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2025.10.15
Branding
インナーブランディングとは?施策や進め方、成功事例を紹介

企業が持続的に成長していくためには、商品やサービスの魅力を外部に発信する「アウターブランディング」だけでなく、社員一人ひとりの意識をそろえ、企業理念や価値観を浸透させる「インナーブランディング」も重要です。
実際、社員が自社に誇りを持ち、ブランド価値を理解して行動できるようになると、組織の一体感が高まり、顧客へのサービス品質向上や採用力の強化といった効果も期待できます。
しかし、「具体的にどのように進めればよいのか」「どんな施策が効果的なのか」と悩む企業担当者も少なくありません。
そこでこの記事では、インナーブランディングの基本や実際の施策、導入のステップなどを解説します。
目次【本記事の内容】
- 1.インナーブランディングとは?基本定義と目的
- 1-1.インナーブランディングの目的
- 1-2.アウターブランディングとの違い
- 2.インナーブランディングが企業経営に与える4つの効果
- 2-1.組織文化の強化につながる
- 2-2.人材の定着と採用力が高くなる
- 2-3.経営戦略を実行しやすくなる
- 2-4.業績や成果の向上につながる
- 3.【5ステップ】インナーブランディングの進め方
- 3-1.ステップ1.現状を把握して課題を整理する
- 3-2.ステップ2.ビジョンとブランドの方向性を明確にする
- 3-3.ステップ3.浸透させるための施策を設計する
- 3-4.ステップ4.実行しながら社員の参加を促す
- 3-5.ステップ5.成果を測定し改善につなげる
- 4.インナーブランディングの具体的な施策
- 4-1.研修やワークショップ
- 4-2.書籍出版
- 4-3.表彰制度
- 4-4.1on1ミーティング
- 4-5.社内ツールでの共有
- 5.書籍出版がインナーブランディングにおすすめな理由
- 5-1.企業理念が浸透しやすくなる
- 5-2.社員のモチベーションを上げられる
- 5-3.採用活動に活用できる
- 5-4.長期的に残る「資産」となる
- 6.書籍出版×インナーブランディングの成功事例
- 6-1.出版で確度の高い顧客だけでなく、モチベーションの高い社員の採用にも成功した事例
- 6-2.出版が社員のモチベーションを高めた事例
- 6-3.出版がインナーブランディングと採用成功を後押しした事例
- 7.【まとめ】書籍出版を活用してインナーブランディングを強化しよう
執筆者:仲山洋平(株式会社フォーウェイ代表取締役、クリエイティブディレクター)![]() 慶應義塾大学経済学部卒業。清水建設株式会社を経て、幻冬舎グループ入社。企業出版の編集者として金融、IT、不動産、企業創業記などを中心に200冊以上の書籍を担当。2020年2月、東京編集部責任者を最後に幻冬舎グループを退職し、出版プロデューサー・マーケティングアドバイザーとして創業。同年9月、株式会社フォーウェイとして法人化、代表取締役に就任。2021年11月には「日本の地域ビジネスを元気にする」というビジョンを掲げ出版社パノラボを設立。 |
インナーブランディングとは?基本定義と目的

インナーブランディングとは、自社の理念やビジョン、ブランドの価値を社員に浸透させ、日々の業務や意思決定に反映させる取り組みです。
ここでは、次の2点について解説します。
・インナーブランディングの目的 ・アウターブランディングとの違い |
それぞれ詳しく見ていきましょう。
◉-1、インナーブランディングの目的
インナーブランディングの主な目的は、社員が企業の方向性を理解し、自らの役割に誇りを持って働けるようにすることです。
また、経営理念やビジョン、価値観と現場の行動を一致させて、組織全体を同じ方向に進めることが狙いです。
社員が自社のブランドに誇りを持って働くことで、顧客対応においても自然にその価値観が表れて業績向上にもつながります。
◉-2、アウターブランディングとの違い
アウターブランディングが市場や顧客といった社外に向けた取り組みであるのに対し、インナーブランディングは社員に対してブランドを浸透させる活動を指します。
この2つは相反するものではなく、むしろ補完関係にあります。
社内での浸透が不十分なまま外部に発信しても、メッセージが形だけのものになりやすく、期待した効果は得られません。
一方で、社内に根付いた理念と社外への発信内容が一致することで、一貫したブランドイメージを築けます。
◉インナーブランディングが企業経営に与える4つの効果

