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2024.08.29

Branding, Marketing

パンフレットを広告として有効活用する方法!ただ作るだけではダメ!

パンフレットは「企業や学校、商品やサービスを紹介するために配布するもの」というPRや広報のイメージが強いため、パンフレットを広告宣伝用に活用するイメージを持っていない方が多いのではないでしょうか。

そのため、パンフレットの内容や構成については「広告媒体である」という認識で作成されていないことがほとんどだと思います。

せっかく企画やデザイン、印刷にお金をかけて制作する訳ですから、PRや広報はもちろんのこと、広告媒体としてマーケティングや営業への活用も見据えて制作すべきです。

今回は、パンフレットを広告として有効活用するための方法について、構成や内容、制作する際のポイントなどについて解説いたします。

目次【本記事の内容】

執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)
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慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。

◉パンフレットを広告として有効活用するには?

パンフレットを広告として有効活用するために考えなければならないのは次の4点です。

  • ・目的や活用方法
  • ・内容
  • ・デザイン
  • ・配布方法

具体的にどのようなことを考えていくのか、詳しく見ていきましょう。

◉-1、パンフレットを作る目的や活用方法を明確にする

パンフレットを作る目的や活用方法などが明確になっていないと、誰にもピンとこない「ただの説明資料」になってしまいます。

まずは、パンフレットを「誰に向けて」「どんな目的で」「どのような活用方法を見据えて」作るのかを次のような形で明文化しておきましょう。

たとえば、建設業の会社案内パンフレットであれば、次のような形で明文化します。

誰に向けて・既存の取引先、パートナー企業
・工事の発注元となる可能性のある企業
どんな目的で・発注元企業からの認知獲得(工事の発注元企業に自社の存在を知ってもらう)
・信頼関係構築(信頼して工事を発注してもらうためのきっかけ作り)
どのような活用方法を見据えて・直接発送(取引先、パートナー企業、リスト先)
・PDF化して送信(問い合わせフォーム、メールアドレス)

上記のように文章にしておくことで、社内で共有ができ、目的をぶらすことなく制作を進めていくことができます。

◉-1-1、リーフレットやチラシ、カタログとの違い

パンフレットとよく混同されがちなのが、リーフレットやチラシ、カタログなどです。

以下の表に、パンフレット・リーフレット・チラシ・カタログの特徴や主な利用目的についてまとめています。

それぞれ特徴や利用目的などが異なるので、違いをしっかりと理解しておきましょう。

媒体特徴主な利用目的
パンフレット・複数枚の紙を折り曲げて重ね、真ん中をホッチキスなどの針金で綴じた冊子印刷物・UNESCOの定義では「表紙を除いて5ページから48ページまでのもの」で、48ページ以上は「書籍」に該当する会社案内や製品・サービスの詳細な紹介など、情報量の多い用途に利用される
リーフレット・1枚の紙を折り曲げて使用する綴じられていない簡易的な印刷物・コンパクトなため1枚の情報量は少なくなるが、折り曲げることによってページを作って、それぞれに情報を分けることが可能・商品や施設、イベントなどの案内・説明・告知を目的として利用される・広告宣伝用の手渡しツールとしても使用される
チラシ・1枚の紙を折り曲げずに使用する印刷物・最大でも両面印刷の2ページで、片面印刷の場合もある・商品やイベントなどの案内・告知を目的として大量に配布するために利用される
カタログ・パンフレットと同じく複数枚の紙を折り曲げて重ね、真ん中をホッチキスなどの針金で綴じた冊子印刷物・見た目はパンフレットと同じだが利用目的が異なるもの・商品や作品などを一覧で紹介することを目的として利用される。

◉-2、パンフレット制作をする前に企画をしっかりと行う

パンフレットは、ただ何かを紹介するためだけに制作するのではなく、あらかじめ明文化しておいた目的や活用方法をベースに、どんな内容のパンフレットを作るのかをより深く検討しておく必要があります。

