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2024.11.20
Branding, Marketing
記念誌とは?読んでもらうためのコツや活用アイデアを解説
記念誌は、会社や団体などの周年記念日やその他の記念すべきイベントなどを祝うために制作される出版物です。
名前の通り、会社などの節目やイベントを記念するためのものですが、きちんと読んでもらえなかったり、終わった後は棚の奥にしまっておかれたりすることが多くあります。
せっかく時間と費用をかけて作るのですから、多くの人に読んでもらえて他の用途にもどんどん活用してもらえるような出版物にしたいものです。
そこで今回は、記念誌を読んでもらうためのコツや出版後の活用アイデアなどについてくわしく解説いたします。
目次【本記事の内容】
- 1.記念誌とは?
- 1-1.社史や周年史との違い
- 2.記念誌を作る主な目的
- 2-1.周年記念事業の記念にする
- 2-2.関係者各位への感謝を伝える
- 2-3.ブランディング
- 2-4.自社資料や歴史、実績などの整理をする
- 2-5.営業・マーケティングツールとして活用する
- 2-6.認知度の向上
- 3.記念誌を読んでもらうためのコツ
- 3-1.社員を巻き込んだ参加型のコンテンツ制作
- 3-2.会社のこれまでの成長を数値・図式化してわかりやすく掲載
- 3-3.会社の将来像を掲載
- 3-4.目を惹くデザイン・装丁
- 4.作るだけではダメ!記念誌の積極的活用方法
- 4-1.営業ツールとしての活用
- 4-2.マーケティングツールとしての活用
- 4-3.記念誌でまとめた情報をWebやSNSで二次活用
- 4-4.情報発信ツールとしての活用
- 5.【まとめ】社内の継続的な利益につながる記念誌を作り、活用しよう!
執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター) 慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。 |
◉記念誌とは?
記念誌とは、会社や団体・学校・官公庁などが周年記念日や何らかの出来事、イベントを記念して発行される出版物のことです。
たとえば、創立(設立)20周年や50周年などの区切りの良い年に行われる記念行事や会社や社員の受賞、関連施設のオープンなどのイベントを記念して出版されることが多いようです。
内容としては、周年記念日やイベントなどを祝う内容や歴史、実績などが中心となりますが、基本的に構成や内容には決まりがなく、自由です。
◉-1、社史や周年史との違い
記念誌と似た出版物として、社史や周年史があります。
社史は会社の創業からの歴史や活動などを読み物としてまとめた出版物であり、周年史の一つの形です。
主に会社の周年事業の一貫として編纂されるのが一般的ですが、上場その他の会社にとって記念すべき出来事に合わせて作られる場合もあります。
一方で、周年史は会社や各種団体・学校・官公庁などが周年記念日に合わせて発行する出版物です。
創立20年や50年などの周年記念日に合わせて発行されます。
周年史の一般的な内容は、年表に基づいた創立や設立からの沿革と、その間の代表的な出来事などを時系列で記述したものとなっています。
▶周年誌については、関連記事【周年史とは?出版目的や具体的な制作の流れや活用方法について解説】をあわせて参考にしてください。
▶社史については、関連記事【読まれ、活用される社史を作るコツ!作成後の有効活用方法も解説】をあわせて参考にしてください。
◉記念誌を作る主な目的
従来は、会社がこれまで存続できたことへの感謝の気持ちを伝えることを目的として記念誌が制作されていました。
しかし昨今では、自社の企業理念やブランドの価値などを社内に浸透させていくインナーブランディングという目的も強く意識されるようになってきています。
記念誌を作る主な目的としては次のようなものがあります。
・周年記念事業の記念にする ・関係者各位への感謝を伝える ・ブランディング ・自社資料や歴史、実績などの整理をする ・営業・マーケティングツールとして活用する ・認知度の向上 |
目的について、それぞれくわしく見ていきます。
◉-1、周年記念事業の記念にする
一般的な会社では、創立10周年や20周年などの区切りの良い年に周年記念行事を開催してお祝いをし、その周年記念行事の一環として記念誌が出版されることがあります。
記念誌は周年記念行事のときに必ず出版するわけではなく、何らかの節目の年に出版されることが多いようです。
◉-2、関係者各位への感謝を伝える
記念誌には、会社がこれまで存続するためにお世話になった顧客や取引先、株主、パートナー会社、地域社会、従業員・OBなどに対するお礼の意味が込められています。
記念誌の編纂を通じてこれらの方々との関係を改めて認識し、完成した記念誌をお世話になった方々に寄贈して感謝の気持ちを伝えることができます。
関係者各位に感謝を伝え、今後も関係性を深めていくためのコミュニケーションツールと言えるでしょう。
◉-3、ブランディング
記念誌を用いて、通常の会社活動では伝わりにくい会社の歩みや実績・理念などを社内に浸透させることができます。
