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2024.09.06

Branding, Marketing

信頼獲得と成果につながる病院パンフレット作りのポイント!効果的な活用方法も解説

病院もこれからの時代はいかに多くの人に認知してもらって、多くの病院の中から選んでもらえるように、積極的な情報発信を行っていく必要があります。

そのための手段の1つがパンフレットです。

パンフレットを作るにはそれなりのお金や手間がかかるのですから、しっかりとした認知や信頼の獲得、人材の確保などの成果につながるものにすべきです。

今回は、このような成果にこだわった病院パンフレット作りのポイントや効果的な活用方法について詳しく解説いたします。

目次【本記事の内容】

執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)
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慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。

◉病院のプロモーションにパンフレットが有効な理由

病院のプロモーションにパンフレットが有効な理由は、主に次の2点です。

・パンフレットには紙媒体ならではの安心感
・信頼感がある
・パンフレットを見るのはネットに不慣れな高齢者が多い

各理由について詳しく見ていきましょう。

◉-1、パンフレットには紙媒体ならではの安心感・信頼感がある

病院のプロモーションは、一般的な企業の商品やサービスのプロモーションとは異なります。

なぜなら、病院にとっては「ここなら自分の体を預けられる」と感じられる安心感や、「ここなら質の高い治療が受けられる」という信頼感を持ってもらえることが重要だからです。

紙媒体のパンフレットは、物理的に手に取って読むことができるため、HPやSNSなどのデジタル情報と比べて安心感や信頼感を与えることができます。

近年、一般的にはデジタル技術によるプロモーションが優先される傾向がありますが、病院のプロモーションにおいては紙媒体のパンフレットも有効なのです。

◉-2、パンフレットを見るのはネットに不慣れな高齢者が多い

厚生労働省が公表している「平成19年国民生活基礎調査の概況」に示されているように、病院を利用する方の多くは高齢者です。

この調査によれば、病院全体では人口千人当たりの通院者率は333.6ですが、これを年齢階級別に分けると、「15~24歳」の通院者率が119.4で最も低く、年齢階級が高くなるに従って高くなり「75~84歳」の通院者率は692.4となっています。

つまり、病院に通院する方の多くは高齢者で、ネットに不慣れな方が多いため、紙媒体のパンフレットの方が向いているということが言えるのです。

紙媒体の病院パンフレットを制作して、このような高齢者のターゲットにアプローチすれば、高いプロモーション効果が得られると考えられます。

◉病院パンフレットは主に3種類

病院パンフレットは、制作する目的によって大きく次の3つに分けることができます。

・診療案内パンフレット
・病院案内パンフレット
・採用パンフレット

制作するパンフレットが、この中のどれに該当するかで掲載すべき内容や構成が変わってきます。

◉-1、診療案内パンフレット

どのような診療を行っているのかを紹介するパンフレットで、病院パンフレットの中では最も一般的なものです。

病院が掲げている診療方針や、治療を行っている診療科目の種類、診療時間、担当医師、導入している医療機器などについて、主に患者さまやそのご家族向けに紹介する内容になっています。

診療案内パンフレットを制作する際に心に留めておかなければならないのは、患者さまやご家族が必要しているのは、「最新の医療機器」ではなく「安心できる治療」だということです。

そのため、導入医療機器を羅列するだけではなく、「その医療機器を使ってどのような治療が行えるのか」ということを主に説明した方が良いでしょう。

その他にも、患者さまやご家族が知りたいと思うことはしっかり盛り込みましょう。

たとえば、病院の所在地やアクセス、駐車場の有無、入院設備のある病院の場合はその内容についても紹介した方が良いでしょう。

※後述しますが、院内のみで配る「診療案内パンフレット」の場合は医療広告ガイドライン上は「医療広告」に該当しないため、規制の対象外になります。

◉-2、病院案内パンフレット

病院の沿革や理念、治療方針などを総合的に紹介するパンフレットです。

病院案内パンフレットは、病院のブランディングを目的としたパンフレットと言うこともできるので、「その病院らしさ」や「こだわりポイント」などが見る人に伝わるように工夫しましょう。

