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2025.07.10

Marketing

不動産会社の集客戦略を徹底解説|成果につながるオンライン・オフライン施策

「集客がうまくいかない」「広告費をかけているのに反響が少ない」といった悩みを抱える不動産会社は少なくありません。

特に近年は、顧客の行動様式や価値観が大きく変化しており、これまでの集客手法だけでは十分な効果を得にくくなっています。

たとえば、かつては店舗への来店から始まっていた物件探しも、現在ではスマートフォンを使ったインターネット検索が主流です。

これまでの集客方法だけでは取りこぼしてしまう層が増えているのが現状です。

この記事では、なぜ不動産業界において集客が難しくなっているのかを解説したうえで、オンライン・オフラインの集客手法を紹介します。

目次【本記事の内容】

執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)
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慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。

◉不動産業界の集客が難しい理由

不動産業界での集客が難しい理由は、主に次の3つです。

・競合他社との差別化が難しくなっているため
・人口減少により市場そのものが縮小しているため
・顧客が契約するまでの過程が複雑・長期化しているため

以下で、詳しく見ていきましょう。

◉-1、競合他社との差別化が難しくなっているため

不動産業界の特徴として、同じエリア内に複数の不動産会社があり、似たような物件を扱っていることが挙げられます。

そのため、顧客サイドから見ると、どの不動産会社も同じように見えてしまいます。

それに加えて、SUUMOやHOME'Sなどのポータルサイトでは、複数の会社が同一物件を掲載することも珍しくないため、顧客には特定の不動産会社を選ぶ理由が見つからないのです。

このような中で、競合他社と差別化して「この会社に相談してみよう」と思ってもらうためには、担当者の対応力や会社の専門性や実績などを見せていく必要があります

◉-2、人口減少により市場そのものが縮小しているため

日本では少子高齢化が進み、特に地方部を中心に人口が減少しています。 

その結果、「住宅を買いたい」「家を借りたい」と考える人の母数自体が減っており、不動産市場全体の規模が縮小傾向にあります。

実際、国土交通省の「国土の長期展望」中間とりまとめ 参考資料によれば、日本の人口は2008年にピーク12,808万人を迎え、その後は減少に転じました。

今後は、2030年に11,913万人、2050年に10,192万人、2100年には5,972万人にまで減少すると予測されています。

なお、国立社会保障・人口問題研究所の人口統計資料集(2025年版)によれば、2023年の日本の人口は12,435万人でした。

日本の人口は中長期的に見ても減少が続くとされており、不動産業界の需要の減少は避けられない状況です。

特に地域密着型の企業にとっては、顧客層の確保がますます困難になることが想定され、集客方法の見直しが急務となっています。

◉-3、顧客が契約するまでの過程が複雑・長期化しているため

インターネットの普及により、顧客は物件情報を自宅にいながら簡単に入手・比較できるようになりました。

その結果、複数の不動産会社や物件をじっくりと比較検討する姿勢が一般化し、契約に至るまでの過程はより複雑で時間のかかるものとなっています。

いわゆる「成約までのリードタイム」が延びる傾向にあり、特に物件価格が高額になるほど、その傾向は顕著です。

◉【オンライン】不動産集客の主な施策8選

今では、不動産会社にとってオンラインでの集客は欠かせない手段となっています。

なぜなら、多くの人が家や土地を探すとき、最初にスマートフォンやパソコンで情報を調べるからです。

たとえば、物件情報を見たり、複数の不動産会社を比較したりするのは、もはや当たり前の行動になっています。

このときに、ホームページやSNS、Googleマップなど、ネット上で見つけてもらえる場所がなければ、そもそも候補にも入れてもらえません。

このような顧客に対応するための主なオンライン集客施策は、次の8つです。

・ホームページを作成して運用する
・オウンドメディアを活用してSEO対策を行う
・Googleビジネスプロフィールを活用してMEO対策を行う
・リスティング広告を活用して顕在層の集客を狙う
・SNSを活用して認知拡大とファンづくりを行う
・動画で信頼感と接触頻度を高める
・不動産ポータルサイトを活用して幅広いユーザーにリーチする
・不動産一括査定サイトに登録して売却ニーズを獲得する

