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2024.10.23

Branding

採用ブランディングの重要性とは? 目的やメリット、具体的な方法まで解説

 「採用ブランディング」という言葉が企業の戦略の中で広がりつつあります。

ただし、なぜ採用ブランディングが必要なのか、明確な目的やメリットを理解できていない経営者、人事担当者も少なくありません。

今回の記事では採用ブランディングを実現するにあたり、目的の組み立て方や具体的な方法を解説します。

目次【本記事の内容】

執筆者:江崎雄二(株式会社フォーウェイ取締役マーケティング統括)


福岡県出身。東福岡高校、山口大学経済学部経済法学科卒業。大学卒業後、月刊誌の編集者兼ライターに携わる。その後時事通信社での勤務を経て、幻冬舎グループに入社。書店営業部門の立ち上げメンバーとして活躍後、書籍の販売促進提案のプロモーション部を経て、法人営業部へ。東京と大阪にて書籍出版の提案営業を担当し、2020年11月、株式会社フォーウェイに参画。2023年9月取締役就任。グループの出版社、株式会社パノラボの流通管理も担う。

◉採用ブランディングとは

採用ブランディングとは、自社をブランド化し、採用活動において求職者に魅力的に感じてもらうために取り組む採用戦略のことです。

自社の魅力や強みを発信して認知度を上げたり、自社のイメージ向上を行ない求職者の共感や信頼を得たりする戦略です。

数多ある企業の中でも「自社を選んでもらう」努力を行ない、求職者からは「この企業で働きたい」と思ってもらわなければなりません。

さらに、採用ブランディングで強く意識されるのは、採用した人材の定着です。

企業の戦略として、新規採用で数を取ることも重要ですが、せっかく入社してもらっても採用後のミスマッチにより早期退職されてしまってはもったいないからです。

企業側の価値観と応募者の価値観が合致し、エンゲージメントの高まる人材を獲得することが将来的な企業の成長にもつながるといえるでしょう。

◉-1、採用ブランディングがなぜ求められるのか

今、この採用ブランディングが求められている背景としては、少子高齢化と労働環境の変化が考えられます。

労働人口の減少だけでなく、とくに新卒一括採用や終身雇用といった日本特有の雇用形態が崩れ始めたこともあって、各企業の採用競争が激化しているのです。

SNSを活用したダイレクトリクルーティングの普及も手伝い、企業が求職者に直接アプローチできる手段も増えています。だからこそ、企業のイメージをポジティブに伝えるためにも「採用ブランディング」が必要になってきているのです。

◉採用ブランディングがもたらすメリット

企業が採用ブランディングを実行することで、次のようなメリットを享受できます。

◉-1、①企業の認知向上につながる

採用ブランディングに取り組むことで、まずは企業の認知度が向上することが考えられます。求職者にとっては、その会社を知っているかどうかが応募のきっかけにもなり得るからです。

誰もが知る大手企業はともかく、中小企業やベンチャー企業などは、採用ブランディングに取り組んで認知度を上げないことには、採用に苦労するでしょう。

◉-2、②応募者の増加につながる

採用ブランディングにより自社の認知度が上がれば、おのずと応募者も増加するでしょう。

そのためには「この会社で働きたい」と思ってもらう魅力的な求人情報を発信したり、就職先候補の一つと検討してもらえるように有益な情報を発信したりすることが必要です。

◉-3、③採用後のミスマッチを避けることにつながる

どんなに優秀な人材を採用できたとしても、自社の理念を明確に伝えられていなければ、「思っていた会社とイメージが違う」と早期退職する可能性を高めてしまいます。

自社のブランドイメージや理念などの考え方を発信することで、それらに共感するマッチ度の高い人材を採用することができるでしょう。内定辞退を避けることや入社後の定着率向上に大きく寄与します。

◉-4、④競合他社との差別化につながる

採用ブランディングに戦略的に取り組んでいる企業はまだまだ少ないです。

とくに中小企業やベンチャー企業は予算がなく、積極的な採用ブランディングに取り組めていないケースが多いです。

しかし逆に小さな会社こそ、競合他社が取り組めていない採用ブランディングを実施することで、他社との違いや特徴、強みを明確に打ち出せるようになります。

求職者からは「この会社で働きたい」という動機付けになりますし、企業イメージを向上させることで仕事の取引先拡大など信頼感の向上にもつながっていきます。

◉-5、⑤採用コストの削減につながる

基本的に中小企業が新規採用を実行する際に考えるのは、リクナビやマイナビなどの採用媒体への広告掲載です。ただし、広告予算がかけられる企業ほど掲載上位になる優位性があるため、潤沢に予算をかけることができない中小企業には不利な施策です。

採用ブランディングを効果的に実行することで、口コミや自社の発信で情報拡散することが見込めるため、結果的に求人広告費の抑制につながるのです。

◉-6、⑥社員のモチベーションアップにつながる

自社の採用ブランディングにより、企業イメージが向上したり認知度が高まったりすることで、社員の帰属意識が高まります。自社のメッセージ発信だけでなく、採用ブランディングの施策の中で社員にも協力してもらう場面を設定することでモチベーションアップにもつながるでしょう。