パンフレットを手にとる患者さまやご家族、医療関係者に安心感を与えて、病院の魅力をよりアピールするブランディングツールになります。

病院案内パンフレットは、患者さまやご家族のほかに、就活生などの就職希望者も見るものなので、前述の診療案内パンフレットに含まれる診療方針や診療科目などの情報が掲載されることもあります。

◉-3、採用パンフレット

病院で働く看護師や保健師、薬剤師などの医療スタッフや職員の採用を目的としたパンフレットです。

採用パンフレットは、就活生や就職希望者に対して、「その病院で働く魅力」を伝えるものなので、基本的な情報や募集要項はもちろん、運営理念や治療方針、教育プログラム、キャリアパス、労働環境などを紹介する内容にしましょう。

また、それぞれの現場の写真を掲載したり、先輩スタッフのインタビューを載せたり、看護師や保健師、薬剤師などが実際の現場で働くイメージが分かるように工夫することが大切です。

就職後のミスマッチを減らすためにも、できる限り詳しい情報を掲載した方が良いため、患者さま向けのパンフレットとは違い、必要に応じて専門用語などを使って説明することも検討しましょう。

※後述しますが、医療機関の人材採用目的で配る「採用パンフレット」の場合は医療広告ガイドライン上は「医療広告」に該当しないため、規制の対象外になります。

◉-3-1、採用目的の広告が病院のプロモーションにもなる場合がある

採用目的のパンフレットではありますが、病院の存在を外向けに知ってもらうという副次的な病院の広告効果も見込めます。

たとえば、地元紙に折り込みのスタッフ広告を出した結果、来院数が増えたという事例も実際にあります。

もちろんあくまで「採用」が目的なのですが、こういった副次的な効果もあるということを知って起きましょう。

◉信頼獲得につながる病院パンフレットを作るポイント

病院パンフレットは、公益性の高さから一般の企業のように「集客」や「成果」という観点が薄くなってしまいがちですが、病院も一種のビジネスです。

お金を出す以上、「多くの患者さまに選ばれる」「採用候補者が多く集まる」など、成果につながるようなパンフレットを制作していきましょう。

信頼感や安心感を伝え、多くの人に選ばれるなどの成果をつなげるためには、各種の情報を綺麗にパンフレットに掲載するだけでは不十分です。

次に挙げるポイントを押さえて明確な戦略と目的を持って作る必要があります。

・厚生労働省の「医療広告ガイドライン」を遵守する
・「いつ」「誰に」「何を目的に」配るパンフレットなのかを明確にする
・安心感・信頼感を得られるデザインにする
・情報を詰め込みすぎないようにする
・WebサイトやSNSヘの導線を入れ込む
・作成後の配布やマーケティング活用も見据えた上で制作する

それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。

◉-1、厚生労働省の「医療広告ガイドライン」を遵守する

病院内でのみ配布されるパンフレット、職員の採用に関するパンフレット以外は基本的に「医療広告」に該当するため、医療広告ガイドラインの遵守が必要不可欠です。

6 通常、医療に関する広告とは見なされないものの具体例
(1) 学術論文、学術発表等
(2) 新聞や雑誌等での記事
(3) 患者等が自ら掲載する体験談、手記等
(4) 院内掲示、院内で配布するパンフレット等
(5) 医療機関の職員募集に関する広告

引用元:厚生労働省「医療広告ガイドライン」

医療広告ガイドラインでは、主に次のような広告表現を禁止しています。

パンフレットに病院のWebサイトなどに、QRコードや気軽にお問い合わせができるような導線をつけること自体は問題ありませんが、「ご来院ください」「お問い合わせください」のように誘う文句などを入れるとガイドラインに違反する可能性があります。