それぞれの施策を解説します。

◉-1、ホームページを作成して運用する

まず最初に取り組むべき施策は、会社の「顔」となるホームページの整備です。

ホームページが整っていれば、広告やSNS、Google検索などと連携した集客と成約率の向上を見込むことができます。

◉-2、オウンドメディアを活用してSEO対策を行う

不動産を探している人の多くは、「〇〇市 一戸建て」や「不動産 売却 流れ」など、具体的な言葉でインターネット検索をしています。

こうしたキーワードに合わせて、役立つ情報をブログや自社サイトに記事として掲載していく方法を「SEO対策(検索エンジン最適化)」といいます。

SEO対策は、成果が出るまでに時間がかかることが多いですが、記事がインターネット上に蓄積されていくことで、徐々に検索順位が上がり、安定したアクセスを得やすくなるのが特徴です。

▶︎SEO対策の詳細については、関連記事【SEO対策とは? 効果的な戦略の組み立て方と対策方法】もあわせて参考にしてください。

◉-3、Googleビジネスプロフィールを活用してMEO対策を行う

「近くの不動産会社」などと検索したとき、Googleマップに自社が上位表示されるようにするのがMEO対策(マップ検索エンジン最適化)です。

Googleビジネスプロフィールを整備しておくと、地域の顧客からの来店や問い合わせが増えることが期待できます。

特に、営業時間や写真、口コミといった情報をこまめに登録・更新しておくことが、効果を高めるポイントです。

◉-4、リスティング広告を活用して顕在層の集客を狙う

リスティング広告とは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンで検索した際、その検索結果ページに表示される広告のことです。

たとえば、「〇〇市 中古マンション」「不動産売却 相場」といった具体的なキーワードで検索している人は、すでに不動産に興味・関心を持っている「顕在層」です。

このようなユーザーに向けて広告を表示することで、購入や売却の意欲が高い見込み客へ効率よくアプローチできます。

◉-5、SNSを活用して認知拡大とファンづくりを行う

InstagramやX(旧Twitter)、TikTokなどのSNSは、自社や物件の存在を多くの人に知ってもらうための有力な手段です。

たとえば、以下のような情報を発信することで、ユーザーに親しみを感じてもらいやすくなります。

・物件の内装写真や動画
・周辺環境の紹介
・イベントやキャンペーン情報

SNSはユーザーとの距離が近いため、信頼関係を築きながら見込み客をファンに育てることができます。

▶︎SNSの活用の詳細については、関連記事【SNS運用のやり方をとことん解説|フォロワーを集めてビジネスに繋げる成功法則とは?】もあわせて参考にしてください。

◉-6、動画で信頼感と接触頻度を高める

動画は、写真や文章では伝えきれない臨場感や信頼感を届けられます。

特に、以下のようなコンテンツが効果的です。

・物件紹介や内覧の様子
・地域の住みやすさや利便性を伝える紹介動画
・不動産に関するQ&Aや住宅ローンの解説
・スタッフの紹介や仕事風景

動画はYouTubeやTikTok、Instagramなどに投稿するのが主流です。

視覚と音で印象に残りやすく、一度投稿すれば長期間にわたって再生され続けるのも大きなメリットです。

また、スタッフの人柄や会社の雰囲気が伝わりやすく、「この会社なら安心できそう」と思ってもらえるきっかけになります。

◉-7、不動産ポータルサイトを活用して幅広いユーザーにリーチする

物件を探している顧客は、SUUMOやHOME'S、アットホームなどの大手不動産ポータルサイトを利用しています。

これらのサイトに物件情報を掲載することで、自社のホームページだけではリーチできない幅広い層の見込み客にリーチできるようになります。

ただし、大手不動産ポータルサイトに物件情報を掲載するためには費用が発生します。

◉-8、不動産一括査定サイトに登録して売却ニーズを獲得する

不動産一括査定サイトは、不動産を売却したいと考えている顧客が複数の不動産会社に一括で査定を依頼できるサービスです。

登録は無料の場合もあれば有料の場合もあり、料金体系もサイトによって異なります。

売却ニーズが明確な見込み客の情報を獲得できるため、売却物件の獲得に力を入れたい場合には有効です。

◉【オフライン】不動産集客の主な施策8選

近年はオンライン施策が主流となっていますが、地域密着型のアプローチや顧客との直接的なコミュニケーションを重視するオフライン施策も依然として重要です。

代表的なオフライン集客施策としては、次の8つがあります。

・ポスティングを活用して地域住民に訴求する
・新聞・雑誌への広告掲載で認知度と信頼感を高める
・看板を設置して通行人への視認性を向上させる
・営業リストを活用して電話で見込み客にアプローチする
・ティッシュ配りなどの街頭配布で接点をつくる
・イベントやセミナーを開催して直接信頼関係を築く
・FAXやDMを送付してターゲットに情報を届ける
・書籍を出版して専門性と信頼性をアピールする

