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2024.08.15
Branding, Marketing
手を尽くしても商品が売れない時に改善を検討すべき8つのポイント
Web広告も、SNS運用も、SEOも、PRも、あらゆるマーケティング施策をやっているのにも関わらず商品が売れない、という時はどう対処すれば良いのでしょうか。
「色々手は尽くしているけど商品が売れない、売れ行きがよくない」という場合には、八方塞がりで、次にどんな施策を打っていけば良いのかが分からなくなってしまいがちです。
今回はそんな商品が売れない主な原因や、改善を検討すべき8つのポイントについて解説します。
目次【本記事の内容】
- 1.手を尽くしても商品が売れない主な原因
- 1-1.ターゲット設定を間違っている
- 1-2.商品スペックをアピールしてしまっている
- 1-3.ターゲットにアプローチできていない
- 1-4.商品の強みを明確にできていない
- 1-5.商品に信頼性がない
- 1-6.大手の売り方を真似している
- 1-7.ブルーオーシャンを狙いすぎている
- 2.手を尽くしても商品が売れない時に検討すべき8つのポイント
- 2-1.ターゲット設定を見直す
- 2-2.ターゲットにアプローチできるマーケティング施策を選ぶ
- 2-3.商品の強みを改めて考える
- 2-4.商品スペックではなく、商品を使った先の未来像を訴求する
- 2-5.社会的信頼性・権威性を高める
- 2-6.商品を売るのではなく、ファンを作る
- 2-7.マーケットインで販売戦略を考え直す
- 2-8.アナログなマーケティング施策を検討してみる
- 3.【まとめ】手を尽くしても商品が売れない時は一度立ち止まることが大切
執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター) 慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。 |
手を尽くしても商品が売れない主な原因
あらゆるマーケティング施策を行っているのに商品が売れない、あるいは売れ行きがよくないという場合、次のような原因が考えられます。
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あなたの商品がいずれかの原因に該当していないかをチェックしてみましょう。
ターゲット設定を間違っている
商品を売りたいターゲット設定を間違っていると売れません。
たとえば、ターゲットが絞りきれていない、広く設定しすぎている、そもそもターゲットにニーズがないなどです。
売上や利益のことを考えると、ターゲットを絞ることは勇気がいりますが、「男性がターゲット」として販売するよりも、「40代で年収600万円以上の独身男性がターゲット」とした方が訴求が明確になります。
年代や年収額、家族構成などによって生活スタイルや思考、抱えがちな悩み、解決方法などは大きく変わるので、どんなに良い商品であったとしても、その商品を必要としている人に適切にアプローチすることができなければ売れることはありません。
商品スペックをアピールしてしまっている
商品スペックばかりをアピールしてしまう、というのも企業が陥りがちな落とし穴です。
今現在、商品の性能・成分などのスペックや、価格の安さばかりをアピールしてしまっているようなことはないでしょうか?
この場合、顧客も商品をスペックでしか判断できなくなるので、他の商品とのスペック競争に巻き込まれてしまいやすくなります。
たとえば、価格の安さをメインに訴求している場合は、同じようなスペックで価格が低い商品が出たら簡単に切り替えられてしまうでしょう。
また、「とある成分が50%入っている」ということをメインで訴求している場合でも、同じような価格で60%の商品が出たら、同様に切り替えられてしまうことが予想できます。
このように、他の商品とのスペック競争に勝っているうちは良いですが、スペックの高い他社商品が出てきてしまうと次第に売れなくなってしまうのです。
商品スペックは見た目にも分かりやすい訴求になるため、初動の売上を出すには良い方法ですが、時間の経過とともに競合他社とのいたちごっこになりやすいデメリットがあるので注意しましょう。
もし資金力のある大手が参入してきた瞬間に、資金力のない中小企業は商品スペック競争に勝てなくなり、ますます売れなくなってしまいます。
ターゲットにアプローチできていない
マーケティング施策や利用する媒体の種類によって、アプローチできるターゲット層が変わってきます。
狙いのターゲット層が見ることもないし利用することもないような媒体に、いくら広告を打っても、情報発信をしても、そもそも顧客がその広告や情報を目にすることはないため商品が売れることもありません。