「誘引性(患者の受診等を誘引する意図がある)」のある表現などには十分配慮して制作を行いましょう。

まずはきちんと国のルールに則って制作をすることが信頼獲得の大前提となります。

◉-2、「いつ」「誰に」「何を目的に」配るパンフレットなのかを明確にする

病院パンフレットに限ったことではありませんが、「いつ」「誰に」「何を目的に」配るパンフレットなのかを明確にする必要があります。

病院パンフレットには、前述のように主に「診療案内パンフレット」「病院案内パンフレット」「採用パンフレット」の3種類があります。

まず最初にどのパンフレットを作るのかをはっきりさせましょう。

なぜなら、どの種類のパンフレットを制作するのかによって「いつ」「誰に」「何を目的に」が変わってくるからです。

◉-3、安心感・信頼感を得られるデザインにする

病院パンフレットは、安心感や信頼感が得られるようなデザインにすることが基本です。

この点が企業のパンフレットと大きく異なる点です。

患者さま向けのパンフレットであれば、ターゲットは子供から高齢者まで幅広い年代の方が対象になるので、誰にでも分かりやすく親しみのあるイメージになるようにします。

パンフレットで使用するフォントは、高齢者でも読みやすいように大きめのものを選択しましょう。

同様に、写真や図表なども分かりやすさを基本に考えましょう。

また、病院内の清潔感のある写真を掲載したり、優しいイメージの色遣いになるように意識することも大切です。

病院と言っても、地域密着のクリニックから皮膚科・眼科・耳鼻咽喉科などのような専門病院、複数の診療科目を扱う総合病院、先端医療を取り扱う大学病院など様々な医療機関があります。

いずれも安心感や信頼感を与えるようなデザインにすることが重要ですが、それぞれの病院の特徴を表すような独自性のあるデザインを考慮することも必要です。

なお、デザインや色遣いに関して注意すべき点は、清潔感を出すために「クリーン」なイメージを持たせようとして、結果的に「クール」な冷たいイメージになってしまっている例があるということです。

無駄なものを省きすぎたり、寒色系の色合いを多く使った「クール」なパンフレットは、冷たいイメージを与えかねません。

温かみを感じさせるような「ハートフル」な暖色系の色使いが、病院パンフレットには相応しいと考えられます。

◉-4、情報を詰め込みすぎないようにする

病院目線でパンフレットを作ると「これも入れておいた方が良い」などと情報を詰め込み過ぎたり、専門用語を使ってしまったり、一般の患者さまやそのご家族には意味が分かりにくいものになってしまいがちです。

病院は子どもから高齢者まで幅広い年代の方が利用する場所ですから、「難しい漢字を利用しない」「漢字にフリガナを付ける」「読みやすい大きさの文字を使う」など利用者目線のパンフレットになるようにすることが大切です。

「診療案内パンフレット」や「病院案内パンフレット」のような患者さまやそのご家族向けのパンフレットにはターゲットが必要としている情報を厳選して掲載するようにしましょう。

一方で、「採用パンフレット」の場合は、対象者が医療関係者ということもあり、ある程度の専門性を訴求するような内容になります。

患者さまやそのご家族向けとは違い、専門的な情報は入れつつも、やはり情報は詰め込み過ぎないように心がけましょう。

いずれの場合も、第三者のプロの目線を入れて情報を整理して制作した方が、「患者さまやそのご家族にこの情報は必要だろうか?」という病院以外の視点で情報を精査できるという点でおすすめです。

◉-4-1、Webサイトなどへの導線を入れ込む

前述のように、パンフレットに掲載する情報は厳選して最小限にすべきですが、パンフレットで説明しきれなかった詳細な内容については、Webサイトなどで見てもらうようにするのがおすすめです。

具体的には、パンフレットにWebサイトのQRコードやURLなどを入れておくと、患者さまがスムーズにWebサイトで詳細な情報を見ることができます。

また、気軽に問い合わせや質問などができるLINE公式アカウントなどのURLをパンフレットに明記しておくなど、パンフレットを見た人が自らの意志で次の行動を起こしやすい導線を入れておくことも大切です。

ただし、医療広告ガイドラインにより「誘引性」のある表現などは規制されているので、「お問い合わせください」や「お気軽にご相談ください」など患者さまを誘い込むような文言は使わない方が無難です。

QRコードやURLを掲載して、患者さまが自らの意志で詳細な情報を取りにいく導線の設置は問題ないと考えられるため、掲載しておきましょう。

このように、Webサイトなどへの導線を入れ込んでおかないと「見て終わり」のパンフレットになってしまいます。

◉-5、作成後の配布やマーケティング活用も見据えた上で制作する

「パンフレットを作ってはみたものの、いま一つ成果や反響が感じられない」という方の多くは、「パンフレットを作る」ということを目的に作ってしまっている傾向があります。

制作後に「どこで」「誰に」「どれぐらいの量を」「どうやって配布するのか」などの活用方法をしっかりと見据えた上で制作していかないと、成果につながりにくくなってしまいます。

