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2024.10.04
Branding, Marketing
BtoBビジネスで書籍出版が有効な理由は?おすすめの出版方法や書籍を自社サービスへつなげるポイントなどを解説
BtoB分野では現在も紙の書籍が堅調に読まれ続けており、電子書籍より信頼感を醸成しやすい傾向にあります。
とくにBtoBビジネスは、商材の単価が高い傾向にあるため、購入前に時間をかけて検討する見込み顧客も多いです。そうした検討中の見込み顧客の手元に、自社の知見や情報が掲載されている「紙の書籍」があれば、成約の可能性も高まるでしょう。
また、単なる出版ではなく「ブランディング出版」を行うことで、自社が目指す目的(商材の購入や問い合わせの増加など)を達成しやすくなります。
今回は、BtoBビジネスで書籍出版が有効な具体的な理由やおすすめの出版方法、書籍を自社サービスへつなげるポイントなどを解説します。
目次【本記事の内容】
- 1.BtoBビジネスで売上を伸ばすには「紙の書籍出版」が有効!その理由は?
- 1-1.BtoB分野では紙の書籍が堅調に読まれ続けている
- 1-2.電子書籍より信頼感を醸成しやすい
- 1-3.見込み顧客が比較・検討を行う際の判断材料となる
- 1-4.課題解決の意識が強い読者が購入するため自社サービスへCVしやすい
- 1-5.二次活用しやすい
- 2.BtoBビジネスでは「ブランディング出版」が効果的
- 3.BtoBビジネスでブランディング出版を行う際の注意点
- 3-1.出版しただけで自社サービスのCVにつながるわけではない
- 3-2.成果を出すには「時間・費用」両方へのリソース投下が必要となる
- 3-3.印税収入は副次的なものと考える
- 4.書籍を自社サービスへつなげるために!BtoB企業がブランディング出版を成功させるポイント
- 4-1.出版の目的を明確に設定する
- 4-2.出版以外のマーケティング戦略と絡める
- 4-3.「出版するだけ」に留まらないサポートを提供している出版社を選ぶ
- 5.まとめ
執筆者:江崎雄二(株式会社フォーウェイ取締役マーケティング統括) 福岡県出身。東福岡高校、山口大学経済学部経済法学科卒業。大学卒業後、月刊誌の編集者兼ライターに携わる。その後時事通信社での勤務を経て、幻冬舎グループに入社。書店営業部門の立ち上げメンバーとして活躍後、書籍の販売促進提案のプロモーション部を経て、法人営業部へ。東京と大阪にて書籍出版の提案営業を担当し、2020年11月、株式会社フォーウェイに参画。2023年9月取締役就任。グループの出版社、株式会社パノラボの流通管理も担う。 |
◉BtoBビジネスで売上を伸ばすには「紙の書籍出版」が有効!その理由は?
