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2024.10.16

高単価、BtoB営業におけるリードタイム短縮に効果的な方法

営業活動において成果を上げるために重要なのがリードタイムの長さです。

営業におけるリードタイムとは、営業活動を開始してから購入・成約するまでの期間を指します。

数百円〜数万円など単価が低めのBtoC商品・サービスは、購入・成約までのリードタイムが短い傾向がありますが、数十万円以上の高単価商品・サービスや法人向けのBtoB商品・サービスの場合はリードタイムが長くなる傾向があります。

こういった高単価、BtoB商品・サービスのリードタイムは数日〜数ヶ月かかることもあるため、単価が低めのBtoC商品・サービスに比べて「リードタイムの短縮」が営業で成果を上げるうえで特に重要になってきます。

今回は、そんな高単価・BtoB営業におけるリードタイムの短縮方法について詳しく解説いたします。

目次【本記事の内容】

執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)

慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。

◉高単価・BtoB営業のリードタイムが長くなる主な理由

もちろん、営業マン個人のスキルの問題もありますが、低単価商品やBtoC営業に比べて高単価商品・サービスやBtoB営業のリードタイムが長くなってしまいやすいのには理由があります。

◉-1、高単価商品・サービスの営業の場合

高単価商品・サービスの場合は出費が大きくなるため、顧客としては失敗したときのリスクが大きくなることを懸念して購入に慎重になる傾向があります。

たとえば、ご自身がマイホームの購入を営業マンにすすめられて検討しているシーンを想像してみてください。

数千万円の買い物になるわけですから、よほどのお金持ちではない限り、ご自身の今後の収入と支出を予想して検討してみたり、他の物件との比較をしてみたりするのではないでしょうか。

このように、高単価商品・サービスの場合は、消費者側のリスクが大きいことから、購入の決断をするまでにはそれなりの期間が必要になり、リードタイムが長くなってしまう傾向があります。

◉-2、BtoB営業の場合

BtoB営業の場合は、顧客企業の社内で発注先を選定するために比較検討を行ったり、最適な発注先であることの理由付けの資料を作成したり、稟議を行ったりすることに時間がかかります。

そのため、必然的に個人の顧客よりも営業リードタイムが長くなってしまうのです。

大きな会社になればなるほど、相見積もりや比較検討の期間が長くなったり、社内稟議を通すなどの社内手続きに時間がかかったりする場合もあり、見積もりまでに1〜2ヶ月かかることも少なくありません。

たとえば、極端な例をあげると銀行など金融機関の場合には見積もりに至る前に、新規取引先として問題ないかのチェックや承認などに半年以上かかることもあるのです。

このように、BtoB営業の場合は、手続きやプロセスなどの関係でリードタイムが長くなってしまう傾向があります。

◉高単価・BtoBはいかに営業のリードタイムを短縮するかが重要

営業リードタイムが長くなると、その分だけ営業マンが気にかけたり、フォローをしたりする手間が増えます。

つまり、リードタイムが長ければ長いほど営業コストがかかり続けてしまうということです。

また、同時にリードタイムが長くなるにつれて、顧客の成約率も徐々に下がっていってしまいます。

商品・サービスの販売価格は変わりませんから、リードタイムが長くなり、コストと成約率が下がってしまうと、単純に利益が下がってしまうことになります。

そのため、高単価・BtoB営業の場合、いかに営業のリードタイムを短縮するかが利益向上に直結する訳なのです。

◉高単価・BtoB営業におけるリードタイム短縮に効果的な方法

高単価・BtoB営業において営業リードタイムを短縮するためには、主に次の3つの方法があります。

・顧客接点の増加
・営業の業務効率化
・問い合わせの質の向上

それぞれ、どのような方法なのか見ていきましょう。

◉-1、顧客接点の増加

顧客との接点が増えれば増えるほど、顧客は営業マンに好感を持つようになり、信頼関係が生まれやすくなります。

たとえば、最初はただの迷惑だと思っていた営業マンの話も、何度も何度も熱心に訪ねて来られる内に、「1度だけなら話だけでも聞いてあげようかな」という気になると思います。