以下で、詳しく見ていきましょう。

◉-1、ポスティングを活用して地域住民に訴求する

ポスティングは、ターゲットとなる地域住民に対して、チラシなどを通じて直接情報を届ける施策です。

たとえば、新築物件のオープンハウス情報や売却物件の募集、賃貸キャンペーンの案内など、地域ごとのニーズに合わせた情報を発信することで、そのエリアの見込み客に効果的にアプローチできます。

▶︎ポスティングの詳細については、関連記事【デジタル全盛期だからこそ重要なアナログマーケティング戦略】もあわせて参考にしてください。

◉-2、新聞・雑誌への広告掲載で認知度と信頼感を高める

新聞や特定の雑誌への広告掲載は、その媒体の読者層にリーチし、会社の認知度向上につながります。

特に地域紙や専門誌などは、特定のターゲット層に深く訴求できる可能性があります。

「新聞・雑誌に掲載されている=信用できる企業」という印象を持ってもらいやすく、ブランディングにも効果があります。

◉-3、看板を設置して通行人への視認性を向上させる

店舗前や交通量の多い幹線道路沿いに看板を設置することで、日常的に多くの人の目に触れる機会が増えます。

会社名や主要なサービス内容、電話番号、QRコードなどを表示することで、通行人に「不動産のことならここ」と認知してもらえる可能性が高まります。

地域での認知度アップとブランド構築にもつながる施策です。

◉-4、営業リストを活用して電話で見込み客にアプローチする

営業リストとは、過去に問い合わせをした人やセミナーに参加した人など、一定の関心を持っている見込み客のデータです。

営業リストを活用して電話をかけるメリットは、一人ひとりのニーズに合わせた情報提供や相談対応ができることです。

相手の状況を丁寧にヒアリングしながら関係性を築けば、成約につながりやすくなります。

◉-5、ティッシュ配りなどの街頭配布で接点をつくる

駅前や商業施設周辺でのティッシュ配りやチラシの街頭配布は、不特定多数の人々に自社を認知してもらうためのきっかけ作りになります。

配布物にWebサイトやLINE登録のQRコードを印刷すれば、オンライン集客への導線としても活用できます。

◉-6、イベントやセミナーを開催して直接信頼関係を築く

不動産相談会や住宅ローンセミナー、空き家対策セミナーなどの開催は、不動産の専門家としての信頼性を高める場として有効です。

参加者からの質問に答えたり、個別にアドバイスしたりすることで、安心感と信頼感が生まれ、成約のきっかけになることも少なくありません。

数ある施策の中でも、顧客と直接対面で関係性を築ける施策といえます。

◉-7、FAXやDMを送付してターゲットに情報を届ける

FAXやDM(ダイレクトメール)は、見込み客に直接情報を届けることができる施策です。

物件情報だけでなく、地域開発の情報や不動産に関するニュースレターなどを定期的に送付することで、顧客との関係性を維持することができます。

メールよりも目に留まりやすく、シニア層にも有効です。

◉-8、書籍を出版して専門性と信頼性をアピールする

オフラインでの集客施策の中でも、特に競合他社と大きく差別化できるのが書籍の出版です。

不動産に関する内容で書籍を執筆・出版すれば、専門知識や実績を明確に示すことができ、自社の専門性を強力に訴求できます。

また、書籍という媒体自体が「信頼性」や「権威性」を持っているため、「不動産のプロフェッショナル」としてのポジションを確立しやすく、見込み客からの信頼を大きく高めることが可能です。

実際に書籍を活用して成果を上げている不動産会社の事例もあるので、詳しくは後述の「書籍を活用して集客に成功した不動産の成功事例」をご覧ください。

書籍の具体的な活用方法として、以下の3つが挙げられます。

▶︎企業出版のやり方については、関連記事【企業出版(ブックマーケティング)のメリットとは? 企業が考えるべき出版による効果】もあわせて参考にしてください。

◉-8-1、活用方法①来店者に配布してクロージングを強化する

「本を出版している不動産会社なら信用できる」という顧客心理を活用することで、商談の信頼性を高め、成約率アップが期待できます。

また、商談中に話しきれなかった内容を補足する資料としても役立ち、顧客の不安解消につながります。

実際に、書籍を出版した後、見込み顧客に事前配布を行ったことで、商談時の質疑応答がよりスムーズになり、出版からわずか1ヶ月半で4件の成約につながったという事例もあります。