そのために、過去の記録だけではなく未来への展望なども積極的に掲載する企業が多いようです。
また、社内だけではなく、社外に向けて会社の存在意義や将来性などをアピールすることもできます。
◉-3-1、インナーブランディング
記念誌に記載された会社の歩みや実績・理念などを従業員に読んでもらうことによって、社内に浸透させて一体感を強めることができます。
また、自社の過去の出来事や考え方を知り、自分たちや組織の役割を再確認してモチベーションを高める効果も期待できるでしょう。
その他、人材教育や研修にも活用できるため、人材の育成や業績向上に役立ちます。
◉-3-2、アウターブランディング
記念誌は社外に対するブランディングにも効果があります。
これまでに開発して販売してきた商品やサービスの開発経緯や開発秘話、歴史、企業理念などがまとめて書かれていますので、顧客に自社のことを詳しく知ってもらうことができます。
そのため、記念誌は社外の方々への知名度が向上するなどブランディング活動に活用することが可能です。
自社の社会への貢献や役割をまとめることによって、対外的なイメージアップにつながります。
◉-4、自社資料や歴史、実績などの整理をする
会社活動を長く続けていると多くの資料が発生しますが、存続年数が長くなり会社規模が大きくなると散在したり、行方不明になったりすることがあります。
記念誌の制作をきっかけとして、社内に散在している資料を集めて自社の歴史や実績などを整理することができます。
過去の経営方針や事業成果、課題、その課題をどのようにして乗り越えたかなどをストーリーとして残し、これらを整理することで、経営に活かすことも可能です。
また、過去の資料の中には業界や地域社会にとって重要なものが含まれている可能性がありますので、業界団体や地域の図書館に寄贈した方が良いケースも考えられます。
◉-5、営業・マーケティングツールとして活用する
近年ではブランディングだけではなく、記念誌そのものを営業やマーケティングツールとして活用するために作る会社も多くなっています。
そもそも、記念誌は会社の過去から現在がすべて丁寧にまとめられた出版物なので、会社紹介のためのツールとして活用しない手はありません。
営業やマーケティングツールとして活用する場合は、事前に営業やマーケティングの部署にヒアリングを行いましょう。
◉-6、認知度の向上
記念誌には会社の歴史や経営理念、将来像などがまとめられているので、その会社の認知度を向上させるために適したツールと言えます。
また、出版物であるため社会的な信用性が高く、認知度の向上を目的の1つとして作る会社もあります。
◉記念誌を読んでもらうためのコツ
従来の記念誌は記念事業のために作ることがほとんどでしたが、近年ではブランディングで会社をより認知してもらって、実際の営業・マーケティング活動に活用することを視野に入れて作る会社が増えてきています。
そのためには、次のような視点で記念誌を作り込んでいくことが重要です。
・社員を巻き込んだ参加型のコンテンツ制作 ・会社のこれまでの成長を数値・図式化してわかりやすく掲載 ・会社の将来像を掲載 ・目を惹くデザイン・装丁 |
それぞれのコツについて、くわしく見ていきましょう。
◉-1、社員を巻き込んだ参加型のコンテンツ制作
社員を記念誌のコンテンツの中に巻き込むと、当事者感が増してより親近感を持って読んでくれるようになります。
具体的には次のようなコンテンツ作成を検討してみましょう。
◉-1-1、社員インタビュー
社員にインタビューを行って、それを記事化したコンテンツです。
記念誌などのインタビューというと社長や経営陣などへのインタビューが多いのですが、各年代別の男女それぞれにインタビューを行うのがポイントです。
なぜなら、社員インタビューに参加した方はもちろん、同じ部署の方などに当事者意識が芽生えやすく、読んでもらうきっかけになるからです。
または、現役社員だけではなく引退したOBなどへのインタビューを行ってみるのも面白いのではないでしょうか。
◉-1-2、社員座談会
社員の座談会を行って、それを記事にするのもおすすめです。
社長や経営陣を囲んでの座談会がよくあるパターンですが、社員が気になるテーマや会社の将来など、社員が主体的に語るようなテーマを設定するのがコツです。
社員にとっては、社長や経営陣よりも、他の社員の方が自分を投影しやすく、親近感を持ってもらいやすくなります。
◉-1-3、全社員アンケート
全社員に対するアンケートを行うと、全員がその結果に興味を持って読んでくるようになります。
テーマとしては、普段はちょっと聞きにくいけど気になるようなコトなどがおすすめです。
もちろんオーソドックスなテーマでも良いのですが、ちょっと変わったクスッと笑えるようなものが幅広い年齢層の従業員の興味を引くことにつながります
◉-1-4、全社員のお祝いメッセージ
全社員から寄せ書き形式で手書きのメッセージをもらって掲載するのも有効です。
手書きであることがポイントで、一体感の醸成や会社に対する意識を高めることにつながります。
◉-1-5、全社員の集合写真
全社員の集合写真を掲載するのもおすすめです。