BtoBビジネスで売上を伸ばすには、「紙の書籍を出版する」という手法が有効です。具体的な理由は以下の5つです。
- BtoB分野では紙の書籍が堅実に読まれ続けている
- 電子書籍より信頼感を醸成しやすい
- 見込み顧客が比較・検討を行う際の判断材料となる
- 課題解決の意識が強い読者が購入するため自社サービスへCVしやすい
- 二次活用しやすい
◉-1、BtoB分野では紙の書籍が堅調に読まれ続けている
現在は出版不況ということもあり、以下のように紙の書籍の販売金額は低下しています。
出典 | 出版指標 年報 2023年版
そのため、紙の書籍出版によるPR効果を、イマイチ期待できない方も多いでしょう。
しかし販売金額の内訳を見ると、売上が減少している主な要因は雑誌の販売減少です。ビジネス書や実用書は大きな変動もなく、堅調に読まれ続けています。
このように、ビジネス書は安定して読まれているうえ、紙の書籍の販売シェアが約40%を占めているという背景もあり、BtoB向け製品やサービスを展開する企業では、PR手段のひとつとして「紙の書籍出版」が効果的といえるのです。
◉-2、電子書籍より信頼感を醸成しやすい
紙の書籍は電子書籍と異なり、一度販売すると簡単にコンテンツを変更できません。そのため、より細かく「情報は正しいか?」「メッセージをわかりやすくまとめているか?」などをチェックする必要があり、出版までのハードルは上がります。
また、紙の書籍は出版費用が高くなります。(出版方法や出版社のサービス内容などによっても変わりますが)「丁寧にプロモーション戦略を設計できる」「書籍の認知度を高めて販促を実行してくれる」といった出版社で出版する場合は、500万〜1,000万円が必要です。そのため、資金的にもすべての企業が手を出せるわけではありません。
その分、一度出版することで「書籍を出版できるほど信頼性が高い企業である」と対外的にアピールしやすくなり、自社への信頼を醸成しやすいでしょう。
また、紙の書籍であれば、Web広告やSEO記事などより圧倒的に多くの情報を込められます。具体的には、1冊につき平均して「約200ページ・7万〜10万文字程度」で情報を入れることが可能です。平均値でもかなり豊富な情報を伝えられるとわかるでしょう。
このように「企業の情報を惜しみなく世間に発信している」という点でも、信頼を獲得できるでしょう。
◉-3、見込み顧客が比較・検討を行う際の判断材料となる
BtoB製品やサービスは、単価が高くなりやすい傾向にあります。そのため見込み顧客も、「本当に信頼できる企業なのか?」という点を慎重に検討してから、購入を決めることが一般的です。
もし見込み顧客の手元に紙の書籍があれば、充実したコンテンツをもとに自社の知見を十二分に実感してもらえます。書籍を通じ自社への信頼を勝ち取れれば、購買につながる可能性は高くなるでしょう。実際に、書籍を見込み顧客へ配布し「比較検討のコンペで自社を選んでもらう最終決定の後押しになった」という事例もあります。
◉-4、課題解決の意識が強い読者が購入するため自社サービスへCVしやすい
紙の書籍は値段が1,000円以上になることがあります。ボリュームによっては3,000円以上かかるため、決して安い買い物ではありません。
こうした数千円かかる紙の書籍を購入する顧客は、「課題解決への本気度が高い」と考えられます。そのため、書籍のコンテンツに納得してもらい「この本を書いた企業なら課題を解決してくれそう」という信頼を獲得できれば、自社サービスの購入へつなげやすいでしょう。
また、書籍経由で問い合わせた顧客は、すでに自社の考え方やサービス内容をある程度理解しているはずです。そのため、BtoBビジネスにありがちな「契約の検討に時間がかかる」といった問題を解決し、短期間で売上につなげられるでしょう。
◉-5、二次活用しやすい
一度書籍を販売すれば、以下のように幅広い場面で二次活用できます。
- 過去に名刺交換した相手にDMで発送する
- セミナーの参加者にプレゼントする
- 商談時に手渡しして契約を検討する際の判断材料にしてもらう
- 採用候補者に配布して自社の考え方を知ってもらう
- 書籍のコンテンツをWebサイトやSNSで二次活用できる