インナーブランディングに取り組むことで、企業経営に以下のような効果があります。
・組織文化の強化につながる ・人材の定着と採用力が高くなる ・経営戦略を実行しやすくなる ・業績や成果の向上につながる |
4つの効果を見ていきましょう。
◉-1、組織文化の強化につながる
社員が共通の価値観や理念を理解し、行動に反映することで、企業独自の文化が強固になります。
組織文化が明確になると意思決定が速くなり、社内の一体感が高まるのです。
インナーブランディングを通じて組織文化や価値観を共有することが、企業の持続的成長につながります。
◉-2、人材の定着と採用力が高くなる
自社ブランドに誇りを持てる職場環境を整えることは、社員のモチベーションやエンゲージメントを高め、離職率の低下につながります。
「自分の仕事がその一部を担っている」と実感できれば、会社への帰属意識が高まるからです。
また、インナーブランディングが確立されている企業は、外部からも魅力的に映ります。
応募者は企業の理念に共感して入社を希望するため、採用活動においてもミスマッチが減り、優秀な人材を確保しやすくなります。
◉-3、経営戦略を実行しやすくなる
企業の経営方針や戦略を社員が理解し共感していると、現場の行動と経営の意図が一致しやすくなります。
その結果、経営戦略の実行スピードや精度が向上します。
◉-4、業績や成果の向上につながる
インナーブランディングを通じて、ブランドの理念が社内にしっかりと浸透すれば、顧客対応や業務に一貫性が生まれ、業績や成果の向上につながります。
こうした一貫性は顧客満足度を向上させ、リピーターの増加や新規顧客の獲得も期待できます。
結果として、売上や利益が向上し、企業価値が継続的に高まるという好循環を生み出せるでしょう。
◉【5ステップ】インナーブランディングの進め方

一般的に、インナーブランディングは次の5ステップで進めます。
・ステップ1.現状を把握して課題を整理する ・ステップ2.ビジョンとブランドの方向性を明確にする ・ステップ3.浸透させるための施策を設計する ・ステップ4.実行しながら社員の参加を促す ・ステップ5.成果を測定し改善につなげる |
順番に見ていきましょう。
◉-1、ステップ1.現状を把握して課題を整理する
まずは、自社の現状を客観的に見つめ直すことから始めます。
社員の満足度調査やインタビューを通じて、「会社の理念やビジョンを社員がどの程度理解し共感しているか」を把握します。
また、企業文化や組織風土における課題、部署間の連携状況、日々の業務における理念の浸透度合いなどの詳細な分析も必要です。
この段階で課題を明確にすることで、次に取るべき施策の方向性が定まってくるのです。
◉-2、ステップ2.ビジョンとブランドの方向性を明確にする
現状の課題が整理できたら、企業の目指すべき未来像、つまりビジョンとブランドの核となる価値観を改めて言語化します。
このとき、経営層だけでなく社員を巻き込んで議論する機会を設けることが重要で、より納得感のあるビジョンやブランドの価値観を創り上げることができます。
これらは抽象的なものではなく、「顧客にどのような価値を提供するのか」「社会に対してどのような存在でありたいのか」といった具体的な言葉で表現することが重要です。
◉-3、ステップ3.浸透させるための施策を設計する
次に、明確になったビジョンや価値観を社員に浸透させるための具体的な施策を設計します。
たとえば、経営理念を解説した書籍の制作、理念を体現する社員の表彰制度の導入、双方向のコミュニケーションを促す社内ツールの活用などがあります。
単発的なイベントではなく、日常の業務や評価制度に組み込むなど、継続的な効果が期待できる仕組みを考えることが成功のポイントです。
◉-4、ステップ4.実行しながら社員の参加を促す
ここでは、設計した施策を実際に実行に移します。
このとき、一方的な情報発信に終始するのではなく、社員が能動的に参加できる機会を増やすことが大切です。
たとえば、理念について語り合うワークショップの開催、社員が自社のブランドについてSNSで発信するキャンペーンなど、さまざまな社員を巻き込む企画を実行しましょう。
現場の小さな成功事例を共有することで、社員全員のモチベーションも高まり、自律的な行動が促されます。
◉-5、ステップ5.成果を測定し改善につなげる
施策の実行後は、その効果を定期的に測定して改善につなげます。
改めて社員満足度調査やエンゲージメント調査を行うと、理念の浸透度や社員の意識の変化を数値で把握することが可能です。
また、社員からのフィードバックを積極的に集め、「施策が期待通りの効果を生んでいるか」「改善すべき点はないか」を確認します。
このPDCAサイクルを回し続けることで、インナーブランディングの効果はより高まって行くのです。
◉インナーブランディングの具体的な施策

