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2024.12.03
Branding
ブランディング戦略とは?重要な理由や実行のステップ、具体的な手法などを解説!
ブランディング戦略とは、自社ブランドや商品、サービスのイメージを市場へ浸透させるために行う戦略のことです。ブランディング戦略を行い、競合との差別化や世間からの認知度アップなどを実現できれば、競争相手が多い業界でも顧客から選ばれる確率が上がります。
ブランディング戦略の手法としては、ロゴの設計やイベントの実施、ブックマーケティングの活用など、さまざまなものが挙げられます。とくにブックマーケティングは、書籍を出版したことが差別化につながるうえ、充実した情報を発信して読者からの信頼を獲得できるためおすすめです。
今回は、ブランディング戦略の概要や実行のステップ、具体的な手法などを解説します。
目次【本記事の内容】
- 1.ブランディング戦略とは?
- 2.ビジネスでブランディング戦略が重要な理由
- 2-1.自社のポジショニングを明確化して競合との差別化を図れる
- 2-2.ブランドの認知度を向上できる
- 2-3.顧客からのリピート率を高められる
- 2-4.商品開発やマーケティング施策などを行う際の方向性で迷わない
- 3.ブランディング戦略を実行するための5ステップ
- 3-1.自社の現状を分析して課題を洗い出す
- 3-2.自社ブランドの価値を洗い出す
- 3-3.ブランドの価値が刺さるペルソナを設定する
- 3-4.市場内における自社のポジションを定める
- 3-5.ブランドに沿った一貫性のあるメッセージ発信や戦略を実行する
- 4.ブランディング戦略で活用できる具体的な手法の例
- 5.ブックマーケティングがブランディングに有効な理由
- 5-1.書籍を通じて信頼性をアピールできる
- 5-2.「書籍を出版する」ということが業界内でのポジショニングにつながる
- 5-3.広告やSNSなどと異なり長期的に情報を発信できる
- 5-4.自社のコンセプトやメッセージを深掘りして伝えられる
- 6.ブランディング戦略を成功させるためのコツ
- 6-1.ペルソナを明確に決める
- 6-2.デザインやマーケティング戦略などでもブランドイメージを一貫させる
- 6-3.ブランディングの方向性を社内で十分に周知する
- 6-4.定期的にブランディング戦略の方向を振り返って改善する
- 7.まとめ
執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター) 慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。 |
◉ブランディング戦略とは?
ブランディング戦略とは、「自社をどのようなイメージで認知させたいか?」という方向性を定めて、世間に浸透させる戦略のことです。自社独自の強みや価値観などを一貫して明確に伝えることで、顧客からの信頼性や安心感を獲得し、長期的な関係を構築できます。
とくに中小企業は、まだ社名や商品、サービスが世に知られていないため、ブランディング戦略を実行し顧客からの認知度を高める重要性は大きいでしょう。
◉ビジネスでブランディング戦略が重要な理由
ビジネスでブランディング戦略が重要な理由は下記の4つです。
- 自社のポジショニングを明確化して競合との差別化を図れる
- ブランドの認知度を向上できる
- 顧客からのリピート率を高められる
- 商品開発やマーケティング施策などを行う際の方向性で迷わない
◉-1、自社のポジショニングを明確化して競合との差別化を図れる
ポジショニングとは、業界や市場内における「自社の立ち位置」のことです。ブランディング戦略を通じ価値観やメッセージなどを浸透させることで、自社の立ち位置が明確になり、競合との差別化につなげられます。
現在では、多くの業界でさまざまな商品やサービスが開発されています。そうした状況下で自社が選ばれるには、差別化を図り「この会社の商品だから買いたい」と顧客に感じてもらうことが必須です。自社ならではの価値があることで、価格競争を回避しながら顧客から選ばれやすくなります。
◉-2、ブランドの認知度を向上できる
ブランドの認知度が高いほど、顧客は商品やサービスに対して安心感を抱くため、自社を選んでもらえる確率が高まります。
また、認知度が高ければ、似たような機能や価格帯の商品があったとしても、「安心できる」「信頼できる」といった理由で自社を選んでもらいやすくなるでしょう。「安心感や信頼があれば競合より多少高くても購入されやすくなる」というのは、ブランディング戦略の魅力です。
◉-3、顧客からのリピート率を高められる
上記のような差別化や認知度アップに成功することで、顧客は自社商品やサービスの魅力を十分に理解してくれます。自社の魅力を知って信頼感や愛着を抱きリピーターになってくれれば、自発的に商品やサービスを購入してくれるでしょう。リピーターが増えれば、新規顧客の獲得コストを投下しなくても売上を伸ばせるため、会社にとっては理想の状態になります。
また、リピーターであれば、自社が新しいブランドを展開した際も購入してくれる可能性があります。そのため、積極的に新規事業へ乗り出しやすくなるでしょう。
◉-4、商品開発やマーケティング施策などを行う際の方向性で迷わない
ブランディング戦略によって自社が目指す方向性を明確にすることで、商品開発やマーケティング戦略の設計などを行う際に、以下のような点を正しく判断できます。
- 自社のメッセージと一致した商品を開発できているか?
