパンフレットなどを広げて、一緒に検討することのが一般的だと思います。

実際に「国立社会保障・人口問題研究所」が公表しているデータによれば、「車や耐久消費財など高価なものの購入」について、夫婦二人で一緒に考えるという回答が48.6%と一番多くなっています。

このように不動産のような高価なもの購買決定の際には、意思決定が2人以上で行われることが多いため、紙媒体との相性が良いと言えるのです。

また、画面をスクロールすることが前提のWebサイトとは違って、紙媒体はひと目で全体を見れるため、目的の情報にたどり着きやすいという一覧性の高さもメリットです。

◉-4、信頼できる会社であることのアピールが必要なため

会社のWebサイトだけではなく紙媒体の会社案内があることで、実態のある会社であることを顧客にアピールできます。

また、顧客に「きちんと紙の会社案内を用意している会社なんだ」という印象を与えられるので、会社案内のない会社よりも「信頼できる会社である」というアピールにつながります。

◉-5、差別化が難しい業種であるため

不動産会社は取り扱っている商品・サービスが決まっているため、競合他社との差別化が難しい業種といえます。

商品・サービスで「自社ならでは」という特徴を押し出していくのが難しいため、ついつい価格競争に陥りがちです。

そのため、会社案内の中で自社のイメージや考え方などを適切に伝えて差別化を図っていくことが重要となり、会社案内は競合他社との差別化を図るための重要なツールとなります。

◉成約につながる会社案内を作るコツ

不動産会社の会社案内が購入物件の成約につながる有効な販促ツールとなるように、次の7つのコツを押さえて作りましょう。

・ターゲットを明確にする

・ターゲットに合わせたデザイン・コピーを検討する

・第三者視点(お客様の声)をいれる

・不動産の写真はお金をかけても綺麗に見せる

・図表などで視覚的にパッと見てわかりやすい構成にする

・具体的な行動に移せるオファーをつける

・営業やマーケケティング活用を見据えて作る

どのようなコツなのか、くわしく見ていきましょう。

◉-1、ターゲットを明確にする

不動産業界では、ついつい「こんな人にも買って欲しい、あんな人にも買って欲しい」とターゲットを広げてしまい、訴求がぼやけてしまうことがありがちです。

たとえば、「ファミリー層」という漠然としたターゲットよりも、「5歳未満の子どもが1人いる40代のファミリー層」のように、より具体的にターゲットを設定した方が「刺さる訴求」ができるようになります。

「ターゲットを明確にする」というのは「対象を狭める」ことが目的ではなく、販売する不動産商品のメインターゲットをしっかりと明確化することが目的です。

まずはこの点をしっかりとしておかなければ、いくら見栄えの良い会社案内を作ってもターゲットに刺さるものにはなりません。

◉-2、ターゲットに合わせたデザイン・コピーを検討する

ターゲットが明確化できれば、そのターゲットの頭の中にある言葉でコピーが作成できたり、そのターゲットが興味を示すようなデザインができるようになります。

このようにして、ターゲットに合わせたコピーやデザインの会社案内を検討するのがポイントです。

◉-3、第三者視点(お客様の声)をいれる

「不動産物件を売らなければ」という気持ちから、どうしても会社案内の中に自分たちが発信したい情報だけを掲載してしまうことが多くなりがちです。

しかし、このような一方的な不動産会社が発信したい情報のみを発信していては成約につながることはありません。

「実際に購入したお客様がどうだったのか?」というような第三者視点の情報をいれなければ、説得力がなく、押しが弱くなってしまいます。

「お客様の声」などを掲載して顧客から見た不動産物件の評価をいれるようにしましょう。

◉-4、不動産の写真はお金をかけても綺麗に見せる

いくら良い商品・サービスであっても、不動産物件の写真が悪ければ、顧客の印象は「パッとしないもの」になってしまいます。

たとえば、不動産物件を探していたときに会社案内などに掲載された不動産物件の写真が薄暗かったりすると「この不動産会社はやめとこうかな」と思われてしまいかねません。

不動産の場合、不動産物件の写真は成約の決め手になる重要な要素なので、お金をかけてもしっかりと撮影しましょう。

とにかく不動産の写真を綺麗に見せることがポイントです。

◉-5、図表などで視覚的にパッと見てわかりやすい構成にする

紙媒体の会社案内は、Webサイトの情報に比べると比較的文章を読んでもらいやすいといえます。

しかし、今は「読まれない時代」です。

そのトレンドも汲んで、会社案内に掲載する図表などは視覚的にパッと見て理解できるようなデザインや構成になるように心がけましょう。

◉-6、具体的な行動に移せるオファーをつける

顧客が会社案内を「見て終わり」になってしまうと成約にはつながりません。

会社案内を見た顧客に「次のアクション」を起こしてもらうようにすることが成約に近づけるポイントです。

そのためには、会社案内の中にも「無料で内覧受付中」などの時期に関係なく使える文言に、次のような無料オファーをつけるのがポイントです。

・ホームページのURLやQRコード

・代表電話番号ではなく、お問い合わせや相談の電話番号

・LINE公式への導線(QRコードなど)