ここでは、インナーブランディングを成功させるための具体的な施策を5つ紹介します。
・研修やワークショップ ・書籍出版 ・表彰制度 ・1on1ミーティング ・社内ツールでの共有 |
それぞれ詳しく解説します。
◉-1、研修やワークショップ
研修やワークショップは、インナーブランディングの核となる施策です。
重要なのは、一方的に知識を伝える場にするのではなく、社員自身が企業理念を考え、意見を交わし合える「参加型の場」をつくることです。
たとえば、部門を越えてチームを編成し、「自社の理念を実現するためにできる改善案」を議論するワークショップを実施すれば、理念の理解が深まるだけでなく、部署間の連携強化や新たなアイデアの創出にもつながります。
このような体験型の学びは、社員同士の相互理解や信頼関係を深め、チーム全体の一体感を高める効果があります。
◉-2、書籍出版
書籍出版もインナーブランディングに有効な手段です。
企業の歴史や成功事例、商品開発の裏話、そして経営者の思いを本という形で残すことで、社員はいつでも立ち返って創業理念やビジョンを再認識できます。
書籍は、単なる情報共有を超えて社員が自社のブランドに誇りを持つきっかけとなるのです。
書籍を新入社員へ配布することで、会社の価値観をスムーズに伝えるツールにもなります。
また、社外への情報発信にも効果的で、インナーブランディングとアウターブランディングをつなぐ役割を果たします。
▶︎書籍出版のやり方については、関連記事【企業出版の効果とは?費用相場や成功のポイント、事例を徹底解説】もあわせて参考にしてください。

◉-3、表彰制度
表彰制度や社内イベントは、企業理念を具体的な行動として示し、それを称賛することで組織の規範を明確にする役割があります。
企業理念に沿った行動をした社員を表彰する仕組みを導入することで、他の社員も「どのような行動が評価されるのか」を理解しやすくなり、行動指針が社内に浸透しやすくなります。
また、普段関わることの少ない他部署のメンバーと交流する社内イベントによって、組織全体の結束力が高まるでしょう。
◉-4、1on1ミーティング
上司と部下が定期的に向き合う1on1ミーティングも、インナーブランディングを推進するうえで重要な場です。
対話を通じて、個人の目標が企業のビジョンとどのように結びついているかを確認し、キャリアプランを話し合うことで、社員は自分の仕事が組織全体に与える影響を実感できます。
◉-5、社内ツールでの共有
社内ツール(掲示板、イントラネット、アプリなど)を活用した情報共有は、インナーブランディングを日常の中に根付かせる有効な方法です。
経営層からのメッセージ、企業理念を体現した社員のエピソード、各部署の取り組み事例などを発信することで、社員は常に企業ビジョンに触れ、自分の行動を理念と結びつけて考えやすくなります。
理念が一部の社員だけでなく、組織全体に浸透します。
◉書籍出版がインナーブランディングにおすすめな理由