- ブランド価値を損ねないマーケティング施策を考えられているか?
- 自社の世界観を表現するロゴマークを作れているか?
顧客からしても、商品や戦略の内容などがブランドイメージと一貫している会社であるほど信頼できるでしょう。
◉ブランディング戦略を実行するための5ステップ
ここからは、実際にブランディング戦略を実行するための5ステップを紹介します。
- 自社の現状を分析して課題を洗い出す
- 自社ブランドの価値を洗い出す
- ブランドの価値が刺さるペルソナを設定する
- 市場内における自社のポジションを定める
- ブランドに沿った一貫性のあるメッセージ発信や戦略を実行する
◉-1、自社の現状を分析して課題を洗い出す
最初に自社の現状を把握したうえで課題を抽出しましょう。具体的に以下のような点を洗い出します。
- 市場における自社ブランドの立ち位置は?
- ブランドの認知度は?
- 現状で競合にどんな差をつけられている?
- 顧客に信用してもらうための課題は?
上記のようなポイントを丁寧に洗い出すことで、「ブランディング戦略で達成したい目的」が明らかになり、今後のステップで戦略の方向性を正しく考えられるようになります。
現状分析や課題の洗い出しの際は、さまざまな部門や現場の従業員、ユーザー、取引先などへヒアリングを行うこともおすすめです。
◉-2、自社ブランドの価値を洗い出す
続いて、以下のような自社ブランドの価値をしっかりと洗い出します。
- 競合にはない差別化ポイント
- 自社のミッション・哲学・理念
- サービスのコンセプト
- 実現したい世界観
- キーメッセージ
ブランドの価値を把握することで、ブランディング戦略で押し出すポイントが明らかになり、顧客へ自社の魅力を伝えやすくなります。
◉-3、ブランドの価値が刺さるペルソナを設定する
ここまで抽出した課題や自社ブランドの価値を踏まえて、アプローチすべきペルソナを設定しましょう。他にも「自社の優良顧客の特徴」「現場で顧客と接している従業員からのヒアリング内容」といった情報も踏まえることで、適切なペルソナを設定できます。
ペルソナについては、単純な顧客の属性(居住地域・家族構成・性別・年代など)だけではなく、以下のような情報まで細かく考えることが大切です。
- 顧客の悩み
- 普段の行動パターン
- 日常の過ごし方
- 趣味嗜好
- 価値観
- 感情が動く瞬間
「自社の強みを発揮して一番価値を提供できる顧客層」をペルソナに設定するとよいでしょう。
◉-4、市場内における自社のポジションを定める
ここまで分析した自社ブランドの価値やペルソナなどを踏まえて、市場における自社ブランドのポジションを決めましょう。競合には真似できない差別化ポイントや自社の魅力などをもとに決めることが重要です。
具体的なポジションの例としては、以下が挙げられます。
- 独自の機能を搭載している
- 手厚いサポートを提供している
- 自社ならではの素材を使って高品質な商品を作っている
◉-5、ブランドに沿った一貫性のあるメッセージ発信や戦略を実行する
最後に、ブランドイメージを守るために以下のような施策を実行しましょう。
- SNSでのメッセージ発信
- キャッチコピーの策定
- ブランドイメージにマッチした媒体での広告配信
- オウンドメディアにおけるキーメッセージの発信
- ブランドカラーに合わせたWebサイトの改修
- 自社の強みを押し出した商品開発
- 世界観を表現したブランドロゴの制作
このように、メッセージ発信媒体やロゴのデザイン、Webサイトのカラーなど、さまざまな面でブランドイメージを意識することで、一貫した企業メッセージを顧客へ伝えられます。
また、全社でブランディング戦略のイメージを共有し、部門を超えて統一したブランド価値を発信することで、より効率的に市場での認知度を高められるでしょう。
◉ブランディング戦略で活用できる具体的な手法の例
ブランディング戦略で活用できる手法の例として、以下の3つが挙げられます。
- イメージキャラクター
- SNS
- ブックマーケティング
イメージキャラクターは顧客の記憶に残りやすいため、視覚的に自社ブランドを伝えて認知度を高める手段として有効です。有名なイメージキャラクターとして、不二家のペコちゃんやヤンマーのヤン坊・マー坊、くまモンなどが挙げられます。