たとえば、狙いのターゲット層が高齢者の場合、いくらInstagramで情報発信しても高齢者がInstagramを見るはずもないということです。
このように、ターゲットにアプローチできる媒体やマーケティング手法を間違えている場合はいくらやっても売れません。
商品の強みを明確にできていない
その商品ならではの強みを明確に訴求できていない場合は、顧客にその魅力が伝わらないため売れません。
たとえば、商品の説明が分かりにくい、文章を読んでもよく理解できないなど、そもそも商品の強みを自社でうまく言語化できていない可能性があります。
たとえば、「若々しさを取り戻したい」というニーズを持った顧客に「年相応」と訴求しても刺さりません。
ターゲットにしっかりとアプローチできているはずなのに、商品が売れない場合は、自社が訴求している商品の強みと、ターゲットのニーズのズレが原因となることが多いです。
このような場合、いくらマーケティング施策を打っても売れません。
商品に信頼性がない
商品の見た目や評判などが怪しげだったり、安っぽかったりして信頼性がないことも売れない原因の1つです。
これは商品だけではなく、商品の製造元や販売元、店舗などにも当てはまります。
消費者は潜在的に「失敗したくない」「騙されたくない」と強く思っているものです。
安心できるもの、信頼できるものを購入したいと考えているので、商品などの信頼性が低い場合は、たとえ価格が高くても失敗しない安心できる競合他社の商品を選ぶ傾向があります。
また、高単価な商品の場合は、購入にあたってのリスクが大きくなるので、特に「どこが販売しているか」という販売元の信頼性が重要になります。
大手の売り方を真似している
中小企業と大企業ではマーケティング手法は異なります。
そのため、中小企業が大手をベンチマークして真似をしてしまうと、大抵が途中で資金不足
になり失敗してしまいます。
なぜなら、大企業は資金が潤沢にあるという前提で、マーケティングを行っているからです。
一方で中小企業は限られた予算の中で優先度をつけ、効率的に行わなければなりません。
ある程度の期間売れなくても、マーケティング費用を出し続けられるような資金力がなければ大手のやり方を真似することはできません。
ベンチマークとして大手企業を挙げている中小企業の場合、こういった失敗をしやすくなるので十分に注意しましょう。
ブルーオーシャンを狙いすぎている
「ブルーオーシャン」とは、マーケティング用語で「まったく新しい領域に事業や商品を展開していくこと」を指します。
つまり、「ブルーオーシャンを狙う」とは、これまでに存在しなかったような商品を発売して、他社とも競合することなく売るということです。
しかし「ブルーオーシャンで競合がいないこと」と、「売れること」は、イコールではありません。
ブルーオーシャンということは、顧客のニーズもそれほどない可能性がある、ということです。
ブルーオーシャンに商品を販売していくためには、まずこの顧客ニーズから作っていく必要があるので、そのための期間と潤沢な資金が必要となってしまいます。
たとえば、iPhoneなどが良い事例です。
最初は「本当に必要なのか?」など、顧客ニーズが全くなかったところから数年かけてニーズを地道に作りあげていったからこそ、今のような根強いiPhoneファンを獲得できているのです。
競合がいないということは魅力的ですが、資金力がないのに安易に「ブルーオーシャン」を狙っても、結局顧客に認知してもらうことができずに売れないということになってしまうので十分注意しましょう。
手を尽くしても商品が売れない時に検討すべき8つのポイント
いろいろと手を尽くしても売れない時には、次の8つのポイントに注意してマーケティング施策を再検討するのがおすすめです。
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具体的にどのような点を再検討すべきかをくわしく見ていきましょう。
ターゲット設定を見直す
まず、その商品を売りたいターゲットが誰なのかについて設定を見直します。
ターゲットはできるだけ詳しく具体的に設定するようにすると、どのようなマーケティング施策が有効なのかが分かりやすくなります。
ターゲットの設定項目としては次のようなものがあります。
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想定したターゲットにそもそも商品を買いたいニーズがない場合も多いので、ターゲットと想定される人を集めて座談会やヒアリング、アンケート調査を実施したりしながらターゲットのニーズを深掘りしていくことから始めてみましょう。
ターゲットにアプローチできるマーケティング施策を選ぶ
狙いのターゲットが明確になったら、そのターゲット層に的確にアプローチできるマーケティング施策や媒体を選びます。
たとえば、富裕層や決裁権者のような広告やSNSでアプローチしにくい層を狙うのであれば、自発的に調べる傾向があるので、SEOや書籍などが有効となります。
