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2024.08.08

Branding, Marketing

営業効率や成約率を高めるために活用すべきツールは主に4種類

「成約率をいかに高めていくか」は企業として利益をあげていく上で重要な課題の1つです。

「成約率を高める」というのは、「いかに少ないリソースで、多くの営業成果を獲得するか、を追求する」ということなので、単に商談での成約率が向上した、というだけでは課題を解決することはできません。

顧客情報の管理や、見込み顧客へのアプローチや顧客教育など、「営業に必要なあらゆる作業をいかに効率的に行うか」という観点と、「1回の商談での成約率をいかに高められるか」という2つの観点で改良をしていく必要があります。

そんな時に活用したいのが営業ツールです。

この記事では、成約率を高めるために必要不可欠な4種類のツールと、その選び方、活用方法などを詳しく解説します。

目次【本記事の内容】

執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)
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慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。

営業効率や成約率を高めるために活用すべきツールは主に4種類

営業ツールには「どの営業プロセスを効率化したいのか」によって次の4種類のツールが存在します。

それぞれどのようなツールなのかを詳しく見ていきましょう。

顧客関係管理ツール(CRM)

「CRM」は、Customer Relationship Managementの略称で、「顧客関係管理」「顧客情報管理」「顧客関係構築」「顧客管理」などと訳される概念です。

「CRM」で顧客情報を分析することにより、顧客のニーズに応じた適切なアプローチを行い「顧客をリピーターやファンに育成」することができます。

「CRM」で、年齢・性別・住所・職業・年収・取引き商談履歴・クレーム状況などの情報を一元的に管理して分析し、ある条件に適合する顧客を抽出したり、市場の購買動向などを把握したりして営業活動に活かすことができるのが特徴です。

「CRM」を導入することによって、これまで営業担当者の経験や勘に頼っていた営業活動を可視化して共有することができます。

一般的に「顧客関係管理ツール(CRM)」には次のような機能がついています。

・顧客情報管理機能・分析機能

・メール配信機能

・問い合わせ対応機能

・プロモーション支援機能

CRMの選び方

「CRM」を選ぶ際に考慮すべきポイントは次の4つです。

CRMを選ぶポイントポイントの概要
目的に合った機能を有しているか自社の業務内容や導入目的に合った機能を有しているかどうかを確認する必要があります。ツールによっては無料トライアルなどが利用できる場合がありますので、事前に機能や使い勝手を確認することができます。
初期コストやランニングコストが適切か「CRM」を選定する際は、初期コストだけではなくランニングコストが適切かを確認する必要があります。
サポート体制がしっかりしているか何らかのトラブルが発生したときに素早く対応してもらえるかどうかも大きなポイントです。サポート体制がしっかりとしたベンダーを選ぶようにしましょう。一般的に、国内企業の方が素早い対応が期待できるでしょう。
機能の拡張性や連携性があるか営業ツールは「CRM」だけではなく、次項で説明する「SFA」や「MA」などもあります。機能の拡張性や他のツールとの連携性が考慮されたツールを選ぶと、将来の機能拡張や他のシステムとの連携が楽に行えます。

また、代表的な「CRM」の特徴は次表の通りです。

名称特徴
Knowledge Suite(ナレッジスイート)名刺を使った顧客情報管理ができることが特徴。営業支援、顧客管理、グループウェア、働き方改革、テレワーク支援、コミュニケーションなどの機能を提供しています。
Microsoft Dynamics 365(マイクロソフト)業務量が膨大で多種多様な業務内容がある大企業向け。多機能で高い拡張性を持っており、マイクロソフトが提供しているという信頼性が特徴です。提供機能は、カスタマーサービス、フィールドサービス、リモートアシスト、マーケティングサポートなど。
e セールスマネージャー(ソフトブレーン)簡単入力が特徴で中小企業におすすめ。一度データや情報を入力すれば、多くの業務を自動化できます。提供機能は、ダッシュボード、タイムライン、スケジュール、顧客情報、人脈情報、商談リスト、予算情報、実績情報、グループウェアなど。

営業支援ツール(SFA)