SNSについては、X(旧Twitter)やInstagram、TikTokなどを活用しましょう。SNSでのブランディングを成功させるには、顧客ニーズに寄り添った発信やフォロワーとのコミュニケーションを意識することが重要です。例えば「代表者が事業への想いを語る」「著名人とのコラボ企画を行う」などが挙げられます。
また、ブランディング戦略の手法として「ブックマーケティング」も有効です。ブックマーケティングとは、自社の情報や専門知識を書籍として出版し、著者のブランディングの一環として活用する手法です。書籍であれば、自社の理念やストーリー、商品の開発秘話など、ブランディング戦略に関わるコンテンツを十分に盛り込めます。
▶︎上記も含め、ブランディング戦略で活用できる具体的な手法は、関連記事【企業ブランディングとは?重要性を解説】もあわせて参考にしてください。
◉ブックマーケティングがブランディングに有効な理由
ブランディング戦略で活用できる具体的な手法をいくつか紹介しましたが、中でもとくに「ブックマーケティング」がおすすめです。具体的なおすすめの理由は以下の通りです。
- 書籍を通じて信頼性をアピールできる
- 「書籍を出版する」ということが業界内でのポジショニングにつながる
- 広告やSNSなどと異なり長期的に情報を発信できる
- 自社のコンセプトやメッセージを深掘りして伝えられる
◉-1、書籍を通じて信頼性をアピールできる
書籍はWeb広告やコラム記事などと異なり、平均して「200ページ・7万〜10万文字」というボリュームで情報を伝えられます。大量の情報を込められるため、ブランディングに関わる哲学や理念、コンセプトなどを丁寧にわかりやすくまとめることが可能です。
自社のブランドについて丁寧に説明できれば、読者の納得度を高めて最終的な会社への信頼性につなげられるでしょう。
また、書籍の出版は時間と費用がかかるため、競合も手を出しにくい領域です。そのため、ブックマーケティングを活用するだけでも、「この企業は本を出版できるほど信頼性が高い会社である」と認識してもらえます。
◉-2、「書籍を出版する」ということが業界内でのポジショニングにつながる
上記で解説したように、書籍を出版するには以下のような手間がかかるため、競合も気軽には参入できません。
- 書籍の内容に間違いがないか入念にチェックする
- 自社ブランドを表現できるデザインであるかチェックする
- Web広告などを絡めたマーケティング戦略を設計する
また、プロモーションや認知度促進につながる施策に注力するのであれば、500万〜1,000万円程度の費用も必要です。このように、書籍を出版するハードルが高いため「本を出す」という行為自体が、業界内における自社のポジショニングにつながります。
◉-3、広告やSNSなどと異なり長期的に情報を発信できる
広告やSNSは情報発信の手段として有効です。しかし、広告は「出稿期間が設けられている」、SNSは「タイムラインですぐ流れやすい」といった特徴があるため、一定期間を過ぎるとターゲットへ届きにくくなります。
一方で書籍は、購入者の手元に残り何度も見返してもらえるため、長期的に情報を発信可能です。また、「セミナー参加者へ配布する」「SNSのプレゼントキャンペーンに利用する」といった二次活用もできます。こうした二次活用を通じて、自社のブランド価値をどんどん浸透させられる点も書籍の魅力です。
◉-4、自社のコンセプトやメッセージを深掘りして伝えられる
上記で解説したように、書籍はWeb広告やコラム記事などより圧倒的な情報量を込めることができます。この豊富な情報量の中で、自社のコンセプトや哲学、キーメッセージ、理念などを深掘りすることで、より効率的にブランド価値を伝えられるでしょう。
▶︎ブックマーケティングについては、関連記事【ブックマーケティングとは?効果的な戦略】もあわせて参考にしてください。
◉ブランディング戦略を成功させるためのコツ
ブランディング戦略を成功させるには、以下4つのコツを意識しましょう。
- ペルソナを明確に決める
- デザインやマーケティング戦略などでもブランドイメージを一貫させる
- ブランディングの方向性を社内で十分に周知する
- 定期的にブランディング戦略の方向を振り返って改善する
◉-1、ペルソナを明確に決める
自社のブランド価値を伝える相手を決めるために、最初に明確なペルソナを定めましょう。ペルソナを明確に定めることで、ブランディング戦略を考える際に「発信するメッセージ内容」「ペルソナに合わせたブランドのアピール方法」などを正しい方向性で決められます。