高齢者にアプローチするのであればチラシやパンフレットなどのアナログな媒体を選びましょう。
20代〜30代の若年層であれば、XやInstagram。10代にはTikTokなどが有効です。
30から40代のターゲットにアプローチするのであればSNSの中でも特に詳細なセグメントで広告出稿ができるFacebook広告やGoogle広告がおすすめです。
このように、ターゲットがよく見る媒体などをリサーチした上で、ある程度の仮説をたててからマーケティング施策を実行していくことが重要です。
商品の強みを改めて考える
ターゲットが明確になり、アプローチ方法や媒体が決まったら、次は商品の強みを改めて考えてみましょう。
強みを顧客に訴求する場合には、言語データやイメージで表現する必要があるので、言葉にして洗い出すことが大切です。
言葉であらわすことによって、曖昧さや漠然さがなくなり強みがより明確になります。
このときに、ターゲットやアプローチ方法などを一旦頭の中から取り去って、純粋に「商品の強み」を考えることも重要です。
なぜなら、洗い出された強みを必要とするターゲットが間違っているということもあり得るからです。
訴求する商品の強みと、ターゲットのニーズのズレは商品が売れない原因に直結していくので、もし、洗い出された強みとターゲットが異なる場合は、先述のターゲット設定のステップからやり直しましょう。
商品スペックではなく、商品を使った先の未来像を訴求する
前述の通り、商品スペックをメインに訴求してしまうと、競合他社とのスペック競争に陥ってしまい、売れない原因になってしまいます。
最初は良くても、競合他社や大手が参入してくるとともに売れなくなっていきます。
商品スペックよりも、その商品を使うことによって、「どのような人」の「どのような課題や悩み」を「どのようにして解決する」ことができるのかの価値を説明し、顧客が自分でその商品を使ったときの未来像が想像できるようにすることが大切です。
また、イメージ画像や動画などを活用して未来像がビジュアルで分かりやすく顧客に届くように工夫することも大切です。
社会的信頼性・権威性を高める
「社会的信頼性」や「権威性」を高めることによって商品を売れやすくすることができます。
「社会的信頼性」も「権威性」もほぼ同じような意味を表す言葉で「社会的にどの程度信頼されているのか、どの程度承認されているのか」ということです。
顧客の多くは商品を買う際に「失敗すること」をできるだけ避けたいと考えます。
そのため、商品の「社会的信頼性」や「権威性」が高ければ、それだけで顧客からの信頼を受けやすくなり商品が売れやすくなるのです。
これは商品そのものだけではなく、その商品の製造元や販売元の「社会的信頼性」や「権威性」が高い場合も、商品が売れやすくなります。
大手企業などが良い例です。
社名などで「きっと大手が出しているのだから失敗はしないはずだ」と思い買ってもらいやすくなります。
このように、商品が売れない時には自社の社会的信頼性や権威性が現状どんなものなのかを調べ、それを向上させていく施策などを検討してみましょう。
商品を売るのではなく、ファンを作る
商品が売れない状態に陥っているときには、どうしても「目の前の商品を売れるようにしなければ」という考えに囚われてしまいがちです。
しかし、少し発想を変えて「商品や企業のファンをつくるにはどうすれば良いのか」と視点を変えることが遠回りに見えて一番の近道である場合もあります。
商品や会社のファンになってもらえれば、安易に他社の競合商品に乗り換えたりすることがなく、リピートで購入してくれる可能性が高くなります。
結果的に中長期的な売り上げの安定化につながります。
マーケットインで販売戦略を考え直す
ものが溢れた現代では、プロダクトアウトではなくマーケットイン。
つまり、顧客のニーズに応じた商品の企画開発をすることが重要です。
もちろん、プロダクトアウトの販売戦略には、企業本位の商品の企画開発という以外に、顧客の潜在ニーズを掘り起こすという意味もあるので、必ずうまくいかない訳ではありません。
しかし、商品が売れないということは、顧客のニーズに応える商品ではないという仮説が立てられます。
マーケティング施策などをしっかりと行っているのに売れないのであれば、プロダクトアウト的なマーケティングになっていないかを検証して、改めてマーケットインで販売戦略を練り直すなどを検討してみましょう。
アナログなマーケティング施策を検討してみる
現代では、インターネットを活用したWeb広告やSNSなどのデジタルなマーケティング施策が主流となっています。
しかし、デジタル全盛期だからこそ、アナログのマーケティングが際立つということも考えられます。
つまり、顧客が購買に至るまでの「認知」「興味・関心」「比較・検討」「商談」のプロセスの全てにおいて、顧客はデジタルだけに接しているわけではないのです。
実際に、現在マーケティング施策としてうまくいっているのは「デジタルとアナログの組み合わせ」です。