インナーブランディングの施策として書籍出版がおすすめな理由として、次の4つが挙げられます。
・企業理念が浸透しやすくなる ・社員のモチベーションを上げられる ・採用活動に活用できる ・長期的に残る「資産」となる |
具体的な理由を見ていきましょう。
◉-1、企業理念が浸透しやすくなる
書籍として会社の理念や歴史、未来へのビジョンをまとめることで、抽象的になりがちなメッセージを具体的で分かりやすい形にできます。
社員はいつでも手にとって読み返すことができ、経営者の想いを深く理解する機会が得られるのです。
理念を物語として語ることで、単なるスローガンではなく、共感できる価値観として社員の心に根付きます。
◉-2、社員のモチベーションを上げられる
自社が社会に向けて書籍を出版することは、社員にとって誇りとなります。
自分たちの会社が特定の分野で専門性や権威性を認められることは、働く社員にとって大きな自信につながるからです。
また、書籍に社員の成功事例やインタビューを掲載すれば、社員は自分の仕事が会社のビジョンに直結していることを実感でき、モチベーションをさらに高められます。
さらに、会社の近隣の書店に自社の書籍が並ぶことで、「自分の働いている会社の本が書店に置かれている」という実感を得られ、社員の誇りややる気が一層高まることもあるでしょう。
加えて、新人社員にとっても、入社前に会社の文化や価値観を理解するための指針になり、早い段階で組織への共感や帰属意識を育むきっかけになります。
◉-3、採用活動に活用できる
書籍は、企業の魅力を伝える採用ツールとしても優れています。
ウェブサイトやパンフレットでは伝わりにくい企業の理念・価値観・文化を体系的に示すことができ、求職者により深い理解を与えられるからです。
書籍を通して企業の「ありのままの姿」を伝えることで、価値観に共感した質の高い人材の獲得につながります。
さらに、入社後のミスマッチを防ぐ効果も期待できます。
◉-4、長期的に残る「資産」となる
デジタルコンテンツが消費されていく現代において、書籍は物理的な形として残り、世代を超えて受け継がれる「資産」となります。
一時的なキャンペーンでは得られない、持続的なインナーブランディング効果を生み出します。
また、社史や理念をまとめた書籍は周年記念や外部PRの場でも活用でき、長期的に価値が高いです。
◉書籍出版×インナーブランディングの成功事例

ここでは、書籍出版によってインナーブランディングに成功した事例を3つ紹介します。
・出版で確度の高い顧客だけでなく、モチベーションの高い社員の採用にも成功した事例 ・出版が社員のモチベーションを高めた事例 ・出版がインナーブランディングと採用成功を後押しした事例 |
それぞれ詳しく見ていきましょう。
◉-1、出版で確度の高い顧客だけでなく、モチベーションの高い社員の採用にも成功した事例
不動産投資会社の経営者は、自社の理念や事業への姿勢をまとめた書籍を出版しました。
経営者が書籍を通じて「顧客の長期的利益を第一に考える姿勢」を広く発信したことで、確度の高い顧客からの信頼を得ることに成功。
出版の効果はこれにとどまらず、理念に共感した読者が自ら入社を志望してくるという成果が生まれました。
結果として、顧客の信頼獲得と採用活動の成功につながっています。
◉-2、出版が社員のモチベーションを高めた事例
大手システムインテグレータは、最新の技術や社会の未来像をテーマにした書籍を出版しました。
自社の専門性や将来ビジョンが書籍として世に出ることで、社員一人ひとりが「自分たちは先端領域で社会に貢献している」という誇りを持つようになりました。
外部への情報発信が社内にも良い影響を与え、社員が主体的に学び成長しようとする姿勢が高まり、組織全体のモチベーション向上につながりました。
◉-3、出版がインナーブランディングと採用成功を後押しした事例
法人向けの保険代理店の経営者は、保険業界の現状と問題点を解説し、これからの保険代理店経営に必要な考え方をまとめた書籍を出版しました。
保険業界では「成果報酬型」の給与が当たりまえですが、その結果少数のスーパー営業マンに頼る構図になっていました。
そこで、書籍の中で「一律報酬型」によって社員全員が育つ仕組みを提案。
書籍で理念や方針を明確化したことで、社外からの信頼が高まると同時に、社員の意識も変化しました。
結果として、出版をきっかけに社員のモチベーションが向上し、人材の定着率が改善しています。
さらに、書籍を読んで応募した新しい人材の採用にもつながり、インナーブランディングと採用成功を同時に実現した好事例となりました。
▶︎保険代理店の詳しい事例については【【事例コラム】大口案件の集客、人材採用、大手企業からの講演依頼!出版ですごいことになった保険代理店】もあわせて参考にしてください。
◉【まとめ】書籍出版を活用してインナーブランディングを強化しよう
この記事では、企業の経営者や経営幹部に向けて、インナーブランディングの基本や実際の施策、導入のステップなどを解説しました。
インナーブランディングは、自社の理念やビジョン、ブランドの価値を社員に浸透させ、日々の業務や意思決定を効率化し、業績向上につなげる取り組みです。
さまざまな手法がありますが、なかでも書籍出版はインナーブランディングとアウターブランディングの両面に効果を発揮する施策として注目されています。
フォーウェイでは、書籍出版をマーケティングやブランディングに活用する「ブックマーケティングサービス」を提供しています。
自社の理念やビジョンを一冊にまとめ、社内外に発信することで、ブランド価値を高めてみませんか。

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