とくにWebサイトやSNSで書籍のコンテンツを二次活用できるというのは、企業にとって大きなメリットです。書籍のコンテンツを「自社サイトの情報を充実させる」「SNSでの発信ネタを考案しやすくする」といった形で活かせます。
このように、手元に残る書籍だからこそ、多くの場面で何度も活用できる点が「紙」の魅力です。
◉BtoBビジネスでは「ブランディング出版」が効果的
このように、BtoBビジネスでは紙の書籍を出版することで、「信頼を獲得しスムーズに契約へつなげられる」「幅広い場面で二次活用できる」といった多くのメリットを実感できます。
具体的な書籍の出版方法としては、以下が挙げられます。
出版方法 | 概要 |
商業出版 | 書籍の売上自体で大きな利益を出すことを目的に出版する |
自費出版 | 著者の経験や考えをまとめ、自分史のような形で「趣味の集大成」として出版する |
ブランディング出版 | 書籍販売の先に定めた「自社の目的」を達成するために出版する |
このようにいくつか種類はありますが、BtoBビジネスでは「ブランディング出版」の活用がおすすめです。
まず商業出版は、書籍自体で売上を出すことが目的です。そのため、コンテンツを作る際に、自社の主張や知見より「売れるための話題性はあるか?」などが優先されやすくなります。自社をアピールできるコンテンツを作れなければ、見込み顧客からの信頼を得ることは難しいでしょう。
自費出版の場合は、企画の設計やデザイン決め、原稿作成などのほとんどを著者自身で行います。さらに出版社によっては、出版後の流通自体を行ってくれないケースもあります。そのため、出版に関する専門的な知見がないと、成果を出すことは難しいでしょう。
▶︎自費出版については、関連記事【自費出版とは?メリットやデメリット、費用相場、成功事例などを解説】もあわせて参考にしてください。
ブランディング出版であれば、書籍販売の先にある「自社が達成したい目的」を踏まえてコンテンツを作成できます。例えば「購買意欲が高い見込み顧客からの問い合わせ数を増やしたい」といったイメージです。ターゲットを絞り特定の人物に刺さる書籍を制作することで、長期的に自社へ大きな売上をもたらしてくれるでしょう。
出版社によっては「どのターゲットに・どんな内容の書籍を・どのような戦略で届けるか?」まで入念に設計してくれます。書籍をターゲットの手元に届けるまで丁寧にサポートしてくれる出版社であれば、より自社の売上につなげやすくなるでしょう。
ブランディング出版(企業出版)の具体的なメリットや他の媒体との比較などについては、以下の記事で詳しく解説しています。
▶︎ブランディング出版(企業出版)については、関連記事【企業出版(ブックマーケティング)のメリットとは? 企業が考えるべき出版による効果】もあわせて参考にしてください。
◉BtoBビジネスでブランディング出版を行う際の注意点
BtoBビジネスでブランディング出版を行う際は、以下の点に注意しましょう。
- 出版しただけで自社サービスのCVにつながるわけではない
- 成果を出すには「時間・費用」両方へのリソース投下が必要となる
- 印税収入は副次的なものと考える
◉-1、出版しただけで自社サービスのCVにつながるわけではない
前提として、書籍を出版するだけで自社サービスの認知や購買といったCVにつながるわけではありません。ターゲットに満足してもらい、自社への信頼を生み出すコンテンツが充実していなければ、製品やサービスへの購買にはつながりにくいでしょう。
また、書籍を出版しても、書店側が「話題性が低い」「売れるジャンルではない」と判断すれば、店頭に並ばないこともあり得ます。
こうした背景もあるため、出版するだけで満足せず「書くべき情報は何か?」「どうすれば書店に並べてもらえるのか?」などを含め、ターゲットの手元に届くまでの戦略を設計することが必須です。
◉-2、成果を出すには「時間・費用」両方へのリソース投下が必要となる
ターゲットに満足してもらえる書籍を販売することで、自社の目的達成につながり、売上という大きなリターンを獲得できます。とくにBtoBビジネスは商材の単価が高いため、1件成約することの意義は大きいでしょう。
しかし、CVにつながる書籍を作るには、以下のように入念な準備が必要です。
- ターゲット設定
- ターゲットに刺さるデザインの作成