パンフレットの制作に取り掛かる前に、しっかりとターゲットに届けるにはどうすれば良いのか、というマーケティング視点も入れた活用方法を検討しておきましょう。

▶薬機法と広告・PRについてより詳しく知りたい方は、関連記事【薬機法(旧:薬事法)とは?違反せずに広告・PRする7つのポイントを分かりやすく解説】もあわせて参考にしてください。

◉病院のパンフレットを効果的に活用する方法

パンフレットは、ただ作るだけでは成果につながりません。

次のようにパンフレットをいかにターゲットの手元に届けて、見てもらうかという行動をしていかないと成果にはつながりません。

・PDF化してネット上でも見れるようにする
・配布するタイミングや場所を検討する
・デジタルマーケティングと組み合わせてターゲットに配布する

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

◉-1、PDF化してネット上でも見れるようにする

パンフレットは紙媒体の冊子ですが、Webサイトで閲覧したりダウンロードしたりできるようにPDF化してデジタルデータとしても利用できるようにしておきましょう。

スマホやPCで、症状や診療科目、地域などをキーワードにして検索をして病院を探す方も増えています。

「診療案内パンフレット」や「病院案内パンフレット」をPDF化して公式Webサイトに置いておくと、検索結果から病院の公式サイトを訪れた方が引き続き閲覧するなど、患者さまやご家族の目に触れるチャンスを増やすことができます。

◉-2、配布するタイミングや場所を検討する

パンフレットは、病院のロビーなどの机の上などにただ単に置いておくだけでは不十分です。

病院内であれば、受付カウンターや会計カウンターなどの患者さまが立ち止まる場所のよく見えるところに並べたり、看護師や医師のオペレーションの中にパンフレットの配布を組み込んだりするなど、配布タイミングや場所を十分に検討しましょう。

また、病院外でターゲットが多く訪れる施設をリサーチして、その場所に置いてもらったりすることも有効です。

たとえば、小児科などであれば、保育園や幼稚園、子どもを持つ親が集まるような施設に置けないかを検討したり、という様に、制作したパンフレットを1枚残らずターゲットの手元に届けるためにはどうすれば良いのかを事前によく検討して、配布する場所やタイミングを決めることが重要です。

◉-3、デジタルマーケティングと組み合わせてターゲットに配布する

WebサイトやSNS上に、パンフレットの内容の一部を切り取って投稿したり、WebサイトからPDFデータを容易にダウンロードや閲覧できるようにしたり、デジタルマーケティングと組み合わせる方法が有効です。

また、LINE公式アカウントのQRコードをパンフレットに入れて患者さまが気軽に相談や質問ができるようにするといった活用方法も有効と言えます。

実際に、コロナ禍の発熱外来で患者さまが増えたタイミングでLINE公式アカウントで医院からの情報発信を実施し、患者が再診に訪れる仕組みを作った事例もあります。

パンフレットの内容をWebサイトやWeb広告に二次活用するなども考えられるでしょう。

このように、デジタルマーケティングとの組み合わせによって、より多くのターゲットにパンフレットの内容を届けることができます。

◉【まとめ】活用方法や成果も見据えたパンフレット制作はプロに依頼しよう!

本記事では、信頼獲得と成果につながる病院パンフレット作りのポイントや効果的な活用方法について詳しく解説しました。

パンフレットを病院スタッフだけで制作しようとすると、患者さまやそのご家族にとっては分かりにくいものになってしまいがちです。

なぜなら、どうしても医療用語や専門用語が多くなったり、情報を詰め込み過ぎたり、病院側の伝えたいことを詰め込んだ一方的なパンフレットになってしまいがちだからです。

また、マーケティング視点などを入れての情報設計なども難しいと言えるでしょう。

成果を出すパンフレットを目指すのであれば、ターゲットに応じた利用者目線での制作はもちろんのこと、制作後の配布やマーケティング活用なども見据えて制作することが何より大切です。

フォーウェイでは、書籍やパンフレット制作だけにとどまらず、コンテンツをいかにターゲットに届け、成果につなげるかをサポートしております。

「採用候補者を増やしたい」「来院いただける患者さまの数を増やしたい」など、成果のでる病院パンフレット制作をお考えであれば、フォーウェイまでご相談ください。

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