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2026.10.07

Branding, Marketing

クラウドファンディングで出版するには?向いている人・失敗しやすい人の特徴と進め方

「自社の考え方を本にまとめたいが、出版費用に見合う反響があるか不安」「クラウドファンディングに挑戦してみたいが、自社に向いているのか分からない」。ブランディングや集客、採用の強化を考える経営者・事業責任者の方から、こうした声をよく伺います。

クラウドファンディングで出版する方法は、制作費の一部をまかなえるだけでなく、発売前から読者や協力者との関係をつくれる点に価値があります。一方で、ページを公開すれば自然に支援が集まるわけではなく、向き不向きや事前準備の差が結果に表れやすい手法でもあります。

この記事では、次のことが分かります。

  • クラウドファンディングに向いている人・失敗しやすい人の特徴
  • 失敗を避けるために、公開前から準備すべきこと
  • 出版とクラウドファンディングを組み合わせる意味
  • 費用を考えるときに差し引くもの、確認すべきこと
  • 発売後に集客や商談へつなげるために必要なこと

企業出版の企画・制作と出版後の活用を江崎が、クラウドファンディングと広報PRの支援現場から見た視点を千葉氏(当社クラウドファンディングパートナー)が担当しています。

目次【本記事の内容】

クラウドファンディングに向いている人の特徴3つ

結論からお伝えすると、クラウドファンディングに向いているのは「自分から動き、人との関係を日頃から大切にし、挑戦の理由を語れる人」です。

クラウドファンディングとは、インターネット上で企画を公開し、共感した人から支援金を募る仕組みです。支援者には、商品やサービス、体験などの「リターン(返礼)」を用意するのが一般的です。ここで紹介する3つの特徴は、千葉氏が2025年からCAMPFIREの公認キュレーションパートナーとしてプロジェクトを支援してきた現場での見解です。統計的に証明された成功条件ではありませんが、自社の状況を見直す手がかりになります。

自分からお願いできる人

1つ目は、友人・知人・顧客に対して、自ら挑戦の内容を説明し「応援してください」と伝えられる人です。

多くのプロジェクトでは、最初の支援は身近な人から始まります。公開直後に一定の支援が集まると、ページを訪れた第三者にも「応援されている企画だ」と伝わりやすくなります。経営者の中には、人に頼みごとをするのが苦手な方もいますが、一人ひとりに直接連絡し、なぜ挑戦するのかを自分の口で説明できるかどうかは、立ち上がりに大きく影響します。

普段から人を応援している人

2つ目は、他人の挑戦を支援したり、人を紹介したりして、日頃から「応援の貯金」を築いている人です。

クラウドファンディングは、突然お願いをしても応えてもらいにくいものです。反対に、取引先のイベントに足を運ぶ、知人の新事業を紹介する、他のプロジェクトを支援するといった積み重ねがある人には、「今度はこちらが応援したい」という声が集まりやすくなります。これは短期間でつくれるものではないため、挑戦を決めた時点から意識して行動することが大切です。

「なぜやるのか」を自分の言葉で語れる人

3つ目は、商品の仕様だけでなく、原体験、目的、実現したい未来を自分の言葉で伝えられる人です。

たとえば「業界の常識を変える一冊を出します」と書くだけでは、支援する理由は伝わりにくいでしょう。「創業時に取引先を失った経験から、同じ悩みを持つ経営者に役立つ知見を残したい」といった背景があると、読み手は企画を自分ごととして受け止めやすくなります。この「なぜ」を言語化する作業は、書籍の企画そのものを固める作業とも重なります。

クラウドファンディングで失敗しやすい人の特徴3つ

結論として、失敗しやすいのは「公開すれば集まると考え、一人で抱え込み、発信や対話が少ない人」です。こちらも千葉氏が支援現場で見てきた傾向であり、失敗率を示すデータではありません。ただ、いずれも事前の準備と行動で避けられるものです。

公開すれば自然に支援が集まると考える人

1つ目は、プロジェクトを公開したあと、告知をせずに放置してしまう人です。

クラウドファンディングのサイトには多数のプロジェクトが並んでいます。公開しただけで多くの人の目に留まるとは限らず、SNSやメール、直接の連絡、プレスリリースなどで自ら届けにいく必要があります。千葉氏はインタビューで、自分が伝えたいことと相手が知りたいことは違い、一方通行の発信では大きな反響を得にくいという趣旨を述べています。告知は「量」だけでなく、相手の関心に合わせた「伝え方」も問われます。