購入を検討している見込み客の背中を押すツールとして有効です。

◉-8-2、活用方法②イベントやセミナーで配布して信頼関係を築く

相談会や講演会などの場で、本を名刺代わりに配布することで、自社の専門性や想いを相手に印象づけることができます。

印刷物として手元に残るため、後日見返してもらいやすく、継続的な認知の定着にも効果的です。

「話だけではなく、しっかりとしたバックグラウンドがある会社」と感じてもらえるきっかけにもなるでしょう。

◉-8-3、活用方法③資料請求フォームからのリード獲得につなげる

自社ホームページなどで「書籍を無料プレゼント」と案内することで、資料請求フォームを通じて見込み客のリストを効率的に収集できます。

入力された住所や氏名に書籍を郵送する仕組みは、自然な導線としてユーザーの抵抗感も少ないのが特徴です。

また、送付後にフォローメールや電話をすることで、成約の可能性が高まります。

実際に、書籍の無料プレゼントを導線としたランディングページで、広告から100件以上の見込み客のリードを獲得した事例もあります。

書籍は企業の信頼性を高めるだけでなく、戦略的にリードを獲得できる施策です。

◉書籍を活用して集客に成功した不動産の成功事例

ここでは、出版した書籍を活用して集客に成功した事例を紹介します。

・事例1:医師に特化した不動産投資の集客の成功事例
・事例2:不動産業界の暴露本を出版して信頼を獲得した成功事例

2つの事例について詳しく見ていきましょう。

◉-1、事例1:医師に特化した不動産投資の集客の成功事例

不動産投資サービスを行っている不動産会社の経営者は、従来から医師をターゲットとして、SNSやWeb広告などで情報発信を行っていましたが、期待する効果が出ていませんでした。

そこで、「高収入なため支払う税金が多い医師に、最も効果的な節税対策は不動産投資である」ということを伝える書籍を出版しました。

書籍を通じて関心を持った読者に対して、フォローアップや提案を行った結果、出版からわずか6ヶ月で10件の反響を獲得

そのすべてが成約に至るという、驚異の「成約率100%」を達成しました。

さらに、既存顧客からの紹介や口コミなどにより新規顧客の獲得にもつながっています。

◉-2、事例2:不動産業界の暴露本を出版して信頼を獲得した成功事例

ある不動産会社の経営者は、マイナスイメージの大きい不動産業界の暴露本を出版しました。

具体的には、「アパート・マンション経営」を勧める営業担当者が、表向きにはオーナーの利益を強調しながら、実際には自社の売上を優先しているという業界の裏側を取り上げています。

この出版の目的は、「このような不透明な営業が横行する業界でも、自社は誠実である」という姿勢を示し、信頼を得ることでした。

その狙いは的中し、大きな集客効果につながりました。

また、出版を機に無料だった相談サービスを有料に切り替えたところ、成約の可能性が高い顧客層の集客へとつながり、営業の効率化も実現しています。

さらに、この不動産会社では「書籍のタイトルと同じ公式サイト」を開設して書籍プレゼントを行っており、公式サイトを起点とした新規顧客の集客にも成功しています。

◉【まとめ】不動産業の集客にはブランディングにも効果がある書籍活用が有効!

この記事では、不動産業界で集客が難しい理由や不動産集客のためのオンライン施策・オフライン施策を紹介しました。

数ある施策の中でも、特に「書籍出版」は専門性と信頼性をアピールする集客施策として有効です。

今回紹介した2つの成功事例では、いずれも書籍を通じて「不動産の専門家」というイメージを確立し、集客数と成約率の向上につながりました。

株式会社フォーウェイでは、書籍をマーケティングに活用する「ブックマーケティングサービス」を提供しています。

不動産業における効果的な集客施策として、これまでに多くの不動産会社が書籍を出版し、ブランディングと売上拡大の両面で成果を上げています。

中長期的に安定した集客と売上アップを目指すなら、ぜひ書籍出版をご検討ください。