「SFA(Sales Force Automation)」は、営業活動を効率化して支援するシステムやツールのことを言います。

「SFA」は、各営業担当者の営業日報や商談スケジュールを集中管理することができ、営業活動を可視化して共有化することができるのが特徴です。

営業担当者は外出先から携帯端末やスマートフォンなどを使って営業日報を作成したり、顧客情報を確認したりすることができ、上司は各営業担当者の営業活動の進捗状況を把握することができます。

「SFA」は営業活動における属人化を解消して、営業活動や営業報告業務を効率的に行うために有効なツールと言えるでしょう。

一般的に「営業支援ツール(SFA)」には次のような機能がついています。

・TODO管理機能

・スケジュール管理機能

・日報作成・管理機能

・案件管理機能

・商談管理機能

■SFAの選び方

「SFA」を選ぶ際に考慮すべき重要なポイントは、「CRM」と同様に次の4つです。

・目的に合った機能を有しているか

・初期コストやランニングコストが適切か

・サポート体制がしっかりしているか

・機能の拡張性や連携性があるか

代表的な「SFA」の特徴は次表の通りです。

名称特徴
Sales Force Assistant(NIコンサルティング)低コストながら営業戦略や営業行動などを可視化する機能が揃っていることが特徴。無料トライアルが可能です。
Oracle Sales Cloud(米Oracle)一般的な機能のほか顧客のスコアリング機能や人員配置などの機能が充実。顧客の属性や購買動機などのさまざまなデータを取得できるBtoCなどの業態の企業向け。
JUST.SFA(ジャストシステム)ノーコードで自社向けのSFAにカスタマイズできることが特徴。パッケージ型で対応できない特異な営業スタイルの企業向けで、自社でカスタマイズができれば自由自在に運用することが可能となります。

マーケティング・オートメーション(MA)

「MA(Marketing Automation)」は、マーケティング活動を自動化・効率化するための方法論やその技術のことです。

具体的にはリードナーチャリングという営業プロセスに使われます。

顧客の育成状況に合わせたOne to Oneコミュニケーション活動を自動化するツールです。

「MA」を導入すると、見込み顧客一人ひとりの興味や関心に合わせたコミュニケーションが可能となり、見込み顧客との良好な関係を築くことが可能になります。

一般的に「マーケティング・オートメーション(MA)」には、次のような機能がついています。

・見込み顧客の管理機能

・スコアリング機能

・キャンペーン管理機能

・メール配信機能

・申し込みフォームの作成機能

■MAの選び方

「MA」を選ぶ際に考慮すべき重要なポイントは、「CRM」と同様に次の4つです。

・目的に合った機能を有しているか

・初期コストやランニングコストが適切か

・サポート体制がしっかりしているか

・機能の拡張性や連携性があるか

代表的な「MA」の特徴は次表の通りです。

名称特徴
Marketo Engage(アドビ)世界39か国の5000社以上に導入されているマーケティングプラットフォーム。Webサイトトラッキング、スマートキャンペーン、イベントプログラム、ナーチャリングプログラムなどの機能が利用できます。
SATORI(SATORI)Webサイトの集客に注力したツールで、匿名顧客に対応できることが特徴。主に中小企業や小規模事業などの1500社以上に導入されています。提供機能は、実名・匿名顧客の一元管理、問い合わせフォーム作成、リターゲティング広告配信、定期的なメルマガ配信、ステップメール自動配信などです。
HubSpot(HubSpot Japan)インバウンドマーケティングに強いことが特徴。複数のツールを組み合わせて効果を高めることができるマーケティングプラットフォームです。ホームページ作成、ブログ作成、メール配信、各種フォーム作成などの機能が提供されます。

営業促進ツール

営業促進ツールとは、顧客とのコミュニケーション、特に対面での面談や商談などの際に効果を発揮し、商談時の成約率を高める効果があります。

具体的には、名刺やチラシ、営業資料、会社案内・パンフレット、書籍などです。

■営業促進ツールの選び方

営業促進ツールは、顧客ごとに相手に合わせてセレクトすることが大切です。

たとえば、初回の商談の際には「いかに印象付けることができるか」や「信頼感を持ってもらえるか」が重要となります。

自社で作成した会社案内パンフレットや、出版した書籍などを持参すると、相手が会社に戻った後にじっくりと目を通して、自社に対する理解を深めてくれる効果が期待できます。

▶営業成約率を上げる方法については、関連記事【高単価商品やサービスの営業成約率を上げる方法】もあわせて参考にしてください。

商談で使う営業促進ツールは成約率を高める上で特に重要!