パンフレットの企画段階における検討ポイントは以下の通りです。

◉-2-1、配布するターゲットを明確に設定する

まず、パンフレットを配布するターゲットを明確に設定します。

なぜなら、ターゲットによって掲載すべき「内容」や「デザイン」が変わってくるからです。

「誰に伝えたいのか」を明確にすることによって、「何を伝えるのか」というポイントがはっきりして、有効な「キャッチコピー」や「内容」「デザイン」につながります。

◉-2-2、ターゲットのニーズを深掘りする

次に、設定したターゲットがどのような情報を求めているのかというニーズを深掘りしましょう。

ターゲットのニーズを踏まえたうえで、「キャッチコピー」や「内容」「デザイン」を決めることによって、パンフレットとターゲットとのミスマッチを防ぐことができます。

ニーズに応えられるような「内容」になっていなければ、パンフレットを読んでさえもらえません。

◉-2-3、自社の強みを明確にする

ターゲットとニーズが明確になったら、それに対する自社の強みを明確にします。

3C分析やSWOT分析などのフレームワークを用いて、同業他社との差別化を意識しながら、パンフレットの目的に沿ったアピールができる強みを整理し、明確にしていきましょう。

◉-3、ターゲットの興味を惹く構成、デザインに落とし込む

パンフレットを見たターゲットに、商品・サービスの問い合わせや資料請求、購入などの何かしらのアクションを起こしてもらうためには、まずパンフレットを開いた時に「自分向けのパンフレットだ」と思ってもらう必要があります。

たとえば、人材採用を目的とするパンフレットであれば、ターゲットと同年代の従業員の写真を入れて、「自分がこの会社に入ったら、こんな風に活躍できるんだ」というイメージを持ってもらいやすくなり、「読んでみよう」と思ってもらいやすくなります。

また、商品やサービスのパンフレットであれば、ターゲットと同じ属性の「お客様の声」を入れたりするのも有効です。

ターゲットに「自分ごと」にしてもらわなければ、パンフレットをいくらうまく作っても読んでもらえないので、以下のようなポイントを押さえて、「いかにターゲットの興味を惹くか」を検討しましょう。

◉-3-1、ターゲットがピンとくるキャッチコピー・文章にする

ターゲットがパンフレットを見た時に、まず目に入る文章がキャッチコピーです。

キャッチコピーが刺さるか刺さらないかで、中身の文章を読んでもらえるのかが決まる重要な要素なので、次のポイントを押さえて文言を考えていきましょう。

・訴求ポイントを、短くわかりやすく表現する
・他社との差別化を意識したユニークなものにする
・ターゲットが普段使う言い回しや言葉を使う(普段使わない言葉を使っても刺さらないため)