自分がなぜその会社で働いているのか、再認識にもなり得ます。

◉採用ブランディングがもたらすデメリット

企業が採用ブランディングを実行することで、考えられるデメリットは次のようなものです。

◉-1、①効果を発揮するまでに時間がかかる

採用ブランディングは企業のブランドイメージ浸透、認知度の向上、応募者の増加や質の向上など、さまざまな効果を発揮させるためには時間を要します。

手段にもよりますが、基本的には2〜3年はかかると考えておきましょう。

◉-2、②全社で取り組む意思統一が必要になる

採用ブランディングは人事担当者だけでなく、会社の全社員を巻き込んで取り組む必要があります。経営者や人事担当者だけでメッセージを発信したところで、現場との意思統一が進んでいないと、結局採用後のミスマッチにもつながります。

企業が発信するメッセージは嘘になってはいけません。企業理念を浸透させ、労働環境も整備しながら、社員が働きがいのある場として魅力を高めていく必要があるでしょう。

◉-3、③情報発信を継続させるため忍耐力が必要

採用ブランディングは会社の将来を左右する取り組みになります。5年後や10年後といった先々を見据えたメッセージ発信を継続させ、ブランドイメージを定着させなければなりません。

さらに、短いスパンで次々に情報を更新しないことには、情報の鮮度も落ちてしまうことから、現実と乖離した内容を発信してしまうとマイナスイメージにもなり得ます。

とにかく忍耐強く、企業イメージを向上させ、求職者に真実を伝えるための情報発信をコンスタントに行なうことを心がけましょう。

◉採用ブランディングの戦略の組み立て方

採用ブランディングに取り組む上で、計画的に戦略を組み立てなければなりません。

具体的な戦略の組み立て方は次の手順です。

1、企業が欲しい人物像を確定させる
2、採用ブランディングの核となるキャッチコピーを決める
3、発信する方法を決め、メッセージを届ける

採用ブランディングを実施するにあたり、採用条件と合わない人材からの応募を減らす必要があります。

具体的に採用したい人物像を確定させ、決定したターゲットが魅力に感じるメッセージを発信しましょう。

具体的な手段は次に紹介します。

◉採用ブランディングの具体的な方法

採用ブランディングの手段は様々です。

まず、形式としては、文章、動画、画像、音声、会話などが挙げられます。

情報発信のチャネルとしては、求人媒体やWEBサイト、SNS、ダイレクトメールなどです。

これらを確定させ、どのようなタイミングで発信していくかを確定させなければなりません。

採用ブランディングの手法として有効な独自戦略を紹介します。

◉-1、【手段1】企業のメッセージを余すことなく発信できる「企業出版」

採用ブランディングで重要なのは、企業の意識統一です。

経営者の理念や目標など、社員と意識統一ができていなければ、社員はなぜ自社で働いているのか迷子になり、離職につながってしまいます。

そこで、理念を全社に浸透させつつ、対外的にも情報発信ができる「企業出版(カスタム出版)」は有効な手段となりうるでしょう。

企業出版は他の広告媒体と比較すると圧倒的な情報量を誇っています。さらに編集者が書籍企画という形で発信したい内容、発信すべき内容をまとめてくれるため、自社の考えの棚卸しにも寄与するのです。

完成した書籍は出版社や取次会社など多くのチェック機関を通じて、書店に流通し陳列されるため、情報としての信頼性も担保される稀有な手段といえるでしょう。

▶企業出版については、関連記事【企業出版のメリットとは? 企業が考えるべき出版による効果】もあわせてご参考にしてください。

▶くわえて前田建設工業の採用ブランディング成功事例を紹介している、関連記事【「ブランディング」の意味とブランディングの手法】もお読みください。

◉-2、【手段2】定期的な情報発信で企業イメージを浸透させる「コンテンツマーケティング」

採用ブランディングでは、短期的なスパンでの情報発信が効果的です。

鮮度の高い情報を発信し続け、さらに情報量が豊富であれば、積極的な企業姿勢を対外的に伝えることが可能です。

なかでもWEBのコンテンツマーケティングはおすすめの手段の一つです。

コンテンツマーケティングは、ペルソナの設計から開始します。自社に合致するターゲットを設定するため、ここで自社の理想の人物像を社内で確定させておくことです。

さらにコンセプトを決め、視覚的にも統一感のある情報発信を図ることです。

たとえば、採用ブランディング事業を展開しているトゥモローゲート株式会社の場合、新卒獲得のために「視覚」「体感」の2つのステップを経て、採用成功に向けた採用ブランディングを実行しました。

「ようこそブラックな企業へ」というコンセプトを定め、それに合わせて真っ黒なオフィスを借り、家具を真っ黒に塗りつぶすという統一感を出しました。

同コンセプトをリクナビやマイナビといった採用媒体にも掲載し、自社の採用特設サイトも黒を基調としたデザインで情報発信を積極的に実行。学生から口コミが相次ぎ、応募が殺到しました。

動画やパンフレットもコンセプトを統一したデザインで用意し、ゲーム形式の選考を実施するなど、応募者が体感できる面白い施策も実施したのは特徴的といえるでしょう。

このようにコンセプト設計からWEBデザイン、そして情報発信までのコンテンツマーケティングをフルサポートできる会社はそう多くありません。

WEBによる採用ブランディング成功のためには業者選びもかなり重要です。

◉【まとめ】採用ブランディング成功のためには長期的な計画と効果的な方法の選択を

採用ブランディングは一朝一夕で実現できる簡単なものではありません。

重要なのは、企業側の発信する内容と求職者が求める内容のマッチングです。

今回紹介したような手順を踏まえ、採用のための長期的な計画を立て、それを実現するための手段を目的に合わせて実行していきましょう。実行する手段についても、企業のカラーに合うかどうかは非常に大切です。

参考:フォーウェイのブランディングサービスについてはこちらから参考:フォーウェイのブランディングサービスについてはこちらから

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