また、上記で解説したように、ペルソナは以下のように「実際のターゲットが目の前にいるイメージ」を持てるまで細かく設定しましょう。
- 基本的な顧客属性(居住地域・家族構成・性別・年代など)
- 顧客の悩み
- 普段の行動パターン
- 日常の過ごし方
- 趣味嗜好
- 価値観
- 感情が動く瞬間
◉-2、デザインやマーケティング戦略などでもブランドイメージを一貫させる
ブランディング戦略を効果的に進めるには、以下のようにさまざまな場面で一貫したブランドイメージを伝えることが重要です。
- SNSでのメッセージ発信
- キャッチコピーの策定
- ブランドイメージにマッチした媒体での広告配信
- オウンドメディアにおけるキーメッセージの発信
- ブランドカラーに合わせたWebサイトの改修
- 自社の強みを押し出した商品開発
- 世界観を表現したブランドロゴの制作
上記のように、細かい部分までブランドイメージを一貫させることで、顧客に「◯◯といえばこの会社だ」と直感的に思ってもらえるようになります。
◉-3、ブランディングの方向性を社内で十分に周知する
ブランディング戦略の方向性に関する認識が揃っていないと、社内で「ブランド価値を浸透させるための取り組み」を統一できません。部署や部門ごとで認識が異なると、例えば「広報が考えたCM案がブランドイメージに沿っていない」といった事態が起こります。
部署や部門が変わっても、全社員が「今から行うアクションはブランディングに沿っているか?」という視点で考えられるよう、社内でブランディング戦略の方向性を統一しましょう。
こうした細かい部分までブランディングが徹底されていれば、顧客からのイメージも統一されやすいです。
◉-4、定期的にブランディング戦略の方向を振り返って改善する
ブランディング戦略の施策は、最初から成功するとは限りません。「思ったより売上が変わらない」「ブランドイメージを変えたら顧客が離れた」といった問題が起きることもあります。
そのため、顧客の声や実際の売上などを踏まえて、定期的にブランディング戦略の成果を振り返りましょう。「結果をチェックして失敗原因を考える→新たな仮説を設定する→仮説に沿って戦略を進める→再度成果をチェックする」というサイクルを繰り返すことで、効果的に改善できます。
◉まとめ
この記事ではブランディング戦略の重要性や実行のステップ、具体的な手法、成功させるコツなどについて解説しました。
ブランディング戦略は、会社の認知度を高めるうえで重要な施策のひとつです。自社の独自性やコンセプトなどの「ブランド価値」を洗い出し、市場内のポジションを定めることで、競合との差別化を図り顧客から選ばれる可能性を高められます。
実際にブランディング戦略を立てる際は、以下5つのステップを踏まえましょう。
- 自社の現状を分析して課題を洗い出す
- 自社ブランドの価値を洗い出す
- ブランドの価値が刺さるペルソナを設定する
- 市場内における自社のポジションを定める
- ブランドに沿った一貫性のあるメッセージ発信や戦略を実行する
上記のステップを踏まえつつ、イメージキャラクターの展開やSNS運用、ブックマーケティングなどの手法を活用することで、効率的にブランディング戦略を進められます。
とくにブックマーケティングについては、書籍を通じて自社のメッセージを惜しみなく伝えられるため、ブランディング戦略を進める手法としておすすめです。「書籍を出版する」という行為自体が差別化ポイントになりうるため、業界内で独自のポジションを築きたい会社は活用しましょう。
弊社では「ブランディングのために書籍を出版したい」というケースも含めて、ブックマーケティングを行いたい方を手厚くサポートします。伝えたいメッセージを入念にヒアリングし書籍としてまとめるだけでなく、確実にターゲットの手元へ届けられるよう「Web広告と組み合わせたマーケティング施策の立案」「書店に並べてもらうための営業活動」なども実行するため、よりスムーズにブランディング戦略を進められるでしょう。
書籍の出版を活用して自社のブランディングを促進したい方は、まずはお気軽にお問い合わせください。
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