・SNSのURLやQRコード

これによって、会社案内を「見て終わり」にせず、見た顧客を次のアクションに誘導できます。

とにかく「見て終わり」にせず、「次のアクションにいかにつなげるか?」を考えましょう。

◉-7、営業やマーケケティング活用を見据えて作る

会社案内を一般的なフォーマットに則って作っているような会社も多く見かけますが、それでは顧客には刺さりにくいモノになってしまいます。

作成した会社案内を、営業やマーケティング部署でしっかりと活用してもらって相乗効果を出していくことが大きなポイントです。

会社案内を作る際には、営業やマーケティング部署から「顧客からよく聞かれること」「この情報があったら営業がしやすい」「こういう客層にはよく売れる」などの情報をヒアリングして、現場の情報を元にしたコンテンツを作り込んでいくことが重要です。

◉ただ作るだけではダメ!会社案内の営業やマーケティング活用方法

会社案内をただ作るだけでは何の成果にもつながらないので、実際に顧客と接している営業やマーケティング部署などに活用してもらうことが重要になります。

会社案内の具体的な活用方法は次の7つです。

・Webサイトへの導線をいれる

・PDF化してWeb上でも閲覧・ダウンロードできるようにする

・フォーム営業などでターゲットリストに送付する

・代理店や紹介が生まれそうな相手にも送付する

・既存のお客様にも送付する

・会社案内を活用した営業トークを行う

・WebサイトやSNSでも情報発信を行う

それぞれ活用方法をくわしく見ていきましょう。

◉-1、Webサイトへの導線を入れる

会社案内を「見て終わり」にしないためには、顧客が明確に次の行動に移せるような導線を作っておくことが重要です。

たとえば、会社案内の中に公式Webサイトや公式SNS・公式LINEへ飛べるURLやQRコードなどを掲載したりすることが考えられます。

◉-2、PDF化してWeb上でも閲覧・ダウンロードできるようにする

会社案内に掲載されたコンテンツを二次利用して他の媒体に活用できます。

たとえば、紙媒体の会社案内をPDF化して自社のWebサイトで自由に閲覧したりダウンロードできるようにするなどです。

これによって、検索サイトなどから自社のWebサイトを訪れてくれた顧客に会社案内の情報を伝えられ、新規顧客の獲得につながる可能性があります。

◉-3、フォーム営業などでターゲットリストに送付する

フォーム営業とは、企業のホームページの問い合わせフォームからメッセージを送ってアプローチする営業手法の1つです。

ターゲットリストの中からホームページに問い合わせフォームを設置している企業を抽出し、問い合わせフォームからPDF化した会社案内のURLを入れた営業メッセージを送付します。

ほとんどは無視されますが、タイミングが合ったり、興味を持ってくれた相手から返信が来る可能性があります。

もし、レスポンスが返ってきた場合はすぐに返信をして、アポを取って訪問するようにしましょう。

◉-4、代理店や紹介が生まれそうな相手にも送付する

会社案内をプラットフォーマーやパートナーなどの紹介が生まれそうな相手に送付することも有効です。

プラットフォーマーやパートナーなどは直接的な顧客にはならないと考えられますが、新規の顧客を紹介してもらえる可能性があります。

◉-5、既存のお客様にも送付する

会社案内を既存のお客様に送付することも有効な活用方法になります。

既存のお客様は自社を利用したことがあるので、その良さについては十分わかっているはずです。

会社案内が送付されてきたことをきっかけに、知人や親せきなどに紹介したり、SNSなどで口コミを発信したりして、新規顧客からの問い合わせや商談につながる可能性があります。

◉-6、会社案内を活用した営業トークを行う

前述のように、会社案内を作る前に営業やマーケティング部署にヒアリングをして、営業やマーケティング活動に使える会社案内にしておくことが大切です。

これによって、会社案内を活用した営業トークを行いやすくなり、販促活動に活かすことができます。

◉-7、WebサイトやSNSでも情報発信を行う

会社案内に掲載した情報をWebサイトやSNSに投稿して情報発信できます。

これにより、より多くの人に自社の情報を伝えられるようになります。

WebやSNSなどでの二次活用は効果的です。

◉【まとめ】作るのであれば1件でも成約につながる会社案内を作ろう!

本記事では、不動産会社の成約につながりやすい会社案内の作り方についてくわしく解説しました。

不動産会社が取り扱っている商品・サービスは高額商品です。

そのため、顧客は多くの不動産会社から得た情報を比較検討して、信頼できる不動産会社や魅力的な購入物件を選ぶはずです。

その際に、紙媒体の会社案内は顧客に自社がいかに信頼性の高い不動産会社であるかを伝える重要な役割を果たします。

また、会社案内を制作するためにはそれなりの費用と手間がかかります。

せっかく作るのであれば、営業やマーケティング活動にも活用できる成果に結びつくようなものを作るべきでしょう。

株式会社フォーウェイはコンテンツマーケティング専門会社だからこそ、コンテンツをいかに営業やマーケティングに活かしていくのかを考えた会社案内を制作できます。

不動産の成約につながる会社案内を作りたいとお考えの方がいらっしゃいましたら、ぜひ株式会社フォーウェイまでご相談ください。