企画から広報まで一人で抱え込む人

2つ目は、誰にも相談せず、企画・ページ制作・リターン設計・広報をすべて一人で進めようとする人です。

経営者は本業を抱えながら挑戦することが多く、一人で進めると準備不足のまま公開日を迎えたり、募集期間中の発信が途切れたりしがちです。社内の協力者、支援経験のある専門家、書籍であれば編集者など、役割を分担できる相手を早い段階で見つけておくと、負担もリスクも軽くなります。

情報発信や支援候補者との対話が少ない人

3つ目は、情報発信の回数や、支援してくれそうな人との対話が少ない人です。

千葉氏は、支援者に伝わる熱意を「熱意=想いの強さ×行動量」と捉えています。どれほど強い想いがあっても、行動量が少なければ周囲には伝わりません。進捗報告を定期的に投稿する、支援者一人ひとりにお礼を伝える、支援を迷っている人の質問に丁寧に答えるといった地道な行動が、想いを「見える形」にします。

出版とクラウドファンディングを組み合わせるメリット

出版とクラウドファンディングを組み合わせる意味は、「資金面の負担を軽くすること」と「発売前から読者との関係をつくること」を同時に進められる点にあります。企業出版そのものの効果については、企業出版のメリットで詳しく解説しているため、ここでは組み合わせならではの利点に絞ってご紹介します。

制作費の一部をまかないながら出版できる

企業出版は、企画・取材・執筆・編集・デザイン・印刷などに費用がかかります。クラウドファンディングで集めた支援金を制作費の一部に充てられれば、自己負担を抑えながら出版に踏み出しやすくなります。ただし後述のとおり、支援総額がそのまま使えるわけではありません。

発売前から「待っている読者」をつくれる

通常の出版では、読者と出会うのは発売後です。クラウドファンディングを活用すると、企画段階から想いを発信し、支援という形で関わってもらえます。支援者は「自分が応援した本」として発売を待ち、周囲に紹介してくれることもあります。発売時点で一定の読者と協力者がいる状態をつくれるのは、大きな違いです。

企画への反応を事前に確かめられる

どのテーマやメッセージに共感が集まるのか、法人向けのまとめ買いや講演といったリターンに需要があるのかを、発売前に確かめられます。反応を踏まえて本の打ち出し方や出版後の施策を調整できる点も、事業に活かす出版では重要です。

挑戦の過程そのものが発信材料になる

「経営者が自社の理念を本にする」という挑戦は、SNSやプレスリリースで発信するストーリーになります。募集期間中の発信は、書籍の認知を広げると同時に、企業の姿勢を伝える機会にもなります。

クラウドファンディングで出版する進め方と費用の考え方

クラウドファンディングで出版するには、まず「本で何を実現したいか」と「誰に応援してもらうか」を決めることから始めます。公開前の準備が結果を大きく左右するため、公開前・募集中・刊行後に分けて考えると整理しやすくなります。

公開前:目的・読者・応援者を整理する

最初に取り組みたいのは、次の3点の整理です。

  • 出版の目的:ブランディング、集客、採用など、本で達成したいことは何か
  • 想定読者:本を読んでほしいのは見込み顧客か、求職者か、取引先か
  • 応援者リスト:公開直後に直接連絡できる友人・知人・顧客は誰か

目的と読者が定まると、書籍の企画とプロジェクトページで伝えるべきことが一貫します。そのうえで、原体験や目的を盛り込んだページの文章、リターンの内容と価格、公開日から終了日までの告知計画を準備します。応援者には公開前から挑戦を伝えておき、公開日に支援してもらえるよう段取りを整えておくと安心です。

リターンの例としては、書籍本体、著者サイン入りの本、出版記念イベントへの招待、巻末への支援者名の掲載、法人向けの複数冊セットや講演などが考えられます。

募集中:発信と対話を続ける

募集期間中は、進捗報告、執筆や制作の裏側、支援者へのお礼などを継続的に発信します。反応が鈍い時期こそ、個別の連絡や発信内容の見直しが必要です。支援者からのコメントや質問にはできるだけ早く返信し、対話を重ねることが次の支援や紹介につながります。

刊行後:支援者との関係を事業につなげる

刊行後は、リターンを確実に届けることが第一です。そのうえで、支援者への出版報告、書店営業やWeb広告、メディアPRによる認知拡大、営業資料や採用説明会での書籍活用など、事業成果につなげる施策を実行します。書籍を事業成長に結びつける考え方は、ブックマーケティングの記事でも紹介しています。