また、何度も営業する中で「ちょうどそういう相談をできる業者を探していた」という顧客側のタイミングに合致し、「じゃあ…」ということもあるかもしれません。

具体的には次のような施策を行って、顧客から嫌がられない程度に定期的に接点を持つようにしていくことが大切です。

◉-1-1、リードナーチャリング施策の強化

リードナーチャリングとは、見込み顧客(リード)の購買意欲を高めて、商談や成約につなげるためのマーケティング活動のことです。

リードナーチャリングの具体的な施策としては、主に次のような方法があります。

・メールの配信
・セミナーの開催
・パンフレット、リーフレットなど資料送付
・SNSの活用
・コンテンツ制作(Web、書籍など)

すべて「顧客が興味を抱くようなテーマで」というのがポイントです。

また、商品やサービスを直接売り込むのではなく、その必要性を理解してもらうような内容にしましょう。

セミナーであれば、講師という立場で顧客と接することになりますので信頼が得られやすくなるというメリットもあります。

また、商品やサービスの導入メリットなどについてまとめたパンフレットを顧客に送付することによって「顧客教育」をして購買意欲を高めてもらう方法なども有効です。

この場合、顧客に「自分のためのパンフレット」だと思ってもらうことが大切で、商品やサービスの「売り込み色」を出さないようにすることがポイントとなります。

◉-1-2、小さな悩みの解決

高単価な商品やサービスの場合、リスクが大きいため、顧客は「できるだけ信頼できる企業や営業マンから購入したい」と考えています。

そのため、最初は「購入してもらう」のではなく「この人なら信用できる」と思ってもらえるような関係値を作ることが大切です。

まずは、ちょっとした相談ごとや悩みごとの相談に乗ったり解決してあげたりすることによって、顧客接点を増やし、信頼感を持ってもらえるように努めましょう。

◉-2、問い合わせの質の向上

顧客からの問い合わせの質が高いということは、それだけ顧客が商品やサービスのことを理解してくれているということなので、購入見込み度合いが高く、リードタイムも短くなる可能性が高くなります。

このような質の高い問い合わせを増やすためにも、見込み顧客を教育する仕組みを作ったり、販促ツールを活用したりしながら、見込み度合いの高い顧客を増やしていくことが重要です。

◉-2-1、インサイドセールスの導入

インサイドセールスとは、営業マンが客先を直接訪問するフィールドセールスと違って、メールや電話などを使って顧客とコミュニケーションをする内勤の営業活動のことです。

インサイドセールスの仕組みを導入すると、より多くの見込み顧客にアプローチできるようになります。

また、メールなどによって定期的に顧客接点を持ったり、顧客をしっかりと教育することができるため、最終的な営業マンとの商談に向けての成約見込み度合いを高めることができます。

◉-2-2、書籍(ブックマーケティング)の活用

書籍は社会的信用性が高い、という特徴があります。

書籍を出版することによって読者に「この人は本を出すほど社会的信用性、専門性、権威性が高い人だ」というイメージを持ってもらうことができるのです。

出版するだけではなく、書籍を見込み顧客の手元にしっかりと届けることができれば、顧客の認知度やブランディング、商品知識を高めることにつながり、問い合わせの質を高めることができます。

たとえば、実際に保険代理店が書籍を出版して、次のように商談の確度を上げることができたという事例があります。

同業者の集まりに出ても「あのイナバプランニングカンパニーさん」という反応で最初から一目置かれている。保険の商談に従業員と同行するときも、お客様に事前に本を読んでおいてもらうと、ご面談するときにちゃんと「あったまっている」んですよね(笑)
引用元:【事例コラム】大口案件の集客、人材採用、大手企業からの講演依頼!出版ですごいことになった保険代理店

ただ書籍を出版しただけではなく、マーケティング戦略の一環として書籍を活用することで上記のような成果を出すことにつながっています。

このように、マーケティング戦略の一環として書籍を活用することをブックマーケティングもしくは企業出版と呼びます。

▶︎ブックマーケティングついては、関連記事【ブックマーケティングとは?メリットや効果的な戦略の作り方】もあわせて参考にしてください。

◉-2-3、パンフレット・リーフレット・小冊子の活用

商品やサービスの説明や導入メリット・事例などを記載したパンフレット・リーフレット・小冊子を制作して見込み顧客に配布して、顧客教育や認知度拡大を行い問い合わせの質を上げることができます。