「CRM」や「SFA」「MA」などの営業ツールを導入して、顧客管理や顧客へのアプローチがうまくいったとしても、肝心の商談で成約できなければ意味がありません。

「CRM」や「SFA」「MA」は、営業活動における属人化を解消したり効率化したりする営業支援ツールに過ぎませんので、実際に商談になったときには成約率を高めるための営業促進ツールが重要となるのです。

代表的な営業促進ツールとしては、名刺、チラシ、営業資料、会社案内・パンフレット、書籍があります。

それぞれどのようなツールで、どのように活用できるのか、をくわしく見ていきましょう。

名刺

名刺はビジネスシーンにおいて重要な役割を持つ営業ツールです。

初対面のビジネス上の相手と、それぞれの所属や氏名などの基本情報を紹介し合うという意味合いがあり、あいさつや自己紹介の際に一般的に交換されています。

一方で、名刺には相手との会話のきっかけとして活用できる重要な役割もあります。

たとえば、名刺の裏面に出身地や趣味、特技などを記載しておいて、それをきっかけとして話がはずみ商談前のアイスブレークとすることもできます。

その他にも、自分の顔写真や似顔絵を入れたり、取扱商品を記載したり、会社のWebサイトのQRコードを入れたりなど、工夫次第でいろいろな活用が可能です。

チラシ

チラシは顧客に商品のおすすめポイントなどを簡単に説明して理解してもらうために最適な営業ツールです。

チラシはポスティングしたり、商談時に直接手渡しをするなどして配布します。

チラシを配布する主な目的は、「顧客に来店を促して商品やサービスを購入してもらうこと」「会社や商品の認知度を上げること」「キャンペーンなどのお得情報を告知すること」です。

また、チラシを作成する際に注意すべきポイントとしては、「5W1Hを明記する」「ターゲットに合わせて作成する」「会社や営業担当者の自己紹介を入れる」「画像などを入れてビジュアルにする」などが挙げられます。

営業資料

営業資料も営業活動に欠かせないツールの一つで、商談や面談の際に自社製品やサービスを効果的にアピールすることができます。

営業資料を作成する際は、顧客担当者に説明するためだけではなく、顧客担当者が決裁者に説明する際にも使用されることを考慮して、誰が見ても分かりやすい内容にすることが大切です。

また、プロジェクターでの説明資料は大きな文字で見やすく作成した方が良いですが、配布資料の場合は後日じっくりと読み返してもらうことも想定して、十分な情報量を盛り込んだ資料とした方が良いでしょう。

会社案内・パンフレット

会社案内やパンフレットも強力な営業ツールです。

会社案内やパンフレットには、自社の基本情報や事業内容・業績などのほか、取り扱っている商品やサービスが記載されています。

営業成約率を高めるポイントは、単に情報を羅列するだけではなく、商品やサービスの特徴、メリット、ベネフィットを分かりやすく説明し、自社の優位性が顧客に伝わるものにすることです。

これによって、顧客の興味を喚起し購買意欲を高めて成約につなげることができます。

会社案内やパンフレットがあれば、経験豊富な営業担当者はもちろんのこと経験が浅い営業担当者でも一定レベル以上のプレゼンテーションを行うことが可能となります。

書籍

書籍を営業販促活動に活用するという方法もあります。

具体的には、顧客との面談や商談の際に、自社の事業や商品・サービスなどについてまとめた自社出版の書籍を手渡して購買意欲の向上を図る、というものです。

チラシや営業資料などに比べて、書籍には圧倒的に多くの情報量を盛り込めるので、商品やサービスの紹介だけではなく、企業の成り立ちや企業理念、保有技術などを顧客に伝えることができます。