- 「読者の悩みや課題を解消すること」を踏まえた原稿作成
- プロモーション戦略の設計
- 内容の正確性のチェック
こうした多くの作業が必要なため、自社で「時間・費用」両方のリソースを確保することが必須です。
◉-3、印税収入は副次的なものと考える
ブランディング出版の目的は、あくまでも「自社のゴール(サービス購入や問い合わせなど)につなげること」です。「ベストセラーを作り書籍自体で売上を立てること」は目的ではないため、印税は副次的なものとして扱いましょう。
もし書籍自体で売上を伸ばし、印税収入をメインにしたいのであれば、商業出版が適切です。ただし商業出版は、出版社から声をかけてもらうハードルが高いため、誰でも簡単に取り組めるわけではありません。企画の持ち込みも可能ですが、自分の影響力や話題性などを出版社にアピールできなければ、書籍販売まで漕ぎ着けるのは難しいでしょう。
◉書籍を自社サービスへつなげるために!BtoB企業がブランディング出版を成功させるポイント
BtoB企業がブランディング出版を成功させて、書籍を自社サービスへつなげるには、以下のポイントを押さえましょう。
- 出版の目的を明確に設定する
- 出版以外のマーケティング戦略と絡める
- 「出版するだけ」に留まらないサポートを提供している出版社を選ぶ
◉-1、出版の目的を明確に設定する
ブランディング出版では、自社の目的を達成するために書籍を販売します。具体的には以下のイメージです。
- 受注確度が高い顧客からの問い合わせ数を増加させたい
- 問い合わせからの成約率を高めたい
- 採用活動で利用して自社の理念を社員に浸透させたい
上記のような出版の目的を定めて、「どんなターゲットを設定すべきか?」「具体的に何を書けば自社を信頼してもらえるか?」といった方向性を入念に設計しましょう。
◉-2、出版以外のマーケティング戦略と絡める
ターゲットへ書籍を届けるには、漠然と出版するのではなく、以下のように他のマーケティング戦略と連携させることが重要です。
- SNS広告を配信しターゲットとの接点を作ってから販売する
- クラウドファンディングを活用して話題性を高める
- 新聞広告で多くの人にリーチさせる
こうした他の戦略と組み合わせることで、より自社のターゲットに書籍を届けやすくなります。
◉-3、「出版するだけ」に留まらないサポートを提供している出版社を選ぶ
ブランディング出版を行う際は、基本的に出版社からサポートしてもらうことになります。出版社を選ぶ際は、「出版だけに留まらず幅広いサポートを提供しているか?」という点を重視しましょう。
紙の書籍出版では「ターゲットに合わせたコンテンツを作る必要がある」「そもそも書店に置いてもらえるかわからない」といった事情があります。そのため、漠然と出版しただけでは書籍をターゲットに届けられず、将来的な自社の売上につながりにくいでしょう。
こうした課題を解消するには、以下のような手厚いサポート体制を設けている出版社を選ぶことが重要です。
- ターゲット設定に必要な情報を入念にヒアリングしてくれる
- 出版後の販売戦略まで一貫して設計してくれる
- 書籍を置いてもらえるよう書店と交渉してくれる
◉まとめ
この記事では、BtoBビジネスにおいて書籍出版が有効な理由やおすすめの「ブランディン出版」という手法、成功のポイントなどを解説しました。
ビジネス書が堅調に読まれ続けている現代、自社ビジネスの売上を伸ばすうえで「紙の書籍販売」は有効な手段です。Webよりも圧倒的に多くの情報を届けられるため、ターゲットからの信頼を醸成し、サービスの認知や購買といった自社の目的を達成できる可能性が高まります。
ブランディング出版を行う際は、サポートが手厚い出版社を選びましょう。ターゲット設定や販売方法など、読者の手元に届くまでの戦略を丁寧に設計してくれる出版社であれば、より目的を達成しやすくなります。
弊社フォーウェイでも、売上を伸ばしたいBtoB企業に向けてブランディング出版のサポートを行っています。ターゲット設定からはじまり、Web広告を絡めた販売戦略の設計や書店へ並べるための営業など、読者へ書籍を届けるために必要なサポートが揃っています。
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