また、キャッチコピーだけではなく、文章も重要です。

伝えたいことを羅列しただけでは、ただ長いだけの無味乾燥な文章になってしまいます。

パッと読んだだけで理解できるような分かりやすい文章表現を心がけましょう。

◉-3-2、内容を詰め込みすぎないように注意する

パンフレットを制作する際には、「せっかく作るんだからこの情報もあった方が良い」という風に、多くの情報を入れ込みたいという気持ちになりがちです。

しかし「内容を詰め込み過ぎる」とターゲットには伝わりにくくなります。

なぜなら、ターゲットにとって「どの情報が自分向けなのか」「どの情報が重要なのか」が分かりにくくなってしまうからです。

パンフレットの内容は、「何を載せるか」ではなく「何を残すか」という引き算の観点で考えた方が良いでしょう。

前述したように、「誰に向けて」「どんな目的で」「どのような活用方法を見据えて」作るのかを明文化しておけば、「何を残すか」の優先順位を決めやすくなります。

◉-3-3、次のアクションにつながるオファーを入れる

パンフレットを広告宣伝に活用するには、ターゲットの次のアクションにつながるようなオファーを入れることも重要です。

購入や販促などの広告の目的を達成するために、顧客にメリットを提示することをオファーといいます。

たとえば、パンフレットの中にバーゲン情報を記載したり割引クーポン券などを付けたりすることで、ターゲットに次のアクションを促すことができます。

「パンフレットを読んで終わり」にならないよう、次に繋げる意識が大切です。

◉-3-4、自社以外の第三者視点を入れる

パンフレットでは、自社の商品やサービスの優位性を強く訴求したくなりますが、自社の視点からだけの紹介では、一方的な押し付け情報と受け取られてしまいます。

これを回避するために、自社以外の第三者による評価などを入れたりできないか検討してみましょう。

たとえば、モニターによる商品・サービス利用の感想や、既存のユーザーに対して行ったアンケート結果などです。

ユーザー視点からの意見を入れることによって、よりパンフレットに記載されている内容に信頼感を持ってもらいやすくなります。

◉-3-5、図や表を入れて視覚的に訴求する

パンフレットには文章だけではなく、図や表を入れて視覚的に訴求するようにしましょう。

図表を使うと自社の商品やサービスの優位性など、伝えたい情報の正しさや正当性を分かりやすく示すことができるからです。

また、ターゲットの中には文字を読むことに苦痛を感じる人もいます。

できる限り、キャッチコピーなどの目立つ文章と写真、図表などを見ればあらかたパンフレットの内容を理解できるようにするのが理想です。

◉-3-6、売り込み色が強くなりすぎないように注意する

「自社の商品やサービスを買って欲しい」というイメージが強いパンフレットだと、ターゲットは警戒し、慎重になってしまいます。

「自社の強みをもっとアピールしたい」「自社の商品・サービスを売りたい」という気持ちは持っていても、パンフレットに売り込み色を強く反映しないように、注意して制作しましょう。

売り込み感を隠すぐらいが広告として丁度良いと言えます。

◉-4、ターゲットの手元に的確に届ける

パンフレットは、ただ単に作るだけではダメです。

ターゲットがよく利用する媒体を積極的に活用したり、無料セミナーを開いたり、営業マンに見込み顧客に手渡してもらったりしながらターゲットの手元に的確に届けていくことが重要です。

ターゲット以外の人に届けても意味がありません。

あくまで、ターゲットの手元に届くように、次のような工夫や施策を実行してはじめて成果につながるのです。

◉-4-1、PDF化して、Web上で配布する

パンフレットをPDF化して、自社のHPやポータルサイトに掲載しておき、メールマガジンやLP(ランディングページ)などから適切なリンクを貼ることによって、Web上で配布することができます。

パンフレットを紙媒体で作るだけではなくWeb上で配布していくことも重要です。

また、PDFであればWeb上で多くのターゲットに送付することができます。

たとえば、メインターゲットから少し外れていたり、「紙媒体で送るにはちょっとコストをかけすぎかな…」と思うような相手にもPDFであればコストを気にせずに送ることが可能です。