また、書籍は社会的信頼性が高いことも特徴です。

自社で出版した書籍を販売促進ツールとして利用することによって、顧客からの信頼を得て成約につながる可能性が高まります。

実際に書籍を販売促進ツールとして活用して成約率の向上に成功した事例について見ていきましょう。

▶書籍を販売促進ツールとして活用する方法については、関連記事【ブックマーケティングとは?メリットや効果的な戦略の作り方】もあわせて参考にしてください。

■保険代理店での書籍活用事例

ある保険代理店の経営者は従来から、一部のスーパー営業マンに頼った経営ではなく、アベレージヒッターを育てて全員で支えていく経営によって業績が拡大できるという考えを持っていました。

この考えを世に問うために書籍を出版したところ、これをきっかけとして保険契約数が飛躍的に伸び、書籍を読んだという決裁者から問い合わせがあり、新規契約を獲得することにも成功しました。

書籍を手にとって読んでもらったおかげで、すでに相手側が自分自身のことや自社のことをあらかた理解した状態で商談を始めることができ、成約率も向上。

当社の見られ方が確実に変わりましたね。同業者の集まりに出ても「あのイナバプランニングカンパニーさん」という反応で最初から一目置かれている。保険の商談に従業員と同行するときも、お客様に事前に本を読んでおいてもらうと、ご面談するときにちゃんと「あったまっている」んですよね(笑)
引用元:【事例コラム】大口案件の集客、人材採用、大手企業からの講演依頼!出版ですごいことになった保険代理店

書籍という信頼性のある媒体を使ったために、多くの業界関係者からの理解と共感が得られて、業績拡大につながった事例です。

■不動産会社での書籍活用事例

ある不動産会社の経営者は、高収入で高額納税者である医師に不動産投資サービスを勧誘するために、従来からSNSやウェブ広告などを使った情報発信を行っていました。

しかし、思うように見込み顧客が獲得できないため、「高収入な医師に最適な節税対策は不動産投資である」という内容の書籍を出版。

その結果、その書籍を読んだ決裁者からの問い合わせが増えて、見込み顧客との信頼関係の構築や節税対策としての不動産投資の有効性を理解してもらうことができました。

元々、商品が高単価だったために、顧客にその必要性や重要性を理解してもらうために多くの時間を費やす必要があったそうです。

しかし、書籍があることで、顧客教育や信頼関係構築がある程度できた段階で商談を始めることができ、成約率が向上したのはもちろん、口コミによって評判が広がって新規の顧客を獲得することができました。

■建設業専門コンサルティング会社での書籍活用事例

建設業専門のコンサルティング会社の経営者は、自社の事業が世間に認知されていないことから、これを改善するために書籍を出版しました。

書籍のタイトルに「建設業のための」という文言を入れて、ターゲットに届くような工夫をしたところ、書籍を読んだ建設業の決裁者から問い合わせがあり、10件近くの新規顧問契約を獲得。

書籍の出版によって、建設業専門のコンサルティング会社としての地位が確立し、業界内での認知度も向上しました。

このように、事業の認知度がそこまで高くない業種でも、書籍を事前に読んでもらうことができれば、ある程度理解した上で問い合わせや商談が行えるようになり、成約率向上につながります。

【まとめ】4つのツールをフル活用して成約率の向上を実現しよう!

本記事では、成約率を高めるために必要な4種類の営業ツールについて解説しました。

どのツールも、営業成約率を高めるためには有効なツールです。

CRMとSFAで営業プロセスの効率化や営業精度の向上を、MAツールで最適なタイミングでオファーを、そして営業促進ツールで成約しやすい商談の実現を、といった具合に組み合わせて有効活用していきましょう。

4つ一気に活用することが難しければ、営業促進ツールからの活用がおすすめです。

特に、近年改めて注目を集めている「書籍」「会社案内・パンフレット」を営業促進ツールとして活用する方法は、顧客との信頼関係構築や顧客教育が必要になる高単価商品やBtoB商品などの成約率向上に特に有効です。

これらの商品を取り扱っているのであれば、ぜひ営業促進ツールとして書籍や会社案内・パンフレットを取り入れることを検討してみてはいかがでしょうか。

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