会社の規模や拠点の数などによって、全社員一緒の集合写真が難しい場合は、部門別や拠点別の写真を撮って掲載しても良いでしょう。
◉-2、会社のこれまでの成長を数値・図式化してわかりやすく掲載
普段はあまり触れることがないような会社の内部事情が分かる数値を、ポップな形で分かりやすく掲載することで、より会社のことが理解できるようになります。
たとえば、社員数の推移、平均給与の推移、会社の売上推移など、パッと見て分かりやすい数値や図式を掲載すると、営業やマーケティング、採用などの活動に活用できたりします。
◉-3、会社の将来像を掲載
会社の過去の実績ばかり書かれていても、経営層だけの内輪ネタのように受け取られることがあります。
将来に向けてどのようなビジョンを持っているのか、経営者はどのような想いを持って進んでいこうとしているのか、社会に対してどのような貢献をしていくのか、などをしっかりと掲載することが、従業員の士気を高めたり、対外的な印象を良くしたりすることにつながります。
たとえば、会社が今後目指している未来予想図をイラストなどに表して、将来像を示すなど、文章だけではなく、視覚的に訴えかけるようなコンテンツがおすすめです。
◉-4、目を惹くデザイン・装丁
記念誌をパッと見たときに、「何これ、面白い!」と思われるようなデザインや装丁にすると手に取ってもらいやすくなります。
近年は「文章を読む」よりは「見て理解できる」ようにすることがコツと言えるでしょう。
デザインや装丁をビジュアルなものにするだけで話題になりやすくなります。
しかしながら、あまりにも会社のイメージとほど遠いものになると逆効果になる可能性もあるので、デザインや装丁が会社を象徴するようなものになるように工夫しましょう。
◉作るだけではダメ!記念誌の積極的活用方法
記念誌を出版した当初は記念事業などの一環として読まれますが、だんだん読まれなくなり活用されなくなり、本棚の奥底に眠ってしまいがちになってしまいます。
せっかく手間や費用をかけて作る出版物であり、会社のことを理解できる貴重なコンテンツなのですから、積極的に活用しなければ損ということになります。
具体的な積極的活用方法としては次のようなことがあり、これらを見据えたコンテンツを制作することが重要です。
・営業ツールとしての活用 ・マーケティングツールとしての活用 ・記念誌でまとめた情報をWebやSNSで二次活用 ・情報発信ツールとしての活用 |
それぞれについて、くわしく見ていきましょう。
◉-1、営業ツールとしての活用
記念誌は営業ツールとして活用できます。
なぜなら、記念誌では創業以降に開発・販売した商品やサービスなどが整理され、分かりやすく紹介されているからです。
また、自社のモノづくりに対する理念を、自社が属するエリアの文化や伝統などと一緒に紹介して、どのように世の中の役に立ってきたのかなどを記載すれば、優れた営業ツールとすることができます。
たとえば、飛騨地方のある家具メーカーでは、そのエリアのモノづくりの理念とその背景にあるエリアの文化や風土を紹介する記念誌を作成。
その記念誌が話題となってTV番組で紹介され、自社商品の売り上げが急増したという事例があります。
◉-2、マーケティングツールとしての活用
記念誌はマーケティングツールとして活用することも可能です。
ある総合商社では、記念誌を漫画化して出版して話題となりました。
創業期のエピソードなどを漫画化して出版するほか、創業地の図書館に寄贈したり、一連の活動がマスコミに取り上げられて、知名度や好感度のアップにつながっています。
◉-3、記念誌でまとめた情報をWebやSNSで二次活用
記念誌に掲載された情報をWebサイトに記事として投稿したり、SNSなどで投稿したりして二次活用することが可能です。
オリジナル性の高いコンテンツを投稿できるため、WebサイトにとってはSEO対策にもなり、SNSなどはフォロワーの獲得にもつながります。
◉-4、情報発信ツールとしての活用
記念誌には、過去の実績から将来展望まで書かれているので、読めば会社のことをしっかりと理解することができます。
つまり、記念誌は会社の認知度向上を図るための情報発信ツールとしても最適だということです。
たとえば、書店に流通させたり、見込み顧客に送付したりすることで会社のさらなる認知度向上につながります。
▶会社の認知度向上については、関連記事【経営者必読!認知度向上の方法と効果的なマーケティングの選択肢】をあわせて参考にしてください。
◉【まとめ】社内の継続的な利益につながる記念誌を作り、活用しよう!
本記事では、記念誌を作る目的や読んでもらうためのコツ、出版後の活用アイデアなどについてくわしく解説しました。
記念誌を作るのであれば、ただ記念事業の一環としてだけではなく、ブランディングやマーケティング、営業、採用などの会社活動に有益な影響を与えるような活用を見据えて作ることをおすすめします。
フォーウェイでは、コンテンツを作るだけではなく、マーケティングなどを掛け合わせて活用していくコンテンツマーケティングを追求しています。
会社のさまざまな部署で活用できる記念誌の制作をお考えてあれば、お気軽にご相談ください。
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