◉-4-2、ターゲットに直接送付する

自社で保有している見込み顧客リストの住所にパンフレットを直接送付する方法は効果的です。

また、エリア限定の商品やサービスのパンフレットであればポスティングで直接届けるのも有効と言えるでしょう。

パンフレットが郵便受けに届くので、捨てる前に必ず一度はターゲットの目に入ります。

そのため、表紙などでうまく興味を惹くことができれば、ターゲットに内容まで読んでもらえる可能性が高くなるのです。

手書きの手紙を付けたり、「バーゲン情報」「クーポン券」などのオファーを付けておくと集客につながる可能性が高まるのでおすすめです。

◉-4-3、セミナーや講座などで手渡す

自社が開催するセミナーや講座などで、受講者にパンフレットを手渡しする方法です。

受講者はセミナーや講座の内容に関心を持って参加しているわけですから、テーマに関連するパンフレットであれば、ほぼ確実に受け取って読んでもらえるでしょう。

さらに、パンフレットを読んだ受講者が問い合わせや資料請求などのアクションを起こして購買や成約につながる可能性もあります。

ポイントはセミナーの前に配っておくことです。

早めについて時間を持て余したりした際に読んでもらえる可能性が高くなるからです。

また、セミナーや講座で配ったパンフレットについては「こういう内容が書かれていますので読んでください」と必ず説明するようにしましょう。

こういった細かい配慮の1つひとつがパンフレットの広告効果を高めてくれます。

◉-4-4、ターゲットが集う場所に置かせてもらう

パンフレットの企画段階で設定したターゲットの属性などから、ターゲットが集まりやすい場所が特定できる場合は、その場所にパンフレットを置かせてもらうなども有効です。

たとえば、高齢者がターゲットであれば病院やクリニック、接骨院や整体、公民館やカルチャーセンターなどが良いと言えます。

ターゲットによって有効な場所は異なりますので、そのリサーチをいかにできるかがポイントと言えます。

もちろん、置かせてもらう場所のオーナーや責任者に依頼して了解を得てから置くようにしましょう。

◉-4-5、営業ツールの一つとして営業マンに活用してもらう

パンフレットを営業ツールの1つとして営業マンに持たせて活用してもらうのも有効です。

営業マンにとっては、パンフレットがあることで、説明の時間を短縮できたり、お客様を訪問しやすくなったり、話のきっかけ作りになったりします。

この場合も、ただ営業マンが手渡して終わりにならないように、顧客の次のアクションを促すような「無料相談チケット」「割引クーポン」などのオファーをパンフレットに付けておくと良いでしょう。

パンフレット

◉パンフレット制作事例

実際に広告宣伝にパンフレットを活用した事例を3件ご紹介します。

「いまいちパンフレットを広告にどう使えば良いか分からない」という方は、ぜひこれらの事例と同じような活用ができないかを検討してみてください。

◉-1、事例1:建築設計会社の採用パンフレット制作

ある建築設計会社では、採用活動を目的とした会社案内のパンフレットを制作。

中小企業ということもあって広く発信することは考えておらず、専門学校などに求人票と一緒に配布することを想定して、「他社と比べて目を引くようなインパクトのあるデザイン」「建築設計事務所ということがすぐに分かるデザイン」「学生向けに親しみやすい明るいデザイン」にしたいというのが先方の要望でした。

パンフレットを制作する前から、すでにターゲットが明確になっており、利用目的や要望もはっきりしていたため、専門スタッフ・デザイナーの力を結集して、満足していただける出来栄えのパンフレットを制作することができ、採用活動で実績を上げることに成功しました。

◉-2、事例2:不動産投資サービスの見込み顧客への配布用パンフレット制作

医師向けの不動産投資サービスを行っている不動産会社では、すでにブックマーケティングを実践し、書籍出版により大きな成果を上げていました。

しかし、中には書籍を一冊読むまでには至っていない検討段階の見込み顧客もいらっしゃるとのこと。

そういったライトな見込み顧客向けに配布するためのパンフレットを作成しました。

イメージ的には、既に刊行済の書籍のダイジェスト版ですが、「どれぐらい節税できるのか」「なぜ不動産投資が節税になるのか」「物件を見極めるポイント」などがパッと見て分かるように配慮し、実際に投資用不動産を購入した顧客との対談インタビューを掲載するなどを工夫。

自社HPからパンフレットのPDFデータをダウンロードしてもらう形で配布しており、新規問い合わせなどにつながっています。

◉-3、事例3:投資スクールの入校募集パンフレット制作

ある投資スクールでは、投資に興味がありながらもノウハウや知識を得るために何をしたら良いかわからない人に向けて、「入校を後押しする」ようなパンフレットを目指して制作。

新規入校生募集のためのパンフレットということもあり、表紙に投資スクールを受講したことによって利益を得た実績が分かりやすいように、「Before・After」を掲載して、インパクトを与えるように工夫しました。

また、投資スクールという世間のイメージがあまりよくないため、実際にスクールを受講して利益を得た方のリアルなインタビュー内容を掲載したり、メディアで取り上げられた実績を掲載したり、安心感や信頼感を与えることができるような内容になっています。

投資スクールのサービス内容や講師陣、受講料など、受講を検討する方が気になる項目についても詳しく紹介。

結果として、多くの方から問い合わせが増えて、新規入校者の増加につながっています。

◉【まとめ】デジタル時代の今だからこそ、パンフレットは有効な広告ツール!

本記事では、パンフレットを広告としてもっと有効活用するための方法について紹介しました。

PC、スマホなどを利用したデジタル広告が主流となっている現代ですが、こういうデジタル時代だからこそ、アナログなパンフレットが際立ち、有効な広告ツールとして効果を発揮します。

せっかく費用をかけて制作するのですから、広告や営業への活用も視野に入れてパンフレットを制作してみてはいかがでしょうか。

広告に有効活用することを見据えたパンフレット制作をお考えであれば、フォーウェイまでお気軽にご相談ください。

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