実際に2016年に一般社団法人日本ダイレクトメール協会が行なった「DMメディア実態調査2016」によれば、「DMだけ」「メールだけ」「DMとメールの両方」の3パターンで無作為に抽出したターゲットに送付したところ、「DMとメールの両方」の場合が最も反応率が高くなったという実験結果が出ています。
また、高齢者などのようにアナログマーケティング施策でしかアプローチできない層もいるためデジタルの時代だからこそ、次のようなアナログマーケティング施策を組み合わせることができないかを検討してみることが重要です。
次のようなアナログマーケティング施策を活用することで、思わぬ突破口が開けるかもしれません。
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それぞれどのような方法を具体的に活用すべきかを見ていきましょう。
◉-8-1、書籍
マーケティング施策に書籍を活用するという方法です。
企業出版(ブックマーケティング)と呼ばれる手法です。
具体的には、自社の事業や商品・サービス、企業の成り立ち、企業理念、保有技術などについてまとめた書籍を出版してマーケティング活動に活用します。
書籍は社会的信頼性が高く、盛り込める情報が他のメディアに比べて圧倒的に多いため、読者をファン化させて自社サービスの購買意欲を向上させることが可能です。
顧客との面談や商談の前に、自社で出版した書籍を販売促進ツールとして手渡すことによって、顧客からの信頼を得やすくなり、成約につながる可能性も高くなります。
また、書店に配本して販売するので、書店の来店客の目に留まって購入した顧客から問い合わせが来るなど、新規顧客の獲得にもつながります。
◉-8-2、チラシ
商品のおすすめポイントなどを簡単にまとめたチラシもマーケティング施策に利用できます。
チラシは、顧客にキャンペーンなどのお得情報を告知したり、来店を促して商品の販促につなげたり、商品の認知度を上げるために、ポスティングなどの方法で特定のエリア内に配布します。
メールやSNSなどのデジタルマーケティングでは埋もれてしまいがちなキャンペーン情報やお得情報ですが、ポストに入っていたチラシを見て来店し購入する顧客は比較的多いものです。
チラシを作成する際は、「5W1Hを明記する」「内容をターゲットに合わせる」「会社や営業担当者の自己紹介を入れる」「ターゲットの興味を惹くビジュアルにする」などに配慮しましょう。
◉-8-3、パンフレット
商品案内などのパンフレットをマーケティング施策に利用する方法もあります。
パンフレットは商品を単に羅列するだけでなく、商品の特徴やメリット、ベネフィットなどを分かりやすく説明して、商品の良さがきちんと顧客に伝わるものにしなければなりません。
顧客の興味や関心を喚起して購買意欲を高めてくれるようなものにしましょう。
◉-8-4、手紙
手紙、それも手書きの手紙はアナログな手法の最たるものですが、マーケティング施策としては非常に有効です。
手紙は、電子メールやDMとは違って、受け取った顧客に深い印象を残すことができ、顧客が手紙の書き手に対して信頼感を抱きやすいという特徴があります。
また、手紙は宛名の人にダイレクトに届けられるため、決裁者に直接アプローチし、関係性を構築していきたい場合などにも有効です。
営業マンが訪問する場合の人的コストの発生、テレアポなどで取り次いでもらえない、相手の時間を拘束するなどのデメリットもありません。
◉-8-5、DM
紙のDMを送付するというマーケティング手法もあります。
日本ダイレクトメール協会が2021年に実施した「DMメディア実態調査2021」によれば、DMの開封率は約79.5%にものぼり、電子メールよりも5倍以上開封されやすいという結果が出ています。(電子メールの開封率は約14%)
多くの電子メールを受信する人の場合、他のメールに埋もれてしまって開封されないことが多々あるのに対して、郵便ポストを毎日確認する人は多いため、それが高い開封率につながっていると考えられます。
メールよりもコストはかかってしまうため、DMを送るターゲットをより明確にすることが重要と言えます。
【まとめ】手を尽くしても商品が売れない時は一度立ち止まることが大切
本記事では、「色々手は尽くしているけど商品が売れない、売れ行きがよくない」という場合の主な原因や、このようなときに検討すべき8つのポイントについて解説しました。
基本的な対応としては、一度立ち止まって、今回の8つのポイントについて、どうすべきかを検討してみましょう。
特にデジタル系のマーケティング施策しか行っていない方は、アナログなマーケティング施策を検討してみるのがおすすめです。
デジタル全盛期の時代だからこそ、アナログが際立つ時代です。
書籍やチラシ、DMなどの手法を一度検討してみてはいかがでしょうか。
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