パンフレット・リーフレット・小冊子は、書籍よりも安価で手軽に作ることができるので、顧客の見込み度合いのレベルや目的に応じて複数の種類を作って使い分けることも可能なのがメリットと言えるでしょう。

◉-3、営業の業務効率化

リードタイムの短縮には直結しませんが、営業の業務効率化をすることによって、顧客へのアプローチのスピードや質が向上します。

結果として間接的にリードタイムの短縮につながるのです。

◉-3-1、MA、SFA、CRMなどツールの導入

見込み顧客の中には、見込み度合いの高い層から低い層までいろいろなレベルの顧客がいます。

また、顧客それぞれで悩んでいることや探している解決策も異なるはずです。

従来は、それぞれの営業マンがこれらの顧客情報を管理して見込み度合いを上げるようなアプローチをしてきましたが、現在ではSFAツールやCRMツールなどを導入することによって、顧客情報の一括管理、共有化ができるようになっています。

SFAツールやCRMツールなどを導入すると、顧客情報がリアルタイムで更新され、すべての関連部署で同じ情報を共有することができます。

そうすることで、顧客の見込み度合いや悩みなどを見誤ることなく、適切なアプローチを適切なタイミングで行うことができるようになるのです。

また、MAツールを導入すると、見込み度合いの低い顧客を自動的に見込み度合いの高い顧客に引き上げることができ、営業マンは見込み度合いの高い顧客に対して集中的に商談を行うことができます。

特に高単価やBtoB営業の場合は、「鉄は熱いうちに打て」が重要。

いかに顧客のニーズに沿った提案を、最適なタイミングで行うのかが成約に直結するので、ツールを活用してこれらのタイミングを見誤らないようにすることが大切です。

こういったツールをうまく活用することで営業業務が効率化されて、リードタイムの短縮につながるので、未導入の場合はぜひ検討してみると良いでしょう。

◉-3-2、営業スキルの共有・標準化

営業部署にはエース級の営業マンがいて、その営業マンの実績によって売上目標が達成できているというような状況が良くあります。

しかし、もしその営業マンが転職したり、退職したりすると、その営業部署の売上は一気に落ちてしまうことになります。

このような一部のエース級の人材に頼った営業活動から脱却して、エース級でなくてもしっかりと一定の成果があげられるように営業スキルを共有し標準化する必要があります。

きちんと営業マニュアルやトークスクリプトなどを作成して、営業スキルを共有し標準化しておくことも、間接的に営業リードタイムの短縮につながっていくのです。

◉-3-3、セールスイネーブルメントの仕組みを導入

セールスイネーブルメント(Sales Enablement)とは、営業の組織強化や組織改善をするための取り組みのことです。

一般的には、営業担当者の教育や営業ツールの導入、営業プロセスの見直し改善などの施策を行い、営業力を強化して、営業部署に所属する者が全員成果を上げることができるようになることを目指します。

結果として、営業業務が効率化されて営業リードタイムの短縮につながります。

◉高単価・BtoB営業のリードタイム短縮には書籍(ブックマーケティング)が有効!

高単価・BtoB営業のリードタイムの長さは企業にとっては死活問題です。

リードタイムをいかにして短縮するかを考えたときに、有効な方法の1つが書籍の出版です。

書籍には社会的信用度が高い情報媒体だという大きな特徴があり、Web広告ではなかなかアプローチできない富裕層や企業の経営層・幹部社員などにアプローチすることができるというメリットがあります。

特に富裕層や企業の経営層・幹部社員などは勉強熱心な人が多いため、「Webの広告や記事、SNSは見ないが、本は読む」という方も少なくありません。

また、書籍はWeb広告などとは違って「手元に残る媒体」「読まれる媒体」なので、出版して終わりということにはなりません。

ブックマーケティングでは、出版するだけではなく、マーケティング施策を組み合わせ、設定したターゲットの手元にしっかり届くような施策を見据えて本の企画段階から戦略を練っていくため、認知度の向上だけではなく、事前の「顧客教育」にも有効です。