費用は「支援総額」ではなく「手元に残る額」で考える

費用を考える際に最も注意したいのは、支援総額がそのまま制作費に使えるわけではない点です。支援総額からは、主に次のような費用を差し引いて考える必要があります。

  • プラットフォーム手数料・決済手数料:サービスや募集方式によって異なります
  • リターンの原価:書籍の印刷費、グッズの制作費、イベント会場費など
  • 発送費・梱包費:冊数が多い場合は大きな負担になります
  • 広報費:広告出稿やプレスリリース配信などの費用

たとえば支援総額が同じでも、リターンに原価の高い品物を多く設定すれば、手元に残る金額は少なくなります。目標金額は「集めたい額」ではなく、これらの費用を差し引いたうえで「何に、いくら充てたいか」から逆算して設定することが大切です。

また、目標金額に届いた場合のみ成立する方式と、届かなくても成立する方式など、サービスによって選べる方式や条件は異なります。手数料率や募集条件は変更されることもあるため、利用予定のサービスの最新情報を必ず確認してください。支援金の会計・税務上の扱いについては、顧問税理士への確認をおすすめします。

クラウドファンディング出版のよくある質問

クラウドファンディングで出版するには、何から始めればよいですか?

出版の目的と想定読者を決め、公開直後に応援を頼める人のリストをつくることから始めましょう。プロジェクトページの作成やリターン設計は、その後に進めるほうが一貫性のある企画になります。

どんな人が向いていて、どんな人が苦戦しやすいですか?

自分からお願いでき、日頃から人を応援し、挑戦の理由を自分の言葉で語れる人は向いているといえます。反対に、公開後に告知をしない、一人で抱え込む、発信や対話が少ないといった場合は苦戦しやすくなります。いずれも支援現場での見解であり、準備と行動で変えられる部分が大きいものです。

出版費用を全額集められますか?

全額をまかなえる前提で計画するのはおすすめしません。手数料やリターンの原価、発送費などを差し引くと、手元に残るのは支援総額の一部です。「制作費の一部をまかないながら、発売前から読者をつくる手段」と位置づけ、自己資金とのバランスを考えて計画するのが現実的です。

支援を頼める知人が少なくても実施できますか?

実施は可能ですが、準備にかける時間を長めにとることをおすすめします。公開の数カ月前からSNSやブログで発信を始める、既存顧客や取引先に挑戦を伝える、プレスリリースで企画を知ってもらうなど、応援者を増やす行動を先に積み重ねましょう。無理のない目標金額を設定することも大切です。

出版後の集客や商談にはどうつなげればよいですか?

出版前から「本を読んだ人に次にどんな行動をしてほしいか」を決めておくことが重要です。本の中で問い合わせ先やセミナーの案内を示す、営業時に書籍を手渡す、支援者に向けて出版記念セミナーを開くといった導線を設計しておくと、発売後の活用がスムーズになります。

フォーウェイとMEGAホンによる支援

フォーウェイは、グループ出版社「パノラボ」を展開し、これまでに250冊以上の企業出版を手がけてきました。目的と読者から逆算した書籍の企画・制作に加え、書店営業、Web広告、メディアPR、出版後の営業活用までを支援しています。

出版とクラウドファンディングを組み合わせる場合は、制作費の一部をまかないながら、発売前から読者や協力者との関係をつくるプランをご提案しています。企画内容に応じて100万〜200万円規模の支援を目標に設定することもありますが、この金額は調達を保証するものではありません。

MEGAホンの千葉氏は、広報PR支援とクラウドファンディングのサポートを行っています。プロジェクトページの伝え方や、募集期間中の発信・PRといった「届ける」部分で、挑戦を後押しします。

まとめ

クラウドファンディングで出版する方法は、制作費の一部をまかなうだけでなく、発売前から読者や協力者との関係を築ける手段です。一方で、公開すれば支援が集まるわけではなく、自分から応援をお願いする姿勢や、日頃の人間関係、挑戦の理由を語る力が問われます。

まずは、出版の目的と想定読者、応援を頼める人を整理してみてください。そのうえで、支援総額から差し引く費用を踏まえた目標設定と、刊行後に事業へつなげる導線までを計画しておくことが、失敗を避ける近道です。

「自社の場合、出版とクラウドファンディングのどちらから考えればよいか」「どのくらいの目標が現実的か」など、判断に迷う点があれば、お気軽にフォーウェイへご相談ください。企画の方向性から一緒に整理いたします。