ブックマーケティングによって、顧客からの問い合わせの質を向上させ、成約までの営業リードタイムを短縮することが可能になります。

実際にブックマーケティングを活用して、BtoB・高単価商品・サービスの問い合わせの質を向上した事例をいくつかご紹介します。

◉-1、営業リードタイム短縮事例1:保険代理店の法人営業

法人保険を取り扱っているある保険代理店の経営者は、保険業界に定着している「成果報酬型」の給与体系を「一律報酬型」に変えることによって、一部のスーパー営業マンに頼った経営から全社員総当たりの経営に変わって業績が向上するということを、保険業界の実態とともに書籍にまとめて出版しました。

その書籍がターゲットである法人顧客に届くような施策を実施したところ、事前に書籍を読んで理解してもらえているため順調に商談が進んで、営業リードタイムが短くなるというケースが増えたということです。

当社で扱うような法人保険の営業は、商談が経営者同士の良い議論になるのか、出入り業者のような見られ方をするのかで結果がまったく違うんです。本来、人材戦略や財務状況など経営の中身を腹を割って話してもらって、相手の経営に踏み込んだ提案をしないと大型の保険契約は決まりませんから。本を出して、そういう理想的な商談をすごく増やせました。
引用元:【事例コラム】大口案件の集客、人材採用、大手企業からの講演依頼!出版ですごいことになった保険代理店

また、書籍の出版によって自社に対する信頼が高まり、経営にまで踏み込んだ相談を受けることが増えたり、大口契約が成約できたりすることが増えました。

◉-2、営業リードタイム短縮事例2:不動産投資会社の営業

不動産投資サービスを行っている不動産会社の経営者は、高収入な医師をターゲットとして「医師の節税対策には不動産投資が一番効果的だ」という内容の書籍を出版しました。

ターゲットである医師に確実に届けるために、企画段階から出版社の販路やプロモーションなどについても入念に計画を立てていたため、出版後に書籍を読んだ医師からの問い合わせや商談が急増。

従来は「不動産投資とは何か」や「不動産投資が節税対策になる」ことから説明しなければなりませんでしたが、問い合わせの時点で顧客は書籍を読んで内容を理解してくれており、また著者である不動産投資会社もある程度信用もしてくれているため、営業リードタイムが圧倒的に短くなったということです。

高単価の不動産にもかかわらず、営業リードタイムの短縮と成約率の向上を実現することができています。

◉-3、営業リードタイム短縮事例3:建設業専門コンサルタントの営業

建設業を専門にコンサルティングを行っている経営者は、知名度の向上を狙って書籍を出版。

書籍のタイトルに「建設業のための」という文言を入れてターゲットを明確にしたため、出版翌日から多くの問い合わせがあり、9件の顧問契約を成約することができました。

問い合わせの時点ですでに顧客は書籍を読んでくれているため、それほど詳しい説明をする必要もなく成約につながり、営業リードタイムの短縮を実現することができました。

また、建設業のコンサルティング会社としてのブランディングも確立できて、同業者からの知名度の向上したとのこと。

◉【まとめ】営業リードタイムの改善にブックマーケティングを検討中の方はフォーウェイまで!

本記事では、高単価商品・サービスやBtoB営業のリードタイムが長くなる理由やリードタイム短縮に効果的な方法などについて解説しました。

高単価・BtoB商品・サービスの企業にとって、「営業リードタイムをいかに短縮するか」は利益に直結する命題中の命題です。

ぜひ今回の記事を参考に、営業リードタイムの短縮のために、できることを実行してみてください。

数ある施策の中でも書籍を活用したブックマーケティングは、社会的信頼性が高い媒体ですので知名度の向上やブランディングに有効である上に、商品やサービスの特徴や必要性、導入メリットなどを記載できます。

商談の前に読んでもらうことによって「顧客教育」ができて、営業リードタイムが短縮できるという効果も得られやすくなります。

高単価・BtoB営業におけるリードタイム短縮を図りたいとお考えの方は、ぜひフォーウェイまでご相談ください。